説明

印刷システム

【課題】 撮影装置により撮影された画像に対して顔画像認証を行ない、当該顔画像認証の結果に基づいて所定のファイルを印刷する印刷システムを提供する。
【解決手段】 印刷システム50は、サーバ110と、サーバ110と通信可能で、ユーザが会議を行なう際等に、資料を表示し、表示された資料及び画面上で入力された情報等を印刷する機能を持つ表示装置52とを含む。サーバ110には、複数のユーザの各々に対して、顔画像から抽出された特徴量をテンプレートとして記憶するためのテンプレート記憶部112が接続されており、これらテンプレートは随時サーバ110から表示装置52に送信可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷システムに関し、特に、撮影装置により撮影された画像に対して顔画像認証を行ない、当該顔画像認証の結果に基づいて所定のファイルを印刷する印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議資料の印刷において、参加人数が確定していないときに、全ての参加者に会議資料が行き渡るようにするために、想定している人数よりも多めの分の印刷を行う場合がある。しかし、多めに印刷すると余りが生じる場合がある。その会議資料が極秘事項である場合、印刷物を廃棄する必要がある。したがって、多めに印刷しなければならないことと、余った分の印刷物を廃棄しなければならないこととで2重の手間が生じてしまう。
【0003】
会議開始時等において、参加者数が確定したときに印刷する場合、そのような無駄は生じない。しかし、印刷部数を決めるために人間が参加者人数を数える必要があり、また、途中参加者がいる場合に、その都度追加の印刷をしたりする手間が必要であるという別の課題が生じる。
【0004】
このような課題を解決するための一方策として、特許文献1に、デジタルカメラで撮影された画像データに含まれる人物の人数を検出して、検出した人数の分を印刷部数として、その画像データを印刷する装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−72929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
会議において会議の資料等を印刷する場合、会議の開始から終了まで参加者の数が一定であれば、特許文献1に記載の方法により参加者全員の分の印刷部数を決定することができる。したがって、印刷時には、その決定された印刷部数の分の資料を印刷すれば良い。
【0006】
しかし、会議の場合、参加者が途中で増える場合及び減る場合がある。特許文献1に記載の方法により印刷部数を決定して、一旦印刷してから途中で参加する者がある場合、特許文献1の方法では途中参加者のみの印刷部数を決定することができない。また、途中で退席する者があり、会議の終了時に退席者を含めた参加者全員の分の資料を印刷したい場合には、退席者を含めた分の印刷部数を決定することができない。途中参加者及び途中退席者の両方がいる場合であっても、特許文献1の技術により印刷部数を決定することは困難である。
【0007】
したがって、本発明の目的は、参加者の人数を人間が数えることなく、会議の進行を妨げないで、円滑に会議資料を印刷し、且つ配布することを可能にする印刷システムを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、会議の途中で参加する者がいる場合に、それらの者のために適切な分量の会議資料を印刷し、且つ配布することを可能にする印刷システムを提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、会議の途中で退席する者がいる場合に、それらの者のために適切な分量の会議資料を印刷し、且つ配布することを可能にする印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の局面に係る印刷システムは、表示装置と、印刷装置と、表示装置の表示面に面する領域の画像を撮影するように配置される撮影装置とを用いる印刷システムである。印刷システムは、データを表示装置に表示させるための表示手段と、撮影装置によって撮影された画像中に含まれる個人の数を計数し、計数された数に基づいて、印刷部数を設定するための設定手段と、ユーザから印刷の指示を受けたことに応答して、設定手段によって設定された印刷部数だけ、表示手段によって表示装置に表示されているデータを印刷装置に印刷させるための印刷手段とを含む。
【0011】
設定手段は、会議等において、表示装置の表示面に面する領域にいる会議の参加者の数を計数して印刷部数を設定し、印刷手段は、表示手段によって表示装置上に表示されている会議の資料等を、設定された印刷部数だけ印刷装置に印刷させる。したがって、会議に途中で参加する者及び途中で退席する者がいたとしても、それらの者が撮影装置によって撮影されていれば、それらの者の数が考慮された分量の会議の資料を印刷することができる。また、会議室にいる参加者の数が膨大であっても、人間が数えることによる数え間違いが起こらず、会議の資料を余分に印刷することと、余分に印刷された資料を廃棄することとによる2重の手間を防止することができる。さらに、途中で退席した人の数を人間が覚える必要がなく、退席した人の分を含めた適切な分量の会議の資料を印刷することができる。その結果、参加者の人数を人間が数えることなく、会議の進行を妨げないで、円滑に会議資料を印刷し、且つ配布することを可能にする印刷システムを提供することができる。
【0012】
好ましくは、設定手段は、指示を受けたときに撮影装置によって撮影された画像に含まれる個人の数を計数し、計数された数を印刷部数に設定するための手段を含む。
【0013】
