説明

印刷装置

【課題】異なるエミュレーションデータを印刷して、搭載されているエミュレーションに対して、イリーガルなコマンドがあった場合でも、正常に印刷するか否かの判定を、実際に印刷することなく判定することのできる印刷装置を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するため、異なるエミュレーションデータを印刷した場合、搭載されているエミュレーションに対して、イリーガルなコマンドがあった場合でも、正常に印刷するか否かの判定を、実際に印刷することなく判定することができ、無駄な用紙の出力を防止することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1種類のエミュレーションを搭載している印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
印刷装置には、日本エミュレーションを搭載した印刷装置をはじめ、中国エミュレーション、韓国エミュレーション、台湾エミュレーションなど、各国のエミュレーションを搭載した印刷装置がそれぞれある。
【0003】
例えば、中国に進出した日本企業が、中国で購入した印刷装置(中国エミュレーション対応)を利用して、日本版のシステム環境から、明細票や注文票などを印刷した場合、印刷データは日本エミュレーションで作成されているため、正常に印刷できるか否かは印刷させて目視確認しないと解らないという問題があった。印刷データの中に、中国エミュレーションではイリーガルなコマンドがあっても、印刷結果に影響を及ぼさないコマンドであれば、正常に印刷することができる。しかし、実際に印刷させてみて、印刷結果が問題ないことを目視確認してから、実際の印刷動作に入ると、無駄な用紙を出力してしまう。
【0004】
そこで、異なるエミュレーションデータを印刷して、搭載されているエミュレーションに対して、イリーガルなコマンドがあった場合でも、正常に印刷できるか否かを自動判別することを可能とする。
【0005】
搭載しているエミュレーションに対してイリーガルなコマンドであると判断した場合に、受信不可能状態にして、このまま印刷を続行するか、中断するかの判断を設けた印刷装置(下記特許文献1参照)もあるが、印刷を続行するか否かの判断をオペレータに委ねている。
【0006】
また、異なるエミュレーションデータを印刷した場合、他のエミュレーションが最適と警告して、自動的にエミュレーションを切替る印刷装置(下記特許文献2参照)もあるが、1種類のエミュレーションしか搭載していない印刷装置では利用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平06−064252号公報
【特許文献2】特開平05−053739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、異なるエミュレーションデータを印刷して、搭載されているエミュレーションに対して、イリーガルなコマンドがあった場合でも、正常に印刷するか否かの判定を、実際に印刷することなく判定することができる印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、上位装置から送信される印刷データを受信、解析して印刷する印刷装置において、前記印刷データを受信するデータ受信部と、前記印刷データを搭載エミュレーションの制御コード体系に基づき解析して印刷する通常印刷手段と、前記印刷データを搭載エミュレーションで正常印刷が可能か判定する印刷結果判定手段と、前記通常印刷手段、前記印刷結果判定手段を判別する印刷判別手段と、前記印刷結果判定手段の判定結果を表示するオペレータパネル部を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の印刷装置は前述のような構成になっており、異なるエミュレーションデータを印刷した場合、搭載されているエミュレーションに対して、イリーガルなコマンドがあった場合でも、正常に印刷するか否かの判定を、実際に印刷することなく判定することができるから、無駄な用紙の出力を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係る印刷装置のブロック図である。
【0012】
図1において、101は印刷装置に接続するコンピュータ等の上位装置、102は印刷装置、103は上位装置から送信された印刷データを受信するデータ受信部、104は現在設定されている印刷機能を判別する印刷判別部、105は印刷データを搭載エミュレーションの制御コード体系に基づき解析して印刷する通常印刷処理部、106は印刷データを搭載エミュレーションで印刷可能かを判定する印刷結果判定処理部、107が判定結果を表示するオペレータパネルである。
【0013】
本発明において、通常印刷処理では、上位装置101から送信された印刷データを制御コード体系に基づき解析して印刷を実施する。
【0014】
図2は、本発明の印刷結果判定処理のフローチャートである。
【0015】
図2において、上位装置から送信された印刷データは、S201でデータ受信を実施する。その後、S202により受信した印刷データが制御コードか文字コードかの判別を実施して、制御コードならば、S203により搭載エミュレーションに対してイリーガル制御コードか否かを判定し、文字コードならば、S204により搭載エミュレーションに対してイリーガル文字コードか否かを判定する。
【0016】
S203の判定にてイリーガル制御コードと判定した場合は、S205にてイリーガル制御コードにより印刷結果に影響を及ぼさずに正常に印刷することができるか否かを判定し、イリーガル制御コードでなければ、S201で次の印刷データを受信する。S204の判定にてイリーガル文字コードと判定した場合は、S206にてイリーガル文字コードにより印刷結果に影響を及ぼさずに正常に印刷することができるか否かを判定し、イリーガル文字コードでなければ、S201で次の印刷データを受信する。
【0017】
S205およびS206の判定にて、正常に印刷することができないと判定した場合、S207でオペレータパネルに正常印刷不可に対応するメッセージを表示して、S208で残りの印刷データを受け捨てる。S205およびS206の判定にて、正常に印刷することができると判定した場合、S201で次の印刷データを受信する。S201のデータ受信で、すべての印刷データ受信を終了した場合は、S209でオペレータパネル正常印刷可能に対応するメッセージを表示する。
【0018】
図3は、正常印刷可能に対応するメッセージのオペレータパネル表示例を示す図である。
【0019】
図4は、正常印刷不可に対応するメッセージのオペレータパネル表示例を示す図である。
【0020】
従って、本発明によれば、異なるエミュレーションデータを印刷した場合、搭載されているエミュレーションに対して、イリーガルなコマンドがあった場合でも、正常に印刷するか否かの判定を、実際に印刷することなく判定することができ、無駄な用紙の出力を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例に係る印刷装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施例における印刷結果判定処理のフローチャートである。
【図3】本発明の実施例において正常印刷可能に対応するメッセージのオペレータパネル表示例を示す図である。
【図4】本発明の実施例において正常印刷不可に対応するメッセージのオペレータパネル表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
101は上位装置、102は印刷装置、103はデータ受信部、104は印刷判別部、105は通常印刷処理部、106は印刷結果判定処理部、107はオペレータパネルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置から送信される印刷データを受信、解析して印刷する印刷装置において、
前記印刷データを受信するデータ受信手段と、
前記印刷データを搭載エミュレーションの制御コード体系に基づき解析して印刷する通常印刷手段と、
前記印刷データが正常印刷可能か否かを判定する印刷結果判定手段と、
前記判定結果を表示するオペレータパネル部と、
前記通常印刷処理、前記印刷結果判定処理を判別する印刷判別手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−184416(P2010−184416A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29786(P2009−29786)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】