説明

印刷装置及びその紙搬送誤差補正方法

【課題】簡単に紙搬送誤差補正量を決定することが可能な印刷装置及びその紙搬送誤差補正方法を提供する。
【解決手段】表示部上に予め決められた規定長の間隔の第1の線303と第2の線302を表示させ、また、印字部を制御して予め決められた規定長の間隔の第1の線301と第2の線302を印刷させる。そして、ユーザによって表示された規定長の2本線の間隔が印刷された規定長の2本線の間隔に合うように調整された調整後の間隔に基づいて印字部の紙搬送誤差補正量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙等に印刷を行う印刷装置及びその紙搬送誤差補正方法に関し、特に、プリンタ内蔵ハンディターミナル等のPDA(Personal Digital Assitant)端末等に好適な印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタを内蔵したハンディターミナル等には、用紙の搬送誤差を補正するための機能が搭載されている。この補正機能は、例えば、プラテンローラの径等の搬送部品が経年劣化等の要因により変化するため、ユーザによってその誤差を補正できるようにするものである。従来の誤差補正方法で実際に誤差補正作業を行う場合には、所定の長さの印刷結果を印字し、実際の長さからどの程度ずれているかを測定、算出し、それに合わせてプリンタのユーティリティで「±○%」等の設定を行うのが一般的である。
【0003】
このような従来のハンディターミナル等に用いられる印刷装置は、例えば、特許文献1に記載されている。また、印刷装置の印画紙の搬送誤差等を補正する方法は、例えば、特許文献2に記載されている。
【0004】
特許文献2の搬送誤差補正方法では、テストプリント上に印画紙の搬送に関する誤差等を検出するためのセットアップ情報を印刷し、そのセットアップ情報をオペレータが測定する。次に、表示部上に搬送ローラ送り量等を補正するためのセットアップ調整画面を表示し、その測定値入力欄にはテストプリントからの測定値を入力することにより、印画紙の搬送誤差等を補正するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−273060号公報
【特許文献2】特開2005−074760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2等に記載された従来方法では、上述のように所定の長さの印刷結果を印字したり、実際の長さからどの程度ずれているかを測定したり、測定結果を入力する等の手数がかかってしまう。また、補正する割合が数値化されてしまい、直感的に補正量が分かり難い。
【0007】
本発明の目的は、簡単に紙搬送誤差補正量を決定することが可能な印刷装置及びその紙搬送誤差補正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る印刷装置は、画面を表示する表示部と、印刷を行う印刷部とを有し、前記印刷部に紙を搬送しながら印刷を行う印刷装置であって、前記表示部上に予め決められた規定長の間隔を表示させる間隔表示手段と、前記印刷部を制御して前記予め決められた規定長の間隔を前記紙上に印刷させる間隔印刷手段と、前記表示された規定長の間隔が前記印刷された規定長の間隔に合うように調整された調整後の間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出する補正量算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る紙搬送誤差補正方法は、画面を表示する表示部と、印刷を行う印刷部とを有し、前記印刷部に紙を搬送しながら印刷を行う印刷装置の紙搬送誤差補正方法であって、間隔表示手段が、前記表示部上に予め決められた規定長の間隔を表示させる間隔表示ステップと、間隔印刷手段が、前記印刷部を制御して前記予め決められた規定長の間隔を前記紙上に印刷させる間隔印刷ステップと、補正量算出手段が、前記表示された規定長の間隔が前記印刷された規定長の間隔に合うように調整された調整後の間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出する補正量算出ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示された規定長の間隔が印刷された規定長の間隔に合うように調整された調整後の間隔に基づいて紙搬送誤差補正量を決定するため、ユーザは誤差測定や数字入力等の煩雑な操作が不要で、2点間の間隔を調整するだけで簡単に紙搬送誤差補正量を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る印刷装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る印刷装置の紙搬送機構の一例を示す図である。
【図3】図1の実施形態の動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る印刷装置の一実施形態を示すブロック図である。以下の実施形態では、プリンタ内蔵ハンディターミナルのPDA端末に本発明を使用した場合の例を説明する。本発明はプリンタ内蔵ハンディターミナルに限ることなく、例えば、プリンタ内蔵のレジスタ等、紙搬送を行う全ての印刷装置に使用できる。
【0013】
