収納性に優れた車室内用物入れ
【課題】ペットボトルなどの長尺物を見栄えよく安定して収納でき、小物についても従来どおり問題なく収納できる車室内用物入れを提供する。
【解決手段】底面プレート4aの背面側の支持辺4eの中央部分にはアーム4cが、両端下部にはロック穴3に挿入される凸部4dが設けられ、アーム4cは底面プレート4aとは一体又は取り外し可能に構成され、背面プレート4bとは取り外し可能に構成され、底面プレート4aと一体のアーム4cをコンソールボックス1の内側からレール穴2に挿入した後、コンソールボックス1の外側から背面プレート4bを取付け、2つの凸部4dを側壁面6の最下段のロック穴3cに挿入して固定し、以降はアーム4cを取り外すことなく簡易な方法で高さ位置を調節することにより長尺物、小物の双方に対応する。
【解決手段】底面プレート4aの背面側の支持辺4eの中央部分にはアーム4cが、両端下部にはロック穴3に挿入される凸部4dが設けられ、アーム4cは底面プレート4aとは一体又は取り外し可能に構成され、背面プレート4bとは取り外し可能に構成され、底面プレート4aと一体のアーム4cをコンソールボックス1の内側からレール穴2に挿入した後、コンソールボックス1の外側から背面プレート4bを取付け、2つの凸部4dを側壁面6の最下段のロック穴3cに挿入して固定し、以降はアーム4cを取り外すことなく簡易な方法で高さ位置を調節することにより長尺物、小物の双方に対応する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両内に設けられる物入れに関し、特にペットボトル等の長尺物に対して収納性に優れた車室内用物入れに関する。
【背景技術】
【0002】
車室内に設置して、飲料物の缶や携帯電話といった小物を仮置きするカップホルダ等の物入れが使用されている。これらの物入れは、走行中に飲料物や携帯品を安定して保持する目的で設置されているもので、車室内の運転環境、利便性の向上に役立っている。
【0003】
カップホルダのように設置物を特定したタイプの物入れや、ある程度底の深いトレイであって収納物を特定しないものなど様々である。また、コンソールボックス本体の一部がリッドを閉じた際でも小物類の収納スペースとして使用できるように構成されているものもある。特許文献1〜3には上記のような物入れが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−112642号公報
【特許文献2】特開平8−244534号公報
【特許文献3】特開平10−315863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記車室内に設置される凹穴形状のカップホルダ等の物入れは、図11に示すようにペットボトルやリモコン、眼鏡(ケース)などの長尺物を入れると凹穴から大きくはみ出してしまうため、見栄えが悪いという問題点がある。
また、低い位置での支えになるためホールド力がなく、ガタツキがでて安定性に欠けるという問題点もある。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するために、ペットボトルやリモコン、眼鏡(ケース)などの長尺物の収納において、底を深い位置で支えることにより上部へのはみ出し量を抑え、見栄えと安定性を向上させると共に、飲料小缶や携帯電話などの小物の収納についても従来どおり問題なく使用することができるような車室内用物入れを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、車室内用物入れであって、各種物品を入れるため上向きに開放された開口部と、上記物品を収納するための収納部とを備え、上記収納部のうち底面が高さ方向に位置調節可能に設けられたことを特徴とする。これにより、当該物入れ内に携帯電話等の小物等を納める際は、物入れの底面を高く設置することによりボックス内から取り出し易くすることができ、また、ペットボトルのような長尺物の場合は、底面を低く設置することにより収納物のぐらつきが押さえられ、安定して保持することができ、また物入れからはみ出す部分が少なくなるため見栄えが向上する。このように、小物、長尺物の双方に対応できる車室内用物入れとすることができる。
【0008】
請求項2の発明は、さらに、上記底面は上記収納部と分離、独立可能な底面プレートであり、当該底面プレートは上記収納部の側壁部に取り付けられ、高さ方向に位置調節可能に設けられたことを特徴とする。このように、底面プレートが収納部とは独立してスライド等にて移動可能であるため、収納部自体の容量を変更することなく底面プレートに物を置いてその高さを変更することができる。
