説明

収納ボックス構造

【課題】自動車の車室内のアクセサリ用品に用いて好適の収納ボックス構造に関し、利便性に優れた収納ボックスを提供する。
【解決手段】上方が開口されて物品を収納可能としたボックス本体2と、ボックス本体2の開口5を覆う蓋部材3とを有する収納ボックス1の構造であって、蓋部材3をボックス本体2上部の開口周縁部22に対して着脱可能に構成するとともに、ボックス本体2の底部21に着脱可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車室内のアクセサリ用品に用いて好適の、収納ボックス構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車の車室内で使用されるアクセサリ用品として、例えば図7に示すような、ゴミ箱や小物入れ等の多様な機能を有する収納ボックス100が実用化されている。この収納ボックス100は例えば自動車のインストルメントパネル(インパネ)に設けられた図示しないブラケットに対し着脱可能に構成されており、ユーザの好みやニーズに応じて取り付けたり、取り外したりすることができるようになっている。
【0003】
また、このようなアクセサリ用品に関する技術としては、例えば下記の特許文献1に開示されたものが公知である。
【特許文献1】特開2003−306056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の収納ボックスは、図7に示すようにゴミ等が飛び出さないように開口部が狭くなっており、大きなゴミを入れることができない、また、物入れとして用いる場合においても開口部より小さいものしか収納できない上、取り出しも困難であるという課題があった。
なお、上記の特許文献1に開示された技術は、上述したような課題を解決することができるようなものではなかった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、利便性に優れた収納ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本発明の収納ボックス構造は、上方が開口されて物品を収納可能としたボックス本体と、該ボックス本体の開口を覆う蓋部材とを有する収納ボックスの構造であって、該蓋部材は該ボックス本体の上部に対して着脱可能に構成されるとともに、該ボックス本体の底部に着脱可能に構成されていることを特徴としている(請求項1)。
また、該蓋部材は、該ボックス本体の上部装着時に、該蓋部材の周縁部が該ボックス本体上部の開口周縁部に弾性係合され、該ボックス本体の底部装着時には、該蓋部材の裏面を上に向けた状態で該周縁部が該底部の外周に弾性係合されることを特徴としている(請求項2)。
なお、該ボックス本体の開口周縁部の内周に第1の凹部が形成され、該蓋部材の周縁部の外周側には該第1の凹部と係合する第1の凸部が形成されるのが好ましい(請求項3)。
【0007】
また、該ボックス本体の底部外周には第2の凸部が形成され、該蓋部材の縁部の内周側には該第2の凸部と係合する第2の凹部が形成されているのが好ましい(請求項4)。
また、該第1の凸部と該第2の凹部は、該蓋部材周縁部の外周側と内周側においてお互いが重なる位置に形成されているのが好ましい(請求項5)。
また、該蓋部材の上面には、開口部が形成されているのが好ましい(請求項6)。
【0008】
また、該収納ボックスは、自動車の車内に着脱可能に取り付けられる自動車用アクセサリ用品であるのが好ましい(請求項7)。
【発明の効果】
【0009】
本発明の収納ボックス構造によれば、例えば、ゴミ箱として使用したり、小物等を収納したりするような場合には、蓋部材をボックス本体上部に装着しておき、収納物等の飛び出しを防ぐことができる。また蓋部材をボックス本体の上部から取り外して使用すれば、蓋部材に形成された開口よりも大きいものを容易に収納することできるようになり、ユーザの利便性を高めることができる。また蓋部材をボックス本体上部から取り外して使用するときは、蓋部材をボックス本体の底部に重ねて取り付けておくことができるので、蓋部材の置き場所に困ることがない。
【0010】
また、蓋部材とボックス本体との凸部と凹部とを係合させる構成とすることにより、容易に蓋部材とボックス本体とを着脱させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面により、本発明の一実施形態にかかる収納ボックス構造について説明すると、図1は収納ボックスの蓋部材とボックス本体とを離隔して全体構成を示す模式的な斜視図、図2は蓋部材をボックス本体の上部に取り付けた状態を示す模式的な斜視図、図3は蓋部材をボックス本体の底部に取り付けた状態を示す模式的な斜視図、図4〜図6はいずれも本発明の要部構成について示す模式的な断面図である。
【0012】
さて、図1に示すように、本実施形態に係る収納ボックス1は、主に上方が開口されて物品を収納可能としたボックス本体2と、上記ボックス本体2に取り付けられ、ボックス本体2の開口5を覆う蓋部材3とから構成されている。ここで、この収納ボックス1は、自動車の車室内において所定の個所に着脱可能に構成されたアクセサリ用品であって、ユーザが用途に応じてゴミ箱として用いたり、物入れとして用いたりすることができるようになっている。
【0013】
