印刷処理装置、印刷処理方法、および印刷制御プログラム
【課題】製本体裁での製本印刷機能とページレイアウト機能が併用される場合に、製本体裁の見開き状態でページレイアウトを可能にすること。
【解決手段】印刷処理装置は、製本印刷時に製本体裁の各ページに対してページレイアウト処理を行うか、または製本体裁の見開きページに対してページレイアウト処理を行うかを設定可能である。ページレイアウト機能と製本印刷機能を組み合わせる場合、製本印刷時に製本体裁の見開きページに対するページレイアウト処理が設定されていると、製本体裁の見開きページに対して複数の印刷データを指定の配置順でそれぞれ配置する制御が行われる。この時、ページレイアウトについて指定された配置順では、ページ順序に不整合が生じる場合、製本体裁の表紙と裏表紙となるページに対して配置順を変更し、ページ順序の整合性を維持する処理が行われる。
【解決手段】印刷処理装置は、製本印刷時に製本体裁の各ページに対してページレイアウト処理を行うか、または製本体裁の見開きページに対してページレイアウト処理を行うかを設定可能である。ページレイアウト機能と製本印刷機能を組み合わせる場合、製本印刷時に製本体裁の見開きページに対するページレイアウト処理が設定されていると、製本体裁の見開きページに対して複数の印刷データを指定の配置順でそれぞれ配置する制御が行われる。この時、ページレイアウトについて指定された配置順では、ページ順序に不整合が生じる場合、製本体裁の表紙と裏表紙となるページに対して配置順を変更し、ページ順序の整合性を維持する処理が行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製本体裁での製本印刷処理およびページレイアウト処理による印刷技術に関し、特に、印刷装置で印刷を可能にするプリンタドライバの印刷設定制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置に搭載したオペレーティングシステム(以下、OSという)上で動作するアプリケーションからプリンタ等の印刷装置に印刷を指示するために、プリンタドライバと呼ばれるソフトウェアがある。このプリンタドライバにより、給紙カセットの選択、色処理方法の設定、排紙方法の選択等の各種印刷設定が可能である。また、複数の論理ページのデータを1枚の物理用紙(出力用紙ともいう)に割り付けて印刷することで用紙を節約する印刷機能が知られている。なお、論理ページとはアプリケーション等により情報処理装置内で扱う処理単位としてのページであり、実際に印刷される出力用紙に付与される物理ページとは区別される。
【0003】
プリンタドライバは、1枚の物理用紙の1面、つまり、1つの物理ページに対して複数の論理ページの印刷データを配置するページレイアウト機能を有する。このページレイアウト機能では、1枚の出力用紙に対して、何ページを配置するかを指示する機能とともに配置順の指定も可能である。また製本印刷機能は、仕上げの形態として物理ページの半分の領域に別々の印刷データを配置して束ねた状態でその境界線を折り合わせることにより製本とする機能である。
特許文献1に開示の技術では、製本体裁で印刷物を作成する場合、各ページに複数ページのデータを配置可能としており、また見開きページで1つの印刷データを印刷可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−200814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、ページレイアウト機能と製本印刷機能を併用した時に、各製本の論理ページに対してページレイアウト処理が行われるため、製本時に見開きとなる2ページ分の論理ページの間でページレイアウトができない。つまり、ユーザは製本体裁の見開きとなる2ページに亘る論理ページの間でページレイアウトを行う設定と、各ページでページレイアウトを行う設定を選択できないという課題があった。
本発明の目的は、製本体裁での製本印刷機能とページレイアウト機能が併用される場合に、製本体裁の見開き状態でページレイアウトを可能とする印刷処理を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る印刷処理装置は、本の見開きを構成する第1印刷領域と第2印刷領域のそれぞれに対して原稿データのページを配置する第1レイアウト処理、または、前記本の見開きに跨って原稿データのページを配置する第2レイアウト処理を設定する設定手段と、前記設定手段によって前記第1レイアウト処理が設定されている場合には、前記本の見開きを構成する前記第1印刷領域に対して複数のページが連続して配置され、かつ、前記第2印刷領域には前記第1印刷領域に配置された前記複数のページに続く複数のページが連続して配置される印刷データを生成し、また前記設定手段によって前記第2レイアウト処理が設定されている場合には、前記第1印刷領域と前記第2印刷領域に跨って複数のページが連続して配置される印刷データを生成する印刷制御手段を備え、前記第1レイアウト処理が設定された場合に得られる印刷物と、前記第2レイアウト処理が設定された場合に得られる印刷物とは、前記本の見開きページ内で前記原稿データのレイアウトが異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、製本体裁での製本印刷機能とページレイアウト機能が併用される場合に、製本体裁の見開き状態でページレイアウトが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る印刷処理装置を用いたシステム構成例を示すブロック図である。
【図2】ホストコンピュータにおける典型的な印刷データ生成方法を説明するためにソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】プリンタドライバのページレイアウト機能を説明する表示画面例(A)、ページレイアウト選択例(B)、及び配置順の選択例(C)を示す図である。
【図4】プリンタドライバの製本印刷機能を説明する表示画面例(A)、及び製本印刷機能の詳細設定を説明する表示画面例(B)を示す図である。
【図5】プリンタドライバの製本印刷機能の処理例を示す説明図である。
【図6】製本印刷機能とページレイアウト機能を組み合わせた処理例を示す説明図である。
【図7】見開きレイアウトで製本印刷機能とページレイアウト機能を組み合わせた処理例を示す説明図である。
【図8】ページレイアウトの配置順と製本印刷を組み合わせた場合に起こるページ順序の不整合を説明する図である。
【図9】製本体裁の見開き方向に合わせて表紙及び裏表紙のページレイアウトを自動的に変更する処理例を示す説明図である。
【図10】原稿データに白紙ページのデータを挿入して製本体裁の物理用紙に配置する処理例を示す説明図である。
【図11】1ページ/枚の設定で製本印刷時の見開きレイアウトを行う例を示す説明図である。
【図12】本実施形態に係る制御例を説明するフローチャートである。
【図13】1ページ/枚で製本印刷機能が設定されている場合の制御例を説明するフローチャートである。
【図14】印刷物の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る印刷処理装置を用いたプリンタ制御システムの構成例を示すブロック図である。本例では、出力用紙の印刷領域に複数ページの印刷データを指定の配置順で配置するページレイアウト処理の機能が実行可能である。そして、出力用紙の印刷領域を分割した領域に印刷データをそれぞれ配置して束ねた状態で折り合わせることで製本体裁とする製本印刷処理の機能が実行可能である。なお、これらの機能が実行される環境は、単体の機器でも複数の機器からなるシステムでもよい。また、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のコンピュータネットワークを介して接続されて処理が行われるシステムでも本発明を適用可能である。
【0010】
図1に示すホストコンピュータ3000はCPU(中央演算処理装置)1を備え、文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在する文書データの処理を実行する。文書処理プログラムはROM(読み出し専用メモリ)3のプログラム用ROMまたは外部メモリ11に記憶されている。CPU1はシステムバス4に接続される各デバイスを総括的に制御する。また、このROM3のプログラム用ROMまたは外部メモリ11には、CPU1の制御プログラムであるOSのプログラム等が記憶されている。ROM3のフォント用ROMまたは外部メモリ11には文書処理に使用するフォントデータ等が記憶され、ROM3のデータ用ROMまたは外部メモリ11には文書処理等に使用する各種データが記憶されている。RAM(Random Access Memory)2は、CPU1の主メモリ、ワークエリア等としての機能をもつ。キーボードコントローラ(KBC)5は、キーボード9や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)6は、ディスプレイ(CRT)10の表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)7は、ハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)等の外部メモリ11とのアクセスを制御する。これらの記憶装置はブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、印刷制御プログラム等を記憶する。以下では、印刷制御に用いるプリンタ制御コマンド生成プログラムを、プリンタドライバという(図2参照)。
【0011】
プリンタコントローラ(PRTC)8は、所定の双方向性I/F(インタフェース)21を介してプリンタ1500に接続され、プリンタ1500との間で印刷データ等の通信制御処理を行う。なお、CPU1は、例えばRAM2上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、ディスプレイ10上でのWYSIWYGを可能とする。またCPU1は、ディスプレイ10の画面上に表示される不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて、登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷処理を装置に指示して実行させる際、印刷設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷機能の選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法を設定できる。
【0012】
次にプリンタ1500の構成を説明する。
