説明

印刷機を掃除するための耐摩耗性不織布

プリンターシリンダー、特にテクスチャー加工されたまたは起伏のあるプリンターシリンダーを掃除するのに好適な耐摩耗性および吸収性を有する不織布は、より高融点ポリエステル・ベース繊維およびより低融点バインダー繊維から形成された繊維不織ウェブを水流交絡する工程と、次に繊維を熱接合する工程とによって形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機シリンダー、特にテクスチャー加工されたまたは起伏のある表面を有するシリンダーなどの、機械のシリンダーを掃除するための不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機のシリンダーを掃除するために不織布を使用することは当該技術分野で公知である。ガスパリニ(Gasparrini)らに付与された特許文献1は、空気含量の低減された不織クリーニング布および印刷機のシリンダーを掃除するためのかかる布の使用を記載している。タナカ(Tanaka)らへの特許文献2は、プリンターシリンダーを掃除するためのウェット−レイドシートを記載している。ウェット−レイドシートは5〜50重量パーセントのバインダー繊維を含有し、水流交絡され、そしてクレーピングされ、引き続きクレーピング後にバインダー繊維を融解させるために加熱される。ウェット−レイドシートの例には、少なくとも60パーセントのパルプを含有するシートが挙げられる。
【0003】
これまで、印刷機は、3つのシリンダー:プレート、ブランケット、および圧シリンダーで配置構成されてきた。圧シリンダーは一般に滑らかな金属シリンダーであり、紙を保持し、画像運搬ブランケットシリンダーにそれを押し付ける。最近になって、印刷機は、滑面圧シリンダーの代わりに、印刷面との接触点を最小にする、テクスチャー加工された(滑らかでない)または起伏のある表面を有するシリンダーを用いることによって、プリンターがワンパスで既に印刷されたシートの第2面上に印刷するのを可能にするよう設計されてきた。テクスチャー加工されたまたは起伏のある圧シリンダーは場合により、シリコーンのような剥離コーティングなどでコートされる。コートされていないテクスチャー加工されたまたは起伏のあるシリンダーは研磨性である傾向がある。コーテッドロールでさえも、剥離コーティングが時間と共にそして使用(印刷されたコピー回数として測定される)と共に磨り減るので研磨性になり得る。
【0004】
木材パルプを含有する従来の不織プリンター・クリーニング布は、滑面圧シリンダーの印刷機を掃除するためにうまく機能してきたが、テクスチャー加工された圧シリンダーを掃除するために必要な耐久性に欠け、かつ、かかる用途でしばしば裂けたり毛羽立ったりすることが分かった。テクスチャー加工されたまたは起伏のある印刷機シリンダーを掃除するための改良されたクリーニング布であって、インク、溶剤、および蓄積した紙リント繊維などのシリンダー表面からの他の固体またはペースト様残渣を効果的に除去するために十分な吸収性を保持しながら、耐摩耗性が高く毛羽立ち(linting)の少ないクリーニング布を提供することは望ましいであろう。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,974,976号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0187307号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、より低融点成分を含んでなる約20〜50重量パーセントのバインダー繊維と約50〜80重量パーセントのより高融点ポリエステル・ベース繊維とを含んでなるスパンレース不織布を含んでなる、シリンダーを掃除するための不織布であって、より低融点成分がより高融点ポリエステル・ベース繊維の融点より低い融点を有するポリエステルコポリマーを含んでなり、かつ、スパンレース不織布が、熱接合されたスパンレース不織布を提供するために、バインダー繊維の鞘成分を少なくとも部分的に軟化させるまたは溶融させることによって熱接合されており、不織布が300回転後の約2以下の乾燥布について測定されたテーバー摩耗(Taber Abrasion)値および50回転後の約1.3以下の、湿潤布について測定された、マーチンデール摩耗(Martindale Abrasion)値を有する不織布に関する。
【0007】
本発明はさらに、印刷シリンダーを掃除するための不織布の使用方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
用語「不織布」および「不織ウェブ」は本明細書で用いるところでは、編布または織布とは対照的に、ランダムに置かれて識別可能なパターンなしの平面材料を形成する個々の繊維のシート構造体を意味する。
【0009】
用語「スパンレース不織布」は本明細書で用いるところでは、流体ジェットを用いて繊維不織ウェブ中の繊維を交絡することによって製造される不織布を意味する。例えば、スパンレース不織布は、繊維ウェブをメッシュスクリーンなどの多孔性サポート上に支持し、そして水圧ニードリング法でなど、支持されたウェブを水ジェットの真下に通すことによってウェブを水流交絡することによって製造することができる。布はパターン化されていないかまたはパターン化されていることができる。
