説明

半導体装置、半導体装置の制御方法および半導体装置の制御プログラム

【課題】本発明は、加工処理されていない生体情報が半導体装置の外部に漏洩することを適切に防止し、情報処理用のデータとして生体情報を安全に管理することを目的とする。
【解決手段】生体情報を取得する生体情報取得手段(5)と、生体情報をデジタル情報へ変換するコンバータ手段(6)と、デジタル情報を生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換するフォーマット変換手段(6)と、デジタル情報に基づいて、処理記憶手段(9)に記憶されたアプリケーションプログラムを選択する選択手段(8)と、選択手段(8)によって選択されたアプリケーションプログラムの処理を実行する制御手段(8)と、を具備する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、生体情報を取得するバイオセンサ、書込み並びに書換え可能な不揮発性メモリおよびCPU(Central Processing Unit)などの制御素子を有するIC(Integrate Circuit)チップを内蔵し、各種処理を実行する携帯情報処理機器(ICカード、携帯端末などを含む)としての半導体装置、半導体装置の制御方法および半導体装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオセンサとは生体関連物質を用いて化学物質を計測するセンサのことであり、酵素や微生物を用いたセンサがもっとも一般的である。バイオセンサは計測した情報を電圧に変換し、さらに電極や水晶振動子などを用いて電気信号に変換することで、もとの化学物質の濃度を見積もることが可能である。このバイオセンサは、DNA(Deoxyribo Nucleic Acid)チップを代表とするバイオチップや、脳波を測定するSQUID(Superconducting Quantum Interference Devices)バイオセンサ、味覚や嗅覚を代わりとするセンサなどに分類され、利用用途が多岐に渡る。なお、バイオチップはバイオセンサの一種と捉えることができる。
【0003】
これらのバイオセンサの出力情報である生体情報を解析するために、コンピュータ等の電子情報処理機器が用いられ、様々なデータ処理が施されている。
【0004】
また、バイオセンサから得られる生体情報を使用して、認証用データとして利用している手法がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−122731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの機能を実現するためには、ICチップがバイオセンサにより測定された生体情報を読み取る必要がある。しかしながら、ICチップの入出力I/F(Interface)は特定のものに限られていたため(USB、ISO7816等の入出力I/F)、これらの生体情報を外部の電子情報処理機器が読み取るためには規定された(規格で定められた)入出力I/Fに対応する情報へ変換する必要がある。そのため、一度外部に生体情報が出力されるので、生体情報を安全に管理することが難しいという問題があった。
【0007】
そこで、本願では、ICカード(または類似する(携帯情報処理機器等の)セキュリティデバイス)にこれらの機能を実装し、生体情報を利用した強固なセキュリティを誇る識別認証や、所有者や周囲の状況を察知し自動で動作する機能、および測定した情報をICカード上で保護する機能などを実現することが可能な半導体装置、半導体装置の制御方法および半導体装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0009】
すなわち、請求項1に係る発明は、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを備えるデータ情報を処理する半導体装置(1)において、生体情報を取得する生体情報取得手段(5)と、前記生体情報取得手段(5)によって取得された前記生体情報をデジタル情報へ変換するコンバータ手段(6)と、前記コンバータ手段(6)によって変換されたデジタル情報を前記生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換するフォーマット変換手段(6)と、前記フォーマット変換手段(6)によって変換されたデジタル情報に基づいて、処理記憶手段(9)に記憶されたアプリケーションプログラムを選択する選択手段(8)と、前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、前記選択手段(8)によって選択された前記アプリケーションプログラムの処理を実行する制御手段(8)と、を具備することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の半導体装置(1)において、前記制御手段(8)は、前記フォーマット変換手段(6)から送信されるフォーマット変換終了情報を受信すると前記フォーマット変換手段(6)から前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を前記処理記憶手段(9)に転送することを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の半導体装置(1)において、前記フォーマット変換手段(6)は、前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を生体情報記憶手段(7)に記憶し、前記制御手段(8)は、前記フォーマット変換手段(6)から送信されるフォーマット変換終了情報を受信すると前記生体情報記憶手段(7)から前記処理記憶手段(9)に前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を転送することを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の半導体装置(1)において、前記選択手段(8)は前記生体情報に係わる特定の物資の濃度に基づいて、前記アプリケーションプログラムまたは前記生体情報に基づいて選択された前記アプリケーションプログラムの処理内容の少なくとも何れか一方を選択することを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の半導体装置(1)において、前記フォーマット生成手段(6)は、前記コンバータ手段(6)によって変換されたデジタル情報を前記フォーマットに変換する場合に、エラーチェック情報を含めることを特徴とする。
