取付具
本発明は、開口23、23’を有する偏心円板20、20’、20’’が挿入される切抜き部14を有する取付板11を備え、開口23、23’をねじ40が通過する取付具10、特に壁戸棚を取り付けるための取付具に関する。取付具は、壁に取り付けられたねじ頭付きねじ40、40’の軸部に偏心円板20、20’、20’’が掛けられ、偏心円板20、20’、20’’を回転させることによって取付板11がねじ40、40’に対して垂直方向および水平方向に調整されるように、偏心円板20、20’、20’’の開口23、23’が構成されていることを特徴とする。さらに、本発明は、2種類のアングル取付具101、201、特に壁家具を取り付けるためのアングル取付具、多部品取付具301、特に壁取付け用の多部品取付具、および多部品取付具301を製造する方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじが通される開口を有する偏心円板が挿入される切抜き部が設けられた取付板を備える取付具、特に壁戸棚を取り付けるための取付具、および/または請求項16および25の前文に記載のアングル(山形)取付具、特に壁家具を取り付けるためのアングル取付具、ならびに締結手段によって第2の取付具部品に取付け可能な第1の取付具部品を備え、両取付具部品が金属薄板から打抜き加工と曲げ加工によって製造された請求項34の前文に記載の多部品取付具(mehrteiligen Beschlag)、特に壁取付け用の多部品取付具、ならびに多部品取付具を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
独国実用新案公開第7930056号明細書は、ねじが通過するスロットを有する吊下げ用フックが、壁に固定されたフックに取付け可能である家具用吊下げ装置を開示している。ねじは、外側にねじ山を備えてワッシャに偏心位置で取り付けられるねじスリーブに螺入する。ワッシャは、次に、吊下げ装置のおかげで3方向、すなわち、横、縦および奥行の方向に調整可能に、ハンガーに対してねじれ抵抗を有して固定することができる。しかしながら、吊下げ装置は、相対的に複雑な多数の個別の部品からなり、したがって、組付けに費用がかかる。
【0003】
2個の取付具部品がねじによって互いに保持可能な、壁戸棚を吊り下げるための多部品取付具が独国特許出願公開第1901685号明細書で公知である。取付具部品には、ある程度の調整の可能性があるように、開口の一部が長孔として形成されている。金属薄板からの取付具部品の製造は、取付具部品が相対的に重く、製造するのに費用がかかるという欠点がある。この取付具のもう1つの欠点は、個々の取付具部品がばらで包装装置に送給されなければならず、確実に正しい取付具部品が互いに分類されるように注意する必要があることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、製造が容易で、調整の余地を保持しながら素早い組付けが可能な取付具を提供することである。また、製造が簡単で、水平方向にも垂直方向にも調整可能なアングル取付具が提供される。さらに、取付具部品の簡単で確実な分類が保証される多部品取付具と、多部品取付具を製造する効率的な方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1、16、25および34の特徴を有する取付具と、請求項41の特徴を有する方法によって達成される。
【0006】
本発明によれば、壁に取り付けられたねじ頭付きねじの軸部に偏心円板が掛けられ、偏心円板を回転させることによって取付板がねじに対して垂直方向および水平方向に調整されるように、偏心円板の開口が構成されている。その結果、ねじを壁に予め取り付けることが可能になり、利用者は、予め取り付けられたねじに取付板と偏心円板を取り付けることができるので、少数の取付け工程しか必要としない。また、偏心円板によって高さと横方向の調整を行うことができるので、少数の部品で正確な位置決めを行うことが可能になる。
【0007】
好ましくは、開口は、偏心円板の環状縁部の中心点に対して偏心して配置されている。開口は、様々な形状を有することが可能であり、例えば、それ自体が円形に形成されてもよいし、円形から外れた輪郭を有してもよい。好ましくは、開口は、ねじ頭を通すための幅広部分と、ねじの軸部を受け入れるための幅狭部分とを少なくとも有している。その場合、特に偏心円板の幅狭部分が、ねじの軸部を受け入れる働きを行うとともに偏心円板の中心から外れて配置されている場合には、取付板を特に正確に位置決めすることができる。
【0008】
偏心円板の取付けを簡単にするため、外側に向かって開いた溝部を有する開口が設けられてもよい。溝部は、ねじの螺入後にねじの軸部が溝部から開口内へ挿入されるように径方向に延びている。その結果、偏心円板を広範囲にわたって中実材料から相対的に安定的に形成することができる。
【0009】
偏心円板と取付板との接触面同士を粗面化処理することにより、対構成の自己制止を向上させることできる。あるいは、接触面に特殊形状加工を施してもよい。
【0010】
一実施形態によれば、偏心円板は、工具、好ましくはねじ回しと係合させるための工具保持部を有している。その結果、偏心円板を工具で回転させることによって、細かい調整を簡単に行うことができる。それにより、偏心円板を挟持させながら取付板の切抜き部に案内することができる。
【0011】
偏心円板は、好ましくは、取付板の切抜き部に挿入される環状縁部を有しているとともに、環状縁部を越えて径方向外側にストッパとして延出するフランジ部分をさらに備えている。これにより、偏心円板の挿入深さを正確に予め定めることができる。また、環状縁部に溝彫りが設けられ、環状縁部が少なくとも向かい合う側で切抜き部の縁に当接してもよい。その結果、偏心円板を挟持によって、または確実および/もしくは非確実な手段によって固定することができる。
【0012】
横方向への調整を容易に行うことができるように、切抜き部が取付板に長孔として形成されてもよい。その結果、偏心円板を長孔の様々な位置に位置決めして取付板をねじに対して位置調整することができるので、大きな調整経路が提供される。
【0013】
取付板を容易に製造するために、取付板は、金属薄板の曲げ加工と打抜き加工によって形成されており、湾曲した突出部によって形成された切抜き部の縁を備えている。そのような突出部は、湾曲した帯状の周辺部分によって形成されてもよい。
【0014】
有利な実施形態では、取付板が、取付け用アングル材の構成要素として形成されている。この場合、取付け用アングル材は、家具本体の内壁に取付け可能であり、特に壁戸棚用に使用可能であってもよい。
【0015】
十分な安定性を有するように、偏心円板が、金属またはプラスチックの成型品として形成されてもよい。
【0016】
本発明によれば、請求項16に記載のアングル取付具において、第1および第2の平板状部分が実質的にプラスチック製であり、第1の平板状部分に、締結手段を通すための開口を有する金属製取付板が設けられている。その結果、相対的に小さな取付板によって、締結手段による高い機械負荷を受ける領域を形成することができる一方、低い機械負荷を有する領域が、鋭利なエッジをもつウェブを回避するようにより厚い壁厚で形成可能な安価なプラスチック材料から製造される。プラスチック材料と金属製取付板との組合せを使用することにより、そのようなアングル取付具自体の重量もかなり低減される。
【0017】
金属製取付板は、好ましくは縁部においてプラスチック材料に埋め込まれている。この場合、金属製取付板は、アングル取付具の背面でプラスチック材料と面一に配置することができるので、取付板は、締結手段を介して大きな力で壁に対して押圧され、結果として、プラスチック材料に応力を及ぼすことなく、機械的応力を効果的に除去することができる。
【0018】
本発明の一実施形態では、ラッチ板が、第1の平板状部分のラッチ手段に高さ調整可能に保持される。その結果、アングル取付具を容易に高さ調整することができる。ラッチ板が、締結手段を通すための開口を有してもよく、それにより、ラッチ板とアングル取付具の両方をこの締結手段を介して保持することができる。ラッチ板の開口が、T字形に構成されているとともに、水平方向に合わされた長孔を備えてもよく、それにより、アングル取付具を締結手段に対して水平方向に調整することが可能になる。
【0019】
好ましくは、金属製取付板がラッチ板用の橋台を形成している。その結果、ラッチ板は、材料に対する過大な負荷を恐れる必要なく、締結手段によってより大きな力で取付板に対して押圧することができる。
【0020】
好ましくは、細かい調整可能性を得るために、ラッチ手段が歯、リブまたは溝によって形成されている。この場合、ラッチ板の両側で正面側に、第1の平板状部分の歯と噛合可能な歯が配置されていると有利である。これにより、細かい格子寸法で高さ調整を行うことが可能になり、それにより、発生する重量負荷が複数の歯に分配される。
【0021】
本発明によれば、請求項25に記載のアングル取付具の平板状部分が、少なくとも1つの水平方向に合わされた長孔と、締結手段、特にねじ頭の幅広の頭を通すための幅広部を有する接続部分とを備える少なくとも1つの開口を有している。その結果、利用者が、長孔のどの位置でねじを固定するかを自由に選択することができるので、水平方向と垂直方向の両方での調整の可能性が提供される。したがって、取付具を多部品として構成する必要がない。
【0022】
開口が、好ましくは、締結手段の幅広の頭を通すための共通の幅広部を有する接続部分を介してそれぞれ相互に接続された少なくとも2つの水平方向に合わされた長孔を備えている。2つの長孔は、アングル取付具の湾曲した軸線に対して直角の鏡面から間隔を置いて配置されるようにして鏡面に関して鏡像関係にあってもよい。
【0023】
一実施形態では、各長孔が湾曲した軸線に対して直角の鏡面の側に配置されるようにして、鏡面に関して鏡像関係にある2つの開口が第1の平板状部分に設けられている。その結果、アングル取付具の締結手段に対する効果的な位置調整を行うことが可能になり、平板状部分に複数の締結手段を取り付けることも可能になる。
【0024】
接続部分が長孔のほぼ中心位置に配置されていると好ましく、ねじの軸部を長孔に挿入した後に、ねじを任意でどちらか一方の方向に案内することができる。また、平板状部分が比較的安定した状態を維持する。
【0025】
本発明の一実施形態では、開口が、平板状部分の2本の中心線に対して対称に構成されている。平板状部分は、矩形であり、その場合、開口が2本の中心線に対して対称に設けられるような開口の配置によって、アングル取付具を右側と左側の両方に使用することができる。したがって、家具本体の別々の側のために2個の取付具を用意する必要がない。
【0026】
本発明の別の実施形態では、この実施形態が家具本体の右側にも左側にも使用可能になるように、平板状部分の2本の中心線に対して対称に形成された2つの開口が形成されている。
【0027】
好ましくは、アングル取付具が、締結手段、例えば、家具本体を固定するために使用される締結手段用の長孔として設計された少なくとも1つの開口を有する第2の平板状部分をさらに備えている。これらの開口を使って、家具本体を垂直方向に調整することができる。
【0028】
