説明

印刷装置および印刷システム

【課題】端末装置から受信した印刷データに対する印刷が開始待ちとなる場合に、代替印刷装置への印刷データの転送をユーザの希望する時間に基づいて実行する印刷装置を提供する。
【解決手段】複合機は端末から印刷データを受信したときに(S101)、先行の印刷ジョブの処理中でその印刷データに対する印刷が開始待ちになると(S102;Yes)、その印刷が開始待ちとなった時点から時間を計測する(S104)。そして、その印刷が開始されずに計測時間が所定時間(転送待ち時間)以上になったと判断した場合に(S105;Yes)、印刷データの転送を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指示された印刷に係る印刷データを代替印刷装置に転送する機能を備えた印刷装置および印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザから指示された印刷を印刷装置やプリントサーバでの処理集中や異常発生などによって実行できない場合などに、その印刷データを他の印刷装置(代替印刷装置)に転送して代替印刷を行う技術は一般に知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、印刷装置が原稿の複写印刷を指示されたときに先行ジョブの印刷処理中でその原稿の印刷処理を直ちに開始できない場合に、ネットワーク上の代替印刷を実行可能な他の印刷装置を検索し、読み取った原稿の印刷データをその印刷装置に転送する技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、1つの印刷ジョブを複数の印刷装置で分散印刷する印刷システムにおいて、第1の分散先印刷装置が分散元装置(パーソナルコンピュータ)から受信した分散済み印刷ジョブを用紙詰まりや用紙不足などによって続行できない場合に、分散元装置から第2の分散先印刷装置を特定する装置特定情報を取得し、未実行印刷ジョブを生成して第2の分散先印刷装置に送信する技術が開示されている。
【0005】
特許文献3には、プリントサーバが端末装置から印刷指示を受けたときに印刷データ記憶部(ファイル記憶部)の残容量不足によって印刷データを受信できない場合はその旨(スプール不可能)を回答し、この回答を受けたユーザが端末装置を操作して他のプリンタに代替印刷を要求することができる技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−199152号公報
【特許文献2】特開2007−62059号公報
【特許文献3】特開平7−225731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に複数の印刷装置が使用される環境では、自分の席から印刷装置までの距離が近いなどの移動時間を考慮してユーザ毎に通常使用する印刷装置が割り当てられることが多い。また、通常使用する印刷装置に指示した印刷が開始待ち(待機中)となったときにユーザが代替印刷を望むか否かは、その印刷装置で印刷が開始されるまでの待ち時間(待機時間)と、代替印刷が行われた印刷装置まで印刷物を取りに行って戻ってくる移動時間や手間などの条件によって異なる。
【0008】
たとえば、代替印刷が遠くの印刷装置で行われるような場合は印刷物の取得に要する移動時間が長くなって煩わしさを感じるようになるため、通常使用する印刷装置に指示した印刷の開始待ち時間が短ければ代替印刷は望まず、開始待ち時間が長ければ代替印刷を望むといったケースが考えられる。また、代替印刷が比較的近くの印刷装置で行われる場合でも、通常使用する印刷装置に指示した印刷は、できればその印刷装置で行われることを望み、多少の時間であれば待ってもよいというようなケースも考えられる。
【0009】
これに対し、特許文献1や2の技術では上記のような印刷の開始待ち時間に応じた印刷データの転送などは考慮されておらず、印刷装置は指示された印刷を実行または続行できない場合に直ちに他の印刷装置に印刷データを転送して代替印刷を要求するため、上記のようなユーザの希望に応えることはできない。
【0010】
また特許文献3では、プリントサーバは印刷指示に対する可否(印刷データのスプール可能/不可能)のみを端末装置に回答する構成であり、この回答にて印刷の開始待ち時間を通知するようなことは考慮されていない。そのため、ユーザは印刷の開始待ち時間を目安に他のプリンタに代替印刷を要求するか否かといった判断を行うことができず、やはりこの技術においても上記のようなユーザニーズに応えることはできない。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、端末装置から受信した印刷データに対する印刷が開始待ちとなる場合に、代替印刷装置への印刷データの転送を待ち時間に応じて行う印刷装置および印刷システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0013】
[1]通信部と、
印刷部と、
前記通信部を通じて端末装置から受信した印刷データに対する前記印刷部による印刷が開始待ちとなり、該印刷が開始可能となるまでの時間が所定時間以上であると判断した場合に前記印刷データを前記通信部を通じて代替印刷装置に転送する制御部と、
を備える
ことを特徴とする印刷装置。
【0014】
上記発明では、印刷装置は端末装置から受信した印刷データに対する印刷が開始待ちになると、この印刷が開始可能となるまでの時間が所定時間以上であるか否かを判断する。所定時間は、印刷データの転送を開始する閾値となる時間(転送待ち時間)である。この所定時間は任意の時間(固定時間)にすることができ、たとえば、予め印刷装置に設定しておいたり、端末装置から印刷装置に印刷を指示する際に端末装置で設定したりするなどが可能である。端末装置で所定時間を設定した場合は、その所定時間が付加された印刷データが端末装置から印刷装置に送信されるなどする。
【0015】
そして印刷装置は、開始待ちとなった印刷が開始可能となるまでの時間が所定時間以上であると判断した場合に、その印刷に係る印刷データを代替印刷装置に転送して代替印刷を要求する。このように、印刷が開始待ちとなる場合の当該印刷装置から代替印刷装置への印刷データの転送は、所定時間に応じて行われるようになる。
【0016】
[2]前記制御部は、前記印刷が開始待ちとなった時点から時間を計測して前記印刷が開始されずに該計測時間が前記所定時間以上になったと判断した場合に前記印刷データの転送を実行する
ことを特徴とする[1]に記載の印刷装置。
【0017】
上記発明では、端末装置から指示された印刷が開始待ちとなる場合の当該印刷装置から代替印刷装置への印刷データの転送は、その印刷が開始待ちとなった時点からの計測時間(実際の経過時間)に基づいて実行される。すなわち、開始待ちとなった印刷が開始待ち状態を継続していて開始されずに計測時間が所定時間以上になったと判断された場合に、印刷データの転送が実行される。
【0018】
このように、時間を計測して所定時間を比較するだけであれば複雑な構成や処理は必要ないため、印刷が開始されるタイミング(印刷が開始可能となるまでの時間)を把握するための構成や処理を簡素化することができる。
【0019】
[3]前記制御部は、前記印刷が開始可能となるまでの時間を予測して該予測時間が前記所定時間以上であると判断した場合に前記印刷データの転送を実行する
ことを特徴とする[1]に記載の印刷装置。
【0020】
上記発明では、端末装置から指示された印刷が開始待ちとなる場合の当該印刷装置から代替印刷装置への印刷データの転送は、その印刷が開始可能となるまでの予測時間に基づいて実行される。すなわち、予測時間が所定時間以上であると判断された場合に印刷データの転送が実行される。
