説明

半導体発光装置およびその発光制御方法

【課題】動画撮影の連続点灯時において、発熱による半導体発光素子の破壊を防止すること。
【解決手段】半導体発光装置100は、撮像装置によって撮像が行われるときに用いられる補助光源として、撮像装置に搭載される。また、LED103は、電流が供給されると発光する。また、駆動回路102は、LED103に電流を供給してLED103を発光させる。また、制御回路101は、撮像装置によって動画が撮影されるとき、LED103に供給される電流の電流値および電流の供給時間のうちいずれか一方が増大するほど他方が減少するように駆動回路102による電流の供給を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光装置およびその発光制御方法に関し、特に、携帯電話機等の携帯無線通信端末への搭載に適した半導体発光装置およびその発光制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光装置としては、例えば携帯電話機に搭載されたカメラ用補助光源などが知られている。特に、近年普及しているカメラ付き携帯電話機においては、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、LEDの駆動回路およびLEDの駆動回路を制御する制御回路から構成され、カメラ撮影時の補助光源とされる発光装置が多く採用されている。
【0003】
ここで、LEDとしては、1つもしくは複数の白色のLEDを搭載して白色の光源として用いられるもの、またはR(赤)、G(緑)、B(青)の各色のLEDを搭載して白色を含む様々な色の光源として用いられるものなどがある。また、駆動回路としては、LEDに一定の電流を加えることが可能な定電流回路などがある。そして、制御回路は、定電流回路の制御を携帯電話機のユーザの操作に応じて行い、LEDの点灯状態を変えることが可能である。
【0004】
このように、半導体発光素子の電流を変化させることを特徴としたカメラの発光装置としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1記載のカメラの発光装置では、動画撮影の連続点灯時の電流よりも静止画撮影の静止画点灯時の電流が大きく設定されている。静止画点灯時には、発光時間が極めて短い(通常数百ミリセカンド以下である)ため、LEDに大電流が流されても発熱による破壊が生じず、連続点灯時より大きい明るさを得ることができる。
【特許文献1】特開2003−307771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のカメラの発光装置においては、連続点灯時のLEDの発光時間がまちまちであり、また、連続点灯時の電流が静止画点灯時の電流より小さく設定されていても許容発光電流が存在する。このため、LEDに許容発光電流が長時間流されると、LEDの発熱によりLEDの温度がLEDのジャンクション温度を超え、LEDが破壊されるという問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、動画撮影の連続点灯時において、発熱による半導体発光素子の破壊を防止することができる半導体発光装置およびその発光制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体発光装置は、撮像装置によって撮像が行われるときに用いられる補助光源として、前記撮像装置に搭載される半導体発光装置であって、半導体発光素子と、前記半導体発光素子に電流を供給して前記半導体発光素子を発光させる駆動手段と、前記撮像装置によって動画が撮影されるとき、前記電流の電流値および前記電流の供給時間のうちいずれか一方が増大するほど他方が減少するように前記駆動手段による前記電流の供給を制御する制御手段と、を具備する構成を採る。
【0008】
この構成によれば、撮像装置によって動画が撮影されるとき、半導体発光素子に供給される電流の電流値および電流の供給時間のうちいずれか一方が増大するほど他方が減少するように制御されるため、発熱による半導体発光素子の破壊を防止することができる。
【0009】
本発明の半導体発光装置は、上記構成において、ユーザの操作に従って前記電流値を設定する電流値設定手段と、前記電流値設定手段によって設定された前記電流値に対応する前記供給時間を前記半導体発光素子の発光時間として前記ユーザに通知する通知手段と、をさらに具備する構成を採る。
【0010】
この構成によれば、ユーザは、通知手段を介して、電流値を設定することによって得られた供給時間を発光時間として確認することができる。
【0011】
本発明の半導体発光装置は、上記構成において、前記電流値を設定する電流値設定手段と、複数の電流値と前記複数の電流値にそれぞれ対応する複数の供給時間とを含む発光条件情報を記憶する記憶手段と、前記電流値設定手段によって設定された前記電流値に対応する前記供給時間を、前記記憶手段によって記憶された前記発光条件情報から読み出す読み出し手段と、をさらに具備する構成を採る。
【0012】
