説明

印字処理システム、印字処理方法及び印字処理プログラム

【課題】印字媒体の無駄を減らす。
【解決手段】印字長算出手段7が商品の精算情報に基づいて印字媒体に対する印字長Lを算出し、比較判定手段8が、算出された印字長Lと印字媒体の残量の長さとの比較結果に応じて、精算情報に基づき印字媒体に印字して印字手段3にレシートを発行させるか否かを判定する。これにより、精算情報に基づく印字長Lに応じて印字媒体を無駄にすることなく印字することができるようになり、また、印字媒体の交換のため及び交換した印字媒体に対する再印字のために顧客を待たせる機会が減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字処理システム、印字処理方法及び印字処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売店には、POS(Point Of Sale)システムが広く普及している。POSシステムを構成するPOS端末は、バーコードスキャナを備え、商品に付されたバーコードをスキャンし、商品コードを取得し、取得した商品コードで商品情報ファイルを検索して、商品名及び販売価格等の商品情報を取得する。さらに、POS端末は、印字媒体であるロール紙を内蔵するプリンタを備え、取得した商品情報と、販売価格、顧客からの預かり金額、預かり金額に対する釣銭金額等を含む精算情報をプリンタでロール紙に印字してレシートを発行する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなプリンタを備えるPOS端末は、ロール紙が所定量消費されたニアエンド状態であることをロール紙の重量で判断する。例えば、60メートルのロール紙では、残量の長さが2.5メートルとなった時点の重量でニアエンド状態が判別される。そして、POS端末は、プリンタのロール紙がニアエンド状態であることを判別すると、例えば、POS端末が備えるディスプレイにロール紙の交換要求案内を表示させる。この表示を視認したオペレータはロール紙の交換時期を知ることができ、ロール紙の交換を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−076556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロール紙の単位長さ当たりの重量は一般的に軽量である。このため、上記のようにロール紙の残量をロール紙の重量で判別するには、重量の小さな変化を検知する必要があり、ロール紙の残量を厳密に把握することは難しい。このことから、上記のように60メートルのロール紙の場合にはニアエンド状態とする残量の長さを2.5メートルに設定し、余裕を持たせている。しかし、ロール紙の残量の長さが2.5メートルでニアエンド状態を判別する場合には、ロール紙にレシートを印字するのに十分な長さが残っておりロール紙を無駄にしているという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、印字媒体の無駄を減らした印字処理システム、印字処理方法及び印字処理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、商品の精算情報に基づき印字媒体に印字してレシートを発行する印字手段と、前記精算情報に基づいて前記印字媒体に対する印字長を算出する印字長算出手段と、前記印字長算出手段が算出した前記印字長と前記印字媒体の残量の長さとの比較結果に応じて前記印字手段に印字させるか否かを判定する比較判定手段と、を有する印字処理システムが提供される。
【0008】
また、上記目的を達成するために、上記印字処理システムと同様の印字処理方法及び印字処理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
このような印字処理システム、印字処理方法及び印字処理プログラムにより、印字媒体の無駄を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態に係る印字処理システムの構成例を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に係るPOSシステムの構成例を示す図である。
【図3】第2の実施の形態に係るキャッシャユニットのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係るチェッカユニット及びキャッシャユニットの商品精算処理のシーケンス図である。
【図5】第2の実施の形態に係るキャッシャユニットの商品登録処理のフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係る商品マスタの一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る登録済商品リストの一例を示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係るキャッシャユニットの機能を表す機能ブロック図である。
【図9】第2の実施の形態に係るロール紙に関する情報の一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態に係るレシート及び当たり券の一例をそれぞれ示す図である。
【図11】第2の実施の形態に係るレシートの印字処理を示すフローチャート(その1)である。
【図12】第2の実施の形態に係るレシートの印字処理を示すフローチャート(その2)である。
【図13】第2の実施の形態に係るレシートの印字処理におけるロール紙残量更新処理及び印字長算出処理をそれぞれ示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る印字処理システムの構成例を示す図である。
【0012】
印字処理システムは、商品の精算情報に基づいて印字媒体に印字してレシートを発行する際に、当該精算情報に基づいて算出した印字媒体に対する印字長と印字媒体の残量の長さとの比較結果に応じて印字手段に印字させるか否かを判定するものである。
【0013】
このような印字処理システム1は、例えば、小売店のPOSシステムでのレシートの印字に用いられ、図1に示されるように、印字手段3と、表示手段4、チェッカ手段5、精算処理手段6、印字長算出手段7、比較判定手段8、印字制御手段9、表示要求手段10を備えている。なお、少なくとも、精算処理手段6と、印字長算出手段7、比較判定手段8、印字制御手段9、表示要求手段10は、印字処理システム1が備える図示しないCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)によって印字処理プログラムが実行されることにより、その処理機能が実現されるようにすることも可能である。
【0014】
まず、印字手段3は、印字媒体を内蔵しており、当該印字媒体に印字してレシートを発行する。印字媒体は、例えば、連続して巻き回されたロール状の紙である。印字手段3は当該印字媒体に対して精算した内容を印字すると共に印字方向に対して垂直方向に印字媒体を搬送させて、印字が完了すると印字箇所がカッターで切り取られてレシートとして発行される。また、印字手段3は、後述する印字制御手段9によりこのような印字動作が制御される。
【0015】
表示手段4は、後述する表示要求手段10からの表示要求に応じて表示する。
チェッカ手段5は、商品の商品コードを入力する。チェッカ手段5は、例えば、バーコードスキャナを備えており、オペレータが顧客の支払対象の商品に付されたバーコードをバーコードスキャナでスキャンして、商品コードを読み取って入力する。
【0016】
精算処理手段6は、チェッカ手段5が入力した商品コードで商品情報ファイルを検索し、支払対象として、商品名及び販売価格等の商品情報を特定し、特定した商品について精算処理を実行する。そして、精算処理手段6は、精算処理において顧客から預かり金、預かり金に対する釣銭の払い出しを行う。
【0017】
印字長算出手段7は、このような精算処理における精算情報(商品情報、預かり金、釣銭等)に基づいて印字手段3の印字媒体に対する印字長を算出する。なお、印字長は、例えば、印字手段3によるロール状の印字媒体の搬送方向と同じ方向に対応する長さである。
【0018】
比較判定手段8は、印字長算出手段7が算出した印字長と、印字媒体の残量の長さの情報を表す印字媒体残量情報2との比較結果に応じて比較判定手段8に印字させるか否かを判定する。判定の結果が印字媒体に対する印字長が印字媒体の残量の長さ以下である場合には、比較判定手段8は印字制御手段9に精算情報に基づく印字要求を通知する。一方、印字長が印字媒体の残量の長さを超える場合には、表示要求手段10に印字媒体の交換要求案内の表示要求を通知する。
【0019】
印字制御手段9は、比較判定手段8からの印字要求に応じて、比較判定手段8に精算情報に基づいた印字を行わせて、レシートを発行させる。
表示要求手段10は、比較判定手段8からの表示要求に応じて、表示手段4に印字手段3の印字媒体の交換要求案内を表示させる。
【0020】
このような印字処理システム1による印字処理方法について説明する。
印字処理システム1のチェッカ手段5が、バーコードスキャナを備えており、オペレータが顧客の支払対象の商品A,B,C,・・・に付されたバーコードをバーコードスキャナでスキャンして、各商品の商品コードを読み取ることで入力する。そして、精算処理手段6は、チェッカ手段5が入力した商品コードで商品情報ファイルを検索し、商品名及び販売価格等の商品情報を特定し、支払対象として商品を特定した商品について精算処理を実行し、顧客から預かり金の受け付け、預かり金に対する釣銭の払い出しを行う。
【0021】
印字長算出手段7は、精算処理が終了すると、精算情報に基づいて印字手段3の印字媒体に対する印字長Lを算出する。
比較判定手段8は、算出した印字長Lが印字媒体の残量の長さ以下である場合、即ち、印字長Lを印字できるほどに印字媒体の残量が十分に残っている場合には、印字制御手段9に精算情報に基づく印字要求を通知する。印字制御手段9は印字要求に応じて印字手段3に印字媒体に印字させてレシートを発行させる。オペレータは、発行されたレシートを顧客に手渡し、精算が完了する。
【0022】
これに対して、算出した印字長Lが印字媒体の残量の長さを超える場合、即ち、印字長Lを印字できるだけの残量が印字媒体に残っていない場合には、比較判定手段8は、印字手段3に印字を行わせずに、表示要求手段10に印字媒体の交換要求案内の表示要求を通知する。表示要求手段10は表示要求に応じて交換要求案内を表示手段4に表示させる。オペレータは表示手段4に表示された印字媒体の交換要求案内に促されて印字手段3の印字媒体を交換する。そして、印字処理システム1で印字処理を再度実行させてレシートが発行されると、オペレータはレシートを顧客に手渡し、精算が完了する。
【0023】
なお、このようにレシートが発行されるごとに、印字媒体残量情報2は発行されたレシートの長さ分が引かれて更新される。
このように印字処理システム1では、レシートの発行時に、印字媒体に対する精算情報に基づく印字長を算出して、当該印字長と印字媒体の残量の長さとを比較する。比較の結果、印字長が印字媒体の残量の長さ以下であれば印字手段3に印字を行わせるようにし、印字長が印字媒体の残量の長さを超える場合には印字手段3に印字を行わせないようにした。これにより、精算情報に基づく印字長に応じて印字媒体を無駄にすることなく印字することができるようになる。
【0024】
また、精算情報に基づく印字長が印字媒体の残量の長さを超える場合には印字手段3による印字が行われないことから印字途中で印字媒体が不足することが生じなくなる。これにより、交換後の印字媒体に対する再印字のために顧客を待たせることもなくなる。
【0025】
なお、第1の実施の形態では、算出した印字長Lが印字媒体の残量の長さを超える場合には、表示手段4に印字媒体の交換要求案内を表示するようにしたが、このような表示に限らず、オペレータに印字媒体の交換要求を案内できれば、例えば、音声等のその他の手段を利用することも可能である。
【0026】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では第1の実施の形態をより詳細に説明する。
まず、POSシステム100の構成について図2を用いて説明する。
【0027】
図2は、第2の実施の形態に係るPOSシステムの構成例を示す図である。
POSシステム100は、POSサーバ130と1台または複数台のPOS端末101(図2では1台の場合を図示)を備え、販売時点情報管理を行う。POSサーバ130とPOS端末101とは、ネットワーク131を介して通信可能に接続される。
【0028】
