説明

印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラム

【課題】 印刷ジョブを実行することによって印刷されたシートに、正しい順序でタブ紙が挿入されているか否かを判定する。
【解決手段】印刷ジョブを実行することによって印刷される用紙と用紙との間に複数のタブ紙を順次挿入する挿入手段と、ジョブから挿入手段により挿入されるタブ紙の挿入順序エラーを検出するための検査用データを記憶する記憶手段と、搬送される用紙またはタブ紙の画像を搬送経路上で読み取る読取手段と、記憶手段により記憶された検査用データと、読取手段が読み取るタブ紙または用紙の画像データとを比較して、搬送されるタブ紙の挿入順序が正常か否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷された出力物に対して検品処理を行う印刷装置がある。このような印刷装置によれば、印刷された画像が正しい画像であるか否かを判定することができる。特許文献1には、印刷されたシートの穴を抽出し、抽出された穴のシート上の位置を判定することによって、シートの向きが正しいか否かを検査する印刷装置が記載されている。
【0003】
また、従来、突出部を有するタブ紙を挿入するよう設定された印刷ジョブを実行する印刷装置も知られている。タブ紙は、複数枚を1セットとし、1セットに含まれる各タブ紙には、それぞれ、異なる位置に突出部が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−091212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法では、印刷ジョブを実行することによって印刷されたシートに、正しい順序でタブ紙が挿入されているか否かを検査することはできなかった。
例えば、印刷ジョブを実行することによって印刷されるシートに、1〜5までの5枚のタブ紙を挿入する場合を想定する。1〜5までのタブ紙は、それぞれ異なる位置に突出部を有している。このようなタブ紙が、給紙部に正しくセットされていれば、タブ紙は正しく挿入されるはずなので、先頭の位置に突出部を有するタブ紙から順に、印刷されたシートに挿入されていくはずである。
しかしながら、印刷ジョブを実行するときに、給紙部に正しくタブ紙がセットされていないと、印刷されたシートに挿入されるタブ紙の順序が正しいものではなくなってしまう。このように、従来の方法では、タブ紙が正しく挿入されないことを判定することができなかった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、印刷ジョブを実行することによって印刷されたシートに、正しい順序でタブ紙が挿入されているか否かを判定する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の印刷装置は以下に示す構成を備える。
印刷ジョブを実行することによって印刷される用紙と用紙との間に複数のタブ紙を順次挿入する挿入手段と、前記挿入手段により挿入されるタブ紙の挿入順序エラーを検出するための検査用データを記憶する記憶手段と、搬送される前記用紙または前記タブ紙の画像を搬送経路上で読み取る読取手段と、前記記憶手段により記憶された前記検査用データと、前記読取手段が読み取る前記タブ紙または前記用紙の画像データとを比較して、搬送される前記タブ紙の挿入順序が正常か否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷ジョブを実行することによって印刷された用紙に、正しい順序でタブ紙が挿入されているか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】印刷装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】検査部内に給送される用紙の給送経路を示す図である。
【図3】図1に示した印刷装置で処理されるジョブ構成を説明する図である。
【図4】印刷済み用紙に挿入されるタブ紙の状態を示す図である。
【図5】情報処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図6】印刷装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】印刷装置の検査制御部の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す印刷装置の構成を説明するブロック図である。なお、印刷装置200は印刷制御部105で総括的に制御され、印刷制御部105は、検査部108、フィニッシャ部110とも通信して、ジョブ処理の中断、再開等を制御する。
