説明

単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置

【課題】単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置の小型、軽量化を図るとともに、油圧シリンダーを含む油圧制御機構の信頼性を高める。
【解決手段】油圧制御シリンダーの下端部側面にオイルタンクと、油圧制御機構の油圧回路を構成するマニホールドブロックとをシリンダー本体の下端部側面に固定し、前記オイルタンクとシリンダー本体の下端閉鎖ブロックに開けたシリンダー下部側連通路とを連通させ、マニホールドブロックの主流路の入口側を上端閉鎖ブロックのシリンダー上部側連通路に連通させるとともに、該マニホールドブロックの主流路の出口側を前記シリンダー本体の上端閉鎖ブロックのシリンダー上部側連通路に連通させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェル型やオレンジピール型などのグラブパケットであって、油圧制御シリンダーの操作と、クレーンによる吊り上げ、吊り下げ操作によってシェルの開閉動作を行う単索式グラブバケットのグラブ開閉動作制御に用いる油圧制御シリンダー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧制御シリンダーの操作と、クレーンによる吊り上げ、吊り下げ操作によってシェルの開閉動作を行う単索式グラブバケットが広く使用されている(例えば特許文献1,2,3)。
【0003】
この従来の単索式グラブバケット1は、図7に示すように、グラブを構成し互いに対向して開閉動作される一対のシェル2,2と、各シェル2,2の回動中心を軸支させた下部フレーム3と、下部フレーム3の上側に位置し、各シェル2,2の背面と吊りアーム4,4…を介して連結した上部フレーム5と、上部及び下部フレーム間にあって、下部フレーム3に対して油圧制御シリンダーA(図9に示す)を介して連結された中間可動フレーム7と、中間可動フレーム7に対して下端が固定されるとともに中間可動フレーム7と上部フレーム5とにそれぞれ備えた滑車に巻きかけられて上方に延長された吊下げ兼グラブ閉鎖用のワイヤーロープ8と、油圧制御シリンダーAの動作を制御する油圧バルブ制御ブロックB(図10に示す)を備えて構成されている。
【0004】
油圧バルブ制御ブロックBは、油圧制御シリンダーAの両端内に連通され、一方向流れのみを許容する状態と、両方向流れを許容する状態とに切換動作されるパイロット式逆止弁を備えた油圧制御流路を構成している。
【0005】
この単索式グラブバケットは、図8に示すシェルを閉鎖して吊り上げた状態で油圧制御手段を操作し、油圧制御シリンダーAをフリーな状態にすることにより、下部フレーム3が中間可動フレーム7に対してフリーな状態となり、下部フレーム3及びシェル2の自重によって、図8に示すように下部フレーム3が降下してシェル2,2が開放される。
【0006】
この状態でクレーンを操作して所望の掴み物上にグラブバケットを移動させて降下させる。そしてシェル2,2が掴み物の上に乗せられた状態(着床状態)でワイヤーロープ8を降下させると、上部フレーム5に対して中間可動フレーム7がフリーな状態となり、中間可動フレーム7が下部フレーム3に近づく方向に降下すると同時に油圧制御シリンダーAのピストンロッド6cがシリンダー本体6a内に押し込まれる。
【0007】
このようにして中間可動フレーム7が所定の位置まで降下すると、マニホールドブロックBによって自動的に油圧制御シリンダーAが動作不能となる。この状態でワイヤーロープ8をクレーンによって吊り上げることにより中間可動フレーム7が上部フレーム5に近づく方向に動作され、シェル2,2が閉じ、掴み物がシェル内に掴み取られ、図8に示す状態に吊り上げられる。
【0008】
このように動作する単索式グラブバケットに使用されている従来の油圧制御シリンダーAは、図10に示すように、シリンダー本体6a内を摺動するピストン6bに、ピストンロッド6cの連結部を中心にした円周上に複数の逃し流路10がピストン6bを貫通して形成され、その各逃し流路10にそれぞれ個別に動作する逆止弁9が設けられ、前述した中間可動フレーム7が自重によって下部フレーム3に近づく方向に動作する(降下する)際に、各逃し流路10が開放され、中間可動フレーム7が高速でもスムーズに降下されるようにしている。
【0009】