【0010】
用語「流れ方向」は本明細書では、不織ウェブが製造される方向(例えば、不織ウェブの形成中に繊維がその上にレイダウンされるサポート表面の進行の方向)を意味するために用いられる。用語「クロス方向」は、ウェブの平面で流れ方向に対してほぼ垂直の方向を意味する。
【0011】
用語「ポリエステル」は本明細書で用いるところでは、繰り返し単位の少なくとも85%が、エステル単位の形成により結合が生み出されたジカルボン酸と二価アルコールとの縮合生成物であるポリマーを包含することを意図される。これには、芳香族、脂肪族、飽和、そして不飽和の二酸およびジアルコールが含まれる。ポリエステルの一般例は、エチレングリコールとテレフタル酸との縮合生成物であるポリ(エチレンテレフタレート)(PET)である。
【0012】
用語「バインダー繊維」は本明細書では、不織ウェブ中のバインダー繊維と組み合わせられるより高融点ベース繊維の分解点または融点のそれより下の温度で熱接合できる(すなわち溶融できるまたは部分溶融できる)繊維を意味するために用いられる。バインダー繊維は均質であることができるか、または多成分繊維を含んでなることができる。用語「多成分繊維」は本明細書で用いるところでは、単繊維を形成するために一緒に紡糸された少なくとも2つの別個のポリマー成分からなる繊維を意味する。少なくとも2つのポリマー成分は、多成分繊維の断面にわたって別個の実質的にコンスタントに置かれたゾーンに配置されている。バインダー繊維としての使用に好適である多成分繊維は、より低融点ポリマー成分をその周囲表面の少なくとも一部上に含む。より低融点ポリマー成分は、ウェブ中のより高融点ベース繊維の融点より低い融点を有する。用語「複合繊維」は本明細書では、2つの別個のポリマー成分から製造される多成分繊維を意味するために用いられる。一実施形態では、バインダー繊維は、鞘を形成する第1のより低融点ポリマー成分と芯を形成する第2のより高融点ポリマー成分とを含んでなる鞘−芯繊維である。
【0013】
用語「ステープルファイバー」は、天然繊維またはフィラメントからの定尺物を意味する。典型的にはステープルファイバーは約0.25〜5.0インチ(0.6〜15.2cm)の長さを有する。
【0014】
本発明は、印刷機または他の機器でのシリンダーを掃除するのに好適である熱接合スパンレース不織布に関する。本不織布は低い毛羽立ちであり、そして起伏のあるまたはテクスチャー加工されたシリンダー表面を掃除するのに望ましい乾燥および湿潤表面耐摩耗性と吸収性特性との改善されたバランスを有する。
【0015】
本発明での使用のためのスパンレース不織布を製造するのに好適な前駆体繊維ウェブは、より低融点ポリエステルコポリマー成分を含んでなる約20〜50重量パーセントのバインダー繊維とより高融点ポリエステルを含んでなる約50〜90重量パーセントのベース繊維とのブレンドを含んでなる。一実施形態では、本不織布は約20〜30重量パーセントのバインダー繊維と約70〜80重量パーセントのベース繊維とを含んでなる。低融点ポリエステルコポリマー成分は好ましくは、より高融点ポリエステル・ベース繊維成分の融点より少なくとも約100℃低い融点を有する。より低融点バインダー成分の融点は一般に、より高融点ベース繊維成分より100〜140℃低い。本発明での使用に好適なバインダー繊維は、ポリ(エチレンテレフタレート)コポリマー鞘とポリ(エチレンテレフタレート)芯とを含んでなる複合繊維である。好適なポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーの例は、ポリ(エチレンテレフタレート)のイソフタレートコポリマーを含んでなる。本発明での使用に好適なベース繊維には、ポリ(エチレンテレフタレート)繊維が含まれる。バインダー繊維含有率の増加は、乾燥および湿潤表面耐摩耗性の改善および毛羽立ちの減少をもたらすが、一般に布のコストを高める。一実施形態では、本不織布は、ポリエステル−ベースのバインダーとベース繊維とから本質的になることができる。あるいはまた、ベース繊維の約10重量パーセント以下は、マイクロファイバー(1デニール未満の繊維デニール)またはそれらの増加した吸収性のための親水性ポリエステル繊維を含んでなることができる。例えば、ウェブ中の繊維の約5〜10重量パーセントはマイクロファイバーおよび/または親水性ポリエステル繊維を含んでなることができる。親水性ポリエステル繊維の例には、親水性仕上げ剤で処理されているものが挙げられる。一例は、アドバンサ(独国)(Advansa(Germany))から入手可能な、ヒドロフィックス(Hydrofix)(登録商標)親水性ポリエステル繊維である。本発明での使用に好適なマイクロファイバーの例には、スプリット繊維が挙げられる。スプリットできる繊維は、2つもしくはそれ以上の別個のポリマー成分を、ポリマー成分が繊維の長さに沿って伸びる繊維の断面にわたってかみ合っていない分離可能なセグメントを形成するように多成分繊維へ共紡糸することによって製造される。スプリットできる繊維断面には、交互のポリマー成分が花弁形状であり、そして隣接セグメントによって部分的にオーバーラップされている「菊」断面、サイド−バイ−サイド、セグメント化パイ(楔形状セグメント)、中空セグメント化パイ、セグメント化クロス、付刃三ツ葉、および当該技術分野で公知の他の断面が含まれる。スプリットできる繊維を繊維ウェブへ組み入れ、そして下に記載される水流交絡工程でスプリットさせることができる。