この構成によれば、ユーザにより長時間連続発光が不可能な大電流が設定されても、発熱で半導体発光素子が破壊に至らない供給時間に制御されるため、ユーザにより設定された電流値に応じた最適な供給時間を常に実現することができ、また、ユーザにより設定された電流値に応じた供給時間が自動的に制御されるため、ユーザのミスなどによる半導体発光素子の破壊を回避することができる。
【0013】
本発明の半導体発光装置は、上記構成において、ユーザの操作に従って前記電流値を設定する電流値設定手段と、前記電流値設定手段によって設定された前記電流値に対応する前記供給時間を取得する取得手段と、前記撮像装置の電池残量を検出する検出手段と、をさらに具備し、前記制御手段は、前記取得手段によって取得された前記供給時間が実行可能であるか否かを、前記検出手段によって検出された電池残量に基づいて判断し、前記供給時間が実行不可能であると判断した場合、前記ユーザに対して警告を行う、構成を採る。
【0014】
この構成によれば、ユーザにより設定された電流値に応じて取得した供給時間が電池残量に基づいて実行不可能であると判断された場合、ユーザに対して警告を行うため、電池残量の影響も考慮しながら電流値に応じた最適な供給時間を実現することができる。
【0015】
本発明の半導体発光装置は、上記構成において、前記電流値を設定する電流値設定手段と、前記電流値設定手段によって設定された前記電流値に対応する前記供給時間を取得する取得手段と、前記撮像装置の電池残量を検出する検出手段と、をさらに具備し、前記制御手段は、前記取得手段によって取得された前記供給時間が実行可能であるか否かを、前記検出手段によって検出された電池残量に基づいて判断し、前記供給時間が実行不可能であると判断した場合、前記検出手段によって検出された電池残量に応じて前記供給時間を変更する、構成を採る。
【0016】
この構成によれば、ユーザにより設定された電流値に応じて取得した供給時間が電池残量に基づいて実行不可能であると判断された場合、電池残量に応じて供給時間を変更するため、電池残量の影響も考慮しながら電流値に応じた最適な供給時間としての発光時間をユーザに通知することができる。
【0017】
本発明の半導体発光装置は、上記構成において、ユーザの操作に従って前記供給時間を設定する供給時間設定手段と、前記供給時間設定手段によって設定された前記供給時間に対応する前記電流値から導出される輝度を前記ユーザに通知する通知手段と、をさらに具備する構成を採る。
【0018】
この構成によれば、ユーザは、通知手段を介して、自分で供給時間を設定することによって得られた電流値から導き出される輝度を確認することができる。
【0019】
本発明の半導体発光装置は、上記構成において、前記供給時間を設定する供給時間設定手段と、複数の供給時間と前記複数の供給時間にそれぞれ対応する複数の電流値とを含む発光条件情報を記憶する記憶手段と、前記供給時間設定手段によって設定された前記供給時間に対応する前記電流値を、前記記憶手段によって記憶された前記発光条件情報から読み出す読み出し手段と、をさらに具備する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、ユーザにより長時間の供給時間が設定されても、発熱で半導体発光素子が破壊に至らない電流値に制御されるため、ユーザにより設定された供給時間に応じた最適な電流値を常に実現することができる。
【0021】
本発明の半導体発光装置は、上記構成において、ユーザの操作に従って前記供給時間を設定する供給時間設定手段と、前記供給時間設定手段によって設定された前記供給時間に対応する前記電流値を取得する取得手段と、前記撮像装置の電池残量を検出する検出手段と、をさらに具備し、前記制御手段は、前記取得手段によって取得された前記電流値が実行可能であるか否かを、前記検出手段によって検出された電池残量に基づいて判断し、前記電流値が実行不可能であると判断した場合、前記ユーザに対して警告を行う、構成を採る。
【0022】
この構成によれば、ユーザにより設定された供給時間に応じて取得した電流値が電池残量に基づいて実行不可能であると判断された場合、ユーザに対して警告を行うため、電池残量の影響も考慮しながら供給時間に応じた最適な電流値を実現することができる。
【0023】
本発明の半導体発光装置は、上記構成において、前記供給時間を設定する供給時間設定手段と、前記供給時間設定手段によって設定された前記供給時間に対応する前記電流値を取得する取得手段と、前記撮像装置の電池残量を検出する検出手段と、をさらに具備し、前記制御手段は、前記取得手段によって取得された前記電流値が実行可能であるか否かを、前記検出手段によって検出された電池残量に基づいて判断し、前記電流値が実行不可能であると判断した場合、前記検出手段によって検出された電池残量に応じて前記電流値を変更する、構成を採る。
【0024】
この構成によれば、ユーザにより設定された供給時間に応じて取得した電流値が電池残量に基づいて実行不可能であると判断された場合、電池残量に応じて電流値を変更するため、電池残量の影響も考慮しながら供給時間に応じた最適な電流値としての輝度をユーザに通知することができる。
【0025】
