説明

危険報知サーバ、携帯端末、危険報知方法、要因情報検知方法、プログラム

【課題】危険に遭遇している人間の身体状態や精神状態とを表す情報(要因情報)から、危険度を判定して、他の人間に対して身近で危険が発生していることを知らせることができなかった。
【解決手段】本発明の危険報知サーバ70は、ユーザの携帯端末30からユーザの危険を知らせる少なくとも2種類のセンスされた値を含む要因情報32とユーザの位置を示す位置情報33とを受信する要因情報受信部71と、受信した要因情報32に基づいて、ユーザが受けている危険度を判定する危険度判定部72と、判定した危険度に基づいて、上記ユーザの位置情報33が示すユーザの位置を含む危険エリアを判定する危険エリア判定部73と、判定した危険エリアにいる他のユーザの携帯端末30に対して、アラート情報35を送信するアラート送信部74とを備え、危険エリア内の他のユーザ80にリアルタイムで危険をアラート(警告)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、治安の悪い地域における危険察知と危険回避を安全に、かつ、迅速に行うことを支援する危険報知サーバ、携帯端末、危険報知方法、要因情報検知方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の危険察知と危険回避とを行う装置として、例えば、特開2003−123185号公報に記載された危険情報集配信装置がある。この危険情報集配信装置は、道路交通に関する危険情報を自動収集する。そして、収集した危険情報を用いて、ドライバや歩行者に対して、警報を発する、或いは、危険を知らせるための情報を発信する等の事故の発生を未然に防止するための情報を提供する。
また、例えば、特開平10−307042号公報に記載されたナビゲーション装置がある。このナビゲーション装置は、外部から送られてくる気象情報を受信して、受信した気象情報に基づいて適切な誘導経路を探索する。そして、誘導経路に沿って車両或いは船舶等を案内するサービスを提供する。
【特許文献1】特開2003−123185号公報
【特許文献2】特開平10−307042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した従来の技術は、主に道路交通や海上交通等の交通に関するサービスを提供するものである。このため、例えば、危険が迫っている或いは危険に遭遇している人間の身体の状態を示す情報や、心理的な状態を示す情報等に基づいて、危険が迫っている或いは危険に遭遇している人間以外の他の人間に対して、危険を知らせることができないという問題があった。
また、車両は通行できないが、人間が歩行できるような幅の狭い道路を避難経路として知らせることができないという問題があった。
【0004】
この発明は、上記した問題点を解決し、例えば、危険が迫っている或いは危険に遭遇している人間の身体の状態を示す情報や、心理的な状態を示す情報等に基づいて、危険が迫っている或いは危険に遭遇している人間以外の他の人間に対して、危険を知らせることを目的とする。
また、車両は通行できないが、人間が歩行できるような幅の狭い道路を避難経路として知らせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る危険報知サーバは、ユーザの携帯端末からユーザの危険を知らせる少なくとも2種類の要因情報とユーザの携帯端末の位置の位置情報とを受信する要因情報受信部と、上記要因情報受信部が受信した少なくとも2種類の要因情報に基づいて、ユーザが受けている危険度を判定する危険度判定部、上記危険度判定部が判定した危険度に基づいて、上記ユーザの携帯端末の位置情報が示すユーザの携帯端末の位置を含む危険エリアを判定する危険エリア判定部と、上記危険エリア判定部が判定した危険エリアにいる他のユーザの携帯端末に対して、アラート情報を送信するアラート送信部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、この発明に係る危険報知サーバは、上記要因情報受信部が、ユーザの周囲に発生した危険雑音と、ユーザの音声と、ユーザの移動加速度と、ユーザの振動と、ユーザの血圧と、ユーザの発汗度と、ユーザの脈拍とのいずれか2つ以上を上記要因情報として受信することを特徴とする。
【0007】
また、この発明に係る危険報知サーバは、上記危険度判定部が、各要因情報が危険を知らせるものかをフィルタリングするフィルタ部と、上記フィルタ部によりフィルタリングされた要因情報を変数とした関数により危険度を計算する危険度計算部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明に係る危険報知サーバは、道路情報を有する地図データベースを備え、上記アラート送信部は、上記地図データベースの有する道路情報を用いて、避難経路情報を送信することを特徴とする。
【0009】
また、この発明に係る危険報知サーバは、危険エリアを記憶する危険エリアデータベースを備え、上記危険エリア判定部は、上記危険エリアを判定した場合、上記危険エリアデータベースに危険エリアを記憶することを特徴とする。
【0010】
この発明に係る携帯端末は、ユーザの危険度を知らせる少なくとも2種類の要因情報を検知するセンサを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係る携帯端末は、以下のセンサのうち、少なくとも2つ以上のセンサを備えることを特徴とする。
(1)周囲に発生した雑音を検知する雑音センサ、
(2)移動加速度を計測する移動加速度センサ、
(3)振動を検知する振動センサ、
(4)ユーザの血圧を計測する血圧センサ、
(5)ユーザの発汗度を計測する発汗度センサ、
(6)ユーザの脈拍を計測する脈拍センサ。
【0012】
この発明に係る危険を報知する危険報知サーバにより実行する危険報知方法は、要因情報受信部によって、ユーザの携帯端末からユーザの危険を知らせる少なくとも2種類の要因情報とユーザの携帯端末の位置の位置情報とを通信装置により受信する要因情報受信工程と、危険度判定部によって、上記要因情報受信工程により受信した少なくとも2種類の要因情報に基づいて、ユーザが受けている危険度をセントラル・プロセッシング・ユニット(Central Processing Unit、以下「CPU」と称する)により判定する危険度判定工程と、アラート送信部によって、上記危険度判定工程により判定した危険度に基づいて、ユーザの携帯端末の位置情報が示すユーザの携帯端末の位置を含む危険エリアをCPUにより判定する危険エリア判定工程と、アラート送信部によって、上記危険エリア判定工程により判定した危険エリアにいる他のユーザの携帯端末に対して、アラート情報を通信装置により送信するアラート送信工程とを有することを特徴とする。
【0013】
この発明に係る携帯端末により実行する要因情報検知方法は、ユーザの危険度を知らせる少なくとも2種類の要因情報を携帯端末のセンサにより検知するセンサ工程を有することを特徴とする。
【0014】
この発明に係る危険を報知する危険報知サーバにより実行するプログラムは、要因情報受信部によって、ユーザの携帯端末からユーザの危険を知らせる少なくとも2種類の要因情報とユーザの携帯端末の位置の位置情報とを通信装置により受信する要因情報受信処理と、危険度判定部によって、上記要因情報受信処理により受信した少なくとも2種類の要因情報に基づいて、ユーザが受けている危険度をセントラル・プロセッシング・ユニット(Central Processing Unit、以下「CPU」と称する)により判定する危険度判定処理と、危険エリア判定部によって、上記危険度判定処理により判定した危険度に基づいて、ユーザの携帯端末の位置情報が示すユーザの携帯端末の位置を含む危険エリアをCPUにより判定する危険エリア判定処理と、アラート送信部によって、上記危険エリア判定処理により判定した危険エリアにいる他のユーザの携帯端末に対して、アラート情報を通信装置により送信するアラート送信処理とを行うことを特徴とする。
【0015】
また、この発明に係る危険報知サーバにより実行するプログラムは、上記要因情報受信処理が、ユーザの周囲に発生した危険雑音と、ユーザの音声と、ユーザの移動加速度と、ユーザの振動と、ユーザの血圧と、ユーザの発汗度と、ユーザの脈拍とのいずれか2つ以上を上記要因情報として受信する処理を行うことを特徴とする。
【0016】
また、この発明に係る危険報知サーバにより実行するプログラムは、上記危険度判定処理が、各要因情報が危険を知らせるものかをフィルタリングするフィルタ処理と、上記フィルタ処理によりフィルタリングされた要因情報を変数とした関数により危険度を計算する危険度計算処理とを行うことを特徴とする。
【0017】
また、この発明に係る危険報知サーバにより実行するプログラムは、上記プログラムを実行する危険報知サーバが、道路情報を記憶する地図データベースを備え、上記アラート送信処理は、上記地図データベースの有する道路情報を用いて、避難経路情報を送信する処理を行うことを特徴とする。
【0018】
また、この発明に係る危険報知サーバにより実行するプログラムは、上記プログラムを実行する危険報知サーバが、危険エリアを記憶する危険エリアデータベースを備え、上記危険エリア判定処理は、上記危険エリアを判定した場合、上記危険エリアデータベースに危険エリアを記憶する処理を行うことを特徴とする。
【0019】
この発明に係る携帯端末により実行するプログラムは、ユーザの危険度を知らせる少なくとも2種類の要因情報を携帯端末のセンサより検知するセンサ処理を行うことを特徴とする。
【0020】
また、この発明に係る携帯端末により実行するプログラムは、以下のセンサ処理のうち、少なくとも2つ以上のセンサ処理を行うことを特徴とする。
(1)雑音センサにより周囲に発生した雑音を検知する雑音センサ処理、
(2)移動加速度センサにより移動加速度を計測する移動加速度センサ処理、
(3)振動センサにより振動を検知する振動センサ処理、
(4)血圧センサによりユーザの血圧を計測する血圧センサ処理、
(5)発汗度センサによりユーザの発汗度を計測する発汗度センサ処理、
(6)脈拍センサによりユーザの脈拍を計測する脈拍センサ処理。
【発明の効果】
【0021】
この発明の危険報知サーバは、危険が迫っているユーザの携帯端末からユーザの危険を知らせる少なくとも2種類の要因情報とユーザの位置とを受信して、ユーザが受けている危険度と危険エリアを判定して、危険エリアにいる他のユーザに対して危険を知らせるというサービスを提供する。
これにより、危険が迫っている或いは危険に遭遇しているユーザ(人間)の身体状態や精神状態とを確認できる効果を奏する。
また、この発明の危険報知サーバは、2種類以上の要因情報を受信するため、1種類の要因情報に基づいて危険が迫っている或いは危険に遭遇しているユーザ(人間)の身体状態や精神状態を判定するよりも、より正確な危険度の判定が行えるという効果を奏する。
また、この発明の危険報知サーバは、危険エリア内の他のユーザが、自分の身近で危険が発生していることをリアルタイムに知ることができる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
実施の形態1.