【0021】
このように、印刷が開始されるタイミング(印刷が開始可能となるまでの時間)を予測する構成では、実際の経過時間(計測時間)からそのタイミングを把握する[2]の構成に比べて印刷データを転送するか否かが迅速に判断できるようになり、印刷データを転送する場合は代替印刷装置への代替印刷の要求を迅速に行うことができる。
【0022】
[4]前記印刷データを転送する転送先の設定を受け付ける転送先設定部を備える
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0023】
上記発明では、印刷装置が備える転送先設定部を通して、印刷データの転送先を設定できるようになる。
【0024】
[5]前記転送先設定部は更に、複数の前記転送先と、該複数の転送先に対して前記印刷データを転送する優先順位との設定を受け付ける
ことを特徴とする[4]に記載の印刷装置。
【0025】
上記発明では、[4]の発明に記載の転送先設定部を通して、複数の転送先と、この複数の転送先に対して印刷データを転送する優先順位とを設定できるようになる。
【0026】
たとえば、転送先が1つだけの場合は、その転送先となる代替印刷装置が動作中などで即時印刷できない状態であると、印刷データを転送しても代替印刷の開始は遅くなってしまう。これに対し、転送先が複数の場合は、転送先の選択肢が広がって印刷データを即時印刷可能である代替印刷装置に転送しやすくなり、代替印刷の開始遅延が回避しやすくなる。
【0027】
また優先順位は、ユーザの席から転送先となる代替印刷装置までの距離、代替印刷装置の性能などの条件に基づいて任意に決めることができる。このような優先順位を決めることで、ユーザにとってより使い勝手の良い代替印刷装置で代替印刷が行われるようになり利便性が向上する。
【0028】
[6]前記所定時間の設定を受け付ける時間設定部を備える
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0029】
上記発明では、印刷装置が備える時間先設定部を通して、印刷データの転送を開始するまでの時間(転送待ち時間)となる所定時間を設定できるようになる。
【0030】
[7]前記制御部は、前記印刷データの転送を実行する前に前記通信部を通じて前記代替印刷装置と通信して該印刷装置が即時印刷可能であるかを確認し、即時印刷が不可能である場合は前記判断に基づく前記転送を中止する
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0031】
上記発明では、印刷装置は印刷データを転送する前に転送先となる代替印刷装置と通信してその印刷装置が即時印刷可能であるかを確認し、即時印刷が不可能である場合は代替印刷装置への印刷データの転送を中止する。これにより、即時印刷が不可能である代替印刷装置に印刷データが転送されて代替印刷の開始が遅くなってしまうことを回避することができる。
【0032】
[8]表示部を更に備え、
前記制御部は、前記印刷データの転送を実行した場合は該転送に係る履歴を前記表示部に表示する
ことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0033】
上記発明では、端末装置を通じて印刷装置に印刷を指示したユーザは、その印刷が代替印刷装置で代わりに行われた場合に、印刷を指示した印刷装置の表示部に表示される印刷データの転送に係る履歴から、転送先の情報などを確認することができる。これにより、代替印刷が何れの印刷装置(代替印刷装置)で実行されたかなどを容易に把握できるようになる。
【0034】
[9]前記制御部は、前記印刷データの転送を実行した場合は該転送に係る情報を前記通信部を通じて前記印刷データの送信元の端末装置に通知する
ことを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の印刷装置。
【0035】
上記発明では、端末装置を通じて印刷装置に印刷を指示したユーザは、その印刷が代替印刷装置で代わりに行われた場合に、当該印刷装置から自分の端末装置に通知される印刷データの転送に係る情報から、転送先の情報などを確認することができる。これにより、代替印刷が何れの印刷装置(代替印刷装置)で実行されたかなどを容易に把握できるようになる。
【0036】
また、[8]の発明では、ユーザは印刷装置まで行って印刷データの転送に係る履歴を確認しないと転送先の情報などを把握することができない。[9]の発明では、ユーザは印刷装置まで行かなくても自分の端末装置で転送先の情報などを把握できるようになり、利便性が向上する。
【0037】
[10]端末装置と、印刷装置とを有する印刷システムであって、
前記端末装置は、前記印刷装置が代替印刷装置に対して印刷データの転送を開始するまでの待ち時間の設定を受け付け、該時間を示す時間情報を付加した印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、前記端末装置から受信した前記印刷データに対する当該印刷装置での印刷が開始待ちとなり、該印刷が開始可能となるまでの時間が前記印刷データに付加されている前記時間情報の示す時間以上であると判断した場合に前記印刷データを代替印刷装置に転送する
ことを特徴とする印刷システム。
【0038】
上記発明では、端末装置はユーザによる操作で印刷装置に印刷を指示する際に、印刷装置が代替印刷装置に対して印刷データの転送を開始するまでの待ち時間が設定されると、その時間を示す時間情報を付加した印刷データを印刷装置に送信する。待ち時間は、[1]の発明で説明した所定時間と同じく、印刷データの転送を開始する閾値となる時間であり、ユーザが任意の時間(固定時間)を設定することができる。
【0039】
印刷装置は、端末装置から受信した印刷データに対する当該印刷装置での印刷が開始待ちとなり、その印刷が開始可能となるまでの時間が印刷データに付加されている時間情報の示す時間以上であると判断した場合に、印刷データを代替印刷装置に転送して代替印刷を要求する。
【0040】
上記の判断に基づく印刷データの転送は、[2]の発明と同様に、印刷が開始待ちとなった時点から時間を計測してその印刷が開始されずに計測時間が所定時間以上になったと判断した場合に印刷データの転送を実行する、あるいは、[3]の発明と同様に、印刷が開始可能となるまでの時間を予測してその予測時間が所定時間以上であると判断した場合に印刷データの転送を実行するなどしてもよい。
【0041】
また、この印刷システムにおける印刷装置は、[7]の発明と同様に、印刷データの転送を実行する前に代替印刷装置と通信してその代替印刷装置が即時印刷可能であるかを確認し、即時印刷が不可能である場合は上記の判断に基づく印刷データの転送を中止するようにしてもよい。さらに、[8]の発明と同様に、印刷データの転送を実行した場合にその転送に係る履歴を表示したり、[9]の発明と同様に、印刷データの転送を実行した場合にその転送に係る情報を印刷データの送信元の端末装置に通知したりするようにしてもよい。
【0042】
これにより、端末装置から印刷装置に指示した印刷が開始待ちとなる場合のその印刷装置から代替印刷装置への印刷データの転送は、端末装置で設定された待ち時間に応じて行われるようになる。また、ユーザはその待ち時間を端末装置で設定できるようになる。
【発明の効果】
【0043】
本発明の印刷装置および印刷システムによれば、端末装置から受信した印刷データに対する印刷が開始待ちとなる場合に、代替印刷装置への印刷データの転送を待ち時間に応じて行うことができる。
【0044】