図1及び図2に示すように、蓋部材3は、上面に開口部4が形成されており、下方の周縁部7がボックス本体2の上部に取り付け可能に構成されている。ボックス本体2は、上部に開口5を有する箱部材であり、開口周縁部22は、その内周が蓋部材3の周縁部7の外周より大きくなるよう形成されている。そして蓋部材3は、周縁部7がボックス本体2の開口周縁部22内側に嵌め込まれた状態で、ボックス本体2の上部に装着される。なお、蓋部材3をボックス本体2の上部に装着した状態では、蓋部材3の開口部4から、物品やゴミを出し入れすることができるようになっている。また、蓋部材3の開口部4以外の部位により、内部の収納物やゴミがボックス本体2から溢れたり落ちたりするのを防止することができる。
【0014】
一方、図3に示すように、この蓋部材3は、ボックス本体2の底部21にも取り付け可能に構成されている。本実施形態においては、ボックス本体2の底部21の外周が、蓋部材3の周縁部7の内周より小さくなるよう形成されており、蓋部材3の裏側を上方に向けた状態、いわゆる周縁部7が上方となるよう蓋部材3を逆さにした状態でボックス本体2の底部21に装着することができるようになっている。なお、蓋部材3をボックス本体2の上部から取り外した状態では、上部装着時よりも比較的大きな物品を収納することができる。
【0015】
また、本実施形態においては、ボックス本体2及び蓋部材3は樹脂により形成されており、蓋部材3はボックス本体2の開口周縁部22及び底部21に弾性変形を利用して着脱可能に係合できるよう構成されている。
ここで、図4及び図5に示すように、ボックス本体2上部の開口周縁部22の内周には凹部(第1の凹部)6が形成され、蓋部材3の周縁部7の外周側に第1の凹部6と係合する凸部(第1の凸部)8が形成されている。
【0016】
また、この第1の凹部6は開口周縁部22の全周に亘って形成されたものではなく、図1に示すように、ボックス本体2の左右の両側の2個所においてのみ形成されている。また、第1の凸部8も、この第1の凹部6に対応するように、やはり左右の2箇所に形成されている。 そして、蓋部材3をボックス本体2の上に載置して、軽く蓋部材3を押圧することで蓋部材3の周縁部7及びボックス本体2の開口周縁部22の左右両端が僅かに弾性変形しながら、蓋部材3の周縁部7がボックス本体2の開口周縁部22の内側に嵌め込まれるように移動し、図5に示すように、第1の凸部8が第1の凹部6に係合して蓋部材3がボックス本体2の上部に取り付けられるようになっている。これにより、蓋部材3をボックス本体2に装着する際には軽い節度感を伴いながらユーザは取り付け作業を行うことができる。
【0017】
なお、詳細は後述するが、この第1の凸部8は、蓋部材3をボックス本体2の底部21から取り外す際には、ユーザが蓋部材3を把持する把持部としての機能も有している。
一方、図6に示すように、ボックス本体2の底部21の外周には凸部(第2の凸部)9が形成され、また、蓋部材3の周縁部7の内周側に上記の第2の凸部9と係合する凹部(第2の凹部)10が形成されている。
【0018】
また、これらの第2の凸部9及び第2の凹部10についても、ボックス本体2や蓋部材3の全周に形成されたものではなく、第1の凹部6及び第1の凸部8と同様にボックス本体2及び蓋部材3の左右の両側の2個所に形成されている。また、図5及び図6に示すように、蓋部材3の第2の凹部10は、第1の凸部8の裏側に形成されている。すなわち蓋部材3に設けられる第1の凸部と該第2の凹部は、周縁部7の外周側と内周側においてお互いが重なる位置に形成されている。
【0019】
そして、蓋部材3をボックス本体2の上部から取り外して使用する際には、蓋部材3の裏側を上方に向けた状態でボックス本体2の底部21に押し付けることで、第2の凸部9と第2の凹部10とが係合して蓋部材3をボックス本体2に取り付けることができる。また、この場合にも、やはり軽い節度感を伴いながら蓋部材3をボックス本体の低部21に装着することができる。
【0020】
なお、図1〜図3における符号20は収納ボックス1の車両側取り付け部であって、この部位を2つの部品からなる図示しないクリップ部品で狭持し、クリップ部品を車両側に形成された係合溝に係合させることにより収納ボックス1が車両に対して着脱可能に取り付けられるようになっている。
ただし、収納ボックス1の車両側への取り付け手法に関しては特に限定されず、種々の公知の手法が適用可能である。
【0021】
また、ボックス本体2の底部21に装着された蓋部材3を取り外す場合には、蓋部材3に形成された第1の凸部8に指をかけて下方に力を加えることにより、容易に蓋部材3を底部21から取り外すことができる。
本発明の一実施形態に係る収納ボックス構造は上述のように構成されているので、蓋部材3をボックス本体2の上部22に装着して使用する場合は、蓋部材3をボックス本体2の上に載置し、蓋部材3を押圧することで、第1の凸部8と第1の凹部6とが係合して蓋部材3がボックス本体2に取り付けられる。
【0022】
これにより、蓋部材3の開口部4を介してボックス本体2に物品を収納することができ、或いはゴミ箱として使用することができる。
また、開口部4よりも大きなものを収納する場合や、収納された小物を取り出したりする場合には、ボックス本体2を保持しながら蓋部材3を上方に持ち上げることで、比較的容易に第1の凸部8と第1の凹部6との係合が解除されて蓋部材3を取り外すことができる。
【0023】
また、この場合には、取り外した蓋部材3をボックス本体2の底部21に押し付けることで、第2の凸部9と第2の凹部10とが係合して蓋部材3をボックス本体2に取り付けることができ、蓋部材3の置き場を確保する必要がなくなる。
