説明

収縮成形体の製造方法、及び収縮成形体

【課題】 本発明は、成形型が複雑な構造を有しなくても、所望の凸形状を有する収縮成形体を形成でき、該収縮成形体を成形型から容易に引き抜くことができる、収縮成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】 外面に凸形状が形成された収縮成形体の製造方法において、熱収縮性シートを筒状に形成した筒状シート5であって、内面の一部分に熱収縮を規制する収縮規制部材2が添付された筒状シート5を、成形型8に外嵌する工程、筒状シート5を熱収縮温度で加熱することにより、成形型8に沿って筒状シート5を熱収縮させ、収縮成形体を得る工程、収縮成形体を成形型2から引き抜く工程、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凸形状を有する収縮成形体の製造方法、及び凸形状を有する収縮成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、周方向に熱収縮性を有する筒状シート(筒状シュリンク、熱収縮性筒状ラベル等とも呼ばれる)は、様々な分野で使用されている。
該筒状シートの代表的な用途は、飲料容器の胴部に装着するラベル用途である。このようなラベル用途の筒状シートは、容器胴部に外嵌して加熱することにより、容器に装着される。
【0003】
一方、筒状シートは、収縮成形体用途としても使用されている。すなわち、筒状シートを成形型に外嵌して加熱することにより、成形型の外形に沿った収縮成形体を形成し、この収縮成形体を成形型から引き抜いた後、該収縮成形体を使用することも行われている。
この収縮成形体は、例えば、牛乳ビンなどの口部を封緘するキャップシール、樹脂容器に被せて使用される外装体、等として使用される。
キャップシールとして使用される上記収縮成形体は、例えば、特許文献1等に開示されている。
一方、外装体として使用される上記収縮成形体は、例えば、特許文献2等に開示されている。具体的には、筒状シートを成形型に外嵌し且つ加熱して得られた収縮成形体(外装体)は、有底筒状の樹脂成形容器に装着され、該収縮成形体と樹脂成形容器によって、断熱容器を構成できる。
上記キャップシールや外装体などの用途の収縮成形体は、装着対象である容器等に筒状シートを直接熱収縮させる用途(例えば、上記ラベル用途)とは異なり、筒状シートを先ず成形型に沿って熱収縮させて成形し、収縮成形体を成形型から引き抜いた後、使用される。
【0004】
ところで、上記収縮成形体は、印刷により装飾されるが、立体的な装飾を施すため、収縮成形体に、所望の凸形状を形成することが好ましい。
この場合、外周面に凸部が形成された成形型を用いれば、該成形型の凸部に対応した凸形状を有する収縮成形体を形成できる。
しかしながら、成形型の凸部と収縮成形体の凸形状の内面が嵌合状態となるため、収縮成形体を成形型から引き抜くことが困難である。
【0005】
かかる問題点に鑑みて、特許文献3には、凸部が型本体の外周面から出没する成形型が提案されている。
かかる成形型を用いれば、成形型の凸部に対応した凸形状を有する収縮成形体を形成でき、該成形型の凸部を退避させることにより、前記収縮成形体を成形型から容易に引き抜くことができる。
【特許文献1】特開2004−345691号公報
【特許文献2】特開2005−015054号公報
【特許文献3】特開2007−21995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
形状の異なる収縮成形体を形成するためには、形状の異なる成形型を準備しなければならない。
しかしながら、上記特許文献3に記載の成形型は、凸部が出没する機構を有するので、比較的高価である。
このため、収縮成形体を多品種小ロット生産する際に、上記成形型を用いると、収縮成形体の製造コストが大幅に上がるという問題点がある。また、上記成形型は、凸部の出没機構についてメンテナンスが必要となる。
【0007】
本発明の第1の課題は、成形型が複雑な構造を有しなくても、所望の凸形状を有する収縮成形体を形成でき、該収縮成形体を成形型から容易に引き抜くことができる、収縮成形体の製造方法を提供することである。
本発明の第2の課題は、所望の部分に凸形状を有し、安価に製造することができる収縮成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の手段は、外面に凸形状が形成された収縮成形体の製造方法において、熱収縮性シートの主熱収縮方向が周方向となるように前記熱収縮性シートを筒状に形成した筒状シートであって、内面の一部分に熱収縮を規制する収縮規制部材が添付された筒状シートを、成形型に外嵌する工程、前記筒状シートを熱収縮温度で加熱することにより、前記成形型に沿って筒状シートを熱収縮させ、収縮成形体を得る工程、前記収縮成形体を成形型から引き抜く工程、を有することを特徴とする。
