説明

単離発光タンパク質mtクリシンおよびその使用

本発明は、発光タンパク質mtクリシン、そのヌクレオチドおよびアミノ酸配列、および発光タンパク質mtクリシンの活性および使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、発光タンパク質mtクリシン(mtClytin)、そのヌクレオチドおよびアミノ酸配列、および該活性、および発光タンパク質mtクリシンの使用に関する。
【0002】
発光タンパク質
生物による光生成の現象は生物発光と呼ばれる。それは細胞内の生化学反応の結果であり、この反応中に化学エネルギーが光量子の形で放出される(化学発光手段による冷陰極放出と呼ばれるものである)。この方法で生成される光は、離散電子移動に関連して放出されるのでその光は単色であるが、それはより長波長のスペクトル領域へと二次蛍光染色体[例えば、エクオリア(Aequoria)属の蛍光クラゲの場合には蛍光タンパク質]により変化され得る。
【0003】
生物発光は、生物学的機能の違いを有する:200〜1000m(中深海)の深海では、約90%の全生物が発光する。この場合では、蛍光シグナルはパートナーの誘引、偽装および擬似餌として用いられる。ツチボタルおよびホタルは、パートナーを探すために光のシグナルを用いる。一方、細菌、菌類および単細胞藻類の発光に関する重要性は明らかでない。大規模な集団において多数の個体調整のために使用されるか、あるいは生物時計の一つのタイプを示すと考えられている。
【0004】
多数の腔腸動物は生物発光している(Morin et al., 1974)。これらの生物は、青色または緑色を放出する。単離タンパク質としてオワンクラゲ(Shimomura et al., 1969)から得られ、1962年に同定された最初の発光タンパク質であるイクオリンは、オワンクラゲの場合、表現型として見られるように緑色光ではなく、青色光を放出した。イクオリンによって活性化された結果として、オワンクラゲを表現型的に緑色に見せる緑色蛍光発光タンパク質(GFP)がこのクラゲ(medusa)から単離された(Johnson et al., 1962; Hastings et al., 1969;Inouye et al., 1994)。同定され、記載されたその他の発光タンパク質はクリシン(clytin)、ミトロコミン(mitrocomin)(Fagan et al., 1993)およびオベリン(obelin)(Illarionov et al., 1995)である(Inouye et al., 1993)。
【0005】
表1:いくつかの発光タンパク質の概略
表には、名前、単離タンパク質の由来生物、データベース登録の識別番号(Acc. No.)を示す。

【0006】
表2:幾つかの発光タンパク質の概略
表には、単離タンパク質の由来生物、発光タンパク質の名前および特許および出願の選択を示す。

【0007】
生物発光は、現在、広範で多様な方法における技術、例えば環境汚染のバイオインジケーターの形態で、あるいは生化学的にタンパク質を感度よく検出するためかまたは特定化合物を定量するため、あるいは細胞内での遺伝子調節の研究に関するレポーターと呼ばれるものとして使用される。
【0008】
発光タンパク質は、それらのヌクレオチドおよびアミノ酸配列においてだけではなく、それらの生物化学的および物理特性においても異なる。
【0009】
発光タンパク質の物理的および生物化学的特性は、これらのタンパク質のアミノ酸配列を変えることによって変化し得ることが示されてきた。突然変異した発光タンパク質の例示は、文献(US 6,495,355; US 5,541,309; US 5,093,240; Shimomura et al., 1986)に記載されている。
【0010】
上記発光タンパク質は、セレンテラジン(coelenterazine)を酸化することによって発光する(Haddock et al., 2001; Jones et al., 1999)。
【0011】
レポーターシステム
一般的に、簡単な生物化学的方法または組織化学的方法を用いて、遺伝子産物を容易に検知し得る遺伝子は、レポーター遺伝子またはインジケーター遺伝子と呼ばれる。少なくとも2つの型のレポーター遺伝子が分類される。
【0012】
1.耐性遺伝子。これは、その発現により、耐性遺伝子がなければ細胞死へと導く成長培地中に存在する抗生物質またはその他の物質に対して耐性を細胞に与える遺伝子に使用される用語である。
2.レポーター遺伝子。レポーター遺伝子の製品は、融合されたまたは融合されていないインジケーターとして、遺伝子操作において使用される。最も一般的なレポーター遺伝子には、β−ガラクトシダーゼ(Alam et al., 1990)、アルカリフォスファタ−ゼ(Yang et al., 1997; Cullen et al., 1992)およびルシフェラーゼおよび他の発光タンパク質(Shinomura, 1985; Phillips GN, 1997; Snowdowne et al., 1984)が包含される。
【0013】
可視スペクトルの範囲における光量子の放出は、励起した放出分子によって作用される放出によるもので、発光と呼ばれる。蛍光とは対照的に、この場合、該エネルギーは短波長の発光の形で外部から供給されるものではない。
【0014】
化学発光と生物発光とは区別される。励起電子が基底状態へと戻る場合にそれ自体が発光する励起分子によりもたらされる化学反応は、化学発光と呼ばれる。該反応が酵素によって触媒される場合に、該現象は、生物発光であると言われる。この反応に関与する酵素が、一般的にルシフェラーゼと呼ばれる。
【0015】
クリティア・グレガリア種の分類
口刺胞動物門(Cnidaria)→軟クラゲ目(Leptomedusae)→ウミサカズキガヤ科(Campanulariidae)→クリティア・グレガリア
このクリティア・グレガリア種は、口刺胞動物門、具体的にはクラゲに属する。生物発光および蛍光の表現型は、1998年(Ward et al., 1998)にはすでに記載されていた。
【0016】
cDNAの単離
クリティア・グレガリア種の生物発光活性を調べるために、試料を白海(Kartesh Biological Station, Russia)で採集し、液体窒素中に貯蔵した。クリティア・グレガリアのcDNAライブラリーを構築するために、ポリ(a)+RNAを、Novagen (USA)の"Straight A"単離法を用いて単離した。
【0017】
RT−PCRを、cDNAを調製するために実施した。RT−PCRのために、RNA(1μg)を、下記スキームに従って逆転写酵素(Superscript Gold II)と共にインキュベートした。
【表1】

【0018】
この反応産物を、ポリメラーゼを不活性化するために37℃で30分プロテアーゼKと共にインキュベートし、cDNAをエタノールで沈殿させた。cDNA発現ライブラリーを、製造者指示書に従ってClontech (USA) "SMART cDNA"ライブラリー構築キットを用いて構築した。cDNAを、発現ベクターpTriplEx2 (Clontech; USA)にクローニングした。発現ベクターを、エレクトロポレーションによってE.coli XL1 blue株の細菌に形質転換した。
【0019】
該細菌を固体LB栄養培地上で播種し、37℃で24時間インキュベートした。次いで、レプリカプレーティングを行い、該細菌を、ニトロセルロースフィルターを用いて別の固体栄養培地プレートに移した。レプリカプレートを順に37℃で24時間インキュベートし、増殖させた細菌のコロニーを液体LB培地に移した。IPTG(終濃度、0.1mM)が添加された後、該細菌を37℃で4時間振とう器上でインキュベートした。該細菌を遠心分離により集菌し、細菌塊を0℃で破砕緩衝液(5mM EDTA、20mM Tris−HCL、pH9.0) (0.5ml)に再懸濁した。次いで、該細菌を超音波処理によって破砕した。
【0020】
セレンテラジン(終濃度、10E−07M)を添加した後、溶解物を4℃3時間でインキュベートした。次いで、生物発光を塩化カルシウム(終濃度、20mM)添加後にルミノメーターで測定した。
発光タンパク質を同定した。その発光タンパク質をmtクリシンと呼ぶ。発光タンパク質mtクリシンは、次に詳細に説明される。