【0016】
本発明の不織布は、1つもしくはそれ以上のカード繊維層、1つもしくはそれ以上のエアレイド繊維層、またはそれらの組み合わせなどの、ドライレイ技術を用いて形成される前駆体繊維ウェブから製造することができる。エアレイドウェブおよびカードウェブの製造方法は当該技術分野では周知である。例えば、エアレイドウェブは、ザフィログルー(Zafiroglu)に付与された米国特許第3,797,074号明細書に従って、またはランド・マシーン・コーポレーション(Rando Machine Corporation)によって製造された、そして米国特許第2,451,915号明細書、同第2,700,188号明細書、同第2,703,441号明細書、および同第2,890,497号明細書に開示されたランド・ウェバー(Rando Webber)を用いることによって製造することができる。約30〜75mmの繊維長さおよび約1〜15の繊維デニールを有するステープルファイバーが一般に、カード不織ウェブを製造するのに好ましい。約12.7mm〜25.4mmの繊維長さおよび約0.9〜4の繊維デニールを有するステープルファイバーが一般に、エアレイド不織ウェブを製造するのに好ましい。バインダーおよびベース繊維のデニールは好ましくは、より良好な加工性のために厳密に適合されている。ベース繊維およびバインダー繊維は、カーディングなどでの形成中に、または従来の織物ブレンディング技術、引き続くブレンド繊維のカーディングによってウェブ中で混合することができる。あるいはまた、繊維のブレンドは、空気流れ中に分散され、そしてエアレイング法で小孔のある媒体上で集められる。あるいはまた、バインダー繊維および/またはベース繊維を含んでなる個々のウェブは、層状化し、引き続き組み合わせられた層を水流交絡してバインダー繊維が他の面より富んだ一面を有するスパンレース不織布を形成することができる。例えば、バインダー繊維からなるウェブは、ベース繊維からなるウェブと層状化し、次に水流交絡することができる。あるいはまた、層の1つもしくはそれ以上はバインダーとベース繊維とのブレンドを含んでなることができ、ここで、外層の1つは他の外層より高い重量パーセントのバインダー繊維を有する。別の実施形態では、挟まれた3層構造体は、構造バインダー繊維ウェブ−ベース繊維ウェブ−バインダー繊維ウェブでウェブをレイダウンすることによって形成することができ、ここで、バインダー繊維ウェブはバインダー繊維またはバインダー繊維とベース繊維とのブレンドからなることができ、ベース繊維ウェブはベース繊維またはバインダー繊維とベース繊維とのブレンドからなることができ、バインダー繊維層の1つまたは両方がベース繊維層より高い重量パーセントのバインダー繊維を有する。ウェブは次に水流交絡して1つもしくは2つのバインダー繊維に富んだ面を有するスパンレース不織布を形成することができる。約40〜120g/m、好ましくは約50〜75g/mの坪量を有する繊維不織ウェブが本発明での使用に好適である。
【0017】
カードウェブは一般に、繊維が実質的に流れ方向に配向しているが、エアレイドウェブ中の繊維は実質的にランダムに配向している。カードウェブは、クロスラップさせて流れ方向特性とクロス方向特性とのバランスを改善することができる。不織布の流れ方向およびクロス方向特性がバランスをとることはしばしば好ましいが、本発明の一実施形態では、不織布は、その中で繊維が流れ方向に実質的に配向しているカードウェブから製造される。いかなる理論にも縛られることなく、多数の繊維が流れ方向に配向していると、幾つかのプリンターシリンダーの起伏のある表面などのテクスチャー加工されたシリンダー表面を掃除するために布が使用されるときに繊維が布から引き抜かれる程度を下げるのに役立つと考えられる。
【0018】
ベース繊維およびバインダー繊維を含んでなる繊維ウェブを形成した後、ウェブは水流交絡される。スパンレース不織布を製造するための水流交絡(または水圧ニードリング)法は当該技術分野では周知である。水流交絡法では、繊維ウェブは、スクリーンまたは他のタイプの開口部ありサポート上に置かれ、繊維の絡み合いをもたらす一連の高圧水ジェットにさらされてスパンレース不織布を形成する。従来の水圧ニードリング法はエバンス(Evans)に付与された米国特許第3,485,706号明細書およびナカマエ(Nakamae)らに付与された米国特許第4,891,262号明細書に記載されている。サポート部材は、金属もしくはプラスチックベルトまたは円形のもしくは他の形状のストランド、モノフィラメントもしくは糸から織られているスクリーン、または有孔プレートなど、多孔性であることができる。水流交絡布は、当該技術分野で公知であるように、サポート部材の選択に応じて、開口部ありまたは開口部なしであることができる。水流交絡プロセス中に、繊維ウェブはサポート上で運ばれ、幾つかの水ジェット・マニホールド下を通される。約4〜135バールの範囲のジェット圧力を一般に用いることができる。スパンレース不織布の耐摩耗性および引張特性は、水流交絡圧力を上げることによってか、または7/20、4/80および5/60(7ミル穴、20穴/インチなど)のような、より強力なジェットタイプを用いることによって向上させることができる。水流交絡法は1つもしくはそれ以上の段階で行うことができる。例えば、布は、増加するジェット圧力プロフィルを用いる第1ニードリングサポート上での第1段階で、引き続き第1段階の増加するジェット圧力プロフィルの継続、それに続く等しい圧力の一連の3〜5のジェットであることができる第2ニードリングサポート上での第2の水流交絡段階で水流交絡することができる。サポート部材は好ましくは、約2.0〜4.0m/秒の100パスカルでの気流を有する。水圧ニードリング後に、布は当該技術分野で公知の方法を用いて乾燥される。