プリンタのCPU12は制御プログラム等に基づいて、システムバス15に接続される印刷部I/F16を介して印刷部(プリンタエンジン)17に出力情報としての画像信号を出力する。制御プログラムはROM13のプログラム用ROMに記憶されるか、または外部メモリ14に記憶されている。ROM13のフォント用ROMは上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等を記憶しており、ROM13のデータ用ROMは、ハードディスク等の外部メモリ14がないプリンタの場合、ホストコンピュータ3000上で利用される情報等を記憶している。CPU12は入力部18を介してホストコンピュータ3000と通信処理を行い、プリンタ1500内の情報等をホストコンピュータ3000に通知する。RAM19はCPU12の主メモリ、ワークエリア等としての機能を有し、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張可能である。なお、RAM19は、出力情報の展開領域、環境データの格納領域、NVRAM(Non Volatile RAM)等に用いられる。外部メモリ14にはハードディスク(HD)、ICカード等が使用され、メモリコントローラ(MC)20によりアクセスが制御される。外部メモリ14はオプションデバイスとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、操作部1501にはユーザ操作のためのスイッチおよびLED(発光ダイオード)表示器等が配置されている。なお外部メモリ14の数は2個以上でもよい。例えば、内蔵フォントに加えてオプションフォントカードや、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した複数の外部メモリをプリンタ1500に接続できる構成でもよい。また不図示のNVRAMを設けて操作部1501からのプリンタモード設定情報を記憶させてもよい。
【0013】
図2は、ホストコンピュータにおける典型的な印刷処理の流れを示す構成図である。ホストコンピュータ3000には、プリンタ等の印刷装置が直接接続されるか、またはネットワーク経由で印刷装置が接続されている。
アプリケーション201、グラフィックエンジン202、プリンタドライバ203、システムスプーラ204、およびポートモニタ205は、外部メモリ11に保存されたコンピュータ読み取り可能なプログラムファイルとして存在する。これらはOSやそのモジュールによってRAM2にロードされてCPU1が実行するプログラムモジュールであり、プリンタドライバ203以降の部分は印刷制御に使用される。また、アプリケーション201およびプリンタドライバ203は、外部メモリ11のFDや不図示のCD−ROM、あるいはネットワークを経由して外部メモリ11のHDに追加可能である。外部メモリ11に保存されているアプリケーション201はRAM2にロードされてCPU1が実行する。ユーザがアプリケーション201からプリンタ1500に対して印刷を指示する際には、同様にRAM2にロードされ実行可能となっているグラフィックエンジン202を利用して出力(描画)処理が行われる。グラフィックエンジン202は、印刷装置ごとに用意されたプリンタドライバ203を外部メモリ11からRAM2にロードする。アプリケーション201の出力はプリンタドライバ203を用いてプリンタの制御コマンドに変換される。プリンタの制御コマンドは、OSによってRAM2にロードされたシステムスプーラ204とポートモニタ205をそれぞれ経た後、インタフェース21を経由してプリンタ1500へ出力される。
【0014】
図3(A)は、プリンタドライバ203のページレイアウト機能を説明するためのユーザインタフェース(UI)画面例を示す。この画面はCPU1が解釈して実行するプログラムに従ってディスプレイ10の画面に表示される。
ページレイアウト機能とは、指定された複数ページの印刷データを出力用紙の1つの物理ページ上(出力用紙の面)に配置する機能であり、1ページに配置するページ数とともに配置順を指定可能である。図3(A)に例示するUI画面300(ページ設定画面)はページレイアウトの設定領域301、見開きレイアウトの設定領域302、配置順の設定領域303を有する。ユーザはページレイアウトの設定領域301により、ページレイアウト設定が可能である。その選択内容を図3(B)に例示する。標準設定では1ページ/枚とされ、ユーザ操作でそれ以外が選択された場合、設定領域303で配置順の設定が可能となる。配置順の選択内容を図3(C)に示す。本例では、図3(B)で4ページ/枚が選択された場合に、その選択結果に応じて設定可能な配置順として、「左上から右向き」、「左上から下向き」、「右上から左向き」、「右上から下向き」を示す。
【0015】
設定領域302は、ユーザが「製本時に見開きレイアウトする」を指定する際の領域であり、本例ではチェックボックスが使用されている。後述する製本印刷機能とページレイアウト機能が選択され、「製本時に見開きレイアウトする」が選択されていない場合、製本時の各ページに対して設定領域301および303の設定内容に従って原稿ページを配置する処理が実行される。また、「製本時に見開きレイアウトする」が選択されている場合、製本体裁時の見開き2ページ分に亘って、設定領域301および303の設定内容に従って複数のページを配置する処理が実行される。
なお、製本印刷機能が選択され、設定領域301にて標準設定である「1ページ/枚」が選択されている場合も、ユーザは「製本時に見開きレイアウトする」を選択して設定することができる。この場合、製本体裁の見開き2ページに亘って、1ページ分の原稿ページが拡大されて配置される。
【0016】
図4は、製本印刷機能を説明するためのUI画面例を示す。製本印刷機能とは、物理用紙の両面にそれぞれ2ページ分の印刷データを配置し、境界線を折り合わせることで本のように仕上げる印刷機能である。図4(A)に示す仕上げ設定UI画面400では、ユーザ操作により印刷方法の設定領域401で「製本印刷」が選択されることにより製本印刷が可能となる。図示の例では、「片面印刷」、「両面印刷」、「製本印刷」の選択肢を示す。製本印刷の選択時にユーザは、詳細設定ボタン402の選択が可能であり、当該ボタンが操作された場合の製本詳細のUI画面例を図4(B)に示す。製本印刷の方法を設定する設定領域403では、全ページを1つの製本として仕上げるか、または複数の分冊として仕上げるかを設定可能である。また設定領域404では製本時の開き方向を設定可能である。本例では、この設定に従って製本時の左右、または上下のページ順序が特定される。印刷データの向きと製本時の綴じ位置の関係により、ユーザは左開き又は右開きの選択が可能であり、あるいは上開き又は下開きの選択が可能である。以上のUI画面上でユーザ操作により選択および設定された設定情報は、プリンタドライバ203による印刷制御に反映される。
【0017】
次に図5を使って製本印刷機能について詳細に説明する。
図5(A)は、図4(A)の印刷設定画面で製本印刷が設定されている場合にプリンタドライバ203が受け取る原稿データ(1乃至10ページ)を例示する。図5(B)は、製本印刷時に使用する物理用紙の両面に図5(A)の原稿データを2ページずつ割り付けた処理結果を示す。本例では、製本時の手前側(内側)から見た5ページ分(第2、4、6、7、9ページ)を示し、背面側(外側)に5ページ分(第1、3、5、8、10ページ)が配置される。図5(C)は、折り重ねた3枚の物理用紙を横からみた場合の矢視図である。用紙を中央で折り合わせたときに、設定領域404で指定された開き方向(本例では左開き)でのページ順序となるように各ページを割り付けるものとする。製本印刷完成時には、図5(D)のように第1ページ目が表紙となり、左開きが選択されている場合、ユーザが表紙を左方向に開くと、図5(E)のように、第2ページ目以降のページ部分がレイアウトされた状態となる。
【0018】
図6は、上述したページレイアウト機能と製本印刷機能を組み合わせた時の説明図である。本例では開き方向を上開きとし、ページレイアウト設定で「2ページ/枚」(図3(B)参照)が指定され、配置順は「左上から右向き」(図3(C)参照)が指定されているものとする。また、図3(A)の「製本時に見開きレイアウトする」は指定されていないものとする。
【0019】
図6(A)は原稿ページ(全16ページ)を示し、数字1乃至16はページ番号を表す。まず、原稿データを受け取るとページ数のカウント処理が実行され、指定されたページレイアウト設定と配置順に従って各原稿ページが配置される。図6(B)は製本体裁時の見開きの各ページに原稿ページを2ページずつレイアウトした状態を示す。なお、見開きを構成する2ページを第1印刷領域、第2印刷領域と呼ぶこともある。本例では自然数変数Pを1乃至8の範囲とするとき、(2×P−1,2×P)をそれぞれ組として示す。原稿ページが開き方向に従って製本体裁となるように配置される。図6(C)乃至(E)は原稿ページの各データを製本印刷時の物理用紙に割り当てたレイアウトを例示する。図6(C)には1枚目と2枚目の物理用紙の表裏を示す。「白紙」はページ割り当てのない領域を表し、1枚目の表面には(1,2)の2ページ分と2つの「白紙」を示し、その裏面には(3,4)の2ページ分と2つの「白紙」を示す。図6(D)のように各用紙を重ねて製本が完成すると図6(E)のように上開きの印刷物が得られる。こうして、指定のページレイアウト設定に従って製本印刷を行うことができる。
【0020】
図7は、図3(A)の「製本時に見開きレイアウトする」が設定されている場合の説明図である。図6の設定条件との相違点はページレイアウト設定で「4ページ/枚」が選択されていることである。この場合には、製本体裁の見開きページに対して4ページが配置される。このため、図7(B)に示すように、図7(A)に示す1乃至16の原稿ページが、2ページずつ、製本体裁時の見開きの各ページに対して配置される。すなわち、本例では自然数変数Pを1乃至4の範囲とするとき、(4×P−3,4×P−2)および(4×P−1,4×P)がそれぞれ組となって本の見開きの各ページに配置される。図7(C)乃至(E)は原稿ページの各データを製本印刷時の物理用紙に割り当てたレイアウトを例示する。図6(C)乃至(E)の場合、つまり、「製本時に見開きレイアウトする」が設定されていない場合に製本体裁の各論理ページに「2ページ/枚」をレイアウトする場合と同様の結果となる。これは、製本体裁の論理ページ間でレイアウトした印刷データのページ番号が逆転していない場合である。なお、図7の説明において使用した設定において「製本時に見開きレイアウトする」設定だけがOFFに変更された場合(第1レイアウト処理)、本の見開きの各ページに4ページずつの論理ページが配置される。その結果、本の見開きの2ページには8ページの論理ページが配置されることになる。よって、同じページレイアウト数が設定されても「製本時に見開きレイアウトする」がONの場合に得られる印刷物とOFFの場合に得られる印刷物はレイアウトが異なる。例えば、図14は、開き方向が「左開き」に設定され、「製本時に見開きレイアウトする」設定が異なる場合の印刷物1401,1402を示す図である。印刷物1401は、「2ページ/枚」が設定され、かつ、「製本時に見開きレイアウトする」設定がONの場合に得られる印刷物の一例である。一方、図14の印刷物1402は、「2ページ/枚」が設定され、かつ、「製本時に見開きレイアウトする」設定がOFFの場合に得られる印刷物の一例である。
