説明

医療装置、および、ねじり力解放方法

【課題】例えば内視鏡の挿入部の先端部などの医療器具を患者等に挿入等するために回動させたときに生じるトルクを適宜に解放することが可能な、操作性の高い医療装置を提供する。
【解決手段】医療装置は、内視鏡と、保持部100を有する支持装置と、動作機構250とを備えている。内視鏡は、基部と、その基部から延出され、長手軸周りに回転可能な挿入部とを備えている。支持装置の保持部100は、前記内視鏡の基部を適当な位置で保持するとともに、前記内視鏡の挿入部をその回転軸周りに回転可能に支持する。動作機構250は、前記保持部100に設けられ、前記内視鏡の挿入部の回転方向と同じ方向に前記保持部100を回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば内視鏡などの各種の医療器具を支持する医療装置を有する医療装置、および、医療器具がその回転軸周りにねじられたときにその回転軸のねじり状態を解放させるねじり力解放方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、保持装置の保持部に内視鏡を取り付けるための構造が開示されている。内視鏡の挿入部は、スライドリングを介して挿入部の軸方向に対して側方から圧縮バネのバネ付勢力によって押圧されて固定されている。なお、スライドリングは、押圧ボタンを押すことにより押圧状態を解除することができ、押圧ボタンを押さない状態では押圧状態を解除することができない。
【0003】
特許文献2には、内視鏡を回動自在に保持する保持部が開示されている。この保持部は、挿入部にねじり方向の力を加えると、挿入部を簡単に回転させることができる。また、モータユニットが取り付けられる際には、そのモータユニットは保持部に固定される。
【特許文献1】特開平7−227398号公報
【特許文献2】特開2002−224016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された、内視鏡を取り付けるための構造は、押圧ボタンを押さないと、内視鏡の挿入部の側方からの押圧状態を解除することができない。このため、ねじり方向(挿入部の軸回り)に力を加えた場合、挿入部を回転させるには、押圧ボタンを押して押圧状態を解除しなければならない。すなわち、内視鏡を保持部に固定した場合、少しのねじりを内視鏡の挿入部に加えて内視鏡を回転させようとしても、回転させることができない。そして、片側が固定端となるため、挿入部を軟質のものとしたときに、ねじりによる力が固定端側に蓄積して解放されず、挿入部にはねじりによるループが生じることがある。術者には、そのループを解消する(力を解放する)ように反力が生じるので、その反力を保持しつつ他の操作も行わなければならないなど、操作性が悪くなる場合がある。つまり、特許文献1に開示された構造では、内視鏡を回転させる状態と固定させる状態との2つを切り替えるしか選択肢がなく、挿入部のねじりに応じて握り部の回転や固定を行うことができるものではない。また、ねじりに応じて回転可能である構造に形成されているとしても、回転し始めるトルク量を設定することが難しく、全ての内視鏡に対応させるためには個々にそのトルク量を設定する必要がある。また、同一機種の内視鏡を用いる場合であっても、ねじりが加えられる部分が異なると、回動が可能な場合と、そうでない場合が生ずる。
【0005】
一方、特許文献2に開示された回動自在な保持部に内視鏡を保持した場合、内視鏡の挿入部に少しだけねじり方向の力を加えただけで、内視鏡の挿入部が保持部に対して回動してしまう。すなわち、挿入部をねじるたびに内視鏡の挿入部が簡単に回転してしまう。このため、挿入部を元の状態に戻そうとする(ねじり方向の力を解放する)場合、ねじり量によっては反力が生じず、操作性が悪くなる場合がある。
【0006】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、例えば内視鏡の挿入部の先端部などの医療器具を患者等に挿入等するために回動させたときに生じるねじり(トルク)を適宜に解放して、操作性の高い医療装置を提供するとともに、医療器具がその回転軸周りにねじられたときにその回転軸のねじり状態を解放させるねじり力解放方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明に係る医療装置は、回転軸を有する医療器具と、前記医療器具を適当な位置で保持する保持部を前記医療器具の回転軸周りに回転可能に支持する支持機構と、前記保持部に設けられ、前記医療器具の回転方向と同じ方向に前記保持部を回転させる動作機構とを具備することを特徴とする。
医療器具がその回転軸周りにねじられたときに、その回転方向と同じ方向に保持部を回転させることによって、回転軸のねじり量を減らすことができる。このため、操作者が回転軸を保持する際に、その回転軸を保持する力を低減させることを許容することができる。
【0008】
また、医療装置は、前記動作機構に接続され、前記動作機構を制御する制御手段と、前記制御手段に接続され、前記制御手段を通して前記動作機構に動作を指示する指示手段とをさらに具備することが好適である。
指示手段から制御手段を通して動作手段を、医療器具の回転軸に加えられたねじりを解放動作させるように動作させることによって、すなわち、例えば指示手段からの手動操作によって、回転軸に加えられたねじり力を解放させることができる。
【0009】
また、前記医療器具は、前記保持部に保持される基部と、この基部から前記回転軸方向に延出され、先端部近傍に湾曲部を有する細長い挿入部と、前記湾曲部を湾曲させる操作部とを備えた内視鏡であり、前記指示手段は、前記操作部に配設されていることが好適である。
このため、内視鏡の挿入部の先端部をその軸周りに回動させたときに操作者が保持しなければならない反力を低減させることができる。
【0010】
また、医療装置は、前記動作機構に接続され、前記動作機構を制御する制御手段と、前記制御手段に接続され、前記医療器具の前記回転軸周りの回転を検知するとともに、その回転検知結果に基づいて前記制御手段を通して前記動作機構を動作させる検知機構とをさらに具備することが好適である。
検知機構による回転軸の回転検知結果に基づいて、制御手段を通して動作機構を所望の状態に動作させることができる。したがって、回転軸がねじられたときに逐一、または、所定のねじり量以上のねじり量が回転軸に加えられたときに保持部を回転軸と同一方向に自動的に回転させることによって、操作者が保持しなければならない、回転軸に加えられるねじり力の反力を低減させることができる。
【0011】
また、前記動作機構は、その動作速度を可変させる速度可変機構を備えていることが好適である。
このため、所望の速度に保持部を回転させることができる。
【0012】
また、医療装置は、前記医療器具の回転軸周りに加えられる回転を検知する検知機構と、前記動作機構の動作を手動または自動に設定可能な指示手段と、前記検知機構、前記動作機構および前記指示手段に接続され、前記検知機構により検知され前記医療器具の回転検知結果に基づいて、前記指示手段の設定に基づいて前記動作機構を手動または自動で制御する制御手段とをさらに具備することが好適である。
指示手段で手動設定しておくと、指示手段から制御手段を通して動作手段を、医療器具の回転軸に加えられたねじりを解放動作させるように動作させることによって、回転軸に加えられたねじり力を解放させることができる。また、指示手段で自動設定しておくと、検知機構による回転軸の回転検知結果に基づいて、制御手段を通して動作機構を所望の状態に動作させることができる。したがって、回転軸がねじられたときに逐一、または、所定のねじり量以上のねじり量が回転軸に加えられたときに保持部を回転軸と同一方向に自動的に回転させることによって、操作者が保持しなければならない、回転軸に加えられるねじり力の反力を低減させることができる。
【0013】
また、前記医療器具は、前記保持部に保持される基部と、この基部から前記回転軸方向に延出され、先端部近傍に湾曲部を有し、前記検知機構によりその回転が検知される細長い挿入部と、前記湾曲部を湾曲させる操作部とを備えた内視鏡であることが好適である。
このため、内視鏡の挿入部の先端部をその軸周りに回動させたときに操作者が保持しなければならない反力を低減させることができる。
【0014】
また、上記課題を解決するために、医療器具がその回転軸周りにねじられたときにそのねじり力を解放するねじり力解放方法は、前記医療器具を保持部で保持した状態で前記回転軸を前記回転軸周りに回転させる工程と、前記回転軸周りの回転に伴って前記医療器具に加えられるねじり力を解放するように前記回転軸の回転方向と同方向に前記保持部を回転させる工程とを具備することを特徴とする。
このため、回転軸と同一方向に保持部を回転させることによって、回転軸に加えられるねじり力を解放させることができる。
【0015】
また、前記回転軸周りの回転に伴って前記医療器具に加えられるねじり力を解放するように前記回転軸の回転方向と同方向に前記保持部を回転させる工程は、操作者の指示によって手動で行うことが好適である。
このため、手動で、所望の状態まで保持部を回転させて、回転軸に加えられたねじりを解放することができる。
【0016】
また、上記課題を解決するために、医療器具がその回転軸周りにねじられたときにそのねじり力を解放するねじり力解放方法は、前記医療器具を保持部で保持した状態で前記回転軸を前記回転軸周りに回転させる工程と、前記回転軸の回転を検知する工程と、前記回転軸の回転が検知されるとともに、前記医療器具に加えられるねじり力を解放するように前記回転軸の回転方向と同方向に前記保持部を自動的に回転させる工程とを具備することを特徴とする。
このため、回転軸に加えられたねじりを自動的に解放することができるので、操作者が回転軸を保持しなければならない力を低減させることができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、内視鏡の挿入部の先端部などの医療器具を患者等に挿入等するために回動させたときに生じるトルクを適宜に解放することが可能な、操作性の高い医療装置、および、医療器具がその回転軸周りにねじられたときにそのねじり力解放方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明する。
【0019】
第1の実施の形態について図1ないし図10を用いて説明する。
図1および図2に示すように、この実施の形態に係る医療装置10は、支持装置(支持機構)12と、電動湾曲内視鏡(医療器具)14と、光源装置16と、ビデオプロセッサ18と、コントロールボックス(制御手段)20と、操作部22と、検知機構24とを備えている。支持装置12は、ベッド26の右側や左側などに適宜に配設されている。この支持装置12には、電動湾曲内視鏡14が所定の範囲内で移動自在に支持されているとともに、光源装置16、ビデオプロセッサ18、および、コントロールボックス20が載置されている。
【0020】
そして、電動湾曲内視鏡14は、体腔内の観察機能および処置機能を備えている。光源装置16は、内視鏡14の後述する挿入部34の先端部の前面から出射する照明光束を供給する。ビデオプロセッサ18は、後述する撮像ユニット42からの映像信号を受けて所定の信号処理を施す。コントロールボックス20は、第1の系統と第2の系統とを備えている。第1の系統は、内視鏡14を観察や処置に使用する際の送気や送水を行うための電磁弁ユニットを動作させるためのものである。第2の系統は、内視鏡14を制御するものではなく、別に設けられた後述する動作機構250(図10参照)を動作させるためのものである。第2の系統については後述する。
【0021】
コントロールボックス20の第1の系統の電磁弁ユニットは、挿入部34の内部に設けられる後述する送気送水管路52や吸引管路54等を介して送気送水および吸引動作の制御を行う。コントロールボックス20のシステムコントローラは、光源装置16およびビデオプロセッサ18に電気的に接続されている。
【0022】
なお、図1に示すように、コントロールボックス20の電磁弁ユニットには、流体制御カセット28が着脱可能に装着されている。この流体制御カセット28は、送気、送水、吸引に関する弁体を有する流量調整機構を備えている。電磁弁ユニットは、流体制御カセット28の流量調整機構を駆動する。
【0023】
図1および図2に示すように、内視鏡14は、例えば略円筒状や略円柱状の基部32と、この基部32の一側面から延出された細長形状の挿入部34と、基部32の他側面から延出された細長形状のユニバーサルケーブル36とを一体的に備えている。
【0024】
図3に示すように、基部32の外周には、後述する内視鏡保持部100(図1参照)のロック用のスライドプレート190(図7および図8参照)が嵌合される1対の嵌合溝部32aが形成されている。
【0025】
挿入部34とユニバーサルケーブル36とは、基部32に対して同一の軸上に配置されている。これら挿入部34とユニバーサルケーブル36とは、ともに適宜に可撓性を備えている。図1および図2に示すように、ユニバーサルケーブル36の端部は光源装置16に光学的に接続されているとともに、ビデオプロセッサ18に電気的に接続されている。内視鏡14は、さらに、後述する湾曲部34bを湾曲させたり、送気送水や吸引を行うための操作部22を別に備えている。この操作部22は、コントロールボックス20に電気的に接続されている。
【0026】
挿入部34は、その最先端側に形成された先端硬質部34aと、この先端硬質部34aの基端側に連設された湾曲部34bと、この湾曲部34bの基端側に連設され、細長状に形成された可撓管部34cとを備えている。先端硬質部34aには、撮像光学系(図示せず)やCCD等の撮像素子等によって構成される撮像ユニット42が内蔵されている。湾曲部34bは、操作部22による湾曲操作指示に応じて制御される後述する湾曲駆動機構44の駆動制御により上下左右に湾曲動作するように構成されている。
【0027】
基部32には、湾曲部34bを湾曲させるための湾曲駆動機構44が内蔵されている。この基部32から延出された挿入部34は、体腔内の導管に挿入するために可撓性を有する。基部32の他側から延出されたユニバーサルケーブル36の端部には、光源装置16が光学的に接続され、かつ、ビデオプロセッサ18が電気的に接続されている。
【0028】
また、挿入部34には、駆動機構44からの駆動力を受けて駆動されるアングルワイヤ48が挿通されている。このアングルワイヤ48は、図示しないが、湾曲部34bの先端側に接続されている。このため、アングルワイヤ48が基部32の湾曲駆動機構44からの駆動力を受けて駆動されると、湾曲部34bが上下左右方向に湾曲する。
【0029】
挿入部34には、送気送水管路52と吸引管路54とが挿通されている。送気送水管路52の先端には送気送水口が開口され、吸引管路54の先端には吸引口が開口されている。送気送水管路52の基端は送気送水口が基部32に開口され、吸引管路54の基端は吸引口が基部32に開口されている。送気送水管路52の基端の送気送水口、および吸引管路54の基端の吸引口には、後述するチューブ82の一端が接続されている。すなわち、基部32には、チューブ82の一端が接続されている。また、挿入部34には、鉗子等の処置具を挿通させる鉗子管路56が挿通されている。この鉗子管路56の先端側前面には鉗子口が開口されている。鉗子管路56の基端は、挿入部34の基端部で、基部32の近傍に形成された鉗子挿入口56aに連通されている。このため、鉗子挿入口56aから挿入される鉗子等の処置具は、鉗子管路56を挿通して挿入部34の先端側前面から突出可能である。
【0030】
湾曲駆動機構44は、電動モータ62や、この電動モータ62から生じる動力を伝達および切り離すために形成される各種の部材等によって構成される湾曲駆動手段である。湾曲駆動機構44は、電動モータ62と、モータ制御部64と、エンコーダ66と、減速ギヤ68とを備えている。
