説明

医療用デバイス

【課題】ダイレータなどの先端面が平坦なデバイスであっても、先端の位置を正確に制御しながら腔壁に貫通させることができる。
【解決手段】体内に挿入されるガイドワイヤ2と、先端面に向かって漸次先細に形成された先端部3aを有し、ガイドワイヤ2が長手方向にかつ周方向に移動可能に挿入されるとともに、ガイドワイヤ2が出没可能な開口を先端面に有する筒状のダイレータ3とを備え、ガイドワイヤ2が、雄ネジ部2bを備え、ダイレータ3が、雄ネジ部2bに締結され開口と連通した雌ネジ部3bを備える医療用デバイスを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、心膜を穿孔して心膜腔内に電極を挿入する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、まず、ガイドワイヤを心膜に貫通させて心膜腔内に挿入し、次いでガイドワイヤに沿ってダイレータやカニューレ(以下、ダイレータ等という。)を前進させ、ガイドワイヤが貫通している心膜の穿孔を押し広げながらダイレータ等も心膜に貫通させることにより、ダイレータ等を心膜腔内に導入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5071428号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ダイレータ等は、細径のガイドワイヤと異なり、平坦な先端面を有する。したがって、特許文献1の場合、操作者は、ダイレータ等を押圧してその先端面によって柔らかく弾性を有する心膜を内側に押し伸ばすことにより、ダイレータ等を心膜に貫通させる。このときに、それまでダイレータ等に作用していた心膜からの抵抗力が急激に消失するので、操作者は、ダイレータ等に加えていた押圧力を瞬時に調節してダイレータ等の先端の位置を正確に制御することが難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ダイレータなどの先端面が平坦なデバイスであっても、先端の位置を正確に制御しながら腔壁に貫通させることができる医療用デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、体内に挿入されるガイドワイヤと、先端面に向かって漸次先細に形成された先端部を有し、前記ガイドワイヤが長手方向にかつ周方向に移動可能に挿入されるとともに、前記ガイドワイヤが出没可能な開口を前記先端面に有する筒状のダイレータとを備え、前記ガイドワイヤが、雄ネジ部を備え、前記ダイレータが、前記雄ネジ部に締結され前記開口と連通した雌ネジ部を備える医療用デバイスを提供する。
【0007】
本発明によれば、体外から、穿刺針によって腔壁に穿孔した孔を介して体腔内に挿入されたガイドワイヤに沿ってダイレータを走行させ、既にガイドワイヤが貫通している腔壁の穿孔にダイレータの先端部を貫通させることにより、穿孔を徐々に拡大させながらダイレータを体腔内に導入することができる。
この場合に、少なくとも腔壁の近傍にダイレータの先端面が到達した後、ガイドワイヤの雄ネジ部に沿って雌ネジ部が前方に案内されるようにダイレータを周方向に回転させることにより、ダイレータを前進させる。
【0008】
これにより、ダイレータの先端面の位置が基端側からの押圧力ではなくダイレータの回転角度によって制御される。すなわち、腔壁からの抵抗力によってダイレータの位置制御が影響されることなく、先端面の位置を正確に制御しながらダイレータを腔壁に貫通させることができる。また、ダイレータに他のデバイスを装着しておくことにより、他のデバイスが平坦な先端面を有していても、ダイレータとともに位置を正確に制御しながら腔壁内に導入することができる。
【0009】
上記発明においては、前記ダイレータを、該ダイレータの前記先端部をその先端面の開口から出没させてかつ基端側に移動可能に収納する筒状のシースを備えていてもよい。
このようにすることで、ダイレータの先端部を腔壁に貫通させた後、さらにダイレータを前進させることによりシースの先端側の一部を体腔内に導入し、次いでダイレータを基端側に向かって体外まで移動させことにより、体外から体腔内までの経路をシース内に確保することができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記シースが、先端に向かって漸次先細に形成されていてもよい。