このように、製本時の見開きレイアウトの設定がOFFである第1レイアウト処理と、製本時の見開きレイアウトの設定がONである第2レイアウト処理とでは、本の見開きページ内で原稿データのページレイアウトが相違する。
【0021】
図8は、図3(C)での配置順を「左上から下向き」に指定した場合の説明図である。その他の設定条件は図7の場合と同じである。図8(B)に示すように、図8(A)に示す1乃至16の原稿ページが、2ページずつ、製本体裁時の見開きの各ページに対して配置される。すなわち、本例では自然数変数Pを1乃至4の範囲とするとき、(4×P−3,4×P−1)および(4×P−2,4×P)がそれぞれ組としてレイアウトされる。図8(C)乃至(E)は作成した原稿ページの各データを製本印刷時の物理用紙に割り当てたレイアウトを例示する。図8(C)に示す1枚目の用紙の表には(1,3)と(14,16)の4ページが割り当てられる。注意すべき点は、例えば、表紙の(1,3)や、本文の(2,4)と(5,7)等のように、隣接部分の整合性がとれなくなることである。このように、配置順として「左上から下向き」、または「右上から下向き」のように製本体裁時の折り位置を跨いで原稿データを配置した場合、表紙/本文ともにページ順序の不整合が生じる。
【0022】
この問題を解決するためには、見開きページとならない製本体裁時の表紙や裏表紙に対しては、折り位置を跨ぎながら原稿ページを配置する配置順を設定上で禁止してページ順序を維持する必要がある。
【0023】
図9は、製本印刷時にページ順序の不整合が起きないように配置順を自動的に変更する処理例の説明図である。設定条件は図8の場合と同じであるが、製本印刷時の第3乃至14ページに対し、指定の配置順(左上から下向き)が適用される。図9(B)に示すように、図9(A)に示す1乃至16の原稿ページが、2ページずつ、製本体裁時の見開きの各ページに対して配置される。すなわち、表紙には(1,2)のページが割り当てられ、裏表紙には(15,16)のページが割り当てられる。表紙と裏表紙となるページ以外の、本文のページについては、自然数変数Pを1乃至3の範囲とするとき、(4×P−1,4×P+1)および(4×P,4×P+2)がそれぞれ組となって各ページが見開きに現れる。図9(C)乃至(E)は作成した原稿ページの各データを製本印刷時の物理用紙に割り当てたレイアウトを例示する。図9(C)に示す1枚目の用紙の表面には(1,2)と(15,16)の4ページが割り当てられ、その裏面には(3,5)と(12,14)の4ページが割り当てられる。本における本文の見開きの2ページにおいて隣接部分は整合性がとれている。つまり、見開きの各ページを跨ってページ順に原稿ページが配置される。このように、表紙と裏表紙に対してページ順序が不整合とならない配置順を自動的に適用することで、製本印刷全体でページ順序の整合性が維持される。
【0024】
図3(A)の設定領域302で「製本時に見開きレイアウトする」が設定されている場合、ページレイアウトの設定領域301での「4ページ/枚」と製本印刷を組み合わせると、1枚の用紙の面(1物理ページ)に4ページが配置される。つまり、両面で8ページが配置される。図6乃至9では、説明を容易にするために原稿データのページ数を16ページとし、4の倍数である例を説明した。次に、製本時の物理用紙に配置する原稿データのページ数が、製本印刷時の物理用紙に配置できるページ数の整数倍になっていない場合に、白紙ページを挿入する調整処理について説明する。
【0025】
図10は、製本印刷時の物理用紙に配置できるページ数(これをNと記し、本例では、N=8とする)に対し、白紙ページを付加してNの倍数となるように調整する処理の説明図である。本例では、「4ページ/枚」のページレイアウト設定と製本印刷、および「製本時に見開きレイアウトする」が指定され、原稿データが12ページで構成される場合に、4ページ分の白紙データの挿入処理を説明する。
【0026】
まず、「4ページ/枚」のページレイアウト設定と製本印刷の組み合わせでは、1枚の物理用紙に8ページが配置される。原稿データが12ページの場合には2枚の物理用紙が必要となるが、2枚の物理用紙には16ページが配置可能である。このため、図10(A)に示すように、差分である4ページ分(第13乃至16ページ)の白紙データの挿入処理が行われる。白紙データを加えて16ページとなった原稿データに対して、前記と同様の処理が行われる。図10(B)は図9(B)と同様、製本体裁時の見開き2ページ分に対して原稿データを4ページずつ配置した結果を例示する。
【0027】
次に、図11を参照して、「1ページ/枚」が設定され、かつ「製本時に見開きレイアウトする」設定がなされた場合の処理を説明する。本例では開き方向を上開きとし、ページレイアウト選択で「1ページ/枚」(図3(B)参照)が指定され、図3(A)の「製本時に見開きレイアウトする」が指定されたものとする。図11(A)は原稿ページ(全3ページ)を示す。1ページが、製本体裁の見開きの2ページに配置されるため、図11(B)に示すように、見開きとならない製本体裁時の表紙と裏表紙を白紙とする処理が行われる。また、1乃至3の原稿ページはそれぞれ2等分に分割して製本体裁時の見開きの各ページに配置される。ページ番号に付加した「上」、「下」は、原稿ページを2分割することで得られる各ページの上半分、下半分をそれぞれ表している。図11の設定において、製本印刷時の1枚の物理用紙には、4ページ(原稿ページとしては2ページ)が配置されるため、原稿ページの総数が4の倍数となるように末尾に白紙ページが挿入される。図11に示す例では、表紙と裏表紙での2ページ分の白紙と、3ページ分の原稿データを2分割した6ページであり、原稿ページの総数は8ページとなる。このため、本例ではこれ以上の白紙ページの挿入は不要である。図11(C)乃至(E)に示すように、作成されたページは並べ替えられて製本印刷が行われる。例えばA3サイズの原稿データに対して、A4サイズの製本とすることが可能となる。なお、原稿サイズが製本体裁の見開きサイズに合わない場合には、分割前に各原稿ページのサイズを製本見開きサイズに合わせて拡大又は縮小する調整処理が行われるか、または、それぞれの収まらないサイズだけについて画像データの縮小処理が行われる。
【0028】
次に、図12のフローチャートを用いて、上述した製本印刷機能とページレイアウト機能を組み合わせる時の処理例を説明する。なお、以下の処理は本願のフローチャートに関連するプログラムをCPU1がメモリから読み出して実行することで実現される。
【0029】
図3および4に示したプリンタドライバ203のUI画面300、400にて製本印刷機能およびページレイアウト機能が設定された状態で印刷処理が実行される。この設定処理は、図1に示すCPU1の制御下で、ディスプレイ10に表示される画面上で、ユーザがキーボード9や不図示のポインティングデバイス等を操作したときの設定情報をキーボードコントローラ5が処理することによって行われる。S1200ではアプリケーション201からの原稿データがページ毎に一旦、プリンタドライバ203でスプールされる。S1201でスプールが終了したと判定された場合、原稿データのページ数が確定する(S1202)。また、S1201でスプールが未終了と判定された場合、S1200に戻る。
【0030】
S1202の後、プリンタドライバ203は、図3(A)の設定領域302で「製本時に見開きレイアウトする」設定がなされているか否かを判定する(S1203)。この設定がされていない場合にはS1204乃至1206の処理が実行され、図6に例示した処理が行われる。すなわち、ページレイアウトの設定領域301で設定されているページ数を4倍して製本印刷時の1枚の物理用紙に配置できるページ数が算出される(S1204)。例えば、「2ページ/枚」の設定であれば、S1204において8ページが算出される。次に、図10にて説明したようにプリンタドライバ203でスプールした原稿データの原稿ページに白紙ページを追加する処理が実行される。これにより、総ページ数は製本印刷時の1枚の物理用紙に配置できる印刷データのページ数の整数倍となる(S1205)。次に、スプールした原稿データを、先頭から順に、指定されたページレイアウト設定および配置順に従って製本体裁用に各ページの配置処理が実行され、製本印刷用の論理ページが生成される(S1206)。その後、S1217に進む。
【0031】
S1203にて、「製本時に見開きレイアウトする」が設定されている場合には、S1207に進む。設定されているページレイアウト設定のページ数を2倍して製本印刷時の1枚の物理用紙に配置できるページ数が算出される。例えば、「4ページ/枚」の設定であれば、8ページが算出される。そして、設定されているページレイアウト数が判定される(S1208)。ページレイアウト数が2、4、8、または16の場合、S1209に進み、それ以外の場合S1214に進む。
【0032】
S1209では、図10で説明したように、プリンタドライバ203でスプールした原稿データに白紙ページを追加する処理が実行される。これにより総ページ数は製本印刷時の1枚の物理用紙に配置できるページ数の整数倍となる。次に、プリンタドライバ203は図3(C)に示した配置順(303参照)を判定する(S1210)。つまり、配置順として「左上から右向き」または「右上から左向き」が選択されているか、あるいは「左上から下向き」または「右上から下向き」が選択されているかが判定される。その結果、「左上から右向き」または「右上から左向き」が選択されている場合にはS1211に進み、図7に例示した処理が行われる。また、「左上から下向き」または「右上から下向き」が選択されている場合にはS1212に進み、図9に例示した処理が行われる。
【0033】
図7で示した処理から説明すると、スプールした原稿データを先頭から、指定されたページレイアウト数ずつ、指定された配置順に従って割り付ける処理が行われ、製本印刷の論理ページが生成される(S1211)。具体的には、製本印刷時の本の見開きの各ページ内でページ番号が連続し、かつ、見開きの1つのページの最終ページに続くページが、見開きの次のページに配置される。これにより、見開きの各ページを跨ってページが連続するように原稿ページの割付処理が行われる。その後、S1217に進む。一方、図9で示した処理の場合、スプールした原稿データの先頭と末尾からページレイアウト数の半分のページ数ずつデータを取り出す処理が行われる。本例の設定では「4ページ/枚」であり、その半分の2ページ分が先頭の(1,2)、および末尾の(15,16)である。その際、「左上から下向き」の設定であれば「左上から右向き」に配置順が変更され、また「右上から下向き」の設定であれば「右上から左向き」に配置順が変更されて、それぞれ製本印刷時の論理ページが生成される(S1212)。具体的には、製本印刷時の本の見開きの各ページ内でページ番号が不連続であり(例えば、2,4)、かつ、見開きのページを跨ってページ番号が連続する(例えば、3,4)ように原稿ページの割り付け処理が行われる。その後、その他の原稿データに対しては、指定された配置順で、指定されたページレイアウト数を製本体裁時の見開きの2ページにそれぞれ割り付ける処理が行われ、製本印刷の論理ページが生成される(S1213)。上記の例では、表紙と裏表紙に対してページ順序に不整合が生じると判断された場合、配置順を自動的に変更しているが、表紙として白紙の論理ページを挿入しても構わない。あるいは製本印刷に要する物理用紙の枚数が増えないことを条件として、この白紙の論理ページの挿入処理が行われるように構成すると用紙を節減できる。
