説明

半導体チップ用フィルム状接着剤、半導体加工用接着シートおよび半導体装置の製造方法

【課題】半導体ウエハや半導体チップなどの被着体に貼着された後、エキスパンド工程により、容易にチップサイズに分割できる半導体チップ用フィルム状接着剤あるいは接着剤層を有する半導体加工用接着シートを提供する。
【解決手段】半導体チップ用フィルム状接着剤1は、孔30が形成されている。また、半導体加工用接着シートは、孔30が形成された半導体チップ用フィルム状接着剤1を接着剤層とし、該接着剤層が剥離可能に基材に積層されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子(半導体チップ)を有機基板、リードフレームおよび他の半導体チップなどにダイボンディングする工程、あるいは半導体ウエハをダイシングし、かつ半導体チップを有機基板、リードフレームおよび他の半導体チップなどにダイボンディングする工程で使用する際に特に適したフィルム状接着剤および接着シートに関する。また、本発明は、該フィルム状接着剤および該接着シートを使用した半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報端末機器の薄型化、小型化、多機能化が急速に進む中、それらに搭載される半導体装置も同様に薄型化、高密度化が求められている。特にメモリーチップでは、シリコンウエハを極限まで薄く加工し、多積層化することで、高容量化を行っている。
【0003】
このような半導体装置のトレンドに対応して、半導体加工プロセスではウエハの極薄加工方法がポイントとなり、種々の薄型加工方法が考案・評価されている。このような薄型加工方法としては、ウエハ表面側から所定深さの溝を形成した後、この裏面側から研削して半導体チップを製造する方法が開示されている。このようなプロセスは「先ダイシング法」とも呼ばれている。
【0004】
また、別の薄型加工方法としては、レーザー光を用いてウエハ内部に易割断性を有するように改質された領域を形成し、その後ウエハが貼着された粘着シートをエキスパンドすることで、ウエハを割断し、チップに個片化する方法が開示されている。このようなプロセスは、「ステルスダイシング(登録商標)法」と呼ばれている。
【0005】
これらの方法によって、薄型化されたウエハの破損を最小限に抑え、チップを製造することができる。このように製造されたチップは、ダイアタッチフィルム(DAF)上へ転写される。
【0006】
通常、DAFは、ウエハに貼付された後、ウエハと共にダイシングされ、個片化される。しかし、上述の先ダイシングプロセス法やステルスダイシング(登録商標)法では、DAF上に、チップ状に個片化されたウエハが転写されるため、DAFのみをチップと同サイズに分割する必要があった。
【0007】
特許文献1(特開2002−118081号公報)には、ブレードやレーザー光によるDAFの分割が提案されているが、ストリートライン(個片化されたチップ間の隙間)に沿ってチップにダメージを与えることなく、DAFを切断することが困難であった。
【0008】
また、特許文献2(特開2005−19962号公報)には、DAFをウエハに貼付後、ステルスダイシング(登録商標)法により、ウエハをチップに個片化すると同時にDAFを分割することが提案されているが、DAFが厚い場合(例えば30μm以上)には、DAFを分割することが困難であり、また、破断性を重視した配合としなければならないので、DAFの他の特性、例えばダイシング時のウエハの固定性能などが犠牲となる可能性がある。また、5℃程度の低温下でエキスパンドすることで、DAFの分割性を向上させる方法もあるが、低温にすることで結露によりDAFが吸湿し、半導体装置の信頼性が低下するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−118081号公報
【特許文献2】特開2005−19962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであって、半導体ウエハや半導体チップなどの被着体に貼着された後、エキスパンド工程により、容易にチップサイズに分割できる半導体チップ用フィルム状接着剤あるいは接着剤層を有する半導体加工用接着シートを提供することを目的とする。また、該フィルム状接着剤または該半導体加工用接着シートを用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕孔が形成された半導体チップ用フィルム状接着剤。
【0012】
〔2〕上記〔1〕に記載の半導体チップ用フィルム状接着剤を接着剤層とし、該接着剤層が剥離可能に基材に積層されている半導体加工用接着シート。
【0013】
〔3〕接着剤層が熱硬化性を有する〔2〕に記載の半導体加工用接着シート。
【0014】
〔4〕上記〔2〕または〔3〕に記載の半導体加工用接着シートの接着剤層に、チップ状に個片化した、または個片化の前処理を行った半導体ウエハを貼着する工程、
該半導体加工用接着シートをエキスパンドする工程、
該半導体チップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材から剥離する工程、および、