このような従来の単索式グラブバケットの油圧制御シリンダーを含む油圧制御機構は、図11に示すように、鋼板を溶接して形成したボックス型の下部フレーム3の底板に対してシリンダー本体6aの下端を固定し、下部フレーム3の外側にマニホールドブロックBやオイルタンクCを固定し、それらの間の連通させる流路を、下部フレーム内収容した可撓性の耐圧ホース11をもって連通させた構造であった。
【特許文献1】特開2003−148417号公報
【特許文献2】特開2005−289551号公報
【特許文献3】特開2006−135780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のような従来の単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置にあっては、前述したようにシリンダー本体、マニホールドブロック、オイルタンクをそれぞれ別々に下部フレームに対して固定し、それらの間を耐圧ホースによって連通させた構造であったため、それらを含む下部フレーム全体の形状が大きくなり、バケットの掴み量を制限するとともに重量の増加を招き、クレーンの耐荷重に占めるバケット重量の割合が大きくなって荷役効率が低下するという問題があった。
【0011】
また、グラブバケットが大型になるに伴って、油圧シリンダーに掛かる荷重が大きくなり、油圧回路内圧が大きくなるため、耐圧ホースも高圧対応のものを必要とし、またホース連結部分の強度が耐久性に大きく影響を及ぼすためにホース連結作業には油圧回路に精通した熟練者が必要であるが、バケットの製造と油圧回路の製造とは技術分野が大きく異なるために、両方の技術に精通した作業員が少なく、1つのバケットの製造に異分野の作業員が別々に従事しなければならず、コスト高となるという問題があった。
【0012】
本発明は、このような従来の技術の問題に鑑み、単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置の小型、軽量化を図るとともに、油圧シリンダーを含む油圧制御機構の製造をバケット製造工場とは別の専門工場にてユニット化したものをグラブバケット製造工場においてはバケットに組み込むのみで製品を完成させることができる単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、グラブを開閉自在に支持させた下部フレームと、該下部フレームの上側に位置し、前記グラブの背面と吊りアームを介して連結した上部フレームと、前記上部及び下部フレーム間の中間可動フレームと、該中間可動フレームと前記上部フレームとの滑車に巻きかけられて一端側が上方に延長された吊下げ兼グラブ閉鎖用のワイヤーロープとを備えた単索グラブバケットにあって、
前記中間可動フレームと下部フレームとの間に介在させた油圧制御シリンダーと、該油圧制御シリンダーの動作を制御する油圧制御機構と、オイルタンクとを有し、前記油圧制御シリンダーは、前記下部フレームに支持されたシリンダー本体と、その内部に軸方向に移動可能に収容されたピストンと、該ピストンに基端が固定され、先端がシリンダー本体上端から上方に突出されて前記中間可動フレームに連結された出入ロッドとを有し、前記ピストンには、上下に貫通する逃し流路を有し、該逃し流路にピストンの上側から下側へのオイルの流れが規制される逆止弁が備えられ、前記油圧制御機構は、前記中間可動フレームの下部フレーム側から上部フレーム側への動作を遠隔操作によって制御させるようにしてなる単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置において、
前記油圧制御シリンダーの下端部側面に前記オイルタンクと、前記油圧制御機構の油圧回路を構成するマニホールドブロックとを前記シリンダー本体の下端部側面に固定し、前記オイルタンクと前記シリンダー本体の下端閉鎖ブロックに開けたシリンダー下部側連通路とを連通させ、前記マニホールドブロックの主流路の入口側を前記上端閉鎖ブロックのシリンダー上部側連通路に連通させるとともに、該マニホールドブロックの主流路の出口側を前記シリンダー本体の上端閉鎖ブロックのシリンダー上部側連通路に連通させたことにある。
【0014】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記オイルタンク側面にシリンダー連通孔を開口させ、該オイルタンクをシリンダーに固定することによって、前記シリンダー連通孔と前記シリンダー本体の下端閉鎖ブロックに開けたシリンダー下部側連通路とが整合されて互いに連通されていることにある。
