説明

医用画像表示装置、医用画像表示方法、及びプログラム

【課題】医用画像とダイアログをモニタ上に見やすく表示させる。
【解決手段】医用画像表示装置20は、表示部22のビューア画面G1に医用画像に関する各種情報のダイアログを表示し、記憶部25にデフォルトダイアログを特定するための識別情報を記憶する。操作部24は、ビューア画面G1に表示されたダイアログの表示形態を変更させる表示変更指示を入力し、制御部21は、この表示変更指示に対応するダイアログを第1の表示形態から第2の表示形態に変更してビューア画面G1に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像表示装置、医用画像表示方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、病院での医用画像の電子データ化がすすみ、医用画像の撮影から表示までの一連の処理を行うための医用画像システムが構築されている。この医用画像システムのサーバには、撮影装置(モダリティ)により得られた医用画像のデータが記憶されており、医師の操作指示に応じて、サーバから医用画像を取得し、PC(Personal Computer)のモニタに表示することが可能となっている。
【0003】
従来、読影の効率を上げるために、医用画像や診断情報をモニタに見やすく表示させる技術が種々考案されている。
【0004】
特許文献1には、医用画像表示装置を管理するサーバを備える医用画像システムにおいて、医用画像表示装置ごとに割り当てられた表示装置IDに応じてモニタの画面構成をサーバが決定し、医用画像を見やすく表示させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2008−229244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画面構成を工夫して医用画像を見やすく表示させても、この医用画像に関する診断情報のダイアログボックス(以下、単にダイアログという)を表示させた場合、医用画像が見づらくなることが多い。
【0006】
図8に、医用画像とダイアログを表示させた場合の表示画面の一例を示す。
ダイアログを医用画像に重畳させて表示させた場合、図8(a)に示すように医用画像がダイアログに隠れてしまう。複数のダイアログを同時に表示させた場合、ダイアログ同士が重なってしまいさらに見づらくなる。ダイアログによって隠れてしまった医用画像を見るためには、医師はマウス等の操作部による入力によってダイアログを消去させたり移動させたりしなければならない。
医用画像とダイアログを並べて表示させた場合、図8(b)に示すように医用画像とダイアログが共に小さくなってしまう。
マウスポインタをツールチップに合わせることによって一時的にダイアログを表示させた場合、図8(c)に示すようにマウスポインタがツールチップに合うたびにダイアログが表示されてしまう。つまり、必要がない時であっても誤操作によってダイアログが表示されてしまう可能性が高い。また、この場合に表示されるダイアログには文字情報等の簡単な内容の表示しかできないことも多く、マウスやキーボード等から各種情報を入力するためには、図8(a)のように医用画像に重畳させて大きなダイアログを表示させる必要がある。
【0007】
特許文献1に記載の技術では、医用画像表示装置のモニタ構成に応じて医用画像を見やすく表示させることはできるが、ダイアログの表示/非表示に応じて医用画像を見やすくすることはできず、ダイアログを表示させた際には医用画像が見づらくなってしまう。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてされたものであり、その目的とするところは、医用画像とダイアログをモニタ上に見やすく表示させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
医用画像及び当該医用画像に関する各種情報のダイアログを表示する表示手段と、
前記表示手段に表示すべきダイアログを特定するための識別情報を記憶する記憶手段と、
前記表示手段に表示されたダイアログの表示形態を変更させる表示変更指示を入力するための操作手段と、
前記記憶手段に記憶された識別情報によって特定されるダイアログを前記表示手段に第1の表示形態で表示させ、前記操作手段によって前記ダイアログの表示変更指示が入力された場合、当該ダイアログを第2の表示形態で前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記操作手段は、第2の表示形態で表示されたダイアログに対応する各種情報の入力をするためのアクティブ指示を入力するものであって、
前記制御手段は、前記操作手段によってアクティブ指示が入力された場合、前記表示手段に第2の表示形態で表示されたダイアログに対する前記操作手段からの操作入力を受け付ける。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記操作手段によってアクティブ指示が入力されない場合、前記表示手段に第2の表示形態で表示されたダイアログを第1の表示形態で表示させる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、