該半導体チップをダイパッド部上、または別の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程を含む半導体装置の製造方法。
【0015】
〔5〕上記〔2〕または〔3〕に記載の半導体加工用接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着する工程、
該半導体ウエハをチップ状に個片化する、または個片化の前処理を行う工程、
該半導体加工用接着シートをエキスパンドする工程、
該半導体チップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材から剥離する工程、および、
該半導体チップをダイパッド部上、または別の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程を含む半導体装置の製造方法。
【0016】
〔6〕個片化の前処理が、レーザー光を用いてウエハ内部に改質領域を形成することである、〔4〕または〔5〕に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、半導体チップ用フィルム状接着剤あるいは接着剤層に、半導体ウエハや半導体チップなどの被着体を貼着した後、エキスパンド工程により、半導体チップ用フィルム状接着剤あるいは接着剤層を容易にチップサイズに分割できる。そのため、裏面に接着剤層を有するチップを簡便に得ることができ、半導体装置の製造工程を簡略化できる。また、本発明に係る半導体チップ用フィルム状接着剤または半導体加工用接着シートによれば、半導体チップのピックアップ性や基板等へのダイボンディング性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る半導体チップ用フィルム状接着剤の一実施形態の概略断面図である。
【図2】本発明に係る半導体加工用接着シートの一実施形態の概略断面図である。
【図3】本発明に係る半導体加工用接着シートの使用態様を示す概略断面図である。
【図4】本発明に係る半導体チップ用フィルム状接着剤または半導体加工用接着シートの使用態様における平面図である。
【図5】エキスパンド工程を示す概略断面図である。
【図6】回路が形成された半導体ウエハの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(半導体チップ用フィルム状接着剤)
以下、本発明に係る半導体チップ用フィルム状接着剤について、添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明に係る半導体チップ用フィルム状接着剤1には、孔30が形成されている。本発明においては、半導体チップ用フィルム状接着剤1に孔30が形成されているため、半導体チップ用フィルム状接着剤に半導体ウエハを貼着し、該半導体チップ用フィルム状接着剤に基材を貼着後に行われるダイシング工程において、ウエハをチップに個片化し、次いで行われるエキスパンド工程により、半導体チップ用フィルム状接着剤1は、チップ6の貼着されていない部分において、図4に示す孔30を起点として、分割線40で割断される。チップ6が貼着された部分においては、半導体チップ用フィルム状接着剤1が拘束されているため変形しにくく、半導体チップ用フィルム状接着剤は割断されない。エキスパンド工程の結果、チップ間隔が大きくなるため、チップ裏面に割断された半導体チップ用フィルム状接着剤を固着残存させて基材から剥離することが容易になる。
【0021】
このような半導体チップ用フィルム状接着剤は、例えば、後述する本発明に係る半導体加工用接着シートの接着剤層を構成する接着剤組成物を用いて得られる。
【0022】
孔30の直径は、好ましくは1〜100μm、より好ましくは2〜70μm、特に好ましくは2〜40μmである。孔30の直径が小さすぎる場合は、エキスパンド工程により半導体チップ用フィルム状接着剤1を割断することが困難になる場合がある。また、孔30の直径が大きすぎる場合は、チップをダイパッド部上または別のチップ上に半導体チップ用フィルム状接着剤1を介して載置する際に、良好な密着性を得ることができず、半導体装置のパッケージ信頼性が低下することがある。
【0023】
孔同士の間隔(隣接する孔との平均距離)は、好ましくは0.005〜0.3mm、より好ましくは0.01〜0.1mmである。また、孔30の半導体チップ用フィルム状接着剤の総面積に占める面積割合は、好ましくは0.1〜20%、より好ましくは1〜17%である。孔同士の間隔が広すぎる場合は、エキスパンド工程により半導体チップ用フィルム状接着剤1を割断することが困難になる場合がある。また、孔同士の間隔が狭すぎる場合は、孔30の半導体チップ用フィルム状接着剤の総面積に占める面積割合が大きくなりすぎ、エキスパンド工程により半導体チップ用フィルム状接着剤1を割断後、チップ裏面に割断された半導体チップ用フィルム状接着剤1を固着残存させて基材から剥離し、該チップをダイパッド部上または別のチップ上に半導体チップ用フィルム状接着剤1を介して載置する際に、良好な密着性を得ることができず、半導体装置のパッケージ信頼性が低下することがある。