また、底部21から蓋部材3を取り外す場合には、ボックス本体2を保持しながら蓋部材3を下方に引っ張ることにより蓋部材3を底部21から取り外すことができる。特に、蓋部材3の第1の凸部8に指をかけて下方に力を加えることにより、容易に蓋部材3を取り外すことができる。
【0024】
したがって、本発明の一実施形態に係る収納ボックス構造によれば、蓋部材3をボックス本体2の上部から取り外して使用するときは、蓋部材3をボックス本体の底部21に取り付けておくことで蓋部材2の置き場所に困ることがなく、ユーザの利便性を高めることができる。
また、蓋部材3をボックス本体2の上部から取り外すことで、蓋部材3の開口部4よりも大きいものを容易に収納することできる。
【0025】
また、蓋部材3とボックス本体2とに設けた凸部8,9と凹部6,10とを係合させることにより、容易に蓋部材3とボックス本体2とを着脱させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形例が可能である。例えば収納ボックスは、必ずしも小物入れとゴミ箱との両方の機能を有するアクセサリ用品を指すのではなく、例えばゴミ箱として用いられることのみを想定して製造されたものや、もっぱら小物入れとして用いられることを想定して製造されたものも含まれる。また、これ以外にも例えば小銭入れやメガネ(サングラス)入れも収納ボックスとして含まれる。また、上述の実施の形態では、本発明を自動車の車内のアクセサリ用品の取り付けに適用した場合について説明したが、自動車のアクセサリ用品への適用に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態にかかる収納ボックス構造を示す模式図であって、蓋部材とボックス本体とを離隔して示す模式的な斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる収納ボックス構造を示す模式図であって、蓋部材をボックス本体の上部に取り付けた状態を示す模式的な斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる収納ボックス構造を示す模式図であって、蓋部材をボックス本体の底部に取り付けた状態を示す模式的な斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる収納ボックス構造の要部を示す模式的な断面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる収納ボックス構造の要部を示す模式的な断面図であって、図4におけるY部を拡大して示す図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる収納ボックス構造の要部を示す模式的な断面図であって、図4におけるZ部を拡大して示す図である。
【図7】従来の技術について説明する図である。
【符号の説明】
【0027】
1 アクセサリ用品としての収納ボックス
2 ボックス本体
3 蓋部材
4 蓋部材開口部
5 ボックス本体開口
6 第1の凹部
7 蓋部材周縁部
8 第1の凸部
9 第2の凸部
10 第2の凹部
20 取り付け部
21 ボックス本体底部
22 ボックス本体開口周縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開口されて物品を収納可能としたボックス本体と、該ボックス本体の開口を覆う蓋部材とを有する収納ボックスの構造であって、
該蓋部材は該ボックス本体の上部に対して着脱可能に構成されるとともに、該ボックス本体の底部に着脱可能に構成されている
ことを特徴とする、収納ボックス構造。
【請求項2】
該蓋部材は、該ボックス本体の上部装着時に、該蓋部材の周縁部が該ボックス本体上部の開口周縁部に弾性係合され、該ボックス本体の底部装着時には、該蓋部材の裏面を上に向けた状態で該周縁部が該底部の外周に弾性係合される
ことを特徴とする、請求項1記載の収納ボックス構造。
【請求項3】
該ボックス本体の開口周縁部の内周に第1の凹部が形成され、該蓋部材の周縁部の外周側には該第1の凹部と係合する第1の凸部が形成されている
ことを特徴とする、請求項2記載の収納ボックス構造。
【請求項4】
該ボックス本体の底部外周に第2の凸部が形成され、該蓋部材の周縁部の内周側には該第2の凸部と係合する第2の凹部が形成されている
ことを特徴とする、請求項3記載の収納ボックス構造。
【請求項5】
該第1の凸部と該第2の凹部とは、該蓋部材周縁部の外周側と内周側においてお互いが重なる位置に形成されている
ことを特徴とする、請求項4記載の収納ボックス構造。
【請求項6】
該蓋部材の上面には、開口部が形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の収納ボックス構造。
【請求項7】
該収納ボックスは、自動車の車内に着脱可能に取り付けられる自動車用アクセサリ用品である
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の収納ボックス構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−62842(P2008−62842A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244166(P2006−244166)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】