【0015】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記オイルタンクと前記シリンダー本体の下端閉鎖ブロックに開けたシリンダー下部側連通路とを鋼管パイプを介して連通させたことにある。
【0016】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか1の請求項の構成に加え、前記シリンダー本体の下端閉鎖ブロックには、その側面に一体に張り出された形状にマニホールドブロック固定台を備え、該固定台の上面に前記マニホールドブロックを固定することによって、該マニホールドブロックの主流路の出口側と前記下端閉鎖ブロックのシリンダー下部連通路とを連通させたことにある。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては上述の如く、油圧制御シリンダーの下端部側面にオイルタンクと、油圧制御機構の油圧回路を構成するマニホールドブロックとをシリンダー本体の下端部側面に固定し、前記オイルタンクとシリンダー本体の下端閉鎖ブロックに開けたシリンダー下部側連通路とを連通させ、マニホールドブロックの主流路の入口側を上端閉鎖ブロックのシリンダー上部側連通路に連通させるとともに、該マニホールドブロックの主流路の出口側を前記シリンダー本体の上端閉鎖ブロックのシリンダー上部側連通路に連通させたことにより、油圧制御シリンダーとその油圧制御機構を構成するマニホールドブロック及びオイルシリンダーとを一体化させたユニットとして製造することができ、該ユニットを油圧の専門工場にて製造することができることとなり、従って従来のように下部フレームに対し、各部材を別々に支持させ、それらの間を耐圧ホースにて連結したものに比べ、バケット製造工場においては、高度の油圧知識必要とせずに組立作業ができる。
【0018】
また、上述のようにユニット化することによって、従来に比べて省スペース化がなされ、下部フレーム全体の形状が小さくなり、軽量化も達成できる。
【0019】
更に、前記オイルタンク側面にシリンダー連通孔を開口させ、該オイルタンクをシリンダーに固定することによって、前記シリンダー連通孔と前記シリンダー本体の下端閉鎖ブロックに開けたシリンダー下部側連通路とが整合されて互いに連通されるようにしたことにより、オイルタンクとシリンダー間の固定によって、それらの流路が互いに連結されることとなり、パイプが露出しないため強度が増大し、下面を露出させた構造とすることができ、下部フレームの形状を簡略化できる。
【0020】
また、本発明では、前記オイルタンクとシリンダー本体の下端閉鎖ブロックに開けたシリンダー下部側連通路とを鋼管パイプを介して連通させる構造とすることにより両者間の、油圧流路の連結作業を容易にすることができ、寸法誤差を鋼管パイプによって吸収させることができる。
【0021】
更に本発明では、前記シリンダー本体の下端閉鎖ブロックには、その側面に一体に張り出された形状にマニホールドブロック固定台を備え、該固定台の上面に前記マニホールドブロックを固定することによって、該マニホールドブロックの主流路の入口側と前記下端閉鎖ブロックのシリンダー下部連通路とを連通させることによって、配管を省略することができ、構造が簡略化し、コスト減が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明に係る単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置の実施の形態を図1〜図6に示す実施例について説明する。尚、上述した従来例と同じ部分には同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0023】
図において1は単索式グラブバケットであり、前述した従来例と同様に、一対のシェル2,2、下部フレーム3、上部フレーム5、中間可動フレーム7を有し、上部フレーム5と中間可動フレーム7間は、吊下げ兼グラブ閉鎖用のワイヤーロープ8による吊り下げによって互いに接近する方向に動作されるようになっている。
【0024】
下部フレーム3と中間可動フレーム7との間には、油圧制御シリンダー20が介在されている。この油圧制御シリンダー20は、円筒状をしたシリンダー本体20aと、その上端を閉鎖した上端閉鎖ブロック21及び下端を閉鎖した下端閉鎖ブロック22とを有するとともに、シリンダー本体20a内には、図6の油圧回路に示すように、ピストン23が上下に移動可能に収容されており、これによってシリンダー本体20a内を上下に仕切っている。ピストン23には上下に連通開口した逃がし流路24が形成され、その逃がし流路には、下側のから上側への流れを許容し、上側からが下側への流れを阻止する逆止弁25が設置されている。