【0014】
さらに、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の半導体装置(1)において、前記生体情報取得手段(5)は前記半導体装置(1)から着脱可能に取り付けられ、前記生体情報をアナログ情報として出力する任意の種類のセンサが前記生体情報取得手段(1)に使用されることを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の半導体装置(1)において、前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、前記選択手段(8)によって選択された前記アプリケーションプログラムの処理が実行された結果としての、前記生体情報のデジタル情報とは異なる処理結果が、外部に出力される入出力インターフェース手段(4)がさらに含まれることを特徴とする。
【0016】
さらに、請求項8に係る発明は、アプリケーションプログラムが起動され、データ情報を処理する半導体装置(1)において、生体情報を取得する生体情報取得手段(5)と、前記生体情報取得手段(5)によって取得された前記生体情報をデジタル情報へ変換するコンバータ手段(6)と、前記コンバータ手段(6)によって変換されたデジタル情報を前記生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換するフォーマット変換手段(6)と、前記フォーマット変換手段(6)によって変換されたデジタル情報に基づいて、処理記憶手段(9)に記憶されたアプリケーションプログラムの動作を選択する選択手段(8)と、前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、前記選択手段(8)によって選択された前記アプリケーションプログラムの処理を実行する制御手段(8)と、を具備することを特徴とする。
【0017】
さらに、請求項9に係る発明は、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを備えるデータ情報を処理する半導体装置(1)の制御方法において、生体情報を取得する生体情報取得工程(5)と、前記生体情報取得工程(5)において取得された前記生体情報をデジタル情報へ変換するコンバータ工程(6)と、前記コンバータ手段工程(6)において変換されたデジタル情報を前記生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換するフォーマット変換工程(6)と、前記フォーマット変換工程(6)において変換されたデジタル情報に基づいて、処理記憶工程(9)において記憶されたアプリケーションプログラムを選択する選択工程(8)と、前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、前記選択工程(8)において選択された前記アプリケーションプログラムの処理を実行する制御工程(8)と、を具備することを特徴とする。
【0018】
さらに、請求項10に係る発明は、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを備えるデータ情報を処理する半導体装置(1)に含まれるコンピュータを、生体情報を取得する生体情報取得手段(5)、前記生体情報取得手段(5)によって取得された前記生体情報をデジタル情報へ変換するコンバータ手段(6)、前記コンバータ手段(6)によって変換されたデジタル情報を前記生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換するフォーマット変換手段(6)、前記フォーマット変換手段(6)によって変換されたデジタル情報に基づいて、処理記憶手段(9)に記憶されたアプリケーションプログラムを選択する選択手段(8)、前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、前記選択手段(8)によって選択された前記アプリケーションプログラムの処理を実行する制御手段(8)、として機能させることを特徴とする。
【0019】
さらに、請求項11に係る発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の前記半導体装置(1)はIC(Integrate Circuit)チップを搭載したICカードであることを特徴とする。
【0020】
さらに、請求項12に係る発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の前記半導体装置(1)は携帯端末であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、加工処理されていない生体情報が半導体装置の外部に漏洩することを適切に防止することができるので、情報処理用のデータとして生体情報を安全に管理することが可能となる。
【0022】
また、生体情報に基づいてアプリケーションプログラムが特定されるので、必要とされるアプリケーションプログラムが適切に選択されることが可能となる。
【0023】
例えば、半導体装置を汎用(他の用途と共用させた場合)した場合には、アプリケーションプログラムが相当数含まれる場合もあるが、必要とされるアプリケーションプログラムを適切に選択することが可能になる。
【0024】
また、生体情報は特定の個人情報としての機能を有するので、特定の個人に対応するアプリケーションプログラムを適切に起動することができ、秘匿性を高めた半導体装置を提供することが可能となる。また、生体情報は個人認証用の情報としてばかりではなく、生体の状態を特定するための情報(汗の量、血糖値等の情報)も有するので、その生体の特定された状態に対応するアプリケーションプログラムを適切に起動することが可能になる。
【0025】
また、本発明によれば、コンバータ部は、前記生体情報取得部からの割り込み情報に基づいて、または、前記制御部からの読み出し情報に基づいて生体情報をデジタル情報へ変換するので、必要なタイミングの有効なデジタル情報だけを適切に変換することが可能になる。
【0026】
さらに、必要なタイミングの有効なデジタル情報だけが記憶部に記憶されるので、限られた記憶領域を有効に活用することが可能になる。
