説明

半導体膜異方性測定装置

【課題】 本発明の目的は、有機薄膜の垂直方向と水平方向の2つの方向のキャリヤ移動度が測定可能な半導体膜異方性測定装置を提供することにある。
【解決手段】 測定対象物に設けられた電極に接触可能なプローブを有する測定対象物設置手段12と、測定対象物に光を照射する光照射手段14と、プローブを介して電極に電圧を印加する電圧印加手段16と、測定対象物を流れる電流信号を検出する信号検出手段18と、検出信号を処理するための信号処理手段20と、を備え、測定対象物設置手段12は独立して位置決め可能な3本のプローブを含み、電圧印加手段16は各プローブへ印加する電圧の種類を変更可能に構成され、TOF法測定モードと、FET法測定モードとの2種類の測定モードでの測定が可能であることを特徴とする半導体膜異方性測定装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体薄膜の分子構造に基づく異方性をキャリヤ移動度から測定する半導体膜異方性測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機薄膜は次世代の半導体材料などへの応用が注目されている。半導体の性能は基本物性であるキャリヤ移動度に大きく依存しており、いくつかのキャリヤ移動度の測定方法が知られているが、TOF法、FET法と略称される次の2つの方法が良く用いられている。
TOF法とは、ドリフト電圧を印加した測定対象物にパルス光を照射してキャリヤを発生させ、ドリフト電圧によるキャリヤ流を測定することで移動度を求めるものである(例えば、特許文献1を参照)。つまり、図1に示すように測定対象物の一方を透明電極、他方を金属電極で挟み、この両電極間にドリフト電圧をパルス状に印加し、同時に透明電極側からパルス光を照射して、測定対象物表面近傍にキャリヤ塊を発生させる。そして、試料に流れる電流信号を検出することで、パルス光により生成したキャリヤ塊が発生側から対極までドリフト電圧によりドリフトする時間、すなわちキャリヤ移動時間を測定し、キャリヤ移動時間と測定対象物の厚さからキャリヤ移動度を求める。
一方、FET法は、測定対象物を半導体材料として用いたFETトランジスター素子を作製し、トランジスター特性を測定することにより、キャリヤ移動度を求めるものである。図2に示すように、測定対象物を用いてチャンネルを構成するFETトランジスター素子を作製し、一定のゲート電圧下、ソース・ドレイン間電圧を変化させながらドレイン電流を測定し、ゲート電圧を変えて測定を繰返し行い、測定されたゲート電圧とドレイン電流の関係を求める。この関係から測定対象物のキャリヤ移動度を求めることができる。
【特許文献1】特開平6−186280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
有機分子の結晶はその結晶軸方向で移動度が大きく異なることが知られており、軸方向により半導体の性能は大きく変化する。有機薄膜は完全なるアモルファスではなく有る程度結晶性をもった薄膜となることが多く、この場合、この結晶の並び方、すなわち分子の配列によって薄膜の平行方向と垂直方向でその電子素子としての性能が異なってくる。しかしながらこれまで、有機薄膜の移動度を測定する場合、2つの異なる方向での移動度を測定することはなかった。それは一つの有機薄膜のサンプルについて、その軸方向の違いによるキャリヤ移動度の測定を行う装置が開発されていなかったからである。したがって基板上の有機薄膜の異方性に基づくキャリヤ移動度の違い、電子素子としての異なる方向における性能を測定する方法の開発が求められていた。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、有機薄膜の薄膜に対して垂直方向のキャリヤ移動度と水平方向のキャリヤ移動度を測定可能な、半導体膜異方性測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これまで、有機薄膜のキャリヤ移動度を2つの異なる方向で測定することはなかった。それは一つの有機薄膜のサンプルについて、キャリヤ移動度の測定を行う装置が開発されていなかったからである。本発明では、TOF法は薄膜の垂直方向の移動度を求めるのに対し、FET法は薄膜の水平方向の移動度が測定可能である点に注目し、これら2つの方法を組み合わせて、異方性をもつ有機薄膜の垂直方向の移動度と水平方向の移動度が測定可能な装置の開発に至った。