請求項34に記載の本発明によれば、取付具部品が金属薄板から打抜き加工と曲げ加工によって製造されており、第1の取付具部品が、所定の破断点を介して第2の取付具部品に分離可能に接続されている。その結果、2個の取付具部品が、個々の取付具部品をさらに分類する必要のない事前組付けユニットを形成する。それどころか、この事前組付けユニットは、包装物内に収めることができ、利用者が後でいつも両方の取付具部品を確実に使用することができる。このためには、2個の取付具部品が所定の破断点を介して互いに分離されさえすればよい。さらに、多部品取付具は、1つの作業工程で効果的に製造することができる。
【0029】
本発明の一実施形態では、分離された位置で、第1の取付具部品が第2の取付具部品に対して高さ調整可能である。それに加えて、またはその代わりに、分離された位置で、第1の取付具部品が第2の取付具部品に対して水平方向に調整可能であってもよく、その結果、水平方向と垂直方向の両方で位置の適合を行うことができる。このことは、締結手段がすでに取り付けられている場合に第2の取付具部品の位置調整が可能になるので、壁取付け家具にとって特に有利である。第1の取付具部品の位置調整のために、第1の取付具部品は、少なくとも1つの帯状突出部を備えている。第2の取付具部品に、第1の取付具部品を固定可能な複数のリブおよび溝が設けられた平板状部分が形成されてもよい。その結果、簡単な機械的手段を用いて、第2の取付具部品を第1の取付具部品に固定することができる。この場合、第1および第2の取付具部品に、それぞれねじを通過させる少なくとも1つの開口が設けられてもよく、その結果、ねじが壁に取り付けられるだけでよく、その後、取付具部品を互いに位置調整することができる。
【0030】
好ましくは、第2の取付具部品がアングル材として構成されており、第1の平板状部分が壁に取付け可能であって、第2の平板状部分が家具本体に固定可能である。
【0031】
請求項41に記載の本発明にかかる方法では、金属薄板、好ましくはコイルを介して供給される金属薄板が、打抜きおよび曲げ加工位置に送給される。その後、打抜き加工と曲げ加工によって、個々の取付具部品が所定の破断点を介して分離可能に相互に接続された多部品取付具が製造される。その結果、たった1つの作業工程で、つながった多部品取付具が製作される。
【0032】
以下、本発明を複数の例示の実施形態を用いて添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明にかかる取付具を有する家具本体の斜視図である。
【図2】AおよびBは、本発明にかかる図1の取付具を示す。
【図3】図1の取付具用のカバーキャップの斜視図である。
【図4】AおよびBは、図1の取付具の取付け時の図である。
【図5】A〜Cは、図1の取付具のいろいろな取り付け位置における図である。
【図6】A〜Cは、本発明にかかる取付具の別の実施形態の取付け時の図である。
【図7】A〜Dは、図6の取付具のある位置における図である。
【図8】A〜Cは、図6に対して変更された取付具を示す。
【図9】本発明にかかるアングル取付具の分解斜視図である。
【図10】図9のアングル取付具の斜視図である。
【図11】図9のアングル取付具の後面図である。
【図12】図9のアングル取付具の取付け時の平面図である。
【図13】ラッチ板が取り付けられた図9のアングル取付具の平面図である。
【図14】本発明にかかる別のアングル取付具の分解斜視図である。
【図15】図14のアングル取付具の平板状部分を示す。
【図16】アングル取付具用のカバーキャップの斜視図である。
【図17】AおよびBは、図14のアングル取付具の取付け時の図である。
【図18】A〜Dは、アングル取付具の変更形態の組付け時の図である。
【図19】本発明にかかる別の取付具の取付け前の分解図を示す。
【図20】図19の取付具を示す。
【図21】図19の取付具を示す。
【図22】図19の取付具を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
壁戸棚は、後壁2と側壁3とからなる家具本体1を備えている。後壁2と側壁3との間の隅領域には、取付板11が後壁2に支持された本発明にかかる取付具10が取り付けられている。取付板11と一体的に形成された締結板12は、側壁3を取付具10に固定するための締結手段が挿入される開口13を有している。
【0035】
図2Aおよび図2Bからわかるように、取付具10は、取付板11に、長孔として構成された切抜き部14であって、取付板11の面から突出する曲げられた縁部15を有する切抜き部14を備えている。縁部15は両側に直線部分16を備えており、これらは前面17で均等に湾曲している。取付板11は、曲げ縁部18を介して締結板12に接続されており、曲げ縁部18の上側と下側から突出するウェブ19が形成されて、カバー30を所定位置にロック可能になっている。この目的のため、カバー30は、ウェブ19を後側から把持するスナップ装着式ラグ(Rastnase)31を備えている。
【0036】
取付板11のねじに対する位置調整のために、成型品として、特に金属またはプラスチックから製造された偏心円板20が設けられている。偏心円板20は、外面に溝彫りがなされた環状縁部21を備えている。環状縁部21の円周は、曲がり縁部15の直線部分16の距離に相当する。また、偏心円板20には、環状縁部21を越えて径方向に延出するフランジ部分22が形成されており、ストッパの働きをして、切抜き部14の縁部15に当てることができる。
【0037】
偏心円板20は、ねじのねじ頭を通すための幅広部分26と、半円形に構成されてねじの軸部を受け入れる働きをする幅狭部分25とを有する開口23をさらに備えている。
【0038】
図4Aおよび図4Bに示すように、偏心円板20は、環状部分21が縁部15に隣接するように、切抜き部14に挿入される。偏心円板20は、十字形のスロットの形に構成された工具保持部24によって簡単に回転させることができる。
【0039】
取付けのため、最初に、壁にねじ40が固定される。その後、家具本体1に取り付けられた取付具10が、ねじ頭が切抜き部14内に配置されるように、ねじ40上に動かされる。その後、偏心円板20がねじ40に掛けられ、その際、ねじ頭が開口23の幅広部分26から挿入される。その後、偏心円板20が、幅狭部分25がねじ40の軸部周りに配置されるように動かされる。
【0040】
ここで、偏心円板20は、取付板11のねじ40に対する位置調整のために、回転させたり位置をずらしたりすることができる。回転移動のために、工具保持部24内に工具が嵌められ、その後、偏心円板20を回転させることにより、例えば図5Aおよび図5Cに2か所の位置で示すように、高さ調整を行うことができる。
【0041】
さらに、図5A〜図5Cにそれぞれ異なる位置で示すように、偏心円板20を取付板11に対して単に位置をずらすことも可能である。
【0042】
図示の実施形態では、偏心円板20の開口23は、幅広部分がねじ頭を通すために使用され、幅狭部分がねじ40の軸部用の受入れ部を形成するように形成されている。偏心円板20は、開口23の縁部で重力によってねじ40の軸部に保持され得るので、そのような受入れ部が絶対に必要というわけではない。また、ねじ40の軸部を開口23の所定位置に確実にロックするために、開口23の縁部にくぼみが形成されてもよい。
【0043】
図6A〜図6Cは、上述の例示の実施形態と同様に、取付板11と、取付板11に対してある角度をなして一体的に形成された締結板12とを備える別の取付具10を示す。取付板11には、切抜き部14が、曲げられた縁部15を備えた長孔として形成されている。取付板11は、上述の例示の実施形態に形が一致する。
【0044】
変更された偏心円板20’は、切抜き部14に取付け可能であり、環状フランジ部分22’よりも小径の環状縁部21’を有している。その結果、偏心円板20’は段状であり、環状縁部21’が切抜き部14の曲がり縁部15に載ることができる。延出するフランジ部分22’は、曲がり縁部15の前面に当接する。
【0045】
偏心円板20’は、ねじ40’の軸部を受け入れる働きをする偏心した開口23’を備えている。開口23’は、開口23’の直径と同じ幅を有する外側に開いた溝部25’を有している。開口23’には、ねじ40’の頭を受け入れるように、段状の受入れ部26’が形成されている。受入れ部26’は、回転移動時の偏心円板20’を案内することができる。また、偏心円板20’は、組付け時に落下しないようにされている。
【0046】
偏心円板20’には、十字形スロットの形の工具保持部24’がさらに形成されている。
【0047】
図7Aおよび図7Bにおいてわかるように、取付けのために、最初に壁にねじ40’が固定される。その後、家具本体1に取り付けられた取付具10が、切抜き部14でねじ40’に掛けられ、その際、ねじ頭40’が壁から間隔を置いて配置される。その後、環状縁部21’が曲がり縁部15に載るように、偏心円板20’が切抜き部14に挿入される。その後、ねじ40’の軸部が、図7Bに示す位置に達するように、溝25’を介して開口23’に挿入される。
【0048】
その後、下方への高さ調整のために、図7Cに従って、ここでねじ40’が切抜き部14の上側領域に配置されるように偏心円板20’が反時計方向に回転させられる。その結果、取付板11が、ねじ40’に対して下方に移動する。
【0049】
高さを上方に調整する場合は、図7Dに従って、ねじ40’が切抜き部14の下側領域に配置されるように、偏心円板20’が時計方向に回転させられる。それにより、取付板11と取付板11に締結された壁戸棚が、ねじ40’に対して上方に移動する。
【0050】
図8A〜図8Cは、取付板11’が曲がり縁部15’を有する切抜き部14を備えた、上述の例示の実施形態と比較して変更された取付具の実施形態を示す。縁部15’には、偏心円板20’’の対応する特殊形状部20’’’と噛合可能なくぼみまたは浮出しの形の特殊形状部15’’が設けられている。その結果、偏心円板20’’と取付板11’の縁部15’との間にねじれ防止型の接続が得られる。
【0051】
上述の例示の実施形態と同様に、偏心円板20’’は、外側に開いた溝部25’を有する開口23’を備えているので、それ以外の点では取付けは同じである。特殊形状部15’’、20’’’によって、所定位置でのロックを達成することができる。
【0052】
図示の他の例示の実施形態においても、ねじ頭用の受入れ部26’を偏心円板20、20’’に形成することができる。
【0053】
図9に示すアングル取付具101は、好ましくは鋼板製の金属製取付板115が収まる第1の平板状部分102を備えている。取付板115には、矩形の開口103が明けられている。
【0054】
金属製取付板115に隣接して、第1の平板状部分102に、ラッチ板(掛止板:Rastblech)105を固定するために使用されるラッチ手段(掛止板:Rastmittel)104が設けられている。ラッチ板105は、ほぼ平板状であり、互いに向かい合い垂直方向に合わされた正面側に歯形のラッチ手段106を備えている。ラッチ板105には、T字形の開口116もさらに明けられている。
【0055】
金属製取付板115は別として、アングル取付具101は、プラスチックからなり、第1の平板状部分102と、第1の平板状部分102に対してある角度をなして配置される第2の平板状部分107とを備えている。第2の平板状部分107は、締結手段、例えば家具本体に固定するための締結手段を通すための複数の開口108を有している。
【0056】
アングル取付具101は、第2の平板状部分107の掛止用くぼみ111に挿入可能な第1のスナップ装着式ラグ110を有するアングルカバー109をさらに備えている。さらに、カバー109には、第1の平板状部分102の対応する掛止用受入れ部113に挿入可能なスナップ装着式ラグ112が形成されている。
