説明

印刷システム、合成装置及び印刷装置

【課題】印刷装置における入力ポートなどの構成を簡易にすることができる印刷システム、合成装置及び印刷装置を提供すること。
【解決手段】印刷装置3と合成装置2とを備える印刷システム1であって、前記合成装置2は、前記画像の画像情報と前記RFIDタグ4の記憶部41に書き込むためのタグ情報とを合成して合成情報を生成する合成手段21と、合成情報を前記印刷装置3に出力する出力手段24とを備え、前記印刷装置3は、前記出力手段24によって出力された合成情報から前記タグ情報を抽出する抽出手段31と、前記抽出手段31によって抽出されたタグ情報を記憶部41に書き込む書き込み手段35と、前記出力手段24によって出力された合成情報と前記抽出手段31によって抽出されたタグ情報とから生成される画像情報を、又は前記出力手段24によって出力された合成情報を、前記画像として印刷する印刷手段34とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、合成装置及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFIDタグを利用して各種情報の送受信が行われるようになってきている。
ここで、使用者が視認可能な画像情報をQRコードに付加する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、このような付加技術では、画像情報の内容を使用者に認識させることはできるものの、QRコードの内容については、当該QRコードの読出し装置や処理装置が必要になるため、構成全体が複雑かつ高価になってしまう。
【0003】
そこで、RFIDタグのICチップに内蔵された記憶部にタグ情報を書き込むだけでなく、RFIDタグの表面に画像などを印刷することができる印刷装置が提案されている。
このような印刷装置によれば、記憶部に記憶するタグ情報と、RFIDタグに印刷する画像などを対応させることにより、記憶部に書き込まれたタグ情報を、PC(Personal Computer)などのハードウェアによって処理させることができるだけでなく、RFIDタグの表面に印刷された画像などが目視可能となるため、当該画像を介してタグ情報の内容を利用者に認識させることができる。
【特許文献1】特開2007−43456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような印刷装置では、記憶部に書き込まれるタグ情報と、タグ表面に印刷するための画像情報とがそれぞれ別個に処理されて入力されるため、タグ情報の入力用と画像情報の入力用とで各情報の入力部を分ける必要があり、それら入力部を別個に制御するための処理や制御部が必要になり、構成が複雑になってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、印刷装置における情報の入力部の構成を簡易にすることができる印刷システム、合成装置及び印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、RFIDタグの表面に画像を印刷する印刷装置と、前記印刷装置に接続される合成装置とを備える印刷システムであって、前記合成装置は、前記画像の画像情報と前記RFIDタグの記憶部に書き込むためのタグ情報とを合成して合成情報を生成する合成手段と、前記合成手段によって生成された合成情報を前記印刷装置に出力する出力手段とを備え、前記印刷装置は、前記出力手段によって出力された合成情報から前記タグ情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出されたタグ情報を前記RFIDタグの記憶部に書き込む書き込み手段と、前記出力手段によって出力された合成情報と前記抽出手段によって抽出されたタグ情報とから生成される画像情報を、又は前記出力手段によって出力された合成情報を、前記画像として印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この発明では、合成装置において、合成手段が、画像情報とタグ情報とを合成して合成情報を生成し、出力手段が、合成情報を印刷装置に出力する。そして、印刷手段において、抽出手段が、出力手段によって出力された合成情報からタグ情報を抽出する。さらに、書き込み手段が、抽出手段によって抽出されたタグ情報をRFIDタグの記憶部に書き込み、印刷手段が、出力手段によって出力された合成情報と抽出手段によって抽出されたタグ情報とから生成された画像情報を画像として印刷し、又は出力手段によって出力された合成情報を画像として印刷する。
したがって、この発明によれば、画像情報とタグ情報とを合成して印刷装置に入力することができることから、印刷装置における情報の入力部やこの入力部を制御するための構成を簡易にすることができる。
