説明

双眼鏡

【課題】光学防振ユニット及び電池室を有する双眼鏡の厚みを薄くする。
【解決手段】双眼鏡は、左右の対物光学系3L,3Rと左右の正立光学系10L,10Rとの間に配置され、該双眼鏡の振れによる像振れを低減する光学防振ユニット4L,4R,5,14,24,25と、該光学防振ユニットを動作させるための電源を供給する電池29a,29bが収容される電池室28とを有する。左右の対物光学系の双方の光軸を含む平面を境界面Aとし、左右の対物光学系のそれぞれの光軸1L,1Rを含み境界面に直交する2つの平面D,Eの間の領域を中央領域Fとし、該中央領域において境界面を挟む2つの領域のうち一方の領域Bを第1の領域とする。第1の領域において、光学防振ユニットは、境界面に直交する方向に凹んだ第1の凹部51,52を有し、電池室は、第1の凹部の内側を通って該光軸に平行な方向に延びるように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手振れ等による像振れを低減する光学防振ユニットを備えた双眼鏡(以下、防振双眼鏡ともいう)に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような防振双眼鏡は、左右の対物光学系と、左右の正立光学系と、左右の接眼光学系により構成される左右の観察光学系を有し、該左右の観察光学系のいずれかの位置に光学防振ユニットを配置している。また、防振双眼鏡内には、光学防振ユニットを動作させる(光学素子を光軸直交方向にシフトさせたり可変頂角プリズムの頂角を変化させたりするアクチュエータを駆動する)電気回路基板や、該基板に電源を供給する電池が収容される。なお、電池としては、単3電池のような円筒型電池が複数本用いられる場合が多い。
このような防振双眼鏡における光学防振ユニット、電気回路基板及び電池の配置例が、特許文献1,2に開示されている。
【特許文献1】特開2002−98912号公報
【特許文献2】特開平10−20213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1にて開示された防振双眼鏡では、2本の円筒型電池(つまりは該電池を収容する電池室)が、左右の観察光学系の間の中央領域において、光学防振ユニットの内部で光軸平行方向に向き上下方向に2本並んで配置されている。
しかしながら、このようなレイアウトを採用すると、中央領域の上下方向の厚みが増大する。中央領域の厚みが大きいと、焦点調節を行うための操作部材であるフォーカスダイヤルを該中央領域に配置する場合、電池室との干渉を避けるために、フォーカスダイヤルをより上方又は下方に突出させる必要がある。しかも、このように厚みが大きい中央領域には、使用者が双眼鏡を手で持つ際に指をかける部分を設けにくいため、双眼鏡の持ち易さ(ホールド性)を低下させる。
一方、特許文献2にて開示された防振双眼鏡では、上記中央領域における光学防振ユニットの外側(下側)に円筒型電池を2本並べて配置する構成を採用している。
しかしながら、この双眼鏡では、外装部材のうち電池室の下面を覆う部分が、観察光学系の下面を覆う部分に比べて電池室の体積分だけ下方に大きく突出した形状を有する。このため、中央領域の下側の厚みが増加し、特許文献1の防振双眼鏡と同様に、指をかける部分を設けにくく、ホールド性が良くない。
本発明は、光学防振ユニットと電池室を有し、該電池室が設けられた中央領域の厚みを薄くすることができるようにした双眼鏡を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一側面としての双眼鏡は、左右の対物光学系、左右の正立光学系及び左右の接眼光学系を有する。該双眼鏡は、左右の対物光学系と左右の正立光学系との間に配置され、該双眼鏡の振れによる像振れを低減する光学防振ユニットと、該光学防振ユニットを動作させる電気回路基板と、該電気回路基板に電源を供給する電池が収容される電池室とを有する。
ここで、左右の対物光学系の双方の光軸を含む平面を境界面とし、左右の対物光学系のそれぞれの光軸を含み境界面に直交する2つの平面の間の領域を中央領域とし、該中央領域において境界面を挟む2つの領域のうち一方の領域を第1の領域とする。