図1において、101はホストコンピュータ(情報処理装置)で、印刷データ201と検査用データ202を印刷装置200に出力する。ここで、検査用データとは、インサータ部から挿入されるタブ紙のタブ位置が正常な順序かどうかを判定するための外形情報を含む。
102はネットワークで、ホストコンピュータ101と印刷装置200内の印刷制御部105と検査制御部109を接続する。104は印刷部で、給紙部103から給紙される印刷用紙に対して実際印刷を行う。
【0011】
105は印刷制御部で、ホストコンピュータ101から受信した印刷データから画像データを作成すると共に、印刷部内の制御を行う。106はUI部で、印刷装置200内の情報の表示やユーザが印刷設定を行う。
107はインサータ部で、タブ紙(インデックス紙ともいう)を印刷部104で印刷した用紙に挿し込む。具体的には、印刷制御部105からの指示に応じて、搬送される印刷済みの用紙と用紙との間に1セットが複数枚のタブ紙を順次挿入する処理を行う。なお、タブ位置の挿入順序が正しい場合の挿入順序を図4の(A)に示し、挿入順序が正常でない状態(挿入順序エラー状態)を図4の(B)に示す。
108は検査部で、印刷部104で印刷した用紙とインサータ部107から挿入したタブ紙に対して画像情報を検査するためのセンサを2つ備えている。センサの配置位置や読み取り処理の詳細については、図2において説明する。
【0012】
109は検査制御部で、検査部108において動作制御を行い、印刷制御部105で印刷された用紙、タブ紙とホストコンピュータ101から受信するジョブから作成した作成した検査用データとを比較して良否判定を行う。なお、検査部108には、印刷済みの用紙またはタブ紙の搬送先をバッファトレイ(退避先)に切り替えるための経路切替部を複数備え、検査制御部109の指示で搬送先が制御される。
110はフィニッシング部で、印刷した用紙に対してステイプル、糊付け等のシート後処理を行う。111は通信ラインで、印刷装置200内の各ユニット間の相互通信を行う。
なお、図1において、点線で示す201が印刷データの流れを示しており、ホストコンピュータ101から印刷制御部105に対して送信され、点線で示す202は検査用データであり、ホストコンピュータ101から検査制御部109に対して送信される。
【0013】
図2は、図1に示した検査部108内に給送される用紙の給送経路の一例を示す図である。
図2において、301は読取り手段として機能するラインセンサで、印刷済み用紙の片面(表面側)の画像を読み取る。302はラインセンサで、ラインセンサ301とは逆の面(裏面側)の画像を読み取る。303はバッファトレイで、検査において印刷済み用紙がNGと判定された時に機内に滞留する用紙を退避する。ここで、印刷済み用紙がNGとは、タブ紙のタブ位置があらかじめ設定された挿入順序で特定されるタブ位置とが異なるため、挿入順序が正常でないと判定される場合を含む。
304、305、306は経路切替部で、排出制御手段として機能する検査制御部109からの指示に応じて切り替わる。具体的に、検査制御部109は、ジョブ内のページ順が狂わないように再印刷された用紙(機内搬送中の用紙)をフィニッシャ部110へ送るため印刷済み用紙の給送先をエスケープトレイ側に変更するため搬送先を切り替える。307は用紙の退避先となるエスケープトレイで、検査部108においてNG判定された印刷済み用紙が排出される。
【0014】
なお、経路切替部304は、搬送先を搬送先304Aまたは搬送先304Bのいずれかに切り替える。ここで、搬送先304Bは、印刷された画像やタブ紙の給送順序エラーが検出された場合に、当該画像が印刷された用紙またはタブ紙を退避先としてバッファトレイ303に搬送する搬送先である。
また、検査制御部109が作成するタブ紙の外形情報は、予め印刷装置に保持しておき、ホストコンピュータ101から印刷装置200には、印刷データと、タブ紙の挿入位置のみを送信する構成としてもよい。その場合、印刷装置200は、印刷データと、タブ紙の挿入位置の情報に基づいて、図3に示す画像データを作成し、作成された画像データと、検査部で読み取られた画像データとを比較する。
【0015】
図3は、図1に示した印刷装置200で処理されるジョブ構成を説明する図である。
