説明

半導体集積回路の検査装置

【課題】コネクタの接続を容易に行いながら、ロードボード側コネクタに位置ずれが発生しても、ロードボードと検査装置の電気的な接続を維持することを目的とする。
【解決手段】検査装置側のコネクタ3に、検査装置側のコネクタ3との間に隙間を設けた規制治具8と、ロードボード側コネクタの位置にあわせ、検査装置側コネクタ3の位置を誘導するガイド斜面31を備えることにより、隙間の分だけコネクタ3が稼動可能な状態で検査装置1に検査装置側のコネクタ3を固定できるため、コネクタ3の接続を容易に行いながら、ロードボード側コネクタに位置ずれが発生しても、ロードボードと検査装置1の電気的な接続を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体集積回路の製造工程における良否検査等に用いる半導体集積回路の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、測定デバイス用の周辺回路を形成して半導体集積回路等の測定デバイスを搭載するロードボードと、測定デバイスを測定する検査装置の間はポゴピンにより電気的に接続されている。しかし、昨今の検査装置におけるピン数の増加に伴い、ポゴピンによる接続では、検査装置とロードボードの接触不良や、コストの増大を引き起こす場合が発生している。そのため、ポゴピンによる接続ではなく、コネクタにより電気的接続を行う検査装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
以下、図12,図13を用いて従来の半導体集積回路の検査装置について説明する。
【0003】
図12は従来の半導体集積回路の検査装置を示す概略図、図13は従来のコネクタと測定ボードをケーブルで接続した半導体集積回路の検査装置を示す概略図である。
図12,図13において、ロードボード5に取り付けられたコネクタ4と、検査装置1に設置されたコネクタ3とが嵌合されることで、ロードボード5と検査装置1は電気的に接合される。ロードボード5に取り付けられたコネクタ4は、ロードボード5に固定され、また、検査装置1に設置されたコネクタ3は、検査装置1に固定された図示されない基板、または、検査装置1内に挿入され測定デバイスに対して電流・電圧を印加・測定を行う測定ボード2に固定されている。
【特許文献1】特開2005−321238号公報
【特許文献2】特開2002−71751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今の半導体集積回路の多ピン化に伴い、検査装置に用いられるコネクタは多数に及ぶ。また、半導体集積回路の複雑化によって、ロードボードも大きくなっている。したがって、図12の構成であるとロードボード5に取り付けられた複数のコネクタ4または検査装置1に設置された複数のコネクタ3のうち、1つでも位置が規定の場所から少しでもずれるとコネクタ同士の嵌合がうまくいかず、結果ロードボード5と検査装置の電気的接合に失敗する。すなわち、検査装置1とロードボード5の電気的接合には、コネクタの高精度な位置あわせ、すなわちコネクタの位置精度が要求となる。コネクタの位置精度は、コネクタの数が増えれば増えるほど高度さが要求される。さらに、ロードボードが大きくなることで、年月を経るにつれ発生するロードボードの反りも大きくなる傾向があり、反りの影響によるコネクタの位置のずれも大きくなる。図13に示すとおり検査装置1に設置されたコネクタ3を検査装置1に固定された図示しない基板または測定ボード2に直接固定するのではなく、コネクタ3と測定ボード2の接続をケーブル6で接続するなどの手段でフローティング状態にすればコネクタの位置精度は不要となる。しかし、メンテナンスや組立て時等に多数の検査装置1のコネクタ3を設置する際、たわんだケーブル6による圧力などの意図しない外力により、フローティング状態であるコネクタ3が意図せず規定場所より動くことがあり、検査装置1のコネクタ3の設置が困難となるという問題点があった。
【0005】
本発明の半導体集積回路の検査装置は、コネクタの接続を容易に行いながら、ロードボード側コネクタに位置ずれが発生しても、ロードボードと検査装置の電気的な接続を維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1記載の半導体集積回路の検査装置は、半導体集積回路を搭載するロードボードと電気的に接続して前記半導体集積回路の検査を行う半導体集積回路の検査装置であって、前記ロードボードに設けられた1または複数のロードボード用コネクタそれぞれに対応して電気的に接続する1つまたは複数のコネクタと、前記各コネクタとの間に隙間を設けて前記各コネクタの位置を前記隙間の分だけ可動な状態で位置決めする1つまたは複数の規制治具とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の半導体集積回路の検査装置は、請求項1記載の半導体集積回路の検査装置において、前記ロードボードの接合時に前記ロードボード用コネクタに前記コネクタ接合面に誘導するガイド機構を有し、前記ガイド機構によって、前記ロードボードコネクタの水平または垂直位置を規制できる最大量以下の隙間を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の半導体集積回路の検査装置は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置において、前記規制治具は、前記コネクタとの隙間の距離を調整する機構を有することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の半導体集積回路の検査装置は、請求項1または請求項2または請求項3のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置において、前記規制治具は、その一端にて前記検査装置に取り付けられ、前記一端を中心に回転することにより規制状態と非規制状態を切り替える機能を有することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の半導体集積回路の検査装置は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置において、前記各コネクタに対して2個以上の前記規制治具を設け、前記各コネクタに対する前記規制治具の一端の取り付け位置が対角線上に位置することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の半導体集積回路の検査装置は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置において、前記コネクタは窪みを有し、前記規制治具は前記窪みより小さい凸型部分を有することを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の半導体集積回路の検査装置は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置において、前記規制治具は、隙間を設けて前記コネクタの少なくとも一部を囲むことを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の半導体集積回路の検査装置は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置において、前記隙間部分に弾性材を有することを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の半導体集積回路の検査装置は、半導体集積回路を搭載するロードボードと電気的に接続して前記半導体集積回路の検査を行う半導体集積回路の検査装置であって、磁性体を備え、前記ロードボードに設けられた1つまたは複数のロードボード用コネクタそれぞれに対応して電気的に接続する1または複数のコネクタと、磁気を帯び、前記コネクタの位置決めを行うように前記各コネクタの前記磁性体と対応する位置に設けられる1つまたは複数の規制治具とを有することを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の半導体集積回路の検査装置は、請求項9記載の半導体集積回路の検査装置において、前記磁性体の磁気を電流により調整することにより規制状態と非規制状態前を切り替えることを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の半導体集積回路の検査装置は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10記載の半導体集積回路の検査装置において、前記規制治具はそれぞれ異なる位置に凸部分を有し、前記コネクタは対応する前記規制治具が位置決めする位置にある場合のみ前記凸部分と嵌合する窪みを有することを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の半導体集積回路の検査装置は、請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10または請求項11のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置において、前記ロードボードとの接続位置を固定する機能を有することを特徴とする。
【0018】
以上により、コネクタの接続を容易に行いながら、ロードボード側コネクタに位置ずれが発生しても、ロードボードと検査装置の電気的な接続を維持することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、検査装置側のコネクタに、検査装置側のコネクタとの間に隙間を設けた規制治具と、半導体集積回路の検査装置に設けられたコネクタを誘導するガイド機構を備えることにより、隙間の分だけコネクタが稼動可能な状態で検査装置に検査装置側のコネクタを固定できるため、コネクタの接続を容易に行いながら、ロードボード側コネクタに位置ずれが発生しても、ロードボードと検査装置の電気的な接続を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態における半導体集積回路の検査装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、図1から図11に対して、対応する部分に同じ符号を付し、重複説明を省略する。
【0021】
まず、本発明の第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。
