説明

反応性ポリウレタン組成物を調製するための方法

反応性ポリウレタン組成物を調製するための方法であって、
第1工程段階において、ポリマーまたはポリマー混合物のイソシアネート反応性末端基に対してポリイソシアネートのイソシアネート基の1モル不足で500未満の分子量を有するポリイソシアネートと反応させることによって、直鎖状分子の画分を少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%含むイソシアネート反応性ポリマーまたはイソシアネート反応性ポリマー混合物から、モノマー非含有熱可塑性ポリウレタンを調製し、
第2工程段階において、該モノマー非含有熱可塑性ポリウレタンを、熱可塑性ポリウレタンのイソシアネート反応性末端基とプレポリマーのイソシアネート基とのモル比1:1.1〜1:5で、低モノマー含有量のイソシアネート末端プレポリマーと反応させて、イソシアネート反応性ポリウレタン組成物を得る方法が提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性ポリウレタン組成物を調製するための方法に関し、それに従って調製された反応性ポリウレタン組成物および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
大気中の水分を介して硬化される反応性ポリウレタン組成物は、適用の新しい分野、特に、接着剤および被覆材の分野を常に切り拓いている。ポリウレタンをベースとする反応性ホットメルト接着剤は、特に、特性の著明な特色を示す。適用温度において、それらのほとんどは、低粘度の液体であり、冷却すると、急速な物理的崩壊を起こし、その結果として、非常に高い初期強度を達成することが可能であり、従って、高い適用速度を達成することが可能である。
【0003】
物理的硬化に続いてイソシアネート基による化学的架橋が生じ、それが、反応性ポリウレタン接着剤の最終的な強度を保証する。しかしながら、特性の著明な特色とは別に、モノマーのイソシアネート残基を含む反応性1成分ポリウレタン組成物は、職業衛生学的に欠点を有する。これらは、危険性物質であり、従ってこれらのポリウレタン組成物は、その量が、組成物の総重量に基づいて0.1重量%より多いとき、有害物質として標識しなければならない。
【0004】
従って、さまざまな方法が、残留するモノマーのジイソシアネート含有量が低く義務的な標識要求に制約されないポリウレタン組成物を提供するために開発されている。
【0005】
DE−A10225982は、少なくとも1つのイソシアネート反応性ポリマーと少なくとも1つのイソシアネート末端プレポリマーとを、そのイソシアネート反応性ポリマーの過剰量で反応させることによって、ジイソシアネートモノマー画分が少ないポリウレタン組成物を調製するための方法を記載している。この組成物は、実質的にジイソシアネートモノマーを含まない。生じるポリウレタン組成物は、0.1重量%未満のモノマーのジイソシアネートを含み、従って、義務的な標識要求に制約されない。しかしながら、市販されている脱単量体化されたプレポリマーは、一般にプレポリマーの総重量に基づいて10重量%未満の反応性イソシアネート基含有量を有する。結果的に、大量のこれらのプレポリマーが、水分反応性ホットメルト接着剤を生成するために必要である。しかしながら、プレポリマーは、室温で液体であるので、それらを使用して生成されたホットメルト接着剤は、低いモノマー含有量を伴わない種類よりも初期強度が低い。
【0006】
モノマー含有量の低い反応性ポリウレタン組成物を調製するための他の方法は、非対称のジイソシアネート、特に、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアネート基間の反応性の違いを利用する。この場合に利用される現象は、立体配置に関する理由のためにパラ位のイソシアネート基が、ヒドロキシル官能性を用いて、オルト位のイソシアネート基よりも大幅に迅速に反応するというものである。この種の反応生成物は、例えば、DE−A10150722に記載されている。反応生成物は、1000未満の分子量を有する、少なくとも1つのポリエーテルポリオールおよび/またはポリアルキレンジオールならびに/あるいは結晶性、部分的に結晶性もしくはガラス状の非結晶質のポリエステルポリオールを含む2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートから得られ、そして0.5重量%未満、好ましくは0.25重量%未満の残留するモノマーのジイソシアネート含有量を有し、また高い融解安定性および低い粘度を有する。しかしながら、この方法は、0.1重量%未満の低い残留するモノマーのジイソシアネート含有量を確実に保証することができず、このことは義務的な標識要求に制約されない生成物にとって必要であ
り得る。さらに、ホットメルト接着剤として使用されるとき、生じるポリウレタン組成物は、接着される基板に対する濡れ特性に乏しいという欠点を示す。
【0007】