【0019】
繊維ウェブが水流交絡された後、生じたスパンレース不織布は熱接合される。熱接合条件は、より低融点バインダー繊維成分(例えば鞘−芯バインダー繊維のための鞘)が軟化するまたは溶融するが、より高融点ベース繊維およびバインダー繊維の芯成分が溶融せず、そしてそれらの繊維構造を保持するように選択される。接合条件は、最終布が所望の耐摩耗性および毛羽立ち特性を有するように選択されるべきである。スパンレース不織布は巻き取られ、別個のプロセスでその後熱接合することができる。あるいはまた、熱接合は、熱風乾燥機でなど、水流交絡後直ちにインラインで行うことができる。かかるプロセスで、過剰の水は、布を乾燥機に通す前に、真空脱水システムまたは圧搾ロールによってなど、スパンレース不織布から除去することができる。一実施形態では、スパンレース不織布は、その中で加熱ガス、一般に空気が布を通過する通気乾燥機中で熱接合される。ガスは、ベース繊維を軟化させるまたは溶解させることなくバインダー繊維の低融点成分を軟化させるまたは溶融させてバインダーおよびマトリックス繊維をそれらの交差点で接合するのに十分な温度に加熱される。通気接合は一般に、表面接合だけとは対照的に、布の幅にわたっておよび厚さを通して実質的に均一な接合をもたらす。通気接合機は一般に、布を受け取る有孔ドラム、および有孔ドラムを取り囲むフードを含む。加熱ガスは、フードから、スパンレース不織布を通って、そして有孔ドラム中へ導かれる。通気接合機での滞留時間および加熱ガスの温度は、それが湿っている場合布を乾燥させるため、そして所望の程度の熱接合を提供するための両方のために選択される。1つもしくはそれ以上の通気乾燥機を直列に用いて所望の程度の接合を達成することができる。ベース繊維が約250〜260℃の融点を有するポリ(エチレンテレフタレート)繊維であり、そしてバインダー繊維が約100〜120℃の融点を有する低融点のポリ(エチレンテレフタレート)のイソフタレートコポリマーの鞘とポリ(エチレンテレフタレート)芯とを含んでなる鞘/芯繊維であるとき、約180℃の接合空気温度(約130〜150℃の布温度)および乾燥機での約8〜12秒の滞留時間が、布が水流交絡された直後にそれがインラインで熱接合されるときに十分な耐摩耗性を有する布を提供することが分かった。
【0020】
熱接合不織布は場合によりカレンダー掛けすることができる。室温カレンダー掛けを用いて布の厚さを減らすことができる。これは、ガスパリニらに付与された米国特許第5,974,976号明細書に記載されているように、プリンター・クリーニング布として使用されるときに、より長い布長さが芯上に巻き取られて所望のロール厚さを提供することを可能にする。約25℃の非加熱ロールでおよび32〜300×10−1N/cmのニップ圧力でのカレンダー掛けが室温カレンダー掛けに好適であることが分かった。約0.7mm以下の布厚さ(EDANA 30.5−99に従って測定された)が本発明での使用に好適である。より高い厚さを用いることができるが、それは経済的観点から望ましくなく、そしてまた所与のカートリッジサイズにとってより少ないリニアー・メーターの布をもたらす。約0.20mm〜0.40mmの布厚さが一般に本発明に好ましく、これらの厚さを達成するためにカレンダー掛けが用いられてもよい。カートリッジがそれほど頻繁に交換を必要としないようにカートリッジロールでより多いリニアー・メーターの布を得るためにはより低い厚さが好ましい。あるいはまた、布は、追加の熱接合が望まれる場合1つもしくはそれ以上の加熱ロールを用いてカレンダー掛けすることができる。しかしながら、カレンダー掛け条件は、布がインク残渣、溶剤、または掃除されているシリンダーの表面からの他の材料を除去するのに十分に吸収性のままであるように選択されるべきである。150〜250×10−1N/cmの範囲のニップ圧力で、90〜100℃の範囲のカレンダー掛け温度が一般に好適である。
【0021】
本発明のクリーニング布は、従来のプリンターシリンダー・クリーニングシステムで用いることができる。本クリーニング布は一般に、中空円筒形芯などの、芯上に巻き取られ、それをプリンターシリンダー・クリーニングシステムの巻出場所に取り付けることができる。シリンダー・クリーニングシステムはまた、それがプリンターシリンダーを掃除するために使用された後にクリーニング布の使用済み部分がその上に巻き取られる巻取ロールを含むこともできる。一般に、クリーニング布をプリンターシリンダーに隣接して置くための手段が提供される。例えば、クリーニング布は、それがシリンダーのそばを通り過ぎてフィードされるときにプリンターシリンダーと接触して置くことができる。
