半導体装置の製造方法
【課題】製造工程において半導体ウエハ上に形成される接着剤層の性能低下が抑えられる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】
半導体装置の製造方法の実装処理工程は、突出電極10aを埋め込むように、半導体ウエハ10の主面S1上にバックグラインドテープF2を設置するテープ設置工程と、半導体ウエハの裏面S2を研削し、半導体ウエハ10を薄化する研削工程と、研削工程で得られたバックグラインドテープF2と半導体ウエハ10との積層体をダイシングするダイシング工程と、ダイシング工程で得られたバックグラインドテープF2と半導体チップ224との積層チップを実装基板41にマウントし、バックグラインドテープF2によって半導体チップ224を実装基板41に接着させるチップ接着工程と、を備え、バックグラインドテープF2が弾性層31と粘着層33とを有する。
【解決手段】
半導体装置の製造方法の実装処理工程は、突出電極10aを埋め込むように、半導体ウエハ10の主面S1上にバックグラインドテープF2を設置するテープ設置工程と、半導体ウエハの裏面S2を研削し、半導体ウエハ10を薄化する研削工程と、研削工程で得られたバックグラインドテープF2と半導体ウエハ10との積層体をダイシングするダイシング工程と、ダイシング工程で得られたバックグラインドテープF2と半導体チップ224との積層チップを実装基板41にマウントし、バックグラインドテープF2によって半導体チップ224を実装基板41に接着させるチップ接着工程と、を備え、バックグラインドテープF2が弾性層31と粘着層33とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の半導体装置製造方法が知られている。この文献に記載された製造方法では、基材フィルム上に粘着材層と接着剤層を有してなるウエハ加工用テープが準備される。そして、この加工用テープが半導体ウエハの凸型電極が形成された面に貼合された状態で、半導体ウエハのバックグラインド処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−49482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体ウエハのバックグラインド処理にあたって、ウエハ全面に均等に荷重をかけることが必要であり、ウエハ加工用テープにはエアボイド等の咬み込み無く、ウエハに貼り付けられることが要求される。しかしながら、凸型電極が形成された半導体ウエハにエアボイド無く貼り付けるためには、加熱してテープの粘性を下げた状態で加圧ローラ等の機械的加圧または空気圧力による加圧によって凸型電極周囲にもエアボイドの咬み込みが発生しないように貼り付けることが必要である。
【0005】
しかしながら、粘着剤層と接着剤層が形成されたウエハ加工用テープを加熱、加圧する際、粘着材層と接着剤層の成分拡散が発生し、融着が発生する。このため、バックグラインド処理後に基材フィルム及び粘着材層を接着剤層から引き剥がすことが困難となってしまう課題がある。さらに、長期保存中にも粘着材層と接着剤層の成分移行は発生しており、より引き剥がしが困難になる。さらに、引き剥がせた場合でも、粘着材成分の接着剤中への成分移行によって接着剤としての特性が妨げられるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決し、製造工程において半導体ウエハ上に形成される接着剤層の性能低下が抑えられる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、突出電極が主面から突出して形成された半導体チップを実装基板上に実装する実装処理工程を含み、前記半導体チップを用いた半導体装置の製造方法であって、前記実装処理工程は、前記突出電極を埋め込むように、半導体ウエハの前記主面上にバックグラインドテープを設置するテープ設置工程と、前記バックグラインドテープが設置された面の反対側に位置する前記半導体ウエハの裏面を研削し、前記半導体ウエハを薄化する研削工程と、前記研削工程で得られた前記バックグラインドテープと前記半導体ウエハとの積層体をダイシングするダイシング工程と、前記ダイシング工程で得られた前記バックグラインドテープと前記半導体チップとの積層チップを、前記バックグラインドテープ側を前記実装基板に向けた状態で前記実装基板にマウントし、前記バックグラインドテープによって前記半導体チップを前記実装基板に接着させるチップ接着工程と、を備え、前記バックグラインドテープが弾性層と粘着層とを有することを特徴とする。
【0008】
また、この場合、前記バックグラインドテープの前記弾性層と前記粘着層とが積層されていてもよい。また、前記バックグラインドテープの可視光透過率が20%以上であることとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造工程において半導体ウエハ上に形成される接着剤層の性能低下が抑えられる半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1実施形態のバックグラインド方法及びダイシング方法が適用される半導体ウエハ及び絶縁性接着剤を示す断面図である。
【図2】図1の半導体ウエハの回路面上に絶縁性接着剤層が形成された状態を示す断面図である。
【図3】図2の半導体ウエハに更にバックグラインドテープが設置された状態を示す断面図である。
【図4】図3の半導体ウエハの裏面側を研削する工程を示す図である。
【図5】図4で作製された積層体をダイシングフレームにセットした状態を示す断面図である。
【図6】図5の積層体のダイシング工程を示す断面図である。
【図7】図6でダイシングされた積層体からバックグラインドテープを除去する工程を示す断面図である。
【図8】ダイシング後、バックグラインドテープが除去された半導体ウエハを示す断面図である。
【図9】半導体ウエハのダイシング工程の他の例を示す断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態において、積層体をダイシングフレームにセットした状態を示す断面図である。
【図11】図10の積層体をダイシングした状態を示す断面図である。
【図12】ダイシングされた半導体チップをピックアップする工程を示す断面図である。
【図13】本発明の実装方法が適用される半導体ウエハ及びバックグラインドテープを示す断面図である。
【図14】図13の半導体ウエハの回路面上にバックグラインドテープを設置した状態を示す断面図である。
【図15】図14の半導体ウエハの裏面側を研削する工程を示す図である。
【図16】図15で作製された積層体をダイシングフレームにセットした状態を示す断面図である。
【図17】積層体のダイシング後に、積層チップをピックアップする工程を示す断面図である。
【図18】図17でピックアップされた積層チップと実装基板とを示す断面図である。
【図19】図18の積層チップを実装基板に接着した状態を示す断面図である。
【図20】半導体ウエハのダイシング工程の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る半導体ウエハのバックグラインド方法、半導体ウエハのダイシング方法、及び半導体チップの実装方法が用いられる半導体デバイスの製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
(第1実施形態)
まず、図1に示されるような半導体ウエハ10を用意する。半導体ウエハ10は、半導体プロセスにより回路が形成された回路面(主面)S1と、回路面S1の反対側の面である裏面S2とを有している。そして、半導体ウエハ10の回路面S1には、回路面S1から突出する突出電極10aが複数形成されている。なお、このときの半導体ウエハ10の厚さは、バックグラインド前の状態であり、通常約550μm〜750μmである。
【0013】
更に、フィルム状の絶縁性接着剤層22が基材フィルム18上に形成されてなる接着フィルムF1を準備する。そして、絶縁性接着剤層22側を回路面S1に向けた状態で、接着フィルムF1を半導体ウエハ10の回路面S1に貼り付ける。この接着フィルムF1の半導体ウエハ10への貼付けは、例えばラミネートロールを用いて行うことができる。
【0014】
このとき、基材フィルム18が所定の圧力で加圧されることで、突出電極10a同士の間を埋めるように絶縁性接着剤層22が充填される。そして、基材フィルム18を除去することで絶縁性接着剤層22が回路面S1上に残される。これにより、図2に示すように、回路面S1上には突出電極10aを埋め込むような絶縁性接着剤層13が形成される(接着剤層形成工程)。上記基材フィルムには、変形可能な柔らかい基材が用いられる。上記のような絶縁性接着剤層13は、一般に、「NCF(Non Conductive Film)」等と呼ばれる場合がある。
【0015】
続いて、図3に示すように、絶縁性接着剤層13上に、バックグラインドテープBTを貼り付ける(テープ設置工程)。このバックグラインドテープBTは、基材フィルムBTaと、基材フィルム表面に形成された粘着層BTbとを有しており、ここでは、粘着層BTbと絶縁性接着剤層13とが接着される。
【0016】