【0057】
図10からわかるように、第2の平板状部分107は、第2の平板状部分107の体積に対して材料使用量が小さくなるように、裏側に空洞および補強用ウェブ114を有している。第2の平板状部分107と第1の平板状部分102の両方は、プラスチック製、好ましくは射出成形によるプラスチック製であり、その際、金属製取付板115がオーバーモールドされている。それにより、金属製取付板115の外面が、第1の平板状部分102の外面と面一に終わっている。
【0058】
アングル取付具101を取り付けるために、最初に、壁にねじ120が固定され、その際、ねじ頭が壁から間隔を置いて配置される。その後、アングル取付具101がねじ120に掛けられ、ねじ120が取付板115の開口103を貫通する。利用者は、ここでアングル取付具101の位置調整のためにラッチ板105を把持し、アングル取付具101を持ち上げ、ラッチ板105を取付板115に取り付けることができる。この目的のため、ねじ120の軸部が開口116の水平方向の長孔の領域に配置されるまで(図13)、ラッチ板105が最初にねじ120の軸部に押し込められる(図12)。ここで、まず、アングル取付具101のねじ120に対する所望の水平位置を調整することができる。その後、ラッチ板105の横側に配置されたラッチ手段106が平板状部分102のラッチ手段104と噛合状態になる垂直方向の位置調整が行われる。ラッチ板105の位置調整に応じて、ラッチ板105の固定を第1の平板状部分102に対して様々な高さで行うことができる。その後、調整位置を固定するために、ねじ120がわずかに締められる。しかしながら、この場合、調整位置が確保されさえすればよいので、大きな力は必要ではない。それにより、ラッチ板105は、ねじ120によって、対応支持部(Widerlager)としての金属製取付板115に対して押圧される。
【0059】
図示の例示の実施形態では、歯104と歯106がラッチ手段として設けられている。他のラッチ手段、例えば、ラッチ板105を平板状部分102の所定位置にロックするリブや突起の形のラッチ手段を提供することももちろん可能である。また、ラッチ手段が金属製取付板115に形成されてもよい。
【0060】
図14に示すアングル取付具201は、金属薄板を打ち抜いて折り曲げることによって製造されており、開口203が明けられた第1の平板状部分202を備えている。第1の平板状部分202は、曲げ縁部204を介して、締結手段、例えば、家具本体を固定するための締結手段用の複数の開口206が明けられた第2の平板状部分205に接続されている。家具本体は、開口206を使って垂直方向に調整することができる。曲げ縁部204の上端と下端には、カバー220を所定位置にロック可能な突出するウェブ207が形成されている。
【0061】
開口203を図15に詳細に示す。開口203は、接続部分210を介して中心領域で互いに接続され曲げ縁部204または曲げ軸線に対して直角に延びる水平方向に合わされた2つの長孔208、209を備えている。この結果、開口203のほぼ二重T字形の構成が得られる。接続部分210は、幅が拡張され、ねじ頭が幅広部から挿入されるように、ほぼ円形の輪郭を有している。
【0062】
カバー220は、アングル取付具201のウェブ207に所定位置でロック可能な突出部221を有している。
【0063】
アングル取付具201を取り付けるために、最初に、壁にねじ215が固定される(図17A)。その後、アングル取付具201がねじ215に掛けられ、その際、ねじ頭が接続部分210に通される。その後、利用者は、ねじ215の軸部を長孔208または長孔209のどちらに挿入させるかを選択することができる(図17B)。水平方向の位置調整のため、その後、ねじ215の軸部を所望の位置に達するまで長孔208、209の長手方向にずらすことができる。その後、アングル取付具201の位置をねじで固定するために、ねじ215を締めることができる。
【0064】
図18A〜図18Dは、アングル取付具の平板状部分202’の変形実施形態を示す。平板状部分202’には、2つの独立した開口216が形成されている。開口216は、アングル取付具が左側(図18Aおよび図18B)または右側(図18Cおよび図18D)に取り付けるために使用できるように、曲げ縁部204に対して直角に延びる鏡面に対して対称に配置されている。取付けのために、最初に、壁にねじ215が固定され、ねじ頭が、拡張された接続部分213、214に通される(図18Aおよび図18C)。その後、水平方向の位置調整が可能になるように、ねじ215の軸部を長孔211または長孔212に挿入し、長孔内でずらすことができる。その後、ねじ215を締めることによって、アングル取付具201が固定される。
【0065】
アングル取付具201は、平板状部分202、202’が壁に固定可能であり、第2の平板状部分205が家具本体の内面に固定可能である場合に、特に壁家具を取り付けるために使用することができる。
【0066】
図示の例示の実施形態では、開口203は、2つの長孔208、209が接続部分210を介して互いに接続されるように構成されている。高さ調整の更なる可能性を提供するために、互いに接続された2つの長孔208、209より多数の長孔を第1の平板状部分202に設けることももちろん可能である。
【0067】
図19に示す取付具301は、打ち抜いて折り曲げられた金属薄板からなり、ウェブ311の形状の所定の破断点によって互いに分離可能に保持された第1の取付具部品303と第2の取付具部品302を備えている。
【0068】
第2の取付具部品302は、アングル材として構成されており、固定用ねじの軸部よりも大径に構成された開口305を有する平板状部分304を備えている。開口305に隣接して上方と下方に、水平方向に延びる溝306とリブが形成されている。
【0069】
平板状部分304は、曲げ縁部307を介して、ほぼ直角に合わされ、家具本体を固定するための締結手段用の複数の開口309を有する板308に接続されている。曲げ縁部307の上端と下端には、平板状部分304と板308との間で内方に突出し、カバー320を所定位置にロック可能なウェブ310が形成されている。
【0070】
第1の取付具部品303は、間隔を置いた2個のウェブ311を介して第2の取付具部品302に接続されており、ほぼ平板状である。第1の取付具部品303には、鍵穴の形状を有し、幅広部分とテーパ状部分とを有する開口312が形成されている。開口312に隣接して、垂直方向に延びる補強用のビードまたはリブ313が形成されている。
【0071】
第1の取付具部品303は、平板状部分304より高さが低くなっており、第1の取付具部品303の平板状面から突出する曲がり上縁部314と曲がり下縁部315を有している。上縁部314と下縁部315には、平板状部分304の溝306に嵌入可能なそれぞれ1つの帯状突出部が形成されている。
【0072】
多部品取付具301の取付けは、以下のように進行する。
【0073】
多部品取付具301は、利用者により2個の取付具部品302、303に分離され、その際、所定の破断点として設計されたウェブ311が破断される。その後、このために用意された位置で、壁にねじが固定され、ねじ頭が壁から突出する。ここで、利用者は、ねじ頭を開口305に通すことにより、第2の取付具部品302をねじに吊り下げることができる。第2の取付具部品302には、この位置で、家具本体または別の構成部品を締結手段によって板308に固定することができる。
【0074】
その後、第1の取付具部品303が把持され、ここでねじ頭が第2の取付具部品303の開口312に通され、幅広部分が下側に配置される。幅狭部分は、ねじ頭よりも狭く構成されている。その後、第1の取付具部品303の高さと幅の位置調整がなされる。第1の取付具部品303は、高さに関しては、平板状部分304の溝の領域内で所望の溝306に嵌入させることができる。また、第1の取付具部品は、リブに沿って水平方向にある程度の範囲内で位置をずらすことができる。第2の取付具部品302上で第1の取付具部品303を位置調整した後、ねじが第2の取付具部品302をもはや直には止めないが、第1の取付具部品303が確実または非確実に固定されて、ひいては第2の取付具部品302が固定される所望の位置に第2の取付具部品302を取り付けることができる。
【0075】
その後、ラッチ手段321が設けられ、ウェブ310の背後の所定位置にロック可能なカバー320により、アングル材として構成された取付具部品302を覆うことができる。
【0076】
本発明にかかる例示の実施形態では、第2の取付具部品302がアングル材として構成されている。多部品取付具部品301を平板状の取付具部品302、303のみで構成することももちろん可能である。第1の取付具部品303は、所定の破断点として設計されたウェブ311により板308に固定されている。取付具部品303を平板状部分304の反対側に所定の破断点を介して接続することももちろん可能である。また、3個以上の取付具部品を組み合わせて、打抜き加工と曲げ加工によって事前組付けユニットを形成することもできる。
【符号の説明】
【0077】
1…家具本体、2…後壁、3…側壁、10…取付具、11…取付板、11’…取付板、12…締結板、13…開口、14…切抜き部、15…縁部、15’…縁部、15’’…特殊形状部、16…直線部分、17…前面、18…曲げ縁部、19…ウェブ、20…偏心円板、20’…偏心円板、20’’…偏心円板、20’’’…特殊形状部、21…環状縁部、21’…環状縁部、22…フランジ部分、22’…フランジ部分、23…開口、23’…開口、24…工具保持部、24’…工具保持部、25…幅狭部分、25’…溝部、26…幅広部分、26’…受入れ部、30…カバー、31…スナップ装着式ラグ、40…ねじ、40’…ねじ、101…アングル取付具、102…第1の平板状部分、103…開口、104…ラッチ手段、105…ラッチ板、106…ラッチ手段、107…第2の平板状部分、108…開口、109…カバー、110…スナップ装着式ラグ、111…掛止用くぼみ、112…掛止用タブ、113…掛止用受入れ部、114…空洞および補強用ウェブ、115…取付板、116…開口、120…ねじ、201…アングル取付具、202…第1の平板状部分、202’…第1の平板状部分、203…開口、204…曲げ縁部、205…第2の平板状部分、206…開口、207…ウェブ、208…長孔、209…長孔、210…接続部分、211…長孔、212…長孔、213…接続部分、214…接続部分、215…ねじ、216…開口、220…カバー、221…突出部、301…取付具、302…第2の取付具部品、303…第1の取付具部品、304…平板状部分、305…開口、306…溝、307…曲げ縁部、308…板、309…開口、310…ウェブ、311…ウェブ、312…開口、313…ビード、314…上縁部、315…下縁部、320…カバー、321…ラッチ手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじが通される開口を有する偏心円板が挿入される切抜き部が設けられた取付板を備える取付具、特に壁戸棚を取り付けるための取付具、および/または請求項16および25の前文に記載のアングル(山形)取付具、特に壁家具を取り付けるためのアングル取付具、ならびに締結手段によって第2の取付具部品に取付け可能な第1の取付具部品を備え、両取付具部品が金属薄板から打抜き加工と曲げ加工によって製造された請求項34の前文に記載の多部品取付具(mehrteiligen Beschlag)、特に壁取付け用の多部品取付具、ならびに多部品取付具を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