【0009】
上記収縮成形体の製造方法は、筒状シートの内面の一部分に収縮規制部材が添付されているので、該筒状シートは、収縮規制部材が添付された部分に於いて、熱収縮が規制される。このため、熱収縮時、筒状シートのうち、上記収縮規制部材が添付された部分には、成形型の外周面よりも外側に突出した凸形状が形成される。従って、収縮規制部材の添付部分に対応して凸形状を有する収縮成形体を得ることができる。かかる凸形状を有する収縮成形体は、収縮規制部材の収縮規制作用によって凸形状が形成されるので、凸部を有しない成形型を用いて形成できる。よって、複雑な構造の成形型を用いる必要がなく、更に、形成された収縮成形体は、成形型から容易に引き抜くことができる。
【0010】
本発明の好ましい製造方法は、上記筒状シートを成形型に外嵌する前の工程として、上記収縮規制部材が一面に添付された熱収縮性シートを、該熱収縮性シートの熱収縮方向が巻付け用型の周方向となるように且つ熱収縮性シートの一面が巻付け用型に面するようにして、巻付け用型に巻き付けた後、熱収縮性シートの重ね合わせた両側端部を接着して上記筒状シートを形成する工程、を有し、この熱収縮性シートを巻付け用型に巻き付ける前に、収縮規制部材の巻付け用型接触面に易滑処理を施す。
【0011】
上記易滑処理は、予め易滑処理が施された収縮規制部材を熱収縮性シートに貼付してもよいし、収縮規制部材を熱収縮性シートに貼付した後、巻付け用型に巻き付ける前に、収縮規制部材に易滑処理を施してもよい。
【0012】
上記好ましい製造方法は、筒状シートの外嵌工程の前工程として、収縮規制部材が添付された熱収縮性シートの一面が巻付け用型に面するようにして、巻付け用型に巻き付けて筒状シートを形成する工程を有する。形成された筒状シートは、巻付け用型の外周面を滑りつつ該巻付け用型から引き抜かれ、上記成形型に外嵌される。
この巻付け用型に熱収縮性シートを巻き付ける前に、収縮規制部材の巻付け用型接触面に易滑処理が施されるので、該収縮規制部材の接触面を、巻付け用型の外周面に対してスムースに滑らせることができる。このため、形成された筒状シートを巻付け用型から確実に引き抜くことができる。
【0013】
本発明の他の好ましい製造方法は、上記熱収縮性シートとして、発泡樹脂シート、又は発泡樹脂シートが積層された積層シートが用いられている。
【0014】
上記他の好ましい製造方法は、熱収縮性シートが、発泡樹脂シートを含むので、これを筒状に形成した筒状シートを熱収縮させた際、収縮規制部材に対応して、良好な凸形状が形成される。この理由は明確ではないが、一般に、発泡樹脂シートは、合成樹脂シートに比して収縮応力が小さいため、筒状シートの熱収縮時、収縮規制部材がその周方向に湾曲し難く、その結果、収縮規制部材の添付部分が成形型に密着せず、良好な凸形状が形成されると推定される。
【0015】
本発明の第2の手段は、主熱収縮方向が周方向となるように熱収縮性シートを筒状に形成した筒状シートを、熱収縮させることにより形成された収縮成形体において、前記筒状シートの内面の一部分に、前記筒状シートの熱収縮温度で実質的に熱収縮しない収縮規制部材が添付されており、前記収縮規制部材の添付部分に対応して、外側へ突出した凸形状が形成されていることを特徴とする。
【0016】
かかる収縮成形体は、筒状シートの熱収縮温度で実質的に熱収縮しない収縮規制部材が添付され、収縮規制部材の添付部分に対応して、外側へ突出した凸形状を有する。該収縮成形体は、収縮規制部材の形状、厚み及び添付位置などを適宜設定することにより、所望の凸形状を形成することができる。さらに、上記収縮成形体は、凸部の出没機構を有しない成形型を用いて形成することもできる。従って、上記収縮成形体は、所望の凸形状を形成でき、更に、安価に製造することができる。
【0017】
本発明の好ましい収縮成形体は、上記収縮規制部材が、熱収縮性シートの熱収縮温度で実質的に熱収縮しない可撓性シートと、前記可撓性シートの一面に設けられた貼着剤と、を有し、前記可撓性シートには、面内の一方向において折れ曲がりを抑制する補強処理が施されており、前記収縮規制部材が、前記可撓性シートの一方向が筒状シートの周方向となるように、前記貼着剤を介して筒状シートの内面の一部分に貼付されている。
【0018】
かかる収縮成形体は、収縮規制部材を構成する可撓性シートに、一方向において折れ曲がりを抑制する補強処理が施されており、前記収縮規制部材が、可撓性シートの一方向が筒状シートの周方向となるように、筒状シートの内面に貼付されている。このため、収縮規制部材は、筒状シートの周方向(主熱収縮方向)において曲がり難くなっている。従って、上記収縮成形体は、収縮規制部材の添付部分に対応して良好な凸形状を形成でき、更に、形成された凸形状の変形を抑制できる。
【0019】
本発明の他の好ましい収縮成形体は、上記熱収縮性シートとして、発泡樹脂シート、又は発泡樹脂シートが積層された積層シートが用いられている。
