説明

医薬を合成するための中間体化合物およびその製造方法

医薬を合成するための中間体として有用である光学活性2−{4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル}モルホリンの製造方法が提供される。上記方法は、以下の工程1)から4)を含む:
1)ブロモフェニルモルホリンとヘキサシアノ鉄(II)酸塩またはその水和物とを、110℃から140℃の温度で、極性非プロトン性溶媒単独または極性非プロトン性溶媒と他の極性非プロトン性溶媒もしくは炭化水素溶媒との組合せ中においてNaCO、有機リン化合物、およびパラジウム触媒を含む反応混合物中で反応させて、シアノフェニルモルホリンを得る工程;2)シアノフェニルモルホリンと、ヒドロキシルアミンまたはヒドロキシルアミン塩酸塩とを、10℃から40℃の温度で、非プロトン性極性溶媒中で反応させて、ヒドロキシルアミン誘導体を得る工程;3)ヒドロキシルアミン誘導体と、ハロゲン化脂肪族アシル、ハロゲン化芳香族アシル、脂肪族アシル無水物および芳香族アシル無水物からなる群から選択されるアシル化試薬とを反応させる工程、ならびに4)工程3)の後に得られた混合物を60℃から140℃の温度に保ち、2−{4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル}モルホリンを得る工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学活性2−{4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル}モルホリンの製造方法および該製造方法により得られる新規化合物に関する。本発明により得られる化合物は、医薬を合成するための中間体として有用である。
【背景技術】
【0002】
以下の式(i)等で表される2−(2−アリールモルホリン−4−イル)−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン等の化合物は、タウプロテインキナーゼ1(tau protein kinase 1)阻害作用を有し、WO2009/035162に開示されているようにアルツハイマー病等の治療薬として有用である。該特許文献には、式(i)で表される化合物が、出発原料としての式(iii)で表される化合物と式(ii)で表されるモルホリン化合物から製造されることも開示されている。
【0003】
スキーム1
【化1】

【0004】
(スキーム1において、Rは置換されていてもよいベンゼン環を表す)
従って、式(ii)で表されるモルホリン化合物は、医薬を合成するための中間体として使用される。
【0005】
式(ii)で表される化合物の1つ、2−(4−(5−メチルオキサジアゾリル)フェニル)モルホリンの製造方法が、WO2009/035162およびWO2008/078837に開示されている。該方法は、2−(4−ブロモフェニル)モルホリンから2−(4−ホルミルフェニル)モルホリンを生成する反応、および2−(4−ホルミルフェニル)モルホリンから2−(4−シアノフェニル)モルホリンを生成する反応を含む。しかしながら、ホルミルフェニルモルホリンを経てシアノフェニルモルホリンを合成する該文献に記載された反応は、反応が超低温で進行するので、工業的規模の製造に適するものとは考えられなかった。
【0006】
WO99/02525には、有機酸無水物を用いてシアノフェニル化合物から環形成によりオキサジアゾリルフェニル化合物を得ることができる、オキサジアゾリルフェニル−オキサゾリジノンの製造方法が開示されている。アミノフェニル−オキサゾリジノンは、上記反応より前にジアゾフェニル−オキサゾリジノンを経てシアノフェニル化合物に変換される。しかしながら、ジアゾ化合物の形成を含む上記方法は、工業的製造として望ましくないと考えられる。さらに、置換基としてシアノ置換アリール基を有する光学活性モルホリン化合物の製造方法はWO99/02525には開示されていない。
【0007】
Chem.Commun.、2004、1388〜1389およびUS2006/0106223には、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを使用した置換されたベンゾニトリルの製造方法が開示されている。しかし、その構造中にモルホリン単位を含む化合物への反応に関する結果は、いずれの参照文献にも含まれていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
WO2009/035162
WO2008/078837
WO99/02525
US2006/0106223
【非特許文献】
【0009】
Chem.Commun.、2004,1388〜1389。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、光学活性2−[4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル]モルホリンの新規で効率的な製造方法、並びにそれにより得られる新規化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発明者らは、上記の課題を解決するための試みにおいて鋭意検討を行い、光学活性2−(4−ブロモフェニル)モルホリンを経た光学活性2−[4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル]モルホリンの効率的製造方法を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