【0034】
S1208にてページレイアウト数が6又は9の場合には、原稿データの先頭に、ページレイアウト数分の白紙ページを挿入する処理が実行される(S1214)。次に、図10で説明したように原稿データの末尾に白紙ページが追加される。これにより総ページ数は上記製本体裁時の1枚の物理用紙に配置できる印刷データのページ数の整数倍となる(S1215)。白紙ページのデータが付加された原稿データに対して、指定された配置順で、指定されたページレイアウト数を製本体裁時の見開きの2ページにそれぞれ割り付ける処理が行われ、製本印刷の論理ページが生成される(S1216)。その後、S1217に進む。
【0035】
上記処理により製本体裁の論理ページが全て完成すると、S1217では、生成された論理ページに基づいて印刷データが生成され、ホストコンピュータ3000はプリンタ1500に印刷データを送信し(S1218)、プリンタの印刷動作が行われる。S1219にて全ての印刷が終了したと判定された場合、上記した一連の処理は終了し、印刷が未終了の場合にはS1218に戻る。プリンタ1500が折り機能を有する場合には、プリンタの折り機能部が物理用紙を折り合わせて本を出力する。またプリンタ1500が折り機能を有していない場合には、そのまま出力された印刷済みの物理用紙がユーザによって折り合わされることで本が作成される。
【0036】
次に、図11と、図13のフローチャートを用いて、ページレイアウト機能が設定されておらず、「1ページ/枚」の状態で製本印刷機能が設定されている場合の処理を説明する。なお、S1300乃至1303の処理は図12のS1200乃至1203と同様であり、またS1311乃至1313の処理は図12のS1217乃至1219と同様である。よって以下では、S1304乃至1310のみ説明する。
【0037】
S1303で「製本時に見開きレイアウトする」設定がなされていない場合、製本印刷時の1枚の物理用紙に配置できるページ数を4ページとする(S1304)。次に、図10に示したように、スプールした原稿データのページ数に白紙ページを追加する処理が実行され、総ページ数が4の整数倍となる(S1305)。白紙が追加された原稿データを、製本体裁時に生成される本をめくることでページ順に現れるように割り付ける処理が実行され、製本印刷の論理ページが生成される(S1306)。そしてS1311に進む。
【0038】
一方、S1303で「製本時に見開きレイアウトする」設定がなされている場合には、製本体裁時の表紙として白紙ページが挿入される(S1307)。そして、原稿データの原稿ページが製本体裁時の見開きの2ページ分に配置されるように割り付ける処理が実行される(S1308)。論理ページの総数が4の倍数となるように、末尾に白紙ページが付加される(S1309)。図11に示すように表紙用の白紙の論理ページと、原稿データを2ページずつに割り付けた論理ページと、末尾に追加した白紙の論理ページにより、製本印刷用の論理ページが生成される(S1310)。その後、S1311に進む。
【0039】
以上説明したように、製本体裁での製本印刷機能とページレイアウト機能を併用する場合に、製本の見開き状態でページレイアウトが可能となり、ユーザは印刷データに応じた自由なレイアウトを選択できる。なお、本実施形態ではホストコンピュータ3000が製本印刷用にページを並べ替えて印刷データを生成していたが、ページの並び替えは印刷装置が行っても構わない。その場合、ホストコンピュータ3000は、原稿データのページ順を並べ替えずに印刷データを生成するが、印刷データ内にページの並び替え方法を記述することとなる。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0040】
1 CPU
203 プリンタドライバ
1500 プリンタ
3000 ホストコンピュータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、製本体裁での製本印刷処理およびページレイアウト処理による印刷技術に関し、特に、印刷装置で印刷を可能にするプリンタドライバの印刷設定制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置に搭載したオペレーティングシステム(以下、OSという)上で動作するアプリケーションからプリンタ等の印刷装置に印刷を指示するために、プリンタドライバと呼ばれるソフトウェアがある。このプリンタドライバにより、給紙カセットの選択、色処理方法の設定、排紙方法の選択等の各種印刷設定が可能である。また、複数の論理ページのデータを1枚の物理用紙(出力用紙ともいう)に割り付けて印刷することで用紙を節約する印刷機能が知られている。なお、論理ページとはアプリケーション等により情報処理装置内で扱う処理単位としてのページであり、実際に印刷される出力用紙に付与される物理ページとは区別される。
【0003】
プリンタドライバは、1枚の物理用紙の1面、つまり、1つの物理ページに対して複数の論理ページの印刷データを配置するページレイアウト機能を有する。このページレイアウト機能では、1枚の出力用紙に対して、何ページを配置するかを指示する機能とともに配置順の指定も可能である。また製本印刷機能は、仕上げの形態として物理ページの半分の領域に別々の印刷データを配置して束ねた状態でその境界線を折り合わせることにより製本とする機能である。
特許文献1に開示の技術では、製本体裁で印刷物を作成する場合、各ページに複数ページのデータを配置可能としており、また見開きページで1つの印刷データを印刷可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−200814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、ページレイアウト機能と製本印刷機能を併用した時に、各製本の論理ページに対してページレイアウト処理が行われるため、製本時に見開きとなる2ページ分の論理ページの間でページレイアウトができない。つまり、ユーザは製本体裁の見開きとなる2ページに亘る論理ページの間でページレイアウトを行う設定と、各ページでページレイアウトを行う設定を選択できないという課題があった。
本発明の目的は、製本体裁での製本印刷機能とページレイアウト機能が併用される場合に、製本体裁の見開き状態でページレイアウトを可能とする印刷処理を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る印刷処理装置は、本の見開きを構成する第1印刷領域と第2印刷領域のそれぞれに対して原稿データのページを配置する第1レイアウト処理、または、前記本の見開きに跨って原稿データのページを配置する第2レイアウト処理を設定する設定手段と、前記設定手段によって前記第1レイアウト処理が設定されている場合には、前記本の見開きを構成する前記第1印刷領域に対して複数のページが連続して配置され、かつ、前記第2印刷領域には前記第1印刷領域に配置された前記複数のページに続く複数のページが連続して配置される印刷データを生成し、また前記設定手段によって前記第2レイアウト処理が設定されている場合には、前記第1印刷領域と前記第2印刷領域に跨って複数のページが連続して配置される印刷データを生成する印刷制御手段を備え、前記第1レイアウト処理が設定された場合に得られる印刷物と、前記第2レイアウト処理が設定された場合に得られる印刷物とは、前記本の見開きページ内で前記原稿データのレイアウトが異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、製本体裁での製本印刷機能とページレイアウト機能が併用される場合に、製本体裁の見開き状態でページレイアウトが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る印刷処理装置を用いたシステム構成例を示すブロック図である。
【図2】ホストコンピュータにおける典型的な印刷データ生成方法を説明するためにソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】プリンタドライバのページレイアウト機能を説明する表示画面例(A)、ページレイアウト選択例(B)、及び配置順の選択例(C)を示す図である。
【図4】プリンタドライバの製本印刷機能を説明する表示画面例(A)、及び製本印刷機能の詳細設定を説明する表示画面例(B)を示す図である。
【図5】プリンタドライバの製本印刷機能の処理例を示す説明図である。
【図6】製本印刷機能とページレイアウト機能を組み合わせた処理例を示す説明図である。
【図7】見開きレイアウトで製本印刷機能とページレイアウト機能を組み合わせた処理例を示す説明図である。
【図8】ページレイアウトの配置順と製本印刷を組み合わせた場合に起こるページ順序の不整合を説明する図である。
【図9】製本体裁の見開き方向に合わせて表紙及び裏表紙のページレイアウトを自動的に変更する処理例を示す説明図である。
【図10】原稿データに白紙ページのデータを挿入して製本体裁の物理用紙に配置する処理例を示す説明図である。
【図11】1ページ/枚の設定で製本印刷時の見開きレイアウトを行う例を示す説明図である。
【図12】本実施形態に係る制御例を説明するフローチャートである。
【図13】1ページ/枚で製本印刷機能が設定されている場合の制御例を説明するフローチャートである。
【図14】印刷物の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る印刷処理装置を用いたプリンタ制御システムの構成例を示すブロック図である。本例では、出力用紙の印刷領域に複数ページの印刷データを指定の配置順で配置するページレイアウト処理の機能が実行可能である。そして、出力用紙の印刷領域を分割した領域に印刷データをそれぞれ配置して束ねた状態で折り合わせることで製本体裁とする製本印刷処理の機能が実行可能である。なお、これらの機能が実行される環境は、単体の機器でも複数の機器からなるシステムでもよい。また、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のコンピュータネットワークを介して接続されて処理が行われるシステムでも本発明を適用可能である。
【0010】
