説明

医用画像読影支援装置

【課題】画像読影の診断精度の向上の実現を可能とする医用画像読影支援装置の提供。
【解決手段】被検体に関するボリュームデータを記憶する記憶部11と、ボリュームデータから異常候補領域を抽出する画像処理部15と、抽出された異常候補領域について、複数種類の特徴量を算出する特徴量算出部16と、算出された複数種類の特徴量に基づいて総合判定結果を算出する総合判定値算出部17と、複数種類の特徴量及び総合判定結果を表示する画像表示部13と、具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像に描出された異常部位を解析する機能を有する医用画像読影支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ解析機能を持つ医用画像読影支援装置(以下CADと呼ぶ)が開発され、医師等が検査画像を読影する際に一部利用されるようになってきた。CADは、画像を解析し、異常部位の検出結果や異常の種類、悪性度判定の結果を医師に提示する。また、CADの判定の中間データである特徴量を提示する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0003】
医師等は、異常有無や悪性度に関し医師独自の判断を行い、それに基づき治療方針の検討を行う。その際、医師等がCADによる検出結果や判定結果を参照することにより、医師等の診断精度が向上したり、作業負荷が軽減したりする。しかし、CADの判定結果と医師の判定結果とが異なるとき、判断する医師にとって大きな問題が生じる。すなわち、判定結果の基となる特徴量の算出がどのように行われているか、その特徴量がどの程度判定結果に寄与しているかが示されないので、医師等は、どちらの判断を採用すべきか困窮してしまう。
【特許文献1】特開2004−222864号公報
【特許文献2】特開2006−430007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、画像読影の診断精度の向上を実現する医用画像読影支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の局面に係る医用画像読影支援装置は、被検体に関するボリュームデータを記憶する記憶部と、前記ボリュームデータから異常候補領域を抽出する異常候補領域抽出部と、前記抽出された異常候補領域について、複数種類の特徴量を算出する特徴量算出部と、前記算出された複数種類の特徴量に基づいて総合判定結果を算出する総合判定値算出部と、前記複数種類の特徴量及び前記総合判定結果を表示する画像表示部と、具備する。
【0006】
本発明の第2の局面に係る医用画像読影支援装置は、被検体に関するボリュームデータを記憶する記憶部と、前記ボリュームデータから異常候補領域を抽出する異常候補領域抽出部と、前記抽出された異常候補領域について複数種類の特徴量を算出する特徴量算出部と、前記複数種類の特徴量をあらかじめ与えられた悪性・良性判別条件式に適用させて、前記異常候補領域の悪性・良性を判別する悪性・良性判別部と、前記複数種類の特徴量に基づいて総合判定値を算出する総合判定値算出部と、前記悪性・良性判別部の判別結果に関与した前記特徴量を前記判別結果に関与しなかった前記特徴量と区別して表示し、前記総合判定値と前記複数種類の特徴量とを一覧で表示する画像表示部と、を具備する。
【0007】
本発明の第3の局面に係る医用画像読影支援装置は、被検体に関するボリュームデータを記憶する記憶部と、前記ボリュームデータから異常候補領域を抽出する異常候補領域抽出部と、前記抽出された異常候補領域について、複数種類の特徴量を算出する特徴量算出部と、前記複数種類の特徴量をあらかじめ与えられた悪性・良性判定図に適用させて総合判定値を算出する総合判定値算出部と、前記複数種類の特徴量の前記総合判定値に対する寄与を示す複数種類の指標値を、前記悪性・良性判定図に基づいて、前記特徴量ごとに算出する判定値算出部と、前記総合判定値と前記複数種類の指標値とを一覧で表示する画像表示部と、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像読影の診断精度の向上を実現する医用画像読影支援装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る医用画像読影支援装置を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る医用画像読影支援装置(以下、CADと呼ぶ)1の構成を示す図である。図1に示すように、CAD1は、制御部10を中枢として、記憶部11、操作部12、画像表示部13、画像処理部15、特徴量算出部16、及び総合判定値算出部17を有する。
【0011】
記憶部11は、X線コンピュータ断層撮影装置等で被検体をスキャンすることによって発生された被検体のボリュームデータを記憶する。操作部12は、マウス等のポインティングデバイスを備え、画像表示部13上に表示されるカーソルやポインターの座標を検出し、検出した座標を制御部10に出力する。また、操作部12は、CRT又はLCD等により構成される画像表示部13を覆うように設けられたタッチパネルを備えるものとしてもよく、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の座標読取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として制御部10に出力する。
