医療用具封止装置
【課題】
使用済みの医療用具、若しくは未使用の医療用具を自動で封止し、そして、自動で封止シートを切断する封止装置を提供しようとするものである。
【解決手段】
対向する封止シートの供給機構と、対向する封止シートの圧着機構と、圧着機構の挿入側に設けられた投入確認センサと、対向する封止シートの切断機構と、圧着機構の排出側に設けられた巻き込み防止センサを有し、対向する封止シートの圧着機構は対向する圧着ロールを有すると共に、圧着ロールは両端のシール部とその間の弾性圧縮部とを具備してなり、投入された医療用具を前記投入確認センサが検知することにより対向する封止シートの供給機構が自動的に作動し、圧着機構により圧着ロールが対向する封止シートを圧着して医療用具を封止し、圧着機構より排出された封止シートを自動的に切断機構により切断しうるようにしたことなどで解決した。
使用済みの医療用具、若しくは未使用の医療用具を自動で封止し、そして、自動で封止シートを切断する封止装置を提供しようとするものである。
【解決手段】
対向する封止シートの供給機構と、対向する封止シートの圧着機構と、圧着機構の挿入側に設けられた投入確認センサと、対向する封止シートの切断機構と、圧着機構の排出側に設けられた巻き込み防止センサを有し、対向する封止シートの圧着機構は対向する圧着ロールを有すると共に、圧着ロールは両端のシール部とその間の弾性圧縮部とを具備してなり、投入された医療用具を前記投入確認センサが検知することにより対向する封止シートの供給機構が自動的に作動し、圧着機構により圧着ロールが対向する封止シートを圧着して医療用具を封止し、圧着機構より排出された封止シートを自動的に切断機構により切断しうるようにしたことなどで解決した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未使用の注射器、輸液バッグ、点滴装置や、使用済みの注射器、点滴装置、使用済みおむつ、ストーマに接続されていたパウチ、医療廃棄物などの医療用具封止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、病院や老人保健施設などにおいて、看護士や職員が患者や老人の部屋をまわっておむつを交換している。そして、未使用のおむつやタオルを運んで患者や老人のおむつを交換し、使用済みのおむつやタオルを回収・廃棄するためのおむつ交換カートがあった(特許文献1参照)。
【0003】
図25に示すように、このおむつ交換カート(51)は、未使用の紙おむつや紙パット、布おむつやタオルを清潔品収容部(52)に収容し、またカート本体(53)の前面に設けられた開閉扉(54)を前方に回動し開いて架台(55)をスライドさせて引き出し、使用済みの紙おむつや布おむつの投入用のビニール袋(56)をフレーム(57)に装着しておく構造である。そして、このおむつ交換カートの使用時には病室等に搬送して未使用のおむつと交換し、蓋(58)を開けて使用済みのおむつやタオルをビニール袋(56)へと投入するものである。
【0004】
しかし、作業中に使用済みのおむつ等の廃棄物から周囲に臭いが漂い出すという問題があった。また、このような病院や老人保健施設以外に、家庭などにおいてもゴミ箱のポリ容器に収容した生ゴミ等の廃棄物から周囲に臭いが漂い出すという同様の問題があった。
【0005】
また、図26に示すように、この廃棄物の封止装置は、廃棄物(61)を投入口(62)に投入した後、蓋(63)を閉めると起動スイッチが作動し、圧着ロール(64)が回転して対応する封止シート(65)を圧着して廃棄物を封止する。そして、操作レバー(66)を手動で押し下げ封止シート(65)を切断するものであった(特許文献2参照)。
【0006】
しかし、この装置では、蓋を閉めなければ起動スイッチが作動せず、また封止シート(S)を切断するためにも手動で操作する必要があり、手に付着した病原菌が装置に付着する恐れがあり、また作業の効率が悪かった。また、この装置の切断機構では、封止シート(S)の端部から切断することができず、端部より切断することに比べて切断に要する時間が長く、切断刃がむき出しのため不安全であり、誤作動により液状物を含む廃棄物などを切断することがあったため、切断刃が錆びやすかった。また、使用済みの医療用具だけでなく、未使用の注射器や点滴装置などの医療器具について対応することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3069593号公報(図7)
【特許文献2】特許第4066000号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、周囲に臭い又は病原菌が漂い出さないように使用済みの医療用具を封止し、若しくは周囲の雑菌が付着しないように、又は、移送時や使用時に不特定多数の人が劇物や毒物を収容した容器に直接触れないように未使用の医療用具を自動で封止し、そして、自動で封止シートを切断することで、その切断が圧着された封止シートの端部から切断し、また切断刃が錆びにくいようにする廃棄物の封止装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため本発明では次のような技術的手段を講じている。
1.本発明の医療用具封止装置は、対向する封止シート(S)の供給機構(1)と、前記対向する封止シート(S)の圧着機構(2)と、前記圧着機構(2)の挿入側に設けられた投入確認センサ(5)と、前記対向する封止シート(S)の切断機構(3)と、前記圧着機構(2)の排出側に設けられた巻き込み防止センサ(7)を有し、前記対向する封止シート(S)の圧着機構(2)は対向する圧着ロール(21)を有すると共に、前記圧着ロール(21)は両端のシール部(21A)とその間の弾性圧縮部(21B)とを具備してなり、投入された医療用具(4)を前記投入確認センサ(5)が検知することにより対向する封止シート(S)の供給機構(1)が自動的に作動し、圧着機構(2)により圧着ロール(21)が対向する封止シート(S)を圧着して医療用具(4)を封止し、圧着機構(2)より排出された医療用具(4)を前記通過確認センサ(6)が検知することにより自動的に切断機構(3)により切断しうる医療用具封止装置である。
【0010】
このように構成すると、圧着機構の挿入側に投入確認センサが設けられているため、医療用具が投入されたことを検知し、圧着機構を自動で作動させ、封止シートを切断することができる。
【0011】
ここで前記封止シート(S)として、包被基材と前記包被基材に形成された接着層(粘着層)とを具備すると共に、前記包被基材と接着層(粘着層)とによりガスバリア性を有し、医療用具(4)を包被基材に包み込んで前記接着層(粘着層)により封止するようにしたものを用いることができる。
【0012】
前記包被基材として、プラスチック製フィルムやプラスチック製シートなど赤外線又は可視光を透過できる基材を用いることができる。包被基材と接着層とによるガスバリア性は、包被基材自体がガスバリア性を有するものとすることができ、接着層がガスバリア性を有するものとすることができ、包被基材と接着層との相乗作用によりガスバリア性を有するものとすることもできる。さらに前記接着層として、常温で少しべたついた手触りがする粘着層などを用いることができる。
【0013】
2.前記圧着機構(2)の排出側に設置された通過確認センサ(6)を有し、圧着機構(2)より排出された封止シート(S)を前記通過確認センサ(6)が検知することにより自動的に切断機構(3)により切断しうる上記の医療用具封止装置である。
【0014】
このように構成すると、圧着機構(2)の排出側に通過確認センサ(6)が設けられているため、医療用具が排出されたことを検知し、医療用具を避けるように封止シートのみの部分を切断機構により自動で切断することができる。
【0015】
3.前記圧着ロール(21)の回転数を検知する機構を有し、圧着機構(2)より排出された封止シート(S)を前記圧着ロール(21)の回転数に基づいて自動的に所定の長さで切断機構(3)により切断しうる上記の医療用具封止装置である。
【0016】
このように構成すると、医療用具(4)そのものを検知することなく、圧着ロール(21)が回転し始めてから所定の長さで封止シート(S)を的確に切断できる。そして、封止シート(S)の送り量を把握できるため、封止シート(S)の残量を表示装置に表示することもできる。
【0017】
4.前記巻き込み防止センサ(7)は、医療用具(4)を封止した封止シート(S)が圧着ロール(21)に巻き込まれたことを検知すると、圧着ロール(21)の作動を止める制御をする上記の医療用具封止装置である。
【0018】
このように構成すると、封止シート(S)そのもの又は封止シート(S)により封止された医療用具(4)が、対向する圧着ロール(21)の一方側に巻き込まれそうになった場合、巻き込み防止センサ(7)はこの医療用具(4)を検知し、圧着ロール(21)の回転を止める機構へ信号を発することにより、圧着ロール(21)の回転が止まりそれ以上巻き込まれることを防ぐことができる。
【0019】
5.前記封止シート(S)の切断機構(3)は、切断時の支えとなる対向する貼り合わせギア(31)と、切断刃(32)を具備し、前記対向する貼り合わせギア(31)が圧着された封止シート(S)を挟み込み、前記対向する貼り合わせギア(31)と連動する切断刃(32)が切断方向に移動することができる上記の医療用具封止装置である。
【0020】
このように構成すると、当該封止シート(S)が貼り合わせギア(31)に挟まれ張られた状態にあるため、切断刃(32)が圧着された封止シート(S)の端辺から確実に切断することができ、切断に要する時間を短縮することができる。
【0021】
6.前記圧着ロール(21)の両端のシール部(21A)の直径がその間の弾性圧縮部(21B)の直径より大きい上記の医療用具封止装置である。
【0022】
このように前記対向する封止シートの圧着機構は圧着ロールを有すると共に、前記圧着ロールは両端のシール部とその間の弾性圧縮部とを具備することとして構成すると、医療用具に介在して対向する封止シート相互間に噛み込んだ余分な空気(エア)は、対向する圧着ロールの弾性圧縮部によって押し出すことができ、さらに医療用具の種類によっては若干圧縮して過分な嵩張りを低減することができる。したがって、おむつなどの医療用具を新聞紙等で包んで投入した場合、これを若干圧縮して元の容積よりも嵩を低くすることができ、尚且つ封止シートは両端のシール部でシールされているので医療用具は外部にはみ出すことなく両端の密閉性も担保することができる。このように弾性圧縮部を設けることにより、医療用具を新聞紙等で比較的大雑把に包んで投入した場合も結果的に嵩を低く封止されることとなる。
