説明

厨房機器

【課題】厨房機器の信頼性を向上させること。
【解決手段】厨房機器1は、調理機器100内に設けられ且つ食器洗い乾燥機2、調理機器100の排気を促進する送風手段105を有し、食器洗い乾燥機2は、洗浄槽3内の空気が排気される食洗排気口17と、食洗排気口17と調理機器100の吸気経路106とを接続する連結経路26を備えることで、加熱すすぎ工程後の乾燥工程で、送風手段105を動作すると、洗浄槽3内の空気が食洗排気口17から調理機器100の吸気経路106へと吸い出されていき、さらに、調理機器100の吸気経路106から送り込まれた外気と混合して、温度及び湿度が低下して、送風手段105、排気経路107へと流れていって、調理機器100外へ排出されていく。それゆえ、送風手段105に水滴が付着して故障することを低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般家庭における調理機器や食器洗い乾燥機(食洗とも言う)を備えた厨房機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の食器洗い乾燥機2および誘導加熱手段を備えた調理機器100(以降、誘導加熱調理機器100とする)を備えた厨房機器1は図11に示すような構成をしている。以下、その構成について説明する。
【0003】
まず、食器洗い乾燥機2は、図12(a)および図12(b)に示すように、前方に開口する食器洗い乾燥機2(固定側箱状体)内に、上方に開口する洗浄槽3(可動側箱状体)が収納される。洗浄槽3は、洗浄槽3の略底部に配置されるスライドレール6により、前後方向に移動可能で、食器洗い乾燥機2の前方開口部から引き出すことができるように構成されている。スライドレールは、食器洗い乾燥機2の両内側面2aに取り付けられた両固定レール4と、両固定レール4にそれぞれ滑動自在に装着され洗浄槽3の両外側面の下部に取り付けられる両可動レール5と、から構成される。
【0004】
洗浄槽3は、内部に食器やスプーンなどの被洗浄物7を収納する食器かご8を設けている。また、洗浄槽3内には、洗浄槽3内の洗浄水を加熱する加熱手段9(例えばシーズヒータなど)を設けるとともに、洗浄手段10(例えば洗浄ポンプ)が洗浄水を加圧して、洗浄ノズル11の噴射孔12より洗浄水を噴射し食器かご8に収納した被洗浄物7を洗浄するように構成している。給水弁13は水道水を洗浄槽3に供給するものである。洗浄槽3内の洗浄水は排水手段14により排水される。
【0005】
フィルタ15は洗浄槽3に設けられ、洗浄工程およびすすぎ工程において、残菜(被洗浄物7に汚れとして付着していた食品を「残菜」という)を捕集する。
【0006】
ファンユニット16は、乾燥工程で動作して食器洗い乾燥機2外の空気を送風経路21を介して洗浄槽3内に送風し、食洗排気口17より排気することにより、洗浄槽3内の被洗浄物7を乾燥させる。
【0007】
ダンパ18は、ファンユニット16から洗浄槽3内に送風がない場合食洗排気口17を閉じ、ファンユニット16から洗浄槽3内に送風がある場合洗浄槽3外へ出ようとする洗浄槽3内の空気の風圧により食洗排気口17を開くものである。
【0008】
温度検知手段19は、洗浄槽3を介して、洗浄水、空気および加熱手段9の温度を検知するものである。
【0009】
制御装置20は、給水弁13が洗浄槽3内に洗浄水を供給するのを制御したり、温度検知手段19の出力に基づいて加熱手段9を制御したりするとともに、洗浄手段10、給水弁13、排水手段14、ファンユニット16等を制御して、洗浄、すすぎ、乾燥の一連の工程を逐次制御するよう構成している。
【0010】
上記構成において動作を説明すると、利用者が食器洗い乾燥機2から洗浄槽3を引き出し、被洗浄物7を食器かご8に配置し、洗浄槽3に収納して洗剤を入れた後、洗浄槽3を食器洗い乾燥機2内に収納する。そして、運転を開始すると、まず排水手段14が動作して、前回の運転等で洗浄槽3内に残っている洗浄水(「残水」と呼ぶ)を食器洗い乾燥機
2外へ排出する。
【0011】
そして、給水弁13が動作して洗浄水を洗浄槽3に供給する。
【0012】
所定の洗浄水が供給されると、洗浄手段10が洗浄水を加圧し、洗剤が溶解した洗浄水が洗浄ノズル11に設けた噴射孔12から噴射される。こうして洗浄工程が行われる。この洗浄工程では洗浄槽3内に設けた加熱手段9に通電して、洗浄水を洗浄工程での所定温度まで加熱する。
【0013】
所定時間の洗浄工程を経ると、被洗浄物7から洗い落とされた汚れを含む洗浄水を、排水手段14により食器洗い乾燥機2外へ排出する。
【0014】
引き続いて、新たに洗浄水を供給して洗浄ノズル11に設けた噴射孔12から再び噴射して、洗剤や残菜等で汚れた被洗浄物7をすすぐぎを実行する。
【0015】
すすぎが終わると、洗浄水を再び食器洗い乾燥機2外へ排出する。このすすぎ工程は、洗浄ノズル11から洗浄水を噴射するすすぎ、排水、給水の順に行われ、連続して数回繰り返される。そして、最後に行われるすすぎ工程は、加熱手段9により洗浄水を所定温度(例えば60℃)まで加熱して被洗浄物7をすすぐものであり、この最後に行われるすすぎ工程を特に加熱すすぎ工程と呼ぶ。なお、洗浄、すすぎおよび加熱すすぎ工程において、残菜は洗浄槽3に設けたフィルタ15内に捕集される。
【0016】
また、洗浄、すすぎおよび加熱すすぎ工程では、ファンユニット16は洗浄槽3内に空気を送風しないので、ダンパ18は食洗排気口17を閉じたままである。そのため、洗浄槽3から蒸気Sが食洗排気口17から出て行くのを防止することができたり、洗浄ノズル11の噴射孔12から噴射された洗浄水が食器や洗浄槽3の壁面に衝突して発生する洗浄槽3内の騒音が食洗排気口17から出て行くのを低減したりすることができる(ただし、ダンパ18自身を通過していく騒音は削すことができない)。
【0017】
所定回数のすすぎ工程が終了すると乾燥工程が開始する。この工程では、ファンユニット16が動作して食器洗い乾燥機2外の空気が洗浄槽3内へ送り込まれる。送り込まれた空気は加熱手段9により加熱された後、被洗浄物7を乾燥させて、風圧により食洗排気口17を閉じているダンパ18が開いて食器洗い乾燥機2外へ出て行く。乾燥工程終了後、運転を終了する(特許文献1参照)。
【0018】
次に、誘導加熱調理機器100は、図11および図13(図13における図の上面にトッププレート101が載置される)に示すように、被加熱物を載置するトッププレート101の下部に、被加熱物を誘導加熱する誘導加熱コイル102を設けており、さらにその下部に誘導加熱コイル102等を制御する制御手段103、魚等を加熱調理するグリル部104を備えている。
【0019】
送風手段105は、吸気経路106から取り入れた外気を誘導加熱コイル102および制御手段103等に送風して冷却するものであり、誘導加熱コイル102および制御手段103等を冷却した空気は排気経路107から誘導加熱調理機器100外へ排気されるものである。
【0020】
誘導加熱調理機器100の動作は、まず、使用者が電源スイッチ108を入れ、トッププレート101の所定の位置に被加熱物を載置し、載置された被加熱物の略下部に配置された誘導加熱コイル102を動作させる加熱ボタン(図示しない)を押すことで、制御手段103が誘導加熱コイル102に通電して被加熱物を誘導加熱するものである。