本発明の半導体発光装置は、上記構成において、前記制御手段は、前記撮像装置によって動画が撮影されるとき、前記供給時間が短縮されるほど前記電流値が増大されるように前記駆動手段による前記電流の供給を制御する、構成を採る。
【0026】
この構成によれば、撮像装置によって動画が撮影されるとき、半導体発光素子に供給される電流の供給時間が短縮されるほど電流値が増大されるように制御されるため、発熱による半導体発光素子の破壊を防止しながら、供給時間に応じた最大の電流値を常に実現することができる。
【0027】
本発明の半導体発光装置は、上記構成において、前記制御手段は、前記撮像装置によって動画が撮影されるとき、前記電流値が減少されるほど前記供給時間が増大されるように前記駆動手段による前記電流の供給を制御する、構成を採る。
【0028】
この構成によれば、撮像装置によって動画が撮影されるとき、半導体発光素子に供給される電流の電流値が減少されるほど供給時間が増大されるように制御されるため、発熱による半導体発光素子の破壊を防止しながら、電流値に応じた最大の供給時間を常に実現することができる。
【0029】
本発明の発光制御方法は、撮像装置によって撮像が行われるときに用いられる補助光源として前記撮像装置に搭載される半導体発光装置において実行される発光制御方法であって、前記半導体発光装置内の半導体発光素子に電流を供給して前記半導体発光素子を発光させる駆動ステップと、前記撮像装置によって動画が撮影されるとき、前記電流の電流値および前記電流の供給時間のいずれか一方が増大するほど他方が減少するように前記駆動ステップでの前記電流の供給を制御する制御ステップと、を具備するようにした。
【0030】
この方法によれば、撮像装置によって動画が撮影されるとき、半導体発光素子に供給される電流の電流値および電流の供給時間のうちいずれか一方が増大するほど他方が減少するように制御されるため、発熱による半導体発光素子の破壊を防止することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、動画撮影の連続点灯時において、発熱による半導体発光素子の破壊を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体発光装置100の構成を示すブロック図である。図1に示す半導体発光装置100は、制御回路101、駆動回路102、LED103および記憶装置104を有する。
【0034】
制御手段、取得手段、読み出し手段、電流値設定手段および供給時間設定手段としての制御回路101は、例えばマイクロコンピュータなどからなる。制御回路101は、ユーザによって入力された入力情報に従って設定された設定情報、例えば、電流値および供給時間のいずれかに応じて、それに対応する他方を記憶装置104から読み出す。そして、制御回路101は、制御情報、例えばユーザによって入力された入力情報に従って設定された設定情報およびそれに応じて記憶装置104から読み出した情報に基づいて、駆動回路102を介してLED103を制御する。
【0035】
より具体的に、制御回路101は、記憶装置104からLED103の電流の供給時間を読み出す。LED103の電流の供給時間は、ユーザがキー(図示せず)などを用いて入力した電流値に対応する。ユーザがキー(図示せず)などを用いて輝度を入力した場合は、その輝度から対応する電流値が導き出される。そして、制御回路101は、設定された電流値およびそれに応じた供給時間に基づいて、駆動回路102を介してLED103を制御する。
【0036】
また、制御回路101は、記憶装置104からLED103の電流値を読み出す。LED103の電流値は、ユーザがキー(図示せず)などを用いて発光時間を入力した場合に、その発光時間に従って制御回路101により設定された供給時間に対応する。そして、制御回路101は、設定された供給時間およびそれに応じた電流値に基づいて、駆動回路102を介してLED103を制御する。
【0037】
また、制御回路101は、半導体発光装置100がカメラ撮影時の補助光源として搭載された撮像装置としてのカメラ付き携帯電話機(図示せず)においては、LED103の制御のみならず、カメラなどカメラ付き携帯電話機(図示せず)の他の機能も合わせて制御することができる。
【0038】
駆動手段としての駆動回路102は、例えば定電流回路などからなり、LED103に安定した電流を供給することができる。駆動回路102は、制御回路101から制御情報を受信し、受信した制御情報、例えば、電流値および供給時間に基づいてLED103に電流を供給し、LED103を発光させる。
【0039】
半導体発光素子であるLED103は、駆動回路102から電流が印加されると発光するデバイスである。LED103は、白色、または、白色を含む様々な色の発光が可能である。
【0040】
記憶手段としての記憶装置104は、例えば半導体メモリなどからなり、電流が供給されていなくても記憶を維持することができる。記憶装置104には、電流値と供給時間との関係、例えば、LED103に供給される複数の電流値とそれにそれぞれ対応する複数の供給時間とを含む発光条件情報が記憶されている。この電流値と供給時間との関係は、予め実施された実験などによって得ることができる。例えば、LED103に電流値が印加された場合に、LED103が破壊に至らず、問題なく使用可能な時間を実験によって取得することができる。