この実施の形態では、要因情報と自己の位置情報とを携帯端末(例えば、携帯電話)から受信し、要因情報に基づいて危険度を判定するとともに、携帯端末の位置情報から危険エリアを判定して、危険エリア内の他のユーザが携帯する携帯端末に危険度を通知する危険報知サーバの一例を説明する。
はじめに、危険報知サーバが提供するサービスについて説明する。
図1は、この実施の形態の危険報知サーバが提供するサービス内容を説明する図である。
図1において、ユーザ20は、危険が迫っている或いは危険に遭遇しているユーザであって、身体的、精神的にダメージを受けて危険状態にあるユーザである。危険報知サーバ(図1には図示せず)は、ユーザ20が危険状態であることを判定した場合に、ユーザ20のいる位置を事故現場として、事故現場から例えば5分以内の距離のエリアを危険エリア351として判定する。そして、危険報知サーバは、危険エリア351内にいるユーザ80に対して、近隣で危険が発生したことを通知するサービスを提供する。一方、ユーザ81は、危険エリア351の外にいるため、危険報知サーバはユーザ81に対して何も通知しない。なお、危険エリア351は、地図を示した絵から円の上部がはみ出しているが、これは危険エリアを解りやすくするために円を大きく表したためであり、実際には危険エリア351は、地図を示した絵からはみ出すことはない。
【0023】
図2は、この実施の形態の危険報知システムの構成を示す図である。
図2において、危険報知システム100は、測位を行う衛星10(例えば、Global Positioning System、以下「GPS衛星」と称する)を備える。また、危険報知システム100は、危険に遭遇している(危険に遭遇しているとは、危険が迫っていることも含むものとする)ユーザ20(危険遭遇者)が携帯する携帯電話30を備える。携帯電話30(携帯端末の一例)は、衛星10から測位データ11を受信して、自己の位置情報を求める。携帯電話30は、無線、或いは、有線によって接続されたセンサ部40(センサ装置でもかまわない)を備える。センサ部40は、ユーザ20の身体状態や精神状態を測定する(以下、「測定する」を「センス」或いは「センスする」と称する)センサであり、携帯電話30は、センサ部40がセンスした値(センス値41)を受信する。携帯電話30は、センス値を含む要因情報32と、自己の位置を示す位置情報33とを、危険報知サーバ70に送信する。また、危険報知システム100は、危険エリア内にいるユーザ80が携帯する携帯電話30と、危険エリア外にいるユーザ81が携帯する携帯電話30を備える。また、危険報知システム100は、ユーザ20の携帯電話30から受信した要因情報32の含むセンス値からユーザ20が危険状態であるか否かを判定して、危険状態であることを判定した場合は、さらにその危険度を判定して、位置情報33から危険エリアを判定する。危険報知サーバ70は、判定した危険エリアにいるユーザ80に対して、近隣で事故が発生し危険が迫っていることを警告する(通知)するアラート情報35を送信する。また、危険報知システム100は、ネットワーク50(例えば、インターネット)を備える。ネットワーク50は、携帯電話30と危険報知サーバ70とを無線、或いは、有線により接続する。
【0024】
次に、図2の危険報知サーバ70の構成について説明する。危険報知サーバ70は、要因情報受信部71と、危険度判定部72と、危険度判定部72が備える危険度計算部78と、危険エリア判定部73と、アラート送信部74と、判定基準値記憶部75と、携帯電話位置記憶部76とを備える。
要因情報受信部71は、ネットワーク50を介して携帯電話30から、要因情報32と位置情報33とを組み合わせた情報、或いは、位置情報33を受信する。
危険度判定部72は、危険度計算部78により、要因情報32の含むセンス値からユーザ20が受けている危険度を判定する。危険度計算部78は、危険度を判定する際に、危険が発生しているか否か、また、その危険の危険度がどのぐらいであるかを判定するための判定基準値を予め記憶した判定基準値記憶部75を参照する。危険度判定部72は、危険が発生していることを判定した場合に、危険を知らせるためのアラート(警告)情報34を生成する。
危険エリア判定部73は、危険度判定部72により危険が発生していることを判定された場合に、位置情報33から危険エリアを判定する。
アラート送信部74は、危険度判定部72により危険が発生していることを判定された場合に、携帯電話位置記憶部76が記憶する携帯番号に対応する携帯電話の位置情報から危険エリアの中にある携帯電話を特定する。この場合の携帯電話30は、危険に遭遇しているユーザ20ではなく、他のユーザが携帯する携帯電話30である。そして、アラート送信部74は、特定した携帯電話の携帯番号宛にアラート情報35を送信する。送信するアラート情報は、危険度判定部72が生成したアラート情報34であっても、アラート情報34をさらに加工したアラート情報35でもかまわない。
【0025】
次に、ユーザが危険を受けている様子と、携帯電話30の構成について説明する。
図3(a)はユーザが危険を受けている様子を示し、(b)は携帯電話30の構成を示す図である。
図3(a)において、ユーザ20は、携帯端末の一例である携帯電話30を携帯し、携帯電話30は、センサの一例であるセンサ部40を接続する。ユーザ20は、自身が危険状態にさらされたり、或いは、至近距離で銃声が聞こえたり、砲弾が爆発したり等の危険状態が発生した場合に、怪我を負う等の肉体的ダメージや、恐怖でパニック状態になる等の精神的ダメージを受ける。そして、肉体的、精神的ダメージを受けた結果、ユーザ20は、叫び声をあげたり、汗をかいたり、血圧値が上下したり、危険が発生している場所から逃げるために走って(加速して)、脈拍数が変動するなどの身体的な変化を引き起こす。センサ部40は、ユーザ20の体に装着され、ユーザ20の汗の量や血圧値や振動や脈拍や加速度をセンス(検知、測定)して、或いは、ユーザ20の周囲の雑音をセンスして、センスしたセンス値41を携帯電話30へ出力する。
【0026】
ここで、携帯電話30とセンサ部40との構成を説明する。
図3(b)において、センサ部40は、雑音センサ401、移動加速度センサ402、振動センサ403、血圧センサ404、発汗度センサ405、脈拍センサ406とを備え、各センサはセンスしたセンス値41を、携帯電話30へ、無線或いは有線で送信する。センサ部40は、予め設定した所定の時間間隔(例えば、1秒おき或いは5秒おき)で各センサによりセンスして、センス値41を携帯電話30に送信する。所定の時間間隔は、ユーザにより設定可能であるものとする。或いは、携帯電話30からセンサ部40に対してセンスする指示を出力するようにしてもかまわない。センスする指示は、所定の時間間隔で指示するようにしても、センス値を必要とするときにユーザが携帯電話30を操作して与えても、いずれでもかまわない。所定の時間間隔は、ユーザが携帯電話30を操作して設定可能であるものとする。
雑音センサ401は、ユーザ20の周囲の雑音値をセンスする。雑音センサ401がセンスする範囲は、例えば雑音センサ401の半径100メートルの範囲である。雑音センサ401は、ユーザ20の体に直接接触しているか、衣服等に装着されている。
移動加速度センサ402は、ユーザ20の移動する速度をセンスする。移動加速度センサ402は、ユーザ20の体に直接接触しているか、衣服等に装着されている。
振動センサ403は、ユーザ20の振動をセンスして振動値を出力する。振動とは、例えば、ユーザ20が倒れたり、飛び跳ねたり等の体の揺れである。振動センサ403は、ユーザ20の体に直接接触しているか、衣服等に装着されている。
血圧センサ404は、ユーザ20の血圧値をセンスする。血圧センサ404は、血圧を測定するため、ユーザ20の体に直接接触していることが望ましい。
発汗度センサ405は、ユーザ20の汗の量をセンスする。発汗度センサ405は、汗の量を測定するため、ユーザ20の体に直接接触していることが望ましい。
脈拍センサ406は、ユーザ20の脈拍数をセンスする。脈拍センサ406は、脈拍数を測定するため、ユーザ20の体に直接接触していることが望ましい。
【0027】
携帯電話30は、各センサがセンスしたセンス値41を受信する送信判定部304を備える。また、携帯電話30は、アンテナ301、マイク部302、位置計算部303、送信判定部304、要因情報生成部305、送信部306、送信基準値記憶部307を備える。
アンテナ301は、衛星10から緯度と経度と高さと時刻とを含む測位データ11を受信する。また、アンテナ301は、要因情報32や位置情報33を無線で送信する。
マイク部302は、ユーザ20の声(例えば、悲鳴や叫び声やうめき声や泣き声等)を収集して、収集した声をセンス値41として出力する。
位置計算部303は、アンテナ301が受信した測位データ11に基づいて自携帯電話の位置を計算して、携帯電話30の位置を示す位置情報を求める。
送信基準値記憶部307は、危険報知サーバ70に対して送信するセンス値の基準値を各センサに対応して記憶する。
送信判定部304は、各センサから入力したセンス値41が、送信基準値記憶部307に記憶した基準値を超えている場合に、センス値41を危険報知サーバ70に送信することを判定する。
要因情報生成部305は、送信判定部304がセンス値41を危険報知サーバ70に送信することを判定した場合に、センス値41に基づいて要因情報32を生成する。また、送信判定部304の判定結果に関係なく、位置計算部303が求めた位置情報に基づいて位置情報33を生成する。
送信部306は、要因情報生成部305が生成した要因情報32をアンテナ301を介して危険報知サーバ70に送信する。また、要因情報生成部305が生成した位置情報33をアンテナ301を介して危険報知サーバ70に送信する。
【0028】
次に、危険報知システム100のシステム構成と危険報知サーバ70のハードウェア構成について説明する。
図4は、危険報知システムのシステム構成図である。
図5は、危険報知サーバのハードウェア構成図である。
図4において、危険報知システム100は、システムユニット700、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置701、キーボード702(Key・Board:K/B)、マウス703、FDD705(Flexible・Disk・ Drive)、コンパクトディスク装置706(CDD)、プリンタ装置707、スキャナ装置708などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
システムユニット700は、コンピュータであり、ファクシミリ機710、電話機709とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワーク(LAN)905、ゲートウェイ900を介してネットワーク50(例えばインターネット)に接続されている。
【0029】
図5において、危険報知サーバ70は、プログラムを実行するCPU720(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU720は、バス721を介してROM722、RAM723、通信ボード727、表示装置724(表示装置701)、キーボード725(キーボード702)、マウス726(マウス703)、FDD728(FDD705)、CDD729(CDD706)、プリンタ装置730(プリンタ装置707)、スキャナ装置731(スキャナ装置708)、磁気ディスク装置732と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置732の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM723は、揮発性メモリの一例である。ROM722、FDD728、CDD729、磁気ディスク装置732の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード727、キーボード725、FDD728、スキャナ装置731などは、入力部、入力装置の一例である。
また、通信ボード727、表示装置724、プリンタ装置730などは、表示部、出力部、出力装置の一例である。
【0030】
通信ボード727は、ファクシミリ機710、電話機709、LAN905等に接続されている。通信ボード727は、LAN905に限らず、ネットワーク50(インターネット)、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。ネットワーク50(インターネット)或いはISDN等のWANに接続されている場合、ゲートウェイ900は不用となる。
磁気ディスク装置732には、オペレーティングシステム733(OS)、ウィンドウシステム734、プログラム群735、ファイル群736が記憶されている。プログラム群735のプログラムは、CPU720、オペレーティングシステム733、ウィンドウシステム734により実行される。
【0031】
上記プログラム群735には、実施の形態の説明において「〜部」、として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU720により読み出され実行される。
ファイル群736には、実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の比較結果」、「〜の検索結果」、「〜の検知結果」として説明する情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜テーブル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜テーブル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU720によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・比較・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・比較・処理・出力・印刷・表示などの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、実施の形態の説明において説明するフローチャートやブロック図の矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM723のメモリ、FDD728のフレキシブルディスク、CDD729のコンパクトディスク、磁気ディスク装置732の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disk)等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス721や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0032】
また、実施の形態の説明において「〜部」、として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」であってもよく、また、「〜ステップ(工程)」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM722に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU720により読み出され、CPU720により実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
携帯電話30も図5に示す構成を有しており、図5の説明と同様の動作を行う。
【0033】
次に、携帯電話30の動作を説明する。
図6は、この実施の形態の携帯電話30の動作を示すフローチャート図である。
S10(測位受信工程) 携帯電話30は、アンテナ301により衛星10より測位データ11を受信する。受信するタイミングは、予めユーザが設定した時間間隔で行う。例えば、5秒間隔毎に行う。
S11(位置計算工程) 携帯電話30は、位置計算部303により測位データ11の緯度情報、経度情報、高さ情報とに基づいて、自己の位置を計算して自己位置情報を求める。また、位置情報には測位時刻を示す時刻情報を含める。
S12(センサ工程) 携帯電話30は、送信判定部304によりセンサ部40、或いは、マイク部302がセンスしたセンス値41(ユーザ20の周囲の雑音値、ユーザ20の加速度値、ユーザ20の振動値、ユーザ20の血圧値、ユーザ20の発汗度、ユーザ20の脈拍数、ユーザ20の音声値)を入力(受信或いは検知ともいう)する。ユーザ20がいつ危険状態になるか予測できないため、センサ部40及びマイク部302は、例えば5秒毎に音声の収集或いはセンスを行うものとし、送信判定部304は、センサ部40の各センサ及びマイク部302から例えば5秒毎にセンス値41を入力する。送信判定部304がセンス値41を入力するタイミングと、アンテナ301が測位データ11を受信するタイミングは、どちらも例えば5秒間隔で行い、これらのタイミングは同期しているが、非同期で行ってもかまわない。
S13(判定工程) 携帯電話30は、送信判定部304によりセンス値41が送信基準値記憶部307に記憶された送信基準値を超えているものが2種類以上あるか否かを判定する。S13の処理を具体的に説明する。
【0034】
センス値41は、ユーザ20の周囲の雑音値、ユーザ20の加速度、ユーザ20の振動値、ユーザ20の血圧値、ユーザ20の発汗度、ユーザ20の脈拍数、ユーザ20の音声値の7種類のセンス値を含む。そして、送信基準値記憶部307は、図7に示すように、7種類の送信基準値を記憶する。図7は、この実施の形態の送信基準値の一例を示す図である。送信基準値の種類は、音声値、雑音値、移動加速度、振動値、血圧値、発汗度、脈拍数である。各送信基準値は、ユーザ20が危険状態であるか否かを判定するために使用する値であり、図7では説明を容易にするため、a〜gとして記載している。しかし、実際には、ユーザ20が平常状態であるときの音声値、雑音値、移動加速度、振動値、血圧値、発汗度、脈拍数のそれぞれの値に対して、一定割合(例えば平常状態の値の1割)を加算した値を送信基準値とする。なお、ユーザ毎に平常状態における値は異なるため、ユーザ毎に送信基準値を設定してもかまわない。また、加算する一定割合の値もユーザ毎に設定してもかまわない。
送信判定部304は、センス値41が含むユーザ20の音声値、ユーザ20の周囲の雑音値、ユーザ20の加速度、ユーザ20の振動値、ユーザ20の血圧値、ユーザ20の発汗度、ユーザ20の脈拍数と、送信基準値の音声値、雑音値、移動加速度、振動値、血圧値、発汗度、脈拍数とをそれぞれ比較する。比較した結果、センス値41が含む2種類以上の値が送信基準値の値を超えていることを判定した場合は、S14へ進む。2種類以上としたのは、危険状態であることを確実に判定するためである。例えば遠くにいる知り合いを大声で呼ぶ場合、マイク部302が収集する音声は送信基準値の音声値を超える可能性がある。ユーザ20が危険状態であるならば、音声値の他に、例えば事故を目撃して気が動転し、脈拍数が平常状態の時よりも速くなる。このため、センス値41の音声値と脈拍数とが、送信基準値の音声値と脈拍数とを超えていることを判定した場合に、危険状態であることを判定する。
比較した結果、センス値41が含む2種類以上の値が送信基準値の値を超えていると判定しなかった場合は、S16へ進む。
【0035】
S14(要因情報生成工程) 携帯電話30は、要因情報生成部305により、送信判定部304が入力したセンス値41と位置計算部303が求めた位置情報とを用いて、危険報知サーバ70へ送信する位置情報と要因情報とをあわせた情報(図8(b))を生成する。
S15(要因情報送信工程) 携帯電話30は、送信部306により位置情報と要因情報とをあわせた情報(図8(b))をアンテナ301からネットワーク50(インターネット)を介して危険報知サーバ70へ送信する。
S16(位置送信工程) 携帯電話30は、要因情報生成部305により、位置計算部303が求めた位置情報を用いて、危険報知サーバ70へ送信する位置情報(図8(a))を生成して、送信部306により自己の位置情報(図8(a))をアンテナ301からネットワーク50(インターネット)を介して危険報知サーバ70へ送信する。
このように、携帯電話30は、センス値41の含む値の内、2種類以上の値が送信基準値を超えている場合に、要因情報32を生成して、自己の位置情報33と共に危険報知サーバ70へ送信する。超えていない場合は、自己の位置情報33のみを危険報知サーバ70へ送信する。
【0036】
要因情報生成部305が生成する情報について説明する。
図8(a)は、位置情報33の一例を説明する図であり、図8(b)は、位置情報33と要因情報32との一例を説明する図である。
要因情報生成部305は、図6のS13の判定がNOであるとき、図8(a)の位置情報33を生成し、S13の判定がYESであるとき、図8(b)の位置情報33と要因情報32とをあわせた情報を生成する。携帯電話30から送信された情報が要因情報を含む情報であるか否かを識別するため、位置情報のみの場合は、図8(a)のように‘0’(識別情報)を先頭に付する。位置情報33と要因情報32とをあわせた場合は、図8(b)のように‘1’(識別情報)を先頭に付する。また、どちらの場合も送信元が示す自己識別番号(携帯電話の電話番号)を有する。また、位置情報33は、時刻情報を含む。要因情報32は、上記したユーザ20の音声値、ユーザ20の周囲の雑音値、ユーザ20の加速度、ユーザ20の振動値、ユーザ20の血圧値、ユーザ20の発汗度、ユーザ20の脈拍数との7種類のセンス値を有する。危険報知サーバ70へは、送信基準値を超えたセンス値だけを送信しても、7種類全てのセンス値を送信しても、いずれでもかまわない。少なくとも2種類のセンス値を送信するため、各センス値に対応して何をセンスした値なのかを識別するセンサ種別をセンス値に付する。例えば、ユーザ20の音声値は‘0’を、ユーザ20の周囲の雑音値は‘1’を、ユーザ20の加速度は‘2’を、ユーザ20の振動値は‘3’を、ユーザ20の血圧値は‘4’を、ユーザ20の発汗度は‘5’を、ユーザ20の脈拍数は‘6’をセンサ種別としてセンス値に付する。
【0037】
携帯電話30は、測位情報の受信タイミングとセンス値の入力タイミングとが同期している場合は、センス値を入力したタイミングと同じタイミングで受信した測位データから求めた位置情報を危険報知サーバへ送信する。しかし、測位情報の受信タイミングとセンス値の入力タイミングとが非同期の場合は、位置情報を求めるたびに位置情報を危険報知サーバへ送信し、要因情報を送信する場合は、センス値を入力した直前に求めた位置情報を危険報知サーバへ送信する。
【0038】
次に、危険報知サーバ70の動作の一例を説明する。
図9,図10は、この実施の形態の危険報知サーバの動作を示すフローチャート図である。
S20、S21(要因情報受信工程) 危険報知サーバ70は、要因情報受信部71により、携帯電話30から送信された位置情報33或いは位置情報33と要因情報32とをあわせた情報を受信する(S20)。そして、要因情報受信部71は、受信した情報の先頭に付された識別情報が‘0’であるか‘1’であるか判定する(S21)。‘0’と判定した場合は、S22へ進む。‘1’と判定した場合は、S25へ進む。
S22 ‘0’と判定した場合は、位置情報33のみが携帯電話30から送信されたことを示す。要因情報受信部71は、受信した位置情報33に付された自己の識別番号が携帯電話位置記憶部76に登録されているか確認する。登録されている場合には、携帯電話の位置を更新するS24へ進む。登録されていない場合は、携帯電話の位置を新規に登録するS23へ進む。
S23 要因情報受信部71は、自己の識別番号と自己の位置情報(緯度と経度と高さを示す情報)と時刻情報とを対応させて携帯電話位置記憶部76に記憶する。そして、処理を終了して、携帯電話30から情報が送信されるのを待機する。
S24 要因情報受信部71は、携帯電話位置記憶部76に記憶された自己の識別番号に対応する自己の位置情報(緯度と経度と高さを示す情報)と時刻情報とを、新たに受信した位置情報33の自己の位置情報(緯度と経度と高さを示す情報)と時刻情報とに置き換えて更新する。そして、処理を終了して、携帯電話30から情報が送信されるのを待機する。
S25 危険度判定部72は、受信した要因情報32に2種類以上のセンス値が含まれていることを確認する。含まれている場合は、S26へ進む。含まれていない場合は、処理を終了して、携帯電話30から情報が送信されるのを待機する。
S26〜S29(危険度判定工程) 危険度判定部72は、要因情報32に含まれた全てのセンス値について、センス値が「標準値+判定基準値」(加算した値という)を超えているか否かを判定する(S26)。センス値が加算した値よりも大きい場合(S27のYES)、危険カウントに1を加算する(S28)。要因情報32に含まれる全てのセンス値についてS27,S28の処理を繰り返す(S29)。
【0039】
ここで、S27の処理を具体的に説明する。
図11は、判定基準値記憶部75が記憶する危険度判定情報の一例を示す図である。危険度判定情報は、各センサがセンスするセンス値の種類別に標準値と判定基準値とを有する。要因情報の種類は、携帯電話30から送信される要因情報の含むセンス値の種類と対応し、音声値、雑音値、移動加速度、振動値、血圧値、発汗度、脈拍数の7種類の値を有する。標準値は、説明を容易にするため、各センサがセンスするセンス値の種類に対応してa〜gと記載しているが、携帯電話30の送信基準値記憶部307に記憶した値と同じ値を記憶する。すなわち、標準値はユーザ毎に異なる値が登録されているものとする。図11の例では、ユーザを識別する情報は記載していないが、例えば携帯電話番号をユーザを識別する情報として、標準値及び判定基準値に対応して記憶している。判定基準値は、危険度の大きさを判定するために使用する値である。この判定基準値はユーザに関係なく一定の値でもいいし、ユーザ毎に異なる値を設定してもよい。図11の例では、要因情報の種類に対応して‘+10’や‘+5’を設定している。ユーザ毎に標準値や判定基準値を記憶する場合は、要因情報32に付された自己の識別番号と一致する携帯電話番号を判定基準値記憶部75から検索して、検索した携帯電話番号に対応する標準値及び判定基準値を取得する。