DE−C10215641の方法の第1の工程において、少なくとも1つのイソシアネート反応性ポリマーが、少なくとも1つのモノマーのジイソシアネートと反応し、そして方法の第2の工程において、第1の工程からの反応生成物は、イソシアネート末端プレポリマーと混合される。得られたポリマー組成物は、より良好な湿潤性および残留するモノマーのジイソシアネート含有量が低いという特徴を有する。同様に、この方法では、このようにして調製された反応性ポリウレタン組成物は、組成物全体に基づいて0.1重量%未満の残留するモノマー含有量を有するという信用できる保証が存在しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、義務的な標識要求に制約されず、そして1成分ホットメルト接着剤または被覆材としての用途に合わせた特性を有する反応性ポリウレタン組成物を調製するための方法を提供することであった;特に、この組成物は、非モノマー低減ホットメルト接着剤(non−monomer−reduced hotmelt adhesive)に匹敵する初期強度を有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この達成は、第1工程段階において、ポリマーまたはポリマー混合物のイソシアネート反応性末端基に対してポリイソシアネートのイソシアネート基の1モル不足で500未満の分子量を有するポリイソシアネートと反応させることによって、直鎖状分子の画分を少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%含むイソシアネート反応性ポリマーまたはイソシアネート反応性ポリマー混合物から、イソシアネート反応性基を含むモノマー非含有熱可塑性ポリウレタンを調製し、そして第2工程段階において、該モノマー非含有熱可塑性ポリウレタンを、熱可塑性ポリウレタンのイソシアネート反応性末端基とプレポリマーのイソシアネート基とのモル比1:1.1〜1:5で、低モノマー含有量のイソシアネート末端プレポリマーと反応させて、反応性ポリウレタン組成物を得る、反応性ポリウレタン組成物を調製するための方法にある。
【0010】
方法の第1の工程において、直鎖状分子の画分を少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%有するイソシアネート反応性ポリマーまたはイソシアネート反応性ポリマー混合物が使用される。ここでポリマーまたは混合物を形成するポリマーの末端基は、好ましくはヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、カルボン酸無水物基および/またはメルカプト基であり得る。
【0011】
好ましいイソシアネート反応性ポリマーは、主に、直鎖状ポリエステルだけでなく分枝状ポリエステル、特に2官能性だけでなく3官能性のポリエチレンでもあり、そしてポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフランおよびポリアミドならびにそれらの混合物である。この場合、対応する共重合体、特にブロック共重合体を使用することもまた可能である。
【0012】
特に好ましいのは、ポリエステルポリオールで、それは液状、ガラス状の非結晶性または結晶性であってもよく、400〜25000g/mol、特に1000〜10000g/mol、より好ましくは2000〜6000g/molの数平均分子量を有する。この種類の特に適したポリエステルポリオールは、例えば、市販品としてDegussa AGから商品名Dynacoll(登録商標)として入手可能である。さらに適したポリエステルポリオールは、脂肪酸をベースとした、ポリカプロラクトンポリエステル、ポリカ
ーボネートポリエステルおよびポリエステルポリオールである。
【0013】
さらに好ましいイソシアネート反応性ポリマーは、大部分が直鎖状のポリアルキレンオキシドまたは分岐度の低いポリアルキレンオキシドであり、特に250〜12000g/molの数平均分子量を有し、好ましくは500〜4000g/molの数平均分子量を有するポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはポリテトラヒドロフラン(ポリオキシテトラメチレンオキシド)である。
【0014】
本発明者らは、方法の第1段階において、ポリマーのイソシアネート反応性末端基に対してそのイソシアネート基の1モル不足でポリイソシアネートを使用することが必須であることを認識している。好ましいのは、ポリマーまたはポリマー混合物のイソシアネート反応性末端基とポリイソシアネートのイソシアネート基との比を、1.1:1〜5:1の範囲とすることである。特に好ましいのは、前述したモル比が1より有意に大きく、特に2:1〜3:1の範囲内であることである。
【0015】
方法の第1の段階において、混合物であってもよいイソシアネート反応性ポリマーを、500未満の分子量を有するポリイソシアネートと反応させる。
【0016】
