説明

印刷装置

【課題】 本発明の印刷装置は、2種類の印刷ジョブの印刷物の境界が目視で判別できる場合に仕切り用紙を出力しない印刷装置の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明の印刷装置は、外部装置から印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、前記印刷ジョブをビットマップデータに変換する印刷ジョブ処理部と、前記ビットマップデータに基づき画像形成する画像形成部と、前記印刷ジョブの印刷条件を保持する印刷条件保持部と、前記印刷ジョブに係る印刷条件と次の印刷条件を比較し仕切り用紙の出力の要否を判定する仕切り用紙出力判定部と、前記印刷条件に基づき仕切り用紙に印刷される印刷ジョブを保持する仕切り用印刷ジョブ保持部を有し、前記画像形成部は、前記仕切り用紙出力判定部で仕切り用紙の出力が必要と判定された場合、前記印刷ジョブの印刷を行う時に、前記仕切り用印刷ジョブの印刷を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された画像データを記録媒体の表面及び裏面に印刷可能な印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、及び電子写真カラー記録装置等の印刷成装置において、ネットワークに接続され複数人で共有される印刷装置では、複数の印刷ジョブによる印刷物が排紙トレイに混合して載置されることがある。
【0003】
そこで、所望の印刷物を取り出し易くするために、先に印刷される印刷ジョブと後に印刷される印刷ジョブの間に仕切り用紙を印刷することにより、先に印刷された印刷物と後に印刷された印刷物の境界を明確にする技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平11-147349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の構成では、1つの印刷ジョブを印刷するごとに仕切り用紙を出力することから、多くの仕切り用紙及びトナーを消費するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は前述の技術的な課題に鑑み、2種類の印刷ジョブを連続して印刷する場合、排紙トレイに載置される2種類の印刷ジョブに係る印刷物の境界が、用紙の形状又は用紙の配置の違いにより目視で容易に判別できる場合には仕切り用紙を出力しないことにより仕切り用紙を削減することができる印刷装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決すべく、本発明に係る印刷装置は、外部装置から印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、前記印刷ジョブ受信部で受信した印刷ジョブを印刷可能なビットマップデータに変換する印刷ジョブ処理部と、前記ビットマップデータに基づいて媒体の所定の面に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に入力された印刷ジョブの印刷条件を保持する印刷条件保持部と、前記印刷条件保持部に保持された前記印刷ジョブの印刷条件と次に入力された印刷ジョブの印刷条件とを比較して仕切り用紙の出力の要否を判定する仕切り用紙出力判定部と、前記印刷条件保持部に保持されている印刷条件に基づき仕切り用紙に印刷される印刷ジョブを保持する仕切り用印刷ジョブ保持部とを有し、前記画像形成部は、前記仕切り用紙出力判定部により仕切り用紙の出力が必要と判定された場合、前記外部装置から受信した印刷ジョブの印刷を行う時に、前記仕切り用印刷ジョブ保持部に保持された前記仕切り用印刷ジョブの印刷を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る印刷装置によれば、2種類の印刷ジョブを連続して印刷する場合、先に投入された印刷ジョブの印刷用紙設定と後に投入された印刷ジョブの印刷用紙設定を比較して、排紙トレイに載置される2種類の印刷ジョブに係る印刷物の境界が、用紙の形状又は用紙の配置の違いにより目視で容易に判別できる場合には仕切り用紙を出力しない。したがって、仕切り用紙を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の印刷装置に係る好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の印刷装置は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0010】
[第1の実施形態]
本実施形態のプリンタは、プリンタエンジン1、コントローラ70、プリンタエンジン制御部90から構成される。まず、プリンタエンジン1について説明する。図1にプリンタ内に設けられたプリンタエンジン1の構成図を、図2にプリンタエンジン1内に設けられた画像形成ユニット30の構成図を示す。
【0011】
プリンタエンジン1は、給紙トレイ4から記録媒体5を取り出し転写ベルト23に搬送する給紙部10、画像情報に基づきトナー画像を形成して記録媒体5に転写する画像形成部20、記録媒体5に転写されたトナー画像を溶解及び加圧して定着させる定着部40、トナー画像が定着された記録媒体5を排紙トレイ57に排出する排出部50、及び両面印刷を行う記録媒体5を反転して画像形成部20に再搬送する両面印刷ユニット60から構成される。また、用紙搬送経路2は、給紙部10、画像形成部20、定着部40、及び排出部50内において記録媒体5が搬送される略S字状の経路である。同様に、用紙反転搬送経路3は、両面印刷ユニット60内において記録媒体5が搬送される略弓状の経路である。以下、まず、用紙搬送経路2に配設された各構成部材について図1及び図2を参照しながら具体的に説明し、次に、用紙反転搬送経路3に配設された各構成部材について図1を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