【0041】
次いで、上記構成を有する半導体発光装置100の動作について、図2に示すフロー図を用いて説明する。図2は、動画撮影時に電流値が設定された場合の半導体発光装置100の動作の一例を示すフロー図である。なお、ここでは、半導体発光装置100がデジタルスチルカメラ(digital still camera、図示せず)の補助光源としてカメラ付き携帯電話機(図示せず)に搭載された場合を例にとって説明する。
【0042】
まず、ユーザによって動画撮影時の半導体発光装置100の電流値、または、電流値に対応する輝度が入力され、入力された入力情報に従って制御回路101により電流値が設定される(S2010)。輝度は、例えば高輝度から低輝度までの5段階に分けられている。ユーザはキー(図示せず)などを用いて、自分が必要とする電流値または電流値に対応する輝度を選択して入力することができる。例えば、輝度5を入力した場合の電流値は200mA、輝度4を入力した場合の電流値は160mA、輝度3を入力した場合の電流値は120mA、輝度2を入力した場合の電流値は80mA、輝度1を入力した場合の電流値は40mAとそれぞれ設定される。
【0043】
次に、制御回路101は、設定された電流値に応じたLED103の供給時間を記憶装置104から読み出す(S2020)。
【0044】
記憶装置104には、例えば、電流値200mAに対応する輝度5の場合の供給時間は10秒、電流値160mAに対応する輝度4の場合の供給時間は20秒、電流値120mAに対応する輝度3の場合の供給時間は30秒、電流値80mAに対応する輝度2の場合の供給時間は40秒、電流値40mAに対応する輝度1の場合の供給時間は50秒というそれぞれの電流値と供給時間との関係を含む発光条件情報が記憶されている。これらの電流値と供給時間との関係は、予め実施された実験などによって得ることができる。例えば、LED103に電流値が印加された場合に、LED103が破壊に至らず、問題なく使用可能な時間を実験によって取得することができる。
【0045】
S2020に続いて、通知手段としての制御回路101は、ユーザによって入力された電流値または輝度と、読み出された供給時間に対応する発光時間とを、携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などに表示する(S2030)。これにより、ユーザは、液晶表示パネル(図示せず)などを介して、表示される情報を確認することができる。
【0046】
そして、ユーザが自分の必要とする電流値または輝度と、それらに対応する供給時間としての発光時間を確認できたら、動画撮影が開始されるとともに、LED103の発光も開始される。制御回路101は、設定された電流値およびそれに応じて記憶装置104から読み出した供給時間に基づいて、駆動回路102を介してLED103を制御する。そして、発光開始の情報および供給時間の残時間としての発光時間の残時間が携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)等によって表示される(S2040)。ユーザは、撮影中に常に携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などを介して発光時間の残時間を確認することができる。
【0047】
このように、本実施の形態によれば、制御回路101は、ユーザによって入力された入力情報に従って設定された電流値に応じた供給時間を、記憶装置104に記憶されている電流値と供給時間との関係を含む発光条件情報に基づいて読み出し、制御回路102を介してLED103を制御する。また、記憶装置104に記憶されている電流値と供給時間との関係を含む発光条件情報は、予め実施された実験、例えば、LED103に電流値が印加された場合に、LED103が破壊に至らず、問題なく使用可能な時間を得る実験などによって取得される。よって、ユーザが長時間連続発光が不可能な大電流または高輝度を入力することによって大電流が設定されても、制御回路101によりLED103が発熱で破壊に至らない供給時間に制御されるため、ユーザにより入力された入力情報に従って設定された電流値に応じた最適な供給時間を常に実現することができる。
【0048】
また、ユーザにより入力された入力情報に従って設定された電流値に応じた供給時間が制御回路101によって自動的に制御されるため、ユーザの入力ミスなどによるLEDの破壊を回避することができる。
【0049】
また、ユーザは、携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などを介して、自分によって入力された入力情報と、入力情報に従って設定された電流値に応じて制御回路101により記憶装置104から読み出された供給時間に対応する発光時間とを確認することができる。そして、ユーザは、表示された発光時間以下で発光時間を選択することもできる。
【0050】