好ましくは、ポリイソシアネートは、1〜3のイソシアネート官能性、好ましくは1.8〜2.2、より好ましくは2のイソシアネート官能性を有する、芳香族、脂肪族または脂環式ポリイソシアネートから選択される物質または物質の混合物である。
【0017】
特に好ましいのは、500未満の分子量を有するポリイソシアネートが、以下の列挙からの物質または物質の混合物であることである:ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、特に4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンおよび2,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンならびに異なるジイソシアナトジフェニルメタンの混合物;水素化4,4’−MDI(ビス4−イソシアナトシクロヘキシル)メタンおよび水素化2,4’−MDI;テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI);キシリレンジイソシアネート(XDI);1,5−ジイソシアナトナフタレン(NDI);ジイソシアナトトルエン(TDI)、特に、2,4−ジイソシアナトトルエンおよびTDIウレトジオン、特に1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアネート2量体(TDI−U)およびTDI尿素;1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDI)ならびにその異性体および誘導体、特に、2量体、3量体およびポリマーならびにIPDIイソシアヌレート(IPDI−T);3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI);3,3’−ジイソシアナト−4,4’−ジメチル−N,N’−ジフェニル尿素(TDIH);ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(HDI)。特に有利なのは、そのポリイソシアネートが、2,2’異性体および4,4’異性体の合計の最大画分がポリイソシアネートの総重量に基づいて2.5重量%である2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)であることである。
【0018】
方法の第1の段階は、イソシアネート反応性基を有するモノマー非含有熱可塑性ポリウレタンを中間体(遊離のイソシアネート反応性基を含むプレポリマーとも呼ばれ得る)として生成する。
【0019】
方法の第2の段階において、過剰量、すなわち、熱可塑性ポリウレタンの反応性末端基と、プレポリマーのイソシアネート基とのモル比1:1.1〜1.5で、第1の工程において得られた熱可塑性ポリウレタンをイソシアネート末端プレポリマーと反応させ、イソシアネート反応性ポリウレタン組成物の最終生成物を形成する。
【0020】
この場合におけるイソシアネート過剰量は、生じる反応性ポリウレタン組成物が、組成物全体に基づいて、少なくとも0.5重量%、しかし好ましくは少なくとも1重量%のイソシアネート含有量を含むように選択されなければならない。しかしながら、イソシアネート反応性基に対するイソシアネート官能性のモル比を、無限に増大させることもできない。そうでないと反応性ポリウレタン組成物の初期強度が低くなりすぎるからである。実際には、2〜3の比が特に適切であると判明している。
【0021】
使用できるイソシアネート末端プレポリマーのモノマー含有量が低い場合、すなわち、それらの残留するモノマー含有量が、0.5重量%より多くない、好ましくは0.3重量%未満、特に好ましくは、0.1重量%未満である場合、本発明は、使用できるイソシアネート末端プレポリマーに関して制限されない。特に適切なのは、ポリエーテル、好ましくはポリプロピレングリコールと、ポリイソシアネート、特にジイソシアナトジフェニルメタン、ジイソシアナトトルエン、ジイソシアナトヘキサンおよび/またはイソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDI)との反応生成物である。
【0022】
この種類のモノマー含有量の低いイソシアネート末端プレポリマーは、ポリエーテルポリオールと、過剰量のポリイソシアネートとを反応させることによって調製される。反応後、依然として存在するモノマーのイソシアネートは、薄膜蒸発装置を用いて除去される。これらのモノマー含有量の低いプレポリマーは、市販されており、例えば、商品名Vorastar(登録商標)としてDow Chemicalsから販売されている。
【0023】
方法の段階1および/または2における反応は、好ましくは80〜140℃、特に100〜120℃の範囲の温度で実施される。
【0024】
1つの有利な手順において、方法の第1の段階における熱可塑性ポリウレタンの調製のために、イソシアネート反応性ポリマーまたはイソシアネート反応性ポリマー混合物は、真空下、120℃で水を含まない。従って、ポリイソシアネートとの反応は、80〜140℃、好ましくは100〜120℃で起こる。