これにより、ユーザが端末装置から指示した印刷が印刷装置で開始待ちとなる場合に、直ぐに代替印刷装置で代替印刷が開始されてしまうのではなく、所定時間(待ち時間)までにその印刷が開始可能であれば自分の希望する(印刷を指示した)印刷装置で印刷が開始されてその印刷装置から印刷物を取得することができる。また、所定時間(待ち時間)までにその印刷が開始不可能であれば代替印刷装置で代替印刷が開始されてその印刷装置から印刷物を取得することができる。したがって、印刷が開始待ちとなる場合の印刷物の取得に係る利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0046】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置としての複合機(MFP;Multi Function Peripheral/Multi Function Printer)20と端末10とを備えた印刷システム5のシステム構成例を示している。印刷システム5は、任意台数の端末10と、各端末10からアクセスされる任意台数の複合機20とをLAN(Local Area Network)などのネットワーク2に接続して構成される。
【0047】
複合機20は、原稿を読み取ってその複製画像を記録紙に印刷して出力するコピー機能、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり端末10やサーバなどへ転送したりするスキャン機能、端末10から受信した印刷データに基づいてラスタライズして得た画像を記録紙に印刷して出力するプリンタ機能、公衆回線網を通じて外部機器と画像(画像データ)をファクシミリで送受信するファクシミリ機能(FAX機能)などを備えている。
【0048】
また複合機20は、端末10から受信した印刷データに対する印刷が開始待ち(待機中)となり、その印刷が開始可能(待機解除)となるまでの時間が所定時間以上であると判断した場合に印刷データを代替印刷装置となる他の複合機20に転送する機能を備えている。
【0049】
端末10は、複合機20に対してネットワーク2を通じてアクセスし、印刷など各種作業の依頼や操作の依頼などを行う装置(端末装置)であり、たとえば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)に複合機20のドライバプログラム(印刷ドライバ)などを組み込んで構成される。
【0050】
図2は、端末10における制御系の構成をブロック図で示している。端末10は、オペレーティングシステム(Operating System;OS)とそのOS上で動作する各種のアプリケーションプログラムを搭載しており、アプリケーションプログラムによって文書や画像などのドキュメント(ファイル)を作成する機能、ドキュメントなどの印刷を行う際にドライバプログラムによって印刷データをネットワーク2を通じて複合機20に送信する機能を備えている。
【0051】
端末10は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11に、バス12を介してROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、ハードディスク装置(Hard Disk Drive;HDD)15と、表示部16と、操作部17と、ネットワーク通信部18とを接続して構成される。
【0052】
CPU11は、ROM13に格納されているプログラムに基づいて端末10の動作を制御する。RAM14はCPU11がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリなどとして使用される。ハードディスク装置15は、OSやアプリケーションプログラムのほか、複合機20のドライバプログラム40、ドキュメントや各種の保存データなどを格納する。
【0053】
表示部16は液晶ディスプレイなどの表示装置で構成されており、OS、アプリケーションプログラム、ドライバプログラム40の操作や設定などを行うための画面、および画像や映像などを表示する。操作部17はキーボードやマウスなどの入力装置で構成されており、ユーザが端末10に対して行う操作や入力を受け付ける。ネットワーク通信部18は、ネットワーク2を通じて複合機20と通信する機能を果たす。
【0054】
端末10から複合機20への印刷の依頼は、端末10を使用するユーザが表示部16および操作部17を通して所望のドキュメントなどの印刷を指示することにより行われる。ユーザにより印刷の指示が行われると、端末10のドライバプログラム40は、印刷を指示されたドキュメントなどの印刷データを複合機20に送信して印刷を依頼する。またドライバプログラム40は、この印刷データのヘッダに、端末10に関する情報(端末情報)と、印刷の内容に関する情報(印刷内容情報)とを付加して複合機20に送信する。
【0055】
印刷データに付加される端末情報は、たとえば、端末10のID(Identification)やネットワーク2上におけるIP(Internet Protocol)アドレスなどの情報である。印刷データに付加される印刷内容情報は、たとえば、印刷するドキュメントの名称(ファイル名)、印刷データのサイズ、ドキュメントのページ数、記録紙のサイズ(A4/A3など)、印刷の向き(縦方向/横方向)、レイアウト(2in1/4in1など)、印刷モード(片面/両面)、カラーモード(白黒/カラー)、解像度、印刷部数などの情報である。
【0056】
図3は、複合機20における制御系の構成をブロック図で示している。複合機20は、制御部としてのCPU21に、バス22を介してROM23と、RAM24と、不揮発メモリ25と、ハードディスク装置26(HDD)と、操作表示部27と、スキャナ部28と、画像処理部29と、プリンタ部30(印刷部)と、ファクシミリ通信部31と、ネットワーク通信部32とを接続して構成される。
【0057】
CPU21は、ROM23に格納されているプログラムに基づいて複合機20の動作を制御する。RAM24はCPU21がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリとして使用されるほか、画像データを一時的に保存するための画像メモリなどにも使用される。
【0058】
不揮発メモリ25は、電源がオフされても記憶が保持されるメモリであり、装置固有の情報や各種の設定情報などが記憶される。ハードディスク装置26は、各種の保存データなどを格納するほか、原稿のスキャンやコピーにおいて原稿を読み取って取得された画像データ、端末10から依頼された印刷における画像データ(印刷データ)なども保存する。
【0059】
操作表示部27は、操作画面、設定画面、情報の入力画面や登録画面などの各種の画面を表示する表示部としての機能と、複合機10の機能に係る操作、設定、情報の入力や登録などの各種の手動操作を受け付ける操作部としての機能とを果たす。また、印刷データを転送する転送先の設定を受け付ける転送先設定部としての機能と、印刷データの転送を開始するまでの転送待ち時間(所定時間)の設定を受け付ける時間設定部としての機能とも果たす。操作表示部27は、液晶ディスプレイと、その表面を覆うタッチパネルと、その他のボタン類とを備えている。
【0060】
スキャナ部28は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。たとえば、原稿を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に移動させる移動機構と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路などを備えている。ラインイメージセンサはCCD(Charge Coupled Device)で構成される。ラインイメージセンサが出力するアナログ画像信号はA/D(Analog to Digital)変換され、デジタルの画像データとして出力される。