【0012】
画像処理部15は、記憶部11に記憶されているボリュームデータを読み込み、既存の記述によりボリュームデータ中の異常候補領域を自動的に抽出する。また、画像処理部15は、後述する特徴量の確認用の断面の位置及び方向を、断面決定ルーチンによって算出し、算出された断面のMPR画像(以下、断面像と呼ぶ)を発生する。なお、本実施形態における異常候補領域とは、被検体内部の結節の候補部位を想定している。また、画像処理部5は、異常候補領域の識別がしやすいように断面像の異常候補領域に対して色情報を付す処理や、画像の回転、拡大縮小処理等の画像処理も行う。
【0013】
特徴量算出部16は、抽出された異常候補領域の特徴量を算出する。特徴量とは、結節候補部位が悪性か良性かを判断するための中間データとして算出される数値である。この特徴量の種類としては、例えば、異常候補領域内のCT値濃度、CT値濃度偏差、異常候補領域の形状的な特徴を表した真球度、扁平度、柱状度、異常候補領域内における空洞の特徴を表した空洞比率、空洞数、空洞内濃度、柱状空洞数、異常候補領域内における突起数、突起最大長さ、陥没数、陥没最大深さが挙げられる。これら全ての特徴量は、同じ断面で算出されるわけではなく、算出する特徴量に応じて用いる断面は異なる。ただし、特徴量によっては同じ断面で算出できるものもある。例えば、真球度、扁平度、及び柱状度の組み合わせや、空洞比率、空洞数、及び空洞内濃度の組み合わせ等である。特徴量算出部16は、算出した特徴量を0〜1の範囲に正規化する。
【0014】
総合判定値算出部17は、算出され正規化された特徴量に基づいて異常陰影候補領域が悪性か良性かを示す指標値である総合判定値を算出する。具体的には、総合判定値は、上述した複数種類の特徴量の重み付け加算や平均等により算出する。総合判定値は、0〜1の値を有する。総合判定値は、1に近い程悪性である可能性が高く、0に近い程良性である可能性が高い。
【0015】
画像表示部13は、特徴量やそれから算出された総合判定結果の値を選択・変更可能に、一覧で表示する。また、画像表示部13は、特徴量や総合判定値の一覧とともに、種々の断面像を表示する。また、必要に応じて、特徴量を算出するのに用いた断面像を表示するためのボタンを画面上に表示してもよい。断面像の表示指示がなされた場合、画像処理部15は、特徴量の算出根拠となる画像、例えば、特徴量算出に適した異常候補領域の断面の位置及び向きを求め、画像表示部13は、その断面の断面像を表示する。
【0016】
次に、制御部10の制御によるCAD1の動作について説明する。
【0017】
図2は、異常候補領域の抽出から特徴量と総合判定結果との一覧の表示までの処理の流れを示す図である。図2に示すように、まず制御部10は、画像処理部15に異常候補領域の抽出処理を行なわせる。異常候補領の域抽出処理において画像処理部5は、既存の技術によりボリュームデータから異常候補領域を抽出する(ステップS01)。
【0018】
異常候補領域が抽出されると制御部10は、特徴量算出部16に特徴量の算出処理を行なわせる。特徴量の算出処理において特徴量算出部16は、異常候補領域に各種の特徴量算出アルゴリズムを適用して各種の特徴量を算出する(ステップS02)。例えば、真球度、扁平度、柱状度、空洞比率、空洞数、空洞内濃度、CT値濃度偏差等の特徴量が算出される。尚、特徴量の確認に適した断面を決定する方法(断面決定ルーチン)を後述するが、この後述のような方法で求めた断面を利用して特徴量の算出を行うような特徴量算出アルゴリズムとしても良い。算出した特徴量の値は、特徴量算出部16によって0〜1の範囲に正規化(規格化)される(ステップS03)。
【0019】
全ての特徴量を算出し正規化し終えると、制御部10は、総合判定値算出部17に総合判定値の算出処理を行なわせる。総合判定値の算出処理において総合判定値算出部17は、算出した複数の特徴量(真球度、扁平度、柱状度、空洞比率、空洞数、空洞内濃度、CT値濃度、偏差等)の少なくとも一つに基づいて総合判定値を算出する(ステップS04)。総合判定値は、各種特徴量の重み付け加算値や平均値によって算出される。重みの値は、その異常の判断における重要度に基づいて予め求めて記憶しておく。
【0020】
総合判定値が算出されると制御部10は、画像表示部13に総合判定値と規格化された特徴量とを一覧で表示させる(ステップS05)。図3は、ステップS05で表示される画面の一例を示す図である。図3に示すように画面左側の領域20には、診断画像が表示され、画面右側の領域21には、一覧が表示される。診断画像20には、特徴量を算出した異常候補領域が含まれる。必要に応じて、診断画像20は、画像処理部15による拡大処理や異常候補領域に対しての色調の割付処理等を施しものでもよい。一覧21は、特徴量の名称が左の列に表示され、右の列に各特徴量の正規化された値が○で表示されている。これは、正規化の範囲である0〜1の範囲内で、各特徴量の値をプロットしたグラフとなっている。また、一番下の行には、総合判定値が示されている。この総合判定値も各特徴量と同様に、0〜1の値が○で示されている。利用者(医師等)は、一覧21の総合判定値を見て被検体の結節候補部位が悪性か良性か最終判断をする。この際、利用者(医師等)は、一覧21を参照することにより、総合判定値の算出に用いられた全ての値を一目瞭然に確認することができる。
【0021】
