説明

単量体重合用触媒組成物

【課題】オレフィン重合において、アルモキサンや硼酸が不要で、かつ不均一系のメタロセン触媒によりオレフィンを重合する。
【解決手段】少なくとも一種類の単量体を重合するのに有用な触媒組成物として、1)少なくとも一種類の固体酸化物と、少なくとも一種類の電子吸引性の陰イオン源とを接触させることにより生成させた、処理済み固体酸化物化合物、2)第IVA族のメタロセン化合物及び3)有機アルミニウム化合物を含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、単量体を重合して少なくとも一種類の重合体にすることができる触媒組成物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
重合体の製造は、数十億ドルのビジネスである。このビジネスは毎年数十億ポンドの重合体を製造している。このビジネスの価値を高めることができる技術を開発するのに数百万ドルが費やされている。
【0003】
これらの技術の一つはメタロセン触媒技術と呼ばれている。メタロセン触媒は、1960年頃以来知られているが、それらの生産性が低いため、それを商業化することができなかった。1975年頃、1部の水と2部のトリメチルアルミニウムと接触させ、メチルアルミノキサンを形成し、次にそのメチルアルミノキサンとメタロセン化合物とを接触させることにより、大きな活性度を有するメタロセン触媒が形成されることが発見された。しかし、間もなく活性メタロセン触媒を形成するのに多量の高価なメチルアルミノキサンが必要になることが判明した。このことがメタロセン触媒を商業化するのに大きな障害になっていた。
【0004】
多量のメチルアルミノキサンの代わりに硼酸塩化合物が用いられてきた。しかし、これは不満足なもであった。なぜなら、硼酸塩化合物は触媒毒に非常に敏感であり、分解を受け易く非常に高価でもあったからである。
【0005】
不均一系触媒を有することが重要であることにも注意すべきである。それは、最も新しい商業的重合法には不均一系触媒が必要になっているからである。更に、不均一系触媒は、大きな嵩密度を有する実質的に均一な重合体粒子を形成することができる。この種の実質的に均一な粒子は、それらが重合体製造及び輸送の効率を向上するので望ましい。不均一系メタロセン触媒を製造する努力が続けられてきたが、これらの触媒は完全には満足できるものではなかった。
【0006】
従って、本発明者は、これらの問題を解決するためこの発明を与える。
【0007】
(発明の開示)
本発明は、単量体を重合して少なくとも一種類の重合体にするのに用いることができる組成物を生ずる方法を与える。
【0008】
本発明は、前記組成物も与える。
【0009】
本発明は、更に前記組成物を用いて単量体を重合して少なくとも一種類の重合体にする方法を与える。
【0010】
本発明は、少なくとも一種類の前記重合体を含む製品及び少なくとも一種類の前記製品を有する機械も取扱う。
【0011】
本発明の一つの態様によれば、組成物を製造する方法が与えられる。前記方法は、有機金属化合物、処理済み固体酸化物化合物、及び有機アルミニウム化合物を接触させて、前記組成物を得る工程を含み(又は場合によりかかる工程のみから本質的になるか、又はかかる工程のみからなり)、然も、前記組成物は、接触後の有機金属化合物、接触後の処理済み固体酸化物化合物、及び場合により接触後の有機アルミニウム化合物のみから本質的になる(又は場合によりかかる化合物のみからなる)。
【0012】
本発明の第二の態様に従い、組成物が与えられる。前記組成物は、接触後の有機金属化合物、接触後の処理済み固体酸化物化合物、及び場合により接触後有機アルミニウム化合物のみから本質的になる。
【0013】
本発明の第三の態様により、前記組成物を用いて単量体を少なくとも一種類の重合体へ重合する方法が与えられる。この方法は、前記組成物と単量体とを接触する工程を含む。
【0014】
本発明の第四の態様に従い、製品が与えられる。この製品は、少なくとも一種類の前記重合体を含む。
【0015】
本発明の第五の態様に従い、機械が与えられる。この機械は、少なくとも一つの前記製品を含む。
【0016】
これらの目的及び他の目的は、本明細書を読むことにより当業者には一層明らかになるであろう。
【0017】
「のみから本質的になる」と言う言葉が、請求項の範囲内に含まれるその他の事項(例えば、工程及び他の化合物の事項)は、請求項に記載された発明の新規な基本的特性に悪影響を与えない事項のみであるということを意味している点に注意すべきである。
【0018】
「のみからなる」と言う言葉は、組成物に通常伴う不純物、或は方法に通常伴う工程を除き、その他のいかなる事項(例えば、工程及び他の化合物のような事項)も、請求項の範囲内には含まれないことを意味する点にも注意すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
本発明で用いられる有機金属化合物は、次の一般式:
式1: (X1)(X2)(X3)(X4)M1
を有する。
【0020】
この式中、M1は、チタン、ジルコニウム、又はハフニウムである。現在M1がジルコニウムである場合が最も好ましい。
【0021】
この式では、(X1)は、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、置換シクロペンタジエニル、例えばテトラヒドロインデニルのような置換インデニル、及び、例えばオクタヒドロフルオレニルのような置換フルオレニルからなる群(今後「グループOMC−I」と呼ぶ)から独立に選択される。
【0022】
置換シクロペンタジエニル、置換インデニル、及び置換フルオレニルの置換基は、実質的に組成物の重合活性度に悪影響を与えない限り、脂肪族基、環式基、脂肪族基と環式基との組合せ、及び有機金属基にすることができる。更に、水素も置換基になることができる。
【0023】
脂肪族基の適当な例は、例えばパラフィン類及びオレフィン類のようなヒドロカルビルである。環式基の適当な例は、シクロパラフィン類、シクロオレフィン類、シクロアセチレン類、及びアレーン類である。更に、各アルキル基が1〜12個の炭素原子を有するアルキルシリル基、各アルキル基が1〜12個の炭素原子を有するハロゲン化アルキル基、又はハロゲンも用いることもできる。
【0024】
そのような置換基の適当な例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、2−エチルヘキシル、ペンテニル、ブテニル、フェニル、クロロ、ブロモ、及びヨードである。
【0025】
この式で、(X3)及び(X4)は、実質的に組成物の重合活性度に悪影響を与えない限り、独立に、ハロゲン、脂肪族基、環式基、脂肪族基と環式基との組合せ、及び有機金属基からなる群(今後「グループOMC−II」と呼ぶ)から選択さる。
【0026】
脂肪族基の適当な例は、例えば、パラフィン類及びオレフィン類のようなヒドロカルビルである。環式基の適当な例はシクロパラフィン類、シクロオレフィン類、シクロアセチレン類、及びアレーン類である。現在、(X3)及び(X4)は、ハロゲン及び、1〜10個の炭素原子を有するヒドロカルビルからなる群から選択されるのが好ましい。しかし、(X3)及び(X4)が、フルオロ、クロロ、及びメチルからなる群から選択されるのが最も好ましい。
【0027】
この式で、(X2)は、グループOMC−I又はグループOMC−IIから選択することができる。
【0028】
(X2)がグループOMC−Iから選択される場合、(X1)と(X2)とが、実質的に組成物の重合活性度に悪影響を与えない限り、例えば、脂肪族架橋基、環式架橋基、脂肪族架橋基と環式架橋基の組合せ、有機金属架橋基のような架橋基で結合されていてもよい点に注意しなければならない。
【0029】
脂肪族架橋基の適当な例は、例えば、パラフィン類及びオレフィン類のようなヒドロカルビルである。環式架橋基の適当な例は、シクロパラフィン類、シクロオレフィン類、シクロアセチレン類、及びアレーン類である。更に、珪素及びゲルマニウムも良好な橋架け単位であることも認められるべきである。
【0030】
これら組成物を製造するのに種々の方法が知られている。例えば、次のものを参照されたい:米国特許第4,939,217号、第5,210,352号、第5,436,305号、第5,401,817号、第5,631,335号、第5,571,880号、第5,191,132号、第5,480,848号、第5,399,636号、第5,565,592号、第5,347,026号、第5,594,078号、第5,498,581号、第5,496,781号、第5,563,284号、第5,554,795号、第5,420,320号、第5,451,649号、第5,541,272号、第5,705,478号、第5,631,203号、第5,654,454号、第5,705,579号、及び第5,668,230号。
【0031】
そのような組成物の具体例は次の通りである:
二塩化ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム、
二塩化ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム、
二塩化[エチル(インデニル)2]ハフニウム、
二塩化[エチル(インデニル)2]ジルコニウム、
二塩化[エチル(テトラヒドロインデニル)2]ハフニウム、
二塩化[エチル(テトラヒドロインデニル)2]ジルコニウム、
二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウム、
二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム、
二塩化[(ジメチル)(ジインデニル)シラン]ジルコニウム、
二塩化[(ジメチル)(ジインデニル)シラン]ハフニウム、
二塩化[(ジメチル)(ジテトラヒドロインデニル)シラン]ジルコニウム、
二塩化[(ジメチル)(ジ(2−メチルインデニル))シラン]ジルコニウム、及び
二塩化ビス(フルオレニル)ジルコニウム。
【0032】
有機アルミニウム化合物は次の一般式を有する:
式II: Al(X5n(X63-n
【0033】
この式中、(X5)は、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルである。現在、(X5)は、1〜10個の炭素原子を有するアルキルであるのが好ましい。しかし、(X5)は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びイソブチルからなる群から選択されるのが最も好ましい。