【0009】
請求項3の発明は、さらに、上記側壁部は、上部が上記収納部の外側方向へと傾いた斜面となっており、上記底面プレートは上記斜面に対し垂直もしくは鋭角になるように上向きに傾けて取り付けられ、かつ高さ方向に位置調節可能に設けられたことを特徴とする。これにより、垂直状態で底面プレートがスライドするのに比べて、斜めであるために、車両が揺れた時やプレートをスライド移動した時などに物が底面プレートから落ちにくくなる。
【0010】
請求項4の発明は、さらに、上記底面プレートは、上記調節された高さ位置からの脱落を防止するための手段を備えることを特徴とする。これにより、車両が揺れたときに底面プレートの取り付け斜面からの脱落を防止できる。
【0011】
請求項5の発明は、さらに、上記車室内用物入れはコンソールボックスであり、かつ、当該コンソールボックスは開口部を塞ぐためのリッドを備え、上記コンソールボックスの一部分は、上記リッドの閉塞状態でも閉塞されない開口部分を車両前側に有し、上記底面プレートは、上記開口部分から手を入れて上記底面プレートに置いた物が取れるような位置に配設されることを特徴とする。これにより、リッドが閉じていても底面プレートに置いた物を開口部分から簡単に取り出すことができ、また、リッドがアームレストの際は腕をリッドに乗せたまま同様に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明の車室内用物入れは、底面部を深い位置で支えることにより長尺物のはみ出し量を抑え、見栄えと安定性を向上させるとともに、底面部を上部に位置変更して取付けることで、飲料小缶や携帯電話などの小物についても今までどおり問題なく使用することができる。また、収納部とは独立した底面プレートの高さ位置調節を行うことで、車室内用物入れ本体の容量を変えることなく長尺物や小物類の双方に対して使い勝手の良いものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態について図を用いて説明する。
図1は、本実施形態の車室内用物入れの透視図である。符号1はコンソールボックス、符号2はレール穴、符号3a、3b、3cは上段、中段、下段のロック穴3をそれぞれ示す。
【0014】
本実施形態では車室内用物入れがコンソールボックス1となっており、コンソールボックス1は、図7(a)に示すようにリッド7が閉じた状態でも閉塞されない開口部分5を車両前側に有している。この開口部分5に連続する車両前側の傾斜したスライド面6に、上記ロック穴3a、3b、3cがそれぞれ2箇所ずつ上段、中段、下段に配設されており、それらロック穴の中央にレール穴2が縦に配設されている。
【0015】
図2は、図1のコンソールボックス内に取付けられる昇降部品4を示す斜視図である。
昇降部品4は、底面プレート4a、背面プレート4b、アーム4c、凸部4d、支持辺4eからなる。底面プレート4aの先端側には搭載物の滑落防止用の張り出しが設けられており、背面側の支持辺4eの中央部分にはアーム4cが、両端下部にはロック穴3に挿入される凸部4dが設けられている。
【0016】
なお、本実施形態は係合手段としてコンソールボックス1側にロック穴3を、昇降部品4側に凸部4dを設ける構成となっているが、これとは逆にコンソールボックス1側に凸部を、昇降部品4側にロック穴を設ける構成としてもよく、また他の係合手段を用いてもよい。
【0017】
アーム4cは底面プレート4aとは一体又は取り外し可能に構成され、背面プレート4bとは取り外し可能に構成される。アーム4cの幅寸法はレール穴2に貫挿されるべくレール穴2の幅寸法よりも小さくなっている。
【0018】
次にコンソールボックス1に昇降部品4を取付ける手順について説明する。
まず、昇降部品4の底面プレート4aと一体のアーム4cをコンソールボックス1の内側からレール穴2に挿入した後、コンソールボックス1の外側から背面プレート4bを取付けることで、コンソールボックス1の側壁面6の外面側に背面プレート4bを当接させ、側壁面6の内面側に支持辺4e及び凸部4dを当接させる位置に配置する。
【0019】
次に、図3に示すように、昇降部品4の2つの凸部4dを側壁面6の最下段のロック穴3cに挿入し、支持辺4eを支点として背面プレート4bをコンソールボックス1の側壁面6に接する位置まで回転させて、下段ロック穴3cと凸部4dを噛み合わせ、昇降部品4を下段位置にロックする。図5に、昇降部品4が凸部4dを下段ロック穴3cに挿入して下段位置にロックされた状態の斜視図を示す。
