説明

半導体チップ、半導体装置、半導体装置の製造方法、および液晶モジュール

【課題】封止樹脂の充填時、封止樹脂の進入速度の差を抑制させてボイドの発生を抑制させることができる半導体チップ、それを備える半導体装置、該半導体装置の製造方法、および該半導体装置を備える液晶モジュールを提供する。
【解決手段】複数の突起電極13と、複数の突起電極13以外の領域を被覆するソルダレジスト12とが、能動面に形成されてなる表面実装型の半導体チップ10において、各突起電極13の間のソルダレジスト12に形成された溝14、および、複数の突起電極13のうち外側に位置する突起電極13により囲まれた領域以外のソルダレジスト12に形成された突起体15を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合部が樹脂封止される表面実装型の半導体チップ、半導体装置、半導体装置の製造方法、および液晶モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配線基板に形成された接続端子に、半導体チップに形成された金属からなるバンプ(以下、金属バンプと記す。)を接合することによって、半導体チップが配線基板に実装された構造を有する半導体装置がある。このような半導体装置の実装形態には、半導体チップの金属バンプが設けられた表面を、配線基板の接続端子形成面に向かい合わせて、半導体チップを配線基板に実装するフリップチップタイプの表面実装型がある。表面実装型の半導体装置では、接続端子と金属バンプとの接合部を保護するために、配線基板と半導体チップとの隙間が封止用の樹脂(以下、封止樹脂と記す。)で充填されて、半導体チップとともに接合部が封止される。
【0003】
表面実装型の半導体装置としては、例えば、液晶表示装置(例えばTV)の駆動ドライバとして主に使用される、半導体チップをフィルム基板に実装したTCP(Tape Carrier Package)やCOF(Chip on Film)がある。TCPは、フィルム基板におけるデバイスホールの形成部分に配置されたインナーリードに、半導体チップの金属バンプが接合されるとともに、接合部間およびデバイスホールが封止樹脂で充填されて、半導体チップとともに接合部が封止されることによって、半導体チップがフィルム基板に実装された構造を有している。
【0004】
TCPにおいても詳細には種々の構造を有しているので、各構造に応じて封止樹脂が好適に充填されることが望まれる。例えば、特許文献1には、デバイスホールを半導体チップよりも小さいサイズとし、半導体チップとフィルム基板とをオーバーラップさせた構成が記載されている。この構成において、フィルム基板のデバイスホールに連結する開口部を形成することにより、樹脂封止の際のフィルム基板の主面側から裏面側への封止樹脂の回り込みを促進するように、封止樹脂を制御している。
【0005】
また、特許文献2には、フィルム基板のデバイスホールにおける半導体チップの実装面側から反対面側への、封止樹脂の流れ出しを抑制する構成が記載されている。図9に、特許文献2に記載の半導体装置200の構成を示す。図9に示すように、半導体装置200では、接続部202を有する半導体チップ201が、インナーリード204が形成されたフィルム基材203に、接続部202とインナーリード204とが接合されることにより実装されている。この構成において、フィルム基材203のデバイスホール206におけるインナーリード204部分以外の余白に、半導体チップ保護パターン205を形成することにより、封止樹脂207を注入したときの反対面側への流れ出しを抑制している。
【0006】
COFは、デバイスホールを持たず、インナーリードがフィルム基板に密着して固定された構造を有している。それゆえ、COFは、TCPに比べて金属バンプのファインピッチ化(微細化)が可能である。COFにおいても、インナーリードと金属バンプとによる接合部を保護するために、半導体チップとフィルム基板との隙間が封止樹脂で充填され、半導体チップとともに接合部が封止される。
【特許文献1】特開平10−303255号公報(1998年11月13日公開)
【特許文献2】特開2000−340605号公報(平成12年12月8日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、液晶表示装置は、高精細化(フルハイビジョン化)、高性能化(倍速駆動)、および低価格化が進んでいる。そのため、液晶表示装置に搭載される液晶ドライバにおいても、チップサイズの縮小化や多出力化が進み、高機能化および低価格化が実施されている。チップサイズの縮小化や多出力化を図るために、接合部のファインピッチ化が必要とされている。
【0008】
しかしながら、半導体チップの金属バンプ数の増加や、接合部間隔の狭ギャップ化(20μm〜50μm)が進んだ結果、従来の半導体装置では、封止樹脂を充填している間、封止樹脂の進入速度に差が生じる場合がある。このため、その差が大きくなることによって、ボイドが発生し易いという問題が生じている。
【0009】
図10に、半導体チップ301と配線基板303との隙間に、アンダーフィルと称される樹脂(以下、アンダーフィル樹脂と記す。)を充填している様子を示す。
【0010】
半導体チップ301に形成された金属バンプ302と、配線基板303に形成された接続端子(図示せず)とを接合した後、図10に示すように、アンダーフィル樹脂が満たされた容器351のノズル352を、半導体チップ301の4側面のうち1側面もしくは2側面の側に設置する。そして、ノズル352から、半導体チップ301と配線基板303との隙間に、アンダーフィル樹脂をポッティングする。
【0011】
ポッティングされたアンダーフィル樹脂は、毛細管現象によって半導体チップ301と配線基板303との隙間に浸透し、該隙間を充填していく。半導体チップ301におけるノズル352を設置した側面側と対向する側面側から、アンダーフィル樹脂がはみ出したことが確認されると、アンダーフィル樹脂のポッティングは終了される。
【0012】
ところが、アンダーフィル樹脂の充填中、アンダーフィル樹脂の進入速度に差が生じる。つまりは、図11に示すように、金属バンプ302間では、狭ピッチとなっているためにアンダーフィル樹脂が流れ込みにくくなり、アンダーフィル樹脂の進入速度が、金属バンプ302の周囲に比べて遅くなる。一方、金属バンプ302の周囲では、障害物が無いためにアンダーフィル樹脂が流れ込みやすくなり、アンダーフィル樹脂の進入速度が、金属バンプ302間に比べて速くなる。
【0013】
それゆえ、アンダーフィル樹脂の進入速度の差が大きくなればなるほど、進入速度が速いアンダーフィル樹脂が先に回り込み、金属バンプ302近傍に空気を閉じ込めたままアンダーフィル樹脂のはみ出しが確認されて、アンダーフィル樹脂のポッティングが終了される。この結果、ボイドが発生してしまう。
【0014】
接合部である金属バンプ302近傍に発生したボイドは、接合信頼性を低下させ、液晶表示装置の品質問題にも繋がる。多量のアンダーフィル樹脂をポッティングすることも考えられるが、材料コストの観点からも、無駄に注入せずに最小限の必要量で不良なく充填することが望まれている。
【0015】
また、ボイド対策のために、上述した特許文献1および特許文献2のような基板側に、封止樹脂の流れ制御の構成として、ボイド対策パターンを作成することが考えられる。しかし、フィルム基板の場合、金属バンプ近傍は配線が密のために設計の自由度が無く、複雑なボイド対策パターンの作成は困難である。