【0024】
孔30の形状は、円形であることが好ましいが、特に限定されることはなく、矩形であってもよい。また、孔30は、半導体チップ用フィルム状接着剤1の被着体に貼着される面から、逆側の表面まで貫通されていることが好ましいが、本発明の効果が損なわれない限り、貫通していなくてもよい。
【0025】
孔30は、図1に示すように、半導体チップ用フィルム状接着剤1の全面に形成されていてもよく、半導体チップ用フィルム状接着剤1における被着体6(例えば半導体ウエハ)を貼付する面にのみ形成されていてもよいし、さらには、半導体ウエハのカーフ(個片化の後に切断されている部分)に対応する部分にのみ形成されていてもよいが、汎用性の面から、半導体チップ用フィルム状接着剤1の全面に形成されていることが好ましい。
【0026】
孔30の穿孔方法は特に限定はされず、たとえば細い針を突き刺して孔を形成してもよいが、レーザー光を使用することが簡便であり好ましい。この場合に使用するレーザー光は、半導体チップ用フィルム状接着剤1を熱分解しうる程度の強度および波長を有する必要がある。したがって、たとえば波長10.6μm程度の赤外線レーザーが好ましく用いられる。
【0027】
半導体チップ用フィルム状接着剤の製造方法は特に限定されないが、例えば、剥離フィルム上に、半導体チップ用フィルム状接着剤を構成する接着剤組成物を塗布乾燥後、COレーザー等を照射して孔30を形成し、剥離フィルムを剥離する方法が挙げられる。
【0028】
(半導体加工用接着シート)
以下、本発明に係る半導体加工用接着シート(以下において、単に「接着シート」と記載することがある。)について、添付図面に基づいて説明する。
【0029】
本発明に係る半導体加工用接着シート10は、上述した半導体チップ用フィルム状接着剤を接着剤層とし、該接着剤層を基材上に設けたものである。図2に示すとおり、接着剤層12に孔30が形成されており、接着剤層12が剥離可能に基材11に積層されている。接着剤層12は、熱硬化性を有することが好ましく、例えば特開平10−8001号や、特開2000−17246号に開示されている接着剤組成物からなる接着剤層を用いることができる。
【0030】
接着剤層は、エネルギー線硬化性化合物を含有することが好ましい。このような構成とすることで、半導体加工用接着シートの接着剤層にエネルギー線硬化性化合物含有させることによる公知の効果を発現させられる。つまり、半導体加工用接着シートを半導体ウエハ等に貼着する際には、接着剤層が所定の柔軟性を有し、半導体ウエハへの密着性を高くすることができる一方、エキスパンド前にエネルギー線を照射して接着剤層を硬化させることで接着剤層の柔軟性が低下し、エキスパンドによる割断が容易となる効果がある。この効果は、本発明の半導体加工用接着シートが孔を有し、割断が容易である効果と相乗して奏功する。
【0031】
エネルギー線硬化性化合物は、紫外線や電子線などのエネルギー線の照射を受けると重合・硬化する化合物である。エネルギー線硬化性化合物としては、分子内に1つ以上のエネルギー線重合性二重結合を有する化合物、例えばアクリレート系化合物が挙げられる。
【0032】
アクリレート系化合物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、イタコン酸オリゴマー、ジシクロペンタジエン骨格含有多官能アクリレートなどが挙げられる。
【0033】
エネルギー線硬化性化合物の分子量(オリゴマーまたはポリマーの場合は重量平均分子量)は、通常は100〜30000、好ましくは200〜9000程度である。
【0034】
本発明の半導体加工用接着シート10は、図2に示すように、上記接着剤組成物から形成された接着剤層12が剥離可能に基材11に積層されており、該接着剤層12に孔30が形成されている。本発明の接着シート10の形状は、テープ状、ラベル状などあらゆる形状をとり得る。
【0035】
本発明においては、接着剤層12に孔30が形成されているため、接着剤層12に被着体6(半導体ウエハや半導体チップなど)を貼着後に行われるエキスパンド工程により、接着剤層12は被着体6の貼着されていない部分において、図4に示す孔30を起点として、分割線40で割断される。被着体6が貼着された部分においては、接着剤層が拘束されているため変形しにくく、接着剤層は割断されない。エキスパンド工程の結果、図5に示すように、チップ間隔が大きくなるため、被着体裏面に割断された接着剤層を固着残存させて基材から剥離することが容易になる。
【0036】
孔30の直径、孔同士の間隔、総面積、形状および穿孔方法は、上述した半導体チップ用フィルム状接着剤における孔30と同様である。
【0037】
孔30は、図2および図3に示すように、接着シート10の全面に形成されていてもよく、接着シート10における被着体6を貼付する面にのみ形成されていてもよいし、さらには、半導体ウエハのカーフ(個片化の後に切断されている部分)に対応する部分にのみ形成されていてもよいが、汎用性の面から、接着シート10の全面に形成されていることが好ましい。