【0020】
ここで、背面プレート4bは昇降部品4の脱落防止用の部品であって、図3においてロック穴3と凸部4dの係合部を中心として昇降部品4が右周りに回転して係合部が外れ、コンソールボックス1から脱落するのを側壁面6と当接することで防止している。
【0021】
昇降部品4は上記の手順でコンソールボックス1に取付けることができ、取付け後はアーム4cを取り外すことなく以下に説明する簡易な方法で高さ位置を調節することができる。
【0022】
図4で昇降部品4の高さ位置調節方法について説明する。
まず、開口部分5から手を入れて底面プレート4aの先端張り出し部をつかんで持ち上げることで、支持辺4eを支点として底面プレート4aを回転させ、下段ロック穴3cと凸部4dを離し、昇降部品4をロック解除する。
【0023】
次に、昇降部品4を上記ロック解除後の角度を保ったままアーム4cをレール穴2に沿って引き上げ、凸部4dをロック穴3aにあてがい、支持辺4eを支点として、背面プレート4bとコンソールボックス1が接するまで底面プレート4aを回転させて凸部4dを上段ロック穴3aに挿入することで、昇降部品4を上段位置にロックする。このようにして、コンソールボックス1の内側からの操作のみで昇降部品4の高さ位置を容易に変更することができる。
【0024】
以上は昇降部品4を下段ロック穴3cから上段ロック穴3aに移動させる場合について述べたが、他のロック穴に移動させる場合も同様の手順で行えばよい。
【0025】
上記ロック操作はコンソールボックス1の大きなスペースがあるためワークスペースはしっかり確保されている。上記構成により、凹凸の組み合わせと底面プレート4aに加わる自重によりロックされる簡易な構成であって、しかも容易に高さ調節することができる物入れとすることができる。
【0026】
上記操作は底面プレート4aやロック穴3等を目視することなく、片手で手早く簡単に行うことができるため、長尺物の場合に低く、小物の場合に高くというように、収納物の種類によって昇降部品4を移動させて高さ調節を行うことが使用者の負担になることはない。
【0027】
このようにして高さ位置調節された昇降部品4の底面プレート4aに置かれた携帯電話等の小物は、従来どおり開口部分5から出し入れされ、同じくペットボトル等の長尺物は、従来よりも低い底面位置で支えられ、開口部分5からそれらの上部を突き出す形で安定して収納される。
【0028】
図6に示すように、上記構成によれば、ペットボトルや眼鏡(ケース)などの長尺物が深い位置で支えられるため、収納物のはみ出し量が少なく見栄えと安定性が良く、取り出し性も問題ない。図7は、上記構成のコンソールボックス1において、リッド7が開閉されたときの開口部分5と収納物の状態を示している。
【0029】
図8で各ロック穴3の使用上の特徴について説明する。
上段ロック穴3aは、従来のカップホルダや小物入れの使用性を確保する昇降部品4位置であり、飲料缶や携帯電話などの小物を入れるのに丁度良く使える。図9に、昇降部品4を上段ロック穴3aにロックした場合のコンソールボックス1の開口部分5の外観を示す。
【0030】
下段ロック穴3cは、ペットボトルや眼鏡(ケース)などの長尺物用の昇降部品4位置であり、収納状態における見栄えと安定性に優れている。
【0031】
そして、中段ロック穴3bは、上記小物、長尺物の双方の収納物に対して共通に使用し得る昇降部品4位置であり、収納物により高さ調節を行わない場合等に便利に使用することができる。なお、本実施形態ではロック穴高さを3段階としているが、2段階あるいは4段階以上としても勿論差し支えない。
【0032】
また、コンソールボックス1及び昇降部品4は、図10に示すように、側壁面6及び背面プレート4bを傾斜させずに垂直に配設しても良い。
【0033】
本実施形態では、車室内用物入れがコンソールボックスであって昇降部品を有する構成であるが、車室内用物入れはコンソールボックスに限られず、車室内に設置されるものであればよく、また、昇降部品でなく物入れ自体が凸部を有して、車両本体側に設けられたロック穴と係合させてロックさせ高さ調節を行う構成であってもよい。例えばカップホルダ単品等に対しても本発明の車室内用物入れの上記構成を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態の車室内用物入れの透視図である。
【図2】上記車室内用物入れに取り付けられる昇降部品の透視図である。