電動モータ62は、回転による駆動力を生じさせる。モータ制御部64は、電動モータ62を含む湾曲駆動機構44の統括的な制御を行う。エンコーダ66は、電動モータ62の駆動軸の回転速度や回転量等の動作状態をデータ化する。減速ギヤ68は、電動モータ62の駆動軸の回転動力を減速させる。
【0031】
光源装置16には、ライトガイド72が接続されている。このライトガイド72は、ユニバーサルケーブル36、基部32および挿入部34の内部を挿通して、挿入部34の先端にまで延設されている。このため、光源装置16から供給される照明光束は、ライトガイド72を介して挿入部34の先端から出射される。
【0032】
ビデオプロセッサ18には、撮像ユニット42からの映像信号を伝達する信号ケーブル76が接続されている。この信号ケーブル76は、挿入部34の先端の撮像ユニット42から延出され、挿入部34、基部32、および、ユニバーサルケーブル36の内部を挿通して、ビデオプロセッサ18の所定の端子に接続されている。また、ビデオプロセッサ18には、コントロールパネル(モニタ)80が電気的に接続されている。ビデオプロセッサ18から出力される映像信号はコントロールパネル80に伝送される。この信号を受けて、コントロールパネル80には、所定の内視鏡画像がその表示部に表示される。また、このコントロールパネル80は、表示部の他、この表示部の表示面上にタッチパネル式などの操作部が設けられている。このため、術者は、このコントロールパネル80の操作部から各種の操作指示を入力することができる。
【0033】
コントロールボックス20の流体制御カセット28には、挿入部34の送気送水管路52や吸引管路54に連通する1対のチューブ82が接続されている。すなわち、電磁弁ユニットは、流体制御カセット28、チューブ82、送気送水管路52、吸引管路54を介して挿入部34の先端に連通されている。このため、電磁弁ユニットが駆動されて流体制御カセット28から送気送水動作が行なわれると、チューブ82、基部32および挿入部34の送気送水管路52を通して挿入部34の先端面から送気送水を行うことができる。また、電磁弁ユニットが駆動されて吸引動作が行なわれると、挿入部34の先端面から挿入部34および基部32の吸引管路54、チューブ82を通して吸引を行うことができる。また、チューブ82は中空の柔軟な樹脂材で形成されているのに対してユニバーサルケーブル36にはライトガイド72や信号ケーブル76が内部に配設されている分、チューブ82よりも可撓状態にし難い。すなわち、チューブ82は、ユニバーサルケーブル36に対してトルク伝達率が低く形成されている。
【0034】
支持装置12は、支持装置基部92と、アーム94と、第1および第2の支持部96,98と、内視鏡保持部100とを備えている。支持装置基部92は、例えばキャスター等を備えて構成されるカートである。この支持装置基部92には、光源装置16、ビデオプロセッサ18、コントロールボックス20が収納されているとともに、これらが載置された状態で床上を移動自在である。アーム94の一端は、支持装置基部92に支持されている。また、アーム94の他端には、内視鏡保持部100が配設されている。このため、アーム94は、内視鏡14を支持するとともに、内視鏡14を所定の範囲内で移動させる。第1および第2の支持部96,98は、例えばアーム94に配設されている。
【0035】
これら第1および第2の支持部96,98は、それぞれバンドルリテナ102を備えている。これら第1および第2の支持部96,98における、一方のバンドルリテナ102には、例えばユニバーサルケーブル36およびチューブ82が配設されている。他方のバンドルリテナ102には、例えばユニバーサルケーブル36およびチューブ82が配設されている。これらバンドルリテナ102は、ユニバーサルケーブル36やチューブ82の軸方向に沿った移動をそれぞれ許容するとともに、軸回りの回動/回転もそれぞれ許容する。
【0036】
なお、アーム94は、内視鏡14の挿入部34を傾けた状態で保持する場合があるため、1つまたは複数の関節により傾斜可能である。また、関節には大きな力が加えられることがあるため、それぞれ電磁ブレーキなど、所望の状態で固定させる固定機構が配設されていることが好ましい。このため、内視鏡14は、所定の範囲内で所望の角度に固定可能である。また、内視鏡14の基部32は、内視鏡保持部100によって挿入部34やユニバーサルケーブル36の軸回りに回転可能に支持されている。
【0037】
図4に示すように、操作部22には、湾曲操作の指示を行う操作スティック112と、第1ないし第4の操作ボタン(指示手段)114a,114b,114c,114dとが配設されている。操作スティック112は、中心方向に付勢され、中心から例えば互いに直交する4方向など、適当な方向に倒すことが可能である。この操作によって、内視鏡14の挿入部34の湾曲部34bが湾曲される。また、第1の操作ボタン114aには、医療装置10の起動スイッチが割り当てられている。
【0038】
第2の操作ボタン114bは、モード切替スイッチである。第3および第4の操作ボタン114c,114dは、設定時にはモード切替スイッチとして使用し、手術時などの使用時には、作動スイッチとして使用させることができる。
例えば、第2の操作ボタン114bには、内視鏡14の基部32を手動操作により回動させる後述する手動操作(マニュアル)モードと、自動で回動させる自動操作(オート)モード(電動操作モード)のモード切替スイッチが割り当てられている。第3および第4のボタン114c,114dには、手動操作モードの場合にはモータ252の駆動軸の正転/逆転スイッチなどの作動スイッチが割り当てられている。また、第3および第4のボタン114c,114dには、自動操作モードの場合には後述する追従回転モードと定角度回転モードとを選択する設定スイッチが割り当てられている。また、第3および第4のボタン114c,114dには、各種の設定後に行う手術時にモータ252の駆動軸の回転を強制的に停止させる強制停止スイッチが割り当てられている。
【0039】
なお、この操作部22には、その他、図示しないが、湾曲操作指示や送気送水、および、吸引操作指示信号を生じさせる各種の操作ボタンも配設されていることが好適である。
この操作部22は、電気ケーブル22a(図2参照)によってコントロールボックス20に電気的に接続されている。このため、操作部22の各操作部材が操作されることによって生じる操作指示信号は、電気ケーブル22aを介してコントロールボックス20の第1の系統および第2の系統に伝達される。この電気ケーブル22aは、システムコントローラに電気的に接続されている。
【0040】
図5に示すように、コントロールボックス20の第2の系統は、制御回路122と、スイッチ入力回路124と、回転駆動回路126と、駆動停止回路128とを備えている。スイッチ入力回路124、回転駆動回路126、および、駆動停止回路128は、それぞれ制御回路122に電気的に接続されている。さらに、スイッチ入力回路124は、コントロールボックス20の外部の操作部22に電気的に接続されている。制御回路122は、検知機構24の後述するフォトトランジスタ136eに電気的に接続されている。回転駆動回路126、および、駆動停止回路128は、動作機構250に電気的に接続されている。
【0041】
したがって、コントロールボックス20は、操作部22から各種の指示信号を受けると、指示信号に対応する制御を行うための制御信号を第1の系統および第2の系統の各機器に向けて適宜に伝達する。また、コントロールボックス20は、コントロールパネル80の操作部からの各種の操作指示信号を受けて、指示信号に対応する制御を行うための制御信号を各機器に向けて適宜に伝達する。
【0042】
