半導体装置
【課題】配線の引き回しが容易で、ワイヤショートの発生を低減された半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1及び第2電極パッド列13、14に各々近接して配置された第1及び第2接続パッド群21、22を有する絶縁基板11の開口部12から、第1電極パッド列13及び第2電極パッド列14が露出されるように半導体チップが搭載され、第1接続パッド群21は、第1電極パッド列13の電極パッドにワイヤaを介して接続された第1の接続パッド24と、第1の接続パッド24に接続されかつ第1電極パッド列13の電極パッドと接続されていない第2の接続パッド25とを有し、第2接続パッド群22は、第2電極パッド列14の電極パッドにワイヤbを介して接続された第3の接続パッド26と、第2の接続パッド25にワイヤBを介して接続されかつ第2電極パッド列22の電極パッドに接続されていない第4の接続パッド27とを有する。
【解決手段】半導体装置は、第1及び第2電極パッド列13、14に各々近接して配置された第1及び第2接続パッド群21、22を有する絶縁基板11の開口部12から、第1電極パッド列13及び第2電極パッド列14が露出されるように半導体チップが搭載され、第1接続パッド群21は、第1電極パッド列13の電極パッドにワイヤaを介して接続された第1の接続パッド24と、第1の接続パッド24に接続されかつ第1電極パッド列13の電極パッドと接続されていない第2の接続パッド25とを有し、第2接続パッド群22は、第2電極パッド列14の電極パッドにワイヤbを介して接続された第3の接続パッド26と、第2の接続パッド25にワイヤBを介して接続されかつ第2電極パッド列22の電極パッドに接続されていない第4の接続パッド27とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップが絶縁基板上に実装されてなる半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体チップの集積度が年々向上し、それに伴って配線の微細化や多層化などが進んでいる。一方、半導体パッケージ(半導体装置)の高密度実装化のためには、パッケージサイズの小型化が必要となっている。例えば、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)などの半導体パッケージは、絶縁基板上に半導体チップを実装し、この半導体チップと絶縁基板との間をワイヤーボンディング等で接続した構造を有している。
【0003】
特許文献1に開示されたBGA型の半導体装置は、中央領域に複数の電極パッドが2列で配置された半導体チップを、開口部を有する配線基板の一面に、開口部から電極パッドを露出するように半導体チップを搭載し、配線基板の開口部の両側端の近傍位置に配置した接続パッドと開口部から露出された電極パッドとをワイヤにて接続するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−198841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の半導体装置において、配線基板は、略中央領域に開口部が配置されると共に、絶縁基板の他面側のみに配線パターンを配置する構成のため、2列配置された電極パッドで、当該電極パッドに近い側端近傍の接続パッドにワイヤ接続する場合には、当該電極パッドから対岸(当該電極パッドが隣接する絶縁基板の開口部の側端と反対側の側端)への配線の引き回しが困難、あるいは遠回りの配線となってしまうという問題がある。
【0006】
また、当該電極パッドから対岸の接続パッドにワイヤを介して接続する場合には、他列の隣接する電極パッドを接続するワイヤとの間隔が狭くなり、封止時の樹脂の流動等によりワイヤが変位しワイヤショートしてしまう虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体装置は、一面と、該一面に対向する他面と、前記一面から前記他面に貫通する略矩形の開口部とを有する絶縁基板と、前記開口部の第1側端に沿って並んで配置する第1電極パッド列と第2電極パッド列とからなる電極パッド列を有し、前記開口部から露出するように前記絶縁基板の一面に搭載された半導体チップと、を備え、前記絶縁基板は、平面視して前記開口部に対して一側に配置すると共に前記電極パッド列のうち前記第1電極パッド列に近接して配置する第1接続パッド群を有する第1の絶縁基板部と、平面視して前記開口部を挟んで前記一側の反対側に配置すると共に前記第2電極パッド列に近接して配置する第2接続パッド群を有する第2の絶縁基板部とからなり、前記第1接続パッド群は、前記第1電極パッド列の電極パッドにワイヤを介して接続された第1の接続パッドと、少なくとも一の該第1の接続パッドに接続されかつ前記第1電極パッド列の電極パッドに接続されていない第2の接続パッドとを有し、前記第2接続パッド群は、前記第2電極パッド列の電極パッドにワイヤを介して接続された第3の接続パッドと、前記第2の接続パッドにワイヤを介して接続されかつ前記第2電極パッド列の電極パッドに接続されていない第4の接続パッドとを有し、前記絶縁基板の前記他面に、前記第4の接続パッドに配線により接続された外部接続端子を備えた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の半導体装置によれば、開口部を有し、絶縁基板の片面のみに配線を形成した配線基板においても配線の引き回しが容易になる。また、絶縁基板の片面のみに配線を設けることで、両面に配線を有する配線基板に比べて低コスト化できる。さらに、第1電極パッド列と第2電極パッド列を開口部に沿って2列で配置し、第1接続パッド群をそれに近接する第1電極パッド列にワイヤを介して接続し、第2接続パッド群をそれに近接する第2電極パッド列にワイヤを介して接続する構成とすることにより、対岸のワイヤボンディングをなくし、ワイヤショートの発生を低減することができる。さらにまた、第2の接続パッドを、第1の接続パッド同士の距離よりも第1の接続パッドから離間した距離で配置する構成とすることにより、ワイヤショートの発生を低減することができる。さらにまた、第1の絶縁基板部の第2の接続パッドと、第2の絶縁基板部の第4の接続パッドとを絶縁基板の開口部を跨いで接続とすることにより、開口部により完全に分離された配線基板においても配線の引き回しが可能となる。さらにまた、電源供給用の電極パッドに対応する電気的接続を、第1の絶縁基板部の第2の接続パッド、ワイヤ及び2の絶縁基板部の第4の接続パッドを介して電気的に接続するとすることにより、電源供給系の配線長を短く構成することができ、インダクタンスを低減できると共に、ESD(Electrostatic Discharge)耐性も向上できる。さらにまた、第1接続パッド群の第2の接続パッドの配置スペースを十分確保することが可能になり、パッド配置及び配線の引き回しが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の平面模式図である。
【図2】図1に示す半導体装置のA−A線方向の断面模式図である。
【図3】開口部を有するBGA型の半導体装置の製造に用いる配線母基板を示す(a)平面模式図と、(b)断面模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の工程を示す断面模式図である。
【図5】図4で示した工程の次の工程を示す断面模式図である。
【図6】図5で示した工程の次の工程を示す断面模式図である。
【図7】図6で示した工程の次の工程を示す断面模式図である。
【図8】図7で示した工程の次の工程を示す断面模式図である。
【図9】図4で示した工程の平面模式図である。
