説明

原稿読取り装置、原稿読取り装置の制御方法、プログラム

【課題】 最大原稿サイズよりも小さい原稿サイズの画像データを格納可能なメモリを用いて、最大原稿サイズまで両面画像を同時に読み取れる。
【解決手段】 原稿混載モードで原稿読取りを行う際に原稿搬送時に原稿サイズを確定できない場合、通知工程が前記制御装置に通知する原稿サイズに応じて前記制御装置から受け取る読み取り指示に従い、前記読取り手段が同時に読み取る表面の画像データと裏面の画像データとを第1の領域および第2の領域をそれぞれ用いて格納しながら、前記メモリに格納された表面の画像データと裏面の画像データとを読み出して前記制御装置に転送する第1の読み取り制御と、前記読取り手段が同時に読み取る表面の画像データと裏面の画像データとを前記第1の領域または第2の領域を用いて格納しながら、前記メモリに格納された表面の画像データと裏面の画像データとを読み出して前記制御装置に転送する第1の読み取り制御とを切り替える(S410〜S438)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される原稿の両面画像を読み取り可能な原稿読取り装置、原稿読取り装置の制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複写機においては、原稿読取り装置にCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが用いられている。CCDやCMOSなどを用いて画像データを読み取る読取り装置においては、読み取り画像の拡大・縮小を行う変倍機能を実現するために、以下の構成を備える。
具体的には、主走査方向についてはデジタル信号を演算処理することによって倍率を変える手法が、副走査方向については読み取り速度を変化させ、読み取るライン数を変化させることで倍率を変える手法が用いられている。
【0003】
また、読取り装置や本体の制御部において、画像データを演算処理(画像処理)することにより倍率を変える手法も用いられている。
また、デジタル複写機の読取り装置においては、原稿積載台におかれた原稿を1枚ずつ読み取るために読取り装置に対して自動で送り出す機構を持つ自動原稿送り装置(ADF)も広く用いられている。
自動原稿送り装置を利用して原稿を読み取る方法としては、コンタクトガラス上に原稿を送り、そこに載置された原稿画像をスキャナユニットの移動によって読み取る、原稿固定読み方式とそれ以外の方式がある。ここで、それ以外の方式とは自動原稿送り装置により原稿搬送中に原稿画像を読み取る、原稿流し読み方式がある。
原稿流し読み方式による原稿画像の読み取り方式は、原稿固定読み方式と比較して、原稿間のスキャナ移動時間がないため、原稿束全体の読み取り時間を短縮することが可能であり、かつ、自動原稿送り装置を小型化することも可能である。
【0004】
また、デジタル複写機の機能として、原稿サイズと出力用紙サイズに基づいて変倍率を計算して画像を形成する、自動変倍機能が存在する。この自動変倍機能は、リーダ装置の備える原稿サイズ検知機能により自動検出した原稿サイズと、使用者によって選択された出力用紙サイズとから読取画像に対する最適な変倍率を計算し、その変倍率で画像形成処理を行うことで実現される。
この自動変倍機能を実現するためには、原稿読取開始前に原稿サイズを検知して変倍率を確定する必要がある。原稿サイズ検知方法としては、原稿積載台上に設けられたセンサで原稿サイズを決定する方法がある。原稿搬送方向と直行する方向のサイズ検知については、原稿積載台上で原稿の上下方向の幅を規制するガイド部材の幅をセンサで読み取る方式、あるいは、原稿搬送方向に複数並べられたセンサにより検知する方式がある。また、搬送方向の長さの検知に関しては、原稿積載台上に配置されたセンサを原稿が遮る組み合わせにより検知する方法、原稿搬送パスに設けられた検知センサで原稿の位置や、原稿先端から原稿後端までが通過するまでの通過時間により検知する方法等がある。
【0005】
前者の方式の課題として、サイズの異なる原稿を一度にセットして画像読み取りを行う原稿サイズ混載モードにおいては、搬送方向のサイズ検知は、セットされた原稿のうち最大長の原稿より短い長さの原稿サイズが原稿台上では検知できない、という問題がある。そのため、原稿サイズ混載モードに対応したデジタル複写機においては、後者の方式と組み合わせて原稿サイズ検知を実施している。
【0006】
しかし、後者の方式で原稿サイズ混載モード時に原稿サイズを検知するためには、原稿積載台上の原稿が搬送され、1枚の原稿が原稿積載台上の原稿束から離れ、原稿自体が独立した状態になった時点で初めて原稿サイズが確定される。
従って、それが可能となるような原稿の搬送路(パス)の確保が必要となり、コンタクトガラス上に原稿を送り、そこに載置された原稿の画像をスキャナの移動によって読み取る原稿固定読み方式の場合では実現可能である。しかし、原稿流し読み方式の場合において同様のことを実現しようとすると、原稿搬送パスを確保のために自動原稿送り装置(ADF)のサイズが大きくなるという問題がある。
【0007】
そこで、両面原稿を読み取る場合の原稿反転機構を利用して、原稿読取を実施しないで原稿サイズ検知を行う工程を設け、原稿搬送パス長を確保し、この工程による原稿サイズの確定後、再度原稿読取位置に原稿を搬送して原稿読取を実行する方法がある。
しかし、この方法では、両面原稿搬送パスで原稿を複数回搬送させる必要が有り、複写処理における生産性が極端に落ちてしまう。また、両面原稿を1回の原稿搬送で表面・裏面とも読み取り可能な、両面同時読み取り機構をもつ読取り装置では、この方法は採用できない。
【0008】
このため、従来技術として、画像読み取り前に原稿サイズが確定しない場合は、読み取り画像データをメモリに格納し、原稿サイズ検知により原稿サイズが確定したのちに、画像処理(演算処理)により変倍を実行する方法がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−104187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の技術では、原稿サイズが確定するまで読み取った画像データをメモリに格納する必要があるため、読取り装置に多くのメモリを搭載する必要がある。特に、両面同時読み取り機構を持つ読取り装置では、表面の変倍処理終了後に裏面の変倍処理を行うため、表面と裏面の両面を格納可能なメモリが必要となる。このため、読取り装置が読み取りに対応する最大の原稿サイズ2面分のメモリ容量が必要となり、メモリコストが高くなるという問題がある。
【0011】
また、デジタル複写機においては、読取り装置で読み取った画像データを本体の制御装置に転送し、画像処理を行った上でプリンタ装置に転送し、その画像データをプリンタ装置で印刷することにより原稿の複写を行う。
このとき、読取り装置から制御装置に転送された画像データは、制御装置で画像処理を行った上で、制御装置のメモリに格納される。
【0012】
特に、制御装置での画像処理においても変倍処理が可能なデジタル複写機において、所望の変倍処理を実現するために、リーダ部と制御装置で変倍処理を分担して行う複写機が存在する。
これらのデジタル複写機において、変倍処理やその他の画像処理を行うためには、読み取り画像の画像サイズや、その画像サイズに応じて決定される出力画像の画像サイズを求め、それらの値を使用した画像処理設定を事前に行うことが必要である。
【0013】
しかし、これらの画像サイズの値は、原稿サイズが確定しないと求めることができず、原稿サイズ混載モードでは原稿読み取り開始前に画像処理設定を行うことができない。
また、制御装置での画像処理設定の実行には、ある程度の時間が必要である。このため、原稿サイズが確定するまで読み取り画像データを読取り装置のメモリに格納する場合、原稿サイズが確定してから制御装置が画像データの処理を開始可能な状態になるまでの間、読み取られる画像データをリーダ装置のメモリに格納する必要である。
【0014】
特に、制御装置で画像処理設定を行う時間が一定でない場合、ワーストケースを想定し、原稿画像全体を格納可能なメモリ容量を読取り装置のメモリに用意する必要があり、この点でもメモリコストが高くなるという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、最大原稿サイズよりも小さい原稿サイズの画像データを格納可能なメモリを用いて、最大原稿サイズまで両面画像を同時に読み取れる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成する本発明の読取り制御装置は以下に示す構成を備える。