設定手段は、会議において、撮影装置によって撮影された画像に含まれる個人の数を計数し、その数を印刷部数に設定するので、人間が数えることによる数え間違いが起こらず、適切な分量の会議の資料を印刷することができる。その結果、参加者の人数を人間が数えることなく、会議の進行を妨げないで、円滑に会議資料を印刷し、且つ配布することを可能にする印刷システムを提供することができる。
【0014】
より好ましくは、撮影装置は、所定の時間間隔で画像を連続撮影し、設定手段は、撮影装置によって撮影された画像の各々に対して、画像中に含まれる個人の数を計数するための計数手段と、計数手段によって計数された数の最大値を、印刷部数に設定するための最大値設定手段とを含む。
【0015】
設定手段は、撮影手段によって連続撮影された画像の各々に含まれる個人の数の最大値を、印刷部数に設定する。したがって、会議において、途中で参加したり、退席したりする者がいたとしても、会議の終了後に退席者に対して資料を手渡すことを前提として、会議の終了時に印刷指示を出せば、全出席者の分の資料を印刷することができる。その結果、会議の途中で退席する者がいる場合に、それらの者のために適切な分量の会議資料を印刷し、且つ配布することを可能にする印刷システムを提供することができる。
【0016】
さらに好ましくは、撮影装置は、所定の時間間隔で画像を連続撮影し、設定手段は、撮影装置によって撮影された画像に含まれる個人の数を計数し、計数された数を時系列に記憶するための第1の記憶手段と、指示を受けたときに、第1の記憶手段によって記憶されている数に基づいて印刷部数を設定し、第1の記憶手段によって記憶されている最新の数と、第1の記憶手段によって最新の数以前に記憶された数のうち、所定の条件を充足するものとの差分をユーザに提示するための差分提示手段とを含む。
【0017】
第1の記憶手段は、会議の途中で参加したり、退席したりする者がいたとしても、時系列で個人の数を記憶し、差分提示手段は、最新の数と最新の数以前に記憶された数のうち、所定の条件を充足するものとの差分の値を提示して、適切な分量を印刷部数に設定する。したがって、その差分が途中参加者及び退席者の数を示すように所定の条件を定めておけば、印刷指示を出すユーザは、その提示された差分の値を知ることによって、途中参加者及び退席者のための資料を印刷するか否かの適切な判断をすることができる。その結果、会議の途中で参加する者がおり、且つ会議の途中で退席する者がいる場合に、それらの者のために適切な分量の会議資料を印刷し、且つ配布することを可能にする印刷システムを提供することができる。
【0018】
さらに好ましくは、差分提示手段は、第1の記憶手段に記憶されている数の最大値を記憶するための最大値記憶手段と、指示を受けたときに、第1の記憶手段に記憶されている最新の数を印刷部数に設定し、最大値記憶手段に記憶されている最大値から、最新の数を引いた差分が正の数であれば、当該差分をユーザに提示するための手段とを含む。
【0019】
最大値記憶手段は、会議の途中で退席し、会議終了まで戻ってこない者がいる場合であっても、それらの者を含んだ全参加者の数を記憶し、最大値から印刷指示時の個人の数を引いた差分をユーザに提示する。したがって、会議終了時まで会議に参加した者が、退席者のために別途会議資料を印刷するか否かを判断させることが可能になる。
【0020】
さらに好ましくは、差分提示手段は、指示を受けたときに、第1の記憶手段に記憶されている最新の数と、第1の記憶手段に記憶されている、最新の数の直前に計数され記憶された数との差分をユーザに提示し、当該差分を印刷部数に設定するための手段を含む。
【0021】
差分提示手段は、会議の途中から参加する者がある場合、途中参加者が参加する前での参加者の数と途中参加者が参加した後での参加者の数との差分をユーザに提示するので、途中参加者が出現する度に印刷指示を出せば、途中参加者に提供するための会議の資料を印刷することができる。
【0022】
さらに好ましくは、設定手段は、顔画像の特徴量を記憶するための特徴量記憶手段と、撮影装置によって撮影された画像の部分画像の特徴量を特徴量記憶手段に記憶されている顔画像の特徴量と照合することにより、撮影装置によって撮影された画像中に含まれる顔画像を認識するための顔認識手段と、顔認識手段によって認識された顔画像の数を計数し、計数された数に基づいて印刷部数を設定するための顔画像数設定手段とを含む。
【0023】
設定手段は、顔認識処理により個人を認識して、認識された個人の数を計数する。したがって、高精度な顔認識技術を用いれば、個人の数を正確に数えることができ、適切に印刷部数を設定することができる。その結果、参加者の人数を人間が数えることなく、会議の進行を妨げないで、円滑に会議資料を印刷し、且つ配布することを可能にする印刷システムを提供することができる。
【0024】
さらに好ましくは、撮影装置は、所定の時間間隔で画像を連続撮影し、特徴量記憶手段に記憶されている顔画像には識別子が付されている。顔認識手段は、撮影装置によって撮影された画像の各々の部分画像の特徴量を特徴量記憶手段に記憶されている顔画像の特徴量と照合することにより、撮影装置によって撮影された画像の各々に含まれる顔画像を認識するための連続認識手段を含む。顔画像数設定手段は、連続認識手段によって認識された顔画像の識別子を特徴量記憶手段から抽出するための抽出手段と、抽出手段によって抽出された識別子を記憶するための識別子記憶手段と、指示を受けたときに、識別子記憶手段に記憶されている識別子の個数を計数し、個数を印刷部数に設定するための手段とを含む。
【0025】