危険度判定部72の危険度計算部78は、要因情報の種類毎に「標準値+判定基準値」により求めた加算した値と、要因情報32が含むセンス値とを比較して、センス値が加算した値よりも大きい場合に、危険カウントに1を加算する。すなわち、センス値が加算した値よりも大きい場合に、ユーザ20がより重大な危険に遭遇しているとして、危険カウントをアップする。例えば、要因情報32の含む音声値が‘a’(実際には‘a’は音声の大きさ(デシベル)を表す数値である)である場合、S27の判定はNOとなる。また、例えば、要因情報32の含む音声値が‘a+12’(実際には‘a+12’は音声の大きさ(デシベル)を表す数値である)である場合、S27の判定はYESとなり、危険度計算部78は危険カウントに1を加算する。
【0040】
ここで、図9の説明に戻る。
S30〜S33(危険度判定工程) 危険度判定部72は、一例として、危険カウントの値が0または1の場合と、2または3の場合と、4以上の場合とを判定する(S30)。危険度判定部72は、危険カウントが0または1の場合、危険度に‘1’を設定して、危険度が‘1’であることをアラート(警告)するアラート情報1を生成する(S31)。危険度判定部72は、危険カウントが2または3の場合、危険度に‘2’を設定して、危険度が‘2’であることをアラート(警告)するアラート情報2を生成する(S32)。危険度判定部72は、危険カウントが4以上の場合、危険度に‘3’を設定して、危険度が‘3’であることをアラート(警告)するアラート情報3を生成する。ここでは、危険度‘3’を一番危険性が高いものとする。すなわち、危険カウントの値が大きいほどユーザ20に重大な危険が迫っているものと判断して、アラート情報1よりもアラート情報3のほうがより緊急性が高く、緊迫感が伝わる内容となるように危険度判定部72は警告情報を作成する。例えば、警告情報の内容として、ユーザ20の位置を危険が発生している地域として文字により通知するアラート情報1〜3を作成する。上記したようにアラート情報1〜3は、異なる危険度に対応する警告情報であるため、それぞれの警告内容を表すために使用する文字の大きさや文字の色が異なる。例えば、アラート情報1は、アラート(警告)情報のすべての文字の大きさと字体とを同じにする。アラート情報2は、警告情報の字体はすべて同じにして、ユーザ20の位置を知らせる文字の大きさを他の位置を知らせる以外の文字よりも大きくする。アラート情報3は、字体はすべて同じにして、ユーザ20の位置を知らせる文字の大きさを他の位置を知らせる以外の文字よりも大きくし、さらに、大きくした文字を赤色(黒色以外の色にする)にしたり点滅させる。このように、危険度判定部72は、危険度の高さに応じて、アラート情報に使用する文字の大きさや字体等を変更する。
【0041】
S34(危険エリア判定工程) 危険エリア判定部73は、要因情報受信部71が受信した位置情報33に基づいて危険エリアを判定する。すなわち、危険状態にあると判定したユーザ20の位置を用いて、危険がおよぶ地域を判定する。位置情報33は、図8(b)に示したようにユーザ20の位置情報33として緯度と経度と高さとを示す情報を有している。このため、危険エリア判定部73は、例えば、位置情報33の緯度と経度とを円の中心点(中心点を事故現場とする)として、事故現場から徒歩で5分以内の範囲を危険エリア351(図1参照)として判定する。ここでは徒歩で5分の距離を100メートルとして、危険エリア351を判定する。
次に、図10へ続く。
【0042】
S35、S36(アラート送信工程) アラート送信部74は、危険エリア判定部73が判定した危険エリア351が示す地域内にいるユーザ80を、携帯電話位置記憶部76から検索する。携帯電話位置記憶部76は、上記したように携帯電話番号毎に携帯電話30を携帯するユーザの位置情報(緯度、経度、高さ及び時刻情報)を記憶している。アラート送信部74は、危険エリア351が示す地域に含まれる緯度及び経度を有する携帯電話番号を携帯電話位置記憶部76から検索して、危険エリア351内にいるユーザ80を判定して、判定したユーザ80の携帯電話番号に宛てて危険度判定部72が判定した危険度を示す情報とアラート情報34とをあわせたアラート情報35を送信する。このとき、危険エリア351には、複数のユーザがいる場合があるため、危険エリア内にいる全てのユーザに対して危険度を示す情報とアラート情報34とをあわせたアラート情報35を送信する。
【0043】
このように、この実施の形態で説明した危険報知サーバは、携帯電話(携帯端末)から送信された2種類以上のセンス値(要因情報)を受信して、2種類以上のセンス値(要因情報)に基づいて危険が発生しているか否かを判定する。このため、携帯電話のある周りの環境や携帯電話を携帯しているユーザの体調不良等が原因で、危険との遭遇とは関係なく、たまたま1つのセンス値が通常のセンス値よりも大きくなったり小さくなったりしても、そのような場合を危険度の判定から除くことができるので、より正確に危険が発生していることを判定できる。
【0044】
また、アラート情報を受信した危険エリアにいるユーザは、危険に遭遇する前に危険の発生を察知でき、危険に遭遇することを回避できる。
【0045】
また、この実施の形態の携帯電話(携帯端末)は、携帯電話を携帯しているユーザの身体的状態、或いは精神的状態をセンスしたり、携帯電話の周りの環境の状態をセンスする。そして、センスした値が、危険に遭遇したユーザに起こった反応に基づく要因情報として危険報知サーバに送信される。このため、危険報知サーバは、自然現象ではなく、危険に遭遇したユーザに起こった反応に基づいて、危険度を判定できる。
【0046】
また、上記したS34の説明では、危険度に関係なく一律に事故現場から徒歩で5分以内の範囲を危険エリア351として判定していた。しかし、危険度に応じて半径の大きさを変えてもかまわない。例えば、危険度‘1’の場合は、事故現場から徒歩で3分以内の範囲を危険エリア351として判定し、危険度‘2’の場合は、事故現場から徒歩で5分以内の範囲を危険エリア351として判定し、危険度‘3’の場合は、事故現場から徒歩で8分以内の範囲を危険エリア351として判定する。危険度が大きい程、危険がおよぶ範囲が大きいと考えられるため、危険度に応じて柔軟に範囲を変えることができれば、ユーザを危険から守る確率を高くできる。
【0047】
また、アラート情報を送信されたユーザ80は、危険が解消された、あるいは危険性が小さくなったことを危険報知サーバより通知されなければ、危険エリアとして判定された地域に用事があってもその地域に行くことをためらう。このため、危険報知サーバ70は、アラート情報を送信してから一定時間が経過したことを測定して(例えば30分)、一定期間が経過するまでの間に再度同じ地域(後で危険エリアとして判定した地域の中に、それよりも前に危険エリアとして判定した地域を部分的に含む場合も同じ地域として判定する)に危険が発生しているか否かを確認して、同じ地域に危険が発生していることを確認できなかった場合に、危険性が小さくなった、或いは危険が解消されたことをユーザ80に通知するようにしてもかまわない。これらの動作は、危険度判定部72、危険エリア判定部73、アラート送信部74により行う。
【0048】
また、一定時間の経過の始期は、アラート送信部74がアラート情報を送信した時刻、或いは、危険度判定部72により危険が発生していることを判定した際に使用した要因情報32と組で受信した位置情報33の時刻情報としてもよい。
【0049】
また、例えば、血圧値の上昇(或いは下降)タイミングと、発汗度の上昇(或いは下降)タイミングとが同じであるとは限らない。このため、危険度判定部72は、要因情報受信部71が血圧値をセンス値に含む要因情報32を受信した場合、その受信後一定期間の間(例えば1分)、同じユーザから発汗度をセンス値に含む要因情報32を受信するのを待つようにしてもかまわない。
このように、各センス値の変化のタイミングが同じとは限らないので、危険度判定部72は、あるセンス値を受信したあと、一定時間が経過するまで、他のセンス値が携帯電話30から送信されるのを待つ機能を有する。
【0050】
実施の形態2.
この実施の形態では、実施の形態1の危険報知サーバ70がさらにフィルタ部を有して、実施の形態1よりも正確に危険度を判定する例を説明する。
図12は、この実施の形態の危険報知サーバの構成を示す図である。
図12に示した危険報知サーバ70は、危険度判定部72がフィルタ部77を備えた点で図2の危険報知サーバ70と異なる。他の構成は実施の形態1の図2に示した危険報知サーバ70と同じである。
フィルタ部77は、要因情報32の有する2種類以上センサのセンス値のうちあるセンサのセンス値が危険を知らせるものではないことをフィルタリングして、そのセンス値を補正する。すなわち、フィルタ部77は、センスした対象(例えば音声や雑音や移動加速度や振動や血圧や発汗度や脈拍)の値が通常の値よりも大きい或いは小さい場合であって、危険の発生とは何ら関係なくセンスされたセンス値である場合に、そのセンス値を通常の値に補正する。
フィルタ部77の動作の一例を説明する。
図13〜図15は、フィルタ部77の動作の一例を説明するフローチャート図である。はじめに、図13の例から説明する。
【0051】
図13は、フィルタ部77が、要因情報32のセンス値のうち雑音値をフィルタリングする例を示す。特に、電車の音を雑音値としてセンスした場合に、フィルタ部77が電車の音であることを判定して、雑音値を補正する例を説明する。
なお、センサ部40の雑音センサ401は、雑音値を少なくとも5秒間センスする。そして、携帯電話30は、雑音センサ401が少なくとも5秒間センスしたセンス値を要因情報32に含んで、危険報知サーバに送信する。電車の音は、例えば90デシベルよりも大きな音であり、電車がユーザ20の近くを通過する時間は少なくとも5秒間とし、5秒間のうち90デシベルよりも大きな音が2秒以上続く場合を、電車の通過する音としてフィルタ部77がフィルタリングしてその雑音値を補正する。補正は、通常の街中の雑音を50〜60デシベルぐらいとして、補正後の雑音値が50〜60デシベルぐらいになるように、フィルタ部77は、0.6を元の雑音値にかける。
【0052】
図13のS40〜S42は、実施の形態1の図9のS26に替わる処理である。
S40において、フィルタ部77は、要因情報32の複数のセンス値のうち、センス値が雑音値をセンスしたものであるかを判定する。雑音値でない場合(S40、NO)は、図9のS27へ進む。
雑音値である場合(S40、YES)、フィルタ部77は、S41において雑音値のうち90デシベル以上の値である時間が2秒以上であるかを判定する。
90デシベル以上の値である時間が2秒以上である場合(S41、YES)、フィルタ部77は、元の雑音値に0.6をかけて、補正後の雑音値を求める。図9のS27では、危険度判定部72、危険度計算部78は、補正後の雑音値をセンスした値として使用する。
90デシベル以上の値である時間が2秒以上でない場合(S41、NO)、図9のS27へ進む。
【0053】
このように、危険の発生とは何ら関係のない雑音値がセンスされても、危険報知サーバ70はフィルタ部77により雑音値を補正できるので、誤った危険度の判定を行うことを防止できる。
【0054】
次に、図14の例を説明する。
図14は、フィルタ部77が、要因情報32のセンス値のうち血圧値をフィルタリングする例を示す。特に、血圧値を発汗度と組み合わせて、本当にユーザが危険に遭遇しているか否かを判定して、判定した結果に基づいて血圧値を補正する。
なお、携帯電話30は、センサ部40の血圧センサ404によるセンス値(血圧値)を要因情報に含めた場合には、発汗度センサ405によるセンス値(発汗度)も要因情報に含めて、血圧値と発汗度とを含めた要因情報32を危険報知サーバ70に送信する。血圧値は、例えば上の血圧値が129以下を通常の状態での血圧値とする。すなわち、上の血圧値が129よりも大きい場合を、ユーザ20に危険が迫っているものとする。そして、例えば発汗度が49以下を通常の状態での発汗度とする。フィルタ部77は、これらを組み合わせて、上の血圧値が129よりも大きな値であっても、発汗度が49以下の場合は、ユーザ20に危険が迫っていないものとして、血圧値に0.9をかけて、センスされた血圧値を通常の状態での血圧値に近い値に補正する。すなわち、血圧値が高い場合は、心臓が激しく鼓動していることが考えられ、発汗度も高くなると考えられる。このため、血圧値と発汗度との両方が高い場合に、ユーザ20が危険に遭遇しているものとする。
【0055】
図14のS50〜S53は、実施の形態1の図9のS26に替わる処理である。
S50において、フィルタ部77は、要因情報32の複数のセンス値のうち、センス値が血圧値をセンスしたものであるか否かを判定する。血圧値でない場合(S50、NO)は、図9のS27へ進む。
血圧値である場合(S50、YES)、フィルタ部77は、S51において血圧値が129よりも大きいかを判定する。
血圧値が129よりも大きい場合(S51、YES)、フィルタ部77は、さらに、S52において、発汗度が49よりも大きいかを判定する。49よりも大きいと判定した場合(S52、YES)、フィルタ部77は、図9のS27へ進む。これは、フィルタ部77が要因情報32の血圧値をユーザが危険に遭遇している、或いは、ユーザの近くで危険が発生している際にセンスされたセンス値であると判定したことを示す。
S52において、発汗度が49以下であることを判定した場合(S52、NO)、フィルタ部77は、元の血圧値に0.9をかけて、補正後の血圧値を求める。これは、フィルタ部77が、要因情報32の血圧値を、例えばユーザの体調の悪いときにセンスされたセンス値であると判定したことを示す。図9のS27では、危険度判定部72、危険度計算部78は、補正後の血圧値をセンスした値として使用する。