図1に示すホストコンピュータ3000はCPU(中央演算処理装置)1を備え、文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在する文書データの処理を実行する。文書処理プログラムはROM(読み出し専用メモリ)3のプログラム用ROMまたは外部メモリ11に記憶されている。CPU1はシステムバス4に接続される各デバイスを総括的に制御する。また、このROM3のプログラム用ROMまたは外部メモリ11には、CPU1の制御プログラムであるOSのプログラム等が記憶されている。ROM3のフォント用ROMまたは外部メモリ11には文書処理に使用するフォントデータ等が記憶され、ROM3のデータ用ROMまたは外部メモリ11には文書処理等に使用する各種データが記憶されている。RAM(Random Access Memory)2は、CPU1の主メモリ、ワークエリア等としての機能をもつ。キーボードコントローラ(KBC)5は、キーボード9や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)6は、ディスプレイ(CRT)10の表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)7は、ハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)等の外部メモリ11とのアクセスを制御する。これらの記憶装置はブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、印刷制御プログラム等を記憶する。以下では、印刷制御に用いるプリンタ制御コマンド生成プログラムを、プリンタドライバという(図2参照)。
【0011】
プリンタコントローラ(PRTC)8は、所定の双方向性I/F(インタフェース)21を介してプリンタ1500に接続され、プリンタ1500との間で印刷データ等の通信制御処理を行う。なお、CPU1は、例えばRAM2上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、ディスプレイ10上でのWYSIWYGを可能とする。またCPU1は、ディスプレイ10の画面上に表示される不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて、登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷処理を装置に指示して実行させる際、印刷設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷機能の選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法を設定できる。
【0012】
次にプリンタ1500の構成を説明する。
プリンタのCPU12は制御プログラム等に基づいて、システムバス15に接続される印刷部I/F16を介して印刷部(プリンタエンジン)17に出力情報としての画像信号を出力する。制御プログラムはROM13のプログラム用ROMに記憶されるか、または外部メモリ14に記憶されている。ROM13のフォント用ROMは上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等を記憶しており、ROM13のデータ用ROMは、ハードディスク等の外部メモリ14がないプリンタの場合、ホストコンピュータ3000上で利用される情報等を記憶している。CPU12は入力部18を介してホストコンピュータ3000と通信処理を行い、プリンタ1500内の情報等をホストコンピュータ3000に通知する。RAM19はCPU12の主メモリ、ワークエリア等としての機能を有し、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張可能である。なお、RAM19は、出力情報の展開領域、環境データの格納領域、NVRAM(Non Volatile RAM)等に用いられる。外部メモリ14にはハードディスク(HD)、ICカード等が使用され、メモリコントローラ(MC)20によりアクセスが制御される。外部メモリ14はオプションデバイスとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、操作部1501にはユーザ操作のためのスイッチおよびLED(発光ダイオード)表示器等が配置されている。なお外部メモリ14の数は2個以上でもよい。例えば、内蔵フォントに加えてオプションフォントカードや、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した複数の外部メモリをプリンタ1500に接続できる構成でもよい。また不図示のNVRAMを設けて操作部1501からのプリンタモード設定情報を記憶させてもよい。
【0013】
図2は、ホストコンピュータにおける典型的な印刷処理の流れを示す構成図である。ホストコンピュータ3000には、プリンタ等の印刷装置が直接接続されるか、またはネットワーク経由で印刷装置が接続されている。
アプリケーション201、グラフィックエンジン202、プリンタドライバ203、システムスプーラ204、およびポートモニタ205は、外部メモリ11に保存されたコンピュータ読み取り可能なプログラムファイルとして存在する。これらはOSやそのモジュールによってRAM2にロードされてCPU1が実行するプログラムモジュールであり、プリンタドライバ203以降の部分は印刷制御に使用される。また、アプリケーション201およびプリンタドライバ203は、外部メモリ11のFDや不図示のCD−ROM、あるいはネットワークを経由して外部メモリ11のHDに追加可能である。外部メモリ11に保存されているアプリケーション201はRAM2にロードされてCPU1が実行する。ユーザがアプリケーション201からプリンタ1500に対して印刷を指示する際には、同様にRAM2にロードされ実行可能となっているグラフィックエンジン202を利用して出力(描画)処理が行われる。グラフィックエンジン202は、印刷装置ごとに用意されたプリンタドライバ203を外部メモリ11からRAM2にロードする。アプリケーション201の出力はプリンタドライバ203を用いてプリンタの制御コマンドに変換される。プリンタの制御コマンドは、OSによってRAM2にロードされたシステムスプーラ204とポートモニタ205をそれぞれ経た後、インタフェース21を経由してプリンタ1500へ出力される。
【0014】
図3(A)は、プリンタドライバ203のページレイアウト機能を説明するためのユーザインタフェース(UI)画面例を示す。この画面はCPU1が解釈して実行するプログラムに従ってディスプレイ10の画面に表示される。
ページレイアウト機能とは、指定された複数ページの印刷データを出力用紙の1つの物理ページ上(出力用紙の面)に配置する機能であり、1ページに配置するページ数とともに配置順を指定可能である。図3(A)に例示するUI画面300(ページ設定画面)はページレイアウトの設定領域301、見開きレイアウトの設定領域302、配置順の設定領域303を有する。ユーザはページレイアウトの設定領域301により、ページレイアウト設定が可能である。その選択内容を図3(B)に例示する。標準設定では1ページ/枚とされ、ユーザ操作でそれ以外が選択された場合、設定領域303で配置順の設定が可能となる。配置順の選択内容を図3(C)に示す。本例では、図3(B)で4ページ/枚が選択された場合に、その選択結果に応じて設定可能な配置順として、「左上から右向き」、「左上から下向き」、「右上から左向き」、「右上から下向き」を示す。
【0015】
設定領域302は、ユーザが「製本時に見開きレイアウトする」を指定する際の領域であり、本例ではチェックボックスが使用されている。後述する製本印刷機能とページレイアウト機能が選択され、「製本時に見開きレイアウトする」が選択されていない場合、製本時の各ページに対して設定領域301および303の設定内容に従って原稿ページを配置する処理が実行される。また、「製本時に見開きレイアウトする」が選択されている場合、製本体裁時の見開き2ページ分に亘って、設定領域301および303の設定内容に従って複数のページを配置する処理が実行される。
なお、製本印刷機能が選択され、設定領域301にて標準設定である「1ページ/枚」が選択されている場合も、ユーザは「製本時に見開きレイアウトする」を選択して設定することができる。この場合、製本体裁の見開き2ページに亘って、1ページ分の原稿ページが拡大されて配置される。
【0016】
図4は、製本印刷機能を説明するためのUI画面例を示す。製本印刷機能とは、物理用紙の両面にそれぞれ2ページ分の印刷データを配置し、境界線を折り合わせることで本のように仕上げる印刷機能である。図4(A)に示す仕上げ設定UI画面400では、ユーザ操作により印刷方法の設定領域401で「製本印刷」が選択されることにより製本印刷が可能となる。図示の例では、「片面印刷」、「両面印刷」、「製本印刷」の選択肢を示す。製本印刷の選択時にユーザは、詳細設定ボタン402の選択が可能であり、当該ボタンが操作された場合の製本詳細のUI画面例を図4(B)に示す。製本印刷の方法を設定する設定領域403では、全ページを1つの製本として仕上げるか、または複数の分冊として仕上げるかを設定可能である。また設定領域404では製本時の開き方向を設定可能である。本例では、この設定に従って製本時の左右、または上下のページ順序が特定される。印刷データの向きと製本時の綴じ位置の関係により、ユーザは左開き又は右開きの選択が可能であり、あるいは上開き又は下開きの選択が可能である。以上のUI画面上でユーザ操作により選択および設定された設定情報は、プリンタドライバ203による印刷制御に反映される。
【0017】
次に図5を使って製本印刷機能について詳細に説明する。
図5(A)は、図4(A)の印刷設定画面で製本印刷が設定されている場合にプリンタドライバ203が受け取る原稿データ(1乃至10ページ)を例示する。図5(B)は、製本印刷時に使用する物理用紙の両面に図5(A)の原稿データを2ページずつ割り付けた処理結果を示す。本例では、製本時の手前側(内側)から見た5ページ分(第2、4、6、7、9ページ)を示し、背面側(外側)に5ページ分(第1、3、5、8、10ページ)が配置される。図5(C)は、折り重ねた3枚の物理用紙を横からみた場合の矢視図である。用紙を中央で折り合わせたときに、設定領域404で指定された開き方向(本例では左開き)でのページ順序となるように各ページを割り付けるものとする。製本印刷完成時には、図5(D)のように第1ページ目が表紙となり、左開きが選択されている場合、ユーザが表紙を左方向に開くと、図5(E)のように、第2ページ目以降のページ部分がレイアウトされた状態となる。
【0018】
図6は、上述したページレイアウト機能と製本印刷機能を組み合わせた時の説明図である。本例では開き方向を上開きとし、ページレイアウト設定で「2ページ/枚」(図3(B)参照)が指定され、配置順は「左上から右向き」(図3(C)参照)が指定されているものとする。また、図3(A)の「製本時に見開きレイアウトする」は指定されていないものとする。
【0019】