【0008】
また、本発明は、前記画像情報が、予め偶数又は奇数に設定された画素ごとの階調値情報を有し、前記合成手段は、前記画素ごとの階調値情報に、前記タグ情報を各ビットずつ付加することにより前記合成情報を生成し、前記抽出手段は、前記合成情報のうち階調値情報が偶数又は奇数であるかに基づいて、前記タグ情報を抽出することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、画像情報とタグ情報とを容易に合成することができるだけでなく、合成情報からタグ情報を容易に抽出することができる。
なお、「付加」には、四則演算が含まれるものとする。
【0010】
また、本発明は、前記画像情報が、前記画像情報の元となる元画像情報から生成されたものであって、前記合成装置は、前記元画像情報の画素ごとの階調値情報を、偶数又は奇数に変換して前記画像情報を生成する変換手段を備えることを特徴とする。
【0011】
この発明においては、変換手段が、元画像情報の画素ごとの階調値情報を、あらかじめ偶数又は奇数に変換して画像情報を生成する。
したがって、この発明によれば、タグ情報を容易に分離することができる状態で、当該タグ情報を画像情報に容易に埋め込むことができる。
【0012】
また、本発明は、前記画像情報が、画素ごとの階調値情報を有し、前記合成手段は、前記タグ情報の各ビットの値に基づいて、前記画素ごとの階調値情報のそれぞれを偶数又は奇数にすることにより前記合成情報を生成し、前記抽出手段は、前記合成情報のうち前記階調値情報が偶数又は奇数であるかに基づいて、前記タグ情報を抽出することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、画像情報とタグ情報とを容易に合成することができるだけでなく、合成情報からタグ情報を容易に抽出することができる。
【0014】
また、本発明は、RFIDタグの表面に画像を印刷する印刷装置に接続される合成装置であって、前記画像の画像情報と前記RFIDタグの記憶部に書き込むためのタグ情報とを合成して合成情報を生成する合成手段と、前記合成手段によって生成された合成情報を前記印刷装置に出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、画像情報とタグ情報とを合成して印刷装置に入力することができることから、印刷装置の入力部やこの入力部を制御するための構成を簡易にすることができる。
【0016】
また、本発明は、RFIDタグに印刷する画像の画像情報と前記RFIDタグの記憶部に書き込むためのタグ情報とを合成して合成情報を生成し出力する合成装置に接続される印刷装置であって、前記合成装置から出力された合成情報から前記タグ情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出されたタグ情報を前記RFIDタグの記憶部に書き込む書き込み手段と、前記合成装置から出力された合成情報と前記抽出手段によって抽出されたタグ情報とから生成される画像情報を、又は前記合成装置から出力された合成情報を、前記画像として印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、合成された画像情報とタグ情報とを入力することができることから、入力部やこの入力部を制御するための構成を簡易にすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、印刷装置における情報の入力部の構成を簡易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態における印刷システム1について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態としての印刷システム1を示す概略ブロック図である。
印刷システム1は、例えば工場などの製造ラインにおいて利用されるRFIDタグ4への書き込みや印刷を行うものである。すなわち、RFIDタグ4の記憶部41に、例えば製造ラインに流される部品の名称や個数などに関する情報が記憶され、RFIDタグ4の表面に、同様の部品の名称や個数などに関する情報が印刷されるようになっている。
この印刷システム1は、複数の情報を合成する合成装置2と、RFIDタグ4への書き込み及び印刷を行う印刷装置3とを備えている。
合成装置2は、装置全体の動作を制御する合成制御部21と、この合成制御部21に接続された元画像情報入力部22、タグ情報入力部23、合成情報出力部(出力手段)24及び記憶部25とを備えている。
【0020】
元画像情報入力部22は、画像情報処理装置100と合成制御部21とを接続するものであり、画像情報処理装置100から出力された元画像情報を合成制御部21に入力する。