【0038】
基材11としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどの透明フィルム;該透明フィルムを着色した着色透明フィルムまたは着色不透明フィルム;これらの架橋フィルムや積層フィルムなどが挙げられる。
【0039】
本発明の接着シート10は、接着剤層12がエネルギー線硬化性化合物を含有し、その硬化に際して、基材側から紫外線などのエネルギー線照射を行う場合には、上記基材はエネルギー線に対して透過性が高いことが好ましい。
【0040】
また、通常は、本発明の接着シート10は半導体ウエハや半導体チップなどの被着体6に貼付され、被着体6に所要の加工を施した後、接着剤層を被着体に固着残存させて基材から剥離する。すなわち、接着剤層を、基材から被着体に転写する工程を含むプロセスに好適に使用される。このため、基材の接着剤層に接する面の表面張力は、好ましくは40mN/m以下、さらに好ましくは37mN/m以下、特に好ましくは35mN/m以下である。下限値は通常25mN/m程度である。このような表面張力が低い基材は、材質を適宜に選択して得ることが可能であるし、また基材の表面に剥離剤を塗布して剥離処理を施すことで得ることもできる。
【0041】
基材の剥離処理に用いられる剥離剤としては、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系などの剥離剤が用いられるが、特にアルキッド系、シリコーン系、フッ素系の剥離剤が耐熱性を有するので好ましい。
【0042】
上記剥離剤を用いて基材表面を剥離処理するためには、剥離剤をそのまま無溶剤で、または溶剤希釈やエマルション化して、(1)グラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーターなどを用いて該剥離剤を基材表面に塗布して、常温硬化もしくは加熱硬化または電子線硬化させる、あるいは(2)ウェットラミネーション、ドライラミネーション、熱溶融ラミネーション、溶融押出ラミネーション、共押出加工などを実施することにより、基材と剥離剤からなる層との積層体を形成すればよい。
【0043】
また、接着シートの基材としては、フィルム上に粘着剤層を有する粘着シートを用いてもよい。粘着シートの粘着剤層は、接着剤層を剥離できる程度の粘着力を有する弱粘着性のものを使用してもよいし、エネルギー線照射により粘着力が低下するエネルギー線硬化性のものを使用してもよい。
【0044】
基材の厚みは、通常は10〜500μm、好ましくは15〜300μm、特に好ましくは20〜250μm程度である。接着剤層の厚みは、通常は1〜500μm、好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μm程度である。
【0045】
接着シートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、基材上に、接着剤層を構成する接着剤組成物を塗布乾燥後、接着剤層にCOレーザー等を照射して孔30を形成する方法が挙げられる。また、接着剤層を剥離フィルム上に設け、これにCOレーザー等を照射して孔30を形成し、孔の形成された接着剤層を基材に転写する方法が挙げられる。なお、接着シートの使用前に、接着剤層を保護するために、接着剤層の上面に剥離フィルムを積層しておいてもよい。また、接着剤層の表面外周部には、リングフレームなどの他の治具を固定するために別途粘着剤層や粘着テープが設けられていてもよい。
【0046】
本発明の接着シート10は、図2に示すように、基材11上全面に、接着剤層12が形成される構成とすることができる。このような構成の接着シートは、その使用に際し、接着剤層12によりリングフレーム7と固定してもよいし、別途リングフレーム形状の粘着テープを接着剤層上に形成し、該粘着テープによりリングフレーム7と固定してもよい。
【0047】
また、本発明の接着シート10は、基材11がリングフレームに固定可能な大きさを有し、かつ、接着剤層12の外径がリングフレームの内径よりも小さい構成としてもよい。このような構成の接着シートは、その使用に際し、基材としてフィルム上に粘着剤層を有する粘着シートを用い、該粘着剤層によりリングフレーム7と固定してもよいし、別途リングフレーム形状の両面粘着テープを基材上に形成し、該両面粘着テープによりリングフレーム7と固定してもよい。
【0048】
(半導体装置の製造方法)
本発明の半導体加工用接着シートの利用方法について、該半導体加工用接着シートを半導体装置(例えば半導体パッケージ)の製造に適用した場合を例にとって説明する。本発明における第1の半導体装置の製造方法は、上記半導体加工用接着シートの接着剤層に、チップ状に個片化した、または個片化の前処理を行った半導体ウエハを貼着する工程、該半導体加工用接着シートをエキスパンドする工程、該半導体チップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材から剥離する工程、および、該半導体チップをダイパッド部上、または別の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程を含む。