【0016】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、封止樹脂の充填時、封止樹脂の進入速度の差を抑制させてボイドの発生を抑制させることができる半導体チップ、半導体装置、半導体装置の製造方法、および液晶モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の半導体チップは、上記課題を解決するために、複数の突起電極と、上記複数の突起電極以外の領域を被覆する絶縁保護膜とが、能動面に形成されてなる表面実装型の半導体チップにおいて、上記各突起電極の間の絶縁保護膜に形成された溝、および、上記複数の突起電極のうち外側に位置する突起電極により囲まれた領域以外の絶縁保護膜に形成された突起体、の少なくとも一方を備えていることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、上記溝を備えている場合、各突起電極の間が狭ピッチになっていても、各突起電極の間に流し込まれる樹脂が流れやすくなる。上記樹脂としては、例えば、半導体チップが配線基板に実装される際、接合部を保護するために封止形成されるアンダーフィル材などの封止樹脂がある。これにより、樹脂が流れにくい箇所の進入速度が促進される。また、上記突起体を備えている場合、障害物が介在することにより、能動面の端付近に流し込まれる樹脂が流れにくくなる。これにより、樹脂が流れやすい箇所の進入速度が抑制される。
【0019】
それゆえ、全体的に樹脂の流入速度の差が小さくなる。よって、樹脂の充填時、樹脂の進入速度の差を抑制させてボイドの発生を抑制させることが可能となる。また、突起電極の微細化が可能となり、チップサイズの縮小化や多出力化が可能となる。
【0020】
また、本発明の半導体チップは、上記能動面は、(長辺の長さ/短辺の長さ)<1.25を満たす長方形の形状を有していることが好ましい。これにより、能動面がほぼ正方形に近く、樹脂を流し込む入口から出口までの流路に大差が無いので、樹脂を流し込む方向が限定されない。
【0021】
なお、能動面のいずれの辺側から樹脂を流し込んでも上述した効果を好適に奏するためには、本発明の半導体チップは、上記溝および突起体は、上記能動面の中心を通る、該能動面の長辺方向に平行な面および短辺方向に平行な面のそれぞれに対して対称に形成されていることが望ましい。
【0022】
また、本発明の半導体チップは、上記能動面は、(長辺の長さ/短辺の長さ)>1.25を満たす長方形の形状を有していることが好ましい。これにより、樹脂を流し込む入口から出口までの流路が短い方を選ぶことによって、空気を巻き込むことを低減させることが可能となる。
【0023】
なお、上記樹脂を流し込む入口から出口までの流路が短い方、すなわち能動面の長辺側から樹脂を流し込むことによって、樹脂の流入速度の制御を最も効果的に行うためには、本発明の半導体チップは、上記溝および突起体は、上記能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面に対して対称に形成されていることが望ましい。
【0024】
また、本発明の半導体チップは、上記突起体は、上記複数の突起電極のうち外側に位置する突起電極により囲まれた領域以外の絶縁保護膜の上に、金属からなる凸部が設けられることにより形成されていることが好ましい。これにより、簡単な構成および形成方法で、突起体を容易に形成することが可能となる。
【0025】
また、本発明の半導体チップは、上記突起体は、フォトレジストを用いたエッチング加工により形成されていることが好ましい。これにより、絶縁保護膜に段差を形成するだけで、突起体を容易に形成することが可能となる。
【0026】
また、本発明の半導体チップは、上記溝は、フォトレジストを用いたエッチング加工、または、レーザ加工により形成されていることが好ましい。上記の構成によれば、フォトレジストを用いたエッチング加工により溝を形成する場合、絶縁保護膜に溝を形成するだけで、溝を容易に形成することが可能となる。レーザ加工により溝を形成する場合、微細なパターンで溝を容易に形成することが可能となる。
【0027】
また、本発明の半導体チップは、上記複数の突起電極は、はんだ、金、銅、錫、またはニッケルからなることが好ましい。これにより、半導体チップは、種々の接合方法にも適用することが可能となる。
【0028】
また、本発明の半導体装置は、能動面に複数の突起電極が形成された表面実装型の上記半導体チップと、複数の接続端子を有する配線パターンが形成された配線基板とを備え、上記複数の突起電極が上記複数の接続端子に電気的にそれぞれ接続されているとともに、少なくとも上記半導体チップと上記配線基板との隙間に封止樹脂が充填されることにより、上記半導体チップが上記配線基板に実装されてなることを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、半導体チップが有する溝および突起体の形成パターンによって、封止樹脂の進入速度が制御されることにより、ボイドの発生が抑制された樹脂封止が施されている。よって、半導体装置は、半導体チップを外力から保護することができるとともに、高い接合強度を有することが可能となる。また、半導体チップは、チップサイズの縮小化や多出力化を行うことが可能である。したがって、実装信頼性に優れた高機能かつ小型の半導体装置を提供することが可能となる。
【0030】
また、本発明の半導体装置は、上記配線基板は、樹脂フィルム、シリコンチップ、セラミック板、またはガラスエポキシ板を基材として構成されていることが好ましい。これにより、半導体装置は、種々の用途に応じた構造を有することが可能となる。
【0031】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、能動面に複数の突起電極が形成された表面実装型の半導体チップと、複数の接続端子を有する配線パターンが形成された配線基板とを備え、上記複数の突起電極が上記複数の接続端子に電気的にそれぞれ接続されているとともに、少なくとも上記半導体チップと上記配線基板との隙間に封止樹脂が充填されることにより、上記半導体チップが上記配線基板に実装されてなる半導体装置の製造方法において、上記半導体チップとして、上記複数の突起電極以外の領域を被覆する絶縁保護膜と、上記各突起電極の間の絶縁保護膜に形成された溝、および、上記複数の突起電極のうち外側に位置する突起電極により囲まれた領域以外の絶縁保護膜に形成された突起体、の少なくとも一方と、を備える半導体チップを使用し、上記能動面が、(長辺の長さ/短辺の長さ)<1.25を満たす長方形の形状を有し、かつ、上記溝および突起体が、上記能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面に対して対称に形成されている場合、上記能動面の長辺側から上記封止樹脂を流し込むことを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、能動面は、(長辺の長さ/短辺の長さ)>1.25を満たす長方形の形状を有していることにより、能動面の長辺側からの封止樹脂の流し込みは、封止樹脂を流し込む入口から出口までの流路が短い方を選ぶことになる。よって、空気を巻き込むことを低減させることが可能となる。また同時に、溝および突起体が、能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面に対して対称に形成されていることにより、能動面の長辺側から封止樹脂を流し込むと、封止樹脂の流入速度の制御を最も効果的に行うことが可能となる。したがって、ボイドの発生を好適に抑制することが可能となり、実装信頼性に優れた高機能かつ小型の半導体装置を実現することが可能となる。
【0033】
また、本発明の液晶モジュールは、液晶パネルと、上記液晶パネルを駆動するための信号を該液晶パネルに供給する駆動ドライバとを備える液晶モジュールにおいて、上記駆動ドライバは上記半導体装置であり、上記配線基板は、樹脂フィルムを基材として構成されていることを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、実装信頼性に優れた高機能かつ小型の上記半導体装置を備えているので、液晶モジュールの小型化、高精細化、および高性能化を実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明の半導体チップは、各突起電極の間の絶縁保護膜に形成された溝、および、複数の突起電極のうち外側に位置する突起電極により囲まれた領域以外の絶縁保護膜に形成された突起体、の少なくとも一方を備えている構成である。