前記操作手段はマウスであって、
前記マウスから入力されるアクティブ指示は、前記表示手段に表示された第2の表示形態のダイアログをクリックすることである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記操作手段はマウスであって、
前記マウスから入力される表示変更指示は、前記表示手段に表示された第1の表示形態のダイアログにマウスポインタを合わせることである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、
前記第1の表示形態は前記表示手段に表示された医用画像の表示位置とは異なる位置に前記ダイアログを表示させる表示形態であり、前記第2の表示形態は前記表示手段に表示された医用画像に重畳させて前記第1の表示形態のダイアログよりも大きく表示させる表示形態である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、
医用画像及び当該医用画像に関する各種情報のダイアログを表示する表示手段と、前記表示手段に表示すべきダイアログを特定するための識別情報を記憶する記憶手段と、前記表示手段に表示されたダイアログの表示形態を変更させる表示変更指示を入力するための操作手段と、を備えたコンピュータの医用画像表示方法であって、
前記コンピュータによって、前記記憶手段に記憶された識別情報によって特定されるダイアログを前記表示手段に第1の表示形態で表示させ、前記操作手段によって前記ダイアログの表示変更指示が入力された場合、当該ダイアログを第2の表示形態で前記表示手段に表示させる工程を有する。
【0016】
請求項8に記載の発明は、
医用画像及び当該医用画像に関する各種情報のダイアログを表示する表示手段と、前記表示手段に表示すべきダイアログを特定するための識別情報を記憶する記憶手段と、前記表示手段に表示されたダイアログの表示形態を変更させる表示変更指示を入力するための操作手段と、を備えるコンピュータを、
前記記憶手段に記憶された識別情報によって特定されるダイアログを前記表示手段に第1の表示形態で表示させ、前記操作手段によって前記ダイアログの表示変更指示が入力された場合、当該ダイアログを第2の表示形態で前記表示手段に表示させる制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、医用画像とダイアログをモニタ上に見やすく表示させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に関わる医用画像表示装置を適用した医用画像管理システム1のシステム構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、医用画像管理システム1は、管理サーバ10、医用画像表示装置20、モダリティ30、DBサーバ40、フィルム出力装置50により構成されている。医用画像管理システム1の各構成装置はネットワークNを介して互いにデータ送受信可能に接続されている。ネットワークNは、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に従ったLAN(Local Area Network)である。
以下、医用画像管理システム1の各構成装置について説明する。
【0020】
管理サーバ10は、モダリティ30により生成された医用画像を患者情報と対応付けてDBサーバ40に記憶させたり、DBサーバ40に保存された各種処理データの管理を統括的に行うためのものである。管理サーバ10は、CPUやRAM等から構成され、一般的なPCよりも高性能なWS(Work Station)であることが望ましい。
【0021】
医用画像表示装置20は、医師による医用画像の読影時に用いられるものである。図2に、医用画像表示装置20の構成を示す。図2に示すように、医用画像表示装置20は、制御部21、表示部22、通信部23、操作部24、記憶部25、RAM26等を備えて構成されている。
【0022】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等を備えて構成され、記憶部25に記憶されている各種制御プログラムを読み出してRAM26に展開し、これら制御プログラムとの協働により各種演算を行うとともに医用画像表示装置20を構成する各部の集中制御を行う。
【0023】
表示部22は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタから構成される。表示部22は、医用画像やレポートデータ等の各種処理データをビューア画面G1に表示する。
【0024】
図3に、表示部22に表示されるビューア画面G1の一例を示す。ビューア画面G1とは、診断に用いる医用画像を表示し、医師が読影診断や患者に対するインフォームドコンセントを行う際に用いられるものである。
