説明

印刷装置

【課題】ベルトの位置ずれを機械的に防止する機構を設けることなく簡単且つ確実にベルトを規定のセンタリング位置に維持し、ベルトの位置ずれによる破損等を確実に防止できる。
【解決手段】ベルト搬送機構により周回駆動されるベルトをセンタリング位置に調整するベルト位置調整処理部142を設けたことを特徴とする。このため、ベルト搬送機構は、ベルトの張力を可変する張力制御機構とベルトを周回方向に直向する方向に移動させる位置補正機構を備え、ベルト位置を規定のセンタリング位置に調整した後に、ベルト張力及びベルト速度を直線的に回復させ、位置調整により生じたベルトの歪を除去する。ベルト位置調整処理部142は、ベルト位置の調整処理を、電源投入時、電源投入後の印刷ジョブの開始時、コマンド又はスイッチ操作で補正指示を受けた時等に、ベルト位置調整処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真記録の印刷機能を備えた複数の静電記録ユニットによる異なるカラー画像の重ね合せ転写によりフルカラーの画像を印刷する印刷装置に関し、特に、複数の静電記録ユニットによるカラートナーの現像量と消費量を適切に管理するための印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真記録を用いたカラー印刷装置は、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色の静電記録ユニットを、記録紙の搬送方向にタンデム配置している。4色の静電記録ユニットは、感光ドラムを画像データに基づいて光学的に走査して潜像を形成し、この潜像を現像器のカラートナーによって現像した後に、一定速度で搬送される記録紙上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の順番に重ね合せて転写し、最終的に定着器を通して加熱定着等を行う。
【0003】
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の静電記録ユニットは、カラートナーがなくなった場合に、ユニット全体又はユニットの一部を交換する必要がある。このため静電記録ユニットは、装置カバーを開いた状態で簡単に着脱できる構造を備えている。
【特許文献1】特開平8−166700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなYMCKの静電記録ユニットを記録紙の搬送方向にタンデム配置した構造のカラー印刷装置にあっては、YMCKの各カラートナーが規定量収納されたトナーユニットをセットして印刷動作を行っているが、印字動作で消費されるトナー量は、各カラー毎に相違する。これは印刷カラー画像の内容によって使用するカラートナー成分が喪失することに起因している。
【0005】
またカラー画像の印刷で使用するカラートナーの消費割合が同じであったとしても、YMCKの静電記録ユニットにおけるトナー現像量にばらつきがあり、結果としてカラー毎にトナー消費量が変わることになる。
【0006】
このため消費量の多いカラートナーが現像不能な規定残量以下に低下した場合、現像に必要な十分な残量の他のカラートナーについても、トナーカートリッジを新品と交換しなければならず、トナー寿命が短くなり、その分、運用コストが高くなる問題があった。
【0007】
一方、YMCKの静電記録ユニットを記録紙の搬送方向にタンデム配置した構造のカラー印刷装置にあっては、無端ベルトの表面に記録紙を吸着して搬送しながらYMCKの静電記録ユニットによる現像カラートナーの転写を行っているが搬送ベルトは用紙サイズを越える大きな幅をもっており、ローラで周回駆動している間に、ベルトの撓みや張力の偏り等で、僅かずつ搬送方向に直向する横方向にずれを起こす。
【0008】
このベルトずれを放置していると、ベルトが感光ドラムの転写位置から外れたり、ベルト端面が装置内部に接触して破損を起す問題がある。そこで、ローラ端部にフランジを形成してベルトの移動を抑止する構造も考えられるが、一度、ベルトが偏りを起こし始めると、ベルトの幅が広いためにフランジがあっても偏りは抑えることができず、ベルト破損に至る問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、複数のカラートナーの消費を適切に制御してトナー寿命を可能な限り長くでき、また使用中におけるベルトの位置ずれを簡単に調整できるようした印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
図1は本発明の原理説明図である。本発明の印刷装置は、図1(A)のように、ベルト12による記録紙の搬送方向に配列され、ドラムモータ15により一定速度で回転する感光ドラム32に対する光学的な走査で画像データに応じた潜像を形成し、異なるカラーのトナー成分、例えばYMCKの4色のカラートナーで現像した後にベルト12上の記録紙に転写する複数の静電記録ユニット24とベルトモータ25によるプーリ22の駆動でベルト12(無端ベルト)を一定速度で周回させ、ベルト12上に吸着された記録紙を一定速度で搬送する搬送ベルト機構11とを備える。
【0011】
(カラートナーの管理)
このような印刷装置につき本発明にあっては、図1(B)のように、トナー現像量検出部126が、電源投入時、電源投入後の印刷ジョブの開始時、コマンド又はスイッチ操作で補正指示を受けた時等に、複数の静電記録ユニット24を作動してベルト12上にYMCKの各カラー成分のトナーマークを転写する。トナー現像量補正部128は、センサで光学的に検出したベルト12上の各カラー成分のトナーマークの検出信号に基づいて各カラートナーの単位面積当りのトナー現像量を検出する。
【0012】
そして、トナー現像量補正部128は、検出されたトナー現像量に基づいて複数の静電記録ユニットのトナー消費量が同程度となるようにトナー現像量を補正する。このような本発明のカラートナーの管理によれば、YMCKの異なるカラートナーの消費量が、印刷画像の色合いやトナー現像量のばらつき等で変化しても、装置使用中を通じて常に各カラートナーの消費量が同程度となるように調整され、特定のカラートナーが規定量以下に低下してトナー交換が必要となった場合、他のカラートナーも同程度の残量となっており、全てのカラーのトナーカートリッジを新品に交換しても無駄はほんどない。
【0013】
また1つカラートナーの交換要求に伴って全てカラートナーを交換するため、特定のカラーのトナーカートリッジの交換後に続いて別のカラートナーが交換要求が短い期間に出されることがなく、トナー交換作業の繁雑さを解消できる。トナー現像量補正部128は、トナー現像量検出部126で検出された各カラー成分のトナー現像量の中から最小現像量を選択し、この最小現像量となるように他のカラー成分のトナー現像量を補正する。このためトナー消費量が消費量の最も少ないカラートナーとなるように他のカラートナーの現像量が調整され、その結果、カラートナーの全体としての交換寿命を長くすることができる。
【0014】
トナー現像量補正部128によるトナー現像量の補正は、次のいずれか又はその組合せとする。
(a) 静電記録ユニット24の現像ローラに印加している現像バイアス電圧の直流成分電圧を可変することによりトナー現像量を補正する。
(b) 静電記録ユニット24の現像ローラに印加している現像バイアス電圧の交流成分電圧を可変することによりトナー現像量を補正する。
(c) 静電記録ユニット24の現像ローラに印加している現像バイアス電圧の交流成分周波数を可変することによりトナー現像量を補正する。
(d) 静電記録ユニット24における感光ドラムと現像ローラの周速度の比率を可変することによりトナー現像量を補正する。