【0061】
画像処理部29は、画像データに対して、画像補正、回転、拡大/縮小、圧縮/伸張など各種の画像処理を施す機能を果たす。また、端末10から受信した印刷データ(ベクタ形式のイメージデータ)に対してラスタライズ処理を施す機能を果たす。
【0062】
プリンタ部30は、入力された画像データに対応する画像を電子写真プロセスにより記録紙に形成して出力する機能を果たす。たとえば、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、入力される画像データに応じて点灯制御されるLD(Laser Diode)と、LDから射出されたレーザ光を感光体ドラム上で走査させる走査ユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有する、いわゆるレーザープリンタとして構成されている。レーザ光に代えてLED(Light Emitting Diode)で感光体ドラムを照射するLEDプリンタのほか他の方式のプリンタであってもかまわない。
【0063】
ファクシミリ通信部31は、ファクシミリ機能を備えた外部機器と公衆回線網を通じて通信する機能を果たす。ネットワーク通信部32は、ネットワーク2を通じて端末10と通信する機能を果たす。
【0064】
CPU21はプログラムを実行することで、端末10からネットワーク2を通じて受信した印刷データに対するプリンタ部30による印刷が開始待ちとなり、この印刷が開始待ちとなった時点から時間を計測して印刷が開始されずに計測時間が所定時間以上になったと判断した場合に、上記の印刷データをネットワーク2を通じて代替印刷装置となる他の複合機20に転送する機能を果たす。時間の計測は、図示しないタイマー部などを用いて行う。
【0065】
また、操作表示部27を通じて印刷データの転送先と、上記の所定時間である転送待ち時間との設定を受け付ける機能を果たす。転送先については、1つまたは複数の転送先が設定可能であり、複数の転送先を設定する場合は、その複数の転送先に対して印刷データを転送する優先順位の設定も受け付ける。
【0066】
また、印刷データの転送を実行する前に転送先の複合機20と通信してその複合機20が即時印刷可能であるかを確認し、即時印刷が不可能である場合は上記の判断に基づく転送を中止する機能を果たす。
【0067】
また、印刷データの転送を実行した場合はその転送に係る情報を印刷データの送信元の端末10に通知する機能や、その転送に係る履歴を操作表示部27に表示する機能を果たす。
【0068】
図4は、複合機20の操作表示部27(操作パネル)を通じて印刷データの転送先と転送待ち時間を設定するための転送設定画面50を示している。転送先を1つとする場合は、ユーザ(または管理者など)が操作表示部27を通じて転送先を1つに指定し所定の操作を行うと、操作表示部27の液晶ディスプレイ27a(タッチパネルディスプレイ)に図4に示すような転送設定画面50が表示される。
【0069】
転送設定画面50には、入力項目を転送先に指定する操作を受け付ける転送先指定ボタン51と(図中では「転送先」と表記)、入力された転送先の情報が表示される転送先表示欄52と、入力項目を転送待ち時間に指定する操作を受け付ける転送待ち時間指定ボタン53と(図中では「転送待ち時間」と表記)、入力された転送待ち時間が表示される転送待ち時間表示欄54とが表示される。上記のように転送先を1つに指定した場合は、転送先指定ボタン51と転送先表示欄52とが1組だけ表示される。また転送先の情報は、本実施の形態ではIPアドレスとなっている。
【0070】
この転送設定画面50にて、転送先指定ボタン51を押下して入力項目を転送先に指定し、操作表示部27に設けられているテンキー55などを操作して、所望の転送先となる他の複合機20のIPアドレスを入力すると、そのIPアドレスが転送先表示欄52に表示される。たとえば、図1の複合機Aにおいて転送先を複合機Bに設定する場合は、複合機BのIPアドレスである「192.168.10.11」などを入力すると、そのIPアドレスが図4に示すように転送先表示欄52に表示される。
【0071】
同様に、転送待ち時間指定ボタン53を押下して入力項目を転送待ち時間に指定しテンキー55などを操作して所望の転送待ち時間を入力すると、その転送待ち時間が転送待ち時間表示欄54に表示される。たとえば、図4に示すように「5分」などと表示される。
【0072】
転送待ち時間は、印刷データの転送を開始する閾値となる時間であり、任意の時間(固定時間)にすることができる。たとえば、転送待ち時間は、複合機20(当該印刷装置)で印刷が開始待ちとなった場合に、転送先の複合機20(代替印刷装置)で即時印刷するよりも当該複合機20で印刷する方が有利であるか否かの判断基準となる時間と考えられ、このような判断基準に基づいて決定することができる。
【0073】
転送先および転送待ち時間の入力後に所定の確定操作を行うと設定が完了し、その転送設定情報は不揮発メモリ25に記憶される。
【0074】
図5は、転送先を複数設定する場合の転送設定画面60を示している。
【0075】
たとえば、転送先を2つにする場合は、ユーザ(または管理者など)が操作表示部27を通じて転送先を2つに指定し所定の操作を行うと、操作表示部27の液晶ディスプレイ27aに図5に示すような転送設定画面60が表示される。
【0076】
この転送設定画面60には、転送先の優先順位を示す番号が表記された転送先指定ボタンと、それに対応する転送先表示欄とが2組表示される。詳細には、入力項目を優先順位1番の転送先に指定する操作を受け付ける転送先指定ボタン61(図中では「転送先1」と表記)、およびそれに対応する転送先表示欄62と、入力項目を優先順位2番の転送先に指定する操作を受け付ける指定ボタン63(図中では「転送先2」と表記)、およびそれに対応する転送先表示欄64とが表示される。さらに、図4で説明した機能と同じ機能を果たす転送待ち時間指定ボタン65と転送待ち時間表示欄66とが表示される。
【0077】
上記の転送設定画面60を通じて、図4で説明した操作と同様の操作を行い、所望の転送先となる2台の複合機20のIPアドレスと、所望の転送待ち時間とを入力する。
【0078】
たとえば、図1の複合機Aにおいて転送先の優先順位1番を複合機Bに設定する場合は、転送先指定ボタン61を押下してから複合機BのIPアドレスである「192.168.10.11」などを入力すると、そのIPアドレスが図5に示すように対応する転送先表示欄62に表示される。同様に、図1の複合機Aにおいて優先順位2番の転送先を複合機Cに設定する場合は、転送先指定ボタン63を押下してから複合機CのIPアドレスである「192.168.10.12」などを入力すると、そのIPアドレスが図5に示すように対応する転送先表示欄64に表示される。また転送待ち時間表示欄66には、入力した転送待ち時間がたとえば「3分」などと表示される。
【0079】
図4で説明したように、転送先および転送待ち時間の入力後に所定の確定操作を行うと設定が完了し、その転送設定情報は不揮発メモリ25に記憶される。またこの場合は、各転送先には優先順位が対応付けられて記憶される。
【0080】
