説明

反射光量検知センサおよびそれを備えた画像形成装置

【課題】受光素子の中心と反射光の光軸の中心とをずらすことにより像担持体の表面から反射光量を安定して検出可能とする反射光量検知センサおよびこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの発光素子1と1つの受光素子2が遮光性ケース5内に設けられて検知対象物4に対して一定の間隔Lに保持され、発光素子1から傾斜して検知対象物4に対して照射された光6の反射光7を受光素子2で受光する反射光量検知センサ20において、反射光7の光軸7Aと受光素子2の中心2Aが重なる基準位置から、受光素子を素子同士が互いに遠ざかる方向へ検知対象物の反射面4Aに対して平行移動させて配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射対象物に対して照射した入射光の反射光を受光する反射光量検知センサおよびこの反射光量検知センサを用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の分野では、安定した画像濃度を得るために、感光体等の像担持体の表面に濃度検知用トナーパッチと称する基準パターンを形成し、その基準パターンの濃度を光学センサで検出している。このような光センサを用いて基準パターンの濃度を検知するものとしては特許文献1,2が挙げられる。このような基準パターンの濃度を検知する画像形成装置では、光学センサによる検出結果に基づき、潜像形成用の書込光強度、帯電バイアス、現像バイアス等を変更することで現像ポテンシャルを調整したりするような画像濃度制御を行っている。
【0003】
一般に光学センサは、基準パターンを検出対象とすることからP(パターン)センサと呼ばれ、発光手段と受光手段とを備えた反射型光学センサが一般的に用いられている。反射型光学センサには、図18に示すように、照射対象物に発光手段から照射した光が正反射したときの正反射光を受光手段で検出するものがあり、このような反射型光学センサは、特許文献1等に開示されている。
【0004】
正反射光を検出する反射型光学センサをPセンサとして用いたときの検出原理を、像担持体の表面上のトナー濃度(トナー付着量)を検出する場合を例に説明する。 照射対象物となる像担持体の表面にトナーが付着していない場合、発光手段から照射されて像担持体の表面に届く入射光は像担持体の表面で正反射し、その像担持体の表面(反射面)の反射率に応じた正反射光が受光素子で受光される。これに対し、像担持体の表面にトナーが付着している場合、発光手段から照射されて像担持体の表面に向かう入射光がトナーに吸収されたり、トナーによって乱反射したりする。そのため、入射光が発光手段から像担持体の表面に到達する前にトナーに遮られたり、像担持体の表面からの正反射光が受光素子に到達する前にトナーに遮られたりすることで、正反射光が受光素子で受光され難くなる。よって、像担持体の表面上のトナー付着量が多くなるにつれて、受光素子での受光量が低減することになるので、この受光素子での受光量に基づいて、像担持体の表面上のトナー付着量を検知することができる。
【0005】
特許文献3には、センサから測定面までの距離を測定する安価で小型なセンサを提供するために、発光素子と複数の受光素子とを一体的に備え、複数の受光素子それぞれの光軸が交わらないように配置した光センサが記載されている。
【0006】
特許文献4には、発光素子の中心軸を、発光側レンズの中心軸から受光素子側にずらして形成し、正反射光のもとになる発光素子から出る光の成分を遮断して正反射光が受光素子に入射しないようにした光センサが記載されている。
【0007】
引用文献5には、センサの中心を、光学系の中心光軸から光源側へ一定距離だけ平行にずらせた位置に設置し、光源を読取り対象からの正反射光がセンサに入射されない領域内に設置し、光源を中心光軸に対して操作者の手元側に寄った位置に設け、センサをその中心が中心光軸から光源側に所要距離だけ平行にずらせた位置に設置した構成が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1,2のような像担持体の表面におけるトナー付着量の検出方式では、必ずしも正確な付着量検出が行えるわけではない。なぜなら、トナー付着量を検出するためには像担持体自体を動作させる必要があるからである。例えば、検知対象部が中間転写ベルト(像担持体)だった場合、中間転写ベルト上にトナーを付着させた基準パターンを用意して、中間転写ベルトを回転させることで様々な基準パターンを光センサで検出することになる。このように検知対象物となる中間転写ベルトを動作させると、動作に伴う振動等により光学センサから中間転写ベルトまでの検知距離が変動したり、図19に示すように光学センサが中間転写ベルトを検出する角度が変動すると、光学センサの出力も変化してしまう。そのため、検知距離変動や検知角度変動があっても安定した出力を示す光学センサが必要とされている。
【0009】
特許文献3には発光素子と複数の受光素子とを一体的に備え、複数の受光素子それぞれの光軸が交わらないように配置した光センサが記載されているが、この光センサは、センサから測定面までの距離を測定するものである。
【0010】
特許文献4には、発光素子の中心軸を、発光側レンズの中心軸から受光素子側にずらして形成したセンサ構成が記載されているが、このセンサは原稿の有無検出に用いるものである。
【0011】
引用文献5には、イメージセンサの中心や光源を、光学系の中心光軸から平行にずらせた位置に設置した構成が記載されているが、この構成はイメージセンサの中心と結像手段の中心光軸からのずれに関するものである。
