単離されたアルコールデヒドロゲナーゼ酵素、及びその使用
細菌ポリヌクレオチド、及びポリペプチドを提供し、該ポリペプチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)活性、ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)((4S、5S)-4,5ジヒドロキシ-2,6-ジオキソヘキサノアート)ヒドロゲナーゼ活性、2-ケト-3-デオキシ-D-グルコナートデヒドロゲナーゼ活性、D-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンノアートデヒドロゲナーゼ活性などのデヒドロゲナーゼ活性を有する。また、バイオマスに由来するものなどの多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための、並びに適切な単糖、又はオリゴ糖を生物燃料などのコモディティケミカルにを変換するための、方法、酵素、組換え微生物、並びに微生物系が提供される。また、本明細書に記述した方法によって生成されるコモディティケミカルが提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、米国特許法§119(e)の下で2008年1月28日に出願した米国仮特許出願第61/024160号の利益を主張し、該出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(配列表に関する記載)
本出願に付随する配列表は、紙の写しの代わりにテキスト形式で提供してあり、本明細書に参照により本明細書に組み込まれる。配列表を含むテキストファイルの名称は、150097_402PC_SEQUENCE_LISTING.txt.である。テキストファイルは、92KBであり、2009年1月28日に作成されており、EFS-ウェブにより電子提出されている。
【0003】
(技術分野)
本発明の実施態様は、一般に、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)活性、ウロナート酸、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)((4S,5S)-4,5ジヒドロキシ-2,6-ジオキソヘキサノアート)ヒドロゲナーゼ活性、2-ケト-3-デオキシ-D-グルコナートデヒドロゲナーゼ活性、D-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンノアートデヒドロゲナーゼ活性などのデヒドロゲナーゼ活性を有する、単離されたポリペプチド、及び前述のものをコードするポリヌクレオチドに、並びにバイオマスを生物燃料などのコモディティケミカルに変換するためのこのようなポリヌクレオチド、及びポリペプチドを含む組換え微生物、微生物系、及び化学系の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
(関連技術)
バイオマスを生物燃料に変換するための現在の方法は、リグノセルロースのバイオマスの使用に焦点をあてており、この方法を使用することに関し、多くの問題がある。リグノセルロースのバイオマスの大規模栽培には、相当量の耕地が必要であり、これは、食用作物生産をエネルギー作物生産と置き換えること、森林伐採によって、及び現在未耕作の土地を再耕作することによって達成することができるだけである。その他の問題には、水の入手可能性、及び品質の低下、並びに殺虫薬、及び肥料の使用の増大を含む。
【0005】
生物系を使用するリグノセルロースのバイオマスの分解は、その実質的な機械的強度、及び複雑な化学成分のために、非常に困難な挑戦である。リグノセルロースを完全に単糖に変換するためには、およそ30の異なる酵素が必要とされる。この複雑なアプローチに対して唯一利用できる代替法は、相当量の熱、圧力、及び強酸を必要とする。従って、当該技術分野において、生物燃料、又はバイオガソリンとして使用するために、バイオマスを炭化水素に変換するための経済的かつ技術的に単純な方法が必要とされる。
【0006】
この方法における一工程として、アルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素は、バイオマスからの多糖をオリゴ糖、又は単糖に変換するのに有用であり、次いでこれを種々の生物燃料に変換してもよい。ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのアルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素は、以前にアルギン酸を代謝する細菌から精製されているが、DEHU、又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼをコードする遺伝子は、クローン化されておらず、かつ特徴づけられてもいない。本願は、DEHU、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性を有するアルコールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を提供し、並びに生物燃料などのコモディティケミカルを生成する際のこれらの使用に関連した方法を提供する。
【発明の概要】
【0007】
(概要)
本発明の実施態様は、
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチド、及びその断片、若しくは変異体であって、
該単離されたヌクレオチドがデヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、前記単離されたポリヌクレオチド、及びその断片、若しくは変異体を含む。その他の実施態様において、ポリペプチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する。特定の実施態様において、ポリペプチドは、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性を有する。
【0008】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための方法であって、該多糖を微生物系と接触させることを含み、該微生物系は、組換え微生物を含み、かつ該組換え微生物は、本開示に従ったポリヌクレオチドを含み、該ポリヌクレオチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、前記方法を含む。
【0009】
さらなる実施態様は、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、D-マンヌロナートを微生物系と接触すること含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったポリヌクレオチドを含む、前記方法を含む。
【0010】
さらなる実施態様は、DEHUの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを微生物系と接触することを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったポリヌクレオチドを含む、前記方法を含む。
【0011】
さらなる実施態様は、単離されたポリヌクレオチド、又は本開示を含むベクターを含み、かつ該単離されたポリヌクレオチドが発現制御領域に作動可能に連結されたこのようなベクターを更に含んでいてもよく、かつ該ポリヌクレオチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。
【0012】
さらなる実施態様は、組換え微生物、又は組換え微生物を含む微生物系を含み、該組換え微生物は、本明細書に記述したとおりのポリヌクレオチド、又はポリペプチドを含む。特定の実施態様において、組換え微生物は、以下から選択される微生物を含む:アセトバクター・アセチ(Acetobacter aceti)、アクロモバクター(Achromobacter)、アシジフィリウム属(Acidiphilium)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、アクチノマデュラ属(Actinomadura)、アクチノプラネス属(Actinoplanes)、超好熱性古細菌(Aeropyrum pernix)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、パインアップル(Ananas comosus)(M)、アルトロバクター属(Arthrobacter)、クロコウジカビ(Aspargillus niger)、コウジカビ(Aspargillus oryze)、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)、アスペルギルス・プルベルレンツス(Aspergillus pulverulentus)、アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、ショウユコウジカビ(Aspergillus sojea)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・マセランス(Bacillus macerans)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ブレビバチルス・ブレビス(Brevibacillus brevis)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、カンジダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)、パパイヤ(Carica papaya)(L)、セルロシミクロビウム属(Cellulosimicrobium)、セファロスポリウム属(Cephalosporium)、ケトミウム・エラチカム(Chaetomium erraticum)、ケトミウム・グラシエ(Chaetomium gracile)、クロストリジウム属(Clostridium)、酪酸菌(Clostridium butyricum)、クロストリジウム・アセトブチリクム (Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)(グルタミカム(glutamicum))、コリネバクテリウム・エフィシエンス(Corynebacterium efficiens)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロコッカス(Enterococcus)、黒脚病菌(Erwina chrysanthemi)、グルコノバクター属(Gliconobacter)、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)、ハロアーキュラ属(Haloarcula)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ンソレンス(Humicola nsolens)、キタサトスポラ・セタエ(Kitasatospora setae)、クレブシエラ属(Klebsiella)、クレブシエラ・オキシトーカ(Klebsiella oxytoca)、クリベロマイセス属(Kluyveromyces)、クリベロマイセス・フラジリス(Kluyveromyces fragilis)、クリベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、コクリア属(Kocuria)、ラクトラクティス(Lactlactis)、乳酸桿菌属(Lactobacillus)、発酵乳酸桿菌(Lactobacillus fermentum)、ラクトバシラス・サケ(Lactobacillus sake)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、メチロシスチス属(Methylocystis)、メタノロブス・シシリアエ(Methanolobus siciliae)、メタノゲニウム・オルガノフィラム(Methanogenium organophilum)、メタノバクテリウム・ブライアンティイ(Methanobacterium bryantii)、ミクロバクテリウム・インペリアレ(Microbacterium imperiale)、ミクロコッカス・リソディクティカス(Micrococcus lysodeikticus)、ミクロルナタス属(Microlunatus)、ムコール・ジャバニカス(Mucor javanicus)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、ミロセシウム属(Myrothecium)、硝酸菌属(Nitrobacter)、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)、ノカルジア属(Nocardia)、パパイヤ(Papaya carica)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、醤油乳酸菌(Pediococcus halophilus)、ペニシリウム属(Penicillium)、ペニシリウム・カマンベルティ(Penicillium camemberti)、ペニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)、ペニシリウム・エメルソニィ(Penicillium emersonii)、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)、ペニシリウム・リラクチナム(Penicillium lilactinum)、ペニシリウム・マルチカラー(Penicillium multicolor)、パラコッカス・パントトロファス(Paracoccus pantotrophus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・デニトリフィカンス(Pseudomonas denitrificans)、パイロコッカス属(Pyrococcus)、パイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)、パイロコッカス・ホリコシイ(Pyrococcus horikoshii)、根粒菌属(Rhizobium)、リゾムコール・マイハイ(Rhizomucor miehei)、リゾムコール・プシルス・リント(Rhizomucor pusillus Lindt)、リゾプス属(Rhizopus)、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemar)、リゾプス・ジャポニカス(Rhizopus japonicus)、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oligosporus)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、サッカロマイセス・セレビシエ(Sccharomyces cerevisiae)、スクレロチナ・リベルチナ(Sclerotina libertina)、スフィンゴバクテリウム・マルチボラム(Sphingobacterium multivorum)、スフィンゴビウム属(Sphingobium)、スフィンゴモナス属(Sphingomonas)、連鎖球菌属(Streptococcus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)Y-1、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトマイセス・ムリヌス(Streptomyces murinus)、ストレプトマイセス・ルビギノーサス(Streptomyces rubiginosus)、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)、ストレプトベルティシリウム・モバラエンス(Streptoverticillium mobaraense)、テトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)、サームス属(Thermus)、チオスファエラ・パントトロファ(Thiosphaera pantotropha)、ホウロクタケ属(Trametes)、トリコデルマ属(Trichoderma)、トリコデルマ・ロンギブラキアータム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・レッセイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコスポロン・ペニシラタム(Trichosporon penicillatum)、ビブリオ・アルギノリチカス(Vibrio alginolyticus)、ザントモナス属(Xanthomonas)、酵母、ジゴサッカロマイセス・ロキシー(Zygosaccharomyces rouxii)、ザイモモナス属(Zymomonas)、及びザイモモナス・モビリス(Zymomonus mobilis)。
【0013】
さらなる実施態様は、
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択される単離されたポリペプチド、及びその変異体、又は断片であって、
該単離されたポリペプチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有する、前記単離されたポリペプチド、及びその変異体、又は断片を含む。
【0014】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための方法であって、該多糖を組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチド、又はポリペプチドを含む、前記方法を含む。
【0015】
さらなる実施態様は、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、D-マンヌロナートを組換え微生物と接触することを含み、該組換え微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチド、又はポリペプチドを含む、前記方法を含む。
【0016】
さらなる実施態様は、ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)の還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを組換え微生物と接触することを含み、該組換え微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチド、又はポリペプチドを含む、前記方法を含む。
【0017】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系は、組換え微生物を含み、かつ該組換え微生物は、
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチドを含む、前記微生物系を含む。
【0018】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系は、組換え微生物を含み、かつ該組換え微生物は、
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択される単離されたポリペプチドを含む、前記微生物系を含む。
【0019】
さらなる実施態様において、本明細書に開示した単離されたポリヌクレオチドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、又はNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含むポリペプチドをコードしてもよい。その他の実施態様は、ポリペプチドがニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、又はNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含む、単離されたADHポリペプチド、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含んでいてもよい。特定の実施態様において、NAD+、NADH、NADP+、又はNADPH結合モチーフは、
【化1】
からなる群から選択され;式中、Yは、独立してアラニン、グリシン、及びセリンから選択され、式中Gは、グリシンであり、かつXは、独立して遺伝的にコードされるアミノ酸から選択される。
【0020】
特定の実施態様は、多糖をエタノールに変換するための方法であって、該多糖を組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、唯一の炭素源として該多糖で成長することができる、前記方法に関する。特定の実施態様において、組換え微生物は、少なくとも1つピルビン酸デカルボキシラーゼをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド、及びアルコールデヒドロゲナーゼをコードする少なくとも1つポリヌクレオチドを含む。特定の実施態様において、多糖は、アルギナートである。特定の実施態様において、組換え微生物は、ビブリオ・スプレンディダス(Vibro splendidus)のV12B01_24189とV12B01_24249との間のゲノムの領域を含む1つ以上のポリヌクレオチドを含む。特定の実施態様において、少なくとも1つのピルビン酸デカルボキシラーゼは、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)に由来する。特定の実施態様において、少なくとも1つアルコールデヒドロゲナーゼは、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)に由来する。特定の実施態様において、組換え微生物は、大腸菌(E. coli)である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例2に従って行われる、基質としてDEHUを使用する、単離されたアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)酵素のNADPH消費を示す。
【図2】実施例2において行われる、基質としてD-マンヌロナートを使用する、単離されたADH酵素のNADPH消費を示す。
【図3】ADH1のヌクレオチド(配列番号:1)、及びアミノ酸(配列番号:2)配列を示す。
【図4】ADH2のヌクレオチド(配列番号:3)、及びアミノ酸(配列番号:4)配列を示す。
【図5】ADH3のヌクレオチド(配列番号:5)、及びアミノ酸(配列番号:6)配列を示す。
【図6】ADH4のヌクレオチド(配列番号:7)、及びアミノ酸(配列番号:8)配列を示す。
【図7】ADH5のヌクレオチド(配列番号:9)、及びアミノ酸(配列番号:10)配列を示す。
【図8】ADH6のヌクレオチド(配列番号:11)、及びアミノ酸(配列番号:12)配列を示す。
【図9】ADH7のヌクレオチド(配列番号:13)、及びアミノ酸(配列番号:14)配列を示す。
【図10】ADH8のヌクレオチド(配列番号:15)、及びアミノ酸(配列番号:16)配列を示す。
【図11】ADH9のヌクレオチド(配列番号:17)、及びアミノ酸(配列番号:18)配列を示す。
【図12】ADH10のヌクレオチド(配列番号:19)、及びアミノ酸(配列番号:20)配列を示す。
【図13】ADH11のヌクレオチド(配列番号:21)、及びアミノ酸(配列番号:22)配列を示す。
【図14】ADH12のヌクレオチド(配列番号:23)、及びアミノ酸(配列番号:24)配列。
【図15】ADH13のヌクレオチド(配列番号:25)、及びアミノ酸(配列番号:26)配列を示す。
【図16】ADH14のヌクレオチド(配列番号:27)、及びアミノ酸(配列番号:28)配列を示す。
【図17】ADH15のヌクレオチド(配列番号:29)、及びアミノ酸(配列番号:30)配列を示す。
【図18】ADH16のヌクレオチド(配列番号:31)、及びアミノ酸(配列番号:32)配列を示す。
【図19】ADH17のヌクレオチド(配列番号:33)、及びアミノ酸(配列番号:34)配列を示す。
【図20】ADH18のヌクレオチド(配列番号:35)、及びアミノ酸(配列番号:36)配列を示す。
【図21】ADH19のヌクレオチド(配列番号:37)、及びアミノ酸(配列番号:38)配列を示す。
【図22】実施例3に記載されているように、唯一の炭素の供与源として、アルギナートで成長する操作された大腸菌、又は組換え大腸菌の結果を示す(黒円を参照されたい)。アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)細胞は、正の対照を提供する(ハッチングをかけた丸を参照されたい)。A.チュメファシエンスの正の対照のすぐ左のウェルは、DH10B大腸菌細胞を含み、これは、負の対照を提供する。
【図23】実施例4に記載されているように、唯一の炭素の供与源として、アルギナートで成長する大腸菌によるアルコールの産生を示す。大腸菌は、pBBRPdc-AdhA/B、又はpBBRPdc-AdhA/B + 1.5 FOSで形質転換されており、アルギナートを含むm9培地中で成長することができた。
【図24】ADH11、及びADH20のDEHUヒドロゲナーゼ活性を示す。ADH20は、ビブリオ・スプレンディダス(Vibrio splendidus)12B01から単離された推定上のタルトロナートセミアルデヒドレダクターゼ(TSAR)遺伝子であり(アミノ酸配列については、配列番号:78を参照されたい)、これは、特にNADHで、有意なDEHU水素付加活性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(詳細な説明)
(定義)
他に定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術用語、及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記述したものと類似するか、又は同等の任意の方法、及び材料を本発明の実施、又は試験に使用することができるが、好ましい方法、及び材料を記述してある。本発明の目的のために、以下の用語を下記に定義してある。
【0023】
冠詞「1つの(a)」、及び「1つの(an)」は、本明細書において、1つの、又は1つより多い(すなわち、少なくとも1つの)本冠詞の文法上の対象をいうために使用される。例として、「要素」は、1つの要素、又は複数の要素を意味する。
【0024】
「約」は、参照する量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、サイズ、量、重量、又は長さに対して30、25、20、25、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1%程度まで変化する量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、サイズ、量、重量、又は長さを意味する。
【0025】
「バイオマス」の例には、とりわけ、水生、又は海洋バイオマス、果実廃棄物などの果実に基づいたバイオマス、及び植物廃棄物などの野菜に基づいたバイオマスを含む。水生、又は海洋バイオマスの例は、ケルプ、ジャイアントケルプ、海藻、藻類、及び海洋ミクロフローラ、微細藻類、海草等を含むが、限定されない。特定の実施態様において、バイオマスは、典型的には地殻の表層内で見いだされる炭化水素などの化石化された炭素の供与源(例えば、天然ガス、無煙炭石炭のようなほぼ純粋な炭素で構成される不揮発性材料)を含まない。
【0026】
「水生バイオマス」、又は「海洋バイオマス」の例は、ケルプ、ジャイアントケルプ、ホンダワラ、海草、藻類、海洋ミクロフローラ、微細藻類、及び海草等を含むが、限定されない。
【0027】
果実、及び/又は植物のバイオマスの例は、とりわけ、柑橘類、オレンジ、グレープフルーツ、ジャガイモ、トマト、ブドウ、マンゴー、グズベリー、ニンジン、サトウダイコン、及びリンゴを含む植物果皮、並びに絞り滓などの任意のペクチンの供与源をを含むが、限定されない。
【0028】
多糖、オリゴ糖、単糖、又はその他のバイオマスの糖組成の例には、アルギナート、寒天、カラゲナン、フコイダン、ペクチン、グルロナート、マンヌロナート、マンニトール、リキソース、セルロース、ヘミセルロース、グリセロール、キシリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース、キシラン、マンナン、アラビナン、アラビノース、グルクロナート、ガラクツロナート(ジ-、及びトリガラクツロナートを含む)、ラムノース等を含むが、限定されない。
【0029】
アルギナート由来多糖の特定の例には、β-D-マンヌロナート、α-Lグルロナート、ジアルギナート、トリアルギナート、ペントアルギナート、ヘキサアルギナート、ヘプタアルギナート、オクタアルギナート、ノナアルギナート、デカアルギナート、ウンデカアルギナート、ドデカアルギナート、及びポリアルギナートなどの飽和多糖、並びに4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロン酸、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-D-マンヌロナート、又はL-グルロナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ジアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-トリアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-テトラアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ペントアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ヘキサアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ヘプタアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-オクタアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ノナアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ウンデカアルギナート、及び4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ドデカアルギナートなどの不飽和多糖を含む。
【0030】
ペクチン由来多糖の特定の例には、ガラクツロナート、ジガラクツロナート、トリガラクツロナート、テトラガラクツロナート、ペンタガラクツロナート、ヘキサガラクツロナート、ヘプタガラクツロナート、オクタガラクツロナート、ノナガラクツロナート、デカガラクツロナート、ドデカガラクツロナート、ポリガラクツロナート、及びラムノポリガラクツロナートなどの飽和多糖、並びに4-デオキシ-L-スレオ-5-ヘキソースウロースウロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ジガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-トリガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-テトラガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ペンタガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ヘキサガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ヘプタガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-オクタガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ノナガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-デカガラクツロナート、及び4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ドデカガラクツロナートなどの飽和多糖を含む。
【0031】
これらの多糖、又はオリゴ糖成分は、炭素源(例えば、唯一の炭素源)として多糖、又はその他の糖組成などで成長することができる本明細書に記述した微生物によって「適切な単糖」、又は「適切なオリゴ糖」などのその他の「適切なサッカライド」に変換させてもよい。
【0032】
「単糖」、「適切な単糖」、又は「適切なサッカライド」は、一般に、供与源、又は唯一の炭素源としてペクチン、アルギナート、又はその他のサッカライド(例えば、ガラクツロナート、セルロース、ヘミセルロースその他)で成長する組換え微生物によって産生され得る任意のサッカライドをいい、更に一般に、生物燃料、又はバイオガソリンなどの炭化水素を産生するために本発明の生物燃料生合成経路に利用され得る任意のサッカライドをいう。適切な単糖、又はオリゴ糖の例には、2-ケト-3-デオキシD-グルコナート(KDG)、D-マンニトール、グルロナート、マンヌロナート、マンニトール、リキソース、グリセロール、キシリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、グルクロナート、ガラクツロナート、及びラムノース等を含むが、限定されない。本明細書に注目されるように、本明細書に使用される「適切な単糖」、又は「適切なサッカライド」は、本発明の操作された、若しくは組換えられた微生物によって産生してもよく、又は市販の供与源から得てもよい。
【0033】
本明細書に使用される「コモディティケミカル」の記述は、直接、又は生物燃料、及び/若しくはバイオガソリンを含む本明細書に提供した方法の副産物として産生することができる任意の販売可能な、又は市場性のある化学物質を含む。「コモディティケミカル」の一般的な例には、生物燃料、ミネラル、重合体前駆体、脂肪アルコール、界面活性物質、可塑剤、及び溶媒を含むが、限定されない。本明細書に使用される「生物燃料」の記述には、少なくとも部分的に組換え微生物などの生物源に由来する固体、液体、又は気体燃料を含む。
【0034】
コモディティケミカルの例には、以下を含むが、限定されない:メタン、メタノール、エタン、エテン、エタノール、n-プロパン、1-プロペン、1-プロパノール、プロパナール、アセトン、プロピオナート、n-ブタン、1-ブテン、1‐ブタノール、ブタナール、ブタノエート、イソブタナール、イソブタノール、2-メチルブタナール、2-メチルブタノール、3-メチルブタナール、3-メチルブタノール、2-ブテン、2-ブタノール、2-ブタノン、2,3-ブタンジオール、3-ヒドロキシ-2-ブタノン、2,3-ブタンジオン、エチルベンゼン、エテニルベンゼン、2-フェニルエタノール、フェニルアセトアルデヒド、1-フェニルブタン、4-フェニル-1-ブテン、4-フェニル-2-ブテン、1-フェニル-2-ブテン、1-フェニル-2-ブタノール、4-フェニル-2-ブタノール、1-フェニル-2-ブタノン、4-フェニル-2-ブタノン、1-フェニル-2,3-ブタンジオール、1-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、4-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、1-フェニル-2,3-ブタンジオン、n-ペンタン、エチルフェノール、エテニルフェノール、2-(4-ヒドロキシフェニル)エタノール、4-ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、1-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ブテン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ブテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ブタンジオール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ブタノンジオン、インドリルエタン、インドリルエテン、2-(インドール-3-)エタノール、n-ペンタン、1-ペンテン、1-ペンタノール、ペンタナール、ペンタノアート、2-ペンテン、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-ペンタノン、3-ペンタノン、4-メチルペンタナール、4-メチルペンタノール、2,3-ペンタンジオール、2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、2,3-ペンタンジオン、2-メチルペンタン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-2-ペンテン、4-メチル-3-ペンテン、4-メチル-2-ペンタノール、2-メチル-3-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノン、2-メチル-3-ペンタノン、4-メチル-2,3-ペンタンジオール、4-メチル-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、4-メチル-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、4-メチル-2,3-ペンタンジオン、1-フェニルペンタン、1-フェニル-1-ペンテン、1-フェニル-2-ペンテン、1-フェニル-3-ペンテン、1-フェニル-2-ペンタノール、1-フェニル-3-ペンタノール、1-フェニル-2-ペンタノン、1-フェニル-3-ペンタノン、1-フェニル-2,3-ペンタンジオール、1-フェニル-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、1-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、1-フェニル-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-フェニルペンタン、4-メチル-1-フェニル-1-ペンテン、4-メチル-1-フェニル-2-ペンテン、4-メチル-1-フェニル-3-ペンテン、4-メチル-1-フェニル-3-ペンタノール、4-メチル-1-フェニル-2-ペンタノール、4-メチル-1-フェニル-3-ペンタノン、4-メチル-1-フェニル-2-ペンタノン、4-メチル-1-フェニル-2,3-ペンタンジオール、4-メチル-1-フェニル-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、4-メチル-1-フェニル-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ペンテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンタノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンタノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ペンタンジオール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンテン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンテン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ペンテン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンタノール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンタノール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンタノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンタノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ペンタンジオール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、1-インドール-3-ペンタン、1-(インドール-3)-1-ペンテン、1-(インドール-3)-2-ペンテン、1-(インドール-3)-3-ペンテン、1-(インドール-3)-2-ペンタノール、1-(インドール-3)-3-ペンタノール、1-(インドール-3)-2-ペンタノン、1-(インドール-3)-3-ペンタノン、1-(インドール-3)-2,3-ペンタンジオール、1-(インドール-3)-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、1-(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、1-(インドール-3)-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-(インドール-3-)ペンタン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ペンテン、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ペンテン、4-メチル-1-(インドール-3)-1-ペンテン、4-メチル-2-(インドール-3)-3-ペンタノール、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ペンタノール、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ペンタノン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ペンタノン、4-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ペンタンジオール、4-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、n-ヘキサン、1-ヘキセン、1‐ヘキサノール、ヘキサナール、ヘキサノアート、2-ヘキセン、3-ヘキセン、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、2,3-ヘキサンジオール、2,3-ヘキサンジオン、3,4-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオン、2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、3-ヒドロキシ-4-ヘキサノン、4-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2-メチル-2-ヘキセン、2-メチル-3-ヘキセン、5-メチル-1-ヘキセン、5-メチル-2-ヘキセン、4-メチル-1-ヘキセン、4-メチル-2-ヘキセン、3-メチル-3-ヘキセン、3-メチル-2-ヘキセン、3-メチル-1-ヘキセン、2-メチル-3-ヘキサノール、5-メチル-2-ヘキサノール、5-メチル-3-ヘキサノール、2-メチル-3-ヘキサノン、5-メチル-2-ヘキサノン、5-メチル-3-ヘキサノン、2-メチル-3,4-ヘキサンジオール、2-メチル-3,4-ヘキサンジオン、5-メチル-2,3-ヘキサンジオール、5-メチル-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-2,3-ヘキサンジオール、4-メチル-2,3-ヘキサンジオン、2-メチル-3-ヒドロキシ-4-ヘキサノン、2-メチル-4-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、5-メチル-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、5-メチル-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、4-メチル-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、4-メチル-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、2,5-ジメチルヘキサン、2,5-ジメチル-2-ヘキセン、2,5-ジメチル-3-ヘキセン、2,5-ジメチル-3-ヘキサノール、2,5-ジメチル-3-ヘキサノン、2,5-ジメチル-3,4-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-3,4-ヘキサンジオン、2,5-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-ヘキサノン、5-メチル-1-フェニルヘキサン、4-メチル-1-フェニルヘキサン、5-メチル-1-フェニル-1-ヘキセン、5-メチル-1-フェニル-2-ヘキセン、5-メチル-1-フェニル-3-ヘキセン、4-メチル-1-フェニル-1-ヘキセン、4-メチル-1-フェニル-2-ヘキセン、4-メチル-1-フェニル-3-ヘキセン、5-メチル-1-フェニル-2-ヘキサノール、5-メチル-1-フェニル-3-ヘキサノール、4-メチル-1-フェニル-2-ヘキサノール、4-メチル-1-フェニル-3-ヘキサノール、5-メチル-1-フェニル-2-ヘキサノン、5-メチル-1-フェニル-3-ヘキサノン、4-メチル-1-フェニル-2-ヘキサノン、4-メチル-1-フェニル-3-ヘキサノン、5-メチル-1-フェニル-2,3-ヘキサンジオール、4-メチル-1-フェニル-2,3-ヘキサンジオール、5-メチル-1-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、5-メチル-1-フェニル-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、4-メチル-1-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、4-メチル-1-フェニル-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、5-メチル-1-フェニル-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-1-フェニル-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ヘキセン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキセン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキセン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ヘキセン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキセン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキセン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキサノール、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキサノール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキサノール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキサノール、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキサノン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキサノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキサノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキサノン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ヘキサンジオール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ヘキサンジオール、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-1-(インドール-3-)ヘキサン、5-メチル-1-(インドール-3)-1-ヘキセン、5-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキセン、5-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキセン、4-メチル-1-(インドール-3)-1-ヘキセン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキセン、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキセン、5-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキサノール、5-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキサノール、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキサノール、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキサノール、5-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキサノン、5-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキサノン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキサノン、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキサノン、5-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ヘキサンジオール、4-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ヘキサンジオール、5-メチル-1-(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、5-メチル-1-(インドール-3)-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、5-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ヘキサンジオン、n-ヘプタン、1-ヘプテン、1-ヘプタノール、ヘプタナール、ヘプタノエート、2-ヘプテン、3-ヘプテン、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、4-ヘプタノール、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2,3-ヘプタンジオール、2,3-ヘプタンジオン、3,4-ヘプタンジオール、3,4-ヘプタンジオン、2-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、3-ヒドロキシ-2-ヘプタノン、3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、2-メチルヘプタン、3-メチルヘプタン、6-メチル-2-ヘプテン、6-メチル-3-ヘプテン、2-メチル-3-ヘプテン、2-メチル-2-ヘプテン、5-メチル-2-ヘプテン、5-メチル-3-ヘプテン、3-メチル-3-ヘプテン、2-メチル-3-ヘプタノール、2-メチル-4-ヘプタノール、6-メチル-3-ヘプタノール、5-メチル-3-ヘプタノール、3-メチル-4-ヘプタノール、2-メチル-3-ヘプタノン、2-メチル-4-ヘプタノン、6-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノン、3-メチル-4-ヘプタノン、2-メチル-3,4-ヘプタンジオール、2-メチル-3,4-ヘプタンジオン、6-メチル-3,4-ヘプタンジオール、
6-メチル-3,4-ヘプタンジオン、5-メチル-3,4-ヘプタンジオール、5-メチル-3,4-ヘプタンジオン、2-メチル-3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、2-メチル-4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、6-メチル-3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、6-メチル-4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、5-メチル-4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、2,6-ジメチルヘプタン、2,5-ジメチルヘプタン、2,6-ジメチル-2-ヘプテン、2,6-ジメチル-3-ヘプテン、2,5-ジメチル-2-ヘプテン、2,5-ジメチル-3-ヘプテン、3,6-ジメチル-3-ヘプテン、2,6-ジメチル-3-ヘプタノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、2,5-ジメチル-3-ヘプタノール、2,5-ジメチル-4-ヘプタノール、2,6-ジメチル-3,4-ヘプタンジオール、2,6-ジメチル-3,4-ヘプタンジオン、2,5-ジメチル-3,4-ヘプタンジオール、2,5-ジメチル-3,4-ヘプタンジオン、2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、2,6-ジメチル-4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、2,5-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、n-オクタン、1-オクテン、2-オクテン、1-オクタノール、オクタナール、オクタノアート、3-オクテン、4-オクテン、4-オクタノール、4-オクタノン、4,5-オクタンジオール、4,5-オクタンジオン、4-ヒドロキシ-5-オクタノン、2-メチルオクタン、2-メチル-3-オクテン、2-メチル-4-オクテン、7-メチル-3-オクテン、3-メチル-3-オクテン、3-メチル-4-オクテン、6-メチル-3-オクテン、2-メチル-4-オクタノール、7-メチル-4-オクタノール、3-メチル-4-オクタノール、6-メチル-4-オクタノール、2-メチル-4-オクタノン、7-メチル-4-オクタノン、3-メチル-4-オクタノン、6-メチル-4-オクタノン、2-メチル-4,5-オクタンジオール、2-メチル-4,5-オクタンジオン、3-メチル-4,5-オクタンジオール、3-メチル-4,5-オクタンジオン、2-メチル-4-ヒドロキシ-5-オクタノン、2-メチル-5-ヒドロキシ-4-オクタノン、3-メチル-4-ヒドロキシ-5-オクタノン、3-メチル-5-ヒドロキシ-4-オクタノン、2,7-ジメチルオクタン、2,7-ジメチル-3-オクテン、2,7-ジメチル-4-オクテン、2,7-ジメチル-4-オクタノール、2,7-ジメチル-4-オクタノン、2,7-ジメチル-4,5-オクタンジオール、2,7-ジメチル-4,5-オクタンジオン、2,7-ジメチル-4-ヒドロキシ-5-オクタノン、2,6-ジメチルオクタン、2,6-ジメチル-3-オクテン、2,6-ジメチル-4-オクテン、3,7-ジメチル-3-オクテン、2,6-ジメチル-4-オクタノール、3,7-ジメチル-4-オクタノール、2,6-ジメチル-4-オクタノン、3,7-ジメチル-4-オクタノン、2,6-ジメチル-4,5-オクタンジオール、2,6-ジメチル-4,5-オクタンジオン、2,6-ジメチル-4-ヒドロキシ-5-オクタノン、2,6-ジメチル-5-ヒドロキシ-4-オクタノン、3,6-ジメチルオクタン、3,6-ジメチル-3-オクテン、3,6-ジメチル-4-オクテン、3,6-ジメチル-4-オクタノール、3,6-ジメチル-4-オクタノン、3,6-ジメチル-4,5-オクタンジオール、3,6-ジメチル-4,5-オクタンジオン、3,6-ジメチル-4-ヒドロキシ-5-オクタノン、n-ノナン、1-ノナン、1‐ノナノール、ノナナール、ノナノアート、2-メチルノナン、2-メチル-4-ノナン、2-メチル-5-ノナン、8-メチル-4-ノナン、2-メチル-5-ノナノール、8-メチル-4-ノナノール、2-メチル-5-ノナノン、8-メチル-4-ノナノン、8-メチル-4,5-ノナンジオール、8-メチル-4,5-ノナンジオン、8-メチル-4-ヒドロキシ-5-ノナノン、8-メチル-5-ヒドロキシ-4-ノナノン、2,8-ジメチルノナン、2,8-ジメチル-3-ノナン、2,8-ジメチル-4-ノナン、2,8-ジメチル-5-ノナン、2,8-ジメチル-4-ノナノール、2,8-ジメチル-5-ノナノール、2,8-ジメチル-4-ノナノン、2,8-ジメチル-5-ノナノン、2,8-ジメチル-4,5-ノナンジオール、2,8-ジメチル-4,5-ノナンジオン、2,8-ジメチル-4-ヒドロキシ-5-ノナノン、2,8-ジメチル-5-ヒドロキシ-4-ノナノン、2,7-ジメチルノナン、3,8-ジメチル-3-ノナン、3,8-ジメチル-4-ノナン、3,8-ジメチル-5-ノナン、3,8-ジメチル-4-ノナノール、3,8-ジメチル-5-ノナノール、3,8-ジメチル-4-ノナノン、3,8-ジメチル-5-ノナノン、3,8-ジメチル-4,5-ノナンジオール、3,8-ジメチル-4,5-ノナンジオン、3,8-ジメチル-4-ヒドロキシ-5-ノナノン、3,8-ジメチル-5-ヒドロキシ-4-ノナノン、n-デカン、1-デセン、1-デカノール、デカノアート、2,9-ジメチルデカン、2,9-ジメチル-3-デセン、2,9-ジメチル-4-デセン、2,9-ジメチル-5-デカノール、2,9-ジメチル-5-デカノン、2,9-ジメチル-5,6-デカンジオール、2,9-ジメチル-6-ヒドロキシ-5-デカノン、2,9-ジメチル-5,6-デカンジオネン-ウンデカン、1-ウンデセン、1-ウンデカノール、ウンデカナール、ウンデカノアート、n-ドデカン、1-ドデセン、1-ドデカノール、ドデカナール、ドデカノアート、n-ドデカン1-デカデセン、1-ドデカノール、ドデカナール(ddodecanal)、ドデカノアート、n-トリデカン、1-トリデセン、1-トリデカノール、トリデカナール、トリデカノアート、n-テトラデカン、1-テトラデセン、1‐テトラデカノール、テトラデカナール、テトラデカノアート、n-ペンタデカン、1-ペンタデセン、1-ペンタデカノール、ペンタデカナール、ペンタデカノアート、n-ヘキサデカン、1-ヘキサデセン、1-ヘキサデカノール、ヘキサデカナール、ヘキサデカノアート、n-ヘプタデカン、1-ヘプタデセン、1-ヘプタデカノール、ヘプタデカナール、ヘプタデカノアート、n-オクタデカン、1-オクタデセン、1-オクタデカノール、オクタデカナール、オクタデカノアート、n-ノナデカン、1-ノナデセン、1-ノナデカノール、ノナデカナール、ノナデカノアート、エイコサン、1-エイコセン、1-エイコサノール、エイコサナール、エイコサノアート、3-ヒドロキシプロパナール、1,3-プロパンジオール、4-ヒドロキシブタナール、1,4-ブタンジオール、3-ヒドロキシ-2-ブタノン、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ホモシトラート、ホモイソシトラート、b-ヒドロキシアジパート、グルタラート、グルタルセミアルデヒド、グルタルアルデヒド、2-ヒドロキシ-1-シクロペンタノン、1,2-シクロペンタンジオール、シクロペンタノン、シクロペンタノール、(S)-2-アセトラクタート、(R)-2,3-ジヒドロキシ-イソバレレート、2-オキソイソバレレート、イソブチリル-CoA、イソブチレート、イソブチルアルデヒド、5-アミノペントアルデヒド、1,10-ジアミノデカン、1,10-ジアミノ-5-デセン、1,10-ジアミノ-5-ヒドロキシデカン、1,10-ジアミノ-5-デカノン、1,10-ジアミノ-5,6-デカンジオール、1,10-ジアミノ-6-ヒドロキシ-5-デカノン、フェニルアセトアルデヒド、1,4-ジフェニルブタン、1,4-ジフェニル-1-ブテン、1,4-ジフェニル-2-ブテン、1,4-ジフェニル-2-ブタノール、1,4-ジフェニル-2-ブタノン、1,4-ジフェニル-2,3-ブタンジオール、1,4-ジフェニル-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニルブタン、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-1-ブテン、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-2-ブテン、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-2-ブタノール、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-2-ブタノン、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-2,3-ブタンジオール、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、1-(インドール-3)-4-フェニルブタン、1-(インドール-3)-4-フェニル-1-ブテン、1-(インドール-3)-4-フェニル-2-ブテン、1-(インドール-3)-4-フェニル-2-ブタノール、1-(インドール-3)-4-フェニル-2-ブタノン、1-(インドール-3)-4-フェニル-2,3-ブタンジオール、1-(インドール-3)-4-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、4-ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-1-ブテン、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブテン、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ブタンジオール、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3-)ブタン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3)-1-ブテン、1-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3)-2-ブテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3)-2-ブタノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3)-2-ブタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3)-2,3-ブタンジオール、1-(4-ヒドロキシフェニル-4-(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、インドール-3-アセトアルデヒド、1,4-ジ(インドール-3-)ブタン、1,4-ジ(インドール-3)-1-ブテン、1,4-ジ(インドール-3)-2-ブテン、1,4-ジ(インドール-3)-2-ブタノール、1,4-ジ(インドール-3)-2-ブタノン、1,4-ジ(インドール-3)-2,3-ブタンジオール、1,4-ジ(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、スクシナートセミアルデヒド、ヘキサン-1,8-ジカルボン酸、3-ヘキセン-1,8-ジカルボン酸、3-ヒドロキシ-ヘキサン-1,8-ジカルボン酸、3-ヘキサノン-1,8-ジカルボン酸、3,4-ヘキサンジオール-1,8-ジカルボン酸、4-ヒドロキシ-3-ヘキサノン-1,8-ジカルボン酸、フコイダン、ヨウ素、クロロフィル、カロテノイド、カルシウム、マグネシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、ホスフェート等。
【0035】
参照、若しくは全長ポリヌクレオチド、又はポリペプチド配列の断片に適用される、「生物学的に活性な断片」という用語は、参照配列の少なくとも約0.1、0.5、1、2、5、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99%の活性を有する断片をいう。参照ポリヌクレオチド、又はポリペプチドの活性を含むか、又はコードする、少なくとも約18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、若しくはそれ以上のヌクレオチド、又は残基の長さの生物学的に活性な断片が本発明の範囲内に含まれる。代表的な生物学的に活性な断片は、一般に、相互作用、例えば分子内、又は分子間の相互作用に関与する。分子間相互作用は、特異的に結合する相互作用、又は酵素相互作用であることができる。分子間相互作用は、ADHポリペプチドと、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、又はNADPH分子などのコファクタ分子との間であることができる。ADHポリペプチドの生物学的に活性な部分は、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78のいずれかのアミノ酸配列と十分な類似性、若しくは同一性をもつか、又は由来するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。
【0036】
「コード配列」は、遺伝子のポリペプチド産物のためのコードに寄与する任意の核酸配列を意味する。対照的に、「非コード配列」という用語は、遺伝子のポリペプチド産物のためのコードに寄与しない任意の核酸配列をいう。
【0037】
この明細書の全体にわたって、文脈が他に必要でない限り、「含む」、「含む」、及び「含むこと」という語は、明示された工程、若しくは要素、又は工程、若しくは要素の群を包含するが、任意のその他の工程、若しくは要素、又は工程、若しくは要素の群を排除しないことを暗示することが理解されるであろう。「からなる」は、「からなる」の句の前のものは何でも含むこと、及び限定されることを意味する。「からなる」の句は、列記された要素が必要とされ、又は必須であること、及びその他の要素が存在しなくてもよいことを示す。「から本質的になる」は、該句の後に列記された任意の要素を含むこと、及び列記された要素についての開示において特定された活性、若しくは作用を妨げない、又は寄与しないその他の要素に限定されることを意味する。従って、「から本質的になる」という句は、列記された要素が必要とされ、又は必須であること、しかしその他の要素が随意であり、かつこれらが列記された要素の活性、又は作用に影響を及ぼすか否かに応じて、存在しても、又は存在しなくてもよいことを示す。
【0038】
「相補的」、及び「相補性」という用語は、塩基対合則に合致したポリヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)をいう。例えば、配列「A-G-T」は、配列「T-C-A」に対して相補的である。相補性は、核酸のいくつかの塩基のみが塩基対合則に従って適合されている、「部分的」なものであってもよい。又は、核酸の間に「完全な」、若しくは「全体の」相補性があってもよい。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率、及び強度に対して有意な効果を有する。
【0039】
「に対応する」、又は「に対応すること」は、(a)参照ポリヌクレオチド配列の全ての、若しくは一部に対して実質的に同一、若しくは相補的であるか、又はペプチド、若しくはタンパク質のアミノ酸配列と同じアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;又は(b)参照ペプチド、若しくはタンパク質のアミノ酸配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を有するペプチド、又はポリペプチドを意味する。
【0040】
「誘導体」は、当該技術分野において理解されるであろうように、修飾によって、例えばその他の化学的部分との抱合、若しくは錯体生成によって、又は翻訳後修飾技術によって、塩基配列に由来したポリペプチドを意味する。また、「誘導体」という用語には、その範囲内に、機能的に同等な分子を提供する付加、又は欠失を含む親配列に作製された変化を含む。
【0041】
本明細書に使用される、「機能」、及び「機能的な」等という用語は、生物学的、酵素的、又は治療的な機能をいう。
【0042】
「外来性」という用語は、一般に、野生型の細胞、若しくは生物体に天然に存在しないが、典型的には分子生物学的技術、すなわち組換え微生物を産生するために操作することによって細胞に導入されるポリヌクレオチド配列、又はポリペプチドをいう。「外来性」ポリヌクレオチドの例は、所望のタンパク質、若しくは酵素をコードするベクター、プラスミド、及び/又は人工核酸構築物を含む。「内因性」という用語は、一般に、所与の野生型細胞、又は生物体において見いだされるであろう天然に存在するポリヌクレオチド配列、又はポリペプチドをいう。例えば、特定の天然に存在する細菌、又は酵母種は、典型的にはベンズアルデヒドリアーゼ遺伝子を含まず、従って、ベンズアルデヒドリアーゼをコードする「内因性」ポリヌクレオチド配列を含まない。この点に関して、生体が所与のポリヌクレオチド配列、又は遺伝子の内因性コピーを含み得る場合であっても、コードされるタンパク質を過剰発現するか、又はさもなければ発現を調節するためなど、その配列をコードするプラスミド、又はベクターの導入は、その遺伝子、又はポリヌクレオチド配列の「外来性」コピーを表すことにも留意されたい。本明細書に記述した任意の経路、遺伝子、又は酵素は、「内因性」配列を利用し、若しくは依拠してもよく、1つ以上の「外来性」ポリヌクレオチド配列として提供されてもよく、及び/又は所与の微生物内にすでに含まれる内因性配列に従って利用されてもよい。
【0043】
「組み換え」微生物は、プラスミド、又はベクターなどの1つ以上の内因性ヌクレオチドを含む。
【0044】
「微生物系」は、一般に、インキュベーター、又は他のタイプの微生物の培養フラスコ/デバイス/ウェル内に含まれるものなどの、又はディッシュ、若しくはプレート(例えば、アガロースを含むペトリ皿)での成長が見られるものなどの組換え微生物の集団に関する。
【0045】
「遺伝子」は、染色体上の特定座位を占め、かつ転写、及び/又は翻訳制御配列、及び/又はコード領域、及び/又は非翻訳配列(すなわち、イントロン、5'、及び3'非翻訳配列)からなる遺伝の単位を意味する。
【0046】
「相同性」は、同一であるか、若しくは保存的置換を構成する核酸、又はアミノ酸のパーセント数をいう。相同性は、参照により本明細書に組み込まれるGAP(Deverauxらの文献、1984、Nucleic Acids Research 12、387-395)などの配列比較プログラムを使用して決定してもよい。このようにして、本明細書に引用したものと類似する、又は実質的に異なる長さの配列は、整列へのギャップの挿入によって比較することができ、このようなギャップは、例えばGAPによって使用される比較アルゴリズムによって決定される。
【0047】
「宿主細胞」という用語には、任意の組換えベクター(群)、又は本発明の単離されたポリヌクレオチドのレシピエントであることができる又はレシピエントである個々の細胞、若しくは細胞培養を含む。宿主細胞には、単一の宿主細胞の子孫を含み、子孫は、天然の、偶発的な、若しくは計画的な突然変異、及び/又は変化のために、(形態において、又は全体のDNA相補性において)必ずしも元の親細胞と完全に同一でなくてもよい。宿主細胞には、インビボ、若しくはインビトロで本発明の組換えベクター、又はポリヌクレオチドがトランスフェクトされ、又は感染された細胞を含む。本発明の組換えベクターを含む宿主細胞は、組換え宿主細胞である。
【0048】
「単離された」は、その天然の状態において通常それを伴う成分が実質的に、又は本質的にない材料を意味する。例えば、本明細書に使用される「単離されたポリヌクレオチド」は、天然に存在する状態においてそれに隣接する配列から精製されたポリヌクレオチド、例えば断片に通常隣接する配列から除去されたDNA断片をいう。或いは、本明細書に使用される「単離されたペプチド」、又は「単離されたポリペプチド」等は、その天然の細胞の環境から、及び細胞のその他の成分との会合からの、ペプチド、若しくはポリペプチド分子のインビトロでの単離、及び/又は精製、すなわち、それがインビボの物質と会合していないことをいう。
【0049】
本明細書に使用される、「多糖」、「適切な単糖」、又は「適切なオリゴ糖」の記述は、微生物におけるエネルギー源、及び炭素として使用され得るし、かつ生物燃料、又はバイオガソリンなどの炭化水素を生成するための生物燃料生合成経路に使用するために適し得る。多糖、適切な単糖、及び適切なオリゴ糖の例は、アルギナート、寒天、フコイダン、ペクチン、グルロナート、マンヌロナート、マンニトール、リキソース、グリセロール、キシリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、グルクロナート、ガラクツロナート、ラムノース、及び2-ケト-3-デオキシD-グルコナート-6-ホスフェート(KDG)等を含むが、限定されない。
【0050】
「から得られる」は、例えばポリヌクレオチド抽出物、又はポリペプチド抽出物などの試料が対象の特定の供与源から単離され、又は由来することを意味する。例えば、抽出物は、対象から直接単離された組織、又は生物流体から得ることができる。
【0051】
本明細書に使用される「オリゴヌクレオチド」という用語は、ホスホジエステル結合(又はその関連した構造的な変異体、若しくは合成類似体)を介して連結された多数のヌクレオチド残基(デオキシリボヌクレオチド、若しくはリボヌクレオチド、又はその関連した構造的な変異体、若しくは合成類似体)で構成される重合体をいう。従って、「オリゴヌクレオチド」という用語は、典型的には、ヌクレオチド残基、及びこれら間の結合が天然に存在するヌクレオチド重合体をいうと共に、本用語は、その範囲内に、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミダート、ホスホロチオアート、メチルホスホネート、2-O-メチルリボ核酸等を含むが、制限されない、種々の類似体を含むことが理解されよう。分子の実寸は、特定の用途に応じて変更することができる。オリゴヌクレオチドは、典型的にはむしろ長さが短く、一般に約10から30のヌクレオチド残基であるが、本用語は、任意の長さの分子をいうことができるものの、「ポリヌクレオチド」、又は「核酸」という用語は、典型的には大きなオリゴヌクレオチドのために使用される。
【0052】
本明細書に使用される「作動可能に連結される」という用語は、プロモーターの調節制御下に構造遺伝子を置いて、次いで遺伝子の転写、及び任意に翻訳を制御することを意味する。異種プロモーター/構造遺伝子の組み合わせの構成では、一般に、遺伝子配列、又はプロモーターとそれがその天然の状況;すなわち、遺伝子配列、又はプロモーターが由来する遺伝子において制御する遺伝子との間の距離とほぼ同じである遺伝子転写開始点から少し離して、遺伝子配列、又はプロモーターが位置することが好ましい。当技術分野において公知のとおり、この距離のいくらかの変動は、機能の喪失を伴わずに適応することができる。同様に、その制御下に置かれた異種遺伝子に関して調節配列エレメントの好ましい位置は、その天然の状況;すなわち、それが由来する遺伝子におけるエレメントの位置によって定義される。
【0053】
本明細書に使用される「最適化された」という記述は、本来の分子、又は本来の細胞の環境(例えば、所与のポリペプチド、又は野生型微生物の野生型配列)に関してその機能的な特徴を改善するために、ポリペプチドのアミノ酸配列の遺伝的変化によって、又はポリペプチドの周囲の細胞環境の変化/修飾によってなど、変化された生物活性を有する経路、遺伝子、ポリペプチド、酵素、又はその他の分子をいう。本明細書に記述した任意のポリペプチド、又は酵素を任意に「最適化」してもよく、本明細書に記述した任意の遺伝子、又はヌクレオチド配列は、任意に、最適化されたポリペプチド、又は酵素をコードしてもよい。本明細書に記述した任意の経路には、任意に、1つ以上の「最適化された」酵素、又は最適化された酵素、若しくはポリペプチドをコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含んでいてもよい。
【0054】
典型的には、ポリペプチド、酵素、又はその他の分子の改善された機能的特徴は、単糖、又はオリゴ糖を生物燃料に変換するための生物学的経路(例えば、生合成経路、C-C結合経路)における使用のための、ポリペプチド、又はその他の分子の適合性に関する。従って、特定の実施態様は、「最適化された」生物学的経路の使用を想定する。例示的な「最適化された」ポリペプチドは、所与の微生物系、若しくは微生物における改善された発現、及び/又は安定性を促進し、所望の基質に関するポリペプチド活性(例えば、誘導性、又は抑制可能な活性)の制御を可能にし、細胞内のポリペプチドの局在化(例えば、細胞内局在化、細胞外分泌)を調整し、及び/又は所望の基質に関するポリペプチド活性の全体のレベルに効果を及ぼす(例えば、酵素活性を減少させる、又は増加させる)そのアミノ酸コード配列における1つ以上の変化、又は突然変異(例えば、点突然変異、欠失、異種配列の付加)を含んでいてもよい。また、ポリペプチド、又はその他の分子は、その他の変化の中で、「最適化された」ポリペプチド、若しくはその他の分子の発現(例えば、アップレギュレーション)、局在化、及び/若しくは活性を調節する経路を変化させることによって、又は望ましくない副産物の産生を最小化する経路を変化させることによってなど、その系、又は生体内の1つ以上の経路を変化させることにより、所与の微生物系、又は微生物で使用するために「最適化されて」いてもよい。このように、ポリペプチド、又はその他の分子は、その野生型アミノ酸配列、又は本来の化学構造を変化させるか否かにかかわらず「最適化されて」もよい。最適化されたポリペプチド、又は生物学的経路は、例えば、当該技術分野において公知の技術に従って、所望の表現型のために、直接突然変異誘発によって、又は自然選択によって、行われてもよい。
【0055】
特定の態様において、「最適化された」遺伝子、又はポリペプチドは、参照(例えば、野生型)遺伝子、又はポリペプチドのヌクレオチド配列、又はアミノ酸配列と50%〜99%同一(間の全ての整数を含む)であるヌクレオチドコード配列、又はアミノ酸配列を含み得る。特定の実施態様において、「最適化された」ポリペプチド、又は酵素は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100倍(間の全ての整数、及び小数点、例えば1.2、1.3、1.4、1.5、5.5、5.6、5.7、60、70、その他を含む)、又はそれ以上の参照ポリペプチドの生物活性を有してもよい。
【0056】
本明細書に使用される「ポリヌクレオチド」、又は「核酸」の記述は、mRNA、RNA、cRNA、cDNA、又はDNAを示す。本用語は、典型的には、リボヌクレオチド、若しくはデオキシヌクレオチドのいずれか、又は修飾形態のいずれかのタイプのヌクレオチドの、長さが少なくとも10塩基のヌクレオチドの重合体形態をいう。本用語には、DNAの一本鎖、及び二本鎖形態を含む。
【0057】
「ポリヌクレオチド変異体」、及び「変異体」等という用語は、参照ポリヌクレオチド配列と実質的な配列同一性を示すポリヌクレオチド、又は以下に定義したストリンジェントな条件下で参照配列とハイブリダイズするポリヌクレオチドをいう。また、これらの用語は、少なくとも1つのヌクレオチドの付加、欠失、又は置換によって参照ポリヌクレオチドから区別されるポリヌクレオチドを包含する。従って、「ポリヌクレオチド変異体」、及び「変異体」という用語は、1つ以上のヌクレオチドが付加され、若しくは欠失され、又は異なるヌクレオチドで置換されたポリヌクレオチドを含む。この点に関して、突然変異、付加、欠失、及び置換を含む特定の変化を参照ポリヌクレオチドになすことができ、これにより、変化されたポリヌクレオチドは、参照ポリヌクレオチドの生物学的機能、若しくは活性を保持することが、当該技術分野において十分に理解されている。ポリヌクレオチド変異体は、例えば、配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載された配列と少なくとも50%(及び少なくとも51%〜少なくとも99%、及び全ての間の整数のパーセンテージ)の配列同一性を有するポリヌクレオチドを含む。用語「ポリヌクレオチド変異体」及び「変異体」はまた、天然に存在する対立遺伝子変異体を含む。
【0058】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」は、アミノ酸残基の重合体を、並びに前述のものの変異体、及び合成類似体をいうために、本明細書において同義的に使用される。従って、これらの用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の化学物質類似体などの合成の天然に存在しないアミノ酸であるアミノ酸重合体に、並びに天然に存在するアミノ酸重合体に適用される。
【0059】
本明細書に使用される「ADHポリペプチド」、又は「その変異体」の記述は、限定されないが、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78のいずれか1つに記載された配列と少なくとも50%(少なくとも51%〜少なくとも99%、及び間の全ての整数パーセンテージ)の配列同一性を共有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを包含する。これらの記述は、細菌種間に存在し、及び生じ得るADHポリペプチドの天然の対立形質の変異を更に包含する。
【0060】
ADHポリペプチドには、その変異体を含み、野生型ADHポリペプチドの少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、及び130%の比活性を示す(すなわち、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性を含む、アルコールデヒドロゲナーゼ活性を有するなど)ポリペプチドを包含する。野生型のADHポリペプチドと比較して実質的に同じか、又は改善された生物活性を有する、変異体を含むADHポリペプチドは、野生型ポリペプチドの少なくとも約25%、50%、75%、100%、110%、120%、又は130%の比生物活性を示すポリペプチドを包含する。本願のためには、ADH関連した生物活性は、例えば基質としてDEHU、又はD-マンヌロナートを使用してADHポリペプチド、又はその変異体がNADPHを消費する能力を測定することによって定量化してもよい(例えば、実施例2参照されたい)。野生型ADHと比較して実質的に生物活性が低減された、変異体を含むADHポリペプチドは、野生型ADHの約25%未満、10%、5%、又は1%の比活性を示すものである。
【0061】
ポリペプチド「変異体」の記述は、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失、又は置換によって参照ポリペプチドから区別されるポリペプチドをいう。特定の実施態様において、ポリペプチド変異体は、保存的、又は非保存的でもよい1つ以上の置換によって参照ポリペプチドから区別される。特定の実施態様において、ポリペプチド変異体は、保存的置換を含み、この点に関しては、いくつかのアミノ酸が、ポリペプチドの活性の性質を変えることなく広く同様の特性をもつその他のものに変えられてもよいことは、当該技術分野において周知である。また、ポリペプチド変異体は、1つ以上のアミノ酸が付加され、若しくは欠失され、又は異なるアミノ酸残基で置換されたポリペプチドを包含する。
【0062】
本発明は、全長ADH配列、並びにこれらの生物学的に活性な断片の本願の方法、及び微生物系における使用を想定する。典型的には、全長ADHポリペプチドの生物学的に活性な断片は、相互作用、例えば分子内、又は分子間の相互作用に関与してもよい。分子間相互作用は、特異的な結合相互作用、又は酵素的相互作用であることができる(例えば、相互作用は、一過性であることができ、共有結合が形成され、又は壊される)。全長ADHポリペプチドの生物学的に活性な断片は、(推定上の)全長ADHポリペプチドのアミノ酸配列に対して十分に類似するか、又は由来するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。典型的には、生物学的に活性な断片は、全長ADHポリペプチドの少なくとも1つの活性をもつドメイン、又はモチーフを含み、種々の活性なドメインの1つ以上(及び、場合によっては全て)を含んでいてもよく、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有する断片を有する断片を含む。全長ADHポリペプチドの生物学的に活性な断片は、例えば、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78のいずれか1つに記載されたアミノ酸配列の、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、又はそれ以上の隣接するアミノ酸であるポリペプチドであることができる。特定の実施態様において、生物学的に活性な断片は、本明細書に記述したとおりの、NAD+、NADH、NADP+、又はNADPH結合モチーフを含む。適切には、生物学的に活性な断片は、それが由来する全長ポリペプチドの活性の約1%、10%、25%、50%を有する。
【0063】
本明細書に使用される、「配列同一性」、又は例えば「に対する50% 配列同一性」を含む記述は、配列が比較のウィンドウにわたるヌクレオチド間基準、又はアミノ酸間基準での同一性の程度をいう。従って、「配列同一性の割合」は、比較のウィンドウにわたって2つの至適に整列させた配列を比較すること、マッチした位置の数を得るために同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)、又は同一のアミノ酸残基(例えばAla、Pro、Ser、Thr、Gly、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Trp、Lys、Arg、His、Asp、Glu、Asn、Gln、Cys、及びMet)が両方の配列に存在する位置の数を決定すること、マッチした位置の数を比較のウィンドウ(すなわち、ウィンドウサイズ)の位置の合計数によって割ること、及び配列同一性の割合を得るために結果に100を掛けることによって算出される。
【0064】
2つ以上のポリヌクレオチド、又はポリペプチドの間の配列関係を記述するために使用される用語は、「参照配列」、「比較ウィンドウ」、「配列同一性」、「配列同一性の割合」、及び「実質的同一性」を含む。「参照配列」は、少なくとも12、しかし、しばしば15〜18、及びたいてい少なくとも25個の、ヌクレオチド、及びアミノ酸残基を含むモノマー単位の長さである。2つのポリヌクレオチドは、それぞれ(1)2つのポリヌクレオチド間で類似する配列(すなわち、一部の完全なポリヌクレオチド配列のみ)、及び(2)2つのポリヌクレオチド間の多岐にわたる配列を含んでいてもよいので、2つの(又はそれ以上の)ポリヌクレオチド間の配列比較は、典型的には、配列類似性の局部的な領域を同定し、及び比較するために、2つのポリヌクレオチドの配列を「比較ウィンドウ」全体にわたってして比較することによって行われる。「比較ウィンドウ」とは、少なくとも6つ、通常約50〜約100、更に通常では約100〜約150の隣接する位置の概念上のセグメントであって、2つの配列を至適に整列させた後に、配列が隣接する位置の同数の参照配列と比較されるセグメントをいう。比較ウィンドウは、2つの配列の最適な整列のために、参照配列(これは、付加、又は欠失を含まない)と比較して約20%以下の付加、又は欠失(すなわち、ギャップ)を含んでいてもよい。比較ウィンドウを整列させるための配列の最適な整列は、アルゴリズム(Wisconsin遺伝学ソフトウェアパッケージリリース7.0、Genetics Computer Group, 575 Science Drive Madison, WI, USAのGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)のコンピュータ化された実施によって、又は選択した任意の種々の方法によって生成される検査、及び最高の整列(すなわち、比較ウィンドウにわたって最高の割合の相同性を生じる)によって行われてもよい。また、例えば、Altschulらの文献、1997、Nucl. Acids Res. 25:3389によって開示されるような、BLASTファミリーのプログラムを参照してもよい。配列分析の詳細な考察は、Ausubelらの文献、「分子生物学の現在のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」John Wiley & Sons Inc、1994-1998、第15章の19.3単元において見つけることができる。
【0065】
「ベクター」は、例えば、その中にポリヌクレオチドを挿入すること、又はクローン化することができる、プラスミド、バクテリオファージ、酵母、又はウイルスに由来するポリヌクレオチド分子、好ましくはDNA分子を意味する。ベクターは、好ましくは1つ以上の独特の制限部位を含み、かつ標的細胞、若しくは組織、又はその前駆細胞、若しくは組織を含む宿主細胞における限定された自律増殖をすることができるか、又はクローン化した配列を再現できるように限定された宿主のゲノムに組み込むことができる。従って、ベクターは、自律的に複製するベクター、すなわちその複製が染色体の複製から独立している染色体外の実体として存在するベクター、例えば直鎖状、若しくは閉じた環状プラスミド、染色体外因子、ミニ染色体、又は人工染色体であることができる。ベクターは、自己複製を保証するための任意の手段を含むことができる。或いは、ベクターは、宿主細胞に導入されたときに、ゲノム内に組み込まれて、それが組み込まれた染色体(群)と共に複製されるものであることができる。ベクター系は、宿主細胞のゲノム内に導入するための総DNAを共に含む、単一のベクター、若しくはプラスミド、2つ以上のベクター、若しくはプラスミド、又はトランスポゾンを含むことができる。ベクターの選択は、典型的には、ベクターが導入される宿主細胞とのベクターの適合性に依存するであろう。今回の場合には、ベクターは、好ましくは、細菌細胞において作動可能に機能的であるものである。また、ベクターは、適切な形質転換体の選択のために使用することができる抗生物質耐性遺伝子などの選択マーカーを含むことができる。
