説明

印刷機器情報表示プログラム、印刷機器情報表示方法、および印刷機器情報表示装置

【課題】一部の印刷機器が印刷できない状態の場合に印刷待ちがないものと誤認してしまうことがないように印刷機器情報を表示する印刷機器情報表示プログラムを提供する。
【解決手段】ネットワーク上の複数の印刷機器のそれぞれから動作状態の情報、混雑度の情報を取得し(S2)、取得した動作状態が印刷できない状態である場合にも混雑度によらず混雑度絵表示として印刷できない状態を示す特定絵表示を選択して(S3)表示する(S4)処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷機器情報表示プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機器情報表示プログラム、印刷機器情報表示方法、および印刷機器情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からネットワークによって複数のコンピュータと複数のプリンタ(印刷機器)が接続されたシステム形態がある。
【0003】
こうしたネットワークによるシステム形態において、近年、1つのコンピュータ内にインストールされる一つのプリンタドライバで、種類が異なるプリンタに対しても印刷実行することのできる、複数機種共通のプリンタドライバが提案されている(たとえば非特許文献1)。
【0004】
一方、コンピュータとプリンタとの関係では、プリンタが現在の動作状態や印刷ジョブの進行状態をアイコンやジョブ進行メータとしてプリンタ状態ウィンドウ内に表示する技術(特許文献1および2)、プリンタの印刷待ちドキュメント数や印刷待ち総ページ数の情報を取得して表示する技術(特許文献3)などがある。
【0005】
また複数のプリンタを使用する際に、印刷ジョブが移動不可能なプリンタ、すなわち印刷できない状態のプリンタについては、そのプリンタのアイコンをグレーアウトすることによってユーザに使用できないことを明示する技術がある(特許文献4)。
【0006】
これらのように複数のプリンタがネットワークによって接続されて、それらのプリンタから印刷の進行状態を示す情報や、使用できるか否かの動作状態を示す情報などさまざまな情報が来る場合、これらを上記従来技術のとおりに表示すると、ユーザがプリンタの状態を把握しづらくなるおそれがある。特にその組み合わせとして印刷できない状態の場合には動作していないため印刷待ちもないこととなるので、そのまま表示すると印刷待ちがないまたは少ないプリンタであると誤認して、そのプリンタを選択してしまうおそれがある。これはユーザが望まない状態である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−075697号公報
【特許文献2】特開2001−047710号公報
【特許文献3】特開平07−200209号公報
【特許文献4】特開2005−165773号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】HP Universal Print Driver、[online]ヒューレット・パッカード カンパニー(HP)、インターネット<http://h20338.www2.hp.com/Hpsub/cache/343033-0-0-225-121.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、複数の印刷機器を利用する場合に、一部の印刷機器が印刷できない状態の場合に、印刷待ちがないものと誤認してしまうことがないように印刷機器情報を表示する印刷機器情報表示プログラム、印刷機器情報表示方法、および印刷機器表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0011】
(1)ネットワークにより接続されている複数の印刷機器の情報を一覧表示する印刷機器情報表示プログラムであって、前記複数の前記印刷機器のそれぞれから印刷機器の動作状態の情報を取得する手順(a)と、前記複数の前記印刷機器のそれぞれから印刷機器の混雑度の情報を取得する手順(b)と、前記手順(a)で取得した前記動作状態が印刷できる状態である場合は、印刷できる状態かできない状態かに応じてあらかじめ決められている動作絵表示の中から印刷できる状態を示す動作絵表示を選択すると共に、混雑度のレベルに応じてあらかじめ決められている混雑度絵表示の中から前記手順(b)で取得した前記混雑度に対応した前記混雑度絵表示を選択し、前記手順(a)で取得した前記動作状態が印刷できない状態である場合は印刷できない状態を示す動作絵表示を選択すると共に前記手順(b)で取得した前記混雑度によらず前記混雑度絵表示として印刷できない状態に対応する特定絵表示を選択する手順(c)と、前記選択された前記動作絵表示と前記混雑度絵表示を、前記複数の前記印刷機器のそれぞれに対応させて表示する手順(d)と、を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷機器情報表示プログラム。
【0012】
(2)前記手順(c)において選択される前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示をグレーアウト表示した絵表示であることを特徴とする(1)に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【0013】
(3)前記手順(c)において選択される前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示そのものであることを特徴とする(1)に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【0014】
(4)前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示プログラム。
【0015】
(5)前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数と各印刷ジョブにおけるページ数、部数であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示プログラム。
【0016】
(6)(1)〜(5)のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0017】
