説明

印刷装置、印刷方法およびプログラム

【課題】印刷装置による複数の印刷ジョブに基づくレイアウト印刷において、ホスト装置を区別したレイアウト結果をユーザにプレビュー表示する印刷装置を提供する。
【解決手段】複数の情報処理装置から予め定められた期間、印刷ジョブを受信して格納する。予め定められた期間が経過したかを判定し、経過したと判定された場合、複数の印刷ジョブを格納された印刷ジョブから抽出する。抽出された印刷ジョブを1枚の記録用紙内で、まとめた位置にレイアウトし、レイアウトされた結果をプレビュー表示するための情報を、レイアウトされた印刷ジョブを送信した情報処理装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷ジョブに基づいてレイアウト印刷を行う印刷装置、印刷方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、A1サイズやA0サイズといった大きなサイズのロール紙を装着可能な印刷装置においては、複数のホスト装置から受信した複数の印刷ジョブに基づいて、印刷装置が複数の印刷ジョブを印刷用紙にレイアウトして印刷するレイアウト印刷技術が知られている。そのような技術により、用紙を節約することができ、ランニングコストを低減することができる。印刷装置は、ホスト装置のプリンタドライバを介して送信される印刷ジョブや、ホスト装置のアプリケーションに固有の印刷ジョブ等、印刷装置が受信した全ての印刷ジョブをレイアウト印刷の対象としている。
【0003】
図6は、従来の印刷装置におけるレイアウト印刷を説明するための図である。図6において、印刷装置600は、ホスト装置601から印刷ジョブA1と印刷ジョブA2を受信する。また、印刷装置600は、ホスト装置602から印刷ジョブB1と印刷ジョブB2を受信する。また、印刷装置600は、ホスト装置603から印刷ジョブC1を受信する。ここで、印刷装置600は、各印刷ジョブを、印刷ジョブA1、印刷ジョブB1、印刷ジョブA2、印刷ジョブB2、印刷ジョブC1の順番で受信するものとする。印刷装置600は、レイアウト印刷の場合、レイアウト印刷の為に受信した各印刷ジョブを印刷装置600のハードディスク(HDD)に保存し、その後、レイアウト印刷のための情報をネスティング機能等を用いて生成して、各印刷ジョブに基づくレイアウト印刷を行う。図6においては、上述のような各印刷ジョブの受信順から、レイアウト結果604に示すようにレイアウト印刷される。
【0004】
図6に示すような従来のレイアウト印刷においては、印刷装置600が受信した全ての印刷ジョブをレイアウト印刷の対象としている。従って、レイアウト結果604に示すように、印刷装置600は、各印刷ジョブを受信した順番のみに則って、各印刷ジョブをネスティングしてしまう。
【0005】
特許文献1においては、印刷装置がホスト装置から予め定められた時間内に受信した複数の印刷ジョブをレイアウト印刷の対象として印刷する技術が記載されている。
【0006】
しかし、印刷装置が各印刷ジョブをどのようにネスティングしてレイアウト印刷するのかは、ホスト装置ではなく印刷装置が制御している。従って、ユーザは、レイアウト印刷結果を見て初めて、その印刷結果が意図しないものであることを認識する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−49641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。上記の点に鑑み、本発明は、印刷装置による複数の印刷ジョブに基づくレイアウト印刷において、ホスト装置を区別したレイアウト結果をユーザにプレビュー表示する印刷装置、印刷方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る印刷装置は、複数の情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて1枚の記録用紙にレイアウト印刷を行なう印刷装置であって、前記複数の情報処理装置から予め定められた期間、印刷ジョブを受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段により受信した印刷ジョブを格納する格納手段と、前記予め定められた期間が経過したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記予め定められた期間が経過したと判定された場合に、複数の印刷ジョブを前記格納手段から抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された印刷ジョブを前記1枚の記録用紙内で、まとめた位置にレイアウトするレイアウト手段と、前記レイアウト手段によりレイアウトされた結果をプレビュー表示するための情報を、前記レイアウト手段によりレイアウトされた印刷ジョブを送信した情報処理装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印刷装置による複数の印刷ジョブに基づくレイアウト印刷において、ホスト装置を区別したレイアウト結果をユーザにプレビュー表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る実施例における印刷装置を含む印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】印刷ジョブと印刷ジョブを受信したホストインタフェースの各I/Fとを関連付けるための管理テーブルの一例を示す図である。
【図3】本実施例におけるレイアウト印刷時のプレビュー表示の処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施例における印刷装置と複数のホスト装置とが接続された構成を示す図である。
【図5】各ホスト装置におけるプレビュー表示の一例を示す図である。
【図6】従来の印刷装置におけるレイアウト印刷を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0013】
図1は、本発明に係る実施例における印刷装置を含む印刷システムの構成を示すブロック図である。印刷装置100は、ホストインタフェース10と、転送制御部20と、印刷ジョブ制御部30(第1の受信手段、判断手段)と、操作パネル40と、HDD50(格納手段、テーブル手段)とを含む。 また、印刷装置100は、レイアウト管理部60と、レイアウト情報生成部63(レイアウト手段)と、印刷データ解析部70とを含む。 さらに、印刷装置100は、印刷エンジン制御部80と、印刷エンジン部81とを含む。ホスト装置110とのインタフェースであるホストインタフェース10は、各通信インタフェース種別に応じたインタフェースを有している。例えば、ホストインタフェース10は、パラレルI/F11と、USBI/F12と、IEEE1394I/F13と、LANI/F14とを含む。
転送制御部20は、パラレル制御部21と、USB制御部22と、IEEE1394制御部23と、LAN制御部24とを含む。また、LAN制御部24は、TCP/IP制御部25と、AppleTalk制御部26と、NetWare制御部27とを含む。ここで、パラレル制御部21は、パラレルI/F11を介して受信した印刷ジョブを制御する。また、USB制御部22は、USBI/F12を介して受信した印刷ジョブを制御する。また、IEEE1394制御部23は、IEEE1394I/F13を介して受信した印刷ジョブを制御する。また、LAN制御部24は、LANI/Fを介して受信した印刷ジョブを制御する。LAN制御部24はTCP/IP制御部25、AppleTalk制御部26、NetWare制御部27によりTCP/IP、AppleTalk、NetWareをプロトコルとしてサポートすることができる。
【0014】
印刷ジョブ制御部30は、通信別ジョブ分類部31と、ネットワークID別ジョブ分類部32と、レイアウト情報供給制御部33(送信手段)とを含む。印刷ジョブ制御部30は、通信別ジョブ分類部31により、ホスト装置200からの印刷ジョブをホストインタフェース10のインタフェース毎に分類する。また、印刷ジョブ制御部30は、ホストインタフェース10のLANI/F14を介してホスト装置110から印刷ジョブを受信した場合に、 ネットワークID別ジョブ分類部32によりネットワークID毎に印刷ジョブを分類する。 ここで、印刷装置100は、HDD50内の格納領域をホストインタフェース10のI/F毎に区分しておき、その区分された各領域に各印刷ジョブを保存するようにしても良い。 又は、印刷装置100は、ホストインタフェース10のI/F毎の識別が可能な情報を印刷ジョブに付加して、HDD50に印刷ジョブを保存するようにしても良い。又は、印刷装置100は、印刷ジョブとホストインタフェース10のI/F毎とを関連付けしたテーブルをHDD50内に格納するようにしても良い。印刷ジョブ制御部30のレイアウト情報供給制御部33は、レイアウト情報生成部63で生成されたレイアウト情報をホストインタフェース10を介してホスト装置110に送信する。
【0015】
レイアウト管理部60は、通信別レイアウト対象ジョブ決定部61(抽出手段)と、ネットワークID別レイアウト対象ジョブ決定部62(抽出手段)とを含む。通信別レイアウト対象ジョブ決定部61は、HDD50に格納された印刷ジョブのうち、特定の通信I/Fを介して受信した印刷ジョブを決定する。また、ネットワークID別レイアウト対象ジョブ決定部62は、HDD50に格納された印刷ジョブのうち、特定のネットワークIDを有するホスト装置から受信した印刷ジョブを決定する。
【0016】
