説明

印刷されたカードの画像情報を利用するビデオゲーム装置

【課題】 ゲーム以外の目的で頒布、使用される各種各様のカードを用いてゲームを行うことが可能なビデオゲーム装置を提供する。
【解決手段】 ゲーム演算制御装置(13)と、カードの識別情報を記録したカード識別情報メモリ(19)と、プレイヤが提示するカード(24)の印刷情報を取り込むカード印刷情報取込み装置(17)と、取り込まれたカード印刷情報と上記カード識別情報メモリ(19)に記録されたカード識別情報とを対比し、両者が一致したときは所定のカード認識信号を出力するカード認識装置(18)と、特定のカード認識信号と対応付けられたゲームプログラムが記録されたプログラムメモリ(13b)とが設けられ、上記ゲーム演算制御装置(13)は、カード認識装置(18)からの出力信号に基づきプログラムメモリ(13b)からゲームプログラムを読み出し、ゲームを進行させるよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷されたカードの画像情報を利用するビデオゲーム装置に関する。
より具体的には、本発明は、ゲーム以外の目的で頒布されるカード(銀行などのキャッシュカード、各種会員カード、クレジットカード、ポイントカード、オマケなどに使用されているシール、ダイレクトメール、年賀状、ギフトカード、テレフォンカード、スイカ、宣伝用に頒布するコマーシャルカードなど、プラスチック製、厚紙製の各種のカードを言うものとする。)を用い、あらかじめカードごとに定めたビデオゲームをプレイさせるビデオゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでのカードゲームは、そのカードに記録されているゲームに関する情報を使用してゲームを行うように構成されている。即ち、カードゲームに用いられるカードは、そのカード内にゲームに必要な情報が盛り込まれており、その情報を元に、定められたルールに従ってゲームが進行するようになっている。
例えば下記の特許文献1に記載の発明では、ゲームパラメータを含むプレイデータを記録可能なカード等の記録媒体を利用してゲームを行うように構成したビデオゲーム装置が開示されている。
【0003】
然しながら、世の中には前記の如く、銀行などのキャッシュカード、各種会員カード、クレジットカード、ポイントカード、オマケなどに使用されているシール、ダイレクトメール、年賀状等のポストカード、ギフトカード、テレフォンカード、スイカ、宣伝用に頒布するコマーシャルカード、トレーディングカード、等々のようにゲーム以外の目的で頒布、使用されるカードが多数存在する。これらのカードには、ゲームデータは記録されていないため、これらを用いてゲームを行えるようなビデオゲーム装置は、従来全く提供されていなかった。
即ち、例えばポストカードのように写真しか無いようなカードの場合、その写真から受ける個人の印象で何らかの遊びを行うことは不可能ではないが、この場合は個人的主観が大きく影響するため、統一化され明確なルールの下にゲームを行うことはできず、まして、ポストカードを用いてゲームを行うことが可能なビデオゲーム装置は、これまで提案されたことがない。
【0004】
【特許文献1】特開2003−117245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、ゲーム以外の目的で頒布、使用される前記の如き各種各様のカードを用いてゲームを行うことが可能な新規なビデオゲーム装置を提供することにあり、これにより、それらのカードを販売、提供している業者に対して、販売促進効果や広告効果をもたらし、一般のカードの利用価値を飛躍的に増大させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明では、ゲーム情報の記録されていない既存の各種カードに対し、別途電子的にゲーム情報とリンクさせ、関連づけることにより、ゲーム用として製造されていないカードを利用して新たなカードゲームを実現可能とするものである。
本発明では、例えばあるシリーズで複数販売されているカードに対し、その発売業者と提携し、それぞれのカードの表面に印刷された特定の印刷情報に特定のゲームの情報を関連づけ、本発明のビデオゲーム装置でそのカードの印刷情報を映像として取り込むことで、そのカードを識別し、そのカードに関連づけられたゲームに必要な情報を別途取得することで、ゲームを可能とするものである。
これにより、カードの販売業者は、このゲーム利用によって、販売促進や、広告効果を得ることができる。
【0007】
具体的には、本発明は、