原稿サイズが異なる原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の片面または/および両面の画像を同時に読み取り可能な読み取り手段と、前記読取り手段が読み取る表面の画像データおよび裏面の画像データを格納可能な第1の領域と第2の領域とを確保可能なメモリと、搬送路上を搬送される前記原稿の通過状態を検知する検知手段と、前記読み取り手段による原稿読み取り中に、前記検知手段が検知する原稿の通過状態に応じて搬送されている原稿サイズを確定する確定手段と、前記読取り手段による原稿の読み取り開始前は読取り可能な最大原稿サイズを、原稿搬送中は前記確定手段が確定した原稿サイズを前記制御装置に通知する通知手段と、前記通知手段が前記制御装置に通知する原稿サイズに応じて前記制御装置から受け取る読み取り指示に従い、前記読取り手段が同時に読み取る表面の画像データと裏面の画像データとを第1の領域および第2の領域をそれぞれ用いて格納しながら、前記メモリに格納された表面の画像データと裏面の画像データとを読み出して前記制御装置に転送する第1の読み取り制御と、前記読取り手段が同時に読み取る表面の画像データと裏面の画像データとを前記第1の領域または第2の領域を用いて格納しながら、前記メモリに格納された表面の画像データと裏面の画像データとを読み出して前記制御装置に転送する第2の読み取り制御とを切り替える制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、最大原稿サイズよりも小さい原稿サイズの画像データを格納可能なメモリを用いて、最大原稿サイズまで両面画像を同時に読み取れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】読取り制御装置を含む複写装置の構成を示すブロック図である。
【図2】コントローラ制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図3】自動原稿送り装置の構成を説明する断面図である。
【図4】自動原稿送り装置の原稿搬送パスを説明する図である。
【図5】自動原稿送り装置から搬送する原稿サイズを説明する図である。
【図6】読取り装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】読取り装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図8】リーダ装置の原稿搬送状態とメモリの領域使用状態を示す図である。
【図9】リーダ装置の原稿搬送状態とメモリの領域使用状態を示す図である。
【図10】複写装置の制御装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図11】複写装置の制御装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図12】複写装置の原稿混載モード時の読取りシーケンスを示す図である。
【図13】複写装置の原稿混載モード時の読取りシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
初めに、本発明の実施形態の対象である、複写装置(デジタル複写機)の構成について説明する。なお、本実施形態では、図4に示すように、リーダ制御装置は、搬送路を搬送される原稿の表面の画像を読み取るための第1の読取り部としてイメージセンサIS1を備える。さらに、搬送される原稿の裏面の画像を前記イメージセンサIS1よりも下流側で読み取る第2の読取り部としてのイメージセンサIS2を備える。
さらに、搬送路上を搬送される原稿の先端または後端を検知する第1の検知部として原稿検知センサS1を備える。さらに、原稿検知センサS1よりも上流側であって、搬送される原稿の先端または後端を検知する第2の検知部としての原稿検知センサS2を備える。さらに、第1の読取り部と第2の読取り部が読み取る画像データを搬送可能な最大原稿サイズで1頁分格納可能なメモリ114とを備える。ここで、原稿検知センサS1、S2は、搬送路上を搬送される原稿の通過状態を検知して、後述するリーダ制御装置111に原稿の先端または後端の通過状態を通知する。
【0019】
図1は、本実施形態の読取り装置を適用可能な複写装置(デジタル複写機)の全体構成を示すブロック図である。
図1において、複写装置は、複写装置全体を制御する制御装置101、原稿を読み取り画像データを作成するリーダ装置102、画像データを印刷用紙に印字するプリンタ装置103から構成される。制御装置101とリーダ装置102はリーダI/F108、115により接続され、原稿読み取りに関するコマンドやリーダ装置102が読み取った画像データの転送が行われている。
【0020】
同様に、制御装置101とプリンタ装置103もプリンタI/F109、120により接続されている。
リーダ装置102は、リーダ制御装置111、自動原稿送り装置112、読取り装置113、メモリ(DRAM)114、リーダI/F115から構成される。読取り装置113は、原稿台に置かれた原稿を読み取る画像読み取り手段であり、露光ランプ、ミラー、レンズなどで構成された光学走査系、原稿画像を読み取り電気信号に変換するCCDやCMOSなどのイメージセンサなどから構成される。
【0021】
自動原稿送り装置(DFユニット)112は、原稿積載台に設置された原稿束から原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段であり、給紙ローラや排紙ローラ、原稿検知センサなどから構成される。また、原稿の両面同時読み取り機能に対応したリーダ装置102においては、自動原稿送り装置112の原稿搬送経路上に原稿表面と原稿裏面の各画像を読み取りためのイメージセンサが設置されている。
リーダ制御装置111は、リーダ装置102を制御する制御手段であり、自動原稿送り装置112、読取り装置113、メモリ114、リーダI/F115と接続されている。
リーダ制御装置111は、制御装置101からの要求を受けて自動原稿送り装置112や読取り装置113を制御する。その際、リーダ制御装置111は、それらが読み取った画像データに対し、色ずれ補正や輝度補正などの画像処理を行った後、リーダI/F115を通して制御装置101に画像データを転送する。なお、リーダ制御装置111は、メモリ114に格納された画像データに対して画像処理、例えば画像変倍処理を行うことが可能に構成されている。
【0022】
また、リーダ制御装置111は、必要に応じて読取り装置113や自動原稿送り装置112が読み取った画像データをメモリ114に格納し、制御装置101から要求があった後にメモリ114から画像データを読み出し、画像データを制御装置101に転送する。また、リーダ制御装置111は、メモリ114から画像データを読み出した後の画像処理として、変倍処理を行うことも可能である。
【0023】
プリンタ装置103は、プリンタ制御装置116、給紙装置117、印字装置118、排紙装置119、プリンタI/F120から構成される。
給紙装置117は、印刷用紙を積載する給紙カセットや紙を給紙カセットから印字装置118まで搬送する。印字装置118は、潜像が形成される感光体、感光体上に潜像を形成するレーザ装置、レンズ、ミラーなどの光学系、感光体上にトナー画像を形成する現像装置、感光体のトナー画像を印刷用紙に転写し、定着させる定着装置などから構成される。
排紙装置119は、印字された用紙を積載する排紙トレイや印字装置118で印字された用紙を排紙トレイに搬送する排紙ローラ、印字された用紙にステープルやパンチなどのフィニッシング処理を行う後処理装置から構成される。
【0024】
プリンタ制御装置116は、給紙装置117、印字装置118、排紙装置119、プリンタI/F120と接続されている。プリンタ制御装置116は、制御装置101からの要求を受けて、プリンタI/F120を通して制御装置101から転送された画像データを印字装置118に送り、印刷用紙上に画像形成を行う。
制御装置101は、コントローラ制御装置104、操作部105、メモリ(DRAM)107、HDD106、リーダI/F108、プリンタI/F109、ネットワークI/F110から構成される。
【0025】
操作部0105は、液晶タッチパネルディスプレイやテンキ―、スタートキー、ストップキー、クリアキーなどの各種キーから構成され、使用者の操作に応じて、制御装置101に複写の実行などの処理を要求する。
リーダI/F108は、リーダ装置102のリーダI/F115と接続され、リーダ装置102に対する原稿読み取り要求などのコマンド送受信やリーダ装置102から画像データの転送に使用される。
【0026】
プリンタI/F109は、プリンタ装置103のプリンタI/F120と接続され、プリンタ装置103に対する印刷要求などのコマンド送受信やプリンタ装置103に対する印刷画像の転送に使用される。
コントローラ制御装置104は、操作部105、メモリ107、HDD106、ネットワークI/F110、リーダI/F108、プリンタI/F109と接続されている。
そして、使用者による操作部105からの複写ジョブ投入により、リーダ装置102に原稿読み取り要求を行い、リーダ装置102から転送された読み取り画像を受信し、受信した画像データに画像処理を行う。そして、コントローラ制御装置104は、プリンタ装置103に印刷要求を行い、画像処理を行った画像データを転送することにより、原稿複写処理を実行する。