印刷データ解析部70は、HDD50に格納された印刷ジョブに含まれる印刷データを解析し、印刷エンジン制御部80は、印刷データを解析した結果(解像度、濃度等)に応じて印刷エンジン部81を制御し、印刷データを記録用紙に印刷する。
【0017】
印刷装置100は、図1に不図示であるが、汎用のCPUや、ROMおよびRAMといったメモリを含んでいる。図1に示される各部は、印刷装置100のCPUにより制御され、後述するフローチャートの処理が実行される。
【0018】
図1に示すホスト装置110は、アプリケーション111と、プリンタドライバ112と、通信部113と、プレビュー表示部114とを含んでいる。通信部113は、印刷装置100と、印刷データ及びレイアウト情報を送受信するためのインタフェースである。ホスト装置110は、アプリケーション111において、印刷を行うためのデータを作成し、プリンタドライバ112を介して通信部113に出力する。プレビュー表示部114は、後述するように、印刷装置100から送信されたレイアウト情報をプレビュー表示する。また、プレビュー表示部114は、プリンタドライバ112により生成された印刷データをプレビュー表示することもできる。また、プレビュー表示部114において、ユーザは、印刷装置100から送信されたレイアウト情報を確認して意図しないものであった場合には、そのレイアウト印刷をキャンセルすることもできる。
【0019】
ホスト装置110は、例えば、PC等の一般的な情報処理装置であるので、不図示であるが、汎用のCPUや、ROMおよびRAMといったメモリを含んでいる。なお、図1において、ホスト装置110は1台として示されているが、本実施例においては、1台以上のホスト装置110が印刷装置100と接続されても良い。
【0020】
図2は、印刷ジョブと印刷ジョブを受信したホストインタフェース10の各I/Fとを関連付けるための管理テーブルの一例を示す図である。図2に示す管理テーブルは、例えば、HDD50に格納されている。図2の管理テーブルの項目201は、印刷装置100が受信した印刷ジョブの名称を示す。項目202は、各印刷ジョブを受信した各I/Fを区別するためのIDを示す。例えば、LANI/F14を介して印刷ジョブを受信した場合にはID「0」が示され、USBI/F12を介して印刷ジョブを受信した場合にはID「1」が示される。また、IEEE1394I/F13を介して印刷ジョブを受信した場合にはID「2」が示され、パラレルI/F11を介して印刷ジョブを受信した場合にはID「3」が示される。また、項目203は、LANI/F14を介して印刷ジョブを受信した場合に、各ホスト装置のネットワークID(例えば、IPアドレス)をサブIDとして示している。LANI/F14以外を介して印刷ジョブを受信した場合には、サブIDは特に必要としないので、「0」が示される。
【0021】
図4は、本実施例における印刷装置100と複数のホスト装置とが接続された構成を示す図である。図4に示すように、複数のホスト装置401、402、403が印刷装置100と接続されている。ここで、ホスト装置401は、印刷装置100とLANI/F14を介してTCP/IPプロトコルにより接続されている。ホスト装置401のIPアドレスは、「172.25.152.35」とする。また、ホスト装置402は、印刷装置100とUSBI/F12を介して接続されている。また、ホスト装置403は、印刷装置100とLANI/F14を介してTCP/IPプロトコルにより接続されている。ホスト装置403のIPアドレスは、「172.25.152.33」とする。印刷装置100は、ホスト装置401から印刷ジョブA1及びA2を受信し、ホスト装置402から印刷ジョブB1及びB2を受信し、ホスト装置403から印刷ジョブC1を受信する。また、その際の印刷装置100が各印刷ジョブを受信する順番は、印刷ジョブA1、印刷ジョブB1、印刷ジョブA2、印刷ジョブB2、印刷ジョブC1とする。
【0022】
図3は、本実施例におけるレイアウト印刷時のプレビュー表示の処理の手順を示すフローチャートである。まず、ホスト装置401〜403が、通信部113を介して印刷ジョブを印刷装置100に送信する(S301)。印刷装置100は、印刷ジョブを一定時間受信する。例えば、印刷装置100は、10分等予め定められた受信時間、各ホスト装置からの印刷ジョブを受信する。受信した印刷ジョブは、ホストインタフェース10及び転送制御部20を介して印刷ジョブ制御部30に送られる(S302)。印刷ジョブ制御部30の通信別ジョブ分類部31は、該当する印刷ジョブを受信したI/Fの種別を識別して、HDD50に格納された管理テーブルに記録していく(S303)。ここで、I/Fの種別がLANI/F14と識別された場合には、さらに、ネットワークID別ジョブ分類部32がIPアドレス等を識別する。
【0023】