POSサーバ130は、POS端末101により登録された販売情報を一元管理する。また、POSサーバ130は、商品を識別するための商品コード、価格等を登録した商品マスタを管理する。
【0029】
POS端末101は、キャッシャユニット102と、チェッカユニット103とを有する。
キャッシャユニット102は、主として販売代金の受領作業を行うためのユニットである。キャッシャユニット102は、制御ユニット140と、キーボード105、自動釣銭機106、キャッシュドロア107、自動釣札機108、磁気カードリーダ109、タッチパネル110、ディスプレイ111、カスタマディスプレイ112、プリンタ113を有する。
【0030】
制御ユニット140は、キャッシャユニット102を制御すると共に、POS端末101を統括的に制御するコンピュータである。
自動釣銭機106は、顧客から受け取った硬貨の入金と、釣銭の出金とを行う。自動釣札機108は、顧客から受け取った紙幣の入金と、釣札の出金とを行う。キャッシュドロア107は、硬貨及び紙幣を収納する収納庫である。
【0031】
ディスプレイ111は、取引作業を行うための所定のGUI(Graphical User Interface)を表示する。また、ディスプレイ111は、例えば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ111は、タッチパネル110の下層に位置している。ディスプレイ111の表示する画像は、タッチパネル110を透過して、オペレータから視認可能である。オペレータは、ディスプレイ111によって表示された画像を見ながら、タッチパネル110に対するタッチ操作を行うことができる。キーボード105は、ディスプレイ111に表示されたGUIを操作するための入力装置である。カスタマディスプレイ112は、顧客側に取引情報を表示する表示装置であり、例えば、商品購入代金の合計額、顧客からの預かり金額、釣銭金額等を表示する。磁気カードリーダ109は、クレジットカード、会員カード等が備える磁気ストライプに記録された情報を読み取る。プリンタ113は、顧客の精算処理結果をロール紙に印字してレシートを発行する印字手段である。
【0032】
チェッカユニット103は、主として商品コードの入力作業を行うためのユニットである。チェッカユニット103は、レーン台115と、支柱116、固定スキャナ117、スピーカ118、多項目キーボード119、ディスプレイ120、カスタマディスプレイ121、タッチパネル122を有する。
【0033】
レーン台115は、支柱116を支持する。また、レーン台115には、顧客が持参した買い物かごや、買い物かごに投入された商品が載置される。支柱116は、固定スキャナ117と、スピーカ118、多項目キーボード119、ディスプレイ120、カスタマディスプレイ121、タッチパネル122を支持する。固定スキャナ117は、商品に付与されたバーコードを読み取るための装置である。オペレータは、商品に付されたバーコードを固定スキャナ117に向けてかざすことで、固定スキャナ117を入力装置とした商品コードの入力を行う。商品コードの入力結果は、ディスプレイ120に表示されて、オペレータが商品コードの入力結果を確認することができる。
【0034】
タッチパネル122は、バーコードの付されていない商品(例えば、ばら売りの野菜や魚等の生鮮食料品や、惣菜等)をディスプレイ120に表示される商品群から選択する入力装置である。カスタマディスプレイ121は、顧客側に取引情報を表示する表示装置であり、例えば、商品コードを入力した商品の名称、単価等を表示する。また、スピーカ118により音声で入力結果を報知する。例えば、スピーカ118は、入力が正常になされたときと、入力についてオペレータに注意喚起をする必要があるとき等状態に応じて異なる態様の音声出力を行う。より具体的には、例えば、正常時は、「ピッ」という単発音で、注意喚起時は、「ピピッ」という連続音のようにオペレータが容易に区別可能な音声出力を行う。多項目キーボード119は、オペレータの操作を受け付ける。例えば、多項目キーボード119は、スピーカ118からの音声出力で注意喚起されたときに、操作の誤りを認識したオペレータによる訂正操作を受け付ける。
【0035】
次に、第2の実施の形態のキャッシャユニット102のハードウェア構成について説明する。
図3は、第2の実施の形態に係るキャッシャユニットのハードウェア構成例を示す図である。
【0036】
キャッシャユニット102は、制御ユニット140に各種入出力装置を接続する。制御ユニット140は、CPU140aによって装置全体が制御されている。CPU140aには、バス140gを介してRAM(Random Access Memory)140bと、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)140c、通信インタフェース140d、グラフィック処理装置140e、入出力インタフェース140fが接続されている。
【0037】
RAM140bには、CPU140aに実行させるOS(Operating System)のプログラム、サーバを実行するためのアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM140bにはCPU140aによる処理に必要な各種データが格納される。HDD140cにはOS、アプリケーションプログラムが格納される。
【0038】
グラフィック処理装置140eには、ディスプレイ111及びカスタマディスプレイ112が接続されている。グラフィック処理装置140eはCPU140aからの命令に応じて、画像をディスプレイ111及びカスタマディスプレイ112の画面に表示させる。
【0039】
入出力インタフェース140fには、キーボード105と、自動釣銭機106、キャッシュドロア107、自動釣札機108、磁気カードリーダ109、タッチパネル110、プリンタ113が接続されている。また、入出力インタフェース140fは、可搬型記録媒体123への情報の書込み、並びに、可搬型記録媒体123への情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース140fは、キーボード105と、自動釣銭機106、キャッシュドロア107、自動釣札機108、磁気カードリーダ109、タッチパネル110、プリンタ113、可搬型記録媒体インタフェースからそれぞれ送られてくる信号をバス140gを介してCPU140aに送信する。
【0040】
