説明

取り外し可能なメディアドライブのための診断システム

【課題】取り外し可能なメディアドライブのための診断システムと取り外し可能なメディアドライブのための診断システムを生成するための方法を提供すること。
【解決手段】取り外し可能なメディアドライブ(100)のための診断システムであって、該システムは、該メディアドライブ(100)へのアクセスおよび該メディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する情報を収集するモニタリングユニット(111)と、該メディアドライブへのアクセスのための少なくとも1つの閾値を有する閾値テーブルを含む格納ユニット(120)と、該モニタリングユニット(111)の該収集された情報と、該閾値テーブルに含まれる該少なくとも1つの閾値を比較するように構成され、該比較に従って該取り外し可能なメディアドライブのための診断情報を決定するように構成される処理ユニット(130)とを含む、システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外し可能なメディアドライブのための診断システムと取り外し可能なメディアドライブのための診断システムを生成するための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
(従来技術)
ハードディスクドライブのためのSMART(Self Monitoring Analysis and Reporting Technology)は、残りのハードディスク寿命を推定するためのハードディスクのドライブに対する確立した工業規格である。しかし、この際において、エレクトロニクス、メカニクス、およびレーザーダイオードと挿入されたメディアとのようなかぎになる部品を含む光学ドライブの寿命は、利用可能な履歴データがないときに知られない。取り外し可能なメディアのドライブに対してドライブの消耗および残りの寿命を推定することは不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、メディアドライブのドライブの消耗および残りの寿命に関する信頼できる情報を提供することを可能にするニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
このニーズは、独立請求項の特徴によって満たされる。従属請求項において、本発明の好ましい実施形態が記述される。
【0005】
本発明の第1の側面によると、取り外し可能なメディアドライブのための診断システムが提供され、システムが、メディアドライブへのアクセスおよびメディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する情報を収集するモニタリングユニットを含む。さらに、格納ユニットは、提供され、メディアドライブへのアクセスのための少なくとも1つの閾値を有する閾値テーブルを含む。さらに、処理ユニットは、提供され、モニタリングユニットの収集された情報と閾値テーブルに含まれる前記少なくとも1つの閾値を比較するように構成され、および前記比較に従って取り外し可能なメディアドライブのための診断情報を決定するように構成される。主張された診断システムを用いて、使われるメディアと無関係にドライブの消耗および残りの寿命を推定することは可能である。モニタリングユニットは、メディアおよびメディアドライブへの全アクセスを記録し、情報がメディアセッションおよびドライブセッションのために格納される。メディアセッションは、メディアシリアル番号に関連され、メディアをドライブ内にロードすると始まり、およびメディアを取り出す後に終了する。ドライブセッションは、ドライブシリアル番号に関連され、およびドライブ交換後にドライブ自身の更新で終了する。
【0006】
本発明の好ましい実施形態によると、モニタリングユニットは、メディアテーブル内のメディアセッション関連情報を収集するように構成され、メディアセッションが、メディアドライブ内に取り外し可能なメディアの挿入から始まり、メディアセッションが、メディアドライブから取り外し可能なメディアの取り出しで終了する。さらに、モニタリングユニットは、ドライブセッションテーブル内のドライブセッション関連情報を収集するように構成され、ドライブセッション関連情報が、システムのドライブの完全な寿命にわたって収集される。従って、ドライブセッションは、メディアセッションより長く、ドライブセッションが、メディアドライブが交換されるまで1つのメディアドライブによって実行される全メディアセッションを含む。好ましくは、メディアテーブル内に格納されるメディアセッション関連情報は、ドライブセッションテーブル内に格納されるドライブセッション関連情報から別々、かつ独立して格納される。メディアセッション関連情報とドライブセッション関連情報との別々の格納を用いて、単一の読み取り不可能なメディアのエラーを取り外し可能なメディアドライブの寿命パラメーターと分けることは可能である。従って、ドライブが挿入された格納メディアを読み取ることが可能ではない場合、診断システムは、これがドライブの全部の老化および消耗のためであるかまたはこれが挿入されたメディア自身のためであるかを決定し得る。