【図10】図6で示した工程の平面模式図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の主要部を拡大した平面模式図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の主要部を拡大した平面模式図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の主要部を拡大した平面模式図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の主要部を拡大した平面模式図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の工程を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態である、開口部を有するBGA型半導体装置の概略構成を示す底面図である。図2は、図1に示す半導体装置のA−A線方向の断面図である。なお、図1では、説明の便宜上、図2に示すソルダーレジスト18の図示を省略する。また、図2では、説明の便宜上、図1に示すA−A線に位置しない部分のワイヤB、及びワイヤbを図示する。
【0012】
図1及び図2を参照するに、本発明の半導体装置10は、一面11aと、一面に対向する他面11bと、一面から他面に貫通する略矩形の開口部12とを有する絶縁基板11と、開口部12の第1側端12aに沿って並んで配置する第1電極パッド列13と第2電極パッド列14とからなる電極パッド列15を有し、開口部12から露出するように絶縁基板11の面11aに搭載された半導体チップ16と、を有する。
【0013】
本発明を適用した実施形態である半導体装置は、略矩形で所定の配線が形成された配線基板17を用いる。
配線基板17は、絶縁基板11と配線層19とを有する。絶縁基板11は、例えば、0.2mm厚のガラスエポキシ基板である。配線基板17は、ガラスエポキシ基材(絶縁基板)の他面側にCu等の導電材料からなる所定の配線が形成され、部分的に絶縁膜、例えばソルダーレジスト18で覆われている。配線基板17の中央領域には開口部12が形成されており、配線基板17が2つに分割されている。
【0014】
絶縁基板11の他面11b側の、開口部12に沿った側端近傍には、ソルダーレジスト18から露出された複数の接続パッド(第1接続パッド群21、第2接続パッド群22)が配置されている。
より詳細には、第1接続パッド群21は、第1電極パッド列13の電極パッドにワイヤaを介して接続された第1の接続パッド24と、少なくとも一の該第1の接続パッド24に接続されかつ第1電極パッド列13の電極パッドに接続されていない第2の接続パッド25とを有する。また、第2接続パッド群22は、第2電極パッド列14の電極パッドにワイヤbを介して接続された第3の接続パッド26と、第2の接続パッド25にワイヤBを介して接続されかつ第2電極パッド列14の電極パッドに接続されていない第4の接続パッド27とを有する。
【0015】
第1接続パッド群21は、第1電極パッド列13に近接する開口部12の第1側端12aに沿って一列に配列し、第2接続パッド群22は、第2電極パッド列14に近接する、開口部12の第1側端12aに平行な反対側の第2側端12bに沿って一列に配列している。
【0016】
また、絶縁基板11の他面11bには、所定の間隔で、半田ボール29が配置される複数のランド(外部接続端子)28が格子状に配置されている。そして、接続パッド(第1の接続パッド、第2の接続パッド、第3の接続パッド、第4の接続パッド)とこれに対応するランド28とは、配線層19の配線によりそれぞれ電気的に接続されている。
【0017】
また、絶縁基板11の他面11bと反対側の面である一面11a側には、DAF(Die Attached Film)、或いはエラストマ等の接着部材を介して、半導体チップが搭載されている。半導体チップ16は、略矩形の板状で、一面に例えばメモリ回路と、複数の電極パッド(第1電極パッド列13、第2電極パッド列14)が形成されており、その一面側を配線基板17に向けて半導体チップ16が搭載されている。
本実施形態の半導体チップ16では、第1電極パッド列13と第2電極パッド列14が半導体チップの中央部位に2列で配置されており、それら電極パッド列(第1電極パッド列13、第2電極パッド列14)が配線基板17の開口部12内から露出するように、配線基板17に搭載されている。また、半導体チップ16の電極パッドを除く一面には図示しないパッシベーション膜が形成され、回路形成面を保護している。
【0018】
そして、半導体チップ16上に形成された電極パッド列は、第1電極パッド列13の電極パッドのそれぞれ対応する第1接続パッド群21の第1の接続パッド24、及び、第2電極パッド列14の電極パッドのそれぞれ対応する第2接続パッド群22の第3の接続パッド26と、配線基板の開口部を通じて導電性のワイヤにより結線されることで、電気的に接続されている。ワイヤとしては、例えばAu、Cu等が用いられる。
【0019】
そして、配線基板17の一面、開口部12及び他面の開口部12近傍には、封止体32が形成されており、封止体32により半導体チップ及びそれぞれの接続パッド及びワイヤを覆うように構成される。封止体32は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる。この封止体32により半導体チップ16及びワイヤ接続部位を外界から保護される。
【0020】
本実施形態の半導体装置では、図1及び図2に示すように、一部の電極パッド、例えば電源供給用の電極パッドに対応する配線基板17の接続パッド群は、当該電極パッドから近い(一方)側の開口部12の側端近傍に配置された第1の接続パッドと、該第1の接続パッドと配線基板の配線により電気的に接続された第2の接続パッドとからなる第1接続パッド群21と、当該電極パッドから遠い側(他方)の開口部の側端近傍に配置された第4の接続パッドとから構成されている。また、電源供給用の電極パッドと第1接続パッド群の第1の接続パッドとはワイヤにより電気的に接続され、第1接続パッド群の第2の接続パッドと第4の接続パッドとは、開口部12を跨いでワイヤにより電気的に接続されるように構成されている。
【0021】
このように、一面11aと、該一面に対向する他面11bと、その一面から他面に貫通する開口部12とを有する絶縁基板11と、開口部12から電極パッド13,14が露出されるように、絶縁基板の一面に搭載された半導体チップ16と、絶縁基板の他面の開口部12の一方の側端12a近傍に配置され、電極パッド13と電気的に接続された第1の接続パッド24と、その第1の接続パッド24と配線により接続された第2の接続パッド25とを有する第1接続パッド群21と、絶縁基板11の他面の開口部12の一方の側端近傍12aに配置され、絶縁基板の他面の開口部の他方の側端12b近傍に配置され、第1接続パッド群21の第2の接続パッド24とワイヤを介して接続された第2接続パッド群22の第4の接続パッド27と、絶縁基板11の他面11bに配置され、第4の接続パッド27に配線により接続された外部接続端子28とを備えた半導体装置を構成したことにより、開口部を有し、絶縁基板の片面のみに配線層を形成した配線基板においても配線の引き回しが容易になる。また絶縁基板の片面のみに配線層を設けることで、両面に配線層を有する配線基板に比べて、低コスト化できる。
【0022】
また、第1電極パッド列と第2電極パッド列を開口部に沿って2列で配置し、第1接続パッド群21をそれに近接する第1電極パッド列にワイヤを介して接続し、第2接続パッド群22をそれに近接する第2電極パッド列にワイヤを介して接続する構成とすることにより、対岸のワイヤボンディングをなくし、ワイヤショートの発生を低減することができる。
また、第2の接続パッドを、第1の接続パッド同士の距離よりも第1の接続パッドから離間した距離で配置する構成とすることにより、ワイヤショートの発生を低減することができる。さらにまた、第1の絶縁基板部の第2の接続パッドと、第2の絶縁基板部の第4の接続パッドとを絶縁基板の開口部を跨いで接続とすることにより、開口部により完全に分離された配線基板においても配線の引き回しが可能となる。
また、電源供給用の電極パッドに対応する電気的接続を、第1の絶縁基板部の第2の接続パッド、ワイヤ及び第2の絶縁基板部の第4の接続パッドを介して電気的に接続するとすることにより、電源供給系の配線長を短く構成することができ、インダクタンスを低減できると共に、ESD(Electrostatic Discharge)耐性も向上できる。