プレイヤにより操作され、ゲーム制御信号を発生するゲーム操作部と、ゲーム演算制御装置と、ゲーム画像を表示するためのビデオ信号を編成する画像処理回路と、ゲームの進展状況が表示されるビデオディスプレイ装置とを有し、上記ゲーム演算制御装置は、少なくとも、CPUと、プログラムメモリと、ワークRAMとを含み、上記プログラムメモリにはゲーム実行のためのゲームプログラムがインストールされ、上記CPUは上記ゲーム操作部からのゲーム制御信号に応動して上記ゲームプログラムを上記プログラムメモリ及びワークRAMの協働下において演算実行し、その演算結果を上記画像処理回路を介してディスプレイ装置にゲーム画像として表示するよう構成されたビデオゲーム装置において;
あらかじめ定められた少なくとも1種のカードの識別情報を記録したカード識別情報メモリと、
プレイヤにより提示されるカードの表面の印刷情報を取り込むカード印刷情報取込み装置と、
上記カード印刷情報取込み装置により取り込まれたカード印刷情報と、上記カード識別情報メモリに記録されたカード識別情報とを対比、照合し、上記プレイヤにより提示されたカードの種別を識別し、そのカードの種別に対応したカード認識信号を出力するカード認識装置と、が設けられ、
上記プログラムメモリには、少なくとも1つのゲームプログラムが、特定のカード認識信号と対応付けられて記録されており、
上記ゲーム演算制御装置は、上記カード認識装置から出力される特定のカード認識信号と対応するゲームプログラムを上記プログラムメモリから読み出し、そのゲームプログラムに従い且つ上記ゲーム操作部からのゲーム制御信号に応動してゲーム演算を行い、その演算結果に基づいて、上記画像処理回路を介してビデオディスプレイ装置にゲーム画像を表示するよう構成されたことを特徴とする、印刷されたカードの画像情報を利用するビデオゲーム装置である。
【0008】
上記カード印刷情報取込み装置は、所定の位置にセットされたカードの印刷情報を読み取るスキャナであってもよいし、所定の位置に翳されたカードの印刷情報を撮影するデジタルカメラであってもよい。
【0009】
上記カード識別情報メモリに記録されたカード識別情報は、ビデオゲーム装置と通信可能なデータベースからダウンロードされるカード識別情報によりアップデート可能なように構成されることが推奨される。
或いはまた、上記カード識別情報メモリ自体が、ビデオゲーム装置と通信可能なデータベース内に設けられるように構成してもよい。
【0010】
プレイヤにより提示されるカードは、特定の商品のオマケ又は付録として当該商品に添付されるシールであってもよい。
【0011】
ビデオゲーム装置に、磁気データ書込み・読取り装置が付設され、カードには、読出し書込み可能な磁気データが記録されており、カードの印刷情報と共に、それらの磁気データも利用されるように構成することも推奨される。
【0012】
カードに有効期限が表示され、有効期限経過後は当該カードによってはゲームを行い得ないように構成してもよい。
また、カードに、使用回数限界が記録されており、1回のプレイ毎に、使用回数限界の記録がデクリメントされ、カードに記録された残存使用回数限界が0でないときはその使用回数限界信号により、ビデオゲーム装置がアクチベートされ、ゲーム料金が免除されるように構成することも推奨される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上記の如き構成を有することにより、ゲーム以外の目的で頒布、使用される前記の如き各種各様のカードの印刷情報に基づきそのカードを認識し、そのカードに対してあらかじめ対応付けられた特定のゲームプログラムが実行されるものであるから、これらのカードを用いてゲームを行うことが可能となるものである。これにより、それらのカードを販売、提供している業者に対して、販売促進効果や広告効果をもたらし、一般のカードの利用価値を大幅に増大させ得るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に示す実施例を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るビデオゲーム装置の一実施例を示す説明図、
図2は、本発明に係るビデオゲーム装置の回路構成を示すブロック図、
図3は、本発明に係るビデオゲーム装置により野球カードを用いてゲームを行う場合において、野球カードの印刷情報の取込みモードを示す説明図、
図4は、本発明に係るビデオゲーム装置により野球カードを用いてゲームを行う場合におけるゲーム画面を示す説明図、
図5は、本発明に係るビデオゲーム装置により野球カードを用いてゲームを行う場合において、タイムを要求し、救援選手を採用する状態を示す説明図、
図6は、本発明に係るビデオゲーム装置により野球カードを用いてゲームを行う場合において、そのゲームプログラム等をアップデートする際の画面の表示状態を示す説明図、