【0066】
「野生型」、及び「天然に存在する」という用語は、天然に存在する供与源から単離されたときに、その遺伝子、若しくは遺伝子産物の特徴を有する遺伝子、又は遺伝子産物をいうために、交換可能に使用される。野生型遺伝子、又は遺伝子産物(例えば、ポリペプチド)は、集団において最も頻繁に観察されるものであり、従って、任意に遺伝子の「正常な」、又は「野生型」形態を設計する。
【0067】
本発明の実施態様は、部分的には、細菌デヒドロゲナーゼ遺伝子、及びこれらの遺伝子によってコードされるポリペプチドの単離、並びに特性付けに関する。特定の実施態様は、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)ポリペプチドと呼ばれ得る、アルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する単離されたデヒドロゲナーゼポリペプチドを含み得る。本願に従ったADHポリペプチドは、DEHUヒドロゲナーゼ活性、D-マンヌロナート活性、又はDEHU、及びD-マンヌロナートヒドロゲナーゼの両方の活性を有していてもよい。その他の実施態様は、このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでいてもよい。例えば、本願の分子は、
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチド、及びその断片、若しくは変異体であって、
該単離されたヌクレオチドがデヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、前記単離されたポリヌクレオチド、及びその断片、若しくは変異体を含んでいてもよい。特定の実施態様において、ポリペプチドは、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのアルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する。
【0068】
また、本発明の分子は、単離されたADHポリペプチド、又は変異体、断片、若しくは誘導体を含んでいてもよく、本実施態様は、
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択されてもよく、
該単離されたポリペプチドは、デヒドロゲナーゼ活性を有する。特定の実施態様において、ポリペプチドは、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのアルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する。
【0069】
さらなる実施態様において、本明細書に開示された単離されたポリヌクレオチドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、又はNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含むポリペプチドをコードする。その他の実施態様は、本明細書に開示したとおりの、ADHポリペプチド、その変異体、断片、又は誘導体を含み、該ポリペプチドは、NAD+、NADH、NADP+、又はNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含む。特定の実施態様において、結合モチーフは、
【化2】
からなる群から選択され;式中、Yは、独立してアラニン、グリシン、及びセリンから選択され、式中Gは、グリシンであり、かつXは、独立して遺伝的にコードされたアミノ酸から選択される。任意の理論に拘束されることを望まないが、NAD+、及び関連した分子は、デヒドロゲナーゼ反応におけるコファクタとして役立ち、かつこれらの結合モチーフは、一般にアルコールデヒドロゲナーゼにおいて保存され、かつNAD+、NADH、NADP+、又はNADPH結合において重要な役割を果たす。
【0070】
本願によって包含される変異体タンパク質は、生物学的に活性である、すなわち、これらは、未変性タンパク質の所望の生物活性を有し続ける。このような変異体は、例えば、遺伝子多型により、又はヒト操作により生じ得る。天然、又は野生型ADHポリペプチドの生物学的に活性な変異体は、デフォルトパラメーターを使用して本明細書に他を記述した配列整列プログラムによって決定すると未変性タンパク質のアミノ酸配列と少なくとも40%、50%、60%、70%、一般に少なくとも75%、80%、85%、通常約90%〜95%以上、及び典型的には約98%以上の配列類似性、又は同一性を有するだろう。野生型ADHポリペプチドの生物学的に活性な変異体は、一般に200、100、50、若しくは20アミノ酸残基程度まで、又は適切には、1〜15アミノ酸残基程度、1〜10程度、6〜10程度など、5、4、3、2、又は更に1つのアミノ酸残基程度までそのタンパク質と異なっていてもよい。一部の実施態様において、ADHポリペプチドは、少なくとも1つ、しかし15、10、又は5つ未満のアミノ酸残基までで配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78の対応する配列と異なる。その他の実施態様において、それは、少なくとも1つの残基、しかし20%未満、15%、10%、又は5%未満の残基までで配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78の対応する配列と異なる。
【0071】
ADHポリペプチドは、アミノ酸置換、欠失、切断、及び挿入を含む種々の方法で変化させてもよい。このような操作のための方法は、一般に当該技術分野において公知である。例えば、ADHポリペプチドのアミノ酸配列変異体は、DNAの突然変異によって調製することができる。突然変異誘発、及びヌクレオチド配列変化のための方法は、当該技術分野において周知である。例えば、Kunkelの文献(1985、Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 82:488-492)、Kunkelらの文献(1987、Method in Enzymol、154:367-382)、米国特許第4,873,192号、Watson、J. D.らの文献("Molecular Biology of the Gene"、第4版、Benjamin/Cummings、Menlo Park、Calif., 1987)、及びその中で引用された参照文献を参照されたい。関心対象のタンパク質の生物活性に影響を及ぼさない適切なアミノ酸置換に関する指針は、Dayhoffらの文献(1978)タンパク質配列、及び構造のアトラス(Natl. Biomed. Res. Found., Washington、D.C.)のモデルにおいて見いだされるであろう。点突然変異、又は切断によって作製されるコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするための、及び選択された特性を有する遺伝子産物のcDNAライブラリーをスクリーニングするための方法は、当該技術分野において公知である。このような方法は、ADHポリペプチドのコンビナトリアル突然変異誘発によって産生された遺伝子ライブラリーのラピッドスクリーニングのために適応できる。ライブラリーにおける機能的突然変異体の頻度を増強する技術である繰り返しアンサンブル突然変異誘発(REM)は、ADHポリペプチド変異体を同定するためのスクリーニングアッセイと組み合わせて使用することができる(Arkin及びYourvanの文献(1992)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815;Delgraveらの文献(1993)Protein Engineering、6:327-331)。あるアミノ酸を同様の特性を有する別のものと交換することなどの、保存的置換は、以下に詳述するように望ましいであろう。
【0072】
変異体ADHポリペプチドは、親ADHアミノ酸配列と比較して、これらの配列に沿った種々の位置に保存的アミノ酸置換を含んでいてもよい。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されているものである。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されており、一般に以下の通りに下位分類することができる:
【0073】
酸性:残基は、生理的pHにてHイオンの喪失のために負電荷を有し、かつ残基は、ペプチドが生理的pHにて水性媒体中にあるときにそれが含まれるペプチドの高次構造における表面位置を探求するために、水性溶液に引きつけられる。酸性側鎖を有するアミノ酸には、グルタミン酸、及びアスパラギン酸を含む。
【0074】
塩基性:残基は、生理的pHにて、又はその1つ、若しくは2つのpH単位内で(例えば、ヒスチジン)、Hイオンと会合するのために正電荷を有し、かつ残基は、ペプチドが生理的pHにて水性媒体中にあるときに、それが含まれるペプチドの高次構造における表面位置を探求するために、水性溶液によって引きつけられる。塩基性側鎖を有するアミノ酸には、アルギニン、リジン、及びヒスチジンを含む。
【0075】
荷電:残基は、生理的pHにて荷電し、従って、酸性、又は塩基性側鎖を有するアミノ酸(すなわちグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジン、及びヒスチジン)を含む。
【0076】
疎水性:残基は、生理的pHにて荷電されておらず、かつ残基は、ペプチドが水性媒体中にあるときに、それが含まれるペプチドの高次構造における内側位置を探求するために、水性溶液に引き寄せられない。疎水性側鎖を有するアミノ酸には、チロシン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、及びトリプトファンを含む。
【0077】
中性/極性:残基は、生理的pHにて荷電されないが、残基は、ペプチドが水性媒体中にあるときに、水性溶液によって十分に引き寄せられ、その結果それが含まれるペプチドの高次構造における内側位置を探求する。中性/極性側鎖を有するアミノ酸には、アスパラギン、グルタミン、システイン、ヒスチジン、セリン、及びスレオニンを含む。
【0078】
また、これらの側鎖は、極性基が欠如する場合であっても、疎水性を与えるほど十分に大きくないので、この記述は、特定のアミノ酸を「小さい」ものとして特徴づける。プロリンを除いて、「小さな」アミノ酸は、少なくとも1つの極性基が側鎖にあるときは4炭素以下、又は側鎖にないときは3炭素以下をもつアミノ酸である。小さな側鎖を有するアミノ酸には、グリシン、セリン、アラニン、及びスレオニンを含む。遺伝子でコードされる二級アミノ酸プロリンは、ペプチド鎖の二次高次構造に対するその公知の効果のために、特殊な場合である。プロリンの構造は、その側鎖がα-アミノ基の窒素、並びにα-炭素に結合するという点で、全てのその他の天然に存在するアミノ酸と異なる。しかし、いくつかのアミノ酸類似性マトリックス(例えば、Dayhoffらの文献(1978)タンパク質における進化的変化のモデル。距離関係を決定するためにマトリックスM. O. Dayhoff(編)タンパク質配列及び構造のアトラス、Vol. 5、pp. 345-358、National Biomedical Research Foudation、Washington DCによって;及びGonnetらの文献(1992、Science、256(5062):14430-1445)によって開示されたものような、例えばPAM120マトリックス、及びPAM250マトリックス)は、グリシン、セリン、アラニン、及びスレオニンと同じ群にプロリンを含む。従って、本発明のためには、プロリンは、「小さな」アミノ酸として分類される。
【0079】
極性、又は無極性と分類するために必要とされる引力、又は反発の程度は、任意であり、従って、本発明によって具体的に想定されるアミノ酸は、どちらか一方として分類されている。具体的に名前を挙げていない大部分のアミノ酸は、公知の挙動に基づいて分類することができる。
【0080】
アミノ酸残基は、残基の側鎖置換基に関する自明の分類である、環状、又は非環状、及び芳香族、又は非芳香族として、並びに小、又は大として、更に下位分類することができる。残基は、それが、さらなる極性の置換基が存在することを条件としてカルボキシル炭素を含めて合計4炭素原子以下を含み;もしそうでなければ3以下の場合、小さいとみなされる。小さな残基は、もちろん、常に非芳香族である。これらの構造特性に応じて、アミノ酸残基は、2つ以上の分類に入り得る。天然に存在するタンパク質アミノ酸について、このスキームに従った下位分類を表Aに示してある。
【0081】
【表1】
【0082】
また、保存的アミノ酸置換は、側鎖に基づいたグループ化を含む。例えば、脂肪族側鎖を有する一群のアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンであり;脂肪族-ヒドロキシル側鎖を有する一群のアミノ酸は、セリン、及びスレオニンであり;アミドを含む側鎖を有する一群のアミノ酸は、アスパラギン、及びグルタミンであり;芳香族側鎖を有する一群のアミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンであり;塩基性側鎖を有する一群のアミノ酸は、リジン、アルギニン、及びヒスチジンであり;並びに硫黄含有側鎖を有する一群のアミノ酸は、システイン、及びメチオニンである。例えば、イソロイシン、又はバリンでのロイシンの、グルタミン酸でのアスパラギン酸の、セリンでのスレオニンの交換、又は構造的に関連したアミノ酸でのアミノ酸の同様の交換では、生じる変異体ポリペプチドの特性に対して多大な効果を有さないだろうと予想することが合理的である。機能的ADHポリペプチドを生じるアミノ酸変化かどうかは、本明細書に記述したように(例えば、実施例2を参照されたい)、その活性をアッセイすることによって容易に決定することができる。保存的置換は、表Bにおいて、例示的な置換の見出し下に示してある。本発明の範囲内に入るアミノ酸置換は、一般に、(a)置換の領域におけるペプチドバックボーンの構造、(b)目的部位における分子の電荷、若しくは疎水性、又は(c)側鎖のかさを維持するというそれらの効果において、有意に異ならない置換を選択することによって達成される。置換が導入された後、変異体を生物活性についてスクリーニングする。
【0083】
【表2】
【0084】
或いは、保存的置換を作製するための同様のアミノ酸は、側鎖の同一性に基づいて3つのカテゴリーにグループ化することができる。Zubay、G., Biochemistry、第3版、Wm.C.Brown Publishers(1993)に記載されているように、第1の群は、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンを含み、これらは、全て荷電した側鎖を有し;第2の群は、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、グルタミン、アスパラギンを含み;及び第3の群は、ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニンを含む。
【0085】
従って、ADHポリペプチドにおける予測される非必須アミノ酸残基は、典型的には同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基で置換される。或いは、飽和突然変異誘発などにより、突然変異をADHコード配列の全部、又は一部に沿ってランダムに導入することができ、生じる突然変異体を親ポリペプチドの活性についてスクリーニングして、その活性を保持する突然変異体を同定することができる。コード配列の突然変異誘発に続いて、コードされるペプチドを組換えで発現させることができ、またペプチドの活性を決定することができる。「非必須」アミノ酸残基は、その活性の1つ以上を消滅させることなく、又は実質的に変化させることなく、実施態様ポリペプチドの野生型配列から変化させることができる残基である。適切には、変化は、これらの活性の1つを実質的に変化させず、例えば、活性は、野生型の少なくとも20%、40%、60%、70%、又は80%である。例示的な非必須アミノ酸残基は、図2〜21に示した野生型ADHポリペプチド間で同じ位置において異なるアミノ酸残基の任意の1つ以上を含む。「必須」アミノ酸残基は、参照ADHポリペプチドの野生型配列から変化させたときに、野生型活性の20%未満が存在するように、親分子の活性の消失を生じる残基である。例えば、このような必須なアミノ酸残基は、異なる種にわたってADHポリペプチドにおいて保存されているもの、例えば、種々の細菌供与源からのADHポリペプチドのNADH-結合部位において保存されている
【化3】
を含む。
【0086】
従って、また、本発明の実施態様は、ADHポリペプチド、天然に存在するADHポリペプチド配列の変異体、又はこれらの生物学的に活性な断片を想定し、該変異体は1つ以上のアミノ酸残基の付加、欠失、又は置換によって天然に存在する配列から区別される。一般に、変異体は、例えば配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載したような、親ADHポリペプチド配列に対して少なくとも約30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の類似性を示すであろう。特定の変異体は、例えば配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載したような、親ADHポリペプチド配列に対して少なくとも30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有するであろう。その上、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、又はそれ以上のアミノ酸の付加、欠失、又は置換によって天然、又は親配列と異なるが、親ADHポリペプチドの特性を保持する配列も想定される。
【0087】
一部の実施態様において、変異体ポリペプチドは、少なくとも1つ、しかし50、40、30、20、15、10、8、6、5、4、3、又は2未満のアミノ酸残基(群)までで参照ADH配列と異なる。その他の実施態様において、変異体ポリペプチドは、少なくとも1%、しかし20%未満、15%、10%、又は5%未満の残基が配列番号:2、4、6、8、10、及び12の対応する配列と異なる。(この比較が整列を必要とする場合、配列は、最大類似性のために整列させるべきである。欠失、若しくは挿入、又はミスマッチからの「ループ(looped)」アウト配列は、異なるとみなされる)相違は、適切には、非必須残基、若しくは保存的置換における相違、又は変化である。
【0088】
特定の実施態様において、変異体ポリペプチドは、例えば、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたようなADHポリペプチドの対応する配列に対して少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又はそれ以上の類似性を有し、かつADHポリペプチドの活性を有するアミノ酸配列を含む。
【0089】
配列間の配列類似性、又は配列同一性(本用語が、本明細書に交換可能に使われる)の算出は、以下の通りに行われる。
【0090】
2つのアミノ酸配列の、又は2つの核酸配列のパーセント同一性を決定するためには、配列を最適な比較目的のために整列させる(例えば、ギャップを最適な整列のために第一、及び第二のアミノ酸、又は核酸配列の一方、又は両方に導入することができ、非相同的配列は、比較目的のために無視することができる)。特定の実施態様において、比較目的のために整列させる参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは、少なくとも50%、60%、及びより好ましくは少なくとも70%、80%、90%、100%である。次いで、対応するアミノ酸位置、又はヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基、又はヌクレオチドを比較する。次いで、第1の配列における位置が第2の配列における対応する位置と同じアミノ酸残基、又はヌクレオチドによって占められているとき、分子はその位置において同一である。
【0091】
2つの配列間のパーセント同一性は、2つの配列の最適の整列のために導入される必要があるギャップの数、及びそれぞれのギャップの長さを考慮して、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。
【0092】
2つの配列間の配列の比較、及びパーセント同一性の決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。好ましい実施態様において、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comにて入手できる)のギャッププログラムに組み込まれたNeedleman、及びWunsch(1970、J. Mol. Biol. 48:444-453)アルゴリズムを使用して、Blossum 62マトリックス、又はPAM250マトリックスのいずれか、並びに16、14、12、10、8、6、又は4のギャップウエイト、及び1、2、3、4、5、又は6のレングスウエイトを使用して決定される。更に別の好ましい実施態様において、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comにて利用できる)のGAPプログラムを使用して、NWSgapdna.CMPマトリックス、並びに40、50、60、70、又は80のギャップウエイト、及び1、2、3、4、5、又は6のレングスウエイトを使用して決定される。特に好ましいパラメーターのセット(及び特に明記しない限り使用されるべきであるもの)は、12のギャップレングスペナルティー、4のギャップエクテンドペナルティー、及び5のフレームシフトギャップペナルティーを用いるBlossum 62スコアリングマトリックスである。
【0093】
2つのアミノ酸、又はヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE. Meyers、及びW. Miller(1989、Cabios、4:11-17)のアルゴリズムを使用して、PAM120ウエイト残基表、12のギャップレングスペナルティー、及び4のギャップペナルティーを使用して、決定することができる。
【0094】
本明細書に記述した核酸、及びタンパク質配列を「問い合わせ配列」として使用して、パブリックデータベースに対して検索を行い、例えばその他のファミリーメンバー、又は関連配列を同定することができる。このような検索は、Altschulらの文献(1990、J. Mol. Biol、215:403-10)のNBLAST、及びXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して行うことができる。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア= 100、語長= 12で行って、本発明の53010の核酸分子に相同的なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索を、XBLASTプログラム、スコア= 50、語長= 3で行って、本発明の53010のタンパク質分子に相同的なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的のためのギャップがある整列を得るために、Gapped BLASTを、Altschulらの文献(1997、Nucleic Acids Res、25:3389-3402)に記載されているように利用することができる。BLAST、及びGapped BLASTプログラムを利用するときに、それぞれのプログラム(例えば、XBLAST、及びNBLAST)のデフォルトパラメーターを使用することができる。
【0095】
ADHポリペプチドの変異体は、ADHポリペプチドの突然変異体、例えば切断突然変異体のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって同定することができる。ADHタンパク質コード配列のライブラリー、又は断片、例えばN末端、C末端、又は内部断片を使用して、ADHポリペプチドの変異体のスクリーニング、及びその後の選択のための断片の異型集団を産生することができる。
【0096】
点突然変異、又は切断によって作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするための、及び選択された特性を有する遺伝子産物についてcDNAライブラリーをスクリーニングするための方法は、当該技術分野において公知である。このような方法は、ADHポリペプチドのコンビナトリアル突然変異誘発によって産生した遺伝子ライブラリーのラピッドスクリーニングのために適応することができる。
【0097】
本出願のADHポリペプチドは、組換え技術によるなどの当業者に公知の任意の適切な手順によって調製してもよい。例えば、ADHポリペプチドは、次の工程を含む手順によって調製してもよい:(a)ADH ポリペプチドをコードし、かつ調節エレメントに作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列を含む構築物を調製すること;(b)構築物を宿主細胞に導入すること;(c)宿主細胞を培養してADHポリペプチドを発現させること;及び(d)宿主細胞からADHポリペプチドを単離すること。実例において、ヌクレオチド配列は、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載された配列、又はその変異体の生物学的に活性な部分を少なくともコードする。組換えADHポリペプチドは、例えばSambrookらの文献(1989、上記)、特に16、及び17節;Ausubelらの文献(1994、上記)、特に10、及び16章;並びにColiganらの文献、タンパク質化学の現在のプロトコル(John Wiley & Sons, Inc. 1995-1997)、特に1、5、及び6章に記述されたような標準的なプロトコルを使用して都合よく調製することができる。
【0098】
本出願のADHポリペプチドをコードする例示的なヌクレオチド配列は、全長ADH遺伝子、並びにADH遺伝子、若しくはこれらの転写物、若しくはこれらの転写物のDNAコピーの全長、又は実質的に全長ヌクレオチド配列の一部を包含する。ADHヌクレオチド配列の一部は、天然のポリペプチドの生物活性を保持するポリペプチド部分、又はセグメントをコードしてもよい。ADHポリペプチドの生物学的に活性な断片をコードするADHヌクレオチド配列の一部は、少なくとも約20、21、22、23、24、25、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、300、又は400個の隣接するアミノ酸残基、又は全長ADHポリペプチドに存在するほぼ総数のアミノ酸をコードしてもよい。
【0099】
また、本発明は、ADHヌクレオチド配列の変異体を想定する。核酸変異体は、対立形質変異体(同じ座位)、相同体(異なる座位)、及び相同分子種(異なる生物体)などの天然に存在することができ、又は天然に存在しないことができる。これらなどの天然に存在する変異体は、例えば、当技術分野において公知のとおりのポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、及びハイブリダイゼーション技術などの周知の分子生物学技術を使用して同定することができる。天然に存在しない変異体は、ポリヌクレオチド、細胞、又は生物体に適用されるものを含む突然変異誘発技術によって作製することができる。変異体は、ヌクレオチド置換、欠失、逆転、及び挿入を含むことができる。変異は、コード領域、及び非コード領域のいずれか、又は両方に生じることができる。変異は、(コードされた産物において比較すると)保存的、及び非保存的アミノ酸置換を生じることができる。ヌクレオチド配列については、保存的変異体は、遺伝暗号の縮重のため、参照ADHポリペプチドのアミノ酸配列をコードする配列を含む。また、変異体ヌクレオチド配列は、例えば、部位特異的突然変異を使用して産生され、しかし、なおもADHポリペプチドをコードするものなどの合成に由来したヌクレオチド配列を含む。一般に、特定のADHヌクレオチド配列の変異体は、デフォルトパラメーターを使用して本明細書に他に記述した配列整列プログラムによって定まるその特定のヌクレオチド配列に対して、少なくとも約30%、40% 50%、55%、60%、65%、70%、一般に少なくとも約75%、80%、85%、望ましくは約90%〜95%以上、及びより適切には約98%以上の配列同一性を有するだろう。
【0100】
ADHヌクレオチド配列を使用して、その他の生物体、特にその他の微生物から対応する配列、及び対立遺伝子を単離することができる。方法は、核酸配列のハイブリダイゼーションのための技術分野において容易に利用できる。その他の生物体からのコード配列は、本明細書に記載したコード配列とのこれらの配列の同一性に基づいて、周知の技術に従って単離してもよい。これらの技術において、公知のコード配列の全部、又は一部を、選ばれた生物体(例えば、ヘビ)からのクローン化されたゲノムのDNA断片、又はcDNA断片の集団(すなわちゲノム、又はcDNAライブラリー)に存在するその他のADH-コード配列に選択的にハイブリダイズするプローブとして使用される。従って、本発明は、また、下記に記述したストリンジェンシー条件下で、参照ADHヌクレオチド配列に、又はこれらの相補物にハイブリダイズするポリヌクレオチドを想定する。本明細書に使用される、「低ストリンジェンシー、中間ストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、又は非常に高ストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズする」という用語は、ハイブリダイゼーション、及び洗浄のための条件を記述する。ハイブリダイゼーション反応を行うためのガイダンスは、Ausubelらの文献(1998、上記)において見つけることができる。水性、及び非水性の方法がその参照文献に記述されており、いずれを使用することもできる。低ストリンジェンシー条件に対する本明細書における言及には、42℃におけるハイブリダイゼーションについて、少なくとも約1%v/v〜少なくとも約15%v/vのホルムアミド、及び少なくとも約1M〜少なくとも約2Mの塩、並びに42℃における洗浄について、少なくとも約1M〜少なくとも約2Mの塩を含み、かつ包含する。また、低ストリンジェンシー条件は、65℃におけるハイブリダイゼーションについて、1% ウシ血清アルブミン(BSA)、1mM EDTA、0.5M NaHPO4(pH 7.2)、7% SDS、及び室温での洗浄について、(i)2×SSC、0.1% SDS;又は(ii)0.5% BSA、1mM EDTA、40mM NaHPO4(pH 7.2)、5% SDSを含んでいてもよい。低ストリンジェンシー条件の1つの実施態様には、少なくとも約45℃における6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)におけるハイブリダイゼーション、続く少なくとも50℃における0.2×SSC、0.1% SDSにおける2回の洗浄を含む(洗浄液の温度は、低ストリンジェンシー条件について、55℃に増加することができる)。中間ストリンジェンシー条件は、42℃におけるハイブリダイゼーションについて、少なくとも約16%v/v〜少なくとも約30%v/vホルムアミド、及び少なくとも約0.5M〜少なくとも約0.9Mの塩、並びに55℃における洗浄について、少なくとも約0.1M〜少なくとも約0.2Mの塩を含み、かつ包含する。また、中間ストリンジェンシー条件は、65℃におけるハイブリダイゼーションについて1% ウシ血清アルブミン(BSA)、1mM EDTA、0.5M NaHPO4(pH 7.2)、7% SDS、及び60〜65℃における洗浄について、(i)2×SSC、0.1% SDS;又は(ii)0.5% BSA、1mM EDTA、40mM NaHPO4(pH 7.2)、5% SDSを含んでいてもよい。中間ストリンジェンシー条件の1つの実施態様は、約45℃において6×SSC中でハイブリダイズすること、続いて60℃における0.2×SSC、0.1% SDS中での1回以上の洗浄を含む。高ストリンジェンシー条件は、42℃におけるハイブリダイゼーションについて、少なくとも約31%v/v〜少なくとも約50%v/vホルムアミド、及び約0.01M〜約0.15Mの塩、並びに55℃における洗浄について、約0.01M〜約0.02Mの塩を含み、かつ包含する。また、高ストリンジェンシー条件は、65℃におけるハイブリダイゼーションについて、1% BSA、1mM EDTA、0.5M NaHPO4(pH 7.2)、7% SDS、及び65℃を上回る温度における洗浄について、(i)0.2×SSC、0.1% SDS;又は(ii)0.5% BSA、1mM EDTA、40mM NaHPO4(pH 7.2)、1% SDSを含んでいてもよい。高ストリンジェンシー条件の1つの実施態様は、約45℃において6×SSC中でハイブリダイズすること、続いて65℃における0.2×SSC、0.1% SDS中の1回以上の洗浄を含む。
【0101】
特定の実施態様において、ADHポリペプチドは、非常に高ストリンジェンシー条件下で開示されたヌクレオチド配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる。非常に高ストリンジェンシー条件の1つの実施態様は、65℃において0.5Mのリン酸ナトリウム、7% SDS中でハイブリダイズすること、続く65℃における0.2×SSC、1% SDS中の1回以上の洗浄を含む。
【0102】
その他のストリンジェンシー条件は、当該技術分野において周知であり、当業者であれば、種々の要因を、ハイブリダイゼーションの特異性を最適化するために操作することができることを認識するであろう。最終洗浄のストリンジェンシーの最適化を行って高度なハイブリダイゼーションを保証することができる。詳細な例については、Ausubelらの文献、上記、2.10.1〜2.10.16ページ、及びSambrookらの文献(1989、上記)1.101〜1.104節を参照されたい。
【0103】
ストリンジェントな洗浄は、典型的には約42℃〜68℃の温度にて実施されるが、当業者であれば、そのその他の温度もストリンジェント条件のために適し得ることを認識するであろう。最大ハイブリダイゼーション率は、典型的にはDNA-DNAハイブリッドの形成について、約20℃〜25℃低いTmにて生じる。Tmは、融解温度、又は2つの相補ポリヌクレオチド配列が分離する温度であることは、当該技術分野において周知である。Tmを見積もるための方法は、当該技術分野において周知である(Ausubelらの文献、上記、2.10.8ページを参照されたい)。一般に、完全にマッチしたDNAの二重鎖のTmは、式:
Tm = 81.5 + 16.6(log10 M)+ 0.41(%G+C)-0.63(%ホルムアミド)-(600/長さ)
(式中:Mは、Na+の濃度で、好ましくは0.01モル〜0.4モルの範囲であり;%G+Cは、塩基の総数の割合としてのグアノシン、及びシトシン塩基の合計で、30%〜75% G+C間の範囲であり;% ホルムアミドは、容積によるパーセントホルムアミド濃度であり;長さは、DNA二重螺旋における塩基対の数である)によって近似値として予測され得る。二重鎖DNAのTmは、ランダムにミスマッチの塩基対の数の1% 増大毎に、およそ1℃ずつ減少する。洗浄は、一般に 高ストリンジェンシーについてTm-15℃にて、又は適度なストリンジェンシーについてTm-30℃にて実施される。
【0104】
ハイブリダイゼーション手順の一例では、固定されたDNAを含む膜(例えば、ニトロセルロース膜、又はナイロン膜)を、標識プローブを含むハイブリダイゼーション緩衝液(50% イオン除去ホルムアミド、5×SSC、5×Denhardt溶液(0.1%フィコール、0.1% ポリビニルピロリドン、及び0.1% ウシ血清アルブミン)、0.1% SDS、及び200mg/mLの変性サケ精子DNA)中で42℃にて一晩ハイブリダイズさせる。次いで、膜を2回連続して中間ストリンジェンシー洗浄(すなわち、45℃において15分間の2×SSC、0.1% SDS、50℃において15分間の2×SSC、0.1% SDS)、続いて2回の連続するより高いストリンジェンシーの洗浄(すなわち、55℃において12分間の0.2×SSC、0.1% SDS続いて65〜68℃において12分間の0.2×SSC、及び0.1% SDS溶液)に供する。
【0105】
また本発明の実施態様には、多糖又はオリゴ糖を適切な単糖又は適切なオリゴ糖に変換するための、ADHキメラタンパク質又は融合タンパク質の使用を含む。本明細書に使用される、ADH「キメラタンパク質」、又は「融合タンパク質」は、非ADHポリペプチドに連結されたADHポリペプチドを含む。「非ADHポリペプチド」は、ADHタンパク質とは異なり、かつ同じか又は異なる生物体に由来するタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。融合タンパク質のADHポリペプチドは、ADHアミノ酸配列の全て、又は一部、例えば本明細書に記述した断片に対応することができる。好ましい実施態様において、ADH融合タンパク質は、ADHタンパク質の少なくとも1つの(又は2つの)生物学的に活性な部分を含む。非ADHポリペプチドは、ADHポリペプチドのN末端、又はC末端に融合することができる。
【0106】
融合タンパク質は、リガンドに対して高親和性を有する部分を含むことができる。例えば、融合タンパク質は、ADH配列がGST配列のC末端に融合されたGST-ADH融合タンパク質であることができる。このような融合タンパク質は、組換えADHポリペプチドの精製を促進することができる。或いは、融合タンパク質は、そのN末端に異種シグナル配列を含むADHタンパク質であることができる。特定の宿主細胞において、ADHタンパク質の発現、及び/又は分泌は、異種シグナル配列を使用することにより増大することができる。
【0107】
特定の実施態様において、本発明のADH分子は、微生物系、又は単離された/組換え微生物において使用して、アルギナートなどのバイオマスからの多糖、及びオリゴ糖を、2-ケト-3-デオキシ-D-グルコナート-6-ホスフェート(KDG)などの適切な単糖、又は適切なオリゴ糖に変換してもよく、これを生物燃料などのコモディティケミカルに更に変換してもよい。
【0108】
背景により、大規模な水生農業(aquatic-farming)では、エネルギー作物生産と食用作物生産を置き換えること、森林伐採、及び現在未耕作の土地を再耕作することなく、相当量のバイオマスを生成することができ、海洋、川、及び湖を含む大部分の水圏は、利用されていないままである。一例として、北アメリカ太平洋沿岸は、大規模な水生農業のために必要なミネラルが豊富である。その領域で生きているジャイアントケルプは、地球上で1m/日ほどの速さで成長し、植物の中で最も速く、50mまで成長する。加えて、水生農業は、赤潮大発生の予防、及び魚にフレンドリーな環境の創造を含むその他の利益を有する。
【0109】
リグノセルロースのバイオマスとは対照的に、水生バイオマスは、分解するのが容易である。水生バイオマスは、リグニンを欠いており、かつリグノセルロースのバイオマスよりも著しく壊れやすく、従って、酵素、又は化学触媒(例えば、フォルマート)のいずれを使用しても容易に分解することができる。海藻は、リグノセルロース(グルコース:24.1〜39%、マンノース:0.2〜4.6%、ガラクトース:0.5〜2.4%、キシロース:0.4〜22.1%、アラビノース1.5〜2.8 %、及びウロナート:1.2〜20.7%、並びに総糖含量は、乾燥重量の36.5〜70%に相当する)と比較してかなり単純な主要な糖組成(アルギナート:30%、マンニトール:15%)を有するので、海藻は、酵素、又は化学的触媒作用のいずれを使用しても単糖に容易に変換されるであろう。海草などの水生バイオマスを使用する糖化、及び発酵は、リグノセルロースを使用するよりも非常に容易である。
【0110】
n-アルカンは、例えば、ガソリン、ディーゼル、灯油、及び重油を含む全ての石油製品の主要成分である。微生物系、又は組換え微生物は、例えば、C7〜C20以上の範囲:ガソリン(例えば、自動車)のためにはC7、ディーゼル(例えば、自動車、列車、及び船)のためにはC10〜C15、並びに灯油(例えば、航空、及び船)のためには、及び全ての重油のためにはC8〜C16である異なる炭素長をもつn-アルカンを産生するために使用してもよい。
【0111】
また、中級、及び環状アルコールは、ガソリン、及びディーゼルに置き換えてもよい。例えば、中級、及び環状アルコールは、より高い酸素含量を有し、一酸化炭素(CO)放出を減少させ、これらは、より高いオクタン価を有し、エンジンノックを低減させ、多くの低級な米国の粗製油産物の品質をアップグレードし、有害な芳香族オクタンエンハンサー(例えば、ベンゼン)を置き換え、ガソリンのものと同等のエネルギー密度を有し、これらの不混和性が有意に米議会(capitol)支出を減少させ、より低い蒸発熱が常温始動のためには好ましく、かつ4-オクタノールは、エタノール、及びブタノールと比較して著しく毒性が少ない。
【0112】
生物燃料などのコモディティケミカルに海洋バイオマスを変換する初期段階として、唯一の炭素源、及びエネルギーとして多糖(例えば、アルギナート)を使用して成長することができる微生物系、又は組換え微生物を使用してもよい。単に説明のみとして、およそ50パーセントの海藻乾燥重量は、種々の糖組成を含み、その中で、アルギナート、及びマンニトールは、それぞれ30、及び15パーセントの海藻乾燥重量に対応する主成分である。大腸菌などの微生物は、一般に、合成生物学において宿主生物体であると考えられるが、またこのような微生物は、マンニトールを代謝することができるが、これらは、アルギナートを分解し、及び代謝する能力を完全に欠いている。本願の実施態様は、(炭素源、及びエネルギーとしてアルギナートなどの多糖を使用することができる、微生物が本願のADH分子を含む大腸菌などの微生物を含む。
【0113】
アルギナート(水生、又は海洋球体バイオマスの主要成分)を分解するか、若しくは脱重合すること、及び炭素源、及び/又はエネルギーとしてそれを使用することができる微生物系は、微生物系に水生、又は海洋バイオマス分解酵素(例えば、アルギナートリアーゼ(ALs)などの多糖を分解し、又は脱重合する酵素)のセットを組み込んでもよい。単に説明のみとして、アルギナートは、β-D-マンヌロナート(M)、及びα-D-グルロナート(G)(M、及びGは、C5-カルボキシル基に関してエピマーである)のブロック共重合体である。それぞれのアルギナートの重合体は、全てM(ポリM)、全てG(ポリG)、及び/又はM、及びG(ポリMG)の混合物の領域を含む。ALsは、これらの触媒作用に応じて、主に2つの特有のサブファミリー:エンド作用(EC 4.2.2.3)、及びエキソ作用(EC 4.2.2.-)ALsに分類されている。エンド作用ALsは、これらの触媒特異性に基づいて更に分類されている;M特異的、及びG特異的ALs。エンド作用ALsは、β-除去メカニズムを介してランダムにアルギナートを切断し、アルギナートを主に二糖、三糖、及び四糖に脱重合する。それぞれのオリゴ糖の非還元末端におけるウロナートは、不飽和糖ウロナートである4-デオキシ-L-エリスロ-ヘキシ-4-エンピラノシルウロナートに変換される。エキソ作用ALsは、これらのオリゴ糖のさらなる脱重合を触媒して、不飽和単糖を放出し、これが、非酵素的に、ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソセルロースウロナート(DEHU)を含む単糖に変換され得る。微生物系、又は単離された微生物の特定の実施態様は、アルギナートなどの水生、又は海洋バイオマス多糖体をDEHUなどの単糖に分解し、又は脱重合するために、エンドM-、エンドG-、及びエキソ-作用ALsを含んでいてもよい。
【0114】
アルギナートリアーゼは、サイトゾルにおいてアルギナートを単糖(例えば、DEGU)に脱重合し得るし、又は培地において分泌してアルギナートを脱重合し得る。アルギナートが培地において脱重合されるときに、特定の実施態様は、炭素源、及びエネルギーとしてこれらの単糖を効率的に利用するために、培地からサイトゾルへ単糖(例えば、DEHU)を輸送することができる微生物系、又は単離された微生物を含んでいてもよい。単に一例として、DEHUパーミアーゼなどの単糖パーミアーゼをコードする遺伝子は、炭素源、及びエネルギーとしてアルギナートなどの多糖で成長する細菌から単離してもよく、かつ本微生物系、又は単離された微生物の実施態様に組み込んでもよい。さらなる例として、実施態様は、また、単糖(例えば、DEHU)輸送のために特異的に変化させた、再設計された天然のパーミアーゼを含んでいてもよい。
【0115】
微生物系、又は単離された微生物の特定の実施態様は、本明細書に開示したように、ADHポリペプチド、又はその変異体をコードする遺伝子を組み込んでいてもよく、微生物系、又は微生物は、炭素源、及びエネルギーとしてアルギナートなどの多糖で成長させてもよい。特定の実施態様は、DEHUデヒドロゲナーゼ活性を有するADHポリペプチドなどのADHポリペプチドを含む微生物系、又は単離された微生物を含み、DEHUなどの種々の単糖は、2-ケト-3-デオキシ-D-グルコナート-6-ホスフェート(KDG)、又はD-マンニトールなどの生物燃料生合成のために適した単糖に還元させてもよい。
【0116】