図中101はキーボードやタッチパネル等の入力部である。102はLCD(Liquid Crystal Display)等を用いた表示部、103は印字部(プリンタ)である。印字部103では内部に装着されたロール紙(図示せず)を搬送しながら印刷を行う。104はこれら各部を制御する制御部であり、CPU等プログラム制御プロセッサである。
【0014】
図2は印刷装置に用いる紙搬送機構の一例を示す図である。紙搬送路にはテンションローラ202、プラテンローラ203、印字ヘッド204等が配置されている。図中201は印刷を行う用紙である。用紙201としては感熱ロール紙等が用いられ、プラテンローラ203と印字ヘッド204とで紙を挟持しつつ、プラテンローラ203を回転させ、紙を搬送しながら印刷を行う。
【0015】
プラテンローラ203を回転駆動する駆動手段としては、例えば、図示しないステッピングモータ(パルスモータ)が用いられる。205は用紙201を切断するためのカッターである。カッターは、切断刃を駆動して自動で紙を切断する方式のものでも、手で紙を切断刃に押し当てて切り取る手切り方式のものでもよい。
【0016】
次に、本実施形態の動作を図1から図3を参照して詳細に説明する。図3は紙搬送誤差補正時の表示部102の画面表示と印字結果の一例を示す図である。図3(a)は表示部102の表示画面、図3(b)は印字結果を示す。以下の動作説明ではハンディターミナルとしての動作は周知であるので詳しい説明は省略し、本発明の特徴である紙搬送誤差補正方法について詳細に説明する。
【0017】
本実施形態では、以下の手順で紙搬送誤差補正量の決定を行う。
(1)印字部103で、規定長の間隔で2本線を印刷する。
(2)表示部102に、規定長の間隔で2本線を表示する。
(3)表示された線を移動させる。即ち、表示された2本線間の間隔を印刷された2本線間の間隔に合うように調整する(ユーザが行う)。
(4)調整後の2本線の間隔に基づいて補正量を決定する。
【0018】
規定長は予め定めておくもので、表示部の画面の長さの2/3〜3/4程度の長さが好ましいが、他の長さを排除するものではない。
【0019】
以下、(1)〜(4)の方法を順に説明する。
【0020】
(1)2本線の印刷方法
まず、印字部103の紙搬送誤差を補正するに当たっては2本線を印刷するが、本実施形態では、例えば、補正量0%で印刷する場合と現在の補正量A%(予め本発明に係る印刷装置を有するハンディターミナル等が現在持っている補正量)で印刷する場合の例を説明する。
【0021】
(1−1)補正量0%で印刷する場合
2本線を印刷する場合には、制御部104は印字部103を制御し、図3(b)に示すように第1の線301を印刷する。次に、制御部104は、
規定長/1ステップ長 …式(1)
の演算式を用いて補正量0%の場合の規定長に相当する長さが何ステップであるかを算出する。
【0022】
1ステップ長とは、印字部103に紙搬送用駆動源として用いるステッピングモータ等の最小駆動単位(1ステップ)で搬送される紙の長さをいう。
【0023】
次に、制御部104は図2の紙搬送機構のプラテンローラ203等を制御し、式(1)で得られたステップ数だけ紙送りを行い、図3(b)に示すように印字部103を制御して第2の線302を印刷する。その際、図3(b)に示すように第1の線301と第2の線302との間隔aは、補正量0%で規定長紙送りし、印刷した結果であり、例えば、プラテンローラ等の部品ばらつきや経年劣化による誤差を含んでいる。
【0024】
(1−2)現在の補正量A%で印刷する場合
制御部104は同様に印字部103を制御し、図3(b)に示すように第1の線301を印刷する。次に、制御部104は、
(規定長×(1+A/100))/1ステップ長 …式(2)
の演算式を用いて現在の補正量A%である場合の規定長に相当する長さが何ステップであるかを算出する。
【0025】
次に、制御部104は同様に図2の紙搬送機構の紙送り制御を行い、式(2)で得られたステップ数だけ紙送りを行い、図3(b)に示すように印字部103を制御して第2の線302を印刷する。
【0026】
なお、現在の補正量とは、現在、印刷装置に設定されている補正値である。
【0027】
(2)2本線の表示方法
次に、表示部102に予め決められた規定長の間隔の2本線を表示するが、例えば、補正量0%で表示する場合と現在の補正量A%で表示する場合の例を説明する。
【0028】
(2−1)補正量0%で表示する場合
補正量0%で表示する場合には、制御部104は表示部102を制御し、図3(a)に示すように第1の線303を表示部102上に表示する。次に、制御部104は、
規定長/LCDのドット間隔 …式(3)
の演算式を用いて規定長に相当する長さが何ドットの間隔であるかを算出する。LCDのドット間隔とは、表示部102として用いるLCD等において、画像を構成する最小単位であるドット間の間隔であり、制御部104は表示部102を制御し、図3(a)に示すように得られた規定長に相当するドット間隔をとって第2の線304を表示する。その際、図3(a)に示すように表示部102上に表示された第1の線303と第2の線304との間隔bは理論上の補正量0%の規定長であり、2本線が補正量0%で印刷されたものであれば、図3(a)に示す2本線の間隔aと図3(b)に示す2本線の間隔bとの差cが搬送誤差となる。
【0029】
(2−2)現在の補正量A%で表示する場合
現在の補正量A%で表示する場合には、制御部104は同様に表示部102を制御し、図3(a)に示すように第1の線303を表示部102上に表示する。次に、制御部104は、