(7)ネットワークにより接続されている複数の印刷機器の情報を一覧表示する印刷機器情報表示方法であって、前記複数の前記印刷機器のそれぞれから印刷機器の動作状態の情報を取得するステップ(a)と、前記複数の前記印刷機器のそれぞれから印刷機器の混雑度の情報を取得するステップ(b)と、前記ステップ(a)で取得した前記動作状態が印刷できる状態である場合は、印刷できる状態かできない状態かに応じてあらかじめ決められている動作絵表示の中から印刷できる状態を示す動作絵表示を選択すると共に、混雑度のレベルに応じてあらかじめ決められている混雑度絵表示の中から前記ステップ(b)で取得した前記混雑度に対応した前記混雑度絵表示を選択し、前記ステップ(a)で取得した前記動作状態が印刷できない状態である場合は印刷できない状態を示す動作絵表示を選択すると共に前記ステップ(b)で取得した前記混雑度によらず前記混雑度絵表示として印刷できない状態に対応した特定絵表示を選択するステップ(c)と、前記選択された前記動作絵表示と前記混雑度絵表示を、前記複数の前記印刷機器のそれぞれに対応させて表示するステップ(d)と、を有することを特徴とする印刷機器情報表示方法。
【0018】
(8)前記ステップ(c)において選択される前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示をグレーアウト表示した絵表示であることを特徴とする(7)記載の印刷機器情報表示方法。
【0019】
(9)前記ステップ(c)において選択される前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示そのものであることを特徴とする(7)に記載の印刷機器情報表示方法。
【0020】
(10)前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数であることを特徴とする(7)〜(9)のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示方法。
【0021】
(11)前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数と各印刷ジョブにおけるページ数、部数であることを特徴とする(7)〜(9)のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示方法。
【0022】
(12)前記複数の前記印刷機器のそれぞれから印刷機器の動作状態の情報および混雑度の情報を取得する機器情報取得部と、印刷できる状態か印刷できない状態かに応じて決められている動作絵表示と、混雑度のレベルに応じてあらかじめ決められている混雑度絵表示と、印刷できない状態の場合に混雑度絵表示として表示する特定絵表示とを記憶した表示データ記憶部と、前記機器情報取得部が取得した前記動作状態が印刷できる状態である場合は、前記表示データ記憶部に記憶されている前記動作絵表示の中から印刷できる状態を示す動作絵表示を選択すると共に、前記表示データ記憶部に記憶されている前記混雑度絵表示の中から前記機器情報取得部が取得した前記混雑度に対応した前記混雑度絵表示を選択し、前記機器情報取得部が取得した前記動作状態が印刷できない状態である場合は前記表示データ記憶部に記憶されている前記動作絵表示の中から印刷できない状態を示す動作絵表示を選択すると共に前記機器情報取得部が取得した前記混雑度によらず前記表示データ記憶部の中から前記特定絵表示を混雑度絵表示として選択する表示内容選択部と、
前記絵表示選択部によって選択された前記動作絵表示と前記混雑度絵表示を、前記複数の前記印刷機器のそれぞれに対応させて表示する表示部と、を有することを特徴とする印刷機器情報表示装置。
【0023】
(13)前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示をグレーアウト表示した絵表示であることを特徴とする(12)に記載の印刷機器情報表示装置。
【0024】
(14)前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示そのものであることを特徴とする(12)に記載の印刷機器情報表示装置。
【0025】
(15)前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数であることを特徴とする(12)〜(14)のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示装置。
【0026】
(16)前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数と各印刷ジョブにおけるページ数、部数であることを特徴とする(12)〜(14)のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示装置。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、印刷機器の動作状態が印刷できない状態の場合には、混雑度を表示する混雑度絵表示にも印刷できない状態に対応した特定絵表示を行うこととした。これにより印刷機器が印刷できない状態の場合にも、混雑度の絵表示として特定絵表示が行われるようになるので、ユーザが印刷待ちがないまたは少ないものと誤認してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態にかかる印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】印刷機器情報表示機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】図1に示されるプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】プリンタの機能を説明するための機能ブロック図である。
【図6】コンピュータによる印刷機器情報の表示処理手順を示すメインルーチンのフローチャートである。
【図7】図6のS1に示される情報取得処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
【図8】図6のS3のアイコン選択処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
【図9】プリンタの動作状態に対応したアイコン例を示す図である。
【図10】プリンタの混雑度に対応したアイコン例を示す図である。