【0034】
この式で、(X6)は、ハロゲン、水素、又はアルコキシドである。現在、(X6)は、独立に、フルオロ及びクロロからなる群から選択されるのが好ましい。しかし、(X6)はクロロであるのが最も好ましい。
【0035】
この式で、「n」は1〜3(両数字を含む)の数である。しかし、nは3であるのが好ましい。
【0036】
そのような化合物の具体例は次の通りである:
トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、
トリプロピルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムエトキシド、
トリブチルアルミニウム、
水素化トリイソブチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、及び
塩化ジエチルアルミニウム。
現在、トリエチルアルミニウムが好ましい。
【0037】
処理済み固体酸化物化合物は、それらのルイス酸性度が増大した化合物である。前記処理済み固体酸化物化合物は、酸素;及びランタニド及びアクチニドを含む周期表の第2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15(新しい表記法)〔ホーリーの化学辞書縮刷版(Hawley's Condensed Chemical Dictionary)第11版参照〕の少なくとも一つの元素を含む場合が好ましい。しかし、元素は、Al、B、Be、Bi、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、La、Mn、Mo、Ni、Sb、Si、Sn、Sr、Th、Ti、V、W、P、Y、Zn及びZrからなる群から選択される場合が好ましい。これらの処理済み固体酸化物化合物は電子吸引(electron withdrawing)能力を有することが重要である。理論に拘束されたくはないが、処理済み固体酸化物化合物は、その未処理固体酸化物化合物に比較して一層大きなルイス酸性度を持つにちがいないと考えられている。しかし、これらの処理済み固体酸化物化合物及び未処理のもののルイス活性度を正確に測定することは困難であり、従って、他の方法が用いられている。現在、酸触媒反応で、処理済み固体酸化物化合物と未処理固体酸化物化合物の活性度を比較するのが好ましい。
【0038】
処理済み固体酸化物化合物は、例えば、ゲル化、共ゲル化、或る化合物の他の化合物への含浸後か焼によるような種々の方法で製造することができる。
【0039】
一般に、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びそれらの混合物、又は例えば、シリカ・アルミナのような他の固体酸化物との混合物のような少なくとも一種類の固体酸化物化合物を、少なくとも一種類の電子吸引性陰イオン源化合物、及び場合により少なくとも一種類の金属塩化合物と接触させ、第一混合物を形成し、次にこの第一混合物をか焼して処理済み固体酸化物化合物を形成するのが好ましい。別法として、固体酸化物化合物、電子吸引性陰イオン源化合物、及び場合により前記金属塩化合物を、同時に接触及びか焼することもできる。更に別の方法として、金属塩化合物と電子吸引性陰イオン源とは同じ化合物にすることもできる。
【0040】
金属塩化合物は、処理済み固体酸化物化合物を製造するためのここに与える条件下で固体酸化物のルイス酸性度を増大するどのような化合物でもよい。前記金属塩中の金属は、ランタニド及びアクチニドを含む周期表の第2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、及び15(新しい表記法)(ホーリーの化学辞書縮刷版、第11版参照)からなる群から選択されるのが好ましい。しかし、その元素は、Al、B、Be、Bi、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、La、Mn、Mo、Ni、Sb、Si、Sn、Sr、Th、Ti、V、W、P、Y、Zn及びZrからなる群から選択されるのが好ましい。
【0041】
電子吸引性陰イオン源化合物は、処理済み固体酸化物化合物を製造するためのここに与える条件下で固体酸化物のルイス活性度を増大するどのような化合物でもよい。これら電子吸引性陰イオン源化合物は、例えば、硫酸イオン、ハロゲン化物イオン、及びトリフラートのような電子吸引性陰イオンの形成に寄与することにより、固体酸化物のルイス酸性度を増大する。一種類以上の種々の電子吸引性陰イオンを用いることができることに注意すべきである。更に、金属塩化合物は、組成物の重合活性度を増大すると考えられる。
【0042】
固体酸化物化合物の酸性度は、二種類以上の金属塩及び(又は)電子吸引性陰イオン源化合物を、二つ以上の別々の接触工程を用いることにより更に増大することができる。そのような方法の一例は、少なくとも一種類の固体酸化物化合物と、第一電子吸引性陰イオン源化合物と接触させて第一混合物を形成し、次にこの第一混合物をか焼し、次に第二電子吸引性陰イオン源化合物と接触させて第二混合物を形成し、次にその第二混合物をか焼して処理済み固体酸化物化合物を形成することである。第一及び第二の電子吸引性陰イオン源化合物は同じでもよいが、異なっているのが好ましいことに注意すべきである。
【0043】
固体酸化物化合物の適当な例には、Al23、B23、BeO、Bi23、CdO、Co34、Cr23、CuO、Fe23、Ga23、La23、Mn23、MoO3、NiO、P25、Sb25、SiO2、SnO2、SrO、ThO2、TiO2、V25、WO3、Y23、ZnO、ZrO2、及び例えば、シリカ・アルミナ及びシリカ・ジルコニアのようなそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されるものではない。Al−O結合を有する固体酸化物化合物が現在好ましいことに注意すべきである。
【0044】
固体酸化物化合物は、か焼されているのも好ましい。このか焼は周囲雰囲気中、好ましくは乾燥周囲雰囲気中、約200℃〜約900℃の範囲の温度で、約1分〜約100時間の範囲の時間行うことができる。現在、約400℃〜約800℃の温度、及び約1時間〜約10時間の範囲の時間が好ましい。
【0045】
処理済み固体酸化物化合物は、約0.01cc/gより大きく、好ましくは約0.1cc/gより大きく、最も好ましくは約1cc/gより大きい細孔容積(pore volume)を持つのがよい。
【0046】
処理済み固体酸化物化合物は、約1m2/gより大きく、好ましくは100m2/gより大きく、最も好ましくは200m2/gより大きい比表面積を有するのがよい。
【0047】
本発明の組成物は、有機金属化合物、処理済み固体酸化物化合物、有機アルミニウム化合物を一緒に接触させることにより製造することができる。この接触は、例えば、混合のような種々のやり方で行うことができる。更に、これらの化合物の各々は、別々に反応器中へ導入するか、又はこれらの化合物の種々の組合せを一緒に接触させた後、更に反応器中で接触させるか、又は3種類の化合物全てを一緒に接触させた後、反応器中へ導入してもよい。現在、一つの方法は、最初に有機金属化合物と処理済み固体酸化物化合物とを約1分〜約24時間、好ましくは約1分〜約1時間、約10℃〜約200℃、好ましくは約25℃〜約100℃の温度で一緒に接触させ、第一混合物を形成し、この第一混合物を有機アルミニウム化合物と接触させて組成物を形成することである。接触中、又は接触後、混合物又は組成物をか焼することができる。このか焼は、周囲雰囲気中、好ましくは乾燥周囲雰囲気中で、約300℃〜約900℃の温度で、約1分〜約100時間の範囲の時間行うことができる。現在、約500℃〜約700℃の温度、及び約1時間〜約10時間の範囲の時間が好ましい。現在、周囲雰囲気として乾燥窒素を用いることが好ましい。
【0048】
接触後、組成物は、接触後の有機金属化合物、接触後の処理済み固体酸化物化合物、及び場合により接触後の有機アルミニウム化合物のみから本質的になる(又はそれらのみからなる)。接触後の処理済み固体酸化物化合物は、重量で組成物の過半量であることに注意すべきである。接触の正確な順序は知られていないので、この用語が最もよく組成物の成分を表すと考えられる。
【0049】
本発明の組成物は、本発明の処理済み固体酸化物化合物の代わりに、同じ有機金属化合物及び同じ有機アルミニウム化合物を用いるが、未処理ケチェン(Ketjen)B級アルミナを用いた組成物(比較例4、5、及び6参照)よりも大きな活性度を有する。この活性度は、希釈剤としてイソブチレンを用い、50〜150℃の重合温度及び400〜800psigのエチレン圧力を用いたスラリー重合条件下で測定される。反応器は、壁スケール、被覆又は他の形態の汚染を実質的に示してはならない。
【0050】
しかし、活性度は、ポリエチレンが1時間当たり処理済み固体酸化物化合物1g当たりのg数〔今後「gP/(gS・hr)」単位で表す〕で好ましくは100gより大きく、一層好ましくは250gより大きく、更に一層好ましくは500gより大きく、なお一層好ましくは1000gより大きく、最も好ましくは約2000gより大きい。この活性度は、希釈剤としてイソブチレンを用い、90℃の重合温度及び550psigのエチレン圧力を用いたスラリー重合条件下で測定される。反応器は、壁スケール、被覆又は他の形態の汚染を実質的に示してはならない。
【0051】
これらの組成物は屡々水素に対し敏感であり、コモノマーを含んでいる場合もあり、通常低いHLMI/MI比を有する重合体を生ずる。
【0052】
本発明の重要な態様の一つは、組成物を形成するためにアルミノキサンを用いる必要がないことである。このことは、そのようなアルミノキサンの形成を補助する水を必要としないことを意味する。このことは、水が重合過程を時々阻外することがあるので有利である。更に、組成物を形成するために硼酸塩化合物を用いる必要がないことにも注意すべきである。要するに、このことは、不均一系であり、単量体を重合するのに用いることができる組成物を容易に且つ安価に製造することができることを意味する。なぜなら、いかなるアルミノキサン化合物も硼酸塩化合物も実質的に存在しないからである。更に、本発明を形成するために有機クロムを添加する必要はなく、MgCl2を添加する必要もない。
【0053】
本発明で有用な単量体は、2〜20個の炭素原子を有する不飽和炭化水素である。現在、単量体が、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン及びそれらの混合物からなる群から選択されるのが好ましい。しかし、単独重合体が希望される場合、単量体としてエチレン、又はプロピレンを用いるのが最も好ましい。更に、共重合体が望まれる場合、単量体としてエチレン及びヘキセンを用いるのが最も好ましい。