【0036】
これにより、上記溝を備えている場合、各突起電極の間が狭ピッチになっていても、各突起電極の間に流し込まれる樹脂が流れやすくなる。これにより、樹脂が流れにくい箇所の進入速度が促進される。また、上記突起体を備えている場合、障害物が介在することにより、能動面の端付近に流し込まれる樹脂が流れにくくなる。これにより、樹脂が流れやすい箇所の進入速度が抑制される。
【0037】
それゆえ、全体的に樹脂の流入速度の差が小さくなる。よって、樹脂の充填時、樹脂の進入速度の差を抑制させてボイドの発生を抑制させることができるという効果を奏する。また、突起電極の微細化が可能となり、チップサイズの縮小化や多出力化ができるという効果も併せて奏する。
【0038】
また、本発明の半導体装置は、能動面に複数の突起電極が形成された表面実装型の上記半導体チップと、複数の接続端子を有する配線パターンが形成された配線基板とを備え、上記複数の突起電極が上記複数の接続端子に電気的にそれぞれ接続されているとともに、少なくとも上記半導体チップと上記配線基板との隙間に封止樹脂が充填されることにより、上記半導体チップが上記配線基板に実装されてなる構成である。
【0039】
それゆえ、半導体チップが有する溝および突起体の形成パターンによって、封止樹脂の進入速度が制御されることにより、ボイドの発生が抑制された樹脂封止が施されている。よって、半導体装置は、半導体チップを外力から保護することができるとともに、高い接合強度を有することができる。また、半導体チップは、チップサイズの縮小化や多出力化を行うことができる。したがって、実装信頼性に優れた高機能かつ小型の半導体装置を提供することができるという効果を奏する。
【0040】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、能動面に形成された複数の突起電極と、複数の突起電極以外の領域を被覆する絶縁保護膜と、各突起電極の間の絶縁保護膜に形成された溝、および、上記複数の突起電極のうち外側に位置する突起電極により囲まれた領域以外の絶縁保護膜に形成された突起体、の少なくとも一方と、を備える表面実装型の半導体チップを使用し、上記能動面が、(長辺の長さ/短辺の長さ)<1.25を満たす長方形の形状を有し、かつ、上記溝および突起体が、上記能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面に対して対称に形成されている場合、上記能動面の長辺側から上記封止樹脂を流し込む方法である。
【0041】
これにより、能動面の長辺側からの封止樹脂の流し込みは、封止樹脂を流し込む入口から出口までの流路が短い方を選ぶことになる。よって、空気を巻き込むことを低減させることができる。また同時に、能動面の長辺側から封止樹脂を流し込むと、封止樹脂の流入速度の制御を最も効果的に行うことができる。したがって、ボイドの発生を好適に抑制することが可能となり、実装信頼性に優れた高機能かつ小型の半導体装置を実現することができるという効果を奏する。
【0042】
また、本発明の液晶モジュールは、液晶パネルと、上記液晶パネルを駆動するための信号を該液晶パネルに供給する駆動ドライバとして上記半導体装置とを備え、上記配線基板は、樹脂フィルムを基材として構成されている構成である。
【0043】
それゆえ、実装信頼性に優れた高機能かつ小型の上記半導体装置を備えているので、液晶モジュールの小型化、高精細化、および高性能化を実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0045】
図1は、本実施の形態の半導体チップ10の一構成例を示すものであり、能動面に垂直な方向から能動面を見たときの平面図である。図2は、半導体チップ10を備える半導体装置100の一構成例を示す、図1のA−A線により見た断面側面図である。
【0046】
図2に示すように、本実施の形態の半導体装置100は、半導体チップ10、配線基板50、およびアンダーフィル材101を備え、半導体チップ10が、アンダーフィル材101により封止されながら配線基板50に実装された構造を有している。半導体チップ10の能動面が配線基板50の実装面に向かい合うような、所謂、半導体チップ10の能動面が下向きとなるフェイスダウン方式により、半導体チップ10は配線基板50にフリップチップ接続されている。
【0047】
半導体チップ10は、能動面に外部と接続可能な突起電極13を有する表面実装型の半導体素子である。半導体チップ10は、シリコン等の半導体材料を主材料とする、薄いチップ形状の半導体基材11にて形成されている。半導体基材11の一方の面には、内部の素子領域と電気的に接続するように引き回された配線からなる回路(図示せず)が形成されている。この回路が形成されている面が、半導体チップ10としての能動面となっている。半導体チップ10の能動面は、「(長辺の長さ/短辺の長さ)<1.25」を満たす長方形の形状を有している。
【0048】
半導体基材11の一方の面、すなわち半導体チップ10の能動面には、図1および図2に示すように、ソルダレジスト12(絶縁保護膜)、突起電極13、溝14、および突起体15が形成されている。
【0049】
ソルダレジスト12は、能動面における突起電極13以外の領域を被覆するように形成されている。ソルダレジスト12は、例えば、ポリイミド系樹脂や、フェノール樹脂などの絶縁性の樹脂からなる。ソルダレジスト12は、半導体基材11に形成された回路に対して、配線間の絶縁や、酸化等から保護している。
【0050】
突起電極13は、バンプと呼ばれる突起状の電極である。突起電極13は、パッドメタル(図示せず)を介して、半導体基材11に形成された配線と電気的に接続するように形成されている。突起電極13を介して、内部の素子領域への信号の入出力が行われる。突起電極13は金属からなり、例えば、半田、金、銅、ニッケル、錫、またはアルミニウムなどが好適に用いられる。突起電極13は、信号の入出力数に応じて複数(図1に示す半導体チップ10では9つ)形成されている。突起電極13は、互いに干渉しないように定められたピッチに従って、能動面の中心を中心に、3×3のマトリクス状に配置されている。
【0051】
溝14は、隣り合う突起電極13間に形成されている。例えば図1に示すように、溝14は、図1中縦方向に2つ、および、図1中横方向に縦方向の溝と干渉しないように断続した2つ、形成されている。溝14は、少なくとも突起電極13に干渉しない幅、かつ、少なくともソルダレジスト12の厚さよりも小さい深さ、でソルダレジスト12に形成されている。溝14の深さ方向の断面形状は、コの字型となっている。
【0052】
突起体15は、外側に位置する突起電極13により囲まれた領域以外の領域に形成されている。外側に位置する突起電極13とは、各辺に対して能動面に平行な垂直方向に、各辺から最も近い位置にある突起電極13である。例えば図1に示すように、突起体15は、能動面の4角付近に、対角方向に等間隔で3つずつ形成されている。突起体15は、少なくとも突起電極13の高さよりも低くなるように形成されている。突起体15の高さ方向の断面形状は、コの字型となっている。
【0053】
このように、半導体チップ10では、図1に示すように、能動面において、溝14および突起体15が上下左右対称(能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面および短辺方向に平行な面のそれぞれに対して対称)に形成されている。なお、半導体チップ10の能動面には、配線基板50に実装する際の位置決めとなる、位置決め用マーク(図示せず)が形成されていてもよい。位置決め用マークを形成する場合は、位置決め用マークが露出するように、ソルダレジスト12を被覆しない。