さらに、ユーザにより入力された入力情報に従って設定された電流の電流値が減少されるほど、制御回路101により供給時間が増大されるように制御されるため、発熱によるLEDの破壊を防止しながら、電流値に応じた最大の供給時間を常に実現することができる。
【0051】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る半導体発光装置100の動画撮影時に供給時間が設定された場合の動作を示すフロー図である。なお、ここでは、半導体発光装置100がデジタルスチルカメラ(図示せず)の補助光源としてカメラ付き携帯電話機(図示せず)に搭載された場合を例にとって説明する。また、本実施の形態で説明する半導体発光装置100は、実施の形態1で説明した半導体発光装置100と同様の基本的構成を有する。よって、本実施の形態で説明するものと同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0052】
まず、ユーザによって動画撮影時の半導体発光装置100の発光時間が入力され、入力された入力情報に従って制御回路101により供給時間が設定される(S3010)。発光時間は、例えば長時間から短時間までの5段階に分けられている。ユーザはキー(図示せず)などを用いて、自分が必要とする発光時間を選択して入力することができる。例えば、発光時間を5に入力した場合の供給時間は50秒、発光時間を4に入力した場合の供給時間は40秒、発光時間を3に入力した場合の供給時間は30秒、発光時間を2に入力した場合の供給時間は20秒、発光時間を1に入力した場合の供給時間は10秒とそれぞれ設定される。
【0053】
次に、制御回路101は、設定された供給時間に応じたLED103の電流値を記憶装置104から読み出す(S3020)。ここで、記憶装置104に予め記憶されている発光条件情報は、実施の形態1で説明した発光条件情報と同様のものでも良いので、その詳細な説明を省略する。
【0054】
次に、制御回路101は、ユーザによって入力された発光時間と、読み出された電流値またはそれに対応する輝度を、携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などに表示する(S3030)。これにより、ユーザは、液晶表示パネル(図示せず)などを介して、表示される情報を確認することができる。
【0055】
ユーザが自分の必要とする供給時間としての発光時間と、それに対応する電流値または輝度を確認できたら、動画撮影が開始されるとともに、LED103の発光も開始される。制御回路101は、設定された供給時間およびそれに応じて記憶装置104から読み出した電流値に基づいて、駆動回路102を介してLED103を制御する。そして、発光開始の情報および供給時間の残時間としての発光時間の残時間が携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)等によって表示される(S3040)。ユーザは、撮影中に常に携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などを介して発光時間の残時間を確認することができる。
【0056】
このように、本実施の形態によれば、制御回路101は、ユーザによって入力された発光時間に従って設定された供給時間に応じた電流値を、記憶装置104に記憶されている電流値と供給時間との関係を含む発光条件情報に基づいて読み出し、制御回路102を介してLED103を制御する。また、記憶装置104に記憶されている電流値と供給時間との関係を含む発光条件情報は、予め実施された実験、例えば、LED103に電流値が印加された場合に、LED103が破壊に至らず、問題なく使用可能な時間を得る実験などによって取得される。よって、制御回路101は、ユーザによりLED103に印加される電流の供給時間が長時間と設定された場合に、LED103が破壊に至らず、問題なく使用可能な電流値に制御するため、ユーザにより設定された供給時間に応じた最適な電流値を常に実現することができる。
【0057】
また、ユーザは、携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などを介して、自分によって入力された発光時間と、発光時間に従って設定された供給時間に応じて制御回路101により記憶装置104から読み出された電流値または輝度とを確認することができる。そして、ユーザは、表示された電流値または輝度以下で電流値または輝度を選択することもできる。
【0058】
さらに、ユーザにより入力された発光時間に従って設定された供給時間が減少されるほど、制御回路101により電流値が増大されるように制御されるため、発熱によるLEDの破壊を防止しながら、供給時間に応じた最大の電流値を常に実現することができる。
【0059】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る半導体発光装置200の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態で説明する半導体発光装置200は、実施の形態1で説明した半導体発光装置100と同様の基本的構成を有する。よって、本実施の形態で説明するものと同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