【図3】上記車室内用物入れに上記昇降部品が組立てられた状態を示す図1のA−A断面図である。
【図4】昇降部品のロック状態及びロック解除状態を示す断面図である。
【図5】昇降部品が下段の位置でロックされている状態を示す透視図である。
【図6】図5の状態の昇降部品に長尺物が収納されている状態を示す断面図である。
【図7】図6の状態でコンソールドアが開閉する状態を示す斜視図である。
【図8】昇降部品が上段の位置でロックされている状態を示す断面図である。
【図9】図8の状態でコンソールドアが閉じている状態を示す斜視図である。
【図10】取付け用斜面が垂直の場合の昇降部品の取付け状態を示す断面図である。
【図11】従来のコンソールに設置される凹穴形状の小物入れの問題点を示す模式図である。
【符号の説明】
【0035】
1 コンソールボックス
2 レール穴
3 ロック穴
3a 上段ロック穴
3b 中段ロック穴
3c 下段ロック穴
4 昇降部品
4a 底面プレート
4b 背面プレート
4c アーム
4d 凸部
4e 支持辺
5 開口部分
6 側壁面
7 リッド
【技術分野】
【0001】
本発明は車両内に設けられる物入れに関し、特にペットボトル等の長尺物に対して収納性に優れた車室内用物入れに関する。
【背景技術】
【0002】
車室内に設置して、飲料物の缶や携帯電話といった小物を仮置きするカップホルダ等の物入れが使用されている。これらの物入れは、走行中に飲料物や携帯品を安定して保持する目的で設置されているもので、車室内の運転環境、利便性の向上に役立っている。
【0003】
カップホルダのように設置物を特定したタイプの物入れや、ある程度底の深いトレイであって収納物を特定しないものなど様々である。また、コンソールボックス本体の一部がリッドを閉じた際でも小物類の収納スペースとして使用できるように構成されているものもある。特許文献1〜3には上記のような物入れが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−112642号公報
【特許文献2】特開平8−244534号公報
【特許文献3】特開平10−315863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記車室内に設置される凹穴形状のカップホルダ等の物入れは、図11に示すようにペットボトルやリモコン、眼鏡(ケース)などの長尺物を入れると凹穴から大きくはみ出してしまうため、見栄えが悪いという問題点がある。
また、低い位置での支えになるためホールド力がなく、ガタツキがでて安定性に欠けるという問題点もある。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するために、ペットボトルやリモコン、眼鏡(ケース)などの長尺物の収納において、底を深い位置で支えることにより上部へのはみ出し量を抑え、見栄えと安定性を向上させると共に、飲料小缶や携帯電話などの小物の収納についても従来どおり問題なく使用することができるような車室内用物入れを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、車室内用物入れであって、各種物品を入れるため上向きに開放された開口部と、上記物品を収納するための収納部とを備え、上記収納部のうち底面が高さ方向に位置調節可能に設けられたことを特徴とする。これにより、当該物入れ内に携帯電話等の小物等を納める際は、物入れの底面を高く設置することによりボックス内から取り出し易くすることができ、また、ペットボトルのような長尺物の場合は、底面を低く設置することにより収納物のぐらつきが押さえられ、安定して保持することができ、また物入れからはみ出す部分が少なくなるため見栄えが向上する。このように、小物、長尺物の双方に対応できる車室内用物入れとすることができる。
【0008】
請求項2の発明は、さらに、上記底面は上記収納部と分離、独立可能な底面プレートであり、当該底面プレートは上記収納部の側壁部に取り付けられ、高さ方向に位置調節可能に設けられたことを特徴とする。このように、底面プレートが収納部とは独立してスライド等にて移動可能であるため、収納部自体の容量を変更することなく底面プレートに物を置いてその高さを変更することができる。
【0009】
請求項3の発明は、さらに、上記側壁部は、上部が上記収納部の外側方向へと傾いた斜面となっており、上記底面プレートは上記斜面に対し垂直もしくは鋭角になるように上向きに傾けて取り付けられ、かつ高さ方向に位置調節可能に設けられたことを特徴とする。これにより、垂直状態で底面プレートがスライドするのに比べて、斜めであるために、車両が揺れた時やプレートをスライド移動した時などに物が底面プレートから落ちにくくなる。