【0054】
配線基板50は、基材51に、配線からなる回路(図示せず)が形成された基板である。配線基板50は、リジッド基板、またはフレキシブル基板のいずれの構造を有していてもよく、基材51は、例えば、ポリイミド等の樹脂フィルム、シリコンチップ、セラミック板、またはガラスエポキシ板等から、半導体装置100の用途に応じて好適に選択される。上記回路は、基材51の片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。外部と物理的に接続される配線付近以外の領域は、レジスト53により被覆されている。
【0055】
基材51における半導体チップ10を実装する実装面に形成されている配線のうち、一部の配線の端部は、外部と接続可能な接続端子52として形成されている。接続端子52は、半導体チップ10の突起電極13と同数および同配置で設けられ、突起電極13と導電可能になるようにそれぞれ接合されている。接続端子52は金属からなり、例えば、半田、金、銅、錫、またはニッケル等が好適に用いられる。
【0056】
アンダーフィル材101は、半導体チップ10の突起電極13を配線基板50の接続端子52に接続した後の、半導体チップ10と配線基板50との隙間を充填するように形成されている。また、アンダーフィル材101は、流動性のある樹脂材料が、半導体チップ10の外側にはみ出した状態で硬化されてなることにより、半導体チップ10の周辺に、外側に拡がるようなフィレット形状を有するように形成されている。
【0057】
アンダーフィル材101に用いられる樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ウレタン、ポリアミド樹脂等の、透光性を有する熱硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂等の光硬化性樹脂が挙げられる。
【0058】
アンダーフィル材101の厚みは、半導体チップ10の厚みや突起電極13の高さ等に応じて、封止対象領域がアンダーフィル材101により封止されるように適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。一般的には、数十μm〜数百μm程度の厚みに設定される。半導体チップ10および配線基板50の接合部は、アンダーフィル材101により封止されて外部環境から保護されている。
【0059】
以上の構成により、半導体装置100では、半導体チップ10が配線基板50に実装(固着)されている。半導体装置100は、配線基板50にて選択する材料に応じて、種々の用途に好適に使用される構造を有することができる。
【0060】
例えば、基材51が樹脂フィルムからなり、配線がアウターリード、リード、およびインナーリード(接続端子52)からなる場合、半導体装置100は、TCPやCOFの構造を有するようになる。このような半導体装置100は、例えば、液晶表示装置の駆動ドライバに使用される。
【0061】
図3に、液晶モジュール150の一構成例を示す。図3に示すように、液晶モジュール150は、液晶パネル151、ソースドライバ152、ゲートドライバ153、および入力基板154を備えている。
【0062】
ソースドライバ152およびゲートドライバ153は、入力基板154からの信号に従って、液晶パネル151に駆動信号を出力する駆動ドライバである。このソースドライバ152およびゲートドライバ153には、上述した半導体装置100を使用することができる。
【0063】
また、基材51が樹脂フィルム、セラミック板、またはガラスエポキシ板からなり、半導体チップ10全体がさらに封止樹脂で封止されるとともに、基材51における半導体チップの実装面とは反対側の面に、外部と電気的に接続可能な電極が形成されて構成される場合、半導体装置100は、CSP(Chip Size Package)やBGA(Ball Grid Array)等の構造を有するようになる。さらには、インターポーザ基板を適宜備えたり、半導体チップ10の上部にさらに半導体チップを備えて、複数の半導体チップを1つのパッケージに収納するように構成するMCM(Multi Chip Module)として、半導体装置100を構成することもできる。このような半導体装置100は、高機能を有する小型パッケージとして提供することが可能であり、例えば、携帯電話やカメラなどのプリント制御基板に実装されるマイコンやROMなどに使用される。
【0064】
次に、本実施の形態の半導体チップ10の製造方法について説明する。半導体チップ10は、複数の半導体素子が形成されたウエハが、個片化されて製造されている。
【0065】
まず、主にシリコンからなる、薄くスライスされた円盤形状のウエハ(半導体基材11)に、半導体素子をダイシングする領域毎に形成する。そして、所望の回路パターンに従って配線を形成する。そして、後に突起電極13が形成される箇所以外の領域を覆うように、ソルダレジスト12を形成する。
【0066】
続いて、溝14および突起体15を順番に形成する。ここで、使用する形成方法に応じて、溝14および突起体15を形成する順番は異なる。溝14および突起体15は、例えば、3つの方法により形成することができる。
【0067】
1つ目は、フォトレジストマスクを用いてエッチングする方法である。この方法では、まず、ソルダレジスト12を形成する前工程において、突起体15に必要な高さを厚みとするソルダレジスト12を形成しておく。そして、上記厚みを有するソルダレジスト12を被覆した後のウエハに、フォトレジストをマスクして、突起体15の形成パターンに従ってパターニングした後、エッチングにより突起体15を形成する。そして、フォトレジストを除去した後、新たなフォトレジストをマスクして、溝14の形成パターンに従ってパターニングする。そして、エッチングにより溝14を形成し、フォトレジストを除去する。これにより、突起体15、溝14の順番で形成することができる。
【0068】
2つ目は、フォトレジストマスクを用いたエッチングと、メタル配線(ダミー配線)の形成との両方を行う方法である。この方法では、ソルダレジスト12を被覆した後のウエハに、フォトレジストをマスクして、溝14の形成パターンに従ってパターニングした後、エッチングにより溝14を形成する。そして、フォトレジストを除去した後、新たなフォトレジストをマスクして、突起体15の形成パターンに従ってパターニングする。そして、上記パターニングによりフォトレジストが露出した部分に対して、銅またはアルミニウムでメッキを行うことにより、突起体15を形成する。その後、フォトレジストを除去する。これにより、溝14、突起体15の順番で形成することができる。
【0069】
3つ目は、レーザ加工とメタル配線の形成との両方を行う方法である。この方法では、ソルダレジスト12を被覆した後のウエハに、溝14の形成パターンに従ってレーザを照射することにより、溝14を形成する。そして、フォトレジストをマスクして、突起体15の形成パターンに従ってパターニングする。そして、上記パターニングによりフォトレジストが露出した部分に対して、銅またはアルミニウムでメッキを行うことにより、突起体15を形成する。その後、フォトレジストを除去する。これにより、溝14、突起体15の順番で形成することができる。
【0070】
なお、3つ目の方法においては、メタル配線の形成の替わりにフォトレジストマスクを用いたエッチングを行うこともできる。つまりは、予め、突起体15に必要な高さを厚みとするソルダレジスト12を形成しておき、レーザ加工により溝14を形成した後、フォトレジストマスクを用いたエッチングにより突起体15を形成する。しかし、レーザ加工は、微細加工には適するが、加工深さが比較的大きい場合には適さないので、加工深さに応じて採用することが好ましい。
【0071】
続いて、突起電極13を形成する。詳細には、突起電極13を形成するためのソルダレジスト12が被覆されていない箇所に、土台としてパッドメタルを形成した後、配線と電気的に接続するように突起電極13を形成する。