【図11】プリンタの動作状態と混雑度の組み合わせにおける混雑度アイコン表示例を説明する図である。
【図12】アイコン表示例を説明するための図であってプリンタを選択するための操作画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0031】
図1に示す印刷システムは、ネットワーク50によって接続された少なくとも一つのコンピュータ10(図示PC(personal computer))と複数のプリンタ(印刷機器)20A,20B,20C,20D,20Eからなる。ここでコンピュータ10は印刷機器情報表示装置となる。
【0032】
コンピュータ10は、いわゆるパソコンやワークステーションなどと称されるものであり、ディスプレイ(図1では不図示、図2参照)が接続または内蔵されている。また、コンピュータ10としては、これに限らず、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)やスマートフォンなどと称される携帯端末、そのほかゲーム機器や家電機器などでネットワークによってプリンタに接続することができる構成を有しているものを含む。この印刷システムでは、コンピュータ10によって後述するプログラムが実行されることで混雑度の情報がコンピュータ10に接続(または内蔵)されているディスプレイに表示されることになる。
【0033】
プリンタ20A,20B,20C,20D,20Eは、さまざまな機能を有するプリンタであるが、それぞれが同じ機能を有しているとは限らない。ただ、コンピュータ10からの印刷ジョブを受け取って印刷を実行する基本機能は同じである。
【0034】
ネットワーク50は、たとえば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の規格によりコンピュータ10やネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、またはLAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)等の各種のネットワークである。なお、ネットワーク50に接続される機器の種類および台数は、図1に示される例に限定されない。
【0035】
図2は、図1に示されるコンピュータ10のハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ハードディスク14、通信インタフェース15を含み、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。また、入力装置16およびディスプレイ17が接続または内蔵されている。
【0036】
CPU11はプログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理を行う。ROM12はコンピュータ10の起動や基本的な機能に必要なプログラムを格納している。RAM13は作業領域として一時的にプログラムおよびデータを記憶する。ハードディスク14は、オペレーティングシステム(OS:operating system)、ドライバプログラム、各種アプリケーションプログラムなどのプログラムや、各種データを格納する。
【0037】
通信インタフェース15は、ネットワーク4を介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格が用いられる。
【0038】
入力装置16はマウス等のポインティングデバイスおよびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。ディスプレイ17は各種の情報を表示する。
【0039】
これらコンピュータ各部の機能は通常のコンピュータと同じであるので詳細な説明は省略する。
【0040】
図3は、コンピュータによって行われる印刷機器情報表示機能を説明するための機能ブロック図である。本実施形態においては、この機能はコンピュータ10が実行するプリンタドライバによって提供される。したがって、このプリンタドライバが印刷機器情報表示プログラムとなる。なお、ここでは印刷機器情報表示機能以外の機能については通常のプリンタドライバとしての機能であるので、図3においては印刷機器情報表示機能以外の機能については図示省略した。
【0041】
プリンタドライバ100は、ネットワーク通信部110、印刷機器データ記憶部120、表示内容選択部130、表示データ記憶部140、および表示制御部150を有している。プリンタドライバ100は、ハードディスク14に保存されており、起動ときにRAM13上に読み出されて、CPU11により実行される。これによりプリンタドライバ100の上記構成要素の機能が発揮される。
【0042】
ネットワーク通信部110は混雑度情報取得部であり、通信インタフェース15によってネットワーク50を介した通信により各プリンタの混雑度の情報を取得する。ネットワーク通信部110は、SNMP(Simple Network Management Protocol)に対応しており、プリンタが有しているデータベースであるMIB(Management Information Base)から混雑度の情報を取得する。なお、周知の通り、MIBはRFC1213により規定されており(MIB−II)、また各社が独自の製品のためにMIBの拡張仕様を作り出すことができる。本実施形態ではRFC1213により規定されたMIBオブジェクトを標準MIBと称し、拡張仕様に関するMIBオブジェクトをプライベートMIBと称することとし、特に両者を区別しない場合は両者を含む概念としてMIBを述べることとする。そして、本実施形態では、プリンタ20A〜20Eの全てが標準MIBをサポートしこれを備えているものとするが、そのうちのいずれかはプライベートMIBをサポートしていないか、プライベートMIBをサポートするがその拡張仕様が、プリンタドライバ100が把握できる拡張仕様のものではないものとする。そして、このようなプリンタドライバ100が把握できる拡張仕様のものではないものの場合も混雑度情報を取得できないものとなる。
【0043】
印刷機器データ記憶部120は混雑度記憶部であり、ネットワーク通信部110がネットワークによって接続されているプリンタ20A〜20Eのいずれかから受信した混雑度の情報をそれぞれのプリンタに対応して格納するための領域である。この混雑度の情報はプリンタ20A〜20Eのうち、得られた場合にのみそのプリンタに対応させて記憶する。印刷機器データ記憶部120は、ローカルの記憶部であるRAM13内に割り当てられる(ハードディスクに割り当てられていてもよい)。