なお、転送先は3つ以上設定することも可能である。いずれにしても、転送先を複数設定する場合は、ユーザが操作表示部27を通じて所望する転送先の数(N)を指定し所定の操作を行うと、転送設定画面には転送先の優先順位(1〜N番目)が表記された転送先指定ボタンと、それに対応する転送先表示欄とが指定した数の組(N組)だけ表示される。この転送設定画面を通じて図5で説明した操作により、複数の転送先と優先順位の設定を行うことができる。また優先順位は、ユーザの席から転送先となる複合機20までの距離や、転送先となる複合機20の性能などの条件に基づいて任意に決めることができる。
【0081】
図6は、複合機20の操作表示部27に表示されるジョブステータス画面70の一例を示している。ジョブステータス画面70には、ジョブ(印刷ジョブ)を依頼したユーザの名称(ユーザ名)と、依頼されたジョブのファイル名と、状態(ステータス)とがジョブ単位で表示され、画面上部にその項目名71(表題欄)が表示される。
【0082】
本例では、図1における複合機AがユーザBの端末10から受信した「Job1.doc」の印刷ジョブを実行している最中に、ユーザAの端末10から「Job2.doc」の印刷ジョブを受信した場合のジョブステータス画面70を示している。この場合は、図示のように、ユーザBの依頼した印刷ジョブ72(Job1.doc)は、状態が「印刷中」と表示され、ユーザAの依頼した印刷ジョブ73(Job2.doc)は、状態が「待機中」と表示される。
【0083】
次に、複合機20の動作について説明する。
【0084】
図7〜図9は、複合機20が端末10から印刷ジョブを依頼されたときの印刷データの転送に係る処理の流れを示している。
【0085】
本実施の形態では、図4および図5で説明したように、複合機20は1つまたは複数の転送先と転送待ち時間とが予め設定されており、その転送設定情報が不揮発メモリ25に記憶されている。そして前述したように、端末10から受信した印刷データに対する印刷が開始待ち(待機中)となり、この印刷が開始待ちとなった時点から時間を計測して印刷が開始されずに計測時間が転送待ち時間以上になったと判断した場合に、上記の印刷データを転送先となる他の複合機20に転送するように動作する。また、印刷データの転送を実行する前に転送先の複合機20と通信してその複合機20が即時印刷可能であるかを確認するようにしている。ここでは、転送先の複合機20がスタンバイ中である場合は即時印刷が可能であると判断し、動作中の場合は即時印刷が不可能であると判断するようにしている。
【0086】
たとえば、図1に示すユーザAの端末10から複合機Aに印刷が依頼される場合は、ユーザAの端末10は生成した印刷データを印刷用のメモリに一時的に保存し、印刷データを複合機Aに送信すると(図中の矢印A)、印刷用のメモリが開放される。複合機Aは、ユーザAの端末10から受信した印刷データに対する印刷が開始待ちとなり、この印刷が開始待ちとなった時点から時間を計測して印刷が開始されずに計測時間が転送待ち時間以上になると、たとえば、転送先の複合機Bと通信して複合機Bがスタンバイ中であれば印刷データを複合機Bに転送する(図中の矢印T)。
【0087】
詳細には、複合機20で図7に示す本処理が開始され(Start)、端末10からネットワーク2を通じて印刷データを受信すると(ステップS101)、CPU11は、先行の印刷ジョブが存在するかを確認する(ステップS102)。
【0088】
先行の印刷ジョブが存在しない場合は(ステップS102;No)、CPU11は受信した印刷データに対する印刷をプリンタ部30に開始させ(ステップS103)、本処理を終了する(End)。
【0089】
先行の印刷ジョブが存在する場合は(ステップS102;Yes)、CPU11は受信した印刷データの状態を開始待ち(待機中)とし、操作表示部27に表示したジョブステータス画面(図6参照)には、その開始待ちとした印刷データに係る印刷ジョブの状態を「待機中」と表示する。さらにCPU11は、この印刷データが開始待ちとなった時点から時間を計測し(ステップS104)、計測時間が不揮発メモリ25に記憶されている転送待ち時間以上になったか否かの監視と、先行の印刷ジョブが終了したか否かの監視とを行う(ステップS105;No→ステップS106;No→ステップS105にリターン)。
【0090】
計測時間が転送待ち時間以上になる前に(ステップS105;No)、先行の印刷ジョブが終了したと判断した場合には(ステップS106;Yes)、CPU11は上記の開始待ち状態とした印刷データに対する印刷をプリンタ部30に開始させ(ステップS103)、本処理を終了する(End)。
【0091】
先行の印刷ジョブが終了する前に(ステップS106;No)、計測時間が転送待ち時間以上になったと判断した場合には(ステップS105;Yes)、CPU11は不揮発メモリ25に記憶されている転送先の数を確認する(ステップS107)。
【0092】
転送先の数が1つである場合には(ステップS107;1つ)、図8のステップS111へ移行し、CPU11は不揮発メモリ25に記憶されている転送先のIPアドレスに基づいて、ネットワーク2に接続されている該当の複合機20と通信し、その転送先の複合機20の状態を確認する(ステップS111)。
【0093】
確認した結果、転送先の複合機20がスタンバイ中である場合は(ステップS112;スタンバイ中)、CPU11は開始待ち状態となっている上記の印刷データを転送先の複合機20にネットワーク2を通じて転送する(ステップS113)。印刷データの転送後に、CPU11は転送先の複合機20の情報(名称など)を印刷データの送信元の端末10にネットワーク2を通じて通知する(ステップS114)。また、操作表示部27を通じて印刷データの転送に係る履歴を表示する操作を受け付けた場合は、CPU11はこの印刷データの転送に係る履歴(転送先の複合機20の情報や転送日時など)を操作表示部27に表示する。そして、本処理を終了する(End)。
【0094】
また、転送先の複合機20の状態を確認した結果、その複合機20が動作中である場合は(ステップS112;動作中)、CPU11は先行の印刷ジョブが終了したか否かを判断する(ステップS115)。先行の印刷ジョブが終了していないと判断した場合には(ステップS115;No)、ステップS111へ戻り、上述したステップS111以降の処理ステップを同様に行う(ステップS111〜)。先行の印刷ジョブが終了していると判断した場合には(ステップS115;Yes)、CPU11は開始待ち状態とした印刷データに対する印刷をプリンタ部30に開始させ(図7のステップS103)、本処理を終了する(End)。
【0095】
一方、転送先の数が複数である場合には(ステップS107;複数)、図9のステップS121へ移行し、CPU11は転送先の優先順位(番号)を示すNを1に設定する(ステップS121;N=1)。続いて、CPU11は不揮発メモリ25に記憶されている転送先NのIPアドレスに基づいて、ネットワーク2に接続されている該当の複合機20と通信し、その転送先Nの複合機20の状態を確認する(ステップS122)。
【0096】
確認した結果、転送先Nの複合機20がスタンバイ中である場合は(ステップS123;スタンバイ中)、図8で説明したステップS113およびステップS114と同じ処理内容のステップS124およびステップS125を転送先Nの複合機20を対象に行う。転送先Nの複合機20が動作中である場合は(ステップS123;動作中)、CPU11は不揮発メモリ25に次の優先順位の転送先が記憶されているかを確認する(ステップS126)。
【0097】
次の優先順位の転送先が記憶されている場合には(ステップS126;Yes)、CPU11は転送先の優先順位を示すNに1を加算し(ステップS127;N=N+1)、ステップS122へ戻り、上述したステップS122以降の処理ステップを同様に行う(ステップS122〜)。次の優先順位の転送先が記憶されていない場合には(ステップS126;No)、CPU11は先行の印刷ジョブが終了したか否かを判断する(ステップS128)。
