説明

受信器/デコーダの局所的な権限に従って可変な外乱を有してマルチメディアコンテンツを表示する方法

マルチメディアコンテンツ用受信器/デコーダ(RD)は、マルチメディアコンテンツを表すデータと、そのマルチメディアコンテンツに関連する外乱データとを受け取る。受信器/デコーダ(RD)は、マルチメディアコンテンツを表すデータを、自身に局所的に記憶されている関連する外乱データに基づいて処理する。次いで、受信器/デコーダ(RD)は、複数の外乱レベルの中の、局所的な妨害権も依存する外乱レベルに従って、外乱データによって定義される外乱を伴って表示するために、マルチメディアコンテンツを表示手段(SV)に送信する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝播を介した(すなわち、ブロードキャスティングによる又はポイント・ツー・マルチポイントによる(例えば、ケーブル又は衛星を介したテレビ放送))又はブロードバンドを介した(例えば、IPにおけるテレビ放送)、通信ネットワークに接続されている受信器/デコーダへのマルチメディアコンテンツの送信に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで、「受信器/デコーダ」とは、一方で、少なくともコンテンツデータの通信ネットワーク(有線又は無線)ブロックから受信することができる通信手段と、他方で、受け取ったコンテンツデータのブロックを処理することができ、それにより、コンテンツデータによって定義されるコンテンツがあらゆるタイプの表示手段(例えば、スクリーン、映像投影機又は旧来の映写機)を介して表示され得るようにする復号化手段とを有するあらゆるタイプの装置をいう。結果として、それは、例えば、場合によりテレビ受像機の一部であるデジタルデコーダ若しくはセットトップボックス型の装置、固定式の若しくは持ち運び可能なコンピュータ、固定式の若しくは持ち運び可能な電話機、通信可能なパーソナルデジタルアシスタント(PDA)、又は輸送車両に装着された、場合によりTNT/DVB−Hタイプの移動体端末に関係することがある。
【0003】
更に、ここで、「マルチメディアコンテンツ」とは、場合により音響を伴う少なくとも画像シーケンス(例えば、ビデオ、映画又はテレビ番組)を定義するあらゆるタイプのデータの組をいう。また、「マルチメディアコンテンツ」は、単純に、音響又はテキストデータであってもよい。
【0004】
以降、本明細書で、マルチメディアコンテンツの視聴又は表示について言及がなされるが、より広くはコンテンツ表示(テキスト表示を介した又は混合された視覚的な表示、音響)が含まれることは明らかである。
【0005】
マルチメディアコンテンツ視聴モードは「ペイ・パー・ビュー」と呼ばれる期間の間存続していることが、当業者に知られている。この視聴モードは、(場合により、予約申込みの形での)支払いに従って定義されるアクセス権によって条件付けられた、一般に暗号化されているマルチメディアコンテンツへのアクセスに基づく。アクセス権の利益を享受するクライアントは、自身の受信器/デコーダにおいて、(例えば、有料のテレビ番組の場合に)自身が要求した又は自身の予約申込みの一部である、キーを介して暗号化されたマルチメディアコンテンツを受け取る。クライアントは、更に、マルチメディアコンテンツ暗号化キーが再生されることを可能にするアクセス権制御データ(通常、ECM(Entitlement Control Messages)として知られるメッセージ、又はDRM(Digital Rights Management)システムで使用されるライセンスに含まれる。)を受け取る。一般に、クライアントは、クライアントのコンテンツへのアクセス権を記憶しており且つクライアントの受信器/デコーダに挿入されるべきスマートカードを有する。カードに記憶されているセキュアド(secured)データは、アクセス権制御データを用いて暗号化キーを再生し、受け取ったマルチメディアコンテンツの少なくとも一部を復号化して、付随する表示手段によるそれらの表示を可能にするために、受信器/デコーダにより使用される。
【0006】
マルチメディアコンテンツのこのようなブロードキャストシステムは、特に、米国特許出願公開第2004/068541(A1)号明細書(特許文献1)に記載されている。
【0007】
他に、米国特許第6937730(B1)号明細書(特許文献2)では、ユーザに提示される前にコンテンツ(特に、衝撃的な又は細心の注意を払うべきコンテンツ)がマスキングされ得るシステムが知られている。コンテンツ送信チャネルが信頼できるか否かに依存して且つユーザの受信器が信頼できるか否かに依存して、コンテンツをマスキングする動作は、送信チェーンにおける受信器のアップストリームで、又は受信器自体によって、行われる。ユーザに提示されるコンテンツに対するマスクの有無は、ユーザの同一性と、ユーザがそのコンテンツに応じる権限を与えられているか否かとに依存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/068541(A1)号明細書