【0049】
半導体ウエハをチップ状に個片化する方法は特に限定されず、先ダイシング法等を用いて行うことができる。また、別途ダイシングテープを用意し、半導体ウエハに貼付して通常のダイシングを行ってもよい。先ダイシング法または通常のダイシングを行う場合は、先ダイシング法で用いたバックグラインドテープまたはダイシングテープから、本発明の半導体加工用接着シートに、チップ状に個片化された半導体ウエハを転写貼着する。また、個片化の前処理については、ステルスダインシング(登録商標)法等が挙げられ、通常裏面研削工程終了後にバックグラインドテープに保持された状態でレーザー照射すること等により行うことができる。この場合においても、個片化の前処理を行った半導体ウエハをバックグラインドテープから本発明の半導体加工用接着シートに転写貼着する。
【0050】
なお、個片化した、または個片化の前処理を行った半導体ウエハを半導体加工用接着シートに貼着することは、個片化した、または個片化の前処理を行った半導体ウエハを、半導体加工用接着シートを構成する接着剤層(半導体チップ用フィルム状接着剤)に貼着し、次いで接着剤層を基材に貼着することにより、半導体加工用接着シートが貼着された構成とすることも含む。
【0051】
いずれの場合においても、接着剤層は切断分離されていないが、本発明の半導体加工用接着シートを用いた場合には、エキスパンドを行うことにより接着剤層が割断されると共に、半導体チップの間隔が拡張し、半導体チップのピックアップを容易に行えるようになる。この際、接着剤層と基材との間にずれが発生することになり、接着剤層と基材との間の密着力が減少し、半導体チップのピックアップ性が向上する。ステルスダイシング(登録商標)法により個片化の前処理を行った半導体が転写貼着された場合は、エキスパンドと同時に半導体ウエハのチップへの割断も行われる。
【0052】
このようにして半導体チップのピックアップを行うと、切断された接着剤層を半導体チップ裏面に固着残存させて基材から剥離することができる。
【0053】
接着剤層にエネルギー線硬化性化合物を含む場合には、接着剤層に基材側からエネルギー線を照射し、接着剤層の凝集力を上げ、柔軟性を低下させておくことができる。このようなプロセスとすることで、より容易に接着剤層の割断が可能となる。照射されるエネルギー線としては、紫外線(UV)または電子線(EB)などが挙げられ、好ましくは紫外線が用いられる。なお、エネルギー線照射は、個片化した、または個片化の前処理を行った半導体ウエハの貼付後〜半導体チップの剥離(ピックアップ)前のいずれの段階で行ってもよいが、割断が容易となるため、エキスパンドの前に行うことが好ましい。
【0054】
次いで接着剤層を介して半導体チップを、有機基板もしくはリードフレームのダイパッド部、または下段となる他の半導体チップ(下段チップ)上に載置する。ダイパッド部または下段チップは、半導体チップを載置する前に加熱するか載置直後に加熱される。加熱温度は通常80〜200℃、好ましくは100〜180℃であり、加熱時間は通常0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜3分であり、載置するときの圧力は通常1kPa〜200MPaである。
【0055】
半導体チップをダイパッド部または下段チップ上に載置した後、必要に応じさらに加熱を行ってもよい。この際の加熱条件は、上記加熱温度の範囲であって、加熱時間は通常1〜180分、好ましくは10〜120分である。
【0056】
また、載置後に接着剤層を完全硬化する加熱処理は行わずに仮接着状態としておき、パッケージ製造において通常行われる樹脂封止での加熱を利用して接着剤層を硬化させてもよい。その際には、封止樹脂を硬化させるために、通常は150〜180℃で2〜8時間程度の加熱が行われる。上記の加熱処理に代えて、封止工程での加熱処理を利用してもよい。
【0057】
このような工程を経ることで、接着剤層が硬化し、半導体チップとダイパッド部または下段チップとを強固に接着することができる。接着剤層はダイボンド条件下で流動化するように設計した場合は、ダイパッド部または下段チップの凹凸にも充分に埋め込まれ、ボイドの発生を防止できる。本発明の接着剤層は、孔が設けられているので、このようにダイパッド部または下段チップの凹凸に十分に埋め込みが可能な柔らかい接着剤層であっても、エキスパンド工程での割断を容易に行うことができる。
【0058】
すなわち、得られる実装品においては、半導体チップの固着手段である接着剤層が硬化し、かつダイパッド部または下段チップの凹凸にも充分に埋め込まれた構成となるため、過酷な条件下にあっても、充分なパッケージ信頼性が達成される。
【0059】
なお、半導体チップを他の半導体チップ上に接着剤層を介して載置する工程を含む半導体チップ装置の製造方法には、有機基板またはリードフレームのダイパッド部上に載置された他の半導体チップ上に接着剤層を介して半導体チップを載置する工程、または有機基板またはリードフレームのダイパッド部上に載置されていない他の半導体チップ上に半導体チップ用フィルム状接着剤を介して半導体チップを載置する工程を含む。