図6に示すように、検知機構24は、筐体132と、1対のベアリング134と、センサ136とを備えている。筐体132には、内視鏡14の挿入部34が挿通される貫通孔132aが形成されている。この貫通孔132aには、内視鏡14の挿入部34を回動可能に支持するベアリング134が配設されている。この筐体132内には、センサ136が配設されている。この検知機構24のセンサ136は、電気ケーブル24aによってコントロールボックス20に電気的に接続されている。このため、センサ136の出力はコントロールボックス20に入力される。また、センサ136は、コントロールボックス20によってその動作を制御可能である。筐体132は、図1中の下側が上側に比べて重く形成されているなど、ベッド26に対する回転が防止されるように配置されている。筐体132内には、重力センサ(図示せず)が配設されている。この重力センサによって、筐体132が所定の向きを常に下側に保つように制御することができる。
【0043】
センサ136は、発光ダイオード(発光素子)136aと、レンズ136bと、スリット円盤136cと、固定スリット136dと、フォトトランジスタ(受光素子)136eとを備えている。
筐体132には、発光ダイオード136aが固定されている。この発光ダイオード136aは、筐体132の貫通孔132aの軸方向に沿って、すなわち、内視鏡14の挿入部34の軸方向に沿って光を発光する。この発光ダイオード136aの光路上には、レンズ136bが配設されている。このレンズ136bは、所定の焦点距離に光を集束させる。そして、このレンズ136bを通した光路上には、スリット円盤136cが配設されている。このスリット円盤136cは、内視鏡14の挿入部34の外周に配設されている。このスリット円盤136cには、中心から放射状にスリットが形成されている。このスリット円盤136cの後ろ側には、固定スリット136dが配設されている。この固定スリット136dの後ろ側には、フォトトランジスタ136eが配設されている。このフォトトランジスタ136eは、固定スリット136dを通る光を検知して、内視鏡14の挿入部34の、初期位置に対する回転方向や回転量を検知する。
【0044】
図7および図8に示すように、内視鏡保持部100は、第1および第2の支持機構142,144と、ブレーキ機構(抵抗力発生機構)146とを備えている。
第1の支持機構142は、内視鏡14の基部32が配設される筒状の内輪(回動部)152と、内視鏡14の基部32を内輪152に配設した状態で装着するストッパ154とを備えている。第2の支持機構144は、支持装置12のアーム94に接続された筒状のカバー(連結部)162と、このカバー162の内側に配設された筒状の外輪(支持部)164とを備えている。
【0045】
カバー162の外周には、アーム94(図1および図2参照)に装着されるアーム取付用シャフト162aが形成されている。このため、アーム94の先端には、アーム取付用シャフト162aによってカバー162が装着されている。このカバー162の内側には、外輪164が固定されている。
【0046】
外輪164の内側には、内輪152が配設されている。外輪164の内周面には、ベアリング172が固定されている。すなわち、外輪164の内周面と内輪152の外周面との間には、ベアリング172が配設されている。このベアリング172は、それぞれ外輪164の内周面に形成された凹部164aにベアリング172の配置のガタツキを防止する調整用シム166を介して配設されている。さらに、内輪152の下端部の外周面には、雄ネジ部152aが形成されている。この雄ネジ部152aには、リング状のストッパネジ176を螺合可能である。このため、筒状のカラー178で、調整用シム179を介してベアリング172をガタツキを防止しながら支持するように配置し、このカラー178をストッパネジ176によって固定することによってベアリング172を固定している。このため、内輪152は、その中心軸を支軸として外輪164に対して回転または回動可能である。すなわち、内輪152と外輪164の中心軸は共通である。
【0047】
内輪152の上端には、内輪152の中心軸に対して径方向外方に突出したフランジ部180が形成されている。このフランジ部180には、後述するストッパピン196の下端部を配設可能な、それぞれ1対の第1および第2の凹部180a,180bが形成されている。第1の凹部180aは第2の凹部180bよりも内輪152の中心側に形成されている。第1の凹部180aは、フランジ部180を貫通する寸前までの深さに形成されている。第2の凹部180bは、第1の凹部180aよりも浅く形成されている。
【0048】
図8に示すように、このフランジ部180には、中心軸に対して対称的に、径方向外方に突出した突出部182が形成されている。これら突出部182の外側端部には、図8中の上側に向かって折り曲げられた縁部184が形成されている。
【0049】
このフランジ部180には、ストッパ154が配設されている。ストッパ154は、トッププレート188と、スライドプレート190と、チューブ192と、圧縮バネ194と、ストッパピン196と、ノブ198とを備えている。
【0050】
トッププレート188は、フランジ部180の縁部184に載置された状態でフランジ部180に固定されている。このトッププレート188の下面とフランジ部180の上面との間には、スライドプレート190が配設されている。これらスライドプレート190は、トッププレート188の下面とフランジ部180の上面との間をスライド可能である。
【0051】
トッププレート188には、それぞれ略矩形状の貫通孔188aが形成されている。これら貫通孔188aの長手方向は、内輪152の中心軸に対する径方向である。
【0052】
スライドプレート190には、貫通孔190aが形成されている。この貫通孔190aには、チューブ192の下端部が配設されている。そして、ピン192aによって、スライドプレート190がチューブ192に固定されている。なお、スライドプレート190とチューブ192との間にはカラー193が配設されている。すなわち、チューブ192は、トッププレート188の貫通孔188aを通してスライドプレート190から立設されている。したがって、チューブ192は、トッププレート188の貫通孔188a内をスライド可能である。そうすると、このチューブ192を貫通孔188aに沿って移動させると、スライドプレート190がトッププレート188に対して所定の範囲内でスライドされる。
【0053】
チューブ192の内側には、圧縮バネ194が配設されている。さらに、この圧縮バネ194の内側には、ストッパピン196がチューブ192の下端部に向かって付勢された状態で配設されている。このストッパピン196の上端部には、チューブ192の上端部から上方に突出した状態で、ノブ198がイモネジ199により固定されている。
【0054】
図9(A)に示すように、ブレーキ機構146は、内輪152と外輪164との間の回転を阻害するように設けられている。
図9(B)に示すように、外輪164の上端面には、クリック用プレート(係合部)212が一体的に固定されている。このクリック用プレート212には、断面が略V字型の複数のV字部212aと、断面が山形の複数の山形部212bとが互いに隣接された状態に形成されている。これらV字部212aと山形部212bとは、クリック用プレート212の上面の全周にわたって形成されている。すなわち、外輪164の上面は、いわゆるギザギザ状に形成されている。
【0055】
内輪152のフランジ部180には、凹部220が形成されている。この凹部220には、貫通孔222が形成されている。内輪152のフランジ部180の凹部220には、この貫通孔222を上側から覆うように、板バネ(付勢部)224がネジ225により固定されている。この板バネ224は、後述するサポート部材228を介してクリック用ボール226を外輪164のクリック用プレート212に対して押圧している。なお、板バネ224によるサポート部材228の付勢力(押圧力)は、材料や板厚、ネジ225からの距離などにより適宜に設定されている。
【0056】