会議等において、会議に途中で参加する者、並びに会議を途中で退席して戻ってこない者及び戻ってくる者があったとしても、識別子記憶手段には、全参加者の識別子が記憶される。したがって、識別子記憶手段に記憶されている分の数だけ会議の資料を印刷すれば、全参加者に資料を提供することができる。その結果、会議の途中で参加する者がおり、且つ会議の途中で退席する者がいる場合に、それらの者のために適切な分量の会議資料を印刷し、且つ配布することを可能にする印刷システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0027】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る印刷システムに含まれる表示装置52の外観構成を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る、表示装置52を含む印刷システム50の全体のハードウェア構成を示すブロック図である。図2を参照して、印刷システム50は、サーバ110と、サーバ110と通信可能で、ユーザが会議を行なう際等に、資料を表示し、表示された資料及び画面上で入力された情報等を印刷する機能を持つ表示装置52とを含む。サーバ110には、複数のユーザの各々に対して、顔画像から抽出された特徴量をテンプレートとして記憶するためのテンプレート記憶部112が接続されており、これらテンプレートは随時サーバ110から表示装置52に送信可能となっている。
【0028】
図1及び図2を参照して、表示装置52は、台座64と、台座64の上面上に設置され、横長の長方形形状をなす大型LCD(Liquid Crystal Display)56と、大型LCD56と同様の形状を有し、大型LCD56の前面に一体的に重ねて設けられる透明タッチパネル54と、大型LCD56の上側に設置され、表示装置52の前方を撮影するための撮影部58と、大型LCD56及び透明タッチパネル54の下側に設置され、プレゼンテーション原稿等を読取るためのスキャナ60と、台座64に設置され、会議の資料等を印刷するためのプリンタ66と、サーバ110と双方向通信を行ない、サーバ110に対して顔画像の特徴量のテンプレート取得の要求を出し、テンプレートをサーバ110から受信するための通信部108と、大型LCD56に表示される画像を制御するためのLCDコントローラ106と、プログラムと通信部108が受信した顔画像の特徴量のテンプレート等とを記憶するためのメモリ102と、大型LCD56、LCDコントローラ106、通信部108、メモリ102、撮影部58、プリンタ66、及びスキャナ60にそれぞれ接続され、メモリ102に記憶されているプログラムを実行することによって、撮影部58によって撮影された画像に基づいて、所定の部数の会議資料等を印刷する機能、及び表示装置としての一般的機能を実現するためのCPU100とを含む。
【0029】
台座64は、平坦な上面を有する基台68と、この基台68及び大型LCD56の両者を連結する左右一対の脚62とを備えている。基台68の底部には、表示装置52を移動させるための4つのキャスタ輪68Aが回転自在に取り付けられている。各脚62は、幅広の薄板部材であって、所定の間隔を隔てた状態で基台68の上面に直立している。これら脚62の各先端面に表示装置52が取り付けられている。脚62の間にプリンタ66が配置されている。
【0030】
大型LCD56は、その前面に形成された画像情報の画面表示を行なうための表示領域を有する。この大型LCD56の表示領域は、大型LCD56の外郭形状と相似形状を有しており、大型LCD56の前面の大部分を占めている。
【0031】
スキャナ60の前面には、上下一対の開口60A,60Bが形成されている。このスキャナ60では、原稿が上側の開口60Aから搬入されて読取られ、下側の開口60Bから排出される。
【0032】
<透明タッチパネル54の構成>
図3は、透明タッチパネル54の構成を簡略化して示す正面図である。この図においては、透明タッチパネル54の長辺に沿う方向(横方向)をX軸方向とし、短辺に沿う方向(縦方向)をY軸方向としている。
【0033】
図3を参照して、本実施の形態においては、透明タッチパネル54としては、光学的に位置検出を行なうタッチパネルが使用されている。具体的には、透明タッチパネル54の操作面の上側の長辺(即ち、上辺)の内縁部には、X軸方向フォトトランジスタアレイ130Xが当該上辺に沿って配置されている一方、下側の長辺(即ち、下辺)の内縁部には、X軸方向LED(Light Emitting Diode)アレイ132Xが当該下辺に沿って配置されている。これにより、互いに対向する、X軸方向フォトトランジスタアレイ130Xの各フォトトランジスタとX軸方向LEDアレイ132Xの各LEDとの間でX軸方向に沿った光軸が形成されることになる。また、透明タッチパネル54の操作面の右側の短辺(即ち、右辺)の内縁部には、Y軸方向フォトトランジスタアレイ130Yが当該右辺に沿って配置されている一方、左側の短辺(即ち、左辺)の内縁部には、Y軸方向LEDアレイ132Yが配置されている。これにより、互いに対向する、Y軸方向フォトトランジスタアレイ130Yの各フォトトランジスタとY軸方向LEDアレイ132Yの各LEDとの間でY軸方向に沿った光軸が形成されることになる。各フォトトランジスタアレイ130X及び130Yでは、それぞれ、その基板上にm個及びn個のフォトトランジスタが搭載されており、同様に各LEDアレイ132X及び132Yでは、その基板上にm個及びn個のLEDが搭載されているので、上記操作面上では、m×n個の光軸交差点が生じる。
【0034】
このような構成の透明タッチパネル54において、ユーザがタッチペンにより透過部材(操作面)上に触れると、この触れた位置TPを通過する、X軸方向及びY軸方向の各LEDアレイ132X,132YのLEDの光が当該タッチペンにより遮蔽される。これらLEDに対向する、X軸方向及びY軸方向の各フォトトランジスタアレイ130X,130Yのフォトトランジスタには光が到達しなくなる。これらフォトトランジスタの座標の組合せが、指定された座標位置として図2に示すCPU100に出力される。図3に示した例では、座標位置(Xi,Yj)が上記のタッチペンが触れた位置(ペンタッチ位置)TPに相当する。
【0035】