従って、本発明は、式5で表される光学活性2−[4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル]モルホリンの製造方法であって、以下の工程1)から4)を含む方法を提供する。
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、Rは水素原子またはC〜Cアルキル基を表し、RはC〜Cアルキル基、置換C〜Cアルキル基、またはアリール基を表す)
1)式1で表される化合物と、ヘキサシアノ鉄(II)酸のアルカリ金属塩またはその水和物、例えばK[Fe(CN)]−3HOとを、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびテトラヒドロフランからなる群から選択される極性非プロトン性溶媒、または極性非プロトン性溶媒と他の極性非プロトン性溶媒もしくは炭化水素溶媒との組合せ(例えばN,N−ジメチルアセトアミド−トルエン)中において、NaCO、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(o−トリル)ホスフィン、および1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンからなる群から選択される有機リン化合物、およびパラジウム触媒(例えばPd(OAc))を含む反応混合物中で、110℃から140℃の温度で反応させて、式2で表される化合物を得る工程、
2)式2で表される化合物とヒドロキシルアミンまたはヒドロキシルアミン塩酸塩とを10℃から40℃の温度で非プロトン性極性溶媒中で反応させて、式3で表される化合物を得る工程、
3)式3で表される化合物と、ハロゲン化脂肪族アシル、ハロゲン化芳香族アシル、脂肪族アシル無水物および芳香族アシル無水物からなる群から選択されるアシル化試薬とを反応させて、好ましくは式4で表される化合物を得る工程、ならびに
4)工程3)の後で得られた混合物を、60℃から140℃の温度に保ち、好ましくは、式4で表される化合物を、60℃から140℃の温度で反応させて、式5で表される化合物を得る工程。
【0015】
本発明はさらに、式7で表される光学活性2−{4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル}モルホリンの製造方法であって、以下の工程5)および6)を含む方法を提供する。
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、Rは水素原子またはC〜Cアルキル基を表し;RはC〜Cアルキル基、C〜C10アリール基、または5員もしくは6員ヘテロアリール基を表し;Rはフェニル基、ベンジル基、またはフルオレニルメチル基を表し;H−Xは有機酸を表す)
5)式5で表される化合物と、フェニルクロロホルマート、ベンジルクロロホルマート、およびフルオレニルメチルオキシカルボニルクロリドからなる群から選択されるクロロホルマートとを溶媒中で反応させて、式6で表される化合物を得る工程、ならびに
6)式6で表される化合物を加水分解またはアミノ分解させて、生じた保護されていない2−{4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル}モルホリンと有機酸とを極性溶媒中で反応させて、式7で表される化合物を得る工程。
【0018】
本発明はさらに、式8で表される光学活性2−{4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル}モルホリンを提供する。
【0019】
【化4】

【0020】
(式中、Rは水素原子またはC〜Cアルキル基を表し;RはC〜Cアルキル基または場合により置換基(複数可)を有するアリール基を表す)
【0021】
本発明はまた、式9で表される光学活性化合物も提供する。
【0022】
【化5】

【0023】
(式中、H−Xは、C〜Cアルキルカルボン酸、C〜Cアルキルスルホン酸、アリール−カルボン酸、またはアリールスルホン酸を表す)
【0024】
本発明はさらに、上記方法のいずれか1つに従って中間体を製造する工程、好ましくは、上記工程1)から6)をこの順で含む中間体を製造する工程を含む、光学活性化合物(I)の製造方法を提供する。
【0025】
【化6】

【発明の効果】
【0026】
本発明の製造方法により得られる光学活性モルホリン化合物は、以下の式で示される通り、アルツハイマー病等の治療薬として有用な2−(2−アリールモルホリン−4−イル)−1−(R’’)−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オンを合成するための出発原料として使用することができる。さらに、本発明の製造方法は、良好な収率で生成物を生じ、工業的に有利である。
【0027】
【化7】

【0028】
(上記スキームにおいて、R’は4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル基を表し、R’’はC〜C12アルキル基を表し、R’’’は、水素原子、またはC〜C12アルキル基を表す)
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、ハロゲン原子としては塩素、臭素、ヨウ素、またはフッ素原子が挙げられる。