【0010】
請求項4の発明は、さらに、上記底面プレートは、上記調節された高さ位置からの脱落を防止するための手段を備えることを特徴とする。これにより、車両が揺れたときに底面プレートの取り付け斜面からの脱落を防止できる。
【0011】
請求項5の発明は、さらに、上記車室内用物入れはコンソールボックスであり、かつ、当該コンソールボックスは開口部を塞ぐためのリッドを備え、上記コンソールボックスの一部分は、上記リッドの閉塞状態でも閉塞されない開口部分を車両前側に有し、上記底面プレートは、上記開口部分から手を入れて上記底面プレートに置いた物が取れるような位置に配設されることを特徴とする。これにより、リッドが閉じていても底面プレートに置いた物を開口部分から簡単に取り出すことができ、また、リッドがアームレストの際は腕をリッドに乗せたまま同様に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明の車室内用物入れは、底面部を深い位置で支えることにより長尺物のはみ出し量を抑え、見栄えと安定性を向上させるとともに、底面部を上部に位置変更して取付けることで、飲料小缶や携帯電話などの小物についても今までどおり問題なく使用することができる。また、収納部とは独立した底面プレートの高さ位置調節を行うことで、車室内用物入れ本体の容量を変えることなく長尺物や小物類の双方に対して使い勝手の良いものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態について図を用いて説明する。
図1は、本実施形態の車室内用物入れの透視図である。符号1はコンソールボックス、符号2はレール穴、符号3a、3b、3cは上段、中段、下段のロック穴3をそれぞれ示す。
【0014】
本実施形態では車室内用物入れがコンソールボックス1となっており、コンソールボックス1は、図7(a)に示すようにリッド7が閉じた状態でも閉塞されない開口部分5を車両前側に有している。この開口部分5に連続する車両前側の傾斜したスライド面6に、上記ロック穴3a、3b、3cがそれぞれ2箇所ずつ上段、中段、下段に配設されており、それらロック穴の中央にレール穴2が縦に配設されている。
【0015】
図2は、図1のコンソールボックス内に取付けられる昇降部品4を示す斜視図である。
昇降部品4は、底面プレート4a、背面プレート4b、アーム4c、凸部4d、支持辺4eからなる。底面プレート4aの先端側には搭載物の滑落防止用の張り出しが設けられており、背面側の支持辺4eの中央部分にはアーム4cが、両端下部にはロック穴3に挿入される凸部4dが設けられている。
【0016】
なお、本実施形態は係合手段としてコンソールボックス1側にロック穴3を、昇降部品4側に凸部4dを設ける構成となっているが、これとは逆にコンソールボックス1側に凸部を、昇降部品4側にロック穴を設ける構成としてもよく、また他の係合手段を用いてもよい。
【0017】
アーム4cは底面プレート4aとは一体又は取り外し可能に構成され、背面プレート4bとは取り外し可能に構成される。アーム4cの幅寸法はレール穴2に貫挿されるべくレール穴2の幅寸法よりも小さくなっている。
【0018】
次にコンソールボックス1に昇降部品4を取付ける手順について説明する。
まず、昇降部品4の底面プレート4aと一体のアーム4cをコンソールボックス1の内側からレール穴2に挿入した後、コンソールボックス1の外側から背面プレート4bを取付けることで、コンソールボックス1の側壁面6の外面側に背面プレート4bを当接させ、側壁面6の内面側に支持辺4e及び凸部4dを当接させる位置に配置する。
【0019】
次に、図3に示すように、昇降部品4の2つの凸部4dを側壁面6の最下段のロック穴3cに挿入し、支持辺4eを支点として背面プレート4bをコンソールボックス1の側壁面6に接する位置まで回転させて、下段ロック穴3cと凸部4dを噛み合わせ、昇降部品4を下段位置にロックする。図5に、昇降部品4が凸部4dを下段ロック穴3cに挿入して下段位置にロックされた状態の斜視図を示す。
【0020】
ここで、背面プレート4bは昇降部品4の脱落防止用の部品であって、図3においてロック穴3と凸部4dの係合部を中心として昇降部品4が右周りに回転して係合部が外れ、コンソールボックス1から脱落するのを側壁面6と当接することで防止している。