【0023】
前記弾性圧縮部の材質として例えば、変形しても元の形状に復元するウレタン樹脂製やフッ素樹脂製の発泡体(独立ないし連続気泡とすることができる)又は弾性を有する高分子材料を用いることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
【0025】
装置には各種センサが取り付けられているので、周囲に臭い又は病原菌が使用済みの医療用具から漂い出さないように、若しくは、未使用の医療用具に周囲の雑菌が付着しないように、又は、移送時や使用時に不特定多数の人が劇物や毒物を収容した未使用や使用済みの容器に直接触れないように、使用前又は使用後の医療用具について、投入から切断まで自動で行う医療用具封止装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の医療用具封止装置の機構の動作を示す使用状態図である。
【図2】本発明の医療用具封止装置における第一実施形態の一部破断正面図である。
【図3】本発明の医療用具封止装置における第一実施形態の右側面図である。
【図4】本発明の医療用具封止装置における第一実施形態のA−A断面図である。
【図5】本発明の医療用具封止装置における第一実施形態のB−B断面図である。
【図6】本発明の医療用具封止装置の圧着ロール(片側)の斜視図である。
【図7】本発明の医療用具封止装置の封止シートの切断機構を説明する一部破断斜視図である。
【図8】本発明の医療用具封止装置の切断機構3の正面図である。
【図9】本発明の医療用具封止装置の切断機構3の平面図である。
【図10】本発明の医療用具封止装置の切断機構3の右側面図である。
【図11】本発明の医療用具封止装置の切断機構3の斜視図である。
【図12】本発明の医療用具封止装置の切断機構3の分解斜視図である。
【図13】本発明の医療用具封止装置の操作パネルである。
【図14】本発明の医療用具封止装置の全体斜視図である。
【図15】本発明の医療用具封止装置における第二実施形態の一部破断正面図である。
【図16】本発明の医療用具封止装置における第二実施形態の右側面である。
【図17】本発明の医療用具封止装置における第二実施形態のC−C断面図である。
【図18】本発明の医療用具封止装置における第二実施形態のD−D断面図である。
【図19】本発明の医療用具封止装置における第三実施形態の一部破断正面図である。
【図20】本発明の医療用具封止装置における第三実施形態の右側面である。
【図21】本発明の医療用具封止装置における第三実施形態のE−E断面図である。
【図22】本発明の医療用具封止装置における第四実施形態の一部破断正面図である。
【図23】本発明の医療用具封止装置における第四実施形態の右側面である。
【図24】本発明の医療用具封止装置における第四実施形態のF−F断面図である。
【図25】特許文献1のおむつ交換カートを説明する斜視図である。
【図26】特許文献2の廃棄物の封止装置を説明する斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
病院や老人保健施設などにおいて看護士や職員が患者や老人の部屋を回っておむつを交換しているが、未使用の紙おむつやタオルを運んで患者や老人のおむつを交換し、使用済みの紙おむつやタオルを回収・廃棄するためのおむつ交換カートに適用した。なお、医療機関から排出されるストーマに接続されていたパウチ、点滴装置、包袋、脱脂綿、ガーゼ、手袋、注射器、アンプルなど各種廃棄物などの使用済み医療用具を廃棄するために使用してもよく、また、使用前の前記医療用具や輸液バッグを保管するために使用してもよい。
【0028】
図1乃至図14に示すように、第一実施形態の医療用具封止装置は、円筒状に積層された封止シート(S)に挿通する回動軸が2本あり、その回動軸が回転することにより、封止シート(S)が対向するよう封止シート(S)を供給する供給機構(1)と、圧着ロール(21)の回転及び押圧力により前記対向する封止シート(S)を接着する圧着機構(2)と、圧着機構(2)の下方に位置しギアの連動により圧着機構(2)で接着された封止シート(S)を切り進めることができる切断刃を配設された切断機構(3)とを有する。
【0029】
そして、医療用具(4)を投入すると、上述した圧着機構(2)による接着、切断機構(3)による切断を自動的に行えるようにするために、前記圧着機構(2)の挿入側に設けられた投入確認センサ(5)と、前記圧着機構(2)の排出側に設置された通過確認センサ(6)とを有し、さらに封止された医療用具(4)の圧着機構(2)への巻き込みを防止するために、前記圧着機構(2)の排出側に設けられた巻き込み防止センサ(7)を有している。
【0030】
上記のセンサとして、機械センサ、磁気センサ、光電センサなど各種センサを使用することができる。第一実施形態では、赤外線を利用する光電センサ(キーエンス社製、商品名PZ−G61N)を用い、投光部と受光部が対向する位置に設けられ一対として利用した。いずれのセンサも投光部から発した赤外線を受光部で検知することができ、圧着機構(2)、切断機構(3)の作動及び停止のスイッチとして働く。このように赤外線を利用する光電センサを使用することにより、使用済みのおむつなど使用後の医療用具(4)を封止した後に視認しにくくするために、有色である透光性の封止シート(S)を使用してもその封止シート(S)に遮光されることなく、投光部から発せられた光を受光部で正しく検知することができる。
【0031】
すなわち、前記投入確認センサ(5)では、医療用具(4)が投入口(81)より投入されると、圧着ロール(21)上に置かれるため、投入確認センサの投光部から受光部へ発せられている赤外線が遮光され、医療用具(4)が投入口(81)より投入されたことを検知する。また、前記通過確認センサ(6)では、封止シート(S)により封止された医療用具(4)が圧着ロール(21)の回転により排出されると、通過確認センサ(6)の投光部から受光部へ発せられている赤外線が遮光され、医療用具(4)が圧着ロール(21)から排出されたことを検知する。さらに、前記巻き込み防止センサ(7)では、封止シート(S)により封止された医療用具(4)が圧着ロール(21)の回転により排出されたものの圧着ロール(21)の下方に進まず、圧着ロール(21)にまとわりつき巻き込み始めると、巻き込み防止センサ(7)の投光部から受光部へ発せられている赤外線が遮光され、封止された医療用具(4)が圧着ロール(21)に巻き込み始めたことを検知する。
【0032】
そして、前記投入確認センサ(5)が、投入された医療用具(4)を検知することにより、圧着機構(2)が作動し始める。また、前記通過確認センサ(6)が封止された医療用具(4)を検知することにより、切断機構(3)が作動し始める。そして、前記巻き込み防止センサ(7)が封止シート(S)又は封止された医療用具(4)を検出すると、圧着機構(2)の動作が停止する。なお、当該巻き込みセンサ(7)が封止された医療用具(4)等を検出すると、警告音や警告灯など外部に知らせる機構と連動するようにしてもよい。
【0033】
また、これらの投入確認センサ(5)、通過確認センサ(6)、巻き込み防止センサ(7)として、回帰反射型の光電センサを使用することができる。この回帰反射型の光電センサは、投光部と受光部を一体として有する装置と、その装置より発せられた光を反射する反射板をそれぞれ対向する位置に一対として使用される。この回帰反射型の光電センサを使用することにより、未使用の医療用具(4)を封止した後に視認し易くするために、無色である透光性の封止シート(S)を使用してもその封止シート(S)に遮蔽されることなく、投光部と受光部を一体として有する装置から発せられた光を反射板で反射しその装置で正しく検知することができる。具体的には、オムロン社製のE3X−DA−S、E32−R16、E39−R1などの光電センサを使用することができる。
【0034】
前記封止シート(S)として、包被基材と前記包被基材に形成された接着層(粘着層)とを具備すると共に、前記包被基材と接着層(粘着層)とによりガスバリア性を有し、医療用具(4)を包被基材に包み込んで前記接着層(粘着層)により封止するようにしたものを用いることができる。前記包被基材として、プラスチック製フィルムやプラスチック製シートなど各種センサに使用する赤外線、可視光線等を透過する基材を用いることが好ましい。包被基材と接着層とによるガスバリア性は、包被基材自体がガスバリア性を有するものとすることができ、接着層がガスバリア性を有するものとすることができ、包被基材と接着層との相乗作用によりガスバリア性を有するものとすることもできる。さらに前記接着層として、常温で少しべたついた手触りがする粘着層などを用いることができる。封止シート(S)(幅450mm×長さ100m)は、未延伸ポリプロピレン(CPP)製フィルムからなる包被基材(厚さ25μm)の片面にポリエステル系ポリウレタン樹脂(三洋化成社製、商品名サンプレンIB−129)からなる粘着層(厚さ5μm)を積層一体化したものであって、ロール状に巻回して巻き出すことができる。
【0035】
前記対向する封止シート(S)の圧着機構(2)は、圧着ロール(21)とその圧着ロール(21)を回転させるための駆動機構とを有する。図6に示すように、前記圧着ロール(21)は直径190mm(厚み55mm)の円柱状でウレタンスポンジから成る両端のシール部(21A)と、その間に直径170mm(厚み340mm)の円柱状でウレタンスポンジから成る弾性圧縮部(21B)とを、各中心軸に金属製の軸(22)を通すことにより構成されており、シール部(21A)の直径が弾性圧縮部(21B)の直径より大きい。
【0036】
ここで、シール部(21A)は、種々表面処理を施し得る金属、樹脂などの硬質な高分子材料、ブタジエンゴム、シリコンゴムなどの弾性力を有する高分子材料であってもよい。そして、弾性圧縮部(21B)はブタジエンゴム、シリコンゴムなどの弾性力を有する高分子材料であってもよい。これらのように構成すると、封止シート(S)の両端は圧着ロール(21)のシール部(21A)によって対向する封止シール(S)の端部同士が確実に封止されると共に、弾性圧縮部(21B)でも対向する封止シート(S)同士が接触することにより接着する。そして、弾性圧縮部(21B)を、弾性力を有する材料とすることによって医療用具(4)がこの部分に多少噛み込んだとしても変形してこれを許容することができ、弾性圧縮部(21B)を金属製とした場合のように装置を非常停止させなくてもよい。また、封止シート(S)は直径が弾性圧縮部(21B)より大きい両端のシール部(21A)でシールされるので、医療用具(4)は外部にはみ出すことなく両端の密閉性も担保することができる。さらには、弾性圧縮部(21B)を設置せずになくした構造とすると、医療用具(4)を断続的に複数個或いは長い長さにわたって供給しても運転することができる。