通信インタフェース140dは、例えば、RS−232C(Recommended Standard 232 version C)、USB(Universal Serial Bus)接続の接続形式でチェッカユニット103に接続されている。通信インタフェース140dは、チェッカユニット103との間でデータの送受信を行う。
【0041】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、チェッカユニット103、POSサーバ130も同様のハードウェア構成で実現できる。
【0042】
なお、キャッシャユニット102及びチェッカユニット103は、それぞれFPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processer)等からなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU140aを有しない構成とすることもできる。その場合、キャッシャユニット102、チェッカユニット103は、それぞれ不揮発性メモリ(例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカード等)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体123、あるいは通信インタフェース140dを介してファームウェアを書き込むことができる。このようにキャッシャユニット102、チェッカユニット103は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をすることもできる。
【0043】
次に、第2の実施の形態のPOS端末101の商品精算シーケンスについて図4を用いて説明する。
図4は、第2の実施の形態に係るチェッカユニット及びキャッシャユニットの商品精算処理のシーケンス図である。
【0044】
POS端末101は、顧客の買い物ごとに商品コードの入力と精算を行う。商品精算処理は、チェッカユニット103が商品に付されたバーコードを読み取って精算対象を特定し、キャッシャユニット102が精算を行う処理である。
【0045】
[ステップS11]キャッシャユニット102は、固定スキャナ117の初期化を指示する。固定スキャナ117の初期化の指示は、例えば、オペレータによるキーボード105またはタッチパネル110の操作に基づいて行われる。例えば、キャッシャユニット102は、顧客の買い物一回ごとに登録済商品リスト(後述する図7参照)の初期化指示を行う。
【0046】
[ステップS21]チェッカユニット103は、キャッシャユニット102からの初期化指示を受けて買い物単位のデータを記憶する記憶領域の初期化を行う。
[ステップS22]チェッカユニット103は、商品コードの入力を終了するか否かを判定する。商品コードの入力の終了判定は、キャッシャユニット102からの終了指示を受けて判定する。チェッカユニット103は、商品コードの入力を終了すると判定した場合は、商品コードの入力を終了する。一方、チェッカユニット103は、商品コードの入力を終了しないと判定した場合は、ステップS23に進む。
【0047】
[ステップS23]チェッカユニット103は、固定スキャナ117から商品に付されたバーコードを読み取る。なお、バーコードの付されていない商品については、チェッカユニット103は、多項目キーボード119またはタッチパネル122からオペレータにより商品種別、数量等が入力される。
【0048】
[ステップS24]チェッカユニット103は、入力データ(固定スキャナ117から読み取ったバーコード、多項目キーボード119またはタッチパネル122からの入力データ)をキャッシャユニット102に通知する。
【0049】
[ステップS12]キャッシャユニット102は、チェッカユニット103からの入力データの通知または小計キーの押下を待ち受ける。キャッシャユニット102は、チェッカユニット103からの入力データの通知があった場合には、ステップS13に進む。一方、キャッシャユニット102は、小計キーの押下があった場合には、ステップS14に進む。
【0050】
[ステップS13]キャッシャユニット102は、精算対象となる商品を登録する商品登録処理を実行する。商品登録処理の詳細は、図5から図7を用いて後で詳細に説明する。
【0051】
[ステップS14]キャッシャユニット102は、キーボード105により小計キーが押下されたことで、チェッカユニット103にバーコード入力処理の終了を指示して、バーコード入力処理を終了する。
【0052】
このように、チェッカユニット103は、キャッシャユニット102からの終了指示を受けるまでバーコードの読み取りと入力データの通知とを行う。
[ステップS15]キャッシャユニット102は、支払対象(精算対象)となる商品を確定させる支払登録処理を実行する。
【0053】
[ステップS16]キャッシャユニット102は、支払対象として商品を確定した商品について、顧客から支払いを受け付けて、また当該支払いに対する釣銭を払い出して精算処理を実行する。
【0054】
さらに、キャッシャユニット102は、このような精算処理における精算情報に基づいたレシートの発行を行う。
次に、このような商品精算シーケンスにおいてキャッシャユニット102が実行する商品登録処理について図5から図7を用いて説明する。
【0055】
図5は、第2の実施の形態に係るキャッシャユニットの商品登録処理のフローチャートであって、図6は、第2の実施の形態に係る商品マスタの一例を示す図、図7は、第2の実施の形態に係る登録済商品リストの一例を示す図である。
【0056】
[ステップS31]キャッシャユニット102は、チェッカユニット103からの入力データ(商品コード)の通知を受けて、POSサーバ130が記憶する商品マスタに商品コードを照会する。
【0057】
ここで、商品マスタの一例について、図6に示される商品マスタ200を参照して説明する。商品マスタ200は、商品コードごとに、商品名、商品単価等が登録されている。商品名は、商品コードによって特定される商品の名称である。商品単価は、商品コードによって特定される商品の単価である。なお、商品マスタは、メーカ名等のその他の情報を含むものであってもよい。
【0058】
[ステップS32]キャッシャユニット102は、照会した商品マスタから商品名、商品単価を取得する。