給紙部10は、給紙トレイ4から記録媒体5を取り出し転写ベルト23に搬送する。また、給紙部10は、ホッピングローラ11、プレッシャローラ12、レジストローラ13、プレッシャローラ14、及びレジストローラ15から構成される。以下、給紙部10を構成する各構成部材、及び、記録媒体5を収納する給紙トレイ4について説明する。記録媒体5は、モノクロ又はカラーの画像情報を現像させるための所定寸法の記録用紙であり、一般的には、再生紙、光沢紙、及び上質紙のような紙、若しくはOHPフィルムからなる。また、給紙トレイ4は、複数枚の記録媒体5を積層して収納しておき、印刷動作が開始されると記録媒体5をプリンタエンジン1内に供給する。なお、給紙トレイ4は、プリンタエンジン1から脱着可能なように構成されている。また、ホッピングローラ11は、給紙トレイ4に積層して収納した記録媒体5に対して圧接した状態で回転することにより給紙トレイ4から1枚ずつ取り出した記録媒体5を、後述するプレッシャローラ12及びレジストローラ13に供給する。また、プレッシャローラ12及びレジストローラ13は、搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設され、レジストローラ13で加圧したプレッシャローラ12を回転させることで、記録媒体5の斜行取り等を行いながらプレッシャローラ14及びレジストローラ15に搬送する。また、プレッシャローラ14及びレジストローラ15は、搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設され、レジストローラ15で加圧したプレッシャローラ14を回転させることで、記録媒体5の斜行取り等を行いながら後述する画像形成部20内に設けられた吸着ローラ21及び吸着コロ22に搬送する。
【0013】
画像形成部20は、画像情報に基づきトナー画像を形成する画像形成ユニット30、及び、画像形成ユニット30に記録媒体5を搬送してトナー画像を転写するための各構成部材である吸着ローラ21、吸着コロ22、転写ベルト23、ドライブローラ24、アイドルローラ25、及び転写ローラ26から構成される。以下、画像形成部20を構成する各構成部材において、まず、画像形成ユニット30について説明し、次に、各転写部材について説明する。
【0014】
まず、画像形成ユニット30内に設けられたブラック色、イエロー色、マゼンタ色、及びシアン色の各色に対応する画像情報に基づいて記録媒体5に印刷する画像形成ユニット30K、30Y、30M、及び30Cについて説明する。画像形成ユニット30K、30Y、30M、及び30Cは、用紙搬送経路2における記録媒体5の搬送方向の順にそれぞれ配設されている。なお、画像形成ユニット30K、30Y、30M、及び30Cは、互いに略同一の構成であるため、画像形成ユニット30と称す。画像形成ユニット30は、画像情報に基づく静電潜像を担持する感光体ドラム31と、感光体ドラム31の表面に電荷を蓄えさせる帯電ローラ32と、画像情報に対応した光を感光体ドラム31の表面に照射するプリンタエンジン1本体に設けられたLEDヘッド33と、現像剤であるトナー34を収容するトナーカートリッジ35と、トナー34を現像ローラ37に供給するトナー供給ローラ36と、感光体ドラム31表面の静電潜像をトナー34により現像する現像ローラ37と、現像ローラ37に担持されたトナー34の厚みが均一となるように規制する現像ブレード38と、感光体ドラム31に残留したトナー34を掻き落とすクリーニングブレード39から構成される。また、画像形成ユニット30はプリンタエンジン1に対して着脱可能に配設されている。以下、画像形成ユニット30に設けられた各構成部材について図2を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
感光体ドラム31は、現像剤像が形成される像担持体であり、画像情報に基づく静電潜像を担持するために表面に電荷を蓄えることが可能なように構成されている。なお、感光体ドラム31は、円筒形状部からなり、回転可能なように設けられている。この様な感光体ドラム31は、アルミニウム等から成る導電性基層に光導電層と電荷輸送層からなる感光層を形成している。また、帯電ローラ32は、図示せぬ電源を用いて感光体ドラム31の表面に所定の正電圧又は負電圧を印加することにより、感光体ドラム31の表面に対して一様に電荷を蓄えさせるためのものである。帯電ローラ32は、一定の圧力で感光体ドラム31の表面に接触しながら回転可能なように設けられている。この様な帯電ローラ32は、導電性の金属シャフトにシリコーン等の半導電性ゴムを被覆することで構成されている。また、LED(Light Emitting Diode)ヘッド33は、画像情報に対応した光を感光体ドラム31の表面に照射して感光ドラム11の表面に静電潜像を形成することが可能なように構成されており、感光体ドラム31の上方に位置するようにプリンタエンジン1本体に設けられる。この様なLEDヘッド33は、例えば、複数のLED素子、レンズアレイ、及びLED駆動素子を組み合わせたものから構成されている。また、トナーカートリッジ35は、現像剤であるトナー34を収容する収容器であり、トナー供給ローラ36の上方に装着される。なお、トナーカートリッジ35は、例えば側面部が略円形状で記録媒体5の搬送方向と垂直方向に長い矩形状部から形成される。また、トナーカートリッジ35は、印刷動作によりトナー34が消耗した時に交換するために着脱自在に構成されている。
【0016】
トナー供給ローラ36は、回転しながら現像ローラ37に当接することで、現像ローラ37にトナー34を供給できるように設けられている。この様なトナー供給ローラ36は、例えば導電性を有する金属シャフトに発泡剤が添加されたゴムを被覆することで構成されている。また、現像ローラ37は、一定の圧力で感光体ドラム31の表面に接触しながら回転可能なように構成されている。現像ローラ37は、回転しながらトナー34を感光体ドラム31に搬送し、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像をトナー34によって現像する。この様な現像ローラ37は、円筒形状部からなり、導電性を有する金属シャフトに半導電ウレタンゴム材等を被覆することで構成されている。また、現像ブレード38は、その先端部が現像ローラ37の表面に当接するように設けられ、トナー供給ローラ36から現像ローラ37の表面に供給された内、一定量を越えたトナー34を掻き取ることで、現像ローラ37の表面に形成されるトナー34の厚みを常に均一となるように規制する。この様な現像ブレード38は、ステンレス等の板状弾性部材で形成されている。また、クリーニングブレード39は、ゴム材等から成る板状部から形成され、感光体ドラム31上に形成されたトナー画像を記録媒体5に転写した後に感光体ドラム31に残留したトナー34を掻き落とすために、クリーニングブレード39の先端部を感光体ドラム31の表面に当接させるように配設する。
【0017】
次に、画像形成ユニット30内に設けられた各転写部材について説明する。転写部材は、吸着ローラ21、吸着コロ22、転写ベルト23、ドライブローラ24、アイドルローラ25、及び転写ローラ26から構成される。以下、各転写部材について図1を参照しながら具体的に説明する。
【0018】