【0021】
mtクリシン
発光タンパク質mtクリシンは、クリティア・グレガリア由来のクリシンとアミノ酸レベルで最も高い相同性を示す87%の同一性を有し、オベリア・ジェニキュラタ(実施例8に示される;図8)由来のオベリンと77%の同一性を有す。クリシンに対する87%の相同性はタンパク質のC末端で生じ、複数のアミノ酸置換は全タンパク質にわたって分散して同定され得る。核酸レベルでは、同一性は30%よりも低い(実施例7;図7に示される)。BLAST法(Altschul et al., 1997)を配列比較に使用した。
【0022】
発光タンパク質クリシン-2は、アミノ酸レベルでクリティア・グレガリア由来のクリシンと最も高い相同性を示す。しかし、配列は、実施例11(図9)に示されたこれらの相違を有し、アミノ酸配列中に多くの相違を示す。これらの相違は、物理化学、生物化学および生物発光特性の変化を導き得る。発光タンパク質クリシン-2は、いずれのシグナルペプチドをも有さない(実施例10に示したとおりである)。
【0023】
発光タンパク質mtクリシンは、ミトコンドリアへ輸送させるように発光タンパク質を導き得るシグナルペプチドを有する。そのシグナルペプチドは、コンピュータープログラムMITOPROTによって同定された(Claros et al., 1996) (実施例10に示される)。MITOPROTによって決定されたシグナルペプチドは、配列番号:3に示される。発光タンパク質mtクリシンは、ミトコンドリアへの輸送のための天然のシグナルペプチドが同定された最初の発光タンパク質である。
【0024】
本発明は、mtクリシンの機能的等価物にも関する。機能的等価物とは、同等の物理化学特性を持ち、配列番号:2と少なくとも70%の相同性であるタンパク質である。好ましくは、少なくとも80%または90%の相同性を示すものである。少なくとも95%の相同性が特に好まれる。
【0025】
本発明は、mtクリシン シグナルペプチドの機能的等価物にも関する。機能的等価物とは、同等の物理化学特性を持ち、配列番号:3に対して少なくとも70%の相同性であるそれらのタンパク質またはペプチドである。好ましいものは、少なくとも80%または90%の相同性を与えるものであ。少なくとも95%の相同性が特に好ましい。
【0026】
発光タンパク質mtクリシンは、レポーター遺伝子として、細胞系、特に受容体、イオンチャンネル、トランスポーター、転写ファクターまたは誘導系に使用されるのが適当である。
【0027】
また、mtクリシンシグナルペプチドは、細胞系、特に受容体、イオンチャンネル、トランスポーター、転写ファクターまたは誘導系に対する融合レポーター遺伝子として使用されるために、レポーター遺伝子に融合されるのが適当である。
【0028】
また、発光タンパク質mtクリシンは、細胞オルガネラ、特にミトコンドリアを、標識、同定および特性分析することにより、レポーター遺伝子として使用されるのが適当である。
【0029】
また、mtクリシン シグナルペプチドは、細胞オルガネラ、特にミトコンドリアへの輸送のために、ペプチドまたはタンパク質に融合されるのが適当である。
【0030】
発光タンパク質mtクリシンは、細胞オルガネラ、特にミトコンドリアの内外のパラメーター、特にカルシウム濃度を決定するために、レポーター遺伝子として使用されるのがまた適当である。
【0031】
また、mtクリシン シグナルペプチドは、融合ペプチドとして、細胞オルガネラ、特にミトコンドリアの内外のパラメーター、特にカルシウム濃度を決定するために、レポーター遺伝子として使用されるのが適当である。
【0032】
発光タンパク質mtクリシンは、細菌および真核生物系、特に哺乳動物細胞、細菌、酵母、バキュロおよび植物においてレポーター遺伝子として使用されるのが適当である。
【0033】
発光タンパク質mtクリシンは、レポーター遺伝子として、生物発光または化学発光系、特にルシフェラーゼ、オキシゲナーゼまたはホスファターゼを用いる系とを組合せた細胞系に使用されるのが適当である。
【0034】
mtクリシン シグナルペプチドは、融合ペプチドとして、生物発光または化学発光系、特にルシフェラーゼ、オキシゲナーゼまたはホスファターゼを用いる系とを組合せた細胞系にレポーター遺伝子として使用されるのが適当である。
【0035】
発光タンパク質mtクリシンは、特に受容体、イオンチャンネル、トランスポーター、転写ファクター、プロテイナーゼ、キナーゼ、ホスホジエステラーゼ、ヒドロラーゼ、ペプチダーゼ、トランスフェラーゼ、膜タンパク質および糖タンパク質に融合ペプチドとして使用されるのが適当である。
【0036】
mtクリシン シグナルペプチドは、融合ペプチドとして使用されるために、特に受容体、イオンチャンネル、トランスポーター、転写ファクター、プロテイナーゼ、キナーゼ、ホスファチジルエステラーゼ、ヒドロラーゼ、ペプチダーゼ、トランスフェラーゼ、膜タンパク質および糖タンパク質のための融合タンパク質ペプチドとして使用されるのが適当である。
【0037】
発光タンパク質mtクリシンは、特に抗体、ビオチンまたは磁性または磁化し得る支持体によって固定されるのに適当である。
【0038】
発光タンパク質mtクリシンは、エネルギー転位系、特にFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)、BRET(生物発光共鳴エネルギー転位:fluorescence resonance energy transfer)、FET(フィールド効果トランジスター)、FP(蛍光分極化)およびHTRF(均一時間分解蛍光)系のためのタンパク質として使用されるのが適当である。
【0039】
発光タンパク質mtクリシンは、基質またはリガンド、特にプロテアーゼ、キナーゼまたはトランスフェラーゼを標識するのに適当である。
発光タンパク質mtクリシンは、細菌系で発現されるため、特に滴定量決定のため、生物化学系の基質、特にプロテイナーゼとキナーゼのための基質として適当である。
【0040】
発光タンパク質mtクリシンは、標識として、特に抗生物質と結合した、酵素と結合した、受容体と結合した、またはイオンチャンネルおよび他のタンパク質と結合した標識として使用されるのが適当である。
mtクリシン シグナルペプチドは、融合ペプチドとして、特に抗生物質に結合した、酵素に結合した、受容体に結合したまたはイオンチャンネルおよび他のタンパク質に結合した標識として使用されるのが適当である。
【0041】
発光タンパク質mtクリシンは、医薬活性化合物の探索、特にHTS(ハイスループットスクリーニング)において、レポーター遺伝子として使用されるのが適当である。
mtクリシン シグナルペプチドは、医薬活性化合物の探索、特にHTS(ハイスループットスクリーニング)において、レポーター遺伝子として使用されるのが適当である。
【0042】
発光タンパク質mtクリシンは、検出系の成分として、特にELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、免疫組織化学、ウェスタンブロッティングまたは共焦点顕微鏡検査法に対する検出系の成分として使用されるのが適当である。
【0043】
発光タンパク質mtクリシンは、相互作用、特にタンパク質-タンパク質相互作用、DNA-タンパク質相互作用、DNA-RNA相互作用、RNA−RNA相互作用またはRNA-タンパク質相互作用(DNA:デオキシリボ核酸;RNA:リボ核酸)を分析するための標識として使用されるのが適当である。
【0044】
発光タンパク質mtクリシンは、遺伝子導入生物、特にマウス、ラット、ハムスターおよび他の哺乳動物、霊長類、魚、虫または植物における発現のための標識または融合タンパク質として使用されるのが適当である。
【0045】
mtクリシン シグナルペプチドは、遺伝子導入生物、特にマウス、ラット、ハムスターおよび他の哺乳動物、霊長類、魚、虫または植物における発現のための標識または融合タンパク質として使用されるのが適当である。
【0046】
発光タンパク質mtクリシンは、胚発生を分析するのに標識または融合タンパク質として使用されるのが適当である。
【0047】
発光タンパク質mtクリシンは、カップリングメディエーター、特にビオチン、NHS(N−ヒドロキシスルホスクシンイミド)またはCN−Brを介する標識として使用されるのが適当である。