このとき、第1の領域において、光学防振ユニットは、境界面に直交する方向に凹んだ第1の凹部を有し、電池室は、第1の凹部の内側を通って該光軸に平行な方向に延びるように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明では、中央領域かつ境界面を挟む一方の領域(第1の領域)に、光学防振ユニットに設けた凹部の内側を通るように電池室を配置している。このため、本発明によれば、光学防振ユニットを有しながらも、電池室を配置した中央領域の厚みが増加したり電池室が大きく突出したりすることのない小型の双眼鏡を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
【0007】
図1、図2及び図3には、本発明の実施例である双眼鏡の構成を示している。図1は、双眼鏡全体の上側から見た要部断面図であり、対物光学系と接眼光学系は左右の対物光軸及び接眼光軸を含む平面で切った断面図である。また説明のため一部断面図ではない。
図2は図1中のII−II線で切った双眼鏡の切断面を示している。また、図3は図1中のIII−III線で切った双眼鏡の切断面を、対物光学系側から見て示している。
これらの図において、3L,3Rは左右の対物光学系であり、それぞれ対物鏡筒3L′,3R′内にて保持されている。1L,1Rは左右の対物光学系3L,3Rの光軸(以下、対物光軸という)である。2は対物鏡筒3L′,3R′を収容及び保持する本体ケーシングである。
4L,4Rは左右の防振光学素子(本実施例では、レンズ)であり、対物光軸1L,1Rに対して直交する方向(ピッチ方向及びヨー方向)にシフトすることで、双眼鏡の振れに起因した像振れを低減する。本実施例では、左右の防振光学素子4L,4Rは、シフトベース部材5によってピッチ方向及びヨー方向に移動可能に支持された共通のシフトレンズ保持部材14によって保持されて一体化されている。シフトベース部材5は、対物鏡筒3L′,3R′の後端(物体側とは反対側の端)に固定されている。
シフトレンズ保持部材14が、後述するピッチアクチュエータ及びヨーアクチュエータによってシフトベース部材5に対してピッチ方向及びヨー方向に駆動されることで、左右の防振光学素子4L,4Rが同方向にシフトする。左右の防振光学素子4L,4R、シフトレンズ保持部材14、シフトベース部材5、ピッチアクチュエータ及びヨーアクチュエータによって、シフト式の光学防振ユニットが構成される。
左右の防振光学素子4L,4Rは、実際には左右の対物光学系の一部を構成するが、本実施例では、左右の防振光学素子4L,4Rと左右の対物光学系3L,3Rとを分けて説明する。本実施例の光学防振ユニット及び後述する電気回路基板9は、左右の対物光学系3L,3Rと後述する左右の正立プリズム10L,10Rの間に配置されている。
【0008】

なお、シフト式防振光学ユニットに代えて、左右の可変頂角プリズム(VAP)の頂角を変化させることで像振れを低減するVAP式の光学防振ユニット(特開平10−83007号参照)を用いてもよい。
左右の対物鏡筒3L′,3R′は、本体ケーシング2に設けられた左右の円筒支持部30L,30Rにより対物光軸1L,1Rが延びる方向(以下、対物光軸方向という)に移動可能に保持される。6はフォーカスナットであり、シフトベース部材5に固定されている。7はフォーカスネジであり、フォーカスナット6に螺合している。8は操作部材としてのフォーカスダイヤルであり、フォーカスネジ7の後端に取り付けられている。フォーカスダイヤル8とフォーカスネジ7は、本体ケーシング2に設けられた不図示の穴部によって、対物光軸方向における定位置にて回転可能に保持されている。
ここで、図1に示した左右の対物光学系3L,3Rの双方の光軸(対物光軸)1L,1Rを含む平面を境界面Aとする。また、左右の対物光学系のそれぞれの光軸(対物光軸)1L,1Rを含み境界面Aに直交する2つの平面D,Eの間の領域を中央領域Fとする。そして、図2及び図3において、中央領域Fにおける境界面Aを挟む2つの領域B,Cのうち一方(下側)の領域Bを、以下の説明では、第1の領域としての中央下側領域という。また、中央領域Fにおける境界面Aを挟む2つの領域B,Cのうち他方(上側)の領域Cを、第2の領域としての中央上側領域という。
フォーカスダイヤル8及びフォーカスネジ7は、中央下側領域に配置されている。より詳しくは、フォーカスダイヤル8及びフォーカスネジ7は、それらの回転中心軸が、左右の対物光軸1L,1Rの間の中央を通って境界面Aに対して直交する平面上に位置するように配置されている。フォーカスダイヤル8をこの位置に配置することで、使用者の利き手の左右を問わずに良好な操作が可能となる。フォーカスダイヤル8が回転操作されると、左右の対物鏡筒3L′,3R′とシフトベース部材5とが対物光軸方向に移動し、焦点調節を行うことができる。
