説明

原稿読取装置

【課題】ワンパスADF方式で原稿の表裏両面を読み取る原稿読取装置において、裏面読取用の密閉型の読取部を構成するイメージセンサ又は光学部品に付着したゴミを除去し、原稿裏面の読取画質を向上させる。
【解決手段】イメージスキャナ装置は、原稿を搬送するための原稿搬送経路30と、表面読取用のスキャナユニットと、裏面読取用の密閉型の第2スキャナユニット60と、を備える。第2スキャナユニット60は、CCD57と、光学部品(反射ミラー62〜65及び集光レンズ67)と、を備える。原稿からの反射光は前記光学部品によってCCD57に導かれ、原稿画像が読み取られる。CCD57及び前記光学部品は、スキャナフレーム12によって保持されている。第2スキャナユニット60は、CCD57及び前記光学部品を振動させるための偏心モータ15を備える。また、スキャナフレーム12内部に粘着部材17,18が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダ、ADF)を備えるとともに両面読取機能を有する原稿読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の原稿読取装置の中には、ADFに表面読取用の第1の読取部と裏面読取用の第2の読取部とを備え、原稿搬送経路に原稿を1回通過させるだけで両面読取が可能な構成をとるものがある。このようなワンパスADF方式の構成において、前記第2の読取部は密閉型としてゴミ等の異物の侵入を防止し、内部に配置される光学部品等に異物が付着しないように構成されていることが多い。
【0003】
しかしながら、第2の読取部を上記のように密閉型に構成しても、何らかの事情でミラー、光源、レンズ及び電荷結合素子(CCD)等に紙粉及び埃等のゴミが付着する場合がある。これら光学部品及びイメージセンサにゴミが付着すれば、読取画像の黒線(白線)の原因となるが、読取部が密閉構造であるため清掃が非常に困難である。
【0004】
特許文献1は、ゴミが付着した場合の画像読取の際に、光学部品を原稿搬送方向に対応する方向に振動させる構成の原稿読取装置を開示する。特許文献1は、この構成によって、ゴミが読取画像にスジ状に現れることを防止し、ゴミが読取画像へ与える影響を抑制できるとする。
【特許文献1】特開2000−324312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の構成では、ゴミ付着の際でも清掃の手間をかけること無く、読取画像の黒線(白線)の発生を抑制することができる。しかし、上記特許文献1の構成はゴミの除去を目的としておらず、そのため根本的な解決手段を示しているとは言い難い。
【0006】
特に、特許文献1の構成は振動方向と振動周期に制限があるために、ゴミの除去に最適な構成とは言えない。また、読取中の各部品の振動が読取画像の画質低下の原因とならないように、各光学部品の振動方向と振動周期等を厳密に制御しなければならない。従って、装置が大掛かりとなってしまい、ワンパスADFの内部に備えられる構成をとることが多い第2の読取部には適用することが困難である。
【0007】
更に、密閉構造の読取部内に設置された部品のゴミ除去を行う場合は、ゴミの捕集、及び捕集したゴミの外部への排出手段についても考慮する必要がある。
【0008】
本発明は以上の目的に鑑みてされたものであって、その目的は、裏面読取用に密閉型の読取部を備えるワンパスADFを有する原稿読取装置において、当該読取部のイメージセンサ又は光学部品に付着したゴミを除去することに適した構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を解説する。
【0010】
本発明の観点によれば、以下の構成の原稿読取装置が提供される。即ち、この原稿読取装置は、原稿を搬送するための原稿搬送経路と、前記原稿の第1面を読み取るための第1の読取部と、前記原稿の第2面を読み取るための密閉型の第2の読取部と、を備える。前記第2の読取部は、原稿画像を読み取るためのイメージセンサと、原稿からの光を前記イメージセンサに導くための光学部品と、を備える。さらに、前記画像読取装置は、前記イメージセンサ及び前記光学部品を保持するためのスキャナフレームと、前記イメージセンサ又は前記光学部品のうち少なくとも何れか一方を振動させるための振動部と、を備える。
【0011】
この構成の原稿読取装置は、振動によってイメージセンサ或いは光学部品に付着したゴミを落とすことができる。これにより、従来は清掃及び除去が非常に困難であった密閉状の裏面用読取部内部の部品についたゴミを、装置の分解などの手間をかけることなく除去することができる。
【0012】