さらに、第1接続パッド群の第2の接続パッドの配置スペースを十分確保することが可能になり、パッド配置及び配線の引き回しが容易になる。
【0023】
次に、本発明の実施形態の半導体装置10の製造方法について説明する。
図3(a)及び(b)は、開口部を有するBGA型の半導体装置の製造に用いる配線母基板を示す図である。
【0024】
まず、本実施形態に用いられる配線母基板41は、MAP(Mold Array Process)方式で処理されるものであり、複数の製品形成部43がマトリクス状に配置されている。また、配線母基板41には、短辺方向に沿って複数の製品形成部に跨る開口部12が設けられており、開口部12によりそれぞれの製品形成部は2つに分割されている。尚、それぞれの製品形成部43は、切断分離した後で、前述した半導体装置10の配線基板17となる部位で、配線基板17と同様の構成であり説明は省略する。
【0025】
また、マトリックス状に配置された製品形成部の周囲には枠部45が設けられている。そして枠部には所定の間隔で位置決め孔46が設けられ、搬送・位置決めが可能に構成されている。また、製品形成部間はダイシングライン47となる。図3に示すような配線母基板41が準備される。
【0026】
図4〜図8は、本発明の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。図9は、図4で示した工程の平面模式図である。図10は、図6で示した工程の平面模式図である。図4〜図10において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付す。
まず、図4及び図9に示すように、配線母基板41のそれぞれの製品形成部43に、それぞれ半導体チップの一面を、DAF、例えば絶縁基材の両面に接着層を有するテープ部材、或いはエラストマ等の弾性部材(接着部材31)を介して、半導体チップ16の一面を配線基板側に向けて接着固定される。このとき、半導体チップ16の一面に形成された複数の電極パッドは、配線基板17の開口部12から露出するように配置される。半導体チップ16は略矩形の板状で一面に所定の回路と複数の電極パッドが形成されている。電極パッドは半導体チップ16の一面の略中央領域に例えば、2列で配置されている。
【0027】
次に、図5に示すように、半導体チップ16の第1電極パッド列13及び第2電極パッド列電極パッド14を構成する電極パッドと、開口部12に沿って形成され、第1接続パッド群21及び第2接続パッド群22を導電性のワイヤa,b,Bにより結線する。ワイヤは例えばAu等からなり、図示しないワイヤボンディング装置により、溶融され先端にボールが形成されたワイヤを半導体チップ16の電極パッド上に超音波熱圧着することで接続し、その後、所定のループ形状を描き、ワイヤの後端を対応する接続パッド上に超音波熱圧着することで形成される。
【0028】
本実施形態においては、絶縁基板11は、平面視して開口部12に対して一側に配置すると共に電極パッド列のうち第1電極パッド列13に近接して配置する第1接続パッド群21を有する第1の絶縁基板部と、平面視して開口部12を挟んで前記一側の反対側に配置すると共に前記第2電極パッド列14に近接して配置する第2接続パッド群22を有する第2の絶縁基板部とからなる。第1接続パッド群21は、第1電極パッド列13の電極パッドにワイヤaを介して接続された第1の接続パッド24と、少なくとも一の該第1の接続パッドに接続されかつ第1電極パッド列13の電極パッドに接続されていない第2の接続パッド25とを有し、第2接続パッド群22は、第2電極パッド列14の電極パッドにワイヤbを介して接続された第3の接続パッド26と、第2の接続パッドにワイヤBを介して接続されかつ第2電極パッド列14の電極パッドに接続されていない第4の接続パッド27とを有する。第1接続パッド群21は、第1電極パッド列13に近接する開口部12の第1側端12aに沿って一列に配列し、第2接続パッド群22は、第2電極パッド列14に近接する、開口部12の第1側端12aに平行な反対側の第2側端12bに沿って一列に配列している
すべての製品形成部において、ワイヤボンディングが完了した配線母基板41は封止工程に移行される。
【0029】
次に、図6及び図10に示すように、配線母基板41の製品形成部43と開口部12を一体的に覆う絶縁性の樹脂からなる封止体32が形成される。封止体32は、例えば図示しないトランスファモールド装置の上型と下型からなる成型金型で、配線母基板41を型閉めする。そして、図示しないゲートから上型と下型によって形成されたキャビティ内に熱硬化性のエポキシ樹脂を圧入させる。そしてキャビティ内に樹脂が充填された後、熱硬化することで、配線母基板41の一面と開口部を一体的に覆う封止部が形成される。本実施形態では配線母基板41の短辺方向に沿って、複数の製品形成部に跨るように開口部12を形成している為、長辺側に配置されるゲートから開口部12及び配線基板の他面側へ良好に樹脂を充填することができる。
【0030】
尚、本実施形態では電極パッド列13、14は開口部12に沿って2列で配置され、接続パッドは当該接続される電極パッドに隣接した開口部の側端に配置することで、対岸のワイヤボンディングをなくし、封止工程での樹脂の流動に起因したワイヤショートの発生を低減できる。また、第1接続パッド群21の第1の接続パッドと第2の接続パッドとを離間した位置に配置し、基板配線により電気的に接続することで、さらにワイヤショートの発生を低減することができる。
【0031】
封止工程が完了した配線母基板41はボールマウント工程に移行される。
次に、図7に示すように、配線母基板41のそれぞれの製品形成部の他面に格子状に配置された複数のランド28上に、導電性のボールである半田ボール29を配置する。ボールマウント工程では、配線母基板41上のランド28の配置に合わせて複数の吸着孔が形成されたボールマウントツールを用いて、例えば半田ボール29を前記吸着孔に保持し、保持された半田ボールにフラックスを転写形成し、配線母基板41のランド28に一括搭載する。ボール搭載後、所定温度でリフローすることで半田ボールが配線基板に固着される。そしてすべての製品形成部のランドに半田ボール29の搭載が完了した配線母基板41は基板ダイシング工程に移行される。
【0032】
次に、図8に示すように、配線母基板41をダイシングラインで切断し、製品形成部毎に切断分離する。基板ダイシングは、配線母基板41の封止体32をダイシングテープ48に接着し、ダイシングテープ48によって配線母基板41を支持する。配線母基板41をダイシングブレードにより縦横にダイシングラインを切断して配線母基板41を個片化する。個片化完了後、ダイシングテープ48からピックアップすることで、図1及び図2に示すような半導体装置10が得られる。
【0033】
このような構成により、開口部12を有し、絶縁基板11の片面のみに配線層を形成した配線基板においても配線の引き回しが容易になり、絶縁基板11の片面のみに配線層を設けた1層基板でも良好に半導体装置を製造することができる。さらに1層基板を用いることが可能になる為、半導体装置10の低コスト化が図れる。
【0034】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の配線引き回し構造を示す平面図である。図11において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施の形態の半導体装置は、一部の電極パッド、例えば電源供給用の電極パッドに対応する配線基板の第1接続パッド群21を、当該電極パッドから近い側(一方)の開口部12の側端近傍に配置すると共に、第1接続パッド群21の第1の接続パッド24と第2の接続パッド25とシート状の配線パターン(ベタ配線パターン)で一体的に形成されている(符号51は一体に形成された接続パッド)。
上記構成とされた第2の実施の形態の半導体装置においても、第1の実施の形態の半導体装置10と同様な効果が得られると共に、さらに第1接続パッド群21の第1の接続パッド24と第2の接続パッド25とをベタ配線パターンで一体的に構成したことで、ワイヤ長を短く配置させることができ、ワイヤ流れの発生を低減できる。
【0035】