【0027】
さらに、本発明によれば、アプリケーションプログラムは、生体情報に係わる特定の物資の濃度と予め設定されている閾値に基づいて動作処理を実行できるので、生体の状態に合わせた適切なプログラムをユーザに提供することが可能になる。
【0028】
また、生体情報に対してレーザー攻撃をされた場合であっても、生体情報にエラーチェック情報が付加されており、チェック情報が正当でない場合には生体情報を使用しないので、レーザー攻撃による誤認識を回避することが可能になる。
【0029】
また、本発明によれば、生体情報が破壊/改ざんされていないことを確認後に、アプリケーションプログラムがその生体情報を利用するので、完全性が要求される用途においても、生体情報を確実、正確に利用することが可能になる。
【0030】
さらに、本発明によれば、生体情報取得部は再使用を繰り返すと精度が落ち、または、場合によっては測定自体ができなくなることもあるが、生体情報取得部を使い捨てタイプにすることによって、生体情報を常に正確に測定することが可能になる。
【0031】
また、生体情報取得部を着脱可能とすることによって、複数の種類の生体情報を取得することが可能になり、一台の半導体装置で種々のアプリケーションに対応することが可能になる。
【0032】
以上記述してきたように、本発明によれば、携帯情報処理装置(一例としてICカードを含む)上にバイオセンサを搭載することにより、以下のような機能が実現可能となる。
【0033】
利用者の血液などから利用者の生体情報(DNAなど)を抽出し、個人識別/認証に利用することでより高いセキュリティ性を確保することが可能になる。
【0034】
また、血液検査などの測定をセンサ上で実施し、結果を携帯情報処理装置で読み取り、携帯情報処理装置上にセンサの測定値が確保されることで、不正な情報取得を防止することが可能になる。
【0035】
さらに、利用者および周囲の環境の生体物質を読み取り、それぞれの状況に合わせた動作を実行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の全体を示すブロック図である。
【図2】(a)、(b)は本発明の実施形態に係るバイオセンサ部の機能概要を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る動作を示す処理フローを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係わる実施形態の概念を示す図である。
【図6】従来技術に係わる実施形態の概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0038】
但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0039】
(実施形態)
本実施の形態では、本発明における、規定されている入出力I/F(USB、ISO7816等)に生体情報を変換せずに、バイオセンサの情報をICチップが直接読み取り、解析する機能を実現するための装置構成及び、フローチャートについて説明する。
【0040】
ここで、当該機能を発揮するための構成について、図1に示す機能ブロック図を用いて説明する。
【0041】
図1は、本発明における、生体情報を一般に規定されている入出力I/F(USB、ISO7816等)に変換せずに、バイオセンサからICチップが直接読み取り、解析する機能を搭載する生体情報を処理するICチップを含む半導体装置を示す図である。なお、以下の実施形態においては、一例として半導体装置としてICカードについて説明するが、半導体装置はICカードに限られず、任意の携帯型の情報処理装置(携帯端末を含む)を半導体装置とすることが可能である。
【0042】
図1において、半導体装置としてのICカード1には、センサユニット2(生体情報取得手段、コンバータ手段およびフォーマット変換手段が含まれる)、演算ユニット3(選択手段および制御手段が含まれる)および入出力インターフェース手段としての入出力インターフェース4とが含まれる。
【0043】
センサユニット2は人間の生体情報を検知、取得し、演算ユニット3はセンサユニット2で検知された生体情報に基づいてアプリケーションプログラムを選択または実行中のアプリケーションプログラム中の処理を選択し、必要がある場合には、外部の電子機器へ入出力インターフェース4を介して処理結果情報を出力する。
【0044】
センサユニット2には、生体情報取得手段としてのバイオセンサ部5、コンバータ手段およびフォーマット変換手段としてのコンバータ部6および生体情報記憶手段としてのセンサメモリ部7が含まれる。
【0045】
バイオセンサ部5は、生体情報を取得する機能を有する。
【0046】
具体的には、ユーザである利用者の血液などから利用者の生体情報(DNA、汗、血液など)を抽出し、抽出された生体情報をアナログデータとしてコンバータ部6に出力する。
【0047】
バイオセンサ部5は半導体装置としてのICカード1から着脱可能に取り付けられ、生体情報をアナログ情報として出力する任意の種類のセンサがバイオセンサ部5として適用される(取り替えることが可能となる)。なお、取り替えることが可能となるユニットの単位は、バイオセンサ部5に限られるわけではなく、センサユニット2ごと取り替えるように構成されることも可能である。
【0048】
また、バイオセンサ部5は一種類の生体情報を検知するのではなく、複数種類の生体情報が検知可能なセンサで構成することも可能である。
【0049】
コンバータ部6は、バイオセンサ部5によって取得された生体情報をデジタル情報へ変換する機能を有する。したがって、バイオセンサ部5はマイクロコンピュータ等の演算処理装置としての機能を有していてもよい。
【0050】
バイオセンサ部5からの出力はアナログ情報であるが、アナログ情報のままでは、情報の処理および記憶が複雑になるために、バイナリデータであるデジタル情報へ変換する。
【0051】
また、コンバータ部6は、コンバータ部6によって(おいて)変換されたデジタル情報を生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換する機能を有する。
【0052】