本実施形態では、原稿サイズが異なる原稿を搬送する搬送手段として自動原稿送り装置112を備える。また、読取り装置113は、自動原稿送り装置112により搬送される原稿の片面または/および両面の画像を同時に読み取り可能なイメージセンサIS1、IS2を備える。ここで、イメージセンサIS1は搬送される原稿の表面画像を読み取り、イメージセンサIS2は搬送される原稿の裏面画像を読み取る。そして、メモリ114は、後述する図8、図9に示すようにイメージセンサIS1、IS2が読み取る表面の画像データおよび裏面の画像データを格納可能な第1の領域と第2の領域とを確保可能に構成されている。なお、メモリ114は、最大原稿サイズよりも小さい原稿サイズでカラー画像データを2ページ分格納可能に構成されている。
【0027】
図2は、図1に示したコントローラ制御装置104の構成を説明するブロック図である。
図2において、コントローラ制御装置104は、スキャン画像処理部202、プリント画像処理部203、画像圧縮処理部204、画像伸長処理部205、画像変換処理部206、メモリコントローラ207とデータバス208を介して接続される。メモリコントローラ207は、外部のメモリ(DRAM)107と接続され、コントローラ制御装置104の各画像処理部は、メモリコントローラ207を介してメモリ107にアクセスすることができる。また、スキャン画像処理部202はリーダI/F108、プリント画像処理部203はプリンタI/F109とそれぞれ接続されている。
【0028】
スキャン画像処理部202は、リーダI/F108より転送されるリーダ装置102で処理された画像データを受信し、画像データに対し画像処理を行った後、メモリ107に画像データを格納する。
スキャン画像処理部202で行われる画像処理は、イメージセンサ間の色ずれ補正、フィルタ処理、画像の拡大・縮小の変倍処理、ガンマ補正処理、自動カラーモノクロ判別処理などである。
【0029】
プリント画像処理部203は、メモリ107に格納されている画像データを読み込み、読み込んだ画像データに画像処理を行った後、プリンタI/F109よりプリンタ装置103に画像データを転送する。プリント画像処理部203で行われる画像処理は、濃度変換処理、枠消し処理、画像合成処理、細線補正処理などである。
画像圧縮処理部204は、メモリ107に格納されているRaw画像データを読み込み、JPEG、JBIGなどの画像形式による画像圧縮処理を行い、圧縮された画像データをメモリ107に格納する。
画像伸長処理部205は、メモリ107に格納されているJPEG、JBIG形式の画像データを読み込み、Raw画像データに伸長する画像伸長処理を行い、Raw画像データをメモリ107に格納する。
画像変換処理部206は、メモリ107に格納されている画像データを読み込み、画像変換処理を行い、再びメモリ107に画像データを格納する。画像変換処理部206で行われる画像処理は、色変換処理、下地除去処理、濃度補正処理、フィルタ処理などである。
【0030】
図3は、図1に示した自動原稿送り装置112の構成を説明する断面図である。
図3において、本実施形態で使用する自動原稿送り装置112は、一度の原稿搬送で原稿の表面と裏面の両方の画像を読み取り可能な、両面同時読み取りに対応した自動原稿送り装置である。
【0031】
図4は、図3に示した自動原稿送り装置112の原稿搬送パスを説明する図である。本例は、特に、本実施形態に示す読取り装置に関わる部分を概略的に示した例である。なお、図中における矢印は、原稿搬送方向を示す。
図4において、901は原稿表面の画像を読み取るイメージセンサIS1の位置を表す。同様に902は、原稿裏面の画像を読み取るイメージセンサIS2の位置を表す。903、904は、原稿搬送経路における原稿の通過を検出する原稿検知センサS1、S2の位置を表す。905は、自動原稿送り装置112において原稿が給紙か排紙までに原稿搬送経路(原稿搬送パス)を表す。
次に、自動原稿送り装置112における、原稿サイズ混載モードでの原稿サイズ検知について説明する。
複写装置の原稿読み取り処理においては、自動原稿送り装置112に異なる大きさの原稿を重ねて積載し、原稿読み取り時に自動的に原稿サイズを検出し、画像読み取り処理を行う原稿サイズ混載モードが存在する。
【0032】
このような原稿サイズ混載モードには、主走査方向(原稿搬送方向と垂直な方向)の原稿幅が同じである同幅原稿サイズ混載と主走査方向の原稿幅が異なる異幅原稿サイズ混載の2つのモードがある。
原稿サイズ混載時の原稿サイズは、原稿給紙が開始された際に検出される主走査方向の原稿幅と、原稿の読み取り搬送時に図4に示す搬送パス上の原稿検知センサS1、S2を原稿が通過する時間により検出される。
ここで、原稿サイズが異なるSTMT、LTR−R、LGL(図5)による原稿サイズ混載時を考える。
【0033】
図5は、図3に示した自動原稿送り装置112から搬送する原稿サイズを説明する図である。
図5に示すように、各STMT、LTR−R、LGLは主走査方向の原稿幅が同じであり、同幅原稿サイズ混載となる例である。
また、本実施形態の自動原稿送り装置112における、原稿搬送パス上の原稿検知センサS1、S2の最大間隔MAXLは、図5に示すように、原稿サイズがSTMTの副走査方向の原稿長より長く、原稿サイズがLTR−Rの原稿長より短くなっている。ここで、最大間隔MAXLとは、図4に示した位置903と位置904間の長さである。
【0034】
このため、STMT、LTR−R、LGLの同幅原稿サイズ混載時に、原稿の先端を原稿検知センサS1の位置(図9の904)まで搬送した時点においても、給紙した原稿がSTMTであるか否かはリーダ制御装置111が判別可能である。
しかしながら、給紙された原稿がLTR−RとLGLのどちらの原稿サイズであるかについては、リーダ制御装置111は判別することができない。
例えば、本実施形態の自動原稿送り装置112において、原稿搬送パス上の原稿検知センサS1、S2の最大間隔MAXLが230mm(<279.4mm)であると仮定する。この場合、原稿の先端が原稿検知センサS1の位置(図4の位置904)まで搬送された状態では、230mm以上の原稿長をもつ原稿であることは判別可能である。しかしながら、LTR−RとLGLのどちらの原稿サイズであるかは判断できず、これを判別するためには、さらに50mm原稿を搬送することが必要となる。
【0035】
しかし、本実施形態の自動原稿送り装置112では、原稿搬送パス上の搬送パス始点から280mm以内の位置(図4の位置901)に原稿表面の画像を読み取るイメージセンサIS1が存在する。
このため、LTR−RとLGLの原稿サイズを判別可能な位置まで原稿を搬送した時点では、既に原稿表面の画像読み取りがイメージセンサIS1により開始されている。従って、LTR−RとLGLの原稿サイズ混載では、いずれの原稿も画像読み取り開始前に原稿サイズを確定することができない状態となっている。
【0036】
次に、自動原稿送り装置112の原稿両面同時読み取り機能と、リーダ装置102に搭載されているメモリ114の容量の関係について説明する。
本実施形態の自動原稿送り装置112は、原稿の両面同時読み取り機能に対応している。
両面同時読み取り機能は、自動原稿送り装置112の原稿搬送パス上で原稿表面の画像読み取るイメージセンサIS1よりも下流側に原稿裏面の画像読み取るイメージセンサIS2を配置することで実現される。
このため、イメージセンサIS2による原稿裏面画像の読み取り開始は、原稿表面画像の読み取り開始のタイミングから一定時間遅れて開始される。
一方、リーダ制御装置111から読み取られた画像データの制御装置101への転送は、1ページ毎に行われ、制御装置101からリーダ制御装置111に対する原稿読み取り要求も1ページごとに別々に行われる。
【0037】
つまり、制御装置101から原稿読み取り要求がリーダ制御装置111に対して行われると、自動原稿送り装置112は原稿の搬送を開始し、はじめにイメージセンサIS1を用いて原稿表面の画像読み取りを開始する。続いて、イメージセンサIS2を用いて原稿裏面の画像読み取りを開始し、表面と裏面の画像読み取りを同時並列的に進められる。
【0038】
しかし、リーダ制御装置111から読み取られた画像データの制御装置101への転送は、原稿表面の画像データのみ転送を行い、イメージセンサIS2により読み取られた原稿裏面の画像データはリーダ装置102のメモリ114に一時格納する。
そして、リーダ制御装置111が読み取られた原稿表面の画像データの転送が終了すると、制御装置101は原稿裏面の画像読み取り要求をリーダ制御装置111に行う。これに対し、リーダ装置102は、既に読み取ってメモリ114に格納した裏面の画像データを読み出し、制御装置101に転送することで、原稿裏面画像の読み取りが終了する。
以上のことから、リーダ装置102に搭載されるメモリ114の容量は、最低でも画像読み取りに対応する最大の原稿サイズ1ページ分の画像データを格納可能な容量であることが必要である。
【0039】
本実施形態のリーダ装置102では、256MBのメモリ114を搭載する。これは、1画素24bitのカラー画像データについては、原稿サイズがA3やLGLの画像データについては1ページ分、A4やLTRの画像データについては2ページ分格納可能なメモリ容量である。また、1画素8bitのグレースケールの画像データの場合は、A3やLGLの原稿についても2ページ分の画像データを格納可能である。