独国実用新案公開第7930056号明細書は、ねじが通過するスロットを有する吊下げ用フックが、壁に固定されたフックに取付け可能である家具用吊下げ装置を開示している。ねじは、外側にねじ山を備えてワッシャに偏心位置で取り付けられるねじスリーブに螺入する。ワッシャは、次に、吊下げ装置のおかげで3方向、すなわち、横、縦および奥行の方向に調整可能に、ハンガーに対してねじれ抵抗を有して固定することができる。しかしながら、吊下げ装置は、相対的に複雑な多数の個別の部品からなり、したがって、組付けに費用がかかる。
【0003】
2個の取付具部品がねじによって互いに保持可能な、壁戸棚を吊り下げるための多部品取付具が独国特許出願公開第1901685号明細書で公知である。取付具部品には、ある程度の調整の可能性があるように、開口の一部が長孔として形成されている。金属薄板からの取付具部品の製造は、取付具部品が相対的に重く、製造するのに費用がかかるという欠点がある。この取付具のもう1つの欠点は、個々の取付具部品がばらで包装装置に送給されなければならず、確実に正しい取付具部品が互いに分類されるように注意する必要があることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、製造が容易で、調整の余地を保持しながら素早い組付けが可能な取付具を提供することである。また、製造が簡単で、水平方向にも垂直方向にも調整可能なアングル取付具が提供される。さらに、取付具部品の簡単で確実な分類が保証される多部品取付具と、多部品取付具を製造する効率的な方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1、16、25および34の特徴を有する取付具と、請求項41の特徴を有する方法によって達成される。
【0006】
本発明によれば、壁に取り付けられたねじ頭付きねじの軸部に偏心円板が掛けられ、偏心円板を回転させることによって取付板がねじに対して垂直方向および水平方向に調整されるように、偏心円板の開口が構成されている。その結果、ねじを壁に予め取り付けることが可能になり、利用者は、予め取り付けられたねじに取付板と偏心円板を取り付けることができるので、少数の取付け工程しか必要としない。また、偏心円板によって高さと横方向の調整を行うことができるので、少数の部品で正確な位置決めを行うことが可能になる。
【0007】
好ましくは、開口は、偏心円板の環状縁部の中心点に対して偏心して配置されている。開口は、様々な形状を有することが可能であり、例えば、それ自体が円形に形成されてもよいし、円形から外れた輪郭を有してもよい。好ましくは、開口は、ねじ頭を通すための幅広部分と、ねじの軸部を受け入れるための幅狭部分とを少なくとも有している。その場合、特に偏心円板の幅狭部分が、ねじの軸部を受け入れる働きを行うとともに偏心円板の中心から外れて配置されている場合には、取付板を特に正確に位置決めすることができる。
【0008】
偏心円板の取付けを簡単にするため、外側に向かって開いた溝部を有する開口が設けられてもよい。溝部は、ねじの螺入後にねじの軸部が溝部から開口内へ挿入されるように径方向に延びている。その結果、偏心円板を広範囲にわたって中実材料から相対的に安定的に形成することができる。
【0009】
偏心円板と取付板との接触面同士を粗面化処理することにより、対構成の自己制止を向上させることできる。あるいは、接触面に特殊形状加工を施してもよい。
【0010】
一実施形態によれば、偏心円板は、工具、好ましくはねじ回しと係合させるための工具保持部を有している。その結果、偏心円板を工具で回転させることによって、細かい調整を簡単に行うことができる。それにより、偏心円板を挟持させながら取付板の切抜き部に案内することができる。
【0011】
偏心円板は、好ましくは、取付板の切抜き部に挿入される環状縁部を有しているとともに、環状縁部を越えて径方向外側にストッパとして延出するフランジ部分をさらに備えている。これにより、偏心円板の挿入深さを正確に予め定めることができる。また、環状縁部に溝彫りが設けられ、環状縁部が少なくとも向かい合う側で切抜き部の縁に当接してもよい。その結果、偏心円板を挟持によって、または確実および/もしくは非確実な手段によって固定することができる。
【0012】
横方向への調整を容易に行うことができるように、切抜き部が取付板に長孔として形成されてもよい。その結果、偏心円板を長孔の様々な位置に位置決めして取付板をねじに対して位置調整することができるので、大きな調整経路が提供される。
【0013】
取付板を容易に製造するために、取付板は、金属薄板の曲げ加工と打抜き加工によって形成されており、湾曲した突出部によって形成された切抜き部の縁を備えている。そのような突出部は、湾曲した帯状の周辺部分によって形成されてもよい。
【0014】
有利な実施形態では、取付板が、取付け用アングル材の構成要素として形成されている。この場合、取付け用アングル材は、家具本体の内壁に取付け可能であり、特に壁戸棚用に使用可能であってもよい。
【0015】
十分な安定性を有するように、偏心円板が、金属またはプラスチックの成型品として形成されてもよい。
【0016】
本発明によれば、請求項16に記載のアングル取付具において、第1および第2の平板状部分が実質的にプラスチック製であり、第1の平板状部分に、締結手段を通すための開口を有する金属製取付板が設けられている。その結果、相対的に小さな取付板によって、締結手段による高い機械負荷を受ける領域を形成することができる一方、低い機械負荷を有する領域が、鋭利なエッジをもつウェブを回避するようにより厚い壁厚で形成可能な安価なプラスチック材料から製造される。プラスチック材料と金属製取付板との組合せを使用することにより、そのようなアングル取付具自体の重量もかなり低減される。
【0017】
金属製取付板は、好ましくは縁部においてプラスチック材料に埋め込まれている。この場合、金属製取付板は、アングル取付具の背面でプラスチック材料と面一に配置することができるので、取付板は、締結手段を介して大きな力で壁に対して押圧され、結果として、プラスチック材料に応力を及ぼすことなく、機械的応力を効果的に除去することができる。
【0018】
本発明の一実施形態では、ラッチ板が、第1の平板状部分のラッチ手段に高さ調整可能に保持される。その結果、アングル取付具を容易に高さ調整することができる。ラッチ板が、締結手段を通すための開口を有してもよく、それにより、ラッチ板とアングル取付具の両方をこの締結手段を介して保持することができる。ラッチ板の開口が、T字形に構成されているとともに、水平方向に合わされた長孔を備えてもよく、それにより、アングル取付具を締結手段に対して水平方向に調整することが可能になる。
【0019】
好ましくは、金属製取付板がラッチ板用の橋台を形成している。その結果、ラッチ板は、材料に対する過大な負荷を恐れる必要なく、締結手段によってより大きな力で取付板に対して押圧することができる。
【0020】
好ましくは、細かい調整可能性を得るために、ラッチ手段が歯、リブまたは溝によって形成されている。この場合、ラッチ板の両側で正面側に、第1の平板状部分の歯と噛合可能な歯が配置されていると有利である。これにより、細かい格子寸法で高さ調整を行うことが可能になり、それにより、発生する重量負荷が複数の歯に分配される。
【0021】
本発明によれば、請求項25に記載のアングル取付具の平板状部分が、少なくとも1つの水平方向に合わされた長孔と、締結手段、特にねじ頭の幅広の頭を通すための幅広部を有する接続部分とを備える少なくとも1つの開口を有している。その結果、利用者が、長孔のどの位置でねじを固定するかを自由に選択することができるので、水平方向と垂直方向の両方での調整の可能性が提供される。したがって、取付具を多部品として構成する必要がない。
【0022】
開口が、好ましくは、締結手段の幅広の頭を通すための共通の幅広部を有する接続部分を介してそれぞれ相互に接続された少なくとも2つの水平方向に合わされた長孔を備えている。2つの長孔は、アングル取付具の湾曲した軸線に対して直角の鏡面から間隔を置いて配置されるようにして鏡面に関して鏡像関係にあってもよい。
【0023】
一実施形態では、各長孔が湾曲した軸線に対して直角の鏡面の側に配置されるようにして、鏡面に関して鏡像関係にある2つの開口が第1の平板状部分に設けられている。その結果、アングル取付具の締結手段に対する効果的な位置調整を行うことが可能になり、平板状部分に複数の締結手段を取り付けることも可能になる。
【0024】
接続部分が長孔のほぼ中心位置に配置されていると好ましく、ねじの軸部を長孔に挿入した後に、ねじを任意でどちらか一方の方向に案内することができる。また、平板状部分が比較的安定した状態を維持する。
【0025】
本発明の一実施形態では、開口が、平板状部分の2本の中心線に対して対称に構成されている。平板状部分は、矩形であり、その場合、開口が2本の中心線に対して対称に設けられるような開口の配置によって、アングル取付具を右側と左側の両方に使用することができる。したがって、家具本体の別々の側のために2個の取付具を用意する必要がない。
【0026】
本発明の別の実施形態では、この実施形態が家具本体の右側にも左側にも使用可能になるように、平板状部分の2本の中心線に対して対称に形成された2つの開口が形成されている。
【0027】
好ましくは、アングル取付具が、締結手段、例えば、家具本体を固定するために使用される締結手段用の長孔として設計された少なくとも1つの開口を有する第2の平板状部分をさらに備えている。これらの開口を使って、家具本体を垂直方向に調整することができる。
【0028】
請求項34に記載の本発明によれば、取付具部品が金属薄板から打抜き加工と曲げ加工によって製造されており、第1の取付具部品が、所定の破断点を介して第2の取付具部品に分離可能に接続されている。その結果、2個の取付具部品が、個々の取付具部品をさらに分類する必要のない事前組付けユニットを形成する。それどころか、この事前組付けユニットは、包装物内に収めることができ、利用者が後でいつも両方の取付具部品を確実に使用することができる。このためには、2個の取付具部品が所定の破断点を介して互いに分離されさえすればよい。さらに、多部品取付具は、1つの作業工程で効果的に製造することができる。
【0029】
本発明の一実施形態では、分離された位置で、第1の取付具部品が第2の取付具部品に対して高さ調整可能である。それに加えて、またはその代わりに、分離された位置で、第1の取付具部品が第2の取付具部品に対して水平方向に調整可能であってもよく、その結果、水平方向と垂直方向の両方で位置の適合を行うことができる。このことは、締結手段がすでに取り付けられている場合に第2の取付具部品の位置調整が可能になるので、壁取付け家具にとって特に有利である。第1の取付具部品の位置調整のために、第1の取付具部品は、少なくとも1つの帯状突出部を備えている。第2の取付具部品に、第1の取付具部品を固定可能な複数のリブおよび溝が設けられた平板状部分が形成されてもよい。その結果、簡単な機械的手段を用いて、第2の取付具部品を第1の取付具部品に固定することができる。この場合、第1および第2の取付具部品に、それぞれねじを通過させる少なくとも1つの開口が設けられてもよく、その結果、ねじが壁に取り付けられるだけでよく、その後、取付具部品を互いに位置調整することができる。
【0030】