【0007】
好ましくは、モニタリングユニットは、メディアドライブ内に挿入される各取り外し可能なメディアに対してメディアテーブルを生成する。このことは、ドライブ内に挿入される取り外し可能なメディアごとに対して履歴情報を収集することを許可する。各メディアセッションに対するメディアテーブルの生成。さらに、このことは、ドライブ内に挿入される各取り外し可能なメディアに対して履歴情報の別の格納のために、ドライブ適正およびメディア消耗に関する信頼できる情報を得ることを許可する。取り外し可能なメディアは、複数回でメディアドライブ内に挿入され得る。各回、メディアテーブルは生成され、そこで、情報は、取り外し可能なメディアが取り出されるまで収集される。
【0008】
従って、取り外し可能なメディアが初めて挿入されるかどうかの事実と無関係に、メディアテーブルは、各取り外し可能なメディアセッションに対して生成される。
【0009】
好ましくは、モニタリングユニットは、メディアシリアル番号を収集し、および対応するメディアセッションのメディアテーブルと共にメディアシリアル番号を格納する。
【0010】
好ましい実施形態によると、モニタリングユニットは、第一にメディアセッションテーブル内のメディアセッション関連情報を収集し、処理ユニットが、取り外し可能なメディアがメディアドライブから取り出されるとき、メディアセッションテーブルに含まれるデータを前記セッションのメディアテーブルに転送するように構成される。さらに、処理ユニットは、新しいメディアが取り外し可能なメディアドライブ内に挿入されることを検出されるとき、メディアセッションテーブルを消去する。もう1つの実施形態において、メディアセッションテーブルは、対応するメディアテーブルへデータの転送後に、すぐに消去される。例として、メディアセッションテーブルは、格納ユニットのRAM内に提供され得、格納ユニットの内容が、新しいメディアがドライブ内に挿入されるときに消去され、その一方で、異なるメディアセッションのためのメディアテーブルが、格納ユニットの永続メモリー部分内に格納され得る。メモリーのこの永続部分において、情報は、取り外し可能なメディアドライブがインストールされるコンピュータのシャットダウンおよび再スタートの後に残りの寿命またはドライブ消耗を決定することを可能にするために、少なくともメディアドライブの寿命にわたって保たれる。処理ユニットは、ドライブセッションテーブルからのデータと閾値テーブルに含まれる閾値を比較することと、異なるメディアテーブルから引き出されるメディアドライブ内の読み取り可能性の発展を考慮に入れることとによって、取り外し可能なメディアドライブの残りの寿命を決定するように構成され得る。例として、異なるメディアテーブルから引き出されるようなメディアドライブ内の取り外し可能なメディアの読み取り可能性が強く減少するとき、1つの可能性は、残りの寿命が短いと推測し得る。残りの寿命は、異なるメディアテーブルから引き出される読み取り可能性の発展と、読み取り可能性の発展がこのようであるとき、時間上の残りの寿命がこのようであり得ることを表示する所定の状況を比較することによって決定され得る。診断システムは、ドライブセッションテーブルからのデータと閾値との比較の結果に依存して、および異なるメディアテーブルから引き出される、異なる読み取り可能性のシナリオに基づく残りの寿命を表示する追加のテーブルを含み得る。
【0011】
好ましくは、処理ユニットは、異なるメディアテーブルおよびドライブセッションテーブルのデータと閾値テーブル内に含まれる閾値を比較することによって診断情報を決定する。このことは、ドライブセッションテーブル、メディアテーブルおよびドライブ閾値テーブルに基づいて、ドライブの残りの寿命が推定され得ることを意味する。
【0012】
処理ユニットは、好ましくは、ドライブ適正を決定する。ドライブ適正は、メディアテーブルおよびドライブセッションテーブルの機械的および物理的エントリに依存するだけではなく、メディアドライブ内に挿入される各取り外し可能なメディアに対して生成されたメディアテーブル内に検出される変化にも依存する。例として、異なるメディアの再生可能性は変わり得る。メディアドライブの寿命の始まりで、ドライバーは、問題なしに全メディアを再生することを可能にし得、しかし問題なしに再生され得るメディアの数を老化することのために減少することは起こり得る。従って、メディアテーブルは、メディアドライブの再生可能性または読み取り可能性の変化に関する情報を提供する。例として、メディアテーブルは、CD−Rが常に問題を引き起こしたことを検出するのを助け、その一方で、CD−DAのような他のCDはまた、問題なしに再生され得る。しかし、ますます少ないメディアが問題なしに再生され得るこの状況が時間にわたって変わる場合、メディアドライブが一定の老化を既に有する可能性は高い。従って、異なるメディアテーブルを用いて、時間にわたって異なるメディアの再生可能性/読み取り可能性の発展を決定することは可能である。