上記目的を達成するために本発明の半導体膜異方性測定装置は、測定対象物に設けられた電極に接触可能なプローブを有する測定対象物設置手段と、測定対象物にパルス光を照射する光照射手段と、前記プローブを介して前記電極に電圧を印加する電圧印加手段と、前記プローブを介して、測定対象物を流れる電流信号を検出する信号検出手段と、該信号検出手段にて検出した信号を処理するための信号処理手段と、を備え、前記測定対象物設置手段は独立して位置決め可能な3本のプローブを含み、前記電圧印加手段は前記各プローブへ印加する電圧の種類を変更可能に構成され、TOF法測定モードと、FET法測定モードとの2種類の測定モードでの測定が可能であることを特徴とする。
【0005】
ここで、TOF法測定モードでは、前記測定対象物設置手段の3本のプローブうち2本のプローブを測定試料に設けられた2つの対向した電極にそれぞれ接触するよう位置決めし、該接触したプローブ間に前記電圧印加手段によりパルス電圧を印加し、それに同期して前記光照射手段から測定対象物にパルス光を照射し、発生したキャリヤによる電流信号を信号検出手段により検出する。一方、FET法測定モードでは、前記3本のプローブがそれぞれ測定対象物のソース電極、ドレイン電極、ゲート電極に接触するよう位置決めし、前記電圧印加手段により、ゲート電極に接触するプローブに一定の電圧を加え、ソース電極及びドレイン電極に接触するプローブ間の電圧を変化させながらソースとドレイン間に流れる電流を信号検出手段にて測定し、ゲート電極に加える電圧を変えて測定を繰返し行う。
上記の半導体膜異方性測定装置において、前記光照射手段、電圧印加手段の動作を制御する制御手段を備え、該制御手段により、前記TOF法測定モード時と、FET法測定モード時とで光照射手段、電圧印加手段の動作を変更できることが好適である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の半導体膜異方性測定装置によれば、測定対象物を設置する設置手段が、測定対象物に設けられた電極に接触可能な3本のプローブを含み、電圧印加手段は前記各プローブへ印加する電圧の種類を変更可能に構成されているため、同一の測定対象物に対してTOF法とFET法の2つの異なる測定法で測定を行うことが可能となった。そのため、2つの測定法による測定結果を比較することで測定対象物の構造についてより深い知見が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明を行う。
図3は、本発明の実施形態にかかる半導体膜異方性測定装置の概略構成図である。本実施形態の半導体膜異方性測定装置10は、測定対象物を設置する測定対象物設置手段12と、測定対象物にパルス光を照射する光照射手段14と、測定対象物に電圧を印加する電圧印加手段16と、測定対象物を流れる電流信号を検出する信号検出手段18と、検出信号を処理する信号処理手段20と、を備える。
測定対象物設置手段12は3本のプローブを有しており(図4、5参照)、該プローブを介して、電圧印加手段16による測定対象物への電圧の印加、信号検出手段18による測定対象物を流れる電流の検出、を行う。TOF法測定時には3本のプローブのうち2本を用いて、測定対象物に設置された対向する電極間にパルス電圧を印加する。一方FET法測定時には3本のプローブをそれぞれ、測定対象物のソース電極、ドレイン電極、ベース電極に接触させ、測定対象物のトランジスタ特性を測定する。さらに、電圧印加手段16は上記2種類の測定法に対応できるように、印加する電圧の種類を変更可能に構成されている。
【0008】
図4、5は本実施形態における測定対象物設置手段12を上からみた図、および側面から見た図である。図4に示すように3本のプローブ22a〜22cは、可動なアーム部A〜Cにそれぞれ保持され、それぞれのアーム部は、図の点線で示したように移動可能に構成されている。そのため測定対象物の所定の電極部位にプローブ22a〜22cの先端部位を接触させることができる。本実施形態では3本のプローブ22a、22bは電圧印加手段16、プローブ22cは信号検出手段18に接続されており、プローブ22a〜22cを介して、測定対象物の電極への電圧の印加や、電流の計測が行われる。また、図5に示すように本実施形態では測定対象物の設置場所の下部には孔が設けられ、TOF法測定時にはここからパルス光を測定対象物に照射する。