【0054】
単量体を重合体へ重合できる方法は、例えば、スラリー重合、気相重合、及び溶液重合のように当該技術分野で知られている。ループ反応器でスラリー重合を行うのが好ましい。更に、スラリー重合で希釈剤としてイソブタンを用いるのが更に一層好ましい。そのような技術の例は、米国特許第4,424,341号、第4,501,885号、第4,613,484号、第4,737,280号、及び第5,597,892号明細書に見出すことができる。
【0055】
スラリー重合条件下で、これらの組成物は、エチレン単独、又はエチレンと1−オレフィン、又はプロピレンを非常に良好に重合することに注意すべきである。特に、この方法で用いられる組成物は、実質的に反応器を汚染することなく、良好な品質の重合体粒子を生ずる。スラリー重合条件下で組成物をループ反応器で用いる場合、重合中の最良の制御のためには、固体混合酸化物化合物の粒径は、好ましくは約10〜約1000μ、より好ましくは25〜500μ、最も好ましくは約50〜約200μの範囲である。
【0056】
重合体を製造した後、それらを、例えば、家庭用容器及び家庭用品、ドラム、燃料タンク、パイプ、ジオメンブラン(geomembrane)及びライナーのような種々の製品に形成することができる。これらの製品は種々の方法で形成することができる。通常、希望の効果を重合体に与えるために、添加剤及び改質剤を添加する。ここに記載した本発明を用いることにより、メタロセン触媒を用いて製造される重合体の独特の性質を全部ではないとしてもほとんど維持しながらそれら製品をより低コストで、製造することができると考えられる。
【0057】
更に、これらの製品は、例えば、自動車のように機械の一部分にすることができ、その結果、それに伴う利点を維持したまま、自動車の重量を軽くすることができる。
【実施例】
【0058】
これらの実施例は、当業者に付加的情報を与える。これらの実施例は特許請求の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【0059】
重合実験の説明
重合実験は、全て2.2リットルの容積を有する鋼反応器中で行われた。この反応器には、マリーン(marine)撹拌器を具えていた。重合中、この撹拌器を400rpmで回転するように設定した。この反応器を、鋼凝縮器に接続した鋼ジャケットにより取り巻いた。鋼ジャケットには沸騰するメタノールが入っていた。メタノールの沸点は、鋼凝縮器及び鋼ジャケットに適用した窒素圧力を変化させることにより調節した。この制御方法により正確な温度制御(±0.5℃)が行われた。
【0060】
最初に、処理済み又は未処理の固体酸化物化合物を、乾燥した反応器中へ窒素中で導入した。第二に、有機金属化合物溶液を注射器により反応器へ添加した。第三に、0.6リットルのイソブタンを反応器へ導入した。第四に、有機アルミニウム化合物を、イソブタン添加中に、途中で添加した。第五に、0.6リットルのイソブタンを反応器へ導入した。第六に、エチレンを反応器へ添加して550psigの圧力にした。第七に、反応器を90℃へ加熱した。この圧力を重合中維持した。重合中、特定の時間撹拌を継続した。活性度は、圧力を維持するため反応器中へ入れたエチレンの流れを記録することにより決定した。第八に、特定の時間後、エチレンの流れを止め、反応器をゆっくり減圧した。第九に、反応器を開いて粒状重合体粉末を回収した。
【0061】
全ての発明の実験で、壁スケール、被覆、又は他の形態の汚染を示すものが無く、反応器は清浄であった。重合体粉末を取り出し、秤量した。活性度は1時間当たり導入した処理済み又は未処理固体酸化物化合物1g当たり生じた重合体のg数として特定した。
【0062】
或る場合には、処理済み固体酸化物化合物と有機金属化合物とを、最初に反応器中で約半時間90℃で1リットルのイソブタン中で予め接触させ、然る後、有機アルミニウム化合物及びエチレンを反応器へ添加した。
【0063】
固体酸化物の調製
1.6cc/gの多孔度及び約300m2/gの比表面積を有する952級のシリカをW.R.グレース(Glace)から得た。この材料約10gを1.75inの石英管中に入れ、それを焼結石英で底に固定した。シリカを円板上に支持しながら約1.6〜1.8標準ft3/時の線速度でその円板を通して乾燥空気を吹き込んだ。次に石英管の周りの電気炉のスイッチを入れ、温度を1時間当たり400°の速度で600℃の温度まで上昇させた。その温度でシリカを乾燥空気により3時間流動化させた。然る後、シリカを収集し、乾燥窒素中に貯蔵した。
【0064】
シリカ調製で記載した手順により、幾つかのアルミナ試料も調製した。約1.78cc/gの多孔度及び約340m2/gの比表面積を有する、ケチェンB級アルミナとしてAKZO社から販売されている商業用アルミナを得た。これらのアルミナの調製で用いた温度は、400℃、600℃、及び800℃であった。
【0065】
W.R.グレースからシリカ・アルミナ(13%のアルミナ及び87%のシリカを含むMS 13−110)も得た。このシリカ・アルミナは、1.2cc/gの多孔度及び約300m2/gの比表面積を持っていた。このシリカ・アルミナを、シリカ調製で記載したようにして調製した。このシリカ・アルミナの調製で用いた温度は600℃であった。
【0066】
米国特許第3,887,494号明細書〔ダイツ(Deitz)〕に記載されているようなコゲル化法によりシリカ・チタニアを得た。濃硫酸中に硫酸チタニルを溶解し、第一混合物を形成した。然る後、この第一混合物に激しく撹拌しながら珪酸ナトリウム溶液をゆっくり添加し、第二混合物を形成した。第二混合物のpHが約6に到達した時、この第二混合物はゲル化して、均一な実質的に透明な第一生成物になった。この第一生成物を次に80℃、pH7で3時間エージングし、次にそれを9回水で洗浄し、2回1%硝酸アンモニウムで洗浄することにより、第二生成物を形成した。この第二生成物はゲルであったが、次に酢酸エチル中で共沸混合物的に乾燥し、第三生成物を形成した。この第三生成物は8%のチタンを含んでいた。それは450m2/gの比表面積及び2.0cc/gの多孔度を持っていた。次にこのシリカ・チタニアを、シリカ調製で記載したようにして調製した。このシリカ・チタニアの調製で用いた温度は600℃であった。
【0067】
米国特許第4,364,855号明細書〔マクダニエル(McDaniel)〕に従い、アルミノ燐酸塩を調製した。硝酸アルミニウム(380g)及び燐酸一アンモニウム(94g)を脱イオン水に溶解し、第一混合物を形成した。約170mlの水酸化アンモニウムをこの第一混合物に添加し、第二混合物を形成した。pH約8で、この第二混合物はゲル化し、第一生成物を形成した。次にこの第一生成物を水で2回、n−プロパノールで1回洗浄し、然る後、真空中80℃で一晩乾燥し、第二生成物を形成した。この第二生成物は、0.8の燐対アルミニウムモル比、2.1cc/g多孔度、及び250m2/gの比表面積を持っていた。次にこのアルミノ燐酸塩を、シリカ調製で記載したようにして調製した。このアルミノ燐酸塩の調製で用いた温度は600℃であった。
【0068】
比較例1〜2
これらの例は、有機アルミニウム化合物と接触させた有機金属化合物が、仮えあったとしても極めて僅かな重合活性度しか持たないことを実証する。
【0069】
前に記載したように、重合実験を行なった。第一に、有機金属化合物を反応器〔トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロ−ペンタジエニル)ジルコニウムを含有する溶液2ml〕に添加した。第二に、イソブタンの半分を次に反応器へ添加した。第三に、例1の場合、15重量%のトリエチルアルミニウムを2ml、例2の場合、25重量%の二塩化エチルアルミニウム(EADC)を2ml、反応器へ添加した。第四に、イソブタンの残りの半分を反応器へ添加した。
【0070】
次にエチレンを反応器へ添加したが、重合活性度は観察されなかった。1時間接触させた後、反応器を減圧し、開いた。
【0071】
夫々の場合で重合体は見出されなかった。これらの結果を表Iに示す。
【0072】
比較例3〜9
これらの例は、固体酸化物化合物を有機金属化合物、及び有機アルミニウム化合物と接触させても、仮えあったとしても極めて僅かな重合活性度しか与えないことを実証する。
【0073】
前に記載した固体酸化物化合物の各々を反応器へ添加し、次に有機金属化合物〔トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロ−ペンタジエニル)ジルコニウムを含有する溶液2ml〕を添加し、次に有機アルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム)を添加した。これらの例を表Iに示す。
【0074】
最初の二つの例は、有機金属化合物と有機アルミニウム化合物との接触は、仮えあったとしても、極めて僅かな重合活性度しか与えないことを示している。シリカの例は殆ど重合体を生じていない。シリカよりも一層酸性であると考えられるアルミナはそれよりも多くの重合体を生じたが、活性度は依然として非常に低かった。アルミノ燐酸塩、シリカ・アルミナ、及びシリカ・チタニア担体は、極めて僅かな活性度しか示さない。活性度は表IにgP/(gS・hr)の単位で示されている。
【0075】
比較例10
244gの硫酸アンモニウムを水に溶解し、全量を437mlにすることにより溶液を調製した。次にこの溶液100mlをW.R.グレース952級シリカ33.2gに含浸させた。湿った混合物を真空炉中で110℃で12時間乾燥した。これは、シリカ1g当たり12.7mMの硫酸塩に相当した。乾燥した材料を35メッシュの篩に通して粉砕し、次に前に記載した手順に従い空気中で400℃でか焼した。それは、1.22cc/gの多孔度、及び223m2/gの比表面積を持つことが判明した。次にこの材料の試料を、前に記載したように、エチレン重合活性度について試験した。それは重合体を生じなかった。この実験は表II中に例10として示してある。
【0076】
例11〜12
上記硫酸アンモニウム溶液122mlを、ケチェンB級アルミナ40.6gに含浸させた。湿った混合物を真空炉中で110℃で12時間乾燥した。これは、未か焼アルミナ1g当たり12.7mMの硫酸塩に相当した。乾燥した材料を、次に35メッシュの篩に通して粉砕し、前に記載した手順に従い空気中で400℃でか焼した。それは、僅か0.25cc/gの多孔度、及び僅か38m2/gの比表面積しか持たないことが判明した。次にこの材料の試料を、前に記載したように、エチレン重合活性度について試験した。非常に低い多孔度にも拘わらず、それは33g/g/時の重合体を依然として生じた。この実験は表II中に例11として示してある。
