説明

厚み測定装置

【課題】測定作業現場に容易に持ち運びできるとともに、簡単かつ正確に板体の厚みを測定できる厚み測定装置を提供する。
【解決手段】測定対象の板体を挿入可能なスリット4aが形成されたベース4およびベース4に設けられた対向する一対の板厚測定用変位センサー5からなる装置本体部2と、各板厚測定用変位センサー5の出力に基づいて演算し、演算結果を表示する制御部と、から構成され、前記各板厚測定用変位センサー5は、ベース4のスリット4aに挿入された板体の表裏面にそれぞれ直交する方向に摺動自在であるとともに、ベース4のスリット4a内において互いに接触するように付勢された接触子52を有している。そして、スリット4aに板体が挿入された際、一対の板厚測定用変位センサー5の接触子52が互いに離れる方向に摺動した変位量の和を演算し、板体の板厚として表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金属板などの板体の厚みを測定する測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コイル状に巻き取られた鋼板をアンコイラーに取り付け、アンコイラーを回転駆動することにより鋼板を繰り出し、スリッターによって複数の幅狭の条材に切断し、条材をリコイラーにてコイル状に巻き取ることが行われている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
このように、鋼板を幅狭の条材に切断して巻き取る場合、鋼板の厚みは、幅方向の中央部および端部において微妙に相違している。このため、切断された条材をリコイラーにて巻き取る際、厚い条材は、薄い条材に比較して巻き取られた条材の径が大きくなる。したがって、リコイラーの回転角に対応する円周長さ、すなわち、巻き取り長さに差が発生し、相対的に薄い板材の巻き取り量が小さくなり、徐々に弛みを発生する。このような薄い条材の弛みを想定して、予めピットが形成されており、弛みが発生した条材はピットにてその弛みが吸収されるようになっている。
【0004】
この弛みは、条材の厚みを測定することにより計算することができ、通常、ノギスやマイクロメーターを利用して作業者が測定するようにしている。
【特許文献1】特開平7−299643号公報
【特許文献2】特開平10−100016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ノギスやマイクロメーターを用いて鋼板の厚みを測定する場合、作業者の熟練度によって測定値にばらつきが発生し、安定しない。この場合、測定値に誤差を有すると、設定量以上の弛みが発生することがあり、その際には、条材がピットの床面と接触し、品質を損なうものとなる。
【0006】
また、ライン作業などにおいて、金属板などの板体の厚みを速やかに測定して測定に要する作業時間を短縮したい要求があるが、ノギスやマイクロメーターを用いて板体の厚みを測定するためには、一定の作業時間が必要となり、時間短縮の要求に応えることが困難である。
【0007】
なお、超音波を利用して板体の厚みを測定することも提案されているが、設備費がかさむとともに、任意の作業現場に持ち運びして測定することができず、使い勝手が悪いという欠点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、測定作業現場に容易に持ち運びできるとともに、簡単かつ正確に板体の厚みを測定することのできる厚み測定装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、測定対象の板体を挿入可能なスリットが形成されたベースおよびベースに設けられた対向する一対の板厚測定用変位センサーからなる装置本体部と、各板厚測定用変位センサーの出力に基づいて演算し、演算結果を表示する制御部と、から構成され、前記各板厚測定用変位センサーは、ベースのスリットに挿入された板体の表裏面にそれぞれ直交する方向に摺動自在であるとともに、ベースのスリット内において互いに接触するように付勢された接触子を有してなり、スリットに板体が挿入された際、一対の板厚測定用変位センサーの接触子が互いに離れる方向に摺動した変位量の和を演算し、板体の板厚として表示することを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、装置本体部のスリットに測定対象の板体を挿入し、板体によって一対の板厚測定用変位センサーの接触子を付勢力に抗して互いに離隔する方向に摺動させる。各板厚測定用変位センサーの接触子の摺動に伴う変位量は制御部に出力され、制御部において、変位量の和が演算されるとともに、その演算結果が板体の厚みとして表示される。