【0021】
このとき、誘導加熱コイル102や制御手段103等は発熱したり、トッププレート101を介して被加熱物の熱を受け取ったりして高温になるので、制御手段103は送風手段105も同時に通電して動作させて、吸気経路106から外気を取り入れて誘導加熱コイル102や制御手段103等を冷却するものである。
【0022】
そして、使用者が誘導加熱コイル102の動作を止める停止ボタン(図示しない)を押すかまたは電源スイッチ108を切ることで、制御手段103は、誘導加熱コイル102や送風手段105への通電を止めて運転を終了する。
【0023】
この食器洗い乾燥機2および誘導加熱調理機器100は、キッチンキャビネットA内にビルトインするのが基本的な設置形態である。
【0024】
なお、各図において、矢印は空気の流れを表す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特許第3129316号公報
【特許文献2】特開2005−302407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
しかしながら、図11および図12(a)、図12(b)に示される従来の食器洗い乾燥機2の構成では、以下の課題がある。
【0027】
図12(a)に示すように、食器洗い乾燥機2は、乾燥工程で被洗浄物7を乾燥させるために、ファンユニット16により外気を洗浄槽3に供給して、洗浄槽3内の空気を食洗排気口17を介して洗浄槽3外へ送り出すことを行っている。しかし、外気をファンユニット16により洗浄槽3に送り込むために、洗浄槽3とファンユニット16を、送風経路21を介して連通状態の構成にする必要がある。
【0028】
送風経路21を介して洗浄槽3とファンユニット16を連通状態にすると、洗浄、すすぎおよび加熱すすぎ工程において、洗浄水が送風経路21内に入ってくるので、図12(a)に示すように、ファンユニット16を送風経路21の上方に配置して、ファンユニット16に洗浄水が浸入しないようにするが、洗浄、すすぎまたは加熱すすぎ工程では、洗浄水は加熱手段9により、各工程の所定温度に加熱されるので、洗浄水から発生する蒸気Sが送風経路21を介してファンユニット16に浸入してくることになる。
【0029】
ファンユニット16への蒸気Sの浸入に対する対策としても、ファンユニット16の電装部22が蒸気Sと接触しないような構成にファンケーシング23を形成したり、電装部22を樹脂で固めてしまって蒸気Sと接触してもトラッキング等のショートを起こさないように配慮したりする。しかし、図14に示すように、ファン24は電装部22から出ているシャフト25を介して回転するため、シャフト25とファンケーシング23には隙間Bが必ず発生してしまう。そのため、隙間Bから蒸気Sが浸入してシャフト25周辺に水滴が付着し、シャフト25周辺が腐食してしまってシャフト25およびファン24が回転しない恐れがあるという課題を有している(シャフト25や電装部22内にあるモータの回転部でありシャフト25を回転させるロータ、ロータを回転させるためのステータは板金で作られており、ロータとステータの板金間に水が浸入して腐食すると、さびが発生してロータとステータ間がくっついてしまって、ロータおよびシャフト25が回転しなくなる等の現象が生じてしまう)。
【0030】
ファン24が回転しないということは、乾燥工程で外気が洗浄槽3内に送り込まれないので、食器洗い乾燥機2の運転終了後に被洗浄物7が乾燥せず、所定の乾燥性能が得られないという問題が生じてしまうということになる。
【0031】
この問題を解決するために、洗浄水の蒸気Sがファンユニット16に浸入しない構成として図15に示すように、送風経路21に立ち上げ部分Uを設けた構成がある。
【0032】
しかしながら、食器洗い乾燥機2の、特に洗浄工程で、卵等のように、かき混ぜると泡立ちやすい汚染物が多く付着した被洗浄物7を洗浄した場合や、使用者が誤って中性洗剤を食器洗い乾燥機2に入れてしまった場合等は、洗浄水が泡立ってしまって、洗浄水の泡AWが送風経路21および立ち上げ部分U近傍にまで浸入していく場合がある。場合によっては泡AWが立ち上げ部分Uを乗り越えてファンユニット16に浸入する可能性がある。また、泡が浸入しない場合でも、洗浄水の泡AWが送風経路21の立ち上げ部分Uに浸入した状態で、使用者が食器洗い乾燥機2の運転を一時停止して洗浄槽3を勢いよく引き出したりすると、泡AWが送風経路21の立ち上げ部分Uを乗り越えてファンユニット16に浸入したりする場合がある。
【0033】
ファンユニット16に洗浄水の泡AWが浸入すると、蒸気Sがファンユニット16に浸入した場合と同じように、シャフト25とファンケーシング23の隙間Bから泡AWが浸入してシャフト25周辺に水滴が付着し、シャフト25周辺が腐食してしまってシャフト25およびファン24が回転しない恐れがあるという同じ課題を有してしまう。
【0034】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、厨房機器、特に食器洗い乾燥機の信頼性を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0035】
前記従来の課題を解決するため、本発明の厨房機器は、被洗浄物の洗浄、すすぎおよび乾燥を行う食器洗い乾燥機と排気を行う調理機器とを備えた厨房機器であって、調理機器は、内部に吸気を行う吸気経路と、吸気した空気を排気する排気経路と、吸気経路内に設けられる送風手段と、を有し、食器洗い乾燥機は、被洗浄物を収納する洗浄槽と、洗浄槽内に設けられ被洗浄物を洗浄する洗浄手段と、被洗浄物に供給される洗浄水および空気を加熱する加熱手段と、洗浄槽の内壁に設けられる食洗排気口と、食洗排気口と吸気経路とを接続する連結経路と、を備えるものである。
【0036】
これにより、送風手段を動作させると、調理機器の吸気経路から外気が送風手段に送り込まれるとともに、連結経路、食洗排気口を介して食器洗い乾燥機の洗浄槽内の空気が吸い出され、調理機器の排気経路から排出される。これにより、食器洗い乾燥機において、すすぎ工程終了後の乾燥工程において、送風手段を動作させることにより、洗浄槽内の空気が食洗排気口から調理機器の吸気経路へと吸い出されていき、さらに、調理機器の吸気経路から送り込まれた外気と混合されて、送風手段、排気経路へと流れていって、調理機器外へ排出されていく。
【0037】
それゆえ、洗浄槽内の高温多湿の空気は、食洗排気口、連結経路を介して吸気経路に送り込まれると、外気と混合されて低湿の空気になるので、送風手段は、食器洗い乾燥機の洗浄槽内の高温多湿の空気と接触することがなくなり、送風手段に水滴が結露して付着することを低減することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の厨房機器は、食器洗い乾燥機において、すすぎ工程が終了し、乾燥工程が開始
すると、送風手段を動作させることにより、洗浄槽内の空気が食洗排気口、連結経路を介して調理機器の吸気経路へと吸い出されていき、さらに、調理機器の吸気経路から送り込まれた外気と混合されて、送風手段、排気経路へと流れていって、調理機器外へ排出されていく。
【0039】