図1(a)は第1の実施の形態における検査装置の概略図、図1(b)は第1の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図である。
【0022】
図1において、1は半導体集積回路の製造工程における良否検査、あるいは機能・性能評価を目的とした半導体集積回路の検査装置、5は半導体集積回路等の測定対象デバイスを搭載するロードボード、4はロードボード5に取り付けられたロードボード側コネクタ、3は検査装置1に設置されロードボード側コネクタと接続される検査装置側コネクタ、7は検査装置側コネクタの可動方向に隙間を有し、検査装置側コネクタ毎に検査装置1に取り付けられたコネクタの位置を規制する規制治具、2は測定ボード、6はケーブル、31は図示しないロードボード側コネクタを検査装置側コネクタ3の接合面に誘導し、規制治具7における規制できる最大値以下の隙間を設けるガイド斜面である。
【0023】
検査装置側コネクタ3は、検査装置1に設置され、また測定ボード2とケーブル6を介して接続されており、フローティング状態である。コネクタの位置を規制する規制治具7は、検査装置側コネクタ3と隙間を介して検査装置に固定されている。この構成によれば、検査装置側コネクタ3は、フローティング状態であり、かつコネクタの位置を規制する規制治具7との隙間分以上の移動は制限されるため、ロードボード側コネクタに位置ずれが発生しても、ガイド斜面31に沿って検査装置側コネクタが動くことでロードボードと検査装置は電気的に接合することが可能である。すなわち、ロードボード側コネクタに高度な位置精度は不要である。また、コネクタの位置を規制する規制治具により検査装置側コネクタの隙間分以上の移動は制限され、検査装置へのコネクタ設置時、意図しない外力によりコネクタの位置を規制する規制治具のある場所以上に移動することがなくなる。
コネクタの位置を規制する規制治具は、常に検査装置に固定されている必要はなく、検査装置から取り外すことのできる構成を有してもよい。また、ロードボード側コネクタを可動とし、ロードボード側コネクタにコネクタの位置を規制する規制治具を有してもよい。
【0024】
また、図1の構成によれば、ロードボード5が複数枚、検査装置1に設置された際に、各ロードボード間の位置を個別に調整することが可能となる。測定対象の半導体集積回路の搬送装置を検査装置1およびロードボード5にドッキングする際、ロードボード間の位置精度が要求されるが、ロードボード間の位置を個別に調整できることで、ロードボード間の高い位置精度が不要となる。
【0025】
次に、本発明の第1―2の実施の形態を図2〜図5に基づいて説明する。
図2は第1―2の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図、図3は第1−2の実施の形態における複数のコネクタを対角線上で固定する検査装置を示す上面図、図4は第1―2の実施の形態における複数のコネクタを対角線上で固定する検査装置を示す側面図、図5は第1―2の実施の形態における凸部分を備える規制治具により位置決めする検査装置を示す側面図である。
【0026】
図2は、図1の検査装置側コネクタ3及びコネクタの位置を規制する規制治具7を拡大した図であり、図2において、8はコネクタの位置を規制する規制治具、9はコネクタの位置を規制する規制治具8を検査装置1に固定するねじ、10は図示しないロードボード側コネクタと電気的に接合するピンである。コネクタの位置を規制する規制治具8は、検査装置1にねじ9で固定され、ねじ9を中心に回転することができ、検査装置側コネクタ3の一面を覆う状態と、覆わない状態を回転により切り替えることが可能である。コネクタの位置を規制する規制治具8が検査装置側コネクタ3の一面を覆っている状態では、検査装置側コネクタ3はフローティング状態であり、かつコネクタの位置を規制する規制治具8との隙間分以上の移動は制限される。コネクタの位置を規制する規制治具8が検査装置側コネクタ3を覆わない状態の時には検査装置側コネクタ3の規制治具は制限されておらず、どのような方向・距離にも位置を変更することが可能であり、検査装置側コネクタ3を検査装置1から取り外したり、検査装置側コネクタ3を検査装置1に取り付けたりすることができる。すなわち、コネクタの位置を規制する規制治具8を回転させることで、検査装置側コネクタ3の規制治具を制限された状態と、規制治具を制限されていない状態を簡単に切り替えることが可能となる。このように、検査装置に取り付けられた一端を中心に回転することで、検査装置側コネクタの一面との間に隙間を有した状態となり、単純な構成でかつ簡単な操作で、検査装置側コネクタの規制治具を制限することが可能となる。
【0027】
図3において、11及び12は、コネクタの位置を規制する規制治具8と検査装置1を固定するねじであり、図2に示した例に対して規制治具が2つある構成である。検査装置側コネクタ3は、2つのコネクタの位置を規制する規制治具8で固定されている。2つのコネクタの位置を規制する規制治具8は、それぞれ検査装置1にねじ11及びねじ12で固定される。また、ねじ11とねじ12は、対角線上に位置する。単一の規制治具を使用し、検査装置側コネクタに、検査装置に接続されていない一端の方向に外力が加わった場合、その外力はコネクタの位置を規制する規制治具のみに加わるため、大きな外力が加わり、コネクタの位置を規制する規制治具の変形や、コネクタの位置を規制する規制治具を取り付けた場所以上にコネクタが移動する可能性があるが、このように、2個以上の規制治具それぞれの検査装置に取り付けられる部分が対角線上にあることにより、複数のコネクタの位置を規制する規制治具のねじ等により検査装置に取り付けられる部分が対角線上であれば、どのような方向の意図しない外力に対しても、検査装置に対する固定箇所でコネクタが動くことを妨げることができる。また、検査装置に対する固定箇所によりコネクタにかかる意図しない外力を抑えることができるので、強度の低いコネクタの位置を規制する規制治具を使用することも可能となる。