デジタル情報のデータフォーマットは任意の構成とすることが可能であるが、予め定められたフォーマットの一例として、データは、データ種別を示す領域(バイオセンサから取得するデータの種別を示し、一例としてDNA情報を0X0001で示し、汗情報を0X0010で示す)、データ長を示す領域(バイオセンサから取得するデータ長)、データを示す領域(バイオセンサから取得するデータの実体)およびデータのエラーを検出するための領域(一例としてCRC(Cyclic Redundancy Check)(チェックコード))から構成される。なお、データのエラーを検出するための領域には任意のチェックコードを含ませることが可能であり、必要がある場合にはデータを訂正するためのコードを含ませるように構成することも可能である。
【0053】
センサメモリ部7は、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を記憶する機能を有し、センサメモリ部7から後述する処理記憶手段としてのカードメモリ部9に予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を転送する機能も有する。
【0054】
センサメモリ部7は、RAM(Random Access Memory;ランダムアクセスメモリともいう)としてのスタティック型メモリ(SRAM)やダイナミック型メモリ(DRAM)等、または、不揮発性メモリとしてのNAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリ等のフラッシュメモリであってもよい。
【0055】
なお、センサメモリ部7は必須の構成ではなく、センサメモリ部7が存在しない場合には、後述する制御手段としてのCPU8は、フォーマット変換手段としてのコンバータ部6から送信されるフォーマット変換終了情報を受信するとコンバータ部6から予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を処理記憶手段としてのカードメモリ部9に転送し、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報はカードメモリ部9に記憶される。
【0056】
ここで、フォーマット変換終了情報は、バイオセンサ部5にから出力された生体情報からデジタル情報への変換がコンバータ部6において終了したことを示す情報であって、コンバータ部6から後述する制御手段としてのCPU8へ送信される信号または命令等の情報である。
【0057】
演算ユニット3には、制御手段および選択手段としてのCPU8および処理記憶手段としてのカードメモリ部9が含まれる。
【0058】
CPU8は、コンバータ部6によって変換されたデジタル情報に基づいて、カードメモリ部9に記憶されたアプリケーションプログラムを選択する機能を有する。また、CPU8は、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、CPU8によって選択されたアプリケーションプログラムの処理を実行する機能を有する。
【0059】
少なくとも2つ以上の生体情報を利用するアプリケーションプログラムがカードメモリ部9にあらかじめ記憶されている。CPU8は、これらのカードメモリ部9に記憶されているアプリケーションプログラムの何れかを、センサユニット2において抽出された生体情報の種類および濃度等の情報によって選択する。一例として、生体情報としてのDNA情報を利用するアプリケーションプログラム、生体情報としての汗情報を利用するアプリケーションプログラム等のアプリケーションプログラムがある。
【0060】
具体的には、上述した予め定められたフォーマットの一例としてのデータ種別を示す領域が、一例としてのDNA情報を示す0X0001である場合にはCPU8はDNA情報を利用するアプリケーションプログラムを実行し、汗情報を示す0X0010である場合にはCPU8は汗情報を利用するアプリケーションプログラムを実行する。
【0061】
CPU8は、コンバータ部6から送信されるフォーマット変換終了情報を受信するとコンバータ部6から予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報をカードメモリ部9に転送する機能を有する。
【0062】
また、CPU8は、コンバータ部6から送信されるフォーマット変換終了情報を受信するとセンサメモリ部7からカードメモリ部9に予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を転送する機能を有する。
【0063】
ここで、フォーマット変換終了情報はコンバータ部6からCPU8に出力される割り込み信号としての情報であってもよく、また、フォーマット変換終了情報はコンバータ部6からCPU8に出力される割り込み命令としての情報であってもよい。また、CPU8はフォーマット変換終了情報を受信するたびに予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を受信する必要はなく、任意の回数のフォーマット変換終了情報受信後に、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を受信してもよい。
【0064】
CPU8は生体情報に係わる特定の物資の濃度に基づいて、アプリケーションプログラムまたは生体情報に基づいて選択されたアプリケーションプログラムの処理内容の少なくとも何れか一方を選択する機能を有する。
【0065】
利用用途の一例として、汗情報を用いた場合を説明する。演算ユニット3内にはあらかじめ、生体情報を利用するアプリケーションプログラムが搭載されているものとする。アプリケーションプログラムでは汗情報を利用するためのロジックおよびロジックが動作するための閾値が用意されている。閾値は汗が含む塩分や汗の量に応じて、アプリケーションプログラムの動作を分岐させるための固定値であり、必要があればコマンドを通じて変更することが可能であるものとする。
【0066】
バイオセンサ部5を通じて取得された情報は、コンバータ部6によりバイナリデータに変換され、センサユニット内のセンサメモリ部7に保持される。CPU8はセンサユニット内のセンサメモリ部7からそれらのデータを取得し、アプリケーションプログラムに譲渡する。アプリケーションプログラムはそれらの情報とあらかじめ設定されている閾値より、動作する処理を決定する。たとえば、汗の量や含まれる塩化ナトリウムの比率により、精神状態が正常であるか興奮状態であるのかを判断し、その結果により「正常時の動作」「異常時の動作」を選択し、アプリケーションプログラムを実行する。