【0056】
このように、危険の発生とは何ら関係のない血圧値がセンスされても、危険報知サーバ70はフィルタ部77により血圧値を補正できるので、誤った危険度の判定を行うことを防止できる。
【0057】
次に、図15の例を説明する。
図15は、フィルタ部77が、要因情報32のセンス値のうち移動加速度をフィルタリングする例を示す。特に、移動加速度を脈拍数と組み合わせて、本当にユーザが危険に遭遇しているか否かを判定して、判定した結果に基づいて移動加速度を補正する。
なお、携帯電話30は、センサ部40の移動加速度センサ402によるセンス値(移動加速度)を要因情報に含めた場合には、脈拍センサ406によるセンス値(脈拍数)も要因情報に含めて、移動加速度と脈拍数とを含めた要因情報32を危険報知サーバ70に送信する。図15の例では、移動加速度が時速39キロメートルよりも速い場合に、ユーザ20が車両に乗車している(例えば、自動車や自動二輪車等の車両)ものと判定する。そして、本当に車両に乗車しているかを、脈拍数により判定する。図15の例では、移動加速度が時速39キロメートルよりも速い場合に、さらに、脈拍数が84以下であれば、ユーザ20が車両に乗車しているものと判定する。そして、フィルタ部77は、移動加速度に0.7をかけて、移動加速度が人の歩く速さ或いは走る速さになるように補正する。ユーザ20に本当に危険が迫っていて、或いは、ユーザ20の近くで本当に危険が発生している場合には、ユーザ20は走って危険な場所から逃げようとし、走ることにより脈拍数も通常の状態での脈拍数よりも多くなる。このため、移動加速度が予め定めた時速よりも速く、さらに、脈拍数が予め定めた通常の状態での拍数よりも大きい場合は、ユーザ20が本当に危険に遭遇している、或いは、ユーザ20の近くで本当に危険が発生していると判定する。逆に、移動加速度が予め定めた時速よりも速く、さらに、脈拍数が予め定めた通常の状態での拍数以下である場合は、ユーザ20が本当に危険に遭遇していない、或いは、ユーザ20の近くで本当に危険が発生していないと判定して、移動加速度を通常の状態での人の歩く速さになるように補正を行う。このように、フィルタ部77は、移動速度と脈拍数とを組み合わせて、移動加速度の補正を行う。
【0058】
図15のS60〜S63は、実施の形態1の図9のS26に替わる処理である。
S60において、フィルタ部77は、要因情報32の複数のセンス値のうち、センス値が移動加速度をセンスしたものであるかを判定する。移動加速度でない場合(S60、NO)は、図9のS27へ進む。
移動加速度である場合(S60、YES)、フィルタ部77は、S61において移動加速度が39よりも大きいか否かを判定する。
移動加速度が39よりも大きい場合(S61、YES)、フィルタ部77は、さらに、S62において、脈拍数が84よりも大きいかを判定する。84よりも大きいと判定した場合(S62、YES)、フィルタ部77は、図9のS27へ進む。これは、フィルタ部77が要因情報32の移動加速度を、ユーザが危険に遭遇している、或いは、ユーザの近くで危険が発生している際にセンスされたセンス値であると判定したことを示す。S62において、脈拍数が84以下であることを判定した場合(S62、NO)、フィルタ部77は、元の移動加速度に0.7をかけて、補正後の移動加速度を求める。これは、フィルタ部77が要因情報32の移動加速度を、ユーザが本当に危険に遭遇していない、或いは、ユーザの近くで本当に危険が発生していない状態でセンスされたセンス値であると判定したことを示す。図9のS27では、危険度判定部72、危険度計算部78は、補正後の移動加速度をセンスした値として使用する。
【0059】
このように、危険の発生とは何ら関係のない移動加速度がセンスされても、危険報知サーバ70はフィルタ部77により移動加速度を補正できるので、誤った危険度の判定を行うことを防止できる。
【0060】
図13〜図15の動作は、フィルタ部77の動作であることを説明したが、予め定めた重みを元のセンス値にかけて補正を行うS42,S53,S63の処理は、危険度判定部72の危険度計算部78が行ってもかまわない。
【0061】
また、図13〜図15の動作で使用した基準値や重み(S41の‘90’及び‘S42の‘0.6’、S51の‘129’及びS52の‘49’及びS53の‘0.9’、S61の‘39’及びS62の‘84’及びS63の‘0.7’)は、予めユーザがキーボード725やマウス726等の入力装置を用いて設定して、CPU720により危険報知サーバ70のRAM723や磁気ディスク装置732に記憶されているものとする。また、これらの基準値や重みは、ユーザ毎に対応した値を用いてもかまわない。この場合、基準値や重みは、ユーザを識別する情報、例えばユーザの携帯電話番号に対応して記憶しておく。フィルタ部77、危険度判定部72、危険度計算部78は、要因情報32に付与された携帯電話番号に基づいて、RAM723や磁気ディスク装置732に記憶された基準値や重みを取得する。
【0062】
また、血圧値と発汗度とを組み合わせた場合、血圧値の上昇(或いは下降)タイミングと、発汗度の上昇(或いは下降)タイミングとが同じであるとは限らない。このため、危険度判定部72は、要因情報受信部71が血圧値をセンス値に含む要因情報32を受信した場合、その受信後一定期間の間(例えば1分)、同じユーザから発汗度をセンス値に含む要因情報32を受信するのを待つようにしてもかまわない。
同じように、移動加速度と脈拍数とを組み合わせた場合、移動加速度の上昇(或いは下降)タイミングと、脈拍数の上昇(或いは下降)タイミングとが同じであるとは限らない。このため、危険度判定部72は、要因情報受信部71が移動加速度をセンス値に含む要因情報32を受信した場合、その受信後一定期間の間(例えば2分)、同じユーザから脈拍数をセンス値に含む要因情報32を受信するのを待つようにしてもかまわない。
このように、複数のセンス値を組み合わせた場合、各センス値の変化のタイミングが同じとは限らないので、危険度判定部72は、センス値の組み合わせに応じて、必要なセンス値が携帯電話30から送信されるのを待つ機能を有する。
【0063】
また、図13の例のように、ユーザ20の近くを電車が通過して、電車の音が雑音値としてセンスされる場合、危険報知サーバ70が、道路情報を記憶した地図データベースを備えることにより、ユーザ20の位置情報33から地図データベースを検索して、ユーザ20の近くに線路や駅があることを検索できた場合、電車が通過することを判定できる。これにより、危険度判定部72(或いは、フィルタ部77)は、センスされた雑音値が電車の通過による雑音値であることが確実に判定できる。
【0064】
実施の形態3.
この実施の形態では、危険報知サーバ70がアラート情報を通知する報知先を示す情報を記憶する報知先通知部85を備えて、報知先通知部85に記憶された報知先に対してアラート情報を送信する危険報知サーバ70について一例を説明する。
図16は、この実施の形態の危険報知サーバの構成を示す図である。
図16に示した危険報知サーバ70は、報知先通知部85と、危険エリアデータベース79と、アラート情報を報知される報知先88とを備えた点が、図12の危険報知サーバ70と異なる。他の構成は実施の形態2の図12に示した危険報知サーバ70と同じである。
危険エリアデータベース79は、危険エリア判定部73が判定した危険エリア351を示す情報を記憶する。危険エリア351を示す情報とは、例えば、危険エリア351の中心点の緯度、経度(、高さ)を示す情報と、危険であることを判定した時刻(或いは、危険が発生していることを判定する元となった要因情報32に付与された位置情報33の時刻情報)、危険が発生していることを判定する元となった要因情報32に付与された自己識別番号とを記憶する。危険エリア判定部73は、CPU720により、ファイル群736にある危険エリアデータベース79に危険エリア351を示す情報を記憶する。
危険エリア判定部73は、図9のS34の処理の後、危険エリアデータベース79に危険エリア351を示す情報を記憶する。
報知先通知部85は、危険度判定部72により危険であることが判定された場合に、危険エリアデータベース79に記憶した危険エリア351を示す情報を通知する報知先を示す情報を記憶する。報知先を示す情報とは、例えば、ユーザ20の自宅の電話番号や、会社の電話番号、公共機関の電話番号(例えば警察署の電話番号、放送局の電話番号、消防署の電話番号)等である。電話番号ではなく、メールアドレスや携帯電話番号でもかまわない。すなわち、報知先は、危険エリア351にいるユーザ80の携帯電話以外の連絡先を予め記憶する。報知先通知部85の報知先を示す情報は、予めユーザがキーボード725やマウス726等の入力装置を用いて設定して、CPU720によりファイル群736にある報知先通知部85に記憶する。
報知先88は、アラート送信部74から危険度を示す情報とアラート情報35とを受信する。報知先は、例えばユーザ20の自宅の電話機や、会社の電話機、公共機関の電話機(例えば警察署の電話機、放送局の電話機、消防署の電話機)等である。或いは、例えばユーザ20の自宅のパーソナルコンピュータ(PC)や、会社のPC、公共機関のPC(例えば警察署のPC、放送局のPC、消防署のPC)等である。
【0065】
アラート送信部74は、図10のS36の処理の後(または、図10のS35の前でもかまわない)、報知先通知部85に記憶された報知先を示す情報を取得して、図9のS31〜S33のいずれかで生成した危険度を示す情報とアラート情報34とをあわせたアラート情報35を送信する(アラート送信工程)。
報知先を示す情報が公共機関である場合には、危険に遭遇しているユーザに関係なくどのユーザにも共通する報知先であるため、危険に遭遇しているユーザを判断することなく危険度を示す情報とアラート情報34とをあわせたアラート情報35を送信する。これに対し、報知先が自宅や会社である場合には、ユーザ毎に連絡先が異なるため、アラート送信部74は、危険に遭遇しているユーザを判断して、危険に遭遇しているユーザに関連する報知先を示す情報を報知先通知部85より取得して、危険に遭遇しているユーザに関連する報知先に対して危険度を示す情報とアラート情報34とをあわせたアラート情報35を送信する。報知先通知部85は、ユーザを判定する情報として、例えば携帯電話番号を、報知先を示す情報に対応させて記憶する。ただし、どのユーザにも共通する報知先を示す情報には、ユーザを判定する携帯電話番号は不要であるため記憶しない。アラート送信部74は、危険が発生していることを判定する元となった要因情報32に付与された自己識別番号に基づいて報知先通知部85を検索して、自己識別番号の示すユーザに対応する報知先を示す情報を取得し、危険度を示す情報とアラート情報34とをあわせたアラート情報35を送信する。
【0066】
また、アラート送信部74は、危険に遭遇しているユーザを示す情報(例えば、危険が発生していることを判定する元となった要因情報32に付与された自己識別番号)を、アラート情報35に含めてもかまわない。アラート情報35に危険に遭遇しているユーザを示す情報を含めることにより、例えば放送局にアラート情報35が通知された場合に、テレビ放送やラジオ放送で、危険に遭遇しているユーザを示す情報を放送できる。
【0067】
また、危険エリアデータベース79が記憶する危険エリア351を示す情報は、ネットワークを介してパーソナルコンピュータ(PC)や携帯電話やモバイル端末から参照可能にする。このように、危険エリアデータベース79が記憶する危険エリア351を示す情報を公開することにより、例えば携帯電話30を持っていないユーザ或いは、危険エリア351のエリア内にいないユーザが出掛けようとしている場合に、出掛ける先が安全であるかどうかを事前に確認できる。
【0068】
また、危険エリアデータベース79は、危険が解消された或いは危険性が小さくなった場合に、危険エリア351を示す情報に対して危険が解消されたこと或いは、危険性が小さくなったことを示す情報を対応して記憶する。例えば、危険エリア判定部73は、危険エリア351を判定した後一定期間(例えば1時間)が経過するまでに、危険エリア351として判定された地域が、再度危険エリアとして判定されない場合に、危険エリア351について危険が解消された或いは危険性が小さくなったと判定する。そして、危険エリア判定部73は、危険エリア351を示す情報に対応させて危険が解消されたことを示す情報を記憶する。アラート送信部74は、危険エリア判定部73により、危険エリア351について危険が解消された或いは危険性が小さくなったと判定された場合に、危険エリア351について危険が解消された或いは危険性が小さくなったことを報知先通知部85に記憶された報知先に対して通知する。
【0069】
このように、この実施の形態の危険報知サーバは、予め登録した報知先に対してアラート情報を送信できる。このため、危険エリア内にいるユーザだけでなく、公共機関や、危険に遭遇しているユーザと関係のある連絡先にも自動的に警告が行え、危険地域に関する情報を不特定多数の人に迅速に知らせることがきる。すなわち、携帯電話30を携帯していないユーザが危険地域に関する情報を知ることができ、事前に危険の察知や危険の回避ができる。
また、アラート情報を通知された公共機関では、危険地域を閉鎖したり、事故処理を行ったり、人々を避難させる等の対処を迅速に行える。
【0070】
実施の形態4.