利用者(医師等)は、一覧を参照した時、本当にこの総合判定値を信頼してよいものか疑問に思うことがある。この場合、利用者(医師等)は、一覧に表示されている所望の特徴量を操作部12を介して画面上で選択することにより、その特徴量を確認するのに適した断面像を表示させることができる。特徴量を確認するのに適した断面像とは、例えば、選択した特徴量が最大又は最小となる断面に関する断面像である。
【0022】
以下、具体例を3つ挙げて、特徴量の確認用の断面決定ルーチンを説明する。1つ目は、真球度、扁平度、柱状度等の形状に関する特徴量を確認する際に表示される断面像の断面を決定するルーチン(断面決定ルーチンR1)である。2つ目は、空洞比率、空洞数、空洞内濃度等の空洞に関する特徴量を確認する際に表示される断面像の断面を決定するルーチン(断面決定ルーチンR2)である。3つ目は、CT値濃度偏差等の濃度の不均一度に関する特徴量を確認する際に表示される断面像の断面を決定するルーチン(断面決定ルーチンR3)である。
【0023】
以下、図4を参照しながら、断面決定ルーチンR1の処理過程を説明する。図4に示すように、まず、制御部10は、操作者が操作部12を介して画面に表示されている特徴量を選択するのを待機している(ステップSA1)特徴量の選択は、例えば、図3に示す特徴量の欄に表示されている特徴量名を操作部12によって選択することで行なわれる。図3の特徴量の項目に表示されている真球度、扁平度、柱状度等の形状に関する特徴量が操作部12を介して選択されると(ステップSA1:YES)、制御部10は、画像処理部15に断面決定ルーチンR1を行なわせる。断面決定ルーチンR1において画像処理部15は、ステップS01にて抽出された異常候補領域の各ボクセルの座標値(ベクトルXi)に基づいてベクトルXiの平均値(ベクトルA)を算出する(ステップSA2)。次に、画像処理部15は、ベクトルXiとベクトルAとに基づいて3×3の行列Rを算出する(ステップSA3)。ここで、行列Rは、次の式(1)の通りである。ただし、上付き文字Tは転置行列であることを示す記号である。
【数1】

【0024】
次に、画像処理部15は、行列Rを以下の式(2)のようにスペクトル分解し、固有値λiと固有ベクトルV1、V2、V3を算出する(ステップSA4)。
【数2】

【0025】
そして、画像処理部15は、異常候補領域の中心(又は重心)を通り、固有ベクトルV1と固有ベクトルV3とが張る断面を決定する(ステップSA5)。決定された断面は、表示断面に設定される。ここで決定された断面は、異常候補領域が最も扁平に見える断面とみなされる。以上で、断面決定ルーチンR1の説明を終了する。
【0026】
次に、図5と図6とを参照しながら断面決定ルーチンR2の処理を説明する。図5は、断面決定ルーチンR2の処理の流れを示す図であり、図6は、断面決定ルーチンR2の処理に関わる空洞領域と断面とを示す図である。図6に示すように、まず、制御部10は、操作者が操作部12を介して画面に表示されている特徴量を選択するのを待機している(ステップSB1)。図3に示す特徴量の項目に表示されている空洞比率、空洞数、空洞内濃度等の空洞に関する特徴量が操作部12を介して選択されると、制御部10は、画像処理部15に断面決定ルーチンR2を行なわせる。断面決定ルーチンR2において画像処理部15は、ステップS01にて抽出された異常候補領域内に存在する空洞の領域(図6の51)を抽出する(ステップSB2)。次に、画像処理部15は、抽出された空洞の領域(図6の51)の各ボクセルの座標値(ベクトルYi)に基づいてベクトルYiの平均値(ベクトルB)を算出する(ステップSB3)。次に、画像処理部15は、ベクトルYiとベクトルBとに基づいて3×3の行列Sを算出する(ステップSB4)。ここで、行列Sは、次の式(3)の通りである。ただし、上付き文字Tは転置行列であることを示す記号である。
【数3】

【0027】
画像処理部15は、行列Sを以下の式(4)のようにスペクトル分解し、固有値λiと固有ベクトルV1、V2、V3を算出する(ステップSB5)。
【数4】

【0028】
次に、画像処理部15は、ベクトルV1とベクトルV2とが張る断面に平行な複数の断面を、例えば1mm間隔で空洞の領域に設定し、それぞれの断面と空洞の領域とが交差する面(図6の52)の面積を個々に算出する(ステップSB6)。そして、画像処理部15は、複数の断面から、交差する面(図6の52)の面積が最大となる断面(図6の53)を決定する(ステップSB7)。決定される断面は、表示断面に設定される。上記の断面決定ルーチンR2の方法では、異常候補領域の様々な断面のうち、空洞の領域に交差する面の面積が最も大きい断面が選ばれる。従って、断面決定ルーチンR2で決定される断面に関する断面像は、ボクセル値の不均一性を観察するのに適している。以上で、断面決定ルーチンR2の処理過程の説明を終了とする。
【0029】
次に、図7を参照しながら、断面決定ルーチンR3の処理過程を説明する。図7に示すように、まず、制御部10は、操作者が操作部12を介して画面に表示されている特徴量を選択するのを待機している(ステップSC1)。図3に示す特徴量の項目に表示されているCT値濃度偏差等の濃度の不均一度に関する特徴量が選択されると制御部10は、画像処理15に断面決定ルーチンR3を行なわせる。
【0030】