【0077】
次にこの同じ材料を、前に記述したように、空気中750℃で再びか焼し、重合活性度について再び試験した。この時は、583g/g/時の重合体を与えた。これは、非常に低い比表面積を考えると、極めて注目すべきことである。重合体は、0.15のメルトインデックス及び3.24の高荷重メルトインデックスを有することが判明した。この実験は表II中、例12として示す。
【0078】
例13A、B、C
ケチェンBアルミナを、前に記載したように、空気中600℃で先ずか焼した。次に、この材料11.1gを30mlのイソプロパノールでスラリーにし、1.73gの硫酸と混合した。これは、か焼アルミナ1g当たり1.6mMの硫酸塩に相当した。次にイソプロパノールを窒素中、加熱により蒸発除去した。乾燥固体を、次に、前に記載したように、空気中で550℃でか焼した。次にこの材料の試料を、エチレン重合について試験した。それは1387g/g/時の重合体を生じた。この実験は表II中に例13Aとして示してある。
【0079】
前の手順のように、ケチェンBアルミナを先ず空気中600℃でか焼し、次にこの材料5.9gを、0.453gの硫酸と混合したイソプロパノール15mlでスラリーにした。これは、か焼アルミナ1g当たり1.6mMの硫酸塩に相当した。次にイソプロパノールを窒素中、加熱により蒸発除去した。乾燥固体を、次に、前に記載したように、空気中550℃でか焼した。それは、0.93cc/gの多孔度及び205m2/gの比表面積を持つことが判明した。この材料の試料を、次にエチレン重合について試験した。それは324g/g/時の重合体を生じた。この実験は表II中に例13Bとして示す。
【0080】
次にこの材料を、前に記載したように、800℃で3時間空気中で再びか焼した。それは、1.03cc/gの多孔度及び236m2/gの比表面積を持つことが判明した。それは重合体58g/g/時の活性度を与えた。この実験は表II中に例13Cとして示す。
【0081】
例14A、B及び15
例11の手順を繰り返した。但し33.14gのケチェンBアルミナを、11.60gの硫酸アンモニウムで含浸し、次にそれを550℃でか焼した。試験結果を表II中に例14Aとして示す。この実験中、硫酸化アルミナとメタロセンとを反応器中で32分間90℃で予め接触させ、然る後、他の成分を導入して実験を開始した。この実験で生じた重合体は、0.21のMI、3.5のHLMIを有し、16.7の剪断比を与えることが判明した。重合体のゲル浸透クロマトグラフィーは、Mw=168.000、Mn=67,900、及びMw/Mn=2.5であることを示していた。か焼後、硫酸化アルミナは、284m2/gの比表面積、及び0.67cc/gの多孔度、及び94Åの平均気孔半径を持つことが判明した。
【0082】
上記硫酸化アルミナ(14A)を、次に空気中650℃で3時間か焼し、再び重合について試験した。この場合も硫酸化アルミナとメタロセンとを90℃で30分間予め接触させた。実験の詳細を表IIに例14Bとして示す。この材料は、305m2/gの比表面積、0.9cc/gの多孔度、及び110Åの平均気孔半径を持つことが判明した。
【0083】
硫酸化アルミナの別の試料を、例14Aと同じ手順により調製した。但し26.9gのケチェンBアルミナを5.41gの硫酸アンモニウムで含浸した。か焼は550℃で行われた。それは、352m2/gの比表面積、0.93cc/gの多孔度、及び106Åの平均気孔半径を持つことが判明した。重合の詳細を表II中に例15として示す。
【0084】
比較例16A
200mlのイソプロパノール中に2.0gの濃硫酸を入れた溶液を調製した。ケチェンBアルミナを、前に記載したように、空気中600℃でか焼した。次にこの材料6.34gを16mlのその溶液でスラリーにした。これはか焼アルミナ1g当たり0.26mMの硫酸塩に相当した。次にイソプロパノールを窒素中、加熱により蒸発除去した。乾燥固体を、次に、前に記載したように、空気中500℃でか焼した。それは、0.95cc/gの多孔度及び213m2/gの比表面積を持つことが判明した。この材料の試料を、次にエチレン重合について試験した。それは6g/g/時の重合体を生じた。この実験は表II中に例16として示す。
【0085】
例17
シリカ・アルミナを、MS 13−110の商標名でW.R.グレースから得た。その性質及び活性度は既に前に記述した。それを、上の例16で記述したように、硫酸で含浸し、1g当たり1.6mMの硫酸塩を含むようにした。それを、前に記述したように空気中600℃でか焼した。次にこの試料を、メタロセン及びイソブタンと共に反応器に導入し、90℃で32分間撹拌し、然る後、エチレンを添加した。それは、82g/g/時の重合体を生じた。この実験を表II中、例17として示す。
【0086】
例18
30mlのメタノール中に0.5gの二フッ化アンモニウムを入れた溶液を、4.5gのケチェンB級アルミナに添加した。そのアルミナは、前に記載したように、空気中600℃でか焼してあった。これはアルミナを丁度初期湿潤点(point of incipientwetness)を越えて湿潤させた。これはか焼したアルミナ1g当たり3.90mMのフッ化物に相当した。次にメタノールを窒素中、加熱により蒸発除去した。乾燥固体を、次に、前に記載したように、窒素中500℃でか焼した。この材料の試料を、次にエチレン重合について試験した。それは927g/g/時の重合体を生じた。この実験は表III中に例18として示す。
【0087】
例19〜21
例18に記載した手順を繰り返した。但し最終か焼を、250℃、400℃、及び600℃で達成した。夫々を重合活性度について試験し、それらの結果を表III中に例19、20、及び21として示す。
【0088】
例22
例18に記載した手順を繰り返した。但し未か焼ケチェンBアルミナを、1g当たり5.80mMのフッ化物を含浸させた。500℃でか焼した後、それを重合活性度について試験し、結果を表III中に例22として示す。
【0089】
例23〜24
W.R.グレースHPV級アルミナを、空気中600℃で3時間か焼し、約500m2/gの比表面積及び約2.8cc/gの多孔度を有する材料を与えた。この材料3.36gを流動窒素中600℃に加熱した。次に5.0mlのペルフルオロヘキサンを、アルミナから上流の窒素中に注入した。次の15分間に亙って、ペルフルオロヘキサンを室温で窒素中へ蒸発し、次にアルミナ流動床を通って上へ移動させ、そこで反応させた。この露出は、フッ化物の全てが反応したならば、アルミナ1g当たり約55mMのフッ化物に相当する(これは明らかに当て嵌まらない)。アルミナは、恐らくそれに付着した炭素のために黒くなった。次にこの材料を重合活性度について試験し、試料をメタロセンと共に90℃で反応器へ導入した。30分間撹拌した後、トリエチルアルミニウム及びエチレンを添加し、試料が1266g/g/時の重合体を与えることが判明した。詳細を表III中に例23として示す。
【0090】
この材料を、次に空気中600℃で3時間再びか焼し、残留炭素を燃焼除去した。黒色は白色へ戻った。次にそれを重合活性度について試験し、その試料をメタロセン及びトリエチルアルミニウムと共に反応器へ添加し、その直ぐ後にエチレンを添加した。それは、重合体2179g/g/時の活性度を与えた。詳細を表III中に例24として示す。
【0091】
例25〜26
ケチェンB級アルミナを、例5に記載したように、空気中600℃で3時間か焼した。このアルミナ9.29gを乾燥石英活性化管中に導入し、一酸化炭素で600℃で流動化した。次に4.5mlの臭化メチルを一酸化炭素中へ上流から注入した。次の30分間中、臭化メチルを電気加熱器で暖め、それを蒸発し、一酸化炭素ガスにより600℃で流動化アルミナ床を通って運んだ。この処理後、アルミナは恐らく炭素付着により黒色になった。試料を重合活性度について試験し、223g/g/時の重合体を与えることが判明した。第二の同様な実験で、それは181g/g/時の重合体を与えることが判明した。これら二つの実験を表IV中に例25及び26として示す。
【0092】
例27
ケチェンB級アルミナを、例5に記載したように、空気中600℃で3時間か焼した。このアルミナ9.82gを乾燥石英活性化管中に導入し、一酸化炭素で600℃で流動化した。次に1.0mlの臭素液体を一酸化炭素中へ上流から注入し、ゆっくり蒸発させ、600℃で流動化アルミナ床を通って運んだ。この処理後、アルミナは白色になった。試料を重合活性度について試験し、106g/g/時の重合体を与えることが判明した。この実験を表IV中に例27として示す。
【0093】
例28〜31
10mlのケチェンB級アルミナを、例5に記載したように、空気中600℃で3時間か焼した。このか焼工程後、炉温度を400℃に低下し、1.0mlの四塩化炭素を窒素流中に注入し、アルミナ床から上流で蒸発させた。それは床中へ運ばれ、そこでアルミナと反応し、表面を塩化した。これは脱水アルミナ1g当たり約15.5mMの塩化物に相当した。この処理後、アルミナは白色になった。試料を重合活性度について試験した。エチレンの外に、50mlの1−ヘキセンもコモノマーとして反応器へ添加した。この材料は次の性質を有する共重合体を939g/g/時を与えた:0.63のメルトインデックス、10.6の高荷重メルトインデックス、16.7の剪断比、0.9400の密度、126,000の重量平均MW、50,200の数平均MW、及び2.5の多分散度。この実験を表V中に例28として示す。
【0094】
この塩化アルミナを、ヘキサンを用いずに再び試験し、その詳細を表V中に例29として示す。それは次の性質を有する重合体を1019g/g/時を生じた:0.15のメルトインデックス、2.68の高荷重メルトインデックス、17.9の剪断比、0.9493の密度、202,000の重量平均MW、62,400の数平均MW、及び3.2の多分散度。
【0095】
同様な実験で、空気中600℃で既にか焼したケチェンB級アルミナ7.3gを、窒素中0.37mlの四塩化炭素蒸気で400℃で処理した。これは、か焼アルミナ1g当たり約2.4mMの塩化物に相当する。この材料は146g/g/時の活性度を与え、表V中に例30として示す。
【0096】
更に別の同様な実験で、例29の手順を繰り返した。但し600℃でか焼したアルミナ6.2gを、5.0mlの四塩化炭素で400℃で処理した。それは、1g当たり約37.6mMの塩化物に相当する。この材料は1174/g/時の活性度を与え、表V中に例31として示す。
【0097】
例32〜35