【0009】
電圧印加手段16は前記各プローブへ印加する電圧の種類を変更可能に構成されている。例えば、TOF法測定時モード時にはプローブ22a、22c間にパルス電圧を印加し、FET法測定モード時にはプローブ22bにゲート電圧を、プローブ22a,22c間にソース・ドレイン電圧を印加する。具体的には、例えば2チャンネルの電源装置を用意してそれぞれを独立に制御するような構成とすればよい。ただし、少なくとも一方のチャンネルはFET測定モードのために使用するため、電圧を掃引できる必要がある。
TOF法測定モード時には3本のプローブ22a〜22cのうち2本のプローブ22a,22cを測定試料に設けられた2つの対向した電極にそれぞれ接触するよう位置決めし、残りのプローブ22bは測定試料から離しておく。そして、プローブ22a、22cを通して電極間に電圧印加手段16からのパルス電圧を印加し、それに同期して光照射手段14からのパルス光を測定試料に照射する。発生したキャリヤによる電流信号は、プローブ22cを通して信号検出手段18により検出される。
【0010】
一方、FET法測定モード時には、3本のプローブ22a,22b,22cがそれぞれ測定対象物のソース電極、ゲート電極、ドレイン電極に接触するよう位置決めする。そして、電圧印加手段16により、ゲート電極に接触するプローブ22bに一定の電圧を加え、ソース電極、ドレイン電極に接触するプローブ22a、22cに印加する電圧を変化させながら、ソースとドレイン間に流れる電流をプローブ22cを通して信号検出手段18にて測定する。さらにゲート電極に加える電圧を変えて測定を繰返し行うことによって、測定対象物のトランジスタ特性を測定する。ここで、測定対象物で作成されたFETトランジスタ素子のゲート電極、ソース電極、ドレイン電極のうちの一つ(好ましくはゲート電極)を透明電極とすることが好適である。
【0011】
信号検出手段18にて検出した検出信号は、信号処理手段20へと送られ、そこでデータ処理がなされる。また、制御手段24は電圧印加手段16、光照射手段14の動作の制御を行い、前記TOF法測定モード時と、FET法測定モード時とで光照射手段14、電圧印加手段16の動作を変更する。制御手段24、信号処理手段20はコンピュータ等により構成され、構成要素の動作の制御、測定時の各構成要素間のタイミングのコントロール、および信号の記録・処理等を行う。制御手段24への設定、データの表示等は、コンピュータに接続された入力部38、表示部36を介して行われる。このように、本実施形態の半導体特性装置では一つの装置で、TOF法、FET法の2種類の測定モードでの測定が可能となる。
以上のように、本実施形態の半導体膜異方性測定装置によれば、測定対象物を設置する設置手段が、測定対象物に設けられた電極に接触可能な3本のプローブを含み、電圧印加手段は前記各プローブへ印加する電圧の種類を変更可能に構成されているため、同一の有機薄膜に対して垂直方向と水平方向の2つの異なる方向の移動度を測定することが可能となった。この2つの異なる方向の移動度の測定結果を比較することにより、薄膜の異方性に関して知見が得られる。
【0012】
以上が本実施形態にかかる半導体膜異方性測定装置の概略構成であり、以下に図3を参照して各構成要素の詳細な説明を行う。
本実施形態の装置において、TOF法測定時におけるノイズの低減機構を設けることが好適である。従来、TOF法による測定では、測定対象物厚が薄い場合、あるいは測定対象物が高移動度の場合には、キャリヤ移動度情報を含む信号の継続時間が非常に短く、この領域に存在する雑音に信号が隠されてしまい解析が不可能となることがあった。このため本発明者らは別の出願において、TOF法でも高移動度の有機薄膜のキャリヤ移動度を測定可能な方法を提案しており、そのノイズ低減機構について説明する。
【0013】
TOF法測定時におけるノイズの低減機構として、本実施形態にかかる装置は光照射手段14と前記他の手段とを電気的に絶縁することで該光照射手段14で発生するノイズの混入を低減する雑音低減手段と、TOF法測定の検出信号に混入する前記光照射手段14からのノイズを除去する雑音除去手段と、を備えている。