図7は、本発明に係るビデオゲーム装置において、キャラクターシールを用いてゲームを行う場合のフローチャートである。
【0015】
図1中、1は本発明に係るビデオゲーム装置であり、11はビデオゲーム装置のゲーム操作部、12はビデオディスプレイ装置、16はスピーカ、17はカード印刷情報取込み装置、20は料金徴収装置、24は表面に印刷部分を有するカードである。
【0016】
図2には、本発明に係るビデオゲーム装置の回路構成が示されており、同図中、11はゲーム操作部、12はビデオディスプレイ装置、12aはビデオディスプレイ画面、13はゲーム演算制御装置、13aはCPU、13bはハードディスクドライブ等の記憶装置から成るプログラムメモリ、13cはワークRAM、13dはROM、13eはクロック回路、14は画像処理回路、15はサウンド回路、16はスピーカ、17はスキャナ等から成るカード印刷情報取込み装置、18はカード認識装置、19はカード認識情報メモリ、20は料金徴収装置、21は通信回路、22はデータバス、23は統括サーバ装置、23aはデータベース、24は印刷部分を有するカードである。
【0017】
ゲーム操作部11は、プレイヤにより操作され、ゲーム制御信号を発生する。
画像処理回路14は、ゲーム画像を表示するためのビデオ信号を編成する。
ゲーム演算制御装置13中のCPU13aは、ハードディスクドライブ等のプログラムメモリ13bに記録されたゲーム用プログラムを実行し、当該プログラムに従って、ゲームを進行させるために必要な演算処理を行う。
RAM13cは、CPU13aの作動に必要なデータの授受と記録を行なう。
ROM13dには、ゲームのためビデオディスプレイ装置12に表示する文字データ、画像データや音声データ等のほか、CPU13aの作動をバックアップするために必要な比較的小サイズの各種データやプログラムが記録されている。文字データや画像データ等は、前記プログラムメモリ13bがハードディスクドライブ等の大容量の記憶装置である場合には、そちらに記録するようにしてもよい。
クロック回路13eは、ゲーム開始からゲームオーバーまでの時間管理や、ゲーム進行上必要なその他の時間管理等を行うために必要なクロックパルスを発振する。
プログラムメモリ13bにはゲーム実行のためのゲームプログラムがインストールされ、上記CPU13aは上記ゲーム操作部11からのゲーム制御信号に応動して上記ゲームプログラムを上記プログラムメモリ13b及びワークRAM13cの協働下において演算実行し、その演算結果を上記画像処理回路14を介してディスプレイ装置12にゲーム画像として表示するように構成されている。
【0018】
カード識別情報メモリ19には、あらかじめ定められた少なくとも1種のカードの識別情報が記録されている。
カード印刷情報取込み装置17は、スキャナやデジタルカメラにより構成され、プレイヤにより提示されるカード24の表面の印刷情報を取り込む。
カード認識装置18は、上記カード印刷情報取込み装置17により取り込まれたカード印刷情報と、上記カード識別情報メモリ19に記録されたカード識別情報とを対比、照合することにより、プレイヤにより提示されたカード24の種別を識別し、そのカードの種別に対応したカード認識信号を出力する。
上記プログラムメモリ13bには、少なくとも1つのゲームプログラムが、特定のカード認識信号と対応付けられて記録されている。
上記ゲーム演算制御装置13は、上記カード認識装置18から出力される特定のカード認識信号と対応するゲームプログラムを上記プログラムメモリ13bから読み出し、そのゲームプログラムに従い且つ上記ゲーム操作部11からのゲーム制御信号に応動してゲーム演算を行い、その演算結果に基づいて、上記画像処理回路14を介してビデオディスプレイ装置12にゲーム画像を表示するように構成されている。
【0019】
本発明に係るビデオゲーム装置1には、図2に示す如く、望ましくは通信回路21が設けられ、上記カード識別情報メモリ19に記録されたカード識別情報が、統括サーバ装置23のデータベース23aからダウンロードされるカード識別情報によりアップデート可能なように構成される。
或いはまた、上記カード識別情報メモリ19自体が、ビデオゲーム装置1と通信可能なデータベース23a内に設けられるように構成してもよい。
【0020】
なお、図示した実施例には描かれていないが、ビデオゲーム装置1に磁気データ書込み・読取り装置を付設すると共に、カード24には、読出し書込み可能な磁気データを記録し得るように構成し、カード24の印刷情報と共に、それらの磁気データも利用されるように構成することも推奨される。
【0021】
カード24に有効期限が表示され、有効期限経過後は当該カードによってはゲームを行い得ないように構成してもよい。