【0060】
また、本発明における第2の半導体装置の製造方法は、上記半導体加工用接着シートを半導体ウエハに貼着する工程、該半導体ウエハをチップ状に個片化する、または個片化の前処理を行う工程、該半導体加工用接着シートをエキスパンドする工程、該半導体チップ裏面に該半導体チップ用フィルム状接着剤を固着残存させて基材から剥離する工程、および、該半導体チップをダイパッド部上、または別の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程を含む。以下、詳細を説明する。
【0061】
まず、上記半導体加工用接着シートを半導体ウエハに貼着する。貼着方法は特に限定されない。次いで、チップ状に個片化するか、または個片化の前処理を行う。個片化の手段は、ダイシングソーやレーザーなどの切断手段を用いて、上記半導体ウエハを切断し半導体チップを得ることが一般的である。ダイシングソーを用いる場合に、この際の切断深さを、半導体ウエハの厚みおよびダイシングソーの磨耗分を加味した深さにし、基材を切り込まないようにすると、基材の切削屑が発生せず、その後の加工工程における不具合を防止することができる。このような工程では、接着剤層は完全に切断されないことがある。また、レーザーにより半導体ウエハを切断した場合に、接着剤層がレーザーにより半導体ウエハと同時に切断される性質ではないときは、ダイシング後も切断されないままとなる。
【0062】
また、フェースダウン実装用半導体チップを得るための半導体ウエハに行う先ダイシング法において、本発明の半導体加工用接着シートを半導体ウエハの研削加工時の表面保護シートとして用いてもよい。この場合、半導体ウエハの表面に、後にカーフとなる領域に溝を設けた後、本発明の半導体加工用接着シートを半導体ウエハ表面に貼着する。次いで、半導体ウエハを裏面側から研削加工することによって薄型加工を行う。このとき、本発明の半導体加工用接着シートが貼着されていることで、フェースダウン実装用半導体チップを得るための半導体ウエハ表面(通常バンプ(電極)が形成されている)が、研削水の浸入等から保護される。溝の底辺に到達するまで研削を行うことで、半導体ウエハが半導体チップに個片化される。フェースダウン実装用半導体チップでは、半導体チップ用フィルム状接着剤を表面側に形成し、チップ表面とダイパッド部等とを接着する。本発明の半導体加工用接着シートを表面保護シートとして用いた場合には、個片化が終了した段階で、チップ表面には半導体チップ用フィルム状接着剤(接着剤層)が設けられた状態であるので、別途半導体チップ用フィルム状接着剤を設ける必要がない。この場合も、接着剤層は半導体ウエハの個片化の後も切断されていない。
【0063】
また、個片化の前処理としては、ステルスダイシング(登録商標)法による改質領域の形成が挙げられる。ステルスダイシング(登録商標)法において、半導体ウエハに対してのレーザーによる改質領域の形成を本発明の半導体加工用接着シート上で行う場合、個片化の前処理の終了後も接着剤層は切断されていない。
【0064】
以上のような場合に、次いで基材のエキスパンドを行うと、半導体チップの貼着されていない部分の接着剤層が割断されると共に、半導体チップの間隔が拡張し、半導体チップのピックアップを容易に行えるようになる。この際、接着剤層と基材との間にずれが発生することになり、接着剤層と基材との間の密着力が減少し、半導体チップのピックアップ性が向上する。ステルスダイシング(登録商標)法により個片化の前処理を行った場合は、エキスパンドと同時に半導体ウエハのチップへの割断も行われる。
【0065】
このようにして半導体チップのピックアップを行うと、切断された接着剤層を半導体チップ裏面に固着残存させて基材から剥離することができる。
【0066】
接着剤層にエネルギー線硬化性化合物を含む場合には、接着剤層に基材側からエネルギー線を照射し、接着剤層の凝集力を上げ、柔軟性を低下させておくことができる。このようなプロセスとすることで、より容易に接着剤層の割断が可能となる。照射されるエネルギー線としては、紫外線(UV)または電子線(EB)などが挙げられ、好ましくは紫外線が用いられる。なお、エネルギー線照射は、半導体ウエハの貼付後〜半導体チップの剥離(ピックアップ)前のいずれの段階で行ってもよいが、割断が容易となるため、エキスパンドの前に行うことが好ましい。また、ダイシングソーによるダイシング時の接着剤層の弾性率を適切な範囲に調整する、および個片化後の接着剤層の再密着を防止するという観点から、個片化の前に行うことが好ましい。また、エネルギー線照射は複数回に分けて行ってもよい。
【0067】
半導体チップをダイパッド部上、または他の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程は、第1の半導体装置の製造方法で詳述した通りである。
【0068】
本発明の半導体チップ用フィルム状接着剤および半導体加工用接着シートは、上記のような使用方法の他、ガリウム−砒素等の化合物半導体チップ、有機半導体チップなどの接着に使用することもできる。