【0012】
本発明は、受光素子の中心と反射光の光軸の中心とをずらすことにより検知対象物の表面から反射光量を安定して検出可能とする反射光量検知センサおよびこれを用いた画像形成装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明では、少なくとも1つの発光素子と1つの受光素子が遮光性ケース内に設けられて検知対象物に対して一定の間隔に保持され、発光素子から傾斜して検知対象物に対して照射された光の反射光を受光素子で受光する反射光量検知センサにおいて、反射光の光軸と受光素子の中心が重なる基準位置から、受光素子もしくは発光素子と受光素子の両方を素子同士が互いに遠ざかる方向へ検知対象物の反射面に対して平行移動させて配置したことを特徴としている。
【0014】
遮光性ケースは、発光素子の位置決め部と発光素子から検知対象物への照射光の広がりを規制する発光用アパーチャを備えた第1の筒形状部と、受光素子の位置決め部と当該受光素子への反射光の量を規定する受光用アパーチャを備えた第2の筒形状部とを有することを特徴としている。
【0015】
第1の筒形状部と第2の筒形状部は、遮光性ケースに一体的に形成され、発光用アパーチャは発光素子から照射される光の光軸方向に、受光用アパーチャは反射光の光軸方向にそれぞれ延設されている。
【0016】
このため、第1の筒形状部により位置決めされた発光素子から発せられた光は、光軸方向に延びる発光用アパーチャを介して検知対象物に照射されるとともに、検知対象物にて反射した光は、反射光の光軸方向に延びる受光用のアパーチャを介して受光素子にて受光される。
【0017】
本発明では、検知対象物への入射光の光軸は発光用アパーチャの中心軸上にあり、検知対象物からの反射光の光軸は受光用アパーチャの中心軸と平行な方向に位置している。
【0018】
遮光性ケースには、検知対象物で正反射した光を受光する受光素子だけではなく、発光素子から照射されて検知対象物にて拡散反射される光を受光する拡散光用受光素子が設けられている。
【0019】
本発明では、光を正反射させる表面を有する像担持体と、像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段により像担持体上にトナーを付着させたときのトナーの付着量を検出するための光学センサと、光学センサの検出結果に基づいて画像濃度制御を行う画像濃度制御手段とを備えた画像形成装置において、光学センサとして、上記の反射光量検知センサを有する用いたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、反射光の光軸と受光素子の中心が重なる基準位置から、受光素子もしくは発光素子と受光素子の両方を素子同士が互いに遠ざかる方向へ検知対象物の反射面に対して平行移動させて配置すねことで、意図的に受光素子の中心と反射光の光軸が重ならないようにしたので、基準位置にある場合に対して、受光素子の受光量を変化させることができ、また検知対象物が動作した際に生じる検知距離変動に対する受光量の関係も変化させることができる。このため、基準位置にある場合よりも検知距離変動に対して受光量の変化の少なくなるように受光素子あるいは発光素子と受光素子の双方を配置することで、検知対象物の表面から反射光量を安定して検出可能とすることができる。
【0021】
このような安定した反射光量検知センサを、トナー像形成手段により像担持体上にトナーを付着させたときのトナーの付着量を検出するための光学センサとすることで、光学センサの検出結果に基づいて行う画像濃度制御の安定が向上し、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明にかかる反射光量検知センサを備えた画像形成装置の概略構成図である。
【図2】トナー像形成手段により像担持体上にトナーを付着させたときのトナーの付着量を光学センサで検出する形態を示す拡大図である。
【図3】光学センサの検出結果に基づいて画像濃度制御を行う画像濃度制御手段の主要部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明にかかる反射光量検知センサの構成を示す拡大断面図である。
【図5】反射光量検知センサを構成する遮光性ケースの構成を示す拡大断面図である。
【図6】遮光性ケースを矢印A方向から見た図である。
【図7】反射光の光軸に対して受光素子の中心が位置した従来の反射光量検知センサの光学シミュレーションモデルである。
【図8】図7の発光素子側の拡大図である。
【図9】図7の光学シミュレーションモデルにおいて発光素子側からの光線本数を10万本としたときの光線軌跡を示す拡大図である。
【図10】本発明にかかる反射光の光軸に対して受光素子の中心をずらした反射光量検知センサの光学シミュレーションモデルである。
【図11】図10の光学シミュレーションモデルにおいて発光素子側からの光線本数を10万本としたときの光線軌跡を示す拡大図である。
【図12】反射光の光軸に対して受光素子の中心が位置した光学シミュレーションによる受光側に到達した光線の照度分布解析を実施するためモデルを示す図である。
【図13】図12のモデルによる受光側での正反射光用の照度分布である。
【図14】図12において受光器を受光素子側のアパーチャ入口に配置したモデルを示す図である。
【図15】反射光の光軸に対して受光素子の中心が一致している場合の検知距離変動に対する受光素子のアパーチャ入口の受光器の照度分布結果を示す図である。
