説明

医薬組成物

【課題】新規なインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物の提供。
【解決手段】トラネキサム酸またはその塩および去痰薬(特に、ブロムヘキシンまたはその塩、アンブロキソールまたはその塩、またはサポニン類)を併用することによるインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。特に、トラネキサム酸またはその塩および去痰薬の配合比が1500:1〜10:1であり、経口投与による製剤が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インフルエンザウイルスによる感染症(以下、インフルエンザウイルス感染症と称す)の世界的流行の危険性が指摘されている。20世紀におけるインフルエンザウイルス感染症の大流行としては、1918年のスペインインフルエンザ(スペインかぜ)、1957年のアジアインフルエンザ(アジアかぜ)、1968年の香港インフルエンザ(香港かぜ)等であり、10年から40年おきに世界的に大流行し、多くの死者を出した。これらのようなインフルエンザウイルス感染症の大流行は、大きな健康被害とこれに伴う深刻な社会的影響をもたらす。
現在、インフルエンザウイルス感染症に対する治療法としては、抗インフルエンザウイルス薬の投与が有効であるといわれている。抗インフルエンザウイルス薬としては、例えば、リン酸オセンタミビル等が知られており、我国でも使用されている。
一方、トラネキサム酸またはその塩、特にトラネキサム酸は、抗プラスミン作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用等が知られており、その効能効果は、全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向(白血病、再生不良性貧血、紫斑病等および手術中・術後の異常出血);局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血(肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血);湿疹およびその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹における紅斑・腫脹・そう痒等の症状;扁桃炎、咽喉頭炎における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状;口内炎における口内痛および口内粘膜アフタである(例えば、非特許文献1参照)。
また、トラネキサム酸またはその塩は、インフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療剤として有用であることも知られている(例えば、特許文献1参照)。さらに、アンブロキソールまたはその塩に抗インフルエンザウイルス作用があることも開示されている(特許文献2参照)。なお、特許文献2にはブロムヘキシンも同作用を有するという記載はあるが、これを裏付けるデータは開示されていない。
なお、これまでにトラネキサム酸と去痰薬の併用で、抗ウイルス作用が増強したという報告はない。
【0003】
【非特許文献1】財団法人日本医薬情報センター編 JAPIC 医療用 医薬品集 2006 1491〜1492頁
【特許文献1】国際公開第2004/032915号パンフレット
【特許文献2】特開2003−155230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、抗インフルエンザウイルス薬として知られているリン酸オセンタミビルは、腹痛、下痢、嘔吐等の消化器症状や、重篤な精神・神経症状等の副作用が問題視されている。また、トラネキサム酸またはその塩は、安全性が高く、かつ優れた抗インフルエンザウイルス作用があるものの、さらに強力な抗インフルエンザウイルス作用を持つ治療剤が求められている。このような事情を踏まえ、本発明は、安全性が高く、より効果の高いインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意研究の結果、トラネキサム酸に去痰薬を併用したところ、トラネキサム酸の抗インフルエンザウイルス作用を増強することを新たに見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
(1)トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬を含有するインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
(2)トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬の配合比が、1500:1〜10:1である上記(1)に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
(3)去痰薬が、ブロムヘキシンまたはその塩、アンブロキソールまたはその塩およびサポニン類から選ばれる1種または2種以上である上記(1)または(2)に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
(4)去痰薬が、ブロムヘキシンまたはその塩である上記(1)または(2)に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
(5)トラネキサム酸またはその塩が、トラネキサム酸である上記(1)〜(4)のいずれか1に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