本明細書において、C〜Cアルキル基としては、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基が挙げられる。C〜Cアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
【0030】
本明細書において、置換されたC〜Cアルキル基としては、ハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、C〜Cアルキル基、およびC〜Cアルコキシ基から選択される1から3個の置換基を有するC〜Cアルキル基が挙げられる。置換されたC〜Cアルキル基の例としては、クロロメチル基、メトキシメチル基等が挙げられる。
本明細書において、アリール基としては、6から10個の炭素原子を有するアリール基が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0031】
本明細書において、ヘキサシアノ鉄(II)酸のアルカリ金属塩は、好ましくは、M[Fe(CN)](式中、MはNaまたはKを表し、nは3または4を表す)で表されるヘキサシアノ鉄(II)酸のナトリウムまたはカリウム塩である。ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の例としては、K[Fe(CN)]、Na[Fe(CN)]およびK[Fe(CN)]が挙げられる。K[Fe(CN)]−3HOまたはK[Fe(CN)]−10HOなどのヘキサシアノ鉄(II)酸塩の水和物も使用することができる。
【0032】
本明細書において、有機リン化合物は、炭素−リン結合を含む化合物であればよい。有機リン化合物の例としては、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(o−トリル)ホスフィン、および1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンが挙げられる。
【0033】
本明細書において、パラジウム触媒はパラジウム塩でもよい。パラジウム触媒の例としては、パラジウムジアセタート、二塩化パラジウム、トリス(ジベンジルデンアセトン)二パラジウム等が挙げられる。
【0034】
本明細書において、極性溶媒は、溶媒分子として電気的バイアスを有する溶媒でもよい。双極子モーメントの合計(溶媒中の分子の双極子モーメントの和)がゼロである溶媒は、溶媒のモーメントが局所的に著しいときには、極性溶媒の定義に含まれる場合がある。そのような溶媒の例として、水およびエタノールが挙げられる。
【0035】
本明細書において、極性非プロトン性溶媒は、プロトン性溶媒とイオン溶解力を共有するが、酸性水素を欠く溶媒である。極性非プロトン性溶媒は、高い誘電率および高い極性を一般的に有する。極性非プロトン性溶媒の例としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ヘキサメチルホスホロトリアミド、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0036】
本明細書において、炭化水素溶媒は、室温で液体の炭化水素からなる溶媒である。炭化水素溶媒の例としては、ベンゼン、ケロシン、キシレン、および他の石油誘導体が挙げられる。
【0037】
本明細書において、エーテルは、一般式のエーテル基(2個のアルキルまたはアリール基に結合した酸素原子)を含む。エーテルの例としては、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、およびt−ブチルメチルエーテルが挙げられる。
本明細書において、ヒドロキシルアミンまたはその無機塩としては、水中のヒドロキシルアミン遊離塩基、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミンなどの化合物が挙げられる。
【0038】
本明細書において、アシル化試薬としては、2種の普通のアシル化剤、即ち、酸ハロゲン化物および無水物のいずれでもよく、それらの各々は一般式RCO−Xで表され、式中、Xは、酸ハロゲン化物に対してはハロゲン原子、および無水物に対してはOCORを表す。アシル化試薬の例としては、塩化または臭化アセチル、塩化または臭化プロピオニル、塩化または臭化ベンゾイル、塩化または臭化アジポイル、塩化または臭化アクリロイル、塩化または臭化2−ブロモイソブチリル、無水酢酸、無水安息香酸(benzoyl anhydride)などが挙げられる。
【0039】
酸ハロゲン化物は、ハロカルボニル基を含む有機物質の1つの大きい群であり、一般式RCO−Xで表され、式中、Xは、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素)を表し、Rは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、水素原子等からなる群から選択される基を表す。ハロゲン化アシルおよびハロゲン化アロイルという用語は、それぞれ脂肪族または芳香族誘導体を指す。酸ハロゲン化物は、カルボン酸の−OH基を、PCl、PClまたはSOClの存在下で加熱して、塩素原子で置き換えることにより調製することができる。カルボン酸(X=OH)それ自体も、それが強酸触媒によりプロトン化されると、アルコールの直接エステル化におけるように、アシル化剤として機能し得る。最も重要な酸ハロゲン化物は塩化アシルであり、それは、それらがより容易に調製され、より安定でかつより安価なためである。