医師は、ビューア画面G1に表示させる医用画像の患者を指定するために、患者の一覧を含む患者情報リスト画面(図示せず)から診断すべき患者を操作部24より選択する。この患者を識別するための患者IDがDBサーバ40に対して送信される。DBサーバ40においては、受信した患者IDに対応する患者の医用画像が医用画像表示装置20に対して送信され、この医用画像を受信した医用画像表示装置20は表示部22にビューア画面G1を表示させる。以降では、ビューア画面G1に含まれる医用画像に対応する患者を診断対象患者という。
【0025】
図3に示すように、ビューア画面G1は、ビューア画面G1に表示すべき医用画像を指定等するためのメニュータグ100、各種ダイアログの表示を指示するためのダイアログボタン101、診断対象患者の医用画像を表示するための画像表示欄102等から構成される。
【0026】
ダイアログボタン101は、過去検査一覧ボタン103、過去検査ボタン104、レポートボタン105、リストボタン106から構成される。操作部24からの入力によりダイアログボタン101のいずれかが選択されると、選択されたボタンに対応するダイアログが表示部22に表示される。なお、ダイアログボタン101は表示部22に表示すべきダイアログに対応するボタンによって構成されればよく、本実施の形態の例に限られない。
【0027】
過去検査一覧ボタン103は、診断対象患者に対して行った過去の検査一覧のダイアログを表示させるためのものである。過去検査ボタン104は、診断対象患者に対して行った検査の詳細のダイアログを表示させるためのものである。レポートボタン105は、診断対象患者の診断レポートのダイアログを表示させるためのものである。リストボタン106は、DBサーバ50に格納されている患者の一覧(患者リスト)のダイアログを表示させるためのものである。
【0028】
過去検査一覧ボタン103が操作部24から選択された場合、過去検査一覧の要求と診断対象患者の患者IDとがDBサーバ40に対して送信される。DBサーバ40においては、受信した患者IDに対応する患者の過去の検査がメモリから読み出され医用画像表示装置20に対して送信される。
過去検査ボタン104又はレポートボタン105が操作部24から選択された場合も同様に、それぞれ過去検査又は診断レポートを要求する旨と診断対象患者の患者IDとがDBサーバ40に対して送信される。DBサーバ40においては、受信した患者IDに対応する患者の過去の検査又は診断レポートがメモリから読み出され医用画像表示装置20に対して送信される。
リストボタン106が操作部24から選択された場合は、患者リストを要求する旨がDBサーバ40に対して送信される。DBサーバ40においては、メモリに記憶されている患者の情報が読み出され医用画像表示装置20に対して送信される。
【0029】
図4に、リストボタン106が操作部24から選択された際に、表示部22に表示されるビューア画面G1の一例を示す。図4に示すように、画像表示欄102に重畳してDBサーバ40から取得された患者リストを含むダイアログD1が表示される。他のダイアログボタン101が操作部24から選択された場合も同様に、画像表示欄102に重畳してボタンに対応するダイアログD1が表示される。
【0030】
また、ビューア画面G1はパレット107を備える。パレット107はダイアログD1の表示形態を縮小化して表示させたもの(第1の表示形態)である。以降では、第1の表示形態で表示させているダイアログをパレットという。パレットに対する操作部24からの入力をすることはできない。パレット107は、後述するパレット表示処理によってダイアログD1として表示させることができる。
ビューア画面G1を表示部22に表示させた際に、パレットとして表示すべきダイアログを特定する識別情報は予め記憶部25に記憶されている。以降では、このパレットをデフォルトパレットという。
【0031】
通信部23は、通信用インターフェイスを備え、ネットワークN上の外部装置と通信を行う。例えば、管理サーバ10に医用画像等の処理データを要求する要求情報を送信し、DBサーバ40から対象となるデータを受信する。
【0032】
操作部24は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号又はマウスによる操作信号を、制御部21に出力する。
【0033】
記憶部25は、HDD(Hard Disc)や半導体の不揮発性メモリにより構成されており
、制御部21において実行される各種制御プログラム、口述するパレット表示処理のプログラム、これらのプログラムの実行に必要なパラメータ、データ等を記憶している。
【0034】
RAM26は、制御部21により実行制御される各種処理において、記憶部25から読み出された制御部21で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアとして機能する。
【0035】
モダリティ30は、患者を撮影して医用画像を生成する。モダリティ30としては、X線撮影装置、CT(Computed Tomography)撮影装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)撮影装置、超音波/内視鏡撮影装置等、様々なものが挙げられる。