【0037】
また対向する圧着ロール(21)の前記駆動機構は、モータ(2M)によりギア(2G)を介して回転駆動するようにしている。そして、対向する圧着ロール(21)のうちシール部(21A)と弾性圧縮部(21B)とで封止シート(S)の接着層(粘着層)同士を強く押し付けて封止するようにしている。
【0038】
この医療用具封止装置は、おむつ交換カートに組み込んで病室間を自由に移動させることもできるようにしているので、前記モータ(2M)等はバッテリーで駆動し、交換して封止シート(S)により封止した使用済み紙おむつ等は下方の開口部(83)に溜めていくようにしている。なお、据え置き型としてAC・100V電源やAC・120V電源などで駆動するよう世界各国において適宜使用できるように電気回路を変更してもよい。
【0039】
前記封止シート(S)の切断機構(3)は、対向する貼り合わせギア(31)の上下二組(すなわち、貼り合わせギア(31)は4個)と、それらの貼り合わせギア(31)の上下に挟まれる位置に切断刃(32)を具備している。モータ(3M)よりギア(3G)を介して回動駆動する上下の貼り合わせギア(31)が、圧着ロール(21)より排出された封止シート(S)の端部を表裏面両側より挟み込み、封止シート(S)の中央部そしてもう一方の端部へと進行する。そして、貼り合わせギア(31)の進行に追従する切断刃(32)が、貼り合わせギア(31)で挟まれた封止シート(S)をその端部より切断し始め、封止シート(S)の中央部そしてもう一方の端部まで切断する。なお、貼り合わせギア(31)として、歯が回転軸に対して平行である平歯車を用いているが、作動音の低減又は封止シートの密封性の向上のため、歯が回転軸に対して傾斜しているはすば歯車を用いることもできる。
【0040】
これらのように構成すると、封止シート(S)が上下の貼り合わせギア(31)に挟まれた状態で、切断刃(32)により切断されるので、封止シート(S)の端辺から切断することができ、切断に要する時間を短縮することができる。また、切断刃(32)が上下の貼り合わせギア(31)に挟まれているので、刃が露出せず、装置内に手を入れても誤って裂傷を負う可能性を低減することができる。
【0041】
また、圧着機構(2)の排出側に通過確認センサ(6)が設けられているので、貼り合わせギア(31)が封止された医療用具(4)を挟み込む場合には、圧着ロール(21)を回動させ圧着された封止シート(S)のみの部位で切断できるようにしている。このように構成すると、封止された医療用具(4)と他の封止された医療用具(4)との間の圧着された封止シート(S)を切断することができるため、医療用具(4)が切断刃(32)に触れることによる切断刃(32)の錆びの発生を防ぐことができ、切断刃(32)の交換頻度を低減でき、交換する労力及び費用を低減することができる。そして、この切断機構(13)の作動について、使用者の意思に基づいて、医療用具(4)1個乃至数個ずつ又は任意のタイミングで切断できる作動モードを選択することができる。
【0042】
装置本体の側面に装置電源のオン/オフを切り替える電源スイッチ(図示しない)と、外部電源から充電するための充電プラグ接続部(図示しない)が設けられている。
【0043】
装置本体の上部カバーには、電力の浪費を防ぐためスタンバイ状態のオン/オフを切り替える入/切スイッチ(821)と、圧着ロール(21)を回動させ封止シート(S)を送るパックスイッチ(822)と、封止後の封止シート(S)を自動で切断するカットスイッチ(823)と、圧着ロール(21)及び切断機構(3)を緊急停止する非常停止スイッチ(824)と、装置に内蔵される充電池の電池残量を左右2個の表示部で表示する電池残量表示(825)と、装置が異常を検知したときに赤色に点滅するするアラーム表示(826)と、任意の自動モードを選択した場合に黄色に点灯又は点滅するオートモード表示(827)を有する操作パネル(82)が設けられている。なお、電池残量表示(825)において、左右2個の表示部が共に赤色点灯しているときは、十分な残量であることを示し、右の表示部のみが赤色点灯しているときは、充電が必要であることを示し、右の表示部のみが赤色点滅しているときは、すぐに充電が必要であることを示す。
【0044】
この医療用具の止装置は、通常モード、オートモード1、オートモード2、オートモード3の各種モードで次のように作動する。
【0045】
<通常モード>
電源スイッチをオン側に押し電源を入れ装置を作動できる状態にする。そして、蓋(8)を取り外し、投入口(81)から医療用具(4)(使用済み紙おむつ等)を横方向で投入してパックスイッチ(822)を押すと、パックスイッチ(822)が点灯から点滅に変わり、パックスイッチ(822)を押している間、封止シート(S)は圧着ロール(21)へ送られ、圧着ロール(21)は封止シート(S)を圧着し続ける。そして、カットスイッチ(823)を押すと、自動で封止した医療用具(4)と切断刃(32)が接触しない位置で圧着された封止シートを送り切断機構(3)が作動し、圧着された封止シート(S)を切断する。なお、使用しない状態が30分間続くとスタンバイ状態となり、入/切スイッチ(821)がゆっくりと点滅し他の表示は消灯する。そして、再度使用できる状態にするためには、入/切スイッチ(821)を押す。また、未使用時のスタンバイ状態になるまでの30分という時間は初期設定状態での時間あるが、使用者の意思に基づいて1分間隔で1〜60分の時間を設定することができる。なお、スタンバイ状態とは、電力消費を削減するため電源が切れている間の状態のことであるが、この状態では電源を切る直前の状態を保存して、次に電源を入れたときに電源を切る直前の状態から作動することができる機能を有する。
【0046】
<オートモード1>
オートモード1は、投入口(81)から医療用具(4)を投入しパックスイッチ(822)を押すと、自動で医療用具(4)を封止シート(S)により封止する動作のみを行うモードである。オートモード1に設定するには、入/切スイッチ(821)とパックスイッチ(822)を押しながら電源スイッチ(図示しない)をオン側に押し、少なくとも入/切スイッチ(821)とパックスイッチ(822)を3秒間押し続ける。そして、電池残量表示(825)の右の表示部が点滅して、スタンバイ状態になり、入/切スイッチ(821)を押すとスタンバイ状態が解除され、入/切スイッチ(821)が点灯し、装置を使用できる状態になる。そして、投入口(81)から医療用具(4)を投入し、パックスイッチ(822)を押すと、自動的に医療用具(4)は封止シート(S)で封止される。なお、連続して排出される封止した医療用具(4)を適切な個数で切り分けるために、任意のタイミングでカットスイッチ(823)を押すと、切断機構(3)で切断可能な位置まで圧着された封止シート(S)は自動的に排出されて切断される。
【0047】
<オートモード2>
オートモード2は、投入口(81)から医療用具(4)を投入すると、医療用具(4)を投入確認センサ(5)が検知し、自動で医療用具(4)を封止封止シート(S)により封止する動作のみを行うモードである。オートモード2に設定するには、入/切スイッチ(821)とカットスイッチ(823)を押しながら電源スイッチ(図示しない)をオン側に押し、少なくとも入/切スイッチ(821)とカットスイッチ(823)を3秒間押し続ける。そして、電池残量表示(825)の左の表示部が点滅して、スタンバイ状態になり、入/切スイッチ(821)を押すとスタンバイ状態が解除され、入/切スイッチ(821)が点灯し、装置を使用できる状態になる。そして、投入口(81)から医療用具(4)を投入すると、自動的に医療用具(4)は封止シート(S)で封止される。なお、連続して排出される封止した医療用具(4)を適切な個数で切り分けるために、任意のタイミングでカットスイッチ(823)を押すと、切断機構(3)で切断可能な位置まで圧着された封止シート(S)は自動的に排出されて切断される。
【0048】
<オートモード3>
オートモード3は、投入口(81)から医療用具(4)を投入すると、医療用具(4)を投入確認センサ(5)が検知し、自動で医療用具(4)を封止シート(S)により封止し、そして自動で圧着された封止シート(S)を切断するモードである。オートモード3に設定するには、入/切スイッチ(821)とパックスイッチ(822)とカットスイッチ(823)を押しながら電源スイッチ(図示しない)をオン側に押し、少なくとも入/切スイッチ(821)とパックスイッチ(822)とカットスイッチ(823)を3秒間押し続ける。そして、電池残量表示(825)の左右の表示部が点滅して、スタンバイ状態になり、入/切スイッチ(821)を押すとスタンバイ状態が解除され、入/切スイッチ(821)が点灯し、装置を使用できる状態になる。そして、投入口(81)から医療用具(4)を投入すると、自動的に医療用具(4)は封止シート(S)で封止され、封止した医療用具(4)は自動的に圧着ロール(21)より排出されて1個ずつ切断される。
【0049】
なお、オートモード1〜3を設定した後に、通常モードに戻すためには、非常停止スイッチ(824)を押しながら電源スイッチ(図示しない)を入れる。
【0050】
次に、第一実施形態の医療用具封止装置の使用状態を説明する。
【0051】
この医療用具封止装置では、対向する封止シート(S)相互間に医療用具(4)(使用済み紙おむつ等)を投入して圧着機構(2)により接着することができるので、医療用具(4)を封止シート(S)相互間に封入することができる。そして、投入確認センサ(5)、通過確認センサ(6)を具備しているので、カットスイッチ(823)を押すと又はオートモード3を設定することにより切断機構(3)により封止シート(S)を切断して、周囲に臭いが漂い出さない状態を自動的に行えるという利点がある。ここで、この医療用具封止装置を組み込んだおむつ交換カートは介護用として非常に好適であり、汚物を機械的に封止することができるので従来よりも極めて衛生的であり、また病原菌を封止シート(S)内に封入して密封して空気感染を防止することにより、院内感染の防止にも資することができるという利点がある。さらに、巻き込み防止センサ(7)を具備しているので、圧着ロール(21)に巻き込まれそうになっている封止シート(S)又は封止された医療用具(4)を検出すると、圧着機構(2)の動作が停止し、無駄の封止シート(S)の削減及び装置の不具合を低減することができるという利点がある。