【0028】
また、図4は図2を横から見た図であり、27はコネクタの位置を規制する規制治具8を検査装置1に固定するねじ9と検査装置側コネクタ3との隙間、28はコネクタの位置を規制する規制治具8と検査装置側コネクタ3との隙間である。ねじ9とコネクタの位置を規制する規制治具8は一体であり、ねじを上下させることでコネクタの位置を規制する規制治具8の位置を上下させ、隙間28を変化させることができる。すなわち検査装置側コネクタ3の上の可動範囲を変化させることが可能となる。また、ねじ9を検査装置1に固定する左右位置を変化させることで、隙間27を変化させることができ、検査装置側コネクタ3の左の可動範囲を変化させることが可能となる。
【0029】
図5は複数の検査装置側コネクタの規制治具を制限した場合を示した図である。30はコネクタの位置を規制する規制治具8に取り付けられた凸部分、29は検査装置側コネクタ3に加工された窪みである。コネクタの位置を規制する規制治具8に取り付けられたと凸部分30は、2個のコネクタの位置を規制する規制治具8それぞれで位置が異なり、検査装置側コネクタ3に加工された窪み29は、対応するコネクタの位置を規制する規制治具8の凸部分30と同位置にある。すなわち、コネクタの位置を規制する規制治具8により検査装置側コネクタ3を制限した場合、凸部分30と窪み29が嵌合する。凸部分30の位置と異なる位置に窪み29がある検査装置側コネクタ3の規制治具を制限しようとしても、凸部分30と窪み29が嵌合しない。このため、異なるコネクタの位置を規制する規制治具8に検査装置側コネクタを誤配置するのを防止することができる。すなわち、誤った位置に検査装置側コネクタを配置した際、コネクタの位置を規制する規制治具により制限しようとしても、コネクタの窪みとコネクタの位置を規制する規制治具の突起が合わず、コネクタをロックすることができない。
【0030】
ここでは、2個の規制治具を用いた場合について説明したが、複数の規制治具それぞれに異なる位置の窪みと凸部分を設けることにより、複数のコネクタの誤配置を防ぐことができる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態を図6に基づいて説明する。
図6は第2の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図である。
図6において、13は検査装置側コネクタ3に作られた窪み、14は窪み13に挿入できるよう作成された凸型のコネクタの位置を規制する規制治具、16はコネクタの位置を規制する規制治具14に加工された切込み、15は検査装置1に取り付けられ、コネクタの位置を規制する規制治具14の切込み16に差し込まれ、規制治具14を図6に示す矢印方向に動かして、規制治具14によるコンタクト3の規制状態および非規制状態を制御すための規制治具の台である。
【0032】
コネクタの位置を規制する規制治具14は図6に示された矢印の左方向に動かすことで、検査装置側コネクタ3の窪み13に挿入され、検査装置側コネクタ3はフローティング状態であり、かつコネクタの位置を規制する規制治具14の凸部分と検査装置側コネクタ3の窪み13との隙間分以上の移動は制限される状態となる。
【0033】
このように、規制治具に切込みを設け、切込みが規制治具の台に沿って移動可能な構成にすることにより、規制治具によるコネクタの規制を制御でき、ロードボード側コネクタに位置ずれが発生しても、検査装置側コネクタが動くことでロードボードと検査装置を電気的に接合することが可能である。すなわち、ロードボード側コネクタに高度な位置精度は不要である。また、コネクタの位置を規制する規制治具により検査装置側コネクタの隙間分以上の移動は制限され、検査装置へのコネクタ設置時、意図しない外力によりコネクタの位置を規制する規制治具のある場所以上に移動することがなくなる。
【0034】
次に、本発明の第3の実施の形態を図7に基づいて説明する。
図7は第3の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図である。
図7において、17はコネクタの位置を規制する規制治具、18は検査装置側コネクタ3に設けられた窪み、19はコネクタの位置を規制する規制治具17での折り曲げ点である。
【0035】
コネクタの位置を規制する規制治具17は、図示しない検査装置に固定され、折り曲げ点19が折れ曲がることで、コネクタの位置を規制する規制治具17にある凸部分が検査装置側コネクタ3の窪み18に挿入されることにより検査装置側コネクタ3の規制治具は制限される。
【0036】
また、第3の実施の形態は、図4で説明した隙間の大きさを変化させる機構を設けることも可能である。
次に、本発明の第4の実施の形態を図8に基づいて説明する。
【0037】
