説明

収納容器

収納容器(1)は中空の収納箱(10)及び蓋(12)を有する。蓋(12)は、収納容器(1)を幼児用の乗り物おもちゃとして用いることを可能にする車輪(14)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
幼い消費者にアピールする収納容器の市場のニーズが、現在、存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、幼い消費者向けの、既存の貯蔵における解決策の限界を克服して、付加価値がある多機能性の収納容器を作ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、中空の収納容積部及び該収納容積部にアクセスできるようにする投入開口部を画定し、また該投入開口部の反対側で底部を有する、収納箱と、複数の回転可能な車輪を設けた閉鎖部材であり、開放側面及び閉鎖側面を有し、これら開放側面と閉鎖側面との間に端縁領域が延びており、前記収納箱に取り外し可能に係合し得る、該閉鎖部材とを備える、収納容器を提供し、該収納容器の第1使用形態では、前記収納箱の前記底部が支持面に接触し、前記収納箱の前記投入開口部が、前記閉鎖部材の前記開放側面に隣接し、これにより、前記投入開口部が前記閉鎖部材により閉じられる状態となり、前記収納容器の第2使用形態では、前記閉鎖部材上に設けた前記車輪が支持面に接触し、また前記収納箱の前記投入開口部が閉鎖部材の開放側面に隣接して、前記閉鎖部材により閉じられる状態となり、前記収納容器の第3使用形態では、前記閉鎖部材上に設けた前記車輪が支持面に接触し、また前記収納箱の前記底部が、前記閉鎖部材の前記開放側面に隣接して閉鎖部材によって支持され、これにより、投入開口部が開放する状態となる。
【0005】
閉鎖部材の開放側面は凸状湾曲輪郭(プロファイル)を有し、また収納容器の第4使用形態では、収納箱の底部が、閉鎖部材の閉鎖側面に隣接して、閉鎖側面により支持され、そして閉鎖部材の凸状湾曲輪郭が支持面に係合し、これにより、収納容器を揺動できる状態となるようにする。
【0006】
収納箱の底部は、収納容器が第1使用形態であるとき、サドルをなす形状に形成し、これにより、幼児が騎乗式乗り物のスタイルで座り、快適に動かすことができる。
【0007】
このような収納容器は、さらに、別の収納容器に連結するための連結装置を備えることができ、これにより、遊びの価値を高める収納容器の列を生成する。そのような連結装置は、収納箱に設けることができ、第1及び第3の使用形態で機能することができる。
【0008】
このような収納容器は、さらに、収納箱に設けて、前記閉鎖部材に取り外し可能に係合するラッチ装置を備えることができる。
【0009】
このような収納容器において、閉鎖部材は、各車輪用の車輪設置部を備え、各車輪は車軸ユニットを用いて車輪設置部に回転自在に取り付けることができる。そのような車軸ユニットは、車輪に貫通する細長い車軸であって、車輪を車軸に対して回転させるよう構成した、該車軸と、車軸ユニットを閉鎖部材の適所に保持するように、閉鎖部材の車輪設置部の対応する特徴部に係合するよう構成した、少なくとも1つの設置特徴部と、を備えることができる。
【0010】
このような収納容器は、複数のそのような収納箱を互いの内側に入れ子式に収容することができる形状に形成した収納箱を備えることができる。
【0011】
多数の収納容器を、限られた空間で収納容積を高めるタワーを形成するために、第1又は第2の使用形態で、積み重ねることができる。
【0012】
このような収納容器は、凸状湾曲輪郭を有する閉鎖部材を備えることができる。
【0013】
このような収納容器は、収納容器が、いくつかのおもちゃの娯楽的価値をもたらし、旅行に多くのおもちゃを持って行く必要がないため、旅行に用いる場合、大きい恩恵が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による収納容器の実施形態における第1使用形態を示す図である。
【図2】本発明による収納容器の実施形態における第2使用形態を示す図である。
【図3】本発明による収納容器の実施形態における第3使用形態を示す図である。
【図4】本発明による収納容器の実施形態における第4使用形態を示す図である。
【図5】本発明による収納容器の実施形態を示す図である。
【図6】図5に示す収納容器の細部を示す図である。
【図7】本発明による収納容器の他の実施形態を示す図である。