【0013】
さらに、診断システムは、取り外し可能なメディアの取り出しイベントを検出し、および取り出しイベントを処理ユニットに転送するドライブハンドラを含み得る。この情報は、処理ユニットにメディアセッションテーブル内に収集されるデータを前記セッションのメディアテーブルに転送させ、および新しい取り外し可能なメディアが挿入されるときにメディアセッションテーブル内のデータを消去させる。
【0014】
本発明は、取り外し可能なメディアドライブのための診断情報を生成するための方法に関する。方法は、メディアドライブへのアクセスおよびメディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する情報を収集するステップを含む。さらに、閾値テーブルは、提供され、メディアドライブへのアクセスのための少なくとも1つの閾値を含む。方法のもう1つのステップにおいて、収集された情報は、閾値テーブルに含まれる前記少なくとも1つの閾値と比較され、および取り外し可能なメディアドライブのための診断情報は、比較に依存して決定される。
【0015】
メディアセッションテーブルおよび異なるメディアテーブル内の収集される情報の格納は、前述のように、第一にメディアセッションテーブル内のメディアセッション関連情報を収集し、および次に、取り外し可能なメディアがメディアドライブから取り出されるときに収集された情報をメディアテーブルに転送することによって実行される。さらに、メディアセッションテーブルは、遅くとも新しいメディアが取り外し可能なメディアドライブ内に挿入されることを検出されるときに消去される。もう1つの実施形態において、メディアがメディアドライブから取り出されることを検出されるとき、メディアセッションテーブルを既に消去することも可能である。診断情報は、異なるメディアテーブルのデータを用いることによって、ドライブセッションテーブルおよび閾値テーブルから決定され得る。
【0016】
好ましくは、情報の収集は、以下のステップ:取り外し可能なメディアを読み取るためのメディアドライブに使われるメディア読み取り装置の開始または停止の数を数えるステップ、作業時間の数を数えるステップ、ドライブリセットの数を決定するステップ、読み取りエラーの数を決定するステップ、ドライブ温度を決定するステップ、取り外し可能なメディアドライブ内のメディア挿入の数を決定するステップ等のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
取り外し可能なメディアドライブ(100)のための診断システムであって、該システムは、
該メディアドライブ(100)へのアクセスおよび該メディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する情報を収集するモニタリングユニット(111)と、
該メディアドライブへのアクセスのための少なくとも1つの閾値を有する閾値テーブルを含む格納ユニット(120)と、
該モニタリングユニット(111)の該収集された情報と、該閾値テーブルに含まれる該少なくとも1つの閾値を比較するように構成され、該比較に従って該取り外し可能なメディアドライブのための診断情報を決定するように構成される処理ユニット(130)と
を含む、システム。
(項目2)
上記モニタリングユニット(111)は、メディアテーブル(122)内のメディアセッション関連情報を収集するように構成され、該メディアセッション関連情報とは別に、ドライブセッションテーブル(123)内のドライブセッション関連情報を収集するように構成され、メディアセッションが、上記メディアドライブ(100)内に上記取り外し可能なメディアの挿入から始まり、該取り外し可能なメディアが該メディアドライブ(100)から取り出されるときに終了し、該ドライブセッション関連情報が、該取り外し可能なメディアドライブが交換されるまで収集される、上記項目のいずれかに記載の診断システム。
(項目3)
上記モニタリングユニット(111)は、上記メディアドライブ内に挿入される各取り外し可能なメディアに対してメディアテーブル(122)を生成するように構成される、上記項目のいずれかに記載の診断システム。
(項目4)
上記モニタリングユニット(111)は、メディアシリアル番号を収集し、上記メディアセッションの上記メディアテーブル(122)と共に該メディア番号を格納するように構成される、上記項目のいずれかに記載の診断システム。
(項目5)
上記モニタリングユニット(111)は、第一にメディアセッションテーブル(121)内の上記メディアセッション関連情報を収集するように構成され、上記処理ユニット(130)が、上記取り外し可能なメディアが上記メディアドライブ(100)から取り出されるとき、該メディアセッションテーブル(121)に含まれる該データを上記セッションの上記メディアテーブル(122)に転送し、遅くとも新しいメディアが該取り外し可能なメディアドライブ内に挿入されるとき、該メディアセッションテーブルを消去するように構成される、上記項目のいずれかに記載の診断システム。