(6)ブロムヘキシンまたはその塩が、塩酸ブロムヘキシンである上記(3)〜(5)のいずれか1に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
(7)剤形が経口投与製剤である上記(1)〜(6)のいずれか1に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
【発明の効果】
【0007】
後記実施例から明らかなように、本発明において、去痰薬は、トラネキサム酸またはその塩の抗インフルエンザウイルス作用を増強することを見出した。したがって、トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬を含有する医薬組成物は、インフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用として有用なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明にかかるトラネキサム酸またはその塩は、公知の化合物であり、その入手方法としては、市販品を用いてもよく、また公知の方法に基づき製造することも可能である。トラネキサム酸の塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を挙げることができる。本発明において、トラネキサム酸またはその塩としては、トラネキサム酸が好ましい。
【0009】
本発明にかかる去痰薬は、例えば、アンブロキソールまたはその塩、ブロムヘキシンまたはその塩、サポニン類(例えば、セネガ、オンジ、およびキキョウまたはこれらの抽出物等)等を挙げることができる。また、アンブロキソールの塩やブロムヘキシンの塩としては、塩酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩等を挙げることができる。これらの去痰薬は、公知の化合物であり、市販品を用いてもよく、また公知の方法に基づき製造することができる。
本発明において、去痰薬としては、ブロムヘキシンまたはその塩が好ましく、塩酸ブロムヘキシンがさらに好ましい。
【0010】
本発明のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物(以下、本発明の医薬組成物と称す)は、インフルエンザウイルスに感染した患者、または感染する(した)恐れのある者に投与するものである。一般に、感染患者は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、痰、悪寒、発熱、頭痛、咽頭痛等の症状を示すので、本発明の医薬組成物に、トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬のほかに、対症療法薬を配合してもよい。本発明の医薬組成物に配合可能な対症療法薬としては、アスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、エテンザミド、サリチルアミド、イブプロフェン、アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン等の解熱鎮痛薬;カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等の中枢神経興奮薬;ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素等の鎮静剤、マレイン酸クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、フマル酸クレマスチン、マレイン酸カルビノキサミン、メキタジン、酒石酸アリメマジン、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸トリプロリジン等の抗ヒスタミン薬;塩化リゾチーム、ブロメライン、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルレチン酸、アズレンスルホン酸ナトリウム等の抗炎症薬;リン酸ジヒドロコデイン、リン酸コデイン、塩酸ノスカピン、ノスカピン、臭化水素酸デキストロメトルファン、デキストロメトルファンフェノールフタリン塩、リン酸ジメモルファン、ヒベンズ酸チペピジン、クエン酸チペピジン、塩酸エプラジノン、メトルエフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸トリメトキノール、塩酸フェニルプロパノールアミン等の鎮咳薬;テオフィリン、アミノフィリン、ジプロフィリン等の気管支拡張薬;ベラドンナ(総)アルカロイド、ベラドンナエキス、ヨウ化イソプロパミド、臭化水素スコポラミン、臭化メチルベナクチジウム、臭化チメピジウム、ピレンゼピン等の抗アセチルコリン剤;セチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、ポピドンヨード、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、チモール、ヨウ素・ヨウ化カリウム、フェノール、塩酸クロルヘキシジン、クレオソート、塩化ベンゼトニウム等の殺菌消毒剤;塩酸ジブカイン、アミノ安息香酸エチル、リドカイン、塩酸リドカイン、オキセサゼイン等の局所麻酔剤;ビタミンA、肝油、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、アスコルビン酸カルシウム、ビタミンD、ビタミンE、コハク酸トコフェノールカルシウム等のビタミン剤;パントテン酸、パンテノール、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム、パンテチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、グルクロン酸、グルクロノラクトン、アミノエチルスルホン酸、ビオチン、γ−オリザノール等の代謝性成分;地黄、ケイヒ、ゴオウ、ショウキョウ、マオウ、カンゾウ、キョウニン、ハンゲ、シャゼンソウ、サイコ、ブクリョウ、シンイ等の生薬およびこれらの抽出物(エキス、チンキ等)等を挙げることができるが、上記のもののみに限定されるべきではない。また、かかる対症療法薬は、本発明の医薬組成物に、単一成分を配合してもよく、2種以上のものを組み合わせて配合してもよい。