クリック用プレート212のV字部212aの1つには、クリック用ボール(当接部)226が載置されている。このクリック用ボール226は、一部が内輪152のフランジ部180の凹部220の貫通孔222に収容されている。このクリック用ボール226と板バネ224との間には、サポート部材228が配設されている。クリック用ボール226は、常に、一部が内輪152の凹部220の貫通孔222に収容された状態で貫通孔222の軸方向に沿って移動する。
【0057】
外輪164に対して内輪152が回動すると、クリック用ボール226は、クリック用プレート212の山形部212bにより徐々に上側に移動するとともに、サポート部材228を板バネ224に対して押圧する。このため、クリック用ボール226は内輪152の回転により1つの山形部212bを乗り越えて隣接するV字部212aに収容されることが可能である。
なお、内輪152の凹部220にゴミ等が浸入することを防止するため、凹部220には目隠しプレート230がネジ231により固定されていることが好ましい。
【0058】
図10に示すように、内輪152と外輪164との間には、外輪164に対して内輪152を動作させる動作機構250が配設されている。この動作機構250は、外輪164に一体的に形成されたモータ台座165に配設されたモータ252と、カップリング254と、第1のギヤ(速度可変機構)256と、内輪152のカラー178の外周に設けられた第2のギヤ(速度可変機構)258とを備えている。モータ252は、内視鏡14の挿入部34の軸方向と平行な方向にその軸を有するように配設されている。第1のギヤ256および第2のギヤ258は、ともに例えば平歯車である。そして、第1のギヤ256と第2のギヤ258とは、適当なギヤ比(速度可変機構)により互いに対して回転可能である。すなわち、外輪164に対して内輪152が回転可能である。
【0059】
モータ252は、コントロールボックス20の後述する回転駆動回路126および駆動停止回路128に電気的に接続されている。このため、このモータ252の回転方向や回転数はコントロールボックス20によって制御される。
【0060】
また、外輪164には、マイクロスイッチ262が装着されている。このマイクロスイッチ262は、コントロールボックス20に電気的に接続されている。カラー178の外周には、所定の間隔をおいて突起178aが形成されている。これら突起178aは、内輪152およびカラー178の回転に伴ってマイクロスイッチ262に接触される。このため、これら突起178aの接触位置や接触回数によって、モータ252の回転が制御される。
【0061】
このように形成された動作機構250は、モータ252、外輪164および第1のギヤ256などを覆うとともに、支持装置12のアーム94に接続されたカバー162(図8には図示せず)によって覆われている。
【0062】
次に、この実施の形態に係る医療装置10の作用について説明する。
まず、内視鏡14の基部32を支持装置12の内視鏡保持部100に装着する。ここで、内視鏡保持部100のスライドプレート190が図7および図8に示す状態にあるとする。この状態ではスライドプレート190が内輪152の内周面よりも中心軸側に配置されているので、内視鏡14の基部32を内輪152の内側に挿入することができない。
【0063】
そこで、ストッパ154のノブ198を把持して圧縮バネ194の付勢力に抗して図8の上側に向かってストッパピン196を移動させる。このため、ストッパピン196の下端と第2の凹部180bとの間の係合が解除される。この状態で、チューブ192をトッププレート188の貫通孔188aの長手方向に沿って径方向外方に向かって移動させる。すなわち、ストッパ154のチューブ192を貫通孔188aの内方側端部から外方側端部まで移動させる。そうすると、スライドプレート190が内輪152の内周面に対して引き込まれてトッププレート188の下側にスライドされる。この状態でノブ198を放す。すると、圧縮バネ194の付勢力により、ストッパピン196の下端が第1の凹部180aに係合される。すなわち、内輪152の内側に、内視鏡14の基部32を配置可能な状態となる。
【0064】
そして、この基部32を、内視鏡保持部100の上側または下側から、内輪152の内側に挿入する。このとき、基部32の1対の嵌合溝部32aに、それぞれスライドプレート190を嵌合させる。この場合、ノブ198を把持して圧縮バネ194の付勢力に抗して図5中の上側にストッパピン196を移動させる。このため、ストッパピン196の下端と第2の凹部180bとの間の係合が解除される。この状態で、チューブ192をトッププレート188の貫通孔188aの長手方向に沿って径方向内方に向かって移動させる。すなわち、ストッパ154のチューブ192を貫通孔188aの外方側端部から内方側端部まで移動させ、スライドプレート190を内輪152の内周面側に突出させる。このスライドプレート190を内視鏡14の基部32の1対の嵌合溝部32aに挿入する。この状態でノブ198を放す。すると、圧縮バネ194の付勢力により、ストッパピン196の下端が第1の凹部180aに係合される。すなわち、内輪152の内側に、内視鏡14の基部32が装着された状態となる。このとき、第1の凹部180aは第2の凹部180bよりも十分に深く形成されているので、ストッパピン196が抜け難くされている。このため、内視鏡14の基部32を介して内視鏡保持部100に大きな力が加えられたときであっても、基部32の嵌合溝部32aにスライドプレート190が挿入された状態が維持される。
内視鏡14は、このように内視鏡保持部100に保持された状態で使用される。
【0065】
そして、医療装置10のメインスイッチを起動させた後、操作部22の第1の操作ボタン(起動スイッチ)114aを押圧する。すると、医療装置10のうち、内視鏡14の挿入部34の湾曲部34bの電動操作が可能となったり、支持装置12の内視鏡保持部100の動作機構250の動作が可能となる。術者は、操作部22の第2の操作ボタン114bを操作して、手動操作モードおよび自動操作モードを選択する。
【0066】
ここで、自動操作モードを選択したとき、内視鏡14の挿入部34の先端部の回動操作に逐一追従して基部32を回動させて挿入部34に加えられるトルクを解放させる追従回転モードを選択することもでき、内視鏡保持部100で検知する基部32の回動角度と、検知機構24で検知する挿入部34の回動角度とが適当な角度差に到達したときにトルクを解放させるように動作させる定角度回転モードを選択することもできる。挿入部34の回動角度が適当な角度差になったときに動作させる定角度回転モードを選択する場合に備えて、動作機構250を動作させるための角度差などを設定しておく。
【0067】
ここで、検知機構24は、ベッド26に対する回転が防止されるように配置されている。すなわち、検知機構24の筐体132それ自体は、内視鏡14の挿入部34が回動することに伴って回動することが防止されている。そして、この位置で、検知機構24に対する内視鏡14の挿入部34の回転方向の初期位置を設定する。この初期位置は、内視鏡14の挿入部34に回転方向の力が加えられていない状態である。すなわち、内視鏡保持部100に対する内視鏡14の基部32の所定の位置を初期位置として設定する。なお、操作部22の第1の操作ボタン114aを押圧した時点の状態を自動的に初期位置として設定することも好適である。また、再度初期位置を設定する場合、操作部22の第1の操作ボタン114aを短く押圧すると設定されることも好適である。
【0068】
検知機構24は、操作部22の第1の操作ボタン114aの押圧の直後から、発光ダイオード136aを発光させ続ける。発光ダイオード136aから出射された光は、レンズ136bを通してスリット円盤136c、固定スリット136dを通してフォトトランジスタ136eに入射される。フォトトランジスタ136eは、適当な時間間隔ごとに電気ケーブル24aを通して制御回路122にその検出データを送信する。検出データの送信時間間隔は例えば1秒間に数回から十数回や数十回とするなど、適宜に設定可能である。なお、上述した初期位置の設定により内視鏡14の挿入部34の回転方向の所定の位置が検知機構24の初期位置として設定される。