【0011】
この結果、作業者は、板体を装置本体部のスリットに挿入するだけの簡単な作業によって板体の厚みを測定することができ、測定に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、板体の厚みに略相当するストロークだけ板厚測定用変位センサーの接触子が摺動すればよいことから、コンパクトな大きさに形成することができ、測定結果を表示する制御部を含めても、現場に簡単に持ち運びすることができ、任意の作業現場において測定作業を行うことができる。
【0012】
本発明において、前記ベースに、スリットに挿入された板体の表裏面側一面を押圧付勢する複数個のボールがスリット内に突出して配設されていると、板体の表裏面側他面をスリットの一面に密着するように複数個のボールを介して押圧することができ、スリットの一面からの板体の浮き上がりを防止して測定誤差の発生を可及的に抑制することができる。
【0013】
本発明において、前記ベースにエッジ高さ測定用変位センサーが付設され、該エッジ高さ測定用変位センサーは、スリットに挿入された板体の表裏面に直交する方向に摺動自在な摺動部材に設けられる一方、スリットに挿入された板体の表裏面に直交する方向に摺動自在であるとともに、スリットに挿入された板体の表裏面側一面を押圧する方向に付勢された接触子をスリットの内奥部に形成された板体端面との当接面に対向して有し、また、エッジ高さ測定用変位センサーの出力が制御部に入力されてなり、スリットに板体が挿入され、その端面が当接面に当接された際、摺動部材を押動させてエッジ高さ測定用変位センサーの接触子を板体の端縁に接触させ、標準片の基準高さとエッジ高さ測定用変位センサーの変位量との差を演算し、板体のエッジ高さとして表示することが好ましい。
【0014】
本発明によれば、装置本体部のスリットに標準片を挿入し、標準片の端面を当接面に当接させた後、摺動部材を押動させてエッジ高さ測定用変位センサーの接触子を標準片の表面に接触させる。接触子が標準片の表面に接触すると、その表面を基準高さとして制御部に出力される。ここで、標準片の厚みは予め設定されている。次いで、標準片を取り出して、装置本体部のスリットに測定対象の板体を挿入し、板体の端面を当接面に当接させた後、同様に、摺動部材を押動させてエッジ高さ測定用変位センサーの接触子を板体の端縁に接触させる。接触子が板体の端縁に接触すると、エッジ高さ測定用変位センサーの接触子の、基準高さからの摺動に伴う変位量が制御部に出力される。そして、制御部において、標準片の基準高さと変位センサーの変位量との差が演算されるとともに、その演算結果が板体のエッジ高さとして表示される。
【0015】
したがって、作業者は、板体を装置本体部のスリットに挿入してその端面を当接面に当接させた後、摺動部材を押動させるだけの簡単な作業によって板体のエッジ高さを測定することができ、測定に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、板体の厚みに略相当するストロークだけエッジ高さ測定用変位センサーが摺動すればよいことから、エッジ高さ測定用変位センサーを設けても、携帯性を損なうことはない。
【0016】
なお、板体のエッジ高さを測定することにより、板体を切断する刃物の磨耗を把握することができる。
【0017】
本発明において、前記当接面に板体の端面側先端部が挿入可能な切欠凹部が形成されていると、板体の端面側先端部が突出するように形成されているような場合であっても、その端縁をエッジ高さ測定用変位センサーの接触子の下方に位置するように導くことが可能となり、板体のエッジ高さを正確に測定することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、測定作業現場に容易に持ち運びできるとともに、簡単かつ正確に板体の厚みを測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1には、本発明の厚み測定装置1の一実施形態が示されている。
【0021】
この厚み測定装置1は、板体Pの厚みおよびそのエッジ高さを測定する装置本体部2および装置本体部2による測定データを演算して表示する制御部3を備えている。
【0022】