例えば、まず、ホスト装置401から印刷ジョブA1を受信すると、図2に示すように、項目201に「印刷ジョブA1」、項目202に「0」、項目203に「172.25.152.35」を記録する。続いて、印刷ジョブB1を受信すると、項目201に「印刷ジョブB1」、項目202に「1」、項目203に「0」を記録する。本実施例においては、そのような印刷ジョブの受信に応じた管理テーブルの記録を、上述の予め定められた受信時間の間行なう。
【0024】
次に、印刷ジョブ制御部30は、印刷ジョブの受信時間が経過したか否かを判定する(S304)。ここで、印刷ジョブの受信時間が経過していないと判定された場合には、受信した印刷ジョブをHDD50に保存して(S305)、S302に戻り、次の印刷ジョブを受信する。一方、印刷ジョブの受信時間が経過したと判定された場合には、S306に進む。
【0025】
次に、レイアウト管理部60の通信別レイアウト対象ジョブ決定部61が、HDD50に格納された管理テーブルを参照して、HDD50に保存された印刷ジョブをI/FIDごとに分類分けして抽出する。ここで、通信別レイアウト対象ジョブ決定部61によりI/FIDが「0」の印刷ジョブが抽出された場合には、ネットワークID別レイアウト対象ジョブ決定部62がIPアドレスごとに印刷ジョブを抽出する(S306)。
【0026】
本実施例においては、10分間の受信時間において、ホスト装置401〜403から各印刷ジョブを図2に示すような順番で受信している。本実施例においては、10分間で、印刷ジョブA1〜印刷ジョブC1の5つの印刷ジョブを受信している。そして、それらの5つの印刷ジョブがレイアウト印刷の対象とされる。さらに、通信別レイアウト対象ジョブ決定部61及びネットワークID別レイアウト対象ジョブ決定部62が、レイアウト印刷の対象となる印刷ジョブをホスト装置ごとに分類分けして抽出する。
【0027】
S306においてホスト装置ごとに印刷ジョブが抽出された後、レイアウト情報生成部63は、該当するホスト装置に対応する印刷ジョブを、ネスティング機能を用いてレイアウトし、レイアウト印刷するためのレイアウト情報を生成する(S307)。本実施例においては、各ホスト装置のうち最初に印刷ジョブを印刷装置100に送信したホスト装置の印刷ジョブが最初にレイアウトされる。つまり、ホスト装置401が最初に印刷ジョブA1を印刷装置100に送信したので、後続の印刷ジョブA2は、印刷ジョブB1よりも最初にレイアウトされる。このように、各ホスト装置が最初に印刷装置100に送信した印刷ジョブの順番にしたがって、レイアウト管理部60は、各々のホスト装置が送信した印刷ジョブを一つのグループとし、このグループを順番にレイアウトする。
【0028】
図4のレイアウト結果400が、S307におけるレイアウト情報の概念を示す図である。図6のレイアウト結果604と異なり、印刷ジョブがホスト装置ごとに分類分け(A〜C)されてレイアウトされている。本実施例においては、レイアウト結果400に示すように、印刷ジョブがホスト装置ごとに纏められてレイアウトされているのであれば、各ホスト装置に対応する印刷ジョブのレイアウトについては、通常のネスティング機能に依存して良い。例えば、レイアウト結果400の印刷ジョブA1と印刷ジョブA2とが左右逆にレイアウトされていても良い。
【0029】
S307の後、生成されたレイアウト情報に基づいたプレビュー表示のための情報をホスト装置の分類ごとに、対応する各ホスト装置に送信する(S308)。例えば、レイアウト結果400のうちAの部分のレイアウト情報に基づいたプレビュー表示のための情報をホスト装置401に送信する。また、レイアウト結果400のうちBの部分のレイアウト情報に基づいたプレビュー表示のための情報をホスト装置402に送信する。また、レイアウト結果400のうちCの部分のレイアウト情報に基づいたプレビュー表示のための情報をホスト装置403に送信する。
【0030】
各ホスト装置401〜403は、それぞれプレビュー表示のための情報を受信する(S309)。各ホスト装置401〜403は、受信したプレビュー表示のための情報をプレビュー表示部114にプレビュー表示する(S310)。
図5は、各ホスト装置におけるプレビュー表示の一例を示す図である。図5(a)は、ホスト装置401が印刷装置100から受信した情報に基づいてプレビュー表示した図である。図5(a)に示すように、プレビュー表示結果501は、図4のレイアウト結果400のAの部分のレイアウト結果に対応している。図5(b)は、ホスト装置402が印刷装置100から受信した情報に基づいてプレビュー表示した図である。図5(b)に示すように、プレビュー表示結果502は、図4のレイアウト結果400のBの部分のレイアウト結果に対応している。図5(c)は、ホスト装置403が印刷装置100から受信した情報に基づいてプレビュー表示した図である。図5(c)に示すように、プレビュー表示結果503は、図4のレイアウト結果400のCの部分のレイアウト結果に対応している。