【0052】
また、前記封止シート(S)の切断機構(3)は対向する貼り合わせギア(31)と、切断刃(32)を具備していることとしており、封止シート(S)を張った状態で切断刃(32)が封止シート(S)の端部から他の端部へ移動して円滑に切断を行うことができるという利点がある。さらに、切断刃(32)が貼り合わせギア(31)の上下に挟まれているので、装置内に手を入れても誤って裂傷を負う可能性を低減することができるという利点がある。
【0053】
また、封止シート(S)は直径が弾性圧縮部(21B)より大きい両端のシール部(21A)でシールされるので、医療用具(4)は外部にはみ出すことなく封止シート(S)の両端の密閉性も担保することができるという利点がある。
【0054】
そして、使用済み紙おむつは悪臭が発生して不快であるうえ不潔であるためその廃棄処理は介護者にとって多大な負担となっていたが、この装置によると使用済み紙おむつを手軽に衛生的に自動的に封止及び切断することができ、処理を楽にすることによって介護者の負担をさらに軽減することができるという大きな意義を有する。
【0055】
(第二実施形態)
図15〜図18に示すように、第一実施形態の医療用具封止装置の投入確認センサ(5)、通過確認センサ(6)、巻き込み防止センサ(7)を回帰反射型の光電センサとして、さらに、圧着ロール(21)の医療用具(4)を排出する側、及び切断機構(3)の上方であって、排出された封止シート(S)の幅方向に沿うように光を回帰させる膨らみ確認センサ(H)を、排出された封止シート(S)を挟む位置に10〜15mm間隔で2対配設されている。
【0056】
この膨らみ確認センサ(H)を設けることにより、通過確認センサ(6)に加え、膨らみ確認センサ(H)によっても、圧着ロール(21)の回転により封止シート(S)で封止された医療用具(4)を検知することができるので、封止シート(S)で封止された医療用具(4)を検知する精度を向上することができる。そして、この医療用具(4)の検知情報を切断機構(3)に送ることで、医療用具(4)が封止されていない接着された封止シール(S)の箇所で確実に切断できることができる。未使用の医療用具(4)を封止した後に視認し易くするために、無色である透光性の封止シート(S)を使用した場合、通過確認センサ(6)のみでは、封止シート(S)で光が乱反射されるなどの理由で、医療用具(4)を封止していない封止シート(S)であっても、医療用具(4)が封止されていると検知することがあるので、医療用具(4)が封止しているかどうかをより確実に検知することができる。
【0057】
(第三実施形態)
図19〜図21に示すように、第一実施形態の医療用具封止装置の投入確認センサ(5)、通過確認センサ(6)、巻き込み防止センサ(7)を回帰反射型の光電センサとして、さらに、圧着ロール(21)の下方、及び巻き込み防止センサ(7)の上方であって、圧着ロール(21)の回転軸とは垂直な方向に光を送る厚み確認センサ(I)を、圧着ロール(21)の回転軸と垂直な方向に斜めに対向して二つの圧着ロール(21)を挟む位置に1個ずつ配設されている。これらの厚み確認センサ(I)は、図21における左右幅方向に5〜250mmの間隔で、図21における上下幅方向に50〜300mmの間隔で斜めに対向するように配設されている。
【0058】
この厚み確認センサ(I)は、側長センサであり、測定対象物である医療用具(4)に光を当ててその反射光を観測し、その医療用具(4)までの距離を測定するものである。第三実施形態では、側長センサとして、オムロン社のZX−L−N100又はZX−L−N100Lを使用している。そして、厚み確認センサ(I)を設けることにより、通過確認センサ(6)に加え、厚み確認センサ(I)によっても、圧着ロール(21)の回転により封止シート(S)で封止された医療用具(4)までの距離を封止シート(S)のみのときの距離と比較して医療用具(4)を検知することができるので、封止シート(S)で封止された医療用具(4)を検知する精度を向上することができる。そして、この医療用具(4)の検知情報を切断機構(3)に送ることで、医療用具(4)が封止されていない接着された封止シール(S)の箇所で確実に切断できることができる。未使用の医療用具(4)を封止した後に視認し易くするために、無色である透光性の封止シート(S)を使用した場合、通過確認センサ(6)のみでは、封止シート(S)で光が乱反射されるなどの理由で、医療用具(4)を封止していない封止シート(S)であっても、医療用具(4)が封止されていると検知することがあるので、医療用具(4)が封止しているかどうかをより確実に検知することができる。
【0059】
(第四実施形態)
図22〜図24に示すように、第一実施形態の医療用具封止装置の通過確認センサ(6)を設けずに、投入確認センサ(5)、巻き込み防止センサ(7)を回帰反射型の光電センサとし、さらに、圧着ロール(21)の回転数を検知する機構として、圧着ロール(21)を回転駆動させるギア(2G)と連動するスリット板(J)に回転読み取りセンサ(K)が配設されている。スリット板(J)は、ギア(2G)よりも小さい直径のリング状で、内側に複数の三角形状の突起物を有するものである。そして、その三角形状の突起物を回転読み取りセンサ(K)が検知できるように設けられている。また、スリット板(J)に設けられた複数の三角形状の突起物は、同じ大きさで一定間隔に設けられているなど回転読み取りセンサ(K)で規則的に検知できれば良いのであって、三角形状に限定されるものではなく、長方形状、台形状など所望の形状とすることができる。さらに、スリット板(J)は、その突起物を回転読み取りセンサ(K)で検知できれば良いのであって、装置全体に対する配置を考慮し、ギア(2G)と同じ直径、又は、大きい直径と設計変更することができる。
【0060】
この回転読み取りセンサ(K)は、馬蹄型の光電センサであり、スリット板(J)の三角形状の突起物が当該センサの透光部と受光部の間に来ると光が遮られるので、その突起物の通過を検知するものである。第四実施例では、回転読み取りセンサ(K)として、オムロン社のEE−SX871のL型を使用している。そして、回転読み取りセンサ(K)を設けることにより、スリット板(J)の回転数が分かるため、スリット板(J)が取り付けられたギア(2G)により回転する圧着ロール(21)の回転数が分かることから、どの程度の長さの封止シート(S)が圧着ロール(21)により排出されたが分かる。このため、回転読み取りセンサ(K)で検知されたスリット板(J)の回転数の情報を切断機構(3)に送ることで、医療用具(4)そのものを検知することなく、圧着ロール(21)が回転し始めてから所定の長さで封止シート(S)を的確に切断できる。そして、封止シート(S)の送り量を把握できるため、封止シート(S)の残量を表示装置(図示しない)に表示することもできる。また、圧着ロール(21)の回転数を把握するために、スリット板(J)を設けずに、ギア(2G)として使用される歯車の歯の部分を回転読み取りセンサ(K)で検知するようにしても良い。さらに、圧着ロール(21)の回転数を把握するためには、スリット板(J)と回転読み取りセンサ(K)との組合せに限られるものではなく、例えば、オムロン社のロータリーエンコーダー(型式:E6A2−CWZ3C 500)のようなギア(2G)と連動させてギア(2G)の回転数を直接計測することにより、圧着ロール(21)の回転数を把握することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・ 供給機構
2 ・・・圧着機構
21 ・・圧着ロール
21A ・シール部
21B・弾性圧縮部
3 ・・・切断機構
31・・貼り合わせギア
32・・切断刃
4 ・・・医療用具
5・・・投入確認センサ
6・・・通過確認センサ
7・・・巻き込み防止センサ
H・・・膨らみ確認センサ
I・・・厚み確認センサ
J・・・スリット板
K・・・回転読み取りセンサ
S・・・封止シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、未使用の注射器、輸液バッグ、点滴装置や、使用済みの注射器、点滴装置、使用済みおむつ、ストーマに接続されていたパウチ、医療廃棄物などの医療用具封止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、病院や老人保健施設などにおいて、看護士や職員が患者や老人の部屋をまわっておむつを交換している。そして、未使用のおむつやタオルを運んで患者や老人のおむつを交換し、使用済みのおむつやタオルを回収・廃棄するためのおむつ交換カートがあった(特許文献1参照)。
【0003】
図25に示すように、このおむつ交換カート(51)は、未使用の紙おむつや紙パット、布おむつやタオルを清潔品収容部(52)に収容し、またカート本体(53)の前面に設けられた開閉扉(54)を前方に回動し開いて架台(55)をスライドさせて引き出し、使用済みの紙おむつや布おむつの投入用のビニール袋(56)をフレーム(57)に装着しておく構造である。そして、このおむつ交換カートの使用時には病室等に搬送して未使用のおむつと交換し、蓋(58)を開けて使用済みのおむつやタオルをビニール袋(56)へと投入するものである。
【0004】
しかし、作業中に使用済みのおむつ等の廃棄物から周囲に臭いが漂い出すという問題があった。また、このような病院や老人保健施設以外に、家庭などにおいてもゴミ箱のポリ容器に収容した生ゴミ等の廃棄物から周囲に臭いが漂い出すという同様の問題があった。
【0005】
また、図26に示すように、この廃棄物の封止装置は、廃棄物(61)を投入口(62)に投入した後、蓋(63)を閉めると起動スイッチが作動し、圧着ロール(64)が回転して対応する封止シート(65)を圧着して廃棄物を封止する。そして、操作レバー(66)を手動で押し下げ封止シート(65)を切断するものであった(特許文献2参照)。
【0006】