【特許文献2】米国特許第6937730(B1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の「ペイ・パー・ビュー」視聴モードの欠点は、全部か又は何もないかのどちらかしかないという事実にある。より具体的に、ユーザはコンテンツへのアクセス権を有し、復号化されたマルチメディアコンテンツを見ることができるか、あるいは、ユーザは、アクセス権を有さず、暗号化されたマルチメディアコンテンツ、又は、例えば、アクセス権を購入するよう提案する可能なメッセージを伴った、一般にモノクロの固定画像しか見ることができないか、のどちらかである。言い換えると、受け取ったマルチメディアコンテンツに対するアクセス権を有さない者は、後者の場合に、マルチメディアコンテンツが自身にとって関心があるものであるかどうかを知ることができない。
【0010】
更に、特許文献2に記載されるシステムは、同じ欠点を有し、すなわち、全部か又は何もないかのどちらかである。ユーザはコンテンツに応じる権限を付与されたユーザとして認められるか、あるいは、ユーザは権限を認められず、そのコンテンツを決して見ることができないか、のどちらかである。
【0011】
従って、本発明は、このような欠点を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的のために、本発明は、まず第1に、マルチメディアコンテンツを表示する方法であって、前記マルチメディアコンテンツを表すデータ及び前記マルチメディアコンテンツに関連する外乱データを受信器/デコーダ(RD)で受け取るステップと、前記マルチメディアコンテンツを表す前記データを、関連する外乱データに従って且つ前記受信器/デコーダに局所的に記憶されている妨害権に従って処理するステップと、局所的な妨害権に依存する外乱レベルに従って、前記外乱データによって定義される外乱を有して前記マルチメディアコンテンツを表示するステップとを有する方法を提案する。
【0013】
本発明に従う方法は、予備的なステップとして、妨害権の管理のための妨害権管理メッセージを前記受信器/デコーダ(RD)を介して受け取るステップと、前記妨害権管理メッセージに含まれる情報に従って、前記受信器/デコーダで局所的な妨害権を記憶し及び/又は更新するステップとを有する。
【0014】
第1実施形態に従って、本発明に従う方法は、前記マルチメディアコンテンツの表示において前記外乱レベルを低下させるユーザコマンドを受け取るステップと、前記受信器/デコーダに予め記憶されているトークンの数を減少させることによって局所的な妨害権を更新し、前記トークンの数は前記ユーザコマンドを介して決定されるステップと、更新された前記局所的な妨害権に依存する新たな外乱レベルに従って、前記マルチメディアコンテンツの表示を変更するステップとを更に有することができる。
【0015】
第2実施形態に従って、本発明に従う方法は、前記マルチメディアコンテンツの表示において前記外乱レベルを低下させるユーザコマンドを受け取るステップと、管理モジュール(MGN)を含む遠隔サーバからのトークンの獲得を通じて前記局所的な妨害権を更新するための要求を送信するステップと、前記トークンの獲得が前記遠隔サーバを介して行われる場合に、局所的な妨害権の更新を含む妨害権管理メッセージを前記受信器/デコーダ(RD)を介して受け取るステップと、前記妨害権管理メッセージに含まれる情報に従って、前記受信器/デコーダで局所的な妨害権を更新するステップと、更新された前記局所的な妨害権に依存する新たな外乱レベルに従って、前記マルチメディアコンテンツの表示を変更するステップとを更に有することができる。
【0016】
本発明の優先的な特徴に従って、外乱インテグリティデータが、前記マルチメディアコンテンツを表すデータ及び前記マルチメディアコンテンツに関連する外乱データとともに受信器/デコーダで受け取られ、当該方法は、前記マルチメディアコンテンツの表示の前に、外乱インテグリティデータを用いて、受け取った外乱データのインテグリティを確認するステップと、
前記インテグリティを確認するステップで前記外乱データが誤っていることが明らかになる場合に、所定の最大外乱レベルを有して前記マルチメディアコンテンツを表示するステップ、又は