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の配線引き回し構造を示す平面図である。図12において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
第3の実施の形態の半導体装置は、第2の実施の形態の半導体装置と同様に一部の電極パッド、例えば電源供給用の電極パッドに対応する配線基板の第1接続パッド群21を、当該電極パッドから近い側(一方)の開口部12の側端近傍に配置すると共に、第1接続パッド群21の第1の接続パッド24と第2の接続パッド25とをシート状の配線パターン(ベタ配線パターン)で一体的に形成されている(符号52は一体に形成された接続パッドである。)。そして第1接続パッド群21の第1の接続パッド24が複数箇所に一体に配置され、それぞれ複数の電源供給用の電極パッドを複数本のワイヤにより結線し、電気的に接続するように構成されている。
【0036】
上記構成とされた第3の実施の形態の半導体装置においても、第1の実施の形態の半導体装置10と同様な効果が得られると共に、さらに第1接続パッド群21の第1の接続パッドと第2の接続パッドとをベタ配線パターンで一体的に構成し、さらに第1接続パッド群21の複数の第1の接続パッド24と複数の電源供給用の電極パッドとをそれぞれ複数本のワイヤにより結線するように構成したことで、対岸へのワイヤボンディングした場合と比べて、インダクタンスを低減できる。
【0037】
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の配線引き回し構造を示す平面図である。図13において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
第4の実施の形態の半導体装置は、一部の電極パッド、例えば電源供給用の電極パッドに対応する配線基板の第1接続パッド群21を、当該電極パッドから近い側(一方)の開口部12の側端近傍に配置している。
また、第4の実施の形態の半導体装置は、ワイヤCを介して、第1電極パッド列13の電極パッドと電気的に接続された第2の接続パッド25を有する。つまり、図13に示す第2の接続パッド25は、先に説明した第1の接続パッド24の機能を有する。
なお、本実施の形態の場合、第2の接続パッドと、第2の接続パッドに近接する第1の接続パッドとが一体に形成された接続パッドが、図13に示す第2の接続パッド25である。
【0038】
第4の実施の形態の半導体装置においても、第1の実施の形態の半導体装置10と同様な効果が得られる。また、第1の接続パッド24の機能を有した第2の接続パッド25を設けることで、接続パッドの密集する領域にも容易に配置することが可能となる。尚、第1の接続パッド24と第2の接続パッド25と、ワイヤCが接続されるため、他の接続パッドと比べて幅広或いは縦長に構成することが望ましい。
【0039】
(第5の実施形態)
図14は、本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の配線引き回し構造を示す平面図である。図14において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
第5の実施の形態の半導体装置は、一部の電極パッド、例えば電源供給用の電極パッドに対応する配線基板の第1接続パッド群21を、当該電極パッドから近い側(一方)の開口部12の側端近傍に配置すると共に、第1接続パッド群21の第1の接続パッド24と第2の接続パッド25とが離間して配置されている。
【0040】
第5の実施の形態の半導体装置においても、実施形態1と同様な効果が得られると共に、さらに第1接続パッド群21の第1の接続パッド24と離間した第2の接続パッド25とをワイヤDにより電気的に接続するように構成したことで、基板上の配線の引き回しが困難な接続パッドの密集する領域にも第1接続パッド群21の第2の接続パッド25を配置することが可能となる。
【0041】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、第1〜第5の実施の形態では、ガラスエポキシ基材からなる配線基板17を用いた場合について説明したが、ポリイミド基材からなるフレキシブル配線基板に適用しても良い。
【0042】
また、上述した第1〜第5の実施の形態では、開口部12により完全に2つに分離された配線基板17を用いた場合について説明したが、中央領域に開口部が配置された配線基板を用いても良い。
【0043】
また、第1〜第5の実施の形態では、配線基板17に一つの半導体チップを搭載した半導体装置について説明したが、図15に示すように配線基板に複数の半導体チップ16を搭載した半導体装置に適用しても良い。
【0044】
また、第1〜第5の実施の形態では、絶縁基板の他面側にのみ配線層を有する1層基板を用いた場合について説明したが、2層基板等の多層配線基板に適用しても良い。
【0045】
また、第1〜第5の実施の形態では、BGA型の半導体装置に適用した場合について説明したが、LGA(Land Grid Array)型の半導体装置にも適用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、開口部を有する絶縁基板上に半導体チップが実装されてなる半導体装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10…半導体装置、11…絶縁基板、11a…一面、11b…他面、12…開口部、12a…第1側端、12b…第2側端、13…第1電極パッド列、14…第2電極パッド列、15…電極パッド列、16…半導体チップ、17…配線基板、18…ソルダーレジスト、19…配線層、21…第1接続パッド群、22…第2接続パッド群、24…第1の接続パッド、25…第2の接続パッド、26…第3の接続パッド、27…第4の接続パッド、28…ランド28…半田ボール、31…接着部材、32…封止体、47…ダイシングライン、48…ダイシングテープ、51、52…接続パッド、a,b,B、C、D…ワイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップが絶縁基板上に実装されてなる半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体チップの集積度が年々向上し、それに伴って配線の微細化や多層化などが進んでいる。一方、半導体パッケージ(半導体装置)の高密度実装化のためには、パッケージサイズの小型化が必要となっている。例えば、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)などの半導体パッケージは、絶縁基板上に半導体チップを実装し、この半導体チップと絶縁基板との間をワイヤーボンディング等で接続した構造を有している。
【0003】
特許文献1に開示されたBGA型の半導体装置は、中央領域に複数の電極パッドが2列で配置された半導体チップを、開口部を有する配線基板の一面に、開口部から電極パッドを露出するように半導体チップを搭載し、配線基板の開口部の両側端の近傍位置に配置した接続パッドと開口部から露出された電極パッドとをワイヤにて接続するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−198841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の半導体装置において、配線基板は、略中央領域に開口部が配置されると共に、絶縁基板の他面側のみに配線パターンを配置する構成のため、2列配置された電極パッドで、当該電極パッドに近い側端近傍の接続パッドにワイヤ接続する場合には、当該電極パッドから対岸(当該電極パッドが隣接する絶縁基板の開口部の側端と反対側の側端)への配線の引き回しが困難、あるいは遠回りの配線となってしまうという問題がある。
【0006】