また、カード24に、使用回数限界が記録され、1回のプレイ毎に、使用回数限界の記録がデクリメントされ、カードに記録された残存使用回数限界が0でないときはその使用回数限界信号により、ビデオゲーム装置1がアクチベートされ、ゲーム料金が免除されるように構成してもよい。
以下、具体的実施例について説明する。
【実施例1】
【0022】
菓子の付録若しくはオマケとして付いてくるキャラクターシール(本発明では、シールもカードとみなす。)に、菓子の販売会社と提携し、そのシールに書かれているキャラクターを利用したカードゲームを展開する旨の契約を取り交わす。
各キャラクターシールにそれぞれ対応させて、ゲームセンターにて提供するカードゲームのデータを設定し、これを図2に示す統括サーバ装置23のデータベース23aに登録する。
このデータベース23aにネットワークを介して接続されているゲームセンターのビデオゲーム装置1には、このシールやカード類の表面画像をスキャニングするカード印刷情報取込み装置17が設けられており、このスキャナ機能を利用してプレイヤが持参したシールの画像をゲーム開始後にスキャンし、このスキャンした映像情報を、ネットワークを介して取得し、カード認識情報メモリ19に記録した映像情報と照合し、その結果、例えば90%以上一致した映像情報があった場合には、その読み込んだシールに対してその一致した映像情報に対応するゲームに必要な情報を、ネットワークを介して取得し、プログラムメモリ13bに記録する。
こうしてシールをスキャニングし、必要な数だけのゲーム情報を取得したならば、この読み込んだシールに対応するゲーム情報を利用して、プレイヤはゲームを実行することができる。
例えばスキャンしたシールの映像が或る人物のものであった場合、その人物をゲームの操作キャラクターとしてゲームを進行することができ、また刀の映像であった場合には、ゲームの操作キャラクターはその刀を装備してゲームを進行することができる。
図7には、このようなキャラクターシールを用いてゲームを行う場合のプレイヤの操作及びゲーム装置の作動の流れをフローチャートで示してある。
【実施例2】
【0023】
カードゲームとして多数販売されているカードで、販売されてから既に相当の期間が経ち、売上げや人気が落ちているものの中で、キャラクターの人気が高いものや、コレクション性のあるものを選択し、それらのカードを用いて、家庭用ゲーム装置でゲーム可能なように、コンピュータカードゲーム用のデータを設定し、これを前記統括サーバ装置23のデータベース23aに登録する。
このデータベース23aにネットワークにて接続されている家庭用ゲーム装置には、このカード類の表面に印刷された画像をスキャニングする機能を持ったカード印刷情報取込み装置17が接続されており、このスキャナ機能を利用して、プレイヤが所持するカードのタイトル文字をスキャンし、そのスキャンした映像情報をカード情報メモリ19内のデータ、又はネットワークを介して取得したカードのシールの映像情報と照合し、一致した映像情報があった場合には、読み込んだカードに対して対応するゲームに必要な情報をプログラムメモリ13bから読み出し、若しくはデータベース23aからダウンロードして、ゲームを実行する。
【実施例3】
【0024】
次に、いわゆる「野球カード」を用いて、本発明のビデオゲーム装置でゲームを行う実施例について説明する。
このゲームで使用するカードは、毎年ペナントレースが開催されると同時に発売される野球選手カードであり、12球団の1軍選手の写真とプロフィール、成績などが表面に印刷されている。裏面は、毎年変る全カードに共通のロゴなどが印刷されている。
この野球カードは本発明とは全く関係なく企画され発売されているものであり、カード内容、デザイン仕様などにおいて、本発明を考慮に入れて作成、利用されているものでは全くない。
【0025】
本発明において、上記野球カードによるゲームというアミューズメントを提供するに当たり、まずカード販売会社と業務提携の契約を結び、発売している全ての種類のカードの提供を受けた上で、全カードの表面の印刷情報をスキャナ等でデジタル映像データとしてハードコピーし、図2に示した統括サーバ23のデータベース23aにデジタル画像データとして保存する。
このような野球カードを用いて本発明のビデオゲーム装置で可能なゲームとしては、代表的にはアクション型の野球ゲームが好適であり、プレイヤはゲーム操作部11に設けた方向指示レバーや複数のプッシュボタンを操作し、攻守において打者や投手、守備など選手を操作することによつて、野球をビデオゲームとしてシミュレートしたゲームをプレイできるように構成する。