タッチペンによる透明タッチパネル54の操作面への座標入力はCPU100により検出される。CPU100は、大型LCD56の表示領域において、タッチペンにより入力された座標に対応する位置に所定のオブジェクトを表示させるように、LCDコントローラ106に要求する。ここに、「オブジェクト」とは、例えば、点画像である。ユーザがタッチペンで透明タッチパネル54の透過部材の表面(操作面)をなぞることにより、点画像のオブジェクトを連続的に表示させ、ユーザの所望する図形及び文字を描くことができる。なお、その他のオブジェクトとしては、直線、円形、三角形及び四角形といった、予め定められた定形図形を挙げることができる。
【0036】
<ソフトウェア構成>
図4は、表示装置52において、図2に示すCPU100が実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図4を参照して、このプログラムは、ユーザからの印刷指示があるまで待機するステップ150と、ステップ150において、ユーザからの印刷指示があった場合に、撮影部58に表示装置52の前方を撮影させるステップ152と、ステップ152の後、後述する顔認識処理により、ステップ152において撮影された画像から人間の顔を認識するステップ154と、ステップ154の後、ステップ154において認識された顔の数を、変数nに代入するステップ156と、ステップ156の後、変数nの値を印刷部数に設定し、印刷部数分の会議資料等をプリンタ66に印刷させ、ステップ150に制御を戻すステップ158とを含む。
【0037】
(顔認識処理)
本実施の形態における顔認識処理には、ニューラルネットワークを利用したパターンマッチング方式を用いる。具体的には、この処理は以下のような処理である。撮影された画像の画素数が1000×1000画素とする。マトリクスのサイズを100画素×100画素とする。撮影された画像上において、そのマトリクスをX方向及びY方向に順次走査させる。マトリクスが移動する度に、マトリクス上の画像から特徴量を抽出する。抽出された特徴量と、メモリ102に記憶されている顔画像の特徴量のテンプレートとで、パターンマッチングによる判定を行なう。マッチがあった時に、そのときのマトリクスの位置を顔であると判定する。
【0038】
図5(A)及び(B)は、画像から顔を認識する処理の例を示す図である。図5(A)は、撮影部58によって撮影された画像の例を示す。図5(A)を参照して、会議等において、参加者180、182、184、186、及び188が、机を中心にして、表示装置52の前方に位置している。図5(B)は、撮影された画像に対して、顔認識処理を行なった結果の例を示す。図5(B)を参照して、認識処理の結果、参加者180、182、184、186、及び188の顔が、それぞれ位置190、192、194、196、及び198において認識される。
【0039】
<動作>
上記した構成を持つ印刷システム50は以下のように動作する。会議が開始される際、表示装置52の前方に複数の会議参加者がいる。本実施の形態では、図1を参照して、撮影部58は、表示装置52上において、会議の参加者全員を撮影することができるような角度で配置されている。
【0040】
表示装置52は、会議の参加者から印刷指示があるまで待機する(図4に示すステップ150)。印刷指示があった場合、表示装置52は撮影部58に表示装置52の前方を撮影させる(図4に示すステップ152)。表示装置52は、撮影された画像から、参加者の顔を認識し(図4に示すステップ154)、認識した顔の数を記憶して(図4に示すステップ156)、その数の分だけ会議の資料をプリンタ66に印刷させる(図4に示すステップ158)。その後、表示装置52は、図4に示すステップ150に制御を戻す。
【0041】
<第1の実施の形態の効果>
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る印刷システム50を使用することにより、会議等において、ユーザが会議の参加者の人数を数えることなく、表示装置52が、会議の参加者の人数を数えて、会議の資料等を印刷する。したがって、ユーザによる数え間違いが起こらず、余分に印刷したり、印刷した分量が不足したりする事態を防止することができ、ユーザは会議資料等の印刷と配布とを円滑に行なうことができる。
【0042】
[第2の実施の形態]
本実施の形態に係る印刷システムの外観構成及びハードウェア構成は、第1の実施の形態に係る印刷システム50とほぼ同様であるが、撮影部58に代えて、表示装置の前方をリアルタイムで撮影するための撮影部(図示せず)を含む点と、CPU100で実行されるプログラムに代えて、撮影部により画像が撮影される度に画像から認識される顔の数を数える処理を、印刷指示があるまで繰返し、印刷指示があったときに、認識された人数の最大値の分の資料を印刷する機能を実現するためのプログラムによりプログラミングされている点とにおいて第1の実施の形態に係る印刷システム50と異なる。
【0043】
<ソフトウェア構成>
図6は、本実施の形態に係る印刷システムにおいて、この表示装置を起動すると同時に起動されるCPUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図6を参照して、このプログラムは、撮影された画像から認識された顔の数の最大数を記憶するための変数MAXを初期化、つまり変数MAXに0を代入するステップ250と、ステップ250の後に実行される図4に示すものと同じステップ152、154、及び156と、ステップ156の後、変数MAXの値が変数nの値より小さいか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ252と、ステップ252における判定結果がYESの場合に、変数MAXに変数nの値を代入するステップ254と、ステップ252における判定結果がNOである場合にはステップ252の後に、又はステップ252における判定結果がYESである場合にはステップ254の後に、それぞれ実行される図4に示すものと同じステップ150と、ステップ150における判定結果がYESの場合に、変数MAXの値を印刷部数に設定し、会議資料等をプリンタに印刷させ、ステップ152に制御を戻すステップ256とを含む。なお、ステップ150における判定結果がNOのとき、制御はステップ152に戻る。