[ステップS33]キャッシャユニット102は、商品マスタに照会した商品を精算対象として登録済商品リストに登録する。登録済商品リストは、キャッシャユニット102が買い物単位に記憶する精算対象となった商品のリストである。登録済商品リストは、精算対象として商品を登録するごとにリストの追加登録をおこない、小計キー押下で「END」登録を行う。
【0059】
ここで、登録済商品リストの一例について、図7に示される登録済商品リスト210を参照して説明する。登録済商品リスト210は、商品コードごとに、商品名と、商品単価、数量、値割引、値割引後単価、合価が登録されている。商品名は、商品マスタから取得した商品名である。商品単価は、商品マスタから取得した商品単価である。数量は、精算対象とした商品の数または量である。値割引は、商品ごとの値引額、または割引額である。値割引後単価は、商品ごとの値引額または割引額を適用後の商品単価である。合価は、値割引後単価に数量を乗じた合計価格である。
【0060】
[ステップS34]キャッシャユニット102は、商品を精算対象として登録したことを、ディスプレイ111、カスタマディスプレイ112の画面に表示して報知する。また、キャッシャユニット102は、図示しないスピーカにより音声報知する。
【0061】
このようにして、キャッシャユニット102は、顧客が購入しようとする商品をリスト化して、図4のステップS12の処理を再び実行する。
このような商品精算シーケンスに沿って、POS端末101は商品の精算を実行する。
【0062】
次に、図4のステップS16の精算処理時に行われるレシートの印字処理について説明する。
まず、レシートの印字処理を実行するために、キャッシャユニット102が備える機能について図8及び図9を用いて説明する。
【0063】
図8は、第2の実施の形態に係るキャッシャユニットの機能を表す機能ブロック図、図9は、第2の実施の形態に係るロール紙に関する情報の一例を示す図である。
キャッシャユニット102の制御ユニット140は、ロール紙情報保持部141及びロール紙管理情報保持部142を備えている。
【0064】
ロール紙情報保持部141は、プリンタ113に内蔵されている印字媒体のロール紙に関する情報を保持する。具体的には、図9(A)に示されるように、初期状態(セットしたばかり)のロール紙の全長の情報(ロール紙全長A)と、ロール紙の残量の長さ(ロール紙残量B)、精算情報に基づくロール紙に対する印字の長さ(印字長C)、ロール紙に対する当たり券の印字の長さ(当たり券長さD)に関する情報をそれぞれ保持する。なお、当たり券については後述する。
【0065】
また、ロール紙管理情報保持部142は、印字以外によるロール紙の長さの変化に関する情報を保持する。具体的には、図9(B)に示されるように、プリンタ113がロール紙をフィードした長さ(フィード長E)と、オペレータにより入力されたロール紙の使用量の長さ(手入力使用量F)とをそれぞれ保持する。
【0066】
なお、フィード長Eは、オペレータによるプリンタ113のフィードボタンの押下に応じてプリンタ113からフィードされるロール紙の長さである。プリンタ113はフィードボタンが押下されている間、ロール紙をフィードすることができる。また、フィード速度(1秒間当たりにフィードされるフィード長)が予め設定されている。このため、オペレータがフィードボタンを押下すると、フィード速度とフィードボタンに対する押下時間との積によりフィード長Eが算出される。このように算出された結果に基づき、ロール紙管理情報保持部142のフィード長Eが更新される。
【0067】
また、オペレータは、プリンタ113にてロール紙の詰まり、印字不良等の不具合が生じた場合に手動によりロール紙の不具合箇所を引き出して切り取り除去することができる。この際、オペレータはロール紙から切り取った長さを手入力使用量Fとしてキャッシャユニット102のタッチパネル110を用いて入力することができる。このように入力された値に基づき、ロール紙管理情報保持部142の手入力使用量Fが更新される。
【0068】
なお、ロール紙管理情報保持部142のフィード長E及び手入力使用量Fの更新については後述する。
このようなロール紙の長さに関する情報がロール紙情報保持部141及びロール紙管理情報保持部142にそれぞれ保持される。
【0069】
制御ユニット140は、さらに、送受信部143と、精算処理部144、更新部145、印字長算出部146、比較判定部147、プリンタ制御部148、表示要求部149を有する。
【0070】
送受信部143は、チェッカユニット103に対して情報の送受信を行う。例えば、送受信部143は、チェッカユニット103に固定スキャナの初期化指示(図4のステップS11)並びに商品登録処理の終了指示(図4のステップS14)を送信する。また、チェッカユニット103が読み取った商品コードを受け付ける(図4のステップS24,S12)。送受信部143は、チェッカユニット103だけではなく、タッチパネル110等の入出力インタフェース140fに接続されている入出力装置からの入力を受け付ける。
【0071】
精算処理部144は、図4のステップS11〜ステップS16の各処理を実行する。
更新部145は、プリンタ113がフィードしたロール紙のフィード長と、オペレータによって入力された手入力使用量とに基づいてロール紙管理情報保持部142の内容を更新する。また、更新部145は、ロール紙管理情報保持部142及び後述する印字長算出部146の算出結果に基づいてロール紙情報保持部141の内容を更新する。
【0072】
なお、更新部145による、ロール紙管理情報保持部142が保持するフィード長E及び手入力使用量Fの更新の詳細についてさらに説明する。
プリンタ113で所定の長さがフィードされるとプリンタ制御部148はプリンタ113から当該所定の長さの情報を得る。プリンタ制御部148はフィードされたロール紙の長さの更新要求を更新部145に通知すると、更新部145はロール紙管理情報保持部142のフィード長Eにフィードされたロール紙の長さを追加することによりフィード長Eが更新される。
【0073】
また、プリンタ113にロール紙の紙詰まり等が生じると、オペレータは紙詰まり等により折れ曲がりまた皺が発生したロール紙の箇所を手動でロール紙を引き出して切り取る。オペレータは切り取ったロール紙の長さを例えばタッチパネル110に操作入力する。切り取ったロール紙の長さの情報は送受信部143を介して更新部145に通知されて、更新部145はロール紙管理情報保持部142の手入力使用量Fに切り取ったロール紙の長さを追加して手入力使用量Fを更新する。