好ましくは、第2の取付具部品がアングル材として構成されており、第1の平板状部分が壁に取付け可能であって、第2の平板状部分が家具本体に固定可能である。
【0031】
請求項41に記載の本発明にかかる方法では、金属薄板、好ましくはコイルを介して供給される金属薄板が、打抜きおよび曲げ加工位置に送給される。その後、打抜き加工と曲げ加工によって、個々の取付具部品が所定の破断点を介して分離可能に相互に接続された多部品取付具が製造される。その結果、たった1つの作業工程で、つながった多部品取付具が製作される。
【0032】
以下、本発明を複数の例示の実施形態を用いて添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明にかかる取付具を有する家具本体の斜視図である。
【図2】AおよびBは、本発明にかかる図1の取付具を示す。
【図3】図1の取付具用のカバーキャップの斜視図である。
【図4】AおよびBは、図1の取付具の取付け時の図である。
【図5】A〜Cは、図1の取付具のいろいろな取り付け位置における図である。
【図6】A〜Cは、本発明にかかる取付具の別の実施形態の取付け時の図である。
【図7】A〜Dは、図6の取付具のある位置における図である。
【図8】A〜Cは、図6に対して変更された取付具を示す。
【図9】本発明にかかるアングル取付具の分解斜視図である。
【図10】図9のアングル取付具の斜視図である。
【図11】図9のアングル取付具の後面図である。
【図12】図9のアングル取付具の取付け時の平面図である。
【図13】ラッチ板が取り付けられた図9のアングル取付具の平面図である。
【図14】本発明にかかる別のアングル取付具の分解斜視図である。
【図15】図14のアングル取付具の平板状部分を示す。
【図16】アングル取付具用のカバーキャップの斜視図である。
【図17】AおよびBは、図14のアングル取付具の取付け時の図である。
【図18】A〜Dは、アングル取付具の変更形態の組付け時の図である。
【図19】本発明にかかる別の取付具の取付け前の分解図を示す。
【図20】図19の取付具を示す。
【図21】図19の取付具を示す。
【図22】図19の取付具を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
壁戸棚は、後壁2と側壁3とからなる家具本体1を備えている。後壁2と側壁3との間の隅領域には、取付板11が後壁2に支持された本発明にかかる取付具10が取り付けられている。取付板11と一体的に形成された締結板12は、側壁3を取付具10に固定するための締結手段が挿入される開口13を有している。
【0035】
図2Aおよび図2Bからわかるように、取付具10は、取付板11に、長孔として構成された切抜き部14であって、取付板11の面から突出する曲げられた縁部15を有する切抜き部14を備えている。縁部15は両側に直線部分16を備えており、これらは前面17で均等に湾曲している。取付板11は、曲げ縁部18を介して締結板12に接続されており、曲げ縁部18の上側と下側から突出するウェブ19が形成されて、カバー30を所定位置にロック可能になっている。この目的のため、カバー30は、ウェブ19を後側から把持するスナップ装着式ラグ(Rastnase)31を備えている。
【0036】
取付板11のねじに対する位置調整のために、成型品として、特に金属またはプラスチックから製造された偏心円板20が設けられている。偏心円板20は、外面に溝彫りがなされた環状縁部21を備えている。環状縁部21の円周は、曲がり縁部15の直線部分16の距離に相当する。また、偏心円板20には、環状縁部21を越えて径方向に延出するフランジ部分22が形成されており、ストッパの働きをして、切抜き部14の縁部15に当てることができる。
【0037】
偏心円板20は、ねじのねじ頭を通すための幅広部分26と、半円形に構成されてねじの軸部を受け入れる働きをする幅狭部分25とを有する開口23をさらに備えている。
【0038】
図4Aおよび図4Bに示すように、偏心円板20は、環状部分21が縁部15に隣接するように、切抜き部14に挿入される。偏心円板20は、十字形のスロットの形に構成された工具保持部24によって簡単に回転させることができる。
【0039】
取付けのため、最初に、壁にねじ40が固定される。その後、家具本体1に取り付けられた取付具10が、ねじ頭が切抜き部14内に配置されるように、ねじ40上に動かされる。その後、偏心円板20がねじ40に掛けられ、その際、ねじ頭が開口23の幅広部分26から挿入される。その後、偏心円板20が、幅狭部分25がねじ40の軸部周りに配置されるように動かされる。
【0040】
ここで、偏心円板20は、取付板11のねじ40に対する位置調整のために、回転させたり位置をずらしたりすることができる。回転移動のために、工具保持部24内に工具が嵌められ、その後、偏心円板20を回転させることにより、例えば図5Aおよび図5Cに2か所の位置で示すように、高さ調整を行うことができる。
【0041】
さらに、図5A〜図5Cにそれぞれ異なる位置で示すように、偏心円板20を取付板11に対して単に位置をずらすことも可能である。
【0042】
図示の実施形態では、偏心円板20の開口23は、幅広部分がねじ頭を通すために使用され、幅狭部分がねじ40の軸部用の受入れ部を形成するように形成されている。偏心円板20は、開口23の縁部で重力によってねじ40の軸部に保持され得るので、そのような受入れ部が絶対に必要というわけではない。また、ねじ40の軸部を開口23の所定位置に確実にロックするために、開口23の縁部にくぼみが形成されてもよい。
【0043】
図6A〜図6Cは、上述の例示の実施形態と同様に、取付板11と、取付板11に対してある角度をなして一体的に形成された締結板12とを備える別の取付具10を示す。取付板11には、切抜き部14が、曲げられた縁部15を備えた長孔として形成されている。取付板11は、上述の例示の実施形態に形が一致する。
【0044】
変更された偏心円板20’は、切抜き部14に取付け可能であり、環状フランジ部分22’よりも小径の環状縁部21’を有している。その結果、偏心円板20’は段状であり、環状縁部21’が切抜き部14の曲がり縁部15に載ることができる。延出するフランジ部分22’は、曲がり縁部15の前面に当接する。
【0045】
偏心円板20’は、ねじ40’の軸部を受け入れる働きをする偏心した開口23’を備えている。開口23’は、開口23’の直径と同じ幅を有する外側に開いた溝部25’を有している。開口23’には、ねじ40’の頭を受け入れるように、段状の受入れ部26’が形成されている。受入れ部26’は、回転移動時の偏心円板20’を案内することができる。また、偏心円板20’は、組付け時に落下しないようにされている。
【0046】
偏心円板20’には、十字形スロットの形の工具保持部24’がさらに形成されている。
【0047】
図7Aおよび図7Bにおいてわかるように、取付けのために、最初に壁にねじ40’が固定される。その後、家具本体1に取り付けられた取付具10が、切抜き部14でねじ40’に掛けられ、その際、ねじ頭40’が壁から間隔を置いて配置される。その後、環状縁部21’が曲がり縁部15に載るように、偏心円板20’が切抜き部14に挿入される。その後、ねじ40’の軸部が、図7Bに示す位置に達するように、溝25’を介して開口23’に挿入される。
【0048】
その後、下方への高さ調整のために、図7Cに従って、ここでねじ40’が切抜き部14の上側領域に配置されるように偏心円板20’が反時計方向に回転させられる。その結果、取付板11が、ねじ40’に対して下方に移動する。
【0049】
高さを上方に調整する場合は、図7Dに従って、ねじ40’が切抜き部14の下側領域に配置されるように、偏心円板20’が時計方向に回転させられる。それにより、取付板11と取付板11に締結された壁戸棚が、ねじ40’に対して上方に移動する。
【0050】
図8A〜図8Cは、取付板11’が曲がり縁部15’を有する切抜き部14を備えた、上述の例示の実施形態と比較して変更された取付具の実施形態を示す。縁部15’には、偏心円板20’’の対応する特殊形状部20’’’と噛合可能なくぼみまたは浮出しの形の特殊形状部15’’が設けられている。その結果、偏心円板20’’と取付板11’の縁部15’との間にねじれ防止型の接続が得られる。
【0051】
上述の例示の実施形態と同様に、偏心円板20’’は、外側に開いた溝部25’を有する開口23’を備えているので、それ以外の点では取付けは同じである。特殊形状部15’’、20’’’によって、所定位置でのロックを達成することができる。
【0052】
図示の他の例示の実施形態においても、ねじ頭用の受入れ部26’を偏心円板20、20’’に形成することができる。
【0053】
図9に示すアングル取付具101は、好ましくは鋼板製の金属製取付板115が収まる第1の平板状部分102を備えている。取付板115には、矩形の開口103が明けられている。
【0054】
金属製取付板115に隣接して、第1の平板状部分102に、ラッチ板(掛止板:Rastblech)105を固定するために使用されるラッチ手段(掛止板:Rastmittel)104が設けられている。ラッチ板105は、ほぼ平板状であり、互いに向かい合い垂直方向に合わされた正面側に歯形のラッチ手段106を備えている。ラッチ板105には、T字形の開口116もさらに明けられている。
【0055】
金属製取付板115は別として、アングル取付具101は、プラスチックからなり、第1の平板状部分102と、第1の平板状部分102に対してある角度をなして配置される第2の平板状部分107とを備えている。第2の平板状部分107は、締結手段、例えば家具本体に固定するための締結手段を通すための複数の開口108を有している。
【0056】
アングル取付具101は、第2の平板状部分107の掛止用くぼみ111に挿入可能な第1のスナップ装着式ラグ110を有するアングルカバー109をさらに備えている。さらに、カバー109には、第1の平板状部分102の対応する掛止用受入れ部113に挿入可能なスナップ装着式ラグ112が形成されている。
【0057】
図10からわかるように、第2の平板状部分107は、第2の平板状部分107の体積に対して材料使用量が小さくなるように、裏側に空洞および補強用ウェブ114を有している。第2の平板状部分107と第1の平板状部分102の両方は、プラスチック製、好ましくは射出成形によるプラスチック製であり、その際、金属製取付板115がオーバーモールドされている。それにより、金属製取付板115の外面が、第1の平板状部分102の外面と面一に終わっている。
【0058】
アングル取付具101を取り付けるために、最初に、壁にねじ120が固定され、その際、ねじ頭が壁から間隔を置いて配置される。その後、アングル取付具101がねじ120に掛けられ、ねじ120が取付板115の開口103を貫通する。利用者は、ここでアングル取付具101の位置調整のためにラッチ板105を把持し、アングル取付具101を持ち上げ、ラッチ板105を取付板115に取り付けることができる。この目的のため、ねじ120の軸部が開口116の水平方向の長孔の領域に配置されるまで(図13)、ラッチ板105が最初にねじ120の軸部に押し込められる(図12)。ここで、まず、アングル取付具101のねじ120に対する所望の水平位置を調整することができる。その後、ラッチ板105の横側に配置されたラッチ手段106が平板状部分102のラッチ手段104と噛合状態になる垂直方向の位置調整が行われる。ラッチ板105の位置調整に応じて、ラッチ板105の固定を第1の平板状部分102に対して様々な高さで行うことができる。その後、調整位置を固定するために、ねじ120がわずかに締められる。しかしながら、この場合、調整位置が確保されさえすればよいので、大きな力は必要ではない。それにより、ラッチ板105は、ねじ120によって、対応支持部(Widerlager)としての金属製取付板115に対して押圧される。