【0048】
発光タンパク質mtクリシンは、核酸、特にDNAまたはRNAに結合されるレポーターとして使用されるのが適当である。
【0049】
発光タンパク質mtクリシンは、タンパク質またはペプチドと結合されるレポーターとして使用されるのが適当である。
【0050】
mtクリシン シグナルペプチドは、融合ペプチドとして、タンパク質またはペプチドと結合されるレポーターとして使用されるのが適当である。
【0051】
発光タンパク質mtクリシンは、細胞内外のカルシウム濃度を測定するためのレポーターとして使用されるのが適当である。
【0052】
発光タンパク質mtクリシンは、細胞系におけるシグナルカスケードを特徴分析するために適当である。
【0053】
核酸またはペプチドと結合された発光タンパク質mtクリシンは、特にノーザンブロット、サザンブロット、ウェスタンブロット、ELISA、核酸配列決定、タンパク質分析またはチップ分析のためのプローブとして使用されるのが適当である。
【0054】
発光タンパク質mtクリシンは、医薬製剤、特に感染物質、抗体または「小分子」を標識するために使用されるのが適当である。
【0055】
発光タンパク質mtクリシンは、地質調査、特に海、地下水および川に使用されるのが適当である。
【0056】
発光タンパク質mtクリシンは、発現系、特にイン・ビトロ翻訳系、細菌系、酵母系、バキュロ系、ウイルス系および真核生物系において発現するために適切である。
【0057】
mtクリシン シグナルペプチドは、融合ペプチドとして、発現系、特にイン・ビトロ翻訳系、細菌系、酵母系、バキュロ系、ウイルス系および真核生物系において発現されるのに適当である。
【0058】
発光タンパク質mtクリシンは、外科的介入、特に侵襲性、非侵襲性および最小の侵襲性介入との関連において、組織または細胞を可視化するために適当である。
【0059】
発光タンパク質mtクリシンは、特に組織学的調査および外科的介入との関連において腫瘍組織およびその他の表現型的に変化した組織を標識するためにも適当である。
【0060】
本発明は、特に野生型タンパク質、融合タンパク質および突然変異タンパク質として発光タンパク質mtクリシンの精製にも関する。
【0061】
本発明は、特に野生型タンパク質、融合タンパク質および突然変異タンパク質としてmtクリシン シグナルペプチドの精製にも関する。
【0062】
本発明は、化粧品の分野、特に入浴剤、ローション、ソープ、身体用染料、歯磨き粉および身体用パウダーにおける、発光タンパク質mtクリシンの使用にも関する。
【0063】
本発明は、染色のため、特に食材、入浴剤、インク、服飾およびプラスチックを染色するための、発光タンパク質mtクリシンの使用にも関する。
【0064】
本発明は、紙、特にグリーティングカード、紙類製品、壁紙および手工芸物品を染色するための、発光タンパク質mtクリシンの使用にも関する。
【0065】
本発明は、液体、特に水鉄砲、噴水、飲料および氷を染色するための、発光タンパク質mtクリシンの使用にも関する。
【0066】
本発明は、装身物を製造するための、特にマニキュア(finger dye)および化粧品製造のための、発光タンパク質mtクリシンの使用にも関する。
【0067】
本発明は、配列番号:2に示されるポリペプチドをコードする核酸分子に関する。
【0068】
本発明は、配列番号:3に示されるポリペプチドをコードする核酸分子に関する。
【0069】
本発明は、配列番号:6に示されるポリペプチドをコードする核酸分子に関する。
【0070】
本発明は、配列番号:2に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに関する。
【0071】
本発明は、配列番号:3に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに関する。
【0072】
本発明は、配列番号:6アミノ酸配列に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに関する。
【0073】
本発明は、さらに、
a)配列番号:2に示されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
b)配列番号:1に示された配列を含有する核酸分子;
c)ストリンジェントな条件下で、相補鎖がa)またはb)の核酸分子とハイブリダイズし、発光タンパク質の生物学的機能を示すポリペプチドをコードする核酸分子;
d)遺伝子コードの縮重のために、c)に記載した核酸分子とは異なる核酸分子;
e)配列番号:1と少なくとも95%の配列相同性を示し、発光タンパク質の生物学的機能を持つポリペプチドをコードする核酸分子;および
f)配列番号:1と少なくとも65%の配列相同性を示し、発光タンパク質の生物学的機能を示すポリペプチドをコードする核酸分子、
からなる群から選択される核酸分子に関する。
【0074】
本発明は、配列番号:1または配列番号:5と、少なくとも95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%または60%の配列相同性を示し、発光タンパク質の特性を有するポリペプチドをコードする核酸分子に関する。
【0075】
本発明は、配列番号:4と、少なくとも95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%または60%の配列相同性を示し、シグナルまたはリーダーペプチドの特性を有するポリペプチドをコードする核酸分子に関する。
【0076】
本発明は、配列が、発光タンパク質をコードしている配列またはリーダーまたはシグナル配列をコードしている配列に対して5'側の機能プロモーターを含有する上記核酸分子に関する。
【0077】
本発明は、先に記載した組換え体DNAまたはRNAベクターの構成物質である核酸分子にも関する。
【0078】
本発明は、かかるベクターを担持する生物に関する。
本発明は、本発明のmtクリシン分子または他の分子のDNAまたはRNA配列と同一または相補的である10をこえる連続するヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドに関する。
【0079】
本発明は、先に記載したヌクレオチド配列によってコードされた発光タンパク質に関する。
【0080】
本発明は、細菌、真核細胞またはイン・ビトロ発現系において本発明の発光タンパク質ポリペプチドを発現するための方法に関する。
【0081】
本発明は、本発明の発光タンパク質ポリペプチドを精製する/単離するための方法にも関する。
【0082】
本発明は、本発明の発光タンパク質に対する抗体によって免疫学的に認識される10をこえる連続するアミノ酸を有するペプチドに関する。
【0083】
本発明は、マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子として、特に医薬活性化合物および診断薬を探索するための発光タンパク質をコードしている本発明の核酸の使用に関する。
【0084】
本発明は、標識またはレポーターとして、またはマーカー遺伝子またはレポーター遺伝子として、本発明の発光タンパク質または発光タンパク質をコードしている本発明の核酸の使用に関する。
【0085】
本発明は、特に医薬活性化合物および診断薬を探索するための、発光タンパク質mtクリシンの使用、あるいは標識もしくはレポーターとしてまたは標識もしくはレポーター遺伝子としての発光タンパク質mtクリシン (配列番号:2)をコードする核酸の使用に関する。
【0086】
本発明は、特に医薬活性化合物および診断薬を探索するための、マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子として、配列番号:1を示す核酸の使用に関する。
【0087】
本発明は、特に活性化合物および診断薬を探索するための、マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子として、配列番号:6に記載のペプチドおよびその基礎を為す核酸配列の配列番号:5の使用に関する。
【0088】
本発明は、本発明のポリペプチドを認識するポリクローナルまたはモノクローナル抗体にも関する。