【0072】
例えば、突起電極13の材料として半田を用いる場合は、半田ボール搭載機により上記箇所に半田ボールを乗せるか、または印刷機により半田ペーストを上記箇所に印刷し、リフロー処理を行うことにより、突起電極13を形成することができる。また、突起電極13の材料として金、銅、ニッケル、錫、またはアルミニウムを用いる場合は、フォトレジストマスクを用いてメッキ加工により、突起電極13を形成することができる。
【0073】
そして最後に、ダイシング装置でウエハをダイシングすることにより個片化する。これにより、半導体チップ10を作製し得ることが可能となる。
【0074】
一般的に、半導体チップの製造工程では、上記個片化されるまでの工程を前半工程とし、ボンディングや樹脂封止を行って最終的にパッケージ化する工程を後半工程としている。上述した半導体チップ10の製造方法では、前半工程で溝14および突起体15を形成するので、設計自由度が高い微細パターンで溝14および突起体15を形成することが可能である。
【0075】
半導体チップ10の製造方法では、例えばCSPの場合、ソルダレジスト12の厚みが10〜25μmであり、突起電極13のピッチが500μmおよび高さが170〜270μmのとき、溝14の幅は50〜150μmおよび深さは5〜15μmとし、突起体15の高さは10μm〜40μmとする微細パターンを形成することが可能である。また、半導体チップ10の製造方法は、種々の厚みの半導体チップに適用することができる。
【0076】
次に、本実施の形態の半導体装置100の製造方法について説明する。
【0077】
まず、上記構成要素がそれぞれ形成された半導体チップ10、および配線基板50を、実装装置に設置する。このとき、配線基板50を、接続端子52が形成されている面、すなわち半導体チップ10を実装する実装面が上を向くように設置する。また、半導体チップ10を、能動面が下を向くようにボンディングツールに保持させる。
【0078】
続いて、半導体チップ10の能動面を、配線基板50における接続端子52が形成されている面に向かい合わせ、ボンディングツールを介して熱および圧力を加えながら、突起電極13を接続端子52に圧着する。これにより、突起電極13と接続端子52とが接合される。
【0079】
続いて、半導体チップ10と配線基板50との隙間に、アンダーフィル材101をポッティングする。ポッティングは、図10に示したように容器351を用いて行う。容器351にアンダーフィル材101を満たし、半導体チップ10の4側面のうち1側面にノズル352を設置する。そして、半導体チップ10と配線基板50との隙間へのアンダーフィル材101のポッティングを開始する。
【0080】
図4に、半導体装置100における、半導体チップ10の能動面に垂直な方向から能動面を見たときの、アンダーフィル材101を充填している様子を示す。なお、図4は、配線基板50を省略して図示している。
【0081】
ノズル352からアンダーフィル材101が流れ出すと、毛細管現象により、アンダーフィル材101は、各突起電極13の間に染み込みながら、半導体チップ10と配線基板50との隙間を流れる。ノズル352は、半導体チップ10の側辺と略同じ長さを有している。それゆえ、半導体チップ10における1側面の全域から、均一な量のアンダーフィル材101が、半導体チップ10と配線基板50との隙間に流れ込む。
【0082】
従来では、図11に示したように、通常、半導体チップ301における能動面の端付近は、障害物が無いのでアンダーフィル樹脂が流れやすくなっており、各金属バンプ302の間は、狭ピッチなほどアンダーフィル樹脂が流れにくくなっている。このため、アンダーフィル樹脂の進入速度に差が生じ、ボイドを発生してしまう場合があった。
【0083】
これに対し、本実施の形態では、半導体チップ10における能動面の端付近(例えば、図4中の領域X)では、突起体15が形成されていることにより、アンダーフィル材101が流れ込みにくくなり、アンダーフィル材101の進入速度が抑制される。また、各突起電極13の間(例えば、図4中の領域Y)では、溝14が形成されていることにより、アンダーフィル材101が流れ込みやすくなり、アンダーフィル材101の進入速度が促進される。これにより、全体的にアンダーフィル材101の流入速度の差が小さくなる。
【0084】
それゆえ、所定量のアンダーフィル材101を注入して、半導体チップ10におけるノズル352を設置した側面側と対向する側面側から、アンダーフィル材101がはみ出したことを確認するときには、半導体チップ10と配線基板50との隙間に、アンダーフィル材101を満遍なく充填することが可能となる。よって、アンダーフィル材101の進入速度の差によって生じるボイドの発生を抑制することが可能となる。
【0085】
アンダーフィル材101を充填した後は、最後に、アンダーフィル材101を熱硬化させる。これにより、図2に示したような半導体装置100を作製し得ることが可能となる。
【0086】
このように、半導体チップ10は溝14および突起体15を有しているので、アンダーフィル材101の充填時、アンダーフィル材101の進入速度の差を抑制させてボイドの発生を抑制させることが可能となる。それゆえ、突起電極13の微細化が可能となり、チップサイズの縮小化や多出力化が可能となる。
【0087】
また、半導体チップ10を備える半導体装置100では、溝14および突起体15の形成パターンによってアンダーフィル材101の流れ(進入速度)が制御されることにより、ボイドの発生が抑制された樹脂封止が施されている。したがって、半導体チップ10を外力から保護することができるとともに従来よりも接合強度が高いので、実装信頼性に優れた高機能かつ小型の半導体装置100を実現することが可能となる。
【0088】
また、突起電極13の配置が狭ピッチになると、不良なくアンダーフィル材101を充填するために、アンダーフィル材101に含まれるフィラー(充填材)形状の加工や小粒径化が必要となりコストの増加を引き起こすが、本実施の形態では、半導体チップ10に溝14が形成されているので、アンダーフィル材101に含まれるフィラー形状の加工や小粒径化が不要となる。これにより、コストの増加無しに、狭ギャップ領域にアンダーフィル材101を好適に充填することが可能となる。
【0089】
半導体装置100では、アンダーフィル材101をポッティングする箇所は、半導体チップ10のいずれの側面であってもよい。つまりは、半導体チップ10の能動面が、「(長辺の長さ/短辺の長さ)<1.25」を満たす長方形の形状を有しているため、ほぼ正方形に近く、半導体チップ10のいずれの側面からアンダーフィル材101を流し込んでも、出口までの流路に大差が無いためである。
【0090】
また、半導体チップ10には、溝14および突起体15が、能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面および短辺方向に平行な面のそれぞれに対して対称に形成されていることにより、半導体チップ10の4側面のうち、いずれの側面であっても上述した効果を奏することが可能である。
【0091】
言い換えると、半導体チップの能動面が、「(長辺の長さ/短辺の長さ)<1.25」を満たす長方形の形状を有している場合は、溝および突起体を、能動面の略中心を通る該能動面の各辺方向に平行な面のそれぞれ対して対称に形成させることが好ましい。これにより、能動面のいずれの1辺側からアンダーフィル材をポッティングしても、上述したアンダーフィル材の流れ制御による効果を奏することが可能となる。また、アンダーフィル材101のポッティング箇所は、1側面に限らず、半導体チップ10のチップサイズに基づいた必要量に応じて、L字取りの2側面としてもよい。
【0092】