この実施の形態では、危険報知サーバ70が道路情報を記憶する地図データベース86を備えて、報知先通知部85に記憶された報知先に対して避難経路を送信する危険報知サーバ70について一例を説明する。
図17は、実施の形態の危険報知サーバの構成を示す図である。
図17に示した危険報知サーバ70は、地図データベース86を備えた点が図16の危険報知サーバ70と異なる。他の構成は実施の形態3の図16に示した危険報知サーバ70と同じである。
地図データベース86は、道路情報を記憶する。地図データベース86は、ファイル群736に記憶されている。
図18は、この実施の形態の危険エリアの例を示す図である。
【0071】
アラート送信部74は、危険エリア判定部73により、危険エリアが判定された場合、判定された危険エリア351を示す情報に基づいて地図データベース86を参照し、避難経路37を示す情報を生成する。そして、アラート送信部74は、危険エリアにいるユーザ80の携帯電話30に対して避難経路37を示す情報を送信する。
具体的には、アラート送信部74は、図10のS35のあと、危険エリア351内にいることを確認したユーザ80の位置情報に基づいて、地図データベース86が記憶する道路情報を検索して、ユーザ80のいる位置から危険エリア351の外側に避難する経路を取得する。ユーザ80の位置情報は、緯度、経度、高さを示す情報であり、携帯電話位置記憶部76に記憶されている。アラート送信部74は、これらの緯度、経度、高さを示す情報を用いて、地図データベースの道路情報を検索して、最短、かつ、危険に遭遇することのない経路を検索する。危険に遭遇することのない経路とは、今回危険が発生していることを判定した要因情報以外の他の要因情報により危険が発生していることを危険度判定部72が判定している場合、危険エリア351の他にも危険エリアがあり、他の危険エリアと危険エリア351が隣接したり、重なる場合がある。このような場合に、危険エリア351の中心部から離れるとともに、他の危険エリアの中心部からも離れる経路を選択することをいう。他の危険エリアに関する情報は危険エリアデータベース79が記憶している。このため、アラート送信部74は、危険エリアデータベース79が記憶する他の危険エリアに関する情報も参照して、避難経路37を決定する。他の危険エリアと危険エリア351が隣接したり、重なる場合の判断は、危険エリアデータベース79が記憶する危険エリアに関する情報の、危険エリア351の中心点の緯度、経度(、高さ)を示す情報と、危険であることを判定した時刻(或いは、危険が発生していることを判定する元となった要因情報32に付与された位置情報33の時刻情報)、危険が発生していることを判定する元となった要因情報32に付与された自己識別番号を比較することにより行う。また、アラート送信部74は、例えば避難経路は、大きな道路だけでなく、車両の通行はできないが人間が通れるような小さな道路も避難経路として決定する。
【0072】
避難経路37は、図18に示した危険エリア351のユーザ80の位置を示す情報と、避難に使用する道路の名称、その道路がどこにあるかがわかる道路地図とを含む。また、道路のある場所がわかるように、目印になる建物や川や山の名称、建物や川や山の絵を含む。また、避難に使用する道路が危険エリア351の外まで伸びる場合は、危険エリア351の外にある避難に使用する道路の名称、その道路がどこにあるかがわかる道路地図、道路のある場所がわかるように、目印になる建物や川や山の名称、建物や川や山の絵を含む。
或いは、避難に使用する道路の名称のみであってもかまわない。
ユーザ80の携帯電話30により受信された避難経路37は、携帯電話30の表示部により、図18に示したような内容の地図情報として携帯電話30の表示画面に表示される。
また、避難経路37が避難に使用する道路の名称のみである場合は、文字情報として道路の名称が、携帯電話30の表示部により、携帯電話30の表示画面に表示される。
【0073】
また、避難経路37は、ユーザ80の他に、危険に遭遇しているユーザ20の携帯電話30に対して送信してもよい。この場合、アラート送信部74は、ユーザ20の位置情報33に基づいて、地図データベース86が記憶する道路情報を検索して、ユーザ20のいる位置から危険エリア351の外側に避難する経路を取得する。こうすることにより、ユーザ20は安全に危険エリアから避難できる。
【0074】
また、避難経路は、危険エリアデータベース79に、危険エリア351に関する情報に関連させて記憶してもかまわない。こうすることにより、危険エリアデータベース79をインターネット等のネットワークから参照できるように開放した場合、携帯電話30以外の他の携帯電話から避難経路を示す情報を参照できる。
【0075】
図19は、この実施の形態の危険エリアの他の例を示す図である。
図19に示した危険エリア351は、地図データベース86に記憶された道路情報に基づいて、道路に沿って危険エリア351を判定する。
具体的には、図9のS34の処理において、危険エリア判定部73は、危険であることを判定する元になった要因情報32に付与された位置情報33に基づいて、地図データベース86から危険エリア351を判定する。位置情報33は、緯度、経度を示す情報を有するため、危険エリア判定部73は、これらの緯度、経度を示す情報を含む、或いは、これらの緯度、経度に隣接する道路であって、緯度、経度の示す位置から徒歩で例えば5分以内に移動することができる範囲にある道路を示す情報を、地図データベース86の道路情報から取得する。危険エリア判定部73は、取得した道路情報の示す道路に沿った地域(図19の矩形の危険エリア351、図19では危険エリア351を網掛けで図示したため道路が見えにくくなっているが、図18に示した地図と同じ道路を図示している)を危険エリアと判定する。道路が行き止まりである場合は、行き止まりのところまでの道路を危険エリアに含む。避難経路37は、避難に使用する道路の名称、その道路がどこにあるかがわかる道路地図とを含む。また、道路のある場所がわかるように、目印になる建物や川や山の名称、建物や川や山の絵を含む。また、避難に使用する道路が危険エリア351の外になる場合は、危険エリア351の外に伸びる避難に使用する道路の名称、その道路がどこにあるかがわかる道路地図、道路のある場所がわかるように、目印になる建物や川や山の名称、建物や川や山の絵を含む。
ユーザ80の携帯電話30により受信された避難経路37は、携帯電話30の表示部により、図19に示したような内容の地図情報として携帯電話30の表示画面に表示される。
図19に示すように、危険エリア351を道路に沿って矩形にすることにより、ユーザは行き止まりになる道路や、通り抜けられる道路を円形の危険エリアと比べて確認しやすくなる。
【0076】
このように、この実施の形態の危険報知サーバは、避難経路を取得して、危険エリア内のユーザの携帯端末に自動的に避難経路を示す情報を送信する。このため、避難経路を受信したユーザは、安全に危険エリアから避難できる。
また、人間は通行できるが、車両が通行できない狭い道路も避難経路に含めることができるので、車両が通行できる道路を避難経路として選択する場合よりも、避難経路を多数提供できる。
【0077】
実施の形態5.
この実施の形態では、危険エリア判定部73が危険エリアを判定する際に、危険エリアの半径の大きさを異なる大きさにする危険報知サーバの一例を説明する。
なお、危険報知サーバ70の構成は図17の構成であるものとする。
図20(a)は、この実施の形態の危険エリア判定部73が参照する地域コード別に危険エリアの半径の大きさを記憶した半径記憶部の一例を示す図である。図20(b)は、経緯度別に対応する地域コードを記憶する地域コード記憶部の一例を示す図である。
図21は、危険度別に半径の大きさを示す情報を記憶した半径記憶部の一例を示す図である。
はじめに、地域コードにより危険エリアの半径の大きさが異なる例を説明する。
【0078】
危険エリア判定部73は、実施の形態1で説明したように、危険が発生していることを判定する元となった要因情報32に付与された位置情報33に基づいて、円形の危険エリア351を判定していた。位置情報33は、緯度、経度、高さを示す情報を有している。地域コードは、位置情報33の緯度と経度との情報から決定できるものとし、この実施の形態の危険報知サーバ70は、図20(b)に示したような緯度と経度とを組にした情報に対応して地域コードを記憶した地域コード記憶部を備えるものとする。図20(b)の例では、緯度はX1〜X2(X1及びX2は緯度を示す数値である)というように幅をもたせている。同じように、経度はY1〜Y2(Y1及びY2は経度を示す数値である)というように幅をもたせている。地域コード記憶部に記憶する情報は、予めユーザがキーボード725やマウス726等の入力装置を用いて設定して、CPU720により、RAM723やファイル群736にある地域コード記憶部に記憶する。また、図20(a)の半径記憶部は、地域コードに対応させて危険エリアの半径の大きさを示す情報を記憶する。半径記憶部に記憶する情報は、予めユーザがキーボード725やマウス726等の入力装置を用いて設定して、CPU720により、RAM723やファイル群736にある半径記憶部に記憶する。
【0079】
図9において、危険エリア判定部73は、S34の処理の前に位置情報33の緯度と経度との情報を取得し、取得した緯度と経度との情報に基づいて、地域コード記憶部から地域コードを取得する。さらに、危険エリア判定部73は、取得した地域コードに対応する半径の大きさを示す情報を半径記憶部から取得する。そして、危険エリア判定部73は、図9のS34の処理を行うが、このとき危険エリア判定部73は、取得した半径の大きさを示す情報を用いて危険エリアを判定する。
【0080】
次に、危険度により危険エリアの半径の大きさが異なる例を説明する。
図21の半径記憶部は、危険度に対応させて危険エリアの半径の大きさを示す情報を記憶する。半径記憶部に記憶する情報は、予めユーザがキーボード725やマウス726等の入力装置を用いて設定して、CPU720により、RAM723やファイル群736にある半径記憶部に記憶する。
【0081】
図9において、危険エリア判定部73は、S34の処理の前にS31〜S33のいずれかの処理において危険度判定部72が設定した危険度を取得し、危険度に対応する半径を示す情報を、図21に示したような半径記憶部から取得する。そして、危険エリア判定部73は、図9のS34の処理を行うが、このとき危険エリア判定部73は、取得した半径の大きさを示す情報を用いて危険エリアを判定する。
【0082】
このように、この実施の形態の危険報知サーバは、危険に遭遇しているユーザがいる地域により、判定する危険エリアの範囲の大きさを変えることができる。例えば、紛争が多発している地域や紛争が過激な地域では、危険の影響が広い地域に及ぶことが考えられる。このため、紛争地域に該当する地域コードには半径の大きさを大きな値に設定しておくと、危険エリアの範囲が広くなり、広い範囲の危険エリアにいるユーザに対して、危険の発生及び避難警告を行うことができ、被害が拡大することを防止できる。
逆に、紛争の少ない地域では、危険が発生してもその影響は狭い地域にしか及ばないことが考えられる。このため、紛争の少ない地域に該当する地域コードには半径の大きさを小さな値に設定しておくと、危険エリアの範囲が狭くなり、必要以上に不安が拡大することを防止できる。
【0083】
また、危険度が高いほど半径の大きさを大きな値に設定しておくと、危険エリアの範囲が広くなり、広い範囲の危険エリアにいるユーザに対して、危険の発生及び避難警告を行うことができ、被害が拡大することを防止できる。
逆に、危険度が低いほど半径の大きさを小さな値に設定しておくと、危険エリアの範囲が狭くなり、必要以上に不安が拡大することを防止できる。
【0084】
実施の形態6.
この実施の形態では、危険度判定部72により、それぞれのセンサによりセンスされた値を、そのセンス値の重要度に応じて大きくしたり、小さくして、危険が発生しているか否かの判定の際に、及び、危険度の判定の際に、センス値の重要度が反映されるようにする危険報知サーバの一例を説明する。
なお、危険報知サーバ70の構成は図17の構成であるものとする。図22は、この実施の形態のセンサの種類別に重要度に対応する重みを記憶する重みテーブルの一例を示す図である。
重みテーブルは、例えばRAM723、ファイル群736に記憶されている。
重みの値は、予めユーザがキーボード725やマウス726等の入力装置を用いて設定して、CPU720により重みテーブルに記憶する。
危険度計算部78は、それぞれのセンサによりセンスされた値に対して重要度を反映させるため、センス値にそのセンス値をセンスしたセンサの種類に対応する重みを掛けて、重要度を反映した新たなセンス値を求める。新たなセンス値を求める式は関数としてROM722に記憶しておき、危険度計算部78がROMから関数をCPU720により呼び出して実行する。
【0085】
図23は、この実施の形態の危険度計算部78の動作の一例を説明するフローチャート図である。
図23において、危険度計算部78は、図9のS25の処理の後、センサの種類を示すために使用するカウンタnに初期値をセットする(S70)。そして、カウンタnが7以上になるまでS72,S73の処理を繰り返す。危険度計算部78は、カウンタnが7以上になったら(S7、YES)、図9のS26へ進む。
危険度計算部78は、S72で、カウンタnに1を加算する。
危険度計算部78は、S73で、要因情報32に含まれたセンスされた値に対して重みを掛け、重要度を反映した新たなセンス値を求める。このとき、要因情報32には、7種類すべてのセンス値が含まれているとは限らない。このため、危険度計算部78は、S70の処理を行う前に、要因情報32に含まれたセンスされた値を、センスされた値(1)〜センスされた値(7)を有するセンス値テーブルにCPU720により格納する。センス値テーブルは、RAM723やファイル群736に記憶される。具体的には、図8(b)に示した要因情報32のセンス値のうち、センサ種別が‘0’のセンス値をセンスされた値(1)に格納し、センサ種別が‘1’のセンス値をセンスされた値(2)に格納し、センサ種別が‘2’のセンス値をセンスされた値(3)に格納し、センサ種別が‘3’のセンス値をセンスされた値(4)に格納し、センサ種別が‘4’のセンス値をセンスされた値(5)に格納し、センサ種別が‘5’のセンス値をセンスされた値(6)に格納し、センサ種別が‘6’のセンス値をセンスされた値(7)に格納する。
危険度計算部78は、求めた重要度を反映した新たなセンス値(n)を、新センスされた値(1)〜新センスされた値(7)を有する新センス値テーブルにCPU720により格納する。新センス値テーブルは、RAM723やファイル群736に記憶される。
図9のS26の処理では、各センスした値として、危険度計算部78により計算してRAM723に記憶した重要度を反映した新センス値テーブルに格納した新たなセンス値(1)〜(7)を用いる。
【0086】
このように、この実施の形態の危険報知サーバは、センスされた値に対してセンサの重要度を反映して、重要度が反映されたセンス値を用いて危険度を判定できる。例えば騒音が激しい地域では音声値及び雑音値よりも、振動値や血圧値、発汗度、脈拍数のほうが危険度を判定するセンス値として信頼できるため、振動や血圧、発汗、脈拍のセンサによるセンス値の重みを、音声及び雑音の重みよりも大きくすることにより、危険度を正確に判定できる。
【0087】
実施の形態7.