【0025】
ピストン23に固定された出入ロッド24は、図1に示すように、その上端が上部閉鎖ブロック21を貫通して上方に突出されている。この出入ロッド24の先端が、連結金具部26を介して中間可動フレーム7に固定されている。連結金具部26は中空塔状をなしており、その中空塔状内の頂部に出入ロッド24の先端が固定されている。
【0026】
この連結金具部26はその内部に、下部フレーム3上に突出した油圧制御シリンダー20の突出部分が挿入される大きさに形成されており、また、中間可動フレーム7と上部フレーム5とが接近した際には、上部フレーム5の中心部分を貫通して上方に突出されるようになっている。
【0027】
シリンダー本体20aの胴部には固定用フランジ30が一体に形成されており、このフランジ30を下部フレーム3の頂板31にネジ止めすることによって油圧制御シリンダー20を下部フレーム3に固定している。
【0028】
シリンダー本体20aの側面には、フランジ30より下側の位置にオイルタンク32と、油圧制御機構の油圧回路を構成しているマニホールドブロック33とが固定されている。この両部材は、シリンダー本体20aを中心にして互いに対称な位置に固定されており、オイルタンク32は、シリンダー本体20aの外周面に肉盛したネジ止め台34に対し、オイルタンク32の両側縁部に形成した固定用フランジ35をネジ止めすることによって固定されている。
【0029】
また、マニホールドブロック33は、上部側をシリンダー本体20aの外周面に肉盛したネジ止め台36に対し、ネジ止めするとともに、下端面を下部閉鎖ブロック21の側面に一体に張り出されたマニホールドブロック固定台部37に当接させてこれにネジ止めすることによって固定している。
【0030】
上部閉鎖ブロック21の外周面には、シリンダー本体20a内のシリンダー上部油圧室a(図6に示す)に通じるシリンダー上部側連通路40が開口されており、これとマニホールドブロック33の上端側ポート41とが、シリンダー本体20aの長手方向に沿わせた耐圧ホース42によって連通されている。尚この耐圧ホースの代わりに鋼管パイプなどの金属パイプを使用しても良い。
【0031】
下部閉鎖ブロック22には、シリンダー本体20a内のシリンダー下部油圧室b(図6に示す)に通じるシリンダー下部側連通路43が形成され、そのシリンダー下部側連通路43は下部閉鎖ブロック22内で2方に分岐され、その分岐された一端側43aがオイルタンク32側の外周面に開口されているとともに、他端側43bがマニホールドブロック固定台37の上面に開口されている。
【0032】
このシリンダー下部側連通路43の一端側43aと、オイルタンク32の底面の開口との間を鋼管パイプからなる連通管44によって連通させている。
【0033】
また、シリンダー下部側連通路43の他端側43bは、その上にマニホールドブロック33の下端側ポート45を連通されている。マニホールドブロック33は、マニホールドブロック固定台37の上面にマニホールドブロック底面を接合させてネジ止めすることによって下端側が該固定台37に固定されており、このとき下端側ポート45とシリンダー下部側連通路43の他端側43bの開口とを整合させることによって連通されている。
【0034】
マニホールドブロック33は、図6に示す油圧回路を構成している。この油圧回路には、ロジック弁50、該ロジック弁50を開閉操作させるためのパイロット弁51及び流量制御付き開閉弁52を有している。パイロット弁51と流量制御付き開閉弁52はスプール式の電磁弁が使用されており、それらに備えられた電磁コイルに通電することによって切り換え動作され、非通電時にはスプリング圧によって元の状態に戻るようになっている。
【0035】
ロジック弁50は、マニホールドブロック33の上端側ポート41から下端側ポート45に至る主流路55を開閉するものであり、パイロットポート50cにパイロット圧が作用しているときは主流路55が閉鎖され、パイロット圧がなくなることによって開放されるようになっている。このロジック弁50の入り口側ポート50aに、主流路55の入り口側55aが、出口側ポート50bに主流路55の出口側55bが連通されている。
【0036】