吸着ローラ21及び吸着コロ22は、給紙部10に設けられたプレッシャローラ14及びレジストローラ15から搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設され、吸着ローラ21の回転に付勢させて吸着コロ22を従動させることで、記録媒体5を転写ベルト23に静電吸着させる。また、転写ベルト23は、記録媒体5を画像形成ユニット30内に搬送して画像情報を現像するための搬送手段であり、転写ベルト23の周面上にトナー34による画像情報を保持するとともに、記録媒体5を静電吸着できるようにした無端状のベルトである。また、ドライブローラ24及びアイドルローラ25は、無端状に形成された転写ベルト23の両端に設けられ、転写ベルト23に一定の張力を与えている。また、ドライブローラ24及びアイドルローラ25は、高摩擦抵抗から成る部材で形成されている。ドライブローラ24を図示せぬ駆動系によって回転させると、ドライブローラ24の回転に従動してアイドルローラ25が回転することで、転写ベルト23を連動して駆動させる。また、転写ローラ26は、感光体ドラム31の下方に位置し、転写ローラ26と感光体ドラム31により記録媒体5を挟むように当接した状態で回転可能に設けられている。この様な転写ローラ26には、トナー34の帯電とは逆極性のバイアス電圧が供給され、感光体ドラム31の表面に形成されたトナー画像を記録媒体5に転写する。上述した様に、転写ベルト23に静電吸着した記録媒体5を、画像形成ユニット30K、30Y、30M、及び30Cを搬送する過程において、画像情報に基づきブラック色、イエロー色、マゼンタ色、及びシアン色の各色のトナー画像を記録媒体5に現像することにより、各色のトナー画像を記録媒体5に重ね合わせる。
【0019】
定着部40は、記録媒体5に転写されたトナー画像を溶解及び加圧して定着させる。また、定着部40は、定着ローラ41及び加圧ローラ42から構成される。以下、定着部40を構成する各構成部材について説明する。定着ローラ41と加圧ローラ42は、転写ベルト23により搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設され、録媒体5に転写されたトナー画像を定着させる。具体的には、定着ローラ41及び加圧ローラ42は表面が弾性体で円筒形状部から形成され、円筒形状部の内部にそれぞれハロゲンランプ等のヒータが配設されている。このような定着ローラ41及び加圧ローラ42は記録媒体5上に弱い静電気力だけで付着しているトナー画像を溶解した上で、加圧ローラ42の加圧力によりトナー画像を記録媒体5に定着させる。なお、加圧ローラ42は、定着ローラ41の回転に付勢されることで従動する。
【0020】
排出部50は、トナー画像が定着された記録媒体5を排紙トレイ57に排出する。また、排出部50は、経路切替ローラ51、経路切替コロ52、搬送ローラ53、搬送コロ54、排出ローラ55、排出コロ56、及び排紙トレイ57から構成される。以下、排出部50を構成する各構成部材について説明する。経路切替ローラ51及び経路切替コロ52は、定着部40から搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設されている。また、定着部40と経路切替ローラ51の間には図示せぬ媒体通過検出センサが配設されている。同様に、経路切替ローラ51と搬送ローラ53の間には図示せぬ経路切り替えセパレータが配設されている。ここで、記録媒体5の片面のみに印刷を行う場合、経路切り替えセパレータは動作せず、経路切替ローラ51の回転に付勢させて経路切替コロ52を従動させることで、定着部40から搬送されてきた記録媒体5を搬送ローラ53及び搬送コロ54に搬送する。一方、両面印刷を行う場合、媒体通過検出センサが記録媒体5を検出すると経路切り替えセパレータが動作することにより、経路切替ローラ51の回転に付勢させて経路切替コロ52を従動させることで、定着部40から搬送されてきた記録媒体5を用紙反転搬送経路3内の用紙反転ローラ61及び用紙反転コロ62に搬送する。また、搬送ローラ53及び搬送コロ54は、経路切替ローラ51及び経路切替コロ52から搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設され、搬送ローラ53の回転に付勢させて搬送コロ54を従動させることで、記録媒体5を排出ローラ55及び排出コロ56に排出する。また、排出ローラ55及び排出コロ56は、搬送ローラ53及び搬送コロ54から搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設され、排出ローラ55の回転に付勢させて排出コロ56を従動させることで、記録媒体5を排紙トレイ57に排出する。また、排紙トレイ57は、画像情報を印刷して排出された記録媒体5を積載して収容する収納スペースである。
【0021】
両面印刷ユニット60は、両面印刷を行う記録媒体5を反転させて画像形成部20に再搬送する。また、両面印刷ユニット60は、用紙反転ローラ61、用紙反転コロ62、駆動ローラ63、従動ローラ64、駆動ローラ65、従動ローラ66、駆動ローラ67、及び従動ローラ68から構成される。以下、両面印刷ユニット60を構成する各構成部材について説明する。用紙反転ローラ61及び用紙反転コロ62は、排出部50内に設けられた経路切替ローラ51及び経路切替コロ52から搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設されている。また、経路切替ローラ51と用紙反転ローラ61の間には図示せぬ媒体通過検出センサ及び図示せぬ経路切り替えセパレータが配設されている。なお、経路切替ローラ51及び経路切替コロ52から記録媒体5が搬送されてくると媒体通過検出センサが検出し、用紙反転ローラ61の回転に付勢させて用紙反転コロ62が従動することにより、記録媒体5を用紙反転搬送経路3内の反転部3Aに一旦引き込む。記録媒体5を反転部3Aに引き込んだ後、経路切り替えセパレータを作動させた上で、用紙反転ローラ61を逆回転させることにより、記録媒体5を搬送部3Bに設けた駆動ローラ63及び従動ローラ64に搬送する。なお、上述した動作により記録媒体5の表裏が反転するため両面印刷が可能である。また、駆動ローラ63及び従動ローラ64は、用紙反転ローラ61及び用紙反転コロ62から搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設され、駆動ローラ63の回転に付勢させて従動ローラ64を従動させることで、記録媒体5を駆動ローラ65及び従動ローラ66に搬送する。また、駆動ローラ65及び従動ローラ66は、駆動ローラ63及び従動ローラ64から搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設され、駆動ローラ65の回転に付勢させて従動ローラ66を従動させることで、記録媒体5を駆動ローラ67及び従動ローラ68に搬送する。また、駆動ローラ67及び従動ローラ68は、駆動ローラ65及び従動ローラ66から搬送されてきた記録媒体5を挟むように対向して配設され、駆動ローラ67の回転に付勢させて従動ローラ68を従動させることで、記録媒体5を画像形成部20内に設けられた吸着ローラ21及び吸着コロ22に搬送する。