そしてそこで使用する各野球選手には、打撃、守備、走塁、投球、球種などの野球選手の能力を数値化したデータが、各々実在する選手の過去の成績を参考にして設定されており、この選手データが、上記カード認識情報メモリ19に保存してあるカードのデジタル映像データと関連付けられて、記憶装置13b等に保存してある。
この関連付けは、映像データが持つ選手の写真や選手名といった情報を元に、その映像データがAという選手のものであると識別し、Aという選手に対応した能力の各種数値データを関連させるというものである。
【0026】
このような野球ゲームを実行するビデオゲーム装置は、前記図1及び図2を参照して説明したような、ゲームセンターへ設置するタイブの一般的な仕様の筐体型ゲーム装置が好適であり、通常の業務用ビデオゲームを利用者へ提供するのに必要となる、ビデオディスプレイ装置12や、スピーカ16、ゲーム操作部11、料金徴収装置20、電源装置などに加え、ゲーム用ではない一般の野球カードを用いてゲームを実行するために必要な装置や回路が新たに設けられる。
即ち、野球カードの印刷情報をデジタル画像データとしてゲーム装置の記憶装置内に取り込むためのカラースキャナ装置17(一般的なパソコンなどの周辺機器と同様のもの)や、当システムを統括するサーバ装置23や、インターネットなど広域情報網を通じてデータを送受信するための通信回路21、等々が設けられる。
【0027】
このビデオゲーム装置1には、設置時に、最新のゲームプログラムとゲームデータとが、内部の記憶装置13bに記録され、インストールされた状態で設置されるが、その後新たなプログラムやデータが追加更新された場合には、図6に示すように、統括サーバ装置23より新たなプログラム等を取得し、アップデートすることができるようになっている。ただし、これを行わなくても、最新データでは無いがゲーム自体は実行可能である。
例えばペナントリーグの年度が替わった場合、ビデオゲーム装置1の記憶装置13bやカード認識情報メモリ19に記録されているデータは昨年度のデータである。これに対して、野球カードは、最新年度のカードが新たに発売されるので、このような場合は、カードデータも再度スキャンし、データを更新し、プログラムもアップグレードし、これらのカードデータ、ゲームプログラム、その他の最新データを統括サーバ装置23のデータベース23aに記録する。そしてこのデータベース23aから末端の各ビデオゲーム装置へそれらのゲームプログラムやデータを提供することで、最新版の野球カードに対応した野球ゲームをプレイヤヘ提供することができる。
【0028】
実際のゲーム手順は以下のようになる。
(1)プレイヤはコイン投入、あるいはプリペイドカード挿入により、ゲーム対価を支払う。
(2)ゲームが開始されると野球カードの読込モードになる。このモードをキャンセルすることも可能で、その場合は予め用意されているチームを選択してゲームをプレイする。
手持ちの野球カードを読み込ませた場合は、読み込ませたスターティングメンバー9人で構成されるチームを使用してプレイする。
野球カードの読取りは、図1に示す如く、ビデオゲーム装置1のカード印刷情報取込み装置(スキャナ)17上の定位置に、カードの印刷面を下にして配置し、読取開始ボタンを押すことで実行される。そしてこの操作を、異なった選手9枚分の野球カードについて行うが、同じ選手の野球カードが読み込まれた場合には、その旨をプレイヤに告知してその野球カードは登録しない。
カードは上下逆に置いても装置側が自動的にこれを認識して、識別することが可能なプログラムをインストールしておくようにする。
【0029】
図3には、そのようにして野球カードの印刷情報を取り込んだときのビデオディスプレイ画面12aの表示が示されている。
画面右側の上段のカード画像は、スキャンにより取り込んだカード画像である。画面右側の下段の画像は、カード認識情報メモリ19にあらかじめカード映像として記録してある画像で、これをルーレットゲームのように横方向にスクロールしながら表示する演出を行っている。
【0030】
(3)プレイヤの使用するチームが決定した場合、図4に示すような画面表示となり、ゲームが本格的に開始される。
そのゲーム本編は、一般的なアクション野球ビデオゲームであり、例えばプレイヤが攻撃側にあるときは、コンピュータ側が守備チームの選手を自動操作するようになっている。即ち、コンピュータ投手が投げてくる球を、打者(プレイヤ)は、ゲーム操作部11の操作レバーでターゲットカーソルを移動させて球の軌道に合わせて、タイミングよく打撃ボタンを押すことで、打者はバッティングを行い、更にまた、走塁ボタンと操作レバーで盗塁を行ったりする。
一方、プレイヤが守備側になると、プレイヤは主として投手を操作し、球種やコースをゲーム操作部11の操作レバーと投球ボタンで指定して投球する。守備は半自動的にコンピュータが操作してくれるが、捕球のタイミングで若干のレバー操作が要求される。