前記インテグリティを確認するステップで前記外乱データが正しいことが明らかになる場合に、前記受信器/デコーダ(RD)の前記局所的な妨害権に依存する外乱レベルを有して前記マルチメディアコンテンツを表示するステップと
を更に有する。
【0017】
本発明の方法の他の具体的な特徴に従って、前記受信器/デコーダ(RD)が前記マルチメディアコンテンツを表すデータを受け取っている間、データは暗号化された形で受け取られ、前記マルチメディアコンテンツを表すデータを受け取るステップは、前記受信器/デコーダによるアクセス権制御データの受信を含む。前記受信器/デコーダで前記マルチメディアコンテンツを表すデータを処理する前に、当該方法は、前記受信器/デコーダが前記マルチメディアコンテンツにアクセスする権利を有する場合、アクセス権制御データから得られる暗号キーを用いて、前記マルチメディアコンテンツを表すデータを復号化するステップを更に有する。
【0018】
本発明の有利な特徴に従って、前記外乱インテグリティデータ及び前記アクセス権制御データは、望ましくは暗号化を介して、保護メッセージにおいて前記受信器/デコーダによって受け取られる。
【0019】
本発明の方法は、個々に又は組み合わせて採られる他の具体的な特徴を有することができる。具体的に:
− 前記外乱データは、少なくとも部分的に前記マルチメディアコンテンツをマスキングすることを目的とする外乱コンテンツ、又は前記マルチメディアコンテンツの表示をその表示の間変更することを目的とする前記マルチメディアコンテンツの変更データを含んでよい。
− 前記外乱データは、異なったユーザプロフィールに関連する複数の異なったパブリシティコンテンツを含むことができ、当該方法は、前記マルチメディアコンテンツの表示の間外乱の形で挿入されるパブリシティコンテンツを前記受信器/デコーダで決定するステップを更に有することができる。
− 局所的な妨害権に依存する外乱レベルに従って前記外乱データによって定義される外乱を有して前記マルチメディアコンテンツを表示するステップの前に、当該方法は、所定の期間の間、如何なる外乱も伴わずに前記マルチメディアコンテンツを表示するステップを有することができる。
【0020】
本発明は、また、マルチメディアコンテンツの受信器/デコーダであって、前記マルチメディアコンテンツを表すデータ及び前記マルチメディアコンテンツに関連する外乱データを通信ネットワークから受け取るよう備えられた通信手段と、前記マルチメディアコンテンツを表す前記データを、関連する外乱データに従って且つ当該受信器/デコーダに局所的に記憶されている妨害権に従って処理するとともに、前記局所的な妨害権に依存する外乱レベルに従って、前記外乱データによって定義される外乱を有して前記マルチメディアコンテンツを表示手段に提供するよう備えられた復号化手段とを有する受信器/デコーダを提案する。
【0021】
本発明は、また、通信ネットワークに接続されている受信器/デコーダに送信されることを目的とするマルチメディアコンテンツのプロバイダ装置であって、前記マルチメディアコンテンツを表すデータを前記受信器/デコーダに局所的に記憶されている妨害権に従って処理し、前記マルチメディアコンテンツを該マルチメディアコンテンツに関連する外乱データによって定義される外乱を有して前記局所的な妨害権に依存する外乱レベルに従って表示するために前記受信器/デコーダによって用いられることを目的とする、前記マルチメディアコンテンツに関連する前記外乱データの生成のための手段を有する装置に関する。
【0022】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な記載及び添付の図面を参照することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】いずれも通信ネットワークに接続されている本発明に従うマルチメディアコンテンツ提供装置の実施形態及び本発明に従う受信器/デコーダの実施形態を有する通信設備の一例を図式的且つ機能的に示す。
【図2】灰色の長方形の形で示されている外乱を有して表示されている画像の第1の例を図式的に示す。
【図3】パブリシティバナーの形で示されている外乱を有して表示されている画像の第2の例を図式的に示す。
【図4】灰色の長方形の形で及びパブリシティバナーの形で夫々示されている2つの外乱を有して表示されている画像の例を図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の目的は、通信ネットワークに接続されている受信器/デコーダによる、局所的な権利に従う可変な外乱を伴ったマルチメディアの視聴を可能にすることである。
【0025】