【0044】
<動作>
上記した構成を持つ本実施の形態に係る印刷システムは以下のように動作する。
【0045】
会議が開始されたとき、表示装置は、変数MAXを初期化する(図6に示すステップ250)。
【0046】
表示装置は、撮影部に表示装置の前方を撮影させ(図6に示すステップ152)、撮影された画像から、参加者の顔を認識し(図6に示すステップ154)、認識した顔の数を記憶する(図6に示すステップ156)。表示装置は、変数MAXの値が変数nの値より小さいか否かを判定し(図6に示すステップ252)、判定結果がYESであれば最大値に変数nの値を代入する(図6に示すステップ254)。変数MAXは、会議参加者の人数が増えて行く度にその都度更新され、表示装置によってそれまで認識された顔の最大数が代入される。この変数MAXの値は、会議の途中で退席する者があっても変化しない。
【0047】
表示装置は、会議の参加者から印刷指示があるか否かを判定し(図6に示すステップ150)、印刷指示があるまで、上記のステップ152〜254までの処理を繰返す。印刷指示がある場合、表示装置は、変数MAXの値の分の会議資料をプリンタに印刷させ(図6に示すステップ256)、ステップ152に制御を戻す。
【0048】
<第2の実施の形態の効果>
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る印刷システムを使用することにより、会議等において、表示装置は印刷指示があるまで常に撮影を行ない、認識された顔の数の最大値を記憶する。そして、印刷指示があると、記憶された参加者の最大数と同じ部数だけ資料を印刷する。したがって、会議の途中で退席し、会議終了まで戻ってこない者がいる場合であっても、途中退席者に対して会議終了後に会議資料を手渡すことを前提として、その会議の全参加者の分の会議資料を印刷することが可能である。
【0049】
[第3の実施の形態]
本実施の形態に係る印刷システムの外観構成及びハードウェア構成は、第2の実施の形態に係る印刷システムとほぼ同様であるが、第2の実施の形態に係る印刷システムに含まれるプログラムに代えて、印刷指示があったときに、撮影部に改めて画像を撮影させ、その画像から認識される顔の数の分の資料を印刷し、その数が、認識された顔の最大値より少ない場合に、その差分を大型LCD上に表示する機能を実現するためのプログラムによりプログラミングされている点において第2の実施の形態に係る印刷システムと異なる。
【0050】
<ソフトウェア構成>
図7は、本実施の形態に係る印刷システムにおいて、この表示装置を起動すると同時に起動されるCPUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図7を参照して、このプログラムは、図6に示すものと同じステップ250、152、154、156、及び252と、ステップ252の判定結果がYESの場合に実行される図6に示すものと同じステップ254と、ステップ252における判定結果がNOの場合にはステップ252の後に、又はステップ252における判定結果がYESの場合にはステップ254の後に、それぞれ実行される図6に示すものと同じステップ150と、ステップ150での判定結果がYESの場合に、ステップ152と同じ処理を行なうステップ152Aと、ステップ152Aの後、ステップ154と同じ処理を行なうステップ154Aと、ステップ154Aの後、ステップ154Aにおいて認識された顔の数を、変数mに代入するステップ280と、ステップ280の後、変数MAXの値が変数mの値より大さいか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ282と、ステップ282の判定結果がYESの場合に、変数MAXの値からmの値を引いた差分の値をメモリに記憶させ、当該差分の値を大型LCDに表示させるようにLCDコントローラを制御するステップ284と、ステップ282における判定結果がNOの場合にはステップ282の後に、又はステップ282における判定結果がYESの場合にはステップ284の後に、それぞれ実行され、変数mの値を印刷部数に設定し、会議資料等をプリンタに印刷させ、ステップ152に制御を戻すステップ286とを含む。なお、ステップ150における判定結果がNOのとき、制御はステップ152に戻る。
【0051】
<動作>
上記した構成を持つ本実施の形態に係る印刷システムは以下のように動作する。
【0052】
本実施の形態に係る印刷システムの動作は、第2の実施の形態に係る印刷システムの動作とほぼ同様であるが、会議の参加者による印刷指示があった後からステップ152に制御を戻すまでの動作が異なっている。
【0053】
本実施の形態に係る印刷システムに含まれる表示装置は、印刷指示がされた後、撮影部に表示装置の前方を撮影させ(図7に示すステップ152A)、撮影された画像から、参加者の顔を認識し(図7に示すステップ154A)、そのときに認識した顔の数を変数mに記憶する(図7に示すステップ280)。表示装置は、認識した顔の最大値である変数MAXの値が、印刷指示時に認識した顔の数であるmの値より大きいか否かを判定し(図7に示すステップ282)、判定結果がYESであれば、その差分の値をメモリに記憶して、大型LCD上に表示させる(図7に示すステップ284)。会議の途中で会議室を退出する者があり、印刷指示時に認識した参加者の数が、それまでに表示装置が認識した参加者の最大数より少ない場合に、その差分の値が大型LCD上に表示される。
【0054】
表示装置は、印刷指示時に認識した顔の数の分の会議資料をプリンタに印刷させ(図7に示すステップ286)、ステップ152に制御を戻す。
【0055】
<第3の実施の形態の効果>