(項目6)
上記処理ユニット(130)は、上記比較に従って上記取り外し可能なメディアドライブの残りの寿命を決定するように構成される、上記項目のいずれかに記載の診断システム。
(項目7)
上記処理ユニット(130)は、上記ドライブセッションテーブル(123)からのデータと上記閾値テーブル(124)に含まれる上記閾値を比較することと、上記異なるメディアテーブルから引き出される上記メディアドライブ内の上記取り外し可能なメディアの読み取り可能性の発展を考慮に入れることとによって上記残りの寿命を決定する、上記項目のいずれかに記載の診断システム。
(項目8)
上記処理ユニット(130)は、上記格納ユニット(120)の永続エリア内の各取り外し可能なメディアセッションに対して上記メディアテーブルを生成するように構成される、上記項目のいずれかに記載の診断システム。
(項目9)
上記取り外し可能なメディアの取り出しイベントを検出し、該取り出しイベントを上記処理ユニットに転送するドライブハンドラをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の診断システム。
(項目10)
取り外し可能なメディアドライブ(100)のための診断システムを生成するための方法であって、該方法は、
該メディアドライブへのアクセスおよび該メディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する情報を収集するステップと、
該メディアドライブ(100)への該アクセスのための少なくとも1つの閾値を有する閾値テーブル(124)を提供するステップと、
該メディアドライブ(100)へのアクセスおよび該メディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する収集された情報と、該閾値テーブルに含まれる該少なくとも1つの閾値を比較し、該比較に従って、該取り外し可能なメディアドライブのための診断情報を決定するステップと
を含む、方法。
(項目11)
メディアセッション関連情報は、メディアテーブル(122)内に収集され、メディアセッションが、上記メディアドライブ内に上記取り外し可能なメディアの挿入から始まり、該取り外し可能なメディアが該メディアドライブから取り出されるときに終了し、ドライブセッション関連情報は、該メディアセッション関連情報とは別に、ドライブセッションテーブル(123)内に収集され、該ドライブセッション関連情報が、該取り外し可能なメディアドライブが変換されるまで収集される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
メディアテーブルは、上記メディアドライブ内に挿入される各取り外し可能なメディアに対して生成される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
上記メディアセッション関連情報は、第一にメディアセッションテーブル(121)内に収集され、該メディアセッションテーブル(121)に含まれる該データが、上記取り外し可能なメディアが上記メディアドライブ(100)から取り出されるとき、上記メディアセッションの上記メディアテーブル(122)に転送され、該メディアセッションテーブルは、新しいメディアが該取り外し可能なメディアドライブ内に挿入されるときに消去される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
上記診断情報は、上記異なるメディアテーブル(122)および上記ドライブセッションテーブル(123)からのデータと、上記閾値テーブル(124)に含まれる上記閾値を比較することによって決定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)
上記取り外し可能なメディアドライブの上記残りの寿命は、上記診断情報として決定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
上記情報の収集は、上記取り外し可能なメディアを読み取るための上記メディアドライブに使われるメディア読み取り装置の開始または停止の数を数えるステップ、作業時間の数を数えるステップ、ドライブリセットの数を決定するステップ、読み取りエラーの数を決定するステップ、ドライブ温度を決定するステップ、該取り外し可能なメディアドライブ内のメディア挿入の数を決定するステップのうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0018】
(摘要)
本発明は、取り外し可能なメディアドライブ(100)のための診断システムに関し、該システムは、
該メディアドライブ(100)へのアクセスおよび該メディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する情報を収集するモニタリングユニット(111)と、