【0025】
このようにして調製された熱可塑性ポリウレタンは、この形態で単離することができ、そしてその後、方法の第2の工程において、さらなるポリイソシアネート成分、特に脱単量体化されたプレポリマーと反応することができる。
【0026】
しかしながら、方法の第1の工程後すぐに同じ反応器内で方法の第2工程を実施することが好ましい。そのため、モノマー含有量の低いプレポリマーは、方法の第1の工程において調製される熱可塑性ポリウレタンに添加され、そして反応は、80〜140℃、好ましくは100〜120℃で起こる。
【0027】
この方法で調製された反応性ポリウレタン組成物は、続いて好ましくは水分不透過性容器に分配される。
【0028】
上記で説明された方法によって入手可能な反応性ポリウレタン組成物もまた、本発明によって提供される。
【0029】
特に、反応性ポリウレタン組成物はまた、非反応性ポリマー、粘着付与樹脂、ろう、可塑剤、充填剤、添加剤、反応促進剤、粘着促進剤、顔料、触媒、安定剤および/または溶媒を含んでいてもよい。
【0030】
非反応性ポリマーは、好ましくは、ポリオレフィン、ポリアクリレートならびにエチレ
ンおよび0重量%〜80重量%の酢酸ビニル含有量を有する酢酸ビニルをベースとするポリマーまたはポリアクリレートならびにそれらの混合物であってもよい。
【0031】
非反応性成分は、好ましくは反応性ポリウレタン組成物の調製の最初に添加されるが、第2工程段階の後にも添加され得る。
【0032】
本発明の反応性ポリウレタン組成物は、特に、1成分反応性接着剤としてか、または被覆材としての用途に適する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、例示的な実施形態を参照して以下でより詳細に説明される。
各場合において、ポリエステルポリオールの同じ混合物から出発して、各場合において約1.4%の残留するイソシアネート含有量を有する反応性ポリウレタン組成物が調製され、そして1成分反応性接着剤として使用され得る。
【0034】
ポリエステルポリオール混合物は、各場合において以下のように調製された:
25重量部のDegussa AG社製のポリエステルポリオールDynacoll(登録商標)7130、25重量部のDegussa AG社製のポリエステルポリオールDynacoll(登録商標)7250、25重量部のDegussa AG社製のポリエステルポリオールDynacoll(登録商標)7380および0.2重量部のHuntsman社製のアミン反応促進剤Jeffcat(登録商標)DMDLSを、パドル状の撹拌器を使用してガラス容器内で予備撹拌に供し、そして130℃で60分間脱水した。
【0035】
比較実施例1
第1の比較実施例において、上記のポリエステルポリオール混合物から出発して、低いモノマー含有量を伴わないポリウレタンホットメルト接着剤を、上述のポリエステルポリオール混合物に12.5部のBayer AG社製の4,4’−MDI Desmodur(登録商標)44M、すなわち、ポリエステルポリオール混合物のOH基に対して1モル過剰のNCO基のイソシアネートによって調製し、そして120℃で1時間撹拌した。
【0036】
比較実施例2
同じポリエステルポリオール混合物から出発して、モノマーの含有量が低いポリウレタンホットメルト接着剤を、従来技術に従って、ポリエステルポリオール混合物のOH基に対して1モル過剰のNCO基を含むDow Chemicals社製のTDI,Vorastar(登録商標)LM1002をベースとする59部の脱単量体化されたプレポリマーを添加することによって調製し、そして120℃で1時間撹拌を実施した。
【0037】
本発明の実施例1
同じポリエステルポリオール混合物から出発して、低モノマー含有量の本発明のポリウレタンホットメルト接着剤を、第1工程段階において、3重量部の2,4’−MDT Lupranat(登録商標)MCIを添加して、イソシアネート反応性基を有するモノマー非含有熱可塑性ポリウレタンを最初に形成することによって調製し、そして120℃で1時間撹拌した。この低モノマー含有量の熱可塑性ポリウレタンを、第2工程段階において、Dow Chemicals社製のTDI,Vorastar(登録商標)LM1002をベースとする44重量部の脱単量体化されたプレポリマーと120℃で1時間反応させた。
【0038】
本発明の実施例2
同じポリエステルポリオール混合物から出発して、低モノマー含有量のさらなる本発明のポリウレタンホットメルト接着剤を、第1工程段階において、3重量部のBayer
AG社製の4,1’−MDI Desmodur(登録商標)44Mを添加して、イソシアネート反応性基を有するモノマー非含有熱可塑性ポリウレタンを最初に形成することによって調製し、そして120℃で1時間撹拌した。その生成物を、第2工程段階において、Dow Chemicals社製のTDI,Vorastar(登録商標)LM1002をベースとする44重量部の脱単量体化されたプレポリマーと120℃で1時間反応させた。
【0039】