次に、リーダ装置102での原稿サイズ検知と制御装置101での画像処理の関係について説明する。
【0040】
本実施形態の複写装置では、原稿画像読み取り時において、リーダ装置102から制御装置101に読み取られた画像データが転送される前に、読み取る画像データの原稿サイズが確定していることが必要となっている。
これは、コントローラ制御装置104での画像処理において、画像処理を実行する際に処理対象画像の画像サイズを設定する必要のある処理が存在するためである。
このため、原稿サイズ自動検出や原稿サイズ混載モードなどの設定で原稿読み取り処理が行われた場合、以下のことが必要となっている。つまり、読み取られた画像データがリーダ装置102から転送される前に原稿サイズが確定し、その原稿サイズに関わる情報がリーダ装置102から制御装置101に通知されることが必要となっている。
また、本実施形態の複写装置では、読み取られた画像データに対して拡大・縮小の変倍処理をリーダ装置102と制御装置101の両方で行うことが可能となっている。
このため、制御装置101での画像処理による変倍処理は、リーダ装置102側でも変倍処理が行われることが前提の仕様となっている。このように、リーダ装置102で変倍処理が可能な分、制御装置101側で対応可能な変倍率の範囲を狭めることにより、変倍処理で必要となるメモリ(SRAM)の容量を削減し、コストダウンを図っている。
【0041】
このことから、リーダ装置102から制御装置101に読み取られた画像データが転送される前に、変倍処理の処理内容(リーダ装置102、制御装置101それぞれの変倍率)が決定され、リーダ装置102側での変倍処理が行われている必要がある。
特に、原稿サイズと出力用紙サイズから読み取られた画像データの変倍率を自動的に決定する、自動変倍機能においては、読み取られた画像データの原稿サイズが確定していないと、処理する変倍率を決定することができない。
このため、変倍処理を実行する観点からも、リーダ装置102から制御装置101に読み取られた画像データが転送される前に、原稿サイズが確定している必要がある。
【0042】
次に、本発明が解決する課題を解決する構成について、本実施形態を例に説明する。
本実施形態の自動原稿送り装置112では、同幅原稿サイズ混載モードで動作する際、前述したように画像読み取りが開始される間に、原稿LTR−Rと原稿LGLの原稿サイズを判別することができない。
また、原稿両面同時読み取りモードで、かつ、カラーモードで画像読み込みを行う場合、原稿LTR−Rの画像データはリーダ装置102のメモリ114に表面と裏面の2ページ分の画像データを格納することが可能である。しかしながら、原稿LGLについては1ページ分の画像しか格納することができない。
【0043】
また、原稿に対する表面の画像読み取りが開始された後、原稿LTR−Rと原稿LGLのいずれであるかが確定するタイミングと、裏面の原稿読み取りが開始されるタイミングの間は、間隔が空いている。
このため、原稿表面の画像読み取り開始時には、読み取る画像データをリーダ装置102のメモリ114に格納しておき、原稿サイズ確定後から裏面の画像読み取りが開始されるまでの間に、原稿サイズを制御装置101に通知する。そして、制御装置101において画像処理設定などの必要な処理が終了した後、リーダ装置102のメモリ114に格納されている表面の画像データは制御装置101に転送される。また、原稿裏面の画像データはリーダ装置102のメモリ114に格納される、という処理による対応も考えることができる。
【0044】
しかし、リーダ装置102から制御装置101に読み取る画像の原稿サイズが通知されてから、画像処理の設定処理などを行うために必要な時間が、原稿サイズ確定から裏面画像読み取り開始までの時間より、常に短くなることを保証することは困難である。このため、上記のような処理による解決は難しいと考えられる。
また、別の解決方法として、同幅原稿混載モードで原稿LTR−Rと原稿LGLを判別できない場合は、原稿サイズをよりサイズの大きい原稿LGLであるとみなして画像読み取り処理と制御装置101への画像データの転送を行う。
そして、制御装置101のメモリ107に読み取った画像データを格納した後、原稿サイズ確定後に、リーダ装置102から実際の原稿サイズが通知されるのを待つ。そして、リーダ装置102から通知される実際の原稿サイズに従って、制御装置101側でメモリ107に格納された画像データから原稿サイズに応じた画像データを作成する、という処理が考えられる。
【0045】
しかし、本実施形態では、図2に示すコントローラ制御装置104のスキャン画像処理部202で画像データの変倍処理が行われる一方、図2に示すように、リーダ装置102から転送される画像データは、スキャン画像処理部202で画像処理される。その後、画像処理された画像データがメモリ107に格納される。
このため、原稿サイズが未確定の状態では、自動変倍機能などで必要なスキャン画像処理部202での変倍処理が行えない。また、コントローラ制御装置104のメモリ107に画像データが格納された後では、スキャン画像処理部202に存在する画像処理機能を使用することはできない。
【0046】
このため、自動変倍機能などの実現に必要な画像処理が行えなくなってしまうため、上記処理による解決は行えない。
また、もう一つの解決方法として、リーダ装置102に搭載されるメモリ114の容量を、原稿サイズがLGLの画像データについても、24bitカラー画像を2ページ分格納可能な容量とする。これにより、原稿の表面と裏面から読み取る画像データとも一旦メモリ114に格納し、原稿サイズが確定した後に、メモリ114から画像データを読み出し、制御装置101に転送する、という方法が考えられる。
しかし、この方法では、単純計算で2倍の容量のメモリ114をリーダ装置102に搭載する必要があり、リーダ装置102のコストに大きな影響を与えてしまうため、この方法を採用することもコスト的に難しい。
上記で説明した課題について、本発明により解決する方法の詳細について、本実施形態を例に説明する。
【0047】
図6、図7は、本実施形態を示す読取り装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、リーダ装置102の読取り制御に対応する。なお、各ステップは、リーダ制御装置111がROM等から制御プログラムをRAM上にロードして実行することで実現される。
【0048】
図8、図9は、本実施形態を示すリーダ装置の原稿搬送状態とメモリ使用量との関係を説明する図である。本例は、原稿読み取り処理における、自動原稿送り装置での原稿搬送状態と、その時のリーダ装置102のメモリ114、制御装置101のメモリ107の状態を示す例である。
これらの図8、図9において、原稿搬送状態は、図4に示した構造の自動原稿送り装置112に、搬送されている原稿の位置1007、1107を識別するため、図中では、原稿搬送パス上に、太い実線で原稿の搬送状態を示す。
【0049】
また、図8、図9に示すように、リーダ装置102のメモリ114の格納状態1008、1009、1108、1109は、説明のために表面画像の格納領域1008、1108と裏面画像の格納領域1009、1109の2つに分けて図示する。しかしながら、実際にはメモリ114は連続したメモリ領域である。
また、メモリ領域はそれぞれ原稿サイズが原稿LTR、LTR−Rの画像データを格納可能な容量の領域であるとする。制御装置101のメモリ107のメモリ状態1010、1110は、制御装置101に搭載されているメモリ107のうち、読み取り画像格納用の領域として用意されている部分を示している。
また、その容量は、原稿サイズが原稿LGLの読み取り画像1ページ分を格納するのに十分な容量が用意されている。
【0050】
図10、図11は、本実施形態を示す複写装置の制御装置の制御手順を示すフローチャートである。本例は、制御装置101によるリーダ装置102から受信する画像データに対する読取り制御に対応する。なお、各ステップは、制御装置101のコントローラ制御装置104がROM等から制御プログラムをRAM上にロードして実行することで実現される。
原稿画像の読み取り処理は、制御装置101の操作部105よりジョブの投入が行われることで開始される。
ジョブが投入されると、コントローラ制御装置104でジョブの設定に応じて画像形成処理が開始され、原稿画像の読み取り処理が開始される。
原稿画像の読み取り処理では、まず、コントローラ制御装置104よりリーダ制御装置111に対し、原稿の給紙要求が行われる(S601、S701)。原稿給紙要求では、カラーとグレースケールのどちらのモードで画像読み取りを行うか、原稿の片面のみの読み取りであるか、両面の読み取りか、原稿サイズ混載モードであるか、などの読み取りモードを示すパラメータがリーダ制御装置111に引き渡される。
【0051】
リーダ装置102では、原稿給紙要求をコントローラ制御装置104より受け取ると(S401)、リーダ制御装置111は、どのような画像読み取りモードが指定されているかを判断する。ここでは、カラーモードで原稿両面の画像読み取りで、かつ、原稿サイズ混載モードであるかどうかを判断する(S402)。ここで、リーダ制御装置111がカラーモードで原稿両面の画像読み取りで、かつ、原稿サイズ混載モードであると判断した場合、S403へ進む。S403移行の処理は、課題として前述した問題を解決する、本発明特有の読み取り処理に移る。
