説明

印刷装置

【課題】外部記憶媒体に記憶されたファイルを容易に印刷することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置1は、外部インターフェース44と、検知部46aと、記憶部45と、判定部46bと、登録部46cと、印刷機構43とを備える。外部インターフェース44には、外部記憶媒体が接続される。検知部46aは、外部インターフェース44への外部記憶媒体の接続を検知する。記憶部45は、所定のフォルダ名を記憶する。判定部46bは、検知部46aにより外部記憶媒体の接続が検知されると、所定のフォルダ名と同一のフォルダ名を有するフォルダが外部記憶媒体内に存在するか否かを判定する。登録部46cは、所定のフォルダ名と同一のフォルダ名を有するフォルダが外部記憶媒体内に存在する場合には、フォルダ内のファイルを印刷対象として登録する。印刷機構43は、登録部46cによって登録されたファイルの印刷を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置には、USBメモリなどの外部記憶媒体を接続する外部インターフェースを備えるものがある。このような印刷装置では、外部記憶媒体に記憶されたファイルのリストが表示部に表示され、ユーザーは、表示部に表示されたファイルの中から、印刷対象とするファイルを選択する。そして、ユーザーが、スタートボタンを押すなどして印刷の実行を入力すると、選択されたファイルの印刷が実行される。
【特許文献1】特開平11−161674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ユーザーが予め印刷することを前提としてファイルを外部記録媒体に保存する場合には、外部記憶媒体を印刷装置に接続した後に、印刷対象とするファイルを指定することは煩雑である。
【0004】
本発明は、外部記憶媒体に記憶されたファイルを容易に印刷することができる印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る印刷装置は、外部インターフェースと、検知部と、記憶部と、判定部と、登録部と、印刷機構とを備える。外部インターフェースには、外部記憶媒体が接続される。検知部は、外部インターフェースへの外部記憶媒体の接続を検知する。記憶部は、所定のフォルダ名を記憶する。判定部は、検知部により外部記憶媒体の接続が検知されると、所定のフォルダ名と同一のフォルダ名を有するフォルダが外部記憶媒体内に存在するか否かを判定する。登録部は、所定のフォルダ名と同一のフォルダ名を有するフォルダが外部記憶媒体内に存在する場合には、フォルダ内のファイルを印刷対象として登録する。印刷機構は、登録部によって登録されたファイルの印刷を行う。
【0006】
この印刷装置を用いて印刷を行う場合、ユーザーは、まず、外部記憶媒体内にファイルを作成し、このファイルに、記憶部に記憶された所定のフォルダ名と同一の名称を付ける。そして、印刷しようとするフォルダをこのファイル内に保存する。次に、ユーザーは、外部記憶媒体を印刷装置の外部インターフェースに接続する。
【0007】
すると、印刷装置では、検知部が、外部インターフェースへの外部記憶媒体の接続を検知し、判定部が、記憶部に記憶された所定のフォルダ名と同一のフォルダ名を有するフォルダが外部記憶媒体内に存在すると判定する。そして、登録部が、このフォルダ内のファイルを印刷対象として登録し、印刷機構が、登録されたファイルの印刷を行う。
【0008】
このように、この印刷装置では、ユーザーは、外部記憶媒体を外部インターフェースに接続するだけで、印刷しようとするファイルが自動的に印刷対象として登録される。このため、ユーザーは、外部記憶媒体を外部インターフェースに接続した後に、印刷しようとするファイルを選択する必要がない。これにより、外部記憶媒体に記憶されたファイルを容易に印刷することができる。
【0009】
第2発明に係る印刷装置は、第1発明の印刷装置であって、ユーザーからの指示が入力される入力部をさらに備える。そして、印刷機構は、検知部による外部記憶媒体の接続の検知後、入力部への入力が無くても、登録部によって登録されたファイルの印刷を行う。
【0010】
この印刷装置では、ユーザーが外部記憶媒体を外部インターフェースに接続するだけで、ファイルの印刷が自動的に開始される。これにより、ユーザーは入力部への入力を行うこともなく、より容易に印刷を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る印刷装置では、ユーザーは、外部記憶媒体を外部インターフェースに接続した後に、印刷しようとするファイルを選択する必要がない。これにより、外部記憶媒体に記憶されたファイルを容易に印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
1.構成