このようにすることで、シースを腔壁の穿孔に貫通させるときに、穿孔を徐々に広げながら容易に貫通させることができる。
また、上記発明においては、前記雄ネジ部が、多角形の横断面形状を有していてもよい。
このようにすることで、雄ネジ部の外面の凹凸を比較的小さくすることができる。
【0011】
また、上記発明においては、前記雄ネジ部が、螺旋状に巻かれた線材により構成されていてもよい。
このようにすることで、雄ネジ部の外面の凹凸を比較的小さくすることができる。
また、上記発明においては、前記雄ネジ部は、複数の前記線材が並列して巻かれていてもよい。
このようにすることで、ダイレータを周方向に回転させたときの1回転当たりの長手方向の移動距離(ピッチ)を大きくし、ダイレータを効率的に進退させることができる。
【0012】
また、上記発明においては、前記体内に挿入された前記ガイドワイヤの基端側を所定の位置に保持する保持部を備えていてもよい。
このようにすることで、ダイレータを回転させたときにダイレータの前進または後退に対して抵抗力が生じる場合に、ダイレータではなくガイドワイヤが後退または前進してしまうことを防ぎ、ガイドワイヤに沿ってダイレータを確実に移動させることができる。
【0013】
また、上記発明においては、前記ダイレータ内において前記ガイドワイヤの側面を支持する支持部材を備えていてもよい。
このようにすることで、ガイドワイヤに長手方向の圧縮力が加わったときに、ガイドワイヤがダイレータ内において撓むことを防止することができる。特に、保持部を備える場合にはガイドワイヤに比較的大きな圧縮力が加わるので、支持部材を備えることが好ましい。
【0014】
また、上記発明においては、操作者により所定の運動をさせられる操作部と、前記操作部の前記所定の運動を前記ダイレータの周方向の回転に変換して前記ダイレータに伝達する運動伝達機構とを備えていてもよい。
このようにすることで、操作者は、体内に挿入されたダイレータを直接回転させなくても、操作部の所定の操作によりダイレータを簡便に回転させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ダイレータなどの先端面が平坦なデバイスであっても、先端の位置を正確に制御しながら腔壁に貫通させることができることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る医療用デバイスの全体構成図である。
【図2】途中位置で横方向に切断された雄ネジ部の斜視図である。
【図3】図1の医療用デバイスの先端部分を拡大した縦断面図である。
【図4】図3のIII−III断面図である。
【図5】運動伝達機構の構成を示す図である。
【図6】雄ネジ部と雌ネジ部の変形例を示す図である。
【図7】雄ネジ部と雌ネジ部のもう1つの変形例を示す図である。
【図8】雄ネジ部と雌ネジ部のもう1つの変形例を示す図である。
【図9】ハンドルと運動伝達機構の変形例を示す図である。
【図10】雄ネジ部と雌ネジ部の配置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施形態に係る医療用デバイス1について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る医療用デバイス1は、図1に示されるように、ガイドワイヤ2と、該ガイドワイヤ2が貫通して挿入されるダイレータ3と、該ダイレータ3の外側に装着されるシース4と、体内に挿入されたガイドワイヤ2を保持する保持部5と、操作者により回転させられるハンドル(操作部)6と、該ハンドル6の回転運動によりシース4を回転させる運動伝達機構7とを備えている。
【0018】
ガイドワイヤ2は、生体内の組織形状に沿って湾曲可能な可撓性を有しつつ、操作者による基端側の操作を先端側に伝達可能な剛性を有している。ガイドワイヤ2は、心膜(腔壁)を穿孔可能な尖鋭な先端を有する穿刺針(図示略)によって穿孔された孔を介して体内に挿入可能な径を有し、少なくとも先端側の一部に雄ネジ部2bを有している。雄ネジ部2bは、図2に示されるように、多角形(図示する例では正八角形)の横断面形状を有し、該横断面形状が中心回りにガイドワイヤ2の長手方向に沿って一方向に回転する螺旋状の外面形状を有している。
【0019】