5静電記録ユニット24に設けたLEDアレイの発光時間を可変することによりトナー現像量を補正する。
(e) 静電記録ユニットに設けたLEDアレイの発光パワーを可変することによりトナー現像量を補正する。
【0015】
更に、本発明の印刷装置は、複数の静電記録ユニット24における印刷時のトナー消費量を検出するトナー消費量検出部134と、検出したトナー消費量に基づいて現在のトナー残量を求め、トナー残量が規定値以下となったときにトナー交換の要求指示を行うトナー残量管理部136を備える。このトナー交換要求は、特定のカラートナーについて行われるものであるが、本発明は、全てのカラートナーの消費量を同程度とするようにトナー現像量の補正が行われているため、このトナー交換要求に対しては全てのカラーのトナーカートリッジを交換する。
【0016】
トナー消費量検出部134は、複数の静電記録ユニット24に設けた感光ドラムの回転時間Tと用紙1枚当りの印字画素数Nに基づいてトナー消費量Qを算出する。即ち、用紙サイズと解像度で決まる全画素数Nmaxに対する印字画素数Nの比率(N/Nmax)からドラム回転時間Tに対するトナー消費量の減少割合Kを求め、この減少割合Kに応じてトナー消費量Qを各カラー成分毎に算出する。
【0017】
更に、トナー残量管理部136で求めた各カラー成分の内の最大のトナー残量につき、対応する静電記録ユニットで強制的にトナーを消費させて他のカラー成分のトナー残量と同等レベルに補正するトナー強制消費部140を設ける。印刷画像の種別によっては、消費するカラートナーが偏る場合があり、この場合にはトナー現像量の補正では全てのカラートナーの消費量を同程度とすることはできない。
【0018】
そこで、トナー消費量の最も少ないトナー、即ち残量が最大となっているカラートナーについては、強制的にトナーを消費されて他のカラートナーと同程度の残量を維持できるようにする。トナーの強制的な消費としては感光ドラムにトナー像を現像するが用紙には転写せず、未転写トナーとして感光ドラムから回収することで消費させる。
【0019】
(ベルト位置の調整)
本発明の印刷装置は、更に、ベルト搬送機構11により周回駆動されるベルト12をセンタリング位置に調整するベルト位置調整処理部142を設けたことを特徴とする。このため、ベルト搬送機構11は、ベルト12の張力を可変する張力制御機構とベルト12を周回方向に直向する方向に移動させる位置補正機構を備える。
【0020】
これに対応してベルト位置調整処理部142は、複数の静電記録ユニット24の印刷動作の休止期間に、張力制御機構の制御でベルト張力を下げ且つベルト搬送速度を印刷時の搬送速度より低い所定の補正速度に減速した状態で、位置補正機構を制御してベルト位置を規定のセンタリング位置に調整する。ベルト位置調整処理部142は、ベルト位置を規定のセンタリング位置に調整した後に、ベルト張力及びベルト速度を直線的に回復させ、位置調整により生じたベルト12の歪を除去する。ベルト位置調整処理部142は、ベルト位置の調整処理を、電源投入時、電源投入後の印刷ジョブの開始時、コマンド又はスイッチ操作で補正指示を受けた時等に、ベルト位置調整処理を行う。
【0021】
このようなベルト位置の調整機能を設けたことで、ベルトの位置ずれを機械的に防止する機構を設けることなく簡単且つ確実にベルトを規定のセンタリング位置に維持し、ベルトの位置ずれによる破損等を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明してきたように本発明によれば、YMCKの異なるカラートナーの消費量が印刷画像の種類やトナー現像量のばらつきなどで変化しても、装置の使用中を通じて常に各カラートナーの消費量が同程度となるように調整され、特定のカラートナーが規定量以下に低下してトナー交換が必要となった場合、他のカラートナーも同程度の残量となっており、全てのカラーのトナーカートリッジを新品に交換してもほとんど無駄を生ずることはない。
【0023】
また特定のカラートナーの交換要求に伴って全てのカラーのトナーカートリッジを交換しているため、特定のカラートナーしか交換しなかった場合に、続いて別のカラートナーの交換要求が短い期間に出されてトナー交換作業が繁雑となる問題を解消できる。更にトナー現像量を実際にトナーマークを転写して検出し、検出したトナー現像量の中から最小現像量を選択し、最小現像量となるように他のカラー成分のトナー現像量を補正しているため、トナー消費量が最も少ないカラートナーに合わせるように他のカラートナーの消費量が調整され、その結果、カラートナー全体としての交換寿命を長くすることができる。
【0024】
更に本発明にあっては、印刷休止期間についてベルトをセンタリング位置に調整する調整機能を設けたことで、ベルトの位置ずれを機械的に防止するような機構を設ける必要がなく、また機械的な位置ずれ防止の際のベルト位置ずれによる破損を確実に防止でき、印刷装置の長期間に亘る安定した運用を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
<目次>
1.装置の構造
2.ハードウェア構成と機能
3.カラートナーの管理
4.ベルト位置の調整処理

1.装置の構造
図2は本発明の印刷装置の内部構造である。装置本体10の内部には記録媒体例えば記録用紙を搬送させるための搬送ベルトユニット11が設けられ、搬送ベルトユニット11には過透性の誘電体材料、例えば適当な合成樹脂材料から作られた無端ベルト12を回動自在に備える。無端ベルト12は4つのローラ22−1,22−2,22−3,22−4の回りに掛け渡される。搬送ベルトユニット11は装置本体10に対し着脱自在に装着されている。
【0026】
ローラ22−1は駆動ローラとして機能し、駆動ローラ22−1はギアトレイン(図示せず)を介してベルトモータ25を連結しており、無端ベルト12を矢印で示す時計回りに一定速度で走行駆動する。また駆動ローラ22−1は、無端ベルト12から電荷を除去するAC除去ローラとしても機能する。ローラ22−2は従動ローラとして機能し、従動ローラ22−2は無端ベルト12に電荷を与える帯電ローラとしても機能する。
【0027】
ローラ22−3,22−4は共にガイドローラとして機能し、駆動ローラ22−1及び従動ローラ22−2に近接して配置される。従動ローラ22−2と駆動ローラ22−1の間の無端ベルト12の上側走行部は、記録紙の移動経路を形成する。記録紙はホッパ14に蓄積されており、ピックアップローラ16によりホッパ14の最上部の記録紙から1枚ずつ繰り出され、記録紙ガイド通路18を通って一対の記録紙送りローラ20により無端ベルト12の従動ローラ22−2側からベルトA側の記録紙移動経路に導入され、記録紙移動経路を通過した記録紙は駆動ローラ22−1から排出される。
【0028】
無端ベルト12は従動ローラ22−2により帯電されるため、記録紙が従動ローラ22−2側から記録紙移動経路に導入されたとき無端ベルト12に静電的に吸着され、移動中の記録紙の位置ずれが防止される。一方、排出側の駆動ローラ22−1は除電ローラとして機能するため、無端ベルト12は駆動ローラ22−1に接する部分において電荷が除去される。このため記録紙は、駆動ローラ22−1を通過する際に電荷が除去され、ベルト下部に巻き込まれることなく無端ベルト12から容易に剥離されて排出される。
【0029】
更に、搬送ベルトユニット11には、後の説明で明らかにするように、無端ベルト12の搬送方向に直向する方向の位置ずれを補正するため位置補正機構が設けられている。装置本体10内にはY,M,C,Kの4台の静電記録ユニット24−1,24−2,24−3,24−4が設けられ、無端ベルト12の従動ローラ22−2と駆動ローラ22−1との間に規定されるベルト上側の記録紙移動経路に沿って、上流から下流側に向かってY,M,C,Kの順番に直列に配置されたタンデム構造を有する。
【0030】