モダリティ30によって撮影された医用画像は、DBサーバ40に対して送信される。なお、モダリティ30は医用画像に関する情報を付加する。医用画像に関する情報としては、例えば患者を識別する患者ID、患者の氏名、年齢等の患者情報や、検査日(撮影日)、モダリティ名、部位名、撮影条件等の画像詳細情報等が挙げられる。これらの情報はモダリティ30において撮影技師が入力するようにしてもよいし、図示しない外部装置から入力されるようにしてもよい。
【0036】
DBサーバ40は、大容量メモリを備えて構成され、患者の一覧データや、モダリティ30により撮影された患者及び検査の情報に対応付けられた医用画像、検査の一覧データ、医師の診断の内容が記載されたレポートデータ、患者情報等を記憶している。DBサーバ40は、管理サーバ10や画像表示装置20からの要求に従ってデータを要求元の各装置に対して出力する。
【0037】
フィルム出力装置50は、DBサーバ40から送信された医用画像に基づいて、透過型記録媒体(フィルム)にレーザ露光することによって潜像を記録し、熱現象処理により潜像を可視化する光熱銀塩方式のプリンタである。
【0038】
次に、本実施の形態における医用画像表示装置20の動作について説明する。
図5に、操作部24からビューア画面G1の表示指示が制御部21に対して入力された際に、制御部21によって実行されるパレット表示処理のフローチャートを示す。パレット表示処理は、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0039】
まず、記憶部25に記憶されたデフォルトパレットの識別情報が読み出される(ステップS1)。この識別情報によって特定されるダイアログに基づいて作成されたパレットを含むビューア画面G1が表示部22に表示される(ステップS2)。ステップS2において表示されるビューア画面G1は、図3に示すように、画像表示欄102に重畳させてダイアログは表示されずパレット107が表示されている。
【0040】
次いで、ダイアログボタン101が操作部22より選択されることによって、ダイアログの表示指示が入力されたか否かが判断される(ステップS3)。ダイアログの表示指示が入力されたと判断された場合(ステップS3;YES)、表示指示がされたダイアログが表示部22に表示される(ステップS4)。ステップS4においては、図4に示すように画像表示欄102に重畳してダイアログD1が表示される。
【0041】
ダイアログの表示指示が入力されたと判断されない場合(ステップS3;NO)、ダイアログのパレットへのセット指示が入力されたか否かが判断される(ステップS5)。ダイアログのパレットへのセット指示とは、表示部22に表示されたダイアログD1を第1の表示形態で表示させるためのものであり、図4に示すダイアログD1を操作部24のマウス等でパレット107へドラッグアンドドロップする等をいう。
【0042】
パレットへのセット指示が入力されたと判断された場合(ステップS5;YES)、セット指示がされたダイアログD1がパレット107にセットされて表示される(ステップS6)。このダイアログD1が表示部22から消去され(ステップS7)、記憶部25に記憶されたデフォルトパレットの設定が更新される(ステップS8)。ステップS8においては、ステップS6においてパレット107にセットされたダイアログD1がデフォルトパレットとして新たに追加されることにより更新される。
【0043】
図6に、ダイアログがパレットにセットされた際のビューア画面G1の一例を示す。図6に示す例は、図4に示すダイアログD1がパレット107にセットされた場合である。このダイアログD1が縮小化されてパレット107として表示されている。
【0044】
パレットへのセット指示が入力されたと判断されない場合(ステップS5;NO)、操作部24からパレットをダイアログ化する旨の表示変更指示が入力されたか否かが判断される(ステップS9)。パレットをダイアログ化する旨の指示とは、表示部22に表示されたパレット107のいずれかに対して操作部24のマウスの操作によってマウスポインタを合わせる等のことをいう。
操作部24からパレットをダイアログ化する旨の表示変更指示が入力されたと判断された場合(ステップS9;YES)、このパレットに対応するダイアログの表示形態が拡大されて(第2の表示形態)表示部22に表示される(ステップS10)。
【0045】
図7に、パレットがダイアログ化された場合に表示部22に表示されるビューア画面G1の一例を示す。マウスポインタが合わせられているパレット107が拡大され、画像表示欄102に重畳して第2の表示形態であるダイアログD1が表示部22に表示される。
【0046】
操作部24からダイアログ化されたパレットのアクティブ指示が入力されたか否かが判断される(ステップS11)。パレットのアクティブとは、第2の表示形態で表示されたダイアログをこのままの大きさで表示部22に表示させ、このダイアログに対する操作部24からの入力を受け付けることをいう。アクティブ指示とは、ダイアログ化されたパレットに対して操作部24のマウスでクリックする等をいう。
【0047】
操作部24からダイアログ化されたパレットのアクティブ指示が入力されたと判断された場合(ステップS11;YES)、この第2の表示形態のまま固定され、ダイアログD1に対する操作部24からの入力を受け付ける(ステップS12)。