しかし、この装置では、蓋を閉めなければ起動スイッチが作動せず、また封止シート(S)を切断するためにも手動で操作する必要があり、手に付着した病原菌が装置に付着する恐れがあり、また作業の効率が悪かった。また、この装置の切断機構では、封止シート(S)の端部から切断することができず、端部より切断することに比べて切断に要する時間が長く、切断刃がむき出しのため不安全であり、誤作動により液状物を含む廃棄物などを切断することがあったため、切断刃が錆びやすかった。また、使用済みの医療用具だけでなく、未使用の注射器や点滴装置などの医療器具について対応することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3069593号公報(図7)
【特許文献2】特許第4066000号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、周囲に臭い又は病原菌が漂い出さないように使用済みの医療用具を封止し、若しくは周囲の雑菌が付着しないように、又は、移送時や使用時に不特定多数の人が劇物や毒物を収容した容器に直接触れないように未使用の医療用具を自動で封止し、そして、自動で封止シートを切断することで、その切断が圧着された封止シートの端部から切断し、また切断刃が錆びにくいようにする廃棄物の封止装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため本発明では次のような技術的手段を講じている。
1.本発明の医療用具封止装置は、対向する封止シート(S)の供給機構(1)と、前記対向する封止シート(S)の圧着機構(2)と、前記圧着機構(2)の挿入側に設けられた投入確認センサ(5)と、前記対向する封止シート(S)の切断機構(3)と、前記圧着機構(2)の排出側に設けられた巻き込み防止センサ(7)を有し、前記対向する封止シート(S)の圧着機構(2)は対向する圧着ロール(21)を有すると共に、前記圧着ロール(21)は両端のシール部(21A)とその間の弾性圧縮部(21B)とを具備してなり、投入された医療用具(4)を前記投入確認センサ(5)が検知することにより対向する封止シート(S)の供給機構(1)が自動的に作動し、圧着機構(2)により圧着ロール(21)が対向する封止シート(S)を圧着して医療用具(4)を封止し、圧着機構(2)より排出された医療用具(4)を前記通過確認センサ(6)が検知することにより自動的に切断機構(3)により切断しうる医療用具封止装置である。
【0010】
このように構成すると、圧着機構の挿入側に投入確認センサが設けられているため、医療用具が投入されたことを検知し、圧着機構を自動で作動させ、封止シートを切断することができる。
【0011】
ここで前記封止シート(S)として、包被基材と前記包被基材に形成された接着層(粘着層)とを具備すると共に、前記包被基材と接着層(粘着層)とによりガスバリア性を有し、医療用具(4)を包被基材に包み込んで前記接着層(粘着層)により封止するようにしたものを用いることができる。
【0012】
前記包被基材として、プラスチック製フィルムやプラスチック製シートなど赤外線又は可視光を透過できる基材を用いることができる。包被基材と接着層とによるガスバリア性は、包被基材自体がガスバリア性を有するものとすることができ、接着層がガスバリア性を有するものとすることができ、包被基材と接着層との相乗作用によりガスバリア性を有するものとすることもできる。さらに前記接着層として、常温で少しべたついた手触りがする粘着層などを用いることができる。
【0013】
2.前記圧着機構(2)の排出側に設置された通過確認センサ(6)を有し、圧着機構(2)より排出された封止シート(S)を前記通過確認センサ(6)が検知することにより自動的に切断機構(3)により切断しうる上記の医療用具封止装置である。
【0014】
このように構成すると、圧着機構(2)の排出側に通過確認センサ(6)が設けられているため、医療用具が排出されたことを検知し、医療用具を避けるように封止シートのみの部分を切断機構により自動で切断することができる。
【0015】
3.前記圧着ロール(21)の回転数を検知する機構を有し、圧着機構(2)より排出された封止シート(S)を前記圧着ロール(21)の回転数に基づいて自動的に所定の長さで切断機構(3)により切断しうる上記の医療用具封止装置である。
【0016】
このように構成すると、医療用具(4)そのものを検知することなく、圧着ロール(21)が回転し始めてから所定の長さで封止シート(S)を的確に切断できる。そして、封止シート(S)の送り量を把握できるため、封止シート(S)の残量を表示装置に表示することもできる。
【0017】
4.前記巻き込み防止センサ(7)は、医療用具(4)を封止した封止シート(S)が圧着ロール(21)に巻き込まれたことを検知すると、圧着ロール(21)の作動を止める制御をする上記の医療用具封止装置である。
【0018】
このように構成すると、封止シート(S)そのもの又は封止シート(S)により封止された医療用具(4)が、対向する圧着ロール(21)の一方側に巻き込まれそうになった場合、巻き込み防止センサ(7)はこの医療用具(4)を検知し、圧着ロール(21)の回転を止める機構へ信号を発することにより、圧着ロール(21)の回転が止まりそれ以上巻き込まれることを防ぐことができる。
【0019】
5.前記封止シート(S)の切断機構(3)は、切断時の支えとなる対向する貼り合わせギア(31)と、切断刃(32)を具備し、前記対向する貼り合わせギア(31)が圧着された封止シート(S)を挟み込み、前記対向する貼り合わせギア(31)と連動する切断刃(32)が切断方向に移動することができる上記の医療用具封止装置である。
【0020】
このように構成すると、当該封止シート(S)が貼り合わせギア(31)に挟まれ張られた状態にあるため、切断刃(32)が圧着された封止シート(S)の端辺から確実に切断することができ、切断に要する時間を短縮することができる。
【0021】
6.前記圧着ロール(21)の両端のシール部(21A)の直径がその間の弾性圧縮部(21B)の直径より大きい上記の医療用具封止装置である。
【0022】
このように前記対向する封止シートの圧着機構は圧着ロールを有すると共に、前記圧着ロールは両端のシール部とその間の弾性圧縮部とを具備することとして構成すると、医療用具に介在して対向する封止シート相互間に噛み込んだ余分な空気(エア)は、対向する圧着ロールの弾性圧縮部によって押し出すことができ、さらに医療用具の種類によっては若干圧縮して過分な嵩張りを低減することができる。したがって、おむつなどの医療用具を新聞紙等で包んで投入した場合、これを若干圧縮して元の容積よりも嵩を低くすることができ、尚且つ封止シートは両端のシール部でシールされているので医療用具は外部にはみ出すことなく両端の密閉性も担保することができる。このように弾性圧縮部を設けることにより、医療用具を新聞紙等で比較的大雑把に包んで投入した場合も結果的に嵩を低く封止されることとなる。
【0023】
前記弾性圧縮部の材質として例えば、変形しても元の形状に復元するウレタン樹脂製やフッ素樹脂製の発泡体(独立ないし連続気泡とすることができる)又は弾性を有する高分子材料を用いることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
【0025】
装置には各種センサが取り付けられているので、周囲に臭い又は病原菌が使用済みの医療用具から漂い出さないように、若しくは、未使用の医療用具に周囲の雑菌が付着しないように、又は、移送時や使用時に不特定多数の人が劇物や毒物を収容した未使用や使用済みの容器に直接触れないように、使用前又は使用後の医療用具について、投入から切断まで自動で行う医療用具封止装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の医療用具封止装置の機構の動作を示す使用状態図である。
【図2】本発明の医療用具封止装置における第一実施形態の一部破断正面図である。
【図3】本発明の医療用具封止装置における第一実施形態の右側面図である。
【図4】本発明の医療用具封止装置における第一実施形態のA−A断面図である。
【図5】本発明の医療用具封止装置における第一実施形態のB−B断面図である。
【図6】本発明の医療用具封止装置の圧着ロール(片側)の斜視図である。
【図7】本発明の医療用具封止装置の封止シートの切断機構を説明する一部破断斜視図である。
【図8】本発明の医療用具封止装置の切断機構3の正面図である。
【図9】本発明の医療用具封止装置の切断機構3の平面図である。
【図10】本発明の医療用具封止装置の切断機構3の右側面図である。
【図11】本発明の医療用具封止装置の切断機構3の斜視図である。
【図12】本発明の医療用具封止装置の切断機構3の分解斜視図である。
【図13】本発明の医療用具封止装置の操作パネルである。
【図14】本発明の医療用具封止装置の全体斜視図である。
【図15】本発明の医療用具封止装置における第二実施形態の一部破断正面図である。
【図16】本発明の医療用具封止装置における第二実施形態の右側面である。
【図17】本発明の医療用具封止装置における第二実施形態のC−C断面図である。
【図18】本発明の医療用具封止装置における第二実施形態のD−D断面図である。
【図19】本発明の医療用具封止装置における第三実施形態の一部破断正面図である。
【図20】本発明の医療用具封止装置における第三実施形態の右側面である。
【図21】本発明の医療用具封止装置における第三実施形態のE−E断面図である。
【図22】本発明の医療用具封止装置における第四実施形態の一部破断正面図である。
【図23】本発明の医療用具封止装置における第四実施形態の右側面である。
【図24】本発明の医療用具封止装置における第四実施形態のF−F断面図である。
【図25】特許文献1のおむつ交換カートを説明する斜視図である。
【図26】特許文献2の廃棄物の封止装置を説明する斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
病院や老人保健施設などにおいて看護士や職員が患者や老人の部屋を回っておむつを交換しているが、未使用の紙おむつやタオルを運んで患者や老人のおむつを交換し、使用済みの紙おむつやタオルを回収・廃棄するためのおむつ交換カートに適用した。なお、医療機関から排出されるストーマに接続されていたパウチ、点滴装置、包袋、脱脂綿、ガーゼ、手袋、注射器、アンプルなど各種廃棄物などの使用済み医療用具を廃棄するために使用してもよく、また、使用前の前記医療用具や輸液バッグを保管するために使用してもよい。
【0028】