つまり、雑音除去手段として、信号処理手段20はデジタルフィルタ(雑音除去手段)を備えており、該デジタルフィルタによって検出信号に含まれる光照射手段14に起因するノイズを除去する。このノイズは18〜22MHzの周波数成分及びその高周波成分を持つため、デジタルフィルタ、より好適にはFFTフィルタ、によって好適に除去することができる。
また、雑音低減手段として、光照射手段14と他の構成要素を電気的に分離絶縁している。本実施形態の雑音低減手段は、光照射手段14と電圧印加手段16との間、及び光照射手段14と信号検出手段18との間の制御信号線を電気的接続ではなく光接続にすることで構成されている。
【0014】
具体的には、図3に示すように、電圧印加手段16と光照射手段14とを同期させるための信号線26は、フォトカプラ28を介して接続されており、光照射手段14と信号検出手段18との同期は光信号を利用して行っている。
また、信号検出手段18と光照射手段14との間のタイミング制御は、図3の実施形態において示されるように、測定対象物設置手段12の前段に、ビームスプリッタ30を設置し、光照射手段14からの光を2つの光束に分割し、一方を測定対象物へ照射する光束、他方を同期信号のための光束として利用することで行っている。つまり、PINダイオード等で構成される光検出手段32が、同期信号のための光束を検出した時点で信号検出手段18にトリガ信号を送り、光照射手段14と信号検出手段18との同期をとっている。このように、光照射手段14と信号検出手段18との間、光照射手段14と電圧印加手段16との間を結ぶ経路の少なくとも一部分が光接続となっていればよい。
【0015】
TOF法測定時には、まずコンピュータから電圧印加手段16にトリガ信号がかけられ、電圧印加手段16は測定対象物にバイアス電圧を印加する。そして、フォトカプラ28を介して接続された信号線26を通して光照射手段14にトリガ信号を送る。トリガ信号を検出した光照射手段14は、パルスレーザー光を測定対象物及び光検出手段32へ照射する。レーザー光を受光した光検出手段32は信号検出手段18にトリガ信号を送る。トリガ信号を受けた信号検出手段18は、測定対象物からの電流信号を電圧信号に変換して検出し、検出信号をコンピュータ内の信号処理手段20へと送る。信号処理手段20へと送られた検出信号は、信号処理手段20においてノイズ除去処理等が行われる。
以上の構成の結果、本実施形態の半導体膜異方性測定装置では、TOF法での移動度の測定範囲を大幅に広げることができる。特に、従来のTOF法では測定困難な移動時間の短い場合、つまり高キャリヤ移動度領域や測定対象膜厚が薄い場合にも測定可能となる。具体的にはキャリヤ移動度情報を含む信号の継続時間が800nsec以下の試料に対しても好適にTOF法測定を行うことができる。また、SN比が向上するため、雑音に隠れてしまうようなキャリヤ発生量の少ない測定対象物においても測定が可能となる。
【0016】
光照射手段14は、電圧印加手段16と同期して、測定対象物内にキャリヤ魁を発生させる必要があり、例えば、パルスレーザーが用いられる。パルスレーザー光は、測定対象物の表面層で吸収され、測定対象物の光電変換機能によりキャリヤ魁に変換される。該キャリア魁の幅はパルスレーザーの幅に依存するため、パルスレーザーの幅は短い程よく、好ましくは1nsec以下、より好ましくは0.3nsec以下である。該キャリヤ魁の強度は、パルスレーザーの強度と、測定対象物またはキャリヤ発生層の光吸収率や光電変換機能に依存するため、パルスレーザー光の強度は10−9〜10−12ジュール/パルスが好ましく、強すぎると測定対象物が損傷を受け、また発生したキャリヤ魁が測定対象物内の電界を修飾し、正確な移動度が求まらない。一方、弱すぎると十分な該キャリヤ魁が発生しない。パルスレーザーの波長は測定対象物の最大光吸収波長に合わせられるように可変であることが好ましい。パルスレーザーの好ましい例としては、窒素レーザー及びそれに色素溶液を備えた色素レーザーが挙げられる。
【0017】