【図8】本発明による収納容器の、さらに他の実施形態を示す図である。
【図9】本発明による収納容器の別の実施形態を示す図である。
【図10】本発明による収納容器の実施形態を直列に連結した一連の収納容器を示す図である。
【図11】本発明による収納容器の実施形態における細部を示す図である。
【図12】図11の収納容器の細部を示す図である。
【図13】本発明による収納容器の実施形態であり、入れ子式に重ねた使用形態を示す図である。
【図14】本発明による収納容器の実施形態であり、順次積み重ねた使用形態を示す図である。
【図15】本発明による収納容器の実施形態であり、順次積み重ねた使用形態を示す図である。
【図16】本発明による収納容器の付加的な特徴を組み込んだ実施形態を示す図である。
【図17】本発明による収納容器の付加的な特徴を組み込んだ実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面の図1は、収納箱10及び閉鎖部材又は蓋12を有する収納容器1を示す。収納箱10は、品物を内部に収納するほぼ中空の容積を画定するほぼ中空の容器であり、その収納容積部にアクセスするよう開いた投入開口部を有する。蓋12は収納箱に係合し、投入開口部を閉じるよう作用する。蓋12には、その第1側面から突出する複数個の車輪14を設ける。
【0016】
図1は、本発明による収納容器の実施形態における第1使用形態を示す。この第1使用形態では、収納箱10は、地面又は他の適切な表面の上に配置し、蓋12は、収納箱10の投入開口部を閉じる。蓋12は、収納箱10に取り外し可能に係合し、ユーザーが収納箱10の収納容積部内にアクセスすることができるようにする。この第1使用形態では、蓋12に設けた車輪14は、収納箱10から離れる方向に突出し、そのため、地面に係合しない。収納箱10の頂部が地面に係合する。
【0017】
第2使用形態では、図2に示すように、収納箱10の投入開口部を蓋12により閉じ、収納箱10は、蓋12に取り外し可能に係合し、また蓋12の頂部の上に位置する。蓋12に設けた車輪14は、収納箱10から離れる方向に蓋12から突出するよう構成し、これにより、車輪14は床又は地面のような支持面に係合することができる。従って、この第2使用形態では、収納容器1は、幼児用の乗り物おもちゃとして機能することができる。収納容器1は、幼児用のサドルとして供する窪み付き形状16にすることが望ましい。
【0018】
図3は、本発明による収納容器の実施形態における第3使用形態を示し、収納箱10は蓋12の頂部上に配置し、投入開口部を上向きにして使用のために開放しておく。蓋12は、蓋に設けた車輪14が地面に係合する状態で、開いた収納箱10が地面に沿って転動できるようにする。図3は、収納物品を内部に入れることができるほぼ中空の収納容積部18を示す。収納箱10は、蓋の適切な対応部分に係合する部分20を有し、これにより、収納箱10は転動可能収納形態で、所定位置に取り外し可能に保持される。
【0019】
図4は、収納容器1の第4使用形態を示す。再び、収納箱10は、位置決め部分24を用いて、蓋12の頂部に取り外し可能に係合する。しかしながら、蓋12は、車輪14が地面に係合しないように、反転させ、そのため、蓋12は、地面に沿って転動することができない。その代わり、この使用形態では、蓋12は、蓋12を揺動することができる凸状湾曲プロファイル22にし、開いた収納箱10を揺動することができる。
【0020】
図5は、収納箱10及び取り外し可能な蓋12を示す。蓋12は、投入開口部を包囲する収納箱10の端縁部分26に取り外し可能に係合する。図5に示す本発明の実施形態は、閉止用のラッチ28を有する。ラッチ28を、端縁部分26の近傍で収納箱10の外部に取り付け、ラッチ28は、蓋12が端縁部分26に係合しているとき、取り外し可能に蓋12に係合するように、動かすことができる。図6は、図5のラッチ機構の細部を示す。ラッチ28は、収納箱10に対して回転することができるように、収納箱10に取り付けるよう配置する。このようにして、ラッチを、蓋12との係合から動かすことができ、それにより、蓋12をはずすことができる。蓋12を収納箱の端縁部分26に固定するために、ラッチを、開いた位置から、図6に示すロックした位置に、収納箱10に対して回転させる。
【0021】
図7は、本発明による収納容器の他の実施形態を示し、この場合、収納箱10には、サドル部16を一体に組み込む追加形状部30を設け、収納容器を乗り物形態として用いるときの乗り心地を改善する。