以下、非制限的な例として、通信ネットワークは衛星ネットワークであると考えられる。しかし、本発明は、接続されている(あるいは、中継を介して到達され得る)受信器/デコーダへ、ポイント・ツー・マルチポイント(すなわち、ブロードキャスト)モード又はポイント・ツー・ポイント(すなわち、ユニキャスト)モードで、ブロードキャストチャネルにおいて、マルチメディアコンテンツを定義するデータブロックを送信することができるあらゆるタイプの通信ネットワークに関する。このようにして、本発明は、また、例えば、xDSLタイプのケーブルネットワーク若しくは電話ネットワーク等の高ビットレートの有線ネットワークと、LAN(Local Area Network)タイプのケーブルネットワーク若しくは電話ネットワーク等の局所的な有線ネットワークと、移動体又は携帯電話ネットワーク(GSM/GPRS、EDGE、UMTS、CDMA2000及びそれらの拡張等)及び局所的な無線ネットワーク(WLAN(Wireless Local Area Network標準規格−IEEE802.11、Wi−Fi、Wi−Fi MIMO、ETSI HiperLAN/2)、ブルートュース(IEEE802.15)及びWiMAX(IEEE802.16、ETSI HiperMAN)及びZigbee)の無線通信ネットワークとにも関する。
【0026】
図1で図式的に示されているように、本発明の実施には、通信ネットワークRC、マルチメディアコンテンツ提供装置ER、及びコンテンツ表示手段SVと結合されている受信器/デコーダRDが必要とされる。
【0027】
例えば、マルチメディアコンテンツ提供装置ERは、望ましくは暗号化されたコンテンツデータのブロックの形で、例えばテレビ番組等のマルチメディアコンテンツ(一般に音響トラックを伴う画像シーケンス)を供給するコンテンツサーバである。例えば、このコンテンツサーバERは、IP(Internet Protocol)パケットの形で暗号化されているコンテンツデータのブロックを供給するIPサーバである。このコンテンツサーバERは、通信ネットワークRCに接続されている少なくとも1つの通信モジュールMC1と、本発明に従うマルチメディアコンテンツ提供装置Dと、受信器/デコーダRDに送信されるマルチメディアコンテンツを記憶するコンテンツデータベースBDCとを有する。変形例として、装置Dがそれ自体コンテンツデータベースBDC及び/又は通信手段MC1を有してよいことは、明らかである。
【0028】
本発明に従う装置Dは、少なくとも、第1の暗号化モジュールMG1と、第2の外乱データ生成モジュールMG2とを有する。
【0029】
第1の暗号化モジュールMG1はコンテンツデータベースBDCと結合されており、記憶されているマルチメディアコンテンツデータブロックを暗号化し、それらの暗号化されたブロックを、受信器/デコーダRDへの送信を目的として、通信モジュールMC1に結合されている出力部で供給する。暗号化はキーを用いて行われ、キー自体は、暗号化モジュールMG1が自身の出力部で供給するコンテンツアクセス権制御データ(例えば、ECMメッセージ又はライセンス)において送信される。
【0030】
第2の外乱データ生成モジュールMG2は、少なくとも外乱データを出力部で供給することができる。外乱データはコンテンツ外乱を表し、受信器/デコーダRDによって局所的に、受信器/デコーダRDが各自の局所的な妨害権に従って干渉された形で表現するコンテンツの視聴のために送信(ブロードキャスト)されたデータのブロックを処理するために用いられる。
【0031】
ここで、「外乱(妨害)(disturbance)」とは、視聴されるマルチメディアコンテンツにオーバーレイモードで付加され得るもの及びマルチメディアコンテンツの変更又は劣化をいう。このように、外乱は、必ずしも、視聴されるマルチメディアコンテンツの劣化を意味しているわけではない。
【0032】
結果として、外乱データは、ここでは、外乱コンテンツ(例えば、マルチメディアコンテンツに挿入される宣伝(パブリシティ)(publicity))又はマルチメディアコンテンツに適用される外乱の定義(例えば、マルチメディアコンテンツの区域の非表示又は埋め込まれたフレーム若しくは長方形の付加)を構成する全てのものを表す。外乱データは、表示の間マルチメディアコンテンツ一部分をマスキングするようマルチメディアに付加されているデータ、又はこのコンテンツの外観をその表示の間変更するマルチメディアコンテンツ変更データである。
【0033】
外乱の例が図2〜4に示されている。
【0034】
図2に示される例は、選択された区域(その場所は画像ごとに異なってよい。)での、灰色で塗りつぶされた長方形の挿入(又は灰色画素による一部の画素の置換)を伴う(ある選択された遅延後の)表示コンテンツの各画像の外乱に対応する。図3に示される例は、選択された区域(その場所は画像ごとに異なってよい。)での、パブリシティメッセージを含むバナーの挿入(又は灰色画素による一部の画素の置換)を伴う(ある選択された遅延後の)表示コンテンツの各画像の外乱に対応する。