【0067】
なお、CPU8は中央処理装置とも呼ばれるが、MPU(Microprocessor)とも呼ばれる場合がある。
【0068】
カードメモリ部9は、RAM(Random Access Memory;ランダムアクセスメモリともいう)としてのスタティック型メモリ(SRAM)やダイナミック型メモリ(DRAM)等、または、不揮発性メモリとしてのNAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリ等のフラッシュメモリであってもよい。
【0069】
カードメモリ部9は複数のアプリケーションプログラムを記憶し、またCPU8のワーキングメモリ、コンバータ部6またはセンサメモリ部7から送信される予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を記憶する機能を有する。
【0070】
入出力インターフェース部4は、外部の電子機器とデータの送受信および電力の受信を実行する。入出力インターフェース部4は、電源回路(図示せず)、リセット回路(図示せず)、クロック生成回路(図示せず)、復調回路(図示せず)、変調回路(図示せず)、電源管理回路(図示せず)を有する。また、ICカード1が非接触タイプ(無線タイプ)の場合には、アンテナ107、共振回路108を含む。
【0071】
また、電源回路は入出力インターフェース部4、演算ユニット3、センサユニット2内のバイオセンサ部5、コンバータ部6、センサメモリ部7を動作させるための内蔵バッテリーであってもよく、また、接触方式において外部の電子機器から供給される電力を流用してもよく、また非接触方式の場合のアンテナから供給される電力を流用する等の任意の方法にて、ICカード1が動作するための電力を得ることが可能である。
【0072】
入出力インターフェース部4は、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、CPU8によって選択されたアプリケーションプログラムの処理が実行された結果としての、生体情報のデジタル情報とは異なる処理結果を、外部に出力する機能を有する。
【0073】
すなわち、ICカード1の外部には、生体情報のデジタル情報は出力しないように構成されている。例えば、ICカード1の外部には、アプリケーションプログラムの処理結果情報として、一例として、アプリケーションプログラムの処理終了を示す情報(処理終了情報)、アプリケーションプログラムの処理が良好に実行されてことを示す情報(処理完了情報)、アプリケーションプログラムの処理にエラーが発生したことを示す情報(エラー発生情報)等の、生体情報のデジタル情報とは異なる処理結果を出力する。
【0074】
なお、図1の全体は接触ICカードの実施形態であるが、アンテナ回路(図示せず)等を付加することによって、本実施形態を接触ICカードとしてだけではなく非接触ICカードの実施形態と考えることもできる。
【0075】
また、リーダ/ライタ10とICカード1とで送受信される信号の構成の一例について説明する。受信信号は、SOF(Start Of Frame;フレームの開始)、フラグ、コマンド、データ、CRC(Cyclic Redundancy Check、巡回冗長検査ともいう)、EOF(End Of Frame;フレームの終了)を有する信号である。SOF,EOFは単に信号の開始と終了を示すものである。フラグはASK、FSK等の変調の種類の情報を有する。データには、暗号解読するデータが含まれる。CRCはデータの誤認を防止するためにデータより生成される固有のコードの情報を有する。
【0076】
リーダ/ライタ10は、ICカード1との間でデータの送受信を行い、必要に応じてさらに外部のネットワーク端末等の電子機器との間でデータの送受信を行う。リーダ/ライタ10とICカード1との間のデータ送受信は、USB、ISO7816等の予め規定されている規格に基づいて実施されるように構成されてもよい。
【0077】
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶部、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ICカード1では、CPU8、カードメモリ9等を備えて構成される。
【0078】
また、本発明に係るICカード1は、上述のような構成を有することにより、生体情報を取得し、生体情報をデジタル情報へ変換し、デジタル情報を生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換し、予め定められたフォーマットによって変換されたデジタル情報に基づいて、アプリケーションプログラムを選択し、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、アプリケーションプログラムの処理を実行する機能を有する。
【0079】
次に、図1におけるICカード1(または類似する携帯情報処理機器等のセキュリティデバイス)のバイオセンサ部5についてより詳細に図2を用いて説明する。
【0080】
図2(a)および(b)にはバイオセンサ部5が示されている。バイオセンサ部5はICカード1の演算ユニット3および入出力インターフェース部4を除く表層部分に搭載する。搭載されたバイオセンサ部5は、生体関連情報を任意の方法にて取得し、取得した情報を電気信号へと変換する。
【0081】
図2(a)では、ユーザの生体情報(DNA、汗、血液等)がバイオセンサ部5aの受容体9に接触すると、化学変化が発生し、トランスデューサ(図示せず)によって電気信号に変換される。
【0082】
図2(b)では、バイオセンサ部5b中の受容体9bが複数ある場合が示されている。図2(b)中の受容体9bは単一種類の化学変化ではなく、様々な化学変化を引き起こすために必要な様々な薬品、生体物質等が付加されている。
【0083】
したがって、図2(b)中の受容体9bはそれぞれが別々の反応を引き起こすので、生体物質の成分を解析することが可能になる。それぞれの受容体が引き起こした化学反応は
トランスデューサ(図示せず)によって電気信号に変換され、コンバータ部6によってデジタル情報に変換される。
【0084】
生体情報の種類(バイオセンサ部5から取得するデータの種別)に関する情報はセンサユニット2毎に予めセンサメモリ部7に記憶されていてもよいが、バイオセンサ部5から生体情報とは別に出力されるように構成し、コンバータ部6でそのデータの種別を判断してもよい。