前記原稿読取装置においては、前記スキャナフレームの内部に配置される粘着部材を備えることが好ましい。
【0013】
この粘着部材を内部に設置することにより、前記振動部の振動によって落とされたゴミを装置内部で捕集し、前記イメージセンサ及び前記光学部品に再付着することを防ぐことができる。
【0014】
前記原稿読取装置においては、前記粘着部材が交換可能に構成されていることが好ましい。
【0015】
この構成により、ゴミの付着によって粘着力が低下した場合でも、粘着部材を新品に交換することでゴミの捕集能力を容易に回復させることができる。
【0016】
前記原稿読取装置においては、前記振動部が前記スキャナフレームの内部に配置されることが好ましい。
【0017】
この構成により、内部のイメージセンサ或いは光学部品を直接的に振動させることができ、部品に付着したゴミを効果的に落下させて取り除くことができる。また、第2の読取部が簡素かつコンパクトとなる。
【0018】
前記原稿読取装置においては、前記振動部は偏心モータであることが好ましい。
【0019】
偏心モータを用いることにより、安価で簡単な構造とすることができる。
【0020】
前記原稿読取装置においては、前記振動部は振動素子であることが好ましい。
【0021】
振動素子を用いることにより、第2の読取部をコンパクトに構成することができる。また、振動部の可動部分が少ないため、故障が少ない構成にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る原稿読取装置としてのイメージスキャナ装置10を含むコピーファクシミリ複合機(複合機)20の外観斜視図である。図1に示すように、コピーファクシミリ複合機20は、ブックスキャナ及びオートドキュメントフィードスキャナとして機能するイメージスキャナ装置10を備える。また、複合機20は、コピー部数、ファクシミリ送信先及び原稿読取等を指示するための操作パネル77と、記録媒体としての用紙に画像を形成する画像形成部等を内蔵した本体78と、前記用紙を順次供給する給紙カセット79と、を備えている。前記本体78は、通信回線を介して画像データを伝送するための図略の送受信部を備える。
【0023】
次に図2を参照して、前記複合機20が備えるイメージスキャナ装置10について説明する。図2はイメージスキャナ装置10の正面断面図である。図2に示すように、イメージスキャナ装置10は、プラテンガラス22と原稿台カバー21とを備えている。この原稿台カバー21には自動原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダ、ADF)25が備えられている。また、イメージスキャナ装置10は、原稿の画像を読み取るためのスキャナユニット(第1の読取部)50及び第2スキャナユニット(第2の読取部)60を備えている。
【0024】
このイメージスキャナ装置10をオートドキュメントフィードスキャナとして使用する場合は、前記ADF25によって原稿を1枚ずつ搬送する。そして、原稿の表側の面(第1面)の画像はスキャナユニット50によって読み取られ、裏側の面(第2面)の画像は第2スキャナユニット60によって読み取られる。
【0025】
一方、イメージスキャナ装置10をブックスキャナとして使用する場合は、読み取るべきブック原稿をユーザがプラテンガラス22上に載置して、その上から原稿台カバー21によって押圧して、ブック原稿が動かないように固定する。この状態で、スキャナユニット50によって原稿の画像を読み取ることができるようになっている。
【0026】
図2に示すように、前記原稿台カバー21が備えるADF25は、原稿台カバー21の上部に設けられた原稿トレイ23と、この原稿トレイ23の下方に設けられた排出トレイ24と、を備える。
【0027】
図2に示すように、前記原稿台カバー21の内部には、原稿トレイ23と排出トレイ24とを繋ぐ湾曲状の原稿搬送経路30が構成されている。この構成で、原稿トレイ23に重ねてセットされた原稿は、1枚ずつ分離されて湾曲状の前記原稿搬送経路30に沿って搬送され、排出トレイ24へ排出される。原稿の読取の開始等の指示は、図2において省略されている操作パネル77によって行うことができる。
【0028】
次に、原稿搬送経路30に沿って、ADF25の各部の詳細な構成を説明する。
【0029】
図2に示すように、原稿トレイ23から原稿搬送経路30に原稿が供給される箇所にはピックアップローラ31が配置されている。このピックアップローラ31の下流側には分離ローラ32が備えられ、この分離ローラ32に対向して対向ローラ37が配置されている。ピックアップローラ31は原稿トレイ23上の最上層の原稿を繰り込み、下流の分離ローラ32へ向かって搬送する。分離ローラ32は、原稿を対向ローラ37との間でニップしながら駆動することで、原稿を1枚ずつ分離し、更に下流側へ搬送する。