9は光学防振ユニットを動作させるために必要な、振れセンサ(例えば、ジャイロセンサ)や該振れセンサからの出力に基づいてピッチ及びヨーアクチュエータの駆動を制御するマイクロコンピュータ等を含む電気回路が実装された電気回路基板である。該電気回路基板9は、その実装面(基板面)が対物光軸1L,1Rに対して直交するように配置され、シフトベース部材5にビス40R,40Lによって固定されている。
図4には、前述した電気回路基板9を示している。71,72は左右の対物光学系3L,3R及び左右の防振光学素子4L,4Rからの光束を通過させるための光通過開口である。73はマイクロコンピュータであり、74はピッチ及びヨーアクチュエータを駆動するドライバである。75はピッチ方向及びヨー方向の振れを検出する振れセンサである。
77は後述する電池から電源供給を受けたり、防振機能をON/OFFする不図示のスイッチや防振光学素子4L,4Rの位置を検出する位置センサ等からの信号を受けたりするための配線コネクタである。79,80はビス40L,40Rが挿入される基板取り付け穴である。なお、図1及び図2では、図4に示した基板取り付け穴79,80の位置(つまりはビス40L,40Rの位置)を上下方向にずらして示している。81はピッチ及びヨーアクチュエータへの配線コネクタである。
マイクロコンピュータ73〜配線コネクタ81により、光学防振ユニットの駆動制御回路が構成される。マイクロコンピュータ73は、振れセンサ75からの出力と位置センサからの信号に基づいて、像振れを低減するための左右の防振光学素子4L,4Rを移動量及び移動方向を算出する。そして、マイクロコンピュータ73は、この算出結果に基づいてドライバ74を通じてピッチ及びヨーアクチュエータを駆動する。
10L,10Rは左右の正立光学系を構成する正立プリズムであり、それぞれ左右のプリズムボックス10L′,10R′内に収容されて保持されている。11L,11Rは左右の接眼光学系であり、11L′,11R′は左右の接眼光学系11L,11Rの光軸を示している。左右の接眼光学系11L,11Rは、プリズムボックス10L′,10R′に一体形成された接眼鏡筒内に収容されて保持されている。
プリズムボックス10L′,10R′は、対物光軸1L,1Rを中心として回転可能に本体ケーシング2に取り付けられている。プリズムボックス10L′,10R′を対物光軸1L,1Rの回りで回転させることで、左右の接眼光学系11L,11Rの間隔を使用者の眼幅に合わせるための眼幅調整が可能となる。
なお、本実施例では、正立プリズム10L,10Rとして、ポロII型プリズムを用いている。ただし、ポロI型プリズムやダハプリズムを用いてもよい。また、正立光学系としては、プリズムを用いた光学系に代えて、複数のミラーを用いた光学系を用いてもよい。
左右の対物光学系3L,3Rにより形成された左右の物体像(倒立像)は、正立プリズム10L,10Rによって左右の正立像に反転される。該左右の正立像は、左右の接眼光学系11L,11Rを通じて使用者の両眼によって観察される。
前述したシフトベース部材5のうち中央下側領域の部分には、図3に示すように、境界面Aに対して直交する方向(下側から上側)に向かって凹んだ形状を有する凹部(第1の凹部)51が形成されている。
また、前述したシフトレンズ保持部材14は、その左右の部分に左右の防振光学素子4L,4Rを保持している。図3に示すように、シフトレンズ保持部材14のうち中央下側領域の部分にも、境界面Aに対して直交する方向に凹んだ形状を有する凹部(第1の凹部)52が形成されている。
さらに、図4にも示すように、電気回路基板9のうち中央下側領域の部分にも、境界面Aに対して直交する方向に向かって凹んだ形状を有する凹部(第2の凹部)50が形成されている。
このように、本実施例では、光学防振ユニット及び電気回路基板9を、左右に分かれて形成された対物光学系3L,3Rに対して、中央領域にて左右の部分がつながった形状を有する1つのユニット及び1つの基板として設けている。そして、光学防振ユニット及び電気回路基板9における中央下側領域の部分に、凹部51,52,50を設けている。
12,13はU字形状を有するガイドバーであり、該U字形状の2つの腕部であるヨーガイド部12a,12b,13a,13bが境界面Aの上下にて左右方向に延びるように配置されている。これらのヨーガイド部12a,12b,13a,13bは、シフトレンズ保持部材14の左右の端部における上下位置に左右方向に延びるように形成されたガイド溝部15,16,17,18に挿入されている。また、ガイドバー12,13は、ヨーガイド部12a,12b,13a,13bの間には、上下方向に延びるピッチガイド部12c,13cが形成されている。ピッチガイド部12c,13cは、シフトベース部材5に設けられたガイドバー保持部19,20によって上下方向に移動可能に保持されている。これにより、シフトレンズ保持部材14は、ガイドバー12,13を介して、シフトベース部材5により、該シフトベース部材5に対して左右方向(ヨー方向)及び上下方向(ピッチ方向)にシフト可能に保持される。