【0040】
酸無水物は、同じ酸素原子に結合した2個のアシル基を有する有機化合物である。最も普通には、アシル基は同じカルボン酸から誘導され、無水物の式は(RCO)Oである。酢酸ギ酸無水物などの混合(または非対称性)酸無水物が知られている。酸無水物の一方または両方のアシル基は、スルホン酸またはホスホン酸から誘導することもできる。
【0041】
本明細書において、クロロホルマートは、クロロギ酸のアリールまたはアルキルエステルでもよい。クロロホルマートの例としては、フェニルクロロホルマート、ベンジルクロロホルマート、フルオレニルメチルオキシカルボニルクロリド等が挙げられる。
【0042】
本明細書において、有機酸は、酸性の性質を有する有機化合物である。最も普通の有機酸は、カルボン酸、および−SOH基を含むスルホン酸である。
本明細書において、スルホン酸は、通常、一般式R−SOHを有する有機酸のクラスの構成員を指し、式中、Rは、通常、炭化水素基またはアリール基を表す。スルホン酸の例としては、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
【0043】
さらに、上記のアリール基は、環上に、ハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)原子、C〜Cアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基などの、1から6個の炭素原子を有するアルキル基)、C〜Cアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第二級ブトキシ基、第三級ブトキシ基などの、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基)、水酸基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基およびアミノアルコキシ基(第一級、第二級または環状アミノ基により置換されたアルコキシ基)、および5員もしくは6員ヘテロアリール基から選択される1から3個の置換基を、場合により有する。
【0044】
工程1における、式1で表される化合物とヘキサシアノ鉄(II)酸のアルカリ金属塩またはその水和物との反応において、反応温度は、110℃から140℃、好ましくは120℃から130℃、より好ましくは約125℃とすることができる。ブロモフェニルモルホリン化合物と、ヘキサシアノ鉄(II)酸のアルカリ金属塩またはその水和物とを、NaCO、有機リン化合物、およびパラジウム触媒を含む反応混合物中で反応させることにより、シアノフェニルモルホリンを工業的に好ましい温度で製造することができる。反応は1〜48時間、好ましくは3〜16時間実施することができる。
【0045】
工程2における、式2で表される化合物とヒドロキシルアミンまたはヒドロキシルアミン塩酸塩との反応において、反応温度は、10℃から40℃、好ましくは20℃から30℃、より好ましくは室温とすることができる。反応は、1〜48時間、好ましくは12〜36時間、より好ましくは約1日間、実施することができる。反応は、アルコール、エーテルまたはそれらの混合物などの適当な溶媒中で、好ましくは攪拌しながら実施することができる。
【0046】
工程3における、式3で表される化合物とアシル化試薬との反応において、反応温度は特に限定されず、およそ室温とすることができる。反応は0.5時間から5日間、好ましくは1時間から4日間実施することができる。反応は、アミド、エーテル、炭化水素またはそれらの混合物などの適当な溶媒中で、好ましくは攪拌しながら実施することができる。
【0047】
工程4における、式4で表される化合物の反応において、反応温度は60℃から140℃、好ましくは80℃から120℃、より好ましくは90℃から115℃とすることができる。いかなる精製も処理もしていない工程3の反応後の反応混合物を、上記温度に維持すればよい。反応は、1〜15時間、好ましくは3〜10時間実施することができる。
【実施例】
【0048】
本発明を実施例を参照してより具体的に説明する。しかしながら、本発明の範囲は以下の実施例に限定されない。
化合物Iは、下に示したスキーム2の経路により製造することができる。
スキーム2
【0049】
【化8】

【0050】
略記号:
Pd(OAc):酢酸パラジウム(II);(o−Tol)P:トリス(o−トルオイル)ホスフィン;p−TsOH:p−トルエンスルホン酸;DMA:N,N−ジメチルホルムアミド;TL:トルエン;CPME:シクロペンチルメチルエーテル;NMP:N−メチルピロリドン;TEA:トリエチルアミン;IPA:イソプロピルアルコール;DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
【0051】
参考例1:2−クロロ−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(IM08)