断面決定ルーチンR3において、画像処理部15は、ステップS01にて抽出した異常候補領域を数ボクセル分縮小する(ステップSC2)。次に、画像処理部15は、予め設定された複数の3次元的な方向ベクトルがそれぞれ指す複数の方向で、縮小した異常候補領域をそれぞれ投影処理し、当該複数の投影方向に関する複数の最大値投影像と最小値投影像とをそれぞれ発生する(ステップSC3)。3次元な方向ベクトルは、例えば、予め300用意されている。この場合、300の最大値投影像と最小値投影像とが発生される。
【0031】
次に、画像処理部15は、発生した複数の最大値投影像と最小値投影像とのうち、同じ投影方向に属する最大値投影像と最小値投影像とを加算し、複数の加算画像を発生する(ステップSC4)。次に、画像処理部15は、発生された複数の加算画像の複数の分散をそれぞれ算出する(ステップSC5)。次に、画像処理部15は、算出した複数の分散のうち最大の分散を有する加算画像を決定する(ステップSC6)。次に画像処理部15は、縮小した異常候補領域に対して、決定された加算画像の断面に垂直な複数の断面を設定する(ステップSC7)。次に、画像処理部15は、設定された複数の断面の複数の分散をそれぞれ算出する(ステップSC8)。そして、画像処理部15は、算出した複数の分散のうち最大の分散を有する断面を決定する(ステップSC9)。決定された断面は、表示断面に設定される。上記の断面決定ルーチンR3の方法では、異常候補領域の様々な断面像のうちボクセル値の分散が最も大きな断面が選ばれる。従って、断面決定ルーチンR3で決定される断面に基づく断面像はボクセル値の不均一性を観察するのに適している。以上で、断面決定ルーチンR3の処理過程の説明を終了する。
【0032】
尚、表示する断面像は、例えば、平面リフォーマット画像のほか、決定された断面を中心とする1cm程度の厚みつき最大値投影像(Maximum Intensity Projection)、 厚みつき最小値投影像(Minimum Intensity Projection)、厚みつき平均値投影像(Average Projection)等があり、これらの中から表示する断面像に合わせて適宜選択可能である。
【0033】
なお、特徴量の選択方法は、ステップSA1、SB1、SC1で説明したように、図3の特徴量の項目に表示されている特徴量名を直接選択するとした。しかしながらこれに限定する必要はなく、例えば、図8に示すようなボタンによって選択するとしてもよい。図8は、関連する特徴量をまとめて選択できるようにした画面の一例を示す図である。図8に示すように、画面左側の領域20には診断画像が表示される。画面右側の領域22には、一覧と各特徴量を算出するのに用いた断面像を表示するための複数のボタン(221〜228)とが表示される。この断面像を表示するためのボタンを断面表示ボタンと呼ぶことにする。断面表示ボタン221は、CT値濃度を算出するための断面像を表示するためのボタンである。同様に、断面表示ボタン222はCT値濃度偏差を表示するためのボタン、断面表示ボタン223は真球度と扁平度と柱状度とを算出するための断面像を表示するためのボタン、断面表示ボタン224は空洞比率と空洞数と空洞内濃度とを算出するための断面像を表示するためのボタン、断面表示ボタン225は柱状空洞数とを算出するための断面像を表示するためのボタン、断面表示ボタン226は突起数を算出するための断面像を表示するためのボタン、断面表示ボタン227は突起最大長さを算出するための断面像を表示するためのボタン、断面表示ボタン228は陥没数を算出するための断面像を表示するためのボタン、断面表示ボタン229は陥没最大深さを算出するための断面像を表示するためのボタンである。この様に、断面表示ボタンを表示することで、関連ある特徴量を明示する効果もある。
【0034】
利用者(医師等)は、一覧を参照した時、本当にこの特徴量や総合判定値を信頼してよいものか疑問に思うことがある。この場合、利用者(医師等)は、一覧に表示されている所望の特徴量や総合判定値を操作部12を介して変更することができる。以下、図9を参照しながら、ステップS05の後の処理に関し、一覧形式で表示された特徴量や総合判定値を算出し直し、その算出結果を表示するまでの処理を説明する。なお、始めに画像表示部13が表示する画面は、図3や図8のような、診断画像と、特徴量及び総合判定値の一覧とを表示した画面とする。
【0035】
まず、制御部10は、利用者(医師等)により操作部12を介して、一覧に表示されている特徴量が選択させるのを待機する(ステップS11)。ここでは、説明のため扁平度を選択したとする。なお、図8で示した、断面表示ボタンが表示されている場合は、操作部12を介して、所望の断面表示ボタンを選択する。
【0036】
特徴量が選択されると(ステップS11:YES)制御部10は、画像表示部13に、選択した特徴量に応じた、特徴量を確認するための断面像を特徴量と総合判定値との一覧とともに表示させる(ステップS12)。この特徴量を確認するための断面像は、前述した断面決定ルーチンR1、R2、及びR3の何れかによって決定された断面に関する断面像である。この断面像は、必要に応じて、画像処理部15により拡大処理や異常候補領域に対しての色調の割付処理等が施されて画像表示部13に表示されてもよい。
【0037】
図10は、ステップS12で表示される画面の一例を示す図である。画面左側の領域24には、選択した特徴量を算出するのに用いた断面像が表示される。ステップS11で扁平度が選択されたので、この断面像は、抽出された異常候補領域241が最も扁平に見える断面像である。画面右側の領域25には一覧が表示される。この一覧25は、ステップS11で選択された特徴量に関連する全ての特徴量が、他の関連しない特徴量と区別して表示される。ステップS11で扁平度が選択されたので、扁平度と同様に形状に関する特徴量である真球度と柱状度とも他の特徴量と区別して表示される。