【0052】
一方、S402で、カラーモードで原稿両面の画像読み取りで、かつ、原稿サイズ混載モードでないとリーダ制御装置111が判断した場合は、図7に示すS501以降の通常の読み取り処理に移る。
以下では、カラー読み取り、原稿両面読み取り、原稿サイズ混載モードが指定されたとして、本発明で課題を解決するために実現する処理について説明する。
また、このとき、原稿サイズがSTMT、LTR−R、LGLの原稿による同幅原稿サイズ混載モードであるとする。
【0053】
カラー読み取り、原稿両面読み取り、原稿サイズ混載モードでの画像読み取り要求が行われると、リーダ制御装置111は、まず自動原稿送り装置112に積載された原稿を1枚給紙する処理を開始する(S403)。給紙された原稿は、自動原稿送り装置112の原稿搬送パス905上を移動し、その際に原稿搬送パス上に設置された原稿検知センサS2、S1の出力から原稿サイズが判別される。原稿の先端が原稿搬送パス上、最も表面画像を読み取るイメージセンサIS1に近い原稿検知センサS1に到達するまでの間に、リーダ制御装置111は給紙した原稿の原稿サイズ仮判定を開始する(S404)。次に、S405で、リーダ制御装置111は、給紙した原稿がSTMT、LTR−R、LGLのうち、STMTであるか判別を行う(この段階では、LTR−RとLGLの判別は行えない)。ここで、給紙した原稿がSTMTであるとリーダ制御装置111が判断した場合は、S439へ進み、給紙した原稿がSTMTでないとリーダ制御装置111が判断した場合は、S406へ進む。
【0054】
〔原稿サイズがSTMTと判定される場合の処理〕
まず、上記原稿サイズ仮判定で、原稿サイズがSTMTと判定された場合の処理について説明する。
この場合、リーダ制御装置111は、原稿画像の読み取り開始前に原稿サイズが確定しているため、通常の原稿読み取り処理を実行する。
すなわち、リーダ制御装置111は、原稿の給紙を開始したこと、及びその原稿サイズがSTMTであることをコントローラ制御装置104に通知する(S439)。
これに対して、コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111からの原稿給紙開始通知を受信し(S602)、スキャン画像処理の設定を行う(S603)。コントローラ制御装置104は、スキャン画像処理の設定が終了すると、原稿の読み込み実行要求を読み取る原稿画像サイズ(STMT)とともにリーダ制御装置111に通知する(S604)。
リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104からの読み取り実行要求を受けて(S440)、原稿の搬送を進め、原稿の先端が表面画像を読み取るイメージセンサIS1に達すると、原稿の表面画像の読み取りを開始する(S441)。
リーダ制御装置111は、読み取った原稿表面の画像データに必要な画像処理を行い、リーダ装置102のメモリ114に読み取った画像データを格納することなく、コントローラ制御装置104に読み取った画像データを転送する(S442)。この際、コントローラ制御装置104は、S605でリーダ制御装置111から転送される表面の画像データの受信を開始する(S605)。
そして、原稿の搬送がさらに進み、原稿の先端が原稿裏面を読み取るイメージセンサIS2に達すると、リーダ制御装置111は、原稿の裏面画像の読み取りを開始する(S443)。
そして、リーダ制御装置111は、読み取る原稿裏面の画像データについては、必要な画像処理を行った後、リーダ装置102のメモリ114に画像データを格納する。
そして、リーダ装置102において原稿の搬送、読み取り処理がさらに進むと、リーダ制御装置111による原稿表面の読み取りが終了する(S444)。続いて、リーダ制御装置111から読み取られた原稿表面の画像データのコントローラ制御装置104への転送が終了する(S445)。そして、リーダ制御装置111は、原稿表面の画像データのコントローラ制御装置104への転送が終了した時点で、原稿読み取り終了通知をコントローラ制御装置104に行う(S446)。
【0055】
次に、リーダ制御装置111は、原稿裏面の読み取りと、読み取った裏面の画像データのメモリ114への格納が終了する(S447)。
次に、コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111から原稿表面の画像データの受信が終了し(S606)、原稿読み取り終了通知をリーダ装置102から受信する(S607)。そして、原稿裏面を読み取るため、リーダ制御装置111に対し、原稿裏面の読み取りに対する原稿給紙要求を行う(S608)。
リーダ制御装置111は、原稿裏面画の読み取りに対する原稿給紙要求を受信すると(S448)、リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104に対し、原稿給紙開始通知を行い、原稿サイズを通知する(S449)。
ここで、実際の原稿の給紙と画像読み取り処理は終了しているため、原稿裏面画像に対する原稿給紙開始通知とは、リーダ制御装置111とコントローラ制御装置104間のシーケンス上のやり取りに過ぎず、この時、実際に原稿の給紙が行われるわけではない。
S609で、リーダ制御装置111から原稿給紙開始通知を受信したコントローラ制御装置104は、表面画像の読み取り時と同様に、スキャン画像処理の設定を行う(S610)。その後、コントローラ制御装置104は、裏面画像の原稿読み取り実行要求をリーダ制御装置111に通知する(S611)。
リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104から裏面画像の読み取り実行要求を受けて(S450)、メモリ114に格納した原稿裏面の画像データを読み出し、コントローラ制御装置104に対し画像データの転送を行う(S451)。この際、コントローラ制御装置104は、S612でリーダ制御装置111から転送される裏面の画像データの受信を開始する。
【0056】
そして、リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104への画像データの転送を終了する(S452)。この際、コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111から原稿裏面の画像データの受信を終了する(S613)。そして、リーダ制御装置111は、原稿裏面の画像データの原稿読み取り終了通知をコントローラ制御装置104に行い(S453)、原稿1枚に対する画像読み取り処理が終了となる。この際、コントローラ制御装置104は、S614で、リーダ制御装置111から原稿裏面の画像データの原稿読み取り終了通知を受信して、図10に示す処理を終了する。
【0057】
以上が、原稿画像読み取り開始前に原稿サイズが確定する、通常の画像読み取り処理における処理の流れである。
〔原稿サイズがSTMT以外と判定される場合の処理1〕
一方、同幅原稿混載モードにおいて、原稿サイズがLTR−R、LGLの場合には、画像読み取り開始前に原稿サイズが確定しない。この場合の処理について、以下に説明する。本処理は、図6に示したS405でYESと判定される場合の処理である。
まず、原稿サイズが原稿LTR−RとLGLの原稿混載モードで画像読み取り処理を行う場合、コントローラ制御装置104から原稿給紙要求が通知される(S701)。ここで、リーダ制御装置111は、画像読み取り開始前には、原稿が原稿LTR−RとLGLのいずれの原稿を給紙しているのか、判別することができない。
このため、リーダ制御装置111は、給紙可能な最大原稿サイズとなる原稿LGLを給紙していると仮定し、コントローラ制御装置104に対し原稿給紙開始の通知を行う(S406)。
コントローラ制御装置104は、原稿LGLの原稿給紙開始通知をリーダ制御装置111から受信すると(S702)、S703へ進む。
そして、コントローラ制御装置104は、原稿LGLでのスキャン画像処理設定を行い、画像処理に必要な読み取り画像サイズ設定や自動変倍機能における変倍率の計算・設定を行う(S703)。コントローラ制御装置104は、画像処理設定が終了すると、リーダ制御装置111に対し、原稿LGLの画像読み取り要求を通知する(S704)。
リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104からの読み取り実行要求を受信すると(S407)、S408へ進む。そして、S408で、リーダ制御装置111は、原稿の搬送を進め、原稿の先端が表面画像を読み取るイメージセンサIS1に到達すると、原稿表面画像の読み取り処理を開始する(S408)。
【0058】