比較実施例1および2ならびに本発明の実施例1および2に従って生成されたポリウレタンホットメルト接着剤を、それぞれ耐水容器に分配し、そして各場合の粘度、初期強度および残留するモノマー含有量について計測を実施した。
【0040】
溶融粘度を、10rpmの回転速度で、27スピンドルの調整されたBrookfield HB DV2粘度計を使用して測定した。
【0041】
強度は、DIN 53283に基づいて、引張せん断試験を実施することによって測定した。これは、100mm×20mm×2mmの寸法を有するブナ接着試験(bonding beech test)片を重ねて張り合わせて(接着範囲20mm×20mm)、以下の表に特定される時間間隔でFrank社製の調整された引張試験機を用いて、それらを試験することによって実施された。特定された測定値は、各場合において、5回の測定の平均である。
【0042】
残留するモノマー含有量を、サンプルの誘導体化後にHPLC(UV検出)を用いて測定した。
【0043】
ホットメルト接着剤について以下の表において報告されたNCO含有量は、計算によって決定された。
表:
【0044】
【表1】

【0045】
表に示された結果から、本発明の方法を用いて、低モノマー含有量の公知のホットメル
ト接着剤(比較実験2)と比べて改善された初期強度を有し、低モノマー含有量ではない公知のホットメルト接着剤(比較実験1)より初期強度の減少の小さい、モノマー含有量の低いホットメルト接着剤を得ることが可能であることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性ポリウレタン組成物を調製するための方法であって、
第1工程段階において、ポリマーまたはポリマー混合物のイソシアネート反応性末端基に対してポリイソシアネートのイソシアネート基の1モル不足(a molar deficit)で500未満の分子量を有するポリイソシアネートと反応させることによって、直鎖状分子の画分を少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%含むイソシアネート反応性ポリマーまたはイソシアネート反応性ポリマー混合物から、イソシアネート反応性基を含むモノマー非含有熱可塑性ポリウレタンを調製し、そして
第2工程段階において、該モノマー非含有熱可塑性ポリウレタンを、熱可塑性ポリウレタンのイソシアネート反応性末端基とプレポリマーのイソシアネート基とのモル比1:1.1〜1:5で、低モノマー含有量のイソシアネート末端プレポリマーと反応させて、イソシアネート反応性ポリウレタン組成物を得る、
方法。
【請求項2】
前記ポリマーまたはポリマー混合物のイソシアネート反応性末端基と前記ポリイソシアネートのイソシアネート基とのモル比が1.1:1〜5:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1工程段階における前記ポリマーまたはポリマー混合物のイソシアネート反応性末端基と前記ポリイソシアネートのイソシアネート基とのモル比および/または第2工程段階における前記プレポリマーのイソシアネート基と前記熱可塑性ポリウレタンのイソシアネート反応性末端基とのモル比が、2:1〜3:1の範囲内である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
大部分が直鎖状のポリマーの末端基が、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、カルボン酸無水物基および/またはメルカプト基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記イソシアネート反応性ポリマーまたはイソシアネート反応性ポリマー混合物が、以下の列挙:ポリエステル、2官能性もしくは3官能性ポリエチレンまたはポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフランおよびポリアミドならびにそれらの共重合体およびブロック共重合体から選択される1以上の物質である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
使用されるイソシアネート反応性ポリマーが、400〜25000g/mol、好ましくは1000〜10000g/mol、より好ましくは2000〜6000g/molの数平均分子量を有するポリエステルポリオールおよび/または250〜12000g/mol、好ましくは500〜4000g/molの数平均分子量を有するポリアルキレンオキシドである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
500未満の分子量を有するポリイソシアネートが、1〜3のイソシアネート官能性、好ましくは1.8〜2.2のイソシアネート官能性、より好ましくは2のイソシアネート官能性を有する、芳香族、脂肪族または脂環式ポリイソシアネートから選択される物質または物質の混合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