【0085】
次に、図1におけるICカード(または類似する携帯情報処理機器等のセキュリティデバイス)にこれらの機能を実装し、生体情報を利用した強固なセキュリティを誇る識別認証や、所有者や周囲の状況を察知し自動で動作する機能、および測定した情報をICカード上で保護する機能などを実現する処理動作の一部を、図3および図4と対応させながら説明する。
【0086】
図3は、本実施形態の各動作部分に着目した処理フロー図である。
【0087】
より、具体的には、生体情報を取得し、生体情報をデジタル情報へ変換し、デジタル情報を生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換し、予め定められたフォーマットによって変換されたデジタル情報に基づいて、アプリケーションプログラムを選択し、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、アプリケーションプログラムの処理を実行する処理について説明する。
【0088】
ステップS1では、センサユニット2のバイオセンサ部5において、汗、血液等の任意の生態情報が入力される。
【0089】
ステップS2では、バイオセンサ部5において、ステップS1においてバイオセンサ部5に入力された汗、血液等の任意の生態情報が、化学変化などによる反応として抽出される。
【0090】
ステップS3では、ステップS2において抽出された化学変化などによる反応をバイオセンサ部5が電気信号としてコンバータ部6へ出力する。
【0091】
ステップS4では、コンバータ部6がバイオセンサ部5から入力された電気信号をバイナリデータ(デジタル情報)に変換する。
【0092】
ステップS5では、コンバータ部6がバイナリデータに変換されたデジタル情報をセンサメモリ部7に記憶する。
【0093】
また、コンバータ部6はフォーマット変換終了情報をCPU8へ出力する。
【0094】
ステップS6では、CPU8はコンバータ部6からのフォーマット変換終了情報を受信後に、センサメモリ部7に記憶されたデジタル情報を読み込む。
【0095】
フォーマット変換終了情報は、コンバータ部6からCPU8に接続された一本のフォーマット変換終了信号線(図示せず)によって、フォーマット変換終了信号線のデジタル論理レベルが変化することによって送信されてもよく、また、コンバータ部6からCPU8に接続された複数のフォーマット変換終了信号線(図示せず)によって終了コマンド(命令の一種)として送信されてもよい。
【0096】
CPU8は、読み込んだデジタル情報をカードメモリ部9に記憶する。
【0097】
ステップS7では、CPU8はステップS6において読み込んだデジタル情報に基づいてカードメモリ部9に記憶されているアプリケーションプログラムを選択する。
【0098】
そして、CPU8は選択したアプリケーションプログラムを実行する。
【0099】
ステップS8では、CPU8は必要がある場合には、入出力インターフェース部4を介して、アプリケーションプログラムの処理が実行された結果としての、生体情報のデジタル情報とは異なる処理結果を外部のリーダ/ライタ10等の電子機器に出力する。
【0100】
次に図4を用いて、本実施形態の一部を示すフローチャートについて説明する。
【0101】
ステップS10において、バイオセンサ部5は、ユーザである利用者の血液などから利用者の生体情報(DNA、汗、血液など)を抽出し、抽出された生体情報をアナログデータとしてコンバータ部6に出力する。
【0102】
ステップS11において、コンバータ部6は、バイオセンサ部5によって取得された生体情報をデジタル情報へ変換する。また、コンバータ部6は、コンバータ部6おいて変換されたデジタル情報を生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換する。
【0103】
ステップS12において、コンバータ部6は、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報をセンサメモリ部7に記憶する。
【0104】
ステップS13において、CPU8は、コンバータ部6から送信されるフォーマット変換終了情報を受信するとコンバータ部6から予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報をカードメモリ部9に転送し、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報をカードメモリ部9に記憶する。
【0105】
ステップS14において、CPU8は、コンバータ部6によって変換されたデジタル情報に基づいて、カードメモリ部9に記憶されたアプリケーションプログラムを選択し、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、CPU8によって選択されたアプリケーションプログラムの処理を実行する。
【0106】
ステップS15において、CPU8は入出力インターフェース部4を介してステップS14において実行したアプリケーションプログラムの処理結果を、外部の電子機器に出力するか否かを判断する。アプリケーションプログラムの処理結果を外部の電子機器に出力する場合(ステップS15:YES)には、ステップS16に進み、アプリケーションプログラムの処理結果を外部の電子機器に出力しない場合(ステップS15:NO)には、処理を終了する。
【0107】
ステップS16において、入出力インターフェース部4は、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、CPU8によって選択されたアプリケーションプログラムの処理が実行された結果としての、生体情報のデジタル情報とは異なる処理結果を、外部に出力する。
【0108】
このように図4に関わる動作によれば、生体情報を利用した強固なセキュリティを誇る識別認証や、所有者や周囲の状況を察知し自動で動作する機能、および測定した情報をICカード上で保護する機能などを実現することが可能になる。
【0109】
図5は、本実施形態に係わるICカード1の概念を示す図である。
【0110】
図5に示されるように、ICカード1には、センサユニット2と演算ユニット3とが備えられている。
【0111】
生体情報は、ICカード1内のセンサユニット2と演算ユニット3との間(概念として、センサユニット2と演算ユニット3との間をB−I/O(Bio−Input/Output)インターフェースと称する。)だけに転送され、ICカード1の外部には決して出力されることはない。