【0022】
次に、プリンタエンジン1の制御について説明する。図3にプリンタエンジン1の制御に係るブロック図を、図4に印刷ジョブデータの例を、及び図5に仕切り用印刷ジョブデータの印刷例を示す。
【0023】
プリンタは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等から構成されるコントローラ部70からプリンタエンジン制御部90に指令を出し、当該プリンタエンジン制御部90の制御に基づき画像情報を記録媒体5に印刷するプリンタエンジン1を動作させる。
【0024】
コントローラ70は、図3に示すように印刷ジョブ受信部71、印刷ジョブバッファ72、仕切り用紙出力判定部73、印刷用紙設定格納部74、仕切り用印刷ジョブ格納部75、仕切り用印刷ジョブセレクタ76、及び印刷ジョブ処理部77から構成される。また、図4に示す印刷ジョブデータに係る印刷用紙設定において、用紙サイズはA4版及びA3版等を、用紙向きはShort Edge又はLong Edgeを、排紙面向きはフェイスアップ又はフェイスダウンを、印刷面は両面印刷又は片面印刷を選択できる。以下、コントローラ70を構成する各構成部材について図3、図4、及び図5を参照しながら具体的に説明する。
【0025】
印刷ジョブ受信部71は、ネットワーク及びUSB等の図示せぬ外部装置から印刷ジョブデータを受信するインターフェイスである。また、印刷ジョブバッファ72は、 印刷ジョブ受信部71で受信した印刷ジョブデータを一時的に格納するバッファである。また、仕切り用紙出力判定部73は、印刷ジョブバッファ72に格納されている印刷ジョブデータから印刷用紙に係る印刷用紙設定を抽出し、 抽出した印刷用紙設定と印刷用紙設定格納部74に格納されている印刷用紙設定とを比較することにより、仕切り用紙の出力の要否を判定する。なお、仕切り用紙出力判定部73では、印刷ジョブデータに付加された印刷用紙設定の内、用紙サイズ及び用紙向きについて比較を行う。用紙サイズ及び用紙向きを比較すると、異なる用紙サイズ又は異なる用紙向きが指定された2つの印刷ジョブを連続して印刷した場合においても、用紙の形状又は配置の違いに基づいて、排紙トレイ57に排出された2種類の印刷ジョブの境界を判別できる。したがって、用紙サイズ又は用紙向きが異なる印刷ジョブを連続して印刷する場合においても、 印刷ジョブ間に仕切り用紙を出力する必要は無い。また、印刷用紙設定格納部74は、印刷条件保持部であり、仕切り用紙出力判定部73における判定結果に基づいて印刷ジョブデータから抽出された印刷用紙設定を新たな印刷用紙設定として格納する。また、仕切り用印刷ジョブ格納部75は、仕切り用印刷ジョブ保持部であり、仕切り用紙に印刷する印刷ジョブデータを格納する。
【0026】
ここで、プリンタエンジン1に係る仕切り用印刷ジョブデータの設定条件について、図5を参照しながら説明する。印刷ジョブデータに係る設定条件は、排紙面向きをフェイスダウンとし、両面印刷を有効とする。上記の様な印刷設定にすると、2種類の印刷ジョブを連続して印刷する場合に、それぞれの印刷ジョブに係る排紙面向き及び印刷面の指定がどのような組み合わせで付加されていても、排紙トレイ57に出力された記録媒体5の上面を目視するだけで、印刷ジョブの境界を容易に判別することができる。また、排紙トレイ57に載置された複数枚の記録媒体5を手に取り、自分が印刷した記録媒体5のみを抜き取った後、他人が印刷した残りの記録媒体5の表裏を逆にして排紙トレイ57に戻した場合でも、記録媒体5の上側に仕切り用紙の印刷面が常に表示される。したがって、後で他人が印刷物を取りにきた場合でも、排紙トレイ57に載置された記録媒体5の上面を目視するだけで、印刷ジョブの境界を容易に判別することができる。
【0027】
仕切り用印刷ジョブセレクタ76は、仕切り用紙出力判定部73が出力する判定結果に基づき仕切り用印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77に投入する。具体的には、 仕切り用印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77へ投入する必要が有ると判定された場合、仕切り用印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77へ投入した上で、印刷ジョブバッファ72に格納されている印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77に投入する。同様に、仕切り用印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77へ投入する必要が無いと判定された場合、印刷ジョブバッファ72に格納されている印刷ジョブデータのみを印刷ジョブ処理部77に投入する。また、印刷ジョブ処理部77は、入力された印刷ジョブデータのPDL(Page Description Language)を翻訳して、プリンタエンジン1で印刷可能なビットマップデータをページ単位で生成する。プリンタエンジン制御部90は、コントローラ部70の印刷ジョブ処理部77からビットマップデータを受信した後、ビットマップデータを記録媒体5に印刷するプリンタエンジン1を動作させる。
【0028】
次に、プリンタエンジン制御部90における用紙搬送の制御について、 図1及び図2を参照しながら説明する。
【0029】
プリンタエンジン制御部90は、印刷ジョブデータに付加された排紙面向き及び両面印刷の設定を読み取り、上記設定の組み合わせに対応した制御を行う。具体的には、フェイスダウン及び片面印刷、フェイスアップ及び片面印刷、フェイスダウン及び両面印刷、及びフェイスアップ及び両面印刷の4つの設定の組み合わせがある。以下、4つの設定に場合分けしてそれぞれ説明する。
【0030】
フェイスダウン及び片面印刷の設定の場合、まず、ビットマップデータを印刷ジョブ処理部77からプリンタエンジン制御部90に開始ページから最終ページの順に入力する。次に、プリンタエンジン制御部90は、ビットマップデータの入力内容に基づいてビットマップデータを記録媒体5に印刷するプリンタエンジン1を動作させる。具体的には、プリンタエンジン1は、給紙部10において給紙トレイ4から記録媒体5を取り出し画像形成部20に搬送し、画像形成部20においてビットマップデータに基づきトナー画像を形成して記録媒体5に転写して定着部40に搬送し、定着部40において記録媒体5に転写されたビットマップ画像を溶解及び加圧して定着させて排出部50に搬送した後、排出部50においてビットマップ画像が定着された記録媒体5を排紙トレイ57に排出する
【0031】