【実施例】
【0069】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、「接着シートのエキスパンド分割性」および「ピックアップ性・ダイボンディング性」は次のようにして評価した。
【0070】
<接着シートのエキスパンド分割性>
ウエハバックサイドグラインド装置(DISCO社製、DGP8760)により、表面をドライポリッシュ処理した8インチのシリコンウエハ(200mm径、厚さ100μm)のドライポリッシュ処理面に、ダイシングテープであるAdwill(登録商標) D−676(リンテック株式会社製)をテープマウンター(リンテック社製、Adwill(登録商標) RAD2500 m/8)を用いて貼付し、同時にリングフレームに固定した。その後、紫外線照射装置(リンテック社製、Adwill(登録商標) RAD2000)を用いて、前記ダイシングテープの基材面から紫外線を照射(350mW/cm2、190mJ/cm2)した。次に、ダイシング装置(DISCO社製、DFD651、ブレード幅30μm)を使用し、10mm×10mmのサイズのチップにダイシングし、個片化されたシリコンウエハを得た。
【0071】
実施例および比較例で作製した接着シートに、上記の個片化されたシリコンウエハを転写し、接着シートをリングフレームに固定した。次いで、実施例2の接着シートにのみ紫外線照射装置(リンテック社製、Adwill(登録商標) RAD2000)を用いて紫外線照射(230mW/cm、190mJ/cm)を行った。その後、ピックアップ装置を用いて、接着シートをエキスパンド(接着シートの引き落とし量10mm)し、接着シートにおける接着剤層がシリコンチップと同形状に分割されているかを目視にて確認した。接着剤層がシリコンチップと同形状に分割されていた接着シートを「可」、接着剤層がシリコンチップと同形状に分割されていなかった接着シートを「不可」と評価した。
【0072】
<ピックアップ性・ダイボンディング性>
実施例および比較例で作製した接着シートに、エキスパンド分割性の評価と同様にチップサイズ5mm×5mmおよび10mm×10mmにダイシングした8インチのシリコンウエハ(直径200mm、厚さ100μm)を転写し、接着シートをリングフレームに固定した。次いで、実施例2の接着シートにのみ紫外線照射(230mW/cm、190mJ/cm)を行った。その後、ピックアップ装置を用いて、接着シートをエキスパンド(接着シートの引き落とし量10mm)し、裏面に接着剤層を有するチップをピックアップし、基板上にダイボンディングした。チップをピックアップし、ダイボンディングができた場合を「良好」、ピックアップ不良が発生し、ダイボンディングできなかった場合を「不可」と評価した。
【0073】
(実施例1)
<半導体加工用接着シートの作製>
アクリル酸メチル85重量部と2−ヒドロキシエチルアクリレート15重量部とを共重合してなるアクリル共重合体(重量平均分子量:約80万、Tg:4℃)90重量部、液状エポキシ樹脂(DIC株式会社製エピクロンEXA−4850−150)9重量部、硬化剤(株式会社ADEKA製 アデカハードナー3636AS)0.5重量部、及び、シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製 A−1110)0.5重量部を混合し、メチルエチルケトンを固形濃度が30%になるように混合して接着剤組成物を得た。
【0074】
剥離シートとして、剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を準備し、その上に、上記の接着剤組成物を粘着剤層の乾燥後厚みが30μmになるように塗布、乾燥(乾燥条件:オーブンにて90℃、2分間)し、剥離シート上に形成された接着剤層を得た。次いで、基材として低密度ポリエチレンフィルム(厚さ:110μm)を準備し、基材を接着剤層に貼合した。その後、剥離シートを剥離し、接着剤層に孔の形成されていない半導体加工用接着シートを得た。
【0075】
炭酸ガス(CO)レーザー加工装置(松下電器製、YB−HCS03T04、波長10.6μm)を用いて、接着剤層に孔の形成されていない接着シートの接着剤層側からレーザーを入射し、接着剤層面の孔径(孔の直径)が10μm、孔同士の間隔が0.015mmとなるように格子状に配列させて孔を形成し、接着シートを得た。この接着シートについて、「接着シートのエキスパンド分割性」および「ピックアップ性・ダイボンディング性」を評価した。結果を表1に示す。なお、接着剤層に占める孔の面積割合は、12.56%であった。
【0076】
(実施例2)