リーダ制御装置111は、読み取った表面の画像データに必要な画像処理を行った後、画像データをリーダ装置102のメモリ114に格納する。このとき、メモリ114の状態は、図8に示す状態1002、図9に示す状態1102となる。図8に示す状態1002、図9に示す状態1102において、リーダ装置102のメモリ114には、図8に示すメモリ領域1011、図9に示すメモリ領域に、原稿表面から読み取られた画像データが格納される。なお、リーダ制御装置111の処理のうち共通するステップについては、図10のステップを用いて説明する。
さらに、リーダ装置102が原稿の搬送を進めると、自動原稿送り装置112の原稿搬送パス上の原稿検知センサS2を原稿後端が通過した時点でリーダ制御装置111が原稿の長さを算出する。ここで、リーダ制御装置111は、原稿搬送速度と、原稿先端から原稿後端を通過するまでの時間から原稿の長さを算出する。
そして、S409で、リーダ制御装置111は、原稿サイズが原稿LTR−Rと原稿LGLのどちらであるかを確定する。ここで、リーダ制御装置111が確定した原稿サイズにより、以後の画像読み取り処理が異なる。
まず、S410で、リーダ制御装置111は、確定した原稿サイズが原稿LGLであるかどうかを判断する。ここで、確定した原稿サイズが原稿LGLであるとリーダ制御装置111が判断した場合、表面原稿読み取り処理の開始時に仮定した原稿サイズは正しく、コントローラ制御装置104に設定されている読み取り画像処理の設定値も正しい設定である。
【0059】
よって、リーダ制御装置111は、メモリ114に格納した原稿表面の画像データを読み出し、コントローラ制御装置104への転送を開始する(S411)。
このとき、リーダ制御装置111における変倍処理がコントローラ制御装置104から指定されている場合は、メモリ114から読み出した画像データに対し、変倍処理を行った後、コントローラ制御装置104に画像データを転送する。
そして、リーダ制御装置111が原稿表面画像の読み取りを行いながら原稿の搬送を続けると、原稿の先端が裏面画像を読み取るイメージセンサIS2の位置に到達し、原稿裏面画像の読み取りを開始する(S412)。
原稿の先端が裏面画像を読み取るためのイメージセンサIS2の位置に到達した際の、リーダ装置102と制御装置101のメモリ状態を図8の状態1003に示す。
ここで、メモリ領域1012は、メモリ114に格納された画像データのうち、コントローラ制御装置104に転送済みの領域を示す。
また、メモリ領域1013は制御装置101のメモリ107上でリーダ制御装置111から受信した原稿表面の画像データが格納された領域を示す。リーダ制御装置111は、図8の状態1004に示すように、読み取った原稿裏面の画像データを、通常の両面画像読み取り処理時と同様に、一旦リーダ装置102のメモリ114に格納する。なお、図8に示す状態1004は、リーダ装置102が原稿裏面の画像読み取りを開始した後のメモリ状態である。
【0060】
ここで、読み取られた原稿表面の画像データは、メモリ114上の裏面の読み取り画像を保存する領域にまで書き込みが行われている。
これは、原稿サイズがLGLの場合、原稿サイズがLTR分のサイズしか存在しない表面画像の格納領域のみでは、画像データを全て格納が行えないためである。
しかし、メモリ114の表面画像と裏面画像の格納領域は連続したメモリ領域となっているため、問題なく画像データの保存が行える。また、メモリ領域1014は、メモリ114上に格納された原稿裏面の画像データを示している。
原稿サイズが原稿LGLである原稿裏面の画像データは、前述のように裏面画像格納用のメモリ領域には収まらないため、表面画像の格納領域の先頭から画像データを格納している。
すなわち、原稿表面の画像データが格納された領域に裏面の画像データを上書きして格納しているが、原稿裏面の画像データが格納される領域の原稿表面の画像データはコントローラ制御装置104に転送済みである。また、原稿裏面の画像データの読み取り、格納が行われる速度より、コントローラ制御装置104に画像データを転送する速度の方が遅くなることはないため、原稿表面の画像データが原稿裏面の画像データの上書により破壊されることはない。
続いて、リーダ制御装置111が原稿表面と原稿裏面の画像データの読み取りを行いながら、さらに原稿の搬送を続けると、原稿の後端が表面画像を読み取るイメージセンサIS1の位置に到達し、原稿表面の画像読み取りが終了する(S413)。
【0061】
原稿表面の画像読み取りが終了すると、表面の画像データのリーダ装置102のメモリ114への格納も終了し、続いてコントローラ制御装置104への原稿表面の画像データの転送も終了する(S414)。
このようにして原稿表面の画像データの転送が終了すると、リーダ制御装置111はコントローラ制御装置104に対し、原稿読み取り終了通知を行う(S415)。コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111から原稿表面の画像データの受信終了の通知を受信し(S606)、さらに、原稿読み取り終了通知を受信する(S607)。これにより、原稿表面の画像データの読み取り処理を終了し、続いて、原稿裏面の画像データの読み取り処理を開始する。
コントローラ制御装置104側での原稿裏面の読み取り処理は、原稿表面の画像読み取り処理と同様に行われる。
まず、コントローラ制御装置104は、原稿の給紙要求をリーダ制御装置111に通知する(S608)。リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104からの原稿給紙要求を受信すると(S417)、コントローラ制御装置104に原稿給紙開始通知を原稿サイズ(原稿LGL)とともに通知する(S418)。
このとき、当該原稿給紙要求は原稿裏面の画像読み取りに対する原稿給紙要求であるため、リーダ装置102が実際に原稿の給紙を行うことはない。つまり、原稿給紙用要求と原稿給紙開始通知はリーダ制御装置111とコントローラ制御装置104のシーケンス上のやり取りのみとなっている。
【0062】
コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111から原稿給紙開始通知を受信すると(S609)、通知された原稿サイズに応じたスキャン画像処理設定を行った後(S610)、リーダ制御装置111に画像読み取り実行要求を行う(S611)。
リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104から画像読み取り実行要求を受信すると(S418)、メモリ114上に格納されている原稿裏面の画像データを読み出し、コントローラ制御装置104に画像データの転送を行う(S419)。
【0063】
このとき、原稿表面の画像データの転送と同様に、リーダ制御装置111における変倍処理がコントローラ制御装置104から指定されている場合は、メモリ114から読み出した画像データに対し、変倍処理を行う。そして、リーダ制御装置111は、変倍処理した画像データをコントローラ制御装置104に転送する。
また、上記処理の間も、リーダ制御装置111は原稿の搬送と原稿裏面の読み取り処理を行っている。このため、原稿の後端が原稿裏面の画像を読み取るイメージセンサIS2に到達すると、原稿裏面の読み取り処理が終了し(S420)、リーダ装置102のメモリ114に原稿裏面の画像データを格納する処理も終了する。
その後、リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104への原稿裏面の画像データの転送が終了すると(S421)、コントローラ制御装置104に画像読み取り終了通知を行い(S422)、画像読み取り処理を終了する。
コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111からの原稿裏面の画像データの受信終了通知を受信し(S613)、さらにリーダ制御装置111から原稿読み取り終了通知を受信したら(S614)、原稿裏面の読み取り処理を終了する。以上が、原稿サイズがLGLと判別された際の画像読み取り処理である。
【0064】
〔原稿サイズがSTMT以外と判定される場合の処理2〕
次に、S410で、リーダ制御装置111が給送された原稿サイズが原稿LTR−Rと判別された際の処理について説明する。
リーダ制御装置111が確定した原稿サイズがLTR−Rである場合(S410)、S404におけるリーダ制御装置111が原稿表面の読み取り処理の開始時に仮定した原稿サイズは誤りである。また、コントローラ制御装置104に設定されている読み取り画像処理の設定値も正しい設定ではないものとなる。
このため、リーダ制御装置111はコントローラ制御装置104に対し、原稿読み取り処理のキャンセル・やり直しを要求する(S423)。これに対し、コントローラ制御装置104は、原稿読み取り処理のキャンセル要求を受信すると(S705)、コントローラ制御装置104は、画像読み取り処理を中断し、再度読み取り処理を最初から開始する(S706)。
このため、コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111に対し、再度原稿給紙要求を行う(S707)。