図4に示す半導体発光装置200は、制御回路101、駆動回路102、LED103、記憶装置104および電池残量検出装置201を有する。
【0061】
検出手段としての電池残量検出装置201は、例えば、電池の出力電圧の値を検出し、電池残量と出力電圧の関係から、撮像装置としてのカメラ付き携帯電話機の電池残量を導き出す。
【0062】
次いで、上記構成を有する半導体発光装置200の動作について、図5に示すフロー図を用いて説明する。なお、図2は、動画撮影時に電流値または供給時間が設定された場合の半導体発光装置200の動作の一例を示すフロー図である。ここでは、半導体発光装置200がデジタルスチルカメラ(図示せず)の補助光源としてカメラ付き携帯電話機(図示せず)に搭載された場合を例にとって説明する。
【0063】
まず、ユーザによって動画撮影時の半導体発光装置200の電流値、または、電流値に対応する輝度が入力され、入力された入力情報に従って制御回路101により電流値が設定される。または、ユーザによって動画撮影時の半導体発光装置200の発光時間が入力され、入力された入力情報に従って制御回路101により供給時間が設定される(S5010)。半導体発光装置200の電流値の設定については、実施の形態1で説明した半導体発光装置100の電流値の設定と同様であっても良い。また、半導体発光装置200の供給時間の設定については、実施の形態2で説明した半導体発光装置100の供給時間の設定と同様であっても良い。よって、その詳細な説明を省略する。
【0064】
次に、電池残量検出装置201によって、撮像装置としてのカメラ付き携帯電話機の電池残量が検出される。電池残量検出装置201は、例えば電池の出力電圧の値を検出し、電池残量と出力電圧の関係から、電池残量を導き出す(S5020)。
【0065】
次に、制御回路101は、設定された電流値に応じたLED103の供給時間を記憶装置104から読み出す。または、制御回路101は、設定される供給時間に応じたLED103の電流値を記憶装置104から読み出す(S5030)。ここで、記憶装置104に予め記憶されている発光条件情報は、実施の形態1および実施の形態2で説明した発光条件情報と同様のものでも良いので、その詳細な説明を省略する。
【0066】
次に、制御回路101は、設定された電流値に応じて読み出した供給時間が実行可能であるか否かを、電池残量検出装置201によって検出された電池残量に基づいて判断する。そして、制御回路101は、供給時間が実行不可能であると判断した場合、携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などを介して、ユーザに対して警告を行うか、電池残量に応じて供給時間を変更し、その変更した供給時間に対応する発光時間とユーザによって入力された電流値または輝度とを表示する。または、制御回路101は、設定された供給時間に応じて読み出した電流値が実行可能であるか否かを、電池残量検出装置201によって検出された電池残量に基づいて判断する。そして、制御回路101は、電流値が実行不可能であると判断した場合、携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などを介して、ユーザに対して警告を行うか、電池残量に応じて電流値を変更し、その電流値または電流値に対応する輝度と、ユーザによって入力された発光時間とを表示する(S5040)。
【0067】
より具体的に、制御回路101は、設定された電流値に応じて、電池残量検出装置201により検出される電池残量に基づいたLED103の供給時間を算出する。または、制御回路101は、設定された供給時間に応じて、電池残量検出手段201により検出される電池残量に基づいたLED103の電流値を算出する。
【0068】
次に、制御回路101は、電池残量に基づいて算出した供給時間と記憶装置104から読み出した供給時間を比較し、短い供給時間が携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などによって発光時間として表示される。つまり、制御回路101は、電池残量に基づいて算出した供給時間が記憶装置104から読み出した供給時間より大きい場合に、供給時間を記憶装置104から読み出した供給時間に設定する。そして、制御回路101は、電池残量に基づいて算出した供給時間が記憶装置104から読み出した供給時間より小さい場合に、供給時間を電池残量に基づいて算出した供給時間に変更する。または、制御回路101は、電池残量に基づいて算出した供給時間が記憶装置104から読み出した発光時間より小さい場合に、記憶装置104から読み出した供給時間で実行不可能であることを携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などを介してユーザに警告する。
【0069】