本例は、ホストコンピュータ101上のアプリケーションプログラムを用いて、印刷データに対してタブ紙を挿入したジョブを作成した例である。
図3において、偶数ページが印刷ジョブで、奇数ページがインサータ部107から挿入する5枚セットのタブ紙TAB1〜5である。
ユーザは、ホストコンピュータ101にインストールされたアプリケーションプログラムを用いてジョブを作成する。ここで、アプリケーションは、1つのジョブとして、印刷データと検査用データをそれぞれ作成して印刷装置200に送信する。
印刷装置200側では、印刷前にユーザがインサータ部107に使用するタブ紙TAB1〜5をセットし、ジョブの印刷を開始する。
【0016】
図4は、図3に示したジョブに基づく印刷済み用紙に挿入されるタブ紙の状態を示す図である。ここで、(A)はジョブが正常に処理された時のタブ紙挿入状態を示し、(B)ははタブ紙の挿入順序がずれて正常に処理されなかった時のタブ紙挿入状態を示す。以下、印刷および検査動作について説明する。
図5は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、ホストコンピュータ101のCPUがハードディスクやROMに記憶された制御プログラムをRAMにロードして実行することで実現される。また、ホストコンピュータ101には、OS等のシステムプログラムとアプリケーションプログラムが保持され、ネットワークコントローラ(NIC)がネットワーク102上の印刷装置200と通信する。
ユーザは、ホストコンピュータ101上でアプリケーションプログラムを使用して印刷データに対してタブ紙を挿入した文書データの作成を行う。そして、ホストコンピュータ101のCPUは、印刷すべき印刷データの選択を受付け(S701)、次に、ユーザから使用するタブ紙の選択を受付ける(S702)。ここで、S701、S702のステップで、ホストコンピュータ101のCPUは、アプリケーションが提供するUI画面を用いてそれぞれの選択を受付ける。以下、図3に示した印刷データにタブ紙を挿入する例を用いて具体的に説明する。
【0017】
次に、アプリケーションは、ユーザにより選択されたタブ紙を印刷データ中にどのように挿入するかを決めて図3に示すジョブを作成する(S703)。図3に示す例は、1枚ずつタブ紙を挿入した例である。
次に、ホストコンピュータ101のCPUは、ユーザからUI画面を介して、図3に示すジョブに対する印刷実行の指示を受け付ける(S704)。これにより、ホストコンピュータ101のCPUは、作成された文書データに基づいて、印刷装置200に送信すべきジョブ(印刷データ201と検査用データ202が含まれる)を作成する。
次に、ホストコンピュータ101のCPUは、作成したジョブを印刷装置200の印刷制御部105へ送信する(S705)。また、検査用データを検査制御部109へ送信する(S706)。検査用データ202内には使用するタブ紙の外形情報も含まれる。なお、外形情報とは、図3に示すTAB1〜5の外形を示す情報である。外形とはTAB1〜5の輪郭を示すものであるが、輪郭を示すものに限らず、TAB1〜5の形を示す画像データであればよい。
【0018】
図6は、本実施形態を示す印刷装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、印刷装置200がホストコンピュータ101から受信するジョブの処理手順の一例を示す。各ステップは、印刷制御部105が図示しないメモリに記憶される制御プログラムをRAM等にロードして実行することで実現される。
ユーザは、UI部106を操作してホストコンピュータ101からのジョブの受信状態を確認する。ここで、ジョブは、印刷装置200が受信して、印刷装置200が自装置が有する不図示のHDD(記憶装置)に格納しているものとする。ユーザは、受信したジョブ中から印刷する印刷ジョブを選択し、ジョブの情報に基づいて給紙部103に印刷用紙を、インサータ部107に対して挿入する用紙のセットを行う。インサータ部107に対してはタブが5枚のものをセットする。ここで、ユーザは、タブ紙のタブの位置がそれぞれ異なる複数のタブ紙をインサータ部107の給紙部にセットする。ただし、ユーザは、上述しているように、タブの位置とタブ紙の挿入順序が正常でない状態(図4の(B)参照)でタブ紙をセットしてしまう場合がある。
まず、印刷制御部105はUI部106を介して印刷ジョブがユーザにより選択されると(S801)、検査制御部109に対して次に実行すべきジョブ情報を通知する(S802)。