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る印刷システムを使用することにより、会議等において、会議の途中で退席し、会議終了まで戻ってこない者がいる場合であっても、表示装置が退席者の数を大型LCD上に表示することによって、会議終了時まで会議に参加した者が、退席者のために別途会議資料を印刷するか否かを判断させることが可能になる。
【0056】
[第4の実施の形態]
本実施の形態に係る印刷システムの外観構成及びハードウェア構成は、第2の実施の形態に係る印刷システムとほぼ同様であるが、第2の実施の形態に係る印刷システムに含まれるプログラムに代えて、撮影部により画像が撮影される度に、最新画像から認識される顔の数と、その最新画像の1つ前の画像から認識される顔の数との差分をメモリに記憶させ、かつ大型LCD上に表示させて、印刷指示があったときに、その差分の分の資料を印刷させる機能を実現するためのプログラムによりプログラミングされている点において第2の実施の形態に係る印刷システムと異なる。
【0057】
<ソフトウェア構成>
図8は、本実施の形態に係る印刷システムにおいて、この表示装置を起動すると同時に起動されるCPUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図8を参照して、このプログラムは、最新の撮影画像の1つ前の画像から認識された顔の数を記憶するための変数PREVに0を代入するステップ310と、ステップ310の後に実行される、図4に示すものと同じステップ152及び154と、ステップ154の後、最新の画像から認識された顔の数を記憶するための変数NEWに、ステップ154において認識された顔の数を代入するステップ312と、ステップ312の後、変数NEWの値と変数PREVの値とが等しいか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ314と、ステップ314での判定結果がNOの場合、変数dに、変数NEWの値から変数PREVの値を引いた値を代入し、dの値を大型LCDに表示させるようにLCDコントローラを制御するステップ316と、ステップ314における判定結果がYESの場合にはステップ314の後に、又はステップ314における判定結果がNOの場合にはステップ316の後に、それぞれ実行され、変数PREVに、変数NEWの値を代入するステップ318と、ステップ318の後に実行される、図4に示すものと同じステップ150と、ステップ150での判定結果がYESの場合に、dの値を印刷部数に設定し、会議資料等をプリンタに印刷させ、ステップ152に制御を戻すステップ322とを含む。なお、ステップ150における判定結果がNOのとき、制御はステップ152に戻る。
【0058】
<動作>
上記した構成を持つ本実施の形態に係る印刷システムは以下のように動作する。
【0059】
表示装置は、変数PREVを初期化し(図8に示すステップ310)、撮影部に表示装置の前方を撮影させ(図8に示すステップ152)、撮影された画像から、参加者の顔を認識する(図8に示すステップ154)。表示装置は、ステップ154で認識された最新の画像の顔の数を記憶し(図8に示すステップ312)、最新の画像の顔の数とその1つ前の画像の顔の数とが等しいか否かを判定する(図8に示すステップ314)。等しくない場合、変数dにその差分の値を代入し、その値を大型LCD上に表示する(図8に示すステップ316)。表示装置は、変数PREVの値を変数NEWに代入する(図8に示すステップ318)。変数dは、会議に途中で参加したり、退席したりする者がある度にその都度更新され、途中で参加する者がある場合には、正の整数値が代入され、途中で退席する者がある場合には、負の整数値が代入される。
【0060】
表示装置は、会議の参加者から印刷指示があるか否かを判定し(図8に示すステップ150)、印刷指示があるまで、上記のステップ152〜318までの処理を繰返す。印刷指示があった場合、表示装置は、最新の画像の顔の数と、その1つ前の画像の顔の数とのの差分の分だけ会議の資料をプリンタ66に印刷させ(図8に示すステップ322)、ステップ152に制御を戻す。
【0061】
<第4の実施の形態の効果>
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る印刷システムを使用することにより、会議等において、会議の途中から参加する者がいる場合であっても、その都度、表示装置に対して印刷指示を出せば、途中参加者に提供するための会議資料等を印刷することができる。
【0062】
[第5の実施の形態]
本実施の形態に係る印刷システムの外観構成及びハードウェア構成は、第2の実施の形態に係る印刷システムとほぼ同様であるが、印刷システムに含まれるメモリが、顔画像の特徴量のテンプレートの各々に対して、各テンプレートを一意に識別するための顔画像番号を付したものを予め記憶するためのマッピングテーブルと、会議が開始されてから、顔認識処理により認識された顔の顔画像番号を記憶するための参加者テーブルとを記憶する点と、第2の実施の形態に係る印刷システムのプログラムに代えて、撮影部により画像が撮影される度に、マッピングテーブル及び参加者テーブルを参照して、認識した顔の顔画像番号が参加者テーブルに存在しなければ、その顔画像番号を参加者テーブルに追加し、印刷指示があったときに、参加者テーブルに記憶されている全参加者の分の資料を印刷させる機能を実現するためのプログラムによりプログラミングされている点とにおいて、第2の実施の形態に係る印刷システムと異なる。
【0063】
図9は、参加者テーブルの例を示す。図9を参照して、参加者テーブルは、顔画像番号を記憶する「画像番号」の列と、画像番号が参加者テーブルに追加される度に、当該画像番号に対して1からの連番を付与して記憶する「シリアル番号」の列とから成る。例えば、画像番号が25、14、8、・・・、及び67の順番で、参加者テーブルに追加された場合、画像番号25、14、8、・・・、及び67には、それぞれ1、2、3、・・・、及び17のシリアル番号が付与される。