そして、リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104から原稿給紙要求を受信すると(S425)、原稿給紙開始通知を原稿サイズとともにコントローラ制御装置104に通知する(S426)。
【0065】
ここでの、原稿給紙開始通知は画像読み取りシーケンス上のやり取りであり、実際にリーダ装置102が原稿の給紙を再度行っているわけではない。
また、この間にも、リーダ制御装置111は、S424で原稿の搬送と表面画像の読み取りとリーダ装置102のメモリ114に画像データを格納する処理を行っている。ここで、原稿の先端が原稿裏面の画像を読み取るイメージセンサIS2に到達すると、リーダ制御装置111は原稿裏面の画像読み取りを開始する。
読み取った原稿裏面の画像データは、メモリ114上の裏面画像を格納する第2の領域に格納される。
コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111から原稿給紙開始通知を受信すると(S708)、通知された原稿サイズ(LTR−R)に応じた読み取り画像処理設定を再度行う(S709)。
次いで、コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111に画像読み取り実行要求を行う(S710)。リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104から原稿表面の画像読み取り実行要求を受信する(S427)。次に、リーダ制御装置111は、リーダ装置102のメモリ114上に格納した原稿表面の画像データを読み出し、コントローラ制御装置104へ転送する(S428)。
また、リーダ制御装置111における変倍処理がコントローラ制御装置104から指定されている場合は、メモリ114から読み出した画像データに対し、変倍処理を行った後、コントローラ制御装置104に画像データを転送する。
このときのリーダ装置102と制御装置101のメモリ状態を図9のデータ処理状態1104に示す。
原稿表面の画像データのうちコントローラ制御装置104に転送された領域をメモリ領域1113に示す。同様に、原稿裏面の画像データが格納された領域をメモリ領域1114に示す。同様に、制御装置101のメモリ107上でリーダ制御装置111から受信した原稿表面の画像データが格納された領域をメモリ領域1115に示す。
【0066】
原稿サイズがLTR−Rの場合、リーダ装置102のメモリ114には表面と裏面の2ページ分の画像データを格納可能なため、データ処理状態1104のように、それぞれのメモリ領域(第1の領域または第2の領域)に画像データが格納される。
さらに、リーダ制御装置111が、原稿の搬送と原稿表面、原稿裏面の画像読み取りを進め、原稿の後端が原稿表面の画像を読み取るイメージセンサIS1に到達する。すると、表面画像の読み取りを終了し(S429)、表面の画像データのリーダ装置102のメモリ114への格納も終了する。
【0067】
また、リーダ制御装置111がコントローラ制御装置104に対して表面の画像データの転送も終了すると(S430)、リーダ制御装置111はコントローラ制御装置104に原稿読み取り終了通知を行う(S431)。
コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111からの原稿表面の読み取り画像転送終了通知を受信し(S712)、さらに、原稿読み取り終了通知を受信すると(S713)、原稿表面画像の読み取り処理を終了する。
続いて、原稿裏面画像の読み取り処理を開始する。
表面画像の読み取りと同様に、コントローラ制御装置104はリーダ制御装置111に原稿給紙要求を行う(S714)。リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104からの原稿給紙要求を受信すると(S433)、原稿サイズ(原稿LTR−R)とともに原稿給紙開始通知をコントローラ制御装置104に行う(S434)。
【0068】
ここでの原稿給紙開始通知も、画像読み取りシーケンス上のやり取りであり、実際にリーダ装置102が原稿の給紙を行っているわけではない。
また、この間にも、リーダ装置102は、原稿の搬送と原稿裏面画像の読み取りを進め、原稿の後端が原稿裏面の画像を読み取るイメージセンサIS2に到達すると、原稿裏面画像の読み取りとリーダ装置102のメモリ114への格納を終了する(S432)。
コントローラ制御装置104は、リーダ装置102からの原稿給紙開始通知を受信する(S715)。すると、通知された原稿サイズ(LTR−R)に応じた読み取り画像処理設定を行い(S716)、リーダ制御装置111に画像読み取り実行要求を行う(S717)。
リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104から原稿表面の画像読み取り実行要求を受信すると(S435)、リーダ装置102のメモリ114上に格納した原稿裏面の画像データを読み出し、コントローラ制御装置104へ転送を開始する(S436)。
また、この時、リーダ制御装置111における変倍処理がコントローラ制御装置104から指定されている場合は、メモリ114から読み出した読み取り画像データに対し、変倍処理を行う。その後、リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104に画像データを転送する。
【0069】
その後、リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104に原稿裏面の画像データの転送が終了すると(S437)、コントローラ制御装置104に画像読み取り終了通知を行い(S438)、画像読み取り処理を終了する。
コントローラ制御装置104は、リーダ制御装置111からの原稿裏面の画像データの受信を開始して(S718)、リーダ制御装置111からの原稿裏面の画像データの受信を終了する(S719)。そして、リーダ制御装置111からの原稿読み取り終了通知を受信したら(S720)、原稿裏面の画像読み取り処理を終了する。
ここまでが、原稿サイズがLTR−Rと判別された際の画像読み取り処理である。
以上で説明したように画像読み取り処理を行うことにより、原稿サイズ混載モードでの画像読み取り処理において、画像読み取り処理開始前に原稿サイズが確定しない場合においても、リーダ装置に搭載するメモリ容量を増加させる必要がなくなる。同時に、画像読み取りにおいて必要な画像処理を行うことが可能となり、コストダウンと画像読み取り処理における機能の両立が可能となる。
【0070】
以下、図7を参照して、S402でNOと判定された場合に対応する通常の原稿読取り処理について説明する。
S501で、リーダ制御装置111は、原稿搬送モードが原稿混載モードであるかどうかを判断する。ここで、原稿搬送モードが原稿混載モードであると判断した場合は、S511へ進み、原稿搬送モードが原稿混載モードでないとリーダ制御装置111が判断した場合は、片面原稿の読み取り処理に対応するS502へ進む。
そして、S502で、リーダ制御装置111は、自動原稿送り装置112から原稿の給紙を開始する。そして、S503で、リーダ制御装置111は、原稿検知センサS1が原稿の先端を検知してから、原稿の後端を検知するまでの時間と原稿搬送速度から読み取る原稿の原稿サイズを確定する。そして、S504で、リーダ制御装置111は、確定した原稿サイズをコントローラ制御装置104へ通知する。そして、リーダ制御装置111がコントローラ制御装置104より原稿読取り実行要求を受信したら、イメージセンサIS1を用いて搬送される原稿画像の読取りを開始する(S506)。
そして、リーダ制御装置111は、イメージセンサIS1が読み取る原稿の画像データをコントローラ制御装置104へ転送する(S507)。そして、イメージセンサIS1による原稿画像の読取りが終了したら(S508)、リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104に対する画像データの転送を終了する(S509)。
【0071】
そして、リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104に原稿読取り終了を通知して(S510)、読取り処理を終了する。
一方、S501で、原稿サイズ混載モードであると判断した場合は、S511へ進む。この場合は、リーダ制御装置111は、原稿がカラー原稿ではない混載モードの処理を開始する。
そして、S511で、リーダ制御装置111は、コントローラ制御装置104から通知される読み取りモード情報から両面読取りモードかどうかを判断する。ここで、リーダ制御装置111が、両面読取りが指定されていると判断した場合は、S521へ進み、両面読取りが指定されていないと判断した場合は、S512へ進む。
【0072】
そして、S512で、リーダ制御装置111は、自動原稿送り装置112から原稿給紙を開始させる。そして、イメージセンサIS1による原稿読取りを開始して、原稿後端が原稿検知センサS2で検知されたタイミングで、リーダ制御装置111は、原稿サイズを上述した処理に基づいて確定する。そして、S515で、リーダ制御装置111は、確定した原稿サイズをコントローラ制御装置104に通知する。