フェイスアップ及び片面印刷の設定の場合、まず、ビットマップデータを印刷ジョブ処理部77からプリンタエンジン制御部90に開始ページから最終ページの順に入力する。次に、プリンタエンジン制御部90は、ビットマップデータの入力内容に基づいてビットマップデータを記録媒体5に印刷するプリンタエンジン1を動作させる。具体的には、プリンタエンジン1は、給紙部10において給紙トレイ4から記録媒体5を取り出し画像形成部20に搬送し、画像形成部20においてビットマップデータに基づきトナー画像を形成して記録媒体5に転写して定着部40に搬送し、定着部40において記録媒体5に転写されたビットマップ画像を溶解及び加圧して定着させた後に、排出部50内に設けられた経路切替ローラ51及び経路切替コロ52を経て、両面印刷ユニット60に搬送する。両面印刷ユニット60において、記録媒体5を反転して画像形成部20に再搬送した後、記録媒体5を画像形成部20、定着部40、及び排出部50の順に搬送して排紙トレイ57に排出するなお、画像形成部20ではトナー画像の形成及び転写動作を行わず、定着部40では溶解及び加圧動作を行わない。
【0032】
フェイスダウン及び両面印刷の設定の場合、まず、ビットマップデータを印刷ジョブ処理部77からプリンタエンジン制御部90に開始ページから最終ページの順に2ページ単位で入力する。次に、プリンタエンジン制御部90は、ビットマップデータの入力内容に基づいてビットマップデータを記録媒体5に印刷するプリンタエンジン1を動作させる。具体的には、プリンタエンジン1は、給紙部10において給紙トレイ4から記録媒体5を取り出し画像形成部20に搬送し、画像形成部20において最終ページ寄りのビットマップデータに基づきトナー画像を形成して記録媒体5に転写して定着部40に搬送し、定着部40において記録媒体5に転写されたビットマップ画像を溶解及び加圧して定着させた後に、排出部50内に設けられた経路切替ローラ51及び経路切替コロ52を経て、両面印刷ユニット60に搬送する。両面印刷ユニット60において、記録媒体5を反転して画像形成部20に再搬送した後、画像形成部20において開始ページ寄りのビットマップデータに基づきトナー画像を形成して記録媒体5に転写して定着部40に搬送し、定着部40において記録媒体5に転写されたビットマップ画像を溶解及び加圧して定着させた後に、排出部50において最終ページ寄り及び開始ページ寄りのビットマップ画像が両面印刷された記録媒体5を排紙トレイ57に排出する。
【0033】
フェイスアップ及び両面印刷の設定の場合、まず、ビットマップデータを印刷ジョブ処理部77からプリンタエンジン制御部90に最終ページから開始ページの順に2ページ単位で入力する。次に、プリンタエンジン制御部90は、ビットマップデータの入力内容に基づいてビットマップデータを記録媒体5に印刷するプリンタエンジン1を動作させる。具体的には、プリンタエンジン1は、給紙部10において給紙トレイ4から記録媒体5を取り出し画像形成部20に搬送し、画像形成部20において開始ページ寄りのビットマップデータに基づきトナー画像を形成して記録媒体5に転写して定着部40に搬送し、定着部40において記録媒体5に転写されたビットマップ画像を溶解及び加圧して定着させた後に、排出部50内に設けられた経路切替ローラ51及び経路切替コロ52を経て、両面印刷ユニット60に搬送する。両面印刷ユニット60において、記録媒体5を反転して画像形成部20に再搬送した後、画像形成部20において最終ページ寄りのビットマップデータに基づきトナー画像を形成して記録媒体5に転写して定着部40に搬送し、定着部40において記録媒体5に転写されたビットマップ画像を溶解及び加圧して定着させた後に、排出部50において開始ページ寄り及び最終ページ寄りのビットマップ画像が両面印刷された記録媒体5を排紙トレイ57に排出する。
【0034】
次に、本実施形態のプリンタの動作について説明する。図6にプリンタの動作に係るフローチャートを示す。
【0035】
プリンタ内のコントローラ部70に設けられた印刷ジョブ受信部71が、ネットワーク及びUSB等の図示せぬ外部装置から印刷ジョブデータを受信すると、受信した印刷ジョブデータを印刷ジョブバッファ72に一時的に格納し、プリンタの動作に係るシーケンスを開始する(S1)。次に、仕切り用紙出力判定部73は、受信された印刷ジョブデータから印刷用紙設定を抽出する(S2)。 次に、仕切り用紙出力判定部73は、印刷用紙設定格納部74内に用紙サイズが保持されているか否かを確認し、用紙サイズが保持されている場合(Yes)には手順4に進み、用紙サイズが保持されていない場合(No)には手順6に進む(S3)。次に、手順4に進んだ場合、受信された印刷ジョブデータから抽出した印刷用紙設定の用紙サイズと印刷用紙設定格納部74内に格納されている用紙サイズを比較し、用紙サイズが同一の場合(Yes)には手順6に進み、用紙サイズが異なる場合(No)には手順5に進む(S4)。次に、手順5に進んだ場合、仕切り用印刷フラグを有効して手順6に進む(S5)。 次に、受信された印刷ジョブデータから抽出した用紙サイズを印刷用紙設定格納部74に格納する(S6)。次に、仕切り用紙出力判定部73は、印刷用紙設定格納部74内に用紙向きが保持されているか否かを確認し、用紙向きが保持されている場合(Yes)には手順8に進み、用紙向きが保持されていない場合(No)には手順10に進む(S7)。
【0036】
手順8に進んだ場合、受信された印刷ジョブデータから抽出した用紙向きの用紙サイズと印刷用紙設定格納部74内に格納されている用紙向きを比較し、用紙サイズが同一の場合(Yes)には手順10に進み、用紙サイズが異なる場合(No)には手順9に進む(S8)。次に、手順9に進んだ場合、仕切り用印刷フラグを有効して手順10に進む(S9)。 次に、受信された印刷ジョブデータから抽出した用紙サイズを印刷用紙設定格納部74に格納する(S10)。次に、 仕切り用印刷ジョブセレクタ76は、仕切り用印刷フラグが有効か否かを確認し、仕切り用印刷フラグが有効である場合(Yes)には手順12に進み、仕切り用印刷フラグが無効である場合(No)には手順13に進む(S11)。次に、手順12に進んだ場合、仕切り用印刷ジョブ格納部75内に格納されている仕切り用印刷ジョブデータが仕切り用印刷ジョブセレクタ76を経て印刷ジョブ処理部77に投入された後、印刷ジョブ処理部77及びプリンタエンジン制御部90を経てプリンタエンジン1に送信することにより、仕切り用印刷ジョブデータが印刷される(S12)。次に、仕切り用印刷ジョブセレクタ76は、印刷ジョブバッファ72に格納されている印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77に投入した後、印刷ジョブ処理部77及びプリンタエンジン制御部90を経てプリンタエンジン1に送信することにより印刷ジョブデータが印刷されて、プリンタの動作に係るシーケンスを終了する(S13)。
【0037】