【0089】
本発明は、発光タンパク質mtクリシン (配列番号:2)または発光タンパク質クリシン-2(配列番号:6)を認識するモノクローナルまたはポリクローナル抗体にも関する。
【0090】
本発明は、発光タンパク質mtクリシンのシグナルペプチド(配列番号:3)を認識するモノクローナルまたはポリクローナル抗体にも関する。
【0091】
本発明は、さらに、
a)配列番号:3に示されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
b)配列番号:4に示された配列を含有する核酸分子;
c)ストリンジェントな条件下で、相補鎖がa)またはb)の核酸分子とハイブリダイズし、シグナルまたはリーダーペプチドの生物学的機能を示すペプチドをコードする核酸分子;
d)遺伝子コードの縮重のために、c)に記載した核酸分子とは異なる核酸分子;
e)配列番号:4と少なくとも95%の配列相同性を示し、シグナルまたはリーダーペプチドの生物学的機能を持つペプチドをコードする核酸分子;
f)配列番号:4と少なくとも65%の配列相同性を示し、シグナルまたはリーダーペプチドの生物学的機能を持つペプチドをコードする核酸分子、
からなる群からさらに選択される核酸分子に関する。
【0092】
同様に、本発明は、
a)配列番号:6によって示されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
b)配列番号:5に示された配列を含有する核酸分子;
c)ストリンジェントな条件下で、相補鎖がa)またはb)の核酸分子とハイブリダイズし、発光タンパク質の生物学的機能を示すポリペプチドをコードする核酸分子;
d)遺伝子コードの縮重のために、c)に記載した核酸分子とは異なる核酸分子;
e)配列番号:5と少なくとも95%の配列相同性を示し、発光タンパク質の生物学的機能を持つポリペプチドをコードする核酸分子;および
f)配列番号:5と少なくとも80%の配列相同性を示し、発光タンパク質の生物学的機能を有するポリペプチドをコードする核酸分子、
からなる群から選択される核酸分子に関する。
【0093】
本発明は、コード配列に対して5'側に機能プロモーターを含有する、前段落に記載したとおりの核酸に関する。
【0094】
本発明は、先に記載した核酸を含有する組換えDNAまたはRNAベクターに関する。
【0095】
同様に、本発明は、先に記載したベクターを担持する生物に関する。
【0096】
本発明は、先に記載した核酸分子の構成配列と同一かまたは相補的である10をこえる連続するヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドに関する。
【0097】
本発明は、先に記載した核酸配列によってコードされるポリペプチドに関する。
【0098】
本発明は、細菌、ウイルス細胞、酵母または真核細胞において、またはイン・ビトロ発現系において、上記ポリペプチドを発現するための方法にも関する。
【0099】
本発明は、本発明のポリペプチドを精製/単離するための方法に関する。
【0100】
本発明は、発光タンパク質mtクリシンに対する抗体によって免疫学的に認識される10をこえる連続するアミノ酸を有するペプチドにも関する。
【0101】
さらに、本発明は、発光タンパク質クリシン-2に対する抗体により免疫学的に認識される10をこえる連続するアミノ酸を有するペプチドに関する。
【0102】
本発明は、配列番号:3に示されたシグナルまたはリーダーペプチドに対する抗体によって免疫学的に認識される10をこえる連続するアミノ酸を有するペプチドに関する。
【0103】
本発明は、配列番号:6(クリシン-2)に示された発光タンパク質に対する抗体によって免疫学的に認識される10をこえる連続するアミノ酸を有するペプチドにも関する。
【0104】
本発明は、マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子として、本発明の核酸の使用に関する。
【0105】
本発明は、標識またはレポーターとして、本発明の発光タンパク質の使用に関する。
【0106】
本発明はさらに、シグナルまたはリーダー配列として、配列番号:4に記載の配列または配列番号:4と60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%、好ましくは95%の配列同一性を有する配列を含有する核酸の使用に関する。
【0107】
本発明は、シグナルまたはリーダーペプチドとして、配列番号:3に記載の配列または配列番号:3と、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%、好ましくは95%の配列同一性を有する配列を含有するペプチドの使用にも関する。
【0108】
同様に、本発明は、シグナルまたはリーダーペプチドと融合されたタンパク質を細胞オルガネラに輸送するための、2つの前段落で述べられている使用に関する。
【0109】
本発明は、細胞オルガネラがミトコンドリアである前段落において述べられている使用にも関する。
【0110】
本発明は、細胞オルガネラが小胞体(ER)である前段落において述べられている使用にも関する。
【0111】
本発明は、シグナルまたはリーダー配列として、配列番号:4に記載される核酸配列のさらなる使用に関する。
【0112】
本発明は、シグナルまたはリーダーペプチドとして、配列番号:3に示され、そしてこの配列を含有するペプチドの使用にも関する。
【0113】
同様に、本発明は、シグナルまたはリーダーペプチドと融合されたタンパク質を細胞オルガネラに輸送するための2つの前段落に述べられている使用に関する。
【0114】
本発明は、細胞オルガネラがミトコンドリアである前段落において述べられている使用にも関する。
本発明は、細胞オルガネラが小胞体(ER)である前段落において述べられている使用にも関する。
【0115】
同様に、本発明は、医薬活性化合物の探索において、レポータータンパク質として本発明のポリペプチドの使用に関する。
【0116】
最終的に、本発明は、医薬活性化合物の探索において、レポーター遺伝子として、本発明の核酸の使用にも関する。
【0117】
本発明の発光タンパク質の発現
遺伝子が適当な宿主細胞中に導入された後、発現ベクター中にクローニングされた外来遺伝子を転写および翻訳し得る分子の産生が発現と呼ばれる。発現ベクターは、原核生物または真核細胞において遺伝子を発現するために必要とされるコントロールシグナルを含有する。
【0118】
基本的には、発現ベクターは2つの異なる方法で構築される。転写融合と呼ばれる場合には、クローニングされた外来遺伝子によってコードされたタンパク質は、オーセンティックな生物学的に活性なタンパク質として合成される。この目的のために、発現ベクターは、発現に必要とされる全ての5'および3'側にコントロールシグナルを担持する。
【0119】
翻訳融合と呼ばれるものの場合には、クローニングされた外来遺伝子によってコードされたタンパク質は、ハイブリッドタンパク質として、簡単に検出され得る別のタンパク質と共に発現される。発現に必要とされる5'および3'側のコントロールシグナルは、開始コドンとおそらく、形成されるべきハイブリッドタンパク質のN末端領域をコードする配列の一部を包含するもので、ベクターに由来する。付加的に挿入されたタンパク質部分は、多くの場合に、クローニングされた外来遺伝子によってコードされたタンパク質を細胞性プロテアーによる分解に対して安定化させるだけでなく、形成されるハイブリッドタンパク質を検出および単離するために使用され得る。発現は、一過的または安定的に起こる。適当な宿主生物は、細菌、酵母、ウイルスまたは真核生物系である。
【0120】
本発明の発光タンパク質の精製
タンパク質の単離(それらがさらに過剰発現した後)は、しばしばタンパク質精製と呼ばれる。多くの確立された方法は、タンパク質を精製するために利用し得る。
【0121】
固体/液体分離は、タンパク質を単離することに関連した基本操作である。この手順のステップは、細胞を培養培地から分離する時、細胞を破砕させ、細胞破砕物を除去した後に粗製抽出物を清澄する時、および沈殿化後に沈殿物を分離する時に必要とされる。それは、遠心分離および濾過によって行う。
【0122】