【0011】
本発明の医薬組成物は、経口的または非経口的に投与することができる。経口的に投与する製剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、トローチ剤、ゼリー剤等を挙げることができる。また、非経口的に投与する製剤としては、注射剤、硬膏剤、酒精剤、エキス剤、坐剤、懸濁剤、チンキ剤、軟膏剤、パップ剤、点鼻剤、吸入剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤等を挙げることができる。また、本発明の医薬組成物をうがい薬、のどスプレーや洗口液に配合してもよい。本発明においては、経口投与製剤が好ましく、特に錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、トローチ剤、ゼリー剤等の固形製剤が好ましい。
【0012】
これらの製剤は、当業者に公知慣用の製造方法により製造でき、また、このような種々の剤形の医薬製剤を調製するには、所望により添加物を配合することが可能である。該添加物としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、乳化剤、安定化剤等を挙げることができる。これら製剤添加物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の医薬組成物における各成分の配合比は適宜決めればよいが、例えば、トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬の配合比は、1500:1〜10:1が好ましく、100:1〜20:1がさらに好ましい。
【0013】
本発明の医薬組成物は、患者の性別、年齢、体重、症状、投与方法、投与回数、投与時期等により、患者へのトラネキサム酸またはその塩および去痰薬の投与量について適宜検討を行ない、適当な投与量を決めればよい。したがい、トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬を含有する本発明の医薬組成物において、それらの配合量は、1日当たりトラネキサム酸またはその塩をトラネキサム酸として10〜3000mg、および去痰薬がブロムヘキシンまたはその塩である場合、ブロムヘキシンとして2〜24mgを投与することになるように配合したものが好ましく、1日当たりトラネキサム酸またはその塩をトラネキサム酸として400〜750mg、去痰薬がブロムヘキシンまたはその塩である場合、ブロムヘキシンとして4〜12mg投与することになるように配合したものがさらに好ましく、1日当たりトラネキサム酸として750mg、去痰薬が塩酸ブロムヘキシンである場合、塩酸ブロムヘキシンとして12mg投与することになるように配合したものが特に好ましい。
【0014】
また、本発明の医薬組成物を点鼻剤として投与する場合、製剤中のトラネキサム酸またはその塩の濃度を0.1〜5W/W%、去痰薬を0.1〜5W/W%、好ましくはトラネキサム酸またはその塩の濃度を1〜3W/W%、去痰薬を1〜3W/W%として製したものを、1日1〜10回程度、より好ましくは3〜6回、点鼻するのが好ましい。
【0015】
また、本発明の医薬組成物を吸入剤として投与する場合、製剤中のトラネキサム酸またはその塩の濃度を0.05〜5W/W%、去痰薬を0.05〜5W/W%、好ましくはトラネキサム酸またはその塩の濃度を0.5〜2W/W%、去痰薬を0.5〜2W/W%として製したものを、1日1〜5回程度、より好ましくは数回、吸入するのが好ましい。
【0016】
本発明の医薬組成物は、本発明に係る複数の成分を含む単一の製剤として製し、これを投与してもよいし、また本発明に係る各成分を分けて別の製剤とし、それら製剤を同時または順次投与可能としたキット製剤としてもよい。
【0017】
以下に、実施例を示して本発明を説明するが、本発明はこれらにのみ限定されるべきものではない。
【実施例】
【0018】
1.試験方法
インフルエンザウイルスA/PR/8/34株ウイルス液をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で5000倍に希釈し、ウイルス希釈液を調製した。BALB/cマウス40匹を、ペントバルビタールナトリウム溶液の腹腔内投与により麻酔した。さらに、麻酔したマウスにウイルス希釈液を片側の外鼻孔に10μLずつ、計20μL接種してウイルスに感染させた。被験物質および対照物質を、それぞれ対応する下記の試験群(1群につき10匹)にしたがって、金属製胃内ゾンデを用いて経口投与した。被験物質および対照物質の投与は、ウイルス接種の1時間前、接種6時間後、1日後、および2日後(ウイルス接種翌日以降は1日2回)の計6回行なった。ウイルス接種後3日目に、各試験群のマウスの肺内ウイルス量を測定した。
・対照群:PBSを投与
・塩酸ブロムヘキシン投与群:塩酸ブロムヘキシン6mg/kgを投与