【0059】
図示の例示の実施形態では、歯104と歯106がラッチ手段として設けられている。他のラッチ手段、例えば、ラッチ板105を平板状部分102の所定位置にロックするリブや突起の形のラッチ手段を提供することももちろん可能である。また、ラッチ手段が金属製取付板115に形成されてもよい。
【0060】
図14に示すアングル取付具201は、金属薄板を打ち抜いて折り曲げることによって製造されており、開口203が明けられた第1の平板状部分202を備えている。第1の平板状部分202は、曲げ縁部204を介して、締結手段、例えば、家具本体を固定するための締結手段用の複数の開口206が明けられた第2の平板状部分205に接続されている。家具本体は、開口206を使って垂直方向に調整することができる。曲げ縁部204の上端と下端には、カバー220を所定位置にロック可能な突出するウェブ207が形成されている。
【0061】
開口203を図15に詳細に示す。開口203は、接続部分210を介して中心領域で互いに接続され曲げ縁部204または曲げ軸線に対して直角に延びる水平方向に合わされた2つの長孔208、209を備えている。この結果、開口203のほぼ二重T字形の構成が得られる。接続部分210は、幅が拡張され、ねじ頭が幅広部から挿入されるように、ほぼ円形の輪郭を有している。
【0062】
カバー220は、アングル取付具201のウェブ207に所定位置でロック可能な突出部221を有している。
【0063】
アングル取付具201を取り付けるために、最初に、壁にねじ215が固定される(図17A)。その後、アングル取付具201がねじ215に掛けられ、その際、ねじ頭が接続部分210に通される。その後、利用者は、ねじ215の軸部を長孔208または長孔209のどちらに挿入させるかを選択することができる(図17B)。水平方向の位置調整のため、その後、ねじ215の軸部を所望の位置に達するまで長孔208、209の長手方向にずらすことができる。その後、アングル取付具201の位置をねじで固定するために、ねじ215を締めることができる。
【0064】
図18A〜図18Dは、アングル取付具の平板状部分202’の変形実施形態を示す。平板状部分202’には、2つの独立した開口216が形成されている。開口216は、アングル取付具が左側(図18Aおよび図18B)または右側(図18Cおよび図18D)に取り付けるために使用できるように、曲げ縁部204に対して直角に延びる鏡面に対して対称に配置されている。取付けのために、最初に、壁にねじ215が固定され、ねじ頭が、拡張された接続部分213、214に通される(図18Aおよび図18C)。その後、水平方向の位置調整が可能になるように、ねじ215の軸部を長孔211または長孔212に挿入し、長孔内でずらすことができる。その後、ねじ215を締めることによって、アングル取付具201が固定される。
【0065】
アングル取付具201は、平板状部分202、202’が壁に固定可能であり、第2の平板状部分205が家具本体の内面に固定可能である場合に、特に壁家具を取り付けるために使用することができる。
【0066】
図示の例示の実施形態では、開口203は、2つの長孔208、209が接続部分210を介して互いに接続されるように構成されている。高さ調整の更なる可能性を提供するために、互いに接続された2つの長孔208、209より多数の長孔を第1の平板状部分202に設けることももちろん可能である。
【0067】
図19に示す取付具301は、打ち抜いて折り曲げられた金属薄板からなり、ウェブ311の形状の所定の破断点によって互いに分離可能に保持された第1の取付具部品303と第2の取付具部品302を備えている。
【0068】
第2の取付具部品302は、アングル材として構成されており、固定用ねじの軸部よりも大径に構成された開口305を有する平板状部分304を備えている。開口305に隣接して上方と下方に、水平方向に延びる溝306とリブが形成されている。
【0069】
平板状部分304は、曲げ縁部307を介して、ほぼ直角に合わされ、家具本体を固定するための締結手段用の複数の開口309を有する板308に接続されている。曲げ縁部307の上端と下端には、平板状部分304と板308との間で内方に突出し、カバー320を所定位置にロック可能なウェブ310が形成されている。
【0070】
第1の取付具部品303は、間隔を置いた2個のウェブ311を介して第2の取付具部品302に接続されており、ほぼ平板状である。第1の取付具部品303には、鍵穴の形状を有し、幅広部分とテーパ状部分とを有する開口312が形成されている。開口312に隣接して、垂直方向に延びる補強用のビードまたはリブ313が形成されている。
【0071】
第1の取付具部品303は、平板状部分304より高さが低くなっており、第1の取付具部品303の平板状面から突出する曲がり上縁部314と曲がり下縁部315を有している。上縁部314と下縁部315には、平板状部分304の溝306に嵌入可能なそれぞれ1つの帯状突出部が形成されている。
【0072】
多部品取付具301の取付けは、以下のように進行する。
【0073】
多部品取付具301は、利用者により2個の取付具部品302、303に分離され、その際、所定の破断点として設計されたウェブ311が破断される。その後、このために用意された位置で、壁にねじが固定され、ねじ頭が壁から突出する。ここで、利用者は、ねじ頭を開口305に通すことにより、第2の取付具部品302をねじに吊り下げることができる。第2の取付具部品302には、この位置で、家具本体または別の構成部品を締結手段によって板308に固定することができる。
【0074】
その後、第1の取付具部品303が把持され、ここでねじ頭が第2の取付具部品303の開口312に通され、幅広部分が下側に配置される。幅狭部分は、ねじ頭よりも狭く構成されている。その後、第1の取付具部品303の高さと幅の位置調整がなされる。第1の取付具部品303は、高さに関しては、平板状部分304の溝の領域内で所望の溝306に嵌入させることができる。また、第1の取付具部品は、リブに沿って水平方向にある程度の範囲内で位置をずらすことができる。第2の取付具部品302上で第1の取付具部品303を位置調整した後、ねじが第2の取付具部品302をもはや直には止めないが、第1の取付具部品303が確実または非確実に固定されて、ひいては第2の取付具部品302が固定される所望の位置に第2の取付具部品302を取り付けることができる。
【0075】
その後、ラッチ手段321が設けられ、ウェブ310の背後の所定位置にロック可能なカバー320により、アングル材として構成された取付具部品302を覆うことができる。
【0076】
本発明にかかる例示の実施形態では、第2の取付具部品302がアングル材として構成されている。多部品取付具部品301を平板状の取付具部品302、303のみで構成することももちろん可能である。第1の取付具部品303は、所定の破断点として設計されたウェブ311により板308に固定されている。取付具部品303を平板状部分304の反対側に所定の破断点を介して接続することももちろん可能である。また、3個以上の取付具部品を組み合わせて、打抜き加工と曲げ加工によって事前組付けユニットを形成することもできる。
【符号の説明】
【0077】
1…家具本体、2…後壁、3…側壁、10…取付具、11…取付板、11’…取付板、12…締結板、13…開口、14…切抜き部、15…縁部、15’…縁部、15’’…特殊形状部、16…直線部分、17…前面、18…曲げ縁部、19…ウェブ、20…偏心円板、20’…偏心円板、20’’…偏心円板、20’’’…特殊形状部、21…環状縁部、21’…環状縁部、22…フランジ部分、22’…フランジ部分、23…開口、23’…開口、24…工具保持部、24’…工具保持部、25…幅狭部分、25’…溝部、26…幅広部分、26’…受入れ部、30…カバー、31…スナップ装着式ラグ、40…ねじ、40’…ねじ、101…アングル取付具、102…第1の平板状部分、103…開口、104…ラッチ手段、105…ラッチ板、106…ラッチ手段、107…第2の平板状部分、108…開口、109…カバー、110…スナップ装着式ラグ、111…掛止用くぼみ、112…掛止用タブ、113…掛止用受入れ部、114…空洞および補強用ウェブ、115…取付板、116…開口、120…ねじ、201…アングル取付具、202…第1の平板状部分、202’…第1の平板状部分、203…開口、204…曲げ縁部、205…第2の平板状部分、206…開口、207…ウェブ、208…長孔、209…長孔、210…接続部分、211…長孔、212…長孔、213…接続部分、214…接続部分、215…ねじ、216…開口、220…カバー、221…突出部、301…取付具、302…第2の取付具部品、303…第1の取付具部品、304…平板状部分、305…開口、306…溝、307…曲げ縁部、308…板、309…開口、310…ウェブ、311…ウェブ、312…開口、313…ビード、314…上縁部、315…下縁部、320…カバー、321…ラッチ手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口(23、23’)を有する偏心円板(20、20’、20’’)が挿入される切抜き部(14)が設けられた取付板(11)を備え、前記開口(23、23’)をねじ(40)が通る取付具(10)、特に壁戸棚を取り付けるための取付具において、
壁に取り付けられたねじ頭付きねじ(40、40’)の軸部に前記偏心円板(20、20’、20’’)が取り付けられ、前記偏心円板(20、20’、20’’)を回転させることによって前記取付板(11)が前記ねじ(40、40’)に対して垂直方向および水平方向に調整されるように、前記偏心円板(20、20’、20’’)の前記開口(23、23’)が構成されていることを特徴とする、取付具。
【請求項2】
前記開口(23、23’)が、前記偏心円板(20、20’、20’’)の環状縁部(21、21’)の中心点に対して偏心して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の取付具。
【請求項3】
前記開口(23)が、ねじ頭を通すための幅広部分(26)と、ねじ(40)の軸部を受け入れるための幅狭部分(25)とを有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の取付具。
【請求項4】
前記軸部を受け入れるための前記幅狭部分(25)が、前記偏心円板(20)の中心から外れて配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の取付具。
【請求項5】
前記偏心円板(20’、20’’)が、外側に向かって開いた溝部(25’)を有する開口(23’)を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項6】
前記偏心円板(20、20’、20’’)および/または縁部(15、15’)に特殊形状部(15’’、20’’’)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項7】