かかる収縮成形体は、発泡樹脂シートを含むので、断熱性及び保形性に優れている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の収縮成形体の製造方法は、複雑な構造の成形型を用いなくても、所望の凸形状を有する収縮成形体を形成できる。さらに、得られた収縮成形体を成形型から容易に引き抜くことができる。よって、本発明の収縮成形体の製造方法によれば、安価に且つ容易に、外面に凸形状を有する収縮成形体を製造することができる。
また、本発明の収縮成形体は、収縮規制部材の形状などを適宜設定することにより、収縮成形体の外面の所望部分に、所望の凸形状を形成できる。さらに、該収縮成形体は、安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<収縮成形体>
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、本発明において、シートとは、一般にフィルムと呼ばれるものを含む意味である。
図1及び図2に於いて、1は、収縮成形体を示す。
該収縮成形体1の内面の一部分には、収縮規制部材2が添付されている。該収縮規制部材2の添付部分に対応して、収縮成形体1には、外側に突出した凸形状3が形成されている。
【0022】
ここで、凸形状3とは、収縮成形体1の周方向X1及び/又は収縮成形体1の前記周方向X1に対する直交方向Y1において、収縮成形体1の外面から外側へ突出している部分をいう。
上記収縮成形体1の凸形状3以外の部分は、成形型の外周面に略沿った形状に形成されている。
本実施形態では、収縮成形体1の凸形状3以外の部分の外形は、収縮成形体1の直交方向Y1の一方側に向かうに従って縮径する円筒状(または円錐台状)に形成されている。もっとも、収縮成形体1の上記外形は、円筒状に限られず、楕円筒状、略八角筒状などの多角筒状などに形成されていてもよい。本発明の収縮成形体1の凸形状3以外の部分は、筒状シート5を熱収縮させ、成形型に密着させることによって形成される。このため、収縮成形体1の外形は、成形型の外周面形状に従って、円筒状、楕円筒状、四角筒状などの任意の筒形状に形成することができる。
また、収縮成形体1を形成した後、これを成形型から容易に引き抜くために、収縮成形体1は、収縮成形体1の直交方向Y1の一方側に向かうに従って縮径する形状(ただし、周長さが変わらない直胴部分を一部に有していても良い)が好ましい。
【0023】
なお、収縮成形体1の直交方向Y1の一方側開口92は、閉塞板91によって閉塞されている。該閉塞板91の外縁部には、該外縁部を包むように収縮成形体1の一方端部が密着され、閉塞板91は、収縮成形体1の一方端部に保持されている。該閉塞板91としては、厚紙、合成樹脂シートなどを例示できる。
ただし、該閉塞板91は、接着剤などを介して収縮成形体1の一方端部に固着されていてもよいし、閉塞板91は、収縮成形体1の一方端部に溶着されていてもよい。
また、上記収縮成形体1は、閉塞板91によって、一方開口92が閉塞されているが、収縮成形体1は、閉塞板91を有さず、一方開口92が開放されていてもよい。
さらに、上記収縮成形体1の一方端部には、凹状の糸尻部が形成されていてもよい。該収縮成形体1は、その凹状の糸尻部を樹脂容器の糸尻部に嵌合させることができ、樹脂容器の外装体用途として好適である。
【0024】
上記収縮成形体1は、貼着剤(粘着剤又は接着剤)を介して収縮規制部材2が添付された熱収縮性シート4を筒状に形成した筒状シート5を、成形型に沿って熱収縮させることによって形成されている。
熱収縮性シート4は、一方向(シート面内の一方向)に主として熱収縮しうる熱収縮性を有する。この一方向を「主熱収縮方向」という場合がある。前記熱収縮性とは、所定温度に加熱することによって収縮する性質をいう。
上記筒状シート5は、図3に示すように、熱収縮性シート4の主熱収縮方向が筒状シート5の周方向となるように、熱収縮性シート4を筒状に丸め、その両側端部41,42を重ね合わせて接着することによって形成されている。両側端部41,42の接着方法は、熱接着(ヒートシール)、溶剤による溶着、接着剤を介在させた接着、粘着テープを用いたテープ貼り、などを例示できる。
【0025】
熱収縮性シート4は、上記熱収縮性を有していれば特に限定されず、例えば、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂の1種を含む合成樹脂シート、これら2種以上の混合物を含む合成樹脂シート、発泡樹脂シート、前記合成樹脂シートと発泡樹脂シートを積層した積層シート、及びその他の積層シートなどを用いることができる。
【0026】
中でも熱収縮性シート4は、発泡樹脂シートが好ましい。また、熱収縮性シート4は、図4に示すように、発泡樹脂シート43と合成樹脂シート44が積層された積層シートが好ましい。これら発泡樹脂シートを含む熱収縮性シート4を用いることにより、得られた収縮成形体1に断熱性を付与でき、更に、良好な凸形状3を形成できるからである。