または、制御回路101は、電池残量に基づいて算出した電流値と記憶装置104から読み出した電流値を比較し、小さい電流値が携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などによって輝度として表示される。つまり、制御回路101は、電池残量に基づいて算出した電流値が記憶装置104から読み出した電流値より大きい場合に、電流値を記憶装置104から読み出した電流値に設定する。そして、制御回路101は、電池残量に基づいて算出した電流値が記憶装置104から読み出した電流値より小さい場合に、電流値を電池残量に基づいて算出した電流値に変更する。または、制御回路101は、電池残量に基づいて算出した電流値が記憶装置104から読み出した電流値より小さい場合に、記憶装置104から読み出した電流値で実行不可能であることを携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などを介してユーザに警告する。
【0070】
そして、ユーザは、携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などを介して、表示される情報を確認することができる。
【0071】
そして、ユーザが自分の必要とする電流値または輝度と、それらに対応する供給時間としての発光時間を確認できたら、動画撮影が開始されるとともに、LED103の発光も開始される。制御回路101は、設定された電流値または供給時間、およびそれぞれに応じて記憶装置104から読み出した供給時間または電流値に基づいて、駆動回路102を介してLED103を制御する。そして、発光開始の情報および供給時間の残時間としての発光時間の残時間が携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)等によって表示される(S5050)。ユーザは、撮影中に常に携帯電話機に搭載されている液晶表示パネル(図示せず)などを介して発光時間の残時間を確認することができる。
【0072】
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1、2で説明した全ての作用効果を、本実施の形態においても実現することができる。
【0073】
そして、本実施の形態に係る半導体発光装置200の制御回路101は、電池残量に基づいて算出した供給時間と記憶装置104から読み出した供給時間を比較し、短い供給時間に制御する。あるいは、制御回路101は、電池残量に基づいて算出した電流値と記憶装置104から読み出した電流値を比較し、小さい電流値に制御する。よって、ユーザにより設定された電流値に応じた最適な供給時間、あるいは、ユーザにより設定された供給時間に応じた最適な電流値を電池残量の影響も考慮しながら常に実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の半導体発光装置およびその発光制御方法は、動画撮影の連続点灯時において、発熱による半導体発光素子の破壊を防止する効果を有し、携帯電話機等の携帯無線通信端末への搭載に適した半導体発光装置およびその発光制御方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体発光装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る半導体発光装置の動作を示すフロー図
【図3】本発明の実施の形態2に係る半導体発光装置の動作を示すフロー図
【図4】本発明の実施の形態3に係る半導体発光装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態3に係る半導体発光装置の動作を示すフロー図
【符号の説明】
【0076】
100、200 半導体発光装置
101 制御回路
102 駆動回路
103 LED
104 記憶装置
201 電池残量検出装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置によって撮像が行われるときに用いられる補助光源として、前記撮像装置に搭載される半導体発光装置であって、
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子に電流を供給して前記半導体発光素子を発光させる駆動手段と、
前記撮像装置によって動画が撮影されるとき、前記電流の電流値および前記電流の供給時間のうちいずれか一方が増大するほど他方が減少するように前記駆動手段による前記電流の供給を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
ユーザーの操作に従って前記電流値を設定する電流値設定手段と、
前記電流値設定手段によって設定された前記電流値に対応する前記供給時間を前記半導体発光素子の発光時間として前記ユーザーに通知する通知手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記電流値を設定する電流値設定手段と、
複数の電流値と前記複数の電流値にそれぞれ対応する複数の供給時間とを含む発光条件情報を記憶する記憶手段と、