ケチェンB級アルミナの更に三つの試料を、上の例で記述したように、空気中600℃でか焼し、次に種々の量の四塩化炭素で種々の温度で処理した。表Vは、これらの実験結果を例32、33、及び34として示す。例33では、処理を窒素の代わりに一酸化炭素ガス中で行なった。
【0098】
例33の触媒を、重合活性度について試験したが、次の変化を加えた。全ての成分を反応器へ導入し、直ちに実験を開始する代わりに、先ず酸化物とメタロセンとをイソブタンと共に導入し、互いに37分間90℃で接触させ、然る後、助触媒及びエチレンを添加し、実験を開始した。この実験を表V中に例35として示す。
【0099】
例36
W.R.グレースHPV級アルミナを空気中600℃で3時間か焼し、約500m2/gの比表面積及び約2.8cc/gの多孔度を与えた。このアルミナ5.94gを、次に窒素中5.0mlの四塩化炭素で600℃で処理した。重合試験の結果を表V中例36として示す。
【0100】
例37
W.R.グレースMS 13−110級シリカ・アルミナを、上の例8に記載したように、空気中600℃で3時間か焼した。11.2gを、次に窒素中2.8mlの四塩化炭素で600℃で処理した。重合試験の結果を表V中例37として示す。
【0101】
空気中400℃で3時間か焼したケチェンB級アルミナ6.96gを、乾燥活性化管に導入し、窒素中400℃に加熱した。次に2.1mlの四塩化珪素をアルミナから上流の窒素中に注入した。それが蒸発するに従って、アルミナ床を通って上へ運ばれ、反応し、表面を塩化した。重合活性度について試験すると、この材料は、0.20のメルトインデックス、3.58の高荷重メルトインデックス、及び17.9の剪断比を有する重合体を579g/g/時与えた。重合試験の詳細を表VI中に例38として示す。
【0102】
例39
空気中600℃で3時間か焼したケチェンB級アルミナ8.49gを、乾燥活性化管に導入し、窒素中300℃に加熱した。次に2.8mlの塩化チオニルをアルミナから上流の窒素中に注入した。それが蒸発するに従って、アルミナ床を通って上へ運ばれ、反応し、表面を塩化した。重合活性度について試験すると、この材料は、0.13のメルトインデックス、2.48の高荷重メルトインデックス、及び18.6の剪断比を有する重合体を764g/g/時与えた。重合試験の詳細を表VI中に例39として示す。
【0103】
例40
空気中400℃で3時間か焼したケチェンB級アルミナ7.63gを、乾燥活性化管に導入し、乾燥空気中300℃に加熱した。次に2.55mlの塩化スルフリルをアルミナから上流の空気中に注入した。それが室温で約45分間に亙って蒸発するに従って、アルミナ床を通って上へ運ばれ、反応し、表面を塩化した。重合活性度について試験すると、この材料は、0.11のメルトインデックス、2.83の高荷重メルトインデックス、及び25.6の剪断比を有する重合体を459g/g/時与えた。重合試験の詳細を表VI中に例40として示す。
【0104】
比較例41〜43及び例44〜45
2.6955gの固体三塩化アルミニウムを、前の実験で用いた15%のトリエチルアルミニウム2.0ml及びメタロセン溶液2.0mlと共に反応器へ添加した。前の実験のように、イソブタン及びエチレンを添加した。しかし、活性度は観察されなかった。この実験を表VI中例41として要約する。次に実験を、反応器中に入れた三塩化アルミニウムを少なくして繰り返したが、同じく活性度は観察されなかった。これは例42である。従って、AlCl3自身はメタロセンのための活性化剤としての機能は果たさない。三塩化アルミニウムと塩化されたアルミナとの間には明確な差が存在する。
【0105】
次の例では、三塩化アルミニウムを水和アルミナの表面に付着させ、一層大きな比表面積を与えるようにした。1.4gの無水三塩化アルミニウムを100mlのジクロロメタン中に溶解した。この溶液を、次に6gのケチェンB級アルミナに添加した。そのアルミナは空気中600℃で3時間か焼してあった。ジクロロメタンを窒素中60℃で蒸発した。次にこの材料の試料を重合活性度について試験したが(例43)、それは殆ど活性度を持っていなかった。次にこの材料を窒素中250℃に1時間加熱し、重合活性度について再び試験した(例44)。この時は幾らかの活性度は検出された。次にその材料を再び窒素中で400℃に1時間加熱し、再び重合活性度について試験し(例45)、活性度が観察された。
【0106】
比較例46及び48及び例47
別の実験で、600℃でか焼したケチェンB級アルミナ3.5gを、25%の二塩化エチルアンモニウム(EADC)10mlで60℃で10分間処理し、次に2回濯ぎ、未反応EADCを除去した。重合活性度について試験すると(最初は助触媒なし、次に助触媒使用)、全く観察されなかった(例46)。次にその材料を窒素中200℃で1時間加熱し、再び試験した(例47)。幾らかの活性度が観察された。
【0107】
同様な実験で、400℃でか焼したケチェンB級アルミナ4.31gを、25重量%の塩化ジエチルアンモニウム(DEAC)30mlで90℃で30分間処理した。過剰のDEACを傾瀉し、固体を乾燥ヘプタン中で3回洗浄した。次にそれを窒素中100℃で乾燥し、重合活性度について試験した(例48)。それは29g/g/時の活性度を示した。
【0108】
比較例49
乾燥空気中600℃で3時間既にか焼したダビソン(Davison)952シリカの試料2.26gを、3.4mlのトリフルオロメタンスルホン酸(純度95.7%)で初期湿潤点まで含浸した。この手順をフラスコ中、窒素中で行なった。次にこの材料を、600℃で3時間乾燥空気中で予めか焼したケチェンB級アルミナ8.96gと混合した。得られた固体材料は、79.9重量%のアルミナ及び29.1重量%のシリカであった。この手順を乾燥活性化管中で流動床で窒素中で行なった。混合物を窒素中193℃〜230℃に3時間加熱し、トリフルオロメチレンスルホン酸を蒸発し、アルミナと反応させ、それはアルミナ1g当たり1mMのトリフルオロメタンスルホン酸含有量を与えた。それを、上に記載したように、重合活性度について試験した。但し、エチレン圧力を550psigの代わりに450psigに設定し、25mlの1−ヘキセンを反応器へ添加した。結果を表VII中に示す。
【0109】
例50
例49からの固体酸化物を、次に窒素中400℃で更に3時間加熱し、トリフリック酸の分布及び反応を更に促進した。それを、上に記載したように、重合活性度について試験した。但し、エチレン圧力を550psigの代わりに450psigに設定し、25mlの1−ヘキセンを反応器へ添加した。結果を表VII中に示す。
【0110】
例51
例50からの固体酸化物を、再び窒素中600℃で更に3時間加熱し、トリフリック酸の分布を更に促進した。次にそれを、上に記載したように、重合活性度について試験した。但し、エチレン圧力を550psigの代わりに450psigに設定し、25mlの1−ヘキセンを反応器へ添加した。結果を表VII中に示す。
【0111】
例52
30mlのメタノール中に0.5gの二フッ化アンモニウムを溶解した溶液を、空気中600℃で3時間か焼しておいたケチェンB級アルミナ試料4.5gに付着させた。これはその固体を丁度初期湿潤点を越えた所へ持って行った。次に窒素パージしながらメタノールをホットプレート上で加熱することにより蒸発除去し、活性化管に移し、そこで窒素中500℃に加熱し、2時間維持した。この材料1.89gを、次にガス流中へ注入した0.5mlの四塩化炭素で窒素中500℃で処理した。次に試料を、メタロセン及び2.0mlのトリエチルアルミニウム助触媒を用いてエチレン重合について試験した。それは3132g/g/時の重合体を生じた。詳細を表VIII中に列挙する。
【0112】
例53〜54
空気中600℃で3時間か焼し、約500m2/gの比表面積及び約2.8cc/gの多孔度を生じたW.R.グレースHPV級アルミナ6.18gを、乾燥活性化管へ移し、窒素中600℃へ加熱した。次に0.24mlのペルフルオロヘキサンを炉の前の窒素流れ中に注入した。液体を蒸発し、アルミナ床を通って上へ運び、その表面をフッ化した。次に1.55mlの四塩化炭素を窒素流中に注入し、600℃でアルミナ床へ運んだ。温度を25℃へ冷却し、得られたフッ化されたアルミナを窒素中に保存した。この材料の僅かな試料を、メタロセン及びトリエチルアルミニウムを用いて重合活性度について試験した。例53に示した活性度は甚だ大きく、4390g/g/時であった。
【0113】
次にこの材料を、再び試験した。但しそれをイソブタン中でメタロセンと共に90℃で30分間撹拌し、然る後、他の成分を添加した。この手順は、6298g/g/時の活性度を生じた(例54)。
【0114】
例55
フレーム(flame)加水分解により得られたデガッサ(Degussa)アルミノキシドCを、空気中600℃で3時間か焼した。次にこのか焼アルミナ2.74gを、空気中600℃に加熱し、その中へ4.1mlのペルフルオロヘキサンを注入した。液体を蒸発させながら、それを空気によりアルミナ床を通って上へ運んだ。然る後、そのガス流を空気から窒素へ切替え、1.0mlの四塩化炭素を注入した。全てが蒸発した後、固体を室温へ冷却し、窒素中に保存した。僅かな試料を、メタロセン及び前に記述したような助触媒を用いて重合活性度について試験した。この材料は1383g/g/時を生ずることが判明した。詳細を表VIIIに記録する。
【0115】
例56、60〜61、63〜64及び比較例57〜59、62、65〜66
例33の場合と同様に、塩化したアルミナを調製した。各実験で、酸化物の試料を窒素中で反応器へ入れ、トルエン100ml中に0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを入れた溶液2mlを添加し、次に0.6リットルのイソブタン液体、次に1mMの助触媒を添加し(通常ヘキサン溶液として)、次に更に0.6リットルのイソブタン、最後にエチレンを、反応器が90℃に達した後添加した。表IXは、これらの実験の結果を例56〜62として示している。
【0116】
例21で用いた調製法に従って塩化するよりもフッ化したアルミナを用いて、助触媒の同様な比較を行なった。これらの実験は、表IX中、例63〜66として示されている。
【0117】
例67〜71
各下の実験では、例50で用いたフッ化し、塩化したアルミナを反応器へ入れ、次にトルエン100ml中に0.5gの選択したメタロセンを入れた溶液を2ml添加し、次に0.6リットルのイソブタン液体、次に1Mのトリエチルアルミニウム2.0mlを助触媒として添加し、次に更に0.6リットルのイソブダン、最後にエチレンを添加した。これらの実験は、前の全ての実験と同じように90℃で行なった。詳細を表Xに示す。
【0118】
【表1】