【図16】反射光の光軸に対して受光素子の中心がずれている場合の検知距離変動に対する受光素子のアパーチャ入口の受光器の照度分布結果を示す図である。
【図17】光学シミュレーションモデルにおける検知距離と正反射光用の受光器での受光量との関係を示す特性図である。
【図18】反射光の光軸中心と受光素子の中心とが一致した従来の反射光量検知センサの構成の概略構成を示す拡大図でする。
【図19】図18の反射光量検知センサによる問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。最初に本発明が適用された反射光量検知センサ20の構成と、その特性について説明し、その後、反射光量検知センサ20が適用された画像形成装置の構成と動作について説明する。
【0024】
図4に示すように、反射光量検知センサ20は、少なくとも1つの発光素子と少なくとも1つの受光素子と遮光性ケース5を備えている。本形態では発光素子1と2つの受光素子2、3とを備えた構成として説明する。発光素子1と受光素子2、3は検知対象物4に対して一定の間隔(以下「検知距離L」と記す)を持って配置されている。この検知距離Lは、遮光性ケース5の検知対象物4との対向面5Aと検知対象物4の反射面4Aまでの間隔とする。つまり、遮光性ケース5は、発光素子1と受光素子2,3とが検知対象物5に対して一定の間隔となるように各素子を保持している。
【0025】
発光素子1は、その照射光6が検知対象物4の反射面4Aに対して傾斜して照射されるように遮光性ケース5に配置されている。照射光6は、反射面4Aで同角度に反射されて反射光7となる。発光素子1と受光素子2は、反射面4Aからの反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aが重なる位置を基準位置としている。本形態において、受光素子2は、いわゆる正反射光を検知するもので、基本位置から発光素子1と遠ざかる方向へ反射面4Aに対して平行移動させた位置に配置されており、反射光7の光軸7Aと受光素子2の中心2Aとがずれた位置関係になるように配置されている。受光素子2は、反射面4Aで反射された拡散反射光を検知するものである。
【0026】
本形態では、発光素子1に対して受光素子2を移動して反射光7の光軸7Aと受光素子2の中心2Aとをずらしているが、発光素子1と受光素子2の両方を、基準位置から互いの素子が遠ざかる方向へ反射面4Aに対して平行移動させた位置に移動して、反射光7の光軸7Aと受光素子2の中心2Aとがずれた位置関係になるように配置してもよい。
【0027】
遮光性ケース5は、図5,図6に示すように、発光素子用の筒形状部8と受光素子用の筒形状部9,10を備えている。筒形状部8は遮光性ケース5を貫通するように形成されている。
【0028】
筒形状部材8は、発光素子1を装着固定するもので、3つの異なる径の孔8A〜8Cを遮光性ケース5に穿孔することで形成されている。孔8Aは発光素子1の孔8Bへの挿入量を規制するために用いられる位置決め部を構成している。孔8Bは発光素子1を固定する際に用いる装着部を構成している。孔8Cは所謂アパーチャであり、発光素子1から照射される照射光6の広がりを規制するものである。孔8C(発光用アパーチャ)は、発光素子1から照射される照射光6の光軸方向に延設されていて、その中心9Dが照射光6の光軸6Aと重なるように構成されている。
【0029】
筒形状部9は、反射面4Aでの正反射光を受光する受光素子2を装着固定するもので、3つの異なる径の孔9A〜9Cを遮光性ケース5に穿孔することで形成されている。孔9Aは受光素子2の孔9Bへの挿入量を規制するために用いられる位置決め部を構成している。孔9Bは受光素子2を固定する際に用いる装着部を構成している。孔9Cは所謂アパーチャであり、受光素子2に対する反射光6の広がりを規制するものである。孔9C(受光用アパーチャ)は、反射光7の光軸方向に延設されていて、その中心10Dが反射光7の光軸7Aと重なるように構成されている。
【0030】
筒形状部10は、反射面4Aでの拡散反射光を受光する受光素子3を装着固定するもので、2つの異なる孔10A,10Cを遮光性ケース5に穿孔することで形成されている。孔10Aは受光素子3の孔10Cへの挿入量を規制するために用いられる位置決め部を構成している。孔10Cは受光素子3を固定する際に用いる装着部とアパーチャとして機能する。受光素子3は発光素子1からの正反射光が入らない位置に配置されているものとする。
【0031】
このように、意図的に受光素子2の中心2Aと反射光7の光軸7Aが重ならないようにすると、受光素子2の受光量を変化させることができ、また検知対象物4が動作した際に生じる検知距離変動に対する受光量の関係も変化させることができる。
【0032】
このような配置の受光素子2の受光量を変化と、検知対象物4が動作した際に生じる検知距離Lの変動に対する受光量の関係について、コンピュータを用いた光学シミュレーションにより確認を実施したので、以下に説明する。
(光学シミュレーションモデルの説明)
今回、光学シミュレーションで使用したモデルは以下の2種類である。1つは図7に示すように、従来のように反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがあるものであり、いま1つは図10に示すように、本願発明の構成となる反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがないものである。図8は、図7の発光素子部の拡大図となる。
(光学シミュレーションモデルの構成)
発光素子1の構成は、図7,図10に示すように発光素子レンズ11A、発光素子電極付の発光素子チップ11Bとし、モデルの遮光性ケースには発光素子を固定する孔8Bと発光用アパーチャ8Cを有する筒形状部8を形成した。