なお、半導体装置100は、半導体チップ10と配線基板50との隙間の領域に溝14および突起体15を設けることにより、アンダーフィル材101の流れを規定して、可能な限りどの箇所でもアンダーフィル材101が均等に流れるように、アンダーフィル材101の流れを制御している。それゆえ、半導体装置100では、所望する好適な制御に応じて、溝14および突起体15のうち、少なくとも一方が形成されていればよい。例えば、突起電極13の干渉間隔が比較的緩い場合は、突起体15のみを設ける構成としてもよいし、外側に位置する突起電極13が能動面のほぼ端側にある場合は、溝14のみを設ける構成としてもよい。
【0093】
また、半導体装置100では、突起電極13は、図1に示した個数および配置に限るわけではない。さらには、溝14および突起体15においても、図1に示した個数および配置に限らず、突起電極13の個数および配置に応じて、その個数および配置を好適に設定することができる。溝14および突起体15は、凹形状および凸形状をなしていれば、長さや形状は好適に設定可能であり、能動面に垂直な方向の断面形状は多角形状や曲線形状等でもよい。
【0094】
溝14および突起体15の他の例として、図5に、半導体チップ20の一構成例を示す。図5に示す半導体チップ20では、突起電極23は9個形成され、3行3列のマトリクス状に配置されている。そして、溝24は、能動面の中心から放射状に8つ形成されている。突起体25は、L字型のものが能動面の各角に沿うように4つ形成されている。
【0095】
このような構成は、溝24が能動面の中心から放射状に形成されていることにより、半導体チップ20の能動面の中心付近への、アンダーフィル材101の流れ込みを促進する構成として好適となる。
【0096】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
図6は、本実施の形態の半導体チップ30の一構成例を示すものであり、能動面に垂直な方向から能動面を見たときの平面図である。図7は、半導体チップ30を備える半導体装置110の一構成例を示す、図6のB−B線により見た断面側面図である。
【0098】
図7に示すように、本実施の形態の半導体装置110は、半導体チップ30、インターポーザ基板60、配線基板70、およびアンダーフィル材111を備え、アンダーフィル材111により封止されながら、半導体チップ30がインターポーザ基板60に実装されるとともに、インターポーザ基板60が配線基板70に実装された構造を有している。半導体チップ30の能動面がインターポーザ基板60の実装面に向かい合うように、半導体チップ30はインターポーザ基板60にフリップチップ接続されている。インターポーザ基板60は、配線基板70にバンプ接続されている。
【0099】
半導体チップ30は、能動面に外部と接続可能な突起電極33を有する表面実装型の半導体素子である。半導体チップ30は、シリコン等の半導体材料を主材料とする、薄いチップ形状の半導体基材31にて形成されている。半導体基材31の一方の面には、内部の素子領域と電気的に接続するように引き回された配線からなる回路(図示せず)が形成されている。この回路が形成されている面が、半導体チップ30としての能動面となっている。半導体チップ30の能動面は、「(長辺の長さ/短辺の長さ)>1.25」を満たす長方形の形状を有している。
【0100】
半導体基材31の一方の面、すなわち半導体チップ30の能動面には、図6および図7に示すように、ソルダレジスト32(絶縁保護膜)、突起電極33、溝34、および突起体35が形成されている。
【0101】
ソルダレジスト32は、能動面における突起電極33以外の領域を被覆するように形成されている。ソルダレジスト32には、ソルダレジスト12と同一の材料が用いられる。ソルダレジスト32は、半導体基材31に形成された回路に対して、配線間の絶縁や、酸化等から保護している。
【0102】
突起電極33は、前記実施の形態1の突起電極13と同一の構成および材料を有するものである。突起電極33が突起電極13と異なる点は、その個数および配置である。詳細には、突起電極33は、能動面のそれぞれの長辺側端付近に、該長辺に沿ってジグザグに7個ずつ配置されている。
【0103】
溝34は、隣り合う突起電極33間に形成されている。例えば図6に示すように、溝34は、能動面の短辺と平行に、一定間隔で4つ形成されている。溝34は、少なくとも突起電極33に干渉しない幅、かつ、少なくともソルダレジスト32の厚さよりも小さい深さ、でソルダレジスト32に形成されている。溝34の深さ方向の断面形状は、コの字型となっている。
【0104】
突起体35は、外側に位置する突起電極33により囲まれた領域以外の領域に形成されている。外側に位置する突起電極33とは、各辺に対して能動面に平行な垂直方向に、各辺から最も近い位置にある突起電極33である。例えば図6に示すように、突起体35は、短辺の中点から該短辺に垂直な方向、および該垂直方向の±45°方向に3つが、能動面の短辺側端付近にそれぞれ形成されている。突起体35は、少なくとも突起電極33の高さよりも低くなるように形成されている。突起体35の高さ方向の断面形状は、コの字型となっている。
【0105】
このように、半導体チップ30では、図6に示すように、能動面において、溝34および突起体35が上下対称(能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面に対して対称)に形成されている。なお、半導体チップ30の能動面には、インターポーザ基板60に実装する際の位置決めとなる、位置決め用マーク(図示せず)が形成されていてもよい。位置決め用マークを形成する場合は、位置決め用マークが露出するように、ソルダレジスト32を被覆しない。
【0106】
インターポーザ基板60は、基材61に、配線からなる回路(図示せず)が形成された基板である。基材51は、シリコンからなる。上記回路は、半導体チップ30が実装される基材61の片面のみに形成されている。上記配線において、一方の端部は、外部と接続可能な第1接続端子62として形成されおり、他方の端部は、外部と接続可能な第2接続端子63として形成されている。
【0107】
第1接続端子62は、半導体チップ30の突起電極33と同数および同配置で設けられ、突起電極33と導電可能になるようにそれぞれ接合されている。第1接続端子62は、シリコンからなる基材61をベースにしたシリコンウエハプロセスにより形成される。それゆえ、半導体チップ30の突起電極33と同等なファインピッチで、第1接続端子62を配置することが可能となっている。第1接続端子62は金属からなり、例えば、半田、金、銅、錫、またはニッケル等が好適に用いられる。
【0108】
第2接続端子63は、後述する配線基板70のインナーリード72と同数および同配置で設けられ、インナーリード72と導電可能になるようにそれぞれ接合されている。第2接続端子63は、配線基板70にて設けられたインナーリード72のピッチに合わせられるため、比較的幅広なピッチで配置されている。第2接続端子63は金属からなり、例えば、半田、金、銅、錫、またはニッケル等が好適に用いられる。
【0109】
配線基板70は、基材71に、配線からなる回路(図示せず)が形成された基板である。配線基板70はテープキャリアであり、基材71はポリイミドからなることが好ましい。基材71には、半導体チップ30の配置領域に対応したデバイスホール74が形成されている。上記回路は、インターポーザ基板60が実装される配線基板70の片面のみに形成されている。外部と物理的に接続される配線付近以外の領域は、レジスト73により被覆されている。
【0110】
上記配線において、一方の端部は、外部と接続可能なインナーリード72として形成されおり、他方の端部は、外部と接続可能なアウターリード(図示せず)として形成されている。インナーリード72は、第2接続端子63と同数および同配置で設けられ、第2接続端子63と導電可能になるようにそれぞれ接合されている。インナーリード72は金属からなり、例えば、金、銅、錫、またはニッケル等が好適に用いられる。
【0111】