静電記録ユニット24−1,24−2,24−3,24−4は、感光ドラムを駆動するドラムモータ15−1〜15−4を各々備え、現像剤としてイエロートナー成分(Y)、マゼンタトナー成分(M)、シアントナー成分(C)、及びブラックトナー成分(K)を使用する点が相違し、それ以外の構造は同じである。このため静電記録ユニット24−1〜24−4は、無端ベルト12の上側の記録紙移動経路に沿って移動する記録紙上にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像を順次重ねて転写記録し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0031】
更に本発明にあっては、静電記録ユニット24−1〜24−4のカラートナー成分は、消費量が同程度となるように調整される。
【0032】
図3は図2の静電記録ユニット24−1〜24−4の1つを取り出している。静電記録ユニット24は感光ドラム32を備え、記録動作時に感光ドラム32は時計回りに回転駆動される。感光ドラム32の上方には例えばコロナ帯電器あるいはスコロトロン帯電器等として構成された前帯電器34が配置され、前帯電器34により感光ドラム32の回転表面は一様な電荷で帯電される。
【0033】
感光ドラム32の帯電領域には光学書込ユニットとして機能するLEDアレイ36が配置され、LEDアレイ36のスキャニングで出射された光によって静電潜像が書き込まれる。即ち、LEDアレイ36の主走査方向に配列された発光素子は、コンピュータやワードプロセッサ等から印刷情報として提供される画像データから展開した画素データ(ドットデータ)の階調値に基づいて駆動され、このため静電潜像はドットイメージとして書き込まれる。
【0034】
感光ドラム32に書き込まれた静電潜像は、感光ドラム20の上方に配置されている現像器40により所定のカラートナーによる帯電トナー像として静電的に現像される。感光ドラム20の帯電トナー像は、下方に位置した導電性転写ローラ42によって記録紙に静電的に転写される。即ち静電性転写ローラ42は、無端ベルト12を介して感光ドラム32との間に微小な隙間を介して配置され、無端ベルト12により搬送される記録紙に帯電トナー像とは逆極性の電荷を与え、これにより感光ドラム32上の帯電トナー像は記録紙上に静電的に転写される。
【0035】
転写プロセスを経て感光ドラム32の表面には、記録紙に転写されずに残った残留トナーが付着している。この残留トナーは感光ドラム32に対し、記録紙移動経路の下流側に設けられたトナー清浄器43により除去される。除去された残留トナーはスクリューコンベア38により現像器40に戻される。本発明のトナー管理にあっては、YMCKのトナー残量を同程度とするため、トナー残量が最大のトナーにつき強制的に消費させる処理を行う。このトナー強制消費は、感光ドラム32にカラートナーを現像した後、導電性転写ローラ42による記録紙側への転写を行わず、全て残留トナーとしてトナー清浄器43により除去する。
【0036】
再び図2を参照するに、記録紙は無端ベルト12の従動ローラ22−2から駆動ローラ22−1の間の記録紙移動経路を通過する際に、静電記録ユニット24−1〜24−4によってY,M,C,Kの4色のトナー像の重ね合せによる転写を受けてフルカラー像が形成され、駆動ローラ22−1側からヒートローラ型熱定着装置26に向かって送り出され、フルカラー像の記録用紙に対する熱定着が行われる。熱定着が済んだ記録用紙は、ガイドローラを通過して装置本体の上部に設けられたスタッカ28に配置されて集積される。
【0037】
無端ベルト12の下側のベルト面に対しては、ベルト移動方向に直向する方向に一対のセンサ30−1,30−2が設置されており、図2の状態では手前のセンサ30−1のみが見える。このセンサ30−1,30−2は、無端ベルト12上に転写したトナーマークを光学的に読み取ってトナー現像量を検出するために使用される。
【0038】
図4は図2の装置本体10の内部に設けている搬送ベルトユニット11の取出状態と、搬送ベルトユニット11に設けている静電記録ユニット24−1〜24−4の着脱構造である。まず装置本体10の上部には、左側を支点に開閉自在なカバー54が設けられている。装置本体10内にはフレーム55が配置され、フレーム55の上部2箇所にピン56を配置している。
【0039】
これに対し上部に取り出して示している搬送ベルトユニット11の側面には、装置本体10側のフレーム55に相対するフレーム58が設けられ、フレーム58のピン56に相対する位置にはピン穴が開けられている。このため、カバー54を開いて搬送ベルトユニット11を上方に引き上げることで、装置本体10側のピン56から上方に抜き出すことができる。
【0040】
搬送ベルトユニット11に装着された静電記録ユニット24−1〜24−4は、側面両側に配置している取付板51の上部に開いた取付溝52に対し、静電記録ユニット24−1〜24−4の側面に装着したピン50を嵌め入れることで取り付けている。取付溝52は、上部のV字型に開いた部分に続いて下側にピン50と同程度の幅を持つストレート溝を形成しており、ピン50を取付溝52に合わせて下側に押し込むことで、搬送ベルトユニット11上の所定位置に正確に位置決めできる。また現像記録ユニット24−1〜24−4にトナーを補給したり保守を行いたい場合には、例えば静電記録ユニット24−3のように、上方に引き上げることで容易に外すことができる。
【0041】
2.ハードウェア構成と機能
図5は本発明の印刷装置のハードウェア構成のブロック図である。本発明のハードウェアは、エンジン部60とコントローラ部62で構成される。エンジン部60には、図2に示した搬送ベルトユニット11、静電記録ユニット24−1〜24−4等の印刷機構部の制御動作を行うメカニカルコントローラ64が設けられている。
【0042】
メカニカルコントローラ64に対しては、本発明によるトナー管理処理とベルト位置調整処理を実行するセンサ処理用MPU66が設けられる。センサ処理用MPU66に対しては、無端ベルト12の下部に設置している一対のセンサ30−1,30−2からの検出信号がADコンバータ68−1,68−2を介して入力されている。
【0043】
メカニカルコントローラ64は、エンジン部コネクタ70を介してコントローラ62側と接続される。なお、エンジン部60に設けた印刷機構は、無端ベルト12とY,M,C,Kの各静電記録ユニットに設けているLEDアレイ36−1,36−2,36−3,36−4を取り出して示している。コントローラ部62にはコントローラ用MPU72が設けられる。コントローラ用MPU72に対しては、インタフェース処理部74及びコントロール部コネクタ76を介して上位装置としての例えばパーソナルコンピュータ92が接続される。パーソナルコンピュータ92は、任意のアプリケーションプログラム94から提供されるカラー画像データを印刷処理するためのドライバ96を備え、ドライバ96をパソコン部コネクタ98を介してコントローラ部62のコントロール部コネクタ76に接続している。
【0044】
コントローラ部62のコントロール用MPU72には、パーソナルコンピュータ92から転送されたY,M,C,Kの各画像データを画素データ(ドットデータ)に展開して格納する画像メモリ82−1,82−2,82−3,82−4が設けられる。一方、コントローラ用MPU72は、インタフェース処理部78及びコントローラ部コネクタ80を介してエンジン部60に接続される。
【0045】
コントローラMPU72は、画像メモリ82−1〜82−4に各カラー画素データを展開する際に、アドレス指定を行うためアドレス指定部84を備える。画像メモリ82−1〜82−4に続いては解像度変換部88が設けられる。解像度変換部88にはY,M,C,Kに対応してバッファメモリ90−1,90−2,90−3,90−4が設けられている。