【0119】
表Iの注:
1. これは、使用した未処理固体酸化物化合物である。
2. これはか焼温度である。
3. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
4. これは、使用した有機アルミニウム化合物の量(ml)及び用いた有機アルミニウムの種類である。TEAは、ヘプタン中、トリエチルアルミニウムの15重量%溶液である。
5. これは、生成した重合体の量(g)である。
6. これは、使用した時間の長さ(分)である。
7. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
8. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は1.2リットルのイソブタン中、550psigのエチレン中、90℃で実施した。
【0120】
【表2】

【0121】
表IIの注:
1. これは、使用した固体酸化物化合物である。
2. これは、固体酸化物1g当たり硫酸塩のmMの単位で示した硫酸塩の使用量である。
3. これはか焼温度である。
4. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
5. これは、使用したTEAの量(ml)である。それは、ヘプタン中に入れたトリエチルアルミニウムの15重量%溶液であった。
6. これは、生成した重合体の量(g)である。
7. これは、使用した時間の長さ(分)である。
8. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
9. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は1.2リットルのイソブタン中、550psigのエチレン中、90℃で実施した。
【0122】
【表3】

【0123】
表IIIの注:
1. これは、使用した固体酸化物化合物である。
2. これは、固体酸化物1g当たりフッ化物のmMの単位で示したフッ化物の使用量である。
3. これはか焼温度である。
4. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
5. これは、使用したTEAの量(ml)である。それは、ヘプタン中に入れたトリエチルアルミニウムの15重量%溶液であった。
6. これは、生成した重合体の量(g)である。
7. これは、使用した時間の長さ(分)である。
8. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
9. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は1.2リットルのイソブタン中、550psigのエチレン中、90℃で実施した。
【0124】
【表4】

【0125】
表IVの注:
1. これは、使用した固体酸化物化合物である。
2. これはか焼温度である。
3. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
4. これは、使用したTEAの量(ml)である。それは、ヘプタン中に入れたトリエチルアルミニウムの15重量%溶液であった。
5. これは、生成した重合体の量(g)である。
6. これは、使用した時間の長さ(分)である。
7. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
8. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は1.2リットルのイソブタン中、550psigのエチレン中、90℃で実施した。
【0126】
【表5】

【0127】
表Vの注:
1. これは、使用した固体酸化物化合物である。
2. これは、固体酸化物1g当たり塩化物のmMの単位で示した塩化物の使用量である。
3. これはか焼温度である。
4. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
5. これは、使用したTEAの量(ml)である。それは、ヘプタン中に入れたトリエチルアルミニウムの15重量%溶液であった。
6. これは、生成した重合体の量(g)である。
7. これは、使用した時間の長さ(分)である。
8. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
9. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は1.2リットルのイソブタン中、550psigのエチレン中、90℃で実施した。
【0128】
【表6】

【0129】
表VIの注:
1. これは、使用した固体酸化物化合物である。
2. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
3. これは、使用したTEAの量(ml)である。それは、ヘプタン中に入れたトリエチルアルミニウムの15重量%溶液であった。
4. これは、生成した重合体の量(g)である。
5. これは、使用した時間の長さ(分)である。
6. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
7. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は1.2リットルのイソブタン中、550psigのエチレン中、90℃で実施した。
【0130】
【表7】

【0131】
表VIIの注:
1. これは、使用した固体酸化物化合物である。
2. これは、固体酸化物1g当たりトリフレートのmMの単位で示したトリフレートの使用量である。
3. これはか焼温度である。
4. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
5. これは、使用したTEAの量(ml)である。それは、ヘプタン中に入れたトリエチルアルミニウムの15重量%溶液であった。
6. これは、生成した重合体の量(g)である。
7. これは、使用した時間の長さ(分)である。
8. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
9. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は1.2リットルのイソブタン及び25mlの1−ヘキセン中、450psigのエチレン中、90℃で実施した。
【0132】
【表8】

【0133】
表VIIIの注:
1. これは、使用した固体酸化物化合物である。
2. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
3. これは、使用したTEAの量(ml)である。それは、ヘプタン中に入れたトリエチルアルミニウムの15重量%溶液であった。
4. これは、生成した重合体の量(g)である。
5. これは、使用した時間の長さ(分)である。
6. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
7. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は1.2リットルのイソブタン中、550psigのエチレン中、90℃で実施した。
【0134】
【表9】

【0135】
表IXの注:
1. これは、使用した固体酸化物化合物である。
2. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
3. これは、使用した助触媒の量(ml)である。
4. これは、生成した重合体の量(g)である。
5. これは、使用した時間の長さ(分)である。
6. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
7. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は1.2リットルのイソブタン中、550psigのエチレン中、90℃で実施した。
【0136】
【表10】