【0112】
ICカード1とリーダ/ライタ10との間の一般的なインターフェース規格であるISO7816およびUSB等の入出力インターフェース上で転送される情報は、例えば、一例として、アプリケーションプログラムの処理結果情報としてのアプリケーションプログラムの処理終了を示す情報(処理終了情報)、アプリケーションプログラムの処理が良好に実行されてことを示す情報(処理完了情報)、アプリケーションプログラムの処理にエラーが発生したことを示す情報(エラー発生情報)等の、生体情報のデジタル情報とは異なる処理結果情報が転送される。
【0113】
一方、図6は従来の構成であって、センサ11から出力されたアナログ情報がセンサ情報読取装置12によってデジタルデータに変換され、読み取られた生体情報が、一般的なインターフェース規格であるISO7816およびUSB等の入出力インターフェース上で、パソコン等の電子機器13との間で転送されることが示されている。
【0114】
(変形例)
次に図3のステップS7における変形例について説明する。
【0115】
この変形例では、生体情報を取得し、生体情報をデジタル情報へ変換し、デジタル情報を生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換し、予め定められたフォーマットによって変換されたデジタル情報に基づいて、アプリケーションプログラムの動作を選択し(すでに起動されているアプリケーションプログラム内で所定の処理が為される場合に、その所定の処理を生体情報の認証に基づいて(認証の可否等の認証結果に基づいて)判定して選択させ)、予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、アプリケーションプログラムの処理を実行する処理について説明する。
【0116】
この変形例におけるステップS7では、リーダ/ライタ10にICカード1がすでに挿入され、ステップS7のタイミングではアプリケーションプログラムが起動され、アプリケーションプログラム内で所定の処理が実行されており、次に実行されるべき処理を選択するために、ステップS6において読み込まれるデジタル情報の入力を待つ待機状態になっている。
【0117】
上記の状態において、変形例のステップS7では、CPU8は、すでに起動しているアプリケーションプログラムが、次に動作すべき所定の処理(一例として、アプリケーションプログラムの実行中に選択される複数のサブルーチンのいずれか)を選択する場合(分岐処理)に、ステップS6において読み込んだデジタル情報に基づいて、その所定の処理を選択する。
【0118】
そして、CPU8は選択したアプリケーションプログラムを実行する。
【0119】
一例として、ステップS6において読み込んだデジタル情報があらかじめ定められた生体情報である場合には、実行中のアプリケーションプログラムは次の処理動作に進み、ステップS6において読み込んだデジタル情報があらかじめ定められた生体情報でない場合には、アプリケーションプログラムは次の処理動作に進まずに待機状態(ステップS6において読み込んだデジタル情報があらかじめ定められた生体情報でないことを示す情報を出力してもよい)になる(所定の処理を生体情報の認証可否を判定して動作させる)ように構成することもできる。
【0120】
また、他の一例として、ステップS6において読み込んだデジタル情報と、少なくとも一つ以上のあらかじめ定められた生体情報(ICカード1のカードメモリ部9等にあらかじめ記憶されている)とを比較し、比較結果が一致した場合に、一致した生体情報毎にあらかじめ定められたサブルーチンを実行するように構成することもできる。
【0121】
以上のように、本発明の半導体装置は物品であればどのようなものにでも設けて使用し
てもよく、ほかにも免許証、保険証、定期券、キャッシュカード、クレジットカード、電
子キー、電子マネー等に使用することができる。
【0122】
また上記の処理により、バイオセンサから取得した情報をICカードの処理に利用することが可能となる。また、バイオセンサの情報が外部に出力されず、情報をセキュアに保つことが可能となり、個人の生体情報を安全に保持することができる。なお、既存のICカード形状を保つ必要はなく、バイオセンサの利用用途に適した大きさ、厚さなどの適用が可能であるものとする。
【0123】
なお、図3および図4における動作手順を、ハードディスク等の記録媒体に予め記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して予め記録しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等により読み出して実行することにより、当該汎用のマイクロコンピュータ等を実施形態に係わるCPUとして機能させることも可能である。
【0124】
さらに、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。
【0125】
さらに、本明細書に記載および図示されている実施形態は具体例としてのものであるに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではないと理解すべきである。本発明の精神および範囲にしたがって上述以外の変更および修正を施すことも可能である。
【符号の説明】
【0126】
1 ICカード
2 センサユニット
3 演算ユニット
4 入出力インターフェース部
5 バイオセンサ部
6 コンバータ部
7 センサメモリ部
8 CPU
9 カードメモリ部
10 リーダ/ライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを備えるデータ情報を処理する半導体装置において、
生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記生体情報取得手段によって取得された前記生体情報をデジタル情報へ変換するコンバータ手段と、
前記コンバータ手段によって変換されたデジタル情報を前記生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換するフォーマット変換手段と、
前記フォーマット変換手段によって変換されたデジタル情報に基づいて、処理記憶手段に記憶されたアプリケーションプログラムを選択する選択手段と、