【0022】
図8〜10は、一連の収納容器列を形成して転動することができるようにした収納容器の特徴を示す。図8及び9に示すように、収納箱10には、牽引用ループ32及び牽引用フック34を設ける。牽引用フックは、牽引用ループ32に取り外し可能に係合し、図10に示すように、隣接する収納箱を相互連結することを可能にする。牽引用ループ32及び牽引用フック34の実際の構成は、全体的な設計上の考察により決定する。一例として、蓋12には、転動する形態の収納容器が、一連の収納容器列の一部になることを可能にする牽引用ループ36(図10)を設けることができる。
【0023】
図11は、車輪14を、本発明の一実施形態である収納容器の蓋12に装着する状況を示す。蓋12には、蓋12の製造の一部として成形するのが望ましい、車輪設置部42を設ける。車輪14は、それぞれの車軸ユニット40により、蓋の車輪設置部の適所に保持される。車軸ユニット40を図12で詳細に示す。車軸ユニット40は、本体部46から突出し、蓋12に装着するとき、車輪14を担持する、車軸44を備える。車軸ユニット40は、さらに、車軸ユニット40を蓋12における対応する設置スロット(図示せず)に設置するために用いる設置タブ48(図示の例では3つであるが、任意の数にすることができる)を設ける。車輪14は蓋12に装着するため、車輪14を蓋12の車輪設置部42における所定位置に当てがい、次に車軸ユニット40を蓋12の設置スロットに係合している場合、設置タブ48を有する車軸ユニット40を蓋12の所定位置に押し込み、これにより、車軸ユニット40を蓋12の車輪設置部42の適所に保持する。上記のように、蓋12、従って、収納容器1が地面に沿って転動することができるよう、車輪14を車軸ユニット40の車軸44に回転自在に取り付ける。
【0024】
図13は、収納箱10の入れ子式にする機能を示す。図13に示すように、各収納箱10は、ほぼ中空の収納容積部18を画定し、また1つの収納箱10を別の収納箱10における容積18の内側に入れ子に収納することができる形状にする。
【0025】
図14及び15は、それぞれ、タワー状に配置した複数の収納容器を示し、収納容器は、第1形態で、順次に各容器頂部に積み重ねる。すなわち、収納容器は、それぞれの蓋が上部にきて、またタワーの下側になる収納容器の蓋は、上側に隣接する次の収納容器の収納箱を支持する。対照的に、図15は、タワー状にした複数の収納容器の第2形態を示し、この場合、最下段となる収納容器の蓋の車輪を地面で支持し、収納箱はタワーにおける隣接する次の収納容器の蓋を支持する。
【0026】
図16及び17は、本発明による収納容器の、付加的な特徴を組み込んだ実施形態を示す。図16及び17の実施形態では、収納箱10には、収納箱10のサドル領域16に取り付けた第2の蓋50を設ける。第2の蓋の閉めた形態を図16に示し、開いた形態を図17に示す。開いた形態の場合、サドル領域16に画定した第2の収納容積部56にアクセスすることができる。第2の蓋50は、ヒンジ52により、又は第2の蓋50が開いた形態と閉めた形態との間で収納箱10に対して回転できるようにする同等の特徴により、収納箱10に取り付ける。第2の蓋50には、手掛かり部54を設けることが望ましく、手掛かり部54は、開いた形態の第2の蓋50が、収納容器を車輪14で引っ張るためのハンドルとして機能できるようにする。
【0027】
代案として、本発明による収納箱の実施形態は、第2の「蓋」50を備えるが、第2の収納容積部56を設けないようにすることができる。その場合、第2の蓋50は、収納容器を車輪14で引っ張る折り畳み式のハンドルとしてのみ機能する。この場合、第2の蓋50は、より正確には、ハンドル部分50として記載される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の収納容積部及び該収納容積部にアクセスできるようにする投入開口部を画定し、また該投入開口部の反対側で底部を有する、収納箱と、
複数の回転可能な車輪を設けた閉鎖部材であり、開放側面及び閉鎖側面を有し、これら開放側面と閉鎖側面との間に端縁領域が延びており、前記収納箱に取り外し可能に係合し得る、該閉鎖部材と
を備える、収納容器であって、
該収納容器の第1使用形態では、前記収納箱の前記底部が支持面に接触し、前記収納箱の前記投入開口部が、前記閉鎖部材の前記開放側面に隣接し、これにより、前記投入開口部が前記閉鎖部材により閉じられる状態となり、