その他の実施態様において、アルギナートなどの水生、又は海洋バイオマス多糖は、酸などの化学触媒を使用して化学的に分解してもよい。単に説明のみとして、化学触媒によって触媒される反応は、酵素触媒によって触媒されるβ-除去よりもむしろ加水分解である。酸触媒は、加水分解を介してグリコシド結合を切断し、オリゴ糖を放出して、これらのオリゴ糖を不飽和の単糖に更に脱重合し、これがたいていD-マンヌロナートに変換される。特定の実施態様は、強力な鉱酸と共にアルギナートを沸騰することを含み、これにより、D-マンヌロナートから二酸化炭素を遊離して多くの微生物によって使用される共通の糖であるD-リキソースを形成し得る。特定の実施態様は、例えば、ホルマート、塩酸、硫酸、及び化学触媒として当該技術分野において公知のその他の適切な酸を使用してもよい。
【0117】
特定の実施態様は、水生、若しくは海洋バイオマスに関連した多糖と共に使用するために適した化学物質触媒作用の改善され、又は再設計された方法を含む、本明細書に記述したか、又は当業者に公知のものに類似する化学物質触媒作用のバリエーションを使用してもよい。特定の実施態様は、生じる単糖ウロナートは、D-マンヌロナートであるものを含む。
【0118】
本発明の特定の実施態様に従った微生物系、又は単離された微生物は、また、培地から微生物系への単糖(例えば、D-マンヌロナート、及びD-リキソース)の輸送を触媒するパーミアーゼを含んでいてもよい。単なる例として、本明細書に記述したように、土壌アエロモナス属のD-マンヌロナートのパーミアーゼをコードする遺伝子を微生物系に組み込んでもよい。
【0119】
1つの代わりの例として、微生物系、又は微生物は、D-マンヌロナート、及びD-リキソース輸送のためのなどの、効率的な単糖輸送のために、それらの特異性を変化させるように再設計された天然のパーミアーゼ/輸送体を含んでいてもよい。例えば、大腸菌は、D-マンヌロナート、及びD-リキソースなどの単糖、又は糖を輸送することができるいくつかのパーミアーゼを含み、2-ケト-3-デオキシ-D-グルコナート(KDG)輸送体のためのKdgT、D-ガラクツロナート、及びD-グルクロナート輸送体などのアルドヘキシウロナートのためのExuT、グルコナート/フルクツロナート輸送体のためのGntPTU、グルクロニド輸送体のためのuidB、L-フコース輸送体のためのfucP、ガラクトース輸送体のためのgalP、グリコラート輸送体のためのyghK、D-ガラクトナート輸送体のためのdgoT、ヘキソースリン酸輸送体のためのuhpT、オロタート/シトラート輸送体のためのdctA、グルコナート輸送体のためのgntUT、マルトース輸送体のためのmalEGF:D-アロース輸送体のためのalsABC、L-イドナート(idonate)/Dグルコナート輸送体のためのidnT、プロトンで駆動されるα-ケトグルタラート輸送体のためのKgtP、乳糖/ガラクトース輸送体のためのlacY、D-キシロース輸送体のためのxylEFGH、L-アラビノース輸送体のためのaraEFGH、及びD-リボース輸送体のためのrbsABCを含む。特定の実施態様において、微生物系、又は単離された微生物は、D-マンヌロナート、又はD-リキソースなどの特定の単糖を輸送するために再設計されている上記のとおりのパーミアーゼを含んでいてもよい。
【0120】
特定の実施態様において、微生物系、又は単離された微生物は、炭素源、及びエネルギーとしてD-マンヌロナート若しくはD-リキソースなどの単糖で効率的に成長する微生物系、又は単離された微生物を含んでいてもよく、D-マンヌラートデヒドロゲナーゼ活性を有するADHポリペプチドを含む本願のADH分子を含む微生物系、又は微生物を含んでいてもよい。
【0121】
特定の実施態様は、DEHU、D-マンヌロナート、及びD-キシルロースなどの単糖をKDGなどの生物燃料生合成経路のために適した単糖へ変換するための効率が増強された微生物系、又は単離された微生物を含んでいてもよい。単に説明のみとして、D-マンヌロナート、及びD-キシルロースは、大腸菌などの微生物における代謝産物である。D-マンヌロナートは、KDGにD-マンヌロナートデヒドラターゼによって変換される。D-キシルロースは、ペントースリン酸経路に入る。特定の実施態様において、D-マンヌロナートデヒドラターゼ(uxuA)は、過剰発現されてもよい。その他の実施態様において、kgdK、nad、及びkdgAなどの適切な遺伝子も同様に過剰発現してもよい。
【0122】
また、本発明の特定の実施態様は、多糖を微生物系と接触させることを含む多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための方法であって、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチドを含み、該ADHポリヌクレオチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有するADHポリペプチドをコードする、前記方法を含んでいてもよい。
【0123】
さらなる実施態様は、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、D-マンヌロナートを微生物系と接触することを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチドを含む、前記方法を含む。
【0124】
さらなる実施態様は、(DEHU)の還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを微生物系と接触することを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチドを含む、前記方法を含む。
【0125】
さらなる実施態様は、単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを含み、また該単離されたポリヌクレオチドは、発現制御領域に作動可能に連結されているこのようなベクターを含んでいてもよく、かつ該ポリヌクレオチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有するADHポリペプチドをコードする。
【0126】
さらなる実施態様は、適切な単糖、又はオリゴ糖に多糖を変換するための方法であって、多糖を微生物系と接触させることを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリペプチドを含む、前記方法を含む。
【0127】
さらなる実施態様は、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、D-マンヌロナートを微生物系と接触することを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリペプチドを含む、前記方法を含む。
【0128】
さらなる実施態様は、ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)の還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを微生物系と接触することを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリペプチドを含む。
【0129】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド
から選択される単離されたポリヌクレオチドを含む、前記微生物系を含む。
【0130】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択される単離されたポリペプチドを含む、前記微生物系を含む。
【0131】
特定の実施態様において、微生物系は、組換え微生物であって、該組換え微生物が本明細書に記述したとおりのベクター、ポリヌクレオチド、及び/又はポリペプチドを含む、前記組換え微生物を含む。その迅速な増殖速度、十分に理解された遺伝学、利用できる遺伝的なツールの多様性、及び異種タンパク質を産生する際のその能力が得られたならば、遺伝子改変された大腸菌は、アルギナートなどの多糖体の分解のため、又は生物燃料の形成、若しくは生合成のためであるかにかかわらず、本明細書に記述したような微生物系の特定の実施態様に使用できる。その他の微生物を、部分的には宿主生物に対する酵素、及び代謝産物の適合性に基づいて、本記述に従って使用してもよい。例えば、以下などのその他の微生物を、本発明に従って利用してもよい:アセトバクター・アセチ、アクロモバクター、アシジフィリウム属、アシネトバクター属、アクチノマデュラ属、アクチノプラネス属、超好熱性古細菌、アグロバクテリウム属、アルカリゲネス属、パインアップル(M)、アルトロバクター属、クロコウジカビ、コウジカビ、アスペルギルス・メレウス、アスペルギルス・プルベルレンツス、アスペルギルス・サイトイ、ショウユコウジカビ、アスペルギルス・ウサミ、バチルス・アルカロフィラス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・ブレビス、バチルス・サーキュランス、バチルス・クラウシイ、バチルス・レンタス、バチルス・リケニホルミス、バチルス‐マセランス、バチルス・ステアロサーモフィルス、枯草菌、ビフィドバクテリウム属、ブレビバチルス・ブレビス、バークホルデリア・セパシア、カンジダ・シリンドラセア、カンジダ・ルゴサ、パパイヤ(L)、セルロシミクロビウム属、セファロスポリウム属、ケトミウム・エラチカム、ケトミウム・グラシエ、クロストリジウム属、酪酸菌、クロストリジウム・アセトブチリクム、クロストリジウム・サーモセラム、コリネバクテリウム属(グルタミカム)、コリネバクテリウム・エフィシエンス、大腸菌、エンテロコッカス、黒脚病菌、グルコノバクター属、グルコンアセトバクター属、ハロアーキュラ属、フミコラ・インソレンス、フミコラ・ンソレンス、キタサトスポラ・セタエ、クレブシエラ属、クレブシエラ・オキシトーカ、クリベロマイセス属、クリベロマイセス・フラジリス、クリベロマイセス・ラクチス、コクリア属、ラクトラクティス、乳酸桿菌属、発酵乳酸桿菌、ラクトバシラス・サケ、ラクトコッカス属、ラクトコッカス・ラクティス、ロイコノストック属、メチロシスチス属、メタノロブス・シシリアエ、メタノゲニウム・オルガノフィラム、メタノバクテリウム・ブライアンティイ、ミクロバクテリウム・インペリアレ、ミクロコッカス・リソディクティカス、ミクロルナタス属、ムコール・ジャバニカス、マイコバクテリウム属、ミロセシウム属、硝酸菌属、ニトロソモナス属、ノカルジア属、パパイヤ、ペディオコッカス属、醤油乳酸菌、ペニシリウム属、ペニシリウム・カマンベルティ、ペニシリウム・シトリヌム、ペニシリウム・エメルソニィ、ペニシリウム・ロックフォルティ、ペニシリウム・リラクチナム、ペニシリウム・マルチカラー、パラコッカス・パントトロファス、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、蛍光菌、シュードモナス・デニトリフィカンス、パイロコッカス属、パイロコッカス・フリオサス、パイロコッカス・ホリコシイ、根粒菌属、リゾムコール・マイハイ、リゾムコール・プシルス・リント、リゾプス属、リゾプス・デレマー、リゾプス・ジャポニカス、リゾプス・ニベウス、リゾプス・オリゼ、リゾプス・オリゴスポラス、ロドコッカス属、サッカロマイセス・セレビシエ、スクレロチナ・リベルチナ、スフィンゴバクテリウム・マルチボラム、スフィンゴビウム属、スフィンゴモナス属、連鎖球菌属、ストレプトコッカス・サーモフィルスY-1、ストレプトマイセス属、ストレプトマイセス・グリセウス、ストレプトマイセス・リビダンス、ストレプトマイセス・ムリヌス、ストレプトマイセス・ルビギノーサス、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー、ストレプトベルティシリウム・モバラエンス、テトラジェノコッカス属、サームス属、チオスファエラ・パントトロファ、ホウロクタケ属、トリコデルマ属、トリコデルマ・ロンギブラキアータム、トリコデルマ・レッセイ、トリコデルマ・ビリデ、トリコスポロン・ペニシラタム、ビブリオ・アルギノリチカス、ザントモナス属、酵母、ジゴサッカロマイセス・ロキシー、ザイモモナス属、及びザイモモナス・モビリス等。
【0132】
本発明が容易に理解され、実用的に実行に移されるように、特定の好ましい実施態様をここで非限定の実施例によって記述する。
【実施例】
【0133】
実施例1
アルコールデヒドロゲナーゼのクローニング
全ての化学物質、及び酵素は、それぞれ、特に明記しない限り、Sigma-Aldrich社、及びNew England Biolabs社から購入した。マンニトール1-デヒドロゲナーゼ(MTDH)は、DEHUヒドロゲナーゼと同様の反応を触媒するので、プライマーは、オランダミツバ(Apium graveolens)、及びシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)に由来するアミノ酸配列MTDHsを使用してデザインした。問い合わせとしてこれらのプライマーを使用して(表1を参照されたい)、均一な遺伝子配列を、アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)C58のゲノム配列において検索した。亜鉛依存的アルコールデヒドロゲナーゼをコードするおよそ16の遺伝子が見いだされた。これらの遺伝子の中で、高いE値をもつトップ10の遺伝子配列をPCRによって増幅した:98℃10秒間、55℃15秒間、及び72℃60秒間を30回繰り返した。反応混合物は、100マイクロリットルの総容積で、1×Phusion緩衝液、2mM dNTP、0.5μMフォワード、及びリバースのプライマー(表1に収載した)、2.5U Phusion DNAポリメラーゼ(Finezyme)、及び鋳型としてアグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)C58細胞の一定分量を含んだ。ADH1、及びADH4は、内部にNdeI部位を有し、また、ADH3は、BamHI部位を有したので、これらの遺伝子は、上記のPCRプロトコルを使用してオーバーラップPCR法を使用して増幅した。フォワード
【化4】
、及びリバース
【化5】
プライマーをADH1からNdeI部位を欠失させるために使用した。フォワード
【化6】
、及びリバース
【化7】
プライマーをADH3からBamHI部位を欠失させるために使用した。フォワード
【化8】
、及びリバース
【化9】
プライマーをADH4からNdeI部位を欠失させるために使用した。これらの増幅された断片をNdeI、及びBamHIで消化して、T4 DNAリガーゼを使用して同じ酵素で事前に消化したpET29に連結し、10個の異なるプラスミドpETADH1〜pETADH10を形成した。構築されたプラスミドをシーケンスし(Elim Biopharmaceuticals)、これらの挿入物のDNA配列を確認した。
【0134】
全てのプラスミドを大腸菌株BL21(DE3)に形質転換した。それぞれのアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)遺伝子を含むBL21(DE3)の単一のコロニーを、50μg/mlのカナマイシン(Km50)を含む50mlのLB培地に播種した。これらの株は、37℃にて200rpmで軌道シェーカーにおいて培養した。OD600nmが0.6に達したときに、0.2mMのIPTGをそれぞれの培養に添加し、誘導した培養を20℃にて200rpmで軌道シェーカーにおいて培養した。誘導の24時間後に、4,000rpm×gにて10分間の遠心分離によって細胞を収集し、沈殿を10μlのLysonase(商標) Bioprocessing Reagent(Novagen)を含む2mlのBugbuster(Novagen)に再懸濁した。溶液を10分間、4,000rpm×gにて再び遠心分離し、上清を得た。
【0135】
【表3】
【0136】
実施例2
アルコールデヒドロゲナーゼの特性付け
(アグロバクテリウム・チュメファシエンスC58由来のオリゴアルギナートリアーゼAtu3025の調製)pETAtu3025は、pET29プラスミドバックボーン(Novagen)に基づいて構築した。オリゴアルギナートリアーゼAtu3025は、PCRによって増幅した:98℃10秒間、55℃15秒間、及び72℃60秒間、30回繰り返した。反応混合物は、1×Phusion緩衝液、2mM dNTP、0.5μM フォワードプライマー
【化10】
、及びリバース
【化11】
プライマー、2.5 U Phusion DNAポリメラーゼ(Finezyme)、及び鋳型として一定分量のアグロバクテリウム・チュメファシエンスC58(Eugene Nester教授、University of Washingtonからの贈呈)細胞を100μlの総容積で含んだ。増幅した断片をNdeI、及びBamHIで消化して、同じ酵素であらかじめ消化したpET29にT4DNAリガーゼを使用して連結し、pETAtu3025を形成した。構築したプラスミドをシーケンスして(Elim Biopharmaceuticals)、挿入物のDNA配列を確認した。
【0137】
pETAtu3025を大腸菌株BL21(DE3)に形質転換した。pETAtu3025を含むBL21(DE3)の単一コロニーを、50μg/mlのカナマイシン(Km50)を含む50mlのLB培地に播種した。この株を37℃にて200rpmで軌道シェーカーにおいて培養した。OD600nmが0.6に達したときに、0.2mMのIPTGを培養に添加し、誘導した培養を20℃にて200rpmで軌道シェーカーにおいて培養した。誘導の24時間後に, 4,000rpm×gにて10分間の遠心分離によって細胞を収集し、沈殿を、10μlのLysonase(商標) Bioprocessing Reagent(Novagen)を含む2mlのBugbuster(Novagen)に再懸濁した。溶液を10分間、4,000rpm×gにて再び遠心分離し、上清を得た。
【0138】
(〜2%DEHU溶液の調製)DEHU溶液は、酵素的に調製した。2%アルギナート溶液は、500mlの20mM Tris-HCl(pH7.5)溶液に10gの低粘性アルギナートを添加することによって調製した。およそ10mgのフラボバクテリウム属(Flavobacterium)由来のアルギナートリアーゼ(Sigma-aldrichから購入した)をアルギナート溶液に添加した。次いで、250mlのこの溶液を別の瓶へ移し、上の節で調製したAtu3025を含む大腸菌細胞可溶化物を添加した。アルギナート分解は、室温で一晩実施した。生じた産物は、薄層クロマトグラフィーによって解析し、DEHUの形成を確認した。
【0139】
(D-マンヌロナート溶液の調製)D-マンヌロナート溶液は、Spoehrの文献(Archive of Biochemistry, 14:pp153-155)によって以前に記述されたプロトコルに基づいて、化学的に調製した。50mgアルギナートを800μlの90% ホルマートに溶解した。この溶液を100℃にて一晩インキュベートした。次いでホルマートを蒸発させ、残留する物質を2回無水エタノールで洗浄した。残留する物質を再び無水エタノールに溶解して、濾過した。エタノールを蒸発させ、残留する物質を20mL の20mM Tris-HCl(pH 8.0)に再懸濁し、溶液を濾過してD-マンヌロナート溶液を作製した。このD-マンヌロナート溶液を5倍に希釈し、アッセイのために使用した。
【0140】
(DEHUヒドロゲナーゼのためのアッセイ)DEHUヒドロゲナーゼを同定するために、本発明者らは、NADPH依存的DEHU水素付加アッセイを行った。それぞれのADHを含む20μlの調製した細胞可溶化物を、上の節で調製した160μlの20倍希釈したDEHU溶液に添加した。A.チュメファシエンス(A.tumefaciens)C58の細胞可溶化物を使用する予備研究では、DEHUの水素付加は補因子としてNADPHを必要とすることが示されたので、20μlの2.5mg/ml NADPH溶液(20mM Tris-HCl, pH 8.0)を添加して、水素付加反応を開始した。NADPHの消費は、ThermoMAX 96ウェルプレートリーダー(Molecular Devises)の動力学的モードを使用して、340nmでの吸光度を30分間モニターした。N末端ドメインの一部を欠いているアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)10を含む大腸菌細胞可溶化物を、対照反応混合物において使用した。
【0141】
(D-マンヌロナートヒドロゲナーゼのアッセイ)D-マンヌロナートヒドロゲナーゼを同定するために、本発明者らは、NADPH依存的D-マンヌロナート水素付加アッセイを行った。それぞれのADHを含む20μlの調製した細胞可溶化物を、上の節で調製した160μlのD-マンヌロナート溶液に添加した。20μlの2.5mg/ml NADPH溶液(20mM Tris-HCl, pH 8.0)を添加して、水素付加反応を開始した。NADPHの消費は、ThermoMAX 96ウェルプレートリーダー(Molecular Devises)の動力学的モードを使用して、340nmでの吸光度を30分間モニターした。N末端ドメインの一部を欠いているアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)10を含む大腸菌細胞可溶化物を、対照反応混合物に使用した。
【0142】
結果は、図1、図2、及び図24に示してある。ADH1、及びADH2は、その他のヒドロゲナーゼと比較して、著しく高いDEHU水素付加活性を示した(図1)。加えて、ADH3、ADH4、及びADH9は、その他のヒドロゲナーゼと比較して、著しく高いD-マンヌロナート水素付加活性を示した(図2)。また、ADH11、及びADH20は、有意なDEHU水素付加活性を示す(図23)。
【0143】
実施例3
唯一の炭素源としてアルギナートで成長するように大腸菌の操作
野生型大腸菌は、アルギナート重合体を使用すること、又はその唯一の炭素源として、アルギナートを分解することができない(図4を参照されたい)。しかし、ビブリオ・スプレンディダスは、成長を補助するためにアルギナートを代謝することができることが知られている。その唯一の炭素源として分解されたアルギナートを使用する組換え大腸菌を産生するために、ビブリオ・スプレンディダスのフォスミドライブラリーを大腸菌に構築して、クローン化した。(たとえば、その全体が参照により組み込まれる、関連する米国特許出願第12/245,537号を参照されたい)。
【0144】
ビブリオ・スプレンディダスのフォスミドライブラリーを調製するために、ゲノムDNAは、DNeasy血液、及び組織キット(Qiagen、Valencia Ca)を使用してビブリオ・スプレンディダス B01(Dr. Martin Polz(MIT)からの贈呈)から単離した。次いで、コピー制御フォスミドライブラリー産生キット(Epicentre、Madison、WI)を使用して、フォスミドライブラリーを構築した。このライブラリーは、ベクターpCC1FOS(Epicentre、Madison、WI)に挿入されたおよそ40kbのランダムなゲノムの断片からなった。
【0145】
フォスミドライブラリーをファージにパックして、特定のビブリオ・スプレンディダス遺伝子(V12B01_02425〜V12B01_02480;II型分泌装置をコードする)を有するpDONR221プラスミド(Invitrogen、Carlsbad, CA)を有する大腸菌DH10B細胞を、ファージライブラリーでトランスフェクトした。このセクレトーム領域は、ビブリオ・スプレンディダスに由来するII型分泌装置をコードし、これをpDONR221プラスミドにクローン化して、大腸菌株DH10Bに導入した。
【0146】
形質転換体をクロロアムフェニコール耐性について選択して、次いで、これらが分解されたアルギナートで成長する能力についてスクリーニングした。生じる形質転換体を、分解されたアルギナート培地での成長についてスクリーニングした。分解されたアルギナート培地は、フラボバクテリウム属種(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)からのアルギナートリアーゼと共に2% アルギナート(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)、10mM Na-リン酸緩衝液、50mM KCl、400mM NaClを少なくとも1週間室温にてインキュベートすることによって調製した。この分解されたアルギナートを0.8% 濃度に希釈して、1×M9塩、2mM MgSO4、100μM CaCl2、0.007% ロイシン、0.01% カザミノ酸、1.5% NaClの終濃度を有した成長培地を作製した(これは、ナトリウムの全ての供与源:M9、希釈されたアルギナート、及び添加されたNaClを含む)。
【0147】
この培地上でよく成長した1つのフォスミド含む大腸菌クローンを単離した。このクローンからのフォスミド DNAを、フォスミドMAX DNA精製キット(Epicentre、Madison,WI)を使用して単離して、調製した。この単離されたフォスミドをDH10B細胞内にトランスフェクトして戻して、これらの細胞をアルギナートで成長する能力について試験した。
【0148】
結果は、図22に図示してあり、これは、特定のフォスミド含有大腸菌クローンが唯一の炭素源としてアルギナートで成長することができることを示す。アグロバクテリウム・チュメファシエンスは、正の対照を提供する(ハッチングをかけた丸を参照されたい)。負の対照として、大腸菌DH10B細胞は、アルギナートで成長することができない(正の対照のすぐ左を参照されたい)。
【0149】
また、これらの結果は、このビブリオ・スプレンディダス由来フォスミドクローン内に含まれる配列が、大腸菌に対して唯一の炭素源として分解されたアルギナート成長する能力を与えるのに十分であることを証明する。従って、元のDH10B細胞によって保有される、pDONR221ベクター内に含まれるII型分泌機構配列は、分解されたアルギナートでの成長のために必要ではなかった。
【0150】
唯一の炭素源として成長するアルギナートを与えるために十分な単離されたフォスミドは、Elim Biopharmaceuticals(Hayward、CA)によってシーケンスした。シーケンシングは、ベクターが全長遺伝子V12B01_24189〜V12B01_24249を含んだゲノムDNA切片を含んだことを示した。この配列において、V12B01_24189の前に大きな遺伝子があり、これは、フォスミドクローンでは切断されている。大きな遺伝子V12B01_24184は、自己輸送体に対して類似性をもち、かつヘム利用、又は接着に関与する大きなエキソタンパク質を含むオルソロガスタンパク質のクラスターであるCOG3210に属する推定上のタンパク質である。フォスミドクローンにおいて、V12B01_24184は、N末端で切断され、その結果、最初の5893bpが予測されるオープンリーディングフレームから失われる(これは、全体で22889bpを含むことが予測される)。
【0151】
実施例4
アルギナートからのエタノールの産生
組み換え大腸菌が唯一の炭素源のアルギナートでの成長によりエタノールを産生する能力を試験した。組み換え大腸菌を産生するために、ザイモモナス・モビリスのピルベートデカルボキシラーゼ(pdc)、及び2つのアルコールデヒドロゲナーゼ(adhA、及びadhB)をコードするDNA配列を、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)によって増幅した。Z.モビリスからの例示的なpdc配列については、これらの配列についてのその情報について参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,189,545号を参照されたい。Z.モビリスから例示的なadhA、及びadhB配列については、これらの配列についてのその情報について参照により本明細書に組み入れられるKeshavらの文献、J Bacteriol. 172:2491-2497, 1990を参照されたい。
【0152】
これらの増幅したDNA断片をゲル精製し、もう一回PCRによってスプライスした。最終的に増幅した断片をBamHI、及びXbaIで消化して、同じ制限酵素であらかじめ消化したクローニングベクターpBBR1MCS-2に連結した。その結果得られたプラスミドは、pBBRPdc-AdhA/Bとして言及する。
【0153】
大腸菌を、pBBRPdc-AdhA/B、又はpBBRPdc-AdhA/B + 1.5 Fos(V12B01_24189とV12B01_24249との間のゲノム領域を含むフォスミドクローン;これらの配列は、唯一の炭素源としてアルギナートを使用する能力を大腸菌に与える、実施例3を参照されたい)のいずれかで形質転換し、アルギナートを含むm9培地で培養し、エタノールの産生について試験した。結果を図23に示してあり、pBBRPdc-AdhA/B + 1.5 FOSを有する株は、アルギナートで成長するときに、有意に高いエタノール産生を示したことを証明する。これらの結果は、pBBRPdc-AdhA/B + 1.5 FOSが、エタノール産生において、唯一の炭素源としてアルギナートを利用できたことを示している。
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、米国特許法§119(e)の下で2008年1月28日に出願した米国仮特許出願第61/024160号の利益を主張し、該出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(配列表に関する記載)
本出願に付随する配列表は、紙の写しの代わりにテキスト形式で提供してあり、本明細書に参照により本明細書に組み込まれる。配列表を含むテキストファイルの名称は、150097_402PC_SEQUENCE_LISTING.txt.である。テキストファイルは、92KBであり、2009年1月28日に作成されており、EFS-ウェブにより電子提出されている。
【0003】
(技術分野)
本発明の実施態様は、一般に、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)活性、ウロナート酸、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)((4S,5S)-4,5ジヒドロキシ-2,6-ジオキソヘキサノアート)ヒドロゲナーゼ活性、2-ケト-3-デオキシ-D-グルコナートデヒドロゲナーゼ活性、D-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンノアートデヒドロゲナーゼ活性などのデヒドロゲナーゼ活性を有する、単離されたポリペプチド、及び前述のものをコードするポリヌクレオチドに、並びにバイオマスを生物燃料などのコモディティケミカルに変換するためのこのようなポリヌクレオチド、及びポリペプチドを含む組換え微生物、微生物系、及び化学系の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
(関連技術)
バイオマスを生物燃料に変換するための現在の方法は、リグノセルロースのバイオマスの使用に焦点をあてており、この方法を使用することに関し、多くの問題がある。リグノセルロースのバイオマスの大規模栽培には、相当量の耕地が必要であり、これは、食用作物生産をエネルギー作物生産と置き換えること、森林伐採によって、及び現在未耕作の土地を再耕作することによって達成することができるだけである。その他の問題には、水の入手可能性、及び品質の低下、並びに殺虫薬、及び肥料の使用の増大を含む。
【0005】
生物系を使用するリグノセルロースのバイオマスの分解は、その実質的な機械的強度、及び複雑な化学成分のために、非常に困難な挑戦である。リグノセルロースを完全に単糖に変換するためには、およそ30の異なる酵素が必要とされる。この複雑なアプローチに対して唯一利用できる代替法は、相当量の熱、圧力、及び強酸を必要とする。従って、当該技術分野において、生物燃料、又はバイオガソリンとして使用するために、バイオマスを炭化水素に変換するための経済的かつ技術的に単純な方法が必要とされる。
【0006】
この方法における一工程として、アルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素は、バイオマスからの多糖をオリゴ糖、又は単糖に変換するのに有用であり、次いでこれを種々の生物燃料に変換してもよい。ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのアルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素は、以前にアルギン酸を代謝する細菌から精製されているが、DEHU、又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼをコードする遺伝子は、クローン化されておらず、かつ特徴づけられてもいない。本願は、DEHU、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性を有するアルコールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を提供し、並びに生物燃料などのコモディティケミカルを生成する際のこれらの使用に関連した方法を提供する。
【発明の概要】
【0007】
(概要)
本発明の実施態様は、
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチド、及びその断片、若しくは変異体であって、
該単離されたヌクレオチドがデヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、前記単離されたポリヌクレオチド、及びその断片、若しくは変異体を含む。その他の実施態様において、ポリペプチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する。特定の実施態様において、ポリペプチドは、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性を有する。
【0008】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための方法であって、該多糖を微生物系と接触させることを含み、該微生物系は、組換え微生物を含み、かつ該組換え微生物は、本開示に従ったポリヌクレオチドを含み、該ポリヌクレオチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、前記方法を含む。
【0009】
さらなる実施態様は、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、D-マンヌロナートを微生物系と接触すること含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったポリヌクレオチドを含む、前記方法を含む。
【0010】
さらなる実施態様は、DEHUの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを微生物系と接触することを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったポリヌクレオチドを含む、前記方法を含む。
【0011】
さらなる実施態様は、単離されたポリヌクレオチド、又は本開示を含むベクターを含み、かつ該単離されたポリヌクレオチドが発現制御領域に作動可能に連結されたこのようなベクターを更に含んでいてもよく、かつ該ポリヌクレオチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。
【0012】
さらなる実施態様は、組換え微生物、又は組換え微生物を含む微生物系を含み、該組換え微生物は、本明細書に記述したとおりのポリヌクレオチド、又はポリペプチドを含む。特定の実施態様において、組換え微生物は、以下から選択される微生物を含む:アセトバクター・アセチ(Acetobacter aceti)、アクロモバクター(Achromobacter)、アシジフィリウム属(Acidiphilium)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、アクチノマデュラ属(Actinomadura)、アクチノプラネス属(Actinoplanes)、超好熱性古細菌(Aeropyrum pernix)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、パインアップル(Ananas comosus)(M)、アルトロバクター属(Arthrobacter)、クロコウジカビ(Aspargillus niger)、コウジカビ(Aspargillus oryze)、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)、アスペルギルス・プルベルレンツス(Aspergillus pulverulentus)、アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、ショウユコウジカビ(Aspergillus sojea)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・マセランス(Bacillus macerans)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ブレビバチルス・ブレビス(Brevibacillus brevis)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、カンジダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)、パパイヤ(Carica papaya)(L)、セルロシミクロビウム属(Cellulosimicrobium)、セファロスポリウム属(Cephalosporium)、ケトミウム・エラチカム(Chaetomium erraticum)、ケトミウム・グラシエ(Chaetomium gracile)、クロストリジウム属(Clostridium)、酪酸菌(Clostridium butyricum)、クロストリジウム・アセトブチリクム (Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)(グルタミカム(glutamicum))、コリネバクテリウム・エフィシエンス(Corynebacterium efficiens)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロコッカス(Enterococcus)、黒脚病菌(Erwina chrysanthemi)、グルコノバクター属(Gliconobacter)、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)、ハロアーキュラ属(Haloarcula)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ンソレンス(Humicola nsolens)、キタサトスポラ・セタエ(Kitasatospora setae)、クレブシエラ属(Klebsiella)、クレブシエラ・オキシトーカ(Klebsiella oxytoca)、クリベロマイセス属(Kluyveromyces)、クリベロマイセス・フラジリス(Kluyveromyces fragilis)、クリベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、コクリア属(Kocuria)、ラクトラクティス(Lactlactis)、乳酸桿菌属(Lactobacillus)、発酵乳酸桿菌(Lactobacillus fermentum)、ラクトバシラス・サケ(Lactobacillus sake)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、メチロシスチス属(Methylocystis)、メタノロブス・シシリアエ(Methanolobus siciliae)、メタノゲニウム・オルガノフィラム(Methanogenium organophilum)、メタノバクテリウム・ブライアンティイ(Methanobacterium bryantii)、ミクロバクテリウム・インペリアレ(Microbacterium imperiale)、ミクロコッカス・リソディクティカス(Micrococcus lysodeikticus)、ミクロルナタス属(Microlunatus)、ムコール・ジャバニカス(Mucor javanicus)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、ミロセシウム属(Myrothecium)、硝酸菌属(Nitrobacter)、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)、ノカルジア属(Nocardia)、パパイヤ(Papaya carica)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、醤油乳酸菌(Pediococcus halophilus)、ペニシリウム属(Penicillium)、ペニシリウム・カマンベルティ(Penicillium camemberti)、ペニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)、ペニシリウム・エメルソニィ(Penicillium emersonii)、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)、ペニシリウム・リラクチナム(Penicillium lilactinum)、ペニシリウム・マルチカラー(Penicillium multicolor)、パラコッカス・パントトロファス(Paracoccus pantotrophus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・デニトリフィカンス(Pseudomonas denitrificans)、パイロコッカス属(Pyrococcus)、パイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)、パイロコッカス・ホリコシイ(Pyrococcus horikoshii)、根粒菌属(Rhizobium)、リゾムコール・マイハイ(Rhizomucor miehei)、リゾムコール・プシルス・リント(Rhizomucor pusillus Lindt)、リゾプス属(Rhizopus)、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemar)、リゾプス・ジャポニカス(Rhizopus japonicus)、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oligosporus)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、サッカロマイセス・セレビシエ(Sccharomyces cerevisiae)、スクレロチナ・リベルチナ(Sclerotina libertina)、スフィンゴバクテリウム・マルチボラム(Sphingobacterium multivorum)、スフィンゴビウム属(Sphingobium)、スフィンゴモナス属(Sphingomonas)、連鎖球菌属(Streptococcus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)Y-1、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトマイセス・ムリヌス(Streptomyces murinus)、ストレプトマイセス・ルビギノーサス(Streptomyces rubiginosus)、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)、ストレプトベルティシリウム・モバラエンス(Streptoverticillium mobaraense)、テトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)、サームス属(Thermus)、チオスファエラ・パントトロファ(Thiosphaera pantotropha)、ホウロクタケ属(Trametes)、トリコデルマ属(Trichoderma)、トリコデルマ・ロンギブラキアータム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・レッセイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコスポロン・ペニシラタム(Trichosporon penicillatum)、ビブリオ・アルギノリチカス(Vibrio alginolyticus)、ザントモナス属(Xanthomonas)、酵母、ジゴサッカロマイセス・ロキシー(Zygosaccharomyces rouxii)、ザイモモナス属(Zymomonas)、及びザイモモナス・モビリス(Zymomonus mobilis)。
【0013】
さらなる実施態様は、
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択される単離されたポリペプチド、及びその変異体、又は断片であって、
該単離されたポリペプチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有する、前記単離されたポリペプチド、及びその変異体、又は断片を含む。
【0014】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための方法であって、該多糖を組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチド、又はポリペプチドを含む、前記方法を含む。
【0015】