受光素子2の構成は、図7,図10に示すように、受光素子レンズ12A、受光器12B(正反射光用)とし、モデルの遮光性ケース5には受光素子を固定する孔9Bと受光用アパーチャ9Cを有する筒形状部9を形成した。なお、モデルには拡散反射光用の受光素子部の構成を設けてもよいが、ここでは発光素子1と正反射光用の受光素子2の光学モデルを用いて説明する。
【0033】
図7では、受光器12B及び筒形状部9の中心は、反射光7の光軸7A上に位置され、図10では、図7に対して、受光器12B及び受光素子2及び筒形状部9を素子同士が遠ざかる方向へ反射面4Aに対して平行移動している。
【0034】
光学シミュレーションでは、光源を用意して、そこから光線を出し、それを受光器12Bで受光することによって、照度解析や照度分布解析を実施できる。本モデルにおける光源は発光素子チップ11Bである。発光素子チップ11Bから発せられる光線は一本一本が同じ強さであり、発光素子レンズ11A凸方向へ無作為に照射されるように設定している。発光素子チップ11Bからの光線は発光用アパーチャ8Cを通過して検知対象物の反射面4Aに到達する。発光用アパーチャ8Cは全て吸収面に設定しているため、発光用アパーチャ8Cに接触しなかった光線だけが反射面4Aに到達して、入射角と同角度で反射する。反射光7も同様に受光用アパーチャ9Cに接触しなかった光線だけが受光素子レンズ12Aに侵入して、集光された光線が受光器12Bへ入る。図9は発光素子チップ11Bからの光線本数を10万本としたときの光線軌跡を示している。図7の構成では、図9に示すように、反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがあるのが分かる。
【0035】
一方、図10においても、図7に示す反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがある場合と同様に、発光素子チップ11Bより光線を出し、発光用アパーチャ8Cにより反射面4Aに到達する光線本数を規制している。受光用アパーチャ9Cは全て吸収面に設定しているため、発光用アパーチャ8Cを通過した光線だけが反射面4Aに到達し、入射角と同角度で反射する。反射光7は受光用アパーチャ9Cを通過して、受光素子レンズ12Aにより集光されて受光器12Bに入る。図11は発光素子チップ11Bからの光線本数を10万本としたときの光線軌跡を示している。本構成では、反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心がないのが分かる。
(照度分布の見方)
光学シミュレーションでは受光器12Bに到達した光線の照度分布解析を実施することができる。受光器12Bのサイズは0.5mm×0.5mm程度の正方形をとした。ここで、受光器12Bにおける照度分布の見方を説明する。図11は図6に示した反射光7の光軸7A上に受光素子2の中心2Aがある場合のモデルであり、図13は図12の正反射光用の受光器12Bにおける照度分布を示す。図12におけるX,Y方向が図13におけるX,Y方向に対応している。図13の照度分布では、色の違いが光強度を表している。図13の原図は9色カラー画像で表示されているが、ここではグレースケース表示として明暗だけで表現している。図13において、原図の赤に相当する部分ほど強い光強度であり、原図の青い色ほど弱い光強度を示す。図中の十字線は受光器12BのX,Y方向の中心であり、受光素子2の中心としている。
(結果:照度分布解析)
この光学シミュレーションでは、反射面4Aとの検知距離Lを一定値(基準値)に設定している。そして検知対象物の反射面4Aの動作による検知距離Lに変動があった場合、検知対象物が中間転写ベルトだと検知距離Lは±1.0mm程度変動することが予想される。このため、光学シミュレーションにて検知距離Lを基準値から±1.0mm変動したときの受光器12Bの照度分布解析を実施した。受光器12Bは図14に示すように受光側のアパーチャ9Cの入口9C1に配置した。図15、図16に検知距離Lの変動に対するアパーチャ9Cの入口9C1の受光器12Bの照度分布結果を示す。図15は、反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがある場合の照度分布を示し、図16は反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがない場合の照度分布を示す。図15,図16の原図は、図13と同様に9色カラー画像で表示されているが、ここではグレースケース表示として明暗だけで表現している。図中原図の赤い領域に対応する濃い領域ほど光量が強く、図中原図の青い領域に対応する救い領域ほど光量が弱くなっている。図15,図16の照度分布内の丸印は、受光素子2(正反射光用)のアパーチャ径である。このアパーチャ径の領域内にある光が受光器12B(正反射光用)へ向かうことになる。ここで、注目すべきは各検知距離における照度分布の光量最大値がそれぞれ異なる点にある。つまり、図15、図16に示す照度分布において、原図の赤い領域に相当する部分が光量最大領域であるが、検知距離ごと受光器毎にその領域の光量は異なっている。
【0036】
反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがある場合と、反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがない場合の両方において、検知距離Lが短い程、光量最大値が高いのがわかる。これは発光素子2から検知面(反射面4A)までの検知距離Lが短いために、光線密度が高くなっていることを表している。