【0031】
(4)投手、打者、走者の救援を行う場合には、タイムボタンを押した後、救援→投打走の選択を行う。ゲーム装置内に用意されているチームを使った場合は、モニタに表示される選手から選択決定することになる。
野球カードを読み込ませて作ったチームを使用する場合は、図5に示すように、再度カード印刷情報取込み装置(スキャナ)17を使用し、ここで救援させたい選手の野球カードを読み込ませることで、プログラムは読み込んだ選手を識別し、その画像データに関連付けられているゲームデータの選手を用いて、救援選手とする。
【0032】
(5)1クレジットごとに3回分のゲームができるので、通常3クレジットで9回1試合がプレイできる。延長になった場合、例えば12回までは無料でゲーム可能なように設定する。
【0033】
このように、本発明では、ゲーム装置のカード認識情報メモリ19に登録されている各野球カードのデジタル画像と、ゲーム装置のスキャナ17にて取り込んだデジタル画像との同一性をカード認識装置18において判断することにより、プレイヤが提示したカードが登録されているカードなのか、そうでないのかを判別する。
野球カードの場合、少なくとも120枚以上のカードが存在し、この全てと照合する必要を生じるので、コンピュータの処理速度にもよるが、照合にはそれなりの時間がかかる。
そこで上記比較、照合の作業を何段階かに分け、画像をデジタル処理でモザイク化することで画像の単純化処理を行い、この単純化の度合いで段階分けをして照合するようにすることが望ましい。即ち、まず、単純化の度合いの高い画像同士を比べて粗い目のふるいにかけ、徐々に単純化の程度を下げる(=ふるいの目を細かくする)ことにより、候補の画像を短時間で効率よく絞り込んでゆくことができる。
【0034】
なお、図示したビデオゲーム装置には描かれていないが、ビデオゲーム装置1に、磁気データ書込み・読取り装置を付設すると共に、カード24には、読出し書込み可能な磁気データの記録部分を設け、カード24の表面の印刷情報と共に、それらの磁気データも利用し得るように構成構成することも推奨される。
【0035】
また、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、その目的の範囲内において、上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は上記の如く構成されるので、本発明によるときは、ゲーム以外の目的で頒布、使用されている各種各様のカードを用いてゲームを行うことが可能となり、これにより、それらのカードを販売、提供している業者に対して、販売促進効果や広告効果をもたらし、そのような一般のカードの利用価値を飛躍的に増大させ得るものであるから、産業上多大の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るビデオゲーム装置の一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明に係るビデオゲーム装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るビデオゲーム装置により野球カードを用いてゲームを行う場合において、野球カードの印刷情報の取込みモードを示す説明図である。
【図4】本発明に係るビデオゲーム装置により野球カードを用いてゲームを行う場合におけるゲーム画面を示す説明図である。
【図5】本発明に係るビデオゲーム装置により野球カードを用いてゲームを行う場合において、タイムを要求し、救援選手を採用する状態を示す説明図である。
【図6】本発明に係るビデオゲーム装置により野球カードを用いてゲームを行う場合において、そのゲームプログラム等をアップデートする際の画面の表示状態を示す説明図である。
【図7】本発明に係るビデオゲーム装置において、キャラクターシールを用いてゲームを行う場合のフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
1 ビデオゲーム装置
11 ゲーム操作部
12 ビデオディスプレイ装置
12a ビデオディスプレイ画面
13 ゲーム演算制御装置
13a CPU
13b プログラムメモリ(記憶装置)
13c ワークRAM
13d ROM
13e クロック回路
14 画像処理回路
15 サウンド回路
16 スピーカ
17 カード印刷情報取込み装置
18 カード認識装置
19 カード認識情報メモリ
20 料金徴収装置
21 通信回路
22 データバス
23 統括サーバ装置
23a データベース