なお、画像情報処理装置100は、RFIDタグ4の表面に印刷するための画像情報を生成し、生成後の画像情報を元画像情報として元画像情報入力部22に出力するものである。
タグ情報入力部23は、タグ情報処理装置200と合成制御部21とを接続するものであり、タグ情報処理装置200から出力されたタグ情報を合成制御部21に入力する。
なお、タグ情報処理装置200は、RFIDタグ4の記憶部41に書き込むためのタグ情報を生成し、生成後のタグ情報をタグ情報入力部23に出力するものである。
【0021】
ここで、元画像情報とは、例えば工場で製造される部品の名称や個数などを示す画像情報であり、図4(a)に示すように、8ビットを一単位とした画素ごとの階調値情報により構成されるものである。
また、タグ情報とは、元画像情報に対応させて部品の名称や個数などを示す情報であり、図4(c)に示すように、1及び0からなる所定ビット数のバイナリデータによって構成されるものである。
【0022】
合成情報出力部24は、印刷装置3と合成制御部21とを接続するものであり、合成制御部21から出力された後述する合成情報を印刷装置3に出力する。
記憶部25は、合成制御部21の動作に必要なプログラムや種々の情報を記憶する。
また、合成制御部21は、元画像情報入力部22を介して入力された元画像情報に、後述する変換処理を施して変換画像情報(画像情報)を生成する。さらに、合成制御部21は、タグ情報入力部23を介して入力されたタグ情報を変換画像情報に合成して、合成情報を生成する。すなわち、合成制御部21は、変換手段及び合成手段として機能するものである。
【0023】
また、印刷装置3は、装置全体の動作を制御する印刷制御部31と、この印刷制御部31に接続された合成情報入力部32、記憶部33、印刷部(印刷手段)34及び書き込み部(書き込み手段)35とを備えている。
合成情報入力部32は、合成装置2と印刷制御部31とを接続するものであり、合成装置2から出力された合成情報を印刷制御部31に入力する。
記憶部33は、印刷制御部31の動作に必要なプログラムや種々の情報を記憶する。
印刷部34は、印刷制御部31の指示のもと、合成情報に基づいた画像をRFIDタグ4の表面に印刷する。
書き込み部35は、不図示の送信部を有しており、印刷制御部31の指示のもと、送信部を介して、タグ情報をRFIDタグ4に送信する。そして、RFIDタグ4は、送信されたタグ情報を受信し、当該タグ情報を記憶部41に記憶する。
印刷制御部31は、合成情報入力部32によって入力された合成情報から、後述するようにタグ情報を抽出し、この抽出したタグ情報を書き込み部35の送信部を介して、記憶部41に書き込む。この印刷制御部31は、抽出手段として機能するものである。
【0024】
次に、このように構成された本実施形態における印刷システム1の動作について説明する。
図2は、合成制御部21の動作を示すフローチャートである。
まず、画像情報処理装置100は、RFIDタグ4の表面に印刷するための画像情報を生成し、その画像情報を元画像情報として元画像情報入力部22に出力する。
一方、タグ情報処理装置200は、RFIDタグ4の記憶部41に書き込むためのタグ情報を生成し、そのタグ情報をタグ情報入力部23に出力する。
合成制御部21は、元画像情報入力部22から出力される元画像情報を取得し(ステップS1)、タグ情報入力部23から出力されるタグ情報を取得する(ステップS2)。
【0025】
次いで、合成制御部21は、元画像情報における画素ごとの階調値情報を読み出し、各階調値情報が奇数であるか否かを画素ごとに判定していく(ステップS3)。そして、合成制御部21は、階調値情報が奇数であると判定した画素については(ステップS3;YES)、その判定した階調値から1を減算する(ステップS4)。すなわち、図4に示すように、8ビットを一単位とした各階調値の中から、奇数の値(図4(a)に示す「61」、「65」)を抽出し、これら奇数の値から1を減算して奇数の値を偶数にする(図4(b)に示す「60」、「64」)。すなわち、合成制御部21は、元画像情報の階調値情報がすべて偶数になるように変換する。このように階調値情報がすべて偶数に変換された元画像情報が変換画像情報となる。なお、画像情報処理装置100によって生成された階調値情報が元々すべて偶数である場合は、元画像情報を変換画像情報として出力する。
【0026】