細胞内タンパク質を得るために、細胞壁は、破壊されるかまたは透過し得るようにされるべきである。高圧ホモゲナイザーまたは攪拌ボールミルまたはガラスビーズは、スケールや生物によって、この目的のために使用される。機械的な細胞インテグレーション(Mechanical cell integrations)および超音波処置が、とりわけ研究室スケールに対して使用される。
【0123】
細胞外タンパク質および細胞内タンパク質(細胞破砕後)の両方の場合、塩類(特に、硫酸アンモニウム)または有機溶媒(アルコールまたはアセトン)を用いる様々な沈殿方法は、タンパク質を濃縮するための迅速かつ有効な方法を示す。細胞内タンパク質が精製される場合、可溶性核酸を除去すること(例えば、硫酸ストレプトマイシンまたは硫酸プロタミンによる沈殿)が望ましい。細胞外性タンパク質が単離される場合、担体(例えば、スターチまたは珪藻土)は、取扱いが容易な沈殿物を得るために、沈降剤を添加する前に添加されることが多い。
【0124】
多くのクロマトグラフィー法および分配方法(吸収クロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィーおよび電気泳動)は、高度な精製のために利用し得る。カラムクロマトグラフィーは、工業的スケールで使用される。ステップあたりの精製係数を数100sまで上げることが可能であるアフィニティークロマトグラフィーは、研究室スケールでは特に重要である。
【0125】
細胞外タンパク質は、相対的に希薄な溶液中に存在する。細胞外タンパク質と同様に、それらは、さらなる使用に供する前に濃縮されるべきである。すでに記載された方法に加えて、限外濾過は工業スケールとしても価値のあるものと証明されてきた。
【0126】
タンパク質を伴う無機塩は、特定の用途には好ましくないことが多い。
【0127】
それらは、特にゲル濾過、透析および膜分離精製によって除去され得る。
【0128】
多くのタンパク質は乾燥調製物として使用される。重要な乾燥方法は、真空乾燥、凍結乾燥および噴霧乾燥である。
【0129】
ヌクレオチドおよびアミノ酸配列
発光タンパク質mtクリシンは、次のヌクレオチド配列(配列番号:1)によってコードされる:
5'- gacagataaaaaattcactccttagattatttagtgaataagagaaaaaaaggataagaaatcaagatgcaaaggtttacaaatcgtcttctttccatgtcggctttacgtgcaagatcaagattgcaacgcacggcaaattttcacaccagcatactcttggctacagattcaaaatacgcggtcaaactcgatcctgattttgcaaatccaaaatggatcaacagacacaaatttatgttcaactttttggacataaacggtaaggggaaaatcacattagatgaaatcgtctccaaagcttcagacgacatttgtgctaaactggatgcaacaccagaacagaccaaacgtcaccaggatgctgttgaagcctttttcaagaaaatgggcatggattatggtaaagaagttgcattcccagaatttattaagggatgggaagagttggccgaacacgacttggaactctggtctcaaaacaaaagtacattgatccgtgaatggggagatgctgttttcgacattttcgacaaagacgcaagtggctcaatcagtttagacgaatggaaggcttacggacgaatctctggaatctgtccatcagacgaagacgctgagaagacgttcaaacattgtgatttggacaacagtggcaaacttgatgttgatgagatgaccaggcaacatttaggcttctggtacacattggatccaacttctgatggtctttatggcaattttgttccctaagaagcgttcagttaaaaacgctaaacattgttcagttgtaaaattatattcattttcatttcgtaaaattagtatttataaatttgtatcataaattgtatccatgttgtagactaaataagactcggcaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa -3'。
【0130】
この配列により、(配列番号:2)のアミノ酸配列を生じる:
MQRFTNRLLSMSALRARSRLQRTANFHTSILLATDSKYAVKLDPDFANPKWINRHKFMFNFLDINGKGKITLDEIVSKASDDICAKLDATPEQTKRHQDAVEAFFKKMGMDYGKEVAFPEFIKGWEELAEHDLELWSQNKSTLIREWGDAVFDIFDKDASGSISLDEWKAYGRISGICPSDEDAEKTFKHCDLDNSGKLDVDEMTRQHLGFWYTLDPTSDGLYGNFVP。
【0131】
発光タンパク質mtクリシンの推定シグナルペプチドは、次の配列(配列番号:3):MQRFTNRLLSMSALRA
を持ち、
次の核酸配列:
5’−atgcaaaggtttacaaatcgtcttctttccatgtcggctttacgtgca −3’(配列番号:4)を有する。
発光タンパク質クリシン-2は、次のヌクレオチド配列(配列番号:5)によってコードされる:
5'- GATCTCAGCTCAACTTGCAATAAGTATCAGATCAAATTTTGCAACTCAAAGCAAATCATCAACTTCATCATAATGACTGACACTGCTTCAAAATACGCTGTCAAACTCAAGACCAACTTTGAAGATCCAAAATGGGTCAACAGACACAAATTTATGTTCAACTTTTTGGACATTAACGGCAACGGAAAAATCACTTTGGATGAAATTGTCTCCAAAGCTTCGGATGACATTTGCGCCAAACTTGGAGCTACACCAGCTCAAACCCAACGTCATCAGGAAGCTGTTGAAGCTTTCTTCAAGAAGATTGGTTTGGATTATGGCAAAGAAGTCGAATTCCCAGCTTTCGTTAACGGATGGAAAGAACTGGCCAAACATGACTTGAAACTTTGGTCCCAAAACAAGAAATCTTTGATCCGCAATTGGGGAGAAGCTGTATTCGACATTTTCGACAAGGACGGAAGTGGCTCAATCAGTTTGGACGAATGGAAAACATACGGAGGAATCTCTGGAATCTGTCCATCAGACGAAGACGCTGAAAAGACCTTCAAACATTGCGATTTGGACAACAGTGGCAAACTTGATGTTGACGAGATGACCAGACAACATTTGGGATTCTGGTACACCTTGGACCCTAACGCTGATGGTCTTTATGGCAACTTTGTCCCTTAAAAACTTTTTTTGCTGTAAATTCTTTACGGGTTATTTTTTCATAATTGTCATTTGATTTTAACTTTGTTTCGGAAAATGAAAAATATTCTTTATTCAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA - 3'。
【0132】
この配列により、(配列番号:6)のアミノ酸配列を生じる:
MTDTASKYAVKLKTNFEDPKWVNRHKFMFNFLDINGNGKITLDEIVSKASDDICAKLGATPAQTQRHQEAVEAFFKKIGLDYGKEVEFPAFVNGWKELAKHDLKLWSQNKKSLIRNWGEAVFDIFDKDGSGSISLDEWKTYGGISGICPSDEDAEKTFKHCDLDNSGKLDVDEMTRQHLGFWYTLDPNADGLYGNFVP。
これらの配列は配列表に再現される。
【0133】
実施例
実施例1
Clontech plasmid pTriplE x2を、下記に述べる構築体を調製するためのベクターとして使用した。ベクターの誘導体をpTriplEx2-mtクリシンと称す。ベクター pTriplEx2- mtクリシン を細菌系においてmtクリシンを発現するために使用した。図1は、ベクター pTriplEX2-mtClytinのプラスミドマップを示す。