前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、前記選択手段によって選択された前記アプリケーションプログラムの処理を実行する制御手段と、
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記制御手段は、前記フォーマット変換手段から送信されるフォーマット変換終了情報を受信すると前記フォーマット変換手段から前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を前記処理記憶手段に転送することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記フォーマット変換手段は、前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を生体情報記憶手段に記憶し、前記制御手段は、前記フォーマット変換手段から送信されるフォーマット変換終了情報を受信すると前記生体情報記憶手段から前記処理記憶手段に前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を転送することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の半導体装置において、
前記選択手段は前記生体情報に係わる特定の物資の濃度に基づいて、前記アプリケーションプログラムまたは前記生体情報に基づいて選択された前記アプリケーションプログラムの処理内容の少なくとも何れか一方を選択することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の半導体装置において、
前記フォーマット生成手段は、前記コンバータ部によって変換されたデジタル情報を前記フォーマットに変換する場合に、エラーチェック情報を含めることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の半導体装置において、
前記生体情報取得手段は前記半導体装置から着脱可能に取り付けられ、前記生体情報をアナログ情報として出力する任意の種類のセンサが前記生体情報取得手段に使用されることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の半導体装置において、
前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、前記選択手段によって選択された前記アプリケーションプログラムの処理が実行された結果としての、前記生体情報のデジタル情報とは異なる処理結果が、外部に出力される入出力インターフェース手段がさらに含まれることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
アプリケーションプログラムが起動され、データ情報を処理する半導体装置において、
生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記生体情報取得手段によって取得された前記生体情報をデジタル情報へ変換するコンバータ手段と、
前記コンバータ手段によって変換されたデジタル情報を前記生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換するフォーマット変換手段と、
前記フォーマット変換手段によって変換されたデジタル情報に基づいて、処理記憶手段に記憶されたアプリケーションプログラムの動作を選択する選択手段と、
前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、前記選択手段によって選択された前記アプリケーションプログラムの処理を実行する制御手段と、
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを備えるデータ情報を処理する半導体装置の制御方法において、
生体情報を取得する生体情報取得工程と、
前記生体情報取得工程において取得された前記生体情報をデジタル情報へ変換するコンバータ工程と、
前記コンバータ手段工程において変換されたデジタル情報を前記生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換するフォーマット変換工程と、
前記フォーマット変換工程において変換されたデジタル情報に基づいて、処理記憶工程において記憶されたアプリケーションプログラムを選択する選択工程と、
前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、前記選択工程において選択された前記アプリケーションプログラムの処理を実行する制御工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の制御方法。
【請求項10】
少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを備えるデータ情報を処理する半導体装置に含まれるコンピュータを、
生体情報を取得する生体情報取得手段、
前記生体情報取得手段によって取得された前記生体情報をデジタル情報へ変換するコンバータ手段、
前記コンバータ手段によって変換されたデジタル情報を前記生体情報の種類を含む予め定められたフォーマットに変換するフォーマット変換手段、
前記フォーマット変換手段によって変換されたデジタル情報に基づいて、処理記憶手段に記憶されたアプリケーションプログラムを選択する選択手段、
前記予め定められたフォーマットに変換されたデジタル情報を使用し、前記選択手段によって選択された前記アプリケーションプログラムの処理を実行する制御手段、
として機能させることを特徴とする半導体装置の制御プログラム。
【請求項11】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の前記半導体装置はIC(Integrate Circuit)チップを搭載したICカードであることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の前記半導体装置は携帯端末であることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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