続いて、図4に示されるように、バックグラインドテープBTに圧力を加えつつ、半導体ウエハ10を裏面S2側から裏面研削装置(バックグラインダ)12によって研削し、半導体ウエハ10の厚みを薄くする。具体的には、半導体ウエハ10の厚みが50μm〜550μm程度となるように、半導体ウエハ10の研削を行う(研削工程)。ここでは、上記バックグラインドテープBTが半導体ウエハ10の回路面S1側に貼付けられているので、均一に圧力を加えることができる。その結果、研削により半導体ウエハ10の裏面S2を平坦化できる。また、バックグラインドテープBTにより、バックグラインド時の半導体ウエハ10の破損を抑制することができる。このようにして、薄化された半導体ウエハ10とその回路面S1に貼り付けられたバックグラインドテープBTとからなる積層体R1が製作される。
【0017】
続いて、図5に示されるように、半導体ウエハ10の回路面S1側にバックグラインドテープBTが貼付けられたままの状態で、この積層体R1の裏面S2側及びダイシングフレーム14の下縁14aにダイシングテープ16を貼付ける。ここで、ダイシングフレーム14は、円環状の金属製部材であり、半導体ウエハ10のダイシング時に半導体ウエハ10の固定治具として用いられる。ダイシングフレーム14は、その内径が半導体ウエハ10の外形よりも大きくなっており、半導体ウエハ10を囲むようにダイシングテープ16上に配置される。また、ダイシングテープ16は、基材フィルム16aと、基材フィルム16aの表面に形成された粘着層16bとを有している。
【0018】
なお、図示はしていないが、半導体ウエハ10の回路面S1にはダイシングブレードDB(後述する)によるダイシング位置を位置決めするための位置決めパターンが形成されているので、バックグラインドテープBTは、上記位置決めパターンが視認できる程度の透過率(例えば、バックグラインドテープBT全体としての可視光透過率が20%以上)を有するものであると好ましい。
【0019】
続いて、図6に示すように、半導体ウエハ10の回路面S1が上方を向いた状態で、ダイシングブレードDBによって、半導体ウエハ10をバックグラインドテープBTと共に、バックグラインドテープBT側からダイシングし(いわゆる、フェイスアップダイシング)、複数の半導体チップ24とする(ダイシング工程)。このとき、半導体チップ24の大きさが0.5mm×0.5mm程度となるようにする。ここでは、フェイスアップダイシングを採用することにより、上記の位置決めパターンを利用して、ダイシング位置の位置決めを比較的容易に行うことができる。
【0020】
続いて、図7に示されるように、バックグラインドテープBTの表面全体に、粘着テープ26を貼付ける。そして、図8に示すように、個片化されたバックグラインドテープBTを、上記粘着テープ26と共に絶縁性接着剤層13から剥離する。このとき、バックグラインドテープBTの粘着層BTbが放射線硬化性を有するものであれば、剥離に先立って、放射線(例えば紫外線)照射により粘着層BTbの粘着力を低下させることができる。
【0021】
その後、詳細は省略するが、紫外線等の照射によりダイシングテープ16の粘着層16bの粘着力を低下させた後、回路面S1上に絶縁性接着剤層13が形成された半導体チップ24を一つ一つピックアップし、半導体チップ24を実装基板にフリップチップ実装する工程を経て、この半導体チップ24を含む半導体デバイスを得ることができる。
【0022】
上記の研削工程における裏面S2の研削にあたり、半導体ウエハ10の主面S1上に絶縁性接着剤層13を形成した上で、バックグラインドテープBTを設置している。すなわち、接着剤層13の貼り付け時にはウエハと接着剤層の界面にエアボイドの巻き込みが発生しないよう、加熱・加圧による埋め込み行い、この後バックグラインドテープの粘着層と接着剤層の融着が発生しない条件、すなわち室温等でバックグラインドテープを貼り付け、平坦な加工状態を形成する。従って、バックグラインド終了後に、バックグラインドテープの容易な引き剥がしが出来る。また、バックグラインドテープの粘着層と接着剤とが接触した状態で加熱・加圧することがないので、粘着材の接着剤層への移行がほとんどなく、接着剤層の能力低下がほとんど発生しない。また、上記のダイシング工程では、積層体R1からバックグラインドテープBTを除去しないで、当該バックグラインドテープBT側から半導体ウエハ10のダイシングを行う。従って、ダイシングで発生する切り屑によって、半導体ウエハ10が汚染されることを抑制することができる。
【0023】
なお、上記のような切り屑による汚染抑制の作用効果は得られなくなるが、図9に示すように、ダイシングテープ16が貼付けられた積層体R1の半導体ウエハ10から、バックグラインドテープBTを除去した後に、ダイシングを行ってもよい。
【0024】
前述の接着フィルムF1における基材フィルム18としては、例えばシリコーン等によって表面が離型処理されたPET基材が挙げられる。絶縁性接着剤層22は、例えば、基材フィルム18に接着剤組成物を塗布した後に乾燥することによって形成される。絶縁性接着剤層22は、例えば常温において固体である。絶縁性接着剤層22は、熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂は、熱により三次元的に架橋することによって硬化する。
【0025】
上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シアノアクリレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シロキサン変性エポキシ樹脂、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、アクリレート樹脂等が挙げられる。これらは単独又は二種以上の混合物として使用することができる。
【0026】
絶縁性接着剤層22は、硬化反応を促進させるための硬化剤を含んでもよい。絶縁性接着剤層22は、高反応性及び保存安定性を両立させるために、潜在性の硬化剤を含むことが好ましい。
【0027】
絶縁性接着剤層22は、熱可塑性樹脂を含んでもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリルブタジエンゴムスチレン樹脂(ABS)、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらは単独又は二種以上を併用して使用することができる。これらの中でも、半導体ウエハ10への貼付性を確保するために室温付近に軟化点を有する熱可塑性樹脂が好ましく、グリシジルメタクリレートなどを原料に含むアクリル酸共重合体が好ましい。
【0028】
絶縁性接着剤層22には、低線膨張係数化のためのフィラー(無機微粒子)を添加してもよい。このようなフィラーとしては、結晶性を有するものであっても、非結晶性を有するものであってもよい。絶縁性接着剤層22の硬化後の線膨張係数が小さいと、熱変形が抑制される。よって、半導体ウエハ10から製造された半導体チップが配線基板に搭載された後も、突出電極10aと配線基板の配線との電気的な接続を維持することができるので、半導体チップと配線基板とを接続することによって製造される半導体デバイスの信頼性を向上させることができる。
【0029】
絶縁性接着剤層22は、カップリング剤等の添加剤を含んでもよい。これにより、半導体チップと配線基板との接着性を向上させることができる。
【0030】
絶縁性接着剤層22内には、導電粒子を分散させてもよい。この場合、突出電極14aの高さのバラツキによる悪影響を低減することができる。また、配線基板がガラス基板等のように圧縮に対して変形し難い場合においても接続を維持することができる。さらに、絶縁性接着剤層22を異方導電性の接着剤層とすることができる。
【0031】
絶縁性接着剤層22の厚みは、絶縁性接着剤層22が半導体チップと配線基板との間を十分に充填できる厚みであることが好ましい。通常、絶縁性接着剤層22の厚みが、突出電極10aの高さと配線基板の配線の高さとの和に相当する厚みであれば、半導体チップと配線基板との間を十分に充填できる。
【0032】
前述のダイシングテープ16は、基材フィルム16aと、基材フィルム16aの表面に形成された粘着層16bとを有している。基材フィルム16aは、放射線透過性であることが好ましく、具体的には、通常、プラスチック、ゴムなどを用いることができる。基材フィルム16aは、放射線を透過する限りにおいて特に制限されるものではないが、紫外線照射によって放射線硬化性粘着剤を硬化させる場合には、光透過性の良いものを選択することができる。
【0033】
このような基材フィルム16aとして選択し得るポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。
【0034】