【0038】
図11は、ステップS11で表示される画面の図10とは異なる一例を示す図で、空洞に関する特徴量を算出するための断面像(空洞に関する断面像)を表示した画面を示す図である。図11に示すように、画面左側の領域30には空洞に関する断面像が、画面右側の領域31には一覧が表示される。空洞に関する断面像に描出される空洞の領域は、明示して表示される。そのため、抽出されなかった空洞の領域と抽出された空洞の領域とが一目瞭然に確認できる。一覧31には、空洞に関する断面像で算出される特徴量(空洞比率、空洞数、空洞内密度)が、他の特徴量と区別して表示される。
【0039】
次に、ステップS12において、断面像と一覧とが表示されると、利用者(医師等)は、画面を観察し、CADの判定が正しいかを判断する。判定が正しいと判断した場合、利用者(医師等)は終了ボタン26を選択する。終了ボタン26による読影終了の指示を受信すると(ステップS13:NO)、制御部10は、処理を終了する。
【0040】
判定が正しくないと判断した場合、利用者(医師等)は、操作部12を介して、画面の一覧に表示されている特徴量の値又は総合判定値の値を変更する。変更の仕方は、例えば、操作部12がマウスやタッチパネル等を備える場合、一覧に表示されている○を動かしてもよいし、操作部12がキーボードを備える場合は、特徴量の値を入力してもよい。図10の例では、異常候補領域であるにもかかわらず異常候補領域241として抽出されなかった領域242が存在する。そのため、利用者(医師等)は、異常候補領域の抽出に誤りがあるため、異常候補領域の特徴量の値又は総合判定値は正しくないと判断することができる。そこで、利用者(医師等)は、一覧25の特徴量の値又は総合判定値の値を変更する根拠を得たことになる。逆に、利用者(医師等)は、異常候補領域の抽出や特徴量、総合判定値の判定が正しいと判断すれば、読影終了となる。いずれの場合においても、利用者(医師等)は、CADの判定に確信を持って読影をすることができる。また、記憶部11は、変更内容のデータを記憶する。これにより、利用者(医師等)は、変更内容のデータを後で閲覧することが可能であり、この変更内容のデータは読影の質を上げるための有用な統計情報となる。
【0041】
ステップS13で特徴量が変更された場合(ステップS13:特徴量)、制御部10は、総合判定値算出部17に総合判定値の変更処理を行なわせる。総合判定値の変更処理において総合判定値算出部17は、特徴量の値の変更に応じて総合判定値を算出しなおす(ステップS14)。総合判定値が算出しなおされたら制御部10は、画像表示部13に、変更した特徴量と、変更されなかった特徴量と、算出し直した総合判定値とを表示させる(ステップS15)。
【0042】
図12は、ステップS15で表示される画面の一例を示す図である。画面右側の領域24にはステップS12で表示したのと同じ断面像が表示される。画面右側の領域27には、変更された特徴量と変更されなかった特徴量と総合判定値とが一覧で表示される。図12は、ステップS13で真球度の変更を行った場合であり、一覧27で示される真球度が更新されるとともに、総合判定値も更新される。変更前の特徴量又は総合判定値は○で示され、変更後の特徴量又は総合判定値とは□で示される。
【0043】
ステップS13で総合判定値が変更された場合(ステップS13)、制御部10は、画像表示部13に、変更した総合判定値を表示させる(ステップS16)。この場合も、ステップS15と同様に、変更前の総合判定値は○で、変更後の総合判定値は□で表示される。
【0044】
ステップS15又はステップS16に表示される画面を、利用者(医師等)が確認することで、読影は終了となる。
【0045】
かくして本実施形態によれば、画像読影の診断精度の向上を実現するCADを提供することが可能となる。
【0046】
(変形例1)
上記の実施形態において利用者(医師等)は、一覧に表示されている総合判定値が0.5以上の場合、異常候補領域を悪性、総合判定値が0.5以下の場合、異常候補領域を良性と判定する。しかしながら本実施形態に係る異常候補領域の悪性/良性の判定方法は、上記の例に留まらない。変形例1は、あらかじめ記憶部10に記憶されている悪性・良性判別条件式を複数の特徴量に適用して悪性か良性かを自動的に判定する方法である。なお以下の説明において、本実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0047】
図13は、本実施形態の変形例1におけるCAD1aの構成を示す図である。CAD1aは、制御部10を中枢として、記憶部11、操作部12、画像表示部13、画像処理部15、特徴量算出部16、総合判定値算出部17、及び悪性・良性判別部18とを有する。悪性・良性判定部18は、特徴量算出部16によって算出された複数の特徴量を悪性・良性の判別条件式に適用して、条件を満たした場合に悪性・良性の判別条件式に用いた特徴量のデータに悪性であることを示すデータ(以下、悪性データと呼ぶ)を付与する。この悪性・良性判別条件式を、デシジョンツリーと呼ぶことにする。デシジョンツリーは、医学知識に基づいて考案されたものであり、各特徴量と基準値との比較判別式が与えられている。画像表示部13は、総合判定値と前記複数の特徴量とを一覧で表示する。また、画像表示部13は、悪性・良性判別部18によって悪性データを付与された特徴量と悪性データを付与されなかった特徴量とを区別して表示する。