さらなる実施態様は、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、D-マンヌロナートを組換え微生物と接触することを含み、該組換え微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチド、又はポリペプチドを含む、前記方法を含む。
【0016】
さらなる実施態様は、ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)の還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを組換え微生物と接触することを含み、該組換え微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチド、又はポリペプチドを含む、前記方法を含む。
【0017】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系は、組換え微生物を含み、かつ該組換え微生物は、
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチドを含む、前記微生物系を含む。
【0018】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系は、組換え微生物を含み、かつ該組換え微生物は、
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択される単離されたポリペプチドを含む、前記微生物系を含む。
【0019】
さらなる実施態様において、本明細書に開示した単離されたポリヌクレオチドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、又はNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含むポリペプチドをコードしてもよい。その他の実施態様は、ポリペプチドがニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、又はNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含む、単離されたADHポリペプチド、又はその断片、変異体、若しくは誘導体を含んでいてもよい。特定の実施態様において、NAD+、NADH、NADP+、又はNADPH結合モチーフは、
【化1】
からなる群から選択され;式中、Yは、独立してアラニン、グリシン、及びセリンから選択され、式中Gは、グリシンであり、かつXは、独立して遺伝的にコードされるアミノ酸から選択される。
【0020】
特定の実施態様は、多糖をエタノールに変換するための方法であって、該多糖を組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、唯一の炭素源として該多糖で成長することができる、前記方法に関する。特定の実施態様において、組換え微生物は、少なくとも1つピルビン酸デカルボキシラーゼをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド、及びアルコールデヒドロゲナーゼをコードする少なくとも1つポリヌクレオチドを含む。特定の実施態様において、多糖は、アルギナートである。特定の実施態様において、組換え微生物は、ビブリオ・スプレンディダス(Vibro splendidus)のV12B01_24189とV12B01_24249との間のゲノムの領域を含む1つ以上のポリヌクレオチドを含む。特定の実施態様において、少なくとも1つのピルビン酸デカルボキシラーゼは、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)に由来する。特定の実施態様において、少なくとも1つアルコールデヒドロゲナーゼは、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)に由来する。特定の実施態様において、組換え微生物は、大腸菌(E. coli)である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例2に従って行われる、基質としてDEHUを使用する、単離されたアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)酵素のNADPH消費を示す。
【図2】実施例2において行われる、基質としてD-マンヌロナートを使用する、単離されたADH酵素のNADPH消費を示す。
【図3】ADH1のヌクレオチド(配列番号:1)、及びアミノ酸(配列番号:2)配列を示す。
【図4】ADH2のヌクレオチド(配列番号:3)、及びアミノ酸(配列番号:4)配列を示す。
【図5】ADH3のヌクレオチド(配列番号:5)、及びアミノ酸(配列番号:6)配列を示す。
【図6】ADH4のヌクレオチド(配列番号:7)、及びアミノ酸(配列番号:8)配列を示す。
【図7】ADH5のヌクレオチド(配列番号:9)、及びアミノ酸(配列番号:10)配列を示す。
【図8】ADH6のヌクレオチド(配列番号:11)、及びアミノ酸(配列番号:12)配列を示す。
【図9】ADH7のヌクレオチド(配列番号:13)、及びアミノ酸(配列番号:14)配列を示す。
【図10】ADH8のヌクレオチド(配列番号:15)、及びアミノ酸(配列番号:16)配列を示す。
【図11】ADH9のヌクレオチド(配列番号:17)、及びアミノ酸(配列番号:18)配列を示す。
【図12】ADH10のヌクレオチド(配列番号:19)、及びアミノ酸(配列番号:20)配列を示す。
【図13】ADH11のヌクレオチド(配列番号:21)、及びアミノ酸(配列番号:22)配列を示す。
【図14】ADH12のヌクレオチド(配列番号:23)、及びアミノ酸(配列番号:24)配列。
【図15】ADH13のヌクレオチド(配列番号:25)、及びアミノ酸(配列番号:26)配列を示す。
【図16】ADH14のヌクレオチド(配列番号:27)、及びアミノ酸(配列番号:28)配列を示す。
【図17】ADH15のヌクレオチド(配列番号:29)、及びアミノ酸(配列番号:30)配列を示す。
【図18】ADH16のヌクレオチド(配列番号:31)、及びアミノ酸(配列番号:32)配列を示す。
【図19】ADH17のヌクレオチド(配列番号:33)、及びアミノ酸(配列番号:34)配列を示す。
【図20】ADH18のヌクレオチド(配列番号:35)、及びアミノ酸(配列番号:36)配列を示す。
【図21】ADH19のヌクレオチド(配列番号:37)、及びアミノ酸(配列番号:38)配列を示す。
【図22】実施例3に記載されているように、唯一の炭素の供与源として、アルギナートで成長する操作された大腸菌、又は組換え大腸菌の結果を示す(黒円を参照されたい)。アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)細胞は、正の対照を提供する(ハッチングをかけた丸を参照されたい)。A.チュメファシエンスの正の対照のすぐ左のウェルは、DH10B大腸菌細胞を含み、これは、負の対照を提供する。
【図23】実施例4に記載されているように、唯一の炭素の供与源として、アルギナートで成長する大腸菌によるアルコールの産生を示す。大腸菌は、pBBRPdc-AdhA/B、又はpBBRPdc-AdhA/B + 1.5 FOSで形質転換されており、アルギナートを含むm9培地中で成長することができた。
【図24】ADH11、及びADH20のDEHUヒドロゲナーゼ活性を示す。ADH20は、ビブリオ・スプレンディダス(Vibrio splendidus)12B01から単離された推定上のタルトロナートセミアルデヒドレダクターゼ(TSAR)遺伝子であり(アミノ酸配列については、配列番号:78を参照されたい)、これは、特にNADHで、有意なDEHU水素付加活性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(詳細な説明)
(定義)
他に定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術用語、及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記述したものと類似するか、又は同等の任意の方法、及び材料を本発明の実施、又は試験に使用することができるが、好ましい方法、及び材料を記述してある。本発明の目的のために、以下の用語を下記に定義してある。
【0023】
冠詞「1つの(a)」、及び「1つの(an)」は、本明細書において、1つの、又は1つより多い(すなわち、少なくとも1つの)本冠詞の文法上の対象をいうために使用される。例として、「要素」は、1つの要素、又は複数の要素を意味する。
【0024】
「約」は、参照する量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、サイズ、量、重量、又は長さに対して30、25、20、25、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1%程度まで変化する量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、サイズ、量、重量、又は長さを意味する。
【0025】
「バイオマス」の例には、とりわけ、水生、又は海洋バイオマス、果実廃棄物などの果実に基づいたバイオマス、及び植物廃棄物などの野菜に基づいたバイオマスを含む。水生、又は海洋バイオマスの例は、ケルプ、ジャイアントケルプ、海藻、藻類、及び海洋ミクロフローラ、微細藻類、海草等を含むが、限定されない。特定の実施態様において、バイオマスは、典型的には地殻の表層内で見いだされる炭化水素などの化石化された炭素の供与源(例えば、天然ガス、無煙炭石炭のようなほぼ純粋な炭素で構成される不揮発性材料)を含まない。
【0026】
「水生バイオマス」、又は「海洋バイオマス」の例は、ケルプ、ジャイアントケルプ、ホンダワラ、海草、藻類、海洋ミクロフローラ、微細藻類、及び海草等を含むが、限定されない。
【0027】
果実、及び/又は植物のバイオマスの例は、とりわけ、柑橘類、オレンジ、グレープフルーツ、ジャガイモ、トマト、ブドウ、マンゴー、グズベリー、ニンジン、サトウダイコン、及びリンゴを含む植物果皮、並びに絞り滓などの任意のペクチンの供与源をを含むが、限定されない。
【0028】
多糖、オリゴ糖、単糖、又はその他のバイオマスの糖組成の例には、アルギナート、寒天、カラゲナン、フコイダン、ペクチン、グルロナート、マンヌロナート、マンニトール、リキソース、セルロース、ヘミセルロース、グリセロール、キシリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース、キシラン、マンナン、アラビナン、アラビノース、グルクロナート、ガラクツロナート(ジ-、及びトリガラクツロナートを含む)、ラムノース等を含むが、限定されない。
【0029】
アルギナート由来多糖の特定の例には、β-D-マンヌロナート、α-Lグルロナート、ジアルギナート、トリアルギナート、ペントアルギナート、ヘキサアルギナート、ヘプタアルギナート、オクタアルギナート、ノナアルギナート、デカアルギナート、ウンデカアルギナート、ドデカアルギナート、及びポリアルギナートなどの飽和多糖、並びに4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロン酸、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-D-マンヌロナート、又はL-グルロナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ジアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-トリアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-テトラアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ペントアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ヘキサアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ヘプタアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-オクタアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ノナアルギナート、4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ウンデカアルギナート、及び4-(4-デオキシ-β-D-マン-4-エヌロノシル)-ドデカアルギナートなどの不飽和多糖を含む。
【0030】
ペクチン由来多糖の特定の例には、ガラクツロナート、ジガラクツロナート、トリガラクツロナート、テトラガラクツロナート、ペンタガラクツロナート、ヘキサガラクツロナート、ヘプタガラクツロナート、オクタガラクツロナート、ノナガラクツロナート、デカガラクツロナート、ドデカガラクツロナート、ポリガラクツロナート、及びラムノポリガラクツロナートなどの飽和多糖、並びに4-デオキシ-L-スレオ-5-ヘキソースウロースウロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ジガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-トリガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-テトラガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ペンタガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ヘキサガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ヘプタガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-オクタガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ノナガラクツロナート、4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-デカガラクツロナート、及び4-(4-デオキシ-α-D-グルコ-4-エヌロノシル)-D-ドデカガラクツロナートなどの飽和多糖を含む。
【0031】
これらの多糖、又はオリゴ糖成分は、炭素源(例えば、唯一の炭素源)として多糖、又はその他の糖組成などで成長することができる本明細書に記述した微生物によって「適切な単糖」、又は「適切なオリゴ糖」などのその他の「適切なサッカライド」に変換させてもよい。
【0032】
「単糖」、「適切な単糖」、又は「適切なサッカライド」は、一般に、供与源、又は唯一の炭素源としてペクチン、アルギナート、又はその他のサッカライド(例えば、ガラクツロナート、セルロース、ヘミセルロースその他)で成長する組換え微生物によって産生され得る任意のサッカライドをいい、更に一般に、生物燃料、又はバイオガソリンなどの炭化水素を産生するために本発明の生物燃料生合成経路に利用され得る任意のサッカライドをいう。適切な単糖、又はオリゴ糖の例には、2-ケト-3-デオキシD-グルコナート(KDG)、D-マンニトール、グルロナート、マンヌロナート、マンニトール、リキソース、グリセロール、キシリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、グルクロナート、ガラクツロナート、及びラムノース等を含むが、限定されない。本明細書に注目されるように、本明細書に使用される「適切な単糖」、又は「適切なサッカライド」は、本発明の操作された、若しくは組換えられた微生物によって産生してもよく、又は市販の供与源から得てもよい。
【0033】
本明細書に使用される「コモディティケミカル」の記述は、直接、又は生物燃料、及び/若しくはバイオガソリンを含む本明細書に提供した方法の副産物として産生することができる任意の販売可能な、又は市場性のある化学物質を含む。「コモディティケミカル」の一般的な例には、生物燃料、ミネラル、重合体前駆体、脂肪アルコール、界面活性物質、可塑剤、及び溶媒を含むが、限定されない。本明細書に使用される「生物燃料」の記述には、少なくとも部分的に組換え微生物などの生物源に由来する固体、液体、又は気体燃料を含む。
【0034】
コモディティケミカルの例には、以下を含むが、限定されない:メタン、メタノール、エタン、エテン、エタノール、n-プロパン、1-プロペン、1-プロパノール、プロパナール、アセトン、プロピオナート、n-ブタン、1-ブテン、1‐ブタノール、ブタナール、ブタノエート、イソブタナール、イソブタノール、2-メチルブタナール、2-メチルブタノール、3-メチルブタナール、3-メチルブタノール、2-ブテン、2-ブタノール、2-ブタノン、2,3-ブタンジオール、3-ヒドロキシ-2-ブタノン、2,3-ブタンジオン、エチルベンゼン、エテニルベンゼン、2-フェニルエタノール、フェニルアセトアルデヒド、1-フェニルブタン、4-フェニル-1-ブテン、4-フェニル-2-ブテン、1-フェニル-2-ブテン、1-フェニル-2-ブタノール、4-フェニル-2-ブタノール、1-フェニル-2-ブタノン、4-フェニル-2-ブタノン、1-フェニル-2,3-ブタンジオール、1-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、4-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、1-フェニル-2,3-ブタンジオン、n-ペンタン、エチルフェノール、エテニルフェノール、2-(4-ヒドロキシフェニル)エタノール、4-ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、1-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ブテン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ブテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ブタンジオール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ブタノンジオン、インドリルエタン、インドリルエテン、2-(インドール-3-)エタノール、n-ペンタン、1-ペンテン、1-ペンタノール、ペンタナール、ペンタノアート、2-ペンテン、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-ペンタノン、3-ペンタノン、4-メチルペンタナール、4-メチルペンタノール、2,3-ペンタンジオール、2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、2,3-ペンタンジオン、2-メチルペンタン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-2-ペンテン、4-メチル-3-ペンテン、4-メチル-2-ペンタノール、2-メチル-3-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノン、2-メチル-3-ペンタノン、4-メチル-2,3-ペンタンジオール、4-メチル-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、4-メチル-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、4-メチル-2,3-ペンタンジオン、1-フェニルペンタン、1-フェニル-1-ペンテン、1-フェニル-2-ペンテン、1-フェニル-3-ペンテン、1-フェニル-2-ペンタノール、1-フェニル-3-ペンタノール、1-フェニル-2-ペンタノン、1-フェニル-3-ペンタノン、1-フェニル-2,3-ペンタンジオール、1-フェニル-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、1-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、1-フェニル-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-フェニルペンタン、4-メチル-1-フェニル-1-ペンテン、4-メチル-1-フェニル-2-ペンテン、4-メチル-1-フェニル-3-ペンテン、4-メチル-1-フェニル-3-ペンタノール、4-メチル-1-フェニル-2-ペンタノール、4-メチル-1-フェニル-3-ペンタノン、4-メチル-1-フェニル-2-ペンタノン、4-メチル-1-フェニル-2,3-ペンタンジオール、4-メチル-1-フェニル-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、4-メチル-1-フェニル-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ペンテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンタノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンタノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ペンタンジオール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンテン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンテン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ペンテン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンタノール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンタノール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ペンタノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ペンタノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ペンタンジオール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、1-インドール-3-ペンタン、1-(インドール-3)-1-ペンテン、1-(インドール-3)-2-ペンテン、1-(インドール-3)-3-ペンテン、1-(インドール-3)-2-ペンタノール、1-(インドール-3)-3-ペンタノール、1-(インドール-3)-2-ペンタノン、1-(インドール-3)-3-ペンタノン、1-(インドール-3)-2,3-ペンタンジオール、1-(インドール-3)-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、1-(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、1-(インドール-3)-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-(インドール-3-)ペンタン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ペンテン、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ペンテン、4-メチル-1-(インドール-3)-1-ペンテン、4-メチル-2-(インドール-3)-3-ペンタノール、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ペンタノール、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ペンタノン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ペンタノン、4-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ペンタンジオール、4-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ペンタンジオン、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ペンタノン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ヒドロキシ-3-ペンタノン、n-ヘキサン、1-ヘキセン、1‐ヘキサノール、ヘキサナール、ヘキサノアート、2-ヘキセン、3-ヘキセン、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、2,3-ヘキサンジオール、2,3-ヘキサンジオン、3,4-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオン、2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、3-ヒドロキシ-4-ヘキサノン、4-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2-メチル-2-ヘキセン、2-メチル-3-ヘキセン、5-メチル-1-ヘキセン、5-メチル-2-ヘキセン、4-メチル-1-ヘキセン、4-メチル-2-ヘキセン、3-メチル-3-ヘキセン、3-メチル-2-ヘキセン、3-メチル-1-ヘキセン、2-メチル-3-ヘキサノール、5-メチル-2-ヘキサノール、5-メチル-3-ヘキサノール、2-メチル-3-ヘキサノン、5-メチル-2-ヘキサノン、5-メチル-3-ヘキサノン、2-メチル-3,4-ヘキサンジオール、2-メチル-3,4-ヘキサンジオン、5-メチル-2,3-ヘキサンジオール、5-メチル-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-2,3-ヘキサンジオール、4-メチル-2,3-ヘキサンジオン、2-メチル-3-ヒドロキシ-4-ヘキサノン、2-メチル-4-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、5-メチル-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、5-メチル-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、4-メチル-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、4-メチル-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、2,5-ジメチルヘキサン、2,5-ジメチル-2-ヘキセン、2,5-ジメチル-3-ヘキセン、2,5-ジメチル-3-ヘキサノール、2,5-ジメチル-3-ヘキサノン、2,5-ジメチル-3,4-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-3,4-ヘキサンジオン、2,5-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-ヘキサノン、5-メチル-1-フェニルヘキサン、4-メチル-1-フェニルヘキサン、5-メチル-1-フェニル-1-ヘキセン、5-メチル-1-フェニル-2-ヘキセン、5-メチル-1-フェニル-3-ヘキセン、4-メチル-1-フェニル-1-ヘキセン、4-メチル-1-フェニル-2-ヘキセン、4-メチル-1-フェニル-3-ヘキセン、5-メチル-1-フェニル-2-ヘキサノール、5-メチル-1-フェニル-3-ヘキサノール、4-メチル-1-フェニル-2-ヘキサノール、4-メチル-1-フェニル-3-ヘキサノール、5-メチル-1-フェニル-2-ヘキサノン、5-メチル-1-フェニル-3-ヘキサノン、4-メチル-1-フェニル-2-ヘキサノン、4-メチル-1-フェニル-3-ヘキサノン、5-メチル-1-フェニル-2,3-ヘキサンジオール、4-メチル-1-フェニル-2,3-ヘキサンジオール、5-メチル-1-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、5-メチル-1-フェニル-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、4-メチル-1-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、4-メチル-1-フェニル-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、5-メチル-1-フェニル-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-1-フェニル-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ヘキセン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキセン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキセン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ヘキセン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキセン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキセン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキサノール、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキサノール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキサノール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキサノール、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキサノン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキサノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘキサノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヘキサノン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ヘキサンジオール、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ヘキサンジオール、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、5-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-1-(インドール-3-)ヘキサン、5-メチル-1-(インドール-3)-1-ヘキセン、5-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキセン、5-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキセン、4-メチル-1-(インドール-3)-1-ヘキセン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキセン、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキセン、5-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキサノール、5-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキサノール、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキサノール、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキサノール、5-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキサノン、5-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキサノン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ヘキサノン、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ヘキサノン、5-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ヘキサンジオール、4-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ヘキサンジオール、5-メチル-1-(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、5-メチル-1-(インドール-3)-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、4-メチル-1-(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ヘキサノン、4-メチル-1-(インドール-3)-2-ヒドロキシ-3-ヘキサノン、5-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ヘキサンジオン、4-メチル-1-(インドール-3)-2,3-ヘキサンジオン、n-ヘプタン、1-ヘプテン、1-ヘプタノール、ヘプタナール、ヘプタノエート、2-ヘプテン、3-ヘプテン、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、4-ヘプタノール、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2,3-ヘプタンジオール、2,3-ヘプタンジオン、3,4-ヘプタンジオール、3,4-ヘプタンジオン、2-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、3-ヒドロキシ-2-ヘプタノン、3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、2-メチルヘプタン、3-メチルヘプタン、6-メチル-2-ヘプテン、6-メチル-3-ヘプテン、2-メチル-3-ヘプテン、2-メチル-2-ヘプテン、5-メチル-2-ヘプテン、5-メチル-3-ヘプテン、3-メチル-3-ヘプテン、2-メチル-3-ヘプタノール、2-メチル-4-ヘプタノール、6-メチル-3-ヘプタノール、5-メチル-3-ヘプタノール、3-メチル-4-ヘプタノール、2-メチル-3-ヘプタノン、2-メチル-4-ヘプタノン、6-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノン、3-メチル-4-ヘプタノン、2-メチル-3,4-ヘプタンジオール、2-メチル-3,4-ヘプタンジオン、6-メチル-3,4-ヘプタンジオール、
6-メチル-3,4-ヘプタンジオン、5-メチル-3,4-ヘプタンジオール、5-メチル-3,4-ヘプタンジオン、2-メチル-3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、2-メチル-4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、6-メチル-3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、6-メチル-4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、5-メチル-4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、2,6-ジメチルヘプタン、2,5-ジメチルヘプタン、2,6-ジメチル-2-ヘプテン、2,6-ジメチル-3-ヘプテン、2,5-ジメチル-2-ヘプテン、2,5-ジメチル-3-ヘプテン、3,6-ジメチル-3-ヘプテン、2,6-ジメチル-3-ヘプタノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、2,5-ジメチル-3-ヘプタノール、2,5-ジメチル-4-ヘプタノール、2,6-ジメチル-3,4-ヘプタンジオール、2,6-ジメチル-3,4-ヘプタンジオン、2,5-ジメチル-3,4-ヘプタンジオール、2,5-ジメチル-3,4-ヘプタンジオン、2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、2,6-ジメチル-4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、2,5-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-ヘプタノン、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-3-ヘプタノン、n-オクタン、1-オクテン、2-オクテン、1-オクタノール、オクタナール、オクタノアート、3-オクテン、4-オクテン、4-オクタノール、4-オクタノン、4,5-オクタンジオール、4,5-オクタンジオン、4-ヒドロキシ-5-オクタノン、2-メチルオクタン、2-メチル-3-オクテン、2-メチル-4-オクテン、7-メチル-3-オクテン、3-メチル-3-オクテン、3-メチル-4-オクテン、6-メチル-3-オクテン、2-メチル-4-オクタノール、7-メチル-4-オクタノール、3-メチル-4-オクタノール、6-メチル-4-オクタノール、2-メチル-4-オクタノン、7-メチル-4-オクタノン、3-メチル-4-オクタノン、6-メチル-4-オクタノン、2-メチル-4,5-オクタンジオール、2-メチル-4,5-オクタンジオン、3-メチル-4,5-オクタンジオール、3-メチル-4,5-オクタンジオン、2-メチル-4-ヒドロキシ-5-オクタノン、2-メチル-5-ヒドロキシ-4-オクタノン、3-メチル-4-ヒドロキシ-5-オクタノン、3-メチル-5-ヒドロキシ-4-オクタノン、2,7-ジメチルオクタン、2,7-ジメチル-3-オクテン、2,7-ジメチル-4-オクテン、2,7-ジメチル-4-オクタノール、2,7-ジメチル-4-オクタノン、2,7-ジメチル-4,5-オクタンジオール、2,7-ジメチル-4,5-オクタンジオン、2,7-ジメチル-4-ヒドロキシ-5-オクタノン、2,6-ジメチルオクタン、2,6-ジメチル-3-オクテン、2,6-ジメチル-4-オクテン、3,7-ジメチル-3-オクテン、2,6-ジメチル-4-オクタノール、3,7-ジメチル-4-オクタノール、2,6-ジメチル-4-オクタノン、3,7-ジメチル-4-オクタノン、2,6-ジメチル-4,5-オクタンジオール、2,6-ジメチル-4,5-オクタンジオン、2,6-ジメチル-4-ヒドロキシ-5-オクタノン、2,6-ジメチル-5-ヒドロキシ-4-オクタノン、3,6-ジメチルオクタン、3,6-ジメチル-3-オクテン、3,6-ジメチル-4-オクテン、3,6-ジメチル-4-オクタノール、3,6-ジメチル-4-オクタノン、3,6-ジメチル-4,5-オクタンジオール、3,6-ジメチル-4,5-オクタンジオン、3,6-ジメチル-4-ヒドロキシ-5-オクタノン、n-ノナン、1-ノナン、1‐ノナノール、ノナナール、ノナノアート、2-メチルノナン、2-メチル-4-ノナン、2-メチル-5-ノナン、8-メチル-4-ノナン、2-メチル-5-ノナノール、8-メチル-4-ノナノール、2-メチル-5-ノナノン、8-メチル-4-ノナノン、8-メチル-4,5-ノナンジオール、8-メチル-4,5-ノナンジオン、8-メチル-4-ヒドロキシ-5-ノナノン、8-メチル-5-ヒドロキシ-4-ノナノン、2,8-ジメチルノナン、2,8-ジメチル-3-ノナン、2,8-ジメチル-4-ノナン、2,8-ジメチル-5-ノナン、2,8-ジメチル-4-ノナノール、2,8-ジメチル-5-ノナノール、2,8-ジメチル-4-ノナノン、2,8-ジメチル-5-ノナノン、2,8-ジメチル-4,5-ノナンジオール、2,8-ジメチル-4,5-ノナンジオン、2,8-ジメチル-4-ヒドロキシ-5-ノナノン、2,8-ジメチル-5-ヒドロキシ-4-ノナノン、2,7-ジメチルノナン、3,8-ジメチル-3-ノナン、3,8-ジメチル-4-ノナン、3,8-ジメチル-5-ノナン、3,8-ジメチル-4-ノナノール、3,8-ジメチル-5-ノナノール、3,8-ジメチル-4-ノナノン、3,8-ジメチル-5-ノナノン、3,8-ジメチル-4,5-ノナンジオール、3,8-ジメチル-4,5-ノナンジオン、3,8-ジメチル-4-ヒドロキシ-5-ノナノン、3,8-ジメチル-5-ヒドロキシ-4-ノナノン、n-デカン、1-デセン、1-デカノール、デカノアート、2,9-ジメチルデカン、2,9-ジメチル-3-デセン、2,9-ジメチル-4-デセン、2,9-ジメチル-5-デカノール、2,9-ジメチル-5-デカノン、2,9-ジメチル-5,6-デカンジオール、2,9-ジメチル-6-ヒドロキシ-5-デカノン、2,9-ジメチル-5,6-デカンジオネン-ウンデカン、1-ウンデセン、1-ウンデカノール、ウンデカナール、ウンデカノアート、n-ドデカン、1-ドデセン、1-ドデカノール、ドデカナール、ドデカノアート、n-ドデカン1-デカデセン、1-ドデカノール、ドデカナール(ddodecanal)、ドデカノアート、n-トリデカン、1-トリデセン、1-トリデカノール、トリデカナール、トリデカノアート、n-テトラデカン、1-テトラデセン、1‐テトラデカノール、テトラデカナール、テトラデカノアート、n-ペンタデカン、1-ペンタデセン、1-ペンタデカノール、ペンタデカナール、ペンタデカノアート、n-ヘキサデカン、1-ヘキサデセン、1-ヘキサデカノール、ヘキサデカナール、ヘキサデカノアート、n-ヘプタデカン、1-ヘプタデセン、1-ヘプタデカノール、ヘプタデカナール、ヘプタデカノアート、n-オクタデカン、1-オクタデセン、1-オクタデカノール、オクタデカナール、オクタデカノアート、n-ノナデカン、1-ノナデセン、1-ノナデカノール、ノナデカナール、ノナデカノアート、エイコサン、1-エイコセン、1-エイコサノール、エイコサナール、エイコサノアート、3-ヒドロキシプロパナール、1,3-プロパンジオール、4-ヒドロキシブタナール、1,4-ブタンジオール、3-ヒドロキシ-2-ブタノン、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ホモシトラート、ホモイソシトラート、b-ヒドロキシアジパート、グルタラート、グルタルセミアルデヒド、グルタルアルデヒド、2-ヒドロキシ-1-シクロペンタノン、1,2-シクロペンタンジオール、シクロペンタノン、シクロペンタノール、(S)-2-アセトラクタート、(R)-2,3-ジヒドロキシ-イソバレレート、2-オキソイソバレレート、イソブチリル-CoA、イソブチレート、イソブチルアルデヒド、5-アミノペントアルデヒド、1,10-ジアミノデカン、1,10-ジアミノ-5-デセン、1,10-ジアミノ-5-ヒドロキシデカン、1,10-ジアミノ-5-デカノン、1,10-ジアミノ-5,6-デカンジオール、1,10-ジアミノ-6-ヒドロキシ-5-デカノン、フェニルアセトアルデヒド、1,4-ジフェニルブタン、1,4-ジフェニル-1-ブテン、1,4-ジフェニル-2-ブテン、1,4-ジフェニル-2-ブタノール、1,4-ジフェニル-2-ブタノン、1,4-ジフェニル-2,3-ブタンジオール、1,4-ジフェニル-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニルブタン、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-1-ブテン、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-2-ブテン、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-2-ブタノール、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-2-ブタノン、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-2,3-ブタンジオール、1-(4-ヒデオキシフェニル)-4-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、1-(インドール-3)-4-フェニルブタン、1-(インドール-3)-4-フェニル-1-ブテン、1-(インドール-3)-4-フェニル-2-ブテン、1-(インドール-3)-4-フェニル-2-ブタノール、1-(インドール-3)-4-フェニル-2-ブタノン、1-(インドール-3)-4-フェニル-2,3-ブタンジオール、1-(インドール-3)-4-フェニル-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、4-ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-1-ブテン、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブテン、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ブタンジオール、1,4-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3-)ブタン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3)-1-ブテン、1-ジ(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3)-2-ブテン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3)-2-ブタノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3)-2-ブタノン、1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(インドール-3)-2,3-ブタンジオール、1-(4-ヒドロキシフェニル-4-(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、インドール-3-アセトアルデヒド、1,4-ジ(インドール-3-)ブタン、1,4-ジ(インドール-3)-1-ブテン、1,4-ジ(インドール-3)-2-ブテン、1,4-ジ(インドール-3)-2-ブタノール、1,4-ジ(インドール-3)-2-ブタノン、1,4-ジ(インドール-3)-2,3-ブタンジオール、1,4-ジ(インドール-3)-3-ヒドロキシ-2-ブタノン、スクシナートセミアルデヒド、ヘキサン-1,8-ジカルボン酸、3-ヘキセン-1,8-ジカルボン酸、3-ヒドロキシ-ヘキサン-1,8-ジカルボン酸、3-ヘキサノン-1,8-ジカルボン酸、3,4-ヘキサンジオール-1,8-ジカルボン酸、4-ヒドロキシ-3-ヘキサノン-1,8-ジカルボン酸、フコイダン、ヨウ素、クロロフィル、カロテノイド、カルシウム、マグネシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、ホスフェート等。