【0134】
実施例2
Clontech plasmid pcDNA3.1(+)を、下記に述べる構築体を調製するためのベクターとして使用した。ベクターの誘導体をpcDNA3-mtクリシンと称する。ベクター pcDNA3-mtクリシン を、真核生物系においてmtクリシン を発現するために使用した。図2は、ベクター pcDNA3- mtClytinのプラスミドマップを示す。
【0135】
実施例3
細菌発現
細菌的発現は、E.coli 株 BL21(DE3) において、発現プラスミドpTriplEX2- mtClytin および pTriplEX2を用いて細菌を形質転換することによって行った。形質転換細菌を、LB培地で37℃で3時間インキュベートし、発現を1mMの終濃度までIPTGを添加して4時間誘導した。誘導された細菌を、遠心分離により集菌し、50mM Tris/HCl(pH 9.0)+5 mM EDTAに再懸濁し、超音波処理により破砕した。溶解物を、13.000 rpm (16000 ref)で15分間遠心分離し、上清を取出した。上清(Tris/HCl pH 9.0を用いて1:5、1:10;1:20および1:50希釈)を、セレンテラジン(Tris/HCl pH 9.0中10E−07Mセレンテラジン)と共に、3時間暗所でインキュベートした。生物発光を、5mM塩化カルシウムを添加した後、ルミノメーターで直接測定した。測定集積時間は40秒であった。
図3は、細菌中のmtクリシンの生物発光の測定結果を示す。
【0136】
実施例4
真核生物系の発現
構成的真核生物系発現を、CHO細胞で為した。一過的発現において発現プラスミド pcDNA3- mtClytin および pcDNA3.1(+)を用いて、細胞を形質転換した。このために、ウェルあたり10000個の細胞を、96-ウェルマイクロタイタープレート上のDMEM−F12培地中に播種し、プレートを終夜37℃でインキュベートした。形質転換を、製造指示書に従ってFu遺伝子6キット(Roche)を用いて為した。形質転換細胞を、終夜DMEM−F12培地において37℃でインキュベートした。次いで、培地を除去し、セレンテラジン(PBS中10E 07M セレンテラジン)(50 μl)で置換した。細胞を、37℃3時間でインキュベートし、ATP(アデノシン3リン酸)を終濃度1μMまで添加した。ルミノメーターにおける測定を添加後に直接開始した。積算時間は1秒であり、総測定時間は60秒であった。
図4は、CHO細胞中のmtクリシンの生物発光の測定結果を示す。
【0137】
実施例5
BLAST
アミノ酸レベルでのmtクリシンBLAST分析の結果:
>emb|CAD87655.1|未詳タンパク質産物[Clytia gregaria]、長さ=198、スコア=368bits (945)、期待数=e−101、同一性=171/195(87%)、陽性=182/195(92%)。
>sp|Q08121|CLYT_CLYGR Clytin 前駆体(Phialidin)、pir||S28860 clytin - ヒドロクラゲ (Clytia gregarium)、emb|CAA49754.1| clytin [Clytia gregaria]、gb|AAA28293.1| アポクリシン(apoclytin)、長さ=198、スコア=368 bits (945)、期待数= e−101、同一性=171/195(87%)、陽性=182/195(92%)
>emb|CAD87658.1|未詳タンパク質産物 [合成構築体]、長さ=198、スコア=367 bits (943)、期待数=e−101、同一性=170/195(87%)、陽性= 182/195(93%)
>sp|Q27709|OBL_OBELO オベリン前駆体(OBL)、pdb|1EL4|A鎖、カルシウム調節発光タンパク質オベリンの構造、Sulfur Sas, gb|AAA67708.1|未詳タンパク質産物により決定、長さ=195、スコア=327 bits (837)、期待数=1e−88、同一性=150/193(77%)、陽性=170/193(87%)
>emb|CAD87674.1|未詳タンパク質産物[合成構築体]、長さ=195、スコア=326 bits (835)、期待数=2e−88、同一性=149/193(77%)、陽性=170/193(87%)
>emb|CAD87672.1|未詳タンパク質産物[合成構築体]、長さ=195、 スコア=325 bits (834)、期待数=3e−88、同一性=149/193(77%)、陽性=170/193(87%)
>emb|CAD87673.1|未詳タンパク質産物[合成構築体]、長さ=195、スコア=325bits (833)、期待数=4e−88、同一性=149/193(77%)、陽性=170/193(87%)
>pdb|1JF0|鎖A、Obelia Geniculata由来のオブリン結晶構造 At 1.82 溶解、gb|AAL86372.1|AF394688_1 アポオブレン(apoobelin)[Obelia geniculata]、長さ=195、スコア=325 bits (833)、期待数=4e−88、同一性=149/193(77%)、陽性=168/193(86%)
【0138】
実施例6
BLAST
核酸レベルでのmtクリシンのBLAST分析の結果:
>emb|AX702125.1|特許WO03006497からの配列23、長さ=597、スコア=669bits (348)、期待数=0.0、同一性=504/582(86%)
>emb|AX702119.1|特許WO03006497からの配列17、長さ=597、スコア=669 bits (348)、期待数=0.0、同一性=504/582(86%)
>emb|X70221.1|クリシンに対するCGCLYTIN C.gregaria mRNA、長さ=747、スコア=669 bits (348)、期待数=0.0、同一性=504/582(86%)
>gb|L13247.1|CY1APOCLYT Clytia gregarium のアポクリシンmRNA、完全なcds、長さ=747、スコア= 669 bits (348)、期待数=0.0、同一性=504/582(86%)
>emb|AX702187.1|特許WO03006497からの配列85、長さ=597、スコア=664 bits (345)、期待数=0.0、同一性=503/582(86%)
>emb|AX702185.1|特許WO03006497からの配列83、長さ=597、スコア=664 bits (345)、期待数=0.0、同一性=503/582(86%)
>emb|AX702183.1|特許WO03006497からの配列81、長さ=597、スコア=664 bits (345)、期待数=0.0、同一性=503/582(86%)
>emb|AX702181.1|特許WO03006497からの配列79、長さ=597、スコア=664 bits (345)、期待数=0.0、同一性=503/582(86%)
>emb|AX702179.1|特許WO03006497からの配列77、長さ= 597、スコア=664 bits (345)、期待数=0.0、同一性=503/582(86%)
>emb|AX702131.1|特許WO03006497からの配列29、長さ=597、スコア=664 bits (345)、期待数=0.0、同一性=503/582(86%)
>emb|AX702129.1|特許WO03006497からの配列27、長さ=597、スコア=664 bits (345)、期待数=0.0、同一性=503/582(86%)
【0139】
実施例7
図7は、核酸レベルでのクリシン(Clytia gregaria)とmtクリシンアラインメントを示す。
【0140】
実施例8
図8は、アミノ酸レベルでのクリシン(Clytia gregaria)とmtクリシンアラインメントを示す。
【0141】
実施例9
mtクリシンの速度論的分析
mtクリシンの生物発光の速度論的分析のために、CHO細胞を、pcDNA3 mtクリシン または pcDNAオベリン または pcDNA3(いずれの合成cDNAも含まない)により、一過的に形質転換した。形質転換および測定を、実施例4に記載のとおりに実施した。読み取りを、1秒間の積算時間を用いて60秒間要した。
図5および6は、mtクリシンとオベリンの速度論的分析の結果を示す。