したがって、洗浄槽内の高温多湿の空気は、食洗排気口、連結経路を介して吸気経路に送り込まれると、外気と混合されて低湿の空気になるので、送風手段は、食器洗い乾燥機の洗浄槽内の高温多湿の空気と接触することがなくなり、送風手段に水滴が結露して付着することを低減することができ、送風手段が故障してしまって洗浄槽内の空気を排出することができないことを低減することができる。それゆえ、食器洗い乾燥機の運転終了後に被洗浄物の所定の乾燥性能が得られないことを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施例の厨房機器の構成図
【図2】(a)同厨房機器における食器洗い乾燥機の前後方向の縦断面図(b)同食器洗い乾燥機の左右方向の縦断面図
【図3】(a)同厨房機器における調理機器および同食器洗い乾燥機の送風手段周辺の部分断面図(b)同厨房機器の上方から見た同調理機器および同食器洗い乾燥機の部分断面図
【図4】(a)同食器洗い乾燥機の乾燥工程における送風手段による空気の流れを表す同調理機器の縦断面図(b)同調理機器の被加熱物を加熱する場合の送風手段による空気の流れを表す縦断面図
【図5】同調理機器の送風手段を排気経路近傍に配置した場合の平面図
【図6】(a)同調理機器で被加熱物を加熱しない場合の同食器洗い乾燥機の運転に対する洗浄槽内の温度変化を示す図(b)同調理機器で被加熱を加熱する場合の同食器洗い乾燥機の運転に対する洗浄槽内の温度変化を示す図
【図7】(a)同調理機器で被加熱物を加熱しない場合の同食器洗い乾燥機の乾燥工程における洗浄槽内の温度変化および加熱手段の通電−非通電を示す図(b)同調理機器で被加熱物を加熱する場合の同食器洗い乾燥機の乾燥工程における洗浄槽内の温度変化および加熱手段の通電−非通電を示す図
【図8】(a)同厨房機器の連結経路に開閉弁を設けた場合の同調理機器および同食器洗い乾燥機の送風手段周辺の部分断面図(b)同厨房機器の連結経路に開閉弁を設けた場合の上方から見た同調理機器および同食器洗い乾燥機の部分断面図
【図9】(a)同厨房機器の連結経路に開放部を設けた場合の同調理機器および同食器洗い乾燥機の送風手段周辺の部分断面図(b)同厨房機器の連結経路に開放部を設けた場合の上方から見た同調理機器および同食器洗い乾燥機の部分断面図
【図10】同食器洗い乾燥機を同調理機器の略下方に配置した場合の縦断面図
【図11】従来の厨房機器の構成図
【図12】(a)従来の食器洗い乾燥機の前後方向の縦断面図(b)同食器洗い乾燥機の左右方向の縦断面図
【図13】従来の誘導加熱調理機器の縦断面図および斜視図
【図14】従来の食器洗い乾燥機のファンユニットの構成図
【図15】従来の食器洗い乾燥機の送風経路に立ち上げ部分を設けた場合の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0041】
第1の発明は、被洗浄物の洗浄、すすぎおよび乾燥を行う食器洗い乾燥機と排気を行う調理機器とを備えた厨房機器であって、調理機器は、内部に吸気を行う吸気経路と、吸気した空気を排気する排気経路と、吸気経路内に設けられる送風手段と、を有し、食器洗い乾燥機は、被洗浄物を収納する洗浄槽と、洗浄槽内に設けられ被洗浄物を洗浄する洗浄手段と、被洗浄物に供給される洗浄水および空気を加熱する加熱手段と、洗浄槽の内壁に設
けられる食洗排気口と、食洗排気口と吸気経路とを接続する連結経路と、を備えるものであある。これにより、送風手段を動作させると、調理機器の吸気経路から外気が送風手段に送り込まれるとともに、連結経路、食洗排気口を介して食器洗い乾燥機の洗浄槽内の空気が吸い出され、調理機器の排気経路から排出される。そのため、すすぎ工程が終了後の乾燥工程において、送風手段を動作させることにより、洗浄槽内の空気が食洗排気口から調理機器の吸気経路へと吸い出されていき、さらに、調理機器の吸気経路から送り込まれた外気と混合されて、送風手段、排気経路へと流れていって、調理機器外へ排出されていく。それゆえ、洗浄槽内の高温多湿の空気は、食洗排気口、連結経路を介して吸気経路に送り込まれると、外気と混合して低湿の空気になるので、送風手段は、食器洗い乾燥機の洗浄槽内の高温多湿の空気と接触することがなくなり、送風手段に水滴が結露して付着することを低減することができ、食器洗い乾燥機の信頼性を向上させることができる。
【0042】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記食洗排気口が前記食器洗い乾燥機に外気を送り込む食洗吸気経路よりも少なくとも高い位置に配置され、前記送風手段が前記食洗排気口と略同等以上の高さに配置されるものである、これにより、洗浄工程において洗浄水が泡立ってしまっても、発生した泡は食洗排気口に到達する前に食洗吸気経路へ送られて食洗吸気経路から洗浄槽外へ排出される。そのため、洗浄水の泡が吸気経路内の送風手段に到達することはなく、送風手段が洗浄水の泡と接触することを抑制することができる。それゆえ、洗浄工程中に洗浄水から発生する泡等により、送風手段が故障してしまって洗浄槽内の空気を排出することができないことを低減することができ、食器洗い乾燥機の運転終了後に被洗浄物の所定の乾燥性能が得られないことを低減することができる。
【0043】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の調理機器の制御手段が、吸気経路と連結経路との接続部分より上流側の吸気経路内に配置されているものである。これにより、送風手段が動作することで生み出される空気の流れは、調理機器内では、吸気経路、制御手段、送風手段、排気経路へと流れていくことになる。したがって、制御手段と送風手段の間に配置される連結経路から誘導加熱調理機器に送り込まれる食器洗い乾燥機の洗浄槽内の高温多湿の空気や蒸気は、送風手段、排気経路へと流れていき、高温多湿の空気や蒸気が制御手段に浸入するのを防止することができ、制御手段や厨房機器の信頼性を向上させることができる。
【0044】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明の吸気経路は、上流側の第1の吸気経路部と下流側の第2の吸気経路部とを備え、第1の吸気経路部内に制御手段を配置し、第2の吸気経路部に連結経路を接続するものである。これにより、同一の吸気経路内に、制御手段と食器洗い乾燥機の食洗排気口から排出される高温多湿の空気や蒸気とを共存させることがないので、制御手段に高温多湿の空気や蒸気が浸入して結露等により水滴が付着し、制御手段が壊れてしまうのをより防止することができ、制御手段や厨房機器の信頼性をより向上させることができる。
【0045】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明の食器洗い乾燥機の洗浄工程、すすぎ工程、加熱すすぎ工程又は乾燥工程中に調理機器が動作する場合は、食器洗い乾燥機の運転時間を延長するものである。洗浄、すすぎ、加熱すすぎ工程中に、調理機器を使用者が動作させると、送風手段が動作するので、洗浄槽内の高温多湿の空気が吸い出されて食器洗い乾燥機外の空気が洗浄槽内に送り込まれることになる。これにより、高温の空気が吸い出されて室温の外気が送り込まれた分だけ洗浄槽内の温度が下がってしまい、各工程の所定時間では洗浄水を所定温度まで加熱することができなくなってしまう。しかし、第5の発明では、各工程の運転時間を延長するので、洗浄、すすぎ、加熱すすぎ工程中に洗浄水を各工程の所定温度まで加熱することができ、調理機器を動作させても所定の洗浄性能を得ることができる。