アンダーフィル材111は、半導体チップ30、インターポーザ基板60、および配線基板70をそれぞれ実装した後の、半導体チップ30とインターポーザ基板60との隙間、インターポーザ基板60と配線基板70との隙間、およびデバイスホール74を充填するように形成されている。また、アンダーフィル材111は、流動性のある樹脂材料が、半導体チップ30およびインターポーザ基板60の外側にはみ出した状態で硬化されてなることにより、半導体チップ30の周辺およびインターポーザ基板60の周辺に、外側に拡がるようなフィレット形状を有するように形成されている。
【0112】
アンダーフィル材111は、アンダーフィル材101と同一の材料を用いればよく、その厚みは適宜設定すればよい。半導体チップ30、インターポーザ基板60、および配線基板70の接合部は、アンダーフィル材111により封止されて外部環境から保護されている。
【0113】
以上の構成により、半導体装置110では、半導体チップ30がインターポーザ基板60に実装(固着)されている。半導体装置110は、TCPやCOFの構造を有しており、例えば、図3に示した液晶モジュール150に、ソースドライバ152やゲートドライバ153として備えられる。
【0114】
本実施の形態の半導体チップ30は、前記実施の形態1の半導体チップ10と同一の製造方法により製造される。つまりは、半導体チップ10の製造方法に従って、半導体チップ30の能動面の構成要素の数量および配置を適用すればよい。
【0115】
次に、本実施の形態の半導体装置110の製造方法について説明する。
【0116】
まず、上記構成要素がそれぞれ形成されたインターポーザ基板60、および配線基板70を、実装装置に設置する。このとき、配線基板70を、インナーリード72が形成されている面が上を向くように設置する。また、インターポーザ基板60を、第2接続端子63が形成されている面が下を向くように、ボンディングツールに保持させる。
【0117】
続いて、インターポーザ基板60における第2接続端子63が形成されている面を、配線基板70におけるインナーリード72が形成されている面に向かい合わせ、ボンディングツールを介して熱および圧力を加えながら、第2接続端子63をインナーリード72に圧着する。これにより、第2接続端子63とインナーリード72とが接合される。
【0118】
続いて、上記構成要素がそれぞれ形成された半導体チップ30を、能動面が上を向くように、ボンディングツールに保持させる。そして、半導体チップ30の能動面を、インターポーザ基板60における第1接続端子62が形成されている面に向かい合わせ、ボンディングツールを介して熱および圧力を加えながら、突起電極33を第1接続端子62に圧着する。これにより、突起電極33と第1接続端子62とが接合される。
【0119】
続いて、アンダーフィル材101をポッティングする。このとき、図10に示したような容器351を使用し、配線基板70におけるインターポーザ基板60が実装されている側であり、かつ、半導体チップ30の長辺側のインターポーザ基板60の側面側に、ノズル352を設置する。そして、インターポーザ基板60と配線基板70との隙間への、アンダーフィル材111のポッティングを開始する。
【0120】
ノズル352からアンダーフィル材111が流れ出すと、毛細管現象により、アンダーフィル材111は、各第2接続端子63の間に染み込みながら、インターポーザ基板60と配線基板70との隙間を流れ、デバイスホール74に流れ込むとともに、各第1接続端子62および突起電極33の間に染み込みながら、半導体チップ30とインターポーザ基板60との隙間に流れ込む。
【0121】
このとき、各第2接続端子63の間では、比較的ピッチが緩いため、アンダーフィル材111が通常想定される速度で流れ込む。そして、半導体チップ30における能動面の短辺側の端付近では、突起体35が形成されていることにより、アンダーフィル材111が流れ込みにくくなり、アンダーフィル材111の進入速度が抑制される。また、各突起電極33の間では、溝34が形成されていることにより、アンダーフィル材111が流れ込みやすくなり、アンダーフィル材111の進入速度が促進される。これにより、半導体チップ30とインターポーザ基板60との隙間では、全体的にアンダーフィル材111の進入速度の差が小さくなる。
【0122】
それゆえ、所定量のアンダーフィル材111を注入して、インターポーザ基板60におけるノズル352を設置した側面側と対向する側面側から、アンダーフィル材111がはみ出したことを確認するときには、半導体チップ30とインターポーザ基板60との隙間に、アンダーフィル材111を満遍なく充填することが可能となる。よって、アンダーフィル材111の進入速度の差によって生じるボイドの発生を抑制することが可能となる。
【0123】
アンダーフィル材111を充填した後は、最後に、アンダーフィル材111を熱硬化させる。これにより、図7に示したような半導体装置110を作製し得ることが可能となる。
【0124】
このように、半導体チップ30は溝34および突起体35を有しているので、アンダーフィル材111の充填時、アンダーフィル材111の進入速度の差を抑制させてボイドの発生を抑制させることが可能となる。それゆえ、突起電極33の微細化が可能となり、チップサイズの縮小化や多出力化が可能となる。
【0125】
また、半導体チップ30を備える半導体装置110では、溝34および突起体35の形成パターンによってアンダーフィル材111の流れ(進入速度)が制御されることにより、ボイドの発生が抑制された樹脂封止が施されている。したがって、半導体チップ30を外力から保護することができるとともに従来よりも接合強度が高いので、実装信頼性に優れた高機能かつ小型の半導体装置110を実現することが可能となる。
【0126】
また、突起電極33の配置が狭ピッチになっていても、前記実施の形態1の半導体装置100と同様に、半導体チップ30に溝34が形成されているので、アンダーフィル材111に含まれるフィラー形状の加工や小粒径化が不要となる。これにより、コストの増加無しに、狭ギャップ領域にアンダーフィル材111を好適に充填することが可能となる。
【0127】
半導体装置110では、アンダーフィル材111をポッティングする箇所は、能動面の長辺側であることが好ましい。つまりは、半導体チップ30の能動面が、「(長辺の長さ/短辺の長さ)>1.25」を満たす長方形の形状を有しているため、アンダーフィル材101を流し込む入口から出口までの流路が短い方を選ぶことにより、空気を巻き込むことが低減されるためである。
【0128】
また、半導体チップ30には、溝34および突起体35が、能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面に対して対称に形成されていることにより、能動面の長辺側であればいずれの長辺でもよく、アンダーフィル材111の制御を効果的に行うことが可能となる。
【0129】
言い換えると、半導体チップの能動面が、「(長辺の長さ/短辺の長さ)>1.25」を満たす長方形の形状を有している場合は、溝および突起体を、能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面に対して対称に形成させることが好ましい。これにより、能動面の長辺側(図6中の矢印P)からアンダーフィル材を流し込むことによって、アンダーフィル材の制御を最も効果的に行うことが可能となる。
【0130】
また、半導体装置110においても、突起電極33、溝34、および突起体35は上述した個数および配置に限らず、その個数および配置は好適に設定することができる。また、所望する好適なアンダーフィル材111の流れの制御に応じて、溝34および突起体35のうち、少なくとも一方が形成されていればよい。例えば、図8に、半導体チップ40の一構成例を示す。
【0131】
図8に示す半導体チップ40では、突起電極43は、3×4のマトリクス状に配置されている。そして、突起体45は、能動面の短辺に対して45°方向に2つが、能動面の短辺側端付近にそれぞれ形成されているとともに、能動面の長辺方向に対して平行に2つが、能動面の一方の長辺側端付近に形成されている。