【0074】
このようにして更新部145によりロール紙管理情報保持部142が保持するフィード長E及び手入力使用量Fが更新される。
印字長算出部146は、精算処理部144の精算処理における精算情報に基づきプリンタ113がレシートの印字に要するロール紙の印字長を算出する。また、印字長算出部146は算出した印字長に基づきロール紙情報保持部141の印字長Cを更新部145に更新させる。
【0075】
比較判定部147は、ロール紙情報保持部141を参照して、ロール紙に対する印字長Cが、ロール紙残量Bと当たり券長さDとの差「ロール紙残量B−当たり券長さD」以下であるか否かを判定する。比較判定部147は、印字長Cが「ロール紙残量B−当たり券長さD」以下である場合には精算情報に基づく印字要求を後述するプリンタ制御部148に通知する。印字長Cが「ロール紙残量B−当たり券長さD」を超える場合には当たり券の印字要求をプリンタ制御部148に通知し、また、プリンタ113のロール紙の交換案内の表示要求を後述する表示要求部149に通知する。
【0076】
プリンタ制御部148は、比較判定部147から通知された印字要求に基づきプリンタ113に印字させてレシートまたは当たり券を発行させる。
表示要求部149は、比較判定部147から通知された表示要求に基づいた画像をディスプレイ111に表示させる。
【0077】
キャッシャユニット102の制御ユニット140は以上の機能を有する。
ここでプリンタ113が印字して発行するレシート及び当たり券について説明する。
図10は、第2の実施の形態に係るレシート及び当たり券の一例をそれぞれ示す図である。
【0078】
なお、図10(A)はレシートの一例を、図10(B)は当たり券の一例をそれぞれ示している。
レシートは、図10(A)に示されるように、ヘッダ部と、明細部、フッタ部により構成されている。
【0079】
ヘッダ部には、店舗名と、店舗連絡先、コマーシャルメッセージ、日付等が含まれており、ヘッダ部の印字長は予め定められている。
明細部には、購入した商品の商品名と、商品番号、個数、商品単価、値引き額等が含まれている。明細部の印字長は顧客の購入した商品の数に応じて変化する。
【0080】
フッタ部には、小計と、消費税、合計、預かり金額、釣銭金額、レジ担当、コマーシャルメッセージ等が含まれており、フッタ部の印字長は予め定められている。
当該レシートの印字長Cは、ヘッダ部と、明細部、フッタ部の各長さを合わせたものとなる。
【0081】
また、当たり券とは、サービスの一環として、オペレータによるロール紙の交換作業のために待たせてしまった顧客に対して付与されるものであり、例えば、クーポン券、値引き券、金券等である。
【0082】
図10(B)では、当たり券として割引券である場合を例に挙げている。この当たり券は、次回の買い物の際に総額から5%引きすることができる割引券である。また、当該当たり券の印字長が当たり券長さDである。
【0083】
次に、このような機能ブロックを備えるキャッシャユニット102の制御ユニット140による印字処理について図11及び図12を用いて説明する。
図11及び図12は、第2の実施の形態に係るレシートの印字処理を示すフローチャートである。
【0084】
精算処理部144が図4のステップS16にて、支払対象として商品を確定した商品について、顧客から預かり金を受け付けて、また当該預かり金に対する釣銭を払い出して精算処理を実行すると、以下の処理が実行される。
【0085】
[ステップS41]更新部145は、ロール紙管理情報保持部142を参照してロール紙情報保持部141のロール紙残量Bを更新する。なお、ステップS41の更新処理の詳細については後述する。
【0086】
[ステップS42]印字長算出部146は、精算処理部144の精算処理における精算情報に基づきプリンタ113のレシートの印字に要するロール紙の印字長を算出する。また、印字長算出部146は、算出した印字長を更新部145に通知して、算出した印字長を更新部145からロール紙情報保持部141にセットさせる。なお、ステップS42の算出処理の詳細については後述する。
【0087】
[ステップS43]比較判定部147は、ロール紙情報保持部141を参照して、精算情報に基づいたロール紙に対するレシートとして印字する印字長Cと、「ロール紙残量B−当たり券長さD」とを比較する。
【0088】
比較の結果、次の処理は、印字長Cが「ロール紙残量B−当たり券長さD」以下である場合にはステップS54(図12)に進められ、印字長Cが「ロール紙残量B−当たり券長さD」を超える場合にはステップS44に進められる。
【0089】
[ステップS44]比較判定部147は、プリンタ制御部148に当たり券の印字要求を通知して、プリンタ制御部148はプリンタ113に印字させて当たり券の発行を実行させる。
【0090】
[ステップS45]プリンタ制御部148は、当たり券の印字を実行させたプリンタ113から印字結果の通知を受け付ける。
次の処理は、印字結果の通知が、当たり券を正常に印字することができた(ロール紙に不足が生じなかった)場合にはステップS46に進められ、ロール紙の不足により当たり券を正常に印字できなかった場合にはステップS49に進められる。
【0091】
なお、ステップS41のロール紙残量Bの更新では、手入力使用量Fも加味される(図13(A)のステップS41b)。手入力使用量Fはオペレータによる手入力の数値であるために必ずしも厳密な数値であるとは限らない。このため、ロール紙残量Bの理論値(ロール紙情報保持部141での値)と実際の値とでは誤差が生じている場合がある。したがって、ステップS43を経てもステップS44で当たり券を印字できるほどロール紙に残量が残っているとは限らず、当たり券を印字できない場合がある。この場合、ステップS45では、ロール紙の不足が判定される(ステップS49に進められる)。
【0092】
[ステップS46]表示要求部149は、ディスプレイ111にプリンタ113のロール紙の交換要求の案内を表示させる。
なお、オペレータはディスプレイ111に表示されたロール紙の交換要求の案内を視認して、ロール紙が不足していることを知り、ロール紙の交換作業を行う。この際、オペレータはステップS44で発行した当たり券を顧客に手渡すと共に、ロール紙の交換作業の間待ってもらう旨のお願いを顧客に伝える。
【0093】
[ステップS47]オペレータがプリンタ113のロール紙を交換すると、プリンタ制御部148は、ロール紙が新たにセットされたことをプリンタ113から通知される。