【0044】
表示内容選択部130は、表示データ記憶部140に格納されているアイコンの表示条件を参照することにより、プリンタから取得された動作状態および混雑度の情報に対応したアイコンを選択して、表示制御部150に対して表示するデータを提供する。
【0045】
表示データ記憶部140は表示内容記憶部であり、動作状態および混雑度に応じて決められている表示内容として、あらかじめ作成された各種アイコンのグラフィックデータおよび各種アイコンの表示条件を記憶している。各種アイコンのグラフィックデータは動作状態および混雑度に応じたアイコン(絵表示)図形のデータである。各種アイコンの表示条件は動作状態と混雑度ごとにどのアイコンを対応付けするかの情報である。なお具体的なアイコンの形状および表示条件については後述する(図9および図10参照)。
【0046】
表示データ記憶部140は、ハードディスクに割り当てられていてこれらのアイコンおよび表示条件が記憶されている。そしてプリンタドライバが起動されたときにRAM13に読み込まれる。
【0047】
表示制御部150は表示部であり、表示内容選択部130からのデータに基づいて、操作画面にアイコン等のプリンタ情報を表示させる。表示制御部150は、コンピュータ10のOSに対して、ディスプレイ17上への表示指示を行う。
【0048】
図4は、図1に示されるプリンタ20A〜20Eのハードウェア構成を示すブロック図である。プリンタ20A〜20Eの基本的なハードウェア構成は相互に同様の構成であるため、以下、プリンタ20Aを代表として用いて説明する。
【0049】
プリンタ20Aは、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、操作パネル25、印刷部26、および通信インタフェース27を含み、これらは信号をやり取りするためのバス28を介して相互に接続されている。なお、プリンタ20Aの上記各部のうち、コンピュータ10の上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0050】
操作パネル25は、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。印刷部26は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、コンピュータ10から送られてきた印刷ジョブのデータに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0051】
図5は、このプリンタの機能を説明するための機能ブロック図である。なお、ここでもプリンタ20Aを代表として用いて説明するが、このプリンタ20AはMIBが備えられているものとする。
【0052】
プリンタ20Aの機能は、ネットワーク通信部210、プリント制御部220、印刷部230、および印刷ジョブ記憶部240からなる。
【0053】
ネットワーク通信部210は、コンピュータ10からのリクエストに応じて混雑度の情報を提供する。このためネットワーク通信部210にはMIBが備えられている。このMIBはハードディスク24に割り当てられた領域内に記憶される。また、ネットワーク通信部210は、通常の機能としてコンピュータ10からの印刷ジョブを受信する。受信した印刷ジョブは印刷ジョブ記憶部240に記憶される。
【0054】
プリント制御部220は、プリンタとしての機能を実行するためのプログラムによって各部の制御を行う。プリント制御部220は、印刷部26が印刷処理中でなければ印刷ジョブ記憶部240から印刷ジョブを読み出して印刷部26に印刷ジョブを送信する一方で、印刷処理中であればネットワーク通信部210が受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部240に記憶させる。また、プリント制御部220は、印刷ジョブ数を管理し、印刷ジョブ数に変化があった場合、ネットワーク通信部210へ通知してMIBに保存する。
【0055】
なお、コンピュータ10およびプリンタ20は、上記した構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは上記した構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0056】
次に上述した印刷システムの作用を説明する。
【0057】
図6は、コンピュータによる印刷機器情報の表示処理手順を示すメインルーチンのフローチャートである。
【0058】
まず、ユーザによってコンピュータ10上のプリンタドライバが起動される(S1)。これにより、ディスプレイ17にはプリンタの情報表示と選択を行うための操作画面が表示される。
【0059】
続いてプリンタドライバは、プリンタの情報を取得する(S2)。この処理の詳細については後述するが、ここではプリンタの動作状態と共に混雑度の情報を取得している。
【0060】
続いて、プリンタドライバは、取得したプリンタの動作状態と混雑度の情報に基づいて、表示するアイコンを選択する(S3)。
【0061】
続いて、プリンタドライバは、選択されたアイコンをディスプレイ17に表示されている操作画面に表示する(S4)。
【0062】
続いて、ユーザがプリンタドライバの終了を指示したか否かを判断して(S5)、終了指示があればプリンタドライバによる印刷機器情報表示処理を終了する。終了指示がなければS2へ戻りプリンタ情報の取得を行い、それ以降の処理を継続する。なお、この処理の繰り返しのとき、一定時間の待ち時間を入れてもよい。
【0063】
図7は、図6のS2に示される情報取得処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
【0064】
プリンタドライバは、はじめに、あらかじめ決められた情報取得手順に従って、各プリンタ(情報取得対象機器)に対してプリンタの情報取得を行う(S10)。この処理は、ブロードキャスト、マルチキャストまたはユニキャストによりネットワーク上に接続されているプリンタを検索する手順を含み、検索により特定したプリンタを特定するための情報(プリンタ特定情報)を取得すると共にプリンタの動作状態を取得する。ここであらかじめ決められた情報取得手順としての別例としては、たとえば以前接続されたプリンタであることを示す履歴情報がある場合、この履歴情報に登録されているプリンタ順番があり、それを利用してプリンタ特定情報および動作状態を取得するようにしてもよい。なお履歴情報は、プリンタドライバによって、このS11によりプリンタの接続確認ができたときにプリンタ特定情報が記録されて、その後の処理によってさまざまな情報が付加されたものである。履歴情報は印刷機器データ記憶部120に記憶される。