装置本体部2は、図2に詳細に示すように、ベース4に一対の板厚測定用変位センサー5を互いに対向するように設けるとともに、エッジ高さ測定用変位センサー6を設けて構成されており、このうち、各板厚測定用変位センサー5は、ベース4に固定されたホルダ51と、ホルダ51に摺動自在に嵌挿された接触子52とからなり、接触子52は、図示しないスプリングによってホルダ51から突出する方向に付勢されている。そして、ホルダ51に対する接触子52の変位量は、電気信号に変換されてケーブル9を経て制御部3に出力されるようになっている。この場合、各板厚測定用変位センサー5の接触子52の先端面は、後述するように、板体Pの挿入に際して円滑に摺動できるように、球面などの曲面形状に形成されている。
【0023】
また、エッジ高さ測定用変位センサー6は、ベース4に上下方向に摺動自在に設けられた摺動部材61と、摺動部材61に固定されたホルダ62と、ホルダ62に摺動自在に嵌挿された接触子63とからなり、接触子63は、図示しないスプリングによってホルダ62から突出する方向に付勢されている。そして、ホルダ62に対する接触子63の変位量も、電気信号に変換されてケーブル9を経て制御部3に出力されるようになっている。
【0024】
ところで、ベース4の高さ方向の略中間部には、測定対象の板体Pを挿入可能なスリット4aが水平方向に一定長さにわたって形成されており、前述した各板厚測定用変位センサー5の接触子52は、スリット4a内に配置されて、互いに接触するように付勢されている。すなわち、各板厚測定用変位センサー5の接触子52は、ホルダ51に対してスリット4aに挿入された板体Pの表面および裏面に直交する方向に摺動自在であり、スリット4a内において互いに接触するように付勢されている。また、エッジ高さ測定用変位センサー6の接触子63は、スリット4aの内奥部に形成された板体Pの端面との当接面4bに臨んで配置されている。すなわち、エッジ高さ測定用変位センサー6の接触子63は、ホルダ62に対してスリット4aに挿入された板体Pの表面および裏面に直交する方向に摺動自在であり、板体Pの表面および裏面に接触するように付勢されている。
【0025】
また、ベース4には、複数個のボールプランジャー7が設けられている。このボールプランジャ7は、スリット4a内に突出するボール71と、ボール71をスリット4aの底面に向けて押圧するスプリング72とからなり、スリット4aに挿入された板体Pの表面を押圧してその裏面をスリット4aの底面に密着するように付勢する。この場合、ボールプランジャ7のボール71は、上方より見て、板厚測定用変位センサー5の接触子52の周囲に等間隔に位置するように設けることが好ましい。
【0026】
なお、スリット4aの当接面4bには、エッジ高さ測定用変位センサー6の接触子63に対向するように、円弧状の切欠凹部4x(図3参照)が形成されており、板体Pの先端部が突出するように形成されている場合であっても、板体Pの先端部を切欠凹部4x内に収容すること、すなわち、板体Pの端縁をエッジ高さ測定用変位センサ6の接触子63の直下に導くことができる。
【0027】
また、エッジ高さ測定用変位センサー6の摺動部材61は、図示しないスプリングにより、スリット4aに挿入された板体Pの表面および裏面から離脱する方向に付勢されている。
【0028】
さらに、装置本体部2には、板厚測定用変位センサー5およびエッジ高さ測定用変位センサー6を覆うように、カバー8が設けられている。この場合、カバー8には、エッジ高さ測定用変位センサー6の摺動部材61に対向して開口8aが形成されており、開口8aを通して摺動部材61を付勢力に抗して押動させることができる。
【0029】
一方、制御部3は、表示モードの切替スイッチ、測定データの保存スイッチ、測定データや保存データのクリアスイッチなどの各種スイッチ31が設けられるとともに、演算結果を表示する表示部32が設けられており、後述するように、2個の板厚測定用変位センサー5からの出力および1個のエッジ高さ測定用変位センサー6からの出力がケーブル9を通して入力されると、予め設定されたプログラムにしたがって演算し、その演算結果を表示部32に表示する。
【0030】
ここで、装置本体部3は、幅40mm×高さ80mm×奥行き80mmに形成され、スリット4aは、板厚1.2mmまでの板材Pを測定できるように、高さ2mmに設定されている。エッジ高さについては、0.35mm〜1.35mmのエッジ高さを測定できるように設定されている。
【0031】
また、制御部3は、幅100mm×高さ44mm×奥行き180mmに形成され、乾電池を電源とし、1.0μmの分解能を備えている。
【0032】