【0069】
コントロールパネル80には、内視鏡保持部100の設定した初期位置に対する内視鏡14の基部32の位置を検知したデータ(角度)が表示されているとともに、検知機構24で検知したデータ(角度)が表示されている。また、コントロールパネル80の表示部には、内視鏡14の基部32に対して内視鏡14の挿入部34がどのくらいの角度まで回動したのかが表示されている。
【0070】
図1および図2に示す内視鏡14の挿入部34の先端部を体腔内の導管等の所望の位置まで導入する。この際、操作部22の操作スティック112を操作して湾曲部34bを湾曲させる他、挿入を容易にするテクニックの1つとして、術者が挿入部34を把持して挿入部34の軸回りに回動または回転させながら挿入することがある。このように挿入部34を回動させると、その回動力が挿入部34から基部32に伝達される。すなわち、内視鏡保持部100に保持された基部32に、挿入部34の回動に伴って回動力が伝達される。このため、基部32からスライドプレート190を通して内輪152に回動力が伝達される。
【0071】
内輪152は、アーム94に固定されたカバー162によって保持された外輪164に対して回動しようとする。この場合、板バネ224によってサポート部材228を介してV字部212aの両方の斜面に押圧されていたクリック用ボール226は、内輪152の貫通孔222によりV字部212aの一方の斜面に押圧される。クリック用ボール226は、V字部212aの斜面、すなわち、山形部212bの斜面を登ろうとする。そうすると、クリック用ボール226は、サポート部材228を介して板バネ224を上側に押圧する。
【0072】
そして、所定の力以上の力が内輪152に加えられた場合、クリック用ボール226は板バネ224をその付勢力に抗して弾性変形させて、山形部212bを乗り越える。すなわち、隣接するV字部212aにクリック用ボール226が収容される。所定の力以上の力が内輪152に加えられた状態が維持されている場合、クリック用ボール226はさらに隣接する山形部212bを乗り越えて隣接するV字部212aに収容される作用を繰り返す。所定の力以上の力が加えられ続けている間は、内輪152が外輪164に対して回動する。
なお、内輪152が外輪164に対して回動する場合には、板バネ224がその弾性力により内輪152の凹部220に当接される際の音や振動、クリック用ボール226がV字部212aに収容される際の音や振動が生じる。すなわち、クリック感を得ることができる。
【0073】
一方、所定の力以下の力が内輪152に加えられても、板バネ224により、サポート部材228を介して下側に押圧されたクリック用ボール226は山形部212bを乗り越えることができない。したがって、所定の力以下の力が内輪152に加えられても、外輪164に対して回動することが防止されている。
【0074】
ここで、ユニバーサルケーブル36の端部は光源装置16およびビデオプロセッサ18に接続されている。また、チューブ82の端部はコントロールボックス20に回動が防止された状態で接続されている。このため、ユニバーサルケーブル36やチューブ82の回動量には限度がある。すなわち、基部32や挿入部34の回動量にも限度がある。したがって、術者が挿入部34を把持して挿入部34を回動させたとき、その回動を元に戻そうとする反力が働く。一方、術者は、挿入部34が回動された状態を保持するように、その反力に抗して回動力を及ぼし続ける。
【0075】
ここで、挿入部34を軸回りに回動させた状態から元の回動状態に戻す場合、ブレーキ機構146のV字部212aに収容されたクリック用ボール226は、サポート部材228を介して板バネ224をその付勢力に抗して弾性変形させながら山形部212bを乗り越える作用を繰り返す。このように、外輪164に対して内輪152が回動される場合、クリック用ボール226は板バネ224の付勢力に抗して山形部212bを乗り越えなければならないので、回動状態を元に戻し難いブレーキ作用が生じる。そして、クリック用ボール226が山形部212bを順次乗り越えるたびに回動に対する反動のエネルギが消費されるので、挿入部34の回動を元の回動状態に戻そうとする回動は、エネルギの消費とともに緩やかになる。
【0076】
挿入部34をその軸回りに回動させると基部32に力が伝達されて回動するが、ユニバーサルケーブル36をその軸回りに回動させて基部32に力が伝達されても基部32が回動しない場合がある。これは、一般に、ユニバーサルケーブル36が挿入部34に比べて柔らかく形成されているために力を伝達させ難いことによって生じるものである。このため、ユニバーサルケーブル36の根元に基部32が回動するだけのトルクを加えると、基部32が回動するとともに挿入部34も回動される。
【0077】
このため、この実施の形態に係る内視鏡保持部100は、挿入部34をその軸回りに回動させると基部32が回動するが、ユニバーサルケーブル36をその軸回りに回動させても基部32が回動しないものではなく、所定の力以上の力が加えられると基部32が回動し、所定の力以下の力が加えられても基部32の回動が停止される。
【0078】
術者をこのような挿入部34からの反力から解放させることが必要である。以下、操作部22の第2の操作ボタン114bによって、手動操作モードおよび自動操作モードを選択して、術者に対する負担を解放させる際の作用について説明する。
ここではまず、内視鏡14の挿入部34を回動させた際に生じるトルク量を、手動で操作部22を操作して解放させる際の作用について説明する。
【0079】
操作部22の第2の操作ボタン114bを押圧して手動操作モードを選択する。この信号が電気ケーブル22aを介してコントロールボックス20内のスイッチ入力回路124に入力される。コントロールパネル80の表示部には、手動操作モードが選択された旨が表示されている。
【0080】
この状態で、操作者が内視鏡14の挿入部34を回動させる。すると、検知機構24はその回動角度を検知して制御回路122にそのデータを送信する。このとき、制御回路122は、内視鏡14の挿入部34の回動角度に対する基部32の角度を適当な時間間隔ごとに算出して比較する。このデータは、コントロールパネル80の表示部に表示される。
【0081】
ここで、操作部22の操作者は、第3の操作ボタン114cおよび第4の操作ボタン114dを操作して、内視鏡保持部100の動作機構250を動作させる。操作部22からの信号は、スイッチ入力回路124を通して制御回路122に入力される。そして、制御回路122は、回転駆動回路126に信号を送信する。回転駆動回路126から動作機構250のモータ252に信号を送って、モータ252の駆動軸を回転させる。
【0082】
モータ252の駆動軸が回転すると、カップリング254を介して第1のギヤ256が回転する。第1のギヤ256の回転に伴って第2のギヤ258が回転する。すなわち、外輪164に対して内輪152が回転する。このときの内輪152の回転量は、マイクロスイッチ262と突起178aとの関係によって得られる。マイクロスイッチ262は、突起178aが触れた方向および回数のデータ信号を駆動停止回路128に送信する。
【0083】
操作者は、挿入部34の回動のトルク量が所望の状態になったとき、第3の操作ボタン114cおよび第4の操作ボタン114dの操作を止める。
【0084】
このとき、ユニバーサルケーブル36は、バンドルリテナ102に配設され、かつ、長く形成されている。このため、ユニバーサルケーブル36の回動や軸方向の移動は許容されている。
【0085】
次に、内視鏡14の挿入部34を回動させた際に生じるトルク量を、自動的に解放させる際の作用について説明する。
【0086】
操作部22の第2の操作ボタン114bを押圧して自動操作モードを選択する。この信号が電気ケーブル22aを介してコントロールボックス20内のスイッチ入力回路124に入力される。コントロールパネル80には、自動操作モードが選択された旨が表示されている。さらに、ここではまず、適当な角度に到達したときにトルクを解放する定角度回転モードを選択するものとする。