【0065】
プリンタ特定情報は、プリンタの機種名やユーザが任意に付与した名称などであり、ネットワーク上に接続されているプリンタを個別に特定することのできる情報であればよい。
【0066】
動作状態は、本実施形態では以下の4つの情報を取得している。(1)印刷可:アイドリング・印刷中・ウォームアップ中の状態で、印刷可能な状態。(2)警告あり:アイドリング・印刷中・ウォームアップ中の状態で、印刷は可能であるが何らかの警告がある状態で、たとえばトナー(またはインク)が少ない、用紙が少ない、消耗部分の交換時期が近いなどである。(3)印刷不可:プリンタ内部のさまざまな処理エラー、用紙切れ、紙詰まり、トナー(またはインク)切れなどにより、印刷不可の状態。(4)不明:上記(1)〜(3)の動作状態取得に失敗した場合であり、たとえばMIB情報が取得できない場合であり、具体的にはたとえば、MIB情報そのものの機能がない、電源OFF、LANケーブルがつながっていない、SNMPの設定がOFFなどの場合である(MIB情報が取得できないケースは、機器電源OFFなど、多くのケースでは印刷不可の状態であると予想されるが、SNMPの設定がOFFの場合などはMIB情報を取得できないものの印刷はできる状態となる。このためこれらの場合には一概に「印刷不可」とはせずに、動作状態「不明」としている。また一定時間レスポンスがない場合も「不明」とする)。
【0067】
これら4つの状態のうち、「印刷可」および「警告あり」は印刷できる状態であり、「印刷不可」および「不明」は印刷できない状態である。
【0068】
得られたプリンタの動作状態は印刷機器データ記憶部120に記憶する。上記4つの場合以外でもプリンタから取得できる機器情報を場合分けして表示するようにしてもよい。
【0069】
この処理には、プリンタの接続先ポート情報が必要となるので、たとえばネットワークに接続されているプリンタの場合、そのプリンタのIPアドレス(Internet Protocol Address)が必要になる。プリンタのIPアドレスは、あらかじめプリンタのIPアドレスとして設定されているものである。これはユーザが手動で設定したもののほか、ネットワーク上のプリンタを自動検索して設定するソフトウェアなどにより自動的に設定されるようにしてもよい。このようなソフトウェアは、たとえばプリンタドライバの一部を構成してもよく、あるいはプリンタドライバの起動と連動して起動する別のソフトウェアとして構成されてもよい。いずれの形態においても、プリンタドライバの起動のたびに、ネットワーク上のプリンタ検索を実行するようにしてもよい。また、以前接続されたプリンタの履歴を記憶しておいて、その履歴の中にあるプリンタのIPアドレスに対して接続確認や動作状態問い合わせのリクエストを送信するようにしてもよい。
【0070】
続いて、プリンタドライバは、S10で接続確認されたプリンタ(または履歴中のプリンタ)から所定の順番で1台のプリンタを選択する(S11)。この処理は後述する各処理(S12〜S15およびS21)を1台1台のプリンタについて実行するための処理である。ここで所定の順番は、たとえば、S10で接続確認が行われた順番や履歴の中の順番、IPアドレスの順番など、あらかじめ決められている順番であればよい。
【0071】
続いて、プリンタドライバは、S11で選択されたプリンタが混雑度取得可能機器かどうか判断する(S12)。ここでは、あらかじめ混雑度取得可能な機器をリストアップしておいて、S11で選択されたプリンタについてのS10で取得したプリンタ特定情報とこのリストを比較することで混雑度取得可能機器か否かの判断を行っている。
【0072】
混雑度取得可能機器のリストは、混雑度取得可能なプリンタの機種名などをリストアップしたものである。このようなリストは、プリンタメーカーから出されているプリンタの仕様から判断してあらかじめ作成しておけばよい。そしてこのようなリストはプリンタドライバの提供メーカーが提供することでユーザの負担が生じないようにすることもできる。この場合、新たなプリンタがリストに追加される場合にはやはりプリンタドライバの提供メーカーがリストの更新を行うようにするとよい。
【0073】
また別なリスト作成方法としては、ブロードキャストなどによって全てのプリンタに対して一度混雑度の情報取得のためのリクエストを送信して、それに対して混雑度の情報が得られたプリンタをリストアップするようにしてもよい。この場合のリストは、履歴情報のなかに混雑度取得可能機器としての履歴を残すだけでもよい。その後は履歴情報にないプリンタがS11で検出された場合にのみ、そのプリンタに混雑度の情報取得のためのリクエストを送信して、それに対して混雑度の情報が取得できれば、その新たに接続されたプリンタを混雑度情報取得可能機器としてリスト(履歴情報)に追加すればよい。
【0074】
これにより、その後のS13の処理においてはリストアップされたプリンタに対してのみ混雑度の情報を取得しに行くことになるので、混雑度が不明なプリンタに対してまでリクエストを送信する必要がなくなる。したがって、全体としての通信時間や処理時間を短縮することができる。また、不要な通信も少なくすることができてネットワークの負荷を軽減することにもなる。
【0075】
なお、混雑度情報取得可能機器を示すリスト(または履歴情報)は印刷機器データ記憶部120に記憶しておく。
【0076】
S12において混雑度取得が可能(S12:YES)であれば、続いてS13の「混雑度情報取得」処理へ進む。一方、不可能(S12:NO)であれば、そのプリンタに対しては混雑度が不明であることを記憶することになる(S21)。
【0077】
S13において、プリンタドライバは、プリンタに対して混雑度の情報を取得する。具体的には、たとえば前述したようにRFC1213で規定されているネットワーク管理手法SNMP MIB−IIのプライベートエリアに記憶された、プライベートMIBとしての混雑度の情報を取得する。
【0078】
本実施形態では、混雑度の情報として印刷中の印刷ジョブと待機中の印刷ジョブ数を合わせた印刷ジョブ数を取得している。そのほか混雑度の情報としては、それぞれの印刷ジョブのページ数と印刷部数の情報を取得することで、待機中の総ページ数を計算するようにしてもよい。このようにすれば、さらに印刷機器の印刷速度情報があれば具体的な時間としての待ち時間の計算が可能となる。