2−メルカプト−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(8.8g、40mmol)のジメチルホルムアミド(30ml)および1,2−ジクロロエタン(30ml)中の懸濁液を、オキシ塩化リン(11.2ml、120mmol)に加えて、混合物を65℃で50分間攪拌した。該溶液を氷冷ジクロロメタン(300ml)に注ぎ、混合物に水を加えて5分間激しく攪拌した。炭酸ナトリウム水溶液(25.4g、240mmol、水(100ml)中)を混合物に加え、pHを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で8に調節した。次に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(水中5%、120ml)を混合物に加えた。混合物をセライトで濾過した後、有機層を分離して、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤;酢酸エチル/ヘキサン=1/1)により精製し、ジエチルエーテルで洗浄して、2−クロロ−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(2.2g、62%、98.7%純度)を淡黄色固体として得た。
【0052】
H−NMR(CDCl)δ;3.74(3H,s),7.58(1H,s),8.19(1H,d,J=5.7Hz),8.92(1H,d,J=5.2Hz),9.31(1H,d,J=1.1Hz)
【0053】
光学活性2−(4−ブロモフェニル)モルホリン(IM01)は、WO2007/011065に記載の通り、光学活性2−エタノールアミン化合物を経て調製することができる。(S)−2−(4−ブロモフェニル)−4−(R)−1−フェニルエチル)モルホリン(IM01)の合成も、以下の手順により調製することができる。
【0054】
実施例1:(S)−((R)−1−フェニルエチルアミノ)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールの合成
(1)400gの(+)−B−クロロジイソピノカンフェニルボラン(DIP塩化物、1.25mol)のTHF(400mL)中の溶液を、4−ブロモフェナシルブロミド(278g、1mol)のTHF(2000mL)中の溶液に0〜10℃で加えた。2時間攪拌後、溶液を室温まで放置して暖め、混合物を濃縮して、TBME(1L)および160gのジエタノールアミンを5〜10℃で加えた。1時間攪拌後、反応混合物を濾過して、濾液をn−ヘプタン(1L)およびTBME(1L)で抽出した。合わせた混合物に、水(200mL)および8N−NaOH(200mL)を加え、生じた混合物を2時間攪拌し、8N−NaOH(50mL)を加えて4時間攪拌した。有機層を集めて水(400mL)で洗浄し、濃縮した。(R)−1−フェニルエチルアミン(180mL、1.41mol)を混合物に加え、生じた混合物を130℃に加温して3時間攪拌した。混合物を50℃に冷却してn−ヘプタン(500mL)を加えた。混合物を12時間保ち、n−ヘプタン(500mL)を加えた。混合物を80℃に加温して、次に5℃に冷却した。沈殿を濾過により回収し、n−ヘプタン(150mL)で洗浄し、乾燥して、(S)−((R)−1−フェニルエチルアミノ)−1−(4−ブロモフェニル)エタノール(195.5g)を白色固体として得た(3工程に対する収率 61%)。
【0055】
H−NMR(CDCl)δ:1.40(3H,m),2.50(1H,m),2.78(1H,m),3.84(1H,m),4.68(1H,m),7.15(1H,m),7.35(1H,m),7.43(1H,m).
【0056】
(2)(S)−2−(4−ブロモフェニル)−4−(R)−1−フェニルエチル)モルホリンを、WO2008/078837に記載された手順により合成した。
【0057】
実施例2:4−((S)−4−((R)−1−フェニルエチル)モルホリン−2−イル)ベンゾニトリル(IM02)の合成
1.30gのPd(OAc)(5.78mmol)および1.76gのP(o−トリル)(5.78mmol)のDMA(200mL)中の溶液を、100gの(S)−2−(4−ブロモフェニル)−4−(R)−1−フェニルエチル)モルホリン(IM01、288.8mmol)、48.8gのヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(115.52mmol)、30.6gのNaCO(288.8mmol)のトルエン(200mL)およびDMA(200mL)中の懸濁液に室温で加えた。懸濁液を125℃に加温して4時間攪拌した。混合物を冷却後、反応混合物を濾過し、トルエンで洗浄した(200mL×2)。濾液を400mLの水で洗浄し、水層を200mLのトルエンで抽出し、合わせた有機層を200mLの水で洗浄した。有機層を蒸発させて600mLのイソプロパノールを加え、生じた混合物を300mLに濃縮した。900mLのイソプロパノールを添加した後、混合物に10gの活性炭を60℃で加えて、セライトで濾過した。濾液を200mLのイソプロパノールで洗浄し、蒸発させて約500mLにして、500mLのHOを加えた。生じたスラリーを濾過して200mLのイソプロパノール/HO(1/1)で洗浄し、60℃で乾燥して、4−((S)−4−((R)−1−フェニルエチル)モルホリン−2−イル)ベンゾニトリル(IM02、73.20g)を白色固体として得た(収率87%)。
【0058】
H−NMR(CDCl)δ:1.40(3H,m),2.02(1H,m),2.14(1H,m),2.65(1H,m),3.08(1H,m),3.38(1H,m),3.74(1H,m),3.92(1H,m),4.65(1H,m),7.15−7.40(5H,m),7.47(2H,m),7.56(2H,m).