以上、第1の実施形態に係る印刷装置によれば、2種類の印刷ジョブを連続して印刷する場合、先に投入された印刷ジョブの印刷用紙設定と後に投入された印刷ジョブの印刷用紙設定を比較して、排紙トレイ57に載置される2種類の印刷ジョブに係る印刷物の境界が、用紙の形状又は用紙の配置の違いにより目視で容易に判別できる場合には仕切り用紙を出力しない。したがって、仕切り用紙を削減することができる。
【0038】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るプリンタについて説明する。なお、本実施形態においては、第1の実施形態に係る構成部材に加え、2種類の印刷ジョブを連続して印刷する場合において、先に投入された印刷ジョブの排紙時における印刷面の向きに、後に投入された印刷ジョブの排紙時における印刷面の向きを対応させるために、仕切り用紙に印刷する印刷データの内容を表面側と裏面側で切り替えられる構成部材を設けた。それ以外のプリンタに係る構成は、第1の実施形態で述べたプリンタの構成と同様である。そこで、本実施形態では、簡単のため第1の実施形態と同様の構成、動作、及び効果等に係る重複した説明は省略し、第1の実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。
【0039】
まず、プリンタエンジン1の制御について説明する。図7にプリンタエンジン1の制御に係るブロック図を、図4に印刷ジョブデータの例を、図8に片面のみ印刷及びフェイスダウンの設定条件で印刷され排紙トレイ57に載置された記録媒体5を上側面及び下側面から見た模式図を、図9に片面印刷と両面印刷を混合及びフェイスダウンの設定条件で印刷され排紙トレイ57に載置された記録媒体5を上側面及び下側面から見た模式図を、及び図10に仕切り用印刷ジョブデータの印刷例を示す。
【0040】
プリンタは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等から構成されるコントローラ部80からプリンタエンジン制御部90に指令を出し、当該プリンタエンジン制御部90の制御に基づき画像情報を記録媒体5に印刷するプリンタエンジン1を動作させる。
【0041】
コントローラ80は、図7に示すように第1の実施形態と同一の構成部材である印刷ジョブ受信部71、印刷ジョブバッファ72、仕切り用紙出力判定部73、印刷用紙設定格納部74、及び印刷ジョブ処理部77に加えて、第2の実施形態において追加された構成部材である仕切り用印刷ジョブ作成部81、第2印刷用紙設定格納部82、仕切り用印刷データ格納部83、仕切り用印刷ジョブセレクタ84、及びプリンタエンジン制御部90から構成される。また、図4に示す印刷ジョブデータに係る印刷用紙設定においては、第1の実施形態と同様である。以下、コントローラ80を構成する各構成部材について図7、図4、及び図8乃至図10を参照しながら具体的に説明する。
【0042】
仕切り用印刷ジョブ生成部である仕切り用印刷ジョブ作成部81は、印刷条件保持部である第2印刷用紙設定格納部82内に格納されている印刷用紙設定に基づいて、 仕切り用紙に印刷すべき印刷ジョブの作成を行う。また、仕切り用紙印刷ジョブを作成した後、印刷ジョブバッファ72に格納されている印刷ジョブデータから印刷用紙に係る印刷用紙設定を抽出し、 抽出した印刷用紙設定を第2印刷用紙設定格納部82に格納する。なお、仕切り用印刷ジョブ作成部81は、 印刷ジョブデータに付加される用紙設定の内、排紙面向きについてはShort Edge又はLong Edgeを、同様に両面印刷については両面印刷又は片面印刷を選択することにより、仕切り用紙に印刷する印刷データを決定する。上記の様に仕切り用紙へ印刷する印刷データを決定することにより、2種類の印刷物の印刷面の組み合わせによっては、白紙の仕切り用紙を排紙トレイ57に出力しても2種類の印刷物の境界が容易に判別可能な場合があり、トナー34の消費を抑制することができる。
【0043】
ここで、上述した2種類の印刷ジョブを連続して印刷した場合において先に印刷された印刷物と後に印刷された印刷物の境界が容易に判別可能であることに関し、図8及び図9を参照しながら具体的に説明する。なお、まず、図8を参照しながら片面のみ印刷及びフェイスダウンの設定条件で印刷した場合について説明し、次に、図9を参照しながら片面印刷と両面印刷を混合及びフェイスダウンの設定条件で印刷した場合について説明する。
【0044】
まず、片面のみ印刷及びフェイスダウンの設定条件で印刷した場合について説明する。 図8に記載した(1)は、2種類の印刷ジョブを連続して印刷した場合において先に印刷された印刷物で、片面印刷及びフェイスダウンの設定により印刷した記録媒体5の模式図である。また、図8に記載した(3)は、2種類の印刷ジョブを連続して印刷した場合において後に印刷された印刷物で、片面印刷及びフェイスダウンの設定により印刷した記録媒体5の模式図である。また、図8に記載した(2)は仕切り用紙である記録媒体5の模式図である。仕切り用紙は、2種類の印刷ジョブを連続して印刷した場合において先に印刷された印刷物と後に印刷された印刷物の間に排出される。なお、図8に示す通り、仕切り用紙の上側面には境界を判別するための印刷が必要であるが、仕切り用紙の下側面は白紙でも先に印刷された印刷物と後に印刷された印刷物の境界の判別が可能である。
【0045】
次に、片面印刷と両面印刷を混合及びフェイスダウンの設定条件で印刷した場合について説明する。図9に記載した(1)は、2種類の印刷ジョブを連続して印刷した場合において先に印刷された印刷物で、両面印刷及びフェイスダウンの設定により印刷した記録媒体5の模式図である。また、図9に記載した(3)は、2種類の印刷ジョブを連続して印刷した場合において後に印刷された印刷物で、片面印刷及びフェイスダウンの設定により印刷した記録媒体5の模式図である。また、図9に記載した(2)は仕切り用紙である記録媒体5の模式図である。仕切り用紙は、2種類の印刷ジョブを連続して印刷した場合において先に印刷された印刷物と後に印刷された印刷物の間に排出される。なお、図8に示す通り、仕切り用紙の上面側及び下側面ともに白紙でも先に印刷された印刷物と後に印刷された印刷物の境界の判別が可能である。この条件において、用紙の上側面については、仕切り用紙ではなく、仕切り用紙と印刷物の間に境界が生じるが、先に印刷した印刷物と後に印刷した印刷物の境界を判別するという面においては、図8を参照しながら前述した同様の効果が得られる。なお、第2印刷用紙設定格納部82に格納されている、排紙面向きについてはShort Edge又はLong Edge、両面印刷については両面印刷又は片面印刷に係る設定に基づき、表1に示す様に仕切り用印刷ジョブを作成する。但し、仕切り用印刷ジョブの印刷用紙設定は、両面印刷及びフェイスダウンとする。両面印刷及びフェイスダウンの設定にすることにより、仕切り用印刷ジョブの1ページ目の印刷データは排紙トレイ57に対して下側面に排出され、2ページ目の印刷データは排紙トレイ57に対して上側面に排出される。