また、当該電極パッドから対岸の接続パッドにワイヤを介して接続する場合には、他列の隣接する電極パッドを接続するワイヤとの間隔が狭くなり、封止時の樹脂の流動等によりワイヤが変位しワイヤショートしてしまう虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体装置は、一面と、該一面に対向する他面と、前記一面から前記他面に貫通する略矩形の開口部とを有する絶縁基板と、前記開口部の第1側端に沿って並んで配置する第1電極パッド列と第2電極パッド列とからなる電極パッド列を有し、前記開口部から露出するように前記絶縁基板の一面に搭載された半導体チップと、を備え、前記絶縁基板は、平面視して前記開口部に対して一側に配置すると共に前記電極パッド列のうち前記第1電極パッド列に近接して配置する第1接続パッド群を有する第1の絶縁基板部と、平面視して前記開口部を挟んで前記一側の反対側に配置すると共に前記第2電極パッド列に近接して配置する第2接続パッド群を有する第2の絶縁基板部とからなり、前記第1接続パッド群は、前記第1電極パッド列の電極パッドにワイヤを介して接続された第1の接続パッドと、少なくとも一の該第1の接続パッドに接続されかつ前記第1電極パッド列の電極パッドに接続されていない第2の接続パッドとを有し、前記第2接続パッド群は、前記第2電極パッド列の電極パッドにワイヤを介して接続された第3の接続パッドと、前記第2の接続パッドにワイヤを介して接続されかつ前記第2電極パッド列の電極パッドに接続されていない第4の接続パッドとを有し、前記絶縁基板の前記他面に、前記第4の接続パッドに配線により接続された外部接続端子を備えた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の半導体装置によれば、開口部を有し、絶縁基板の片面のみに配線を形成した配線基板においても配線の引き回しが容易になる。また、絶縁基板の片面のみに配線を設けることで、両面に配線を有する配線基板に比べて低コスト化できる。さらに、第1電極パッド列と第2電極パッド列を開口部に沿って2列で配置し、第1接続パッド群をそれに近接する第1電極パッド列にワイヤを介して接続し、第2接続パッド群をそれに近接する第2電極パッド列にワイヤを介して接続する構成とすることにより、対岸のワイヤボンディングをなくし、ワイヤショートの発生を低減することができる。さらにまた、第2の接続パッドを、第1の接続パッド同士の距離よりも第1の接続パッドから離間した距離で配置する構成とすることにより、ワイヤショートの発生を低減することができる。さらにまた、第1の絶縁基板部の第2の接続パッドと、第2の絶縁基板部の第4の接続パッドとを絶縁基板の開口部を跨いで接続とすることにより、開口部により完全に分離された配線基板においても配線の引き回しが可能となる。さらにまた、電源供給用の電極パッドに対応する電気的接続を、第1の絶縁基板部の第2の接続パッド、ワイヤ及び2の絶縁基板部の第4の接続パッドを介して電気的に接続するとすることにより、電源供給系の配線長を短く構成することができ、インダクタンスを低減できると共に、ESD(Electrostatic Discharge)耐性も向上できる。さらにまた、第1接続パッド群の第2の接続パッドの配置スペースを十分確保することが可能になり、パッド配置及び配線の引き回しが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の平面模式図である。
【図2】図1に示す半導体装置のA−A線方向の断面模式図である。
【図3】開口部を有するBGA型の半導体装置の製造に用いる配線母基板を示す(a)平面模式図と、(b)断面模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の工程を示す断面模式図である。
【図5】図4で示した工程の次の工程を示す断面模式図である。
【図6】図5で示した工程の次の工程を示す断面模式図である。
【図7】図6で示した工程の次の工程を示す断面模式図である。
【図8】図7で示した工程の次の工程を示す断面模式図である。
【図9】図4で示した工程の平面模式図である。
【図10】図6で示した工程の平面模式図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の主要部を拡大した平面模式図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の主要部を拡大した平面模式図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の主要部を拡大した平面模式図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の主要部を拡大した平面模式図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の製造方法の第1の工程を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態である、開口部を有するBGA型半導体装置の概略構成を示す底面図である。図2は、図1に示す半導体装置のA−A線方向の断面図である。なお、図1では、説明の便宜上、図2に示すソルダーレジスト18の図示を省略する。また、図2では、説明の便宜上、図1に示すA−A線に位置しない部分のワイヤB、及びワイヤbを図示する。
【0012】
図1及び図2を参照するに、本発明の半導体装置10は、一面11aと、一面に対向する他面11bと、一面から他面に貫通する略矩形の開口部12とを有する絶縁基板11と、開口部12の第1側端12aに沿って並んで配置する第1電極パッド列13と第2電極パッド列14とからなる電極パッド列15を有し、開口部12から露出するように絶縁基板11の面11aに搭載された半導体チップ16と、を有する。
【0013】
本発明を適用した実施形態である半導体装置は、略矩形で所定の配線が形成された配線基板17を用いる。
配線基板17は、絶縁基板11と配線層19とを有する。絶縁基板11は、例えば、0.2mm厚のガラスエポキシ基板である。配線基板17は、ガラスエポキシ基材(絶縁基板)の他面側にCu等の導電材料からなる所定の配線が形成され、部分的に絶縁膜、例えばソルダーレジスト18で覆われている。配線基板17の中央領域には開口部12が形成されており、配線基板17が2つに分割されている。
【0014】
絶縁基板11の他面11b側の、開口部12に沿った側端近傍には、ソルダーレジスト18から露出された複数の接続パッド(第1接続パッド群21、第2接続パッド群22)が配置されている。
より詳細には、第1接続パッド群21は、第1電極パッド列13の電極パッドにワイヤaを介して接続された第1の接続パッド24と、少なくとも一の該第1の接続パッド24に接続されかつ第1電極パッド列13の電極パッドに接続されていない第2の接続パッド25とを有する。また、第2接続パッド群22は、第2電極パッド列14の電極パッドにワイヤbを介して接続された第3の接続パッド26と、第2の接続パッド25にワイヤBを介して接続されかつ第2電極パッド列14の電極パッドに接続されていない第4の接続パッド27とを有する。
【0015】
第1接続パッド群21は、第1電極パッド列13に近接する開口部12の第1側端12aに沿って一列に配列し、第2接続パッド群22は、第2電極パッド列14に近接する、開口部12の第1側端12aに平行な反対側の第2側端12bに沿って一列に配列している。
【0016】
また、絶縁基板11の他面11bには、所定の間隔で、半田ボール29が配置される複数のランド(外部接続端子)28が格子状に配置されている。そして、接続パッド(第1の接続パッド、第2の接続パッド、第3の接続パッド、第4の接続パッド)とこれに対応するランド28とは、配線層19の配線によりそれぞれ電気的に接続されている。
【0017】
また、絶縁基板11の他面11bと反対側の面である一面11a側には、DAF(Die Attached Film)、或いはエラストマ等の接着部材を介して、半導体チップが搭載されている。半導体チップ16は、略矩形の板状で、一面に例えばメモリ回路と、複数の電極パッド(第1電極パッド列13、第2電極パッド列14)が形成されており、その一面側を配線基板17に向けて半導体チップ16が搭載されている。
本実施形態の半導体チップ16では、第1電極パッド列13と第2電極パッド列14が半導体チップの中央部位に2列で配置されており、それら電極パッド列(第1電極パッド列13、第2電極パッド列14)が配線基板17の開口部12内から露出するように、配線基板17に搭載されている。また、半導体チップ16の電極パッドを除く一面には図示しないパッシベーション膜が形成され、回路形成面を保護している。