本発明の一実施形態に係る印刷装置1を図1に示す。図1は、本実施形態に係る印刷装置1の外観図である。この印刷装置1は、コピー機能、プリンター機能、ファックス機能などの複数の機能を有する、いわゆる複合機である。
【0013】
印刷装置1は、原稿カバー3、本体部4、給紙カセット6及び排紙トレイ7を備えている。
【0014】
原稿カバー3は、原稿載置台2上に載置された原稿を押さえるためのものである。原稿載置台2は、本体部4の上部であって、原稿カバー3と対向する位置に設けられている。原稿カバー3は、原稿載置台2に対して開閉自在に本体部4に装着されている。
【0015】
本体部4は、図2に示すように、通信部41、外部インターフェース44、原稿読み取り部42、記憶部45、印刷機構43、操作パネル5、制御部46を有する。
【0016】
通信部41は、通信回線を介して外部の装置と通信を行う。通信部41は、例えば、外部のパソコンやFAX機から送信された画像データを受信する。
【0017】
外部インターフェース44は、USBメモリやSDメモリカードなどの外部記憶媒体が接続される部分である。
【0018】
原稿読み取り部42は、原稿載置台2に載置された原稿を読み取って画像データを取得するためのものであって、図示しない光学系を有している。
【0019】
記憶部45は、通信部41、外部インターフェース44、又は、原稿読み取り部42を介して取得された画像データを記憶する。また、記憶部45には、制御部46により読み出されて実行される各種プログラムが記憶されている。さらに、記憶部45には、後述するフォルダ自動検索制御に用いられる所定のフォルダ名(以下「指定フォルダ名」と呼ぶ)が記憶されている。
【0020】
印刷機構43は、図示しない転写装置や定着装置を有しており、画像データに基づいてトナー像を形成する。トナー像は、転写装置により用紙に転写された後、定着装置により定着される。これにより、画像の印刷が行われる。
【0021】
操作パネル5は、図1に示すように、本体部4において原稿載置台2の手前側部分に設けられている。操作パネル5は、図3に示すように、表示パネル5aと、複数の操作ボタン5bとを有している。表示パネル5aは、例えば液晶ディスプレイで構成されるタッチパネルであって、各種機能に関する操作画面等を表示する。操作ボタン5bは、スタートボタンやテンキーなどを有しており、ユーザーが各種設定を行う時に用いられる。ユーザーは、表示パネル5aに表示されるキーや、操作ボタン5bを操作することにより、印刷装置1への指示を入力することができる。
【0022】
制御部46は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータで構成されており、図2に示すように、通信部41、外部インターフェース44、原稿読み取り部42、印刷機構43、記憶部45及び操作パネル5と接続されている。制御部46は、操作パネル5や通信部41からの入力信号に基づいて、印刷機構43を制御することにより、画像の印刷を行うことができる。また、制御部46は、外部記憶媒体内から特定のフォルダを自動的に検索してフォルダ内のファイルを印刷するフォルダ自動検索制御を行うことができる。このフォルダ自動検索制御については後に詳述する。
【0023】
図1に示すように、給紙カセット6は、用紙を収納可能であって、本体部4の下方に例えば3段設けられている。
【0024】
排紙トレイ7は、本体部4の側面に側方に突出するように設けられており、本体部4内部の印刷機構43により画像が印刷された用紙が積載される。
【0025】
2.制御部46の構成および制御内容
以下、制御部46の構成のうち、特に、フォルダ自動検索制御のための構成について説明する。
【0026】
図2に示すように、制御部46は、検知部46aと、判定部46bと、登録部46cとを有する。検知部46aは、外部インターフェース44への外部記憶媒体の接続を検知する。判定部46bは、検知部46aにより外部記憶媒体の接続が検知されると、外部記憶媒体内のフォルダを検索し、上述した指定フォルダ名と同一のフォルダ名を有するフォルダ(以下、「指定フォルダ」と呼ぶ)が外部記憶媒体内に存在するか否かを判定する。登録部46cは、指定フォルダが外部記憶媒体内に存在する場合には、フォルダ内のファイルを印刷対象として登録する。
【0027】
次に、制御部46によって行われるフォルダ自動検索制御の内容について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0028】
まず、第1ステップS1において、外部記憶媒体の接続の検知が行われる。ここでは、検知部46aにより、外部インターフェース44への外部記憶媒体の接続が検知される。
【0029】
次に、第2ステップS2において、指定フォルダの検索が行われる。ここでは、判定部46bにより、外部記憶媒体内のフォルダが検索され、指定フォルダが、外部記憶媒体内に存在するか否かが判定される。指定フォルダが、外部記憶媒体内に存在すると判定された場合には、第3ステップS3に進む。