【0046】
解像度変換部88は、画像メモリ82−1〜82−4から読み出した画素データをLEDアレイ36−1〜36−4における副走査方向(用紙搬送方向)で分解して2つの高分解能画素データに変換する。例えば、画像メモリ82−1〜82−4で展開された際の分解能が主走査方向600dpi、副走査方向600dpiであったとすると、解像度変換部80において主走査方向は600dpiであるが、副走査方向については1200dpiの高解像度画素データに変換される。
【0047】
図5の解像度変換部88に設けているバッファメモリ90に対する高解像度画素データの変換処理は、図6のようになる。
【0048】
図6(A)は画像メモリ82のメモリ領域の一部であり、主走査方向xの1画素領域116ごとに画素データを展開しており、副走査方向yについても同じ1画素領域118となっている。例えば主走査方向xの解像度は600dpiであり、副走査方向yについても解像度は同じく600dpiとなっている。
【0049】
このような画像メモリ82の画素データについて、解像度変換部88に設けているバッファメモリ90は、図6(B)のように高解像度画素データに変換する。バッファメモリ90のメモリ空間は、主走査方向xについては図6(A)の画像メモリ82と同じ1画素領域116に1つの画素データを格納した600dpiとなっている。
【0050】
これに対し副走査方向yについては、1画素領域118を第1スキャンデータ領域120と第2スキャンデータ領域122の2つに分け、図6(A)の画像メモリ82から読み出した1つの画素データを2つに分解した高解像度画素データとして格納している。このためバッファメモリ90における副走査方向yの解像度は、画像メモリ82の600dpiの整数倍、例えば2倍の1200dpiに変換されている。尚、副走査方向の解像度は必要に応じて3倍、4倍と任意の整数倍とできる。
【0051】
3.カラートナーの管理
図7は本発明の印刷装置におけるYMCKの4色のカラートナーを管理するための処理機能のブロック図であり、図5に示したエンジン部60のセンサ処理用MPU66により実現される。
【0052】
図7のカラートナー管理機能を備えたセンサ処理用MPU66にあっては、YMCKの各トナー消費量を検出し、このトナー消費量からその時点でのトナー残量を求め、トナー残量が現像不能となる所定量以下となったときにトナー補給のための交換要求を行うようにしている。またYMCKのカラートナーの消費量を同程度に抑えるため、印刷動作の休止期間において無端ベルト12上にYMCKの静電記録ユニット24−1〜24−4によって各カラーのトナーマークを転写し、ベルト上のトナーマークをセンサで光学的に検出してトナー現像量を求め、複数カラーのトナー現像量のうち最も現像量の少ないトナー量となるように他のトナー現像量を補正する処理を行っている。
【0053】
センサ処理用MPU66においてトナー消費量の検出とトナー残量の管理は、ドラム回転時間測定部130、印字画素数検出部132、トナー消費量検出部134、トナー残量管理部136、トナー補給要求表示部138及びトナー強制消費部140で行っている。またYMCKの各カラートナーの現像量の検出と補正は、トナーマーク転写部124、センサ30、トナー現像量検出部126及びトナー現像量補正部128により行っている。更に本発明の印刷装置にあっては、印刷動作の休止期間に搬送ベルトユニット11に設けている無端ベルト12の位置調整を行うため、メカニカルコントローラ64にベルト位置調整処理部142としての機能を設けている。
【0054】
図8は図7に示した本発明の印刷装置におけるトナー管理とベルト位置調整処理を含む全体的な処理動作のフローチャートである。まずステップS1で、装置電源の投入に伴い所定の初期化処理が行われる。続いてステップS2で、図5に示したパーソナルコンピュータ92などの上位装置からの印刷要求の有無をチェックしており、印刷要求を受けるとステップS3に進み、そのとき上位装置から転送された画像データに基づいた印刷動作を行う。ステップS3の印刷処理が済むとステップS4に進み、トナー管理処理を行う。このトナー管理処理は
(a)トナー消費量の検出と補給判定
(b)トナー現像量の検出と補正の2つを行う。
【0055】
続いてステップS5に進み、ベルト位置修正処理を行う。ステップS6で装置停止要求がなければ、再びステップS2に戻り、次の印刷要求を待つ。装置停止要求があれば、ステップS7で所定の停止処理を行った後、電源オフ操作に基づき装置電源を停止する。
【0056】
まず図8のステップS4のトナー管理処理の中のトナー消費量の検出とトナー補給判定を説明する。このトナー消費量の検出とトナー補給判定は、図7のセンサ処理用MPU66に設けているドラム時間測定部130、印字画素数検出部132、トナー消費量検出部134、トナー残量管理部136及びトナー補給要求表示部138により行われ、更にトナー強制消費部140による機能が加わる。
【0057】
図9は図7のトナー消費量検出部134によるトナー消費量の検出原理である。本発明のトナー消費量の検出は、YMCKの静電記録ユニット24−1〜24−4における各カラートナーの使用量が、カラートナーにより現像を行う感光ドラムのドラム回転時間Tに応じて増加する関係にあることから、まずドラム回転時間測定部130で印刷動作に伴うドラム回転時間Tを測定している。
【0058】
またトナー消費量は、記録紙の印字最大画素数Nmaxに対し実際に印字した印字画素数Nの割合(N/Nmax)によって変わることから、印字画素数検出部132で印刷時の印字画素数Nを検出してトナー消費量の算出にパラメータとして導入している。即ち図9はドラム回転時間Tに対するトナー残量Qの変化であり、この例にあっては、全印字画素数Nmaxに対する統計的に求めた印字画素数Nの割合(N/Nmax)のドラム回転時間Tに対するトナー残量Qを直線144を与える傾きKとして設定している。この直線144の標準特性に対し印字画素数が予め定めた範囲で増減した場合について、直線145による傾き(K−α)と直線146の傾き(K+α)の2つを設定している。
【0059】
ここで最大印字画素数Nmaxとしては、本発明の印刷装置にあっては、例えば静電記録ユニット24−1〜24−4に設けているLEDアレイの走査方向を主走査方向とした場合に600dpiであり、ベルト搬送方向となる副走査方向についても例えば600dpiであることから、印刷時の用紙サイズが決まれば、その用紙上の有効印刷領域の面積に単位面積当たりの画素数を乗ずることで、一義的に最大印字画素数Nmaxを求めることができる。
【0060】
そして印刷時にYMCKの画像メモリ84−1〜84−4に展開された画素データの中のLED発光駆動を行う有効な画素データを格納している数、即ち印字画素数Nを印字画素数検出部132で検出し、トナー消費量検出部130において両者の比率(N/Nmax)を求め、図9の該当する直線144,145,146のいずれか1つを選択して、そのときのドラム回転時間Tからトナー消費量を算出することができる。
【0061】
トナー消費量検出部134でドラム回転時間Tとそのときの印字画素数NからYMCKの各カラートナーごとのトナー消費量Qyu,Qmu,Qcu,Qkuが検出できたならば、トナー残量管理部136でYMCKのカラートナーごとの現在のトナー残量Qy,Qm,Qc,Qkを求める。即ち、前回までのトナー残量から今回検出したトナー消費量を減算して今回のトナー残量を求めればよい。
【0062】
トナー残量管理部136にあっては、トナー残量を算出するごとに予め定めた現像ができなくなる最低トナー残量となる閾値Qthと比較しており、いずれかのトナー残量が閾値Qth以下となった場合にはトナー補給要求表示部138により、オペレータに対し全てのカラートナーの補給要求を表示する。通常、トナーは所定量例えば600gの収納量をもつトナーカートリッジに収納されており、トナー補給要求表示に対し、図4に示したようにYMCKの静電記録ユニット24−1〜24−4を取り出し、それぞれに設けているトナーカートリッジを新品と交換すればよい。