該メディアドライブへの該アクセスのための少なくとも1つの閾値を有する閾値テーブルを含む格納ユニット(120)と、
該モニタリングユニット(111)の収集された情報と該閾値テーブルに含まれる該少なくとも1つの閾値を比較するように構成され、および該比較に従って該取り外し可能なメディアドライブのための診断情報を決定するように構成される処理ユニット(130)と
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、添付の図面を参照することと共にさらなる詳細に記述される。
【図1】図1は、取り外し可能なメディアドライブのための診断システムにわたる図式の概観である。
【図2】図2は、メディアドライブの残りの寿命を決定するためのステップを示すフローチャートである。
【図3】図3は、メディアセッションテーブルまたはドライブセッションテーブルの例を示す。
【図4】図4は、メディアテーブルの例を示す。
【図5】図5は、ドライブ閾値テーブルの例を示す。
【図6】図6は、ドライブハンドラテーブルの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(図面の詳細な記述)
図1において、システムの図式の概観は、取り外し可能なメディアドライブの残りの寿命が推定され得ることと共に示される。図1に示されるシステムは、CDドライブまたはDVDドライブのような取り外し可能なメディアドライブがインストールされる任意のハードウェアユニットにインストールされ得る。図1に示されるように、ドライブ100は、取り外し可能なメディアドライブの入力/出力コントロールユニット110に接続され、入力/出力コントロールユニット110が、メディアドライブへのアクセスまたはメディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する情報を収集するモニタリングユニット111を含む。メディアドライブ100は、電子部品、機械部品、およびCDまたはDVDのような挿入されたメディアを読み取るためのレーザーダイオードを含む。モニタリングユニットは、メディアおよびメディアドライブへの全アクセスを記録する。モニタリングユニットは、別個のユニットとして示され、しかし、モニタリングユニット111が、ATAPIドライバー112またはATAドライバー113のような他の部品に組み込まれ得ることは理解されるべき、これらのドライバーが、ハードウェア(ここで、ドライブ100)への通信のために提供される。モニタリングユニットは、ハードウェアまたはソフトウェアとしてまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして組み込まれ得る。1つの実施形態において、モニタリングユニットは、メディアまたはドライブの全消耗する部分のための寿命および履歴の計数器を用いて、メディア低レベルドライバーインターフェースブロック(例えば、ATAPI、USB、ファイルI/O)のプロトコールを拡張することによって組み込まれ得、およびそれらを挿入されたメディアまたはドライブのシリアル番号と連結し得る。
【0021】
システムは、ドライブの消耗およびドライブの残りの寿命を計算するための処理ユニット130によって使われる異なるテーブルが格納される格納ユニット120をさらに含む。モニタリングユニット111は、メディアセッションごとにおよびメディアドライブセッションごとに対して情報を別々に収集する。メディアセッションは、メディアをドライブ100内にロードすると始まり、メディアを取り出す後に終了する。各メディアセッションは、メディアシリアル番号に関連される。ドライブセッションは、ドライブ交換後に更新されるドライブシリアル番号に関連される。モニタリングユニットは、メディアへまたはメディアドライブへのアクセスに関する情報を収集し、それを格納ユニット120に提供されるテーブル内に格納する。各挿入されたメディアに対して、メディアセッションに関する情報は、メディアセッションテーブル121内に収集される。
【0022】
モカおよび非モカエリアは、ユーザー平面からドライブ平面の境界を定める。
【0023】
このようなメディアテーブルの例は図3に示される。メディアセッションテーブルは、システムの永続メモリーエリアに位置し得る。テーブルのサイズおよび情報構造は固定される。モニタリングユニット111は、セッションごとに一回の各属性の各未処理値を格納する。図3に示されるように、モニタリングユニットは、CD、DVDのためのレーザーダイオードの開始および停止の数を数え、パワーオン時間の数、ロードサイクルの数、等を数える。管理される他のパラメーターは、例として、機械的エラーの数、ハードウェアまたはソフトウェアドライブリセット、またはドライブ温度である。メディアがドライブから取り出されることを検出されるとき、メディアセッションテーブルの取得されたデータは、前記セッションのメディアテーブル122に転送される。メディアセッションテーブルは、新しいメディアがドライブ内に挿入されるときに消去される、それにより、新しく到達されるメディアに対して、メディアセッションテーブルが再びデータで満たされ得るようにする。この第2のメディアが次に取り出されるとき、前記第2のセッション122のための新しいメディアテーブルは、次に生成される。従って、各メディアセッションに対して、メディアテーブルは生成され、図1に示される異なるテーブル122によって象徴されるような複数のメディアテーブルを引き起こす。