【0018】
そして、半導体チップ16上に形成された電極パッド列は、第1電極パッド列13の電極パッドのそれぞれ対応する第1接続パッド群21の第1の接続パッド24、及び、第2電極パッド列14の電極パッドのそれぞれ対応する第2接続パッド群22の第3の接続パッド26と、配線基板の開口部を通じて導電性のワイヤにより結線されることで、電気的に接続されている。ワイヤとしては、例えばAu、Cu等が用いられる。
【0019】
そして、配線基板17の一面、開口部12及び他面の開口部12近傍には、封止体32が形成されており、封止体32により半導体チップ及びそれぞれの接続パッド及びワイヤを覆うように構成される。封止体32は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる。この封止体32により半導体チップ16及びワイヤ接続部位を外界から保護される。
【0020】
本実施形態の半導体装置では、図1及び図2に示すように、一部の電極パッド、例えば電源供給用の電極パッドに対応する配線基板17の接続パッド群は、当該電極パッドから近い(一方)側の開口部12の側端近傍に配置された第1の接続パッドと、該第1の接続パッドと配線基板の配線により電気的に接続された第2の接続パッドとからなる第1接続パッド群21と、当該電極パッドから遠い側(他方)の開口部の側端近傍に配置された第4の接続パッドとから構成されている。また、電源供給用の電極パッドと第1接続パッド群の第1の接続パッドとはワイヤにより電気的に接続され、第1接続パッド群の第2の接続パッドと第4の接続パッドとは、開口部12を跨いでワイヤにより電気的に接続されるように構成されている。
【0021】
このように、一面11aと、該一面に対向する他面11bと、その一面から他面に貫通する開口部12とを有する絶縁基板11と、開口部12から電極パッド13,14が露出されるように、絶縁基板の一面に搭載された半導体チップ16と、絶縁基板の他面の開口部12の一方の側端12a近傍に配置され、電極パッド13と電気的に接続された第1の接続パッド24と、その第1の接続パッド24と配線により接続された第2の接続パッド25とを有する第1接続パッド群21と、絶縁基板11の他面の開口部12の一方の側端近傍12aに配置され、絶縁基板の他面の開口部の他方の側端12b近傍に配置され、第1接続パッド群21の第2の接続パッド24とワイヤを介して接続された第2接続パッド群22の第4の接続パッド27と、絶縁基板11の他面11bに配置され、第4の接続パッド27に配線により接続された外部接続端子28とを備えた半導体装置を構成したことにより、開口部を有し、絶縁基板の片面のみに配線層を形成した配線基板においても配線の引き回しが容易になる。また絶縁基板の片面のみに配線層を設けることで、両面に配線層を有する配線基板に比べて、低コスト化できる。
【0022】
また、第1電極パッド列と第2電極パッド列を開口部に沿って2列で配置し、第1接続パッド群21をそれに近接する第1電極パッド列にワイヤを介して接続し、第2接続パッド群22をそれに近接する第2電極パッド列にワイヤを介して接続する構成とすることにより、対岸のワイヤボンディングをなくし、ワイヤショートの発生を低減することができる。
また、第2の接続パッドを、第1の接続パッド同士の距離よりも第1の接続パッドから離間した距離で配置する構成とすることにより、ワイヤショートの発生を低減することができる。さらにまた、第1の絶縁基板部の第2の接続パッドと、第2の絶縁基板部の第4の接続パッドとを絶縁基板の開口部を跨いで接続とすることにより、開口部により完全に分離された配線基板においても配線の引き回しが可能となる。
また、電源供給用の電極パッドに対応する電気的接続を、第1の絶縁基板部の第2の接続パッド、ワイヤ及び第2の絶縁基板部の第4の接続パッドを介して電気的に接続するとすることにより、電源供給系の配線長を短く構成することができ、インダクタンスを低減できると共に、ESD(Electrostatic Discharge)耐性も向上できる。
さらに、第1接続パッド群の第2の接続パッドの配置スペースを十分確保することが可能になり、パッド配置及び配線の引き回しが容易になる。
【0023】
次に、本発明の実施形態の半導体装置10の製造方法について説明する。
図3(a)及び(b)は、開口部を有するBGA型の半導体装置の製造に用いる配線母基板を示す図である。
【0024】
まず、本実施形態に用いられる配線母基板41は、MAP(Mold Array Process)方式で処理されるものであり、複数の製品形成部43がマトリクス状に配置されている。また、配線母基板41には、短辺方向に沿って複数の製品形成部に跨る開口部12が設けられており、開口部12によりそれぞれの製品形成部は2つに分割されている。尚、それぞれの製品形成部43は、切断分離した後で、前述した半導体装置10の配線基板17となる部位で、配線基板17と同様の構成であり説明は省略する。
【0025】
また、マトリックス状に配置された製品形成部の周囲には枠部45が設けられている。そして枠部には所定の間隔で位置決め孔46が設けられ、搬送・位置決めが可能に構成されている。また、製品形成部間はダイシングライン47となる。図3に示すような配線母基板41が準備される。
【0026】
図4〜図8は、本発明の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。図9は、図4で示した工程の平面模式図である。図10は、図6で示した工程の平面模式図である。図4〜図10において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付す。
まず、図4及び図9に示すように、配線母基板41のそれぞれの製品形成部43に、それぞれ半導体チップの一面を、DAF、例えば絶縁基材の両面に接着層を有するテープ部材、或いはエラストマ等の弾性部材(接着部材31)を介して、半導体チップ16の一面を配線基板側に向けて接着固定される。このとき、半導体チップ16の一面に形成された複数の電極パッドは、配線基板17の開口部12から露出するように配置される。半導体チップ16は略矩形の板状で一面に所定の回路と複数の電極パッドが形成されている。電極パッドは半導体チップ16の一面の略中央領域に例えば、2列で配置されている。
【0027】
次に、図5に示すように、半導体チップ16の第1電極パッド列13及び第2電極パッド列電極パッド14を構成する電極パッドと、開口部12に沿って形成され、第1接続パッド群21及び第2接続パッド群22を導電性のワイヤa,b,Bにより結線する。ワイヤは例えばAu等からなり、図示しないワイヤボンディング装置により、溶融され先端にボールが形成されたワイヤを半導体チップ16の電極パッド上に超音波熱圧着することで接続し、その後、所定のループ形状を描き、ワイヤの後端を対応する接続パッド上に超音波熱圧着することで形成される。
【0028】
本実施形態においては、絶縁基板11は、平面視して開口部12に対して一側に配置すると共に電極パッド列のうち第1電極パッド列13に近接して配置する第1接続パッド群21を有する第1の絶縁基板部と、平面視して開口部12を挟んで前記一側の反対側に配置すると共に前記第2電極パッド列14に近接して配置する第2接続パッド群22を有する第2の絶縁基板部とからなる。第1接続パッド群21は、第1電極パッド列13の電極パッドにワイヤaを介して接続された第1の接続パッド24と、少なくとも一の該第1の接続パッドに接続されかつ第1電極パッド列13の電極パッドに接続されていない第2の接続パッド25とを有し、第2接続パッド群22は、第2電極パッド列14の電極パッドにワイヤbを介して接続された第3の接続パッド26と、第2の接続パッドにワイヤBを介して接続されかつ第2電極パッド列14の電極パッドに接続されていない第4の接続パッド27とを有する。第1接続パッド群21は、第1電極パッド列13に近接する開口部12の第1側端12aに沿って一列に配列し、第2接続パッド群22は、第2電極パッド列14に近接する、開口部12の第1側端12aに平行な反対側の第2側端12bに沿って一列に配列している