【0059】
実施例3:(S)−2−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル)−4−((R)−1−フェニルエチル)モルホリン(IM05)の合成
ヒドロキシルアミン(5.65g、水中50%、85.5mmol)を10gの4−((S)−4−((R)−1−フェニルエチル)モルホリン−2−イル)ベンゾニトリル(34.2mmol)のシクロペンチルメチルエーテル(30mL)およびメタノール(50mL)の溶液に室温で加え、生じた混合物を1日間攪拌した。混合物にシクロペンチルメチルエーテル(70mL)および10%NaCl溶液(水中)を加えた。生じた有機層にN−メチルピロリドン(20mL)を加えた。溶媒を蒸発させて180mLの残留溶液を得た。該溶液にシクロペンチルメチルエーテル(50mL)を加え、蒸発させて130mLとし、N’−ヒドロキシ−4−((S)−4−((R)−1−フェニルエチル)モルホリン−2−イル)ベンズアミジン(IM03)の溶液を得た。化合物の一部を単離して同定した。
【0060】
H−NMR(CDCl)δ:8.01(1H,br),7.61(2H,d,J=8.3Hz),7.41(2H,d,J=8.3Hz),7.35−7.16(5H,m),4.86(2H,br),4.64(1H,dd,J=10.0,2.4Hz),3.93(1H,ddd,J=11.4,1.5,1.5Hz),3.75(1H,ddd,J=11.5,11.4,2.4Hz),3.37(1H,q,J=6.6Hz),3.12(1H,m),2.61(1H,m),2.14(1H,ddd,J=11.5,11.0,1.5Hz),2.07(1H,ddd,J=11.0,2.4,1.5Hz),1.37(3H,d,J=6.6Hz).
【0061】
トリエチルアミン(4.16g、41.04mmol)およびAcO(3.84g、37.62mmol)を、上記溶液に室温で加えた。3日間攪拌後、IM04を得て、混合物を100℃に加温し、7時間攪拌した。KHCO(10%)の水溶液(80mL)を混合物に加え、有機層を抽出した。混合物を50mLの水で洗浄し、有機層を約半分の体積まで蒸発させた。n−ヘプタン(80mL)を加えて混合物を3℃に冷却した。沈殿を濾過してn−ヘプタンで洗浄し、乾燥して、2−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル)−4−((R)−1−フェニルエチル)モルホリン(IM05、10.50g、87.9%)を白色固体として得た。
【0062】
H−NMR(CDCl)δ:1.37(3H,m),2.12(2H,m),2.62(1H,m),2.63(3H,s),3.08(1H,m),3.14(1H,m),3.37(1H,m),3.77(1H,m),3.93(1H,m),4.66(1H,m),7.28(4H,m),7.49(2H,m),8.04(2H,m).
【0063】
実施例4:(S)−2−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル)モルホリンp−トルエンスルホナートの合成
フェニルクロロホルマート(8.96g、57.236mmol)のTHF(10mL)中の溶液を、(S)−2−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル)−4−((R)−1−フェニルエチル)モルホリン(IM05、10.0g、28.618mmol)のTHF(50mL)中の溶液に68〜69℃で加えた。混合物を3.5時間攪拌し、混合物にTHF(10mL)中のトリエチルアミン(0.80mL、5.724mmol)を加えた。1時間攪拌後、混合物を冷却して濃縮した。イソプロパノール(100mL)を混合物に加え、体積を蒸発により30mLに調節し、イソプロパノール中のIM06を得た。化合物の一部を単離して同定した。
【0064】
H NMR(CDCl)δ:8.08(2H,d,J=8.2Hz),7.53(2H,d,J=7.6Hz),7.38(2H,dd,J=8.2,7.6Hz),7.22(1H,dd,7.6Hz),7.14(2H,d,J=7.6Hz),4.61(1H,dd,J=10.7,2.7Hz),4.32(1H,br),4.20(1H,m),4.15(1H,dd,J=11.7,2.2Hz),3.83(1H,ddd,J=12.0,11.7,2.7Hz),3.35−2.94(2H,m),2.66(3H,s).