【0009】
22,23及び24はガイドバー12,13の外周に配置されたコイルバネであり、シフトレンズ保持部材14を、ピッチ方向における下方及びヨー方向における左方に付勢している。
【0010】
24,25はそれぞれリニアステッピングアクチュエータとしてのピッチアクチュエータ及びヨーアクチュエータである。ヨーアクチュエータ24は、ステッピングモータ24aとリードネジ24bとにより構成され、ステッピングモータ24aはシフトベース部材5の下部に固定されている。リードネジ24bは、ステッピングモータ24aの回転方向に応じて、図3中の右方向及び左方向に移動する。前述したコイルバネ23の付勢力によって、シフトレンズ保持部材14に設けられた突起部26がリードネジ24bの右面に押圧されている。
ステッピングモータ24aの回転によりリードネジ24bが右方向に進むと、突起部26を介してシフトレンズ保持部材14がコイルバネ23の付勢力に抗して右方向にシフトする。また、リードネジ24bが左方向に進むと、コイルバネ23の付勢力によって突起部26がリードネジ24bに押圧されたままシフトレンズ保持部材14は左方向にシフトする。
ピッチアクチュエータ25は、ステッピングモータ25aとリードネジ25bとにより構成され、ステッピングモータ25aはシフトベース部材5における中央領域の部分に固定されている。リードネジ25bは、ステッピングモータ25aの回転方向に応じて、図3中の下方向及び上方向に移動する。前述したコイルバネ22,24の付勢力によって、シフトレンズ保持部材14に設けられた突起部27がリードネジ25bの上面に押圧されている。
ステッピングモータ25aの回転によりリードネジ25bが下方向に進むと、突起部27を介してシフトレンズ保持部材14がコイルバネ22,24の付勢力に抗して下方向にシフトする。また、リードネジ25bが上方向に進むと、コイルバネ22,24の付勢力によって突起部27がリードネジ25bに押圧されたままシフトレンズ保持部材14は上方向にシフトする。
28は本体ケーシング2の一部として形成された電池室である。該電池室28は、中央下側領域において、光学防振ユニット及び電気回路基板9に設けられた凹部(第1及び第2の凹部)51,52及び53の内側の領域60を通って、対物光軸1L,1Rに平行な方向に延びるように配置されている。
【0011】
電池室28内には、電気回路基板9に電源を供給するための2本の電池29a,29bが収容されている。本実施例では、電池29a,29bとして、円筒型電池である単3電池が用いられている。電池29a,29bは、それらの長手方向が対物光軸1L,1Rに平行に延びるように電池室28内に収容される。なお、電池室28の下面には、不図示の電池室蓋が開閉可能に取り付けられている。
【0012】
また、外装部材を兼ねる本体ケーシング2は、左右の対物鏡筒3L′,3R′(左右の対物光学系3L,3R)のうち領域B側(一方の領域側)の外周を覆う部分2aと、電池室28のうち領域B側の外周を覆う部分(電池室蓋)2bとを含む底面部を有する。そして、該底面部は、電池室28を覆う部分2bが対物鏡筒3L′,3R′を覆う部分2aに対して下方に突出しない形状を有する。特に本実施例では、図3に示すように、電池室28を覆う部分2bが対物鏡筒3L′,3R′を覆う部分2aに対してほぼ同一面として形成されている。
【0013】
以上説明したように、本実施例では、中央下側領域に、光学防振ユニット及び電気回路基板9に設けた凹部51,52,50の内側を通るように電池室28を配置している。このため、本実施例によれば、光学防振ユニットを有しながらも、電池室28を配置した中央領域Fの厚みが増加したり電池室28が底面側にて大きく突出したりすることのない小型の双眼鏡を実現することができる。
中央領域Fの厚みが小さいことで、持ちやすい双眼鏡を実現することができ、かつフォーカスダイヤルを自然な操作が可能な位置に配置することができる。