図1乃至図14に示すように、第一実施形態の医療用具封止装置は、円筒状に積層された封止シート(S)に挿通する回動軸が2本あり、その回動軸が回転することにより、封止シート(S)が対向するよう封止シート(S)を供給する供給機構(1)と、圧着ロール(21)の回転及び押圧力により前記対向する封止シート(S)を接着する圧着機構(2)と、圧着機構(2)の下方に位置しギアの連動により圧着機構(2)で接着された封止シート(S)を切り進めることができる切断刃を配設された切断機構(3)とを有する。
【0029】
そして、医療用具(4)を投入すると、上述した圧着機構(2)による接着、切断機構(3)による切断を自動的に行えるようにするために、前記圧着機構(2)の挿入側に設けられた投入確認センサ(5)と、前記圧着機構(2)の排出側に設置された通過確認センサ(6)とを有し、さらに封止された医療用具(4)の圧着機構(2)への巻き込みを防止するために、前記圧着機構(2)の排出側に設けられた巻き込み防止センサ(7)を有している。
【0030】
上記のセンサとして、機械センサ、磁気センサ、光電センサなど各種センサを使用することができる。第一実施形態では、赤外線を利用する光電センサ(キーエンス社製、商品名PZ−G61N)を用い、投光部と受光部が対向する位置に設けられ一対として利用した。いずれのセンサも投光部から発した赤外線を受光部で検知することができ、圧着機構(2)、切断機構(3)の作動及び停止のスイッチとして働く。このように赤外線を利用する光電センサを使用することにより、使用済みのおむつなど使用後の医療用具(4)を封止した後に視認しにくくするために、有色である透光性の封止シート(S)を使用してもその封止シート(S)に遮光されることなく、投光部から発せられた光を受光部で正しく検知することができる。
【0031】
すなわち、前記投入確認センサ(5)では、医療用具(4)が投入口(81)より投入されると、圧着ロール(21)上に置かれるため、投入確認センサの投光部から受光部へ発せられている赤外線が遮光され、医療用具(4)が投入口(81)より投入されたことを検知する。また、前記通過確認センサ(6)では、封止シート(S)により封止された医療用具(4)が圧着ロール(21)の回転により排出されると、通過確認センサ(6)の投光部から受光部へ発せられている赤外線が遮光され、医療用具(4)が圧着ロール(21)から排出されたことを検知する。さらに、前記巻き込み防止センサ(7)では、封止シート(S)により封止された医療用具(4)が圧着ロール(21)の回転により排出されたものの圧着ロール(21)の下方に進まず、圧着ロール(21)にまとわりつき巻き込み始めると、巻き込み防止センサ(7)の投光部から受光部へ発せられている赤外線が遮光され、封止された医療用具(4)が圧着ロール(21)に巻き込み始めたことを検知する。
【0032】
そして、前記投入確認センサ(5)が、投入された医療用具(4)を検知することにより、圧着機構(2)が作動し始める。また、前記通過確認センサ(6)が封止された医療用具(4)を検知することにより、切断機構(3)が作動し始める。そして、前記巻き込み防止センサ(7)が封止シート(S)又は封止された医療用具(4)を検出すると、圧着機構(2)の動作が停止する。なお、当該巻き込みセンサ(7)が封止された医療用具(4)等を検出すると、警告音や警告灯など外部に知らせる機構と連動するようにしてもよい。
【0033】
また、これらの投入確認センサ(5)、通過確認センサ(6)、巻き込み防止センサ(7)として、回帰反射型の光電センサを使用することができる。この回帰反射型の光電センサは、投光部と受光部を一体として有する装置と、その装置より発せられた光を反射する反射板をそれぞれ対向する位置に一対として使用される。この回帰反射型の光電センサを使用することにより、未使用の医療用具(4)を封止した後に視認し易くするために、無色である透光性の封止シート(S)を使用してもその封止シート(S)に遮蔽されることなく、投光部と受光部を一体として有する装置から発せられた光を反射板で反射しその装置で正しく検知することができる。具体的には、オムロン社製のE3X−DA−S、E32−R16、E39−R1などの光電センサを使用することができる。
【0034】
前記封止シート(S)として、包被基材と前記包被基材に形成された接着層(粘着層)とを具備すると共に、前記包被基材と接着層(粘着層)とによりガスバリア性を有し、医療用具(4)を包被基材に包み込んで前記接着層(粘着層)により封止するようにしたものを用いることができる。前記包被基材として、プラスチック製フィルムやプラスチック製シートなど各種センサに使用する赤外線、可視光線等を透過する基材を用いることが好ましい。包被基材と接着層とによるガスバリア性は、包被基材自体がガスバリア性を有するものとすることができ、接着層がガスバリア性を有するものとすることができ、包被基材と接着層との相乗作用によりガスバリア性を有するものとすることもできる。さらに前記接着層として、常温で少しべたついた手触りがする粘着層などを用いることができる。封止シート(S)(幅450mm×長さ100m)は、未延伸ポリプロピレン(CPP)製フィルムからなる包被基材(厚さ25μm)の片面にポリエステル系ポリウレタン樹脂(三洋化成社製、商品名サンプレンIB−129)からなる粘着層(厚さ5μm)を積層一体化したものであって、ロール状に巻回して巻き出すことができる。
【0035】
前記対向する封止シート(S)の圧着機構(2)は、圧着ロール(21)とその圧着ロール(21)を回転させるための駆動機構とを有する。図6に示すように、前記圧着ロール(21)は直径190mm(厚み55mm)の円柱状でウレタンスポンジから成る両端のシール部(21A)と、その間に直径170mm(厚み340mm)の円柱状でウレタンスポンジから成る弾性圧縮部(21B)とを、各中心軸に金属製の軸(22)を通すことにより構成されており、シール部(21A)の直径が弾性圧縮部(21B)の直径より大きい。
【0036】
ここで、シール部(21A)は、種々表面処理を施し得る金属、樹脂などの硬質な高分子材料、ブタジエンゴム、シリコンゴムなどの弾性力を有する高分子材料であってもよい。そして、弾性圧縮部(21B)はブタジエンゴム、シリコンゴムなどの弾性力を有する高分子材料であってもよい。これらのように構成すると、封止シート(S)の両端は圧着ロール(21)のシール部(21A)によって対向する封止シール(S)の端部同士が確実に封止されると共に、弾性圧縮部(21B)でも対向する封止シート(S)同士が接触することにより接着する。そして、弾性圧縮部(21B)を、弾性力を有する材料とすることによって医療用具(4)がこの部分に多少噛み込んだとしても変形してこれを許容することができ、弾性圧縮部(21B)を金属製とした場合のように装置を非常停止させなくてもよい。また、封止シート(S)は直径が弾性圧縮部(21B)より大きい両端のシール部(21A)でシールされるので、医療用具(4)は外部にはみ出すことなく両端の密閉性も担保することができる。さらには、弾性圧縮部(21B)を設置せずになくした構造とすると、医療用具(4)を断続的に複数個或いは長い長さにわたって供給しても運転することができる。
【0037】
また対向する圧着ロール(21)の前記駆動機構は、モータ(2M)によりギア(2G)を介して回転駆動するようにしている。そして、対向する圧着ロール(21)のうちシール部(21A)と弾性圧縮部(21B)とで封止シート(S)の接着層(粘着層)同士を強く押し付けて封止するようにしている。
【0038】
この医療用具封止装置は、おむつ交換カートに組み込んで病室間を自由に移動させることもできるようにしているので、前記モータ(2M)等はバッテリーで駆動し、交換して封止シート(S)により封止した使用済み紙おむつ等は下方の開口部(83)に溜めていくようにしている。なお、据え置き型としてAC・100V電源やAC・120V電源などで駆動するよう世界各国において適宜使用できるように電気回路を変更してもよい。
【0039】
前記封止シート(S)の切断機構(3)は、対向する貼り合わせギア(31)の上下二組(すなわち、貼り合わせギア(31)は4個)と、それらの貼り合わせギア(31)の上下に挟まれる位置に切断刃(32)を具備している。モータ(3M)よりギア(3G)を介して回動駆動する上下の貼り合わせギア(31)が、圧着ロール(21)より排出された封止シート(S)の端部を表裏面両側より挟み込み、封止シート(S)の中央部そしてもう一方の端部へと進行する。そして、貼り合わせギア(31)の進行に追従する切断刃(32)が、貼り合わせギア(31)で挟まれた封止シート(S)をその端部より切断し始め、封止シート(S)の中央部そしてもう一方の端部まで切断する。なお、貼り合わせギア(31)として、歯が回転軸に対して平行である平歯車を用いているが、作動音の低減又は封止シートの密封性の向上のため、歯が回転軸に対して傾斜しているはすば歯車を用いることもできる。
【0040】
これらのように構成すると、封止シート(S)が上下の貼り合わせギア(31)に挟まれた状態で、切断刃(32)により切断されるので、封止シート(S)の端辺から切断することができ、切断に要する時間を短縮することができる。また、切断刃(32)が上下の貼り合わせギア(31)に挟まれているので、刃が露出せず、装置内に手を入れても誤って裂傷を負う可能性を低減することができる。
【0041】
また、圧着機構(2)の排出側に通過確認センサ(6)が設けられているので、貼り合わせギア(31)が封止された医療用具(4)を挟み込む場合には、圧着ロール(21)を回動させ圧着された封止シート(S)のみの部位で切断できるようにしている。このように構成すると、封止された医療用具(4)と他の封止された医療用具(4)との間の圧着された封止シート(S)を切断することができるため、医療用具(4)が切断刃(32)に触れることによる切断刃(32)の錆びの発生を防ぐことができ、切断刃(32)の交換頻度を低減でき、交換する労力及び費用を低減することができる。そして、この切断機構(13)の作動について、使用者の意思に基づいて、医療用具(4)1個乃至数個ずつ又は任意のタイミングで切断できる作動モードを選択することができる。
【0042】
装置本体の側面に装置電源のオン/オフを切り替える電源スイッチ(図示しない)と、外部電源から充電するための充電プラグ接続部(図示しない)が設けられている。
【0043】