前記偏心円板(20、20’、20’’)が、工具、好ましくはねじ回しと係合させるための工具保持部(24、24’)を有していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項8】
前記偏心円板(20、20’、20’’)が、前記取付板(11)の前記切抜き部(14)に挿入される環状縁部(21、21’)を有しているとともに、前記環状縁部(21、21’)を越えて径方向外側に延出するフランジ部分(22、22’)を備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項9】
前記環状縁部(21、21’)が、外面に溝彫りがなされているとともに、少なくとも両側てに前記切抜き部(14)の前記縁部(15、15’)に当接することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項10】
前記切抜き部(14)が、前記取付板(11)に長孔として形成されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項11】
前記取付板(11)が、金属薄板の曲げ加工と打抜き加工によって形成されており、前記切抜き部(14)の前記縁部(15、15’)が、曲げられた突出部として形成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項12】
前記取付板(11)が、取付け用アングル材の構成要素として形成されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項13】
前記取付け用アングル材が、家具本体の内壁に取付け可能であることを特徴とする、請求項12に記載の取付具。
【請求項14】
前記偏心円板(20、20’、20’’)が、金属またはプラスチックの成型品として形成されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項15】
少なくとも2個の請求項1〜14のいずれか一項に記載の取付具によって壁に吊り下げられていることを特徴とする、壁戸棚。
【請求項16】
締結手段を通すための開口(103)を有する金属製取付板(115)と、前記開口(103)に隣接して、ラッチ板(105)のラッチ手段(106)と係合可能なラッチ手段(104)とが設けられた第1の平板状部分(102)と、
締結手段用の少なくとも1つの開口(108)を備える第2の平板状部分(107)と、を備えるアングル取付具(101)、特に壁家具を取り付けるためのアングル取付具において、
前記第1の平板状部分(102)および前記第2の平板状部分(107)が実質的にプラスチック製であることを特徴とする、アングル取付具。
【請求項17】
前記金属製取付板(115)が縁部においてプラスチック材料に埋め込まれていることを特徴とする、請求項16に記載のアングル取付具。
【請求項18】
前記ラッチ板(105)が、前記ラッチ手段(104)に高さ調整可能に保持されることを特徴とする、請求項16または17に記載のアングル取付具。
【請求項19】
前記ラッチ板(105)が、締結手段を通すための開口(116)を有していることを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項20】
前記開口(116)が、T字形に構成されているとともに、水平方向に位置合わせされた長孔を有していることを特徴とする、請求項19に記載のアングル取付具。
【請求項21】
前記金属製取付板(115)が前記ラッチ板(105)用の対応支持部を形成していることを特徴とする、請求項16〜20のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項22】
前記ラッチ手段(104)が歯、リブまたは溝によって形成されていることを特徴とする、請求項16〜21のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項23】
前記ラッチ板(105)は、該ラッチ板(105)の両側でかつ正面側に配置された、前記第1の平板状部分(102)の歯(104)と噛合可能な歯(106)を有していることを特徴とする、請求項16〜22のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項24】
前記アングル取付具の所定位置に、プラスチック製のアングルカバー(109)がロック可能であることを特徴とする、請求項16〜23のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項25】
締結手段(215)用の少なくとも1つの開口(203、216)があけられた平板状部分(202)を備えるアングル取付具(201)、特に壁家具を取り付けるためのアングル取付具において、
前記開口(203、216)が、前記締結手段(215)の幅広の頭を通すための幅広部を有する接続部分(210、213、214)を介して互いに接続された少なくとも1つの水平方向に位置合わせされた長孔(208、209、211、212)を備えることを特徴とする、アングル取付具。
【請求項26】
前記開口(203)が、前記締結手段(215)の幅広の頭を通すための共通の幅広部を有する接続部分(210)を介してそれぞれ互いに接続された少なくとも2つの水平方向に位置合わせされた長孔(208、209)を備えることを特徴とする、請求項25に記載のアングル取付具。
【請求項27】
前記長孔(208、209)が、湾曲した軸線に対して直角の鏡面から間隔を置いて配置されるようにして前記鏡面に関して鏡像関係にあることを特徴とする、請求項26に記載のアングル取付具。
【請求項28】
前記長孔(211、212)の各々が湾曲した軸線に対して直角の鏡面の側に配置されるようにして、前記鏡面に関して鏡像関係にある2つの開口(216)が前記第1の平板状部分(202)に設けられていることを特徴とする、請求項25に記載のアングル取付具。
【請求項29】
前記接続部分(210、213、214)が、前記長孔(208、209、211、212)へと、ほぼ中心位置で開いていることを特徴とする、請求項25〜28のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項30】
前記開口(203)が、前記平板状部分(202)の2本の中心線に対して対称に構成されていることを特徴とする、請求項25〜29のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項31】
前記アングル取付具が、金属薄板から打抜き加工と曲げ加工によって製造されていることを特徴とする、請求項25〜30のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項32】
第2の平板状部分(205)に、締結手段用の少なくとも1つの開口(206)があけられていることを特徴とする、請求項25〜31のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項33】
前記長孔(208、209、211、212)として設計された前記開口(206)を用いて家具本体が垂直方向に調整可能であることを特徴とする、請求項25〜32のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項34】
締結手段を介して第2の取付具部品(302)に取付け可能な第1の取付具部品(303)を備え、前記両取付具部品(302、303)が打抜き加工と曲げ加工によって製造された多部品取付具(301)、特に壁取付け用の多部品取付具において、
前記第1の取付具部品(303)が、所定の破断点として設計されたウェブ(311)を介して前記第2の取付具部品(302)に接続されていることを特徴とする、多部品取付具。
【請求項35】
分離された状態では、前記第1の取付具部品(303)が前記第2の取付具部品(302)に対して高さ調整可能であることを特徴とする、請求項34に記載の多部品取付具。
【請求項36】
分離された状態では、前記第1の取付具部品(303)が前記第2の取付具部品(302)に対して水平方向に調整可能であることを特徴とする、請求項34または35に記載の多部品取付具。
【請求項37】
前記第1の取付具部品(303)が、少なくとも1つの帯状突出部(314、315)を備えることを特徴とする、請求項34〜36のいずれか一項に記載の多部品取付具。
【請求項38】
前記第2の取付具部品(302)が、前記第1の取付具部品(303)を固定可能な複数のリブおよび溝(306)が設けられた平板状部分(304)を有していることを特徴とする、請求項34〜37のいずれか一項に記載の多部品取付具。
【請求項39】
前記第1および第2の取付具部品(302、303)が、それぞれねじを通過させる少なくとも1つの開口(305、312)を有していることを特徴とする、請求項34〜38のいずれか一項に記載の多部品取付具。
【請求項40】
前記第2の取付具部品(302)がアングル材として構成されており、第1の平板状部分(304)が壁に取付け可能において、第2の平板状部分(308)が家具本体に固定可能であることを特徴とする、請求項34〜39のいずれか一項に記載の多部品取付具。
【請求項41】
多部品取付具(301)、特に家具用の多部品取付具を製造する方法であって、
金属薄板を打抜きおよび曲げ加工位置に送給するステップと、
個々の取付具部品(302、303)が所定の破断点として設計されたウェブ(311)を介して分離可能に互いに接続された多部品取付具(301)を打抜き加工および曲げ加工するステップと、
を備える方法。
【請求項42】
前記多部品取付具(301)が、様々な位置で確実および/または非確実に互いに取り付け可能な取付具部品(302、303)からなることを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項1】
開口(23、23’)を有する偏心円板(20、20’、20’’)が挿入される切抜き部(14)が設けられた取付板(11)を備え、前記開口(23、23’)をねじ(40)が通る取付具(10)、特に壁戸棚を取り付けるための取付具において、
壁に取り付けられたねじ頭付きねじ(40、40’)の軸部に前記偏心円板(20、20’、20’’)が取り付けられ、前記偏心円板(20、20’、20’’)を回転させることによって前記取付板(11)が前記ねじ(40、40’)に対して垂直方向および水平方向に調整されるように、前記偏心円板(20、20’、20’’)の前記開口(23、23’)が構成されていることを特徴とする、取付具。
【請求項2】
前記開口(23、23’)が、前記偏心円板(20、20’、20’’)の環状縁部(21、21’)の中心点に対して偏心して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の取付具。
【請求項3】
前記開口(23)が、ねじ頭を通すための幅広部分(26)と、ねじ(40)の軸部を受け入れるための幅狭部分(25)とを有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の取付具。
【請求項4】
前記軸部を受け入れるための前記幅狭部分(25)が、前記偏心円板(20)の中心から外れて配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の取付具。
【請求項5】