【0048】
図14は、デシジョンツリーの簡単な例を示す図である。図14に示されたデシジョンツリーを例に悪性データを付与する処理の一例を説明する。図14に示すように、まず、悪性・良性判別部18は、規格化された真球度が0.5(基準値)以上か否かを判別する。規格化された真球度が0.5(基準値)以上であると判別した場合、悪性・良性判別部18は、真球度という特徴量のデータに悪性データ(例えば、1など)を付与する。規格化された真球度が0.5(基準値)以下であると判別した場合、悪性・良性判別部18は、規格化されたCT値濃度が0.5(基準値)以上か否かを判別する。規格化されたCT値濃度が0.5(基準値)以上であると判別した場合、悪性・良性判別部18は、CT値濃度という特徴量に対して悪性データを付与する。規格化されたCT値濃度が0.5(基準値)以下であると判別した場合、悪性・良性判別部9は、規格化された陥没数についても同様に0.5(基準値)以上か以下かを判別する。規格化された陥没数が0.5(基準値)以上であると判別した場合、悪性・良性判別部18は、陥没数という特徴量のデータに悪性データを付与する。規格化された陥没数が0.5(基準値)以下と判別した場合、悪性・良性判別部18は、異常候補領域を良性であると判別し、デシジョンツリーを終了する。
【0049】
図15は、デシジョンツリーの結果を反映させた一覧の一例を示す図で、真球度の値が悪性という判断に関与している場合の図である。図15に示すように、画像表示部13は、真球度の項目に付与された悪性データに応じて、真球度の項目を他の特徴量の項目と区別して表示する。図15の例において、画像表示部13は、真球度の項目を△で、他の項目を○で表示する事で、真球度の項目を他の項目と区別している。区別の仕方は、他にもあり、例えば区別させたい項目の色を変更させたり、点滅させたりしてもよい。
【0050】
例えば、図14のデシジョンツリーの2番目の比較判別式(規格化CT値濃度が0.5以上か?)において悪性・良性判別部18がCT値濃度という特徴量に対して悪性データを付与した場合、悪性の判定に関与しているのはCT値濃度である。この場合、画像表示部13は、CT値濃度の項目を△で表示する。
【0051】
変形例1においても、利用者(医師等)が操作部12を介して所望の特徴量又は断面表示ボタンを選択することで、画像表示部13に所望の特徴量を算出するときに用いた断面像を表示させることも可能である。また、利用者(医師等)が操作部12を介して画像表示部13に一覧で表示された特徴量の値を変更することで、総合判定値算出部17が総合判定値の値を算出しなおすとともに、悪性・良性判定部18は、変更した特徴量を悪性・良性判別式に適用させてもよい。
【0052】
さらに、変形例1における悪性・良性判別部18による悪性・良性の判別は、デシジョンツリーではなく、既存の技術であるニューラルネットワークを用いて行なってもよい。
【0053】
かくして変形例1によれば、画像読影の診断精度の向上を実現するCADを提供することが可能となる。
【0054】
(変形例2)
本実施形態の変形例2では、悪性・良性判定図に複数の特徴量を適用させて総合判定値を算出する例を示す。なお以下の説明において、本実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0055】
図16は、本実施形態の変形例2におけるCAD1bの構成を示す図である。CAD1bは、制御部10を中枢として、記憶部11、操作部12、画像表示部13、画像処理部15、特徴量算出部16、総合判定値算出部17、悪性・良性判別部18、及び判定指標値算出部19とを有する。
【0056】
総合判定値算出部17は、記憶部11にあらかじめ記憶されている悪性・良性判定図に、複数の特徴量を適用させて、総合判定値を算出する。判定指標値算出部19は、複数の特徴量と悪性・良性判定図に基づいて、複数の特徴量それぞれの総合判定値への寄与を示す指標値(以下、判定指標値と呼ぶ)を特徴量ごとに算出する。画像表示部13は、総合判定値と複数の判定指標値とを一覧で表示する。
【0057】
図17は、悪性・良性判定図の一例を示す図である。悪性・良性判定図の横軸は規格化した特徴量1、縦軸は規格化した特徴量2である。また、図17には異常度の値が等高線で示されており、図17に左下が異常度a=0、図17の右上が異常度a=1であり、異常度a=0.5の線を境にして、良性範囲と悪性範囲とに分かれている。なお、この悪性・良性判定図は説明のため特徴量を2つ用いる図を示したが、これに限定する必要はなく、3つ以上でもよい。以下、特徴量を2つ用いる場合を例に挙げて変形例2の処理を説明する。
【0058】
総合判定値算出部17は、2つの特徴量を図17に示すような悪性・良性判定図に適用し、悪性・良性判定図上の2つの特徴量の交点位置を総合判定値として特定する。画像表示部13に特定された総合判定値と特徴量との値を示した一覧が表示された場合、利用者(医師等)は、特徴量の値を見ただけでは特徴量と総合判定値とがどのように関連しているのかを理解することはできない。そこで、判定指標値算出部19は、各特徴量が総合判定値にどのように寄与しているかを示す複数の判定指標値を算出する。そして、画像表示部13は、算出された複数の判定指標値と総合判定値とを一覧にして表示する。