24 印刷部分を有するカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤにより操作され、ゲーム制御信号を発生するゲーム操作部(11)と、ゲーム演算制御装置(13)と、ゲーム画像を表示するためのビデオ信号を編成する画像処理回路(14)と、ゲームの進展状況が表示されるビデオディスプレイ装置(12)とを有し、上記ゲーム演算制御装置(13)は、少なくとも、CPU(13a)と、プログラムメモリ(13b)と、ワークRAM(13c)とを含み、上記プログラムメモリ(13b)にはゲーム実行のためのゲームプログラムがインストールされ、上記CPU(13a)は上記ゲーム操作部(11)からのゲーム制御信号に応動して上記ゲームプログラムを上記プログラムメモリ(13b)及びワークRAM(13c)の協働下において演算実行し、その演算結果を上記画像処理回路(14)を介してディスプレイ装置(12)にゲーム画像として表示するよう構成されたビデオゲーム装置(1)において;
あらかじめ定められた少なくとも1種のカードの識別情報を記録したカード識別情報メモリ(19)と、
プレイヤにより提示されるカード(24)の表面の印刷情報を取り込むカード印刷情報取込み装置(17)と、
上記カード印刷情報取込み装置(17)により取り込まれたカード印刷情報と、上記カード識別情報メモリ(19)に記録されたカード識別情報とを対比、照合し、上記プレイヤにより提示されたカード(24)の種別を識別し、そのカードの種別に対応したカード認識信号を出力するカード認識装置(18)と、が設けられ、
上記プログラムメモリ(13b)には、少なくとも1つのゲームプログラムが、特定のカード認識信号と対応付けられて記録されており、
上記ゲーム演算制御装置(13)は、上記カード認識装置(18)から出力される特定のカード認識信号と対応するゲームプログラムを上記プログラムメモリ(13b)から読み出し、そのゲームプログラムに従い且つ上記ゲーム操作部(11)からのゲーム制御信号に応動してゲーム演算を行い、その演算結果に基づいて、上記画像処理回路(14)を介してビデオディスプレイ装置(12)にゲーム画像を表示するよう構成されたことを特徴とする、印刷されたカードの画像情報を利用するビデオゲーム装置。
【請求項2】
上記カード印刷情報取込み装置(17)が、所定の位置にセットされたカードの印刷情報を読み取るスキャナである請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項3】
上記カード印刷情報取込み装置(17)が、所定の位置に翳されたカードの印刷情報を撮影するデジタルカメラである請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項4】
上記カード識別情報メモリ(19)に記録されたカード識別情報が、ビデオゲーム装置(1)と通信可能なデータベース(23a)からダウンロードされるカード識別情報によりアップデート可能なように構成された請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項5】
上記カード識別情報メモリ(19)が、ビデオゲーム装置(1)と通信可能なデータベース(23a)内に設けられた請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項6】
プレイヤにより提示されるカード(24)が、特定の商品のオマケ又は付録として当該商品に添付されるシールである請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項7】
ビデオゲーム装置(1)には磁気データ書込み・読取り装置が付設され、カード(24)には、読出し書込み可能な磁気データが記録されており、カード(24)の印刷情報と共に、それらの磁気データも利用される請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項8】
カード(24)に有効期限が表示され、有効期限経過後は当該カードによってはゲームを行い得ないように構成された請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項9】
カード(24)に、使用回数限界が記録されており、1回のプレイ毎に、使用回数限界の記録がデクリメントされ、カードに記録された残存使用回数限界が0でないときはその使用回数限界信号により、ビデオゲーム装置(1)がアクチベートされ、ゲーム料金が免除されるように構成された請求項1に記載のビデオゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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