なお、素子間隙を大きくするためには、ネッキング(基材フィルム16aを放射状延伸したときに起こる力の伝播性不良による部分的な伸びの発生)の極力少ないものが好ましく、ポリウレタン、分子量およびスチレン含有量を限定したスチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等を例示することができ、ダイシング時の伸びあるいはたわみを防止するには架橋した基材フィルム16aを用いると効果的である。基材フィルム16aの厚みは、強伸度特性、放射線透過性の観点から通常30〜300μmが適当である。なお、基材フィルム16aの粘着層16bを塗布する側と反対側表面をシボ加工もしくは滑剤コーティングすると、ブロッキング防止、ダイシングテープ16の放射状延伸時のダイシングテープ16と治具との摩擦を減少することによる基材フィルム16aのネッキング防止などの効果があるので好ましい。
【0035】
一方、粘着層16bは、本実施形態において、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)と、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から少なくとも1種選ばれる化合物(B)とを含むアクリル系粘着剤からなる。なお、ここで放射線とは、紫外線のような光線、または電子線などの電離性放射線をいう。
【0036】
粘着層16bの主成分の1つである化合物(A)について説明する。化合物(A)の放射線硬化性炭素−炭素二重結合の導入量は、ヨウ素価で0.5〜20、好ましくは0.8〜10である。ヨウ素価が0.5以上であると、放射線照射後の粘着力の低減効果を得ることができ、ヨウ素価が20以下であれば、放射線照射後の粘着剤の流動性が十分で、延伸後の素子間隙を十分得ることができるため、ピックアップ時に各素子の画像認識が困難になるという問題が抑制できる。さらに、化合物(A)そのものに安定性があり、製造が容易となる。
【0037】
上記化合物(A)は、ガラス転移点が−70℃〜0℃であることが好ましく、−66℃〜−28℃であることがより好ましい。ガラス転移点(以下、「Tg」とも言う。)が−70℃以上であれば、放射線照射に伴う熱に対する耐熱性が十分であり、0℃以下であれば、表面状態が粗いウエハにおけるダイシング後の素子の飛散防止効果が十分得られる。
【0038】
上記化合物(A)はどのようにして製造されたものでもよいが、例えば、アクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体などの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、官能基をもつ化合物((1))と、その官能基と反応し得る官能基をもつ化合物((2))とを反応させて得たものが用いられる。
【0039】
このうち、前記の放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物((1))は、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルなどの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体((1)−1)と、官能基を有する単量体((1)−2)とを共重合させて得ることができる。
【0040】
単量体((1)−1)としては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、または炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。
【0041】
単量体((1)−1)として、炭素数の大きな単量体を使用するほどガラス転移点は低くなるので、所望のガラス転移点のものを作製することができる。また、ガラス転移点の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を配合することも単量体((1)−1)の総重量の5重量%以下の範囲内で可能である。
【0042】
単量体((1)−2)が有する官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、環状酸無水基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、単量体((1)−2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
【0043】
化合物((2))において、用いられる官能基としては、化合物((1))、つまり単量体((1)−2)の有する官能基が、カルボキシル基または環状酸無水基である場合には、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、水酸基である場合には、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができ、アミノ基である場合には、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、エポキシ基である場合には、カルボキシル基、環状酸無水基、アミノ基などを挙げることができ、具体例としては、単量体((1)−2)の具体例で列挙したものと同様のものを列挙することができる。
【0044】
化合物((1))と化合物((2))との反応において、未反応の官能基を残すことにより、酸価または水酸基価などの特性に関して、本実施形態で規定するものを製造することができる。
【0045】
上記の化合物(A)の合成において、反応を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α′−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の化合物(A)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この反応は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
【0046】
以上のようにして、化合物(A)を得ることができるが、本実施形態において、化合物(A)の分子量は、30万〜100万程度が好ましい。30万未満では、放射線照射による凝集力が小さくなって、半導体ウエハ10をダイシングする時に、素子のずれが生じやすくなり、画像認識が困難となることがある。この素子のずれを、極力防止するためには、分子量が、40万以上である方が好ましい。また、分子量が100万を越えると、合成時および塗工時にゲル化する可能性がある。なお、本発明における分子量とは、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0047】
なお、化合物(A)が、水酸基価5〜100となるOH基を有すると、放射線照射後の粘着力を減少することによりピックアップミスの危険性をさらに低減することができるので好ましい。また、化合物(A)が、酸価0.5〜30となるCOOH基を有することが好ましい。
【0048】
ここで、化合物(A)の水酸基価が低すぎると、放射線照射後の粘着力の低減効果が十分でなく、高すぎると、放射線照射後の粘着剤の流動性を損なう傾向がある。また酸価が低すぎると、テープ復元性の改善効果が十分でなく、高すぎると粘着剤の流動性を損なう傾向がある。
【0049】
次に、粘着層16bのもう1つの主成分である化合物(B)について説明する。化合物(B)は、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から少なくとも1種選ばれる化合物であり、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。この化合物(B)は架橋剤として働き、化合物(A)または基材フィルム16aと反応した結果できる架橋構造により、化合物(A)および(B)を主成分とした粘着剤の凝集力を、粘着剤塗布後に向上することができる。
【0050】
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。具体的には、市販品として、コロネートL等を用いることができる。
【0051】
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製)、メラン(日立化成工業株式会社製)等を用いることができる。さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(登録商標、三菱化学株式会社製)等を用いることができる。本実施形態においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
【0052】
化合物(B)の添加量としては、化合物(A)100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.4〜3重量部とすることがより好ましい。その量が0.1重量部未満では凝集力向上効果が十分でない傾向があり、10重量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行し、架橋構造が形成されるため、作業性が損なわれる傾向がある。
【0053】
また、本実施形態において、粘着層16bには、光重合開始剤(C)が含まれていることが好ましい。粘着層16bの含まれる光重合開始剤(C)に特に特に制限はなく、従来知られているものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾール二量体(ロフィン二量体)、アクリジン系化合物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