装置本体の上部カバーには、電力の浪費を防ぐためスタンバイ状態のオン/オフを切り替える入/切スイッチ(821)と、圧着ロール(21)を回動させ封止シート(S)を送るパックスイッチ(822)と、封止後の封止シート(S)を自動で切断するカットスイッチ(823)と、圧着ロール(21)及び切断機構(3)を緊急停止する非常停止スイッチ(824)と、装置に内蔵される充電池の電池残量を左右2個の表示部で表示する電池残量表示(825)と、装置が異常を検知したときに赤色に点滅するするアラーム表示(826)と、任意の自動モードを選択した場合に黄色に点灯又は点滅するオートモード表示(827)を有する操作パネル(82)が設けられている。なお、電池残量表示(825)において、左右2個の表示部が共に赤色点灯しているときは、十分な残量であることを示し、右の表示部のみが赤色点灯しているときは、充電が必要であることを示し、右の表示部のみが赤色点滅しているときは、すぐに充電が必要であることを示す。
【0044】
この医療用具の止装置は、通常モード、オートモード1、オートモード2、オートモード3の各種モードで次のように作動する。
【0045】
<通常モード>
電源スイッチをオン側に押し電源を入れ装置を作動できる状態にする。そして、蓋(8)を取り外し、投入口(81)から医療用具(4)(使用済み紙おむつ等)を横方向で投入してパックスイッチ(822)を押すと、パックスイッチ(822)が点灯から点滅に変わり、パックスイッチ(822)を押している間、封止シート(S)は圧着ロール(21)へ送られ、圧着ロール(21)は封止シート(S)を圧着し続ける。そして、カットスイッチ(823)を押すと、自動で封止した医療用具(4)と切断刃(32)が接触しない位置で圧着された封止シートを送り切断機構(3)が作動し、圧着された封止シート(S)を切断する。なお、使用しない状態が30分間続くとスタンバイ状態となり、入/切スイッチ(821)がゆっくりと点滅し他の表示は消灯する。そして、再度使用できる状態にするためには、入/切スイッチ(821)を押す。また、未使用時のスタンバイ状態になるまでの30分という時間は初期設定状態での時間あるが、使用者の意思に基づいて1分間隔で1〜60分の時間を設定することができる。なお、スタンバイ状態とは、電力消費を削減するため電源が切れている間の状態のことであるが、この状態では電源を切る直前の状態を保存して、次に電源を入れたときに電源を切る直前の状態から作動することができる機能を有する。
【0046】
<オートモード1>
オートモード1は、投入口(81)から医療用具(4)を投入しパックスイッチ(822)を押すと、自動で医療用具(4)を封止シート(S)により封止する動作のみを行うモードである。オートモード1に設定するには、入/切スイッチ(821)とパックスイッチ(822)を押しながら電源スイッチ(図示しない)をオン側に押し、少なくとも入/切スイッチ(821)とパックスイッチ(822)を3秒間押し続ける。そして、電池残量表示(825)の右の表示部が点滅して、スタンバイ状態になり、入/切スイッチ(821)を押すとスタンバイ状態が解除され、入/切スイッチ(821)が点灯し、装置を使用できる状態になる。そして、投入口(81)から医療用具(4)を投入し、パックスイッチ(822)を押すと、自動的に医療用具(4)は封止シート(S)で封止される。なお、連続して排出される封止した医療用具(4)を適切な個数で切り分けるために、任意のタイミングでカットスイッチ(823)を押すと、切断機構(3)で切断可能な位置まで圧着された封止シート(S)は自動的に排出されて切断される。
【0047】
<オートモード2>
オートモード2は、投入口(81)から医療用具(4)を投入すると、医療用具(4)を投入確認センサ(5)が検知し、自動で医療用具(4)を封止封止シート(S)により封止する動作のみを行うモードである。オートモード2に設定するには、入/切スイッチ(821)とカットスイッチ(823)を押しながら電源スイッチ(図示しない)をオン側に押し、少なくとも入/切スイッチ(821)とカットスイッチ(823)を3秒間押し続ける。そして、電池残量表示(825)の左の表示部が点滅して、スタンバイ状態になり、入/切スイッチ(821)を押すとスタンバイ状態が解除され、入/切スイッチ(821)が点灯し、装置を使用できる状態になる。そして、投入口(81)から医療用具(4)を投入すると、自動的に医療用具(4)は封止シート(S)で封止される。なお、連続して排出される封止した医療用具(4)を適切な個数で切り分けるために、任意のタイミングでカットスイッチ(823)を押すと、切断機構(3)で切断可能な位置まで圧着された封止シート(S)は自動的に排出されて切断される。
【0048】
<オートモード3>
オートモード3は、投入口(81)から医療用具(4)を投入すると、医療用具(4)を投入確認センサ(5)が検知し、自動で医療用具(4)を封止シート(S)により封止し、そして自動で圧着された封止シート(S)を切断するモードである。オートモード3に設定するには、入/切スイッチ(821)とパックスイッチ(822)とカットスイッチ(823)を押しながら電源スイッチ(図示しない)をオン側に押し、少なくとも入/切スイッチ(821)とパックスイッチ(822)とカットスイッチ(823)を3秒間押し続ける。そして、電池残量表示(825)の左右の表示部が点滅して、スタンバイ状態になり、入/切スイッチ(821)を押すとスタンバイ状態が解除され、入/切スイッチ(821)が点灯し、装置を使用できる状態になる。そして、投入口(81)から医療用具(4)を投入すると、自動的に医療用具(4)は封止シート(S)で封止され、封止した医療用具(4)は自動的に圧着ロール(21)より排出されて1個ずつ切断される。
【0049】
なお、オートモード1〜3を設定した後に、通常モードに戻すためには、非常停止スイッチ(824)を押しながら電源スイッチ(図示しない)を入れる。
【0050】
次に、第一実施形態の医療用具封止装置の使用状態を説明する。
【0051】
この医療用具封止装置では、対向する封止シート(S)相互間に医療用具(4)(使用済み紙おむつ等)を投入して圧着機構(2)により接着することができるので、医療用具(4)を封止シート(S)相互間に封入することができる。そして、投入確認センサ(5)、通過確認センサ(6)を具備しているので、カットスイッチ(823)を押すと又はオートモード3を設定することにより切断機構(3)により封止シート(S)を切断して、周囲に臭いが漂い出さない状態を自動的に行えるという利点がある。ここで、この医療用具封止装置を組み込んだおむつ交換カートは介護用として非常に好適であり、汚物を機械的に封止することができるので従来よりも極めて衛生的であり、また病原菌を封止シート(S)内に封入して密封して空気感染を防止することにより、院内感染の防止にも資することができるという利点がある。さらに、巻き込み防止センサ(7)を具備しているので、圧着ロール(21)に巻き込まれそうになっている封止シート(S)又は封止された医療用具(4)を検出すると、圧着機構(2)の動作が停止し、無駄の封止シート(S)の削減及び装置の不具合を低減することができるという利点がある。
【0052】
また、前記封止シート(S)の切断機構(3)は対向する貼り合わせギア(31)と、切断刃(32)を具備していることとしており、封止シート(S)を張った状態で切断刃(32)が封止シート(S)の端部から他の端部へ移動して円滑に切断を行うことができるという利点がある。さらに、切断刃(32)が貼り合わせギア(31)の上下に挟まれているので、装置内に手を入れても誤って裂傷を負う可能性を低減することができるという利点がある。
【0053】
また、封止シート(S)は直径が弾性圧縮部(21B)より大きい両端のシール部(21A)でシールされるので、医療用具(4)は外部にはみ出すことなく封止シート(S)の両端の密閉性も担保することができるという利点がある。
【0054】
そして、使用済み紙おむつは悪臭が発生して不快であるうえ不潔であるためその廃棄処理は介護者にとって多大な負担となっていたが、この装置によると使用済み紙おむつを手軽に衛生的に自動的に封止及び切断することができ、処理を楽にすることによって介護者の負担をさらに軽減することができるという大きな意義を有する。
【0055】
(第二実施形態)
図15〜図18に示すように、第一実施形態の医療用具封止装置の投入確認センサ(5)、通過確認センサ(6)、巻き込み防止センサ(7)を回帰反射型の光電センサとして、さらに、圧着ロール(21)の医療用具(4)を排出する側、及び切断機構(3)の上方であって、排出された封止シート(S)の幅方向に沿うように光を回帰させる膨らみ確認センサ(H)を、排出された封止シート(S)を挟む位置に10〜15mm間隔で2対配設されている。
【0056】
この膨らみ確認センサ(H)を設けることにより、通過確認センサ(6)に加え、膨らみ確認センサ(H)によっても、圧着ロール(21)の回転により封止シート(S)で封止された医療用具(4)を検知することができるので、封止シート(S)で封止された医療用具(4)を検知する精度を向上することができる。そして、この医療用具(4)の検知情報を切断機構(3)に送ることで、医療用具(4)が封止されていない接着された封止シール(S)の箇所で確実に切断できることができる。未使用の医療用具(4)を封止した後に視認し易くするために、無色である透光性の封止シート(S)を使用した場合、通過確認センサ(6)のみでは、封止シート(S)で光が乱反射されるなどの理由で、医療用具(4)を封止していない封止シート(S)であっても、医療用具(4)が封止されていると検知することがあるので、医療用具(4)が封止しているかどうかをより確実に検知することができる。
【0057】
(第三実施形態)
図19〜図21に示すように、第一実施形態の医療用具封止装置の投入確認センサ(5)、通過確認センサ(6)、巻き込み防止センサ(7)を回帰反射型の光電センサとして、さらに、圧着ロール(21)の下方、及び巻き込み防止センサ(7)の上方であって、圧着ロール(21)の回転軸とは垂直な方向に光を送る厚み確認センサ(I)を、圧着ロール(21)の回転軸と垂直な方向に斜めに対向して二つの圧着ロール(21)を挟む位置に1個ずつ配設されている。これらの厚み確認センサ(I)は、図21における左右幅方向に5〜250mmの間隔で、図21における上下幅方向に50〜300mmの間隔で斜めに対向するように配設されている。
【0058】