【0021】
昇降部品4は上記の手順でコンソールボックス1に取付けることができ、取付け後はアーム4cを取り外すことなく以下に説明する簡易な方法で高さ位置を調節することができる。
【0022】
図4で昇降部品4の高さ位置調節方法について説明する。
まず、開口部分5から手を入れて底面プレート4aの先端張り出し部をつかんで持ち上げることで、支持辺4eを支点として底面プレート4aを回転させ、下段ロック穴3cと凸部4dを離し、昇降部品4をロック解除する。
【0023】
次に、昇降部品4を上記ロック解除後の角度を保ったままアーム4cをレール穴2に沿って引き上げ、凸部4dをロック穴3aにあてがい、支持辺4eを支点として、背面プレート4bとコンソールボックス1が接するまで底面プレート4aを回転させて凸部4dを上段ロック穴3aに挿入することで、昇降部品4を上段位置にロックする。このようにして、コンソールボックス1の内側からの操作のみで昇降部品4の高さ位置を容易に変更することができる。
【0024】
以上は昇降部品4を下段ロック穴3cから上段ロック穴3aに移動させる場合について述べたが、他のロック穴に移動させる場合も同様の手順で行えばよい。
【0025】
上記ロック操作はコンソールボックス1の大きなスペースがあるためワークスペースはしっかり確保されている。上記構成により、凹凸の組み合わせと底面プレート4aに加わる自重によりロックされる簡易な構成であって、しかも容易に高さ調節することができる物入れとすることができる。
【0026】
上記操作は底面プレート4aやロック穴3等を目視することなく、片手で手早く簡単に行うことができるため、長尺物の場合に低く、小物の場合に高くというように、収納物の種類によって昇降部品4を移動させて高さ調節を行うことが使用者の負担になることはない。
【0027】
このようにして高さ位置調節された昇降部品4の底面プレート4aに置かれた携帯電話等の小物は、従来どおり開口部分5から出し入れされ、同じくペットボトル等の長尺物は、従来よりも低い底面位置で支えられ、開口部分5からそれらの上部を突き出す形で安定して収納される。
【0028】
図6に示すように、上記構成によれば、ペットボトルや眼鏡(ケース)などの長尺物が深い位置で支えられるため、収納物のはみ出し量が少なく見栄えと安定性が良く、取り出し性も問題ない。図7は、上記構成のコンソールボックス1において、リッド7が開閉されたときの開口部分5と収納物の状態を示している。
【0029】
図8で各ロック穴3の使用上の特徴について説明する。
上段ロック穴3aは、従来のカップホルダや小物入れの使用性を確保する昇降部品4位置であり、飲料缶や携帯電話などの小物を入れるのに丁度良く使える。図9に、昇降部品4を上段ロック穴3aにロックした場合のコンソールボックス1の開口部分5の外観を示す。
【0030】
下段ロック穴3cは、ペットボトルや眼鏡(ケース)などの長尺物用の昇降部品4位置であり、収納状態における見栄えと安定性に優れている。
【0031】
そして、中段ロック穴3bは、上記小物、長尺物の双方の収納物に対して共通に使用し得る昇降部品4位置であり、収納物により高さ調節を行わない場合等に便利に使用することができる。なお、本実施形態ではロック穴高さを3段階としているが、2段階あるいは4段階以上としても勿論差し支えない。
【0032】
また、コンソールボックス1及び昇降部品4は、図10に示すように、側壁面6及び背面プレート4bを傾斜させずに垂直に配設しても良い。
【0033】
本実施形態では、車室内用物入れがコンソールボックスであって昇降部品を有する構成であるが、車室内用物入れはコンソールボックスに限られず、車室内に設置されるものであればよく、また、昇降部品でなく物入れ自体が凸部を有して、車両本体側に設けられたロック穴と係合させてロックさせ高さ調節を行う構成であってもよい。例えばカップホルダ単品等に対しても本発明の車室内用物入れの上記構成を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態の車室内用物入れの透視図である。
【図2】上記車室内用物入れに取り付けられる昇降部品の透視図である。
【図3】上記車室内用物入れに上記昇降部品が組立てられた状態を示す図1のA−A断面図である。
【図4】昇降部品のロック状態及びロック解除状態を示す断面図である。
【図5】昇降部品が下段の位置でロックされている状態を示す透視図である。
【図6】図5の状態の昇降部品に長尺物が収納されている状態を示す断面図である。