なお、熱収縮性シート4として発泡樹脂シートと合成樹脂シートの積層シートを用いる場合、該合成樹脂シートが筒状シート5の外面を構成するように、熱収縮性シート4は筒状に丸められる。
【0027】
より具体的には、上記熱収縮性シート4としては、熱収縮性を有する発泡樹脂シート(例えば延伸したポリスチレン系発泡樹脂シート)と熱収縮性を有しない合成樹脂シート(例えば未延伸のポリスチレン系フィルム)とが積層された積層シートが好ましい。
発泡樹脂シートと合成樹脂シートは、通常、ドライラミネート法やウェットラミネート法などで用いられている接着剤にて接着される。該接着剤としては、アクリル系、ポリウレタン系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ゴム系などの溶剤型接着剤又は水溶性接着剤などを例示できる。
なお、上記熱収縮性シート4は、発泡樹脂シートまたは合成樹脂シートの何れか一方又は双方が複層の積層体からなり、全体として3層以上の積層シートでもよい。
【0028】
上記熱収縮性シート4として積層シートを用いる場合、そのうちの少なくとも1枚のシートが熱収縮性を有する。例えば、発泡樹脂シートと合成樹脂シートの積層体の場合には、発泡樹脂シート及び合成樹脂シートの少なくとも何れか一方が熱収縮性を有する。
なお、合成樹脂シートは、後述するように、内面に施した意匠印刷を視認するため、透明シートが好ましい。
【0029】
発泡樹脂シートの材質は特に限定されず、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリウレタンなどを例示できる。中でも高発泡性を有することからスチレン系樹脂が好ましい。発泡方法は、物理的発泡、化学的発泡などの公知の発泡方法で行えばよい。これらの樹脂には、必要に応じて、各種フィラー、着色剤、可塑剤、安定剤などの添加剤を適宜添加することができる。
発泡樹脂シートの発泡倍率は、好ましくは2倍〜10倍であり、より好ましくは3倍〜8倍である。余りに発泡倍率が低いと、発泡樹脂シートの剛性が高くなり、収縮規制部材2を添付しても、良好な凸形状3を形成できない虞があるからである。
発泡樹脂シートの厚みは、概ね0.1〜1mmが好ましい。発泡樹脂シートの厚みが余りに厚いと、発泡樹脂シートの剛性が高くなり、収縮規制部材2を添付しても、良好な凸形状3を形成できない虞があるからである。一方、同厚みが薄過ぎると、収縮成形体1の断熱性及び保形性を十分に確保できないからである。
なお、熱収縮性シート4が、発泡樹脂シートと合成樹脂シートの積層シートの場合には、積層する合成樹脂シートの厚みは、20μm〜50μm程度が好ましい。
一方、熱収縮性シート4が、発泡樹脂シートを含まない合成樹脂シートの場合には、該合成樹脂シートの厚みは、30μm〜90μm程度が好ましい。
【0030】
熱収縮性シート4には、必要に応じて、意匠印刷が施される。意匠印刷は、例えば、商品名、絵柄、説明などの所定の表示などが、グラビア印刷などによって単色又は多色刷りされている。熱収縮性シート4が、発泡樹脂シートと合成樹脂シートの積層シートである場合、意匠印刷は、合成樹脂シートの内面(発泡樹脂シートとの積層面)に施されることが好ましい。もっとも、意匠印刷は、合成樹脂シートの外面に施してもよい。
【0031】
上記熱収縮性シート4の一方向(主熱収縮方向)に於ける熱収縮率(160℃に相当するグリセリンバスに5秒間浸漬)は、例えば50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。また、熱収縮性シート4は、他方向(シート面内に於いて前記一方向に直交する方向)に若干熱収縮してもよい。かかる他方向に於ける熱収縮率(160℃に相当するグリセリンバスに5秒間浸漬)は、例えば、約0.5%〜10%である。
但し、熱収縮率(%)=[{(一方向(又は他方向)の元の長さ)−(一方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(一方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
【0032】
次に、収縮規制部材2について説明する。
収縮規制部材2は、平面視所定形状に形成されている。図示した例では、収縮規制部材2は、平面視略矩形状に形成されているが、平面視略円形状、平面視略楕円状、平面視略三角形状などの任意に形状に形成してもよい。収縮規制部材2を所望の平面形状に形成することにより、該形状に対応した凸形状3を有する収縮成形体1を形成できる。また、収縮規制部材2は、肉厚が均一な部材でもよいし、肉厚が不均一な部材(少なくとも一面に凹凸を有する部材)でもよい。
【0033】
収縮規制部材2は、上記筒状シート5(熱収縮性シート4)の熱収縮温度で実質的に熱収縮しない非熱収縮性部材が用いられる。