【0037】
反射光7の光軸7A上に受光素子2の中心2Aがある場合は、検知距離Lが短いときに受光素子2へ強い光が入るように設定し、逆に検知距離Lが長いときは受光素子2へ弱い光が入るように設定している。
【0038】
反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがない場合は、検知距離Lが短いときに正反射光用の受光素子2へ弱い光が入るように設定し、逆に検知距離Lが長いときは受光素子2へ強い光が入るように設定している。
(結果:検知距離に対する受光量の関係:照度解析)
図15,図16に示す照度分布の解析とは別に、検知距離:基準値±4.0mmにおける受光器12Bでの受光量を調査した。その結果を図17に示す。図17において、横軸は検知距離(mm)を、縦軸は受光量(W)をそれぞれ示す。受光器12Bでの光量は、光線一本一本の強度は同じに設定しているため、受光器(0.5mm×0.5mmサイズ)に到達した光線本数ということになる。なお、光量は検知距離:基準値における光量を1Wとなるように補正してある。図中、◆は反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがある場合の受光量変化の特性を示し、■は反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがない場合の受光量変化の特性を示す。
【0039】
反射光7の光軸7A上に受光素子2の中心2Aがある場合は、検知距離が−1.0mmの時が光量最大となった。それに対して、本願のように反射7光の光軸7Aに対して受光素2の中心2Aがない場合、検知距離が−1.0mmの場合は光量最大値が低下し、検知距離が基準値において光量最大となった。検知対象物が中間転写ベルトだとすると、検知距離は基準値に対して±1.0mm程度変動することが予想される(点線の領域)。この変動領域において、反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心がない場合は、■で示すように、検知距離変動による受光量のバラツキが少ないことが分かる。反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがある場合よりも反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがない場合は検知距離変動に対して安定していると言える。
(結果の考察)
反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがない場合に、検知距離Lの変動に対して安定するのかを図15,図16を基に考察すると、以下のようになる。
【0040】
まず、検知距離Lが短いときは光線密度が高まるため光強度が増す。反射光7の光軸7Aに対して受光素子の中心がない場合は、図16に示すように、検知距離Lが短いとき(−1.0mm)に受光素子2で弱い光を受け、逆に検知距離Lが長いとき(+1.0mm)に受光素子2で強い光を受ける。このため、受光器12Bへ到達する光量は均一的になる。このような特性は、発光素子1と受光素子2の位置を基準位置からずらし、その結果、反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがない場合(ずらす場合)でも同様である。
【0041】
これに対し、反射光7の光軸7Aに対して受光素子2の中心2Aがある場合は、図15に示すように、検知距離Lが短いとき(−1.0mm)に受光素子2で強い光を受け、逆に検知距離(+1.0mm)が長いときは受光素子2で弱い光を受ける。このため、受光器2へ到達する光量にはバラツキが生じる。
【0042】
以上のことから、少なくとも1つの発光素子1と少なくとも1つの受光素子2が遮光性ケース5内に一体的に設けられ、一定の間隔(検知距離L)を持った検知対象物4に対して発光素子1から傾斜して発光され、その反射光7の光軸7Aと受光素子2の中心2Aが重なる基準位置から、受光素子2、もしくは発光素子1と受光素子2の両方を互いに素子同士が遠ざかる方向へ反射面4Aに対して平行移動させることで検知距離Lに対する受光量の関係を変化させることができ、平行移動させた発光素子1と受光素子2の位置関係によっては安定した出力を得ることができる。つまり、検知対象物4の振動などによる検知距離Lの変動幅を予測し、その変動幅内において受光素子2の受光量の変化を少なくすることで、検知対象物4が動作している場合でも、受光素子2において安定した受光量を確保でき、検知精度を向上できる。
【0043】
次にこのような特性を有する反射光量検知センサ20を用いた画像形成装置について説明する。図1に示す画像形成装置100は、露光、帯電、現像、転写、定着を行う電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置100は図1に示す構成部材の他に、図2に示すように、PC(パソコン)等から送られた画像データを処理し露光データに変換するプリントコントローラ410、転写バイアスや現像バイアスに用いる高圧を発生させる高圧発生装置416、画像形成動作を制御する本体制御部406、記録材としての転写材である転写紙115の供給を行う図示しない給紙装置、転写紙115を手差し給紙させるための図示しない手差しトレイ、及び、画像形成済みの転写紙115が排紙される図示しない排紙トレイが設けられている。
【0044】