すべての製品形成部において、ワイヤボンディングが完了した配線母基板41は封止工程に移行される。
【0029】
次に、図6及び図10に示すように、配線母基板41の製品形成部43と開口部12を一体的に覆う絶縁性の樹脂からなる封止体32が形成される。封止体32は、例えば図示しないトランスファモールド装置の上型と下型からなる成型金型で、配線母基板41を型閉めする。そして、図示しないゲートから上型と下型によって形成されたキャビティ内に熱硬化性のエポキシ樹脂を圧入させる。そしてキャビティ内に樹脂が充填された後、熱硬化することで、配線母基板41の一面と開口部を一体的に覆う封止部が形成される。本実施形態では配線母基板41の短辺方向に沿って、複数の製品形成部に跨るように開口部12を形成している為、長辺側に配置されるゲートから開口部12及び配線基板の他面側へ良好に樹脂を充填することができる。
【0030】
尚、本実施形態では電極パッド列13、14は開口部12に沿って2列で配置され、接続パッドは当該接続される電極パッドに隣接した開口部の側端に配置することで、対岸のワイヤボンディングをなくし、封止工程での樹脂の流動に起因したワイヤショートの発生を低減できる。また、第1接続パッド群21の第1の接続パッドと第2の接続パッドとを離間した位置に配置し、基板配線により電気的に接続することで、さらにワイヤショートの発生を低減することができる。
【0031】
封止工程が完了した配線母基板41はボールマウント工程に移行される。
次に、図7に示すように、配線母基板41のそれぞれの製品形成部の他面に格子状に配置された複数のランド28上に、導電性のボールである半田ボール29を配置する。ボールマウント工程では、配線母基板41上のランド28の配置に合わせて複数の吸着孔が形成されたボールマウントツールを用いて、例えば半田ボール29を前記吸着孔に保持し、保持された半田ボールにフラックスを転写形成し、配線母基板41のランド28に一括搭載する。ボール搭載後、所定温度でリフローすることで半田ボールが配線基板に固着される。そしてすべての製品形成部のランドに半田ボール29の搭載が完了した配線母基板41は基板ダイシング工程に移行される。
【0032】
次に、図8に示すように、配線母基板41をダイシングラインで切断し、製品形成部毎に切断分離する。基板ダイシングは、配線母基板41の封止体32をダイシングテープ48に接着し、ダイシングテープ48によって配線母基板41を支持する。配線母基板41をダイシングブレードにより縦横にダイシングラインを切断して配線母基板41を個片化する。個片化完了後、ダイシングテープ48からピックアップすることで、図1及び図2に示すような半導体装置10が得られる。
【0033】
このような構成により、開口部12を有し、絶縁基板11の片面のみに配線層を形成した配線基板においても配線の引き回しが容易になり、絶縁基板11の片面のみに配線層を設けた1層基板でも良好に半導体装置を製造することができる。さらに1層基板を用いることが可能になる為、半導体装置10の低コスト化が図れる。
【0034】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の配線引き回し構造を示す平面図である。図11において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施の形態の半導体装置は、一部の電極パッド、例えば電源供給用の電極パッドに対応する配線基板の第1接続パッド群21を、当該電極パッドから近い側(一方)の開口部12の側端近傍に配置すると共に、第1接続パッド群21の第1の接続パッド24と第2の接続パッド25とシート状の配線パターン(ベタ配線パターン)で一体的に形成されている(符号51は一体に形成された接続パッド)。
上記構成とされた第2の実施の形態の半導体装置においても、第1の実施の形態の半導体装置10と同様な効果が得られると共に、さらに第1接続パッド群21の第1の接続パッド24と第2の接続パッド25とをベタ配線パターンで一体的に構成したことで、ワイヤ長を短く配置させることができ、ワイヤ流れの発生を低減できる。
【0035】
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の配線引き回し構造を示す平面図である。図12において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
第3の実施の形態の半導体装置は、第2の実施の形態の半導体装置と同様に一部の電極パッド、例えば電源供給用の電極パッドに対応する配線基板の第1接続パッド群21を、当該電極パッドから近い側(一方)の開口部12の側端近傍に配置すると共に、第1接続パッド群21の第1の接続パッド24と第2の接続パッド25とをシート状の配線パターン(ベタ配線パターン)で一体的に形成されている(符号52は一体に形成された接続パッドである。)。そして第1接続パッド群21の第1の接続パッド24が複数箇所に一体に配置され、それぞれ複数の電源供給用の電極パッドを複数本のワイヤにより結線し、電気的に接続するように構成されている。
【0036】
上記構成とされた第3の実施の形態の半導体装置においても、第1の実施の形態の半導体装置10と同様な効果が得られると共に、さらに第1接続パッド群21の第1の接続パッドと第2の接続パッドとをベタ配線パターンで一体的に構成し、さらに第1接続パッド群21の複数の第1の接続パッド24と複数の電源供給用の電極パッドとをそれぞれ複数本のワイヤにより結線するように構成したことで、対岸へのワイヤボンディングした場合と比べて、インダクタンスを低減できる。
【0037】
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の配線引き回し構造を示す平面図である。図13において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
第4の実施の形態の半導体装置は、一部の電極パッド、例えば電源供給用の電極パッドに対応する配線基板の第1接続パッド群21を、当該電極パッドから近い側(一方)の開口部12の側端近傍に配置している。
また、第4の実施の形態の半導体装置は、ワイヤCを介して、第1電極パッド列13の電極パッドと電気的に接続された第2の接続パッド25を有する。つまり、図13に示す第2の接続パッド25は、先に説明した第1の接続パッド24の機能を有する。
なお、本実施の形態の場合、第2の接続パッドと、第2の接続パッドに近接する第1の接続パッドとが一体に形成された接続パッドが、図13に示す第2の接続パッド25である。
【0038】
第4の実施の形態の半導体装置においても、第1の実施の形態の半導体装置10と同様な効果が得られる。また、第1の接続パッド24の機能を有した第2の接続パッド25を設けることで、接続パッドの密集する領域にも容易に配置することが可能となる。尚、第1の接続パッド24と第2の接続パッド25と、ワイヤCが接続されるため、他の接続パッドと比べて幅広或いは縦長に構成することが望ましい。
【0039】
(第5の実施形態)
図14は、本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の配線引き回し構造を示す平面図である。図14において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
第5の実施の形態の半導体装置は、一部の電極パッド、例えば電源供給用の電極パッドに対応する配線基板の第1接続パッド群21を、当該電極パッドから近い側(一方)の開口部12の側端近傍に配置すると共に、第1接続パッド群21の第1の接続パッド24と第2の接続パッド25とが離間して配置されている。
【0040】
第5の実施の形態の半導体装置においても、実施形態1と同様な効果が得られると共に、さらに第1接続パッド群21の第1の接続パッド24と離間した第2の接続パッド25とをワイヤDにより電気的に接続するように構成したことで、基板上の配線の引き回しが困難な接続パッドの密集する領域にも第1接続パッド群21の第2の接続パッド25を配置することが可能となる。