図6(A)は原稿ページ(全16ページ)を示し、数字1乃至16はページ番号を表す。まず、原稿データを受け取るとページ数のカウント処理が実行され、指定されたページレイアウト設定と配置順に従って各原稿ページが配置される。図6(B)は製本体裁時の見開きの各ページに原稿ページを2ページずつレイアウトした状態を示す。なお、見開きを構成する2ページを第1印刷領域、第2印刷領域と呼ぶこともある。本例では自然数変数Pを1乃至8の範囲とするとき、(2×P−1,2×P)をそれぞれ組として示す。原稿ページが開き方向に従って製本体裁となるように配置される。図6(C)乃至(E)は原稿ページの各データを製本印刷時の物理用紙に割り当てたレイアウトを例示する。図6(C)には1枚目と2枚目の物理用紙の表裏を示す。「白紙」はページ割り当てのない領域を表し、1枚目の表面には(1,2)の2ページ分と2つの「白紙」を示し、その裏面には(3,4)の2ページ分と2つの「白紙」を示す。図6(D)のように各用紙を重ねて製本が完成すると図6(E)のように上開きの印刷物が得られる。こうして、指定のページレイアウト設定に従って製本印刷を行うことができる。
【0020】
図7は、図3(A)の「製本時に見開きレイアウトする」が設定されている場合の説明図である。図6の設定条件との相違点はページレイアウト設定で「4ページ/枚」が選択されていることである。この場合には、製本体裁の見開きページに対して4ページが配置される。このため、図7(B)に示すように、図7(A)に示す1乃至16の原稿ページが、2ページずつ、製本体裁時の見開きの各ページに対して配置される。すなわち、本例では自然数変数Pを1乃至4の範囲とするとき、(4×P−3,4×P−2)および(4×P−1,4×P)がそれぞれ組となって本の見開きの各ページに配置される。図7(C)乃至(E)は原稿ページの各データを製本印刷時の物理用紙に割り当てたレイアウトを例示する。図6(C)乃至(E)の場合、つまり、「製本時に見開きレイアウトする」が設定されていない場合に製本体裁の各論理ページに「2ページ/枚」をレイアウトする場合と同様の結果となる。これは、製本体裁の論理ページ間でレイアウトした印刷データのページ番号が逆転していない場合である。なお、図7の説明において使用した設定において「製本時に見開きレイアウトする」設定だけがOFFに変更された場合(第1レイアウト処理)、本の見開きの各ページに4ページずつの論理ページが配置される。その結果、本の見開きの2ページには8ページの論理ページが配置されることになる。よって、同じページレイアウト数が設定されても「製本時に見開きレイアウトする」がONの場合に得られる印刷物とOFFの場合に得られる印刷物はレイアウトが異なる。例えば、図14は、開き方向が「左開き」に設定され、「製本時に見開きレイアウトする」設定が異なる場合の印刷物1401,1402を示す図である。印刷物1401は、「2ページ/枚」が設定され、かつ、「製本時に見開きレイアウトする」設定がONの場合に得られる印刷物の一例である。一方、図14の印刷物1402は、「2ページ/枚」が設定され、かつ、「製本時に見開きレイアウトする」設定がOFFの場合に得られる印刷物の一例である。
このように、製本時の見開きレイアウトの設定がOFFである第1レイアウト処理と、製本時の見開きレイアウトの設定がONである第2レイアウト処理とでは、本の見開きページ内で原稿データのページレイアウトが相違する。
【0021】
図8は、図3(C)での配置順を「左上から下向き」に指定した場合の説明図である。その他の設定条件は図7の場合と同じである。図8(B)に示すように、図8(A)に示す1乃至16の原稿ページが、2ページずつ、製本体裁時の見開きの各ページに対して配置される。すなわち、本例では自然数変数Pを1乃至4の範囲とするとき、(4×P−3,4×P−1)および(4×P−2,4×P)がそれぞれ組としてレイアウトされる。図8(C)乃至(E)は作成した原稿ページの各データを製本印刷時の物理用紙に割り当てたレイアウトを例示する。図8(C)に示す1枚目の用紙の表には(1,3)と(14,16)の4ページが割り当てられる。注意すべき点は、例えば、表紙の(1,3)や、本文の(2,4)と(5,7)等のように、隣接部分の整合性がとれなくなることである。このように、配置順として「左上から下向き」、または「右上から下向き」のように製本体裁時の折り位置を跨いで原稿データを配置した場合、表紙/本文ともにページ順序の不整合が生じる。
【0022】
この問題を解決するためには、見開きページとならない製本体裁時の表紙や裏表紙に対しては、折り位置を跨ぎながら原稿ページを配置する配置順を設定上で禁止してページ順序を維持する必要がある。
【0023】
図9は、製本印刷時にページ順序の不整合が起きないように配置順を自動的に変更する処理例の説明図である。設定条件は図8の場合と同じであるが、製本印刷時の第3乃至14ページに対し、指定の配置順(左上から下向き)が適用される。図9(B)に示すように、図9(A)に示す1乃至16の原稿ページが、2ページずつ、製本体裁時の見開きの各ページに対して配置される。すなわち、表紙には(1,2)のページが割り当てられ、裏表紙には(15,16)のページが割り当てられる。表紙と裏表紙となるページ以外の、本文のページについては、自然数変数Pを1乃至3の範囲とするとき、(4×P−1,4×P+1)および(4×P,4×P+2)がそれぞれ組となって各ページが見開きに現れる。図9(C)乃至(E)は作成した原稿ページの各データを製本印刷時の物理用紙に割り当てたレイアウトを例示する。図9(C)に示す1枚目の用紙の表面には(1,2)と(15,16)の4ページが割り当てられ、その裏面には(3,5)と(12,14)の4ページが割り当てられる。本における本文の見開きの2ページにおいて隣接部分は整合性がとれている。つまり、見開きの各ページを跨ってページ順に原稿ページが配置される。このように、表紙と裏表紙に対してページ順序が不整合とならない配置順を自動的に適用することで、製本印刷全体でページ順序の整合性が維持される。
【0024】
図3(A)の設定領域302で「製本時に見開きレイアウトする」が設定されている場合、ページレイアウトの設定領域301での「4ページ/枚」と製本印刷を組み合わせると、1枚の用紙の面(1物理ページ)に4ページが配置される。つまり、両面で8ページが配置される。図6乃至9では、説明を容易にするために原稿データのページ数を16ページとし、4の倍数である例を説明した。次に、製本時の物理用紙に配置する原稿データのページ数が、製本印刷時の物理用紙に配置できるページ数の整数倍になっていない場合に、白紙ページを挿入する調整処理について説明する。
【0025】
図10は、製本印刷時の物理用紙に配置できるページ数(これをNと記し、本例では、N=8とする)に対し、白紙ページを付加してNの倍数となるように調整する処理の説明図である。本例では、「4ページ/枚」のページレイアウト設定と製本印刷、および「製本時に見開きレイアウトする」が指定され、原稿データが12ページで構成される場合に、4ページ分の白紙データの挿入処理を説明する。
【0026】
まず、「4ページ/枚」のページレイアウト設定と製本印刷の組み合わせでは、1枚の物理用紙に8ページが配置される。原稿データが12ページの場合には2枚の物理用紙が必要となるが、2枚の物理用紙には16ページが配置可能である。このため、図10(A)に示すように、差分である4ページ分(第13乃至16ページ)の白紙データの挿入処理が行われる。白紙データを加えて16ページとなった原稿データに対して、前記と同様の処理が行われる。図10(B)は図9(B)と同様、製本体裁時の見開き2ページ分に対して原稿データを4ページずつ配置した結果を例示する。
【0027】
次に、図11を参照して、「1ページ/枚」が設定され、かつ「製本時に見開きレイアウトする」設定がなされた場合の処理を説明する。本例では開き方向を上開きとし、ページレイアウト選択で「1ページ/枚」(図3(B)参照)が指定され、図3(A)の「製本時に見開きレイアウトする」が指定されたものとする。図11(A)は原稿ページ(全3ページ)を示す。1ページが、製本体裁の見開きの2ページに配置されるため、図11(B)に示すように、見開きとならない製本体裁時の表紙と裏表紙を白紙とする処理が行われる。また、1乃至3の原稿ページはそれぞれ2等分に分割して製本体裁時の見開きの各ページに配置される。ページ番号に付加した「上」、「下」は、原稿ページを2分割することで得られる各ページの上半分、下半分をそれぞれ表している。図11の設定において、製本印刷時の1枚の物理用紙には、4ページ(原稿ページとしては2ページ)が配置されるため、原稿ページの総数が4の倍数となるように末尾に白紙ページが挿入される。図11に示す例では、表紙と裏表紙での2ページ分の白紙と、3ページ分の原稿データを2分割した6ページであり、原稿ページの総数は8ページとなる。このため、本例ではこれ以上の白紙ページの挿入は不要である。図11(C)乃至(E)に示すように、作成されたページは並べ替えられて製本印刷が行われる。例えばA3サイズの原稿データに対して、A4サイズの製本とすることが可能となる。なお、原稿サイズが製本体裁の見開きサイズに合わない場合には、分割前に各原稿ページのサイズを製本見開きサイズに合わせて拡大又は縮小する調整処理が行われるか、または、それぞれの収まらないサイズだけについて画像データの縮小処理が行われる。
【0028】
次に、図12のフローチャートを用いて、上述した製本印刷機能とページレイアウト機能を組み合わせる時の処理例を説明する。なお、以下の処理は本願のフローチャートに関連するプログラムをCPU1がメモリから読み出して実行することで実現される。
【0029】
図3および4に示したプリンタドライバ203のUI画面300、400にて製本印刷機能およびページレイアウト機能が設定された状態で印刷処理が実行される。この設定処理は、図1に示すCPU1の制御下で、ディスプレイ10に表示される画面上で、ユーザがキーボード9や不図示のポインティングデバイス等を操作したときの設定情報をキーボードコントローラ5が処理することによって行われる。S1200ではアプリケーション201からの原稿データがページ毎に一旦、プリンタドライバ203でスプールされる。S1201でスプールが終了したと判定された場合、原稿データのページ数が確定する(S1202)。また、S1201でスプールが未終了と判定された場合、S1200に戻る。
【0030】
S1202の後、プリンタドライバ203は、図3(A)の設定領域302で「製本時に見開きレイアウトする」設定がなされているか否かを判定する(S1203)。この設定がされていない場合にはS1204乃至1206の処理が実行され、図6に例示した処理が行われる。すなわち、ページレイアウトの設定領域301で設定されているページ数を4倍して製本印刷時の1枚の物理用紙に配置できるページ数が算出される(S1204)。例えば、「2ページ/枚」の設定であれば、S1204において8ページが算出される。次に、図10にて説明したようにプリンタドライバ203でスプールした原稿データの原稿ページに白紙ページを追加する処理が実行される。これにより、総ページ数は製本印刷時の1枚の物理用紙に配置できる印刷データのページ数の整数倍となる(S1205)。次に、スプールした原稿データを、先頭から順に、指定されたページレイアウト設定および配置順に従って製本体裁用に各ページの配置処理が実行され、製本印刷用の論理ページが生成される(S1206)。その後、S1217に進む。
【0031】