画像形成装置100は、図1に示すように、画像形成ユニット300を備えている。画像形成ユニット300には、第1の転写装置として、像担持体であり中間転写体でもある無端ベルト状の中間転写ベルト105及び帯電装置(1次転写装置106)が設けられている。中間転写ベルト105は、4つの支持ローラ112、113、114、119に張架された状態で駆動ローラとしての機能を有する支持ローラ112によって図中反時計周りに回転駆動される。本形態において光を正反射させる表面を有する像担持体は中間転写ベルト105であり、検知対象物となる。
【0045】
中間転写ベルトの張架部分には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色用の4つの画像形成ユニットがある。各色用の4つの画像形成ユニットは同じ構成で同じ構成部材からなり、図1では同じ構成部材は数字部分を同じ数字で表し、末尾に色識別符号Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(ブラック)を付している。各画像形成ユニットにはそれぞれ感光体ユニット103Y、103C、103M、103Kや現像ユニット102Y、102C、102M、102Kが並んで配置されている。現像ユニット102Y、102C、102M、102Kには、トナーボトル104K、104Y、104C、104Mからトナーが補給されるようになっている。
【0046】
これらの画像形成ユニット300の下方には、露光装置200が設けられており、画像情報に基づいて、露光装置200の内部に設けられている図示しないレーザー露光ユニットから半導体レーザーを駆動して書込光Lbを出射し、各感光体ユニットに設けられる第1の像担持体としての感光体ドラム101Y、101C、101M、101K上に静電潜像を形成するためのものである。ここで、書込光の出射は、レーザーに限るものではなく、例えばLEDであってもよい。
【0047】
各画像形成ユニット300には、各感光体ドラムの周囲に、感光体ドラムを帯電する帯電装置、書込光Lbによって感光体ドラムの表面に形成された静電潜像をトナーで現像する現像装置、中間転写ベルト105へのトナー像転写後のドラム表面を清掃するクリーニング装置が設けられている。また、各感光体ドラムに対して中間転写ベルト105を介して対向する位置には、帯電装置としての1次転写装置106Y、106C、106M、106Kがそれぞれ設けられている。各現像装置には装置102内の現像剤のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサ104が取り付けられている。各現像装置には、トナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ104が検出し、その検出結果に基づいてトナーが補給される。
【0048】
このような構成の画像形成ユニット300では、各感光体ドラムの回転とともに、帯電装置1で感光体ドラムの表面を一様に帯電し、プリントコントローラ410からの画像情報に基づいて露光装置からレーザーによる書込光Lbを照射し、感光体ドラム上に静電潜像を形成する。その後、各現像装置により静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、各1次転写装置により中間転写ベルト105上に1次転写される。1次転写後に感光体ドラムの表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置により除去され、次の画像形成に供される。このような画像形成ユニットは、中間転写ベルト105上にトナー像を形成するトナー像形成手段として機能する。
【0049】
図1、図3において、中間転写ベルト105を間にして支持ローラ112と対向する位置には、第2の転写装置として2次転写ローラ108が設けられている。2次転写ローラ108は中間転写ベルト105上に形成されたトナー像を静電的な力で転写紙115に転写する。転写ベルト105上のトナー像を転写紙115上に2次転写する際には、2次転写ローラ108を支持ローラ112に巻回された中間転写ベルト105部分に押し当てて2次転写を行う。
【0050】
中間転写ベルト105の軸方向幅は2次転写ローラ108の長手幅(軸方向幅)よりも大きく、転写紙115の最大幅(横送り時)が2次転写ローラ108の長手幅(軸方向幅)以下の大きさであり、中間転写ベルト105の軸方向の幅と2次転写ローラ108の長手幅(軸方向幅)との寸法差の領域にテストパターンの形成領域が設定されていて、該テストパターン形成領域にテストパターンが形成される。図3に示す例では、2次転写ローラ108の長手幅に相当する軸方向の範囲203は中間転写ベルト105の軸方向幅の中央に位置しており、テストパターン形成領域は中間転写ベルト105の軸方向幅の両端部に帯状に形成されている。
【0051】
図1において、2次転写ローラ108の転写紙115搬送方向下流側には、転写紙115上に転写されたトナー像を定着させるための定着装置111が設けられている。この定着装置111は、加熱ローラ117に加圧ローラ118を押し当てた構成となっている。図1、3において、中間転写ベルト105を間にして支持ローラ112と対向する位置には、テストパターンの濃度や相対位置を推定するための光センサとなるフォトセンサー109F(手前側)、109R(奥側)(以後P/TMセンサ109)が該支持ローラ112の軸方向手前側と奥側の2箇所に設けられている。また、中間転写ベルト105を間にして支持ローラ113に対向する位置には、ベルトクリーニング装置110が設けられている。P/TMセンサ109は、トナー像形成手段により中間転写ベルト105にトナーを付着させたときの該トナーの付着量を検出するための光学センサであり、本形態では、このP/TMセンサ109に上述した反射光量検知センサ20を用いる。