図8は第4の実施の形態における検査装置の概略図である。
図8において、20は検査装置側コネクタの全面に対して隙間を有して囲むコネクタの位置を規制する規制治具、21は検査装置1に固定され、コネクタの位置を規制する規制治具20の穴部分をとおり、コネクタの位置を規制する規制治具20が図8に示す矢印方向に動くためのコネクタの位置を規制する規制治具の台である。コネクタの位置を規制する規制治具20を、図8に示された矢印の左方向に動かすことで、検査装置側コネクタ3の一部を囲み、検査装置側コネクタ3はフローティング状態であり、かつコネクタの位置を規制する規制治具20の穴部分の隙間分以上の移動は制限される状態となる。図8に示す矢印右方向にコネクタの位置を規制する規制治具20を動かすと、コネクタ3は規制治具を制限されていない状態となり、検査装置1から取り外すことが可能となる。
【0038】
このように、検査装置側コネクタの全面に対して隙間を有して囲むことで、検査装置側コネクタの規制治具を制限することができ、コネクタへの加工の必要なしに、全方向に対しての検査装置側コネクタの可動範囲を制限することが可能となる。
【0039】
次に、本発明の第5の実施の形態を図9に基づいて説明する。
図9は第5の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図である。
図9において、23はコネクタの位置を規制する規制治具、24は検査装置側コネクタ3と接し、金属板を丸めて作成した弾性のある金具、22はコネクタの位置を規制する規制治具23を検査装置1に固定するねじである。検査装置側コネクタ3は、コネクタの位置を規制する規制治具23と弾性金具24を介して接している。金具24は弾性を示すので、金具24に接する検査装置側コネクタ3はフローティング状態となり、金具24が許容する弾性力以上の力を及ぼす位置移動は制限されるまた、検査装置側コネクタ3が外力により規定位置よりずれた場合は、金具24の弾性力により、外力がなくなり次第検査装置側コネクタ3には元の位置に戻ろうとする力が加わり、検査装置側コネクタ3は自ら元の位置に戻ることが可能である。なお、金具24は、弾性材であれば、必ずしも金具である必要はない。
【0040】
次に、本発明の第6の実施の形態を図10に基づいて説明する。
図10は第6の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図である。
図10において、25は磁性体を装着する検査装置側コネクタ、26は磁気を有し検査装置に取り付けられたコネクタの位置を規制する規制治具である。検査装置1に固定されたコネクタの位置を規制する規制治具26の磁気と検査装置側コネクタ3の磁性体をひきつけることで検査装置側コネクタ3の検査装置1への設置が行われる。磁気と磁性体の磁力に弱い外力が加わった場合、検査装置側コネクタは動き、すなわちフローティング状態となる。検査装置側コネクタ3が外力により規定位置よりずれた場合は、外力がなくなり次第、磁力により検査装置側コネクタ3には元の位置に戻ろうとする力が加わり、検査装置側コネクタ3は自ら元の位置に戻る、すなわち位置を制限されている状態と同じ効果が得られる。なお、検査装置側コネクタ3及びコネクタの位置を規制する規制治具26に有するのは、少なくとも一方が磁気を有していれば、もう一方は磁性体であっても磁気を有していてもよい。
【0041】
磁気を電磁石とし、図示しない電流を流すことで磁気の有無を調整することで、コネクタが、磁力によって位置制限されている状態と、磁力がなく位置制限されていない状態を切り替えることが可能となる。また、複数のコネクタの規制治具の制限を個々に位置制限の状態と位置制限されていない状態に切り替える手間無く、複数のコネクタを一斉に位置制限の状態と位置制限のかかっていない状態に切り替えることが可能となる。
【0042】
次に、本発明の第7の実施の形態を図11に基づいて説明する。
図11は第7の実施の形態における検査装置の概略図である。
図11において、32はロードボード5を検査装置1に固定するねじ、33は検査装置1のねじ穴、34はロードボード5にあけられたねじ穴である。ロードボード5と検査装置1の嵌合後、検査装置側コネクタ3が外力にそって動くため、ロードボード5も外力にそって動くが、ねじ32をねじ穴33及び34を通して閉めることにより、ロードボード5の位置を固定することが可能となる。
【0043】
また、本実施の形態は、第1〜第6の全ての実施の形態において実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、コネクタの接続を容易に行いながら、ロードボード側コネクタに位置ずれが発生しても、ロードボードと検査装置の電気的な接続を維持することができ、半導体集積回路の製造工程における良否検査等に用いる半導体集積回路の検査装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a)第1の実施の形態における検査装置の概略図(b)第1の実施の形態における検査装置の概略図
【図2】第1−2の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図
【図3】第1−2の実施の形態における複数のコネクタを対角線上で固定する検査装置を示す上面図
【図4】第1−2の実施の形態における複数のコネクタを対角線上で固定する検査装置を示す側面図