次に、印刷制御部105は、UI部106からユーザにより印刷開始が指示されたら、ホストコンピュータ101から受信した印刷ジョブの印刷処理を開始する(S803)。そして、印刷制御部105は、先ず印刷ジョブを解析して(S804)、当該解析の結果に基づいて、特定された給紙部103とインサータ部107に用紙がセットされていることを不図示のセンサの出力を参照して確認する(S805)。また、印刷制御部105は、印刷ジョブの解析結果に基づいて、当該印刷ジョブで用いる用紙のサイズや、何枚目と何枚目の間にタブ紙を挿入するかといった情報も特定する。
【0019】
ここで、用紙がセットされていないと印刷制御部105が判断した場合や、サイズが異なっていると判断した場合には、印刷制御部105がUI部106にエラーの表示を行い、ユーザに対して用紙またはタブ紙のセットを促す(S806)。
一方、S805で、給紙部103とインサータ部107に用紙が正しくセットされていると印刷制御部105が判断した場合は、S807へ進む。
そして、S807で、印刷制御部105は、印刷ジョブから用紙に印刷すべき画像(イメージデータ)を作成する。また、印刷制御部105は、印刷ジョブに従ってインサータ部107からタブ紙を搬送する。さらに、印刷制御部105は、給紙部103から給紙した用紙に画像データの印刷を行い検査部108へ用紙を搬送する。このように、印刷制御部105は、印刷ジョブを実行する。
印刷部104で印刷された用紙とインサータ部107から挿入された用紙は順番に検査部108に搬送される。この際、インサータ部107にセットされたタブ紙が間違っていなければ、ホストコンピュータ101のアプリケーションプログラムで作成されたジョブの図4で示した順で搬送されるのが前提である。
【0020】
次に、S808で、印刷制御部105は、全ての印刷を正常に終了(ジョブ終了)しているかどうかを判断する。ここで、ジョブを終了していないと印刷制御部105が判断した場合は、S809で、印刷制御部105は、検査制御部109から挿入されたタブ紙が検査にてNGとなっているかどうかを、検査制御部109からの通知に基づいて判断する。
ここで、タブ紙が検査にてNGとなっていると印刷制御部105が判断した場合は、S810へ進み、印刷制御部105は、選択されたジョブの印刷処理を中断する。
【0021】
そして、S811で、印刷制御部105は、機内紙を機外に排出を開始し、機内紙の排出完了を確認したら、S812へ進む。
そして、S812で、印刷制御部105は、受信したジョブに応じて、NGと判定されたページの再印刷を行い、S813で、そのページが検査制御部109で検査OKとなるのを確認したら、S814へ進む。そして、S814で、UI部106よりジョブの再開指示を受信したら、S815で、印刷制御部105は、中断したジョブ処理の再開を、未印刷のページから行い、S808へ戻る。
一方、S808で、全ての印刷を正常に終了したと、印刷制御部105が判断した場合は、ジョブを終了する。
【0022】
図7は、本実施形態を示す印刷装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、印刷装置200の検査制御部108によって実行される処理例である。
各ステップは、検査制御部108が図示しないメモリに記憶される制御プログラムをRAM等にロードして実行することで実現される。
検査制御部109は印刷制御部105から、実行指示を受けたジョブを示す情報を受信する(S901)。検査制御部109は、当該情報を受信すると、ホストコンピュータ101から受信して検査制御部109が備える不図示のHDDに記憶済みの検査用データ202から、実行指示を受けたジョブに対応する検査用データ202を特定する。なお、このHDDは、印刷部105が備えていて、検査制御部109が、印刷部105のHDDから検査用データ202を読み出しても良い。そして、検査制御部109は、特定した検査用データ202から比較用データを作成する(S902)。ここで、検査制御部109が作成する比較用データには、シートに印刷される画像を示す印刷紙面情報と、タブ紙の外形情報とが含まれる。
例えば、図3に示した印刷順序でジョブを処理する場合、印刷制御部105は、図3のページ2、ページ4、ページ6、ページ8、ページ10を印刷紙面情報として作成する。また、印刷制御部105は、ページ1、ページ3、ページ5、ページ7、ページ9を外形情報として作成する。
【0023】