【0052】
画像形成装置100は、図2に示すように、コンピュータ構成の本体制御部406が備えられており、この本体制御部406が各部を駆動制御するとともに、P/TMセンサ109の検出結果に基づいて画像濃度制御を行う画像濃度制御手段としても機能する。本体制御部406は、各種演算や各部の駆動制御を実行するCPU402にバスライン409を介して、コンピュータプログラム等の固定的データを予め記憶するROM405と各種データを書き換え自在に記憶するワークエリア等として機能するRAM403とが接続されて構成されている。ROM405には、テストパターンを発生させるために必要なテストパターンの形成位置や濃度情報、テストパターンの階調を形成するためのバイアス条件、テストパターンの付着量を推定するためのTM/Pセンサ109出力の付着量変換LUT(Look up table)が格納されている。
【0053】
本体制御部406には、プリントコントローラ410が接続されており、プリントコントローラ410では、PC(パソコン)やFAX(ファクシミリ)、スキャナ等からの画像情報を本体制御部406に一元化した画像データとして送信する。また各種センサ情報をデジタルデータに変換するA/D変換回路401、各構成部のモータやクラッチを駆動する駆動回路、画像形成に必要な電圧を発生する高圧発生装置416等も接続されている。
【0054】
このような構成の画像形成装置100を用いてPCからの情報でプリントを行う場合、まず、PC上のプリンタドライバを用いて画像情報を送信する。プリントコントローラ410では、プリンタドライバからのプリント情報を受けて、露光装置200に露光信号を送る。プリント指令を受けた本体制御部406は、図示しない駆動モータを駆動させ、支持ローラ112が回転駆動して中間転写ベルト105が回転駆動する。また、これと同時に、図1に示す各画像形成ユニット300の感光体ドラム101Y,101C,101M,101Kも回転駆動する。
【0055】
その後、プリントコントローラ410からの情報に基づいて、露光装置200から、各画像形成ユニットの感光体ドラム101Y,101C,101M,101K上に書込光Lbがそれぞれ照射される。これにより、各感光体ドラム101Y,101C,101M,101Kには、それぞれ静電潜像が形成され、現像装置102Y,102C,102M,102Kにより可視像化される。そして、各感光体ドラム101Y,101C,101M,101K上には、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。
【0056】
このようにして形成された各色トナー像は、各1次転写装置106Y,106C,106M,106Kにより、順次中間転写ベルト105上に重なり合うようにそれぞれ1次転写される。これにより、中間転写ベルト105上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。2次転写後の中間転写ベルト105上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置110により除去される。
【0057】
画像情報を受けて、ユーザーが選択した転写紙115に応じた図示しない給紙装置の給紙ローラが回転し、図示しない給紙カセットの1つから転写紙115が送り出される。送り出された転写紙115は、図示しない分離ローラで1枚に分離して図示しない給紙路に入り込み、図示しない搬送ローラによりプリンタ本体内の搬送路まで搬送される。このようにして搬送された転写紙105は、レジストローラ107に突き当たったところで止められる。レジストローラ107は、上述のようにして中間転写ベルト105上に形成された合成トナー画像が2次転写ローラ108に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。
【0058】
レジストローラ107により送り出された転写紙115は、中間転写ベルト105と2次転写ローラ108との間に送り込まれ、2次転写ローラ108により、中間転写ベルト105上の合成トナー像が転写紙115上に2次転写される。その後、転写紙115は、2次転写ローラ108に吸着した状態で定着装置111まで搬送され、定着装置111で熱と圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。定着装置111を通過した転写紙115は、図示しない排出ローラにより図示しない排紙トレイに排出されスタックされる。
【0059】
次に、本体制御部406のCPU402がコンピュータプログラムに基づいて行う画像濃度制御について説明する。画像濃度制御は本体の電源スイッチがパワーオンされた時や印刷が開始された時に必要かどうかを判断し、必要であれば実行される。パワーオン直後は、定着ヒーターの加温時間やプリントコントローラの準備時間が必要であり、かつそれまでに放置されることや、使用環境が変化している可能性があるために画像プロセス制御を実施することがある。
【0060】
またプリント動作中はトナーの補給や消費、各感光体ドラムの感光体や中間転写ベルト105の特性の変化が生じる可能性があり、画像プロセス制御を実施することがある。パワーオン直後は、感光体ドラムの停止時間が予め6時間以上であるかまたは、機内の温度が10°C以上変化したか、または機内の相対湿度が50%以上変化した場合に、画像プロセス制御を実行する。
【0061】