【0087】
操作者が内視鏡14の挿入部34を回動させる。すると、検知機構24はその回動角度を検知して制御回路122にそのデータを送信する。このとき、制御回路122は、内視鏡14の挿入部34の回動角度に対する基部32の角度を適当な時間間隔ごとに算出して比較する。第1の操作ボタン114aを押圧した後に予め設定しておいた所定の角度以上に角度差が開いたとき、動作機構250を動作させる。
【0088】
すなわち、制御回路122は、回転駆動回路126に信号を送信する。回転駆動回路126から動作機構250のモータ252に信号を送って、モータ252の駆動軸を回転させる。モータ252の駆動軸が回転すると、カップリング254を介して第1のギヤ256が回転する。第1のギヤ256の回転に伴って第2のギヤ258が回転する。すなわち、外輪164に対して内輪152が回転する。このときの内輪152の回転量は、マイクロスイッチ262と突起178aとの関係によって得られる。マイクロスイッチ262は、突起178aが触れた方向および回数のデータ信号を駆動停止回路128に送信する。制御回路122は、回転駆動回路126を通してモータ252の駆動軸の回転を止めるか否か、信号を送信する。
【0089】
なお、自動操作モードに設定している場合であってもモータ252の駆動軸の回転を止めたい場合、第3の操作ボタン114cまたは第4の操作ボタン114dのいずれかを押圧して、モータ252の駆動軸の回転を強制的に停止させる。
【0090】
自動操作モードを選択し、さらに挿入部34の回動操作に応じて基部32を回動させる追従回転モードを選択した場合、検知機構24で検知した角度に対して、動作機構250を逐一回動させる。このため、術者が挿入部34の先端部を回動させようとしても、初期状態から小さなトルクの変化のみで手術を行うことができる。
【0091】
また、操作者は、手術中に手動モードから自動モードへ、または、自動モードから手動モードへ、適宜に変更することができる。この場合、第2の操作ボタン114bを押圧することによって、切り替える。なお、挿入部34にトルクが加えられた状態で保持されている場合に手動モードから自動モードへと切り替えると、自動的に内視鏡14の基部32がトルクを解放するように回動する。
【0092】
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下のことが言える。
内視鏡14の挿入部34の先端部をその軸周りに回動させたときに生じるトルクを、手動または自動で解放させることができる。このため、手術中などに操作者が内視鏡14の挿入部34の先端部に生じるトルクに抗してその回動状態を保持しなければならないときの、そのトルク量を適宜に減少させることができる。したがって、操作者が挿入部34の先端部を、挿入部34のトルクに抗して保持しなければならない、といった操作者にかかる負担を大きく軽減させることができる。
【0093】
なお、この実施の形態では、コントロールパネル80に操作部22の設定状態を表示することについて説明したが、例えば操作部22に表示部(図示せず)を設けて操作部22による設定事項を適宜に表示させることもできる。
【0094】
また、本実施の形態では、検知機構24を、図6に示す構成として説明したが、これに限らず、例えば図11に示す構成であることも好適である。
【0095】
図11に示すように、検知機構24のセンサ136は、発光素子136aと、レンズ136bと、イメージセンサ136eとを備えている。発光素子136aは、例えば発光ダイオードである。発光素子136aは、内視鏡14の挿入部34に向かって光を発光させる。レンズ136bは、内視鏡14の挿入部34の外周を反射した光を集束させる。イメージセンサ136eは、レンズ136bによって集束させた光を受光する。この場合、発光素子136aから挿入部34に発光させる際に、レンズ136bを介して挿入部34に照射することも好適である。
【0096】
また、図10に示すベアリング172の回転量を図示しないエンコーダなどで読み取って挿入部34の回転量を判断することも好適である。
【0097】
また、上述した実施の形態では、内視鏡14の挿入部34の先端部を回動させた後、動作機構250で基部32を回動させてトルク量を逐一減少させるような作用について説明した。その他、検知機構24は、術者が内視鏡14の挿入部34の先端部を回動させようとしたときに、その回動方向をいち早く検知することができるので、基部32を能動的に回動させながら挿入部34の先端部を回動させることも可能である。すなわち、挿入部34の回動操作方向に合わせて、回動し易くさせるパワーアシストをすることができる。この場合、術者が挿入部34の先端部を回動させようとするのを止めると、直ぐに検知機構24で検知して、動作機構250の動作を止める。
【0098】
次に、第2の実施の形態について図12を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例であって、第1の実施の形態で説明した部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0099】
外輪164には、モータ保持部165が形成されている。このモータ保持部165には、内視鏡14の挿入部34に対して直交する方向かつ、外輪164および内輪152の中心から延びる径方向に対して直交する方向にモータ252の軸が配設されている。このモータ252には、ウォーム(速度可変機構)256が固定されている。一方、内輪152のカラー178の外周面には、ウォーム256に噛み合わせられたウォームホイール(速度可変機構)258が形成されている。
【0100】
なお、ここでは図示しないが、外輪164には、マイクロスイッチ262が装着され、カラー178の外周には、所定の間隔をおいて突起178aが形成されている。
【0101】
この実施の形態の作用および効果は、第1の実施の形態で説明した作用および効果と同一であるので、説明を省略する。
【0102】
次に、第3の実施の形態について図13を用いて説明する。この実施の形態は第2の実施の形態の変形例であって、第2の実施の形態で説明した部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0103】
モータ252には、第2の実施の形態で説明したウォーム256の代わりに、非接触型のマグネット車(速度可変機構)256が固定されている。一方、内輪152のカラー178の外周面には、このマグネット車256に磁気的影響を受けると回転するマグネット車(速度可変機構)258が配設されている。
【0104】
なお、ここでは図示しないが、外輪164には、マイクロスイッチ262が装着され、カラー178の外周には、所定の間隔をおいて突起178aが形成されている。
【0105】
モータ252の駆動軸に配設されたマグネット車256は、外輪164に配設されたマグネット車258と非接触なので、第1および第2の実施の形態で説明した第1のギヤ256やウォーム256、第2のギヤ258やウォームホイール258の磨耗を防止することができる。また、内輪152は、設ける必要がない。
【0106】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0107】
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0108】
[付記]
(付記項1) 回転軸を有する医療器具と、
前記医療器具を適当な位置で保持する保持部を前記医療器具の回転軸周りに回転可能に支持する支持機構と、
前記保持部に設けられ、前記医療器具の回転方向と同じ方向に前記保持部を回転させる動作機構と
を具備することを特徴とする医療装置。
【0109】
(付記項2) 前記動作機構に接続され、前記動作機構を制御する制御手段と、