【0035】
参照、若しくは全長ポリヌクレオチド、又はポリペプチド配列の断片に適用される、「生物学的に活性な断片」という用語は、参照配列の少なくとも約0.1、0.5、1、2、5、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99%の活性を有する断片をいう。参照ポリヌクレオチド、又はポリペプチドの活性を含むか、又はコードする、少なくとも約18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、若しくはそれ以上のヌクレオチド、又は残基の長さの生物学的に活性な断片が本発明の範囲内に含まれる。代表的な生物学的に活性な断片は、一般に、相互作用、例えば分子内、又は分子間の相互作用に関与する。分子間相互作用は、特異的に結合する相互作用、又は酵素相互作用であることができる。分子間相互作用は、ADHポリペプチドと、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、又はNADPH分子などのコファクタ分子との間であることができる。ADHポリペプチドの生物学的に活性な部分は、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78のいずれかのアミノ酸配列と十分な類似性、若しくは同一性をもつか、又は由来するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。
【0036】
「コード配列」は、遺伝子のポリペプチド産物のためのコードに寄与する任意の核酸配列を意味する。対照的に、「非コード配列」という用語は、遺伝子のポリペプチド産物のためのコードに寄与しない任意の核酸配列をいう。
【0037】
この明細書の全体にわたって、文脈が他に必要でない限り、「含む」、「含む」、及び「含むこと」という語は、明示された工程、若しくは要素、又は工程、若しくは要素の群を包含するが、任意のその他の工程、若しくは要素、又は工程、若しくは要素の群を排除しないことを暗示することが理解されるであろう。「からなる」は、「からなる」の句の前のものは何でも含むこと、及び限定されることを意味する。「からなる」の句は、列記された要素が必要とされ、又は必須であること、及びその他の要素が存在しなくてもよいことを示す。「から本質的になる」は、該句の後に列記された任意の要素を含むこと、及び列記された要素についての開示において特定された活性、若しくは作用を妨げない、又は寄与しないその他の要素に限定されることを意味する。従って、「から本質的になる」という句は、列記された要素が必要とされ、又は必須であること、しかしその他の要素が随意であり、かつこれらが列記された要素の活性、又は作用に影響を及ぼすか否かに応じて、存在しても、又は存在しなくてもよいことを示す。
【0038】
「相補的」、及び「相補性」という用語は、塩基対合則に合致したポリヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)をいう。例えば、配列「A-G-T」は、配列「T-C-A」に対して相補的である。相補性は、核酸のいくつかの塩基のみが塩基対合則に従って適合されている、「部分的」なものであってもよい。又は、核酸の間に「完全な」、若しくは「全体の」相補性があってもよい。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率、及び強度に対して有意な効果を有する。
【0039】
「に対応する」、又は「に対応すること」は、(a)参照ポリヌクレオチド配列の全ての、若しくは一部に対して実質的に同一、若しくは相補的であるか、又はペプチド、若しくはタンパク質のアミノ酸配列と同じアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;又は(b)参照ペプチド、若しくはタンパク質のアミノ酸配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を有するペプチド、又はポリペプチドを意味する。
【0040】
「誘導体」は、当該技術分野において理解されるであろうように、修飾によって、例えばその他の化学的部分との抱合、若しくは錯体生成によって、又は翻訳後修飾技術によって、塩基配列に由来したポリペプチドを意味する。また、「誘導体」という用語には、その範囲内に、機能的に同等な分子を提供する付加、又は欠失を含む親配列に作製された変化を含む。
【0041】
本明細書に使用される、「機能」、及び「機能的な」等という用語は、生物学的、酵素的、又は治療的な機能をいう。
【0042】
「外来性」という用語は、一般に、野生型の細胞、若しくは生物体に天然に存在しないが、典型的には分子生物学的技術、すなわち組換え微生物を産生するために操作することによって細胞に導入されるポリヌクレオチド配列、又はポリペプチドをいう。「外来性」ポリヌクレオチドの例は、所望のタンパク質、若しくは酵素をコードするベクター、プラスミド、及び/又は人工核酸構築物を含む。「内因性」という用語は、一般に、所与の野生型細胞、又は生物体において見いだされるであろう天然に存在するポリヌクレオチド配列、又はポリペプチドをいう。例えば、特定の天然に存在する細菌、又は酵母種は、典型的にはベンズアルデヒドリアーゼ遺伝子を含まず、従って、ベンズアルデヒドリアーゼをコードする「内因性」ポリヌクレオチド配列を含まない。この点に関して、生体が所与のポリヌクレオチド配列、又は遺伝子の内因性コピーを含み得る場合であっても、コードされるタンパク質を過剰発現するか、又はさもなければ発現を調節するためなど、その配列をコードするプラスミド、又はベクターの導入は、その遺伝子、又はポリヌクレオチド配列の「外来性」コピーを表すことにも留意されたい。本明細書に記述した任意の経路、遺伝子、又は酵素は、「内因性」配列を利用し、若しくは依拠してもよく、1つ以上の「外来性」ポリヌクレオチド配列として提供されてもよく、及び/又は所与の微生物内にすでに含まれる内因性配列に従って利用されてもよい。
【0043】
「組み換え」微生物は、プラスミド、又はベクターなどの1つ以上の内因性ヌクレオチドを含む。
【0044】
「微生物系」は、一般に、インキュベーター、又は他のタイプの微生物の培養フラスコ/デバイス/ウェル内に含まれるものなどの、又はディッシュ、若しくはプレート(例えば、アガロースを含むペトリ皿)での成長が見られるものなどの組換え微生物の集団に関する。
【0045】
「遺伝子」は、染色体上の特定座位を占め、かつ転写、及び/又は翻訳制御配列、及び/又はコード領域、及び/又は非翻訳配列(すなわち、イントロン、5'、及び3'非翻訳配列)からなる遺伝の単位を意味する。
【0046】
「相同性」は、同一であるか、若しくは保存的置換を構成する核酸、又はアミノ酸のパーセント数をいう。相同性は、参照により本明細書に組み込まれるGAP(Deverauxらの文献、1984、Nucleic Acids Research 12、387-395)などの配列比較プログラムを使用して決定してもよい。このようにして、本明細書に引用したものと類似する、又は実質的に異なる長さの配列は、整列へのギャップの挿入によって比較することができ、このようなギャップは、例えばGAPによって使用される比較アルゴリズムによって決定される。
【0047】
「宿主細胞」という用語には、任意の組換えベクター(群)、又は本発明の単離されたポリヌクレオチドのレシピエントであることができる又はレシピエントである個々の細胞、若しくは細胞培養を含む。宿主細胞には、単一の宿主細胞の子孫を含み、子孫は、天然の、偶発的な、若しくは計画的な突然変異、及び/又は変化のために、(形態において、又は全体のDNA相補性において)必ずしも元の親細胞と完全に同一でなくてもよい。宿主細胞には、インビボ、若しくはインビトロで本発明の組換えベクター、又はポリヌクレオチドがトランスフェクトされ、又は感染された細胞を含む。本発明の組換えベクターを含む宿主細胞は、組換え宿主細胞である。
【0048】
「単離された」は、その天然の状態において通常それを伴う成分が実質的に、又は本質的にない材料を意味する。例えば、本明細書に使用される「単離されたポリヌクレオチド」は、天然に存在する状態においてそれに隣接する配列から精製されたポリヌクレオチド、例えば断片に通常隣接する配列から除去されたDNA断片をいう。或いは、本明細書に使用される「単離されたペプチド」、又は「単離されたポリペプチド」等は、その天然の細胞の環境から、及び細胞のその他の成分との会合からの、ペプチド、若しくはポリペプチド分子のインビトロでの単離、及び/又は精製、すなわち、それがインビボの物質と会合していないことをいう。
【0049】
本明細書に使用される、「多糖」、「適切な単糖」、又は「適切なオリゴ糖」の記述は、微生物におけるエネルギー源、及び炭素として使用され得るし、かつ生物燃料、又はバイオガソリンなどの炭化水素を生成するための生物燃料生合成経路に使用するために適し得る。多糖、適切な単糖、及び適切なオリゴ糖の例は、アルギナート、寒天、フコイダン、ペクチン、グルロナート、マンヌロナート、マンニトール、リキソース、グリセロール、キシリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、グルクロナート、ガラクツロナート、ラムノース、及び2-ケト-3-デオキシD-グルコナート-6-ホスフェート(KDG)等を含むが、限定されない。
【0050】
「から得られる」は、例えばポリヌクレオチド抽出物、又はポリペプチド抽出物などの試料が対象の特定の供与源から単離され、又は由来することを意味する。例えば、抽出物は、対象から直接単離された組織、又は生物流体から得ることができる。
【0051】
本明細書に使用される「オリゴヌクレオチド」という用語は、ホスホジエステル結合(又はその関連した構造的な変異体、若しくは合成類似体)を介して連結された多数のヌクレオチド残基(デオキシリボヌクレオチド、若しくはリボヌクレオチド、又はその関連した構造的な変異体、若しくは合成類似体)で構成される重合体をいう。従って、「オリゴヌクレオチド」という用語は、典型的には、ヌクレオチド残基、及びこれら間の結合が天然に存在するヌクレオチド重合体をいうと共に、本用語は、その範囲内に、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロアミダート、ホスホロチオアート、メチルホスホネート、2-O-メチルリボ核酸等を含むが、制限されない、種々の類似体を含むことが理解されよう。分子の実寸は、特定の用途に応じて変更することができる。オリゴヌクレオチドは、典型的にはむしろ長さが短く、一般に約10から30のヌクレオチド残基であるが、本用語は、任意の長さの分子をいうことができるものの、「ポリヌクレオチド」、又は「核酸」という用語は、典型的には大きなオリゴヌクレオチドのために使用される。
【0052】
本明細書に使用される「作動可能に連結される」という用語は、プロモーターの調節制御下に構造遺伝子を置いて、次いで遺伝子の転写、及び任意に翻訳を制御することを意味する。異種プロモーター/構造遺伝子の組み合わせの構成では、一般に、遺伝子配列、又はプロモーターとそれがその天然の状況;すなわち、遺伝子配列、又はプロモーターが由来する遺伝子において制御する遺伝子との間の距離とほぼ同じである遺伝子転写開始点から少し離して、遺伝子配列、又はプロモーターが位置することが好ましい。当技術分野において公知のとおり、この距離のいくらかの変動は、機能の喪失を伴わずに適応することができる。同様に、その制御下に置かれた異種遺伝子に関して調節配列エレメントの好ましい位置は、その天然の状況;すなわち、それが由来する遺伝子におけるエレメントの位置によって定義される。
【0053】
本明細書に使用される「最適化された」という記述は、本来の分子、又は本来の細胞の環境(例えば、所与のポリペプチド、又は野生型微生物の野生型配列)に関してその機能的な特徴を改善するために、ポリペプチドのアミノ酸配列の遺伝的変化によって、又はポリペプチドの周囲の細胞環境の変化/修飾によってなど、変化された生物活性を有する経路、遺伝子、ポリペプチド、酵素、又はその他の分子をいう。本明細書に記述した任意のポリペプチド、又は酵素を任意に「最適化」してもよく、本明細書に記述した任意の遺伝子、又はヌクレオチド配列は、任意に、最適化されたポリペプチド、又は酵素をコードしてもよい。本明細書に記述した任意の経路には、任意に、1つ以上の「最適化された」酵素、又は最適化された酵素、若しくはポリペプチドをコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含んでいてもよい。
【0054】
典型的には、ポリペプチド、酵素、又はその他の分子の改善された機能的特徴は、単糖、又はオリゴ糖を生物燃料に変換するための生物学的経路(例えば、生合成経路、C-C結合経路)における使用のための、ポリペプチド、又はその他の分子の適合性に関する。従って、特定の実施態様は、「最適化された」生物学的経路の使用を想定する。例示的な「最適化された」ポリペプチドは、所与の微生物系、若しくは微生物における改善された発現、及び/又は安定性を促進し、所望の基質に関するポリペプチド活性(例えば、誘導性、又は抑制可能な活性)の制御を可能にし、細胞内のポリペプチドの局在化(例えば、細胞内局在化、細胞外分泌)を調整し、及び/又は所望の基質に関するポリペプチド活性の全体のレベルに効果を及ぼす(例えば、酵素活性を減少させる、又は増加させる)そのアミノ酸コード配列における1つ以上の変化、又は突然変異(例えば、点突然変異、欠失、異種配列の付加)を含んでいてもよい。また、ポリペプチド、又はその他の分子は、その他の変化の中で、「最適化された」ポリペプチド、若しくはその他の分子の発現(例えば、アップレギュレーション)、局在化、及び/若しくは活性を調節する経路を変化させることによって、又は望ましくない副産物の産生を最小化する経路を変化させることによってなど、その系、又は生体内の1つ以上の経路を変化させることにより、所与の微生物系、又は微生物で使用するために「最適化されて」いてもよい。このように、ポリペプチド、又はその他の分子は、その野生型アミノ酸配列、又は本来の化学構造を変化させるか否かにかかわらず「最適化されて」もよい。最適化されたポリペプチド、又は生物学的経路は、例えば、当該技術分野において公知の技術に従って、所望の表現型のために、直接突然変異誘発によって、又は自然選択によって、行われてもよい。
【0055】
特定の態様において、「最適化された」遺伝子、又はポリペプチドは、参照(例えば、野生型)遺伝子、又はポリペプチドのヌクレオチド配列、又はアミノ酸配列と50%〜99%同一(間の全ての整数を含む)であるヌクレオチドコード配列、又はアミノ酸配列を含み得る。特定の実施態様において、「最適化された」ポリペプチド、又は酵素は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100倍(間の全ての整数、及び小数点、例えば1.2、1.3、1.4、1.5、5.5、5.6、5.7、60、70、その他を含む)、又はそれ以上の参照ポリペプチドの生物活性を有してもよい。
【0056】
本明細書に使用される「ポリヌクレオチド」、又は「核酸」の記述は、mRNA、RNA、cRNA、cDNA、又はDNAを示す。本用語は、典型的には、リボヌクレオチド、若しくはデオキシヌクレオチドのいずれか、又は修飾形態のいずれかのタイプのヌクレオチドの、長さが少なくとも10塩基のヌクレオチドの重合体形態をいう。本用語には、DNAの一本鎖、及び二本鎖形態を含む。
【0057】
「ポリヌクレオチド変異体」、及び「変異体」等という用語は、参照ポリヌクレオチド配列と実質的な配列同一性を示すポリヌクレオチド、又は以下に定義したストリンジェントな条件下で参照配列とハイブリダイズするポリヌクレオチドをいう。また、これらの用語は、少なくとも1つのヌクレオチドの付加、欠失、又は置換によって参照ポリヌクレオチドから区別されるポリヌクレオチドを包含する。従って、「ポリヌクレオチド変異体」、及び「変異体」という用語は、1つ以上のヌクレオチドが付加され、若しくは欠失され、又は異なるヌクレオチドで置換されたポリヌクレオチドを含む。この点に関して、突然変異、付加、欠失、及び置換を含む特定の変化を参照ポリヌクレオチドになすことができ、これにより、変化されたポリヌクレオチドは、参照ポリヌクレオチドの生物学的機能、若しくは活性を保持することが、当該技術分野において十分に理解されている。ポリヌクレオチド変異体は、例えば、配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載された配列と少なくとも50%(及び少なくとも51%〜少なくとも99%、及び全ての間の整数のパーセンテージ)の配列同一性を有するポリヌクレオチドを含む。用語「ポリヌクレオチド変異体」及び「変異体」はまた、天然に存在する対立遺伝子変異体を含む。
【0058】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」は、アミノ酸残基の重合体を、並びに前述のものの変異体、及び合成類似体をいうために、本明細書において同義的に使用される。従って、これらの用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の化学物質類似体などの合成の天然に存在しないアミノ酸であるアミノ酸重合体に、並びに天然に存在するアミノ酸重合体に適用される。
【0059】
本明細書に使用される「ADHポリペプチド」、又は「その変異体」の記述は、限定されないが、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78のいずれか1つに記載された配列と少なくとも50%(少なくとも51%〜少なくとも99%、及び間の全ての整数パーセンテージ)の配列同一性を共有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを包含する。これらの記述は、細菌種間に存在し、及び生じ得るADHポリペプチドの天然の対立形質の変異を更に包含する。
【0060】
ADHポリペプチドには、その変異体を含み、野生型ADHポリペプチドの少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、及び130%の比活性を示す(すなわち、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性を含む、アルコールデヒドロゲナーゼ活性を有するなど)ポリペプチドを包含する。野生型のADHポリペプチドと比較して実質的に同じか、又は改善された生物活性を有する、変異体を含むADHポリペプチドは、野生型ポリペプチドの少なくとも約25%、50%、75%、100%、110%、120%、又は130%の比生物活性を示すポリペプチドを包含する。本願のためには、ADH関連した生物活性は、例えば基質としてDEHU、又はD-マンヌロナートを使用してADHポリペプチド、又はその変異体がNADPHを消費する能力を測定することによって定量化してもよい(例えば、実施例2参照されたい)。野生型ADHと比較して実質的に生物活性が低減された、変異体を含むADHポリペプチドは、野生型ADHの約25%未満、10%、5%、又は1%の比活性を示すものである。
【0061】
ポリペプチド「変異体」の記述は、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失、又は置換によって参照ポリペプチドから区別されるポリペプチドをいう。特定の実施態様において、ポリペプチド変異体は、保存的、又は非保存的でもよい1つ以上の置換によって参照ポリペプチドから区別される。特定の実施態様において、ポリペプチド変異体は、保存的置換を含み、この点に関しては、いくつかのアミノ酸が、ポリペプチドの活性の性質を変えることなく広く同様の特性をもつその他のものに変えられてもよいことは、当該技術分野において周知である。また、ポリペプチド変異体は、1つ以上のアミノ酸が付加され、若しくは欠失され、又は異なるアミノ酸残基で置換されたポリペプチドを包含する。
【0062】
本発明は、全長ADH配列、並びにこれらの生物学的に活性な断片の本願の方法、及び微生物系における使用を想定する。典型的には、全長ADHポリペプチドの生物学的に活性な断片は、相互作用、例えば分子内、又は分子間の相互作用に関与してもよい。分子間相互作用は、特異的な結合相互作用、又は酵素的相互作用であることができる(例えば、相互作用は、一過性であることができ、共有結合が形成され、又は壊される)。全長ADHポリペプチドの生物学的に活性な断片は、(推定上の)全長ADHポリペプチドのアミノ酸配列に対して十分に類似するか、又は由来するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。典型的には、生物学的に活性な断片は、全長ADHポリペプチドの少なくとも1つの活性をもつドメイン、又はモチーフを含み、種々の活性なドメインの1つ以上(及び、場合によっては全て)を含んでいてもよく、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有する断片を有する断片を含む。全長ADHポリペプチドの生物学的に活性な断片は、例えば、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78のいずれか1つに記載されたアミノ酸配列の、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、又はそれ以上の隣接するアミノ酸であるポリペプチドであることができる。特定の実施態様において、生物学的に活性な断片は、本明細書に記述したとおりの、NAD+、NADH、NADP+、又はNADPH結合モチーフを含む。適切には、生物学的に活性な断片は、それが由来する全長ポリペプチドの活性の約1%、10%、25%、50%を有する。
【0063】
本明細書に使用される、「配列同一性」、又は例えば「に対する50% 配列同一性」を含む記述は、配列が比較のウィンドウにわたるヌクレオチド間基準、又はアミノ酸間基準での同一性の程度をいう。従って、「配列同一性の割合」は、比較のウィンドウにわたって2つの至適に整列させた配列を比較すること、マッチした位置の数を得るために同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)、又は同一のアミノ酸残基(例えばAla、Pro、Ser、Thr、Gly、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Trp、Lys、Arg、His、Asp、Glu、Asn、Gln、Cys、及びMet)が両方の配列に存在する位置の数を決定すること、マッチした位置の数を比較のウィンドウ(すなわち、ウィンドウサイズ)の位置の合計数によって割ること、及び配列同一性の割合を得るために結果に100を掛けることによって算出される。
【0064】
2つ以上のポリヌクレオチド、又はポリペプチドの間の配列関係を記述するために使用される用語は、「参照配列」、「比較ウィンドウ」、「配列同一性」、「配列同一性の割合」、及び「実質的同一性」を含む。「参照配列」は、少なくとも12、しかし、しばしば15〜18、及びたいてい少なくとも25個の、ヌクレオチド、及びアミノ酸残基を含むモノマー単位の長さである。2つのポリヌクレオチドは、それぞれ(1)2つのポリヌクレオチド間で類似する配列(すなわち、一部の完全なポリヌクレオチド配列のみ)、及び(2)2つのポリヌクレオチド間の多岐にわたる配列を含んでいてもよいので、2つの(又はそれ以上の)ポリヌクレオチド間の配列比較は、典型的には、配列類似性の局部的な領域を同定し、及び比較するために、2つのポリヌクレオチドの配列を「比較ウィンドウ」全体にわたってして比較することによって行われる。「比較ウィンドウ」とは、少なくとも6つ、通常約50〜約100、更に通常では約100〜約150の隣接する位置の概念上のセグメントであって、2つの配列を至適に整列させた後に、配列が隣接する位置の同数の参照配列と比較されるセグメントをいう。比較ウィンドウは、2つの配列の最適な整列のために、参照配列(これは、付加、又は欠失を含まない)と比較して約20%以下の付加、又は欠失(すなわち、ギャップ)を含んでいてもよい。比較ウィンドウを整列させるための配列の最適な整列は、アルゴリズム(Wisconsin遺伝学ソフトウェアパッケージリリース7.0、Genetics Computer Group, 575 Science Drive Madison, WI, USAのGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)のコンピュータ化された実施によって、又は選択した任意の種々の方法によって生成される検査、及び最高の整列(すなわち、比較ウィンドウにわたって最高の割合の相同性を生じる)によって行われてもよい。また、例えば、Altschulらの文献、1997、Nucl. Acids Res. 25:3389によって開示されるような、BLASTファミリーのプログラムを参照してもよい。配列分析の詳細な考察は、Ausubelらの文献、「分子生物学の現在のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」John Wiley & Sons Inc、1994-1998、第15章の19.3単元において見つけることができる。
【0065】
「ベクター」は、例えば、その中にポリヌクレオチドを挿入すること、又はクローン化することができる、プラスミド、バクテリオファージ、酵母、又はウイルスに由来するポリヌクレオチド分子、好ましくはDNA分子を意味する。ベクターは、好ましくは1つ以上の独特の制限部位を含み、かつ標的細胞、若しくは組織、又はその前駆細胞、若しくは組織を含む宿主細胞における限定された自律増殖をすることができるか、又はクローン化した配列を再現できるように限定された宿主のゲノムに組み込むことができる。従って、ベクターは、自律的に複製するベクター、すなわちその複製が染色体の複製から独立している染色体外の実体として存在するベクター、例えば直鎖状、若しくは閉じた環状プラスミド、染色体外因子、ミニ染色体、又は人工染色体であることができる。ベクターは、自己複製を保証するための任意の手段を含むことができる。或いは、ベクターは、宿主細胞に導入されたときに、ゲノム内に組み込まれて、それが組み込まれた染色体(群)と共に複製されるものであることができる。ベクター系は、宿主細胞のゲノム内に導入するための総DNAを共に含む、単一のベクター、若しくはプラスミド、2つ以上のベクター、若しくはプラスミド、又はトランスポゾンを含むことができる。ベクターの選択は、典型的には、ベクターが導入される宿主細胞とのベクターの適合性に依存するであろう。今回の場合には、ベクターは、好ましくは、細菌細胞において作動可能に機能的であるものである。また、ベクターは、適切な形質転換体の選択のために使用することができる抗生物質耐性遺伝子などの選択マーカーを含むことができる。
【0066】
「野生型」、及び「天然に存在する」という用語は、天然に存在する供与源から単離されたときに、その遺伝子、若しくは遺伝子産物の特徴を有する遺伝子、又は遺伝子産物をいうために、交換可能に使用される。野生型遺伝子、又は遺伝子産物(例えば、ポリペプチド)は、集団において最も頻繁に観察されるものであり、従って、任意に遺伝子の「正常な」、又は「野生型」形態を設計する。
【0067】
本発明の実施態様は、部分的には、細菌デヒドロゲナーゼ遺伝子、及びこれらの遺伝子によってコードされるポリペプチドの単離、並びに特性付けに関する。特定の実施態様は、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)ポリペプチドと呼ばれ得る、アルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する単離されたデヒドロゲナーゼポリペプチドを含み得る。本願に従ったADHポリペプチドは、DEHUヒドロゲナーゼ活性、D-マンヌロナート活性、又はDEHU、及びD-マンヌロナートヒドロゲナーゼの両方の活性を有していてもよい。その他の実施態様は、このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでいてもよい。例えば、本願の分子は、
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチド、及びその断片、若しくは変異体であって、
該単離されたヌクレオチドがデヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、前記単離されたポリヌクレオチド、及びその断片、若しくは変異体を含んでいてもよい。特定の実施態様において、ポリペプチドは、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのアルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する。
【0068】
また、本発明の分子は、単離されたADHポリペプチド、又は変異体、断片、若しくは誘導体を含んでいてもよく、本実施態様は、
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択されてもよく、
該単離されたポリペプチドは、デヒドロゲナーゼ活性を有する。特定の実施態様において、ポリペプチドは、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのアルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する。
【0069】
さらなる実施態様において、本明細書に開示された単離されたポリヌクレオチドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、又はNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含むポリペプチドをコードする。その他の実施態様は、本明細書に開示したとおりの、ADHポリペプチド、その変異体、断片、又は誘導体を含み、該ポリペプチドは、NAD+、NADH、NADP+、又はNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含む。特定の実施態様において、結合モチーフは、
【化2】
からなる群から選択され;式中、Yは、独立してアラニン、グリシン、及びセリンから選択され、式中Gは、グリシンであり、かつXは、独立して遺伝的にコードされたアミノ酸から選択される。任意の理論に拘束されることを望まないが、NAD+、及び関連した分子は、デヒドロゲナーゼ反応におけるコファクタとして役立ち、かつこれらの結合モチーフは、一般にアルコールデヒドロゲナーゼにおいて保存され、かつNAD+、NADH、NADP+、又はNADPH結合において重要な役割を果たす。
【0070】
本願によって包含される変異体タンパク質は、生物学的に活性である、すなわち、これらは、未変性タンパク質の所望の生物活性を有し続ける。このような変異体は、例えば、遺伝子多型により、又はヒト操作により生じ得る。天然、又は野生型ADHポリペプチドの生物学的に活性な変異体は、デフォルトパラメーターを使用して本明細書に他を記述した配列整列プログラムによって決定すると未変性タンパク質のアミノ酸配列と少なくとも40%、50%、60%、70%、一般に少なくとも75%、80%、85%、通常約90%〜95%以上、及び典型的には約98%以上の配列類似性、又は同一性を有するだろう。野生型ADHポリペプチドの生物学的に活性な変異体は、一般に200、100、50、若しくは20アミノ酸残基程度まで、又は適切には、1〜15アミノ酸残基程度、1〜10程度、6〜10程度など、5、4、3、2、又は更に1つのアミノ酸残基程度までそのタンパク質と異なっていてもよい。一部の実施態様において、ADHポリペプチドは、少なくとも1つ、しかし15、10、又は5つ未満のアミノ酸残基までで配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78の対応する配列と異なる。その他の実施態様において、それは、少なくとも1つの残基、しかし20%未満、15%、10%、又は5%未満の残基までで配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78の対応する配列と異なる。
【0071】
ADHポリペプチドは、アミノ酸置換、欠失、切断、及び挿入を含む種々の方法で変化させてもよい。このような操作のための方法は、一般に当該技術分野において公知である。例えば、ADHポリペプチドのアミノ酸配列変異体は、DNAの突然変異によって調製することができる。突然変異誘発、及びヌクレオチド配列変化のための方法は、当該技術分野において周知である。例えば、Kunkelの文献(1985、Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 82:488-492)、Kunkelらの文献(1987、Method in Enzymol、154:367-382)、米国特許第4,873,192号、Watson、J. D.らの文献("Molecular Biology of the Gene"、第4版、Benjamin/Cummings、Menlo Park、Calif., 1987)、及びその中で引用された参照文献を参照されたい。関心対象のタンパク質の生物活性に影響を及ぼさない適切なアミノ酸置換に関する指針は、Dayhoffらの文献(1978)タンパク質配列、及び構造のアトラス(Natl. Biomed. Res. Found., Washington、D.C.)のモデルにおいて見いだされるであろう。点突然変異、又は切断によって作製されるコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするための、及び選択された特性を有する遺伝子産物のcDNAライブラリーをスクリーニングするための方法は、当該技術分野において公知である。このような方法は、ADHポリペプチドのコンビナトリアル突然変異誘発によって産生された遺伝子ライブラリーのラピッドスクリーニングのために適応できる。ライブラリーにおける機能的突然変異体の頻度を増強する技術である繰り返しアンサンブル突然変異誘発(REM)は、ADHポリペプチド変異体を同定するためのスクリーニングアッセイと組み合わせて使用することができる(Arkin及びYourvanの文献(1992)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815;Delgraveらの文献(1993)Protein Engineering、6:327-331)。あるアミノ酸を同様の特性を有する別のものと交換することなどの、保存的置換は、以下に詳述するように望ましいであろう。
【0072】
変異体ADHポリペプチドは、親ADHアミノ酸配列と比較して、これらの配列に沿った種々の位置に保存的アミノ酸置換を含んでいてもよい。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されているものである。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されており、一般に以下の通りに下位分類することができる:
【0073】
酸性:残基は、生理的pHにてHイオンの喪失のために負電荷を有し、かつ残基は、ペプチドが生理的pHにて水性媒体中にあるときにそれが含まれるペプチドの高次構造における表面位置を探求するために、水性溶液に引きつけられる。酸性側鎖を有するアミノ酸には、グルタミン酸、及びアスパラギン酸を含む。
【0074】
塩基性:残基は、生理的pHにて、又はその1つ、若しくは2つのpH単位内で(例えば、ヒスチジン)、Hイオンと会合するのために正電荷を有し、かつ残基は、ペプチドが生理的pHにて水性媒体中にあるときに、それが含まれるペプチドの高次構造における表面位置を探求するために、水性溶液によって引きつけられる。塩基性側鎖を有するアミノ酸には、アルギニン、リジン、及びヒスチジンを含む。
【0075】
荷電:残基は、生理的pHにて荷電し、従って、酸性、又は塩基性側鎖を有するアミノ酸(すなわちグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジン、及びヒスチジン)を含む。
【0076】
疎水性:残基は、生理的pHにて荷電されておらず、かつ残基は、ペプチドが水性媒体中にあるときに、それが含まれるペプチドの高次構造における内側位置を探求するために、水性溶液に引き寄せられない。疎水性側鎖を有するアミノ酸には、チロシン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、及びトリプトファンを含む。
【0077】
中性/極性:残基は、生理的pHにて荷電されないが、残基は、ペプチドが水性媒体中にあるときに、水性溶液によって十分に引き寄せられ、その結果それが含まれるペプチドの高次構造における内側位置を探求する。中性/極性側鎖を有するアミノ酸には、アスパラギン、グルタミン、システイン、ヒスチジン、セリン、及びスレオニンを含む。
【0078】
また、これらの側鎖は、極性基が欠如する場合であっても、疎水性を与えるほど十分に大きくないので、この記述は、特定のアミノ酸を「小さい」ものとして特徴づける。プロリンを除いて、「小さな」アミノ酸は、少なくとも1つの極性基が側鎖にあるときは4炭素以下、又は側鎖にないときは3炭素以下をもつアミノ酸である。小さな側鎖を有するアミノ酸には、グリシン、セリン、アラニン、及びスレオニンを含む。遺伝子でコードされる二級アミノ酸プロリンは、ペプチド鎖の二次高次構造に対するその公知の効果のために、特殊な場合である。プロリンの構造は、その側鎖がα-アミノ基の窒素、並びにα-炭素に結合するという点で、全てのその他の天然に存在するアミノ酸と異なる。しかし、いくつかのアミノ酸類似性マトリックス(例えば、Dayhoffらの文献(1978)タンパク質における進化的変化のモデル。距離関係を決定するためにマトリックスM. O. Dayhoff(編)タンパク質配列及び構造のアトラス、Vol. 5、pp. 345-358、National Biomedical Research Foudation、Washington DCによって;及びGonnetらの文献(1992、Science、256(5062):14430-1445)によって開示されたものような、例えばPAM120マトリックス、及びPAM250マトリックス)は、グリシン、セリン、アラニン、及びスレオニンと同じ群にプロリンを含む。従って、本発明のためには、プロリンは、「小さな」アミノ酸として分類される。
【0079】
極性、又は無極性と分類するために必要とされる引力、又は反発の程度は、任意であり、従って、本発明によって具体的に想定されるアミノ酸は、どちらか一方として分類されている。具体的に名前を挙げていない大部分のアミノ酸は、公知の挙動に基づいて分類することができる。
【0080】
アミノ酸残基は、残基の側鎖置換基に関する自明の分類である、環状、又は非環状、及び芳香族、又は非芳香族として、並びに小、又は大として、更に下位分類することができる。残基は、それが、さらなる極性の置換基が存在することを条件としてカルボキシル炭素を含めて合計4炭素原子以下を含み;もしそうでなければ3以下の場合、小さいとみなされる。小さな残基は、もちろん、常に非芳香族である。これらの構造特性に応じて、アミノ酸残基は、2つ以上の分類に入り得る。天然に存在するタンパク質アミノ酸について、このスキームに従った下位分類を表Aに示してある。
【0081】
【表1】
【0082】
また、保存的アミノ酸置換は、側鎖に基づいたグループ化を含む。例えば、脂肪族側鎖を有する一群のアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンであり;脂肪族-ヒドロキシル側鎖を有する一群のアミノ酸は、セリン、及びスレオニンであり;アミドを含む側鎖を有する一群のアミノ酸は、アスパラギン、及びグルタミンであり;芳香族側鎖を有する一群のアミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンであり;塩基性側鎖を有する一群のアミノ酸は、リジン、アルギニン、及びヒスチジンであり;並びに硫黄含有側鎖を有する一群のアミノ酸は、システイン、及びメチオニンである。例えば、イソロイシン、又はバリンでのロイシンの、グルタミン酸でのアスパラギン酸の、セリンでのスレオニンの交換、又は構造的に関連したアミノ酸でのアミノ酸の同様の交換では、生じる変異体ポリペプチドの特性に対して多大な効果を有さないだろうと予想することが合理的である。機能的ADHポリペプチドを生じるアミノ酸変化かどうかは、本明細書に記述したように(例えば、実施例2を参照されたい)、その活性をアッセイすることによって容易に決定することができる。保存的置換は、表Bにおいて、例示的な置換の見出し下に示してある。本発明の範囲内に入るアミノ酸置換は、一般に、(a)置換の領域におけるペプチドバックボーンの構造、(b)目的部位における分子の電荷、若しくは疎水性、又は(c)側鎖のかさを維持するというそれらの効果において、有意に異ならない置換を選択することによって達成される。置換が導入された後、変異体を生物活性についてスクリーニングする。
【0083】
【表2】
【0084】
或いは、保存的置換を作製するための同様のアミノ酸は、側鎖の同一性に基づいて3つのカテゴリーにグループ化することができる。Zubay、G., Biochemistry、第3版、Wm.C.Brown Publishers(1993)に記載されているように、第1の群は、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジンを含み、これらは、全て荷電した側鎖を有し;第2の群は、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、グルタミン、アスパラギンを含み;及び第3の群は、ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニンを含む。
【0085】
従って、ADHポリペプチドにおける予測される非必須アミノ酸残基は、典型的には同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基で置換される。或いは、飽和突然変異誘発などにより、突然変異をADHコード配列の全部、又は一部に沿ってランダムに導入することができ、生じる突然変異体を親ポリペプチドの活性についてスクリーニングして、その活性を保持する突然変異体を同定することができる。コード配列の突然変異誘発に続いて、コードされるペプチドを組換えで発現させることができ、またペプチドの活性を決定することができる。「非必須」アミノ酸残基は、その活性の1つ以上を消滅させることなく、又は実質的に変化させることなく、実施態様ポリペプチドの野生型配列から変化させることができる残基である。適切には、変化は、これらの活性の1つを実質的に変化させず、例えば、活性は、野生型の少なくとも20%、40%、60%、70%、又は80%である。例示的な非必須アミノ酸残基は、図2〜21に示した野生型ADHポリペプチド間で同じ位置において異なるアミノ酸残基の任意の1つ以上を含む。「必須」アミノ酸残基は、参照ADHポリペプチドの野生型配列から変化させたときに、野生型活性の20%未満が存在するように、親分子の活性の消失を生じる残基である。例えば、このような必須なアミノ酸残基は、異なる種にわたってADHポリペプチドにおいて保存されているもの、例えば、種々の細菌供与源からのADHポリペプチドのNADH-結合部位において保存されている
【化3】
を含む。
【0086】