この厚み確認センサ(I)は、側長センサであり、測定対象物である医療用具(4)に光を当ててその反射光を観測し、その医療用具(4)までの距離を測定するものである。第三実施形態では、側長センサとして、オムロン社のZX−L−N100又はZX−L−N100Lを使用している。そして、厚み確認センサ(I)を設けることにより、通過確認センサ(6)に加え、厚み確認センサ(I)によっても、圧着ロール(21)の回転により封止シート(S)で封止された医療用具(4)までの距離を封止シート(S)のみのときの距離と比較して医療用具(4)を検知することができるので、封止シート(S)で封止された医療用具(4)を検知する精度を向上することができる。そして、この医療用具(4)の検知情報を切断機構(3)に送ることで、医療用具(4)が封止されていない接着された封止シール(S)の箇所で確実に切断できることができる。未使用の医療用具(4)を封止した後に視認し易くするために、無色である透光性の封止シート(S)を使用した場合、通過確認センサ(6)のみでは、封止シート(S)で光が乱反射されるなどの理由で、医療用具(4)を封止していない封止シート(S)であっても、医療用具(4)が封止されていると検知することがあるので、医療用具(4)が封止しているかどうかをより確実に検知することができる。
【0059】
(第四実施形態)
図22〜図24に示すように、第一実施形態の医療用具封止装置の通過確認センサ(6)を設けずに、投入確認センサ(5)、巻き込み防止センサ(7)を回帰反射型の光電センサとし、さらに、圧着ロール(21)の回転数を検知する機構として、圧着ロール(21)を回転駆動させるギア(2G)と連動するスリット板(J)に回転読み取りセンサ(K)が配設されている。スリット板(J)は、ギア(2G)よりも小さい直径のリング状で、内側に複数の三角形状の突起物を有するものである。そして、その三角形状の突起物を回転読み取りセンサ(K)が検知できるように設けられている。また、スリット板(J)に設けられた複数の三角形状の突起物は、同じ大きさで一定間隔に設けられているなど回転読み取りセンサ(K)で規則的に検知できれば良いのであって、三角形状に限定されるものではなく、長方形状、台形状など所望の形状とすることができる。さらに、スリット板(J)は、その突起物を回転読み取りセンサ(K)で検知できれば良いのであって、装置全体に対する配置を考慮し、ギア(2G)と同じ直径、又は、大きい直径と設計変更することができる。
【0060】
この回転読み取りセンサ(K)は、馬蹄型の光電センサであり、スリット板(J)の三角形状の突起物が当該センサの透光部と受光部の間に来ると光が遮られるので、その突起物の通過を検知するものである。第四実施例では、回転読み取りセンサ(K)として、オムロン社のEE−SX871のL型を使用している。そして、回転読み取りセンサ(K)を設けることにより、スリット板(J)の回転数が分かるため、スリット板(J)が取り付けられたギア(2G)により回転する圧着ロール(21)の回転数が分かることから、どの程度の長さの封止シート(S)が圧着ロール(21)により排出されたが分かる。このため、回転読み取りセンサ(K)で検知されたスリット板(J)の回転数の情報を切断機構(3)に送ることで、医療用具(4)そのものを検知することなく、圧着ロール(21)が回転し始めてから所定の長さで封止シート(S)を的確に切断できる。そして、封止シート(S)の送り量を把握できるため、封止シート(S)の残量を表示装置(図示しない)に表示することもできる。また、圧着ロール(21)の回転数を把握するために、スリット板(J)を設けずに、ギア(2G)として使用される歯車の歯の部分を回転読み取りセンサ(K)で検知するようにしても良い。さらに、圧着ロール(21)の回転数を把握するためには、スリット板(J)と回転読み取りセンサ(K)との組合せに限られるものではなく、例えば、オムロン社のロータリーエンコーダー(型式:E6A2−CWZ3C 500)のようなギア(2G)と連動させてギア(2G)の回転数を直接計測することにより、圧着ロール(21)の回転数を把握することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・ 供給機構
2 ・・・圧着機構
21 ・・圧着ロール
21A ・シール部
21B・弾性圧縮部
3 ・・・切断機構
31・・貼り合わせギア
32・・切断刃
4 ・・・医療用具
5・・・投入確認センサ
6・・・通過確認センサ
7・・・巻き込み防止センサ
H・・・膨らみ確認センサ
I・・・厚み確認センサ
J・・・スリット板
K・・・回転読み取りセンサ
S・・・封止シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する封止シート(S)の供給機構(1)と、前記対向する封止シート(S)の圧着機構(2)と、前記圧着機構(2)の挿入側に設けられた投入確認センサ(5)と、前記対向する封止シート(S)の切断機構(3)と、前記圧着機構(2)の排出側に設けられた巻き込み防止センサ(7)を有し、前記対向する封止シート(S)の圧着機構(2)は対向する圧着ロール(21)を有すると共に、前記圧着ロール(21)は両端のシール部(21A)とその間の弾性圧縮部(21B)とを具備してなり、
投入された医療用具(4)を前記投入確認センサ(5)が検知することにより対向する封止シート(S)の供給機構(1)が自動的に作動し、圧着機構(2)により圧着ロール(21)が対向する封止シート(S)を圧着して医療用具(4)を封止し、圧着機構(2)より排出された封止シート(S)を自動的に切断機構(3)により切断しうることを特徴とする医療用具封止装置。
【請求項2】
前記圧着機構(2)の排出側に設置された通過確認センサ(6)を有し、圧着機構(2)より排出された封止シート(S)を前記通過確認センサ(6)が検知することにより自動的に切断機構(3)により切断しうることを特徴とする請求項1に記載の医療用具封止装置。
【請求項3】
前記圧着ロール(21)の回転数を検知する機構を有し、圧着機構(2)より排出された封止シート(S)を前記圧着ロール(21)の回転数に基づいて自動的に所定の長さで切断機構(3)により切断しうることを特徴とする請求項1に記載の医療用具封止装置。
【請求項4】
前記巻き込み防止センサ(7)は、医療用具(4)を封止した封止シート(S)が圧着ロール(21)に巻き込まれたことを検知すると、圧着ロール(21)の作動を止める制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の医療用具封止装置。
【請求項5】
前記封止シート(S)の切断機構(3)は、切断時の支えとなる対向する貼り合わせギア(31)と、切断刃(32)を具備し、
前記対向する貼り合わせギア(31)が圧着された封止シート(S)を挟み込み、対向する貼り合わせギア(31)と連動する切断刃(32)が切断方向に移動することができることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の医療用具封止装置。
【請求項6】
前記圧着ロール(21)の両端のシール部(21A)の直径がその間の弾性圧縮部(21B)の直径より大きい請求項1から請求項5のいずれかに記載の医療用具封止装置。
【請求項1】
対向する封止シート(S)の供給機構(1)と、前記対向する封止シート(S)の圧着機構(2)と、前記圧着機構(2)の挿入側に設けられた投入確認センサ(5)と、前記対向する封止シート(S)の切断機構(3)と、前記圧着機構(2)の排出側に設けられた巻き込み防止センサ(7)を有し、前記対向する封止シート(S)の圧着機構(2)は対向する圧着ロール(21)を有すると共に、前記圧着ロール(21)は両端のシール部(21A)とその間の弾性圧縮部(21B)とを具備してなり、
投入された医療用具(4)を前記投入確認センサ(5)が検知することにより対向する封止シート(S)の供給機構(1)が自動的に作動し、圧着機構(2)により圧着ロール(21)が対向する封止シート(S)を圧着して医療用具(4)を封止し、圧着機構(2)より排出された封止シート(S)を自動的に切断機構(3)により切断しうることを特徴とする医療用具封止装置。
【請求項2】
前記圧着機構(2)の排出側に設置された通過確認センサ(6)を有し、圧着機構(2)より排出された封止シート(S)を前記通過確認センサ(6)が検知することにより自動的に切断機構(3)により切断しうることを特徴とする請求項1に記載の医療用具封止装置。
【請求項3】
前記圧着ロール(21)の回転数を検知する機構を有し、圧着機構(2)より排出された封止シート(S)を前記圧着ロール(21)の回転数に基づいて自動的に所定の長さで切断機構(3)により切断しうることを特徴とする請求項1に記載の医療用具封止装置。
【請求項4】
前記巻き込み防止センサ(7)は、医療用具(4)を封止した封止シート(S)が圧着ロール(21)に巻き込まれたことを検知すると、圧着ロール(21)の作動を止める制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の医療用具封止装置。
【請求項5】
前記封止シート(S)の切断機構(3)は、切断時の支えとなる対向する貼り合わせギア(31)と、切断刃(32)を具備し、
前記対向する貼り合わせギア(31)が圧着された封止シート(S)を挟み込み、対向する貼り合わせギア(31)と連動する切断刃(32)が切断方向に移動することができることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の医療用具封止装置。
【請求項6】
前記圧着ロール(21)の両端のシール部(21A)の直径がその間の弾性圧縮部(21B)の直径より大きい請求項1から請求項5のいずれかに記載の医療用具封止装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2012−81274(P2012−81274A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223932(P2011−223932)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(592182791)株式会社スミロン (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(592182791)株式会社スミロン (10)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]