【0035】
また、外乱データは、少なくとも2つの異なるタイプの外乱の組合せに対応してもよい。とりわけ、これは、図4に示される例における場合である。この場合に、(ある選択された遅延後の)表示コンテンツの各画像は、選択された区域(その場所は画像ごとに異なってよい。)での、灰色で塗りつぶされた長方形の挿入と、パブリシティメッセージを含むバナーの挿入(その場所は画像ごとに異なってよい。)とを伴う。
【0036】
外乱及び外乱の組み合わせの多数の他の例が、漸進的な又は不変の特徴を有して考えられ得る。
【0037】
留意すべきは、外乱データの形で供給されるコンテンツの外乱は妨害権に従ってマルチメディアコンテンツに適用される点である。この妨害権はマルチメディアコンテンツアクセス権と混同されてはならない。かかる妨害権は、局所的に適用される外乱のレベルを定義する。例えば、外乱のレベルは、元のマルチメディアコンテンツでのオーバーレイとして表示される外乱データの透明度のレベル(0%(完全に透明)から100%(完全に不透明))であってよい。外乱データが音声データである場合、外乱のレベルは音量であってもよい。
【0038】
あらゆるタイプのコンテンツ外乱が考えられ得、特に:
− マルチメディアコンテンツの画像への、例えば、視聴されるマルチメディアコンテンツのプロバイダからの他のパブリシティコンテンツを含むバナーのオーバーレイ、
− マルチメディアコンテンツの画像への、視覚的な又は音声の著作権メッセージのオーバーレイ、
− マルチメディアコンテンツの画像への、例えば、コンテンツによって定義される番組を購入する案内等の情報メッセージのオーバーレイ、
− マルチメディアコンテンツの画像への、例えば、名前及び/又は通信識別子等の関連するユーザを表す少なくとも1つの識別子のオーバーレイ、
− マルチメディアコンテンツに無関係な音響の付加、
− 画像シーケンスに付随する音響の劣化又は抑制、
− 例えば、黒又は白のスクリーン背景等の少なくとも1つの固定のモノクロ画像(又はブランク画像)による、視聴されるマルチメディアコンテンツの置換、
− 少なくとも1つの選択されたタイプによって定義される、視聴されるマルチメディアコンテンツの画像の劣化(最適な品質レベルと劣化したレベルとの間での漸進的な劣化、選択された妨害権によって定義される劣化定数、画像の一部分のみの劣化、画像区域の回転、画像の一部分の非表示、等)
がある。
【0039】
留意すべきは、複数の外乱タイプが同時に適用されてよい点である。
【0040】
更に、外乱データは、場合により、異なったユーザプロフィールと関連付けられている複数の異なったパブリシティコンテンツを定義することができる。この場合に、視聴されるマルチメディアコンテンツに(オーバーレイとして)挿入されるパブリシティコンテンツは、局所的に、(ローカルメモリに記憶されている)ユーザプロフィールに従って受信器/デコーダの復号化モジュールMDによって選択される。
【0041】
コンテンツ外乱は、場合により、それらが補完するコンテンツに準じてよく、望ましくは、第2の外乱データ生成モジュールMG2は、図1に示されるように、第1の暗号化モジュールMG1と結合され、それらの動作は同期する。
【0042】
暗号化された(符号化された)コンテンツデータ、相補的な外乱データ(例えば、外乱の内容(文字、画像、等)と、画面における位置付けとを含む。)、及びコンテンツアクセス権に対する制御データ(コンテンツ暗号化キーを含む。)のブロックは、通信モジュールMC1によってネットワークRCに送信され、これにより、次いで、ネットワークRCは、それらのブロックを、関連する受信器/デコーダRDに送信することができる。
【0043】
望ましくは、データがブロードキャストタイプの伝播によって送信される場合、コンテンツデータのブロックは、外乱データとともに、トランスポートストリームにおいてブロードキャストチャネルで送信される。例えば、符号化の基準ISO/IEC13818−1が使用される場合に、映像を含むデータのブロックは第1の特定の識別子PID(パケット識別子)を有するパケットにおいて送信され、音声を含むデータのブロックは第2のPIDを有するパケットにおいて送信され、外乱データは第3のPIDを有するデータのパケットにおいて送信される。更に、アクセス権制御データは、例えば、それ自体が自身に特有のPIDを有するパケットにおいて送信されるECM(Entitlement Control Message)タイプの相補的メッセージにおいて、ブロードキャストチャネルで送信される。望ましくは、このようなECMタイプのメッセージは符号化によって保護され、認証されている受信器/デコーダのみが、ECMが復号化されることを可能にするキーを有する。データがブロードバンド伝播モードで送信される場合、コンテンツデータのブロックは、外乱データ及びアクセス権制御データとともに、ブロードキャスト又はマルチキャストストリームにおいて送信される。