(規定長×(1+A/100))/LCDのドット間隔 …式(4)
の演算式を用いて現在の補正量A%の場合の規定長に相当する長さが何ドットの間隔であるかを算出する。次に、制御部104は表示部102を制御し、得られた規定長に相当するドット間隔をとって第2の線304を表示する。その際、図3(a)に示すように表示部102上に表示された第1の線303と第2の線304との間隔bは理論上の現在の補正量A%の規定長であり、2本線が現在の補正量A%で印刷されたものであれば、図3(a)に示す2本線の間隔aと図3(b)に示す2本線の間隔bとの差cが搬送誤差となる。
【0030】
(3)表示された線の移動
上述のように補正量0%や現在の補正量A%で表示した場合のいずれにおいても、図3(a)に示す第1線303、第2の線304のいずれか一方の線又は両方の線を上下方向に1ドットづつ移動できるように入力部101に移動手段を設けておく。例えば、キーボード上の所定のキー操作によって線の移動が可能なようにしたり、或いは入力部101のタッチパネル上にキーを配置してそのキー操作によって線の移動が可能なようにする。もちろん、これ以外の方法でも構わない。
【0031】
本実施形態では、例えば、図3(a)に示す2本の線のうち第2の線304を1ドットずつ移動できるようにし(第1の線303は固定)、ユーザは入力部101を操作して第2の304を上下方向に移動できるようにする。具体的には、ユーザは図3(b)に示す印刷結果の間隔aを見ながら、図3(a)に示す第2の線304を上下方向に移動させて表示された間隔bを印刷結果の間隔aに合うように調整する。
【0032】
その際、補正量0%で印刷された場合には、補正量0%で表示する場合と現在の補正量A%で表示する場合の例を説明するが、いずれの表示の場合においても、補正量0%で印刷された結果に対して第2の線304を移動させて、表示された間隔bを印刷結果の間隔aに合うように調整する。
【0033】
また、現在の補正量A%で印刷された場合にも、補正量0%で表示された場合と現在の補正量A%で表示された場合のいずれにおいても、表示された間隔bが現在の補正量A%の印刷結果の間隔aに合うように調整する。
【0034】
(4)補正量の決定方法
このようにして線の移動を行い、その後、線の移動完了の入力がなされると、制御部104は以下の処理により紙搬送誤差補正量を決定する。紙搬送誤差補正量の決定には以下の4通りの例を説明する。
【0035】
(4−1)現在の補正量A%で印刷し、補正量0%で表示する場合
制御部104は線の移動完了後の表示部102上に表示された第1の線303と第2の線304とのドット間隔をカウントする(カウント値をXとする)。
【0036】
また、制御部104は、(2−2)で説明した(規定長×(1+A/100))/LCDのドット間隔)で得られる現在の補正量A%の場合の規定長に相当するドット数を求めて不図示のメモリに記憶しておき(この値をYとする)、この値Yでカウント値Xを除して100を掛けて補正量が何%であるかを算出する。
【0037】
(4−2)現在の補正量A%で印刷し、現在の補正量A%で表示する場合
制御部104は同様に線の移動完了後の表示部102上に表示された第1の線303と第2の線304とのドット間隔をカウントする(カウント値X)。次いで、制御部104は(4−1)と同様に(規定長×(1+A/100))/LCDのドット間隔)で得られる現在の補正量A%の場合の規定長に相当するドット数を求めて不図示のメモリに記憶しておき(この値をY)、この値Yでカウント値Xを除して100を掛け、補正量が何%であるかを算出する。
【0038】
(4−3)補正量0%で印刷し、補正量0%で表示する場合
制御部104は同様に線の移動完了後の表示部102上に表示された第1の線303と第2の線304とのドット間隔をカウントする(値X)。次に、制御部104は、(2−1)で説明した(規定長/LCDのドット間隔)で得られる補正量0%の場合の規定長に相当するドット数を求めて不図示のメモリに記憶しておき(値Y)、この値Yで値Xを除して100を掛け、補正量が何%であるかを算出する。
【0039】
(4−4)補正量0%で印刷し、現在の補正量A%で表示する場合
制御部104は、同様に線の移動完了後の表示部102上に表示された第1の線303と第2の線304とのドット間隔をカウントする(値X)。次に、制御部104は(4−3)の場合と同様に(規定長/LCDのドット間隔)で得られる補正量0%の規定長に相当するドット数を求めて不図示のメモリに記憶しておき(値Y)、この値Yでカウント値Xを除して100を掛け、補正量が何%であるかを算出する。
【0040】
制御部104は補正量を算出すると、ハンディターミナルが現在持っている補正値を新たに算出した補正値に変更する。以後、制御部104は変更後の補正値を用いて図2に示す紙搬送機構の紙搬送量を補正する。
【0041】
本実施形態では、予め決められた規定長の間隔の2本線を印刷し、また、予め決められた規定長の間隔の2本線の間隔を表示し、表示された規定長の2点間の間隔を、印刷された規定長の2点間の間隔に合うように調整し、調整後の2点間の間隔に基づいて紙搬送誤差補正量を決定する。従って、表示された2本線の間隔を、印刷された2本線の間隔に合うように視覚的に調整するだけで補正量を決定でき、数字入力等の煩雑な操作が不要で、簡単に搬送誤差を調整することができる。また、補正結果も直感的に分かり、誰でも正確に補正することができ、余計な確認印刷等も不要となる。