この熱収縮温度とは、筒状シート5が成形型に沿って密着する程度まで該筒状シート5を熱収縮させ得る温度を言い、通常、筒状シート5の外面温度が、80℃〜160℃、好ましくは100℃〜140℃となる温度を言う。
また、収縮規制部材2が実質的に熱収縮しないとは、上記熱収縮温度において全く収縮しない場合を含む他、何れかの方向に熱収縮率±5%以下(該熱収縮率は、上記方法で測定される数値。マイナスは、伸張を意味する)で熱収縮する場合を含む。全く収縮しない材料とすると、材料の選択肢が狭過ぎるからであり、他方、±5%以下程度の収縮規制部材2を用いても、凸形状3の形成に支障を来さないからである。
【0034】
上記収縮規制部材2としては、合成樹脂シート、紙、合成紙などの可撓性基材を所望形状に切断した可撓性シート;金属板、木板、合成樹脂板などの可撓性を有しない板を所望形状に打ち抜いた剛性板;合成樹脂シートを所望形状にシート成形したシート成形品、合成樹脂を所望形状に射出成形した射出成形品などの樹脂成形品;金属を所望形状に形成した金属加工品;陶器などを所望形状に形成したセラミック成形品、などを例示できる。
収縮規制部材2は、筒状シート5の熱収縮を規制することにより、その添付部分に対応して凸形状3を形成させる部材である、すなわち、熱収縮を規制して凸形状3を形成する型に相当する部材である。
従って、収縮規制部材2は、上記剛性板、樹脂成形品、金属加工品、セラミック成形品などのように、筒状シート5の収縮応力が加わっても実質的に変形しない部材が好ましい。また、樹脂成形品、金属加工品、セラミック成形品などを用いれば、肉厚が不均一な収縮規制部材2を容易に形成できる。
【0035】
一方、収縮成形体1の製造方法に於いては、後述するように、熱収縮性シート4に収縮規制部材2を添付した後、該熱収縮性シート4を巻付け用型に巻きつけて筒状シート5を作製し、該筒状シート5を成形型に外嵌する。前記巻付け工程においては、収縮規制部材2は、熱収縮性シート4に追従して変形できることが好ましく、前記外嵌工程においては、収縮規制部材2は、外嵌時に成形型へ干渉しないように、比較的薄いことが好ましい。
このように収縮成形体1の製造工程を考慮すると、上記収縮規制部材2は、変形可能な上記可撓性シートが好ましい。
【0036】
本実施形態では、収縮規制部材2として可撓性シートを用いた場合について、より詳細に説明する。
該可撓性シートとしては、可撓性及び非熱収縮性を有するシートであれば特に限定されず、合成樹脂シート、紙、合成紙などを例示でき、これらの積層シートでもよい。合成樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、アミド系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂などの非熱収縮性シート(2軸延伸シート)を例示できる。合成紙としては、ポリプロピレン系合成紙(市販品ユポ(商品名)等)、ポリエステル合成紙(市販品クリスパー(商品名)等)などを例示できる。
可撓性シートが合成樹脂シートや合成紙の場合、その厚みは100〜300μm程度が好ましい。紙の場合、坪量150g/m〜400g/mが好ましい。
余りに薄い収縮規制部材2を添付しても、良好な凸形状3を形成できない虞があり、一方、余りに厚い収縮規制部材2を添付すると、熱収縮性シート4の変形に十分に追従しないからである。
【0037】
収縮規制部材2は、形成したいと望む凸形状3に合わせて、可撓性シートを所望の平面形状に切断することにより形成できる(例えば、シート原反を打ち抜き刃で平面視略矩形状に打ち抜く)。収縮規制部材2は、熱収縮性シート4に貼付するため、図5に示すように、可撓性シート21の一面に貼着剤層22が設けられていることが好ましい。貼着剤層22は、可撓性シート21の一面に、粘着剤又は接着剤を塗布することによって形成できる。該粘着剤としては、感圧型粘着剤などを例示できる。該接着剤としては、常温で接着性を示さず且つ加熱することによって接着性を発現する感熱性接着剤などを例示できる。
さらに、前記可撓性シート21の他面に、易滑処理が施されていることが好ましい。易滑処理としては、シリコーン、ワックス、フッ素系化合物、界面活性剤などの滑剤を可撓性シート21に塗布することなどを例示できる。
該収縮規制部材2は、貼着剤層22が粘着剤で形成されている場合には、従来のタックラベルと同様に、貼着剤層22を離型紙24に仮貼付して供給される。また、貼着剤層22が感熱性接着剤で形成されている場合には、離型紙は省略できる。
【0038】
また、収縮規制部材2の可撓性シート21(上記非熱収縮性及び可撓性を有するシート)に、面内の一方向において折れ曲がりを抑制する補強処理が施されていることが好ましい。