【0022】
一般に、クリーニング溶剤または液はクリーニング布に付けることができる。クリーニング液は、クリーニング布のロールがプリンターシリンダー・クリーニングシステムに取り付けられる前または後に布に付けることができる。ガスパリニらに付与された米国特許第5,368,157号明細書に記載されているように、クリーニング布にクリーニング液を含浸させ、後での使用のために包装することができる。あるいはまた、クリーニング組成物は、当該技術分野で公知のポンプ、スプレーバー、マニホールドラインなどによってなど、プリンター・クリーニングシステムに取り付けた後のクリーニング布に付けることができる。クリーニング組成物はまた、手動噴霧器または他の好適な装置で付けることができる。
【0023】
クリーニング布は、インク残渣、クリーニング溶剤、リント、およびプリンターシリンダーからの他の固体またはペースト様物質を除去するために使用される。一般に、圧力パッドは、クリーニングプロセス中にクリーニング布をプレスしてシリンダーと接触させる。耐摩耗性に加えて、クリーニング布は、残留溶剤などが圧力下にある間にシリンダー表面から除去されるように、残留溶剤などを吸収するのに十分な吸収性を持たなければならない。木材パルプを含有しない本発明のクリーニング布は、スパンレース木材パルプ/ポリエステル布などの従来のクリーニングクロスより低い吸収性を有するにもかかわらずプリンターシリンダーのクリーニングにうまく機能することが意外なことにも分かった。
【0024】
起伏のあるまたはテクスチャー加工された印刷機シリンダー表面を掃除するのに好適であるために、熱接合スパンレース不織布は300回転後に4以下のテーバー摩耗値(乾燥布について測定された)を有し、好ましくは300回転後に2以下のテーバー摩耗値を有し、そして300サイクル後に約1.5以下の、好ましくは50サイクル後に約1.3以下の湿潤布について測定されたマーチンデール摩耗値を有し、ここで、テーバーおよびマーチンデール摩耗値は下に記載される試験方法に従って測定される。好ましい布はまた、クリーニング溶剤で湿らされたときに、負荷下の布のより少ない歪曲を示唆する、高い乾燥および湿潤剛性だけでなく、注油(界面活性剤で湿った)破壊強度対乾燥破壊強度の高い比を実証する。より少ない歪曲は布の繊維を取り除くより少ない傾向につながる。布は、平方メートル当たり約100,000繊維以下の繊維毛羽立ち値を呈するであろう。
【0025】
本発明のクリーニング布はまた、耐摩耗性と吸収性とのバランスが必要とされる他のタイプの装置のシリンダーを掃除するために使用することができる。例えば、本発明のクリーニング布は、カレンダー、織物パディング機器、織物および不織布仕上げ機器を含むが、それらに限定されない、他の織物および不織布用途でのシリンダーを掃除するために使用することができる。
【0026】
試験方法
以下の非限定的な実施例で、下記の試験方法が様々な報告される特性および性質を測定するために用いられた。ASTMは米国材料試験協会(American Society of Testing Materials)を意味する。ISOは国際標準化機構(International Standards Organization)を意味する。EDANAは欧州、中東およびアフリカ向け欧州使い捨て品および不織布協会(European Disposables and Nonwovens Association)を意味する。IESTは環境科学および技術協会(Institute for Environmental Sciences and Technology)を意味する。
【0027】
坪量は布またはシートの単位面積当たりの質量の尺度であり、EDANA 40.3−90またはASTM D−3776によって測定され、g/m(gsm)単位で報告される。
【0028】
不織布の厚さはEDANA 30.5−99またはASTM D1777に従って測定され、mm単位で報告される。
【0029】
引張特性(グラブ破壊強度およびグラブ弾性率)は、ASTM D5034に従って、乾燥および注油サンプルについて測定された。
【0030】
破壊強度はkgの単位で報告される。
【0031】
弾性率は乾燥および注油布について測定され、本明細書ではkN/mの単位で報告される。注油検体はデュパノール(Dupanol)MEの0.1%溶液に30秒間浸漬することによって調製される。検体は次に30秒間ドレインするために粗いスクリーン上に置かれ、次にきれいな乾燥紙タオル上に60秒間置かれる。注油検体は手で汚されなかった。注油検体は除液後2分以内に試験される。
【0032】
テーバー摩耗は、圧力および摩耗作用の制御された条件下に回転摩擦作用にさらされたときの摩耗に対する布の耐性の尺度であり、テレダイン・テーバー、ニューヨーク州ノース・トナワンダ(Teledyne Taber,North Tonawanda,NY)製のテーバー摩耗試験機モデル(Taber Abraser Model)503を用いて、ASTM試験方法D3884−80に従って測定された。試験機はホイール当たり250g負荷のゴム−ベース・タイプ・カリブレード(Calibrade)CS−Oホイールを有した。テーバー摩耗値は乾燥布について測定され、テーバー値は1〜15のスケール(ここで、1は最良であり、そして15は最悪である)で報告される。布は摩耗試験にかけられ、50、100、150、200、250、および300回転後に評価された。2つの測定が各実施例につき回転の各サイクルについて行われた。第1測定は第1布サンプルの一面について行われ、第2測定は第2布サンプルの反対側で行われ、2つの測定値が平均された。回転の各サイクルについて新しいサンプルが使用された。