この実施の形態では、予め設定した複数の危険度のうち、どの危険度のセンス値と一致するかを危険度判定部72により判定して、危険度を判定する危険報知サーバの一例を説明する。
なお、危険報知サーバ70の構成は図17の構成であるものとする。しかし、危険度判定部72は、危険度計算部78を備えない構成とする。
図24は、この実施の形態の危険度判定部72が参照する学習テーブルが記憶する危険度別のセンス値の一例を示す図である。
学習テーブルは、例えばRAM723、ファイル群736に記憶されている。
学習テーブルのセンス値は、予めユーザがキーボード725やマウス726等の入力装置を用いて設定して、CPU720により学習テーブルに記憶する。危険度は、危険度に対応するセンス値が図24に示したセンス値であった場合の危険のレベルを示す。例えば、音声値が68、雑音値が78、移動加速度が620、振動値が15、血圧値が115(上の血圧)、発汗度が15、脈拍数が85であるとき、危険度はレベル1である。
【0088】
危険度判定部72は、要因情報32に含まれたそれぞれのセンスされた値の組み合わせが、学習テーブルに記憶されたセンス値の組み合わせの中にあるか否かを判定する。学習テーブルに一致するセンス値の組み合わせがある場合、危険度判定部72は、その組み合わせに対応するレベルを危険度とする。
【0089】
図25は、この実施の形態の危険度判定部72の動作の一例を説明するフローチャート図である。
図25において、危険度判定部72は、図9のS25の処理の後、S26〜S33の処理の替わりに、図25のS90〜S95の処理を行う。
なお、要因情報32には、7種類すべてのセンス値が含まれているとは限らない。このため、危険度判定部72は、S90の処理を行う前に、要因情報32に含まれたセンスされた値を、センスされた値(1)〜センスされた値(7)を有するセンス値テーブルにCPU720により格納する。センス値テーブルは、RAM723に記憶する。具体的には、図8(b)に示した要因情報32のセンス値のうち、センサ種別が‘0’のセンス値をセンスされた値(1)に格納し、センサ種別が‘1’のセンス値をセンスされた値(2)に格納し、センサ種別が‘2’のセンス値をセンスされた値(3)に格納し、センサ種別が‘3’のセンス値をセンスされた値(4)に格納し、センサ種別が‘4’のセンス値をセンスされた値(5)に格納し、センサ種別が‘5’のセンス値をセンスされた値(6)に格納し、センサ種別が‘6’のセンス値をセンスされた値(7)に格納する。
危険度判定部72は、S90において、センス値テーブルのセンスされた値(n)(1≦n≦7の整数)と、学習テーブルに記憶されたすべてのセンス値の組み合わせを対象に、一致するセンス値の組み合わせが検索できるまで、学習テーブルを検索する。具体的には、要因情報32に含まれたセンスされた値は、危険度判定部72によりセンス値テーブル(1)〜(7)に格納されているので、センス値テーブル(1)と学習テーブルのレベル1に対応する音声値とを比較する。また、センス値テーブル(2)と学習テーブルのレベル1に対応する雑音値とを比較する。また、センス値テーブル(3)と学習テーブルのレベル1に対応する移動加速度とを比較する。また、センス値テーブル(4)と学習テーブルのレベル1に対応する振動値とを比較する。また、センス値テーブル(5)と学習テーブルのレベル1に対応する血圧値とを比較する。また、センス値テーブル(6)と学習テーブルのレベル1に対応する発汗度とを比較する。また、センス値テーブル(7)と学習テーブルのレベル1に対応する脈拍数とを比較する。このような比較をレベル2、レベル3についても行う。
【0090】
例えば、要因情報32に音声値が‘72’、雑音値‘82’、移動加速度‘630’、振動値‘16’、血圧値‘117’、発汗度‘18’、脈拍数‘88’とのセンス値が含まれていたとする。これらのセンス値は、学習テーブルのレベル2のセンス値と一致する。このため、危険度判定部72は、センス値テーブル(1)〜(7)のセンス値と、学習テーブルのレベル2のセンス値とが一致することを判定して、危険度をレベル2に設定して、S91の処理へ進む。
なお、要因情報32には、7種類のすべてのセンス値が含まれているとは限らない。このため、この場合には、要因情報32に含まれたセンス値と、そのセンス値をセンスしたセンサの種類に対応する学習テーブルのセンス値とを比較する。
【0091】
また、要因情報32に含まれたセンス値の組み合わせの一部が、学習テーブルのセンス値の組み合わせの一部と一致している場合、対応するレベルXを危険度として取得してもかまわない。
例えば、要因情報32に音声値が‘71’、雑音値‘82’、移動加速度‘630’、振動値‘16’、血圧値‘111’との5つのセンス値が含まれていたとする。これらのセンス値は、学習テーブルのレベル2のセンス値の一部(雑音値、移動加速度、振動値の3つ)と一致する。このとき、危険度判定部72は、危険度をレベル2として、S91の処理へ進む。上記した例では3つのセンス値が一致している場合を説明した。しかし、一致しているセンス値の数は、危険報知サーバを運用するユーザが、一致する数をあらかじめ決めておき、キーボード725やマウス726等の入力装置を用いてROM722やファイル群736に記憶させておき、これを危険度判定部72がS90の処理を行う際に参照して、危険度を判定するようにしてもかまわない。
【0092】
次に、危険度判定部72は、S92で、S90で判定した危険のレベルを判定し、レベルに対応するS93〜S95の処理を行う。レベル1であるときは、S93のアラート情報1を生成する処理を行う。レベル2であるときは、S94のアラート情報2を生成する処理を行う。レベル3であるときは、S95のアラート情報3を生成する処理を行う。S93〜S95で生成するアラート情報1〜3の内容は、実施の形態1の図9のS31〜S33の処理で生成するものと同じである。
S93〜S95のいずれかの処理の後、危険度判定部72は、図9のS34へ進む。
【0093】
このように、この実施の形態で説明した危険報知サーバは、あらかじめ学習テーブルに危険度に対応するセンス値を記憶しておき、要因情報に含まれたセンス値が、学習テーブルに記憶された危険度別のセンス値のうちどの危険度のセンス値と一致するかを判定して、危険度を決定する。このため、危険度を判定するためにセンス値を計算することが不要となり、危険度の判定処理の処理速度を速くできる。また、これにより、危険報知サーバの処理負荷を軽減できる。
【0094】
実施の形態8.
この実施の形態では、危険度判定部72により、それぞれのセンサによりセンスされた値を同一の単位に変換して危険度を判定する危険報知サーバ70について一例を説明する。
なお、危険報知サーバ70の構成は図17の構成であるものとする。
図26(a)は、この実施の形態の危険が発生していない状態での平均的なセンス値の一例を示す図である。図26(b)は、この実施の形態のセンサの種類別に重みを記憶する重みテーブルの一例を示す図である。図26(c)は、この実施の形態の要因情報32に含まれたセンス値を記憶するセンス値テーブルの一例を示す図である。
【0095】
図26(b)に示した重みテーブルは、例えばRAM723、ファイル群736に記憶されている。
重みの値は、予めユーザがキーボード725やマウス726等の入力装置を用いて設定して、CPU720により重みテーブルに記憶する。
図26(b)に示した重みテーブルは、各センサに対応する重みを示す値を記憶する。図では、説明を容易にするため重みの値をW1、W2というように文字で示しているが、実際には数値である。重みとは、この実施の形態では、それぞれのセンサによりセンスされた値を同一のカロリーという単位に変換するために使用する値であるものとする。危険度計算部78は、要因情報32に含まれたセンス値に対してそのセンス値をセンスしたセンサの種類に対応する重みを掛けて、センス値をカロリーに変換する。変換するための式は、関数として予めユーザがキーボード725やマウス726等の入力装置を用いて設定して、CPU720によりROM722に記憶しておき、危険度計算部78がセンス値の単位を変換する際にCPU720によりROM722から関数を呼び出す。
例えば、要因情報32の音声値(図26(C)の‘S1’)をカロリーに変換する場合は、W1にS1を掛けて変換する。
【0096】
ここで、重みの決定方法の一例を説明する。危険報知サーバを運用するユーザは、各センサによりセンスされる値を危険が発生していない状態で測定し、測定した値を平均的なセンス値として収集する。測定する値は、測定する場所や時間や人によって同じセンサを使用しても異なる値がセンスされる。このため、例えば、複数のユーザを対象に、複数の場所で、かつ、場所ごとに複数回の測定を行い複数のセンス値を収集して、収集したセンス値の種類毎に平均値を求めて、それを平均的なセンス値とする。図26(a)に示した平均的なセンス値は、このようにして求めた値である。平均的なセンス値を求めたら、各センス値に基づいて、センス値をカロリーに変換する場合の比を求め、求めた比を重みとする。例えば、音声の平均的なセンス値は‘60’デシベルであり、‘60’デシベルの音声を発するときに人が消費するカロリーが30カロリーとすると、音声のセンス値をカロリーに変換する場合には、1/2(0.5)を音声のセンス値に掛けることにより変換できる。すなわち、音声値をカロリーに変換する場合の比は1/2(0.5)である。従って、図26(b)のW1は1/2(0.5)の値に相当する。他のセンサ(雑音、移動速度、振動、血圧、発汗、脈拍)についても、同じように比を求め、求めた比を重みとする。
【0097】
図27は、この実施の形態の危険度計算部78の動作の一例を説明するフローチャート図である。
なお、要因情報32には、7種類すべてのセンス値が含まれているとは限らない。このため、危険度判定部72は、図27のS80の処理を行う前に、要因情報32に含まれたセンスされた値を、図27(c)に示すセンスされた値(1)〜センスされた値(7)を有するセンス値テーブルにCPU720により格納する。センス値テーブルは、CPU720によりRAM723に記憶される。具体的には、図8(b)に示した要因情報32のセンス値のうち、センサ種別が‘0’のセンス値をセンスされた値(1)に格納し、センサ種別が‘1’のセンス値をセンスされた値(2)に格納し、センサ種別が‘2’のセンス値をセンスされた値(3)に格納し、センサ種別が‘3’のセンス値をセンスされた値(4)に格納し、センサ種別が‘4’のセンス値をセンスされた値(5)に格納し、センサ種別が‘5’のセンス値をセンスされた値(6)に格納し、センサ種別が‘6’のセンス値をセンスされた値(7)に格納する。
図27において、危険度計算部78は、図9のS25の処理の後、センサの種類を示すために使用するカウンタnに初期値をセットする(S80)。そして、カウンタnが7以上になるまでS82,S83の処理を繰り返す。危険度計算部78は、カウンタnが7以上になったら(S81、YES)、S84へ進む。
危険度計算部78は、S82で、カウンタnに1を加算する。
危険度計算部78は、S83で、W=W+W(n)×S(n)の式により、センス値テーブルに格納したセンスされた値(n)に対して重み(n)を掛けて全センス値をカロリーに変換した合計を求める。S83の式において、W(n)は重みテーブルの重み(n)を示し、S(n)はセンス値テーブルのセンスされた値(n)を示す。
危険度計算部78は、合計のカロリーの値を計算した後、S84において、合計のカロリー値(W)とレベル分け基準値とを比較する。レベル分け基準値とは、合計のカロリー値がいくつであるときに危険度がいくつであるかを判定するための基準値である。レベル分け基準値は、危険報知サーバ70を運用するユーザが予めキーボード725やマウス726等の入力装置を用いて設定して、CPU720によりROM722やファイル群736に記憶する。
S84において、カロリー値(W)がレベル分け基準値以下であるときは(S84、YES)、危険度計算部78はS85の処理へ進んで、危険度に‘1’を設定し、アラート情報1を生成する。S84において、カロリー値(W)がレベル分け基準値より大きいときは(S84、NO)、危険度計算部78はS86の処理へ進んで、危険度に‘2’を設定し、アラート情報2を生成する。アラート情報1,2の内容は、実施の形態1の図9のS31〜S32のいずれかで生成するアラート情報1,2と同じである。
【0098】
このように、この実施の形態で説明した危険報知サーバは、各センスされた値を共通の単位の、例えばカロリーに変換して、変換したセンス値を合計した合計値とあらかじめ設定したレベル分け基準値とから危険度を判定している。このため、センサの種類毎に危険度を判定するための基準値が不要になるので、危険度を判定する処理が簡単にできる。
【0099】
実施の形態9.