光重合開始剤(C)の添加量としては、化合物(A)100重量部に対して0.01〜5重量部とすることが好ましく、0.01〜4重量部とすることがより好ましい。
【0055】
さらに本実施形態において用いられる放射線硬化性の粘着層16bには必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤など、あるいはその他の改質剤および慣用成分を配合することができる。粘着剤層の厚さは特に制限されるものではないが、通常2〜50μmである。
【0056】
(第2実施形態)
この実施形態では、ダイシング工程において、図10に示すように、積層体R1のバックグラインドテープBT側にダイシングテープ16を貼り付ける。そして、図11に示すように、半導体ウエハ10の裏面S2が上方を向いた状態で、ダイシングブレードDBによって、裏面S2側から半導体ウエハ10をバックグラインドテープBTと共にダイシングする(いわゆる、フェイスダウンダイシング)。
【0057】
そして、図12に示すように、バックグラインドテープBTの粘着層BTbと絶縁性接着剤層13との境界を剥離させ、絶縁性接着剤層13が主面S1に形成された状態の半導体チップ124をピックアップする。その後、ピックアップした半導体チップ124を実装基板にフリップチップ実装する工程を経て、この半導体チップ124を含む半導体デバイスを得ることができる。なお、この実施形態において、前述の第1実施形態と同一又は同等の構成については、図面に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0058】
上記のようなダイシング工程によれば、半導体チップ124のピックアップの際に、バックグラインドテープBTとダイシングテープ16とを、半導体チップ124から同時に除去できるので、バックグラインドテープBTを剥離する工程を省略することができる。また、フェイスダウンダイシングが行われるので、ダイシングにより発生する切り屑によって、回路面S1が汚染されることを抑制することができる。
【0059】
(第3実施形態)
図13に示すように、まず、半導体ウエハ10と、バックグラインドテープF2とを準備する。バックグラインドテープF2は、後述の研削工程において半導体ウエハ10の破損を抑制及び安定した裏面研削を実現するバックグラインドテープとしての本来の機能を持つと共に、後述のチップ接着工程における絶縁性接着剤としての機能を併せ持っている。具体的には、バックグラインドテープF2は、弾性層31と粘着層33とが積層された2層構造をなしている。そして、弾性層31は、粘着層33よりも弾性率が高く粘着性が低い材料からなり、後述の研削工程において半導体ウエハ10の破損抑制等の機能を発揮させると共に、絶縁性接着剤として接着機能を発揮させる。一方、粘着層33は、このバックグラインドテープF2を半導体ウエハ10に固定させる機能と、絶縁性接着剤としての機能を合わせ持っている。
【0060】
続いて、図14に示すように、粘着層33側を回路面S1に向けた状態で、バックグラインドテープF2を半導体ウエハ10の回路面S1に貼り付ける(テープ設置工程)。このバックグラインドテープF2の半導体ウエハ10への貼付けは、例えばラミネートロールを用いて行うことができる。このとき、バックグラインドテープF2が所定の圧力で加圧されることで、突出電極10a同士の間を埋めるように粘着層33の絶縁性接着剤が充填され、回路面S1上には突出電極10aを埋め込むような粘着層33が形成される。そして、その粘着層33の上に、バックグラインドテープとしての機能を発揮させる弾性層31が形成される。
【0061】
続いて、図15に示すように、弾性層31に圧力を加えつつ、半導体ウエハ10を裏面S2側から裏面研削装置(バックグラインダ)12によって研削し、半導体ウエハ10の厚みを薄くする。具体的には、半導体ウエハ10の厚みが50μm〜550μm程度となるように、半導体ウエハ10の研削を行う(研削工程)。ここでは、半導体ウエハ10の回路面S1側のバックグラインドテープF2の存在によって均一に圧力を加えることができ、その結果、研削により半導体ウエハ10の裏面S2を平坦化できる。また、研削時における半導体ウエハ10の破損が抑制される。このようにして、薄化された半導体ウエハ10とその回路面S1に貼り付けられたバックグラインドテープF2とからなる積層体R2(図16)が製作される。
【0062】
続いて、図16に示すように、半導体ウエハ10の回路面S1側にバックグラインドテープF2が貼付けられたままの状態で、この積層体R2の裏面S2側及びダイシングフレーム14の下縁14aにダイシングテープ16を貼付ける。なお、図示はしていないが、半導体ウエハ10の回路面S1にはダイシングブレードDB(後述する)によるダイシング位置を位置決めするための位置決めパターンが形成されているので、バックグラインドテープF2は、上記位置決めパターンが視認できる程度の透過率(例えば、バックグラインドテープF2全体としての可視光透過率が20%以上)を有するものであると好ましい。
【0063】
続いて、図17に示すように、半導体ウエハ10の回路面S1が上方を向いた状態で、ダイシングブレードDBによって、半導体ウエハ10をバックグラインドテープF2と共に、バックグラインドテープF2側からダイシングし(いわゆる、フェイスアップダイシング)、複数の半導体チップ224とする(ダイシング工程)。このとき、半導体チップ224の大きさが0.5mm×0.5mm程度となるようにする。このようにして、バックグラインドテープF2と半導体チップ224とが積層されてなる積層チップC1が作製される。
【0064】
その後、この積層チップC1を、ダイシングテープ16から一つずつピックアップし、図18に示すように、バックグラインドテープF2側を実装基板41に向けて、当該実装基板41上にマウントする。ここでは、積層チップC1が実装基板41に向けて加熱圧着され、半導体チップ224の突出電極10aと実装基板41の電極部41aとが接続される(いわゆる、フリップチップ実装)。
【0065】
このとき、図19に示すように、バックグラインドテープF2の弾性層31及び粘着層33が押し潰されて回路面S1と実装基板41との間に充填される。また、弾性層31及び粘着層33は絶縁性接着剤として機能するので、この弾性層31及び粘着層33が加熱により硬化し、半導体チップ224が実装基板41に接着固定される(チップ接着工程)。その後、所定の工程等を経て、この半導体チップ224を含む半導体デバイスを得ることができる。なお、この実施形態において、前述の第1又は第2実施形態と同一又は同等の構成については、図面に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0066】
なお、前述のダイシング工程では、フェイスアップダイシングを採用しているが、図20に示すように、積層体R2のバックグラインドテープF2側をダイシングテープ16に貼り付けて、フェイスダウンダイシングを行ってもよい。
【0067】
上記の半導体チップ224の実装方法によれば、半導体ウエハ10の主面S1上にバックグラインドテープF2が設置され、研削工程においては、このバックグラインドテープF2が、バックグラインドテープとしての本来の機能を発揮し、安定した裏面S2の研削が行われる。また、チップ接着工程では、このバックグラインドテープF2が絶縁性接着剤として機能するので、チップ接着工程においては、バックグラインドテープF2の除去が不要であり、工程の簡略化を図ることができる。
【符号の説明】
【0068】
10…半導体ウエハ、10a…突出電極、13…絶縁性接着剤層、22…絶縁性接着剤層、31…弾性層、33…粘着層、41…実装基板、224…半導体チップ、BT…バックグラインドテープ、C1…積層チップ、F2…バックグラインドテープ、R1,R2…積層体、S1…主面、S2…裏面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の半導体装置製造方法が知られている。この文献に記載された製造方法では、基材フィルム上に粘着材層と接着剤層を有してなるウエハ加工用テープが準備される。そして、この加工用テープが半導体ウエハの凸型電極が形成された面に貼合された状態で、半導体ウエハのバックグラインド処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−49482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体ウエハのバックグラインド処理にあたって、ウエハ全面に均等に荷重をかけることが必要であり、ウエハ加工用テープにはエアボイド等の咬み込み無く、ウエハに貼り付けられることが要求される。しかしながら、凸型電極が形成された半導体ウエハにエアボイド無く貼り付けるためには、加熱してテープの粘性を下げた状態で加圧ローラ等の機械的加圧または空気圧力による加圧によって凸型電極周囲にもエアボイドの咬み込みが発生しないように貼り付けることが必要である。
【0005】