【0079】
続いて、プリンタドライバは、プリンタから取得した混雑度の情報が正常か否か判断する(S14)。ここでは、取得した印刷ジョブ数の値が正常か否かを判断している。ここで正常(S14:YES)であれば得られた混雑度(印刷ジョブ数)の値を記憶する(S15)。一方、正常でないなら(S14:NO)、混雑度が不明であることを記憶する(S21)。
【0080】
正常か正常でないかの判断は取得した値があらかじめ想定した値の範囲内かどうか、また、通信エラーの発生有無で判断する。あらかじめ想定した値の範囲外とは、通常あり得ない数値、たとえば0未満の値や1000を超える値などである。なお、プリンタから混雑度「不明」の情報が出力される機器の場合に、この段階で混雑度不明との情報があれば混雑度不明が記憶される。
【0081】
S15においては混雑度の値(ここでは印刷ジョブ数)は、取得したプリンタに対応させて印刷機器データ記憶部120へ記憶する。一方、S21の混雑度不明の記憶もプリンタに対応させて印刷機器データ記憶部120へ記憶することになる。
【0082】
これらの処理が終了したなら、プリンタドライバは、情報を取得する他のプリンタ(情報取得対象機器)があるか否かを検索して(S16)、他のプリンタがあれば情報取得順(所定の順番)をインクリメントしてS11へ戻る。一方、全てのプリンタに対して情報取得を終えたならこのサブルーチンからのリターン処理となり、メインルーチンのS3へ進むことになる。
【0083】
メインルーチンのS3では、印刷機器データ記憶部120に記憶されたプリンタの動作状態と混雑度の情報に従って必要なアイコンが選択される。
【0084】
図8は、S3のアイコン選択処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。また図9はプリンタの動作状態に対応したアイコン例を示す図であり、図10はプリンタの混雑度に対応したアイコン例を示す図である。
【0085】
アイコン選択処理では図8に示すように、プリンタドライバが、まず、印刷機器データ記憶部120に記憶されている「印刷可」、「警告あり」、「印刷不可」、「不明」のいずれの動作状態であるかを確認して、それらに応じて図9に示されているそれぞれの状態に対応したアイコン(動作絵表示)を選択する(S31)。ここで各動作状態「印刷可」、「警告あり」、「印刷不可」、「不明」に対応したアイコンとその表示条件は図9に示したとおりである。これらのアイコンは表示データ記憶部140に記憶している。
【0086】
続いて、プリンタドライバは、S31で確認した動作状態が「印刷不可」または「不明」であるか否かを判断する(S32)。ここで「印刷不可」または「不明」ではない場合は(S32:NO)、そのままS33へ処理を進める。
【0087】
S33では、プリンタドライバは、図10に示されているアイコンの中から印刷機器データ記憶部120に記憶されている各プリンタの混雑度に応じたアイコンを選択する(S33)。なお、混雑度が不明である場合にも、ここでそれに対応したアイコンが選択される。
【0088】
混雑度アイコンは、図10に示したように印刷ジョブ数の範囲ごとに対応させている。図示するように混雑度を示すアイコン(混雑度絵表示)は書類束の形をかたどったものである。印刷ジョブ数=0のときはアイコンなし、印刷ジョブ数=1のときは書類1束のアイコン、印刷ジョブ数=2〜9のときは書類2束のアイコン、印刷ジョブ数10以上のときは書類3束のアイコン3、混雑度不明のときは書類3束がグレーアウトされたアイコンである。つまり本実施形態では混雑度不明のときには最高レベルの混雑度を示すアイコンと同等のものであって、これをさらにグレーアウトしたものが選択されて表示される。
【0089】
本実施形態では、書類1束のアイコンの画像データ、書類2束のアイコンの画像データ、書類3束のアイコンの画像データ、および書類3束がグレーアウトされたアイコンの画像データをそれぞれあらかじめ用意して、これら画像データを表示データ記憶部140に記憶している。また、これらの表示条件も表示データ記憶部140に記憶している。表示条件は上記のとおりであり、印刷ジョブ数=1の混雑レベルのときに書類1束のアイコンを選択して表示すること、印刷ジョブ数=2〜9の混雑レベルのときに書類2束のアイコンを選択して表示すること、印刷ジョブ数10以上の混雑レベルのときに書類3束のアイコンを選択して表示すること、混雑度不明のときに書類3束のグレーアウトアイコンを選択して表示することである。したがって、混雑度不明のときには、混雑度が最高レベルのときのアイコンをさらにグレーアウトした表示となる。
【0090】
なお、これらのアイコンは上記のようにあらかじめ表示条件ごとに一つのアイコンとして用意してもよいし、書類1束のアイコンを一つだけ用意しておいて、この書類1束のアイコンを表示条件に合わせて1個だけ表示する、2個、3個を並べて表示する、さらにグレーアウトしたものを3個並べて表示する、といったように表示形態を選択的に変えるようにしてもよい。
【0091】
一方、S32において、「印刷不可」または「不明」である場合は(S32:YES)、S34へ処理を進める。S34では、そのプリンタから取得されている混雑度(または取得されていない場合も含めて)に関わらず、混雑度不明を示すアイコンを選択する。すなわち書類3束のグレーアウトアイコンを選択する。
【0092】
つまり、動作状態が印刷できない状態である「印刷不可」または「不明」の場合には強制的に混雑度を示すアイコンとして混雑度不明アイコンを選択するようにしているのである(ここで選択される印刷できない状態に対応したアイコンを特定絵表示と云う)。
【0093】
このS34では、「印刷不可」または「不明」のときには強制的に選択されるアイコンとして、表示データ記憶部140に記憶されている混雑度不明のアイコンそのものを選択することにしている。なお、この場合に選択されるアイコンは、「印刷不可」または「不明」である場合(すなわち印刷できない状態)の特定絵表示のアイコンとして、混雑度不明アイコンとは別に用意して表示データ記憶部140に記憶しておいてもよい。その場合、混雑度不明アイコンと同じ形状や表示形態(ハイライトかグレーアウトかなど)であってもよいし、その他の形状や表示形態であってもよい。たとえば、混雑度不明のときは上記グレーアウトしたアイコンとし、印刷できない状態のときは書類束にばつ印「×」を重ねたアイコンや、単にばつ印「×」のみを3個表示するなども考えられる。また、混雑度不明をグレーアウトせずに混雑度が最高レベルのときのアイコン(すなわちグレーアウトとしない)として、それを印刷できない状態のときに用いるようにしてもよい。その他、混雑度を表示する部分に、プリンタ自体が使用できないことをわかりやすく表す形状や表示形態であれば特に限定されない。