例えば、図6に示すように、可撓性シート21の一面に、該可撓性シート21の面内の一方向Y2に延びる帯状テープ25が貼付されていてもよい。帯状テープ25は、可撓性シート21と同様に非熱収縮性シート(合成樹脂シート、紙など)からなり、好ましくは厚み50μm〜300μmである。該帯状テープ25は、複数本貼付されていてもよい。
【0039】
また、図7に示すように、可撓性シート21の一面に、該可撓性シート21の面内の一方向Y2に延びる折り罫線26が形成されていてもよい。折り罫線26は、可撓性シート21の一面(又は他面)からローラで押圧することにより形成できる。該折り罫線26は、複数本形成されていてもよい。さらに、可撓性シート21に、上記帯状テープ25及び折り罫線26の双方が設けられていてもよい。
上記収縮規制部材2が貼付された熱収縮性シート4は、収縮規制部材2の可撓性シート21の一方向Y2が筒状シート5の周方向X1となるように、筒状に形成される。
【0040】
上記帯状テープ25及び/又は折り罫線26が設けられた可撓性シート21は、一方向Y2に於ける剛性が大きくなり、この方向Y2に於ける折れ曲がりを抑制できる。補強処理が施された可撓性シート21を有する収縮規制部材2は、熱収縮性シート4を筒状に丸めた際には、収縮規制部材2が前記熱収縮性シート4の変形に追従できる。また、補強処理が施された収縮規制部材2は、補強処理が施されていない収縮規制部材2に比して、筒状シート5を熱収縮させた際に、一方向Y2(即ち、筒状シート5の周方向X1)に湾曲し難くなる。従って、該収縮規制部材2が、筒状シート5の周方向への熱収縮を十分に規制でき、良好な凸形状を形成できる。
なお、図6及び図7に表した収縮規制部材2において、22は、上記と同様の貼着剤層を示し、23は、上記と同様の易滑層を示す。
【0041】
上記収縮成形体1は、筒状シート5の熱収縮温度で実質的に熱収縮しない収縮規制部材2が添付され、該収縮規制部材2の添付部分に対応して、外側へ突出した凸形状3を有する。本発明の収縮成形体1は、収縮規制部材2の形状や添付位置などを適宜設定することにより、所望の凸形状3を形成することができる。
該凸形状3は、収縮成形体1を装飾する目的で形成される他、収縮成形体1に持ち手用の引掛かりを形成する目的や、収縮成形体1に目印を付与する目的などで形成される。
かかる収縮成形体1は、後述するように、凸部の出没機構を有しない成形型を用いて形成することもできるので、安価に製造することができる。
【0042】
本発明の収縮成形体1の用途は、特に限定されず、適宜適切な用途に使用される。該収縮成形体1の用途は、例えば、容器の口部などに装着されるキャップシール用途、成形容器に装着される外装体用途の他、収縮成形体1自体を商品収容容器として使用することもできる。
特に、発泡樹脂シートを含む筒状シート5からなる収縮成形体1は、断熱性が要求される用途、例えば、上記外装体用途、上記容器用途に好適である。
また、合成樹脂シートからなる筒状シート5からなる収縮成形体1は、キャップシール用途に好適である。
【0043】
<収縮成形体の製造方法>
次に、収縮成形体の製造方法について説明する。
(筒状シート形成工程)
図8(a)に示すように、熱収縮性シート4が連続的に繋がった長尺シート4aと、複数の収縮規制部材2が長尺状の帯状離型紙2bに所定間隔を開けて仮貼付された連続供給テープ2aと、を準備する。
上記長尺シート4aの主熱収縮方向は、MD方向(長手方向)であり、該長尺シート4aは、発泡樹脂シートの長尺体又は発泡樹脂シートと合成樹脂シートの積層長尺体が好ましい。長尺シート4aは、通常、巻き取られたロールで供給される。
上記連続供給テープ2aの収縮規制部材2は、好ましくは上記補強処理が施された非熱収縮性の可撓性シートが用いられる。該収縮規制部材2の可撓性シートの一面には、粘着剤からなる貼着剤層が設けられており、好ましくは可撓性シートの他面には上記易滑層が設けられている(図6又は図7等に示す収縮規制部材2を参照)。
複数の収縮規制部材2は、貼着剤層を介して帯状離型紙2bの長手方向に所定間隔を開けて仮貼付されている。さらに、該収縮規制部材2は、一方向(折れ曲がり難く補強された方向)が帯状離型紙2bの長手方向と平行となるように、帯状離型紙2bに仮貼付されている。
【0044】
上記ロールから長尺シート4aが引き出される。他方、タックラベラーによって、連続供給テープ2aが引き出され、帯状離型紙2bから収縮規制部材2が引き剥がされる。該収縮規制部材2は、貼着剤層を介して長尺シート4aの一面に貼付される。長尺シート4aが、発泡樹脂シートと合成樹脂シートの積層長尺体である場合には、該発泡樹脂シートの一面に収縮規制部材2を貼付することが好ましい。
【0045】
なお、本工程において、感熱性接着剤からなる貼着剤層が設けられている収縮規制部材2を用いることもできる。この場合には、収縮規制部材2を帯状離型紙に仮貼付せず、前記収縮規制部材2が長手方向に連続的に繋がった連続供給体を準備する。この連続供給体から収縮規制部材2を1つ切り離し、収縮規制部材2の感熱性接着剤を加熱して活性化した後、該収縮規制部材2は、上記長尺シート4aの一面に貼付される。