感光体ドラムの停止時間は次のように求める。感光体が停止したら、図2に示したプリントコントローラ410の保持しているリアルタイムクロックから時刻情報を取得しRAM403に保存する。パワーオン時に同様にリアルタイムクロックから時刻情報を取得し、その差分から感光体ドラムの停止時間を求める。印刷時は、プリント枚数が所定の間隔に達したらテストパターンの作成を行う。この場合の間隔は、予め実験等により求められるプロセス変動量によって決められる。またプリント枚数の他に中間転写ベルト105の走行距離等をしきい値にしてもよい。
【0062】
次に、画像プロセス制御が必要と判断されたら、テストパターンを形成する。テストパターンは、図2に示す符号201で示すトナー付着量を検出するためのテストパターン(Pパターン)と、符号202で示す画像位置を検出するためのテストパターン(TMパターン)を示す。またPパターン、TMパターンは中間転写ベルト105の軸方向の手前側と奥側に形成され、それぞれ手前側Pパターンを201F、奥側Pパターンを201R、手前側TMパターンを202F、奥側TMパターンを202Rで示す。
【0063】
本体制御部406は、テストパターンを形成した後、TM/Pセンサ109の発光素子から照射されて中間転写ベルト105の表面で反射された反射光を受光素子で検知し、受光素子の出力変化からトナー濃度を検知し、検知結果に応じてトナー補給を実行する。
【0064】
このようなTM/Pセンサ109に「反射光量検知センサ20」を用いることで、TM/Pセンサ109の検出結果に基づいて行う画像濃度制御の安定が向上し、良好な画像を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
この発明は、正反射光が反射する物体の表面に付着する粉体や液体の付着量の測定に応用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 発光素子
2 正反射用受光素子
3 拡散光用受光素子
2A 受光素子の中心
4 検知対象物
4A 反射面
5 遮光性ケース
6 入射光
6A 入射光の光軸
7 反射光
7A 反射光の光軸
8 第1の筒形状部
8A 発光素子の位置決め部
8C 発光用アパーチャ
9 第2の筒形状部
9A 受光素子の位置決め部
9C 受光用アパーチャ
L 一定の間隔
20 反射光量検知センサ
105 像担持体
109 光学センサ
300 トナー像形成手段
406 画像濃度制御手段
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開平08−82599号公報
【特許文献2】特開平09−89769号公報
【特許文献3】特開2007−93586号公報
【特許文献4】特許第4057293号公報
【特許文献5】特開11−282949号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発光素子と1つの受光素子が遮光性ケース内に設けられて検知対象物に対して一定の間隔に保持され、前記発光素子から傾斜して前記検知対象物に対して照射された光の反射光を前記受光素子で受光する反射光量検知センサにおいて、
前記反射光の光軸と前記受光素子の中心が重なる基準位置から、前記受光素子もしくは発光素子と受光素子の両方を素子同士が互いに遠ざかる方向へ前記検知対象物の反射面に対して平行移動させて配置したことを特徴とする反射光量検知センサ。
【請求項2】
前記遮光性ケースは、前記発光素子の位置決め部と前記発光素子から前記検知対象物への照射光の広がりを規制する発光用アパーチャを備えた第1の筒形状部と、前記受光素子の位置決め部と当該受光素子への反射光の量を規定する受光用アパーチャを備えた第2の筒形状部とを有することを特徴とする請求項1記載の反射光量検知センサ。
【請求項3】
前記第1の筒形状部と前記第2の筒形状部は、前記遮光性ケースに一体的に形成され、前記発光用アパーチャは前記発光素子から照射される光の光軸方向に、前記受光用アパーチャは前記反射光の光軸方向にそれぞれ延設されていることを特徴とする請求項2記載の反射光量検知センサ。
【請求項4】
前記検知対象物への入射光の光軸は、前記発光用アパーチャの中心軸上にあり、前記検知対象物からの反射光の光軸は前記受光用アパーチャの中心軸と平行な方向に位置することを特徴とする請求項2または3記載の反射光量検知センサ。
【請求項5】
前記遮光性ケースには、前記発光素子から照射されて前記検知対象物にて拡散反射される光を受光する拡散光用受光素子が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の反射光量検知センサ。
【請求項6】
光を正反射させる表面を有する像担持体と、前記像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該トナー像形成手段により該像担持体上にトナーを付着させたときの該トナーの付着量を検出するための光学センサと、前記光学センサの検出結果に基づいて画像濃度制御を行う画像濃度制御手段とを備えた画像形成装置において、
前記光学センサとして、請求項1ないし5の何れかに記載の反射光量検知センサ有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−190685(P2010−190685A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34466(P2009−34466)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】