【0137】
表Xの注:
1. これは、使用した固体酸化物化合物である。
2. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
3. これは、生成した重合体の量(g)である。
4. これは、使用した時間の長さ(分)である。
5. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
6. A=二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
B=二塩化ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
C=二塩化ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム
D=塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリメチルシリルメチル
【0138】
比較例72
前の例に記載したように、ケチェンB級アルミナを流動化空気中600℃で3時間か焼し、乾燥窒素中に保存した。次にこの材料9.3gを再び流動化窒素中で600℃へ加熱した。この温度で2.3mlの四塩化炭素をアルミナより前の窒素流中に注入した。数分間に亙ってそれを蒸発し、アルミナ床を通って上へ運び、そこでその表面を塩化処理した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIに示す。
【0139】
比較例73
ケチェンB級アルミナをイソプロパノールアルコールでスラリーにし、それにアルミナ重量の2.5%に等しい量で硫酸を添加した。次にアルコールを真空中で一晩約100℃で蒸発除去した。次に試料を、上で述べたように、乾燥空気中600℃で3時間か焼した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIに示す。
【0140】
例74
24.68gの新しいケチェンB級アルミナ試料を、55mlの脱イオン水中に4.2gの二水和塩化銅を入れた溶液で含浸した。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、35メッシュの篩に通して押出し、乾燥流動化空気中600℃で3時間か焼し、塩化物の多くを混合酸化物に転化した。次にこの材料16.53gを、流動化窒素中600℃でか焼し、その中へ4.3mlの四塩化炭素を前に記載したように注入し、表面を再び塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。これは、0.17のメルトインデックス、4.02の高荷重メルトインデックス、及び23.6のHLMI/MI比を有するポリエチレンを164g生じた。結果を表XIに示す。
【0141】
例75
20.0gの新しいケチェンB級アルミナに、50mlの脱イオン水中に5.0gの五水和硫酸銅を入れた溶液を含浸させた。それを真空中100℃で一晩乾燥し、100メッシュの篩に通して押出し、流動化乾燥空気中600℃で3時間か焼した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIに示す。
【0142】
例76
上の例13に記載した材料の試料13.35gを、窒素中600℃再びか焼した。試料より前のガス流中に、3.4mlの四塩化炭素を注入し、それを蒸発し、試料床を通して運び、そこで反応させた。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIに示す。
【0143】
例77
予め空気中600℃で3時間か焼したケチェンB級アルミナ試料9.0gを、次に24mlの四塩化炭素中に4.77gの無水三塩化ガリウムを入れた溶液で含浸した。この溶液を、流動窒素中、ホットプレート上で蒸発した。この材料の試料12.74gを、次に空気中600℃で3時間再びか焼し、塩化ガリウムの多くを混合酸化物に転化した。次に、ガス流を窒素に変え、試料の前に3.4mlの四塩化炭素を注入し、それを蒸発し、試料床を通って運び、そこでそれを反応させて表面を再び塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIに示す。
【0144】
例78及び79
50.0gのケチェンB級アルミナ試料上に、50mlのヘプタン及び25mlの四塩化錫液体の溶液を含浸させた。その試料は暖かくなり、HClガスを発生し、構造中で水分と或る反応が起きたことを示していた。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、35メッシュの篩に通して押出した。この材料の一部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、塩化錫物質の幾らかを混合酸化物に転化した。次にこの材料4.9gを、乾燥窒素中600℃でか焼し、その中へ1mlの四塩化炭素を注入し、表面を再び塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。一つの実験では、それは、0.16のメルトインデックス、3.27の高荷重メルトインデックス、20.7のHLMI/MI比、174,000の重量平均MW、57,500の数平均MW、及び3.1のMW/MNを有するポリエチレンを202g生じた。結果を表XIIに示す。
【0145】
例80
30.0gのケチェンB級アルミナ試料上に、60mlの脱イオン水及び6.0gの硝酸銀の溶液を含浸させた。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、35メッシュの篩に通して押出した。この材料の12.6g部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、銀物質を混合酸化物に転化した。次に、未だ600℃にある間にガス流を窒素へ変え、1.9mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIに示す。
【0146】
例81
20.0gのケチェンB級アルミナ試料上に、40mlのイソプロパノール中に9.0gのニオブペンタエトキシドを入れた溶液を含浸させた。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、35メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の10.68g部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、ニオブ物質を混合酸化物に転化した。次に、未だ600℃にある間にガス流を窒素へ変え、1.6mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIに示す。
【0147】
例82
水中に50%の二硝酸マンガンを入れた溶液20gに、別の35mlの脱イオン水を添加した。次にこの溶液を20.0gのケチェンB級アルミナ試料上に含浸させた。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、35メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の9.61g部分を乾燥空気中600℃で4時間か焼し、マンガン物質を混合酸化物に転化した。次に、未だ600℃にある間にガス流を窒素へ変え、2.3mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIに示す。
【0148】
例83
100mlの脱イオン水及び20.0gのメタタングステン酸アンモニウムの溶液を、50.0gのケチェンB級アルミナ試料に含浸させた。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、35メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の15.43g部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、タングステン物質を混合酸化物に転化した。次に、未だ600℃にある間にガス流を窒素へ変え、2.35mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIに示す。
【0149】
例84
100mlの脱イオン水及び25.0gの三硝酸ランタン六水和物の溶液を、50.0gのケチェンB級アルミナ試料に含浸させた。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、35メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の9.38g部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、ランタン物質を混合酸化物に転化した。次に、未だ600℃にある間にガス流を窒素へ変え、2.4mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。次にこの材料を重合活性度について試験し、それは、0.14のメルトインデックス、2.43の高荷重メルトインデックス、及び17.6のHLMI/MI比を有するポリエチレンを94.5g生じた。結果を表XIIに示す。
【0150】
例85
35mlの脱イオン水及び7.29gの三塩化ネオジム六水和物の溶液を、23.53gのケチェンB級アルミナ試料に含浸させた。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、100メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の一部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、ネオジム物質を混合酸化物に転化した。次に、この材料の10.2gを窒素中600℃に再び加熱し、未だ600℃にある間に、2.5mlの四塩化炭素を注入し、表面を再び塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIに示す。
【0151】
比較例86
予め乾燥空気中600℃で3時間か焼したケチェンB級アルミナの試料2.9gを、7.5mlのジクロロメタンで湿潤させた。次にジクロロメタン中に入れた五塩化アンチモンの1モル溶液2.9mlを添加し、スラリーを形成した。次に溶液を流動窒素中でホットプレート上で蒸発除去した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIに示す。
【0152】
例87
例23からの材料の試料1.55gを空気中600℃で1時間か焼し、アンチモン物質の幾らかを混合酸化物に転化した。次に未だ600℃にある間にガス流を窒素に変え、0.4mlの四塩化炭素を注入し、表面を再び塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIに示す。
【0153】
比較例88
ケチェンB級アルミナを空気中600℃で3時間か焼した。この材料の10.42gを600℃の窒素中で再びか焼した。2.6mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中保存し、後で重合活性度について試験した。それは、0.9410の密度、0.61のメルトインデックス、9.87の高荷重メルトインデックス、及び16.2のHLMI/MI比を有するポリエチレンを280g生じた。結果を表XIIIに示す。
【0154】
比較例89
予め乾燥空気中600℃で3時間か焼したケチェンB級アルミナの試料4.5gを、30mlのメタノール中に0.5gの二フッ化アンモニウムを入れた溶液中でスラリーにした。次に溶媒を流動窒素中でホットプレート上で蒸発除去した。次に得られた固体を窒素中500℃で2時間か焼した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIIに示す。
【0155】
例90
40mlの脱イオン水及び2.0gの二塩化亜鉛の溶液を調製した。全ての亜鉛を溶解するため、数滴の硝酸を添加しなければならなかった。次にこの溶液を、ケチェンB級アルミナ試料10gに含浸させた。これにより塩化亜鉛の含有量はアルミナの20%になった。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、100メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の一部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、亜鉛物質を混合酸化物に転化した。次に、この材料を乾燥窒素中保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIIに示す。
【0156】
例91
35mlの脱イオン水及び1.9gの塩化亜鉛の溶液を調製した。全ての亜鉛を溶解するため、数滴の硝酸を添加しなければならなかった。次にこの溶液を、ケチェンB級アルミナ試料18.35gに含浸させた。これにより塩化亜鉛の含有量はアルミナの10%になった。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、100メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の一部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、亜鉛物質を混合酸化物に転化した。次に、この材料の11.37gを窒素中600℃に再び加熱し、未だ600℃に或る間に、2.85mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。この材料は、0.90cc/gの多孔度、及び248m2/gの比表面積を持つことが判明した。次にそれを乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。それは、0.9406の密度を有するポリエチレン158gを生じた。結果を表XIIIに示す。
【0157】
例92
435mlの脱イオン水、34.65gの塩化亜鉛、及び2.5mlの硝酸からなる溶液を調製し、ケチェンB級アルミナ試料170.35gに含浸させた。これにより塩化亜鉛の含有量はアルミナの20%になった。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、80メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の一部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、亜鉛物質を混合酸化物に転化した。次に、この材料の25.96gを窒素中600℃で再び加熱し、未だ600℃に或る間に、2.4mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。次にこ材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIIに示す。
【0158】
例93
100mlの脱イオン水、13.03gの塩化亜鉛、及び数滴の硝酸からなる溶液を調製し、ケチェンB級アルミナ試料64.84gに含浸させた。これにより塩化亜鉛の含有量はアルミナの20%になった。次にそれを真空中100℃で一晩乾燥し、100メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の一部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、亜鉛物質を混合酸化物に転化した。次に、この材料の35.94gを窒素中600℃で再び加熱し、未だ600℃に或る間に、5.5mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIIに示す。
【0159】
例94
43mlの脱イオン水、7.3gの塩化亜鉛、及び数滴の硝酸からなる溶液を調製し、ケチェンB級アルミナ試料17.24gに含浸させた。これにより塩化亜鉛の含有量はアルミナの40%になった。次にそれを真空中80℃で一晩乾燥し、100メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の一部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、亜鉛物質を混合酸化物に転化した。次に、この材料の12.47gを窒素中600℃で再び加熱し、未だ600℃に或る間に、3.1mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。それは、0.89cc/gの多孔度及び217m2/gの比表面積を持つことが判明した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。それは、0.69のメルトインデックス、11.4の高荷重メルトインデックス、及び16.5のHLMI/MI比を有するポリエチレンを157.8g生じた。結果を表XIIIに示す。
【0160】
比較例95
50mlの脱イオン水、4.0gの塩化亜鉛、及び数滴の硝酸からなる溶液を調製し、W.R.グレース952級シリカの試料20.0gに含浸させた。これにより塩化亜鉛の含有量はアルミナの20%になった。次にそれを真空中80℃で一晩乾燥し、100メッシュの篩に通して押出した。次にこの材料の一部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、亜鉛物質を混合酸化物に転化した。次に、この材料の19.08gを窒素中600℃に再び加熱し、未だ600℃に或る間に、4.8mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。結果を表XIIIに示す。
【0161】
例96
例28で形成した材料の一部分を乾燥空気中600℃で3時間か焼し、亜鉛物質を混合酸化物に転化した。次に、この材料の4.4gを空気中600℃で再び加熱し、未だ600℃に或る間に、2.9mlのペルフルオロヘキサンを注入し、表面をフッ素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。それは、0.99のメルトインデックス、16.5の高荷重メルトインデックス、16.5のHLMI/MI比、及び0.9408の密度を有するポリエチレンを124.5g生じた。結果を表XIIIに示す。
【0162】
例97
例34で形成した材料の3.0g部分を乾燥窒素中600℃でか焼し、未だ600℃に或る間に、0.75mlの四塩化炭素を注入し、表面を塩素化した。次にこの材料を乾燥窒素中に保存し、後で重合活性度について試験した。それは、0.54のメルトインデックス、9.2の高荷重メルトインデックス、17.0のHLMI/MI比、及び0.9401の密度を有するポリエチレンを68.5g生じた。結果を表XIIIに示す。
【0163】
【表11】