前記電流値設定手段によって設定された前記電流値に対応する前記供給時間を、前記記憶手段によって記憶された前記発光条件情報から読み出す読み出し手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項4】
ユーザーの操作に従って前記電流値を設定する電流値設定手段と、
前記電流値設定手段によって設定された前記電流値に対応する前記供給時間を取得する取得手段と、
前記撮像装置の電池残量を検出する検出手段と、をさらに具備し、
前記制御手段は、
前記取得手段によって取得された前記供給時間が実行可能であるか否かを、前記検出手段によって検出された電池残量に基づいて判断し、
前記供給時間が実行不可能であると判断した場合、前記ユーザーに対して警告を行う、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記電流値を設定する電流値設定手段と、
前記電流値設定手段によって設定された前記電流値に対応する前記供給時間を取得する取得手段と、
前記撮像装置の電池残量を検出する検出手段と、をさらに具備し、
前記制御手段は、
前記取得手段によって取得された前記供給時間が実行可能であるか否かを、前記検出手段によって検出された電池残量に基づいて判断し、
前記供給時間が実行不可能であると判断した場合、前記検出手段によって検出された電池残量に応じて前記供給時間を変更する、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項6】
ユーザーの操作に従って前記供給時間を設定する供給時間設定手段と、
前記供給時間設定手段によって設定された前記供給時間に対応する前記電流値から導出される輝度を前記ユーザーに通知する通知手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記供給時間を設定する供給時間設定手段と、
複数の供給時間と前記複数の供給時間にそれぞれ対応する複数の電流値とを含む発光条件情報を記憶する記憶手段と、
前記供給時間設定手段によって設定された前記供給時間に対応する前記電流値を、前記記憶手段によって記憶された前記発光条件情報から読み出す読み出し手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項8】
ユーザーの操作に従って前記供給時間を設定する供給時間設定手段と、
前記供給時間設定手段によって設定された前記供給時間に対応する前記電流値を取得する取得手段と、
前記撮像装置の電池残量を検出する検出手段と、をさらに具備し、
前記制御手段は、
前記取得手段によって取得された前記電流値が実行可能であるか否かを、前記検出手段によって検出された電池残量に基づいて判断し、
前記電流値が実行不可能であると判断した場合、前記ユーザーに対して警告を行う、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記供給時間を設定する供給時間設定手段と、
前記供給時間設定手段によって設定された前記供給時間に対応する前記電流値を取得する取得手段と、
前記撮像装置の電池残量を検出する検出手段と、をさらに具備し、
前記制御手段は、
前記取得手段によって取得された前記電流値が実行可能であるか否かを、前記検出手段によって検出された電池残量に基づいて判断し、
前記電流値が実行不可能であると判断した場合、前記検出手段によって検出された電池残量に応じて前記電流値を変更する、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記撮像装置によって動画が撮影されるとき、前記供給時間が短縮されるほど前記電流値が増大されるように前記駆動手段による前記電流の供給を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記制御手段は、
前記撮像装置によって動画が撮影されるとき、前記電流値が減少されるほど前記供給時間が増大されるように前記駆動手段による前記電流の供給を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項12】
撮像装置によって撮像が行われるときに用いられる補助光源として前記撮像装置に搭載される半導体発光装置において実行される発光制御方法であって、
前記半導体発光装置内の半導体発光素子に電流を供給して前記半導体発光素子を発光させる駆動ステップと、
前記撮像装置によって動画が撮影されるとき、前記電流の電流値および前記電流の供給時間のいずれか一方が増大するほど他方が減少するように前記駆動ステップでの前記電流の供給を制御する制御ステップと、
を具備することを特徴とする発光制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−165411(P2007−165411A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356927(P2005−356927)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】