【0063】
このように特定のカラートナーの残量が閾値Qth以下となったとき、他のカラートナーには現像可能な量のトナーが残っているが、本発明にあっては、装置の使用中において全てのカラートナーのトナー残量が同程度となるようにトナー現像量の検出結果に基づく補正を行っているため、特定のカラートナーについてトナー残量が閾値Qth以下となったとき他のカラートナーも閾値Qthに近い残量にあり、トナー補給要求の表示に対し全てのカラーのトナーカートリッジを交換しても、トナー残量が多すぎて無駄に捨ててしまうような事態を十分に回避できる。
【0064】
このように印刷装置の使用中における全カラートナーの使用量を同程度に調整するため、トナーマーク転写部124によって印刷動作の休止期間に無端ベルト上にYMCKのトナーマークを転写し、このトナーマークをセンサ30で光学的に検出してトナー現像量検出部126で各トナー成分の現像量を検出し、トナー現像量補正部128で、検出したトナー現像量の最小値のトナー現像値となるように他のカラートナーの現像量を補正する処理を行っている。
【0065】
図10は図7のトナーマーク転写部124により無端ベルト12上に転写されたトナーマークである。即ち、センサ処理用MPU66のトナーマーク転写部124は、図8のステップS3の印刷処理が終了した印刷動作の休止タイミングにおいて、トナーマーク転写部124によりYMCKの静電記録ユニット24−1〜24−4により図10のような黒用トナーマーク150K、シアン用トナーマーク150C、マゼンタ用トナーマーク150M、及びイエロー用トナーマーク150Yを、例えば無端ベルト12の両サイドに複数個連続的に転写する。このように無端ベルト12上に転写されたトナーマークは、センサ30で光学的に検出される。
【0066】
図11は図7のセンサ30の実施形態である。センサ30は無端ベルト12に対し入射角θ1の方向に発光素子100を配置し、発光素子100からの光を結像レンズ102で集光して無端ベルト12上にビームスポットを結像している。このビームスポットに対する出射角θ2の方向には、集光レンズ104、スリット105を介して受光素子106が配置される。
【0067】
ここで発光素子100の入射角θ2は、例えば45°〜75°の範囲で最適な反射光量が得られるように決める。このセンサ30は、静電記録ユニットにより無端ベルト12上に転写されたトナーマーク150を光学的に検出する。即ち、トナーマーク150がないベルト面の位置にあっては、発光素子100からの入射光は十分に反射されて受光素子106に入射し、受光素子106からの受光信号は規定レベル以上となっている。
【0068】
無端ベルト12の移動によりトナーマーク150が検出位置に至ると、トナーマーク150は微小なトナー成分であることから入射光が乱反射し、受光素子106に対する反射光量が低下し、このときの受光素子106からの受光信号のレベル低下によってトナーマーク150の現像量を検出することができる。
【0069】
図12は図11のトナーセンサ30によるベルト移動に伴うトナー像の位置に対するセンサ出力の計測結果である。ここで測定曲線108はトナー量が1.0mg/mm2であり、測定曲線110は0.7mg/mm2であり、更に測定曲線112は0.3mg/mm2である。このトナーセンサの出力値から明らかなように、ベルト面に対するトナーの現像量に対応したセンサ出力の値が得られる。
【0070】
図13は図10に示したYMCK用のトナーマーク150Y,150M,150C,150Kを、図11のトナーセンサ30で検出したときのセンサ出力電圧[V]に対するトナー現像量q[g/m2]との関係を表わしている。即ち、測定直線148Yがイエロートナー、測定直線148Mがマゼンタトナー、測定直線148Cがシアントナー、測定直線148Kがブラックトナーである。
【0071】
測定直線148Y〜148Kはセンサ出力電圧に対するトナー現像量qの関係は相似しているが、トナー現像量に応じた散乱光の検出であることから、同じトナー現像量であってもYMCKの明度に応じたセンサ出力電圧となる。即ち、YMCKの順に同じトナー現像量であってもセンサ出力電圧は高くなっていることが分かる。
【0072】
図14はセンサ30の他の実施形態である。このセンサ30にあっては、発光素子100、結像レンズ102を無端ベルト12とほぼ平行に設置し、検出位置に斜めにドーナツミラー114を配置している。発光素子100からの光は結像レンズ102で集光され、ドーナツミラー114の周囲のミラー面で反射して無端ベルト12上にビームスポットを結像する。
【0073】
ベルト面12からの反射光はドーナツミラー114の中央の穴を通過し、集光レンズ104で集光され、スリット105を介して受光素子106に結像される。この実施形態にあっても無端ベルト12のベルト面がトナーマーク150の転写位置以外の場合には反射光量が最大となり、受光素子106の受光信号は所定レベルを超えている。無端ベルト12上に転写されたトナーマーク150が検出位置に達すると、トナー粉末による光の散乱で受光素子106に対する反射光が減少する。この反射光量はトナーマーク150のトナー量即ちトナー現像量に対応しており、例えば図13と同等なセンサ出力電圧とトナー現像量qとの関係が得られる。
【0074】
図8のセンサ処理用MPU66に設けたトナー現像量検出部126にあっては、図13のようなセンサ30からの出力電圧に対するトナー現像量qとの対応関係がテーブル情報として予め記憶されており、トナーセンサ30からのセンサ出力電圧によりテーブルを参照することで、対応するYMCKごとのトナー現像量qy,qm,qc,qkをそれぞれ検出することができる。
【0075】
トナー現像量検出部126で検出されたYMCKのトナー現像量は、トナー現像量補正部128に与えられ、トナー現像量補正部128は検出されたトナー現像量の中の最小現像量となるように他のトナー現像量を補正する。このようにYMCKのトナー現像量をそのうちの最も少ない現像量となるようにトナー現像量を制御することでトナー消費量が必要最小限に抑えられ、結果としてトナー残量が閾値qthに達してトナー補給要求が出されるまでのトナー交換寿命を延ばすことができる。
【0076】
トナー現像量補正部128によるトナー現像量の補正方法としては、次の6種類がある。
(a)静電記録ユニットの現像ローラに印加している現像バイアス電圧の直流成分電圧の可変;
(b)静電記録ユニットの現像ローラに印加している現像バイアス電圧の交流成分電圧の可変;
(c)静電記録ユニットの現像ローラに印加している現像バイアス電圧の交流成分周波数の可変;
(d)感光ドラムと現像ドラムの周速度の比率の可変;
(e)静電記録ユニットに設けたLEDアレイの発光時間の可変;
(f)静電記録ユニットに設けたLEDアレイの発光パワーの可変;
この6種類の調整によるトナー現像量の補正は、いずれか1つの補正方法を選択してもよいし、1または複数の組み合わせとしてもよい。
【0077】
図15は静電記録ユニットにおけるトナー現像量の補正原理を説明する。図15(A)は静電記録ユニットに設けているLEDの発光パワーであり、図15(B)のように、本発明の印刷装置にあっては、ベルト搬送方向となる副走査方向で1画素を2画素に分解して解像度を高めていることから、LED発光タイミングは発光タイミング154,156の2つとなり、この2つの発光タイミング154,156による発光で図15(A)のようなLED発光パワー152の分布が得られる。
【0078】