【0142】
実施例10
MITOPROT分析
コンピュータープログラム MITOPROTを使用して、mtクリシン シグナルペプチド (Claros et al., 1996)を分析した。次の発光タンパク質を分析した:オベリン(Q27709)、イクオリン(P07164)、クリシン(Q08121)およびmtクリシン(配列番号:2)。
【0143】
分析結果:
オベリン:
配列名:OBELIN
インプット配列長:195 aa
---------------------------------------------------------
算出パラメーターの値
検索配列の正味電荷 : -11
分析領域 : 11
標的配列中の塩基性残基数 : 3
標的配列中の酸性残基数 : 0
開裂部位 : 予測不可
開裂配列 : −
---------------------------------------------------------
使用した疎水性スケール
GES KD GVH1 ECS
H17 : -0.624 0.259 -0.308 0.295
MesoH : -1.573 -0.241 -0.642 0.060
MuHd_075 : 14.019 3.641 4.408 1.523
MuHd_095 : 7.994 7.898 3.285 1.838
MuHd_100 : 13.734 9.836 5.597 2.742
MuHd_105 : 21.195 11.755 7.339 4.117
Hmax_075 : -9.450 -2.800 -4.008 1.132
Hmax_095 : -0.963 1.837 -1.971 1.103
Hmax_100 : 0.400 1.300 -1.942 2.240
Hmax_105 : 10.617 6.067 0.733 3.127
---------------------------------------------------------
確率
ミトコンドリアへの輸送確率: 0.1479
【0144】
イクオリン:
配列名:AEQUORIN
インプット配列長: 196 aa
---------------------------------------------------------
算定パラメーターの値
検索配列の正味電荷 : -13
分析領域 : 3
標的配列中の塩基性残基数 : 0
標的配列中の酸性残基数: 0
開裂部位 : 予測不可
開裂配列 : -
---------------------------------------------------------
使用した疎水性スケール
GES KD GVH1 ECS
H17 : 0.006 0.794 -0.263 0.368
MesoH : -1.673 -0.382 -0.703 0.048
MuHd_075 : 24.326 4.153 5.947 2.450
MuHd_095 : 12.638 7.213 4.218 1.796
MuHd_100 : 13.748 8.827 4.477 2.427
MuHd_105 : 16.581 11.426 5.056 3.453
Hmax_075 : 0.438 0.233 -2.490 1.692
Hmax_095 : 0.525 -1.400 -2.394 0.674
Hmax_100 : -0.100 -1.200 -2.292 1.550
Hmax_105 : 0.500 -0.000 -2.164 1.540
---------------------------------------------------------
確率
ミトコンドリアへの輸送確率: 0.0148
【0145】
クリシン:
配列名: CLYTIN
インプット配列長: 198 aa
---------------------------------------------------------
算出パラメーターの値
検索配列の正味電荷 : -9
分析領域 : 32
標的配列中の塩基性残基数 : 6
標的配列中の酸性残基数: 2
開裂部位 : 予測不可
開裂配列 : -
---------------------------------------------------------
使用した疎水性スケール
GES KD GVH1 ECS
H17 : -0.429 0.341 -0.313 0.313
MesoH : -1.778 -0.307 -0.718 0.053
MuHd_075 : 32.928 17.509 7.351 5.708
MuHd_095 : 30.874 20.344 9.074 5.834
MuHd_100 : 36.596 22.666 10.051 6.762
MuHd_105 : 39.174 19.336 10.379 7.609
Hmax_075 : 4.900 7.087 -1.223 3.684
Hmax_095 : 13.600 10.100 1.251 4.390
Hmax_100 : 14.000 12.600 1.601 5.060
Hmax_105 : 6.650 13.067 -0.468 3.920
---------------------------------------------------------
確率
ミトコンドリアへの輸送確率: 0.2047
【0146】
クリシン-2 :
配列名: CLYTIN−2
インプット配列長: 198 aa
---------------------------------------------------------
算出パラメーターの値
検索配列の正味電荷 : -7
分析領域 : 16
標的配列中の塩基性残基数 : 3
標的配列中の酸性残基数: 1
開裂部位 : 予測不可
開裂配列 : -
---------------------------------------------------------
使用した疎水性スケール
GES KD GVH1 ECS
H17 : -0.288 0.341 -0.213 0.313
MesoH : -1.519 -0.206 -0.681 0.081
MuHd_075 : 32.594 15.092 8.192 4.075
MuHd_095 : 36.090 19.707 8.836 6.716
MuHd_100 : 38.617 20.269 9.682 6.851
MuHd_105 : 30.267 16.082 8.229 5.470
Hmax_075 : 6.533 6.417 -0.793 2.508
Hmax_095 : 13.600 10.100 1.251 4.390
Hmax_100 : 13.600 10.100 1.251 4.390
Hmax_105 : 13.417 10.150 1.612 3.862
---------------------------------------------------------
確率
ミトコンドリアへの輸送確率: 0.3974
【0147】
mtクリシン:
配列名: mtClytin
インプット配列長: 228 aa
---------------------------------------------------------
算出パラメーターの値
検索配列の正味電荷 : -8
分析領域 : 34
標的配列中の塩基性残基数 : 6
標的配列中の酸性残基数: 0
開裂部位 : 17
開裂配列 : MQRFTNRLLSMSALRA
---------------------------------------------------------
使用した疎水性スケール
GES KD GVH1 ECS
H17 : -0.135 0.453 -0.343 0.309
MesoH : -1.623 -0.215 -0.701 0.073
MuHd_075 : 33.394 19.322 8.634 7.593
MuHd_095 : 34.726 19.634 8.110 8.861
MuHd_100 : 32.825 16.596 7.376 7.520
MuHd_105 : 28.005 19.893 7.410 7.865
Hmax_075 : 16.683 17.733 2.851 5.763
Hmax_095 : 13.125 13.388 2.299 4.314