【0046】
【表1】

【0047】
仕切り用印刷データ格納部83は、 仕切り用印刷ジョブ作成部81で使用される印刷データを格納する。図10に仕切り用印刷ジョブデータの印刷例を示す。図10に記載した印刷有りの記録媒体5の模式図は仕切り用紙に印刷を行う場合の印刷データであり、同様に、図10に記載した白紙の記録媒体5の模式図は印刷を行わない場合の白紙データである。また、仕切り用印刷ジョブセレクタ84は、 仕切り用紙出力判定部73が出力する判定結果に基づき、 仕切り用印刷ジョブ作成部81で作成された仕切り用印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77に投入する。具体的には、仕切り用印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77へ投入する必要が有ると判定された場合、仕切り用印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77へ投入し、印刷ジョブバッファ72に格納されている印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77に投入する。同様に、仕切り用印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77へ投入する必要が無いと判定された場合、印刷ジョブバッファ72に格納されている印刷ジョブデータのみを印刷ジョブ処理部77に投入する。
【0048】
次に、本実施形態のプリンタの動作について説明する。図11及び図12にプリンタの動作に係るフローチャートを示す。
【0049】
プリンタ内のコントローラ部80に設けられた印刷ジョブ受信部71が、ネットワーク及びUSB等の図示せぬ外部装置から印刷ジョブデータを受信すると、受信した印刷ジョブデータを印刷ジョブバッファ72に一時的に格納し、プリンタの動作に係るシーケンスを開始する(S21)。なお、手順22乃至手順30は、図6を参照しながら前述した第1の実施形態に係るフローチャートの手順2乃至手順10と同様であるため、説明を省略する。次に、 仕切り用印刷ジョブセレクタ84は、仕切り用印刷フラグが有効か否かを確認し、仕切り用印刷フラグが有効である場合(Yes)には手順32に進み、仕切り用印刷フラグが無効である場合(No)には手順40に進む(S31)。次に、手順32に進んだ場合、第2印刷用紙設定格納部82に排紙面向きが保持されているか否かを確認し、排紙面向きが保持されている場合(Yes)には手順34に進み、排紙面向きが保持されていない場合(No)には手順33に進む(S32)。次に、手順33に進んだ場合、フェイスダウンをデフォルトの排紙面向きの設定として第2印刷用紙設定格納部82に格納する(S33)。次に、第2印刷用紙設定格納部82に両面印刷設定が保持されているか否かを確認し、両面印刷設定が保持されている場合(Yes)には手順36に進み、両面印刷設定が保持されていない場合(No)には手順35に進む(S34)。
【0050】
次に、手順35に進んだ場合、両面印刷をデフォルトの両面印刷設定として第2印刷用紙設定格納部82に格納する(S35)。次に、仕切り用印刷ジョブ作成部81は、第2印刷用紙設定格納部82内に格納された排紙面向き及び両面印刷設定に基づいて、仕切り用紙に印刷する印刷ジョブデータを作成する(S36)。次に、受信した印刷ジョブデータに付加されていた排紙面向きを、第2印刷用紙設定格納部82に格納する(S37)。次に、受信した印刷ジョブデータに付加されていた両面印刷設定を、第2印刷用紙設定格納部82に格納する(S38)。次に、仕切り用印刷ジョブセレクタ84は、手順36で作成された仕切り用印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77に投入した後、印刷ジョブ処理部77及びプリンタエンジン制御部90を経てプリンタエンジン1に送信することにより、仕切り用印刷ジョブデータが印刷される(S39)。次に、仕切り用印刷ジョブセレクタ84は、印刷ジョブバッファ72に格納されている印刷ジョブデータを印刷ジョブ処理部77に投入した後、印刷ジョブ処理部77及びプリンタエンジン制御部90を経てプリンタエンジン1に送信することにより印刷ジョブデータが印刷されて、プリンタの動作に係るシーケンスを終了する(S40)。
【0051】
以上、第2の実施形態に係る印刷装置によれば、2種類の印刷ジョブを連続して印刷する場合において、先に投入された印刷ジョブの排紙時における印刷面の向きに、後に投入された印刷ジョブの排紙時における印刷面の向きを対応させるために、仕切り用紙に印刷する印刷データの内容を表面側と裏面側で切り替えられる構成部材を設けた。さらに、印刷物と印刷物の印刷面の組み合わせにより印刷が不要と判断された場合には、仕切り用紙の印刷面に一切印刷しない構成にした。したがって、 印刷物と印刷物の間に仕切り用紙を出力する場合であっても、トナー34の消費を抑制することができる。
【0052】
なお、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態においては、プリンタを電子写真式のカラープリンタとして説明したが、外部より印刷データを入力して印刷する機構を有する装置であれば、本実施形態のプリンタを複写機、モノクロプリンタ、ファクシミリ装置、自動原稿読み取り装置、複合装置などに設けても良い。また、本発明における画像形成ユニット30は、ブラック色、イエロー色、マゼンタ色、及びシアン色の4色に対応する画像情報を現像する4つの画像形成ユニット30K、30Y、30M、及び30Cを備えるが、ブラック色を除いた3色に対応する3つの画像形成ユニット30Y、30M、及び30Cを備えても良い。同様に、それぞれブラック色に対応する画像情報を現像する2つの画像形成ユニット30Kを備えても良い。このように、画像形成ユニット30の個数、画像形成ユニット30の色の組み合わせ、配設位置等は限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、本発明は印刷装置のコントローラ部に関するものであることから、 印刷機構を直接的に有していないプリンタサーバにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態のプリンタ内に設けられたプリンタエンジンを示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のプリンタエンジン内に設けられた画像形成ユニットを示す構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係る印刷ジョブデータの例を示す模式図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のプリンタの制御に係る仕切り用印刷ジョブデータの印刷例を示す模式図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のプリンタの動作に係る流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係る片面のみ印刷及びフェイスダウンの設定条件で印刷され排紙トレイに載置された記録媒体を上側面及び下側面から見た状態を示す模式図である。