【0164】
表IXの注:
1. これは、か焼温度である。
2. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
3. これは、使用した有機アルミニウム化合物の量(ml)及び用いた有機アルミニウムの種類である。TEAは、ヘプタン中に入れたトリエチルアルミニウムの15重量%溶液になっていた。
4. これは、生成した重合体の量(g)である。
5. これは、使用した時間の長さ(分)である。
6. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
7. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は1.2リットルのイソブタン中、550psigのエチレン中、90℃で実施した。
【0165】
【表12】

【0166】
表XIIの注:
1. これは、か焼温度である。
2. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
3. これは、使用した有機アルミニウム化合物の量(ml)及び用いた有機アルミニウムの種類である。TEAは、ヘプタン中に入れたトリエチルアルミニウムの15重量%溶液になっていた。
4. これは、生成した重合体の量(g)である。
5. これは、使用した時間の長さ(分)である。
6. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
7. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は550psigのエチレン、1.2リットルのイソブタン(条件1)中、又は450psig及び25mlの1−ヘキセン(条件2)中、90℃で実施した。
【0167】
【表13】

【0168】
表XIIIの注:
1. これは、か焼温度である。
2. これは他の化合物と接触させた固体酸化物化合物の量(g)である。
3. これは、使用した有機アルミニウム化合物の量(ml)及び用いた有機アルミニウムの種類である。TEAは、ヘプタン中に入れたトリエチルアルミニウムの15重量%溶液になっていた。
4. これは、生成した重合体の量(g)である。
5. これは、使用した時間の長さ(分)である。
6. これは、gP/(gS・hr)で表した活性度である。
7. 使用した有機金属化合物の量は25μMであった。使用した有機金属化合物の種類は、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムであった。この有機金属化合物は、トルエン100ml当たり0.5gの二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムを含む溶液になっていた。更に、これらの例は550psigのエチレン、1.2リットルのイソブタン(条件1)中、又は450psig及び25mlの1−ヘキセン(条件2)中、90℃で実施した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
単量体重合用触媒組成物の製造方法であって、有機金属化合物、処理済み固体酸化物化合物、及び有機アルミニウム化合物を接触させて前記組成物を製造する工程を含み、然も、
前記組成物が接触後の有機金属化合物及び接触後の処理済み固体酸化物化合物を含み、
前記組成物がエチレンを、同じ有機金属化合物及び同じ有機アルミニウム化合物を用いているが、前記処理済み固体酸化物化合物の代わりに未処理ケチェンB級(Ketjen grade B)アルミナを用いた組成物よりも大きな活性度をもって重合して重合体にすることができ、
前記有機金属化合物が次の一般式:
(X1)(X2)(X3)(X4)M1
〔式中、M1は、チタン、ジルコニウム、又はハフニウムであり、(X1)は、独立にグループOMC−Iラジカルであり、このラジカルは、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、置換シクロペンタジエニル、置換インデニル、又は置換フルオレニルであり、前記置換シクロペンタジエニル、前記置換インデニル、又は前記置換フルオレニルの置換基が、各々脂肪族基、環式基、前記脂肪族基と環式基との組合せ、有機金属基、又は水素であり、
(X3)及び(X4)は、独立にグループOMC−IIラジカルであり、このラジカルはハロゲン、脂肪族基、環式基、脂肪族基と環式基との組合せ、又は有機金属基であり、
(X2)は、グループOMC−I又はグループOMC−IIラジカルである。〕
を有し、
前記有機アルミニウム化合物が次の一般式:
Al(X5n(X63-n
〔式中、(X5)は、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、
(X6)は、ハロゲン、水素、又はアルコキシドであり、
nは1〜3(両数字を含む)の数である。〕
を有し、
前記処理済み固体酸化物化合物が、少なくとも一種類の固体酸化物化合物と、少なくとも一種類の電子吸引性陰イオン源化合物と接触させて混合物を形成することにより製造されるものである、
上記製造方法。
【請求項2】
製造された組成物が、前記接触後の化合物群のみから本質的になる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
製造された組成物が、前記接触後の有機アルミニウム化合物を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
製造された組成物が、前記接触後の化合物群のみから本質的になる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも一種類の固体酸化物化合物と、前記少なくとも一種類の電子吸引性陰イオン源化合物との接触工程が、更に少なくとも一種類の金属塩化合物の存在を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記処理済み固体酸化物化合物を製造する工程が、前記少なくとも一種類の固体酸化物化合物と、前記少なくとも一種類の電子吸引性陰イオン源化合物との混合物をか焼する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記処理済み固体酸化物化合物を、前記少なくとも一種類の固体酸化物化合物と前記少なくとも一種類の電子吸引性陰イオン源化合物とを同時に接触及びか焼することにより製造する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記固体酸化物化合物を、二種類以上の電子吸引性陰イオン源化合物と、二つ以上の別々の接触工程で接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物がエチレンを100(gP/(gS・hr))より大きな活性度をもって重合して重合体にすることができ、処理済み固体酸化物化合物が、酸素;及びランタニド及びアクチニドを含む周期表第2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15族の少なくとも一種類の元素;を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記活性度が250より大きい、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記活性度が500より大きい、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記活性度が1000より大きい、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記活性度が2000より大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記有機金属化合物が、二塩化ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム、二塩化ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム、二塩化[エチル(インデニル)2]ハフニウム、二塩化[エチル(インデニル)2]ジルコニウム、二塩化[エチル(テトラヒドロインデニル)2]ハフニウム、二塩化[エチル(テトラヒドロインデニル)2]ジルコニウム、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウム、二塩化ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム、二塩化[(ジメチル)(ジインデニル)シラン]ジルコニウム、二塩化[(ジメチル)(ジインデニル)シラン]ハフニウム、二塩化[(ジメチル)(ジテトラヒドロ−インデニル)シラン]ジルコニウム、二塩化[(ジメチル)(ジ(2−メチルインデニル))シラン]ジルコニウム、又は二塩化ビス(フルオレニル)ジルコニウムであり、
前記有機アルミニウム化合物が、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、トリブチルアルミニウム、水素化トリイソブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム又は塩化ジエチルアルミニウムであり、
前記固体酸化物化合物が、Al23、B23、BeO、Bi23、CdO、Co34、Cr23、CuO、Fe23、Ga23、La23、Mn23、MoO3、NiO、P25、Sb25、SiO2、SnO2、SrO、ThO2、TiO2、V25、WO3、Y23、ZnO、ZrO2、又は前記固体酸化物化合物の二種類以上の混合物であり、
前記処理済み固体酸化物がフッ化物又は塩化物又はそれらの両方で予め処理されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法により製造された触媒組成物。
【請求項16】
少なくとも一種類の単量体を、重合条件下で、請求項15に記載の触媒組成物と接触させ、重合体を与える工程を含む、単量体重合法。
【請求項17】
スラリー重合条件下で行う、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記重合をループ反応器中で行う、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
過半成分としてイソブタンを含有する希釈剤の存在下で前記重合を行う、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
製造された重合体を製品へ形成する、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記製品を機械の少なくとも一部を形成するのに用いる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
本文中に記載したのと実質的に同じ触媒組成物を製造する方法。
【請求項23】
実施例のいずれかに関連して本文中に記載したのと実質的に同じ触媒組成物の製造方法。
【請求項24】
本文中に記載したのと実質的に同じ、請求項15に記載の触媒組成物。
【請求項25】
実施例のいずれかに関連して本文中に記載したのと実質的に同じ、請求項15に記載の触媒組成物。
【請求項26】
本文中に記載したのと実質的に同じ、請求項16に記載の単量体重合方法。
【請求項27】
実施例のいずれかに関連して本文中に記載したのと実質的に同じ、請求項16に記載の単量体重合方法。


【公開番号】特開2010−43270(P2010−43270A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223200(P2009−223200)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【分割の表示】特願2000−549651(P2000−549651)の分割
【原出願日】平成11年3月24日(1999.3.24)
【出願人】(503054111)コノコフィリップス カンパニー (12)
【Fターム(参考)】