図15(C)は図3に示した静電記録ユニットの現像ローラ46と感光ドラム32の間の現像バイアス電圧である。まず感光ドラム32はバイアス直流成分VDCにより例えば600Vの電位にあり、これに対し現像ローラ46の電位はそれより低い例えば+300Vの電位160にある。この状態で図15(A)のLEDの発光パワー152による光を感光ドラム32上に照射すると、現像ローラ電位160より低い電位162をもつ潜像が形成される。
【0079】
ここでバイアス直流成分158から現像ローラ電位160に対する電気力線が、感光ドラム32から現像ローラ46へトナー成分を移動する力、即ち感光ドラム32に対し現像ドラム46からのトナー供給を妨げる力となる。これに対しLED発光パワー152により形成された静電潜像レベル162に対する現像ローラ電位160からの電気力線は、現像ローラ46から感光ドラム32への移動力、即ち現像ローラ46からトナー成分を感光ドラム32に供給するための移動力となる。
【0080】
そして現像ローラ電位160に対する光の照射で形成される静電潜像レベル162は、LEDの発光パワーが高いほど深いレベルとなり、感光ドラム32への移動力が大きくなる。このことからトナー現像量即ち現像ローラ46から感光ドラム32にトナーを供給する量は、バイアス電圧の調整、LED発光パワーの調整、更にはLED発光期間の調整により実現できる。
【0081】
また図3の感光ドラム32と現像ローラ46の周速度に着目すると、例えば感光ドラム32の周速度に対し現像ローラ46はその2倍の周速度で回転しており、現像ローラ46の周速度を大きくすることで十分なトナー供給が感光ドラム32に対しできるようにしている。そこでトナー現像量を可変するためには感光ドラム32の周速度を一定とし、これに対し現像ローラ46の周速度を可変することによってもトナー現像量を変化させることができる。これがドラム周速比の可変によるトナー現像量の補正である。
【0082】
図16は図7のトナー現像量補正部128による現像バイアスの直流成分VDCに対するトナー現像量qの対応関係であり、例えば現像バイアスの直流成分VDCを200〜600Vの範囲で調整することでトナー現像量を4〜7[g/m2]の範囲に調整できる。
【0083】
図17は現像バイアスの交流成分即ち交流電圧のピーク値Vp−pに対する現像量qの対応関係である。図15(C)にあっては、現像バイアスとして直流成分のみを例にとっているが、更にこれに交流成分を重畳させてもよい。この場合、交流成分Vp−pの1000〜1600の範囲で例えば現像量qを2〜5[g/m2]のようにほぼ直線的に変化させることができる。
【0084】
図18は現像バイアスの交流成分周波数fに対する現像量qの対応関係であり、例えば交流成分周波数fを0.6〜1.5kHzの範囲で可変すると、この周波数変化に反比例した現像量qの例えば8〜5[g/m2]の変化を得ることができる。
【0085】
図19は感光ドラムと現像ローラの周速度の比率であるドラム周速比に対するトナー現像量の関係である。ここで感光ドラム32の周速度を一定速度V1とし、これに対し現像ローラ46の周速度V2を可変したときのドラム周速比につき、例えば0.25〜1.25の変化に対しトナー現像量qを2.5〜14[g/m2]の範囲で変化させることができる。このドラム周速比に対するトナー現像量の変化は、図16〜図18に示した現像バイアスの場合に比べ、一桁高い大きな変化を与えることができる。
【0086】
図20はLED発光時間に対するトナー現像量の関係であり、発光時間が6〜12[μs]の範囲でトナー現像量を2.5〜8[g/m2]でほぼ直線的に変化させることができる。
【0087】
更に図21はLED発光パワーに対するトナー現像量の関係である。このLED発光パワーについては、比較的低い発光パワー、例えば0.2〜0.4の範囲でトナー現像量を0.1〜0.7でほぼ直線的に変化させることができる。
【0088】
図22、図23は、図8のステップS4に示したトナー管理処理の詳細を示したフローチャートであり、図7のセンサ処理用MPU66の機能により実行される。このトナー管理処理にあっては、トナー管理処理の開始前に行われた印刷処理で測定されたYMCKの静電記録ユニット24−1〜24−4の感光ドラムのドラム回転時間Tを読み込み、ステップS2で同じく印刷処理でコントローラ部62のYMCKの画像メモリ84−1〜84−4に格納された画素データから、その有効数となる印字画素数Ny,Nm,Nc,Nkを読み込む。
【0089】
続いてステップS3で、そのときの印刷用紙のサイズで決まる最大印字画素数Nmaxを用いて、ステップS2で読み込んだYMCKの各画素数との比率である画素数比N/Nmaxから、例えば図9に示したドラム回転時間Tに対しトナー消費量を求めるための直線の減少割合即ち傾きKiを決定する。このようにしてドラム回転時間Tに対するトナー消費量を求めるための係数Kiが決定できたならば、ステップS4でY,M,C,Kのトナー消費量Qyu,Qmu,Qcu,Qkuを算出する。続いてステップS5で、前回までの算出トナー残量からステップS4で算出した今回のトナー消費量を減算して、現在のトナー残量Qy,Qm,Qc,Qkを求める。
【0090】
続いてステップS6でYMCKのトナーマークをベルトに転写し、センサで読み取り、例えば図13のようなセンサ出力電圧に対するYMCKのトナー現像量Qの関係からトナー現像量qy,qm,qc,qkを検出する。次にステップS7で、検出されたトナー現像量の中の最小トナー現像量[q]minを選択する。そしてステップS8で、選択した最小トナー現像量[q]minに一致するように他のカラートナーの現像量を可変する補正処理を行う。
【0091】
このステップS6〜S8のトナーマークの転写に基づいたトナー現像量の検出により、最小トナー現像量となるように各カラートナーの現像量が補正され、印刷装置の使用中を通じてYMCKの静電記録ユニット24−1〜24−4におけるトナー残量は同程度の消費量に制御され、その結果、トナー残量も極端な違いを生ずることなく同じような残量の範囲に収まっている。
【0092】
続いて図23のステップS9に進み、図22のステップS5で算出したトナー残量の中から最大トナー残留[q]maxを選択する。そしてステップS10で、最大トナー残留[q]maxを他のカラートナー残量と同等量となるまでに強制的に消費させる。ここで強制的に消費させるカラートナーの残量としては、最大残量であり且つ同一残量範囲として予め定めている誤差範囲を超えた残量となっている場合に、強制的に消費させる。
【0093】
続いてステップS11でYMCKの残量のいずれかが予め定めた規定量Qth以下か否か判定する。もしいずれかのトナー残量が規定量Qth以下であった場合には、ステップS12でトー補給を要求表示する。このトナー補給の要求表示は、規定量Qth以下となったカラートナーのみならず、他のカラートナーの全てに対するトナー補給の要求表示となる。そこでオペレータは図4に示したように、YMCKの静電記録ユニット24−1〜24−4をそれぞれ取り出して、そのトナーカートリッジを新品と交換する。
【0094】
このようなトナー補給要求に対するトナーカートリッジの交換が行われると、ステップS13でトナー補給ありが判別され、ステップS14でトナー要求表示を停止した後、ステップS15でYMCKのトナー残量をトナーボトルの収納量例えば600gに初期化し、次の印刷動作の終了時点から図9に示した初期トナー残量Qsからのトナー残量の管理を再開する。
【0095】
尚、図22,図23のトナー管理処理にあっては、トナー消費量の算出とトナー残量の判定の処理の途中のステップS6〜S8でトナーマークのベルト転写によるトナー現像量の検出と補正を行っているが、それぞれ別の処理ルーチンとして独立に行うようにしてもよい。また図8のフローチャートにあっては、ステップS3で印刷処理を終了するごとにトナー管理処理を行っているが、装置電源投入時のステップS1の初期化処理で行ってもよいし、また印刷処理の休止期間中にオペレータのスイッチ操作によるコマンドや上位装置からのコマンドによる指示で一連のトナー管理処理を行うようにしてもよい。