【0046】
また、乾燥工程中に、使用者が調理機器を動作させると、制御手段は加熱コイルや制御手段を冷却するために送風手段を動作させる。この時、加熱コイルや制御手段を冷却するには多くの風量が必要なので、送風手段のファンは高回転で回転することになり、食器洗い乾燥機の洗浄槽からも多くの空気を吸い出そうとする。しかし、乾燥工程において、所定の乾燥性能を得るために必要な時間だけ運転時間を延長すれば、乾燥工程中に調理機器を動作させても所定の乾燥性能を得ることができる。
【0047】
以上より、食器洗い乾燥機の運転中に調理機器を動作させても所定の性能を得ることができる。
【0048】
第6の発明は、特に、第5の発明の食器洗い乾燥機の乾燥工程中に調理機器が動作する場合は、食器洗い乾燥機の加熱手段の通電量を増加させるものである。これにより、送風手段が調理機器を動作させない場合よりも高回転で回転することになり、多くの外気が洗浄槽内の加熱手段に供給されても、加熱手段の通電量は増加しているため、外気を所定の温度まで加熱することができる。このため、被洗浄物に供給される空気の温度を所定温度にすることができ、乾燥工程の運転時間を延長しなくても所定の乾燥性能を得ることができる。
【0049】
第7の発明は、特に、第5の発明の洗浄槽内壁に設けられ洗浄槽内に吸気される外気が通過する食洗吸気口は、洗浄工程又はすすぎ工程又は加熱すすぎ工程における洗浄水の水位より高い位置に形成されるものである。これにより、洗浄工程またはすすぎ工程または加熱すすぎ工程中に送風手段が動作しても、洗浄水により水封された食洗吸気経路から外気が洗浄槽内に入ってこない。そのために、連結経路、食洗排気口を介して洗浄槽内の空気が吸い出されることを防止することができ、洗浄水を各工程の所定の時間で各工程の所定温度まで加熱することができる。
【0050】
第8の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明の連結経路を開閉する開閉弁を連結経路に設け、開閉弁は少なくとも乾燥工程で連結経路を開放するように制御されるものである。これにより、送風手段へは乾燥工程の時だけ食器洗い乾燥機の洗浄槽内の空気が供給されることになるので、洗浄、すすぎおよび加熱すすぎ工程時に、被加熱物を調理するために送風手段を動作させても、洗浄槽内の空気が吸い出されることを著しく低減させることができる。そのため、洗浄水を所定の時間で所定温度まで加熱することができ、食器洗い乾燥機の運転を所定の時間で終了させることができる。
【0051】
それゆえ、1個の送風手段で、確実に洗浄水を所定の運転時間と所定の消費電力量で加熱することができる。
【0052】
第9の発明は、特に、第8の発明の送風手段は、食器洗い乾燥機の乾燥工程中に調理機器が動作する場合、食器洗い乾燥機の乾燥工程中に調理機器が動作しない場合より多くの送風を行い、開閉弁は、食器洗い乾燥機の乾燥工程中に調理機器が動作する場合、食器洗い乾燥機の乾燥工程中に調理機器が動作しない場合よりも連結経路の開く割合を小さくしたものである。これにより、送風手段が生み出す様々な風量に対して、送風手段が洗浄槽から吸い出す空気の量が一定になるように開閉弁が連結経路を開く面積を調整することができる。そのために、食器洗い乾燥機の食洗排気口から排気される空気の量の変動を低減することができ、所定の時間で、加熱手段の通電量を増やすことなく、所定の乾燥性能を得ることができる。
【0053】
第10の発明は、特に、第1〜第9のいずれか1つの発明の少なくとも連結経路の一部に、洗浄槽から排気される空気と外気とを混合するための開放部を設けたものである。これにより、連結経路には洗浄槽内の空気と食器洗い乾燥機外の外気が流れて混合すること
になる。そのために、洗浄工程またはすすぎ工程または加熱すすぎ工程または乾燥工程において、洗浄槽内の高温多湿の空気や蒸気が吸い出されて連結経路内に浸入したとき、連結経路内で、開放部から入ってくる外気と混合されて湿度が低くなる。そうして、吸気経路へ供給されることになるので、調理機器内を高温多湿の空気や蒸気が流れないことになり、調理機器内に洗浄槽から供給される空気や蒸気が結露することを防止することができ、調理機器の信頼性を向上させることができる。
【0054】
第11の発明は、特に、第1〜第10のいずれか1つの発明の食器洗い乾燥機は、調理機器の略下方に配置されたものであり、調理機器の吸気経路の略下方に食器洗い乾燥機の食洗排気口を配置することができるので、連結経路の長さをより短くすることができる。さらに、食器洗い乾燥機の洗浄槽から排出される高温多湿の空気や蒸気は温度が高いので、上昇気流により自らの力で食器洗い乾燥機の食洗排気口から連結経路および調理機器の吸気経路へと移動していくことになり、連結経路を通過する空気の経路損失を低減することができ、調理機器の送風手段の能力を向上させなくても、すなわち、従来と同等の送風手段で食器洗い乾燥機からの所定量の排出風量を確保することができる。
【0055】
以下、本発明の第1の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。また、図における矢印は空気の流れを示すものである。
【0056】
(実施の形態1)
まず、図1に示す食器洗い乾燥機2および誘導加熱調理機器100を備えた厨房機器1において、食器洗い乾燥機2について説明する。
【0057】
図2(a)および図2(b)に示すように、食器洗い乾燥機2(固定側箱状体)内に、上方に開口された洗浄槽3(可動側箱状体)が収納される。
【0058】
洗浄槽3は、洗浄槽3の略底部に配置されるスライドレール6により、前後方向に移動可能で、食器洗い乾燥機2の前方開口部から引き出すことができるように構成されている。スライドレールは、食器洗い乾燥機2の両内側面2aに取り付けられた両固定レール4と、両固定レール4にそれぞれ滑動自在に装着され洗浄槽3の両外側面の下部に取り付けられる両可動レール5と、から構成される。
【0059】
食器、箸、鍋などの被洗浄物7を配置する食器かご8を収納する洗浄槽3内には、洗浄水を加熱する加熱手段9(例えばシーズヒータやPTCヒータなど)が設けられている。また、洗浄槽3の略下面の外壁に配置された洗浄手段10(例えば、洗浄排水兼用ポンプや洗浄専用ポンプ)は、洗浄水を加圧するものである。洗浄手段10により加圧された洗浄水は、洗浄槽3内に設けられた洗浄ノズル11の噴射孔12より噴射される。洗浄槽3内の洗浄水は給水弁13から洗浄槽3に給水され、排水手段14(例えば、洗浄排水兼用ポンプや排水専用ポンプ)により排水されるものである。
【0060】
洗浄槽3の貯水部内31に設けられるフィルタ15は、被洗浄物7を洗浄する洗浄工程および被洗浄物7をすすぐすすぎ工程で、洗浄水が通過して洗浄水中の残菜(被洗浄物7に汚れとして付着していた食品を「残菜」という)を捕集する。
【0061】
洗浄槽3に設けられた食洗排気口17は、図3(a)、図3(b)、図4(a)および図4(b)に示すように、連結経路26を介して誘導加熱調理機器100の吸気経路106に接続する。
【0062】
ダンパ18は、送風手段105が動作していない場合などで洗浄槽3内の空気が洗浄槽