そして、ステップS4の後、又はステップS3において奇数がないと判定された後(ステップS3;NO)、合成制御部21は、変換画像情報にタグ情報を加算する(ステップS5)。すなわち、合成制御部21は、変換画像情報の画素ごとの階調値の最下位ビット(8ビットからなる画素ごとの階調値の1ビット目)に、それぞれタグ情報を1ビットずつ加算する。つまり、タグ情報のビットが「1」の場合には、階調値の最下位ビットに1が加算され、タグ情報のビットが「0」の場合には、階調値の最下位ビットがそのまま維持される。この処理は、各階調値ごとに行われる。具体的には、図4(b)から(d)に示すように、変換画像情報の階調値「254」(図4(b)の左端の階調値)の最下位ビットにタグ情報「1」が加算されて、階調値「255」となり、変換画像情報の階調値「254」(図4(b)の左から2番目の階調値)の最下位ビットにタグ情報「0」が加算されて、階調値「254」となる。
このようにして、変換画像情報にタグ情報が加算されて生成されたものが合成情報(図4(d)に示す。)となる。
そして、合成制御部21は、生成した合成情報を、合成情報出力部24を介して印刷装置3に出力し(ステップS6)、処理を終了する。
【0027】
次に、印刷装置3の印刷制御部31の動作について説明する。
図3は、印刷制御部31の動作を示すフローチャートである。
印刷制御部31は、合成情報入力部32から出力される合成情報を取得すると(ステップS10)、その合成情報からタグ情報を抽出する。すなわち、印刷制御部31は、合成情報における画素ごとの各階調値情報が奇数であるか否かを判定し(ステップS11)、奇数であると判定すると(ステップS11;YES)、その階調値を「1」に変換する(ステップS12)。また、印刷制御部31は、階調値情報が奇数でないと判定すると(ステップS11;NO)、その階調値を「0」に変換する(ステップS13)。この変換は、各階調値ごとに行われる。例えば、図4(c)及び(d)に示すように、印刷制御部31は、合成情報の階調値が「255」(図4(d)の左端の階調値)であるときには、これを奇数と判定し、この桁を「1」とする。また、印刷制御部31は、階調値が「254」(図4(d)の左から2番目の階調値)であるときには、これを奇数でないと判定し、この桁を「0」とする。これにより、合成情報からタグ情報が抽出される。
【0028】
次いで、印刷制御部31は、抽出したタグ情報を、書き込み部35を介してRFIDタグ4の記憶部41に書き込む(ステップS14)。これによって、記憶部41にタグ情報が記憶される。
さらに、印刷制御部31は、印刷部34によって、取得した合成情報を画像としてRFIDタグ4の表面に印刷して(ステップS15)、処理を終了する。これによって、RFIDタグ4の外観から画像が目視可能となる。
【0029】
以上より、本実施形態における印刷システム1によれば、変換画像情報とタグ情報とが合成されて印刷装置3に入力されるので、印刷装置における情報の入力部などの構成を簡易にすることができる。
また、合成情報の階調値情報が奇数であるかに基づいて、合成情報からタグ情報が抽出されるので、タグ情報を容易に抽出することができる。
また、階調値情報の画素ごとの最下位ビットにタグ情報の1ビット分が加算されて合成情報とされるので、その合成情報が画像として印刷されても、元画像情報の階調値情報が大きく変更されることなく、迅速かつ容易に画像を印刷することができる。そのため、RFIDタグ4の記憶部41に書き込む機能を有しておらず、かつ印刷する機能のみ有する印刷装置を合成装置2に接続しても、合成情報から画像を印刷することができ、汎用性を向上させることができる。
さらに、元画像情報を偶数に変換して変換画像情報とすることにより、タグ情報を容易に分離することができる状態で、そのタグ情報を変換画像情報に埋め込むことができる。
【0030】
なお、上記実施形態においては、合成制御部21が変換手段として機能するものとしたが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、画像情報処理装置100を変換手段として機能させてもよいし、画像情報処理装置100と合成装置2との間に変換手段としての別個の変換装置を設けるようにしてもよい。
また、元画像情報の各階調値情報がすべて偶数になるように変換して変換画像情報を生成するとしたが、これに限ることはなく、変換のやり方は適宜変更可能である。例えば、合成制御部21が、各階調値情報が偶数であるか否かを判定し、各階調値情報がすべて奇数になるように変換してもよい。この場合、合成情報の階調値情報が偶数の場合に、印刷制御部31が、「1」に変更し、奇数の場合に「0」に変更すればよい。さらに、合成装置2と印刷装置3との間で、階調値ごとに奇数と偶数とを予め設定しておけば、各階調値情報において、奇数と偶数とを混在させたデータを利用することも可能である。
【0031】
また、元画像情報の階調値情報から1を減算して、タグ情報を加算するとしたが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、元画像情報の階調値情報に1を加算して、タグ情報を減算してもよい。また、元画像情報の階調値情報に1を加算して、タグ情報を加算したり、いずれを減算としてもよい。ただし、元画像情報の階調値情報を大きく変更させないようにするには、加算と減算とを行うことが好ましい。さらに、加算、減算だけでなく、乗算、除算でもよい。