前記制御手段に接続され、前記医療器具の前記回転軸周りの回転を検知するとともに、その回転検知結果に基づいて前記制御手段を通して前記動作機構を動作させる検知機構と
をさらに具備し、
前記動作機構は、その動作速度を可変させる速度可変機構を備え、
前記速度可変機構は、モータと、このモータの駆動軸に配設された第1の回転部材と、前記保持部に配設され、前記第1の回転部材の回転に伴って回転する第2の回転部材とを備えていることを特徴とする付記項1に記載の医療装置。
【0110】
(付記項3) 前記保持部は、
前記支持機構に対して固定された外輪と、
前記外輪の内側に配設され、前記医療器具が保持される内輪と
を備えていることを特徴とする付記項1に記載の医療装置。
【0111】
(付記項4) 前記動作機構は、前記外輪に対する内輪の回転量を検知する回転量検知機構を備えていることを特徴とする付記項3に記載の医療装置。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る医療装置を示す概略的な斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る医療装置を示す概略的なブロック図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る医療装置の内視鏡の基部、この基部から延出された挿入部およびユニバーサルケーブルを示す概略的な斜視図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る医療装置の内視鏡の操作部を示す概略的な正面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る医療装置のコントロールボックスと操作部、検知機構および動作機構との関係を示す概略的なブロック図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る医療装置の内視鏡の挿入部の回転状態を検知する検知機構を示す概略的な斜視図。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る医療装置の支持装置の内視鏡保持部の構成を示す概略的な上面図。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る医療装置の支持装置の内視鏡保持部の図7中のVIII−VIII線に沿う概略的な断面図。
【図9】(A)は第1の実施の形態に係る医療装置に使用される内視鏡保持部の図7中のIX−IX線に沿う概略的な断面図、(B)は第1の実施の形態に係る医療装置に使用される内視鏡保持部の外輪の上端に形成されたクリック用プレートを示す概略的な斜視図。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る医療装置の支持装置の内視鏡保持部の動作機構を示す概略的な縦断面図。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る医療装置の内視鏡の挿入部の回転状態を検知する検知機構の変形例を示す概略的な斜視図。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る医療装置の支持装置の内視鏡保持部の動作機構を示す概略的な縦断面図。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る医療装置の支持装置の内視鏡保持部の動作機構を示す概略的な縦断面図。
【符号の説明】
【0113】
100…内視鏡保持部、152…内輪、152a…雄ネジ部、164…外輪、165…モータ台座、172…ベアリング、176…ストッパネジ、178…カラー、178a…突起、192…チューブ、250…動作機構、252…モータ、254…カップリング、256…第1のギヤ、258…第2のギヤ、262…マイクロスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有する医療器具と、
前記医療器具を適当な位置で保持する保持部を前記医療器具の回転軸周りに回転可能に支持する支持機構と、
前記保持部に設けられ、前記医療器具の回転方向と同じ方向に前記保持部を回転させる動作機構と
を具備することを特徴とする医療装置。
【請求項2】
前記動作機構に接続され、前記動作機構を制御する制御手段と、
前記制御手段に接続され、前記制御手段を通して前記動作機構に動作を指示する指示手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記医療器具は、前記保持部に保持される基部と、この基部から前記回転軸方向に延出され、先端部近傍に湾曲部を有する細長い挿入部と、前記湾曲部を湾曲させる操作部とを備えた内視鏡であり、
前記指示手段は、前記操作部に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記動作機構に接続され、前記動作機構を制御する制御手段と、
前記制御手段に接続され、前記医療器具の前記回転軸周りの回転を検知するとともに、その回転検知結果に基づいて前記制御手段を通して前記動作機構を動作させる検知機構と
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項5】
前記動作機構は、その動作速度を可変させる速度可変機構を備えていることを特徴とする請求項4に記載の医療装置。
【請求項6】
前記医療器具の回転軸周りに加えられる回転を検知する検知機構と、
前記動作機構の動作を手動または自動に設定可能な指示手段と、
前記検知機構、前記動作機構および前記指示手段に接続され、前記検知機構により検知され前記医療器具の回転検知結果に基づいて、前記指示手段の設定に基づいて前記動作機構を手動または自動で制御する制御手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項7】
前記医療器具は、前記保持部に保持される基部と、この基部から前記回転軸方向に延出され、先端部近傍に湾曲部を有し、前記検知機構によりその回転が検知される細長い挿入部と、前記湾曲部を湾曲させる操作部とを備えた内視鏡であることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1に記載の医療装置。
【請求項8】
医療器具がその回転軸周りにねじられたときにその回転軸のねじり状態を解放させるねじり力解放方法であって、
前記医療器具を保持部で保持した状態で前記回転軸を前記回転軸周りに回転させる工程と、
前記回転軸周りの回転に伴って前記医療器具に加えられるねじり力を解放するように前記回転軸の回転方向と同方向に前記保持部を回転させる工程と
を具備することを特徴とするねじり力解放方法。
【請求項9】
前記回転軸周りの回転に伴って前記医療器具に加えられるねじり力を解放するように前記回転軸の回転方向と同方向に前記保持部を回転させる工程は、操作者の指示によって手動で行うことを特徴とする請求項8に記載のねじり力解放方法。
【請求項10】
医療器具がその回転軸周りにねじられたときにその回転軸のねじり状態を解放させるねじり力解放方法であって、
前記医療器具を保持部で保持した状態で前記回転軸を前記回転軸周りに回転させる工程と、
前記回転軸の回転を検知する工程と、
前記回転軸の回転が検知されるとともに、前記医療器具に加えられるねじり力を解放するように前記回転軸の回転方向と同方向に前記保持部を自動的に回転させる工程と
を具備することを特徴とするねじり力解放方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−301226(P2007−301226A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133930(P2006−133930)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】