S1203にて、「製本時に見開きレイアウトする」が設定されている場合には、S1207に進む。設定されているページレイアウト設定のページ数を2倍して製本印刷時の1枚の物理用紙に配置できるページ数が算出される。例えば、「4ページ/枚」の設定であれば、8ページが算出される。そして、設定されているページレイアウト数が判定される(S1208)。ページレイアウト数が2、4、8、または16の場合、S1209に進み、それ以外の場合S1214に進む。
【0032】
S1209では、図10で説明したように、プリンタドライバ203でスプールした原稿データに白紙ページを追加する処理が実行される。これにより総ページ数は製本印刷時の1枚の物理用紙に配置できるページ数の整数倍となる。次に、プリンタドライバ203は図3(C)に示した配置順(303参照)を判定する(S1210)。つまり、配置順として「左上から右向き」または「右上から左向き」が選択されているか、あるいは「左上から下向き」または「右上から下向き」が選択されているかが判定される。その結果、「左上から右向き」または「右上から左向き」が選択されている場合にはS1211に進み、図7に例示した処理が行われる。また、「左上から下向き」または「右上から下向き」が選択されている場合にはS1212に進み、図9に例示した処理が行われる。
【0033】
図7で示した処理から説明すると、スプールした原稿データを先頭から、指定されたページレイアウト数ずつ、指定された配置順に従って割り付ける処理が行われ、製本印刷の論理ページが生成される(S1211)。具体的には、製本印刷時の本の見開きの各ページ内でページ番号が連続し、かつ、見開きの1つのページの最終ページに続くページが、見開きの次のページに配置される。これにより、見開きの各ページを跨ってページが連続するように原稿ページの割付処理が行われる。その後、S1217に進む。一方、図9で示した処理の場合、スプールした原稿データの先頭と末尾からページレイアウト数の半分のページ数ずつデータを取り出す処理が行われる。本例の設定では「4ページ/枚」であり、その半分の2ページ分が先頭の(1,2)、および末尾の(15,16)である。その際、「左上から下向き」の設定であれば「左上から右向き」に配置順が変更され、また「右上から下向き」の設定であれば「右上から左向き」に配置順が変更されて、それぞれ製本印刷時の論理ページが生成される(S1212)。具体的には、製本印刷時の本の見開きの各ページ内でページ番号が不連続であり(例えば、2,4)、かつ、見開きのページを跨ってページ番号が連続する(例えば、3,4)ように原稿ページの割り付け処理が行われる。その後、その他の原稿データに対しては、指定された配置順で、指定されたページレイアウト数を製本体裁時の見開きの2ページにそれぞれ割り付ける処理が行われ、製本印刷の論理ページが生成される(S1213)。上記の例では、表紙と裏表紙に対してページ順序に不整合が生じると判断された場合、配置順を自動的に変更しているが、表紙として白紙の論理ページを挿入しても構わない。あるいは製本印刷に要する物理用紙の枚数が増えないことを条件として、この白紙の論理ページの挿入処理が行われるように構成すると用紙を節減できる。
【0034】
S1208にてページレイアウト数が6又は9の場合には、原稿データの先頭に、ページレイアウト数分の白紙ページを挿入する処理が実行される(S1214)。次に、図10で説明したように原稿データの末尾に白紙ページが追加される。これにより総ページ数は上記製本体裁時の1枚の物理用紙に配置できる印刷データのページ数の整数倍となる(S1215)。白紙ページのデータが付加された原稿データに対して、指定された配置順で、指定されたページレイアウト数を製本体裁時の見開きの2ページにそれぞれ割り付ける処理が行われ、製本印刷の論理ページが生成される(S1216)。その後、S1217に進む。
【0035】
上記処理により製本体裁の論理ページが全て完成すると、S1217では、生成された論理ページに基づいて印刷データが生成され、ホストコンピュータ3000はプリンタ1500に印刷データを送信し(S1218)、プリンタの印刷動作が行われる。S1219にて全ての印刷が終了したと判定された場合、上記した一連の処理は終了し、印刷が未終了の場合にはS1218に戻る。プリンタ1500が折り機能を有する場合には、プリンタの折り機能部が物理用紙を折り合わせて本を出力する。またプリンタ1500が折り機能を有していない場合には、そのまま出力された印刷済みの物理用紙がユーザによって折り合わされることで本が作成される。
【0036】
次に、図11と、図13のフローチャートを用いて、ページレイアウト機能が設定されておらず、「1ページ/枚」の状態で製本印刷機能が設定されている場合の処理を説明する。なお、S1300乃至1303の処理は図12のS1200乃至1203と同様であり、またS1311乃至1313の処理は図12のS1217乃至1219と同様である。よって以下では、S1304乃至1310のみ説明する。
【0037】
S1303で「製本時に見開きレイアウトする」設定がなされていない場合、製本印刷時の1枚の物理用紙に配置できるページ数を4ページとする(S1304)。次に、図10に示したように、スプールした原稿データのページ数に白紙ページを追加する処理が実行され、総ページ数が4の整数倍となる(S1305)。白紙が追加された原稿データを、製本体裁時に生成される本をめくることでページ順に現れるように割り付ける処理が実行され、製本印刷の論理ページが生成される(S1306)。そしてS1311に進む。
【0038】
一方、S1303で「製本時に見開きレイアウトする」設定がなされている場合には、製本体裁時の表紙として白紙ページが挿入される(S1307)。そして、原稿データの原稿ページが製本体裁時の見開きの2ページ分に配置されるように割り付ける処理が実行される(S1308)。論理ページの総数が4の倍数となるように、末尾に白紙ページが付加される(S1309)。図11に示すように表紙用の白紙の論理ページと、原稿データを2ページずつに割り付けた論理ページと、末尾に追加した白紙の論理ページにより、製本印刷用の論理ページが生成される(S1310)。その後、S1311に進む。
【0039】
以上説明したように、製本体裁での製本印刷機能とページレイアウト機能を併用する場合に、製本の見開き状態でページレイアウトが可能となり、ユーザは印刷データに応じた自由なレイアウトを選択できる。なお、本実施形態ではホストコンピュータ3000が製本印刷用にページを並べ替えて印刷データを生成していたが、ページの並び替えは印刷装置が行っても構わない。その場合、ホストコンピュータ3000は、原稿データのページ順を並べ替えずに印刷データを生成するが、印刷データ内にページの並び替え方法を記述することとなる。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0040】
1 CPU
203 プリンタドライバ
1500 プリンタ
3000 ホストコンピュータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本の見開きを構成する第1印刷領域と第2印刷領域のそれぞれに対して原稿データのページを配置する第1レイアウト処理、または、前記本の見開きに跨って原稿データのページを配置する第2レイアウト処理を設定する設定手段と、
前記設定手段によって前記第1レイアウト処理が設定されている場合には、前記本の見開きを構成する前記第1印刷領域に対して複数のページが連続して配置され、かつ、前記第2印刷領域には前記第1印刷領域に配置された前記複数のページに続く複数のページが連続して配置される印刷データを生成し、また前記設定手段によって前記第2レイアウト処理が設定されている場合には、前記第1印刷領域と前記第2印刷領域に跨って複数のページが連続して配置される印刷データを生成する印刷制御手段を備え、
前記第1レイアウト処理が設定された場合に得られる印刷物と、前記第2レイアウト処理が設定された場合に得られる印刷物とは、前記本の見開きページ内で前記原稿データのレイアウトが異なることを特徴とする印刷処理装置。
【請求項2】
前記設定手段によって前記第2レイアウト処理が設定されている場合、前記印刷制御手段は、ページレイアウト処理で前記複数のページを指定の配置順に従って製本体裁で見開きページに配置するとページ順序に不整合が生じるか否かを判断し、当該不整合が生じると判断した場合、製本体裁の表紙と裏表紙となるページに対して配置順を変更し、前記表紙と裏表紙となるページを除くページに対して指定の配置順に従って製本体裁の見開きページに配置してページ順序の整合性を維持する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の印刷処理装置。
【請求項3】
前記印刷制御手段は、前記原稿データのページ数が、製本印刷に用いる出力用紙に配置可能なページ数の整数倍であるか否かを判断し、
前記原稿データのページ数が、前記製本印刷に用いる出力用紙に配置可能なページ数の整数倍でないと判断した場合、白紙ページを付加することにより前記原稿データのページ数が、前記製本印刷に用いる前記出力用紙に配置可能なページ数の整数倍となるように調整することを特徴とする請求項1記載の印刷処理装置。
【請求項4】
前記印刷制御手段は、前記製本印刷に使用する出力用紙の枚数が増えないことを条件として、製本体裁の表紙及び裏表紙に対して前記白紙ページを配置するとともに、前記表紙と裏表紙となるページを除くページを、指定の配置順に従って前記製本体裁の見開きページに配置する処理を行うことを特徴とする請求項3記載の印刷処理装置。
【請求項5】
前記印刷制御手段は、製本体裁の表紙と裏表紙となるページを除くページを分割し、分割されたページを前記本の見開きの各ページに配置する処理を行うことを特徴とする請求項3記載の印刷処理装置。
【請求項6】
前記印刷制御手段は、前記ページの分割前に、前記本の見開きの2ページ分のサイズに合わせて前記ページのサイズを拡大又は縮小して調整する処理を行うことを特徴とする請求項5記載の印刷処理装置。
【請求項7】
本の見開きページ内で原稿データのレイアウトが異なる印刷物に係る印刷データを生成する印刷処理装置にて実行される印刷処理方法であって、
前記本の見開きを構成する第1印刷領域と第2印刷領域のそれぞれに対して前記原稿データのページを配置する第1レイアウト処理、または、前記本の見開きに跨って前記原稿データのページを配置する第2レイアウト処理を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにて前記第1レイアウト処理が設定されている場合には、前記本の見開きを構成する前記第1印刷領域に対して複数のページが連続して配置され、かつ、前記第2印刷領域には前記第1印刷領域に配置された前記複数のページに続く複数のページが連続して配置される印刷データを生成し、また前記設定ステップにて前記第2レイアウト処理が設定されている場合には、前記第1印刷領域と前記第2印刷領域に跨って複数のページが連続して配置される印刷データを生成する印刷制御ステップを有することを特徴とする印刷処理方法。
【請求項8】
本の見開きページ内で原稿データのレイアウトが異なる印刷物に係る印刷データを生成する印刷処理装置にてコンピュータにより実行される印刷制御プログラムであって、