そして、検査部108では用紙の搬送を図示しないセンサの出力に応じて検出したら(S903)、搬送される用紙をラインセンサ301と302を用いて紙面を読み取り、読み取った画像データを検査制御部109で受信する(S904)。なお、検査制御部109には、読み取った画像データを保持するメモリを備えている。
検査制御部109ではラインセンサ301と302からの画像データを受信して、用紙の外形情報と印刷紙面情報を抽出し、当該用紙の外形情報と印刷紙面情報とを、S902で作成されている比較用データと比較して良否判定を行う(S905)。ここで、当該用紙の外形情報と印刷紙面情報とが、比較用データが示す順序どおりであり、タブ紙の外形形状等に問題ないと検査制御部109が判断した場合は、次のように制御する。検査制御部109は、搬送された用紙(印刷済みの用紙と、タブ紙が含まれる)をフィニッシャ部110に排出し(S906)、ジョブが終了するまで、S903〜S907を繰り返す(S907)。
【0024】
なお、挿入されたタブ紙のページでは印刷データは印刷されていないので、ラインセンサ301、302で読み取った画像データから汚れがないかの検査をすると共に、外形情報を取り出し比較用データと比較する。
外形情報は、例えばラインセンサ302側からの画像データを使用する。こちら側は用紙の下側から光をあて画像を読み込む為、用紙がない部分では光が反射されず外形情報を作成することができる。
印刷データのページでは、印刷データがあるページおよび紙面ではそのデータと比較し、印刷データがないページおよび紙面では汚れがないかの検査を行う。
S908で、検査した結果に問題があると検査制御部109が判断した場合には、S909へ進む。そして、S909で、先ず検査制御部109は、印刷制御部105に対してNG発生を通知し、印刷中断を指示する。そして、S910で、経路切替部306の搬送先をエスケープトレイ307側に切り替えて、NGと判断した用紙をエスケープトレイ307に排出する排出処理を実行する。
そして、S911で、検査制御部109は、経路切替部304をバッファトレイ303側に対応する搬送先304Bに切り替え、引き続いて搬送される装置内にある機内紙に対して検査を行い、バッファトレイ303に格納する。
そして、全ての機内紙をバッファトレイ303に格納終了したら、S912で、検査制御部109は、印刷制御部105に格納終了を通知し、タブ紙の挿入順序が正常でないと判定されたページをリカバリ印刷するための再印刷指示を行う。
【0025】
そして、S913で、検査部108において、印刷制御部105がリカバリ印刷したページの用紙の搬送を検出したら、S914で、ラインセンサ301、302で画像を読み出す。そして、S915で、検査制御部109は、用紙の外形情報と印刷紙面情報を抽出し、S902で作成した比較用データと用紙の外形情報と、印刷紙面情報とを比較して良否判定を行う。
そして、S916で、良否判定がOKかどうかを検査制御部109が判断する。ここで、良否判定がOKであると判断した場合は、S917で、リカバリ印刷したページをバッファトレイ303に積み、経路切替部305、306の搬送先をバッファトレイ303からフィニッシャ部110に用紙が搬送されるように切り替える。そして、検査制御部109は、バッファトレイ303内の用紙をフィニッシャ部110に排出する。このとき、不図示の給紙ローラによって、バッファトレイ303内の用紙を下から順に給紙することによって、フィニッシャ部110に排紙される用紙の順番を正しい順番にすることができる。
そして、S918で、検査制御部109は、経路切替部304を搬送先304A側に切り替え、S919で、印刷制御部105に対してジョブを再開するためのジョブ再開指示を行い、S908へ戻る。
そして、S907で、検査制御部109は、搬送されてきた用紙に対して検査を終えて、ジョブを終了するかどうかを判断して、終了であれば、本処理を終了し、それ以外は、S908へ戻り、同様の処理を繰り返す。
【0026】
なお、印刷部104、インサータ部107、検査部108、およびフィニッシャ部110などの用紙搬送経路上で紙ジャムが発生した場合、ユーザはそのリカバリ作業として装置内の搬送経路上の機内紙を取り除き、ジョブの再開を指示する。
また、本実施形態で示したような複数枚がセットになったタブ紙を使用した場合、ジョブの再開時には再開ページに合ったタブ紙が先頭となるようにインサータ部107にセットし直す必要がある。この際、印刷制御部105は、UI部106に表示されたメッセージに従い、対応する位置にタブがあるタブ紙をユーザにインサータ部107にセットさせるように構成してもよい。