【0065】
25%NaOH水溶液(28.5mL)および水(28.5mL)をIM06溶液に加え、混合物を80℃に加温して3時間攪拌した。生じた有機層を分離して、水層を酢酸イソプロピル(50mL)で抽出した。合わせた有機層を蒸発させて、酢酸イソプロピル(70mL)を残渣に加えた。溶液を水(10mL)中8N−NaOHと水(40mL)との混合溶液で洗浄し、水層を酢酸イソプロピル(50mL)で抽出した。合わせた有機層を蒸発させ、酢酸イソプロピル(70mL)を残渣に加えた。THF(25mL)中のp−トルエンスルホン酸(5.44g、28.62mmol)を加えて、混合物を45℃に加温し、混合物を1時間熟成させ、室温に冷却して濾過した。濾液を酢酸イソプロピル(30mL)で洗浄し、乾燥して、(S)−2−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル)モルホリンp−トルエンスルホナート(IM07、11.41g、95.6%)を白色固体として得た。
【0066】
H−NMR(DMSO−d6)δ:2.36(3H,s),2.65(3H,s),3.08(1H,m),2.63(3H,s),3.08(1H,m),3.37(4H,m),3.50(1H,m),4.00(1H,m),4.25(1H,m),7.23(1H,m),7.55(1H,m),7.71(1H,m),8.06(1H,m).
【0067】
実施例5:2−{(2S)−2−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)フェニル]モルホリン−4−イル}−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(化合物I)
N,N’−ジイソプロピルエチルアミン(2.23g、17.25mmol)を、(S)−2−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル)モルホリンp−トルエンスルホナート(IM07、3.00g、7.19mmol)と2−クロロ−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジル−6−オン(IM08、1.568g、7.04mmol)のNMP(15mL)中の混合物に、55℃で60分かけて加えた。混合物に水(22.5mL)を加えて冷却し、沈殿を濾過して水(15mL)で洗浄し、乾燥して2−{(2S)−2−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)フェニル]モルホリン−4−イル}−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(化合物I、2.95g、97.1%)を淡褐色固体として得た。
【0068】
H−NMR(CDCI)δ:3.09(dd,J=12.9,10.8Hz,1H),3.29(m,1H),3.52−3.64(m,2H),3.59(s,3H),4.00(m,1H),4.21(m,1H),4.72(dd,J=10.5,2.1Hz,1H),7.07−7.13(m,2H),7.38−7.43(m,3H),8.13(dd,J=5.4,1.2Hz,1H),8.88(d,J=5.1Hz,1H),9.28(s,1H).