【0024】
メディアセッションテーブル内に収集されたデータは、さらに、もう1つのドライブによって取り替えられる前に、データがドライブ100の寿命にわたって収集されるドライブセッションテーブル123に転送される。従って、ドライブセッションテーブルにおいて、メディアセッションテーブルのデータは、パワーオン時間の数、ドライブリセットの数のようなドライブの全部の消耗を決定することを可能にするために、ドライブの寿命にわたって蓄積される。従って、図3に示されるテーブルは、各メディアセッションに対して生成され、およびドライブセッションに対して生成される。
【0025】
メディアテーブルのうちの1つの一例示的実施形態は図4に示される。図4に示される上部のテーブルは、メディアセッションテーブルから複写されたデータを含む。図4の低い方の部分に示されるデータは、特別のATAPIコマンドによって得られたメディアテーブルのデータである。
【0026】
システムは、図5に示されるようなドライブ閾値テーブル124をさらに含む。このドライブ閾値テーブルは、ドライブセッションテーブル123によって提供される情報との比較のために処理ユニット130によって使われる寿命制限未処理値を格納する。処理ユニット130は、挿入されたメディアが読み取られ得ない場合、エラーが挿入されたメディア自身のためかドライブ100の老化のためかを決定するために、異なるメディアテーブルをさらに使う。メディアテーブル122およびドライブセッションテーブルを用いることによって、およびドライブセッションテーブルおよびメディアテーブルに提供される情報とドライブ閾値テーブルに提供される情報を比較することによって、単一の読み取り不可能なメディアのエラーをドライブ寿命パラメーターと分けることはさらに可能である。
【0027】
処理ユニット130は、取り出しイベントでメディアセッションテーブルに提供されるデータを前記セッションのためのメディアテーブルに転送し、およびドライブセッションテーブルとドライブ閾値テーブルに格納される閾値を比較する。
【0028】
図1に示されるシステムにおいて、ドライブハンドラ140は提供され、ドライブハンドラ140が、処理ユニットにドライブ100のイベントを知らせる。従って、ドライブハンドラ140は、処理ユニット130にディスクが挿入されまたはドライブから取り出されることを知らせ得る。図6において、ドライブハンドラによって提供される情報のテーブルが示される。さらに、図1に示されるように、インターフェース150は、情報をユーザーに提供する。
【0029】
モニタリングユニットは、メディアおよびメディアドライブへの全アクセスをモニターする。図3と4に示される対応する値を対応するテーブル内に書き込む。これらのテーブルは、メディアまたはメディアドライブが変えられるまで有効である。メディアまたはメディアドライブの交換の場合において、メディアセッションテーブルからのデータは、永続メモリー内に複写される。ドライブ適正を決定することに対して、モニタリングユニットは、次に、ドライブ適正を決定するために、ドライブセッションテーブルまたはメディアテーブルからのデータを検索する。
【0030】
図2において、図1に示されるシステムによって実行されるステップが要約される。ステップ200のスタートの後に、モニタリングユニットがメディアドライブアクセスに従ってメディアセッションテーブル121およびドライブセッションテーブルを更新するモニタリングユニットの初期化ステップは、実行される。ステップ220において、ディスクがメディアドライブ内に挿入されるか否かが聞かれる。ディスク/メディアがメディアドライブ内に検出される場合、メディアセッションの情報は、ステップ230で収集され、およびステップ240でメディアセッションテーブル内に格納される。さらに、ステップ250において、情報は、メディアまたはメディアドライブへのアクセスに関する情報がドライブの寿命にわたって収集されるドライブセッションテーブル内に格納される。ステップ260において、メディアセッションが、メディアが取り出されるか否かを決定することによって終了されるか否かが聞かれる。メディアがドライブ内にある間、情報は、収集されおよび対応するテーブル内に格納される。メディアセッションがディスクの取り出しで終了される場合、前記セッションのためのメディアテーブルは、ステップ270で生成される。ステップ280において、ドライブセッションテーブルおよびメディアテーブルの情報は、ドライブ適正を決定するために、ドライブ閾値テーブルと比較される。