しかしながら、粘着剤層と接着剤層が形成されたウエハ加工用テープを加熱、加圧する際、粘着材層と接着剤層の成分拡散が発生し、融着が発生する。このため、バックグラインド処理後に基材フィルム及び粘着材層を接着剤層から引き剥がすことが困難となってしまう課題がある。さらに、長期保存中にも粘着材層と接着剤層の成分移行は発生しており、より引き剥がしが困難になる。さらに、引き剥がせた場合でも、粘着材成分の接着剤中への成分移行によって接着剤としての特性が妨げられるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決し、製造工程において半導体ウエハ上に形成される接着剤層の性能低下が抑えられる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、突出電極が主面から突出して形成された半導体チップを実装基板上に実装する実装処理工程を含み、前記半導体チップを用いた半導体装置の製造方法であって、前記実装処理工程は、前記突出電極を埋め込むように、半導体ウエハの前記主面上にバックグラインドテープを設置するテープ設置工程と、前記バックグラインドテープが設置された面の反対側に位置する前記半導体ウエハの裏面を研削し、前記半導体ウエハを薄化する研削工程と、前記研削工程で得られた前記バックグラインドテープと前記半導体ウエハとの積層体をダイシングするダイシング工程と、前記ダイシング工程で得られた前記バックグラインドテープと前記半導体チップとの積層チップを、前記バックグラインドテープ側を前記実装基板に向けた状態で前記実装基板にマウントし、前記バックグラインドテープによって前記半導体チップを前記実装基板に接着させるチップ接着工程と、を備え、前記バックグラインドテープが弾性層と粘着層とを有することを特徴とする。
【0008】
また、この場合、前記バックグラインドテープの前記弾性層と前記粘着層とが積層されていてもよい。また、前記バックグラインドテープの可視光透過率が20%以上であることとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造工程において半導体ウエハ上に形成される接着剤層の性能低下が抑えられる半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1実施形態のバックグラインド方法及びダイシング方法が適用される半導体ウエハ及び絶縁性接着剤を示す断面図である。
【図2】図1の半導体ウエハの回路面上に絶縁性接着剤層が形成された状態を示す断面図である。
【図3】図2の半導体ウエハに更にバックグラインドテープが設置された状態を示す断面図である。
【図4】図3の半導体ウエハの裏面側を研削する工程を示す図である。
【図5】図4で作製された積層体をダイシングフレームにセットした状態を示す断面図である。
【図6】図5の積層体のダイシング工程を示す断面図である。
【図7】図6でダイシングされた積層体からバックグラインドテープを除去する工程を示す断面図である。
【図8】ダイシング後、バックグラインドテープが除去された半導体ウエハを示す断面図である。
【図9】半導体ウエハのダイシング工程の他の例を示す断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態において、積層体をダイシングフレームにセットした状態を示す断面図である。
【図11】図10の積層体をダイシングした状態を示す断面図である。
【図12】ダイシングされた半導体チップをピックアップする工程を示す断面図である。
【図13】本発明の実装方法が適用される半導体ウエハ及びバックグラインドテープを示す断面図である。
【図14】図13の半導体ウエハの回路面上にバックグラインドテープを設置した状態を示す断面図である。
【図15】図14の半導体ウエハの裏面側を研削する工程を示す図である。
【図16】図15で作製された積層体をダイシングフレームにセットした状態を示す断面図である。
【図17】積層体のダイシング後に、積層チップをピックアップする工程を示す断面図である。
【図18】図17でピックアップされた積層チップと実装基板とを示す断面図である。
【図19】図18の積層チップを実装基板に接着した状態を示す断面図である。
【図20】半導体ウエハのダイシング工程の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る半導体ウエハのバックグラインド方法、半導体ウエハのダイシング方法、及び半導体チップの実装方法が用いられる半導体デバイスの製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
(第1実施形態)
まず、図1に示されるような半導体ウエハ10を用意する。半導体ウエハ10は、半導体プロセスにより回路が形成された回路面(主面)S1と、回路面S1の反対側の面である裏面S2とを有している。そして、半導体ウエハ10の回路面S1には、回路面S1から突出する突出電極10aが複数形成されている。なお、このときの半導体ウエハ10の厚さは、バックグラインド前の状態であり、通常約550μm〜750μmである。
【0013】
更に、フィルム状の絶縁性接着剤層22が基材フィルム18上に形成されてなる接着フィルムF1を準備する。そして、絶縁性接着剤層22側を回路面S1に向けた状態で、接着フィルムF1を半導体ウエハ10の回路面S1に貼り付ける。この接着フィルムF1の半導体ウエハ10への貼付けは、例えばラミネートロールを用いて行うことができる。
【0014】
このとき、基材フィルム18が所定の圧力で加圧されることで、突出電極10a同士の間を埋めるように絶縁性接着剤層22が充填される。そして、基材フィルム18を除去することで絶縁性接着剤層22が回路面S1上に残される。これにより、図2に示すように、回路面S1上には突出電極10aを埋め込むような絶縁性接着剤層13が形成される(接着剤層形成工程)。上記基材フィルムには、変形可能な柔らかい基材が用いられる。上記のような絶縁性接着剤層13は、一般に、「NCF(Non Conductive Film)」等と呼ばれる場合がある。
【0015】
続いて、図3に示すように、絶縁性接着剤層13上に、バックグラインドテープBTを貼り付ける(テープ設置工程)。このバックグラインドテープBTは、基材フィルムBTaと、基材フィルム表面に形成された粘着層BTbとを有しており、ここでは、粘着層BTbと絶縁性接着剤層13とが接着される。
【0016】
続いて、図4に示されるように、バックグラインドテープBTに圧力を加えつつ、半導体ウエハ10を裏面S2側から裏面研削装置(バックグラインダ)12によって研削し、半導体ウエハ10の厚みを薄くする。具体的には、半導体ウエハ10の厚みが50μm〜550μm程度となるように、半導体ウエハ10の研削を行う(研削工程)。ここでは、上記バックグラインドテープBTが半導体ウエハ10の回路面S1側に貼付けられているので、均一に圧力を加えることができる。その結果、研削により半導体ウエハ10の裏面S2を平坦化できる。また、バックグラインドテープBTにより、バックグラインド時の半導体ウエハ10の破損を抑制することができる。このようにして、薄化された半導体ウエハ10とその回路面S1に貼り付けられたバックグラインドテープBTとからなる積層体R1が製作される。
【0017】
続いて、図5に示されるように、半導体ウエハ10の回路面S1側にバックグラインドテープBTが貼付けられたままの状態で、この積層体R1の裏面S2側及びダイシングフレーム14の下縁14aにダイシングテープ16を貼付ける。ここで、ダイシングフレーム14は、円環状の金属製部材であり、半導体ウエハ10のダイシング時に半導体ウエハ10の固定治具として用いられる。ダイシングフレーム14は、その内径が半導体ウエハ10の外形よりも大きくなっており、半導体ウエハ10を囲むようにダイシングテープ16上に配置される。また、ダイシングテープ16は、基材フィルム16aと、基材フィルム16aの表面に形成された粘着層16bとを有している。
【0018】
なお、図示はしていないが、半導体ウエハ10の回路面S1にはダイシングブレードDB(後述する)によるダイシング位置を位置決めするための位置決めパターンが形成されているので、バックグラインドテープBTは、上記位置決めパターンが視認できる程度の透過率(例えば、バックグラインドテープBT全体としての可視光透過率が20%以上)を有するものであると好ましい。
【0019】
続いて、図6に示すように、半導体ウエハ10の回路面S1が上方を向いた状態で、ダイシングブレードDBによって、半導体ウエハ10をバックグラインドテープBTと共に、バックグラインドテープBT側からダイシングし(いわゆる、フェイスアップダイシング)、複数の半導体チップ24とする(ダイシング工程)。このとき、半導体チップ24の大きさが0.5mm×0.5mm程度となるようにする。ここでは、フェイスアップダイシングを採用することにより、上記の位置決めパターンを利用して、ダイシング位置の位置決めを比較的容易に行うことができる。
【0020】
続いて、図7に示されるように、バックグラインドテープBTの表面全体に、粘着テープ26を貼付ける。そして、図8に示すように、個片化されたバックグラインドテープBTを、上記粘着テープ26と共に絶縁性接着剤層13から剥離する。このとき、バックグラインドテープBTの粘着層BTbが放射線硬化性を有するものであれば、剥離に先立って、放射線(例えば紫外線)照射により粘着層BTbの粘着力を低下させることができる。