【0033】
減量テーバーは、基材を回転摩擦作用にさらすことによって基材の表面から除去された材料の量の尺度である。減量は、70±2°F(21.1±1.1℃)および50±5%相対湿度で24時間順化させられた10.2cm直径布サンプルについて測定された。サンプルは、テレダイン・テーバー、ニューヨーク州ノース・トナワンダ製のテーバー摩耗試験機モデル503に取り付けられた。試験機は、250gの各取り付けアーム上の負荷付き取り付けアーム・アセンブリにH−10カリブレード・ホイールを有した。布サンプルは0.0001gまで秤量され、試験されるべき面が回転台の方を向いた状態で取り付けられ、50サイクルにさらされ、その後、サンプルを再秤量した。減量は、摩耗前後の重量の差として報告され、グラムの単位で報告される。測定は、テーバー摩耗について上に記載されたように、2つのサンプルについて行われ、平均された。
【0034】
マーチンデール摩耗は、連続的に変化するパターンでの標準研磨材に擦りつけられたときの摩耗に対する布の耐性の尺度であり、特に記載のない限り、12kPA圧力およびリサジュー(Lissajous)パターンを与えるための重り付きヌ−マーチンデール摩耗およびピリング試験機モデル(Nu−Martindale Abrasion and Pilling Tester Model)406を用いて、ASTM D4966に従って湿潤サンプルについて測定された。試験サンプルが固定ホルダー中に置かれ、そして摩耗試験機布が移動可能なヘッド中に置かれ、サンプルが実験室湿度および温度に順化させられなかったことを除いては標準試験方法に従った。摩耗後に、サンプルはオーブン中100〜110℃で5分間乾燥された。マーチンデール摩耗は、ある特定の数のサイクルで各サンプルにつき4〜8のサンプルについて測定され、個々の結果が平均された。マーチンデール摩耗は、より低いマーチンデール数がより良好な耐摩耗性に相当する(最良=1、最悪=6)、1〜6のスケールで測定される。測定は50、100、150、200、250、および300回転について行われた。マーチンデール値は、比較例Aについてはポリエステル面について、実施例1および2については一面について測定された。
【0035】
二軸振盪試験(Biaxial Shake Test)は、水による湿潤に応じて布から放出される、およびかき混ぜにより与えられる機械的エネルギーに応じて布から発生する粒子の数を測定するために用いられた。試験は、技法および計算をいくらか簡略化して、IEST−RP−CC−004.2に概して記載されているように行われた。この試験では、布サンプルはジャーに入れられ、水と共に振盪される。水のアリコートが取り出され、放出可能なおよび発生した粒子の合計について分析される。W.S.タイラー(W.S.Tyler)から入手可能な二軸振盪機およびPMSモデルLS200液体サンプラーを備えた自動粒子カウンター(Automatic Particle Counter)(PMSリクイラズ・モデル(PMS Liquilaz Model)S05)が用いられた。結果は粒子の数/mとして報告される。
【0036】
毛羽立ち(Linting)は、布から放出されるおよび発生する粒子の尺度である。放出可能な繊維破片は次の通り測定される。布の検体はおおよそ300×300mmにカットされた。外的吸着容量はASTM D6650に従って測定された。単層試験検体は、300mm×500mm×60mmであるプラスチックトレーの中心に平らに置かれ、500mlの蒸留水が検体を完全にカバーするまでトレーに加えられる。検体がその限度容量まで水を吸収した後、トレーの端を手で掴み、2つのうちの1つの端をスムーズな上下運動で持ち上げて検体表面にわたって30±3秒間水を穏やかにかける。水は2リットルのビーカーへデカンテーションされ、保存される。このとい流し(sluicing)行動は、各回500mlの新しい水を使用してさらに2回繰り返される。水の全容量は概数で50mlまで測定される。懸濁液は撹拌棒で穏やかに撹拌され、次に等分された容量を3桁の有効数字まで読み取ることができる目盛り付きシリンダーを用いて直ちに等分される。等分された容量が記録され、等分された懸濁液は、ミリポア(Millipore)キットXX71 047−11または同等品を用いる黒色47.0mm直径、0.8マイクロメートル孔径、3.0mm格子正方形、濾過面積当たり100平方メンブランフィルターを通して濾過される。メンブランフィルターは室温で風乾され、ほこり、リント、または他の浮遊粒子から遮断される。較正された接眼レチクル付き顕微鏡を用いて、粒子/m単位での放出可能な繊維破片を得るためにフィルターメンブランの各格子について放出可能な繊維破片が測定され、格子の数が測定される。発生した繊維破片は次の通り測定される。放出可能な繊維破片について試験されたものと同じサンプル層が4リットルのジャーへ入れられる。総容量が少なくとも250mlになるように、試験検体の外的吸収容量(ml/m)に試験検体の面積(m)を乗じた容量の少なくとも20倍に等しい容量の蒸留水が加えられる。タイラー・モデル(Tyler Model)RX−86または同等品などの、振動の平面の長軸および短軸で、それぞれ17および8mmの振幅で280サイクル/秒に近い振動数を有する振盪機がジャーを3分間振盪するために用いられる。懸濁液は穏やかに旋回され、直ちに等分される。上記の濾過装置を用いて、繊維破片の等分された懸濁液が黒色メンブランフィルター(上記の)を通して濾過される。メンブランフィルターは次に室温で風乾され、発生した繊維破片が上記のようにフィルターメンブランの各格子についてカウントされる。毛羽立ち値は放出可能なおよび発生した繊維破片の合計として粒子/mの単位で報告される。