【0030】
分離ローラ32の下流側にはレジストローラ39とこのレジストローラ39と対になる対向ローラとが配置されている。レジストローラ39は前記対向ローラとともに、分離ローラ32によって搬送されてくる原稿の先頭側を一時的に止めて弛ませ、所定時間後に弛みを除去しつつ下流側に搬送する。これにより、原稿の斜行が矯正される。
【0031】
レジストローラ39の下流側には、複数の搬送ローラ33,34,35が設けられる。また、この搬送ローラ33,34,35のそれぞれに対向するようにローラが配置されている。前記レジストローラ39の駆動によって下流側へ搬送された原稿は、搬送ローラ33,34,35とそれらに対向するローラとによりニップされて更に下流側へ搬送される。
【0032】
2つの搬送ローラ34,35の間には第1原稿読取位置80が設定されており、この第1原稿読取位置80を通過する原稿は、以下に説明するスキャナユニット50によって走査され、読み取られる。なお、この第1原稿読取位置80にはプラテンローラ29が配置されている。
【0033】
スキャナユニット50を説明する。このスキャナユニット50は本体78側に設置されるとともに、ADF25及びプラテンガラス22の下方に配置されている。また、このスキャナユニット50は、光源51と、反射ミラー52,53,54と、集光レンズ55と、電荷結合素子(CCD)56と、を備えている。光源51は前記ADF25の前記第1原稿読取位置80(又はプラテンガラス22)に対して光を照射し、反射ミラー52,53,54は原稿からの反射光を反射させる。そしてこの反射光を集光レンズ55で収束させて、この収束光がCCD56の部分で結像するように構成されている。
【0034】
スキャナユニット50の光源51及び反射ミラー52等は移動可能に構成されている。前述したようにイメージスキャナ装置10をブックスキャナとして使用する場合は、スキャナユニット50の光源51及び反射ミラー52等をプラテンガラス22に沿って移動させる。これによって、プラテンガラス22上に載置された原稿を走査できるようになっている。
【0035】
イメージスキャナ装置10をオートドキュメントフィードスキャナとして使用する場合(ADF25を用いて原稿を読み取る場合)について説明する。この場合、光源51及び反射ミラー52等は、図2に示すように、前記第1原稿読取位置80に対向する位置まで移動させて静止させておく。この状態でADF25を駆動することにより、原稿搬送経路30を搬送されて第1原稿読取位置80を通過する原稿の表側の面を、スキャナユニット50が走査して読み取ることができる。
【0036】
スキャナユニット50において、原稿からの反射光は前述のとおりCCD56へ導かれて結像し、CCD56は原稿の画像情報に応じた電気信号を出力する。この信号は適宜変換処理され、複合機20が備える画像形成部に送信される。そして、この送信された画像情報が画像形成部によって記録媒体としての用紙に転写されることで、複合機20のコピー機能等が実現される。
【0037】
原稿搬送経路30において、前記第1原稿読取位置80の下流側(搬送ローラ35の下流側)には第2原稿読取位置90が設定されている。この第2原稿読取位置90を通過する原稿の裏面は、次に説明する第2スキャナユニット60によって走査されて読み取られる。
【0038】
第2スキャナユニット60は、内部の光学系を構成する部品等を保持するスキャナフレーム12を備えている。このスキャナフレーム12は、第2スキャナユニット60の構成部品の外側を覆うように構成されている。スキャナフレーム12の底部には、原稿の裏面を読み取るための読取ガラス42が備えられる。この読取ガラス42は、前記第2原稿読取位置90に対応する位置に配置される。
【0039】
スキャナフレーム12は密閉状に構成されており、この内部に、第2スキャナユニット60の構成部品が配置される。この第2スキャナユニット60は前記スキャナユニット50と同様に、光源61と、反射ミラー62,63,64,65と、集光レンズ67と、及び電荷結合素子(CCD)57と、を備えている。前記光源61は前記読取ガラス42を介して第2原稿読取位置90に光を照射し、原稿からの反射光は反射ミラー62,63,64,65によって反射し、更に集光レンズ67で収束してCCD57の部分に結像する。CCD57は、スキャナユニット50におけるCCD56と同様に、原稿の画像情報に応じた電気信号を出力する。この信号も適宜変換処理され、複合機20が備える画像形成部に送信される。
【0040】