従って、また、本発明の実施態様は、ADHポリペプチド、天然に存在するADHポリペプチド配列の変異体、又はこれらの生物学的に活性な断片を想定し、該変異体は1つ以上のアミノ酸残基の付加、欠失、又は置換によって天然に存在する配列から区別される。一般に、変異体は、例えば配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載したような、親ADHポリペプチド配列に対して少なくとも約30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の類似性を示すであろう。特定の変異体は、例えば配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載したような、親ADHポリペプチド配列に対して少なくとも30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有するであろう。その上、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、又はそれ以上のアミノ酸の付加、欠失、又は置換によって天然、又は親配列と異なるが、親ADHポリペプチドの特性を保持する配列も想定される。
【0087】
一部の実施態様において、変異体ポリペプチドは、少なくとも1つ、しかし50、40、30、20、15、10、8、6、5、4、3、又は2未満のアミノ酸残基(群)までで参照ADH配列と異なる。その他の実施態様において、変異体ポリペプチドは、少なくとも1%、しかし20%未満、15%、10%、又は5%未満の残基が配列番号:2、4、6、8、10、及び12の対応する配列と異なる。(この比較が整列を必要とする場合、配列は、最大類似性のために整列させるべきである。欠失、若しくは挿入、又はミスマッチからの「ループ(looped)」アウト配列は、異なるとみなされる)相違は、適切には、非必須残基、若しくは保存的置換における相違、又は変化である。
【0088】
特定の実施態様において、変異体ポリペプチドは、例えば、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたようなADHポリペプチドの対応する配列に対して少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又はそれ以上の類似性を有し、かつADHポリペプチドの活性を有するアミノ酸配列を含む。
【0089】
配列間の配列類似性、又は配列同一性(本用語が、本明細書に交換可能に使われる)の算出は、以下の通りに行われる。
【0090】
2つのアミノ酸配列の、又は2つの核酸配列のパーセント同一性を決定するためには、配列を最適な比較目的のために整列させる(例えば、ギャップを最適な整列のために第一、及び第二のアミノ酸、又は核酸配列の一方、又は両方に導入することができ、非相同的配列は、比較目的のために無視することができる)。特定の実施態様において、比較目的のために整列させる参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは、少なくとも50%、60%、及びより好ましくは少なくとも70%、80%、90%、100%である。次いで、対応するアミノ酸位置、又はヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基、又はヌクレオチドを比較する。次いで、第1の配列における位置が第2の配列における対応する位置と同じアミノ酸残基、又はヌクレオチドによって占められているとき、分子はその位置において同一である。
【0091】
2つの配列間のパーセント同一性は、2つの配列の最適の整列のために導入される必要があるギャップの数、及びそれぞれのギャップの長さを考慮して、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。
【0092】
2つの配列間の配列の比較、及びパーセント同一性の決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。好ましい実施態様において、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comにて入手できる)のギャッププログラムに組み込まれたNeedleman、及びWunsch(1970、J. Mol. Biol. 48:444-453)アルゴリズムを使用して、Blossum 62マトリックス、又はPAM250マトリックスのいずれか、並びに16、14、12、10、8、6、又は4のギャップウエイト、及び1、2、3、4、5、又は6のレングスウエイトを使用して決定される。更に別の好ましい実施態様において、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comにて利用できる)のGAPプログラムを使用して、NWSgapdna.CMPマトリックス、並びに40、50、60、70、又は80のギャップウエイト、及び1、2、3、4、5、又は6のレングスウエイトを使用して決定される。特に好ましいパラメーターのセット(及び特に明記しない限り使用されるべきであるもの)は、12のギャップレングスペナルティー、4のギャップエクテンドペナルティー、及び5のフレームシフトギャップペナルティーを用いるBlossum 62スコアリングマトリックスである。
【0093】
2つのアミノ酸、又はヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE. Meyers、及びW. Miller(1989、Cabios、4:11-17)のアルゴリズムを使用して、PAM120ウエイト残基表、12のギャップレングスペナルティー、及び4のギャップペナルティーを使用して、決定することができる。
【0094】
本明細書に記述した核酸、及びタンパク質配列を「問い合わせ配列」として使用して、パブリックデータベースに対して検索を行い、例えばその他のファミリーメンバー、又は関連配列を同定することができる。このような検索は、Altschulらの文献(1990、J. Mol. Biol、215:403-10)のNBLAST、及びXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して行うことができる。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア= 100、語長= 12で行って、本発明の53010の核酸分子に相同的なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索を、XBLASTプログラム、スコア= 50、語長= 3で行って、本発明の53010のタンパク質分子に相同的なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的のためのギャップがある整列を得るために、Gapped BLASTを、Altschulらの文献(1997、Nucleic Acids Res、25:3389-3402)に記載されているように利用することができる。BLAST、及びGapped BLASTプログラムを利用するときに、それぞれのプログラム(例えば、XBLAST、及びNBLAST)のデフォルトパラメーターを使用することができる。
【0095】
ADHポリペプチドの変異体は、ADHポリペプチドの突然変異体、例えば切断突然変異体のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって同定することができる。ADHタンパク質コード配列のライブラリー、又は断片、例えばN末端、C末端、又は内部断片を使用して、ADHポリペプチドの変異体のスクリーニング、及びその後の選択のための断片の異型集団を産生することができる。
【0096】
点突然変異、又は切断によって作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするための、及び選択された特性を有する遺伝子産物についてcDNAライブラリーをスクリーニングするための方法は、当該技術分野において公知である。このような方法は、ADHポリペプチドのコンビナトリアル突然変異誘発によって産生した遺伝子ライブラリーのラピッドスクリーニングのために適応することができる。
【0097】
本出願のADHポリペプチドは、組換え技術によるなどの当業者に公知の任意の適切な手順によって調製してもよい。例えば、ADHポリペプチドは、次の工程を含む手順によって調製してもよい:(a)ADH ポリペプチドをコードし、かつ調節エレメントに作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列を含む構築物を調製すること;(b)構築物を宿主細胞に導入すること;(c)宿主細胞を培養してADHポリペプチドを発現させること;及び(d)宿主細胞からADHポリペプチドを単離すること。実例において、ヌクレオチド配列は、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載された配列、又はその変異体の生物学的に活性な部分を少なくともコードする。組換えADHポリペプチドは、例えばSambrookらの文献(1989、上記)、特に16、及び17節;Ausubelらの文献(1994、上記)、特に10、及び16章;並びにColiganらの文献、タンパク質化学の現在のプロトコル(John Wiley & Sons, Inc. 1995-1997)、特に1、5、及び6章に記述されたような標準的なプロトコルを使用して都合よく調製することができる。
【0098】
本出願のADHポリペプチドをコードする例示的なヌクレオチド配列は、全長ADH遺伝子、並びにADH遺伝子、若しくはこれらの転写物、若しくはこれらの転写物のDNAコピーの全長、又は実質的に全長ヌクレオチド配列の一部を包含する。ADHヌクレオチド配列の一部は、天然のポリペプチドの生物活性を保持するポリペプチド部分、又はセグメントをコードしてもよい。ADHポリペプチドの生物学的に活性な断片をコードするADHヌクレオチド配列の一部は、少なくとも約20、21、22、23、24、25、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、300、又は400個の隣接するアミノ酸残基、又は全長ADHポリペプチドに存在するほぼ総数のアミノ酸をコードしてもよい。
【0099】
また、本発明は、ADHヌクレオチド配列の変異体を想定する。核酸変異体は、対立形質変異体(同じ座位)、相同体(異なる座位)、及び相同分子種(異なる生物体)などの天然に存在することができ、又は天然に存在しないことができる。これらなどの天然に存在する変異体は、例えば、当技術分野において公知のとおりのポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、及びハイブリダイゼーション技術などの周知の分子生物学技術を使用して同定することができる。天然に存在しない変異体は、ポリヌクレオチド、細胞、又は生物体に適用されるものを含む突然変異誘発技術によって作製することができる。変異体は、ヌクレオチド置換、欠失、逆転、及び挿入を含むことができる。変異は、コード領域、及び非コード領域のいずれか、又は両方に生じることができる。変異は、(コードされた産物において比較すると)保存的、及び非保存的アミノ酸置換を生じることができる。ヌクレオチド配列については、保存的変異体は、遺伝暗号の縮重のため、参照ADHポリペプチドのアミノ酸配列をコードする配列を含む。また、変異体ヌクレオチド配列は、例えば、部位特異的突然変異を使用して産生され、しかし、なおもADHポリペプチドをコードするものなどの合成に由来したヌクレオチド配列を含む。一般に、特定のADHヌクレオチド配列の変異体は、デフォルトパラメーターを使用して本明細書に他に記述した配列整列プログラムによって定まるその特定のヌクレオチド配列に対して、少なくとも約30%、40% 50%、55%、60%、65%、70%、一般に少なくとも約75%、80%、85%、望ましくは約90%〜95%以上、及びより適切には約98%以上の配列同一性を有するだろう。
【0100】
ADHヌクレオチド配列を使用して、その他の生物体、特にその他の微生物から対応する配列、及び対立遺伝子を単離することができる。方法は、核酸配列のハイブリダイゼーションのための技術分野において容易に利用できる。その他の生物体からのコード配列は、本明細書に記載したコード配列とのこれらの配列の同一性に基づいて、周知の技術に従って単離してもよい。これらの技術において、公知のコード配列の全部、又は一部を、選ばれた生物体(例えば、ヘビ)からのクローン化されたゲノムのDNA断片、又はcDNA断片の集団(すなわちゲノム、又はcDNAライブラリー)に存在するその他のADH-コード配列に選択的にハイブリダイズするプローブとして使用される。従って、本発明は、また、下記に記述したストリンジェンシー条件下で、参照ADHヌクレオチド配列に、又はこれらの相補物にハイブリダイズするポリヌクレオチドを想定する。本明細書に使用される、「低ストリンジェンシー、中間ストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、又は非常に高ストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズする」という用語は、ハイブリダイゼーション、及び洗浄のための条件を記述する。ハイブリダイゼーション反応を行うためのガイダンスは、Ausubelらの文献(1998、上記)において見つけることができる。水性、及び非水性の方法がその参照文献に記述されており、いずれを使用することもできる。低ストリンジェンシー条件に対する本明細書における言及には、42℃におけるハイブリダイゼーションについて、少なくとも約1%v/v〜少なくとも約15%v/vのホルムアミド、及び少なくとも約1M〜少なくとも約2Mの塩、並びに42℃における洗浄について、少なくとも約1M〜少なくとも約2Mの塩を含み、かつ包含する。また、低ストリンジェンシー条件は、65℃におけるハイブリダイゼーションについて、1% ウシ血清アルブミン(BSA)、1mM EDTA、0.5M NaHPO4(pH 7.2)、7% SDS、及び室温での洗浄について、(i)2×SSC、0.1% SDS;又は(ii)0.5% BSA、1mM EDTA、40mM NaHPO4(pH 7.2)、5% SDSを含んでいてもよい。低ストリンジェンシー条件の1つの実施態様には、少なくとも約45℃における6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)におけるハイブリダイゼーション、続く少なくとも50℃における0.2×SSC、0.1% SDSにおける2回の洗浄を含む(洗浄液の温度は、低ストリンジェンシー条件について、55℃に増加することができる)。中間ストリンジェンシー条件は、42℃におけるハイブリダイゼーションについて、少なくとも約16%v/v〜少なくとも約30%v/vホルムアミド、及び少なくとも約0.5M〜少なくとも約0.9Mの塩、並びに55℃における洗浄について、少なくとも約0.1M〜少なくとも約0.2Mの塩を含み、かつ包含する。また、中間ストリンジェンシー条件は、65℃におけるハイブリダイゼーションについて1% ウシ血清アルブミン(BSA)、1mM EDTA、0.5M NaHPO4(pH 7.2)、7% SDS、及び60〜65℃における洗浄について、(i)2×SSC、0.1% SDS;又は(ii)0.5% BSA、1mM EDTA、40mM NaHPO4(pH 7.2)、5% SDSを含んでいてもよい。中間ストリンジェンシー条件の1つの実施態様は、約45℃において6×SSC中でハイブリダイズすること、続いて60℃における0.2×SSC、0.1% SDS中での1回以上の洗浄を含む。高ストリンジェンシー条件は、42℃におけるハイブリダイゼーションについて、少なくとも約31%v/v〜少なくとも約50%v/vホルムアミド、及び約0.01M〜約0.15Mの塩、並びに55℃における洗浄について、約0.01M〜約0.02Mの塩を含み、かつ包含する。また、高ストリンジェンシー条件は、65℃におけるハイブリダイゼーションについて、1% BSA、1mM EDTA、0.5M NaHPO4(pH 7.2)、7% SDS、及び65℃を上回る温度における洗浄について、(i)0.2×SSC、0.1% SDS;又は(ii)0.5% BSA、1mM EDTA、40mM NaHPO4(pH 7.2)、1% SDSを含んでいてもよい。高ストリンジェンシー条件の1つの実施態様は、約45℃において6×SSC中でハイブリダイズすること、続いて65℃における0.2×SSC、0.1% SDS中の1回以上の洗浄を含む。
【0101】
特定の実施態様において、ADHポリペプチドは、非常に高ストリンジェンシー条件下で開示されたヌクレオチド配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる。非常に高ストリンジェンシー条件の1つの実施態様は、65℃において0.5Mのリン酸ナトリウム、7% SDS中でハイブリダイズすること、続く65℃における0.2×SSC、1% SDS中の1回以上の洗浄を含む。
【0102】
その他のストリンジェンシー条件は、当該技術分野において周知であり、当業者であれば、種々の要因を、ハイブリダイゼーションの特異性を最適化するために操作することができることを認識するであろう。最終洗浄のストリンジェンシーの最適化を行って高度なハイブリダイゼーションを保証することができる。詳細な例については、Ausubelらの文献、上記、2.10.1〜2.10.16ページ、及びSambrookらの文献(1989、上記)1.101〜1.104節を参照されたい。
【0103】
ストリンジェントな洗浄は、典型的には約42℃〜68℃の温度にて実施されるが、当業者であれば、そのその他の温度もストリンジェント条件のために適し得ることを認識するであろう。最大ハイブリダイゼーション率は、典型的にはDNA-DNAハイブリッドの形成について、約20℃〜25℃低いTmにて生じる。Tmは、融解温度、又は2つの相補ポリヌクレオチド配列が分離する温度であることは、当該技術分野において周知である。Tmを見積もるための方法は、当該技術分野において周知である(Ausubelらの文献、上記、2.10.8ページを参照されたい)。一般に、完全にマッチしたDNAの二重鎖のTmは、式:
Tm = 81.5 + 16.6(log10 M)+ 0.41(%G+C)-0.63(%ホルムアミド)-(600/長さ)
(式中:Mは、Na+の濃度で、好ましくは0.01モル〜0.4モルの範囲であり;%G+Cは、塩基の総数の割合としてのグアノシン、及びシトシン塩基の合計で、30%〜75% G+C間の範囲であり;% ホルムアミドは、容積によるパーセントホルムアミド濃度であり;長さは、DNA二重螺旋における塩基対の数である)によって近似値として予測され得る。二重鎖DNAのTmは、ランダムにミスマッチの塩基対の数の1% 増大毎に、およそ1℃ずつ減少する。洗浄は、一般に 高ストリンジェンシーについてTm-15℃にて、又は適度なストリンジェンシーについてTm-30℃にて実施される。
【0104】
ハイブリダイゼーション手順の一例では、固定されたDNAを含む膜(例えば、ニトロセルロース膜、又はナイロン膜)を、標識プローブを含むハイブリダイゼーション緩衝液(50% イオン除去ホルムアミド、5×SSC、5×Denhardt溶液(0.1%フィコール、0.1% ポリビニルピロリドン、及び0.1% ウシ血清アルブミン)、0.1% SDS、及び200mg/mLの変性サケ精子DNA)中で42℃にて一晩ハイブリダイズさせる。次いで、膜を2回連続して中間ストリンジェンシー洗浄(すなわち、45℃において15分間の2×SSC、0.1% SDS、50℃において15分間の2×SSC、0.1% SDS)、続いて2回の連続するより高いストリンジェンシーの洗浄(すなわち、55℃において12分間の0.2×SSC、0.1% SDS続いて65〜68℃において12分間の0.2×SSC、及び0.1% SDS溶液)に供する。
【0105】
また本発明の実施態様には、多糖又はオリゴ糖を適切な単糖又は適切なオリゴ糖に変換するための、ADHキメラタンパク質又は融合タンパク質の使用を含む。本明細書に使用される、ADH「キメラタンパク質」、又は「融合タンパク質」は、非ADHポリペプチドに連結されたADHポリペプチドを含む。「非ADHポリペプチド」は、ADHタンパク質とは異なり、かつ同じか又は異なる生物体に由来するタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。融合タンパク質のADHポリペプチドは、ADHアミノ酸配列の全て、又は一部、例えば本明細書に記述した断片に対応することができる。好ましい実施態様において、ADH融合タンパク質は、ADHタンパク質の少なくとも1つの(又は2つの)生物学的に活性な部分を含む。非ADHポリペプチドは、ADHポリペプチドのN末端、又はC末端に融合することができる。
【0106】
融合タンパク質は、リガンドに対して高親和性を有する部分を含むことができる。例えば、融合タンパク質は、ADH配列がGST配列のC末端に融合されたGST-ADH融合タンパク質であることができる。このような融合タンパク質は、組換えADHポリペプチドの精製を促進することができる。或いは、融合タンパク質は、そのN末端に異種シグナル配列を含むADHタンパク質であることができる。特定の宿主細胞において、ADHタンパク質の発現、及び/又は分泌は、異種シグナル配列を使用することにより増大することができる。
【0107】
特定の実施態様において、本発明のADH分子は、微生物系、又は単離された/組換え微生物において使用して、アルギナートなどのバイオマスからの多糖、及びオリゴ糖を、2-ケト-3-デオキシ-D-グルコナート-6-ホスフェート(KDG)などの適切な単糖、又は適切なオリゴ糖に変換してもよく、これを生物燃料などのコモディティケミカルに更に変換してもよい。
【0108】
背景により、大規模な水生農業(aquatic-farming)では、エネルギー作物生産と食用作物生産を置き換えること、森林伐採、及び現在未耕作の土地を再耕作することなく、相当量のバイオマスを生成することができ、海洋、川、及び湖を含む大部分の水圏は、利用されていないままである。一例として、北アメリカ太平洋沿岸は、大規模な水生農業のために必要なミネラルが豊富である。その領域で生きているジャイアントケルプは、地球上で1m/日ほどの速さで成長し、植物の中で最も速く、50mまで成長する。加えて、水生農業は、赤潮大発生の予防、及び魚にフレンドリーな環境の創造を含むその他の利益を有する。
【0109】
リグノセルロースのバイオマスとは対照的に、水生バイオマスは、分解するのが容易である。水生バイオマスは、リグニンを欠いており、かつリグノセルロースのバイオマスよりも著しく壊れやすく、従って、酵素、又は化学触媒(例えば、フォルマート)のいずれを使用しても容易に分解することができる。海藻は、リグノセルロース(グルコース:24.1〜39%、マンノース:0.2〜4.6%、ガラクトース:0.5〜2.4%、キシロース:0.4〜22.1%、アラビノース1.5〜2.8 %、及びウロナート:1.2〜20.7%、並びに総糖含量は、乾燥重量の36.5〜70%に相当する)と比較してかなり単純な主要な糖組成(アルギナート:30%、マンニトール:15%)を有するので、海藻は、酵素、又は化学的触媒作用のいずれを使用しても単糖に容易に変換されるであろう。海草などの水生バイオマスを使用する糖化、及び発酵は、リグノセルロースを使用するよりも非常に容易である。
【0110】
n-アルカンは、例えば、ガソリン、ディーゼル、灯油、及び重油を含む全ての石油製品の主要成分である。微生物系、又は組換え微生物は、例えば、C7〜C20以上の範囲:ガソリン(例えば、自動車)のためにはC7、ディーゼル(例えば、自動車、列車、及び船)のためにはC10〜C15、並びに灯油(例えば、航空、及び船)のためには、及び全ての重油のためにはC8〜C16である異なる炭素長をもつn-アルカンを産生するために使用してもよい。
【0111】
また、中級、及び環状アルコールは、ガソリン、及びディーゼルに置き換えてもよい。例えば、中級、及び環状アルコールは、より高い酸素含量を有し、一酸化炭素(CO)放出を減少させ、これらは、より高いオクタン価を有し、エンジンノックを低減させ、多くの低級な米国の粗製油産物の品質をアップグレードし、有害な芳香族オクタンエンハンサー(例えば、ベンゼン)を置き換え、ガソリンのものと同等のエネルギー密度を有し、これらの不混和性が有意に米議会(capitol)支出を減少させ、より低い蒸発熱が常温始動のためには好ましく、かつ4-オクタノールは、エタノール、及びブタノールと比較して著しく毒性が少ない。
【0112】
生物燃料などのコモディティケミカルに海洋バイオマスを変換する初期段階として、唯一の炭素源、及びエネルギーとして多糖(例えば、アルギナート)を使用して成長することができる微生物系、又は組換え微生物を使用してもよい。単に説明のみとして、およそ50パーセントの海藻乾燥重量は、種々の糖組成を含み、その中で、アルギナート、及びマンニトールは、それぞれ30、及び15パーセントの海藻乾燥重量に対応する主成分である。大腸菌などの微生物は、一般に、合成生物学において宿主生物体であると考えられるが、またこのような微生物は、マンニトールを代謝することができるが、これらは、アルギナートを分解し、及び代謝する能力を完全に欠いている。本願の実施態様は、(炭素源、及びエネルギーとしてアルギナートなどの多糖を使用することができる、微生物が本願のADH分子を含む大腸菌などの微生物を含む。
【0113】
アルギナート(水生、又は海洋球体バイオマスの主要成分)を分解するか、若しくは脱重合すること、及び炭素源、及び/又はエネルギーとしてそれを使用することができる微生物系は、微生物系に水生、又は海洋バイオマス分解酵素(例えば、アルギナートリアーゼ(ALs)などの多糖を分解し、又は脱重合する酵素)のセットを組み込んでもよい。単に説明のみとして、アルギナートは、β-D-マンヌロナート(M)、及びα-D-グルロナート(G)(M、及びGは、C5-カルボキシル基に関してエピマーである)のブロック共重合体である。それぞれのアルギナートの重合体は、全てM(ポリM)、全てG(ポリG)、及び/又はM、及びG(ポリMG)の混合物の領域を含む。ALsは、これらの触媒作用に応じて、主に2つの特有のサブファミリー:エンド作用(EC 4.2.2.3)、及びエキソ作用(EC 4.2.2.-)ALsに分類されている。エンド作用ALsは、これらの触媒特異性に基づいて更に分類されている;M特異的、及びG特異的ALs。エンド作用ALsは、β-除去メカニズムを介してランダムにアルギナートを切断し、アルギナートを主に二糖、三糖、及び四糖に脱重合する。それぞれのオリゴ糖の非還元末端におけるウロナートは、不飽和糖ウロナートである4-デオキシ-L-エリスロ-ヘキシ-4-エンピラノシルウロナートに変換される。エキソ作用ALsは、これらのオリゴ糖のさらなる脱重合を触媒して、不飽和単糖を放出し、これが、非酵素的に、ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソセルロースウロナート(DEHU)を含む単糖に変換され得る。微生物系、又は単離された微生物の特定の実施態様は、アルギナートなどの水生、又は海洋バイオマス多糖体をDEHUなどの単糖に分解し、又は脱重合するために、エンドM-、エンドG-、及びエキソ-作用ALsを含んでいてもよい。
【0114】
アルギナートリアーゼは、サイトゾルにおいてアルギナートを単糖(例えば、DEGU)に脱重合し得るし、又は培地において分泌してアルギナートを脱重合し得る。アルギナートが培地において脱重合されるときに、特定の実施態様は、炭素源、及びエネルギーとしてこれらの単糖を効率的に利用するために、培地からサイトゾルへ単糖(例えば、DEHU)を輸送することができる微生物系、又は単離された微生物を含んでいてもよい。単に一例として、DEHUパーミアーゼなどの単糖パーミアーゼをコードする遺伝子は、炭素源、及びエネルギーとしてアルギナートなどの多糖で成長する細菌から単離してもよく、かつ本微生物系、又は単離された微生物の実施態様に組み込んでもよい。さらなる例として、実施態様は、また、単糖(例えば、DEHU)輸送のために特異的に変化させた、再設計された天然のパーミアーゼを含んでいてもよい。
【0115】
微生物系、又は単離された微生物の特定の実施態様は、本明細書に開示したように、ADHポリペプチド、又はその変異体をコードする遺伝子を組み込んでいてもよく、微生物系、又は微生物は、炭素源、及びエネルギーとしてアルギナートなどの多糖で成長させてもよい。特定の実施態様は、DEHUデヒドロゲナーゼ活性を有するADHポリペプチドなどのADHポリペプチドを含む微生物系、又は単離された微生物を含み、DEHUなどの種々の単糖は、2-ケト-3-デオキシ-D-グルコナート-6-ホスフェート(KDG)、又はD-マンニトールなどの生物燃料生合成のために適した単糖に還元させてもよい。
【0116】
その他の実施態様において、アルギナートなどの水生、又は海洋バイオマス多糖は、酸などの化学触媒を使用して化学的に分解してもよい。単に説明のみとして、化学触媒によって触媒される反応は、酵素触媒によって触媒されるβ-除去よりもむしろ加水分解である。酸触媒は、加水分解を介してグリコシド結合を切断し、オリゴ糖を放出して、これらのオリゴ糖を不飽和の単糖に更に脱重合し、これがたいていD-マンヌロナートに変換される。特定の実施態様は、強力な鉱酸と共にアルギナートを沸騰することを含み、これにより、D-マンヌロナートから二酸化炭素を遊離して多くの微生物によって使用される共通の糖であるD-リキソースを形成し得る。特定の実施態様は、例えば、ホルマート、塩酸、硫酸、及び化学触媒として当該技術分野において公知のその他の適切な酸を使用してもよい。
【0117】
特定の実施態様は、水生、若しくは海洋バイオマスに関連した多糖と共に使用するために適した化学物質触媒作用の改善され、又は再設計された方法を含む、本明細書に記述したか、又は当業者に公知のものに類似する化学物質触媒作用のバリエーションを使用してもよい。特定の実施態様は、生じる単糖ウロナートは、D-マンヌロナートであるものを含む。
【0118】
本発明の特定の実施態様に従った微生物系、又は単離された微生物は、また、培地から微生物系への単糖(例えば、D-マンヌロナート、及びD-リキソース)の輸送を触媒するパーミアーゼを含んでいてもよい。単なる例として、本明細書に記述したように、土壌アエロモナス属のD-マンヌロナートのパーミアーゼをコードする遺伝子を微生物系に組み込んでもよい。
【0119】
1つの代わりの例として、微生物系、又は微生物は、D-マンヌロナート、及びD-リキソース輸送のためのなどの、効率的な単糖輸送のために、それらの特異性を変化させるように再設計された天然のパーミアーゼ/輸送体を含んでいてもよい。例えば、大腸菌は、D-マンヌロナート、及びD-リキソースなどの単糖、又は糖を輸送することができるいくつかのパーミアーゼを含み、2-ケト-3-デオキシ-D-グルコナート(KDG)輸送体のためのKdgT、D-ガラクツロナート、及びD-グルクロナート輸送体などのアルドヘキシウロナートのためのExuT、グルコナート/フルクツロナート輸送体のためのGntPTU、グルクロニド輸送体のためのuidB、L-フコース輸送体のためのfucP、ガラクトース輸送体のためのgalP、グリコラート輸送体のためのyghK、D-ガラクトナート輸送体のためのdgoT、ヘキソースリン酸輸送体のためのuhpT、オロタート/シトラート輸送体のためのdctA、グルコナート輸送体のためのgntUT、マルトース輸送体のためのmalEGF:D-アロース輸送体のためのalsABC、L-イドナート(idonate)/Dグルコナート輸送体のためのidnT、プロトンで駆動されるα-ケトグルタラート輸送体のためのKgtP、乳糖/ガラクトース輸送体のためのlacY、D-キシロース輸送体のためのxylEFGH、L-アラビノース輸送体のためのaraEFGH、及びD-リボース輸送体のためのrbsABCを含む。特定の実施態様において、微生物系、又は単離された微生物は、D-マンヌロナート、又はD-リキソースなどの特定の単糖を輸送するために再設計されている上記のとおりのパーミアーゼを含んでいてもよい。
【0120】
特定の実施態様において、微生物系、又は単離された微生物は、炭素源、及びエネルギーとしてD-マンヌロナート若しくはD-リキソースなどの単糖で効率的に成長する微生物系、又は単離された微生物を含んでいてもよく、D-マンヌラートデヒドロゲナーゼ活性を有するADHポリペプチドを含む本願のADH分子を含む微生物系、又は微生物を含んでいてもよい。
【0121】
特定の実施態様は、DEHU、D-マンヌロナート、及びD-キシルロースなどの単糖をKDGなどの生物燃料生合成経路のために適した単糖へ変換するための効率が増強された微生物系、又は単離された微生物を含んでいてもよい。単に説明のみとして、D-マンヌロナート、及びD-キシルロースは、大腸菌などの微生物における代謝産物である。D-マンヌロナートは、KDGにD-マンヌロナートデヒドラターゼによって変換される。D-キシルロースは、ペントースリン酸経路に入る。特定の実施態様において、D-マンヌロナートデヒドラターゼ(uxuA)は、過剰発現されてもよい。その他の実施態様において、kgdK、nad、及びkdgAなどの適切な遺伝子も同様に過剰発現してもよい。
【0122】
また、本発明の特定の実施態様は、多糖を微生物系と接触させることを含む多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための方法であって、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチドを含み、該ADHポリヌクレオチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有するADHポリペプチドをコードする、前記方法を含んでいてもよい。
【0123】
さらなる実施態様は、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、D-マンヌロナートを微生物系と接触することを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチドを含む、前記方法を含む。
【0124】
さらなる実施態様は、(DEHU)の還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを微生物系と接触することを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリヌクレオチドを含む、前記方法を含む。
【0125】
さらなる実施態様は、単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを含み、また該単離されたポリヌクレオチドは、発現制御領域に作動可能に連結されているこのようなベクターを含んでいてもよく、かつ該ポリヌクレオチドは、アルコールデヒドロゲナーゼ活性、DEHUヒドロゲナーゼ活性、及び/又はD-マンヌロナートヒドロゲナーゼ活性などのヒドロゲナーゼ活性を有するADHポリペプチドをコードする。
【0126】
さらなる実施態様は、適切な単糖、又はオリゴ糖に多糖を変換するための方法であって、多糖を微生物系と接触させることを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリペプチドを含む、前記方法を含む。
【0127】
さらなる実施態様は、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、D-マンヌロナートを微生物系と接触することを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリペプチドを含む、前記方法を含む。
【0128】
さらなる実施態様は、ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)の還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを微生物系と接触することを含み、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、本開示に従ったADHポリペプチドを含む。
【0129】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド
から選択される単離されたポリヌクレオチドを含む、前記微生物系を含む。
【0130】
さらなる実施態様は、多糖を適切な単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系は、微生物を含み、かつ該微生物は、
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択される単離されたポリペプチドを含む、前記微生物系を含む。
【0131】
特定の実施態様において、微生物系は、組換え微生物であって、該組換え微生物が本明細書に記述したとおりのベクター、ポリヌクレオチド、及び/又はポリペプチドを含む、前記組換え微生物を含む。その迅速な増殖速度、十分に理解された遺伝学、利用できる遺伝的なツールの多様性、及び異種タンパク質を産生する際のその能力が得られたならば、遺伝子改変された大腸菌は、アルギナートなどの多糖体の分解のため、又は生物燃料の形成、若しくは生合成のためであるかにかかわらず、本明細書に記述したような微生物系の特定の実施態様に使用できる。その他の微生物を、部分的には宿主生物に対する酵素、及び代謝産物の適合性に基づいて、本記述に従って使用してもよい。例えば、以下などのその他の微生物を、本発明に従って利用してもよい:アセトバクター・アセチ、アクロモバクター、アシジフィリウム属、アシネトバクター属、アクチノマデュラ属、アクチノプラネス属、超好熱性古細菌、アグロバクテリウム属、アルカリゲネス属、パインアップル(M)、アルトロバクター属、クロコウジカビ、コウジカビ、アスペルギルス・メレウス、アスペルギルス・プルベルレンツス、アスペルギルス・サイトイ、ショウユコウジカビ、アスペルギルス・ウサミ、バチルス・アルカロフィラス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・ブレビス、バチルス・サーキュランス、バチルス・クラウシイ、バチルス・レンタス、バチルス・リケニホルミス、バチルス‐マセランス、バチルス・ステアロサーモフィルス、枯草菌、ビフィドバクテリウム属、ブレビバチルス・ブレビス、バークホルデリア・セパシア、カンジダ・シリンドラセア、カンジダ・ルゴサ、パパイヤ(L)、セルロシミクロビウム属、セファロスポリウム属、ケトミウム・エラチカム、ケトミウム・グラシエ、クロストリジウム属、酪酸菌、クロストリジウム・アセトブチリクム、クロストリジウム・サーモセラム、コリネバクテリウム属(グルタミカム)、コリネバクテリウム・エフィシエンス、大腸菌、エンテロコッカス、黒脚病菌、グルコノバクター属、グルコンアセトバクター属、ハロアーキュラ属、フミコラ・インソレンス、フミコラ・ンソレンス、キタサトスポラ・セタエ、クレブシエラ属、クレブシエラ・オキシトーカ、クリベロマイセス属、クリベロマイセス・フラジリス、クリベロマイセス・ラクチス、コクリア属、ラクトラクティス、乳酸桿菌属、発酵乳酸桿菌、ラクトバシラス・サケ、ラクトコッカス属、ラクトコッカス・ラクティス、ロイコノストック属、メチロシスチス属、メタノロブス・シシリアエ、メタノゲニウム・オルガノフィラム、メタノバクテリウム・ブライアンティイ、ミクロバクテリウム・インペリアレ、ミクロコッカス・リソディクティカス、ミクロルナタス属、ムコール・ジャバニカス、マイコバクテリウム属、ミロセシウム属、硝酸菌属、ニトロソモナス属、ノカルジア属、パパイヤ、ペディオコッカス属、醤油乳酸菌、ペニシリウム属、ペニシリウム・カマンベルティ、ペニシリウム・シトリヌム、ペニシリウム・エメルソニィ、ペニシリウム・ロックフォルティ、ペニシリウム・リラクチナム、ペニシリウム・マルチカラー、パラコッカス・パントトロファス、プロピオニバクテリウム属、シュードモナス属、蛍光菌、シュードモナス・デニトリフィカンス、パイロコッカス属、パイロコッカス・フリオサス、パイロコッカス・ホリコシイ、根粒菌属、リゾムコール・マイハイ、リゾムコール・プシルス・リント、リゾプス属、リゾプス・デレマー、リゾプス・ジャポニカス、リゾプス・ニベウス、リゾプス・オリゼ、リゾプス・オリゴスポラス、ロドコッカス属、サッカロマイセス・セレビシエ、スクレロチナ・リベルチナ、スフィンゴバクテリウム・マルチボラム、スフィンゴビウム属、スフィンゴモナス属、連鎖球菌属、ストレプトコッカス・サーモフィルスY-1、ストレプトマイセス属、ストレプトマイセス・グリセウス、ストレプトマイセス・リビダンス、ストレプトマイセス・ムリヌス、ストレプトマイセス・ルビギノーサス、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー、ストレプトベルティシリウム・モバラエンス、テトラジェノコッカス属、サームス属、チオスファエラ・パントトロファ、ホウロクタケ属、トリコデルマ属、トリコデルマ・ロンギブラキアータム、トリコデルマ・レッセイ、トリコデルマ・ビリデ、トリコスポロン・ペニシラタム、ビブリオ・アルギノリチカス、ザントモナス属、酵母、ジゴサッカロマイセス・ロキシー、ザイモモナス属、及びザイモモナス・モビリス等。
【0132】
本発明が容易に理解され、実用的に実行に移されるように、特定の好ましい実施態様をここで非限定の実施例によって記述する。
【実施例】
【0133】
実施例1
アルコールデヒドロゲナーゼのクローニング
全ての化学物質、及び酵素は、それぞれ、特に明記しない限り、Sigma-Aldrich社、及びNew England Biolabs社から購入した。マンニトール1-デヒドロゲナーゼ(MTDH)は、DEHUヒドロゲナーゼと同様の反応を触媒するので、プライマーは、オランダミツバ(Apium graveolens)、及びシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)に由来するアミノ酸配列MTDHsを使用してデザインした。問い合わせとしてこれらのプライマーを使用して(表1を参照されたい)、均一な遺伝子配列を、アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)C58のゲノム配列において検索した。亜鉛依存的アルコールデヒドロゲナーゼをコードするおよそ16の遺伝子が見いだされた。これらの遺伝子の中で、高いE値をもつトップ10の遺伝子配列をPCRによって増幅した:98℃10秒間、55℃15秒間、及び72℃60秒間を30回繰り返した。反応混合物は、100マイクロリットルの総容積で、1×Phusion緩衝液、2mM dNTP、0.5μMフォワード、及びリバースのプライマー(表1に収載した)、2.5U Phusion DNAポリメラーゼ(Finezyme)、及び鋳型としてアグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)C58細胞の一定分量を含んだ。ADH1、及びADH4は、内部にNdeI部位を有し、また、ADH3は、BamHI部位を有したので、これらの遺伝子は、上記のPCRプロトコルを使用してオーバーラップPCR法を使用して増幅した。フォワード
【化4】
、及びリバース
【化5】
プライマーをADH1からNdeI部位を欠失させるために使用した。フォワード
【化6】
、及びリバース
【化7】
プライマーをADH3からBamHI部位を欠失させるために使用した。フォワード
【化8】
、及びリバース
【化9】
プライマーをADH4からNdeI部位を欠失させるために使用した。これらの増幅された断片をNdeI、及びBamHIで消化して、T4 DNAリガーゼを使用して同じ酵素で事前に消化したpET29に連結し、10個の異なるプラスミドpETADH1〜pETADH10を形成した。構築されたプラスミドをシーケンスし(Elim Biopharmaceuticals)、これらの挿入物のDNA配列を確認した。
【0134】
全てのプラスミドを大腸菌株BL21(DE3)に形質転換した。それぞれのアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)遺伝子を含むBL21(DE3)の単一のコロニーを、50μg/mlのカナマイシン(Km50)を含む50mlのLB培地に播種した。これらの株は、37℃にて200rpmで軌道シェーカーにおいて培養した。OD600nmが0.6に達したときに、0.2mMのIPTGをそれぞれの培養に添加し、誘導した培養を20℃にて200rpmで軌道シェーカーにおいて培養した。誘導の24時間後に、4,000rpm×gにて10分間の遠心分離によって細胞を収集し、沈殿を10μlのLysonase(商標) Bioprocessing Reagent(Novagen)を含む2mlのBugbuster(Novagen)に再懸濁した。溶液を10分間、4,000rpm×gにて再び遠心分離し、上清を得た。
【0135】
【表3】
【0136】
実施例2
アルコールデヒドロゲナーゼの特性付け
(アグロバクテリウム・チュメファシエンスC58由来のオリゴアルギナートリアーゼAtu3025の調製)pETAtu3025は、pET29プラスミドバックボーン(Novagen)に基づいて構築した。オリゴアルギナートリアーゼAtu3025は、PCRによって増幅した:98℃10秒間、55℃15秒間、及び72℃60秒間、30回繰り返した。反応混合物は、1×Phusion緩衝液、2mM dNTP、0.5μM フォワードプライマー
【化10】
、及びリバース
【化11】
プライマー、2.5 U Phusion DNAポリメラーゼ(Finezyme)、及び鋳型として一定分量のアグロバクテリウム・チュメファシエンスC58(Eugene Nester教授、University of Washingtonからの贈呈)細胞を100μlの総容積で含んだ。増幅した断片をNdeI、及びBamHIで消化して、同じ酵素であらかじめ消化したpET29にT4DNAリガーゼを使用して連結し、pETAtu3025を形成した。構築したプラスミドをシーケンスして(Elim Biopharmaceuticals)、挿入物のDNA配列を確認した。
【0137】
pETAtu3025を大腸菌株BL21(DE3)に形質転換した。pETAtu3025を含むBL21(DE3)の単一コロニーを、50μg/mlのカナマイシン(Km50)を含む50mlのLB培地に播種した。この株を37℃にて200rpmで軌道シェーカーにおいて培養した。OD600nmが0.6に達したときに、0.2mMのIPTGを培養に添加し、誘導した培養を20℃にて200rpmで軌道シェーカーにおいて培養した。誘導の24時間後に, 4,000rpm×gにて10分間の遠心分離によって細胞を収集し、沈殿を、10μlのLysonase(商標) Bioprocessing Reagent(Novagen)を含む2mlのBugbuster(Novagen)に再懸濁した。溶液を10分間、4,000rpm×gにて再び遠心分離し、上清を得た。