次に、このように構成された厚み測定装置1を用いた板体Pの厚みを測定する要領について説明する。
【0033】
厚みを測定するためには、厚みを測定しようとする現場に測定装置1を持ち込み、測定対象の板体Pを装置本体部2におけるベース4のスリット4aに挿入すればよい。ベース4のスリット4aに板体Pを挿入すれば、図4に示すように、板体Pは、複数個のボールプランジャー7のボール71をスプリング72の付勢力に抗して押し上げる一方、上方の板厚測定用変位センサー5の接触子52を付勢力に抗して押し上げるとともに、下方の板厚測定用変位センサー5の接触子52を付勢力に抗して押し下げる。このような一対の板厚測定用変位センサー5の接触子52がそれぞれホルダ51に対して互いに離隔する方向に摺動することに伴う変位量は、出力Δe1,Δe2としてケーブル9を経て制御部3に入力される。
【0034】
この際、板体Pは、ボールプランジャ7の圧縮されたスプリング72の付勢力により、スリット4aの底面に密着するように押圧され、その浮き上がりが防止される。したがって、板体Pの厚み測定に際して、接触子52が不用意に摺動することがなく、正確に厚みを測定することができる。
【0035】
一対の板厚測定用変位センサー5の接触子52の変位量である出力Δe1,Δe2が制御部3に入力されると、制御部3において、各接触子52の変位量についての出力Δe1,Δe2を加算し、その和である(Δe1+Δe2)に対応する数値、すなわち、板体Pの厚みをその表示部32に表示する。
【0036】
したがって、板体Pの厚み測定は、作業者が板体Pを装置本体部2のスリット4aに挿入するだけの簡単な作業によって行うことができ、測定に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、装置全体がコンパクトな大きさに形成されているため、現場に持ち込んで測定作業を行うことができる。
【0037】
一方、板体Pのエッジ高さを測定するときには、予め厚みが把握されている標準片(図示せず)を装置本体部2におけるベース4のスリット4aに挿入し、その端面を当接面4bに当接させる。この際、前述したように、板体Pは、複数個のボールプランジャー7のボール71をスプリング72の付勢力に抗して押し上げることにより、そのスプリング72の弾性力によって浮き上がりが防止される。
【0038】
なお、板体Pのスリット4aへの挿入によって、一対の板厚測定用変位センサー5の接触子52も互いに離隔するように摺動するが、その変位量についてのデータも同時に表示される。
【0039】
標準片の端面がスリット4aの当接面4bに当接すると、エッジ高さ測定用変位センサー6の摺動部材61をその付勢力に抗して一定距離、具体的には、摺動部材61の下面がベース4の上面に当接するまで押し下げると、その接触子63が標準片の上面に接触する。そして、エッジ高さ測定用変位センサー6の接触子63が標準片の上面に接触したときを基準高さとしてその出力Δeがケーブル9を経て制御部3に入力される。
【0040】
標準片による基準高さを得たならば、標準片をスリット4aから取り出した後、測定対象の板体Pをスリット4aに挿入し、その端面をスリット4aの当接面4bに当接させる(図5(a)参照)。次いで、標準片のときと同様に、エッジ高さ測定用変位センサー6の摺動部材61をその付勢力に抗して、その下面がベース4の上面に当接するまで押し下げると、接触子63が板体Pの端縁に接触する。そして、エッジ高さ測定用変位センサー6の接触子63が標準片の上面に接触したときの基準高さからの接触子63の摺動に伴う変位量が出力Δe3としてケーブル9を経て制御部3に入力される(図5(b)参照)。
【0041】
エッジ高さ測定用変位センサー6の接触子63の変位量である出力Δe3が制御部3に入力されると、制御部3において、基準高さについての出力Δeから接触子63の変位量についての出力Δe3を減算し、その差である(Δe−Δe3)に対応する数値、すなわち、板体Pのエッジ高さをその表示部32に表示する。
【0042】
この際、測定対象の板体Pの先端部が、先方に向けて突出するような形状に形成されている場合であっても、板体Pの先端部を当接面4bの切欠凹部4xに収容することができる。このため、測定対象の板体Pの端縁を接触子63の直下に導くことができ、板体Pの端縁の高さ、すなわちエッジ高さを正確に測定することができる。
【0043】