500未満の分子量を有するポリイソシアネートが、ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、特に4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンおよび2,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンならびに異なるジイソシアナトジフェニルメタンの混合物;水素
化4,4’−MDI(ビス4−イソシアナトシクロヘキシル)メタンおよび水素化2,4’−MDI;テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI);キシリレンジイソシアネート(XDI);1,5−ジイソシアナトナフタレン(NDI);ジイソシアナトトルエン(TDI)、特に、2,4−ジイソシアナトトルエンおよびTDIウレトジオン、特に1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアネート2量体(TDI−U)およびTDI尿素;1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDI)ならびにその異性体および誘導体、特に、2量体、3量体およびポリマーならびにIPDIイソシアヌレート(IPDI−T);3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI);3,3’−ジイソシアナト−4,4’−ジメチル−N,N’−ジフェニル尿素(TDIH);ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(HDI)の群から選択され、特に有利には、該ポリイソシアネートが、2,2’異性体および4,4’異性体の合計の最大画分が該ポリイソシアネートの総重量に基づいて2.5重量%の2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ポリイソシアネートが、2,2’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)および4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)の合計の最大画分が該ポリイソシアネートの総重量に基づいて2.5重量%である2,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第2工程段階における使用のための前記モノマー低減(reduced)イソシアネート末端プレポリマーが、ポリエーテル、特にポリプロピレングリコールと、ポリイソシアネート、特にジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、ジイソシアナトトルエン(TDI)、ジイソシアナトヘキサン(HDI)および/またはイソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDI)との反応生成物から選択される1以上の物質である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
第1工程段階および/または第2工程段階が、80〜140℃、好ましくは100〜120℃の範囲内の温度で実施される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法によって得られうる反応性ポリウレタン組成物。
【請求項13】
前記ポリウレタン組成物が、特に、非反応性ポリマー、粘着付与樹脂、ろう、充填剤、可塑剤、添加剤、粘着促進剤、顔料、触媒、安定剤および/または溶媒の群から選択される非反応性成分を含む、請求項12に記載の反応性ポリウレタン組成物。
【請求項14】
非反応性ポリマーが、以下の群:ポリオレフィン、ポリアクリレートまたは酢酸エチレンおよび酢酸ビニルに基づくポリマーから選択される、反応性ポリウレタン組成物。
【請求項15】
1成分反応性接着剤または被覆材としての、請求項14に記載の反応性ポリウレタン組成物の使用。

【公表番号】特表2008−521953(P2008−521953A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541863(P2007−541863)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012688
【国際公開番号】WO2006/056472
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(505411701)クレープヒェミー・エム・ゲー・ベッカー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (6)
【氏名又は名称原語表記】KLEBCHEMIE M.G. BECKER GMBH + CO. KG
【Fターム(参考)】