【0030】
第3ステップS3では、ファイルの印刷登録が行われる。ここでは、登録部46cにより、指定フォルダ内のファイルが印刷対象として登録され、印刷機構43に対して印刷要求が発せられる。指定フォルダ内に複数のファイルが存在する場合には、すべてのファイルが印刷対象として登録される。
【0031】
そして、第4ステップS4において、印刷対象とされたファイルの印刷が行われる。ここでは、ファイルに含まれる画像データに基づいて、印刷機構43が用紙上に画像を印刷する。このとき、ユーザーによって操作パネル5の操作が行われなくても、自動的に印刷が開始される。
【0032】
なお、第2ステップS2において、外部記憶媒体内に指定フォルダが存在しないと判定された場合には、登録部46cによるファイルの登録は自動的には行われない。ただし、この場合、ユーザーが操作パネル5を操作して手動で外部記憶媒体内の特定のファイルを選択することにより、ファイルの登録を行うことができる。
【0033】
3.特徴
この印刷装置1を用いてフォルダの印刷を行う場合、ユーザーは、まず、外部記憶媒体内に指定フォルダ名を付けたフォルダを作成する。この指定フォルダ名は、印刷装置1の製造時に予め印刷装置1の記憶部45に設定されており、印刷装置1のマニュアル等によりユーザーに知らされる。なお、指定フォルダ名は、印刷装置1の管理者によって設定されてもよい。また、事後的に変更可能とされてもよい。次に、ユーザーは、印刷を行うフォルダを指定フォルダ内に保存する。後は、ユーザーは、外部記憶媒体を印刷装置1の外部インターフェース44に接続するだけでよい。外部記憶媒体が外部インターフェース44に接続されると、ユーザーが操作パネル5を操作しなくても、上述したフォルダ自動検索制御により、指定フォルダ内のファイルの印刷が自動的に開始される。
【0034】
このように、この印刷装置1では、ユーザーが外部記憶媒体内のフォルダを検索する手間を省略することができ、所望のファイルを容易に印刷することができる。
【0035】
4.他の実施形態
上記の実施形態では、指定フォルダが外部記憶媒体内に存在する場合には、ユーザーが操作パネル5を操作することなくファイルの印刷が開始される。しかし、指定フォルダが外部記憶媒体内に存在することが検知された後、印刷部数や編集設定などの所定の入力が行われるまで印刷が待機されてもよい。この場合も、ユーザーにとっては、印刷対象のファイルを選択する手間を省略することができる。また、ユーザーは所望の設定で印刷を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、外部記憶媒体に記憶されたファイルを容易に印刷することができる効果を有し、印刷装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】印刷装置の外観図。
【図2】本体部の構成を示す機能ブロック図。
【図3】操作パネルの拡大図。
【図4】フォルダ自動検索制御の内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0038】
1 印刷装置
5 操作パネル(入力部)
43 印刷機構
44 外部インターフェース
45 記憶部
46a 検知部
46b 判定部
46c 登録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶媒体が接続される外部インターフェースと、
前記外部インターフェースへの前記外部記憶媒体の接続を検知する検知部と、
所定のフォルダ名を記憶する記憶部と、
前記検知部により前記外部記憶媒体の接続が検知されると、前記所定のフォルダ名と同一のフォルダ名を有するフォルダが前記外部記憶媒体内に存在するか否かを判定する判定部と、
前記所定のフォルダ名と同一のフォルダ名を有するフォルダが前記外部記憶媒体内に存在する場合には、前記フォルダ内のファイルを印刷対象として登録する登録部と、
前記登録部によって登録された前記ファイルの印刷を行う印刷機構と、
を備える印刷装置。
【請求項2】
ユーザーからの指示が入力される入力部をさらに備え、
前記印刷機構は、前記検知部による前記外部記憶媒体の接続の検知後、前記入力部への入力が無くても、前記登録部によって登録された前記ファイルの印刷を行う、
請求項1に記載の印刷装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−190198(P2009−190198A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30923(P2008−30923)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】