【0064】
<ソフトウェア構成>
図10は、本実施の形態に係る印刷システムにおいて、この表示装置を起動すると同時に起動されるCPUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図10を参照して、このプログラムは、図4に示すものと同じステップ152及び154と、ステップ154の後、ステップ154において認識された顔画像を、メモリ内に記憶されているテンプレートと照合し、マッピングテーブルを参照して、合致したテンプレートの顔画像番号を抽出するステップ350と、ステップ350の後、ステップ350において抽出された顔画像番号の中で、参加者テーブルにないものがあれば、その顔画像番号にシリアル番号を付与したものを参加者テーブルに追加するステップ354と、ステップ354の後に実行される、図4に示すものと同じステップ150と、ステップ150の判定結果がYESの場合に、参加者テーブルのシリアル番号の最大値を印刷部数に設定し、会議資料等をプリンタに印刷させ、ステップ152に制御を戻すステップ352とを含む。なお、ステップ150における判定結果がNOのとき、制御はステップ152に戻る。
【0065】
<動作>
上記した構成を持つ本実施の形態に係る印刷システムは以下のように動作する。
【0066】
会議が開始される際、図9に示す参加者テーブルのレコード数は0である。マッピングテーブルには複数のユーザの分のテンプレート及び顔画像番号の組が記憶されている。
【0067】
表示装置は、撮影部に表示装置の前方を撮影させ(図10に示すステップ152)、撮影された画像から、参加者の顔を認識する(図10に示すステップ154)。表示装置は、認識された顔を、予めメモリ内に記憶している顔画像の特徴量のテンプレートと照合し、マッピングテーブルを参照して、照合処理において合致したテンプレートの顔画像番号を抽出する(図10に示すステップ350)。表示装置は、抽出された顔画像番号の中で、参加者テーブルに存在しない顔画像番号を、シリアル番号と共に参加者テーブルに追加する(図10に示すステップ354)。表示装置は、会議の参加者から印刷指示があるか否かを判定し(図9に示すステップ150)、印刷指示があるまで、上記のステップ152〜354までの処理を繰返す。会議において、会議に途中で参加する者、並びに会議を途中で退席して戻ってこない者及び戻ってくる者があったとしても、参加者テーブルには、全ての出席者の顔画像番号が記憶される。
【0068】
印刷指示があった場合、表示装置は、参加者テーブルのシリアル番号の最大値の分だけ会議の資料をプリンタに印刷させ(図10に示すステップ352)、ステップ152に制御を戻す。
【0069】
<第5の実施の形態の効果>
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る印刷システムを使用することにより、会議等において、会議に途中で参加する者、並びに会議を途中で退席して戻ってこない者及び戻ってくる者があったとしても、参加者テーブルには、会議の参加者全員の顔画像番号とシリアル番号とが記憶される。したがって、参加者テーブルに記憶されている分の数だけ印刷すれば、参加者全員の分の会議資料等を印刷することが可能である。
【0070】
<変形例>
上記した実施の形態では、顔認識処理には、ニューラルネットワークを利用したパターンマッチング方式を用いていた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。多変量解析を利用したパターンマッチング方式の他に、遺伝的アルゴリズムを用いるものでも、サポートベクタマシンを用いるものでも良い。
【0071】
また、上記した実施の形態では、撮影部は1つであったが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。複数の撮影部を用意し、参加者がどの方向に顔を向けていたとしても、複数の撮影部のいずれかが参加者の顔を認識することができるように、撮影部を配置してもよい。
【0072】
さらに、上記した実施の形態では、会議の参加者の人数を数えるために、撮影部によって撮影された画像から顔を認識し、認識した顔の数を数えていた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。撮影された画像から、顔を含む人間の体の部位を認識して、参加者の人数を数えるものでも良い。
【0073】
さらに、上記した実施の形態では、プリンタは、会議の資料を印刷していた。しかし、本発明において、プリンタによって印刷されるものは、そのような資料には限定されず、大型LCD上において表示された画像の他に、スキャナから読込んだものでも良い。
【0074】
さらに、第3及び第4の実施の形態では、大型LCD上に数値を表示していた。しかし、本発明において、数値をユーザに提示するための方法は、そのような方法には限定されず、プリンタで印刷して提示することの他に、表示装置にスピーカを接続し、音声を出力させて提示しても良い。
【0075】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る印刷システムに含まれる表示装置52の外観構成を示す斜視図である。
【図2】印刷システム50のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す透明タッチパネル54の構成を簡略化して示す正面図である。