したがって、板体Pのエッジ高さ測定は、作業者が板体Pを装置本体部2のスリット4aに挿入してその端面を当接面4bに当接させ、エッジ高さ測定用変位センサー6の摺動部材61を押し下げるだけの簡単な作業によって行うことができ、測定に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、装置全体がコンパクトな大きさに形成されているため、現場に持ち込んで測定作業を行うことができる。
【0044】
なお、前述した実施形態においては、板厚測定用変位センサー5とともに、エッジ高さ測定用変位センサー6を設けて、板体Pの厚みとともにそのエッジ高さを測定できる厚み測定装置1を例示したが、板体Pのエッジ高さを必ずしも測定する必要がない場合には、エッジ高さ測定用変位センサー6を設ける必要はない。
【0045】
また、ベース4の水平方向にスリット4aを形成した場合を例示したが、垂直方向にスリットを形成してもよい。この場合は、一対の板厚測定用変位センサー5は、左右方向に対向して配設され、その接触子52は、左右方向に摺動するものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように本発明によれば、測定作業現場に容易に持ち運びできるとともに、簡単かつ正確に板体の厚みを測定することができることから、ノギスやマイクロメータに代えて用いることにより、測定作業効率を大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の厚み測定装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の厚み測定装置を構成する装置本体部を説明する縦断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】本発明の厚み測定装置による板体の厚みの測定要領を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の厚み測定装置による板体のエッジ高さの測定要領を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 厚み測定装置
2 装置本体部
3 制御部
4 ベース
4a スリット
4b 当接面
4x 切欠凹部
5 板厚測定用変位センサー
52 接触子
6 エッジ高さ測定用変位センサー
63 接触子
7 ボールプランジャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の板体を挿入可能なスリットが形成されたベースおよびベースに設けられた対向する一対の板厚測定用変位センサーからなる装置本体部と、各板厚測定用変位センサーの出力に基づいて演算し、演算結果を表示する制御部と、から構成され、前記各板厚測定用変位センサーは、ベースのスリットに挿入された板体の表裏面にそれぞれ直交する方向に摺動自在であるとともに、ベースのスリット内において互いに接触するように付勢された接触子を有してなり、スリットに板体が挿入された際、一対の板厚測定用変位センサーの接触子が互いに離れる方向に摺動した変位量の和を演算し、板体の板厚として表示することを特徴とする厚み測定装置。
【請求項2】
前記ベースに、スリットに挿入された板体の表裏面側一面を押圧付勢する複数個のボールがスリット内に突出して配設されていることを特徴とする請求項1記載の厚み測定装置。
【請求項3】
前記ベースにエッジ高さ測定用変位センサーが付設され、該エッジ高さ測定用変位センサーは、スリットに挿入された板体の表裏面に直交する方向に摺動自在な摺動部材に設けられる一方、スリットに挿入された板体の表裏面に直交する方向に摺動自在であるとともに、スリットに挿入された板体の表裏面側一面を押圧する方向に付勢された接触子をスリットの内奥部に形成された板体端面との当接面に対向して有し、また、エッジ高さ測定用変位センサーの出力が制御部に入力されてなり、スリットに板体が挿入され、その端面が当接面に当接された際、摺動部材を押動させてエッジ高さ測定用変位センサーの接触子を板体の端縁に接触させ、標準片の基準高さとエッジ高さ測定用変位センサーの変位量との差を演算し、板体のエッジ高さとして表示することを特徴とする請求項1または2記載の厚み測定装置。
【請求項4】
前記当接面に板体の端面側先端部が挿入可能な切欠凹部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の厚み測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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