【0037】
毛羽立ちは、長さが50マイクロメートルを超える繊維破片を測定するが、粒子についての二軸振盪試験は0.5〜20マイクロメートルの範囲の目に見えない粒子を測定する。
【実施例】
【0038】
実施例1
本実施例では、ポリエステル複合鞘/芯繊維とポリエステル一成分繊維とのブレンドがスパンレース熱接合布を形成し、そして起伏のある表面の圧シリンダーを掃除するために使用されたときの耐久性およびクリーニング有効性について評価した。
【0039】
複合繊維(独国ボービンゲンのトレビラ有限責任会社(TREVIRA GmbH of Bobingen,Germany)から供給された、2.2デシテックス、50mm長さ、円形断面)は、約110℃の融点を有するポリ(エチレンテレフタレート)の低融点イソフタレートコポリマーから形成された鞘と約256℃の融点を有するポリ(エチレンテレフタレート)から形成された芯とを含んでなった。ポリエステル一成分繊維(米国ウェルマン(Wellman,USA)によって供給された、2.2デシテックス、38mm長さ)は、ポリ(エチレンテレフタレート)から形成され、約256℃の融点を有し、複合繊維とブレンドされて25重量パーセントの複合繊維と75重量パーセントの一成分繊維とを含んでなる繊維ブレンドを形成した。ブレンド繊維を2つの高速チベアウ(Thibeau)カード機によって加工してカードウェブを形成し、それを次に、次の条件下にエバンス米国特許第3,485,706号明細書の一般方法に従って水圧ニードリングした:
ニードリング・サポート1:ポリエステル・ストランドから織られた洗浄機ベルト(アルバニー・インターナショナル・コーポレーション、ニューヨーク州アルバニー(Albany International Corporation,Albany,NY)から購入した)
ニードリング・サポート2:ポリエステル・ストランドから織られた洗浄機ドラム(アルバニー・インターナショナル・コーポレーション、ニューヨーク州アルバニーから購入した)
サポート・スピード:90m/分
各ストリップがオーソウト(Oathout)ら米国特許出願公開第2002/0116801号明細書に記載されているように、垂直位置から30度の角度に向けられたシングルジェット・ストリップが前に来る、5ミル(0.13mm)の穴直径の40穴/インチ(15.7穴/cm)を有する、17ジェット・ストリップ。角度がついたジェット・ストリップはまた、5ミル(0.13mm)の穴直径で40穴/インチ(15.7穴/cm)を有した。
【0040】
圧力が増加プロフィルで4〜125バールの範囲である9つのジェットがニードリング・サポート1を構成した。ニードリング・サポート2については、8つのジェットが用いられ、ジェット圧力は、再び低下する前に平坦域に達するための増加する圧力で125〜135バールの範囲であった。水圧ニードリングされたシートを次に、3.0バールの均一な圧力で圧搾圧延し、2つのフレイスナー(Fleissner)乾燥機で180℃の温度で、各乾燥機において5〜6秒の滞留時間で通気乾燥させた。布特性を下の表1に報告する。
【0041】
熱接合スパンレース不織布の特性を表1で下に報告する。すべての特性測定は8つのサンプルについて行い、平均した。
【0042】
実施例2
本実施例では、ポリエステル複合鞘/芯繊維とポリエステル一成分繊維とのブレンドがスパンレース熱接合布を形成し、コールド−カレンダー掛けし、そして起伏のある表面の圧シリンダーを掃除するために使用されたときの耐久性およびクリーニング有効性について評価した。
【0043】
熱接合スパンレース布を、両方(1.62デシテックス、38mm長さ)ともアドバンサ(独国)から入手した、26重量パーセントの100〜120℃の融点のコ−ポリ(エチレンテレフタレート)/ポリ(エチレンテレフタレート)バインダー繊維と74重量パーセントのポリ(エチレンテレフタレート)繊維とを含有するブレンドを使用して実施例1について上に記載したように製造した。
【0044】
熱接合スパンレース布を、次の条件下にカレンダー掛けした:
ニップ圧力:90×10−1ニュートン/センチメートル
ニップポイント:1
温度:室温
スピード:60メートル/分
ロール1:ステンレススチール
ロール2:硬度84ショアDのポリアミド
【0045】
実施例2のカレンダー掛け布の特性を表1で下に報告する。特性測定は4つの試験サンプルについて行い、平均した。
【0046】