【0094】
なお、本実施形態において印刷できない状態の特定絵表示のアイコンとして、混雑度不明アイコンをそのまま用いたのは、そのアイコンでユーザに対してはそのプリンタを選択できない(または選択しづらい)ことを理解してもらうために十分だからである。
【0095】
ここで、上記したS3の処理(すなわちS31〜34の処理)において選択されるプリンタの動作状態と混雑度の組み合わせにおける混雑度アイコンの表示例をまとめて説明する。図11はプリンタの動作状態と混雑度の組み合わせにおける混雑度アイコン表示例を説明する図である。
【0096】
混雑度は上述したとおり混雑度(印刷待ちの印刷ジョブ数)が「0」、「1」、「2から9」、「10以上」、「混雑度不明」の5種である。混雑度アイコンは「0」を除く4種について、それぞれを表現するアイコンをあらかじめ用意して表示データ記憶部140に記憶している。
【0097】
プリンタの動作状態が「印刷可」または「警告あり」の場合は印刷できる状態であるから、待機印刷ジョブ数に応じた混雑度アイコンを選択する。一方、動作状態が「印刷不可」または「不明」の場合は印刷できない状態であるから混雑度によらず、混雑度アイコンは混雑度不明と同じデザインのアイコンを選択することになる。
【0098】
S33またはS34の処理が終わればメインルーチンのS4へリターンすることになる。
【0099】
メインルーチンのS4では、S3において選択されたアイコンを表示する。図12はアイコン表示例を説明するための図であってプリンタを選択するための操作画面の例を示す図である。
【0100】
この操作画面300はプリンタドライバがS3において選択されたアイコンをプリンタ名やその他の情報と共に表示した画面である。具体的には、図12に示すように、接続されているプリンタを特定するための情報を表示する機器名表示部310と、プリンタの動作状態を表示する状態表示部320と、プリンタの設置場所を示す設置場所表示部320と、プリンタの印刷速度を表示する速度表示部330と、ポート(またはIPアドレス)表示部350からなる。これらの各項目の内容がそれぞれの項目に対応して表示される。そしてこの画面からプリンタが選択されることで、そのプリンタに対しての印刷指示となる。なお、このような操作画面からのプリンタ選択動作は従来からある動作であるので詳細な説明は省略する。
【0101】
図示するようにS4の処理では、プリンタを選択するための操作画面300において、リスト表示されたプリンタ名の横に並べて動作状態や混雑度をそれぞれS3で選択されたアイコンが表示されることになる。
【0102】
そしてS4の表示処理が終了したなら、プリンタドライバは、プリンタドライバの終了指示(S5)があるまでS2に戻り、処理を繰り返すことになる。この繰り返しによってプリンタドライバが起動されている間は、時々刻々と変化するプリンタの動作状態や混雑度が更新されて操作画面上で表示されることになる。
【0103】
これによりユーザに対してプリンタの動作状態と共に、そのプリンタの混雑度が明示的、かつ直感的にわかるようにしている。
【0104】
図12に示した例では、プリンタCおよびFが印刷不可のプリンタであることを示している。したがって、その表示は印刷不可であることを示すアイコンと共に混雑度不明アイコンも表示されている。
【0105】
以上の説明した本実施形態によれば以下のような効果を奏する。
【0106】
従来、印刷不可または動作状態不明のときには混雑度表示がないために、ユーザがそれらのプリンタを間違って混雑していないものと認識してしまうようなことが起こりえたが、本実施形態では印刷不可または動作状態不明のプリンタがある場合、その表示において混雑度表示をも混雑度不明を示すアイコンを合わせて表示したので、従来のような間違いの可能性を防止することができる。
【0107】
本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0108】
本実施形態にかかる印刷機器情報表示装置における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現することが可能である。また上記印刷機器情報表示プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、印刷機器を選択する装置の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10 コンピュータ、
11,21 CPU、
12,22 ROM、
13,23 RAM、
14,24 ハードディスク、
15 ディスプレイ、
16 入力装置、
17,27 通信インタフェース、
18,28 バス、
20A〜20E プリンタ、
25 操作パネル、
26 印刷部、
50 ネットワーク、
100 プリンタドライバ、
110 ネットワーク通信部、
120 印刷機器データ記憶部、
130 表示内容選択部、
140 表示データ記憶部、
150 表示制御部、
210 ネットワーク通信部、
220 プリント制御部、
230 印刷部、
240 印刷ジョブ記憶部、
300 操作画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにより接続されている複数の印刷機器の情報を一覧表示する印刷機器情報表示プログラムであって、
前記複数の前記印刷機器のそれぞれから印刷機器の動作状態の情報を取得する手順(a)と、
前記複数の前記印刷機器のそれぞれから印刷機器の混雑度の情報を取得する手順(b)と、
前記手順(a)で取得した前記動作状態が印刷できる状態である場合は、印刷できる状態かできない状態かに応じてあらかじめ決められている動作絵表示の中から印刷できる状態を示す動作絵表示を選択すると共に、混雑度のレベルに応じてあらかじめ決められている混雑度絵表示の中から前記手順(b)で取得した前記混雑度に対応した前記混雑度絵表示を選択し、前記手順(a)で取得した前記動作状態が印刷できない状態である場合は印刷できない状態を示す動作絵表示を選択すると共に前記手順(b)で取得した前記混雑度によらず前記混雑度絵表示として印刷できない状態に対応する特定絵表示を選択する手順(c)と、