また、ガイドワイヤ2は、ダイレータ3内において、ガイドワイヤ2よりも低い可撓性を有するチューブ(支持部材)8内に挿入され、側面がチューブ8の側壁によって支持されている。これにより、ガイドワイヤ2は、チューブ8によって十分に延伸した形状に矯正され、両端から圧縮する方向の外力が加わってもダイレータ3内で過剰に湾曲することが防止されるようになっている。
【0020】
ダイレータ3は、両端が開口した円筒状であり、先端部3aは先端面に向かって漸次先細に形成されている。これにより、ガイドワイヤ2により形成された比較的小さい穿孔であっても、先端部3aにより徐々に穿孔を拡張しながらダイレータ3を穿孔に貫通させることができる。
【0021】
先端部3aには、先端面に形成された開口と連通した雌ネジ部3bが長手方向に沿って形成されている。雌ネジ部3bは、雄ネジ部2bに締結可能な内面形状を有している。これにより、雄ネジ部2bを雌ネジ部3b内に嵌合させた状態でダイレータ3を周方向に回転させることにより、雄ネジ部2bの螺旋形状に従ってダイレータ3がガイドワイヤ2に沿ってネジ式に進退するようになっている。このときに、ダイレータ3は、雄ネジ部2bの横断面形状が360°異なる位置の間の長さ(ピッチ)に従って、1回転当たり所定の距離だけ前進または後退させられる。
【0022】
シース4は、両端が開口した円筒状であり、少なくとも先端部分が先端面に向かって漸次先細に形成されている。シース4は、その先端面の開口からダイレータ3の先端部3aを出没させてダイレータ3を収納している。
【0023】
ダイレータ3の途中位置には、図3に示されるように、シース4の先端面の内面に突き当てられる凸部3cが設けられている。これにより、操作者がダイレータ3を前進させたときにはシース4もいっしょに前進させ、ダイレータ3を後退させたときにはシース4をその場に留置したままダイレータ3のみを後退させることができる。また、図4に示されるように、シース4の先端面の内面には、凸部3cが嵌合させられる凹部4aが形成されている。これにより、操作者は、凸部3cを凹部4aに嵌合させた状態でシース4を周方向に回転させることにより、ダイレータ3も回転させることができるようになっている。
【0024】
保持部5は、患者の体表に載置されるベース板5aと、該ベース板5aから延びガイドワイヤ2の基端部分を把持するアーム5bとを備えている。ベース板5aは、シース4の外径よりも大きな径を有する図示しない穴を有し、該穴の略中央にガイドワイヤ2が配置されるようにベース板2を体表に載置してガイドワイヤ2の基端をアーム5bにより把持する。これにより、ガイドワイヤ2の位置が略一定に保持される。
【0025】
運動伝達機構7は、図5に示されるように、シース4の基端側の外面にその外周面を接触して配置され、ハンドル6と共通の回転軸7aを有する駆動ローラ7bを備えている。操作者は、ハンドル6を回転させて駆動ローラ7bを回転させることにより、シース4を駆動ローラ7bと反対方向に回転させることができる。このときに、シース4の周方向の各位置において均等に回転運動が伝達されるように、シース4の周方向に少なくとも1つ(図示する例では2つ)の従動ローラ7cが、その外周面をシース4の外面と接触させて配列されている。駆動ローラ7bおよび従動ローラ7cは、任意の位置に回転軸をもって保持されハンドル6の回転動作に対し安定的に回転力を伝達できる状態が確保されていることが好ましい。
【0026】
また、シース4の基端部分において、外形寸法が長手方向の位置によって異なる場合、各ローラ7b,7cの外周面とシース4の外面との接触状態が常に保たれるように、ローラ7b,7cをシース4の半径方向内方に付勢する付勢部材、例えば、3つのローラ7b,7cに掛け渡された環状のゴム7dが設けられる。このとき、環状のゴム7dは、ローラ7bの回転中心に配置された回転軸7aおよび従動ローラ7cの回転中心に配置された回転軸(図示略)に対し、シース4の半径方向内方に付勢力を作用させるように配置されていてもよい。
【0027】
次に、このように構成された本実施形態に係る医療用デバイス1の作用について説明する。
本実施形態に係る医療用デバイス1を用いてシース4を心膜腔内まで導入するには、例えば、剣状突起下から体内に挿入した穿刺針(図示略)を心膜の外側まで走行させ、穿刺針の先端により心膜を穿孔し、該穿孔にガイドワイヤ2を貫通させることにより、ガイドワイヤ2の先端を、心膜腔内の任意の位置まで挿入する。次に、シース4を外側に装着したダイレータ3をガイドワイヤ2に沿って体内に挿入する。
【0028】