実施例1および2の両布は、起伏のある表面のまたはテクスチャー加工されたプリンターシリンダーのクリーニングでうまく機能することが分かった。吸収性繊維がなくても、布は、クリーニング布の引裂またはそれほどの摩耗もなくインク、溶剤、およびプリンターシリンダーからの他の残渣を除去するためにうまく機能した。
【0047】
比較例A
比較例Aは、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)(E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE))からプリントマスター(Printmaster)(登録商標)スタイル(Style)8835として入手可能な、印刷機シリンダーを掃除するために現在使用されている市販の木材パルプ/ポリエステル・スパンレース不織布であった。該布は、起伏のある表面のまたはテクスチャー加工されたプリンターシリンダーを掃除するために使用されたときに裂けることが分かった。
【0048】
【表1】

【0049】
実施例1および2についてのテーバー摩耗結果は、比較例Aを上回り、回転の数に応じて、乾燥状態では15の8段階より大きい、そして湿潤状態では25〜50%の改善を示す。700および1000回転で、比較例Aは完全に破損したが、実施例1および2は両方とも構造完全性を保持した。実施例1および2についてのマーチンデール結果は、湿潤状態で、比較例Aに対して、2段階以下の最高の改善を示す。起伏のあるテクスチャー加工されたシリンダーはインクおよび他の残渣を除去するために溶剤で掃除されるので、これは該用途にとって望ましいものである。
【0050】
より大きい目的の減量テーバーは、比較例Aが50回転後に実施例1および2より約2倍ほどに多く損失することを示す。
【0051】
繊維落ちおよび二軸振盪は両方とも、布により放出され得る目に見えるおよびわずかに目に見える材料の量を測定する。これらの試験は両方とも、比較例Aを越えた実施例1および2での改善を示す。
【0052】
乾燥および湿潤引張特性は、バインダー繊維が中程度の応力下での完全性および強度に役立つ、布の剛性を増加させる程度を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
より低融点成分を含んでなる20〜50重量パーセントのバインダー繊維と50〜80重量パーセントのより高融点ポリエステル・ベース繊維とを含んでなるスパンレース不織布を含んでなる、シリンダーを掃除するための不織布であって、より低融点成分がより高融点ポリエステル・ベース繊維の融点より低い融点を有するポリエステルコポリマーを含んでなり、かつ、スパンレース不織布が、熱接合されたスパンレース不織布を提供するために、バインダー繊維の鞘成分を少なくとも部分的に軟化させるまたは溶融させることによって熱接合されている不織布。
【請求項2】
乾燥布について測定された300回転後の2以下のテーバー摩耗値および湿潤布について測定された50回転後の1.3以下のマーチンデール摩耗値を有する請求項1に記載の不織布。
【請求項3】
スパンレース布が第1繊維ウェブおよび隣接する第2繊維ウェブを水流交絡することによって形成された層状ウェブであり、第1繊維ウェブがスパンレース布の外面を形成し、そして第2繊維ウェブより高い重量パーセントのバインダー繊維を含んでなる請求項1に記載の不織布。
【請求項4】
層状ウェブが第3繊維ウェブをさらに含んでなり、そして第2繊維ウェブが第1繊維ウェブと第3繊維ウェブとの間に挟まれ、第3繊維ウェブが第2繊維ウェブより高い重量パーセントのバインダー繊維を含んでなる請求項3に記載の不織布。
【請求項5】
バインダー繊維が2成分鞘−芯繊維であり、鞘がより低融点ポリエステルコポリマー成分を含んでなり、そして芯がポリ(エチレンテレフタレート)を含んでなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項6】
熱接合されたスパンレース布が熱接合後にカレンダー掛けされる請求項1〜4のいずれか一項に記載の不織布。
【請求項7】
カレンダー掛けが25℃で行われる請求項6に記載の不織布。
【請求項8】
請求項1または2に記載の布を提供する工程と、シリンダーの外面を布と接触させる工程とを含んでなる、外面を有するシリンダーの掃除方法。
【請求項9】
シリンダーが印刷機の部品である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
シリンダーが起伏のある外面を有する圧シリンダーかまたは金属ロールである請求項9に記載の方法。
【請求項11】
シリンダーがその外面の少なくとも一部上にシリコーン剥離コーティングを有するテクスチャー加工されたロールである請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2008−530391(P2008−530391A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556342(P2007−556342)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/005765
【国際公開番号】WO2006/089179
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】