【0096】
4.ベルト位置の調整処理
図24は図7のメカニカルコントローラ64に設けているベルト位置調整処理部142の詳細である。ベルト位置調整処理部142は、制御負荷としてベルトモータ25、ベルト張力を調整するための張力アクチュエータ164、ベルトを搬送方向に直向する方向に移動して位置調整するためのセンタリングアクチュエータ166、及びベルトのセンタリング位置を検出するための位置センサ168を備えており、修正起動信号145を受けたときにベルト位置調整処理を実行する。
【0097】
修正起動信号145は、図8のステップS5のように、ステップS3で印刷処理が終了した後の印刷動作の中止タイミングに与えられてベルト位置修正処理を行わせる。また装置電源を投入した直後のステップS1の初期化処理の際に修正起動信号145を与えてベルト位置修正を行う。これ以外にも、オペレータのスイッチ操作や上位装置からのコマンドにより修正起動信号145を与えてベルト位置修正を行うようにしてもよい。
【0098】
図25は図24のベルト位置調整処理部142で制御する搬送ベルトユニット11における位置調整のための機構構造を平面的に表わしている。図25において、駆動ローラ22−1と従動ローラ22−2に対し無端ベルト12が掛け回されており、駆動ローラ22−1は図示しないベルト駆動モータにより印刷時に回動されて無端ベルト12を一定速度で周回させる。
【0099】
この実施形態にあっては、駆動ローラ22−1の両側の軸受けをリンクフレーム165で連結し、張力アクチュエータ164によって駆動ローラ22−1を従動ローラ22−2側に平行に移動可能とし、これによって無端ベルト12に加わる張力を増減できるようにしている。また無端ベルト12の両側にはガイドプレート170−1,170−2を備えたセンタリングアクチュエータ66−1,66−2を配置している。
【0100】
図24のベルト位置調整処理部142にあっては、印刷動作の休止期間に張力アクチュエータ164を作動して、リンクフレーム165を介して駆動ローラ22−1を従動ローラ22−2側に規定量平行移動し、これによって無端ベルト12の張力を下げる。無端ベルト12の張力を下げた状態でベルト位置調整処理部142は、ベルト駆動モータ25を印刷時より低い速度で駆動する。
【0101】
このような無端ベルト12の張力を落とし且つ低速で周回させた状態で位置センサ168によりベルト位置を読み込み、もしセンタリングされる規定位置を外れていた場合には、このベルトの横方向の位置ずれを無くすようにセンタリングアクチュエータ166−1または166−2を駆動する。例えば無端ベルト12が右側にずれていた場合にはセンタリングアクチュエータ166−2を駆動し、ガイドプレート170−2を無端ベルト12の右端に押しつけて左方向に押し、これにより無端ベルト12が左側の正しい位置に戻り、位置センサ168でセンタリング位置が検出されたときにセンタリングアクチュエータ166−2による調整を解除する。
【0102】
無端ベルト12の位置調整が終了したならば、次にベルト位置調整処理部142はベルト位置の調整に伴って無端ベルト12に生じている撓みやずれなどの歪みを除去するため、調整状態から張力アクチュエータ164を直線的に駆動して無端ベルト12の張力を増加させながら同時にベルト駆動モータ25を回転して、調整速度から印刷時の規定速度より低めの速度に対し増速し、調整で無端ベルト12に加わった歪みを除去するための調整処理を行い、この調整処理の終了後に停止して次の印刷動作に備える。
【0103】
図26は図24のベルト位置調整処理部142の制御によりベルト位置調整を可能とする搬送ベルトユニット11の他の実施形態である。この実施形態にあっては、従動ローラ22−2側にリンクフレーム165を介して張力調整のための張力アクチュエータ164を設けている。これに対し駆動ローラ22−1の左右の軸受けに対しては、独立にセンタリングアクチュエータ166−3,166−4を設けている。
【0104】
図27は図26の実施形態における駆動ローラ22−1に設けたセンタリングアクチュエータ166−3,166−4によるベルト位置調整の説明図である。図27にあっては、左側のセンタリングアクチュエータ166−3を駆動して駆動ローラ22−1の回転軸をオフセットしてローラを左上がりの傾斜角βとしている。
【0105】
駆動ローラ22−1を傾斜角βだけ傾けると、無端ベルト12を右方向に移動させる張力が発生する。したがって、この状態で無端ベルト12を周回駆動すると、無端ベルト12は傾斜された駆動ローラ22−1の傾斜方向となる右側に移動させることができる。
【0106】
図28は、図26について右側の張力アクチュエータ166−4を作動して駆動ローラ22−1を右回りに傾けた逆向きの傾斜角βをもたせた場合であり、この場合には無端ベルト12を左方向に移動させる張力が発生し、ベルト駆動により無端ベルト12を左側に移動させることができる。
【0107】
もちろん、本発明のベルト位置調整のための機構構造は図25,図26に限定されず、張力を増減でき且つベルトを横方向に移動できる構造であれば適宜の機構構造を採用することができる。
【0108】
図29は図24のベルト位置調整処理部142によるベルト位置調整処理のタイミングチャートである。図29(A)〜(D)はYMCKの静電記録ユニット24−1〜24−4に設けた現像器の動作であり、また図29(E)は搬送ベルトユニットにより運ばれる用紙の検出である。このタイミングチャートにあっては、時刻t1からt2はでの間に3枚の用紙が順番に送られ、1枚ごとに図29(A)〜(D)のYMCKによるカラートナーの転写が順番に行われている。
【0109】
時刻t1〜t2の印刷期間については、図29(F)のようにトナー転写モードがHレベルと有効になっており、時刻t2で印刷処理が終了するとトナー転写モードはLレベルのオフとなり、印刷動作の休止状態が分かる。このトナー転写モードの解除となる時刻t2の休止期間については、図29(G)のように、時刻t3〜t4の期間についてベルトセンタリングモードが設定される。このベルトセンタリングモードにあっては、図29(I)のようにベルト速度は時刻t1〜t2のトナー転写モードにおける速度v1より低い速度v2に制御される。
【0110】
また図29(J)のベルト張力についても、印刷中となるトナー転写モード期間の張力T1に対し、より低い張力T2に落とされている。このベルト速度をv2に低下し且つ張力をT2に低下した状態で、図28(G)のベルトセンタリングモードのt3〜t4期間に亘って、図25または図26の搬送ベルトユニット11に設けた調整機構による無端ベルト12のセンタリングのための位置調整が行われる。
【0111】
時刻t4で位置調整が終了すると、続いて図29(H)のように時刻t5〜t6に亘る調整モードが設定される。この調整モードにあっては、図29(I)のようにベルト速度は位置調整時の速度v2から直線的に増加されて印刷時のベルト速度v1より若干低い速度v3に増加される。このベルト速度の増加に連動して、図29(J)のベルト張力についてもベルト位置調整時のT2から印刷時のベルト張力T1より若干低い張力T3に直線的に増加される。
【0112】
このようなベルト速度及びベルト張力の緩やかな増加に伴うベルト周回駆動により、ベルト位置調整で生じたベルトの撓みやローラに対する接触状態が調整され、調整による歪みが除去できる。ベルト位置調整及び歪み除去のための調整が済むと、再び時刻t3で次の印刷要求が出され、印刷動作が行われる。
【0113】