とりわけ、ステップ290に表示されるようにドライブの残りの寿命を決定することは可能である。残りの寿命を決定するために、メディアプロセッサーは、ドライブセッションテーブルからのデータとドライブ閾値テーブルに含まれる閾値、例えば、DVDまたはCDのためのパワーオンの時間、機械的エラーの数、読み取りエラーの数を比較する。これらの値は、次に、ドライブ閾値テーブルの閾値と比較され得る。ドライブセッションテーブルの多くの値が閾値に達する場合、1つは残りの寿命が短いと推測し得る。残りの寿命を決定するために、メディアプロセッサーは、さらに、時間にわたって、異なるメディアテーブルに記載される異なるパラメーターの発展を調べ得る。例として、読み取り時間の数が、時間にわたって大幅に増大する場合、メディアプロセッサーは、この発展を決定し、この発展と、異なるメディアテーブルのパラメーターの異なる発展が動作する時間において近似の残りの寿命に関連して表示される所定のデータセットを比較するためのさらなる論理を有し得る。例として、異なるメディアセッションから、異なるメディアに対する読み取りエラーがセッションの所定の数を超えて10%以上で増大されると推測され得、残りの寿命は、例えば100時間であり得、その一方で、もう1つの状況に対して、エラーレートが、例えば、異なるメディアセッションの所定の数を超えて30%で増大する場合、残りの寿命は、例えば30時間のみであり得る。
【0031】
第一にドライブセッションテーブルのデータと閾値との全部の比較のうちの2つのパラメーターに基づいて、および第二に前述の異なるメディアテーブルから引き出される取り外し可能なメディアの読み取り可能性の発展に基づいて、メディアプロセッサーは、時間、日または週の残りの寿命を決定するための論理を有する。
【0032】
ステップ300において、新しいディスクがメディアドライブ内に検出されるか否かが聞かれる。これが事実である場合、メディアセッションテーブルは、消去され、新しいメディアセッションのための新しいデータの収集を許可する(ステップ310)。検出される新しいディスクがない場合、方法はステップ320で終了する。
【0033】
図2に示されるこの方法は、メディアドライブの寿命にわたって使われる。新しいメディアドライブがシステムにインストールされる場合、これが検出されるべき、およびドライブセッションテーブル123は、新しいドライブセッションが新しいドライブの検出後に始まり得るように消去されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能なメディアドライブ(100)のための診断システムであって、該システムは、
該メディアドライブ(100)へのアクセスおよび該メディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する情報を収集するモニタリングユニット(111)と、
該メディアドライブへのアクセスのための少なくとも1つの閾値を有する閾値テーブルを含む格納ユニット(120)と、
該モニタリングユニット(111)の該収集された情報と、該閾値テーブルに含まれる該少なくとも1つの閾値を比較するように構成され、該比較に従って該取り外し可能なメディアドライブのための診断情報を決定するように構成される処理ユニット(130)と
を含む、システム。
【請求項2】
前記モニタリングユニット(111)は、メディアテーブル(122)内のメディアセッション関連情報を収集するように構成され、該メディアセッション関連情報とは別に、ドライブセッションテーブル(123)内のドライブセッション関連情報を収集するように構成され、メディアセッションが、前記メディアドライブ(100)内に前記取り外し可能なメディアの挿入から始まり、該取り外し可能なメディアが該メディアドライブ(100)から取り出されるときに終了し、該ドライブセッション関連情報が、該取り外し可能なメディアドライブが交換されるまで収集される、請求項1に記載の診断システム。
【請求項3】
前記モニタリングユニット(111)は、前記メディアドライブ内に挿入される各取り外し可能なメディアに対してメディアテーブル(122)を生成するように構成される、請求項2に記載の診断システム。
【請求項4】
前記モニタリングユニット(111)は、メディアシリアル番号を収集し、前記メディアセッションの前記メディアテーブル(122)と共に該メディア番号を格納するように構成される、請求項2または3に記載の診断システム。
【請求項5】
前記モニタリングユニット(111)は、第一にメディアセッションテーブル(121)内の前記メディアセッション関連情報を収集するように構成され、前記処理ユニット(130)が、前記取り外し可能なメディアが前記メディアドライブ(100)から取り出されるとき、該メディアセッションテーブル(121)に含まれる該データを前記セッションの前記メディアテーブル(122)に転送し、遅くとも新しいメディアが該取り外し可能なメディアドライブ内に挿入されるとき、該メディアセッションテーブルを消去するように構成される、請求項2〜4に記載の診断システム。