また、合成情報を画像として印刷する場合について説明したが、これに限ることはなく、合成情報における階調値情報の画素ごとの最下位ビットからタグ情報の1ビット分を減算して変換画像情報を演算して、この変換画像情報を画像として印刷するようにしてもよい。
【0032】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5から図7は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図5から図7において、図1から図4に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
【0033】
本実施形態における画像情報入力部22aは、画像情報処理装置100から出力された元画像情報を変換することなくそのまま画像情報として合成制御部21aに入力する。
合成制御部21aは、タグ情報の所定のビットが「1」のとき、画像情報の所定の1画素分の階調値を奇数にし、タグ情報の所定のビットが「0」のとき、画像情報の所定の1画素分の階調値を偶数にする。
【0034】
図6は、合成制御部21aの処理を示すフローチャートである。
合成制御部21aは、画像情報及びタグ情報を取得すると(ステップS20,S2)、タグ情報の各ビットが「1」であるか否かを判定する(ステップS21)。そして、合成制御部21aは、各ビットが「1」であると判定すると(ステップS20;YES)、画像情報における1画素分の階調値を奇数に変換する(ステップS22)。一方、合成制御部21aは、各ビットが「1」でないと判定すると(ステップS21;NO)、画像情報における1画素分の階調値を偶数に変換する(ステップS23)。この変換は、各階調値ごとに行われる。
【0035】
例えば、図7に示すように、合成制御部21aは、タグ情報のビットが「1」(図7(b)の左端のビット)であると、画像情報の画素ごとの階調値を読出し、この階調値が「254」(図7(a)の左端の階調値)であると、この階調値が偶数であるため「254」に「1」を加算して、奇数の「255」に変換する。
また、合成制御部21aは、タグ情報のビットが「0」(図7(b)の左から2番目のビット)であり、画像情報の画素ごとの階調値が「254」(図7(a)の左から2番目の階調値)であると、この階調値が偶数であるため、偶数の「254」を出力する。
また、合成制御部21aは、タグ情報のビットが「1」(図7(b)の左から3番目のビット)であり、画像情報の画素ごとの階調値が「61」(図7(a)の左から3番目の階調値)であると、この階調値が奇数であるため、奇数の「61」を出力する。
さらに、合成制御部21aは、タグ情報のビットが「0」(図7(b)の左から4番目のビット)であり、画像情報の画素ごとの階調値が「65」(図7(a)の左から4番目の階調値)であると、この階調値が奇数であるため「65」に「1」を加算して、偶数の「66」に変換する。このようにして変換された情報が、図7(c)に示す合成情報となる。
【0036】
そして、合成制御部21aは、合成情報出力部24を介して、合成情報を印刷装置3に出力する。
【0037】
以上より、本実施形態における印刷システム1aによれば、上記第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施形態において、タグ情報のビットが「1」のとき、階調値を奇数にし、タグ情報のビットが「0」のとき、階調値を偶数にするとしたが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、タグ情報のビットが「1」のとき、階調値を偶数にし、タグ情報のビットが「0」のとき、階調値を奇数にしてもよい。さらに、合成装置2aと印刷装置3との間で、階調値ごとに奇数と偶数とを予め設定しておけば、各階調値情報において、奇数と偶数とを混在させたデータを利用することも可能である。
また、合成処理時において、合成制御部21aが、階調値に「1」を加算するとしたが、これに限ることはなく、減算してもよい。さらに、加算、減算だけでなく、乗算、除算でもよい。
【0038】
また、上記第1及び第2の実施形態における合成制御部21,21a又は印刷制御部31の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0039】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る印刷システムの第1の実施形態を示す概略ブロック図である。