次に、S516で、リーダ制御装置111がコントローラ制御装置104から読取り実行要求を受信したら、S517で読み取られた画像データをコントローラ制御装置104に転送を開始する。
そして、S518で、リーダ制御装置111がイメージセンサIS1が片面原稿の原稿画像の読取りを終了したら、読み取られた画像データのコントローラ制御装置104への転送を終了する。そして、S519でリーダ制御装置111がコントローラ制御装置104に原稿読取り終了を通知して、本処理を終了する。
一方、S511で、リーダ制御装置111が原稿が両面読取りであると判定した場合は、S521へ進む。
そして、S521で、リーダ制御装置111は、自動原稿送り装置112から原稿給紙を開始させる。そして、イメージセンサIS1による原稿表面の読取りを開始して、原稿後端が原稿検知センサS2で検知されたタイミングで、リーダ制御装置111は、原稿サイズを上述した処理に基づいて確定する(S523)。そして、S524で、リーダ制御装置111は、確定した原稿サイズをコントローラ制御装置104に通知する。
【0073】
次に、S525で、リーダ制御装置111がコントローラ制御装置104から読取り実行要求を受信したら、S526で読み取られた表面の画像データをコントローラ制御装置104に転送を開始する。
次いで、S527で、リーダ制御装置111は、搬送される原稿の先端がイメージセンサIS2に到達したら、イメージセンサIS2による原稿裏面の読取りを開始すると、イメージセンサIS1による原稿表面の読取りが終了する(S528)。
次いで、リーダ制御装置111は、原稿表面の画像データのコントローラ制御装置104への転送を終了し(S529)、原稿表面読取り終了をコントローラ制御装置104に通知する(S530)。そして、S531で、リーダ制御装置111は、イメージセンサIS2を用いた原稿裏面の画像読取りを終了する。
次いで、リーダ制御装置111は、原稿裏面の画像データのコントローラ制御装置104への転送を終了し(S532)、原稿裏面読取り終了をコントローラ制御装置104に通知して(S533)、本処理を終了する。
本実施形態によれば、リーダ制御装置111がコントローラ制御装置104に通知する原稿サイズに応じて、コントローラ制御装置104から受け取る読み取り指示に従い、第1または第2の読み取り制御を切り替えることができる。
具体的には、イメージセンサIS1、IS2が同時に読み取る表面の画像データと裏面の画像データとをメモリ114に確保される第1の領域および第2の領域をそれぞれ用いて格納する。そして、この処理に並行して、メモリ114に格納された表面の画像データと裏面の画像データとを読み出してコントローラ制御装置に転送する制御が第1の読み取り制御である。ここで、第1の読み取り制御は、原稿搬送前に仮設定された原稿サイズ(最大原稿サイズ)と確定した原稿サイズが一致する場合に実行される。
また、イメージセンサIS1、IS2が同時に読み取る表面の画像データと裏面の画像データとをメモリ114に確保される第1の領域または第2の領域を用いて格納する。これに並行して、メモリ114に格納された表面の画像データと裏面の画像データとを読み出して前記制御装置に転送する制御が第2の読み取り制御である。そして、本実施形態では、上記第1の読み取り制御と、第2の読み取り制御を原稿搬送中に切り替え可能に構成したので、メモリ114の容量が最大原稿サイズのカラー画像を読み取れる容量以下で、最大原稿サイズの両面同時読み取り制御が可能となる。
【0074】
図12、図13は、本実施形態を示す複写装置の原稿混載モード時の原稿読取りシーケンスの一例を示す図である。特に、図12は、図6に示したS410で原稿サイズがLGLであると判定された場合のシーケンス例に対応し、図13は、図6に示したS411で原稿サイズがLGLでないと判定された場合のシーケンス例に対応する。
【0075】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0076】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
なお、本発明は、各フローチャートに示したステップの一部をそれぞれ組み合わせてなる処理、並びに、各フローチャートに示したステップの一部を削除してなる処理も本発明に含めることが可能である。
【符号の説明】
【0077】
101 制御装置
102 リーダ装置
103 プリンタ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿サイズが異なる原稿を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される原稿の片面または/および両面の画像を同時に読み取り可能な読取り手段と、
前記読取り手段が読み取る表面の画像データおよび裏面の画像データを格納可能な第1の領域と第2の領域とを確保可能なメモリと、
搬送路上を搬送される前記原稿の通過状態を検知する検知手段と、
前記読み取り手段による原稿読み取り中に、前記検知手段が検知する原稿の通過状態に応じて搬送されている原稿サイズを確定する確定手段と、
前記読取り手段による原稿の読み取り開始前は読取り可能な最大原稿サイズを、原稿搬送中は前記確定手段が確定した原稿サイズを制御装置に通知する通知手段と、
前記通知手段が制御装置に通知する原稿サイズに応じて前記制御装置から受け取る読み取り指示に従い、前記読取り手段が同時に読み取る表面の画像データと裏面の画像データとを第1の領域および第2の領域をそれぞれ用いて格納しながら、前記メモリに格納された表面の画像データと裏面の画像データとを読み出して前記制御装置に転送する第1の読み取り制御と、
前記読取り手段が同時に読み取る表面の画像データと裏面の画像データとを前記第1の領域または第2の領域を用いて格納しながら、前記メモリに格納された表面の画像データと裏面の画像データとを読み出して前記制御装置に転送する第2の読み取り制御とを切り替える制御手段と、
を備えることを特徴とする原稿読取り装置。
【請求項2】
前記メモリから読み出す画像データに画像処理を行う画像処理手段を備えることを特徴とする請求項1記載の原稿読取り装置。
【請求項3】
前記制御手段は、原稿搬送中に、前記通知手段が通知する原稿サイズが前記最大原稿サイズと一致する場合は、前記読み取り指示に従い第1の読み取り制御を実行することを特徴とする請求項1記載の原稿読取り装置。
【請求項4】
前記制御手段は、原稿搬送中に、前記通知手段が通知する原稿サイズが前記最大原稿サイズよりも小さい場合は、前記読み取り指示に従い第2の読み取り制御を実行することを特徴とする請求項1記載の原稿読取り装置。
【請求項5】
前記画像処理手段は、前記メモリから読み出す画像データに変倍処理を実行することを特徴とする請求項2記載の原稿読取り装置。
【請求項6】
前記メモリは、前記最大原稿サイズよりも小さい原稿サイズでカラー画像データを2ページ分格納可能であることを特徴とする請求項1または5記載の原稿読取り装置。
【請求項7】
原稿サイズが異なる原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の片面または/および両面の画像を同時に読み取り可能な読取り手段と、前記読取り手段が読み取る表面の画像データおよび裏面の画像データを格納可能な第1の領域と第2の領域とを確保可能なメモリとを備える原稿読取り装置の制御方法であって、
搬送路上を搬送される前記原稿の通過状態を検知する検知工程と、
前記読み取り手段による原稿読み取り中に、前記検知工程で検知する原稿の通過状態に応じて搬送されている原稿サイズを確定する確定工程と、
前記読取り手段による原稿の読み取り開始前は読取り可能な最大原稿サイズを、原稿搬送中は前記確定工程が確定した原稿サイズを制御装置に通知する通知工程と、
前記通知工程が前記制御装置に通知する原稿サイズに応じて前記制御装置から受け取る読み取り指示に従い、前記読取り手段が同時に読み取る表面の画像データと裏面の画像データとを第1の領域および第2の領域をそれぞれ用いて格納しながら、前記メモリに格納された表面の画像データと裏面の画像データとを読み出して前記制御装置に転送する第1の読み取り制御と、
前記読取り手段が同時に読み取る表面の画像データと裏面の画像データとを前記第1の領域または第2の領域を用いて格納しながら、前記メモリに格納された表面の画像データと裏面の画像データとを読み出して前記制御装置に転送する第2の読み取り制御とを切り替える制御工程と、
を備えることを特徴とする原稿読取り装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の原稿読取り装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−80336(P2012−80336A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223820(P2010−223820)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】