3内から出て行かない場合は食洗排気口17を閉じている。また、送風手段105が動作する場合などで洗浄槽3内の空気が洗浄槽3内から出て行こうとする場合は、ダンパ18は洗浄槽3外へ出ようとする洗浄槽3内の空気の風圧により食洗排気口17を開くものである。
【0063】
温度検知手段19は、洗浄槽3の下面外壁に設けられ、洗浄槽3内の洗浄水、空気および加熱手段9の温度を検知するものである。
【0064】
制御装置20は、給水弁13が洗浄槽3内に洗浄水を供給するのを制御したり、温度検知手段19の出力に基づいて加熱手段9を制御したりするとともに、洗浄手段10、給水弁13、排水手段14等を制御して、洗浄、すすぎ、乾燥の一連の工程を逐次制御するよう構成している。
【0065】
なお、洗浄槽3は食洗吸気経路27を介して食器洗い乾燥機2外と連通状態にある。
【0066】
次に、誘導加熱調理機器100(調理機器)は、図1、図3(a)、図3(b)、図4(a)および図4(b)に示すように、被加熱物を載置するトッププレート101の下部に、被加熱物を誘導加熱する誘導加熱コイル102を、さらにその下部に誘導加熱コイル102等を制御する制御手段103、魚等を加熱調理するグリル部104を備えている。
【0067】
送風手段105は、図4(a)に示すように、吸気経路106から取り入れた外気を誘導加熱コイル102および制御手段103等に送風して冷却するものであり、誘導加熱コイル102および制御手段103等を冷却した空気は排気経路107から誘導加熱調理機器100外へ排気されるものである。ここで、吸気経路106と排気経路107とは、誘導加熱コイル102において接続しており、誘導加熱コイル102より上流側を吸気経路、下流側を排気経路107とする。
【0068】
一方で、図3(a)、図3(b)、図4(a)および図4(b)に示すように連結経路26を設けて、送風手段105を動作させることにより、ダンパ18が開き、食洗吸気経路27を介し、洗浄槽2の内側壁の底部に形成される食洗吸気口32から外気が洗浄槽3内に供給される。さらに、食器洗い乾燥機2の洗浄槽3内の空気が、食洗排気口17、連結経路26を介して吸い出されて吸気経路106へと流れていく。同時に、吸気経路106からも外気が送り込まれるので、洗浄槽3内の空気と外気が連結経路26と吸気経路106との接続部分で混合されて送風手段105へ供給され、誘導加熱調理機器100の排気経路107から排出されるものである。
【0069】
そのため、送風手段105は、少なくとも2段階の送風能力を持ち、誘導加熱調理機器100が運転している場合、誘導加熱コイル102および制御手段103等に送風して冷却する必要があるので、多くの風量が必要となる。この場合は、送風手段105のファンの回転数を増やして多くの風量(例えば、1m3/min)を誘導加熱コイル102および制御手段103等に供給する。一方で、食器洗い乾燥機2の洗浄槽3内の空気を吸い出すだけの場合は、誘導加熱コイル102および制御手段103等に送風する場合ほどの風量は必要ではないので、送風手段105はファンの回転数を少なくする(例えば、0.2m3/minの風量が発生する程度のファンの回転数)。
【0070】
制御手段103は、吸気経路106内に設けられ、図3(a)、図3(b)、図4(a)および図4(b)に示すように、連結経路26は少なくとも制御手段103と送風手段105の間に接続されるものである。つまり、吸気経路106は、吸気を行う吸気口、制御手段103、吸気経路106と連結経路26との接続部分、及び送風手段105の順に構成されて、排気経路107とつながる。
【0071】
排気経路107の出口は、図1、図3(a)、図3(b)、図4(a)および図4(b)に示すように、誘導加熱調理機器100の略背面側に配置されるものである。
【0072】
この食器洗い乾燥機2および誘導加熱調理機器100を備えた厨房機器1は、図1に示すように、キッチンキャビネットA内にビルトインするのが基本的な設置形態である。
【0073】
上記構成において動作を説明すると、利用者が食器洗い乾燥機2から洗浄槽3を引き出し、被洗浄物7を食器かご8に配置し、洗浄槽3を食器洗い乾燥機2内に収納する。その後、洗剤を入れ、洗浄槽3を食器洗い乾燥機2内に収納して運転を開始する。その後、制御手段20が、排水手段14が動作させて、前回の運転等で洗浄槽3内に残っている洗浄水(「残水」と呼ぶ)を食器洗い乾燥機2外へ排出する。
【0074】
次に、給水弁13が動作して所定量の洗浄水を洗浄槽3に供給する。
【0075】
所定量の洗浄水が供給されると、洗浄手段10により洗浄水が加圧され、洗剤が溶解している洗浄水が洗浄ノズル11に設けた噴射孔12から被洗浄物7に噴射される。こうして洗浄工程が行われる。この洗浄工程では洗浄槽3内に設けられる加熱手段9に通電して、洗浄水を洗浄所定温度まで加熱する。
【0076】
洗浄工程が所定時間行われると、排水手段14が動作して、被洗浄物7から洗い落とされた汚れを含む洗浄水が、食器洗い乾燥機2外へ排出される。そして、新たに給水弁13が開いて洗浄水が供給され、洗浄手段10が動作して、洗浄ノズル11に設けた噴射孔12から再び洗浄水が噴射されて、洗剤や残菜等が付着している被洗浄物7をすすぐ工程が開始される。
【0077】
すすぎが終わると、洗浄水を再び食器洗い乾燥機2外へ排出する。洗浄水を被洗浄物7に噴射するすすぎ、排水、給水を順に行うすすぎ工程は、連続して数回繰り返される。そして、加熱手段9により洗浄水を所定温度(例えば60℃)まで加熱して被洗浄物7をすすぐ加熱すすぎ工程を、複数回行われるすすぎ工程の最後に行う。なお、洗浄、すすぎおよび加熱すすぎ工程において、残菜は洗浄槽3に設けたフィルタ15内に捕集される。
【0078】
所定回数のすすぎ工程が終了すると乾燥工程が開始する。乾燥工程では、送風手段105が動作して、連結経路26、ダンパ18、食洗排気口17を介して洗浄槽3内の空気が吸い出されるので、食器洗い乾燥機2外の空気が食洗吸気経路27を介して洗浄槽3内へ送り込まれる。送り込まれた空気は、加熱手段9により加熱された後、被洗浄物7の水分を吸収し乾燥させて食洗排気口17および連結経路26、送風手段105、排気経路107を介して誘導加熱調理機器100外へ排出される。乾燥工程終了後、運転が終了する。
【0079】
誘導加熱調理機器100の動作は、まず、使用者が電源スイッチ108を入れ、トッププレート101の所定の位置に被加熱物を載置し、載置された被加熱物の略下方に配置される誘導加熱コイル102を動作させる加熱ボタン(図示しない)を押すことで、制御手段103が誘導加熱コイル102に通電して制御し、被加熱物を誘導加熱するものである。
【0080】
このとき、誘導加熱コイル102や制御手段103等は発熱したりトッププレート101を介して被加熱物から熱を受け取ったりする。このため、制御手段103は、送風手段105も同時に通電して動作させて、吸気経路106から外気を取り入れて誘導加熱コイル102や制御手段103等を冷却するものである。そして、誘導加熱コイル102や制御手段103等を冷却した空気は排気経路107を介して誘導加熱調理機器100外へ排
出されていく。
【0081】
使用者が誘導加熱コイル102の動作を止める停止ボタンを押すかまたは電源スイッチ108を切ることで、制御手段103は、誘導加熱コイル102や送風手段105への通電を止めて運転を終了する。