【0041】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、第1〜第5の実施の形態では、ガラスエポキシ基材からなる配線基板17を用いた場合について説明したが、ポリイミド基材からなるフレキシブル配線基板に適用しても良い。
【0042】
また、上述した第1〜第5の実施の形態では、開口部12により完全に2つに分離された配線基板17を用いた場合について説明したが、中央領域に開口部が配置された配線基板を用いても良い。
【0043】
また、第1〜第5の実施の形態では、配線基板17に一つの半導体チップを搭載した半導体装置について説明したが、図15に示すように配線基板に複数の半導体チップ16を搭載した半導体装置に適用しても良い。
【0044】
また、第1〜第5の実施の形態では、絶縁基板の他面側にのみ配線層を有する1層基板を用いた場合について説明したが、2層基板等の多層配線基板に適用しても良い。
【0045】
また、第1〜第5の実施の形態では、BGA型の半導体装置に適用した場合について説明したが、LGA(Land Grid Array)型の半導体装置にも適用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、開口部を有する絶縁基板上に半導体チップが実装されてなる半導体装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10…半導体装置、11…絶縁基板、11a…一面、11b…他面、12…開口部、12a…第1側端、12b…第2側端、13…第1電極パッド列、14…第2電極パッド列、15…電極パッド列、16…半導体チップ、17…配線基板、18…ソルダーレジスト、19…配線層、21…第1接続パッド群、22…第2接続パッド群、24…第1の接続パッド、25…第2の接続パッド、26…第3の接続パッド、27…第4の接続パッド、28…ランド28…半田ボール、31…接着部材、32…封止体、47…ダイシングライン、48…ダイシングテープ、51、52…接続パッド、a,b,B、C、D…ワイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面と、該一面に対向する他面と、前記一面から前記他面に貫通する略矩形の開口部とを有する絶縁基板と、
前記開口部の第1側端に沿って並んで配置する第1電極パッド列と第2電極パッド列とからなる電極パッド列を有し、前記開口部から露出するように前記絶縁基板の一面に搭載された半導体チップと、を備え、
前記絶縁基板は、平面視して前記開口部に対して一側に配置すると共に前記電極パッド列のうち前記第1電極パッド列に近接して配置する第1接続パッド群を有する第1の絶縁基板部と、平面視して前記開口部を挟んで前記一側の反対側に配置すると共に前記第2電極パッド列に近接して配置する第2接続パッド群を有する第2の絶縁基板部とからなり、
前記第1接続パッド群は、前記第1電極パッド列の電極パッドにワイヤを介して接続された第1の接続パッドと、少なくとも一の該第1の接続パッドに接続されかつ前記第1電極パッド列の電極パッドに接続されていない第2の接続パッドとを有し、
前記第2接続パッド群は、前記第2電極パッド列の電極パッドにワイヤを介して接続された第3の接続パッドと、前記第2の接続パッドにワイヤを介して接続されかつ前記第2電極パッド列の電極パッドに接続されていない第4の接続パッドとを有し、
前記絶縁基板の前記他面に、前記第4の接続パッドに配線により接続された外部接続端子を備えた、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1接続パッド群は、前記第1電極パッド列に近接する前記開口部の前記第1側端に沿って一列に配列し、
前記第2接続パッド群は、前記第2電極パッド列に近接する、前記開口部の前記第1側端に平行な反対側の第2側端に沿って一列に配列している、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の接続パッドが、前記第1の接続パッド同士の距離よりも前記第1の接続パッドから離間した距離で配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記電極パッド列は、電源供給用の電極パッドを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2の接続パッドと、該第2の接続パッドに近接する一又は複数の前記第1の接続パッドとが一体に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記一体に形成されたパッドに、複数の電極パッドからワイヤが接続されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の絶縁基板部と前記第2の絶縁基板とは前記開口部を介して分離されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項1】
一面と、該一面に対向する他面と、前記一面から前記他面に貫通する略矩形の開口部とを有する絶縁基板と、
前記開口部の第1側端に沿って並んで配置する第1電極パッド列と第2電極パッド列とからなる電極パッド列を有し、前記開口部から露出するように前記絶縁基板の一面に搭載された半導体チップと、を備え、
前記絶縁基板は、平面視して前記開口部に対して一側に配置すると共に前記電極パッド列のうち前記第1電極パッド列に近接して配置する第1接続パッド群を有する第1の絶縁基板部と、平面視して前記開口部を挟んで前記一側の反対側に配置すると共に前記第2電極パッド列に近接して配置する第2接続パッド群を有する第2の絶縁基板部とからなり、
前記第1接続パッド群は、前記第1電極パッド列の電極パッドにワイヤを介して接続された第1の接続パッドと、少なくとも一の該第1の接続パッドに接続されかつ前記第1電極パッド列の電極パッドに接続されていない第2の接続パッドとを有し、
前記第2接続パッド群は、前記第2電極パッド列の電極パッドにワイヤを介して接続された第3の接続パッドと、前記第2の接続パッドにワイヤを介して接続されかつ前記第2電極パッド列の電極パッドに接続されていない第4の接続パッドとを有し、
前記絶縁基板の前記他面に、前記第4の接続パッドに配線により接続された外部接続端子を備えた、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1接続パッド群は、前記第1電極パッド列に近接する前記開口部の前記第1側端に沿って一列に配列し、
前記第2接続パッド群は、前記第2電極パッド列に近接する、前記開口部の前記第1側端に平行な反対側の第2側端に沿って一列に配列している、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の接続パッドが、前記第1の接続パッド同士の距離よりも前記第1の接続パッドから離間した距離で配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記電極パッド列は、電源供給用の電極パッドを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2の接続パッドと、該第2の接続パッドに近接する一又は複数の前記第1の接続パッドとが一体に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記一体に形成されたパッドに、複数の電極パッドからワイヤが接続されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の絶縁基板部と前記第2の絶縁基板とは前記開口部を介して分離されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−155203(P2011−155203A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16928(P2010−16928)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
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