上記した実施の形態1〜8では、携帯電話30は、図6のS13に示したように、送信基準値を超えているセンス値が2つ以上ある場合に、危険報知サーバ70へ要因情報32を送信していた。しかし、携帯電話30は、センスした値を何もチェックせずに危険報知サーバ70へ要因情報32を送信してもかまわない。この場合、危険報知サーバ70側で、図6のS13の処理を図9のS25とS26との間で行う。
また、携帯電話30が、図11に示した判定基準値記憶部75が記憶する情報と同じ情報を記憶した記憶部を備え、標準値と判定基準値とを加算した値よりもセンス値の方が大きい場合で、携帯電話30がそのセンス値を含む要因情報32を危険報知サーバ70へ送信してもかまわない。
また、携帯電話30が、標準値と判定基準値を加算した値よりセンス値の方が大きい場合で、大きいと判定したセンス値が複数(2つ以上や3つ以上)あった場合に、それらのセンス値を含む要因情報32を危険報知サーバ70へ送信してもかまわない。
【0100】
このように、この実施の形態で説明した携帯電話は、センスされた値を何もチェックせずに危険報知サーバへ送信する。或いは、ある条件をクリアしたセンス値を危険報知サーバへ送信する。このため、危険報知サーバの処理能力に余裕がない場合は、ある条件をクリアしたセンス値を危険報知サーバへ送信し、危険報知サーバの処理能力に余裕がある場合は、センスされた値を何もチェックせずに危険報知サーバへ送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施の形態1の危険報知サーバが提供するサービス内容を説明する図。
【図2】実施の形態1の危険報知システムの構成を示す図。
【図3】(a)はユーザが危険を受けている様子を示す図であり、(b)は携帯電話30の構成を示す図。
【図4】危険報知システムのシステム構成図。
【図5】危険報知サーバのハードウェア構成図。
【図6】実施の形態1の携帯電話の動作を示すフローチャート図。
【図7】実施の形態1の送信基準値の一例を示す図。
【図8】(a)は、実施の形態1の位置情報33の一例を説明する図、(b)は、実施の形態1の位置情報33と要因情報32との一例を説明する図。
【図9】実施の形態1の危険報知サーバの動作を示すフローチャート図。
【図10】実施の形態1の危険報知サーバの動作を示すフローチャート図。
【図11】実施の形態1の判定基準値記憶部が記憶する危険度判定情報の一例を示す図。
【図12】実施の形態2の危険報知サーバの構成を示す図。
【図13】実施の形態2のフィルタ部77の動作の一例を説明するフローチャート図。
【図14】実施の形態2のフィルタ部77の動作の一例を説明するフローチャート図。
【図15】実施の形態2のフィルタ部77の動作の一例を説明するフローチャート図。
【図16】実施の形態3の危険報知サーバの構成を示す図。
【図17】実施の形態4の危険報知サーバの構成を示す図。
【図18】実施の形態4の危険エリアの例を示す図。
【図19】実施の形態4の他の危険エリアの例を示す図。
【図20】(a)は、実施の形態5の危険エリア判定部73が参照する地域コード別に危険エリアの半径の大きさを記憶した半径記憶部の一例を示す図、図20(b)は、実施の形態5の経緯度別に対応する地域コードを記憶する地域コード記憶部の一例を示す図。
【図21】実施の形態5の危険度別に半径の大きさを示す情報を記憶した半径記憶部の一例を示す図。
【図22】実施の形態6のセンサの種類別に重要度に対応する重みを記憶する重みテーブルの一例を示す図。
【図23】実施の形態6の危険度計算部78の動作の一例を説明するフローチャート図。
【図24】実施の形態7の危険度判定部72が参照する学習テーブルが記憶する危険度別のセンス値の一例を示す図。
【図25】実施の形態7の危険度判定部72の動作の一例を説明するフローチャート図。
【図26】(a)は、実施の形態8の危険が発生していない状態での平均的なセンス値の一例を示す図、(b)は、実施の形態8のセンサの種類別に重みを記憶する重みテーブルの一例を示す図、(c)は、実施の形態8の要因情報32に含まれたセンス値を記憶するセンス値テーブルの一例を示す図。
【図27】実施の形態8の危険度計算部78の動作の一例を説明するフローチャート図。
【符号の説明】
【0102】
10 衛星、11 測位データ、20,80,81 ユーザ、30 携帯電話、32 要因情報、33 位置情報、34,35 アラート情報、37 避難経路、40 センサ部、41 センス値、50 ネットワーク、70 危険報知サーバ、71 要因情報受信部、72 危険度判定部、73 危険エリア判定部、74 アラート送信部、75 判定基準値記憶部、76 携帯電話位置記憶部、77 フィルタ部、78 危険度計算部、79 危険エリアデータベース、85 報知先通知部、86 地図データベース、88 報知先、100 危険報知システム、301 アンテナ、302 マイク部、303 位置計算部、304 送信判定部、305 要因情報生成部、306 送信部、307 送信基準値記憶部、351 危険エリア、401 雑音センサ、402 移動加速度センサ、403 振動センサ、404 血圧センサ、405 発汗度センサ、406 脈拍センサ、700 システムユニット、701,724 表示装置、702,725 キーボード、703,726 マウス、705,728 FDD、706,729 CDD、707,730 プリンタ装置、708,731 スキャナ装置、709 電話機、710 ファクシミリ機、720 CPU、721 バス、722 ROM、723 RAM、727 通信ボード、732 磁気ディスク装置、733 OS、734 ウィンドウシステム、735 プログラム群、736 ファイル群、900 ゲートウェイ、905 LAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの携帯端末からユーザの危険を知らせる少なくとも2種類の要因情報とユーザの携帯端末の位置の位置情報とを受信する要因情報受信部と、
上記要因情報受信部が受信した少なくとも2種類の要因情報に基づいて、ユーザが受けている危険度を判定する危険度判定部、
上記危険度判定部が判定した危険度に基づいて、上記ユーザの携帯端末の位置情報が示すユーザの携帯端末の位置を含む危険エリアを判定する危険エリア判定部と、
上記危険エリア判定部が判定した危険エリアにいる他のユーザの携帯端末に対して、アラート情報を送信するアラート送信部と
を備えたことを特徴とする危険報知サーバ。
【請求項2】
上記要因情報受信部は、ユーザの周囲に発生した危険雑音と、ユーザの音声と、ユーザの移動加速度と、ユーザの振動と、ユーザの血圧と、ユーザの発汗度と、ユーザの脈拍とのいずれか2つ以上を上記要因情報として受信することを特徴とする請求項1記載の危険報知サーバ。
【請求項3】
上記危険度判定部は、
各要因情報が危険を知らせるものかをフィルタリングするフィルタ部と、
上記フィルタ部によりフィルタリングされた要因情報を変数とした関数により危険度を計算する危険度計算部と
を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の危険報知サーバ。
【請求項4】
上記危険報知サーバは、道路情報を有する地図データベースを備え、
上記アラート送信部は、上記地図データベースの有する道路情報を用いて、避難経路情報を送信する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の危険報知サーバ。
【請求項5】
上記危険報知サーバは、危険エリアを記憶する危険エリアデータベースを備え、
上記危険エリア判定部は、上記危険エリアを判定した場合、上記危険エリアデータベースに危険エリアを記憶する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載した危険報知サーバ。
【請求項6】
ユーザの危険度を知らせる少なくとも2種類の要因情報を検知するセンサを備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
以下のセンサのうち、少なくとも2つ以上のセンサを備えることを特徴とする請求項6記載の携帯端末。
(1)周囲に発生した雑音を検知する雑音センサ、
(2)移動加速度を計測する移動加速度センサ、
(3)振動を検知する振動センサ、
(4)ユーザの血圧を計測する血圧センサ、
(5)ユーザの発汗度を計測する発汗度センサ、
(6)ユーザの脈拍を計測する脈拍センサ。
【請求項8】
危険を報知する危険報知サーバにより実行する危険報知方法であって、
要因情報受信部によって、ユーザの携帯端末からユーザの危険を知らせる少なくとも2種類の要因情報とユーザの携帯端末の位置の位置情報とを通信装置により受信する要因情報受信工程と、
危険度判定部によって、上記要因情報受信工程により受信した少なくとも2種類の要因情報に基づいて、ユーザが受けている危険度をセントラル・プロセッシング・ユニット(Central Processing Unit、以下「CPU」と称する)により判定する危険度判定工程と、
アラート送信部によって、上記危険度判定工程により判定した危険度に基づいて、ユーザの携帯端末の位置情報が示すユーザの携帯端末の位置を含む危険エリアをCPUにより判定する危険エリア判定工程と、
アラート送信部によって、上記危険エリア判定工程により判定した危険エリアにいる他のユーザの携帯端末に対して、アラート情報を通信装置により送信するアラート送信工程と
を有することを特徴とする危険報知方法。
【請求項9】
携帯端末により実行する要因情報検知方法であって、
ユーザの危険度を知らせる少なくとも2種類の要因情報を携帯端末のセンサにより検知するセンサ工程を有することを特徴とする要因情報検知方法。
【請求項10】
危険を報知する危険報知サーバにより実行するプログラムであって、
要因情報受信部によって、ユーザの携帯端末からユーザの危険を知らせる少なくとも2種類の要因情報とユーザの携帯端末の位置の位置情報とを通信装置により受信する要因情報受信処理と、
危険度判定部によって、上記要因情報受信処理により受信した少なくとも2種類の要因情報に基づいて、ユーザが受けている危険度をセントラル・プロセッシング・ユニット(Central Processing Unit、以下「CPU」と称する)により判定する危険度判定処理と、
危険エリア判定部によって、上記危険度判定処理により判定した危険度に基づいて、ユーザの携帯端末の位置情報が示すユーザの携帯端末の位置を含む危険エリアをCPUにより判定する危険エリア判定処理と、
アラート送信部によって、上記危険エリア判定処理により判定した危険エリアにいる他のユーザの携帯端末に対して、アラート情報を通信装置により送信するアラート送信処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
上記要因情報受信処理は、ユーザの周囲に発生した危険雑音と、ユーザの音声と、ユーザの移動加速度と、ユーザの振動と、ユーザの血圧と、ユーザの発汗度と、ユーザの脈拍とのいずれか2つ以上を上記要因情報として受信する処理を行うことを特徴とする請求項10記載のプログラム。
【請求項12】
上記危険度判定処理は、
各要因情報が危険を知らせるものかをフィルタリングするフィルタ処理と、
上記フィルタ処理によりフィルタリングされた要因情報を変数とした関数により危険度を計算する危険度計算処理と
を行うことを特徴とする請求項10または11記載のプログラム。
【請求項13】
上記危険報知サーバは、道路情報を記憶する地図データベースを備え、
上記アラート送信処理は、上記地図データベースの有する道路情報を用いて、避難経路情報を送信する処理を行う
ことを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載のプログラム。
【請求項14】
上記危険報知サーバは、危険エリアを記憶する危険エリアデータベースを備え、
上記危険エリア判定処理は、上記危険エリアを判定した場合、上記危険エリアデータベースに危険エリアを記憶する処理を行う
ことを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載したプログラム。
【請求項15】
携帯端末により実行するプログラムであって、ユーザの危険度を知らせる少なくとも2種類の要因情報を携帯端末のセンサより検知するセンサ処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
以下のセンサ処理のうち、少なくとも2つ以上のセンサ処理を行うことを特徴とする請求項15記載のプログラム。
(1)雑音センサにより周囲に発生した雑音を検知する雑音センサ処理、
(2)移動加速度センサにより移動加速度を計測する移動加速度センサ処理、
(3)振動センサにより振動を検知する振動センサ処理、
(4)血圧センサによりユーザの血圧を計測する血圧センサ処理、
(5)発汗度センサによりユーザの発汗度を計測する発汗度センサ処理、
(6)脈拍センサによりユーザの脈拍を計測する脈拍センサ処理。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2009−193315(P2009−193315A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33150(P2008−33150)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】