【0082】
このように構成された本実施例によれば、図1〜図4に示すように、食器洗い乾燥機2の食洗排気口17と誘導加熱調理機器100の吸気経路106とを連結する連結経路26を備えることにより、送風手段105を動作させると、連結経路26、ダンパ18、食洗排気口17を介して食器洗い乾燥機2の洗浄槽3内の空気が吸い出され、誘導加熱調理機器100の排気経路107から排出される。これにより、食器洗い乾燥機2において、加熱すすぎ工程が終了し、乾燥工程が開始すると、送風手段105を動作させることにより、洗浄槽3内の空気が食洗排気口17から誘導加熱調理機器100の吸気経路106へと吸い出され、さらに、送風手段105、排気経路107へと流れていって、誘導加熱調理機器100外へ排出されていく。
【0083】
それゆえ、図1に示すように、食器洗い乾燥機2の前面に排気口を設ける必要がないので、食器洗い乾燥機2の洗浄槽3内の空気は台所の使用者側に向かって直接排気されずに、誘導加熱調理機器100の排気経路107から排出される。そのため、乾燥工程で洗浄槽3内に存在する高温多湿の空気および蒸気Sは台所の使用者が立つ周辺に直接排気されずに、台所に立つ使用者の周辺から離れた台所の奥側に排気され、使用者が台所で立つ周辺が高温多湿状態になったり蒸気Sで充満してしまって使用者に不快感を与えるのを低減することができる。
【0084】
また、乾燥工程で、加熱手段9に通電することにより、加熱手段9に付着した残菜が焦げ付いて発生する臭気が台所に立つ使用者の周辺に向かって直接排気されずに、食洗排気口17、連結経路26を介して台所の使用者が立つ周辺から離れた奥側にある誘導加熱調理機器100の排気経路107から排出されるので、使用者が台所で立つ周辺が臭くなって使用者に不快感を与えるのを低減することができる。
【0085】
さらに、洗浄工程やすすぎ工程、加熱すすぎ工程において、洗浄ノズル11の噴射孔12から噴射した洗浄水が被洗浄物7や洗浄槽3と衝突する衝突音が食洗排気口17から台所の使用者が立つ周辺に直接出て行かずに、連結経路26を介して台所の使用者が立つ周辺から離れた奥側にある誘導加熱調理機器100の排気経路107から出て行く。そのため、食器洗い乾燥機2の運転音が直接台所の使用者が立つ周辺に向かって出て行き、使用者にうるさいという不快感を与えるのを低減することができる。
【0086】
また、送風手段105を動作させることにより、食洗吸気経路27から外気が洗浄槽3内に供給されて、さらに、食洗排気口17、連結経路26を介して食器洗い乾燥機2の洗浄槽3内の空気が吸い出されて吸気経路106へと流れていく。同時に、吸気経路106からも外気が送り込まれるので、洗浄槽3内の空気と外気が混合されて送風手段105へ供給され、誘導加熱調理機器100の排気経路107から排出される。それゆえ、洗浄槽3から連結経路26を介して吸気経路106へ供給される高温多湿の空気は、吸気経路106から供給される外気により低湿の空気になった後で送風手段105に供給される。そのため、洗浄槽3から吸い出される高温多湿の空気や蒸気S等により、送風手段105が故障してしまって洗浄槽3内の空気を吸い出すことができないことを低減することができ、乾燥工程で、確実に外気を洗浄槽3内に供給して洗浄槽3内の空気を排出することができる。このように、洗浄手段105の不具合により、食器洗い乾燥機2の運転終了後に被洗浄物7の所定の乾燥性能が得られないことを低減することができる。
【0087】
なお、洗浄槽3内の空気を吸い出す送風手段105は、誘導加熱調理機器100内にあり、且つ洗浄、すすぎおよび加熱すすぎ工程では、食洗排気口17は、食洗排気口17の外側に設けられたダンパ18により閉じられている。そのため、洗浄、すすぎおよび加熱すすぎ工程で発生する蒸気Sは、ダンパ18が閉じている場合食洗排気口17から出て行かず、送風手段105が蒸気Sと接触して、送風手段105に蒸気Sが結露して付着することを低減することができる。
【0088】
さらに、図2(a)に示すように、食洗排気口17が食洗吸気経路27よりも高い位置になるように配置され、送風手段105は誘導加熱調理機器100内の洗浄槽3の食洗排気口17と同等以上の高さになるように吸気経路106内に配置されるように構成している。これにより、洗浄工程において洗浄水が泡立ってしまっても、発生した泡は、食洗排気口17に到達する前に、食洗吸気経路27へ入り込み食洗吸気経路27から洗浄槽外へ排出される。したがって、洗浄水の泡は、食洗排気口17に到達しない。
そのために、洗浄水の泡が食洗排気口17および送風手段105に到達することを抑制でき、送風手段105が洗浄水の泡と接触することを防止することができる。
【0089】
それゆえ、洗浄水から発生する泡等により、送風手段105に水滴が付着して送風手段105が故障してしまって洗浄槽3内の空気を吸い出すことができないことを低減することができ、乾燥工程で、外気を洗浄槽3内に供給して洗浄槽3内の空気を排出することができるので、食器洗い乾燥機2の運転終了後に被洗浄物7の所定の乾燥性能が得られないことを低減することができる。
【0090】
なお、送風手段105は、少なくとも2段階の送風能力を持ち、誘導加熱コイル102および制御手段103等に送風して冷却する場合は、図4(a)に示すように、送風手段105のファンの回転数を増やして多くの風量を誘導加熱コイル102および制御手段103等に供給する。一方、食器洗い乾燥機2の洗浄槽3内の空気を吸い出すだけの場合は、図4(b)に示すように、送風手段105のファンの回転数を少なくして送風手段105が供給する風量を少なくする(例えば、0.2m3/minの風量)ことにより、誘導加熱調理機器100の送風手段105を用いて誘導加熱調理機器100の加熱コイル102や制御手段103の冷却も、食器洗い乾燥機2の被洗浄物7の乾燥も行うことができる。それゆえ、食器洗い乾燥機2に送風手段を別途設ける必要がなく、食器洗い乾燥機2の送風手段や送風経路をなくした分だけ洗浄槽3を拡大することができ、被洗浄物7をより多く収納することができる。それゆえ、食器洗い乾燥機2の使い勝手を向上させることができる。
【0091】
また、従来例と同様に、送風手段105の電装部を樹脂で固めてしまったり、空気の流れる方から水が電装部に浸入しないように構成したりするとなお良いことは言うまでもない。
【0092】
さらに、制御手段103は、吸気経路106と連結経路26との接続部分より上流側の吸気経路106内に配置されている。これにより、図4(a)および図4(b)に示すように、送風手段105が動作することで生み出される空気の流れは、誘導加熱調理機器100内では、吸気経路106、制御手段103、送風手段105、排気経路107へと流れていくことになる。さらに、連結経路26は、制御手段103と送風手段105との間の部分の吸気経路106に連結する。したがって、誘導加熱調理機器100に送り込まれる食器洗い乾燥機2の洗浄槽3内の高温多湿の空気や蒸気Sは、より上流側にある制御手段103に浸入することを抑制し、送風手段105、排気経路107へと流れていって誘導加熱調理機器100外へと排出することができる。それゆえ、高温多湿の空気や蒸気Sが制御手段103に浸入するのを防止することができ、厨房機器1の信頼性を向上させることができる。