スキーム3
【0069】
【化9】

【0070】
実施例6:2−{(2S)−2−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)フェニル]モルホリン−4−イル}−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(化合物II)
N,N−ジメチルホルムアミド(14ml)中の(2S)−2−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル)モルホリン塩酸塩(IM07:4.00g、14.2mmol)および1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩(2.19g、14.9mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.05g、31.3mmol)を室温で加えて、溶液を4時間攪拌した。溶液をエーテルで次に3−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−プロピオン酸エチルエステル(3.59g、18.5mmol)でデカントして、生じた溶液に炭酸カリウム(4.92g、35.6mmol)およびエタノール(30ml)を加えた。18時間還流した後、溶液を減圧下で濃縮した。残渣を水で、そしてエタノールと1N塩酸(1/1、v/v)との熱混合物で洗浄し、減圧下で乾燥して、2−{(2S)−2−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−モルホリン−4−イル}−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(化合物II、1.94g、33%)を得た。
【産業上利用の可能性】
【0071】
本発明の製造方法により得られる化合物は、アルツハイマー病等のための治療薬として有用な2−(2−(4−オキサジアゾリルフェニル)モルホリン−4−イル)−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オンを合成するための重要な出発原料となり得るので、本発明は、有用な医薬の提供に寄与することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式5で表される光学活性2−{4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル}モルホリンの製造方法であって、以下の工程1)から4)を含む方法。
【化1】


(式中、Rは水素原子またはC〜Cアルキル基を表し、Rは、C〜Cアルキル基、置換されたC〜Cアルキル基、またはアリール基を表す)
1)式1で表される化合物とヘキサシアノ鉄(II)酸のアルカリ金属塩またはその水和物とを、110℃から140℃の温度で、極性非プロトン性溶媒単独または極性非プロトン性溶媒と他の極性非プロトン性溶媒もしくは炭化水素溶媒との組合せ中においてNaCO、有機リン化合物、およびパラジウム触媒を含む反応混合物中で反応させて、式2で表される化合物を得る工程、
2)式2で表される化合物とヒドロキシルアミンまたはヒドロキシルアミン塩酸塩とを、10℃から40℃の温度で、非プロトン性極性溶媒中で反応させて、式3で表される化合物を得る工程、
3)式3で表される化合物と、ハロゲン化脂肪族アシル、ハロゲン化芳香族アシル、脂肪族アシル無水物および芳香族アシル無水物からなる群から選択されるアシル化試薬とを反応させる工程、ならびに
4)工程3)の後に得られた混合物を60℃から140℃の温度に保ち、式5で表される化合物を得る工程:
【請求項2】
有機リン化合物が、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(o−トリル)ホスフィン、または1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンであり、極性非プロトン性溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、またはテトラヒドロフランであり、極性非プロトン性溶媒と他の極性非プロトン性溶媒もしくは炭化水素溶媒との組合せがN,N−ジメチルアセトアミド−トルエンである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
がメチル基であり、Rが、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基、およびC〜Cアルコキシ基からなる群から選択される1から3個の置換基を有するフェニル基である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
式7で表される光学活性2−{4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル}モルホリンの製造方法であって、以下の工程5)および6)を含む方法。
【化2】


(式中、Rは水素原子またはC〜Cアルキル基を表し;Rは、C〜Cアルキル基、C〜C10アリール基、または5員もしくは6員ヘテロアリール基を表し;Rは、フェニル基、ベンジル基、またはフルオレニルメチル基を表し;H−Xは有機酸を表す)
5)式5で表される化合物と、フェニルクロロホルマート、ベンジルクロロホルマート、およびフルオレニルメチルオキシカルボニルクロリドからなる群から選択されるクロロホルマートとを溶媒中で反応させて、式6で表される化合物を得る工程、ならびに
6)式6で表される化合物を加水分解またはアミノ分解させて、生じた保護されていない2−{4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル}モルホリンと有機酸とを極性溶媒中で反応させて、式7で表される化合物を得る工程:
【請求項5】
がメチル基であり、Rがフェニル基である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
式8で表される光学活性2−{4−(5−置換オキサジアゾリル)フェニル}モルホリン:
【化3】


(式中、Rは水素原子またはC〜Cアルキル基を表し;Rは、C〜Cアルキル基または置換基(複数可)を場合により有するアリール基を表す)。
【請求項7】
がメチル基であり、Rが、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基、置換されたC〜Cアルキル基、およびC〜Cアルコキシ基からなる群から選択される1から3個の置換基を有するフェニル基である、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
式9で表される光学活性化合物:
【化4】


(式中、H−Xは、C〜Cアルキルカルボン酸、C〜Cアルキルスルホン酸、アリール−カルボン酸、またはアリールスルホン酸を表し、
アリール基は、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基、置換されたC〜Cアルキル基、およびC〜Cアルコキシ基からなる群から選択される1から3個の置換基(複数可)を場合により有する)。
【請求項9】
H−Xがp−トルエンスルホン酸である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、および5のいずれか一項に記載の方法を含む、光学活性化合物(I)の製造方法。
【化5】


【公表番号】特表2012−520239(P2012−520239A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538759(P2011−538759)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/JP2010/054285
【国際公開番号】WO2010/104193
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】