前記偏心円板(20’、20’’)が、外側に向かって開いた溝部(25’)を有する開口(23’)を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項6】
前記偏心円板(20、20’、20’’)および/または縁部(15、15’)に特殊形状部(15’’、20’’’)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項7】
前記偏心円板(20、20’、20’’)が、工具、好ましくはねじ回しと係合させるための工具保持部(24、24’)を有していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項8】
前記偏心円板(20、20’、20’’)が、前記取付板(11)の前記切抜き部(14)に挿入される環状縁部(21、21’)を有しているとともに、前記環状縁部(21、21’)を越えて径方向外側に延出するフランジ部分(22、22’)を備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項9】
前記環状縁部(21、21’)が、外面に溝彫りがなされているとともに、少なくとも両側てに前記切抜き部(14)の前記縁部(15、15’)に当接することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項10】
前記切抜き部(14)が、前記取付板(11)に長孔として形成されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項11】
前記取付板(11)が、金属薄板の曲げ加工と打抜き加工によって形成されており、前記切抜き部(14)の前記縁部(15、15’)が、曲げられた突出部として形成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項12】
前記取付板(11)が、取付け用アングル材の構成要素として形成されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項13】
前記取付け用アングル材が、家具本体の内壁に取付け可能であることを特徴とする、請求項12に記載の取付具。
【請求項14】
前記偏心円板(20、20’、20’’)が、金属またはプラスチックの成型品として形成されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項15】
少なくとも2個の請求項1〜14のいずれか一項に記載の取付具によって壁に吊り下げられていることを特徴とする、壁戸棚。
【請求項16】
締結手段を通すための開口(103)を有する金属製取付板(115)と、前記開口(103)に隣接して、ラッチ板(105)のラッチ手段(106)と係合可能なラッチ手段(104)とが設けられた第1の平板状部分(102)と、
締結手段用の少なくとも1つの開口(108)を備える第2の平板状部分(107)と、を備えるアングル取付具(101)、特に壁家具を取り付けるためのアングル取付具において、
前記第1の平板状部分(102)および前記第2の平板状部分(107)が実質的にプラスチック製であることを特徴とする、アングル取付具。
【請求項17】
前記金属製取付板(115)が縁部においてプラスチック材料に埋め込まれていることを特徴とする、請求項16に記載のアングル取付具。
【請求項18】
前記ラッチ板(105)が、前記ラッチ手段(104)に高さ調整可能に保持されることを特徴とする、請求項16または17に記載のアングル取付具。
【請求項19】
前記ラッチ板(105)が、締結手段を通すための開口(116)を有していることを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項20】
前記開口(116)が、T字形に構成されているとともに、水平方向に位置合わせされた長孔を有していることを特徴とする、請求項19に記載のアングル取付具。
【請求項21】
前記金属製取付板(115)が前記ラッチ板(105)用の対応支持部を形成していることを特徴とする、請求項16〜20のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項22】
前記ラッチ手段(104)が歯、リブまたは溝によって形成されていることを特徴とする、請求項16〜21のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項23】
前記ラッチ板(105)は、該ラッチ板(105)の両側でかつ正面側に配置された、前記第1の平板状部分(102)の歯(104)と噛合可能な歯(106)を有していることを特徴とする、請求項16〜22のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項24】
前記アングル取付具の所定位置に、プラスチック製のアングルカバー(109)がロック可能であることを特徴とする、請求項16〜23のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項25】
締結手段(215)用の少なくとも1つの開口(203、216)があけられた平板状部分(202)を備えるアングル取付具(201)、特に壁家具を取り付けるためのアングル取付具において、
前記開口(203、216)が、前記締結手段(215)の幅広の頭を通すための幅広部を有する接続部分(210、213、214)を介して互いに接続された少なくとも1つの水平方向に位置合わせされた長孔(208、209、211、212)を備えることを特徴とする、アングル取付具。
【請求項26】
前記開口(203)が、前記締結手段(215)の幅広の頭を通すための共通の幅広部を有する接続部分(210)を介してそれぞれ互いに接続された少なくとも2つの水平方向に位置合わせされた長孔(208、209)を備えることを特徴とする、請求項25に記載のアングル取付具。
【請求項27】
前記長孔(208、209)が、湾曲した軸線に対して直角の鏡面から間隔を置いて配置されるようにして前記鏡面に関して鏡像関係にあることを特徴とする、請求項26に記載のアングル取付具。
【請求項28】
前記長孔(211、212)の各々が湾曲した軸線に対して直角の鏡面の側に配置されるようにして、前記鏡面に関して鏡像関係にある2つの開口(216)が前記第1の平板状部分(202)に設けられていることを特徴とする、請求項25に記載のアングル取付具。
【請求項29】
前記接続部分(210、213、214)が、前記長孔(208、209、211、212)へと、ほぼ中心位置で開いていることを特徴とする、請求項25〜28のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項30】
前記開口(203)が、前記平板状部分(202)の2本の中心線に対して対称に構成されていることを特徴とする、請求項25〜29のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項31】
前記アングル取付具が、金属薄板から打抜き加工と曲げ加工によって製造されていることを特徴とする、請求項25〜30のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項32】
第2の平板状部分(205)に、締結手段用の少なくとも1つの開口(206)があけられていることを特徴とする、請求項25〜31のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項33】
前記長孔(208、209、211、212)として設計された前記開口(206)を用いて家具本体が垂直方向に調整可能であることを特徴とする、請求項25〜32のいずれか一項に記載のアングル取付具。
【請求項34】
締結手段を介して第2の取付具部品(302)に取付け可能な第1の取付具部品(303)を備え、前記両取付具部品(302、303)が打抜き加工と曲げ加工によって製造された多部品取付具(301)、特に壁取付け用の多部品取付具において、
前記第1の取付具部品(303)が、所定の破断点として設計されたウェブ(311)を介して前記第2の取付具部品(302)に接続されていることを特徴とする、多部品取付具。
【請求項35】
分離された状態では、前記第1の取付具部品(303)が前記第2の取付具部品(302)に対して高さ調整可能であることを特徴とする、請求項34に記載の多部品取付具。
【請求項36】
分離された状態では、前記第1の取付具部品(303)が前記第2の取付具部品(302)に対して水平方向に調整可能であることを特徴とする、請求項34または35に記載の多部品取付具。
【請求項37】
前記第1の取付具部品(303)が、少なくとも1つの帯状突出部(314、315)を備えることを特徴とする、請求項34〜36のいずれか一項に記載の多部品取付具。
【請求項38】
前記第2の取付具部品(302)が、前記第1の取付具部品(303)を固定可能な複数のリブおよび溝(306)が設けられた平板状部分(304)を有していることを特徴とする、請求項34〜37のいずれか一項に記載の多部品取付具。
【請求項39】
前記第1および第2の取付具部品(302、303)が、それぞれねじを通過させる少なくとも1つの開口(305、312)を有していることを特徴とする、請求項34〜38のいずれか一項に記載の多部品取付具。
【請求項40】
前記第2の取付具部品(302)がアングル材として構成されており、第1の平板状部分(304)が壁に取付け可能において、第2の平板状部分(308)が家具本体に固定可能であることを特徴とする、請求項34〜39のいずれか一項に記載の多部品取付具。
【請求項41】
多部品取付具(301)、特に家具用の多部品取付具を製造する方法であって、
金属薄板を打抜きおよび曲げ加工位置に送給するステップと、
個々の取付具部品(302、303)が所定の破断点として設計されたウェブ(311)を介して分離可能に互いに接続された多部品取付具(301)を打抜き加工および曲げ加工するステップと、
を備える方法。
【請求項42】
前記多部品取付具(301)が、様々な位置で確実および/または非確実に互いに取り付け可能な取付具部品(302、303)からなることを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2012−510035(P2012−510035A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537908(P2011−537908)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063595
【国際公開番号】WO2010/060688
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(507335056)ヘティッヒ‐ハインゼ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063595
【国際公開番号】WO2010/060688
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(507335056)ヘティッヒ‐ハインゼ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー (11)
【Fターム(参考)】
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