また、スキャナフレーム12の第2原稿読取位置90(前記読取ガラス42)に対向するように、プラテンローラ38がADF25本体部分に配置されている。この構成で、前記搬送ローラ35により搬送された原稿がプラテンローラ38の部分に差し掛かると、当該原稿はプラテンローラ38により搬送されながらその裏側の面が走査されて読み取られる。
【0041】
以上のようにして2つの原稿読取位置で表裏両面の内容を読み取られた原稿は、排出ローラ36によって搬送され、排出トレイ24へ排出される。このようにして、原稿搬送経路30に原稿を1回通過させるだけで両面読取が可能な構成の、いわゆるワンパス方式のADF25が構成されている。
【0042】
次に図3を参照して、第2スキャナユニット60の縮小光学系を構成する部品を振動させる構成について説明する。図3は本実施形態におけるイメージスキャナ装置10に備えられたADF25の拡大図である。
【0043】
図3等に示すように、第2スキャナユニット60は偏心モータ(振動部)15を備えている。この偏心モータ15は前記集光レンズ67の近傍にあって、原稿からの反射光を遮らないようにスキャナフレーム12内に配置されている。この構成で、前記偏心モータ15が駆動されてスキャナフレーム12を振動させることにより、前記スキャナフレーム12内に保持される光源61と、反射ミラー62,63,64,65と、集光レンズ67と、CCD57とを振動させる。この振動によって、光学部品及びCCD57に付着したゴミを落とすことができる。
【0044】
また、第2スキャナユニット60は粘着部材17,18を備えている。粘着部材17,18はシート状に構成されており、前記スキャナフレーム12に備えられたカバー91,92の内側面に設置されている。これにより、上方に位置する光源61、反射ミラー62,63,64,65、集光レンズ67及びCCD57から、偏心モータ15による振動によって落ちてくるゴミを捕集し、再飛散及び最付着を防ぐ。また前記カバー91,92は、スキャナフレーム12に対してロック爪、ネジ等の適宜の取外し可能な固定手段によって取り付けられており、取外しが可能である。このため、前記粘着部材17,18はカバー91,92を開けることにより容易に取り外して交換可能であり、ゴミが溜まった粘着部材17,18をメンテナンスの際に新品に交換することができる。
【0045】
以上に説明したように、本実施形態のイメージスキャナ装置10は、原稿を搬送するための原稿搬送経路30と、スキャナユニット50と、第2スキャナユニット60と、を備える。前記スキャナユニット50は原稿の表面を読み取り、第2スキャナユニット60は原稿の裏面を読み取るように構成されている。また、第2スキャナユニット60は密閉型に構成されている。そして、第2スキャナユニット60は、原稿画像を読み取るためのCCD57と、原稿からの反射光を前記CCD57に導くための光学部品(反射ミラー62,63,64,65及び集光レンズ67)と、前記CCD57及び前記光学部品を振動させるための偏心モータ15と、を備える。
【0046】
この構成により、CCD57及び集光レンズ67等に付着したゴミを振動によって落とすことができる。これにより、従来は清掃及び除去が非常に困難であった密閉構造の第2スキャナユニット60内部の部品についたゴミを、装置の分解などの手間をかけることなく除去することができる。
【0047】
また、前記第2スキャナユニット60は、前記スキャナフレーム12の内部に配置される粘着部材17,18を備えている。
【0048】
この構成により、偏心モータ15の振動によって落とされたゴミを装置内部で捕集し、前記CCD57及び前記集光レンズ67等へのゴミの再付着を防ぐことができる。
【0049】
また、本実施形態において、前記粘着部材17,18は交換可能に構成されている。
【0050】
この構成により、ゴミの付着によって粘着部材17,18の粘着力が低下した場合でも、粘着部材17,18を新品に交換してゴミの捕集能力を容易に回復させることができる。
【0051】
また、本実施形態において、前記偏心モータ15は前記スキャナフレーム12の内部に配置されている。
【0052】
この構成により、CCD57及び光学部品等を直接的に振動させることができ、部品に付着したゴミを効果的に落下させて取り除くことができる。また、第2スキャナユニット60を簡素かつコンパクトに構成できる。
【0053】
また、本実施形態において、CCD57及び前記集光レンズ67等の光学部品は偏心モータ15によって振動するように構成されている。
【0054】
この構成により、CCD57及び集光レンズ67等のゴミを除去する機能を、安価で簡単な構成により実現できる。
【0055】