【0093】
なお、図4及び図5では、送風手段105を吸気経路106のうち誘導加熱調理機器100の排気経路107との連結部分近傍に配置し、連結経路26を送風手段105近傍で吸気経路106に下方から連結するように配置する。この構成により、連結経路26から送られてくる高温多湿の食器洗い乾燥機2の排気は、送風手段105が配置されている空間において、吸気経路106内を流れる外気と混合する。そのため、洗浄槽3から排出される高温多湿の空気や蒸気Sは、吸気経路106に送られてすぐに外気と混同し、温度及び湿度が低くなるため、誘導加熱調理機器100内をほとんど通過することなく、誘導加熱調理機器100内から排出される。よって、誘導加熱調理機器100内の部品等に蒸気S等の結露水が付着しなくなり、より誘導加熱調理機器100の信頼性を向上させることができる。
【0094】
さらに、図4(a)および図4(b)に示すように、誘導加熱調理機器100の吸気経路106は、吸気経路のうち上流側を構成する第1の吸気経路部112と下流側を構成する第2の吸気経路部113とを備える。制御手段103は第1の吸気経路部112の内部に配置される。さらに、第2の吸気経路部113に連結経路26を接続することにより、同一の吸気経路内に制御手段103と、食器洗い乾燥機2の食洗排気口17から排出される高温多湿の空気や蒸気Sとを共存させることをなくすことができる。そのため、制御手段103に高温多湿の空気や蒸気Sが浸入して結露等により水滴が付着して、制御手段103が壊れてしまうのをより防止することができ、制御手段103や厨房機器1の信頼性をより向上させることができる。
【0095】
さらに、図6(a)に示すように、食器洗い乾燥機2内の加熱手段9が洗浄槽3内の空気又は水を加温している途中など、食器洗い乾燥機2側として送風手段105の動作を必要としていない場合の各工程において、使用者が誘導加熱調理機器100を動作させると、誘導加熱コイル102などを冷やすために送風手段105が動作する。このとき、洗浄槽3内の高温多湿の空気が吸い出されて食器洗い乾燥機2外の空気が洗浄槽3内に送り込まれることになる。そのため、図6(b)に示すように、洗浄槽2内の高温の空気が吸気経路106内へ吸い出されて、洗浄槽2内の空気より低温の外気が洗浄槽2内に送り込まれる。したがって、その分だけ洗浄槽3内の空気の温度が下がってしまい、洗浄槽2内に水がある場合は水の温度も下がってしまう。このように、各工程で定められている所定時間内に洗浄水を所定温度まで加熱することができなくなってしまう。
【0096】
また、乾燥工程中に、使用者が誘導加熱調理機器100を動作させると、制御手段103は加熱コイル102や制御手段103を冷却するために送風手段105を動作させる。この時、加熱コイル102や制御手段103を冷却するには多くの風量(例えば、1m3/min)が必要なので、送風手段105のファンは、高回転で回転することになり、食洗排気口17、連結経路26を介して食器洗い乾燥機2の洗浄槽3からも多くの空気を吸い出そうとする。食器洗い乾燥機2の洗浄槽3の空気が所定量よりも多く吸い出されると、食洗吸気経路27から洗浄槽3および加熱手段9に供給される外気が多くなって、加熱手段9により加熱される空気の温度が所定温度よりも低くなってしまう。そのため、被洗浄物7に供給される空気の温度が低くなるので、被洗浄物7の水滴が蒸発しにくくなってしまい、所定の乾燥性能が得られなくなってしまう。
【0097】
そこで、図6(b)に示すように、制御装置20が各工程の運転時間を延長してトータルΔt(Δt=(ta−t1)+(tb−t2)+(tc−t3)+(td−t4)+(te−t5))だけ運転時間を延長するようにすれば、洗浄、すすぎ、加熱すすぎ工程中に洗浄水を各工程の所定温度まで加熱することができるので、誘導加熱調理機器100を動作させても所定の洗浄性能を得ることができる。
【0098】
また、乾燥工程においても、所定の乾燥性能が得られるように乾燥工程時間が延長されるので、乾燥工程中に誘導加熱調理機器100を動作させても所定の乾燥性能を得ることができる。
【0099】
以上より、食器洗い乾燥機2の運転中に誘導加熱調理機器100を動作させても所定の性能を得ることができる。
【0100】
さらに、上記のように乾燥工程中に、使用者が誘導加熱調理機器100を動作させた場合でも、加熱手段9により加熱される外気の温度が所定温度になるように加熱手段9の通電量を増加させてもよい。例えば、加熱手段9の通電を、誘導加熱調理機器100が動作しない場合は、図7(a)に示すように、th1秒ON、th2秒OFFの時間周期で行うのを、誘導加熱調理機器100が動作する場合は図7(b)に示すように、th2秒ON、th1秒OFF(th3>th1、th4<th2、th1+th2=th3+th4 この等式が成立する具体例を追加しました)、又は、th3秒ON、th4秒OFFの時間周期で行ったりすることもできる。これにより、誘導加熱調理機器100を動作させない場合よりも多くの外気が加熱手段9に供給されても、外気を所定の温度まで加熱することができ、被洗浄物7に所定の温度の空気を供給することができるので、乾燥工程の運転時間を延長しなくても所定の乾燥性能を得ることができる。
【0101】
なお、食器洗い乾燥機2の洗浄工程またはすすぎ工程または加熱すすぎ工程または乾燥工程中に、誘導加熱調理機器100を使用者が動作させる場合は、食器洗い乾燥機2の運転を停止し、誘導加熱調理機器100の動作が終了した後、食器洗い乾燥機2の運転を再開するようにしてもよい。
【0102】
さらに、図2(a)に示すように、洗浄工程またはすすぎ工程または加熱すすぎ工程において、洗浄槽3内に食器洗い乾燥機2外の空気を送り込む食洗吸気経路27の食洗吸気口32を、各工程で供給される洗浄水Wで水封するようにしてもよい。具体的には、食洗吸気口32が、洗浄、すすぎ、又は加熱すすぎ工程における洗浄水の水位Wの最低高さより高くなるように形成する。この構成により、洗浄工程またはすすぎ工程または加熱すすぎ工程中に送風手段105が動作しても、食洗吸気経路27を介し食洗吸気口32から外気が洗浄槽3内に入ってこない。したがって、連結経路26、食洗排気口17を介して洗浄槽3内の空気が吸い出されることを防止することができ、洗浄水を各工程の所定の時間で各工程の所定温度まで加熱することができる。
【0103】
さらに、図8(a)および図8(b)に示すように連結経路26に開閉弁28を設けて、開閉弁28は食器洗い乾燥機2の乾燥工程では連結経路26を開放し、それ以外では閉じるようにしてもよい。この場合、食器洗い乾燥機2側の制御手段20と誘導加熱調理機器100側の制御手段103とを赤外線通信することで、食器洗い乾燥機2と誘導加熱調理機器100との運転状況の情報をやりとりすることで、開閉弁28の開閉を制御手段20で制御することができる。これにより、送風手段105へは乾燥工程の時だけ食器洗い乾燥機2側から空気が供給されることになるので、洗浄、すすぎおよび加熱すすぎ工程時に、被加熱物を調理するために、送風手段105を動作させても、洗浄槽3内の空気が吸い出されることはないので、洗浄水を所定の時間で所定温度まで加熱することができ、食器洗い乾燥機2の運転を所定の時間で終了させることができる。
【0104】