【請求項6】
前記処理ユニット(130)は、前記比較に従って前記取り外し可能なメディアドライブの残りの寿命を決定するように構成される、請求項1〜5のいずれかに記載の診断システム。
【請求項7】
前記処理ユニット(130)は、前記ドライブセッションテーブル(123)からのデータと前記閾値テーブル(124)に含まれる前記閾値を比較することと、前記異なるメディアテーブルから引き出される前記メディアドライブ内の前記取り外し可能なメディアの読み取り可能性の発展を考慮に入れることとによって前記残りの寿命を決定する、請求項2〜6のいずれかに記載の診断システム。
【請求項8】
前記処理ユニット(130)は、前記格納ユニット(120)の永続エリア内の各取り外し可能なメディアセッションに対して前記メディアテーブルを生成するように構成される、請求項2〜7のいずれかに記載の診断システム。
【請求項9】
前記取り外し可能なメディアの取り出しイベントを検出し、該取り出しイベントを前記処理ユニットに転送するドライブハンドラをさらに含む、請求項1〜8のいずれかに記載の診断システム。
【請求項10】
取り外し可能なメディアドライブ(100)のための診断システムを生成するための方法であって、該方法は、
該メディアドライブへのアクセスおよび該メディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する情報を収集するステップと、
該メディアドライブ(100)への該アクセスのための少なくとも1つの閾値を有する閾値テーブル(124)を提供するステップと、
該メディアドライブ(100)へのアクセスおよび該メディアドライブに含まれる取り外し可能なメディアへのアクセスに関する収集された情報と、該閾値テーブルに含まれる該少なくとも1つの閾値を比較し、該比較に従って、該取り外し可能なメディアドライブのための診断情報を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
メディアセッション関連情報は、メディアテーブル(122)内に収集され、メディアセッションが、前記メディアドライブ内に前記取り外し可能なメディアの挿入から始まり、該取り外し可能なメディアが該メディアドライブから取り出されるときに終了し、ドライブセッション関連情報は、該メディアセッション関連情報とは別に、ドライブセッションテーブル(123)内に収集され、該ドライブセッション関連情報が、該取り外し可能なメディアドライブが変換されるまで収集される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
メディアテーブルは、前記メディアドライブ内に挿入される各取り外し可能なメディアに対して生成される、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記メディアセッション関連情報は、第一にメディアセッションテーブル(121)内に収集され、該メディアセッションテーブル(121)に含まれる該データが、前記取り外し可能なメディアが前記メディアドライブ(100)から取り出されるとき、前記メディアセッションの前記メディアテーブル(122)に転送され、該メディアセッションテーブルは、新しいメディアが該取り外し可能なメディアドライブ内に挿入されるときに消去される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記診断情報は、前記異なるメディアテーブル(122)および前記ドライブセッションテーブル(123)からのデータと、前記閾値テーブル(124)に含まれる前記閾値を比較することによって決定される、請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記取り外し可能なメディアドライブの前記残りの寿命は、前記診断情報として決定される、請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記情報の収集は、前記取り外し可能なメディアを読み取るための前記メディアドライブに使われるメディア読み取り装置の開始または停止の数を数えるステップ、作業時間の数を数えるステップ、ドライブリセットの数を決定するステップ、読み取りエラーの数を決定するステップ、ドライブ温度を決定するステップ、該取り外し可能なメディアドライブ内のメディア挿入の数を決定するステップのうちの少なくとも1つを含む、請求項10〜15のいずれかに記載の方法。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−43523(P2012−43523A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112840(P2011−112840)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】