【0098】
先行の印刷ジョブが終了していないと判断した場合には(ステップS128;No)、ステップS121へ戻り、上述したステップS121以降の処理ステップを同様に行う(ステップS121〜)。先行の印刷ジョブが終了していると判断した場合には(ステップS128;Yes)、CPU11は開始待ち状態とした印刷データに対する印刷をプリンタ部30に開始させ(図7のステップS103)、本処理を終了する(End)。
【0099】
また、上記の複合機20から転送先となる他の複合機20へ印刷データが転送された場合には、その転送先の複合機20は受信した印刷データに対する代替印刷を実行する。
【0100】
このように、本実施の形態に係る複合機20は、端末10から受信した印刷データに対する印刷が開始待ちとなる場合に、転送先となる他の複合機20への印刷データの転送を予め設定された転送待ち時間に応じて実行する。すなわち、印刷データの転送は、開始待ちとなった印刷が開始待ち状態を継続していて開始されずに(先行ジョブ未終了)、その印刷が開始待ちとなった時点からの計測時間(実際の経過時間)が上記の転送待ち時間以上になったと判断した場合に実行する。
【0101】
これにより、ユーザが端末10から指示した印刷が複合機20で開始待ちとなる場合に、直ぐに転送先の複合機20で代替印刷が開始されてしまうのではなく、転送待ち時間までにその印刷が開始されれば自分の希望する(印刷を指示した)複合機20から印刷物を取得することができる。また、転送待ち時間までにその印刷が開始されず、転送先の複合機20で即時印刷可能(スタンバイ中)であればその複合機20で代替印刷が実行されてその複合機20から印刷物を取得することができる。したがって、印刷が開始待ちとなる場合の印刷物の取得に係る利便性が向上する。
【0102】
また、印刷が開始待ちとなった時点からの時間を計測し、その計測時間と予め設定された転送待ち時間とを比較するだけであるため、複雑な構成や処理は必要ない。これにより、転送待ち時間に応じた印刷データの転送の要否判断を行う上での構成や処理を簡素化することができる。
【0103】
また、複合機20は印刷データを転送する前に転送先の複合機20と通信してその複合機20が即時印刷可能であるかを確認し、即時印刷が不可能である場合は、先行ジョブの終了タイミングと転送先の複合機20が印刷可能状態になるタイミングを比較して印刷データを転送するか否かを決定する。すなわち、先行ジョブの終了タイミングの方が速い場合は、印刷データの転送を中止する。転送先の複合機20が印刷可能状態になるタイミングの方が速い場合は、印刷データの転送を実行する。これにより、即時印刷が不可能である転送先の複合機20に印刷データが転送されて代替印刷の開始が遅くなってしまうことを回避することができる。
【0104】
また、印刷データの転送先を複数設定した場合は、転送先を1つにする場合に比べて転送先の選択肢が広がる。これにより、印刷データを即時印刷可能である複合機20に転送しやすくなり、先行ジョブの処理時間が長くなる場合などに起こりやすくなる印刷開始待ち状態の長期継続や代替印刷の開始遅延が回避しやすくなる。
【0105】
また優先順位は、前述したようにユーザの席から転送先となる複合機20までの距離や複合機20の性能などに基づいて任意に決めることができる。このような優先順位を決めることで、ユーザにとってより使い勝手の良い複合機20(代替印刷装置)で代替印刷が行われるようになり利便性が向上する。
【0106】
また、複合機20は先行ジョブの処理中などであっても端末10から印刷データの受信を受け付け、印刷データを転送する際にはその受信済みの印刷データを転送先に転送する。これにより、端末10では複合機20が先行ジョブの処理中などであっても印刷データを送信できるようになり、印刷データを転送先に転送するために保存しておく必要もなくなる。したがって、端末10では印刷データを生成して一時的に保存するメモリを迅速に開放できるようになり、先行ジョブの処理中などである複合機20に印刷を依頼する際の処理負荷が軽減されるようになる。
【0107】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、印刷データの転送に係る判断で転送待ち時間と比較する時間を、印刷開始待ち時点からの計測時間とした場合について説明したが、第2の実施の形態では、印刷が開始可能となるまでの予測時間とした場合について説明する。
【0108】
第2の実施の形態に係る複合機の構成は、図3で説明した複合機20の構成と基本的に同じであり、ROM23に格納されているCPU11のプログラムのみが異なる構成である。この第2の実施の形態に係る複合機20では、CPU11はプログラムを実行することで、ネットワーク通信部32を通じて端末10から受信した印刷データに対するプリンタ部30による印刷が開始待ちになると、この印刷が開始可能となるまでの時間を予測して予測時間が所定時間(転送待ち時間)以上であると判断した場合に、上記の印刷データをネットワーク通信部32を通じて他の複合機20に転送する機能を果たす。
【0109】
図10は、第2の実施の形態に係る複合機20が端末10から印刷ジョブを依頼されたときの印刷データの転送に係る処理の流れを示している。なお、第1の実施の形態と類似する図8および図9の処理についてはそれらの図を用いて説明する。
【0110】
複合機20で本処理が開始され(Start)、端末10からネットワーク2を通じて印刷データを受信すると(ステップS201)、CPU11は、先行の印刷ジョブが存在するかを確認する(ステップS202)。
【0111】
先行の印刷ジョブが存在しない場合は(ステップS202;No)、CPU11は受信した印刷データに対する印刷をプリンタ部30に開始させ(ステップS203)、本処理を終了する(End)。
【0112】
先行の印刷ジョブが存在する場合は(ステップS202;Yes)、CPU11は先行の印刷ジョブの処理時間を予測する(ステップS204)。
【0113】
詳細には、第1の実施の形態で説明したように、端末10から受信する印刷データのヘッダには、印刷内容情報として、印刷するドキュメントの名称(ファイル名)、印刷データのサイズ、ドキュメントのページ数、記録紙のサイズ、印刷の向き、レイアウト、印刷モード(片面/両面)、カラーモード、解像度、印刷部数などが付加されている。
【0114】
CPU11は、印刷ジョブの処理に係るこれらの情報と、複合機20の印刷処理能力(処理速度)などに基づいて、現時点で残っている印刷ジョブの処理に要する時間を算出する。
【0115】
続いてCPU11は、先行の印刷ジョブの処理に要する予測時間と不揮発メモリ25に記憶されている転送待ち時間とを比較し、予測時間が転送待ち時間以上であるか否かを判断する(ステップS205)。予測時間が転送待ち時間未満であると判断した場合には(ステップS205;No)、CPU11は受信した印刷データの状態を開始待ち(待機中)とし(ステップS206)、操作表示部27に表示したジョブステータス画面(図6参照)には、その開始待ちとした印刷データに係る印刷ジョブの状態を「待機中」と表示する。そして、先行の印刷ジョブが終了したか否かを監視し(ステップS207;No→ステップS206にリターン)、先行の印刷ジョブが終了したと判断した場合には(ステップS207;Yes)、上記の開始待ち状態とした印刷データに対する印刷をプリンタ部30に開始させ(ステップS203)、本処理を終了する(End)。
【0116】