[ステップS48]プリンタ制御部148は、プリンタ113からロール紙が新たにセットされたことが通知されると、更新部145にロール紙情報保持部141のロール紙残量Bを初期化させる。
【0094】
[ステップS49]表示要求部149は、ディスプレイ111にプリンタ113のロール紙の交換要求の案内を表示させる。
なお、オペレータはディスプレイ111に表示されたロール紙の交換要求の案内を視認して、ロール紙が不足していることを知り、ロール紙の交換作業を行う。この際、オペレータはロール紙の交換作業の間待ってもらう旨のお願いを顧客に伝える。
【0095】
[ステップS50]オペレータがプリンタ113のロール紙を交換すると、プリンタ制御部148は、ロール紙が新たにセットされたことがプリンタ113から通知される。
[ステップS51]プリンタ制御部148は、プリンタ113からロール紙が新たにセットされたことが通知されると、更新部145にロール紙情報保持部141のロール紙残量Bを初期化させる。
【0096】
[ステップS52]更新部145は、プリンタ制御部148に当たり券の印字要求を通知して、プリンタ制御部148はプリンタ113に印字させて当たり券を発行させる。
なお、オペレータはロール紙の交換作業の間待ってもらっていた顧客に、発行した当たり券を手渡す。また、この場合はロール紙を交換したばかりの初期状態であるために当たり券は正常に印字されるとする。
【0097】
[ステップS53]更新部145は、プリンタ制御部148から当たり券の発行通知が通知されると、ロール紙情報保持部141のロール紙残量Bから当たり券長さDを引いてロール紙残量Bを更新する。
【0098】
[ステップS54]プリンタ制御部148は、プリンタ113にステップS16(図4)の精算情報に基づいて印字させてレシートを発行させる。
[ステップS55]プリンタ制御部148は、レシートを印字させたプリンタ113から印字結果の通知を受け付ける。
【0099】
次の処理は、印字結果の通知が、レシートを正常に印字することができた(ロール紙に不足が生じなかった)場合にはステップS56に進められ、ロール紙の不足によりレシートを正常に印字できなかった場合にはステップS57に進められる。
【0100】
なお、レシートを正常に印字することができた(ロール紙に不足が生じなかった)場合には、オペレータはプリンタ113から発行されたレシートを顧客に手渡す。
[ステップS56]更新部145は、プリンタ制御部148からレシートの発行通知が通知されると、ロール紙情報保持部141のロール紙残量Bから印字長Cを引いてロール紙残量Bを更新する。
【0101】
なお、当該処理が完了すると、印字処理が終了する。
[ステップS57]表示要求部149は、ディスプレイ111にプリンタ113のロール紙の交換要求の案内を表示させる。
【0102】
なお、オペレータはディスプレイ111に表示されたロール紙の交換要求の案内を視認すると、ロール紙の不足を知り、ロール紙の交換作業を行う。この際、オペレータはロール紙の交換作業の間待ってもらう旨のお願いを顧客に再度伝える。
【0103】
[ステップS58]オペレータがプリンタ113のロール紙を交換すると、プリンタ制御部148は、ロール紙が新たにセットされたことがプリンタ113から通知される。
[ステップS59]プリンタ制御部148は、プリンタ113からロール紙が新たにセットされたことが通知されると、更新部145にロール紙情報保持部141のロール紙残量Bを初期化させる。
【0104】
[ステップS60]更新部145は、プリンタ制御部148に当たり券の印字要求を通知して、プリンタ制御部148はプリンタ113に印字させて当たり券を発行させる。
なお、オペレータはロール紙の交換作業の間待ってもらっていた顧客に、発行した当たり券を手渡す。
【0105】
[ステップS61]プリンタ制御部148は、プリンタ113にステップS16(図4)の精算情報に基づいて印字させてレシートを発行させる。
なお、オペレータはプリンタ113から発行されたレシートを顧客に手渡す。
【0106】
[ステップS62]更新部145は、プリンタ制御部148からレシートの発行通知が通知されると、ロール紙情報保持部141のロール紙残量Bから印字長Cと当たり券長さDを引いてロール紙残量Bを更新する。
【0107】
なお、当該処理が完了すると、印字処理が終了する。
このようにしてレシートの印字処理が実行される。
次に、上記のレシートの印字処理において更新部145及び印字長算出部146が実行する更新処理及び算出処理について図13を用いて説明する。
【0108】
図13は、第2の実施の形態に係るレシートの印字処理におけるロール紙残量更新処理及び印字長算出処理をそれぞれ示すフローチャートである。
なお、図13(A)は更新部145によるステップS41(図11)の更新処理について、図13(B)は印字長算出部146によるステップS42(図11)の算出処理についてそれぞれ表している。
【0109】
ロール紙残量Bは、図13(A)に示されるように、ロール紙管理情報保持部142が保持する情報が用いられて以下の処理が実行されて更新される。
[ステップS41a]更新部145は、ロール紙情報保持部141のロール紙残量Bからロール紙管理情報保持部142のフィード長Eを引いて、ロール紙残量Bを更新する。
【0110】
[ステップS41b]更新部145は、ロール紙情報保持部141のロール紙残量Bからロール紙管理情報保持部142の手入力使用量Fを引いて、ロール紙残量Bを更新する。
【0111】
[ステップS41c]更新部145は、ロール紙情報保持部141のロール紙残量Bの更新が完了すると、ロール紙管理情報保持部142のフィード長E及び手入力使用量Fをクリアする。
【0112】
以上の処理に沿って、ロール紙情報保持部141のロール紙残量Bが更新される。
なお、ステップS41a及びステップS41bの実行する順序は逆であっても構わない。
【0113】
また、印字長Cは、図13(B)に示されるように、以下の処理が実行されて更新される。
[ステップS42a]印字長算出部146は、印字長Cにゼロをセットする。
【0114】
[ステップS42b]印字長算出部146は、印字長Cにレシートのヘッダ部の既定の印字長を追加する。
[ステップS42c]印字長算出部146は、ステップS16(図4)の精算処理における精算情報に基づきプリンタ113が明細部の印字に要するロール紙の印字長を算出する。印字長算出部146は、印字長Cに当該明細部の印字長を追加する。