【0021】
その後、詳細は省略するが、紫外線等の照射によりダイシングテープ16の粘着層16bの粘着力を低下させた後、回路面S1上に絶縁性接着剤層13が形成された半導体チップ24を一つ一つピックアップし、半導体チップ24を実装基板にフリップチップ実装する工程を経て、この半導体チップ24を含む半導体デバイスを得ることができる。
【0022】
上記の研削工程における裏面S2の研削にあたり、半導体ウエハ10の主面S1上に絶縁性接着剤層13を形成した上で、バックグラインドテープBTを設置している。すなわち、接着剤層13の貼り付け時にはウエハと接着剤層の界面にエアボイドの巻き込みが発生しないよう、加熱・加圧による埋め込み行い、この後バックグラインドテープの粘着層と接着剤層の融着が発生しない条件、すなわち室温等でバックグラインドテープを貼り付け、平坦な加工状態を形成する。従って、バックグラインド終了後に、バックグラインドテープの容易な引き剥がしが出来る。また、バックグラインドテープの粘着層と接着剤とが接触した状態で加熱・加圧することがないので、粘着材の接着剤層への移行がほとんどなく、接着剤層の能力低下がほとんど発生しない。また、上記のダイシング工程では、積層体R1からバックグラインドテープBTを除去しないで、当該バックグラインドテープBT側から半導体ウエハ10のダイシングを行う。従って、ダイシングで発生する切り屑によって、半導体ウエハ10が汚染されることを抑制することができる。
【0023】
なお、上記のような切り屑による汚染抑制の作用効果は得られなくなるが、図9に示すように、ダイシングテープ16が貼付けられた積層体R1の半導体ウエハ10から、バックグラインドテープBTを除去した後に、ダイシングを行ってもよい。
【0024】
前述の接着フィルムF1における基材フィルム18としては、例えばシリコーン等によって表面が離型処理されたPET基材が挙げられる。絶縁性接着剤層22は、例えば、基材フィルム18に接着剤組成物を塗布した後に乾燥することによって形成される。絶縁性接着剤層22は、例えば常温において固体である。絶縁性接着剤層22は、熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂は、熱により三次元的に架橋することによって硬化する。
【0025】
上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シアノアクリレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シロキサン変性エポキシ樹脂、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、アクリレート樹脂等が挙げられる。これらは単独又は二種以上の混合物として使用することができる。
【0026】
絶縁性接着剤層22は、硬化反応を促進させるための硬化剤を含んでもよい。絶縁性接着剤層22は、高反応性及び保存安定性を両立させるために、潜在性の硬化剤を含むことが好ましい。
【0027】
絶縁性接着剤層22は、熱可塑性樹脂を含んでもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリルブタジエンゴムスチレン樹脂(ABS)、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらは単独又は二種以上を併用して使用することができる。これらの中でも、半導体ウエハ10への貼付性を確保するために室温付近に軟化点を有する熱可塑性樹脂が好ましく、グリシジルメタクリレートなどを原料に含むアクリル酸共重合体が好ましい。
【0028】
絶縁性接着剤層22には、低線膨張係数化のためのフィラー(無機微粒子)を添加してもよい。このようなフィラーとしては、結晶性を有するものであっても、非結晶性を有するものであってもよい。絶縁性接着剤層22の硬化後の線膨張係数が小さいと、熱変形が抑制される。よって、半導体ウエハ10から製造された半導体チップが配線基板に搭載された後も、突出電極10aと配線基板の配線との電気的な接続を維持することができるので、半導体チップと配線基板とを接続することによって製造される半導体デバイスの信頼性を向上させることができる。
【0029】
絶縁性接着剤層22は、カップリング剤等の添加剤を含んでもよい。これにより、半導体チップと配線基板との接着性を向上させることができる。
【0030】
絶縁性接着剤層22内には、導電粒子を分散させてもよい。この場合、突出電極14aの高さのバラツキによる悪影響を低減することができる。また、配線基板がガラス基板等のように圧縮に対して変形し難い場合においても接続を維持することができる。さらに、絶縁性接着剤層22を異方導電性の接着剤層とすることができる。
【0031】
絶縁性接着剤層22の厚みは、絶縁性接着剤層22が半導体チップと配線基板との間を十分に充填できる厚みであることが好ましい。通常、絶縁性接着剤層22の厚みが、突出電極10aの高さと配線基板の配線の高さとの和に相当する厚みであれば、半導体チップと配線基板との間を十分に充填できる。
【0032】
前述のダイシングテープ16は、基材フィルム16aと、基材フィルム16aの表面に形成された粘着層16bとを有している。基材フィルム16aは、放射線透過性であることが好ましく、具体的には、通常、プラスチック、ゴムなどを用いることができる。基材フィルム16aは、放射線を透過する限りにおいて特に制限されるものではないが、紫外線照射によって放射線硬化性粘着剤を硬化させる場合には、光透過性の良いものを選択することができる。
【0033】
このような基材フィルム16aとして選択し得るポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。
【0034】
なお、素子間隙を大きくするためには、ネッキング(基材フィルム16aを放射状延伸したときに起こる力の伝播性不良による部分的な伸びの発生)の極力少ないものが好ましく、ポリウレタン、分子量およびスチレン含有量を限定したスチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等を例示することができ、ダイシング時の伸びあるいはたわみを防止するには架橋した基材フィルム16aを用いると効果的である。基材フィルム16aの厚みは、強伸度特性、放射線透過性の観点から通常30〜300μmが適当である。なお、基材フィルム16aの粘着層16bを塗布する側と反対側表面をシボ加工もしくは滑剤コーティングすると、ブロッキング防止、ダイシングテープ16の放射状延伸時のダイシングテープ16と治具との摩擦を減少することによる基材フィルム16aのネッキング防止などの効果があるので好ましい。
【0035】
一方、粘着層16bは、本実施形態において、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)と、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から少なくとも1種選ばれる化合物(B)とを含むアクリル系粘着剤からなる。なお、ここで放射線とは、紫外線のような光線、または電子線などの電離性放射線をいう。
【0036】
粘着層16bの主成分の1つである化合物(A)について説明する。化合物(A)の放射線硬化性炭素−炭素二重結合の導入量は、ヨウ素価で0.5〜20、好ましくは0.8〜10である。ヨウ素価が0.5以上であると、放射線照射後の粘着力の低減効果を得ることができ、ヨウ素価が20以下であれば、放射線照射後の粘着剤の流動性が十分で、延伸後の素子間隙を十分得ることができるため、ピックアップ時に各素子の画像認識が困難になるという問題が抑制できる。さらに、化合物(A)そのものに安定性があり、製造が容易となる。
【0037】
上記化合物(A)は、ガラス転移点が−70℃〜0℃であることが好ましく、−66℃〜−28℃であることがより好ましい。ガラス転移点(以下、「Tg」とも言う。)が−70℃以上であれば、放射線照射に伴う熱に対する耐熱性が十分であり、0℃以下であれば、表面状態が粗いウエハにおけるダイシング後の素子の飛散防止効果が十分得られる。
【0038】
上記化合物(A)はどのようにして製造されたものでもよいが、例えば、アクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体などの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、官能基をもつ化合物((1))と、その官能基と反応し得る官能基をもつ化合物((2))とを反応させて得たものが用いられる。
【0039】
このうち、前記の放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物((1))は、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルなどの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体((1)−1)と、官能基を有する単量体((1)−2)とを共重合させて得ることができる。
【0040】