先行の印刷ジョブの処理に要する予測時間が不揮発メモリ25に記憶されている転送待ち時間以上であると判断した場合には(ステップS205;Yes)、CPU11は不揮発メモリ25に記憶されている転送先の数を確認する(ステップS208)。
【0117】
転送先の数が1つである場合には(ステップS208;1つ)、図8のステップS111へ移行し、第1の実施の形態で説明したステップS111およびステップS112を同様に行う。ステップS112でスタンバイ中である場合は、同様にステップS113およびステップS114を行い、本処理を終了する(End)。ステップS112で動作中である場合は、図中のE方向に示す図10のステップS205へ戻り、上述したステップS205以降の処理ステップを同様に行う(ステップS205〜)。
【0118】
一方、転送先の数が複数である場合には(ステップS208;複数)、図9のステップS121へ移行し、第1の実施の形態で説明したステップS121〜ステップS123を同様に行う。ステップS123でスタンバイ中である場合は、同様にステップS124およびステップS125を行い、本処理を終了する(End)。ステップS123で動作中である場合は、同様にステップS126を行う。ステップS126で肯定判定の場合は、同様にステップS127以降を行う。ステップS126で否定判定の場合は、図中のE方向に示す図10のステップS205へ戻り、上述したステップS205以降の処理ステップを同様に行う(ステップS205〜)。
【0119】
図8のステップS112または図9のステップS126から戻ったステップS205では、時間の経過に伴い減少した予測時間(最初に算出した先行ジョブの処理に要する予測時間から経過時間を差し引いた残り予測時間)と、規定の転送待ち時間とが比較される。そして、減少した予測時間が規定の転送待ち時間未満であると判断された場合に(ステップS205;No)、ステップS206へ移行し、端末10から印刷データを受信した複合機20でその印刷データに対する印刷が実行されるようになる。
【0120】
前述したように、転送待ち時間は、開始待ちとなった印刷が転送先の複合機20(代替印刷装置)で即時印刷されるよりも当該複合機20で印刷される方が有利であるか否かの判断基準となる時間と考えられる。この考えによれば、上記の残り予測時間が転送待ち時間より短くなった時点で(残り予測時間<転送待ち時間)、転送先の複合機20より当該複合機20で印刷する方が有利となる状態が成立する。そこで、本実施の形態では、図8のステップS112で動作中の場合、または、図9のステップS126で否定判定の場合には、E方向に示す図10のステップS205へ戻り、現時点での残り予測時間と転送待ち時間との比較を行う。そして、残り予測時間<転送待ち時間の条件が成立した時点で印刷データの転送を中止し、当該複合機20で印刷を行うようにしている。
【0121】
たとえば、転送待ち時間が5分に設定されているのに対して当初の予測時間が7分であれば、転送先の複合機20に状態を問い合わせ、動作中であれば印刷データの転送は保留される。その後、転送先の複合機20が動作中のままで3分が経過すると、残り予測時間は4分となり、転送待ち時間未満になる。すなわち、転送先の複合機20よりも当該複合機20で印刷する方が有利となる状態が成立する。このような場合には、印刷データの転送は中止されて当該複合機20で印刷が行われるようになる。
【0122】
このように、本実施の形態に係る複合機20は、端末10から指示された印刷が開始待ちとなる場合の印刷データの転送を、その印刷が開始可能となるまでの予測時間に基づいて実行する。すなわち、予測時間が転送待ち時間以上であると判断した場合に印刷データの転送を実行する。
【0123】
印刷が開始されるタイミング(印刷が開始可能となるまでの時間)を予測する本実施形態の構成では、実際の経過時間(計測時間)からそのタイミングを把握する第1の実施の形態の構成に比べて、印刷データを転送するか否かが迅速に判断できるようになる。これにより、印刷データを転送する場合は、転送先の複合機20への代替印刷の要求を迅速に行えるようになる。
【0124】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0125】
たとえば、上述した第1および第2の実施の形態では、複合機20に設定された転送先や転送待ち時間は、全ユーザで共通となるようにしているが、この転送先や転送待ち時間はユーザ毎に個別に設定できるように構成してもよい。
【0126】
また、転送先や転送待ち時間は端末10から複合機20に印刷を指示する際に設定できるように構成してもよい。たとえば、端末10にインストールされる複合機20のドライバプログラム40には、端末10から複合機20へ印刷を指示する画面(表示部16に表示される印刷指示画面)に、転送先の設定部と転送待ち時間の設定部との少なくとも一方を表示してその設定を操作部17を通して受け付け、その転送設定情報(転送先/転送待ち時間)を印刷データのヘッダに付加して複合機20に送信する機能を設ける。
【0127】
転送先については、複数の転送先とその優先順位の設定を受け付けるようにしてもよい。また、この端末10で行う転送先や転送待ち時間の設定は、端末10による全ての印刷指示に対して共通となるようにしたり、印刷指示毎に初期設定や前回設定を変更できたりするようにしてもよい。
【0128】
そして複合機20は、端末10から受信した印刷データのヘッダに付加されている転送設定情報(転送先(転送先が複数の場合は優先順位も含む)/転送待ち時間)に基づいて、図7〜図9で説明した印刷データの転送に係る処理を実行する。
【0129】
また、このような端末10による設定と複合機20における設定とを併用することも可能である。たとえば、予め複合機20に転送先と転送待ち時間とが設定されている場合でも、印刷データに転送設定情報が付加されている場合はそちらを優先させるなどの動作をするように構成してもよい。
【0130】
また、複数の転送先に対しては優先順位も設定するようにしているが、この優先順位は複合機20が各転送先までの距離と各転送先での先行ジョブの処理時間とに基づいて自動判断するようにしてもよい。たとえば、複合機20に予めそれぞれの転送先までの距離を登録しておき、複合機20は印刷データを転送する前に各転送先に先行ジョブの処理時間を問い合わせて確認する。そして転送先毎に、回答された先行ジョブの処理時間とその転送先までの距離とを乗算するなどしてポイントを算出し、このポイントが低い順に優先順位付けを行うなどしてもよい。
【0131】
また、印刷データの転送先に対する即時印刷が可能であるかの確認では、転送先の複合機20が動作中である場合に即時印刷が不可能であると判断するようにしているが、この動作中に加えて異常発生中などにも即時印刷が不可能であると判断するようにしてもよい。
【0132】
また、第2の実施の形態における図8および図9の処理では、第1の実施の形態とは異なる流れにしているが(図中のE方向への流れ)、第1の実施の形態と同様の流れにしてもよい。
【0133】
また、第1の実施の形態では、印刷データの転送を実行するか否かを先ず計測時間(第1の判断基準)に基づいて判断し、ここで転送を実行すると判断した場合は、次に転送先の状態(第2の判断基準)に基づいて判断するようにしている。ここで、転送先が即時印刷不可能な状態であれば、更に先行ジョブの処理状況と転送先の状態とに基づいて判断するようにしている(第3の判断基準)。
【0134】
第2の実施の形態では、印刷データの転送を実行するか否かを先ず予測時間(第1の判断基準)に基づいて判断し、ここで転送を実行すると判断した場合は、次に転送先の状態(第2の判断基準)に基づいて判断するようにしている。ここで、転送先が即時印刷不可能な状態であれば、再び予測時間(第1の判断基準)に基づいて判断し、以下、転送先の状態(第2の判断基準)に基づく判断と、予測時間(第1の判断基準)に基づく判断を繰り返すようにしている。