【0042】
なお、以上の実施形態では、補正量が何%であるかを決定する場合には、上述のように4通りの方法を説明したが、(4−2)現在の補正量A%で印刷し、現在の補正量A%で表示する場合と、(4−3)補正量0%で印刷し、補正量0%で表示する場合とが線の移動が少なくて済むため、望ましい。
【0043】
また、2点間の間隔を印刷したり、2点間の間隔を表示する場合、2本線によって印刷、表示する例を示したが、本発明はこれに限ることはない。例えば、2本線のうち、いずれか一方又は両方を三角印、矢印等の記号等で印刷、表示する等、2点間の間隔の調整が可能であれば何でも構わない。また、(1)項では、規定長は1ステップ長で割り切れるものが望ましいが、割り切れない場合には最も近いステップ数とする。同様に、(2)項では、規定長は1ドット間隔で割り切れるものが望ましいが、割り切れない場合には最も近いドット間隔とする。
【0044】
なお、以上の実施形態の印刷装置はハードウェアによっても実現できるが、コンピュータをその情報処理システムとして機能させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現できる。また、以上の実施形態の紙搬送誤差補正方法は、ハードウェアによっても実現できるが、コンピュータにその方法を実行させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現できる。
【0045】
また、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限らない。
【0046】
(付記1)画面を表示する表示部と、印刷を行う印刷部とを有し、前記印刷部に紙を搬送しながら印刷を行う印刷装置であって、
前記表示部上に予め決められた規定長の間隔を表示させる間隔表示手段と、
前記印刷部を制御して前記予め決められた規定長の間隔を前記紙上に印刷させる間隔印刷手段と、
前記表示された規定長の間隔が前記印刷された規定長の間隔に合うように調整された調整後の間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出する補正量算出手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【0047】
(付記2)前記間隔表示手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、当該間隔を有する2本線又は所定記号によって表示し、前記間隔印刷手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、当該間隔を有する2本線又は所定記号によって印刷することを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
【0048】
(付記3)前記補正量算出手段は、前記調整後の間隔を前記表示部におけるドット間隔をカウントして算出し、且つ、前記予め決められた規定長に相当する間隔を前記表示部におけるドット間隔から算出し、前記算出された前記調整後のドット間隔と前記算出された規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出することを特徴とする付記1又は2に記載の印刷装置。
【0049】
(付記4)前記間隔印刷手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、予め持っている現在の所定補正量A%で印刷を行い、
前記補正量算出手段は、
前記調整後の間隔を、前記表示部におけるドット間隔をカウントすることによって算出する手段と、
前記現在の所定補正量A%の場合の前記規定長に相当する前記表示部におけるドット間隔を、
(規定長×(1+A/100))/表示部のドット間隔
によって算出する手段と、
前記算出された前記調整後のドット間隔と、前記算出された現在の所定補正量A%の場合の前記規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出する手段と、
を有することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【0050】
(付記5)前記間隔印刷手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、補正量0%の間隔で印刷を行い、
前記補正量算出手段は、
前記調整後の間隔を、前記表示部におけるドット間隔をカウントすることによって算出する手段と、
前記補正量0%の場合の前記規定長に相当する前記表示部におけるドット間隔を、
規定長/表示部のドット間隔
によって算出する手段と、
前記算出された前記調整後のドット間隔と、前記算出された補正量0%の場合の前記規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出する手段と、
を有することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【0051】
(付記6)画面を表示する表示部と、印刷を行う印刷部とを有し、前記印刷部に紙を搬送しながら印刷を行う印刷装置の紙搬送誤差補正方法であって、
間隔表示手段が、前記表示部上に予め決められた規定長の間隔を表示させる間隔表示ステップと、
間隔印刷手段が、前記印刷部を制御して前記予め決められた規定長の間隔を前記紙上に印刷させる間隔印刷ステップと、