前記本の見開きを構成する第1印刷領域と第2印刷領域のそれぞれに対して前記原稿データのページを配置する第1レイアウト処理、または、前記本の見開きに跨って前記原稿データのページを配置する第2レイアウト処理を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにて前記第1レイアウト処理が設定されている場合には、前記本の見開きを構成する前記第1印刷領域に対して複数のページが連続して配置され、かつ、前記第2印刷領域には前記第1印刷領域に配置された前記複数のページに続く複数のページが連続して配置される印刷データを生成し、また前記設定ステップにて前記第2レイアウト処理が設定されている場合には、前記第1印刷領域と前記第2印刷領域に跨って複数のページが連続して配置される印刷データを生成する印刷制御ステップを有することを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項9】
前記設定ステップにて前記第2レイアウト処理が設定されている場合、ページレイアウト処理で前記複数のページを指定の配置順に従って製本体裁で見開きページに配置するとページ順序に不整合が生じるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにて前記不整合が生じると判断された場合、製本体裁の表紙と裏表紙となるページに対して配置順を変更し、前記表紙と裏表紙となるページを除くページに対して指定の配置順に従って製本体裁の見開きページに配置してページ順序の整合性を維持する処理を行う処理ステップを有することを特徴とする請求項8記載の印刷制御プログラム。
【請求項10】
前記原稿データのページ数が、製本印刷に用いる出力用紙に配置可能なページ数の整数倍であるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにて前記原稿データのページ数が、前記製本印刷に用いる出力用紙に配置可能なページ数の整数倍でないと判断された場合、白紙ページを付加することにより前記原稿データのページ数が、前記製本印刷に用いる前記出力用紙に配置可能なページ数の整数倍となるように調整する調整ステップを有することを特徴とする請求項8記載の印刷制御プログラム。
【請求項11】
前記製本印刷に使用する出力用紙の枚数が増えないことを条件として、製本体裁の表紙及び裏表紙に対して前記白紙ページを配置するとともに、前記表紙と裏表紙となるページを除くページを、指定の配置順に従って前記製本体裁の見開きページに配置する処理を行うステップを有することを特徴とする請求項10記載の印刷制御プログラム。
【請求項12】
製本体裁の表紙と裏表紙となるページを除くページを分割し、分割されたページを本の見開きの各ページに配置する処理を行うステップを有することを特徴とする請求項10記載の印刷制御プログラム。
【請求項13】
前記ページの分割前に、前記本の見開きの2ページ分のサイズに合わせて前記ページのサイズを拡大又は縮小して調整する処理を行うステップを有することを特徴とする請求項12記載の印刷制御プログラム。
【請求項1】
本の見開きを構成する第1印刷領域と第2印刷領域のそれぞれに対して原稿データのページを配置する第1レイアウト処理、または、前記本の見開きに跨って原稿データのページを配置する第2レイアウト処理を設定する設定手段と、
前記設定手段によって前記第1レイアウト処理が設定されている場合には、前記本の見開きを構成する前記第1印刷領域に対して複数のページが連続して配置され、かつ、前記第2印刷領域には前記第1印刷領域に配置された前記複数のページに続く複数のページが連続して配置される印刷データを生成し、また前記設定手段によって前記第2レイアウト処理が設定されている場合には、前記第1印刷領域と前記第2印刷領域に跨って複数のページが連続して配置される印刷データを生成する印刷制御手段を備え、
前記第1レイアウト処理が設定された場合に得られる印刷物と、前記第2レイアウト処理が設定された場合に得られる印刷物とは、前記本の見開きページ内で前記原稿データのレイアウトが異なることを特徴とする印刷処理装置。
【請求項2】
前記設定手段によって前記第2レイアウト処理が設定されている場合、前記印刷制御手段は、ページレイアウト処理で前記複数のページを指定の配置順に従って製本体裁で見開きページに配置するとページ順序に不整合が生じるか否かを判断し、当該不整合が生じると判断した場合、製本体裁の表紙と裏表紙となるページに対して配置順を変更し、前記表紙と裏表紙となるページを除くページに対して指定の配置順に従って製本体裁の見開きページに配置してページ順序の整合性を維持する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の印刷処理装置。
【請求項3】
前記印刷制御手段は、前記原稿データのページ数が、製本印刷に用いる出力用紙に配置可能なページ数の整数倍であるか否かを判断し、
前記原稿データのページ数が、前記製本印刷に用いる出力用紙に配置可能なページ数の整数倍でないと判断した場合、白紙ページを付加することにより前記原稿データのページ数が、前記製本印刷に用いる前記出力用紙に配置可能なページ数の整数倍となるように調整することを特徴とする請求項1記載の印刷処理装置。
【請求項4】
前記印刷制御手段は、前記製本印刷に使用する出力用紙の枚数が増えないことを条件として、製本体裁の表紙及び裏表紙に対して前記白紙ページを配置するとともに、前記表紙と裏表紙となるページを除くページを、指定の配置順に従って前記製本体裁の見開きページに配置する処理を行うことを特徴とする請求項3記載の印刷処理装置。
【請求項5】
前記印刷制御手段は、製本体裁の表紙と裏表紙となるページを除くページを分割し、分割されたページを前記本の見開きの各ページに配置する処理を行うことを特徴とする請求項3記載の印刷処理装置。
【請求項6】
前記印刷制御手段は、前記ページの分割前に、前記本の見開きの2ページ分のサイズに合わせて前記ページのサイズを拡大又は縮小して調整する処理を行うことを特徴とする請求項5記載の印刷処理装置。
【請求項7】
本の見開きページ内で原稿データのレイアウトが異なる印刷物に係る印刷データを生成する印刷処理装置にて実行される印刷処理方法であって、
前記本の見開きを構成する第1印刷領域と第2印刷領域のそれぞれに対して前記原稿データのページを配置する第1レイアウト処理、または、前記本の見開きに跨って前記原稿データのページを配置する第2レイアウト処理を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにて前記第1レイアウト処理が設定されている場合には、前記本の見開きを構成する前記第1印刷領域に対して複数のページが連続して配置され、かつ、前記第2印刷領域には前記第1印刷領域に配置された前記複数のページに続く複数のページが連続して配置される印刷データを生成し、また前記設定ステップにて前記第2レイアウト処理が設定されている場合には、前記第1印刷領域と前記第2印刷領域に跨って複数のページが連続して配置される印刷データを生成する印刷制御ステップを有することを特徴とする印刷処理方法。
【請求項8】
本の見開きページ内で原稿データのレイアウトが異なる印刷物に係る印刷データを生成する印刷処理装置にてコンピュータにより実行される印刷制御プログラムであって、
前記本の見開きを構成する第1印刷領域と第2印刷領域のそれぞれに対して前記原稿データのページを配置する第1レイアウト処理、または、前記本の見開きに跨って前記原稿データのページを配置する第2レイアウト処理を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにて前記第1レイアウト処理が設定されている場合には、前記本の見開きを構成する前記第1印刷領域に対して複数のページが連続して配置され、かつ、前記第2印刷領域には前記第1印刷領域に配置された前記複数のページに続く複数のページが連続して配置される印刷データを生成し、また前記設定ステップにて前記第2レイアウト処理が設定されている場合には、前記第1印刷領域と前記第2印刷領域に跨って複数のページが連続して配置される印刷データを生成する印刷制御ステップを有することを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項9】
前記設定ステップにて前記第2レイアウト処理が設定されている場合、ページレイアウト処理で前記複数のページを指定の配置順に従って製本体裁で見開きページに配置するとページ順序に不整合が生じるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにて前記不整合が生じると判断された場合、製本体裁の表紙と裏表紙となるページに対して配置順を変更し、前記表紙と裏表紙となるページを除くページに対して指定の配置順に従って製本体裁の見開きページに配置してページ順序の整合性を維持する処理を行う処理ステップを有することを特徴とする請求項8記載の印刷制御プログラム。
【請求項10】
前記原稿データのページ数が、製本印刷に用いる出力用紙に配置可能なページ数の整数倍であるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにて前記原稿データのページ数が、前記製本印刷に用いる出力用紙に配置可能なページ数の整数倍でないと判断された場合、白紙ページを付加することにより前記原稿データのページ数が、前記製本印刷に用いる前記出力用紙に配置可能なページ数の整数倍となるように調整する調整ステップを有することを特徴とする請求項8記載の印刷制御プログラム。
【請求項11】
前記製本印刷に使用する出力用紙の枚数が増えないことを条件として、製本体裁の表紙及び裏表紙に対して前記白紙ページを配置するとともに、前記表紙と裏表紙となるページを除くページを、指定の配置順に従って前記製本体裁の見開きページに配置する処理を行うステップを有することを特徴とする請求項10記載の印刷制御プログラム。
【請求項12】
製本体裁の表紙と裏表紙となるページを除くページを分割し、分割されたページを本の見開きの各ページに配置する処理を行うステップを有することを特徴とする請求項10記載の印刷制御プログラム。
【請求項13】
前記ページの分割前に、前記本の見開きの2ページ分のサイズに合わせて前記ページのサイズを拡大又は縮小して調整する処理を行うステップを有することを特徴とする請求項12記載の印刷制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−234516(P2012−234516A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−34976(P2012−34976)
【出願日】平成24年2月21日(2012.2.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月21日(2012.2.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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