パイロットポート50cには、パイロット弁51からのパイロット圧流路56が連通されている。パイロット弁51は、主流路55の入り口側55aから分岐させた第一分岐流路57を、前記パイロット圧流路56に対して切り換え連通させるものであり、常時はスプリング圧によって両流路56、57が連通状態にあり、電磁コイルに通電することによってパイロット流路56が主流路55の出口側55bに連通され、第一分岐流路57が閉鎖されるようになっている。第一分岐流路57には、流量を制限する流量調整弁57aを有している。
【0037】
流量制御付き開閉弁52は、主流路55の入り口側55aから分岐させた第二分岐流路58と、主流路55の出口側55bに通じるバイパス流路59とを連通させるためのものであり、常時はスプリング圧によって両流路58,59間が閉じられている。電磁弁に電流が供給されることによって両流路58,59間が連通され、ロジック弁50を通さずに主流路55の入り口側55aと出口側55bとが連通されるようになっている。この時の流量を第二分岐流路58に備えた流量調整弁60によって調整されるようになっている。
【0038】
このマニホールドブロック33では、その上端側ポート41から油圧制御シリンダー20からの油圧が作用した際に、ロジック弁55を開くことによってピストン23が速い動作で上向きに移動できるように多量のオイルが流され、また、ロジック弁50を閉じた状態でバイパス流路59を開くことによって、ピストン23が前述とは遅い速度で上側に動作されるように制限された流量のオイルが流されるようになっている。
【0039】
これによってグラブバケット1のシェル2,2に被掴み物を掴ませて閉じた状態から開放する際に、開き速度を速くしたい場合には、ロジック弁50によって主流路55を開放し、遅くしたい場合には流量制御付き開閉弁52を操作してバイパス流路59を開放する。
【0040】
この速遅両動作をシェル2,2の開き開始から開き終わりまでの間に必要に応じて組み合わせて行わせることができる。例えば、開き始めには動作を遅くし、開き終わり近くで速くし、開き完了時のショックを大きくすることによって、シェルからの掴み物のはがれを良くすることができ、逆に開き終わりのショックを小さくするために開き終わり近くから開き速度を遅くさせるように制御することもできる。
【0041】
上述の実施例では、オイルタンク32とシリンダー本体20aの下端閉鎖ブロック22に開けたシリンダー下部側連通路43とを鋼管パイプからなる連通管44を介して連通させる構造としているが、この他、図7に示すように、オイルタンク32の側面にシリンダー連通孔32aを開口させるとともに、シリンダー本体の下端閉鎖ブロック22のオイルタンク固定側面にシリンダー下部側連通路43を開口させておき、オイルタンク32をシリンダー20に固定することによって、シリンダー連通孔32aとシリンダー下部側連通路43が整合して互いに連通されるようにしてもよく、このようにすることによりオイルタンク32とシリンダー20間を固定することによって、それらの流路が互いに連結されることとなり、パイプが露出しないため強度が増大し、下面を露出させた構造とすることができ、下部フレームの形状を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る油圧制御シリンダー装置を単索式グラブバケットの縦断面図である。
【図2】同単索式グラブバケットの側面図である。
【図3】同単索式グラブバケットに使用している油圧制御シリンダー装置の正面図である。
【図4】同平面図である。
【図5】同油圧制御シリンダー装置のシリンダー本体からオイルタンクとマニフォールドブロックを取り外した状態の正面図である。
【図6】同上の油圧制御シリンダー装置の油圧回路図である。
【図7】同油圧制御シリンダー装置の他の例のシリンダー本体からオイルタンクとマニフォールドブロックを取り外した状態の正面図である。
【図8】従来の単索式グラブバケットを示すもので、シェルを閉じた状態の側面図である。
【図9】同単索式グラブバケットを示すもので、シェルを開いた状態の側面図である。
【図10】同単索式グラブバケットの油圧制御シリンダーの油圧回路図である。
【図11】同上の油圧制御シリンダー装置の下フレームに対する組み付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
a シリンダー下部油圧室
b シリンダー上部油圧室
1 単索式グラブバケット
2 シェル
3 下部フレーム
4 吊りアーム
5 上部フレーム
7 中間可動フレーム
8 ワイヤーロープ
20 油圧制御シリンダー
20a シリンダー本体
21 上端閉鎖ブロック
22 下端閉鎖ブロック
23 ピストン
24 逃がし流路
25 逆止弁
26 連結金具部
30 固定用フランジ
31 下部フレーム3の頂板