【0059】
本実施形態の変形例2の説明においては、判定指標値は、正常示唆度、異常示唆度、最小異常度、及び最大異常度であるとする。これら4つの判定指標値は、1つの特徴量に対して1つずつ決定される。以下、4つの判定指標値(正常示唆度、異常示唆度、最小異常度、最大異常度)を説明する。
【0060】
今、2つの特徴量の交点a(p1、p2)が図17の×にあるとする。図17に示す×と交わる破線は特徴量2をp2に固定したときの特徴量1の取りうる値の範囲を示す。特徴量2が値p2をとる時の特徴量1がとりうる最小の総合判定値を最小異常度amin1p2、特徴量2が値p2をとる時の最大の総合判定値を最大異常度amax1p2と定義する。また、異常示唆度b(p1、p2)=a(p1、p2)−amin1p2、正常示唆度c(p1、p2)=amax1p2−a(p1、p2)と定義する。
【0061】
図18は、図17の破線位置での特徴量1の値と総合判定値aとのグラフを示した図である。このグラフは、正規化された特徴量1を横軸、総合判定値aを縦軸に規定している。図18に示すように、特徴量1の値が0のとき総合判定値aは、最小異常度amin1p2を有する。特徴量1の値が大きくなるにつれて総合判定値は上昇する。特徴量1の値が1のとき総合判定値aは、最大異常度amax1p2を有する。
【0062】
異常示唆度b(p1、p2)と正常示唆度c(p1、p2)とは、対応する特徴量がどの程度総合判定値に関与しているかを示す。すなわち、異常示唆度が大きい特徴量が変更されることにより、総合判定値aが正常の範囲に移動する可能性が高い。例えば、特徴量1は、最小異常度amin1p2が0.5未満なので、特徴量1の値を下げると総合判定値は正常の範囲に移動する可能性があることを示す。逆に最小異常度が0.5以上の特徴量の値をいくら下げても総合判定値が良性の範囲に移動することはない。
【0063】
図19は、総合判定値と複数の特徴量それぞれに対応する4つの判定指標値(正常示唆度、異常示唆度、最小異常度、最大異常度)との名称と値とを示した一覧を示す図である。特徴量の一覧に表示されている総合判定値の値と、最小異常度と最大異常度との一覧に表示されている総合判定値とは同じ値を示す。
【0064】
図20は、診断画像と判定指標値の一覧とを表示した画面の一例を示す図である。図20に示すように、画面右側の領域60には、診断画像が表示される。画面右側の領域61には、判定指標値の一覧が表示される。判定指標値の一覧が提示されたところで、利用者(医師等)が総合判定値の導出方法自体がおかしいと判断する場合がある。すなわち、特徴量の値は全て妥当であるが、明らかに総合判定値が妥当でないと利用者が考える場合である。その場合、利用者(医師等)は、操作部12を介して「正常例を登録」ボタン62又は「異常例を登録」ボタン63を選択することにより悪性・良性判定図における特徴量の組み合わせを変更することが可能である。
【0065】
なお、正常・異常の判定のほか、結節候補部位の良性・悪性の判定を行う場合、CADは、正常・異常の判定にかかわる数値とは別に、良性・悪性の判定にかかわる数値(最大悪性度、最小悪性度、悪性示唆度、良性示唆度)を算出し、表示するとよい。
【0066】
本実施形態の変形例2でも、利用者(医師等)が操作部12を介して所望の特徴量又は断面表示ボタンを選択することで、所望の特徴量を算出するときに用いた断面像を表示することも可能である。また、利用者(医師等)が操作部12を介して画像表示部13に一覧で表示された判定指標値の値を変更することで、総合判定値の値を算出しなおしことも可能である。
【0067】
また、ニューラルネットワーク等による推論を行う場合には、教示信号の集合に指定された特徴量の組み合わせを追加することにより、悪性・良性判定図の変更を実行することができる。
【0068】
かくして、変形例2によれば、画像読影の診断精度の向上を実現するCADを提供することが可能となる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施形態に係る医用画像読影支援装置(CAD)の構成を示す図。
【図2】本実施形態において、異常候補領域の抽出から特徴量と総合判定値との一覧を表示するまでの処理の流れを示す図。
【図3】図2のステップS05で表示される画面の一例を示す図。
【図4】本実施形態に係る断面決定ルーチンR1の処理を示す図。
【図5】本実施形態に係る断面決定ルーチンR2の処理を示す図。
【図6】本実施形態に係る断面決定ルーチンR2の処理に関わる空洞の領域と断面とを示す図。
【図7】本実施形態係る断面決定ルーチンR3の処理を示す図。
【図8】図2のステップS05で表示され、断面表示ボタンを表示した画面の一例を示す図。
【図9】図2のステップS05の後の処理に関し、一覧形式で表示された特徴量や総合判定値を算出し直し、その算出結果を表示するまでの処理の流れを示す図。
【図10】図9のステップS12で表示される画面の一例を示す図
【図11】図9のステップS12で表示される画面の図10とは異なる一例を示す図。
【図12】図9のステップS15で表示される画面の一例を示す図。
【図13】本実施形態の変形例1における医用画像読影支援装置(CAD)の構成を示す図。
【図14】変形例1に係るデシジョンツリーの非常に簡単な例を示す図。
【図15】図14のデシジョンツリーの結果を反映させた一覧の一例を示す図。
【図16】本実施形態の変形例2における医用画像読影支援装置(CAD)の構成を示す図。