【図5】第1−2の実施の形態における凸部分を備える規制治具により位置決めする検査装置を示す側面図
【図6】第2の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図
【図7】第3の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図
【図8】第4の実施の形態における検査装置の概略図
【図9】第5の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図
【図10】第6の実施の形態における検査装置側コネクタの要部拡大図
【図11】第7の実施の形態における検査装置の概略図
【図12】従来の半導体集積回路の検査装置を示す概略図
【図13】従来のコネクタと測定ボードをケーブルで接続した半導体集積回路の検査装置を示す概略図
【符号の説明】
【0046】
1 検査装置
2 測定ボード
3 コネクタ
4 コネクタ
5 ロードボード
6 ケーブル
7 規制治具
8 規制治具
9 ねじ
10 ピン
11 ねじ
12 ねじ
13 窪み
14 規制治具
15 規制治具の台
16 切込み
17 規制治具
18 窪み
19 折り曲げ点
20 規制治具
21 規制治具の台
22 ねじ
23 規制治具
24 金具
25 検査装置側コネクタ
26 規制治具
27 隙間
28 隙間
29 窪み
30 凸部分
31 ガイド斜面
32 ねじ
33 ねじ穴
34 ねじ穴
35 ソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路を搭載するロードボードと電気的に接続して前記半導体集積回路の検査を行う半導体集積回路の検査装置であって、
前記ロードボードに設けられた1つまたは複数のロードボード用コネクタそれぞれに対応して電気的に接続する1または複数のコネクタと、
前記各コネクタとの間に隙間を設けて前記各コネクタの位置を前記隙間の分だけ可動な状態で位置決めする1つまたは複数の規制治具と
を有することを特徴とする半導体集積回路の検査装置。
【請求項2】
前記ロードボードの接合時に前記ロードボード用コネクタに前記コネクタ接合面に誘導するガイド機構を有し、前記ガイド機構によって、前記ロードボードコネクタの水平または垂直位置を規制できる最大量以下の隙間を有することを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路の検査装置。
【請求項3】
前記規制治具は、前記コネクタとの隙間の距離を調整する機構を有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置。
【請求項4】
前記規制治具は、その一端にて前記検査装置に取り付けられ、前記一端を中心に回転することにより規制状態と非規制状態を切り替える機能を有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置。
【請求項5】
前記各コネクタに対して2個以上の前記規制治具を設け、前記各コネクタに対する前記規制治具の一端の取り付け位置が対角線上に位置することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置。
【請求項6】
前記コネクタは窪みを有し、前記規制治具は前記窪みより小さい凸型部分を有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置。
【請求項7】
前記規制治具は、隙間を設けて前記コネクタの少なくとも一部を囲むことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置。
【請求項8】
前記隙間部分に弾性材を有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置。
【請求項9】
半導体集積回路を搭載するロードボードと電気的に接続して前記半導体集積回路の検査を行う半導体集積回路の検査装置であって、
磁性体を備え、前記ロードボードに設けられた1つまたは複数のロードボード用コネクタそれぞれに対応して電気的に接続する1または複数のコネクタと、
磁気を帯び、前記コネクタの位置決めを行うように前記各コネクタの前記磁性体と対応する位置に設けられる1つまたは複数の規制治具と
を有することを特徴とする半導体集積回路の検査装置。
【請求項10】
前記磁性体の磁気を電流により調整することにより規制状態と非規制状態前を切り替えることを特徴とする請求項9記載の半導体集積回路の検査装置。
【請求項11】
前記規制治具はそれぞれ異なる位置に凸部分を有し、前記コネクタは対応する前記規制治具が位置決めする位置にある場合のみ前記凸部分と嵌合する窪みを有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置。
【請求項12】
前記ロードボードとの接続位置を固定する機能を有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10または請求項11のいずれかに記載の半導体集積回路の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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