ダイレータ3の先端面が雄ネジ部2bの基端まで到達した後、雌ネジ部3bに雄ネジ部2bを嵌合させてハンドル6を回転させることにより、ダイレータ3を雄ネジ部2bの外面形状に従ってネジ式に前進させる。ダイレータ3は、ガイドワイヤ2が貫通している穿孔をその先端部3aによって徐々に拡張しながら穿孔に貫通する。さらにダイレータ3を前進させることにより、シース4が穿孔に貫通して心膜腔内に導入される。シース4の先端面を心膜腔内の所望の位置まで挿入した後、ガイドワイヤ2とともにダイレータ3を引き抜くことにより、体外から心膜腔内までの経路をシース4内に確保することができる。
【0029】
この場合に、本実施形態によれば、平坦な先端面を有するダイレータ3およびシース4は、穿孔に貫通させられる前に心膜を内側に押し伸ばした状態となり、ダイレータ3またはシース4には心膜からの抵抗力が加わる。ここで、従来の操作者による押圧操作でダイレータまたはシースを前進させる方法の場合、ダイレータまたはシースを、心膜からの抵抗力を上回る力で押圧する必要がある。したがって、ダイレータまたはシースが穿孔に貫通した直後、心膜からの抵抗力が瞬時に消失するのに合わせてダイレータまたはシースへ加えていた押圧力を調節することが難しく、ダイレータまたはシースを所望の位置よりも前方まで挿入し過ぎてしまうという問題がある。
【0030】
これに対し、本実施形態によれば、ダイレータ3およびシース4の位置操作は、操作者による基端側から押圧力ではなく、その回転角度によって制御される。したがって、ダイレータ3またはシース4の先端面が心膜から受ける抵抗力が急激に変化しても、操作者はその抵抗力の変化に影響されることなくダイレータ3またはシース4の位置を安定して正確に制御することができるという利点がある。
【0031】
また、ダイレータ3およびシース4を回転させて前進させようとしたときにこれら3,4に抵抗力が加わると、ダイレータ3およびシース4が前進せずに、雌ネジ部3b内をガイドワイヤ2が後退する可能性がある。そこで、ガイドワイヤ2の基端側を保持部5により保持してガイドワイヤ2の移動を制限することにより、ダイレータ3およびシース4をガイドワイヤ2に沿って確実に前進させることができるという利点がある。
【0032】
本実施形態においては、雄ネジ部2bが多角形の横断面形状を有することとしたが、この形状は一例であり、雄ネジ部2bの形状はこれに限定されるものではない。
雄ネジ部2bの螺旋形状の他の例を図6〜図8に示す。
【0033】
図6に示される雄ネジ部2bは、金属の細線などからなる芯材2cの外周面に、帯状の線材2dが螺旋状に巻き付けられることにより構成されている。この場合、雌ネジ部3bは、隣り合う線材2d間に形成された溝の形状に相補的な形状の突起3dを内周面に有し、突起3dが溝に沿って螺旋状に移動することによりダイレータ3が進退する。径が小さい線材3dを用いるときは、図7に示されるように、線材3dを複数条並列に束ねた状態で巻き付けてもよい。このようにすることで、ピッチを容易に大きくすることができる。
【0034】
図8に示される雄ネジ部2bは、芯材2cの外面に螺旋状の山部2eが形成されることにより構成されている。この場合の雌ネジ部3bは、山部2eの外面形状と相補的な形状の溝が内面に形成される。
このように、雄ネジ部2bを他の形状にしても、ガイドワイヤ2に沿ってネジ式にダイレータ3およびシース4を前進させることにより、これら3,4の位置操作が心膜からの抵抗力によって影響されることなく、ダイレータ3およびシース4を正確に位置制御しながら心膜に貫通させることができる。
【0035】
また、本実施形態においては、操作者により回転させられるハンドル6を回転させることにより駆動ローラ7bが回転させられることとしたが、操作部および運動伝達機構7の構成はこれに限定されるものではなく、操作者による操作部の運動がシース4に回転運動として伝達される構成であればよい。
【0036】
例えば、図9に示されるように、運動伝達機構7が、ラック7eと、該ラック7eに噛み合ったピニオン7fと、該ピニオン7fに噛み合い回転軸7aに連結されたギア7gとを備えていてもよい。この場合、操作者がハンドル6を押し引きしてラック7eを直線運動させることにより、この直線運動がピニオン7fによって回転運動に変換されてギア7gに伝達され、駆動ローラ7bが回転させられる。このようにしても、操作者は簡便な操作で体内に挿入されたシース4およびダイレータ3を回転させることができる。