【図17】変形例2に関わる悪性・良性判定図の一例を示す図。
【図18】図17の破線位置での特徴量1(PA)の値と総合判定値aとのグラフを示した図。
【図19】図16の画像表示部で表示する4つの判定指標値の一覧を示す図。
【図20】図16の画像表示部で表示する診断画像と判定指標値の一覧とを表示した画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0071】
1…医用画像読影支援装置(CAD)、10…制御部、11…記憶部、12…操作部、13…画像表示部、15…画像処理部、16…特徴量算出部、17…総合判定値算出部、18…悪性・良性判別部、19…判定指標値算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に関するボリュームデータを記憶する記憶部と、
前記ボリュームデータから異常候補領域を抽出する異常候補領域抽出部と、
前記抽出された異常候補領域について、複数種類の特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記算出された複数種類の特徴量に基づいて総合判定結果を算出する総合判定値算出部と、
前記複数種類の特徴量及び前記総合判定結果を表示する画像表示部と、
具備する医用画像読影支援装置。
【請求項2】
前記複数種類の特徴量の中から所望の1つを選択する特徴量選択部と、
前記選択された特徴量が最大又は最小となる前記異常候補領域の断面の位置及び方向を決定する断面位置・方向決定部と、
前記決定された断面の位置及び方向に基づいて断面画像を発生する断面画像発生部と、
をさらに具備し、
前記画像表示部は、前記発生された断面像を表示する、
請求項1記載の医用画像読影支援装置。
【請求項3】
前記画像表示部は、前記複数種類の特徴量を算出するのに用いた断面像を表示するためのボタンを選択可能に複数表示する、請求項1記載の医用画像読影支援装置。
【請求項4】
前記特徴量の値を変更する特徴量変更部をさらに具備し、
前記総合判定値算出部は、前記変更された特徴量に基づいて前記総合判定結果を算出し直し、
前記画像表示部は、前記変更した特徴量と前記算出し直した総合判定値とを表示する、請求項1記載の医用画像読影支援装置。
【請求項5】
前記画像表示部は、前記変更した特徴量を変更しなかった特徴量と区別して表示する、請求項4記載の医用画像読影支援装置。
【請求項6】
前記特徴量算出部は、前記複数種類の特徴量の値を一定範囲に正規化し、
前記画像表示部は、前記複数種類の特徴量に関する名称と正規化された値とを一覧で表示する、
請求項1記載の医用画像読影支援装置。
【請求項7】
前記画像表示部は、前記複数種類の特徴量に関する正規化された値を、前記一定範囲内でプロットしたグラフで表示する、請求項6記載の医用画像読影支援装置。
【請求項8】
被検体に関するボリュームデータを記憶する記憶部と、
前記ボリュームデータから異常候補領域を抽出する異常候補領域抽出部と、
前記抽出された異常候補領域について複数種類の特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記複数種類の特徴量をあらかじめ与えられた悪性・良性判別条件式に適用させて、前記異常候補領域の悪性・良性を判別する悪性・良性判別部と、
前記複数種類の特徴量に基づいて総合判定値を算出する総合判定値算出部と、
前記悪性・良性判別部の判別結果に関与した前記特徴量を前記判別結果に関与しなかった前記特徴量と区別して表示し、前記総合判定値と前記複数種類の特徴量とを一覧で表示する画像表示部と、
を具備する医用画像読影支援装置。
【請求項9】
前記悪性・良性判別条件式は、特徴量と所定の基準値とを比較する複数の比較判別式からなるデシジョンツリーである、請求項8記載の医用画像読影支援装置。
【請求項10】
被検体に関するボリュームデータを記憶する記憶部と、
前記ボリュームデータから異常候補領域を抽出する異常候補領域抽出部と、
前記抽出された異常候補領域について、複数種類の特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記複数種類の特徴量をあらかじめ与えられた悪性・良性判定図に適用させて総合判定値を算出する総合判定値算出部と、
前記複数種類の特徴量の前記総合判定値に対する寄与を示す複数種類の指標値を、前記悪性・良性判定図に基づいて、前記特徴量ごとに算出する判定値算出部と、
前記総合判定値と前記複数種類の指標値とを一覧で表示する画像表示部と、
を具備する医用画像読影支援装置。
【請求項11】
前記画像表示部は、前記複数種類の指標値の名称と値とを一覧で表示する、請求項10記載の医用画像読影支援装置。
【請求項12】
前記悪性・良性判定図は、少なくとも2種類の特徴量にて規定される前記総合判定値の等高線を示す図であり、
前記総合判定値算出部は、前記少なくとも2種類の特徴量の値の交点の位置における前記等高線の値を、前記総合判定値として特定する、
請求項10記載の医用画像読影支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−207541(P2009−207541A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50692(P2008−50692)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】