なお、CCD57、前記反射ミラー62,63,64,65、集光レンズ67等は、偏心モータ15に代えて、例えば圧電振動子のような振動素子により振動させる構成に変更することができる。
【0056】
この場合、第2スキャナユニット60の小型化が容易になるともに、可動部分が少ないため故障が少ない構成にすることができる。
【0057】
以上に本発明の好適な実施形態及びその変形例について説明したが、上記構成は例えば以下のように変更することができる。
【0058】
CCD57及び上記光学部品を振動させるための振動部としては、前記偏心モータ15及び圧電振動子とすることに代えて、例えばリニア振動アクチュエータを採用することができる。
【0059】
振動部(偏心モータ15)を取り付ける位置は、振動を光学部品及びCCDに伝えることができる構成であれば任意の場所に変更することができ、例えばCCD57の近傍に変更することができる。また、振動部をスキャナフレーム12の外部に配置することができる。
【0060】
振動部の数は1つに限られず、複数に変更することができる。さらに、この構成の場合はスキャナフレーム12全体を振動させる構成ではなく、振動部を各光学部品及びCCD57に個別に取り付け、振動対象部品を個別に振動させる構成に変更することができる。個別に振動させる構成をとる場合には、スキャナフレーム12を振動させるための強力な振動部を用いる必要がなく、各振動対象部品に適合した振動部を用いることができる利点がある。また、各光学部品及びCCD57のうち、ゴミが付着し易い一部のものにのみ振動部を配置して、ゴミの除去効果を効果的に発揮させながら構成の小型化及び簡素化を図ることもできる。
【0061】
前記イメージスキャナ装置10に代えて、例えば両面読取方式のコピー機、コピーファクシミリ複合機等にも、本発明の構成を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係るイメージスキャナ装置を含む複合機の様子を示した外観斜視図。
【図2】本実施形態におけるイメージスキャナ装置の構成を示した正面断面図。
【図3】イメージスキャナ装置に備えられたADF部の拡大図。
【符号の説明】
【0063】
10 イメージスキャナ装置(原稿読取装置)
12 スキャナフレーム
15 偏心モータ(振動部)
17,18 粘着部材
30 原稿搬送経路
50 スキャナユニット(第1の読取部)
57 CCD(イメージセンサ)
60 第2スキャナユニット(第2の読取部)
61 光源
62〜65 反射ミラー(光学部品)
67 集光レンズ(光学部品)
91,92 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送するための原稿搬送経路と、
前記原稿の第1面を読み取るための第1の読取部と、
前記原稿の第2面を読み取るための密閉型の第2の読取部と、
を備え、
前記第2の読取部は、
原稿画像を読み取るためのイメージセンサと、
原稿からの光を前記イメージセンサに導くための光学部品と、
前記イメージセンサ及び前記光学部品を保持するためのスキャナフレームと、
前記イメージセンサ又は前記光学部品のうち少なくとも何れか一方を振動させるための振動部と、
を備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の原稿読取装置であって、
前記スキャナフレームの内部に配置される粘着部材を備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項3】
請求項2に記載の原稿読取装置であって、
前記粘着部材が交換可能に構成されていることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の原稿読取装置であって、
前記振動部が前記スキャナフレームの内部に配置されることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の原稿読取装置であって、
前記振動部は偏心モータであることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項6】
請求項1から4までの何れか一項に記載の原稿読取装置であって、
前記振動部は振動素子であることを特徴とする原稿読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−135798(P2009−135798A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311094(P2007−311094)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】