単量体((1)−1)としては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、または炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。
【0041】
単量体((1)−1)として、炭素数の大きな単量体を使用するほどガラス転移点は低くなるので、所望のガラス転移点のものを作製することができる。また、ガラス転移点の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を配合することも単量体((1)−1)の総重量の5重量%以下の範囲内で可能である。
【0042】
単量体((1)−2)が有する官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、環状酸無水基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、単量体((1)−2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
【0043】
化合物((2))において、用いられる官能基としては、化合物((1))、つまり単量体((1)−2)の有する官能基が、カルボキシル基または環状酸無水基である場合には、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、水酸基である場合には、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができ、アミノ基である場合には、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができ、エポキシ基である場合には、カルボキシル基、環状酸無水基、アミノ基などを挙げることができ、具体例としては、単量体((1)−2)の具体例で列挙したものと同様のものを列挙することができる。
【0044】
化合物((1))と化合物((2))との反応において、未反応の官能基を残すことにより、酸価または水酸基価などの特性に関して、本実施形態で規定するものを製造することができる。
【0045】
上記の化合物(A)の合成において、反応を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α′−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の化合物(A)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この反応は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
【0046】
以上のようにして、化合物(A)を得ることができるが、本実施形態において、化合物(A)の分子量は、30万〜100万程度が好ましい。30万未満では、放射線照射による凝集力が小さくなって、半導体ウエハ10をダイシングする時に、素子のずれが生じやすくなり、画像認識が困難となることがある。この素子のずれを、極力防止するためには、分子量が、40万以上である方が好ましい。また、分子量が100万を越えると、合成時および塗工時にゲル化する可能性がある。なお、本発明における分子量とは、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0047】
なお、化合物(A)が、水酸基価5〜100となるOH基を有すると、放射線照射後の粘着力を減少することによりピックアップミスの危険性をさらに低減することができるので好ましい。また、化合物(A)が、酸価0.5〜30となるCOOH基を有することが好ましい。
【0048】
ここで、化合物(A)の水酸基価が低すぎると、放射線照射後の粘着力の低減効果が十分でなく、高すぎると、放射線照射後の粘着剤の流動性を損なう傾向がある。また酸価が低すぎると、テープ復元性の改善効果が十分でなく、高すぎると粘着剤の流動性を損なう傾向がある。
【0049】
次に、粘着層16bのもう1つの主成分である化合物(B)について説明する。化合物(B)は、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から少なくとも1種選ばれる化合物であり、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。この化合物(B)は架橋剤として働き、化合物(A)または基材フィルム16aと反応した結果できる架橋構造により、化合物(A)および(B)を主成分とした粘着剤の凝集力を、粘着剤塗布後に向上することができる。
【0050】
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。具体的には、市販品として、コロネートL等を用いることができる。
【0051】
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製)、メラン(日立化成工業株式会社製)等を用いることができる。さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(登録商標、三菱化学株式会社製)等を用いることができる。本実施形態においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
【0052】
化合物(B)の添加量としては、化合物(A)100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.4〜3重量部とすることがより好ましい。その量が0.1重量部未満では凝集力向上効果が十分でない傾向があり、10重量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行し、架橋構造が形成されるため、作業性が損なわれる傾向がある。
【0053】
また、本実施形態において、粘着層16bには、光重合開始剤(C)が含まれていることが好ましい。粘着層16bの含まれる光重合開始剤(C)に特に特に制限はなく、従来知られているものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾール二量体(ロフィン二量体)、アクリジン系化合物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
光重合開始剤(C)の添加量としては、化合物(A)100重量部に対して0.01〜5重量部とすることが好ましく、0.01〜4重量部とすることがより好ましい。
【0055】
さらに本実施形態において用いられる放射線硬化性の粘着層16bには必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤など、あるいはその他の改質剤および慣用成分を配合することができる。粘着剤層の厚さは特に制限されるものではないが、通常2〜50μmである。
【0056】
(第2実施形態)
この実施形態では、ダイシング工程において、図10に示すように、積層体R1のバックグラインドテープBT側にダイシングテープ16を貼り付ける。そして、図11に示すように、半導体ウエハ10の裏面S2が上方を向いた状態で、ダイシングブレードDBによって、裏面S2側から半導体ウエハ10をバックグラインドテープBTと共にダイシングする(いわゆる、フェイスダウンダイシング)。
【0057】
そして、図12に示すように、バックグラインドテープBTの粘着層BTbと絶縁性接着剤層13との境界を剥離させ、絶縁性接着剤層13が主面S1に形成された状態の半導体チップ124をピックアップする。その後、ピックアップした半導体チップ124を実装基板にフリップチップ実装する工程を経て、この半導体チップ124を含む半導体デバイスを得ることができる。なお、この実施形態において、前述の第1実施形態と同一又は同等の構成については、図面に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0058】
上記のようなダイシング工程によれば、半導体チップ124のピックアップの際に、バックグラインドテープBTとダイシングテープ16とを、半導体チップ124から同時に除去できるので、バックグラインドテープBTを剥離する工程を省略することができる。また、フェイスダウンダイシングが行われるので、ダイシングにより発生する切り屑によって、回路面S1が汚染されることを抑制することができる。
【0059】
(第3実施形態)
図13に示すように、まず、半導体ウエハ10と、バックグラインドテープF2とを準備する。バックグラインドテープF2は、後述の研削工程において半導体ウエハ10の破損を抑制及び安定した裏面研削を実現するバックグラインドテープとしての本来の機能を持つと共に、後述のチップ接着工程における絶縁性接着剤としての機能を併せ持っている。具体的には、バックグラインドテープF2は、弾性層31と粘着層33とが積層された2層構造をなしている。そして、弾性層31は、粘着層33よりも弾性率が高く粘着性が低い材料からなり、後述の研削工程において半導体ウエハ10の破損抑制等の機能を発揮させると共に、絶縁性接着剤として接着機能を発揮させる。一方、粘着層33は、このバックグラインドテープF2を半導体ウエハ10に固定させる機能と、絶縁性接着剤としての機能を合わせ持っている。