補正量算出手段が、前記表示された規定長の間隔が前記印刷された規定長の間隔に合うように調整された調整後の間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出する補正量算出ステップと、
を含むことを特徴とする紙搬送誤差補正方法。
【0052】
(付記7)前記間隔表示手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、当該間隔を有する2本線又は所定記号によって表示し、前記間隔印刷手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、当該間隔を有する2本線又は所定記号によって印刷することを特徴とする付記6に記載の紙搬送誤差補正方法。
【0053】
(付記8)前記補正量算出手段は、前記調整後の間隔を前記表示部におけるドット間隔をカウントして算出し、且つ、前記予め決められた規定長に相当する間隔を前記表示部におけるドット間隔から算出し、前記算出された前記調整後のドット間隔と前記算出された規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出することを特徴とする付記6又は7に記載の紙搬送誤差補正方法。
【0054】
(付記9)前記間隔印刷ステップでは、前記予め決められた規定長の間隔を、予め持っている現在の所定補正量A%で印刷を行い、
前記補正量算出ステップでは、前記補正量算出手段が、
前記調整後の2点間の間隔を、前記表示部におけるドット間隔をカウントすることによって算出するステップと、
前記現在の所定補正量A%の場合の前記規定長に相当する前記表示部におけるドット間隔を、
(規定長×(1+A/100))/表示部のドット間隔
によって算出するステップと、
前記算出された前記調整後のドット間隔と、前記算出された現在の所定補正量A%の場合の前記規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出するステップと、
を含むことを特徴とする付記6乃至8のいずれか1項に記載の紙搬送誤差補正方法。
【0055】
(付記10)前記間隔印刷ステップでは、前記予め決められた規定長の間隔を、補正量0%の間隔で印刷を行い、
前記補正量算出ステップでは、前記補正量算出手段が、
前記調整後の間隔を、前記表示部におけるドット間隔をカウントすることによって算出するステップと、
前記補正量0%の場合の前記規定長に相当する前記表示部におけるドット間隔を、
規定長/表示部のドット間隔
によって算出するステップと、
前記算出された前記調整後のドット間隔と、前記算出された補正量0%の場合の前記規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出するステップと、
を含むことを特徴とする付記6乃至8のいずれか1項に記載の紙搬送誤差補正方法。
【0056】
(付記11)付記1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置を有することを特徴とするハンディターミナル。
【0057】
(付記12)コンピュータを、付記1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置として機能させるためのプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、用紙を搬送しながら印刷を行う印刷装置に使用でき、特に、プリンタ内蔵ハンディターミナルやプリンタ内蔵レジスタ等の用紙搬送誤差の補正に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0059】
101 入力部
102 表示部
103 印字部
104 制御部
201 用紙(ロール紙)
202 テンションローラ
203 プラテンローラ
204 印字ヘッド
205 カッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を表示する表示部と、印刷を行う印刷部とを有し、前記印刷部に紙を搬送しながら印刷を行う印刷装置であって、
前記表示部上に予め決められた規定長の間隔を表示させる間隔表示手段と、
前記印刷部を制御して前記予め決められた規定長の間隔を前記紙上に印刷させる間隔印刷手段と、
前記表示された規定長の間隔が前記印刷された規定長の間隔に合うように調整された調整後の間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出する補正量算出手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記間隔表示手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、当該間隔を有する2本線又は所定記号によって表示し、前記間隔印刷手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、当該間隔を有する2本線又は所定記号によって印刷することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記補正量算出手段は、前記調整後の間隔を前記表示部におけるドット間隔をカウントして算出し、且つ、前記予め決められた規定長に相当する間隔を前記表示部におけるドット間隔から算出し、前記算出された前記調整後のドット間隔と前記算出された規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記間隔印刷手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、予め持っている現在の所定補正量A%で印刷を行い、