【0031】
図3においては、S310の後、本実施例の処理は終了する。しかし、各ホスト装置からプレビュー表示が意図どおりであるか否かを示す情報を、印刷装置100の印刷ジョブ制御部30とは別の受信部(第2の受信部)が受信し、S307において生成したレイアウト情報に従って印刷するか否かを印刷ジョブ制御部30が判定する構成を有するようにしても良い。ただし、第2の受信部は、印刷ジョブ制御部30であっても良い。例えば、ホスト装置のユーザが、プレビュー表示が意図したとおりの結果であった場合には、そのプレビュー表示されたレイアウトに従って印刷する旨の指示を印刷装置100に送信する。印刷装置100は、印刷の指示を受信してから、レイアウト結果400のレイアウトに従っての印刷を印刷データ解析部70、印刷エンジン制御部80、印刷エンジン部81により行なう。一方、ユーザが、プレビュー表示の結果が意図しないプレビュー表示であった場合には、そのプレビュー表示されたレイアウトに従って印刷しない旨の指示(キャンセル指示)を印刷装置100に送信する。その際に、ユーザは、改めて印刷ジョブを印刷装置100に送信する。印刷装置100は、キャンセル指示を受信した場合には、先にS307において生成したレイアウト情報のうち該当するホスト装置分の印刷ジョブを破棄し、再度、S302以下の処理を繰り返し、そのホスト装置のユーザから新たな印刷ジョブを受信する。また、本実施例においては、各ホスト装置が最初に印刷装置100に送信した印刷ジョブの順番にしたがって、レイアウト管理部60は、各々のホスト装置が送信した印刷ジョブを一つのグループとし、このグループを順番にレイアウトしていた。しかし、本発明はこれに限らず、印刷装置100は、レイアウト管理部60がレイアウトする際、優先してレイアウトするホスト装置をあらかじめ設定できるようにしてもよい。このようにすることにより、レイアウト管理部60は、優先順位の高い印刷装置100から順番に印刷ジョブのグループをレイアウトすることができる。さらに、上記レイアウトの方法のほかにも、従来の印刷装置のように、印刷ジョブの順番にしたがってレイアウト管理部60がレイアウトするようにしてもよい。この場合、ホスト装置がプレビュー表示をさせる際は、他のホスト装置の印刷ジョブを表示させずに、プレビュー表示をさせたホスト装置の印刷ジョブを表示させてもよい。
【0032】
印刷装置100は、S308においてプレビュー表示のための情報を送信したホスト装置全てからプレビュー表示OKかキャンセルかの指示を受信してから、レイアウト印刷を行なうようにしても良い。その際、いずれかのホスト装置からキャンセルの指示を受信した場合には、レイアウト結果400においてキャンセルの指示を受信したホスト装置に対応する部分を省いて印刷しても良いし、そのホスト装置から新たな印刷ジョブを受信するまで待つようにしても良い。
【0033】
以上のように、本実施例においては、図4のホスト装置401〜403の各ユーザは、印刷装置100のレイアウト印刷機能によってどのようにレイアウト印刷されるのかということを、実際にレイアウト印刷される前にプレビュー表示により確認することができる。また、図6に記載した従来の印刷装置は、予め定められた時間内に受信した印刷ジョブをレイアウト印刷の対象とするだけで、特に、各印刷ジョブが送信されたホスト装置が考慮されるわけではなかった。例えば、ホスト装置601から受信した印刷ジョブA1と印刷ジョブA2は、Aプロジェクトの機械図面とする。また、ホスト装置602から受信した印刷ジョブB1と印刷ジョブB2は、Bプロジェクトの電気図面とする。また、ホスト装置603から受信した印刷ジョブC1はCプロジェクトの工程表とする。そのような場合には、ホスト装置601〜603から受信した印刷ジョブが、各ホスト装置が区別されることなく、種別の異なる図面やデータが一纏めにネスティングされてレイアウトされてしまう。各ホスト装置のユーザが印刷装置600からレイアウト印刷された結果604を見た際に、他のホスト装置からの印刷ジョブの図面等が混じっているので意図していない出力結果となり、再度、印刷ジョブを印刷装置600に送信しなければならない。しかし、本発明においては、各ホスト装置が最初に印刷装置100に送信した印刷ジョブの順番にしたがって、レイアウト管理部60は、各々のホスト装置が送信した印刷ジョブを一つのグループとし、このグループを順番にレイアウトする。このことにより、ユーザの用途に合わせた印刷装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0034】
50 HDD
100 印刷装置
110、401、402、403 ホスト装置
400 レイアウト結果
501、502、503 プレビュー表示結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて1枚の記録用紙にレイアウト印刷を行なう印刷装置であって、