一方、操作部24からダイアログ化されたパレットのアクティブ指示が入力されたと判断されない場合(ステップS11;NO)、ダイアログが第1の表示形態となり元の位置に戻る(ステップS13)。ステップS13においては、図7に示すビューア画面G1の状態から、図6に示すビューア画面G1に戻る。
【0048】
操作部24からパレットをダイアログ化する旨の表示変更指示が入力されたと判断されない場合(ステップS9;NO)、操作部24からビューア画面G1側のアクティブ指示が入力されたか否かが判断される(ステップS14)。ビューア画面G1側のアクティブ指示とは、表示部22に第2の表示形態で表示されているダイアログを第1の表示形態のパレットの状態に戻すための指示をいう。例えば、表示部22にダイアログが表示されている状態でダイアログの領域以外の領域を操作部24のマウスでクリックする等をいう。
【0049】
操作部24からビューア画面G1側のアクティブ指示が入力されたと判断された場合(ステップS14;YES)、表示部22に表示されたダイアログがパレットに戻る(ステップS15)。ステップS15においては、図7に示すビューア画面G1の状態から図6に示すビューア画面G1の状態に戻ることをいう。
【0050】
操作部24からビューア画面G1側のアクティブ指示が入力されたと判断されない場合(ステップS14;NO)、操作部24からビューア画面G1の終了指示が入力されたか否かが判断される(ステップS16)。
【0051】
操作部24からビューア画面G1の終了指示が入力されたと判断されない場合(ステップS16;NO)、処理はステップS3に戻り、ダイアログの表示指示があるか否かが判断される。
操作部24からビューア画面G1の終了指示が入力されたと判断されない場合(ステップS16;YES)、処理は終了する。
【0052】
以上のように、本実施の形態における医用画像表示装置20によれば、ビューア画面G1にデフォルトダイアログを第1の表示形態でパレット107として表示できる。通常のダイアログよりも小さなパレット107として表示させることにより、画像表示欄102に表示された医用画像に重ならないため医用画像が見やすくなる。パレット107は、ダイアログD1と同じ内容が含まれるため、医用画像の見やすさを損なうことなくパレット107によってダイアログD1に対応する各種情報を視認することができる。
【0053】
また、操作部22からパレット107の表示変更指示が入力されると、第2の表示形態のダイアログD1が表示されるので、医師は必要な時にのみダイアログを見やすく表示することができる。ダイアログには、診断対象患者の過去の検査一覧、この検査の詳細、診断対象患者の診断レポート、又は患者リストが含まれており、これら詳細な診療情報を含むダイアログであっても、必要な時にのみ視認及び操作入力することができる。
【0054】
また、操作部22からアクティブ指示を入力した際に、ダイアログD1の表示が固定されて入力を受け付けるようになるので、医師はダイアログを短時間だけ視認したい場合には、対応するパレット107に対して表示変更指示を行いアクティブ指示を入力しなければ、元のパレット107の大きさに戻るので、いちいちダイアログを閉じる操作が必要なくなり操作性が改善される。アクティブ指示を入力した際には、操作部24からの入力を受け付けるようになるので、必要な場面にのみダイアログD1を表示させて操作入力をすることができる。
【0055】
また、操作部22がマウスである場合、表示変更指示がパレット107にマウスポインタを合わせることであり、アクティブ指示がダイアログD1をクリックする等にすることができ、より簡単な操作で表示変更指示とアクティブ指示を入力することができる。
【0056】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な医用画像表示装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、表示変更指示やアクティブ指示は記憶部25に予め記憶された操作部24からの動作に基づいて指示が行われればよく、本実施の形態の例に限られない。例えば、表示変更指示が、パレット107を操作部24のマウスでダブルクリックすることであってもよい。
【0057】
また、第1の表示形態をパレット、第2の表示形態を通常の大きさのダイアログとして説明したが、第1の表示形態と第2の表示形態は予め記憶部25等に定められた表示形態であればよく、これに限られない。例えば、第1の表示形態が各ダイアログと対応するアイコンであり、第2の表示形態が表示部22のモニタに全画面表示されるダイアログ等であってもよい。
【0058】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0059】
その他、医用画像表示装置を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施の形態における医用画像管理システムの全体構成例を示す図である。
【図2】図1の医用画像表示装置の機能的構成を示す要部ブロック図である。
【図3】図1の表示部に表示されるビューア画面の一例を示す図である。
【図4】図1の表示部にダイアログが表示された場合のビューア画面の一例を示す図である。