前記選択された前記動作絵表示と前記混雑度絵表示を、前記複数の前記印刷機器のそれぞれに対応させて表示する手順(d)と、を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷機器情報表示プログラム。
【請求項2】
前記手順(c)において選択される前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示をグレーアウト表示した絵表示であることを特徴とする請求項1に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【請求項3】
前記手順(c)において選択される前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示そのものであることを特徴とする請求項1に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【請求項4】
前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示プログラム。
【請求項5】
前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数と各印刷ジョブにおけるページ数、部数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示プログラム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項7】
ネットワークにより接続されている複数の印刷機器の情報を一覧表示する印刷機器情報表示方法であって、
前記複数の前記印刷機器のそれぞれから印刷機器の動作状態の情報を取得するステップ(a)と、
前記複数の前記印刷機器のそれぞれから印刷機器の混雑度の情報を取得するステップ(b)と、
前記ステップ(a)で取得した前記動作状態が印刷できる状態である場合は、印刷できる状態かできない状態かに応じてあらかじめ決められている動作絵表示の中から印刷できる状態を示す動作絵表示を選択すると共に、混雑度のレベルに応じてあらかじめ決められている混雑度絵表示の中から前記ステップ(b)で取得した前記混雑度に対応した前記混雑度絵表示を選択し、前記ステップ(a)で取得した前記動作状態が印刷できない状態である場合は印刷できない状態を示す動作絵表示を選択すると共に前記ステップ(b)で取得した前記混雑度によらず前記混雑度絵表示として印刷できない状態に対応した特定絵表示を選択するステップ(c)と、
前記選択された前記動作絵表示と前記混雑度絵表示を、前記複数の前記印刷機器のそれぞれに対応させて表示するステップ(d)と、を有することを特徴とする印刷機器情報表示方法。
【請求項8】
前記ステップ(c)において選択される前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示をグレーアウト表示した絵表示であることを特徴とする請求項7に記載の印刷機器情報表示方法。
【請求項9】
前記ステップ(c)において選択される前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示そのものであることを特徴とする請求項7に記載の印刷機器情報表示方法。
【請求項10】
前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示方法。
【請求項11】
前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数と各印刷ジョブにおけるページ数、部数であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示方法。
【請求項12】
前記複数の前記印刷機器のそれぞれから印刷機器の動作状態の情報および混雑度の情報を取得する機器情報取得部と、
印刷できる状態か印刷できない状態かに応じて決められている動作絵表示と、混雑度のレベルに応じてあらかじめ決められている混雑度絵表示と、印刷できない状態の場合に混雑度絵表示として表示する特定絵表示とを記憶した表示データ記憶部と、
前記機器情報取得部が取得した前記動作状態が印刷できる状態である場合は、前記表示データ記憶部に記憶されている前記動作絵表示の中から印刷できる状態を示す動作絵表示を選択すると共に、前記表示データ記憶部に記憶されている前記混雑度絵表示の中から前記機器情報取得部が取得した前記混雑度に対応した前記混雑度絵表示を選択し、前記機器情報取得部が取得した前記動作状態が印刷できない状態である場合は前記表示データ記憶部に記憶されている前記動作絵表示の中から印刷できない状態を示す動作絵表示を選択すると共に前記機器情報取得部が取得した前記混雑度によらず前記表示データ記憶部の中から前記特定絵表示を混雑度絵表示として選択する表示内容選択部と、
前記絵表示選択部によって選択された前記動作絵表示と前記混雑度絵表示を、前記複数の前記印刷機器のそれぞれに対応させて表示する表示部と、を有することを特徴とする印刷機器情報表示装置。
【請求項13】
前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示をグレーアウト表示した絵表示であることを特徴とする請求項12に記載の印刷機器情報表示装置。
【請求項14】
前記特定絵表示は、前記混雑度が最高レベルを示す混雑度絵表示そのものであることを特徴とする請求項12に記載の印刷機器情報表示装置。
【請求項15】
前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示装置。
【請求項16】
前記混雑度の情報は、前記印刷機器内の印刷中および待機中の印刷ジョブ数と各印刷ジョブにおけるページ数、部数であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記載の印刷機器情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−203901(P2011−203901A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69274(P2010−69274)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】