前記複数の情報処理装置から予め定められた期間、印刷ジョブを受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信した印刷ジョブを格納する格納手段と、
前記予め定められた期間が経過したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記予め定められた期間が経過したと判定された場合に、複数の印刷ジョブを前記格納手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された印刷ジョブを前記1枚の記録用紙内で、まとめた位置にレイアウトするレイアウト手段と、
前記レイアウト手段によりレイアウトされた結果をプレビュー表示するための情報を、前記レイアウト手段によりレイアウトされた印刷ジョブを送信した情報処理装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1の受信手段により受信した印刷ジョブと、該印刷ジョブが送信された情報処理装置の識別情報とを対応付けたテーブルを生成するテーブル生成手段をさらに備え、
前記抽出手段は、前記判定手段により前記予め定められた期間が経過したと判定された場合に、前記テーブルに含まれる前記識別情報が同じ複数の印刷ジョブを前記格納手段から抽出することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記識別情報とは、IPアドレスであることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記送信手段による送信先の情報処理装置から、前記プレビュー表示するための情報に従って印刷を行なうか否かを示す情報を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段により受信した情報が、前記プレビュー表示するための情報に従って印刷を行なうことを示している場合には、前記レイアウト手段によりレイアウトされた結果に基づいて印刷し、前記第2の受信手段により受信した情報が、前記プレビュー表示するための情報に従って印刷を行なわないことを示している場合には、前記レイアウト手段によりレイアウトされた結果に基づいて印刷しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
複数の情報処理装置から受信した印刷ジョブを格納する格納手段を備え、前記印刷ジョブに基づいて1枚の記録用紙にレイアウト印刷を行なう印刷装置において実行される印刷方法であって、
前記印刷装置の第1の受信手段が、前記複数の情報処理装置から予め定められた期間、印刷ジョブを受信する第1の受信工程と、
前記印刷装置の判定手段が、前記予め定められた期間が経過したか否かを判定する判定工程と、
前記印刷装置の抽出手段が、前記判定工程において前記予め定められた期間が経過したと判定された場合に、複数の印刷ジョブを前記格納手段から抽出する抽出工程と、
前記印刷装置のレイアウト手段が、前記抽出工程において抽出された印刷ジョブを前記1枚の記録用紙内で、まとめた位置にレイアウトするレイアウト工程と、
前記印刷装置の送信手段が、前記レイアウト工程においてレイアウトされた結果をプレビュー表示するための情報を、前記レイアウト工程においてレイアウトされた印刷ジョブを送信した情報処理装置に送信する送信工程と
を備えることを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて1枚の記録用紙にレイアウト印刷を行なう印刷装置における、
前記複数の情報処理装置から予め定められた期間、印刷ジョブを受信する第1の受信手段、
前記第1の受信手段により受信した印刷ジョブを格納する格納手段、
前記予め定められた期間が経過したか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により前記予め定められた期間が経過したと判定された場合に、複数の印刷ジョブを前記格納手段から抽出する抽出手段、
前記抽出手段により抽出された印刷ジョブを前記1枚の記録用紙内で、まとめた位置にレイアウトするレイアウト手段、
前記レイアウト手段によりレイアウトされた結果をプレビュー表示するための情報を、前記レイアウト手段によりレイアウトされた印刷ジョブを送信した情報処理装置に送信する送信手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−30454(P2012−30454A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171153(P2010−171153)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】