前記補正量算出手段は、
前記調整後の間隔を、前記表示部におけるドット間隔をカウントすることによって算出する手段と、
前記現在の所定補正量A%の場合の前記規定長に相当する前記表示部におけるドット間隔を、
(規定長×(1+A/100))/表示部のドット間隔
によって算出する手段と、
前記算出された前記調整後のドット間隔と、前記算出された現在の所定補正量A%の場合の前記規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出する手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記間隔印刷手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、補正量0%の間隔で印刷を行い、
前記補正量算出手段は、
前記調整後の間隔を、前記表示部におけるドット間隔をカウントすることによって算出する手段と、
前記補正量0%の場合の前記規定長に相当する前記表示部におけるドット間隔を、
規定長/表示部のドット間隔
によって算出する手段と、
前記算出された前記調整後のドット間隔と、前記算出された補正量0%の場合の前記規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出する手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
画面を表示する表示部と、印刷を行う印刷部とを有し、前記印刷部に紙を搬送しながら印刷を行う印刷装置の紙搬送誤差補正方法であって、
間隔表示手段が、前記表示部上に予め決められた規定長の間隔を表示させる間隔表示ステップと、
間隔印刷手段が、前記印刷部を制御して前記予め決められた規定長の間隔を前記紙上に印刷させる間隔印刷ステップと、
補正量算出手段が、前記表示された規定長の間隔が前記印刷された規定長の間隔に合うように調整された調整後の間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出する補正量算出ステップと、
を含むことを特徴とする紙搬送誤差補正方法。
【請求項7】
前記間隔表示手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、当該間隔を有する2本線又は所定記号によって表示し、前記間隔印刷手段は、前記予め決められた規定長の間隔を、当該間隔を有する2本線又は所定記号によって印刷することを特徴とする請求項6に記載の紙搬送誤差補正方法。
【請求項8】
前記補正量算出手段は、前記調整後の間隔を前記表示部におけるドット間隔をカウントして算出し、且つ、前記予め決められた規定長に相当する間隔を前記表示部におけるドット間隔から算出し、前記算出された前記調整後のドット間隔と前記算出された規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の紙搬送誤差補正方法。
【請求項9】
前記間隔印刷ステップでは、前記予め決められた規定長の間隔を、予め持っている現在の所定補正量A%で印刷を行い、
前記補正量算出ステップでは、前記補正量算出手段が、
前記調整後の2点間の間隔を、前記表示部におけるドット間隔をカウントすることによって算出するステップと、
前記現在の所定補正量A%の場合の前記規定長に相当する前記表示部におけるドット間隔を、
(規定長×(1+A/100))/表示部のドット間隔
によって算出するステップと、
前記算出された前記調整後のドット間隔と、前記算出された現在の所定補正量A%の場合の前記規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出するステップと、
を含むことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の紙搬送誤差補正方法。
【請求項10】
前記間隔印刷ステップでは、前記予め決められた規定長の間隔を、補正量0%の間隔で印刷を行い、
前記補正量算出ステップでは、前記補正量算出手段が、
前記調整後の間隔を、前記表示部におけるドット間隔をカウントすることによって算出するステップと、
前記補正量0%の場合の前記規定長に相当する前記表示部におけるドット間隔を、
規定長/表示部のドット間隔
によって算出するステップと、
前記算出された前記調整後のドット間隔と、前記算出された補正量0%の場合の前記規定長に相当するドット間隔に基づいて前記印刷部の紙搬送誤差補正量を算出するステップと、
を含むことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の紙搬送誤差補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−20474(P2012−20474A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159815(P2010−159815)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】