それゆえ、1個の送風手段105で、確実に洗浄水を所定の運転時間と所定の消費電力量で加熱することができる。
【0105】
また、図8(a)および図8(b)において、乾燥工程で、使用者が被加熱物を加熱するために誘導加熱調理機器100を動作させると、制御手段103は加熱コイル102や
制御手段103を冷却するために送風手段105を動作させる。この時、加熱コイル102や制御手段103を冷却するには多くの風量(例えば、1m3/min)が必要なので、送風手段105のファンは高回転で回転することになり、食洗排気口17、連結経路26を介して食器洗い乾燥機2の洗浄槽3からも多くの空気を吸い出そうとする。この時、開閉弁28が連結経路26を、送風手段105のファンの回転数が少ない場合(例えば0.2m3/min)に開放する面積よりも少ない面積しか開放しないようにする。すなわち、送風手段105が生み出す様々な風量に対して、送風手段105が洗浄槽3から吸い出す空気の量が常に一定になるように開閉弁28が連結経路26を開く面積を調整するようにする。そうすれば、食器洗い乾燥機2の食洗排気口17から排気される空気の量の変動を低減させることができ、所定の時間で、加熱手段9の通電量を増やすことなく、所定の乾燥性能を得ることができる。
【0106】
さらに、図9(a)および図9(b)に示すように、連結経路26の一部に開放部29を設けてもよい。この構成により、送風手段105が動作すると、連結経路26には洗浄槽3内の空気と食器洗い乾燥機2外の外気が流れて混合することになる。そのために、洗浄工程またはすすぎ工程または加熱すすぎ工程または乾燥工程において、洗浄槽3内の高温多湿の空気や蒸気Sが、連結経路26内に送り出されたとき、連結経路26内で、開放部29から入ってくる外気と混合されて温度及び湿度が低くなる。そうして、温度及び湿度が低くなった空気が吸気経路106を介し送風手段105に供給されることになるので、誘導加熱調理機器100内を高温多湿の空気や蒸気Sが流れないことになる。そのために、誘導加熱調理機器100内に洗浄槽3から供給される空気や蒸気Sが結露することを防止することができ、誘導加熱調理機器100の信頼性を向上させることができる。
【0107】
さらに、図10に示すように、食器洗い乾燥機2を、誘導加熱調理機器100の略下方に配置することにより、誘導加熱調理機器100の吸気経路106の略下方に食器洗い乾燥機2の食洗排気口17を配置することができる。この構成により、連結経路26の長さをより短くすることができる。さらに、食器洗い乾燥機2の洗浄槽3から排出される高温多湿の空気や蒸気Sは温度が高いので、上昇気流により自らの力で食器洗い乾燥機2の食洗排気口17から連結経路26および誘導加熱調理機器100の吸気経路106へと上方へ移動していくことになる。したがって、連結経路26を通過する空気の経路損失を低減することができ、誘導加熱調理機器100の送風手段105の能力を向上させなくてもすなわち、従来と同等の送風手段105で食器洗い乾燥機2からの所定量の排出風量を確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
以上のように、本発明にかかる厨房機器は、食器洗い乾燥機の排気口と調理機器の吸気経路を接続することで、食器洗い乾燥機の洗浄槽内の空気を、調理機器の送風手段により排出することができ、食器洗い乾燥機の送風手段を不要とすることができるので、家庭用の厨房機器だけでなく、業務用の厨房機器の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0109】
1 厨房機器
2 食器洗い乾燥機
3 洗浄槽
7 被洗浄物
8 食器かご
9 加熱手段
10 洗浄手段
17 食洗排気口
26 連結経路
27 食洗吸気経路
28 開閉弁
29 開放部
32 食洗吸気口
100 誘導加熱調理機器(調理機器)
103 制御手段
105 送風手段
106 吸気経路
112 第1の吸気経路部
113 第2の吸気経路部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物の洗浄、すすぎおよび乾燥を行う食器洗い乾燥機と排気を行う調理機器とを備えた厨房機器であって、
前記調理機器は、内部に吸気を行う吸気経路と、吸気した空気を排気する排気経路と、前記吸気経路内に設けられる送風手段と、を有し、前記食器洗い乾燥機は、被洗浄物を収納する洗浄槽と、前記洗浄槽内に設けられ被洗浄物を洗浄する洗浄手段と、被洗浄物に供給される洗浄水および空気を加熱する加熱手段と、前記洗浄槽の内壁に設けられる食洗排気口と、前記食洗排気口と前記吸気経路とを接続する連結経路と、を備える厨房機器。
【請求項2】
前記食洗排気口が前記食器洗い乾燥機に外気を送り込む食洗吸気経路よりも少なくとも高い位置に配置され、前記送風手段が前記食洗排気口と略同等以上の高さに配置される請求項1記載の厨房機器。
【請求項3】
前記調理機器の制御手段が、前記吸気経路と前記連結経路との接続部分より上流側の前記吸気経路内に配置されている請求項1または2記載の厨房機器。
【請求項4】
前記吸気経路は、上流側の第1の吸気経路部と下流側の第2の吸気経路部とを備え、前記第1の吸気経路部内に前記制御手段を配置し、前記第2の吸気経路部に前記連結経路を接続する請求項1〜3のいずれか1項に記載の厨房機器。
【請求項5】
前記食器洗い乾燥機の洗浄工程、すすぎ工程、加熱すすぎ工程又は乾燥工程中に前記調理機器が動作する場合は、前記食器洗い乾燥機の運転時間を延長する請求項1〜4のいずれか1項に記載の厨房機器。
【請求項6】
前記食器洗い乾燥機の乾燥工程中に前記調理機器が動作する場合は、前記食器洗い乾燥機の前記加熱手段の通電量を増加する請求項5に記載の厨房機器。
【請求項7】
前記洗浄槽内壁に設けられ前記洗浄槽内に吸気される外気が通過する食洗吸気口は、洗浄工程又はすすぎ工程又は加熱すすぎ工程における洗浄水の水位より高い位置に形成される請求項5に記載の厨房機器。
【請求項8】
前記連結経路を開閉する開閉弁を前記連結経路に設け、前記開閉弁は少なくとも乾燥工程で前記連結経路を開放するように制御される請求項1〜4のいずれか1項に記載の厨房機器。
【請求項9】
前記送風手段は、前記食器洗い乾燥機の乾燥工程中に前記調理機器が動作する場合、前記食器洗い乾燥機の乾燥工程中に前記調理機器が動作しない場合より多くの送風を行い、前記開閉弁は、前記食器洗い乾燥機の乾燥工程中に前記調理機器が動作する場合、前記食器洗い乾燥機の乾燥工程中に前記調理機器が動作しない場合よりも前記連結経路の開く割合を小さくした請求項8記載の厨房機器。
【請求項10】
少なくとも前記連結経路の一部に、前記洗浄槽から排気される空気と外気とを混合するための開放部を設けた請求項1〜9のいずれか1項に記載の厨房機器。
【請求項11】
前記食器洗い乾燥機は、前記調理機器の略下方に配置された請求項1〜10のいずれか1項に記載の厨房機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−167431(P2011−167431A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35588(P2010−35588)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】