【0135】
このように、第1および第2の実施の形態では何れの場合も、印刷データの転送を実行するか否かを先ず所定の判断基準(第1の判断基準)で判断し、その後は途中で判断基準を変更するようにしている。すなわち、複数種類の判断基準を状況に応じて使い分けることにより、そのときの状況に適した判断を下せるようにしている。
【0136】
また第2の実施の形態では、転送先の複合機20が即時印刷不可能な状態であることにより、所定の判断基準(予測時間)に基づく判断を繰り返し行うことになる場合もあるが、この再度行う判断も、請求項1に記載した「印刷が開始可能となるまでの時間(予測時間)が所定時間(転送待ち時間)以上である」との判断に含まれる。
【0137】
また、実施の形態に係る複合機20ではタッチパネル式の操作表示部27が操作部と表示部の機能を兼ね備えているが、この操作部と表示部とは個別に構成するようにしてもよい。
【0138】
また本発明は、実施の形態で説明した複合機やその複合機を備えた印刷システムに限らず、プリンタ機などの印刷装置、およびその印刷装置を備えた印刷システムにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る印刷システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る端末(端末装置)の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置としての複合機の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る複合機の操作表示部に表示される転送先が1つである場合の転送設定画面を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る複合機の操作表示部に表示される転送先が複数(2つ)である場合の転送設定画面を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る複合機の操作表示部に表示されるジョブステータス画面を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る複合機が端末から印刷ジョブを依頼されたときの印刷データの転送に係る処理を示す流れ図である。
【図8】図7または図10の処理における転送先が1つの場合の転送処理部分を示す流れ図である。
【図9】図7または図10の処理における転送先が複数の場合の転送処理部分を示す流れ図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る複合機が端末から印刷ジョブを依頼されたときの印刷データの転送に係る処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0140】
2…ネットワーク
5…印刷システム
10…端末(PC)
11…CPU
12…バス
13…ROM
14…RAM
15…ハードディスク装置(HDD)
16…表示部
17…操作部
18…ネットワーク通信部
20…複合機(MFP)
21…CPU
22…バス
23…ROM
24…RAM
25…不揮発メモリ
26…ハードディスク装置(HDD)
27…操作表示部
27a…液晶ディスプレイ
28…スキャナ部
29…画像処理部
30…プリンタ部
31…ファクシミリ通信部
32…ネットワーク通信部
40…ドライバプログラム
50…転送設定画面
51…転送先指定ボタン
52…転送先表示欄
53…転送待ち時間指定ボタン
54…転送待ち時間表示欄
55…テンキー
60…転送設定画面
61…転送先指定ボタン
62…転送先表示欄
63…転送先指定ボタン
64…転送先表示欄
65…転送待ち時間指定ボタン
66…転送待ち時間表示欄
70…ジョブステータス画面
71…項目名
72…印刷ジョブ
73…印刷ジョブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
印刷部と、
前記通信部を通じて端末装置から受信した印刷データに対する前記印刷部による印刷が開始待ちとなり、該印刷が開始可能となるまでの時間が所定時間以上であると判断した場合に前記印刷データを前記通信部を通じて代替印刷装置に転送する制御部と、
を備える
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記印刷が開始待ちとなった時点から時間を計測して前記印刷が開始されずに該計測時間が前記所定時間以上になったと判断した場合に前記印刷データの転送を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記印刷が開始可能となるまでの時間を予測して該予測時間が前記所定時間以上であると判断した場合に前記印刷データの転送を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷データを転送する転送先の設定を受け付ける転送先設定部を備える
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記転送先設定部は更に、複数の前記転送先と、該複数の転送先に対して前記印刷データを転送する優先順位との設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記所定時間の設定を受け付ける時間設定部を備える
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記印刷データの転送を実行する前に前記通信部を通じて前記代替印刷装置と通信して該印刷装置が即時印刷可能であるかを確認し、即時印刷が不可能である場合は前記判断に基づく前記転送を中止する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項8】
表示部を更に備え、
前記制御部は、前記印刷データの転送を実行した場合は該転送に係る履歴を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記印刷データの転送を実行した場合は該転送に係る情報を前記通信部を通じて前記印刷データの送信元の端末装置に通知する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項10】
端末装置と、印刷装置とを有する印刷システムであって、
前記端末装置は、前記印刷装置が代替印刷装置に対して印刷データの転送を開始するまでの待ち時間の設定を受け付け、該時間を示す時間情報を付加した印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、前記端末装置から受信した前記印刷データに対する当該印刷装置での印刷が開始待ちとなり、該印刷が開始可能となるまでの時間が前記印刷データに付加されている前記時間情報の示す時間以上であると判断した場合に前記印刷データを代替印刷装置に転送する
ことを特徴とする印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−125708(P2010−125708A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303181(P2008−303181)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】