Hmax_100 : 8.300 11.500 1.845 3.830
Hmax_105 : 1.700 9.500 -1.171 2.390
---------------------------------------------------------
確率
ミトコンドリアへの輸送確率: 0.9974
分析したペプチドのミトコンドリアへの輸送確率は、計算したファクターアプローチ1を高める。
【0148】
オベリン、イクオリン、クリシン、クリシン−2およびmtクリシンのタンパク質配列の分析は、唯一mtクリシンが、ミトコンドリアに輸送され得るタンパク質の機能を有するということを示す。
【0149】
実施例11
図9は、アミノ酸レベルでのmtクリシン、クリシン(Clytia gregaria) および クリシン-タイプ2のアラインメントを示す。
【0150】
文献/特許
US 6,495,355
US 5,541,309
US 5,093,240
US-0908909
US 6,152,358
JP-0176125
GB-0024357
WO03006497
WO200168824
【0151】
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【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】図1は、ベクター pTriplEX2-mtClytinのプラスミドマップを示す。
【図2】図2は、ベクター pcDNA3-mtClytinのプラスミドマップを示す。
【図3】図3は、mtクリシンの細菌的発現および細菌的発現後のmtクリシンの生物発光活性の結果を示す(Y=RLU:相対的光ユニット=希釈;黒の棒線=mtクリシン;灰色棒線=コントロールの溶菌物)。
【図4】図4は、mtクリシンの真核生物系発現およびCHO細胞における発現後のmtクリシンの生物発光活性の結果を示す(Y=RLU:相対的な光ユニット;X=ATP(mol/lの対数表示))。
【図5】図5は、mtクリシンの生物発光に関する速度論的分析を示す(Y=RLU:相対的な光ユニット;X=時間[秒])。
【図6】図6は、オベリンの生物発光に関する速度論的分析を示す(Y=RLU:相対的な光ユニット;X=時間[秒])。
【図7】図7は、アミノ酸レベルでのクリシンおよびmtクリシンのアラインメントを示す。
【図8】図8は、核酸レベルでのクリシンおよびmtクリシンのアラインメントを示す。
【図9】図9は、アミノ酸レベルでのクリシンおよびクリシン-2のアラインメントを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)配列番号:2に示されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
b)配列番号:1に示された配列を含有する核酸分子;
c)ストリンジェントな条件下で、相補鎖がa)またはb)の核酸分子とハイブリダイズし、発光タンパク質の生物学的機能を示すポリペプチドをコードする核酸分子;
d)遺伝子コードの縮重のために、c)に記載した核酸分子とは異なる核酸分子;
e)配列番号:1と少なくとも95%の配列相同性を示し、発光タンパク質の生物学的機能を持つポリペプチドをコードする核酸分子;および
f)配列番号:1と少なくとも65%の配列相同性を示し、発光タンパク質の生物学的機能を持つポリペプチドをコードする核酸分子、
からなる群から選択される核酸分子。
【請求項2】
a)配列番号:3に示されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
b)配列番号:4に示された配列を含有する核酸分子;
c)ストリンジェントな条件下で、相補鎖がa)またはb)の核酸分子とハイブリダイズし、シグナルまたはリーダーペプチドの生物学的機能を示すペプチドをコードする核酸分子;
d)遺伝子コードの縮重のために、c)に記載した核酸分子とは異なる核酸分子;
e)配列番号:4と少なくとも90%の配列相同性を示し、シグナルまたはリーダーペプチドの生物学的機能を持つペプチドをコードする核酸分子;
f)配列番号:4と少なくとも60%の配列相同性を示し、シグナルまたはリーダーペプチドの生物学的機能を持つペプチドをコードする核酸分子、
からなる群から選択される核酸分子。
【請求項3】
a)配列番号:6に示されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
b)配列番号:5に示された配列を含有する核酸分子;
c)ストリンジェントな条件下で、相補鎖がa)またはb)の核酸分子とハイブリダイズし、発光タンパク質の生物学的機能を示すポリペプチドをコードする核酸分子;
d)遺伝子コードの縮重のために、c)に記載した核酸分子とは異なる核酸分子;
e)配列番号:5と少なくとも95%の配列相同性を示し、発光タンパク質の生物学的機能を持つポリペプチドをコードする核酸分子;および
f)配列番号:5と少なくとも80%の配列相同性を示し、発光タンパク質の生物学的機能を持つポリペプチドをコードする核酸分子、
からなる群から選択される核酸分子。
【請求項4】
コード配列に対して5'側に機能プロモーターを含有する、請求項1、2または3に記載の核酸。
【請求項5】
請求項4に記載の核酸を含有する組換えDNAまたはRNAベクター。
【請求項6】
請求項5に記載のベクターを担持する生物。
【請求項7】
請求項1、2または3のいずれかに記載の核酸分子の構成的配列と、同一または相補的である10をこえる連続するヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
請求項1、2または3のいずれかに記載の核酸配列によってコードされるポリペプチド。
【請求項9】
細菌、ウイルス系、酵母または真核細胞において、またはイン・ビトロ発現系において、請求項8に記載のポリペプチドを発現するための方法。
【請求項10】
請求項8記載の発光タンパク質ポリペプチドを精製/単離するための方法。
【請求項11】
発光タンパク質mtクリシンに対する抗体によって免疫学的に認識される10をこえる連続するアミノ酸を有するペプチド。
【請求項12】
発光タンパク質クリシン-2に対する抗原によって免疫学的に認識される10をこえる連続するアミノ酸を有するペプチド。
【請求項13】
配列番号:3によって開示されるシグナルまたはリーダーペプチドに対する抗体によって免疫学的に認識される10をこえる連続するアミノ酸を有するペプチド。
【請求項14】
マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子としての請求項1〜5のいずれかに記載の核酸の使用。
【請求項15】
標識またはレポーターとしての請求項8に記載の発光タンパク質の使用。
【請求項16】
シグナルまたはリーダー配列としての配列番号:4に示す配列を含有する核酸の使用。
【請求項17】
シグナルまたはリーダーペプチドとしての配列番号:3に記載の配列を含有するペプチドの使用。
【請求項18】
細胞オルガネラ中へ、シグナルまたはリーダーペプチドと融合したタンパク質を輸送するための、請求項16または17に記載の使用。
【請求項19】
細胞オルガネラがミトコンドリアまたは小胞体(ER)である、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
医薬活性化合物を探索する際の、レポータータンパク質としての請求項8に記載のポリペプチドの使用。
【請求項21】
医薬活性化合物を探索する際の、レポーター遺伝子としての請求項1−3のいずれかに記載の核酸の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−527708(P2007−527708A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526546(P2006−526546)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009843
【国際公開番号】WO2005/035559
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】