【0046】
次に、上記長尺シート4aは、所定長さに切断される。長尺シート4aを切断することによって得られた1枚の熱収縮性シート4は、収縮規制部材2が貼付された面を巻付け用型7の外周面に面するようにして、巻付け用型7に巻き付けられる。そして、該熱収縮性シート4の両側端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部分を熱接着法などで接着する(図8(b)参照)。このように巻付け用型7の周方向に主熱収縮方向を有する筒状シート5が形成される。
【0047】
得られた筒状シート5は、巻付け用型7から引き抜かれる。該筒状シート5の内面は、図8(c)に示すように、巻付け用型7の外周面に接している。特に、筒状シート5の内面のうち収縮規制部材2の添付部分は、他の部分に比して、収縮規制部材2の肉厚分だけ突出しているので、巻付け用型7に強く接している。この点、上記収縮規制部材2は、可撓性シートの他面に(つまり、巻付け用型接触面に)、易滑層が設けられているので、収縮規制部材2を巻付け用型7に対してスムースに滑らせることができる。従って、筒状シート5を巻付け用型7から確実に且つ容易に引き抜くことができ、引き抜きミスを防止できる。
【0048】
上記巻付け用型は、好ましくは円筒状の型が用いられる。もっとも、巻付け用型は、正六角柱状などの多角柱状の型を用いても良い。また、該巻付け用型の直径は、成形型よりも少し大きく形成される。成形型よりも少し大径の筒状シート5を形成するためである。
【0049】
なお、上記筒状シート成形工程において、易滑層が設けられていない収縮規制部材2を供給してもよい。この場合、下記(1)または(2)の何れかを行うことが好ましい。(1)タックラベラーで収縮規制部材2を引き剥がす前に、該収縮規制部材2の他面(巻付け用型接触面)に易滑処理(例えば、上記滑剤の塗布など)を施す。(2)タックラベラーで収縮規制部材2を熱収縮性シート4に貼付した後から該熱収縮性シート4を巻付け用型に巻き付ける前までに、該収縮規制部材2の他面(巻付け用型接触面)に易滑処理を施す。このように易滑処理を施すことにより、筒状シート5を巻付け用型から確実に且つ容易に引き抜くことができる。
【0050】
(筒状シートの外嵌工程)
巻付け用型7から引き抜かれた筒状シート5は、図9に示すように、成形型8に外嵌される。
成形型8は、天面81と外周面82を有する略筒状に形成されている。成形型8の外周面82は、好ましくは天面81方向に向かうに従って縮径する筒状(ただし、周長さが変わらない直胴部分を一部に有していても良い)に形成されている。かかる成形型8を用いれば、収縮成形体1を上方に引き上げたときに、収縮成形体1が成形型8に引掛からず、収縮成形体1を容易に引き抜くことができる。該成形型8は、外周面82に凸部の出没機構などの駆動部分を有しない。該成形型8は、金属、耐熱性合成樹脂、セラミックなどの耐熱性を有する素材で形成されている。
【0051】
上記成形型8は、成形型8の底面から外側へ拡張された基台83上に設けられている。この基台83は、筒状シート5を外嵌した際に、筒状シート5の下端部が当たって筒状シート5を所定位置に保持する位置決め部材を兼ねている。
【0052】
なお、成形型8の天面81には、閉塞板91を載置しておいてもよい。この閉塞板91は、成形型8の天面81の縁から僅かに外側へ突出する形状に形成されていることが好ましい。かかる閉塞板91を天面81に載置することにより、筒状シート5の一方端部が閉塞板91の外縁部を包むように熱収縮し、一方開口が閉塞板91で閉塞された収縮成形体1を形成できる。
【0053】
(筒状シートの熱収縮工程)
上記成形型8に外嵌した筒状シート5の外面周囲に、熱媒体を作用させ、筒状シート5を熱収縮温度(筒状シート5の外面が100℃〜140℃程度)に加熱する。熱媒体は、スチーム、温風などが挙げられる。例えば、温風によって加熱する場合には、150℃〜300℃くらいの温風を、数秒吹き付ければよい。
加熱された筒状シート5は、主として周方向に大きく熱収縮し、図10に示すように、成形型8の外周面82に沿って密着する。この際、筒状シート5のうち収縮規制部材2が添付された部分は、該収縮規制部材2によって熱収縮が規制されるため、殆ど収縮せず、成形型8の外周面82に密着しない。その結果、収縮規制部材2の添付部分に対応して凸形状3が形成された収縮成形体1を得ることができる。
特に、補強処理が施された収縮規制部材2を用いれば、筒状シート5の周方向に収縮規制部材2が湾曲し難いので、収縮規制部材2が、筒状シート5の収縮を十分に規制して、比較的突出長の大きい凸形状3を形成できる。
なお、加熱後、筒状シート5が暖かい間に、必要に応じて、成形型8の天面82の上方側から押圧型を押し当ててもよい。
【0054】
(収縮成形体の離型工程)