【図4】図2に示す印刷システム50を実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図5】顔認識処理の結果の例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る印刷システムを実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る印刷システムを実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る印刷システムを実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】参加者テーブルの例を示す図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係る印刷システムを実現するコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
50 印刷システム
52 表示装置
54 透明タッチパネル
56 大型LCD
58 撮影部
60 スキャナ
66 プリンタ
100 CPU
102 メモリ
106 LCDコントローラ
108 通信部
110 サーバ
112 テンプレート記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、印刷装置と、前記表示装置の表示面に面する領域の画像を撮影するように配置される撮影装置とを用いる印刷システムであって、
前記印刷システムは、
データを前記表示装置に表示させるための表示手段と、
前記撮影装置によって撮影された画像中に含まれる個人の数を計数し、前記計数された数に基づいて、印刷部数を設定するための設定手段と、
ユーザから印刷の指示を受けたことに応答して、前記設定手段によって設定された印刷部数だけ、前記表示手段によって前記表示装置に表示されているデータを前記印刷装置に印刷させるための印刷手段とを含む、印刷システム。
【請求項2】
前記設定手段は、前記指示を受けたときに前記撮影装置によって撮影された画像に含まれる個人の数を計数し、計数された数を前記印刷部数に設定するための手段を含む、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記撮影装置は、所定の時間間隔で画像を連続撮影し、
前記設定手段は、
前記撮影装置によって撮影された画像の各々に対して、画像中に含まれる個人の数を計数するための計数手段と、
前記計数手段によって計数された数の最大値を、前記印刷部数に設定するための最大値設定手段とを含む、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記撮影装置は、所定の時間間隔で画像を連続撮影し、
前記設定手段は、
前記撮影装置によって撮影された画像に含まれる個人の数を計数し、計数された数を時系列に記憶するための第1の記憶手段と、
前記指示を受けたときに、前記第1の記憶手段によって記憶されている数に基づいて前記印刷部数を設定し、前記第1の記憶手段によって記憶されている最新の数と、前記第1の記憶手段によって前記最新の数以前に記憶された数のうち、所定の条件を充足するものとの差分をユーザに提示するための差分提示手段とを含む、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記差分提示手段は、
前記第1の記憶手段に記憶されている数の最大値を記憶するための最大値記憶手段と、
前記指示を受けたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記最新の数を前記印刷部数に設定し、前記最大値記憶手段に記憶されている最大値から、前記最新の数を引いた差分が正の数であれば、当該差分をユーザに提示するための手段とを含む、請求項4に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記差分提示手段は、前記指示を受けたときに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記最新の数と、前記第1の記憶手段に記憶されている、前記最新の数の直前に計数され記憶された数との差分をユーザに提示し、当該差分を前記印刷部数に設定するための手段を含む、請求項4に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記設定手段は、
顔画像の特徴量を記憶するための特徴量記憶手段と、
前記撮影装置によって撮影された画像の部分画像の特徴量を前記特徴量記憶手段に記憶されている前記顔画像の特徴量と照合することにより、前記撮影装置によって撮影された画像中に含まれる顔画像を認識するための顔認識手段と、
前記顔認識手段によって認識された顔画像の数を計数し、計数された数に基づいて前記印刷部数を設定するための顔画像数設定手段とを含む、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記撮影装置は、所定の時間間隔で画像を連続撮影し、
前記特徴量記憶手段に記憶されている顔画像には識別子が付されており、
前記顔認識手段は、前記撮影装置によって撮影された画像の各々の部分画像の特徴量を前記特徴量記憶手段に記憶されている前記顔画像の特徴量と照合することにより、前記撮影装置によって撮影された画像の各々に含まれる顔画像を認識するための連続認識手段を含み、
前記顔画像数設定手段は、
前記連続認識手段によって認識された顔画像の識別子を前記特徴量記憶手段から抽出するための抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された識別子を記憶するための識別子記憶手段と、
前記指示を受けたときに、前記識別子記憶手段に記憶されている識別子の個数を計数し、前記個数を前記印刷部数に設定するための手段とを含む、請求項7に記載の印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−157455(P2009−157455A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332140(P2007−332140)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】