【0060】
続いて、図14に示すように、粘着層33側を回路面S1に向けた状態で、バックグラインドテープF2を半導体ウエハ10の回路面S1に貼り付ける(テープ設置工程)。このバックグラインドテープF2の半導体ウエハ10への貼付けは、例えばラミネートロールを用いて行うことができる。このとき、バックグラインドテープF2が所定の圧力で加圧されることで、突出電極10a同士の間を埋めるように粘着層33の絶縁性接着剤が充填され、回路面S1上には突出電極10aを埋め込むような粘着層33が形成される。そして、その粘着層33の上に、バックグラインドテープとしての機能を発揮させる弾性層31が形成される。
【0061】
続いて、図15に示すように、弾性層31に圧力を加えつつ、半導体ウエハ10を裏面S2側から裏面研削装置(バックグラインダ)12によって研削し、半導体ウエハ10の厚みを薄くする。具体的には、半導体ウエハ10の厚みが50μm〜550μm程度となるように、半導体ウエハ10の研削を行う(研削工程)。ここでは、半導体ウエハ10の回路面S1側のバックグラインドテープF2の存在によって均一に圧力を加えることができ、その結果、研削により半導体ウエハ10の裏面S2を平坦化できる。また、研削時における半導体ウエハ10の破損が抑制される。このようにして、薄化された半導体ウエハ10とその回路面S1に貼り付けられたバックグラインドテープF2とからなる積層体R2(図16)が製作される。
【0062】
続いて、図16に示すように、半導体ウエハ10の回路面S1側にバックグラインドテープF2が貼付けられたままの状態で、この積層体R2の裏面S2側及びダイシングフレーム14の下縁14aにダイシングテープ16を貼付ける。なお、図示はしていないが、半導体ウエハ10の回路面S1にはダイシングブレードDB(後述する)によるダイシング位置を位置決めするための位置決めパターンが形成されているので、バックグラインドテープF2は、上記位置決めパターンが視認できる程度の透過率(例えば、バックグラインドテープF2全体としての可視光透過率が20%以上)を有するものであると好ましい。
【0063】
続いて、図17に示すように、半導体ウエハ10の回路面S1が上方を向いた状態で、ダイシングブレードDBによって、半導体ウエハ10をバックグラインドテープF2と共に、バックグラインドテープF2側からダイシングし(いわゆる、フェイスアップダイシング)、複数の半導体チップ224とする(ダイシング工程)。このとき、半導体チップ224の大きさが0.5mm×0.5mm程度となるようにする。このようにして、バックグラインドテープF2と半導体チップ224とが積層されてなる積層チップC1が作製される。
【0064】
その後、この積層チップC1を、ダイシングテープ16から一つずつピックアップし、図18に示すように、バックグラインドテープF2側を実装基板41に向けて、当該実装基板41上にマウントする。ここでは、積層チップC1が実装基板41に向けて加熱圧着され、半導体チップ224の突出電極10aと実装基板41の電極部41aとが接続される(いわゆる、フリップチップ実装)。
【0065】
このとき、図19に示すように、バックグラインドテープF2の弾性層31及び粘着層33が押し潰されて回路面S1と実装基板41との間に充填される。また、弾性層31及び粘着層33は絶縁性接着剤として機能するので、この弾性層31及び粘着層33が加熱により硬化し、半導体チップ224が実装基板41に接着固定される(チップ接着工程)。その後、所定の工程等を経て、この半導体チップ224を含む半導体デバイスを得ることができる。なお、この実施形態において、前述の第1又は第2実施形態と同一又は同等の構成については、図面に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0066】
なお、前述のダイシング工程では、フェイスアップダイシングを採用しているが、図20に示すように、積層体R2のバックグラインドテープF2側をダイシングテープ16に貼り付けて、フェイスダウンダイシングを行ってもよい。
【0067】
上記の半導体チップ224の実装方法によれば、半導体ウエハ10の主面S1上にバックグラインドテープF2が設置され、研削工程においては、このバックグラインドテープF2が、バックグラインドテープとしての本来の機能を発揮し、安定した裏面S2の研削が行われる。また、チップ接着工程では、このバックグラインドテープF2が絶縁性接着剤として機能するので、チップ接着工程においては、バックグラインドテープF2の除去が不要であり、工程の簡略化を図ることができる。
【符号の説明】
【0068】
10…半導体ウエハ、10a…突出電極、13…絶縁性接着剤層、22…絶縁性接着剤層、31…弾性層、33…粘着層、41…実装基板、224…半導体チップ、BT…バックグラインドテープ、C1…積層チップ、F2…バックグラインドテープ、R1,R2…積層体、S1…主面、S2…裏面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突出電極が主面から突出して形成された半導体チップを実装基板上に実装する実装処理工程を含み、前記半導体チップを用いた半導体装置の製造方法であって、
前記実装処理工程は、
前記突出電極を埋め込むように、半導体ウエハの前記主面上にバックグラインドテープを設置するテープ設置工程と、
前記バックグラインドテープが設置された面の反対側に位置する前記半導体ウエハの裏面を研削し、前記半導体ウエハを薄化する研削工程と、
前記研削工程で得られた前記バックグラインドテープと前記半導体ウエハとの積層体をダイシングするダイシング工程と、
前記ダイシング工程で得られた前記バックグラインドテープと前記半導体チップとの積層チップを、前記バックグラインドテープ側を前記実装基板に向けた状態で前記実装基板にマウントし、前記バックグラインドテープによって前記半導体チップを前記実装基板に接着させるチップ接着工程と、
を備え、
前記バックグラインドテープが弾性層と粘着層とを有する、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記バックグラインドテープの前記弾性層と前記粘着層とが積層されている、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記バックグラインドテープの可視光透過率が20%以上である、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
突出電極が主面から突出して形成された半導体チップを実装基板上に実装する実装処理工程を含み、前記半導体チップを用いた半導体装置の製造方法であって、
前記実装処理工程は、
前記突出電極を埋め込むように、半導体ウエハの前記主面上にバックグラインドテープを設置するテープ設置工程と、
前記バックグラインドテープが設置された面の反対側に位置する前記半導体ウエハの裏面を研削し、前記半導体ウエハを薄化する研削工程と、
前記研削工程で得られた前記バックグラインドテープと前記半導体ウエハとの積層体をダイシングするダイシング工程と、
前記ダイシング工程で得られた前記バックグラインドテープと前記半導体チップとの積層チップを、前記バックグラインドテープ側を前記実装基板に向けた状態で前記実装基板にマウントし、前記バックグラインドテープによって前記半導体チップを前記実装基板に接着させるチップ接着工程と、
を備え、
前記バックグラインドテープが弾性層と粘着層とを有する、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記バックグラインドテープの前記弾性層と前記粘着層とが積層されている、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記バックグラインドテープの可視光透過率が20%以上である、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−48296(P2013−48296A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−255454(P2012−255454)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【分割の表示】特願2008−53772(P2008−53772)の分割
【原出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000004455)日立化成株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【分割の表示】特願2008−53772(P2008−53772)の分割
【原出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000004455)日立化成株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】
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