【0138】
(〜2%DEHU溶液の調製)DEHU溶液は、酵素的に調製した。2%アルギナート溶液は、500mlの20mM Tris-HCl(pH7.5)溶液に10gの低粘性アルギナートを添加することによって調製した。およそ10mgのフラボバクテリウム属(Flavobacterium)由来のアルギナートリアーゼ(Sigma-aldrichから購入した)をアルギナート溶液に添加した。次いで、250mlのこの溶液を別の瓶へ移し、上の節で調製したAtu3025を含む大腸菌細胞可溶化物を添加した。アルギナート分解は、室温で一晩実施した。生じた産物は、薄層クロマトグラフィーによって解析し、DEHUの形成を確認した。
【0139】
(D-マンヌロナート溶液の調製)D-マンヌロナート溶液は、Spoehrの文献(Archive of Biochemistry, 14:pp153-155)によって以前に記述されたプロトコルに基づいて、化学的に調製した。50mgアルギナートを800μlの90% ホルマートに溶解した。この溶液を100℃にて一晩インキュベートした。次いでホルマートを蒸発させ、残留する物質を2回無水エタノールで洗浄した。残留する物質を再び無水エタノールに溶解して、濾過した。エタノールを蒸発させ、残留する物質を20mL の20mM Tris-HCl(pH 8.0)に再懸濁し、溶液を濾過してD-マンヌロナート溶液を作製した。このD-マンヌロナート溶液を5倍に希釈し、アッセイのために使用した。
【0140】
(DEHUヒドロゲナーゼのためのアッセイ)DEHUヒドロゲナーゼを同定するために、本発明者らは、NADPH依存的DEHU水素付加アッセイを行った。それぞれのADHを含む20μlの調製した細胞可溶化物を、上の節で調製した160μlの20倍希釈したDEHU溶液に添加した。A.チュメファシエンス(A.tumefaciens)C58の細胞可溶化物を使用する予備研究では、DEHUの水素付加は補因子としてNADPHを必要とすることが示されたので、20μlの2.5mg/ml NADPH溶液(20mM Tris-HCl, pH 8.0)を添加して、水素付加反応を開始した。NADPHの消費は、ThermoMAX 96ウェルプレートリーダー(Molecular Devises)の動力学的モードを使用して、340nmでの吸光度を30分間モニターした。N末端ドメインの一部を欠いているアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)10を含む大腸菌細胞可溶化物を、対照反応混合物において使用した。
【0141】
(D-マンヌロナートヒドロゲナーゼのアッセイ)D-マンヌロナートヒドロゲナーゼを同定するために、本発明者らは、NADPH依存的D-マンヌロナート水素付加アッセイを行った。それぞれのADHを含む20μlの調製した細胞可溶化物を、上の節で調製した160μlのD-マンヌロナート溶液に添加した。20μlの2.5mg/ml NADPH溶液(20mM Tris-HCl, pH 8.0)を添加して、水素付加反応を開始した。NADPHの消費は、ThermoMAX 96ウェルプレートリーダー(Molecular Devises)の動力学的モードを使用して、340nmでの吸光度を30分間モニターした。N末端ドメインの一部を欠いているアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)10を含む大腸菌細胞可溶化物を、対照反応混合物に使用した。
【0142】
結果は、図1、図2、及び図24に示してある。ADH1、及びADH2は、その他のヒドロゲナーゼと比較して、著しく高いDEHU水素付加活性を示した(図1)。加えて、ADH3、ADH4、及びADH9は、その他のヒドロゲナーゼと比較して、著しく高いD-マンヌロナート水素付加活性を示した(図2)。また、ADH11、及びADH20は、有意なDEHU水素付加活性を示す(図23)。
【0143】
実施例3
唯一の炭素源としてアルギナートで成長するように大腸菌の操作
野生型大腸菌は、アルギナート重合体を使用すること、又はその唯一の炭素源として、アルギナートを分解することができない(図4を参照されたい)。しかし、ビブリオ・スプレンディダスは、成長を補助するためにアルギナートを代謝することができることが知られている。その唯一の炭素源として分解されたアルギナートを使用する組換え大腸菌を産生するために、ビブリオ・スプレンディダスのフォスミドライブラリーを大腸菌に構築して、クローン化した。(たとえば、その全体が参照により組み込まれる、関連する米国特許出願第12/245,537号を参照されたい)。
【0144】
ビブリオ・スプレンディダスのフォスミドライブラリーを調製するために、ゲノムDNAは、DNeasy血液、及び組織キット(Qiagen、Valencia Ca)を使用してビブリオ・スプレンディダス B01(Dr. Martin Polz(MIT)からの贈呈)から単離した。次いで、コピー制御フォスミドライブラリー産生キット(Epicentre、Madison、WI)を使用して、フォスミドライブラリーを構築した。このライブラリーは、ベクターpCC1FOS(Epicentre、Madison、WI)に挿入されたおよそ40kbのランダムなゲノムの断片からなった。
【0145】
フォスミドライブラリーをファージにパックして、特定のビブリオ・スプレンディダス遺伝子(V12B01_02425〜V12B01_02480;II型分泌装置をコードする)を有するpDONR221プラスミド(Invitrogen、Carlsbad, CA)を有する大腸菌DH10B細胞を、ファージライブラリーでトランスフェクトした。このセクレトーム領域は、ビブリオ・スプレンディダスに由来するII型分泌装置をコードし、これをpDONR221プラスミドにクローン化して、大腸菌株DH10Bに導入した。
【0146】
形質転換体をクロロアムフェニコール耐性について選択して、次いで、これらが分解されたアルギナートで成長する能力についてスクリーニングした。生じる形質転換体を、分解されたアルギナート培地での成長についてスクリーニングした。分解されたアルギナート培地は、フラボバクテリウム属種(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)からのアルギナートリアーゼと共に2% アルギナート(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)、10mM Na-リン酸緩衝液、50mM KCl、400mM NaClを少なくとも1週間室温にてインキュベートすることによって調製した。この分解されたアルギナートを0.8% 濃度に希釈して、1×M9塩、2mM MgSO4、100μM CaCl2、0.007% ロイシン、0.01% カザミノ酸、1.5% NaClの終濃度を有した成長培地を作製した(これは、ナトリウムの全ての供与源:M9、希釈されたアルギナート、及び添加されたNaClを含む)。
【0147】
この培地上でよく成長した1つのフォスミド含む大腸菌クローンを単離した。このクローンからのフォスミド DNAを、フォスミドMAX DNA精製キット(Epicentre、Madison,WI)を使用して単離して、調製した。この単離されたフォスミドをDH10B細胞内にトランスフェクトして戻して、これらの細胞をアルギナートで成長する能力について試験した。
【0148】
結果は、図22に図示してあり、これは、特定のフォスミド含有大腸菌クローンが唯一の炭素源としてアルギナートで成長することができることを示す。アグロバクテリウム・チュメファシエンスは、正の対照を提供する(ハッチングをかけた丸を参照されたい)。負の対照として、大腸菌DH10B細胞は、アルギナートで成長することができない(正の対照のすぐ左を参照されたい)。
【0149】
また、これらの結果は、このビブリオ・スプレンディダス由来フォスミドクローン内に含まれる配列が、大腸菌に対して唯一の炭素源として分解されたアルギナート成長する能力を与えるのに十分であることを証明する。従って、元のDH10B細胞によって保有される、pDONR221ベクター内に含まれるII型分泌機構配列は、分解されたアルギナートでの成長のために必要ではなかった。
【0150】
唯一の炭素源として成長するアルギナートを与えるために十分な単離されたフォスミドは、Elim Biopharmaceuticals(Hayward、CA)によってシーケンスした。シーケンシングは、ベクターが全長遺伝子V12B01_24189〜V12B01_24249を含んだゲノムDNA切片を含んだことを示した。この配列において、V12B01_24189の前に大きな遺伝子があり、これは、フォスミドクローンでは切断されている。大きな遺伝子V12B01_24184は、自己輸送体に対して類似性をもち、かつヘム利用、又は接着に関与する大きなエキソタンパク質を含むオルソロガスタンパク質のクラスターであるCOG3210に属する推定上のタンパク質である。フォスミドクローンにおいて、V12B01_24184は、N末端で切断され、その結果、最初の5893bpが予測されるオープンリーディングフレームから失われる(これは、全体で22889bpを含むことが予測される)。
【0151】
実施例4
アルギナートからのエタノールの産生
組み換え大腸菌が唯一の炭素源のアルギナートでの成長によりエタノールを産生する能力を試験した。組み換え大腸菌を産生するために、ザイモモナス・モビリスのピルベートデカルボキシラーゼ(pdc)、及び2つのアルコールデヒドロゲナーゼ(adhA、及びadhB)をコードするDNA配列を、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)によって増幅した。Z.モビリスからの例示的なpdc配列については、これらの配列についてのその情報について参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,189,545号を参照されたい。Z.モビリスから例示的なadhA、及びadhB配列については、これらの配列についてのその情報について参照により本明細書に組み入れられるKeshavらの文献、J Bacteriol. 172:2491-2497, 1990を参照されたい。
【0152】
これらの増幅したDNA断片をゲル精製し、もう一回PCRによってスプライスした。最終的に増幅した断片をBamHI、及びXbaIで消化して、同じ制限酵素であらかじめ消化したクローニングベクターpBBR1MCS-2に連結した。その結果得られたプラスミドは、pBBRPdc-AdhA/Bとして言及する。
【0153】
大腸菌を、pBBRPdc-AdhA/B、又はpBBRPdc-AdhA/B + 1.5 Fos(V12B01_24189とV12B01_24249との間のゲノム領域を含むフォスミドクローン;これらの配列は、唯一の炭素源としてアルギナートを使用する能力を大腸菌に与える、実施例3を参照されたい)のいずれかで形質転換し、アルギナートを含むm9培地で培養し、エタノールの産生について試験した。結果を図23に示してあり、pBBRPdc-AdhA/B + 1.5 FOSを有する株は、アルギナートで成長するときに、有意に高いエタノール産生を示したことを証明する。これらの結果は、pBBRPdc-AdhA/B + 1.5 FOSが、エタノール産生において、唯一の炭素源としてアルギナートを利用できたことを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチドであって、デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、前記単離されたヌクレオチド。
【請求項2】
多糖を単糖、又はオリゴ糖に変換するための方法であって、該多糖を組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、請求項1に記載のポリヌクレオチドを含む、前記方法。
【請求項3】
ウロナート、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、ウロナート、D-マンヌロナートを組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、請求項1に記載のポリヌクレオチドを含む、前記方法。
【請求項4】
ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)の還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを組換え微生物と接触することを含み、該組換え微生物は、請求項1に記載のポリヌクレオチドを含む、前記方法。
【請求項5】
請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項6】
前記単離されたポリヌクレオチドが発現制御領域に作動可能に連結されている、請求項5に記載のベクター。
【請求項7】
組換え微生物を含む微生物系であって、該組換え微生物が請求項5に記載のベクターを含む、前記微生物系。
【請求項8】
組換え微生物を含む微生物系であって、該組換え微生物が請求項1に記載のポリヌクレオチドを含み、かつ該ポリヌクレオチドが該組換え微生物のゲノムに組み込まれている、前記微生物系。
【請求項9】
前記単離されたポリヌクレオチドが発現制御領域に作動可能に連結されている、請求項8の微生物系。
【請求項10】
前記微生物がアセトバクター・アセチ(Acetobacter aceti)、アクロモバクター(Achromobacter)、アシジフィリウム属(Acidiphilium)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、アクチノマデュラ属(Actinomadura)、アクチノプラネス属(Actinoplanes)、超好熱性古細菌(Aeropyrum pernix)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、パインアップル(Ananas comosus)(M)、アルトロバクター属(Arthrobacter)、クロコウジカビ(Aspargillus niger)、コウジカビ(Aspargillus oryze)、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)、アスペルギルス・プルベルレンツス(Aspergillus pulverulentus)、アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、ショウユコウジカビ(Aspergillus sojea)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・マセランス(Bacillus macerans)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ブレビバチルス・ブレビス(Brevibacillus brevis)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、カンジダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)、パパイヤ(Carica papaya)(L)、セルロシミクロビウム属(Cellulosimicrobium)、セファロスポリウム属(Cephalosporium)、ケトミウム・エラチカム(Chaetomium erraticum)、ケトミウム・グラシエ(Chaetomium gracile)、クロストリジウム属(Clostridium)、酪酸菌(Clostridium butyricum)、クロストリジウム・アセトブチリクム (Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)(グルタミカム(glutamicum))、コリネバクテリウム・エフィシエンス(Corynebacterium efficiens)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロコッカス(Enterococcus)、黒脚病菌(Erwina chrysanthemi)、グルコノバクター属(Gliconobacter)、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)、ハロアーキュラ属(Haloarcula)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ンソレンス(Humicola nsolens)、キタサトスポラ・セタエ(Kitasatospora setae)、クレブシエラ属(Klebsiella)、クレブシエラ・オキシトーカ(Klebsiella oxytoca)、クリベロマイセス属(Kluyveromyces)、クリベロマイセス・フラジリス(Kluyveromyces fragilis)、クリベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、コクリア属(Kocuria)、ラクトラクティス(Lactlactis)、乳酸桿菌属(Lactobacillus)、発酵乳酸桿菌(Lactobacillus fermentum)、ラクトバシラス・サケ(Lactobacillus sake)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、メチロシスチス属(Methylocystis)、メタノロブス・シシリアエ(Methanolobus siciliae)、メタノゲニウム・オルガノフィラム(Methanogenium organophilum)、メタノバクテリウム・ブライアンティイ(Methanobacterium bryantii)、ミクロバクテリウム・インペリアレ(Microbacterium imperiale)、ミクロコッカス・リソディクティカス(Micrococcus lysodeikticus)、ミクロルナタス属(Microlunatus)、ムコール・ジャバニカス(Mucor javanicus)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、ミロセシウム属(Myrothecium)、硝酸菌属(Nitrobacter)、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)、ノカルジア属(Nocardia)、パパイヤ(Papaya carica)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、醤油乳酸菌(Pediococcus halophilus)、ペニシリウム属(Penicillium)、ペニシリウム・カマンベルティ(Penicillium camemberti)、ペニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)、ペニシリウム・エメルソニィ(Penicillium emersonii)、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)、ペニシリウム・リラクチナム(Penicillium lilactinum)、ペニシリウム・マルチカラー(Penicillium multicolor)、パラコッカス・パントトロファス(Paracoccus pantotrophus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・デニトリフィカンス(Pseudomonas denitrificans)、パイロコッカス属(Pyrococcus)、パイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)、パイロコッカス・ホリコシイ(Pyrococcus horikoshii)、根粒菌属(Rhizobium)、リゾムコール・マイハイ(Rhizomucor miehei)、リゾムコール・プシルス・リント(Rhizomucor pusillus Lindt)、リゾプス属(Rhizopus)、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemar)、リゾプス・ジャポニカス(Rhizopus japonicus)、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oligosporus)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、サッカロマイセス・セレビシエ(Sccharomyces cerevisiae)、スクレロチナ・リベルチナ(Sclerotina libertina)、スフィンゴバクテリウム・マルチボラム(Sphingobacterium multivorum)、スフィンゴビウム属(Sphingobium)、スフィンゴモナス属(Sphingomonas)、連鎖球菌属(Streptococcus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)Y-1、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトマイセス・ムリヌス(Streptomyces murinus)、ストレプトマイセス・ルビギノーサス(Streptomyces rubiginosus)、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)、ストレプトベルティシリウム・モバラエンス(Streptoverticillium mobaraense)、テトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)、サームス属(Thermus)、チオスファエラ・パントトロファ(Thiosphaera pantotropha)、ホウロクタケ属(Trametes)、トリコデルマ属(Trichoderma)、トリコデルマ・ロンギブラキアータム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・レッセイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコスポロン・ペニシラタム(Trichosporon penicillatum)、ビブリオ・アルギノリチカス(Vibrio alginolyticus)、ザントモナス属(Xanthomonas)、酵母、ジゴサッカロマイセス・ロキシー(Zygosaccharomyces rouxii)、ザイモモナス属(Zymomonas)、及びザイモモナス・モビリス(Zymomonus mobilis)から選択される、請求項7、又は請求項8に記載の組換え微生物。
【請求項11】
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択される単離されたポリペプチドであって、デヒドロゲナーゼ活性を有する、前記単離されたポリペプチド。
【請求項12】
多糖を単糖、又はオリゴ糖に変換するための方法であって、該多糖を組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、請求項11に記載のポリペプチドを含む、前記方法。
【請求項13】
ウロナート、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、ウロナート、D-マンヌロナートを組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、請求項11に記載のポリペプチドを含む、前記方法。
【請求項14】
ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)の還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを組換え微生物と接触することを含み、該組換え微生物は、請求項11に記載のポリペプチドを含む、前記方法。
【請求項15】
多糖を単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系が組換え微生物を含み、かつ該組換え微生物が
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチドを含む、前記微生物系。
【請求項16】
多糖を単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系が組換え微生物を含み、かつ該組換え微生物が
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチドを含む、前記微生物系。
【請求項17】
前記ポリヌクレオチドが以下からなる群から選択されるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、若しくはNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含むポリペプチドをコードする、請求項1、又は請求項15の単離されたポリヌクレオチド:
【化1】
(式中、Yは、独立してアラニン、グリシン、及びセリンから選択され、式中Gは、グリシンであり、かつXは、独立して遺伝的にコードされるアミノ酸から選択される)。
【請求項18】
前記ポリペプチドが以下からなる群から選択されるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、又はNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含む、請求項11、又は請求項16に記載の単離されたポリペプチド:
【化2】
(式中、Yは、独立してアラニン、グリシン、及びセリンから選択され、式中Gは、グリシンであり、かつXは、独立して遺伝的にコードされるアミノ酸から選択される)。
【請求項19】
多糖をエタノールに変換するための方法であって、該多糖を組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、唯一の炭素源として該多糖で成長することができる、前記方法。
【請求項20】
前記組換え微生物が少なくとも1つのピルビン酸デカルボキシラーゼをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド、及びアルコールデヒドロゲナーゼをコードする少なくとも1つポリヌクレオチドを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記多糖がアルギナートである、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記組換え微生物がビブリオ・スプレンディダスのV12B01_24189とV12B01_24249との間のゲノムの領域を含む1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つピルビン酸デカルボキシラーゼがザイモモナス・モビリスに由来する、請求項19記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つアルコールデヒドロゲナーゼがザイモモナス・モビリスに由来する、請求項19記載の方法。
【請求項25】
前記組換え微生物が大腸菌である、請求項19記載の方法。
【請求項1】
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチドであって、デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、前記単離されたヌクレオチド。
【請求項2】
多糖を単糖、又はオリゴ糖に変換するための方法であって、該多糖を組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、請求項1に記載のポリヌクレオチドを含む、前記方法。
【請求項3】
ウロナート、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、ウロナート、D-マンヌロナートを組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、請求項1に記載のポリヌクレオチドを含む、前記方法。
【請求項4】
ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)の還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを組換え微生物と接触することを含み、該組換え微生物は、請求項1に記載のポリヌクレオチドを含む、前記方法。
【請求項5】
請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項6】
前記単離されたポリヌクレオチドが発現制御領域に作動可能に連結されている、請求項5に記載のベクター。
【請求項7】
組換え微生物を含む微生物系であって、該組換え微生物が請求項5に記載のベクターを含む、前記微生物系。
【請求項8】
組換え微生物を含む微生物系であって、該組換え微生物が請求項1に記載のポリヌクレオチドを含み、かつ該ポリヌクレオチドが該組換え微生物のゲノムに組み込まれている、前記微生物系。
【請求項9】
前記単離されたポリヌクレオチドが発現制御領域に作動可能に連結されている、請求項8の微生物系。
【請求項10】
前記微生物がアセトバクター・アセチ(Acetobacter aceti)、アクロモバクター(Achromobacter)、アシジフィリウム属(Acidiphilium)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、アクチノマデュラ属(Actinomadura)、アクチノプラネス属(Actinoplanes)、超好熱性古細菌(Aeropyrum pernix)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、パインアップル(Ananas comosus)(M)、アルトロバクター属(Arthrobacter)、クロコウジカビ(Aspargillus niger)、コウジカビ(Aspargillus oryze)、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)、アスペルギルス・プルベルレンツス(Aspergillus pulverulentus)、アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、ショウユコウジカビ(Aspergillus sojea)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・マセランス(Bacillus macerans)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ブレビバチルス・ブレビス(Brevibacillus brevis)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、カンジダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)、パパイヤ(Carica papaya)(L)、セルロシミクロビウム属(Cellulosimicrobium)、セファロスポリウム属(Cephalosporium)、ケトミウム・エラチカム(Chaetomium erraticum)、ケトミウム・グラシエ(Chaetomium gracile)、クロストリジウム属(Clostridium)、酪酸菌(Clostridium butyricum)、クロストリジウム・アセトブチリクム (Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)(グルタミカム(glutamicum))、コリネバクテリウム・エフィシエンス(Corynebacterium efficiens)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロコッカス(Enterococcus)、黒脚病菌(Erwina chrysanthemi)、グルコノバクター属(Gliconobacter)、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)、ハロアーキュラ属(Haloarcula)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ンソレンス(Humicola nsolens)、キタサトスポラ・セタエ(Kitasatospora setae)、クレブシエラ属(Klebsiella)、クレブシエラ・オキシトーカ(Klebsiella oxytoca)、クリベロマイセス属(Kluyveromyces)、クリベロマイセス・フラジリス(Kluyveromyces fragilis)、クリベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、コクリア属(Kocuria)、ラクトラクティス(Lactlactis)、乳酸桿菌属(Lactobacillus)、発酵乳酸桿菌(Lactobacillus fermentum)、ラクトバシラス・サケ(Lactobacillus sake)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、メチロシスチス属(Methylocystis)、メタノロブス・シシリアエ(Methanolobus siciliae)、メタノゲニウム・オルガノフィラム(Methanogenium organophilum)、メタノバクテリウム・ブライアンティイ(Methanobacterium bryantii)、ミクロバクテリウム・インペリアレ(Microbacterium imperiale)、ミクロコッカス・リソディクティカス(Micrococcus lysodeikticus)、ミクロルナタス属(Microlunatus)、ムコール・ジャバニカス(Mucor javanicus)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、ミロセシウム属(Myrothecium)、硝酸菌属(Nitrobacter)、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)、ノカルジア属(Nocardia)、パパイヤ(Papaya carica)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、醤油乳酸菌(Pediococcus halophilus)、ペニシリウム属(Penicillium)、ペニシリウム・カマンベルティ(Penicillium camemberti)、ペニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)、ペニシリウム・エメルソニィ(Penicillium emersonii)、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)、ペニシリウム・リラクチナム(Penicillium lilactinum)、ペニシリウム・マルチカラー(Penicillium multicolor)、パラコッカス・パントトロファス(Paracoccus pantotrophus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・デニトリフィカンス(Pseudomonas denitrificans)、パイロコッカス属(Pyrococcus)、パイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)、パイロコッカス・ホリコシイ(Pyrococcus horikoshii)、根粒菌属(Rhizobium)、リゾムコール・マイハイ(Rhizomucor miehei)、リゾムコール・プシルス・リント(Rhizomucor pusillus Lindt)、リゾプス属(Rhizopus)、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemar)、リゾプス・ジャポニカス(Rhizopus japonicus)、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oligosporus)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、サッカロマイセス・セレビシエ(Sccharomyces cerevisiae)、スクレロチナ・リベルチナ(Sclerotina libertina)、スフィンゴバクテリウム・マルチボラム(Sphingobacterium multivorum)、スフィンゴビウム属(Sphingobium)、スフィンゴモナス属(Sphingomonas)、連鎖球菌属(Streptococcus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)Y-1、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトマイセス・ムリヌス(Streptomyces murinus)、ストレプトマイセス・ルビギノーサス(Streptomyces rubiginosus)、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)、ストレプトベルティシリウム・モバラエンス(Streptoverticillium mobaraense)、テトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)、サームス属(Thermus)、チオスファエラ・パントトロファ(Thiosphaera pantotropha)、ホウロクタケ属(Trametes)、トリコデルマ属(Trichoderma)、トリコデルマ・ロンギブラキアータム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・レッセイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコスポロン・ペニシラタム(Trichosporon penicillatum)、ビブリオ・アルギノリチカス(Vibrio alginolyticus)、ザントモナス属(Xanthomonas)、酵母、ジゴサッカロマイセス・ロキシー(Zygosaccharomyces rouxii)、ザイモモナス属(Zymomonas)、及びザイモモナス・モビリス(Zymomonus mobilis)から選択される、請求項7、又は請求項8に記載の組換え微生物。
【請求項11】
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択される単離されたポリペプチドであって、デヒドロゲナーゼ活性を有する、前記単離されたポリペプチド。
【請求項12】
多糖を単糖、又はオリゴ糖に変換するための方法であって、該多糖を組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、請求項11に記載のポリペプチドを含む、前記方法。
【請求項13】
ウロナート、D-マンヌロナートの還元(水素付加)を触媒するための方法であって、ウロナート、D-マンヌロナートを組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、請求項11に記載のポリペプチドを含む、前記方法。
【請求項14】
ウロナート、4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロースウロナート(DEHU)の還元(水素付加)を触媒するための方法であって、DEHUを組換え微生物と接触することを含み、該組換え微生物は、請求項11に記載のポリペプチドを含む、前記方法。
【請求項15】
多糖を単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系が組換え微生物を含み、かつ該組換え微生物が
(a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも80%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも97%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド;及び、
(f)配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、又は37に記載されたヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチドを含む、前記微生物系。
【請求項16】
多糖を単糖、又はオリゴ糖に変換するための微生物系であって、該微生物系が組換え微生物を含み、かつ該組換え微生物が
(a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも97%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列と少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド;及び、
(e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、又は78に記載されたアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、
から選択される単離されたポリヌクレオチドを含む、前記微生物系。
【請求項17】
前記ポリヌクレオチドが以下からなる群から選択されるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、若しくはNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含むポリペプチドをコードする、請求項1、又は請求項15の単離されたポリヌクレオチド:
【化1】
(式中、Yは、独立してアラニン、グリシン、及びセリンから選択され、式中Gは、グリシンであり、かつXは、独立して遺伝的にコードされるアミノ酸から選択される)。
【請求項18】
前記ポリペプチドが以下からなる群から選択されるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、NADH、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)、又はNADPH結合モチーフの少なくとも1つを含む、請求項11、又は請求項16に記載の単離されたポリペプチド:
【化2】
(式中、Yは、独立してアラニン、グリシン、及びセリンから選択され、式中Gは、グリシンであり、かつXは、独立して遺伝的にコードされるアミノ酸から選択される)。
【請求項19】
多糖をエタノールに変換するための方法であって、該多糖を組換え微生物と接触させることを含み、該組換え微生物は、唯一の炭素源として該多糖で成長することができる、前記方法。
【請求項20】
前記組換え微生物が少なくとも1つのピルビン酸デカルボキシラーゼをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド、及びアルコールデヒドロゲナーゼをコードする少なくとも1つポリヌクレオチドを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記多糖がアルギナートである、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記組換え微生物がビブリオ・スプレンディダスのV12B01_24189とV12B01_24249との間のゲノムの領域を含む1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つピルビン酸デカルボキシラーゼがザイモモナス・モビリスに由来する、請求項19記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つアルコールデヒドロゲナーゼがザイモモナス・モビリスに由来する、請求項19記載の方法。
【請求項25】
前記組換え微生物が大腸菌である、請求項19記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2011−510634(P2011−510634A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544479(P2010−544479)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/032258
【国際公開番号】WO2009/097346
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(510204622)ビオ アルチテクトウレ ラブ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/032258
【国際公開番号】WO2009/097346
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(510204622)ビオ アルチテクトウレ ラブ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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