【図5】図1の医用画像管理装置によって実行されるパレット表示処理のフローチャートを示す図である。
【図6】ダイアログがパレットにセットされた場合に図1の表示部に表示されるビューア画面の一例を示す図である。
【図7】表示変更指示が入力された場合に図1の表示部に表示されるビューア画面の一例を示す図である。
【図8】一般的なダイアログ表示の一例であり、(a)はダイアログを医用画像に重畳させて表示させた例であり、(b)はダイアログと医用画像を並べて表示させた例であり、(c)はツールチップを利用してダイアログを表示させた例である。
【符号の説明】
【0061】
1 医用画像管理システム
10 管理サーバ
20 医用画像表示装置
30 モダリティ
40 DBサーバ
50 フィルム出力装置
N ネットワーク
21 制御部
22 表示部
23 通信部
24 操作部
25 記憶部
26 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像及び当該医用画像に関する各種情報のダイアログを表示する表示手段と、
前記表示手段に表示すべきダイアログを特定するための識別情報を記憶する記憶手段と、
前記表示手段に表示されたダイアログの表示形態を変更させる表示変更指示を入力するための操作手段と、
前記記憶手段に記憶された識別情報によって特定されるダイアログを前記表示手段に第1の表示形態で表示させ、前記操作手段によって前記ダイアログの表示変更指示が入力された場合、当該ダイアログを第2の表示形態で前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える医用画像表示装置。
【請求項2】
前記操作手段は、第2の表示形態で表示されたダイアログに対応する各種情報の入力をするためのアクティブ指示を入力するものであって、
前記制御手段は、前記操作手段によってアクティブ指示が入力された場合、前記表示手段に第2の表示形態で表示されたダイアログに対する前記操作手段からの操作入力を受け付ける請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記操作手段によってアクティブ指示が入力されない場合、前記表示手段に第2の表示形態で表示されたダイアログを第1の表示形態で表示させる請求項2に記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記操作手段はマウスであって、
前記マウスから入力されるアクティブ指示は、前記表示手段に表示された第2の表示形態のダイアログをクリックすることである請求項2又は3に記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記操作手段はマウスであって、
前記マウスから入力される表示変更指示は、前記表示手段に表示された第1の表示形態のダイアログにマウスポインタを合わせることである請求項1〜3のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項6】
前記第1の表示形態は前記表示手段に表示された医用画像の表示位置とは異なる位置に前記ダイアログを表示させる表示形態であり、前記第2の表示形態は前記表示手段に表示された医用画像に重畳させて前記第1の表示形態のダイアログよりも大きく表示させる表示形態である請求項1〜5のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
【請求項7】
医用画像及び当該医用画像に関する各種情報のダイアログを表示する表示手段と、前記表示手段に表示すべきダイアログを特定するための識別情報を記憶する記憶手段と、前記表示手段に表示されたダイアログの表示形態を変更させる表示変更指示を入力するための操作手段と、を備えたコンピュータの医用画像表示方法であって、
前記コンピュータによって、前記記憶手段に記憶された識別情報によって特定されるダイアログを前記表示手段に第1の表示形態で表示させ、前記操作手段によって前記ダイアログの表示変更指示が入力された場合、当該ダイアログを第2の表示形態で前記表示手段に表示させる工程を有する医用画像表示方法。
【請求項8】
医用画像及び当該医用画像に関する各種情報のダイアログを表示する表示手段と、前記表示手段に表示すべきダイアログを特定するための識別情報を記憶する記憶手段と、前記表示手段に表示されたダイアログの表示形態を変更させる表示変更指示を入力するための操作手段と、を備えるコンピュータを、
前記記憶手段に記憶された識別情報によって特定されるダイアログを前記表示手段に第1の表示形態で表示させ、前記操作手段によって前記ダイアログの表示変更指示が入力された場合、当該ダイアログを第2の表示形態で前記表示手段に表示させる制御手段として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−142574(P2010−142574A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325930(P2008−325930)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】