ここで、セットし直さないと図6に示したようなタブ紙がずれた出力物となってしまうからである。特にタブ紙の耳の部分に印刷する場合には印刷内容の比較処理を検査する必要があるが、タブ紙に印刷せず、インサータにより挿入するだけの場合には用紙外形(輪郭)をチェックすることのみで検査することが可能となる。従って、タブ紙に印刷された画像領域を全て比較する場合と比較して処理にかかる負荷が軽くなる。
【0027】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【符号の説明】
【0028】
104 印刷部
105 印刷制御部
108 検査部
109 検査制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを実行することによって印刷される用紙と用紙との間に複数のタブ紙を順次挿入する挿入手段と、
前記挿入手段により挿入されるタブ紙の挿入順序エラーを検出するための比較用データを記憶する記憶手段と、
搬送される前記用紙または前記タブ紙の画像を搬送経路上で読み取る読取手段と、
前記記憶手段により記憶された前記比較用データと、前記読取手段が読み取る前記タブ紙または前記用紙の画像データとを比較して、搬送される前記タブ紙の挿入順序が正常か否かを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記判定手段が前記タブ紙の挿入順序が正常でないと判定した場合、ジョブ処理を中断して、挿入順序が正常でないと判定されたタブ紙の給送先を変更して機外に排出し、さらに、機内搬送中の用紙とタブ紙の搬送先を切り替えて退避先に排出する排出制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記排出制御手段により機内搬送中の用紙とタブ紙とが前記退避先に搬送された後、前記タブ紙の挿入順序が正常でないと判定したページを再印刷する再印刷手段と、
前記読取手段が前記再印刷手段により再印刷された用紙の画像を読み取り、前記判定手段が正常な順序のタブ紙であると判定した場合、中断したジョブの再開を前記印刷制御手段に指示するジョブ再開指示手段と、
を備えることを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記読取手段は、搬送される用紙の表面側と、搬送される用紙の裏面側とを読み取ることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、挿入される各タブ紙のタブ位置に対応づけられた外形情報を特定する検査用データを記憶することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷ジョブを実行することによって印刷される用紙と用紙との間に複数のタブ紙を順次挿入する挿入工程と、
前記挿入工程により挿入されるタブ紙の挿入順序エラーを検出するための検査用データを記憶手段に記憶する記憶工程と、
搬送される前記用紙または前記タブ紙の画像を搬送経路上で読取手段が読み取る読取工程と、
前記記憶工程により前記記憶手段に記憶された前記検査用データと、前記読取手段が読み取る前記タブ紙または前記用紙の画像データとを比較して、前記タブ紙の挿入順序が正常か否かを判定する判定工程と、
を備えることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項7】
印刷ジョブを実行することによって印刷される用紙と用紙との間に複数のタブ紙を順次挿入する挿入工程と、
前記ジョブから前記挿入工程により挿入されるタブ紙の挿入順序エラーを検出するための検査用データを記憶手段に記憶する記憶工程と、
搬送される前記用紙または前記タブ紙の画像を搬送経路上で読取手段が読み取る読取工程と、
前記記憶工程により前記記憶手段に記憶された前記検査用データと、前記読取手段が読み取る前記タブ紙または前記用紙の画像データとを比較して、搬送される前記タブ紙の挿入順序が正常か否かを判定する判定工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−118564(P2011−118564A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274184(P2009−274184)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】