【図7】図6の状態でコンソールドアが開閉する状態を示す斜視図である。
【図8】昇降部品が上段の位置でロックされている状態を示す断面図である。
【図9】図8の状態でコンソールドアが閉じている状態を示す斜視図である。
【図10】取付け用斜面が垂直の場合の昇降部品の取付け状態を示す断面図である。
【図11】従来のコンソールに設置される凹穴形状の小物入れの問題点を示す模式図である。
【符号の説明】
【0035】
1 コンソールボックス
2 レール穴
3 ロック穴
3a 上段ロック穴
3b 中段ロック穴
3c 下段ロック穴
4 昇降部品
4a 底面プレート
4b 背面プレート
4c アーム
4d 凸部
4e 支持辺
5 開口部分
6 側壁面
7 リッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内用物入れであって、
各種物品を入れるため上向きに開放された開口部と、
上記物品を収納するための収納部と、を備え、
上記収納部のうち底面が高さ方向に位置調節可能に設けられた
ことを特徴とする車室内用物入れ。
【請求項2】
上記底面は上記収納部と分離、独立可能な底面プレートであり、当該底面プレートは上記収納部の側壁部に取り付けられ、高さ方向に位置調節可能に設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の車室内用物入れ。
【請求項3】
上記側壁部は、上部が上記収納部の外側方向へと傾いた斜面となっており、上記底面プレートは上記斜面に対し垂直もしくは鋭角になるように上向きに傾けて取り付けられ、かつ高さ方向に位置調節可能に設けられたことを特徴とする、請求項2に記載の車室内用物入れ。
【請求項4】
上記底面プレートは、上記調節された高さ位置からの脱落を防止するための手段を備えることを特徴とする、請求項2または3に記載の車室内用物入れ。
【請求項5】
上記車室内用物入れはコンソールボックスであり、かつ、当該コンソールボックスは開口部を塞ぐためのリッドを備え、上記コンソールボックスの一部分は、上記リッドの閉塞状態でも閉塞されない開口部分を車両前側に有し、上記底面プレートは、上記開口部分から手を入れて上記底面プレートに置いた物が取れるような位置に配設されることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載の車室内用物入れ。
【請求項1】
車室内用物入れであって、
各種物品を入れるため上向きに開放された開口部と、
上記物品を収納するための収納部と、を備え、
上記収納部のうち底面が高さ方向に位置調節可能に設けられた
ことを特徴とする車室内用物入れ。
【請求項2】
上記底面は上記収納部と分離、独立可能な底面プレートであり、当該底面プレートは上記収納部の側壁部に取り付けられ、高さ方向に位置調節可能に設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の車室内用物入れ。
【請求項3】
上記側壁部は、上部が上記収納部の外側方向へと傾いた斜面となっており、上記底面プレートは上記斜面に対し垂直もしくは鋭角になるように上向きに傾けて取り付けられ、かつ高さ方向に位置調節可能に設けられたことを特徴とする、請求項2に記載の車室内用物入れ。
【請求項4】
上記底面プレートは、上記調節された高さ位置からの脱落を防止するための手段を備えることを特徴とする、請求項2または3に記載の車室内用物入れ。
【請求項5】
上記車室内用物入れはコンソールボックスであり、かつ、当該コンソールボックスは開口部を塞ぐためのリッドを備え、上記コンソールボックスの一部分は、上記リッドの閉塞状態でも閉塞されない開口部分を車両前側に有し、上記底面プレートは、上記開口部分から手を入れて上記底面プレートに置いた物が取れるような位置に配設されることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載の車室内用物入れ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−96219(P2009−96219A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266562(P2007−266562)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)
【Fターム(参考)】
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