【図2】図1の合成制御部の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1の印刷制御部の動作を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態における元画像情報、変換画像情報、タグ情報及び合成情報の構造を示す説明図である。
【図5】本発明に係る印刷システムの第2の実施形態を示す概略ブロック図である。
【図6】図5の合成制御部の動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態における元画像情報、変換画像情報、タグ情報及び合成情報の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1,1a 印刷システム
2,2a 合成装置
3 印刷装置
4 RFIDタグ
41 記憶部
21,21a 合成制御部(合成手段、変換手段)
24 合成情報出力部(出力手段)
31 印刷制御部(抽出手段)
34 印刷部(印刷手段)
35 書き込み部(書き込み手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグの表面に画像を印刷する印刷装置と、前記印刷装置に接続される合成装置とを備える印刷システムであって、
前記合成装置は、
前記画像の画像情報と前記RFIDタグの記憶部に書き込むためのタグ情報とを合成して合成情報を生成する合成手段と、
前記合成手段によって生成された合成情報を前記印刷装置に出力する出力手段と
を備え、
前記印刷装置は、
前記出力手段によって出力された合成情報から前記タグ情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出されたタグ情報を前記RFIDタグの記憶部に書き込む書き込み手段と、
前記出力手段によって出力された合成情報と前記抽出手段によって抽出されたタグ情報とから生成される画像情報を、又は前記出力手段によって出力された合成情報を、前記画像として印刷する印刷手段と
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記画像情報は、予め偶数又は奇数に設定された画素ごとの階調値情報を有し、
前記合成手段は、前記画素ごとの階調値情報に、前記タグ情報を各ビットずつ付加することにより前記合成情報を生成し、
前記抽出手段は、前記合成情報のうち階調値情報が偶数又は奇数であるかに基づいて、前記タグ情報を抽出することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記画像情報は、前記画像情報の元となる元画像情報から生成されたものであって、
前記合成装置は、
前記元画像情報の画素ごとの階調値情報を、偶数又は奇数に変換して前記画像情報を生成する変換手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記画像情報は、画素ごとの階調値情報を有し、
前記合成手段は、前記タグ情報の各ビットの値に基づいて、前記画素ごとの階調値情報のそれぞれを偶数又は奇数にすることにより前記合成情報を生成し、
前記抽出手段は、前記合成情報のうち前記階調値情報が偶数又は奇数であるかに基づいて、前記タグ情報を抽出することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
RFIDタグの表面に画像を印刷する印刷装置に接続される合成装置であって、
前記画像の画像情報と前記RFIDタグの記憶部に書き込むためのタグ情報とを合成して合成情報を生成する合成手段と、
前記合成手段によって生成された合成情報を前記印刷装置に出力する出力手段と
を備えることを特徴とする合成装置。
【請求項6】
RFIDタグに印刷する画像の画像情報と前記RFIDタグの記憶部に書き込むためのタグ情報とを合成して合成情報を生成し出力する合成装置に接続される印刷装置であって、
前記合成装置から出力された合成情報から前記タグ情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出されたタグ情報を前記RFIDタグの記憶部に書き込む書き込み手段と、
前記合成装置から出力された合成情報と前記抽出手段によって抽出されたタグ情報とから生成される画像情報を、又は前記合成装置から出力された合成情報を、前記画像として印刷する印刷手段と
を備えることを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−217469(P2009−217469A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59588(P2008−59588)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】