【図9】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係る片面印刷と両面印刷を混合及びフェイスダウンの設定条件で印刷され排紙トレイに載置された記録媒体を上側面及び下側面から見た状態を示す模式図である。
【図10】本発明の第2の実施形態のプリンタの制御に係る仕切り用印刷ジョブデータの印刷例を示す模式図である。
【図11】本発明の第2の実施形態のプリンタの動作の前半に係る流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態のプリンタの動作の後半に係る流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 プリンタエンジン
2 用紙搬送経路
3 用紙反転搬送経路
3A 反転部
3B 搬送部
4 給紙トレイ
5 記録媒体
10 給紙部
11 ホッピングローラ
12 プレッシャローラ
13 レジストローラ
14 プレッシャローラ
15 レジストローラ
20 画像形成部
21 吸着ローラ
22 吸着コロ
23 転写ベルト
24 ドライブローラ
25 アイドルローラ
26 転写ローラ
30,30K,30Y,30M,30C 画像形成ユニット
31 感光体ドラム
32 帯電ローラ
33 LEDヘッド
34 トナー
35 トナーカートリッジ
36 トナー供給ローラ
37 現像ローラ
38 現像ブレード
39 クリーニングブレード
40 定着部
41 定着ローラ
42 加圧ローラ
50 排出部
51 経路切替ローラ
52 経路切替コロ
53 搬送ローラ
54 搬送コロ
55 排出ローラ
56 排出コロ
57 排紙トレイ
60 両面印刷ユニット
61 用紙反転ローラ
62 用紙反転コロ
63 駆動ローラ
64 従動ローラ
65 駆動ローラ
66 従動ローラ
67 駆動ローラ
68 従動ローラ
70 コントローラ部
71 印刷ジョブ受信部
72 印刷ジョブバッファ
73 仕切り用紙出力判定部
74 印刷用紙設定格納部
75 仕切り用印刷ジョブ格納部
76 仕切り用印刷ジョブセレクタ
77 印刷ジョブ処理部
80 コントローラ部
81 仕切り用印刷ジョブ作成部
82 第2印刷用紙設定格納部
83 仕切り用印刷データ格納部
84 仕切り用印刷ジョブセレクタ
90 プリンタエンジン制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、
前記印刷ジョブ受信部で受信した印刷ジョブを印刷可能なビットマップデータに変換する印刷ジョブ処理部と、
前記ビットマップデータに基づいて媒体の所定の面に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に入力された印刷ジョブの印刷条件を保持する印刷条件保持部と、
前記印刷条件保持部に保持された前記印刷ジョブの印刷条件と次に入力された印刷ジョブの印刷条件とを比較して仕切り用紙の出力の要否を判定する仕切り用紙出力判定部と、
前記印刷条件保持部に保持されている印刷条件に基づき仕切り用紙に印刷される印刷ジョブを保持する仕切り用印刷ジョブ保持部とを有し、
前記画像形成部は、前記仕切り用紙出力判定部により仕切り用紙の出力が必要と判定された場合、前記外部装置から受信した印刷ジョブの印刷を行う時に、前記仕切り用印刷ジョブ保持部に保持された前記仕切り用印刷ジョブの印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷条件保持部は、印刷用紙サイズ及び印刷用紙向きを印刷条件として保持することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記仕切り用紙印刷ジョブ保持部は、両面印刷が指定された印刷ジョブを保持することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
外部装置から印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、
前記印刷ジョブ受信部で受信した印刷ジョブを印刷可能なビットマップデータに変換する印刷ジョブ処理部と、
前記ビットマップデータに基づいて媒体の所定の面に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に入力された印刷ジョブの印刷条件を保持する印刷条件保持部と、
前記印刷条件保持部に保持された前記印刷ジョブの印刷条件と次に入力された印刷ジョブの印刷条件とを比較して仕切り用紙の出力の要否を判定する仕切り用紙出力判定部と、
前記印刷条件保持部に保持されている印刷条件に基づき仕切り用紙に印刷する印刷ジョブを生成する仕切り用印刷ジョブ生成部とを有し、
前記画像形成部は、前記仕切り用紙出力判定部により仕切り用紙の出力が必要と判定された場合、前記外部装置から受信した印刷ジョブの印刷を行う時に、前記仕切り用印刷ジョブ生成部により生成された印刷ジョブの印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
前記印刷条件保持部は、印刷用紙サイズ、印刷用紙向き、排紙面向き、両面印刷、及び片面印刷のうち、1つ以上を印刷条件として保持すること特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記仕切り用紙印刷ジョブ生成部は、両面印刷が指定された印刷ジョブを生成することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記仕切り用紙印刷ジョブ生成部は、前記印刷条件保持部に保持されている印刷条件に基づいて、表面と裏面で異なる内容で印刷を行う印刷ジョブを生成することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷条件は、排紙面向き、両面印刷、片面印刷のうち、1つ以上の印刷条件であることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−23398(P2010−23398A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189671(P2008−189671)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】