説明

半導体集積回路、情報記録装置、及び、情報記録媒体

【課題】プレイリストをダビングする際に、プレイリスト中に存在する複数のプレイアイテムの参照するクリップが同一である場合、プレイリスト再生のためには不必要な容量をダビングしてしまう。
【解決手段】1つのクリップを前記複数のプレイアイテムが参照する場合、記録媒体の内部の管理ファイルにおいて前記1つのクリップを分割し、分割されたそれぞれのクリップが前記複数のプレイアイテムのそれぞれに対応するように関連付けを行う制御部105を備える情報記録装置を用いて記録を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクの記録再生装置に関し、特にプレイリスト再生の効率化を高める記録再生技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
HDD(ハードディスク)やBD(ブルーレイディスク)等の記録媒体に映像や音楽を記録する際、図3のように録画されているクリップの他に、クリップを再生するための管理情報(プレイリスト)を記録している。クリップとは、例えば放送映像における1番組に1つのクリップが対応する。
【0003】
ここでプレイリストは、クリップ自体を加工することなくリストを作成する(非破壊編集) ヴァーチャルプレイリストと、クリップ自体を加工しつつリストを作成する(破壊編集)とに区分される。例えば、映像や音楽をオリジナルのメディアから別のメディアへのコピー(ダビング)については、この2種類のリストのいずれにおいても実現可能である。かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヴァーチャルプレイリストをダビングする場合、図3のように、プレイリスト中に存在する複数のプレイアイテムの参照するそれぞれのクリップが同一のクリップである場合、そのクリップ内でプレイアイテム1とプレイアイテム2に挟まれる領域a3も、領域a1と領域a2に加えてダビング対象となってしまう。
【0005】
本来、この領域a3は、プレイリスト再生を行う際には不必要な領域であり、このように必要な領域以上のデータ領域a4分ダビングされることは、容量の無駄を生じさせている。この容量の無駄に起因して、ユーザーが本来ダビングを行いたい容量の映像・音声データを、ダビングすることができなくなってしまうという問題点がある。
【0006】
そこで本発明は、このような事情を鑑みて創作された発明であり、プレイリスト再生に必要な領域のみを記録することにより、記録効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係る半導体集積回路は以下のような構成を有する。まず、本発明に係る半導体集積回路は、映像又は音声情報を記録し、さらに映像又は音声情報のうちの任意の情報を、プレイリストとして記録する情報記録装置に用いる回路である。さらにそのプレイリストは、複数のプレイアイテムから構成されている。さらにその半導体集積回路は、1つのクリップを複数のプレイアイテムが参照する場合、記録媒体の内部の管理ファイルにおいて1つのクリップを分割し、分割されたそれぞれのクリップが複数のプレイアイテムのそれぞれに対応するように関連付けを行う制御部を備えることを特徴とする。
【0008】
さらに他の発明に係る半導体集積回路は、1つのクリップには、プレイアイテムから参照されていない領域が存在し、制御部が、前記参照されていない領域を他のクリップと対応するように関連づけを行うことを特徴とする。
【0009】
さらに他の発明に係る情報記録装置は、ユーザーからの指示を受けるユーザーインターフェース制御部を備えており、制御部が、ユーザーインターフェース制御部からの指示に従い、管理ファイルを更新することにより、前記プレイリストを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プレイリストのサイズ以上の容量をダビングしないようにしつつ、プレイリストの生成を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、記録再生装置の構成図、及び、記録媒体に記録されるクリップとプレイリストの関係図を用いて説明を行う。
【0012】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における記録再生装置の構成図である。
【0013】
図1に示すように記録再生装置101は、UI制御部102と、CPU103とメモリ104からなる制御部105と、入力部107と、エンコーダ部108と、ドライブ制御部110と、ストリーム制御部111と、デコーダ部112と出力部113から構成される。
【0014】
映像音声信号源106はチューナーやAV再生機器とする。記録媒体118は記録再生装置101に挿入して使用するメディア109、または、記録再生装置101に内蔵された状態で使用するHDD117とする。スピーカー114とディスプレイ115は、プラズマテレビや液晶テレビなどの映像表示装置とする。
【0015】
図1に示すように、記録再生装置101の制御部105は、CPU(Central Processing Unit)103とメモリ104から構成される。メモリ104は記録再生装置101の制御のために必要なプログラムやデータが保存されたROM(Read Only Memory)とCPU103がワーク領域として利用するRAM(Random Access Memory)から構成される。
【0016】
ドライブ制御部110は、メディア109またはHDD117に対して読み出し・書込み動作を実現する。ドライブ制御部は、前述動作に必要なピックアップ制御や機械制御部などから構成される。
【0017】
制御部105はBDAV記録方式に従った記録・再生制御を、エンコーダ部108とストリーム制御部111とドライブ制御部110を制御し、メディア109またはHDD117に対して実行する。
【0018】
UI制御部102はユーザーによる操作を可能にする。キーボードやリモートコントロールによる手段がある。制御部105は前述したユーザーの操作に従い、記録再生装置101の動作を制御する。
【0019】
映像音声信号源106は、アンテナから受信した放送信号やAV再生機器の映像音声出力信号を示す。
【0020】
入力部107は、映像音声信号源106をA/Dコンバータにより、デジタルデータに変換し、得られたデジタルデータをエンコーダ部108に出力する。
【0021】
エンコーダ部108は制御部105の命令に従い、前述したデジタルデータのエンコード処理を行う。
【0022】