また、電池室28を凹部51,52,50の内側を通るように配置することで、光学防振ユニットを電池室28が設けられた本体ケーシング2に対して組み付けたり、これらを分解したりすることが容易になる。したがって、双眼鏡の組み立て性やメンテナンス性を向上させることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、光学防振ユニット及び電気回路基板9に設けた凹部の内側を通るように電池室を配置した場合について説明したが、電気回路基板に凹部を設けずに、光学防振ユニットに設けた凹部の内側を通るように電池室を配置してもよい。
また、上記実施例では、電池室28に2本の単3電池29a,29bを、その長手方向が対物光軸1L,1Rと平行に延びるように収容する場合について説明した。しかし、使用する電池は、単4電池や単5電池でもよく、さらに円筒型電池ではない電池(ボタン電池や、四角柱型又は平板型の電池)を用いてもよい。また、使用する電池の個数(本数)も、2本に限られない。
さらに、上記実施例では、電池室蓋を双眼鏡の底面に設けた場合について説明したが、双眼鏡の前端面や後端面に設けてもよい。
また、上記実施例では、中央下側領域に電池室を配置し、中央上側領域にフォーカスダイヤルを配置した場合について説明したが、電池室とフォーカスダイヤルの上下を逆にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1である双眼鏡の上面から見た要部断面図。
【図2】図1のII−II線で切った双眼鏡の断面図
【図3】図1のIII−III線で切った双眼鏡の断面図
【図4】実施例1の双眼鏡内に設けられた電気回路基板の正面図。
【符号の説明】
【0015】
1L,1R 対物光軸
2 本体ケーシング
3L,3R 対物光学系
3L′,3R′ 対物鏡筒
4L,4R 防振光学素子
5 シフトベース部材
8 フォーカスダイヤル
9 電気回路基板
10L,10R 正立プリズム
11L,11R 接眼光学系
12,13 ガイドバー
14 シフトレンズ保持部材
24,25 アクチュエータ
28 電池室
29a,29b 電池
73 マイクロコンピュータ
74 ドライバ
75 振れセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の対物光学系、左右の正立光学系及び左右の接眼光学系を有する双眼鏡であって、
前記左右の対物光学系と前記左右の正立光学系との間に配置され、該双眼鏡の振れによる像振れを低減する光学防振ユニットと、
該光学防振ユニットを動作させるための電源を供給する電池が収容される電池室とを有し、
前記左右の対物光学系の双方の光軸を含む平面を境界面とし、前記左右の対物光学系のそれぞれの光軸を含み前記境界面に直交する2つの平面の間の領域を中央領域とし、該中央領域において前記境界面を挟む2つの領域のうち一方の領域を第1の領域とするとき、
前記第1の領域において、
前記光学防振ユニットは、前記境界面に直交する方向に凹んだ第1の凹部を有し、
前記電池室は、前記第1の凹部の内側を通って前記光軸に平行な方向に延びるように配置されていることを特徴とする双眼鏡。
【請求項2】
前記左右の対物光学系と前記左右の正立光学系との間に配置され、前記電池からの電源供給を受けて前記光学防振ユニットを動作させる電気回路基板を有し、
前記第1の領域において、
前記電気回路基板は、前記境界面に直交する方向に凹んだ第2の凹部を有し、
前記電池室は、前記第1及び第2の凹部の内側を通って前記光軸に平行な方向に延びるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の双眼鏡。
【請求項3】
前記左右の対物光学系及び前記電池室のうち前記一方の領域側の外周を覆う外装部材を有し、
前記外装部材は、前記電池室を覆う部分が前記左右の対物光学系を覆う部分に対して突出しない形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の双眼鏡。
【請求項4】
焦点調節を行うための操作部材を有し、
前記中央領域において、前記2つの領域のうち、前記境界面に対して前記第1の領域とは反対側の領域を第2の領域とするとき、
前記操作部材は、前記第2の領域に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の双眼鏡。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−169845(P2010−169845A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11568(P2009−11568)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】