【0037】
また、本実施形態においては、医療用デバイス1を用いて心膜腔内にシース4を導入する場合を例に挙げて説明したが、他の用途にも医療用デバイス1を用いることができる。 例えば、胃などの腔壁も心膜と同様に弾力性を有するため、腔壁にダイレータやシースを貫通させるときにはこれらの先端面により腔壁を押圧した状態となり、ダイレータやシースが腔壁を貫通した直後の位置制御が難しい。そこで、本実施形態に係る医療用デバイス1を用いることにより、ダイレータ3やシース4の位置を正確に制御しながらこれら3,4を腔壁に貫通させることができる。
【0038】
また、シース4を装着せずにダイレータ3のみを腔壁に貫通させてガイドワイヤ2により形成された穿孔を拡張し、使用するダイレータ3の外径を段階的に大きくしながら穿孔の拡張を繰り返することにより、例えば内視鏡等を挿入可能な大きさまで穿孔を拡張することもできる。
【0039】
また、本実施形態においては、雄ネジ部2bと雌ネジ部3bがそれぞれガイドワイヤ2とダイレータ3の先端部に設けられていることとしたが、雄ネジ部2bと雌ネジ部3bの配置はこれに限定されるものではない。例えば、図10に示されように、ガイドワイヤ2とダイレータ3の基端側に雄ネジ部2bと雌ネジ部3bがそれぞれ設けられていてもよい。このようにすることで、ガイドワイヤ2の先端部の外面に凹凸形状を設ける必要がなくなるので、ガイドワイヤ2の先端部の細径化を図り、ガイドワイヤ2をより低侵襲に体内に挿入することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 医療用デバイス
2 ガイドワイヤ
2b 雄ネジ部
2c 芯材
2d 線材
2e 山部
3 ダイレータ
3a 先端部
3b 雌ネジ部
3c 凸部
3d 突起
4 シース
4a 凹部
5 保持部
5a ベース板
5b アーム
6 ハンドル(操作部)
7 運動回転機構
7a 回転軸(運動回転機構)
7b 駆動ローラ(運動回転機構)
7c 従動ローラ
7d ゴム
7e ラック(運動回転機構)
7f ピニオン(運動回転機構)
7g ギア(運動回転機構)
8 チューブ(支持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内に挿入されるガイドワイヤと、
先端面に向かって漸次先細に形成された先端部を有し、前記ガイドワイヤが長手方向にかつ周方向に移動可能に挿入されるとともに、前記ガイドワイヤが出没可能な開口を前記先端面に有する筒状のダイレータとを備え、
前記ガイドワイヤが、雄ネジ部を備え、
前記ダイレータが、前記雄ネジ部に締結され前記開口と連通した雌ネジ部を備える医療用デバイス。
【請求項2】
前記ダイレータを、該ダイレータの前記先端部をその先端面の開口から出没させてかつ基端側に移動可能に収納する筒状のシースを備える請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項3】
前記シースが、先端に向かって漸次先細に形成されている請求項2に記載の医療用デバイス。
【請求項4】
前記雄ネジ部が、多角形の横断面形状を有する請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項5】
前記雄ネジ部が、螺旋状に巻かれた線材により構成されている請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項6】
前記雄ネジ部は、複数の前記線材が並列して巻かれている請求項5に記載の医療用デバイス。
【請求項7】
前記体内に挿入された前記ガイドワイヤの基端側を所定の位置に保持する保持部を備える請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項8】
前記ダイレータ内において前記ガイドワイヤの側面を支持する支持部材を備える請求項1または請求項7に記載の医療用デバイス。
【請求項9】
操作者により所定の運動をさせられる操作部と、
前記操作部の前記所定の運動を前記ダイレータの周方向の回転に変換して前記ダイレータに伝達する運動伝達機構とを備える請求項1に記載の医療用デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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