前記収納容器の第2使用形態では、前記閉鎖部材上に設けた前記車輪が支持面に接触し、また前記収納箱の前記投入開口部が閉鎖部材の開放側面に隣接して、前記閉鎖部材により閉じられる状態となり、
前記収納容器の第3使用形態では、前記閉鎖部材上に設けた前記車輪が支持面に接触し、また前記収納箱の前記底部が、前記閉鎖部材の前記開放側面に隣接して閉鎖部材によって支持され、これにより、投入開口部が開放する状態となる、
収納容器。
【請求項2】
請求項1に記載の収納容器において、前記閉鎖部材の前記開放側面は凸状湾曲輪郭を有し、また前記収納容器の第4使用形態では、前記収納箱の前記底部が、前記閉鎖部材の前記閉鎖側面に隣接して、前記閉鎖側面により支持され、そして前記閉鎖部材の凸状湾曲輪郭が支持面に係合し、これにより、前記収納容器を揺動できる状態となる、収納容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の収納容器において、前記収納箱の前記底部は、前記収納容器が第1使用形態であるとき、サドルをなす形状に形成した、収納容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の収納容器において、さらに、別のこのような収納容器に連結するための連結装置を備えた、収納容器。
【請求項5】
請求項4に記載の収納容器において、前記連結装置を前記収納箱に設けた、収納容器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の収納容器において、さらに、前記収納箱に設けて、前記閉鎖部材に取り外し可能に係合するラッチ装置を備えた、収納容器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の収納容器において、前記収納箱は、複数のそのような収納箱を互いの内側に入れ子式に収容することができる形状に形成した、収納容器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の収納容器において、さらに、複数の収納容器を、第1使用形態又は第2使用形態のいずれかである場合に、積み重ねることを可能にし、それにより、収納容器のタワーを形成できる、位置決め特徴部を備えた、収納容器。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の収納容器において、前記閉鎖部材は、各車輪用の車輪設置部を備え、各車輪は車軸ユニットを用いて車輪設置部に回転可能に取り付け、
前記車軸ユニットは、
前記車輪に貫通する細長い車軸であって、前記車輪を車軸に対して回転させることができるように構成した、該車軸と、
前記車軸ユニットを前記閉鎖部材の適所に保持するように、前記閉鎖部材の前記車輪設置部の対応する特徴部に係合するよう構成した、少なくとも1つの設置特徴部と、を備える、収納容器。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の収納容器において、さらに、前記収納箱に取り付けたハンドル部を備えた、収納容器。
【請求項11】
請求項10に記載の収納容器において、前記収納箱は、さらに、第2の収納容積部を備え、前記ハンドル部は、前記第2の収納容積部に対する開閉式の蓋として機能し、
前記第2の収納容積部が閉じられた閉鎖形態と、
前記第2の収納容積部が開いている開放形態であって、前記ハンドル部が前記収納容器を引っ張るためのハンドルとして機能する該開放形態と、を有する、収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2013−514242(P2013−514242A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543895(P2012−543895)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/GB2010/052003
【国際公開番号】WO2011/073634
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(511256196)マグマティック リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Magmatic Limited
【Fターム(参考)】