32 オイルタンク
32a シリンダー連通孔
33 マニホールドブロック
34 ネジ止め台
35 固定用フランジ
36 ネジ止め台
37 マニホールドブロック固定台部
40 シリンダー上部側連通路
41 上端側ポート
42 耐圧ホース
43 シリンダー下部側連通路
43a 一端側
43b 他端側
44 連通管
45 下端側ポート
50 ロジック弁
50a 入り口側ポート
50b 出口側ポート
50c パイロットポート
51 パイロット弁
52 流量制御付き開閉弁
55 主流路
55a 入り口側
55b 出口側
56 パイロット圧流路
57 第一分岐流路
57a 流量調整弁
58 第二分岐流路
59 バイパス流路
60 流量調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラブを開閉自在に支持させた下部フレームと、該下部フレームの上側に位置し、前記グラブの背面と吊りアームを介して連結した上部フレームと、前記上部及び下部フレーム間の中間可動フレームと、該中間可動フレームと前記上部フレームとの滑車に巻きかけられて一端側が上方に延長された吊下げ兼グラブ閉鎖用のワイヤーロープとを備えた単索グラブバケットにあって、
前記中間可動フレームと下部フレームとの間に介在させた油圧制御シリンダーと、該油圧制御シリンダーの動作を制御する油圧制御機構と、オイルタンクとを有し、
前記油圧制御シリンダーは、前記下部フレームに支持されたシリンダー本体と、その内部に軸方向に移動可能に収容されたピストンと、該ピストンに基端が固定され、先端がシリンダー本体上端から上方に突出されて前記中間可動フレームに連結された出入ロッドとを有し、前記ピストンには、上下に貫通する逃し流路を有し、該逃し流路にピストンの上側から下側へのオイルの流れが規制される逆止弁が備えられ、
前記油圧制御機構は、前記中間可動フレームの下部フレーム側から上部フレーム側への動作を遠隔操作によって制御させるようにしてなる単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置において、
前記油圧制御シリンダーの下端部側面に前記オイルタンクと、前記油圧制御機構の油圧回路を構成するマニホールドブロックとを前記シリンダー本体の下端部側面に固定し、
前記オイルタンクと前記シリンダー本体の下端閉鎖ブロックに開けたシリンダー下部側連通路とを連通させ、
前記マニホールドブロックの主流路の入口側を前記上端閉鎖ブロックのシリンダー上部側連通路に連通させるとともに、該マニホールドブロックの主流路の出口側を前記シリンダー本体の上端閉鎖ブロックのシリンダー上部側連通路に連通させたことを特徴としてなる単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置。
【請求項2】
前記オイルタンク側面にシリンダー連通孔を開口させ、該オイルタンクをシリンダーに固定することによって、前記シリンダー連通孔と前記シリンダー本体の下端閉鎖ブロックに開けたシリンダー下部側連通路とが整合されて互いに連通されている請求項1に記載の単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置。
【請求項3】
前記オイルタンクと前記シリンダー本体の下端閉鎖ブロックに開けたシリンダー下部側連通路とを鋼管パイプを介して連通させてなる請求項1に記載の単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置。
【請求項4】
前記シリンダー本体の下端閉鎖ブロックには、その側面に一体に張り出された形状にマニホールドブロック固定台を備え、該固定台の上面に前記マニホールドブロックを固定することによって、該マニホールドブロックの主流路の出口側と前記下端閉鎖ブロックのシリンダー下部連通路とを連通させてなる請求項1,2又は3の何れかに記載の単索式グラブバケット用油圧制御シリンダー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−285226(P2010−285226A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137847(P2009−137847)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(591164978)東部重工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】