・トラネキサム酸投与群:トラネキサム酸300mg/kgを投与
・トラネキサム酸+塩酸ブロムヘキシン併用群:塩酸ブロムヘキシン2mg/kg+トラネキサム酸100mg/kgを投与
【0019】
2.肺内ウイルス量の定量方法
ウイルス接種後3日目に、各試験群のマウスをエーテル麻酔下で放血殺し、肺を採取した。採取した肺の重量を測定し、(肺重量(g)×9)mLのウイルス増殖用培養液(*1)を加え、ガラス製ホモジナイザーを用いてホモジナイズした。ホモジナイズ後の試料を、遠心分離機にて遠心し(3000rpm、10min、4℃)、上清をろ過し、ウイルス価測定用の試料とした。
【0020】
あらかじめ6ウェルプレートに単層を形成させたMadin−Darby canine kidney(MDCK)細胞の培養液を除去し、PBSで洗浄した。洗浄液を除いた後、あらかじめウイルス増殖用培養液で10倍希釈しておいた上記ウイルス価測定用の試料を、室温(20〜25℃)で1時間吸着を行なった。吸着終了後、接種材料を除去し、1次重層寒天培地(*2)を重層し、34℃で2日間培養した。さらに、これに2次重層寒天培地(*3)を重層し、34℃で一晩培養した。プラッグ数を計測し、肺1gあたりのウイルス量(PFU)を算出した。
【0021】
(*1)ウイルス増殖用培養液
2×ウイルス増殖用培養液
組成
×10MEM(GIBCO) 100mL
滅菌MilliQ水 331.7mL
7%NaHCO(メイロン) 32.1mL
L−グルタミン(200mM) 15mL
ビタミン(1:100) 1mL
葉酸(1mg/mL) 1mL
ビオチン(1mg/mL) 1mL
ファンギソン(0.5mg/mL) 2.5mL
35%アルブミン(SIGMA) 5.7mL
100×PS(GIBCO) 10mL
合計 500mL

滅菌MilliQ水で2倍に希釈して使用する。
【0022】
(*2)1次重層寒天培地
組成
滅菌MilliQ水 7.8mL
2×ウイルス増殖用培養液 50mL
10%Glucose 1mL
Ac−Trypsin(5mg/mL) 0.05mL
2%Agarose 40mL
【0023】
(*3)2次重層寒天培地
組成
2×ウイルス増殖用培養液 50mL
2%Agarose 50mL
1%Neutral Red 0.5mL
【0024】
3.試験結果
測定された各試験群におけるマウスの肺内ウイルス量の平均値を表1に示す。
【表1】

【0025】
表1の結果から、トラネキサム酸および塩酸ブロムヘキシンを併用することにより、トラネキサム酸単独投与および塩酸ブロムヘキシン単独投与と比較して、抗インフルエンザウイルス作用をより増強することが認められた。すなわち、トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬を含有するインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物は、優れた抗インフルエンザウイルス作用を示すことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0026】
トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬を含有する医薬組成物は優れた抗インフルエンザウイルス作用を示した。
したがって、トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬を含有する医薬組成物は、優れた効果を示し、また、インフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用として有用なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬を含有するインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
【請求項2】
トラネキサム酸またはその塩、および去痰薬の配合比が、1500:1〜10:1である請求項1に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
【請求項3】
去痰薬が、ブロムヘキシンまたはその塩、アンブロキソールまたはその塩およびサポニン類から選ばれる1種または2種以上である請求項1または2に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
【請求項4】
去痰薬が、ブロムヘキシンまたはその塩である請求項1または2に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
【請求項5】
トラネキサム酸またはその塩が、トラネキサム酸である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
【請求項6】
ブロムヘキシンまたはその塩が、塩酸ブロムヘキシンである請求項3〜5のいずれか1項に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。
【請求項7】
剤形が経口投与製剤である請求項1〜6のいずれか1項に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物。

【公開番号】特開2007−291072(P2007−291072A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61437(P2007−61437)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(306014736)第一三共ヘルスケア株式会社 (176)
【Fターム(参考)】