図30は図24のベルト位置調整処理部142による処理動作のフローチャートである。即ち、印刷動作の休止期間において修正起動信号145が与えられると、ステップS1でベルト速度の減速を行い、同時にステップS2でベルト張力をダウンさせる。そしてステップS3でベルトを規定のセンタリング位置に調整するためのベルトセンタリング動作を行い、ステップS4で位置センサでセンタリング位置が検出されるまで、ステップS3の調整処理を繰り返す。
【0114】
ベルトをセンタリングさせる位置調整が済むと、ステップS5でベルト速度とベルト張力の回復によるベルト調整歪みの除去を行い、調整が済めば、ステップS6でベルト張力をダウンした状態でベルトを停止し、再び図8のメインルーチンに戻って次の印刷要求を待つことになる。尚、上記の実施形態は、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータに接続されて使用される印刷装置を例にとるものであったが、複数のカラートナーをタンデムに配置された静電記録ユニットを使用して用紙上に転写する他色静電記録装置であれば、適宜の装置についてそのまま適用できる。また本発明は実施形態に限定されず、その目的を逸脱しない範囲で適宜に変形することができる。更に本発明は、実施形態に示した数値による限定は受けない。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明の装置本体内部構造の説明図
【図3】図2の静電記録ユニットの断面図
【図4】図2の搬送ベルトユニット及び静電記録ユニットの取外し状態の説明図
【図5】本発明のハードウェア構成のブロック図
【図6】図5の解像度変換部の変換内容の説明図
【図7】本発明によるトナー管理処理の機能ブロック図
【図8】本発明による全体的な印刷処理のフローチャート
【図9】画素濃度をパラメータとしたドラム回転時間に対するトナー残量の特性図
【図10】YMCKの各トナーマークをベルト上に転写した説明図
【図11】図10のトナーマークを読み取るセンサ構造の説明図
【図12】図11のセンサによるトナー像の位置に対するセンサ出力の説明図
【図13】センサ出力とトナー現像量の特性図
【図14】図10のトナーマークを読み取る他のセンサ構造の説明図
【図15】トナー現像量を決めるLED発光と現像バイアス電圧の説明図
【図16】現像バイアスの直流成分に対するトナー現像量の特性図
【図17】現像バイアスの交流成分に対するトナー現像量の特性図
【図18】現像バイアスの交流成分周波数に対するトナー現像量の特性図
【図19】感光ドラムと現像ドラムの周速比に対するトナー現像量の特性図
【図20】LED発光時間に対するトナー現像量の特性図
【図21】LED発光パワーに対するトナー現像量の特性図
【図22】本発明によるトナー管理処理のフローチャート
【図23】本発明によるトナー管理処理のフローチャート(続き)
【図24】本発明によるベルト位置調整処理の機能ブロック図
【図25】ベルト位置調整機構の実施形態の説明図
【図26】ベルト位置調整機構の他の実施形態の説明図
【図27】図26の調整機構によりベルトを右方向に位置調整する動作状態の説明図
【図28】図26の調整機構によりベルトを左方向に位置調整する動作状態の説明図
【図29】図25によるベルト位置調整処理のタイミングチャート
【図30】図25によるベルト位置調整処理のフローチャート
【符号の説明】
【0116】
10:装置本体
11:搬送ベルトユニット
12:無端ベルト
14:ホッパ
15−1〜15−4:ドラムモータ
16:ピックアップローラ
18:記録紙ガイド通路
20:記録紙送りローラ
22−1〜22−4:ローラ
24,24−1〜24−4:静電記録ユニット
25:ベルトモータ
26:ヒートローラ型定着装置
28:スタッカ
30,30−1,30−2:センサ
32:感光ドラム
34:前帯電器
36:LEDアレイ
38:スクリューコンベア
40:現像器
42:導電性転写ローラ
44:現像剤保持容器
48:パドルローラ
50,56:ピン
51:固定板
52:取付溝
55,58:フレーム
60:エンジン部
62:コントローラ部
64:メカニカルコントローラ
66:センサ処理用MPU
68−1,68−2:ADコンバータ
70:エンジン部コネクタ
72:コントローラ用MPU
74,78:インタフェース処理部
76,80:コントローラ部コネクタ
82,82−1〜82−4:画像メモリ
84:アドレス指定部
88,88−1〜88−4:解像度変換部
90,90−1〜90−4:バッファメモリ
92:パーソナルコンピュータ
94:アプリケーションプログラム
96:ドライバ
98:パソコン部コネクタ
100:発光素子
102:結像レンズ
104:集光レンズ
105:スリット
106:受光素子
114:ドーナツミラー
116,118:1画素領域
120:第1スキャンデータ領域
122:第2スキャンデータ領域
124:トナーマーク転写部
126:トナー現像量検出部
128:トナー現像量補正部
130:ドラム回転時間測定部
132:印字画素数検出部
134:トナー消費量検出部
136:トナー残量管理部
138:トナー補給要求表示部
140:トナー強制消費部
142:ベルト位置調整処理部
150Y,150M,150C,150K:トナーマーク
164:張力アクチュエータ
166:センタリングアクチュエータ
168:位置センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙の搬送方向に配列され、回転する感光ドラムに対する光学的な走査で画像データに応じた潜像を形成し、異なるカラーのトナー成分で現像した後に前記ベルト上の記録紙に転写する複数の静電記録ユニットと、
前記ベルトを搬送し、該ベルト上の記録紙を一定速度で搬送するベルト搬送機構と、
前記ベルトをセンタリング位置に調整するベルト位置調整処理部と、を設けたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載の印刷装置に於いて、
前記ベルト搬送機構は、ベルトの張力を可変する張力制御機構と、
前記ベルトを周回方向に直向する方向に移動させる位置補正機構と、を備え、
前記ベルト位置調整処理部は、前記複数の静電記録ユニットの印刷動作の休止期間に、前記張力制御機構の制御でベルト張力を下げ且つベルト搬送速度を印刷時の搬送速度より低い所定の補正速度に減速した状態で、前記位置補正機構を制御してベルト位置を規定のセンタリング位置に調整することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1記載の印刷装置に於いて、前記ベルト位置調整処理部は、ベルト位置を規定のセンタリング位置に調整した後に、ベルト張力及びベルト速度を直線的に回復させ、位置調整により生じたベルトの歪を除去することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1記載の印刷装置に於いて、前記ベルト位置調整処理部は、ベルト位置の修正処理を、電源投入時、電源投入後の印刷ジョブの開始時、コマンド又はスイッチ操作で補正指示を受けた時に、ベルト位置修正処理を行うことを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2007−286647(P2007−286647A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203930(P2007−203930)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【分割の表示】特願平9−147646の分割
【原出願日】平成9年6月5日(1997.6.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】