電圧印加手段16は、測定対象物にバイアス電圧を印加するために用意され、TOF法測定時において暗電流による測定対象物の分極を避けるために、ドリフト移動時間より少し長い継続時間のパルス状電圧を発生できる必要がある。本実施形態で用いる電圧印加手段16は、バイポーラ電源で、好ましくは−500〜+500V、より好ましくは−1000〜+1000Vの電圧が印加でき、パルス幅は1sec程度を中心に可変可能なものが好ましい。
また、電圧印加手段16としての電源装置は、電圧の印加と同時に、信号検出手段として電流の測定が可能であるものを用いてもよい。これにより、該電源装置をTOF法測定時のドリフト電圧印加手段としても、FET法測定時のソースドレイン間電圧掃引手段(電圧印加手段)及び電流測定手段(信号検出手段)としても、使用可能となる。
信号検出手段18は、測定対象物より発生した信号を検出するためにデジタルオッシロスコープ等により構成される。TOF法では電流を電圧に変換して測定する必要があり、キャリヤ移動による電流を負荷抵抗にて電圧に変換して検出される。尚、FET法でソース・ドレイン電流を測定する場合には、抵抗が装入されていると電流測定時にオフセットとして測定誤差を生じるため、短絡する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】TOF法によるキャリヤ移動度測定の説明図
【図2】FET法によるキャリヤ移動度測定の説明図
【図3】本発明の実施形態にかかる半導体膜異方性測定装置の概略構成図
【図4】本発明の実施形態にかかる測定対象物設置手段を上から見た図
【図5】本発明の実施形態にかかる測定対象物設置手段を側面から見た図
【符号の説明】
【0019】
10 半導体膜異方性測定装置
12 測定対象物設置手段
14 光照射手段
16 電圧印加手段
18 信号検出手段
20 信号処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物に設けられた電極に接触可能なプローブを有する測定対象物設置手段と、
測定対象物にパルス光を照射する光照射手段と、
前記プローブを介して前記電極に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記プローブを介して、測定対象物を流れる電流信号を検出する信号検出手段と、
該信号検出手段にて検出した信号を処理するための信号処理手段と、を備え、
前記測定対象物設置手段は独立して位置決め可能な、少なくとも3本のプローブを含み、
前記電圧印加手段は前記各プローブへ印加する電圧の種類を変更可能に構成され、
前記測定対象物設置手段の3本のプローブうち2本のプローブを測定試料に設けられた2つの対向した電極にそれぞれ接触するよう位置決めし、該接触したプローブ間に前記電圧印加手段によりパルス電圧を印加し、それに同期して前記光照射手段から測定対象物にパルス光を照射し、発生したキャリアによる電流信号を信号検出手段により検出するTOF法測定モードと、
前記3本のプローブがそれぞれ測定対象物のソース電極、ドレイン電極、ゲート電極に接触するよう位置決めし、前記電圧印加手段により、ゲート電極に接触するプローブに一定の電圧を加え、ソース電極及びドレイン電極に接触するプローブ間の電圧を変化させながらソースとドレイン間に流れる電流を信号検出手段にて測定し、ゲート電極に加える電圧を変えて測定を繰返し行うFET法測定モードと、の2種類の測定モードでの測定が可能であることを特徴とする半導体膜異方性測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体膜異方性測定装置において、
前記光照射手段、電圧印加手段の動作を制御する制御手段を備え、該制御手段により、前記TOF法測定モード時と、FET法測定モード時とで光照射手段、電圧印加手段の動作を変更できることを特徴とする半導体膜異方性測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−133100(P2006−133100A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323200(P2004−323200)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(504173471)国立大学法人 北海道大学 (971)
【出願人】(501194123)分光計器株式会社 (6)
【Fターム(参考)】