アクリル共重合体(日本合成化学工業株式会社製 コーポニールN−2359−6、重量平均分子量:約30万、Tg:−28℃)100重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂20phrアクリル粒子含有品(株式会社日本触媒製 エポセットBPA328、エポキシ当量235g/eq)403重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製 エピクロン1050、エポキシ当量850g/eq)269重量部、DCPD型エポキシ樹脂(DIC株式会社製 エピクロンHP−7200HH、エポキシ当量278g/eq)90重量部、硬化剤(ノボラック型フェノール樹脂、昭和電工株式会社製 ショウノールBRG−556、フェノール性水酸基当量104g/eq)224重量部、硬化促進剤(イミダゾール、四国化成工業株式会社製 キュアゾール2PHZ)18重量部、シランカップリング剤(三菱化学株式会社製 MKCシリケートMSEP2)12重量部、シリカ充填剤(株式会社アドマテックス製 アドマファインSC2050)200重量部、エネルギー線重合性化合物(ジシクロペンタジエンジメトキシジアクリレート、日本化薬株式会社製 KAYARAD R−684)83重量部、および、光重合開始剤(α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製 イルガキュア184)0.2重量部を混合し、メチルエチルケトンを固形濃度が30%になるように混合して接着剤組成物を得た。
【0077】
上記接着剤組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得、評価を行った。結果を表1に示す。なお、接着剤層に占める孔の面積割合は、12.56%であった。
【0078】
(実施例3)
接着剤層面の孔径(孔の直径)を40μm、孔同士の間隔を0.1mmとしたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得、評価を行った。結果を表1に示す。なお、接着剤層に占める孔の面積割合は、6.41%であった。
【0079】
(実施例4)
接着剤層面の孔径(孔の直径)を50μm、孔同士の間隔を0.05mmとしたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得、評価を行った。結果を表1に示す。なお、接着剤層に占める孔の面積割合は、19.6%であった。
【0080】
(比較例1)
接着剤層に孔の形成されていない接着シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。なお、エキスパンドによって接着剤層は、伸張したのみで、分割されることはなかった。
【0081】
【表1】

【符号の説明】
【0082】
1 : 半導体チップ用フィルム状接着剤
10 : 接着シート
11 : 基材
12 : 接着剤層
30 : 孔
5 : 半導体ウエハ
6 : 半導体チップ
7 : リングフレーム
8 : 回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔が形成された半導体チップ用フィルム状接着剤。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体チップ用フィルム状接着剤を接着剤層とし、該接着剤層が剥離可能に基材に積層されている半導体加工用接着シート。
【請求項3】
接着剤層が熱硬化性を有する請求項2に記載の半導体加工用接着シート。
【請求項4】
請求項2または3に記載の半導体加工用接着シートの接着剤層に、チップ状に個片化した、または個片化の前処理を行った半導体ウエハを貼着する工程、
該半導体加工用接着シートをエキスパンドする工程、
該半導体チップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材から剥離する工程、および、
該半導体チップをダイパッド部上、または別の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程を含む半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項2または3に記載の半導体加工用接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着する工程、
該半導体ウエハをチップ状に個片化する、または個片化の前処理を行う工程、
該半導体加工用接着シートをエキスパンドする工程、
該半導体チップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材から剥離する工程、および、
該半導体チップをダイパッド部上、または別の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程を含む半導体装置の製造方法。
【請求項6】
個片化の前処理が、レーザー光を用いてウエハ内部に改質領域を形成することである、請求項4または5に記載の半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−209386(P2012−209386A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73109(P2011−73109)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】