ここで、エンコード処理とは、デジタルデータを符号化し、MPEG方式に準拠したプログラム・ストリーム形式のAVデータを生成する処理である。記録時には、ストリーム制御部111はエンコーダ部108のAVデータをドライブ制御部110からメディア109またはHDD117へ書き込み、そしてエンコードされたAVデータの管理情報を制御部105の指示によりメディア109またはHDD117へ書き込むことで記録が完了する。
【0023】
また、再生時にはメディア109またはHDD117より管理情報とAVデータを読み取り、デコーダ部112で管理情報に従ったAVデータをデジタルデータへ復号し、出力部113はそのデジタルデータをD/A変換しアナログデータをスピーカー114とディスプレイ115へ出力する。
【0024】
また、編集時にはユーザーの編集操作をUI制御部102で受け、制御部105においてBDAV記録方式による編集制御をストリーム制御部111とドライブ制御部110に対して行い、メディア109またはHDD117のAVデータの管理情報へ編集内容を反映する。
【0025】
また、記録再生装置101のうち、CPU103、エンコーダ部108、ストリーム制御部111、及び、デコーダ部112を1つのシステムLSI116にて構成することで、より記録再生装置の面積を小さくすることができる。
【0026】
ここで、上記のシステム構成において、本発明に係るプレイリストとクリップの関係について、図2を用いて説明を行う。
【0027】
本実施の形態に係る記録媒体118には、メディア109やHDD117のような種類が挙げられるが、いずれの媒体を用いても、図2のようにプレイリスト管理ファイルとクリップが記録されている。
【0028】
ここで、プレイリスト管理ファイルとは、プレイリストとクリップとの関連性が記録されているファイルのことである。このプレイリスト管理ファイルを、プレイリストが生成される際に更新すべきか否かについては、ユーザーインターフェース制御部102からの指示に従い、制御部105が制御信号をドライブ制御部110に対して送ることにより判断を行う。
【0029】
そして、図2のように、複数のプレイアイテム(プレイアイテム1、プレイアイテム2)で、同一のクリップを参照する場合には、プレイアイテム1にも、プレイアイテム2にも参照されていない領域a3が存在する場合がある。このa3のような領域の存在の判断については、制御部105が、ドライブ制御部110、ストリーム制御部111を介して、メディア109又はHDD117のような記録媒体118内のクリップを参照することにより判断を行う。
【0030】
上記のような領域が存在すると判断した場合、制御部105は、記録媒体の内部の管理ファイルにおいて対象のクリップを分割し、分割されたそれぞれのクリップが複数のプレイアイテムのそれぞれに対応するように関連付けを行うように制御を行う。
【0031】
次に制御部105は、関連付けられた対応関係を、ドライブ制御部110、ストリーム制御部111を介して、プレイリスト管理ファイルへ記録する。
【0032】
ここで、制御部105は、プレイリスト管理ファイルの記録内容を変更するのみであり、実際のクリップを変更するわけではない。
【0033】
このような制御により、ダビングを行う際には、プレイリスト再生には不必要な領域a3をダビングしないこととなり、容量の無駄使いを抑えることができる。
【0034】
なお、図2を用いた説明においては、2つのプレイアイテムに挟まれた領域がクリップ内に存在する場合について述べられているものの、プレイアイテムの数は3つ以上存在し、挟まれた領域が複数存在していても、本発明の動作は同様に実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、プレイリストの編集や再生を行うような映像・音声の記録再生装置において特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る情報記録装置の構成図
【図2】本発明におけるプレイリストとクリップの関係図
【図3】背景技術におけるプレイリストとクリップの関係図
【符号の説明】
【0037】
101 記録再生装置
102 UI制御部
103 CPU
104 メモリ
105 制御部
106 映像音声信号源
107 入力部
108 エンコーダ部
109 メディア
110 ドライブ制御部
111 ストリーム制御部
112 デコーダ部
113 出力部
114 スピーカー
115 ディスプレイ
116 システムLSI
117 HDD
118 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像又は音声情報を記録し、さらに前記映像又は音声情報のうちの任意の情報をプレイリストとして記録する情報記録装置に用いる半導体集積回路であって、
前記プレイリストは複数のプレイアイテムから構成されており、
1つのクリップを前記複数のプレイアイテムが参照する場合、記録媒体の内部の管理ファイルにおいて前記1つのクリップを分割し、分割されたそれぞれのクリップが前記複数のプレイアイテムのそれぞれに対応するように関連付けを行う制御部を備える
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
前記1つのクリップには、前記複数のプレイアイテムから参照されていない領域が存在し、
前記制御部は、前記参照されていない領域を他のクリップと対応するように関連づけを行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体集積回路と、前記記録媒体とから構成される情報記録装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれかに記載の半導体集積回路と、ユーザーからの指示を受けるユーザーインターフェース制御部と、前記記録媒体から構成される情報記録装置であって、
前記制御部は、前記ユーザーインターフェース制御部からの指示に従い、前記管理ファイルを更新することにより、前記プレイリストを生成する
ことを特徴とする情報記録装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の半導体集積回路の前記制御部により、対応を関連づけられた前記クリップと、前記管理ファイルとを備えることを特徴とする情報記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−259307(P2009−259307A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104448(P2008−104448)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】