【0115】
[ステップS42d]印字長算出部146は、印字長Cにレシートのフッタ部の既定の印字長を追加する。
[ステップS42e]印字長算出部146は、更新部145にステップS42b〜ステップS42dで算出した印字長Cをロール紙情報保持部141にセットさせる。
【0116】
以上の処理に沿って、印字長Cが算出される。
なお、ステップS42b(ヘッダ部の長さ)、ステップS42c(明細部の長さ)、ステップS42d(フッタ部の長さ)は、図10(A)レシートの一例に示すようにプリンタ制御部148が、プリンタ113に印字させる行数(例えば1行:5mm)から長さを求めるものでもよい。
【0117】
また、ステップS42b〜ステップS42dの実行順序は順不同である。
このような処理により、図11のステップS41の更新処理及びステップS42の算出処理がそれぞれ実行される。
【0118】
このようにPOS端末101では、精算処理におけるレシートの発行時に、ロール紙に対する精算情報に基づく印字長を算出して、当該印字長とロール紙の残量の長さとを比較する。比較の結果、印字長がロール紙の残量の長さ以下であればプリンタ113にレシートの印字を行わせるようにし、印字長がロール紙の残量の長さを超える場合にはプリンタ113にレシートの印字を行わせないようにした。これにより、精算情報に基づく印字長に応じてロール紙を無駄にすることなく印字することができるようになる。
【0119】
また、精算情報に基づく印字長がロール紙の残量の長さを超える場合にはプリンタ113によるレシートの印字を行わないようにしたことから印字途中でロール紙が不足することが生じなくなる。これにより、交換後のロール紙に対する再印字のために顧客を待たせることがなくなる。
【0120】
さらに、ロール紙の残量の長さから当たり券の長さを引いた長さと、精算情報に基づく印字長とを比較するようにして、レシートの印字ができずにロール紙の交換作業が発生した場合に、当たり券を印字するようにした。これにより、ロール紙の交換作業のために待たせてしまった顧客に対して当たり券を付与できるようになり、サービス性が向上する。
【0121】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、キャッシャユニット102、チェッカユニット103、POSサーバ130が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
【0122】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0123】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0124】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成及び応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0125】
1 印字処理システム
2 印字媒体残量情報
3 印字手段
4 表示手段
5 チェッカ手段
6 精算処理手段
7 印字長算出手段
8 比較判定手段
9 印字制御手段
10 表示要求手段
L 印字長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の精算情報に基づき印字媒体に印字してレシートを発行する印字手段と、
前記精算情報に基づいて前記印字媒体に対する印字長を算出する印字長算出手段と、
前記印字長算出手段が算出した前記印字長と前記印字媒体の残量の長さとの比較結果に応じて前記印字手段に印字させるか否かを判定する比較判定手段と、
を有することを特徴とする印字処理システム。
【請求項2】
前記比較判定手段は、前記印字長が前記印字媒体の残量の長さ以下である場合に、前記印字手段に印字させて前記レシートを発行させることを判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の印字処理システム。
【請求項3】
表示手段をさらに有し、
前記比較判定手段は、前記印字長が前記印字媒体の残量の長さを超える場合に、前記印字媒体の交換要求案内を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項2記載の印字処理システム。
【請求項4】
前記比較判定手段は、前記印字長と、前記印字媒体の残量の長さから当たり券に相当する長さを引いた長さとの比較結果に応じて前記印字手段に印字させるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の印字処理システム。
【請求項5】
前記比較判定手段は、前記印字長が、前記印字媒体の残量の長さから当たり券に相当する長さを引いた長さ以下である場合に、前記印字手段に印字させて前記レシートを発行させることを判定する、
ことを特徴とする請求項4記載の印字処理システム。
【請求項6】
前記比較判定手段は、前記印字長が、前記印字媒体の残量の長さから当たり券に相当する長さを引いた長さを超える場合に、前記印字手段に前記当たり券を印字させて発行させることを判定する、
ことを特徴とする請求項4記載の印字処理システム。
【請求項7】
商品の精算情報に基づいて印字媒体に対する印字長を算出し、
算出した前記印字長と前記印字媒体の残量の長さとの比較結果に応じて、前記精算情報に基づき前記印字媒体に印字してレシートを発行させるか否かを判定する、
ことを特徴とする印字処理方法。
【請求項8】
商品の精算情報に基づき印字媒体に印字してレシートを発行する印字手段が接続されたコンピュータを、
前記精算情報に基づいて前記印字媒体に対する印字長を算出する印字長算出手段、
前記印字長算出手段が算出した前記印字長と前記印字媒体の残量の長さとの比較結果に応じて前記印字手段に前記レシートを印字させるか否かを判定する比較判定手段、
として機能させることを特徴とする印字処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−20315(P2013−20315A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151352(P2011−151352)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】