形成された収縮成形体1を上方向(天面方向)へ引き上げることによって、該収縮成形体1を成形型8から引き抜くことができる。
形成された収縮成形体1の凸形状3は、成形型8の外周面82の一部に係合していないので、収縮成形体1を容易に引き抜くことができる。
【0055】
上記製造方法によれば、複雑な構造の成形型を用いずに、凸形状3を有する収縮成形体1を形成することができる。
また、例えば、平面視矩形状の収縮規制部材2を添付すれば、略矩形状の凸形状3を形成でき、平面視楕円形状の収縮規制部材2を用いれば、略楕円形状の凸形状3を形成できる。このように収縮規制部材2を所望形状に形成することにより、その形状に対応した凸形状3を有する収縮成形体1を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】一実施形態に係る収縮成形体を示す正面図。
【図2】図1のI−I線断面図。
【図3】一実施形態に係る筒状シートを示す斜視図。
【図4】一実施形態に係る熱収縮性シートを示す一部省略断面図。
【図5】一実施形態に係る収縮規制部材を示す一部省略側面図。
【図6】(a)は、他の実施形態に係る収縮規制部材を示す平面図、(b)は、II−II線断面図。
【図7】(a)は、他の実施形態に係る収縮規制部材を示す平面図、(b)は、III−III線断面図。
【図8】(a)は、熱収縮性シートを巻付け用型に巻き付けるまでの参考斜視図、(b)は、巻付け用型に熱収縮性シートを巻き付けて筒状シートを形成した状態を示す参考斜視図、(c)は、IV−IV線断面図。
【図9】筒状シートの外嵌工程を示す参考正面図。ただし、成形型に外嵌された状態の筒状シートを断面で表している。
【図10】(a)は、外嵌した筒状シートを熱収縮させた状態を示す正面図、(b)は、V−V線断面図。
【符号の説明】
【0057】
1…収縮成形体、2…収縮規制部材、21…可撓性シート、23…易滑層、25…帯状テープ、26…折り罫線、3…凸形状、4…熱収縮性シート、43…発泡樹脂シート、44…合成樹脂シート、5…筒状シート、7…巻付け用型、8…成形型、X1…収縮成形体の周方向、Y1…収縮成形体の直交方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面に凸形状が形成された収縮成形体の製造方法において、
熱収縮性シートの主熱収縮方向が周方向となるように前記熱収縮性シートを筒状に形成した筒状シートであって、内面の一部分に熱収縮を規制する収縮規制部材が添付された筒状シートを、成形型に外嵌する工程、
前記筒状シートを熱収縮温度で加熱することにより、前記成形型に沿って筒状シートを熱収縮させ、収縮成形体を得る工程、
前記収縮成形体を成形型から引き抜く工程、
を有することを特徴とする収縮成形体の製造方法。
【請求項2】
前記筒状シートを成形型に外嵌する前の工程として、
前記収縮規制部材が一面に添付された熱収縮性シートを、該熱収縮性シートの熱収縮方向が巻付け用型の周方向となるように且つ熱収縮性シートの一面が巻付け用型に面するようにして、巻付け用型に巻き付けた後、前記熱収縮性シートの重ね合わせた両側端部を接着して前記筒状シートを形成する工程、を有し、前記熱収縮性シートを巻付け用型に巻き付ける前に、前記収縮規制部材の巻付け用型接触面に易滑処理を施す請求項1に記載の収縮成形体の製造方法。
【請求項3】
前記熱収縮性シートが、発泡樹脂シート、又は発泡樹脂シートが積層された積層シートである請求項1または2に記載の収縮成形体の製造方法。
【請求項4】
主熱収縮方向が周方向となるように熱収縮性シートを筒状に形成した筒状シートを、熱収縮させることにより形成された収縮成形体において、
前記筒状シートの内面の一部分に、前記筒状シートの熱収縮温度で実質的に熱収縮しない収縮規制部材が添付されており、前記収縮規制部材の添付部分に対応して、外側へ突出した凸形状が形成されていることを特徴とする収縮成形体。
【請求項5】
前記収縮規制部材が、熱収縮性シートの熱収縮温度で実質的に熱収縮しない可撓性シートと、前記可撓性シートの一面に設けられた貼着剤と、を有し、前記可撓性シートには、面内の一方向において折れ曲がりを抑制する補強処理が施されており、前記収縮規制部材は、前記可撓性シートの一方向が筒状シートの周方向となるように、前記貼着剤を介して筒状シートの内面の一部分に貼付されている請求項4に記載の収縮成形体。
【請求項6】
前記熱収縮性シートが、発泡樹脂シート、又は発泡樹脂シートが積層された積層シートである請求項4または5に記載の収縮成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−18541(P2009−18541A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−184484(P2007−184484)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】