【0132】
このような構成は、溝を設けておらず、突起電極43の配置ピッチが比較的緩い場合に好適な構成である。溝の形成工程が削減されるので、生産性を向上することが可能となる。また、半導体チップ30の替わりに半導体チップ40を半導体装置110に備える場合は、突起体45が設けられていない方の長辺側から、アンダーフィル材111をポッティングすることが好ましい。これにより、アンダーフィル材111の制御を最も効果的に行うことが可能となる。
【0133】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、フリップチップ方式の半導体チップに関する分野に好適に用いることができるだけでなく、狭ピッチに樹脂を流し込む構成を有する半導体装置について適用することができ、さらには、半導体装置の製造方法に関する分野にも広く用いることができる。それゆえ、本発明は、例えば、携帯電話、携帯情報端末、薄型ディスプレイ、およびノート型コンピュータ等の各種半導体モジュールの駆動に好適に使用することができる半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明における半導体チップの実施の一形態を示す平面図である。
【図2】上記半導体チップを備える半導体装置の一構成例を示す断面側面図である。
【図3】上記半導体装置を備える液晶モジュールの一構成例を示す平面図である。
【図4】上記半導体装置における、アンダーフィル材をポッティングする際の様子を示す平面図である。
【図5】本発明における半導体チップの他の実施の形態を示す平面図である。
【図6】本発明における半導体チップのさらに他の実施の形態を示す平面図である。
【図7】上記半導体チップを備える半導体装置の一構成例を示す断面側面図である。
【図8】本発明における半導体チップのさらに他の実施の形態を示す平面図である。
【図9】従来の半導体装置の構造を示す断面側面図である。
【図10】従来の半導体装置における、封止樹脂をポッティングする際の様子を示す側面図である。
【図11】従来の半導体装置における、半導体チップの各位置の封止樹脂の進入速度の差を示す平面図である。
【符号の説明】
【0136】
10,20,30,40 半導体チップ
11,31 半導体基材
12,32 ソルダレジスト(絶縁保護膜)
13,23,33,43 突起電極
14,24,34 溝
15,25,35,45 突起体
50,70 配線基板
51,71 基材
52 接続端子
60 インターポーザ基板
61 基材
62 第1接続端子
63 第2接続端子
72 インナーリード
100,110 半導体装置
101,111 アンダーフィル材(封止樹脂)
150 液晶モジュール
151 液晶パネル
152 ソースドライバ(駆動ドライバ)
153 ゲートドライバ(駆動ドライバ)
351 容器
352 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の突起電極と、上記複数の突起電極以外の領域を被覆する絶縁保護膜とが、能動面に形成されてなる表面実装型の半導体チップにおいて、
上記各突起電極の間の絶縁保護膜に形成された溝、および、上記複数の突起電極のうち外側に位置する突起電極により囲まれた領域以外の絶縁保護膜に形成された突起体、の少なくとも一方を備えていることを特徴とする半導体チップ。
【請求項2】
上記能動面は、(長辺の長さ/短辺の長さ)<1.25を満たす長方形の形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項3】
上記能動面は、(長辺の長さ/短辺の長さ)>1.25を満たす長方形の形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項4】
上記溝および突起体は、上記能動面の中心を通る、該能動面の長辺方向に平行な面および短辺方向に平行な面のそれぞれに対して対称に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体チップ。
【請求項5】
上記溝および突起体は、上記能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面に対して対称に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体チップ。
【請求項6】
上記突起体は、上記複数の突起電極のうち外側に位置する突起電極により囲まれた領域以外の絶縁保護膜の上に、金属からなる凸部が設けられることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項7】
上記突起体は、フォトレジストを用いたエッチング加工により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項8】
上記溝は、フォトレジストを用いたエッチング加工、または、レーザ加工により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項9】
上記複数の突起電極は、はんだ、金、銅、錫、またはニッケルからなることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項10】
能動面に複数の突起電極が形成された表面実装型の半導体チップと、複数の接続端子を有する配線パターンが形成された配線基板とを備え、上記複数の突起電極が上記複数の接続端子に電気的にそれぞれ接続されているとともに、少なくとも上記半導体チップと上記配線基板との隙間に封止樹脂が充填されることにより、上記半導体チップが上記配線基板に実装されてなる半導体装置において、
上記半導体チップは、請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体チップであることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
上記配線基板は、樹脂フィルム、シリコンチップ、セラミック板、またはガラスエポキシ板を基材として構成されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
能動面に複数の突起電極が形成された表面実装型の半導体チップと、複数の接続端子を有する配線パターンが形成された配線基板とを備え、上記複数の突起電極が上記複数の接続端子に電気的にそれぞれ接続されているとともに、少なくとも上記半導体チップと上記配線基板との隙間に封止樹脂が充填されることにより、上記半導体チップが上記配線基板に実装されてなる半導体装置の製造方法において、
上記半導体チップとして、
上記複数の突起電極以外の領域を被覆する絶縁保護膜と、
上記各突起電極の間の絶縁保護膜に形成された溝、および、上記複数の突起電極のうち外側に位置する突起電極により囲まれた領域以外の絶縁保護膜に形成された突起体、の少なくとも一方と、を備える半導体チップを使用し、
上記能動面が、(長辺の長さ/短辺の長さ)<1.25を満たす長方形の形状を有し、かつ、上記溝および突起体が、上記能動面の略中心を通る長辺方向に平行な面に対して対称に形成されている場合、上記能動面の長辺側から上記封止樹脂を流し込むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
液晶パネルと、上記液晶パネルを駆動するための信号を該液晶パネルに供給する駆動ドライバとを備える液晶モジュールにおいて、
上記駆動ドライバは、請求項10に記載の半導体装置であり、
上記配線基板は、樹脂フィルムを基材として構成されていることを特徴とする液晶モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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