【0044】
また、コンテンツとともに送信される外乱データのインテグリティの確認のためのメカニズムが設けられてよいことが分かる。このために、装置Dは、予めアクセス権制御データを含む(ECMタイプの)保護されたメッセージにおいて優先的に送信される外乱インテグリティデータを外乱データに付加することができる。インテグリティデータは、例えば、外乱データへのハッシュ関数の適用によって、送信されるマルチメディアコンテンツに適用され得る外乱データに従って生成される。
【0045】
このインテグリティデータは、次いで、外乱データが(例えば、外乱を最小限とするよう)不法に変更されていないことを確かめるために夫々の受信器/デコーダによって使用される。
【0046】
装置Dが本発明に従って場合により有することができる追加のモジュールについては、後で論じる。
【0047】
夫々の受信器/デコーダRDは、少なくとも1つの通信モジュールMC2と、復号化モジュール(又はユニット)MDとを有する。
【0048】
例えば、受信器/デコーダRDは、セットトップボックス、又は通信設備のデジタルデコーダタイプの装置である。それは、例えば、テレビ受像機SV(例えば、図1に示される例)、固定の若しくは持ち運び可能なコンピュータ、固定の若しくは持ち運び可能な電話機、通信可能なデジタルパーソナルアシスタント(すなわち、PDA)、又は輸送車両に装着された、場合によりTNT/DVB−Hタイプの移動体端末に接続され、又はそれらの一部であってよい。
【0049】
通信モジュールMC2は、通信ネットワークRCに結合される。通信モジュールMC2は、ブロードキャストチャネルで、一方では、コンテンツデータ(望ましくは、符号化されている。)及び相補的な外乱データを、他方では、保護されているメッセージにおいて送信されるアクセス権制御データ及び外乱インテグリティデータを受信することに少なくとも関与する。これらのデータは全てコンテンツサーバERから発せられる。
【0050】
復号化モジュールMDは、通信モジュールMC2がネットワークから受信したRCコンテンツデータ、外乱データ、外乱インテグリティデータ及びアクセス権制御データを受け取るために、通信モジュールMC2に結合されている。
【0051】
復号化モジュールMDは、視聴されるコンテンツが局所的な妨害権に従って夫々の外乱を組み込むように、受信器/デコーダRDに局所的に記憶されている妨害権に従って、且つ、コンテンツに対し相補的に受信される関連する外乱データに従って、コンテンツデータのブロックを処理することに関与する。
【0052】
図1に示されるように、復号化モジュールMDは復号化サブモジュールSMDを有し、復号化サブモジュールSMDは、例えば、コンテンツデータが、視聴されるコンテンツを伝達するために、符号化された形で受信される場合に、このコンテンツデータのブロックを復号化することに関与する。モジュールMDは、更に、復号化サブモジュールSMDの出力部に結合されており、視聴されるコンテンツに対して局所的な(すなわち、考えられている受信器/デコーダRDに特有の)妨害権に従って外乱を付加することに関与する外乱統合サブモジュールSMPを有する。
【0053】
この局所的な妨害権は、例えば、(DRMシステムで使用される限定受信方式(conditional access systems)又はラインセンス(Licences)においてEMM(Entitle Management Message)として知られるメッセージと類似する)妨害権管理メッセージにおいて、予め受信器/デコーダRDで受信されている。このような妨害権管理メッセージは、具体的に受信器/デコーダにアドレッシングされて、単一の受信器/デコーダ(又は決定された受信器/デコーダのグループ)を対象とする。このような妨害権管理メッセージは、コンテンツ自体に対して非相関であるように送信される。通常、コンテンツがブロードキャストタイプの伝播によって送信される場合、妨害権管理メッセージは、ストリームにおいてカルーセル(carrousel)で、すなわち、繰り返し、送信される。コンテンツがブロードバンド伝播モードで送信される場合、妨害権管理メッセージは、サーバERと受信器/デコーダRDとの間で、ユニキャストストリームで送信される。新たな妨害権管理メッセージは、ユーザが自身の予約申し込みを変更する場合に、又はユーザが例えば外乱を低減すべく追加の権利を購入する場合に、受信器/デコーダにアドレッシングされる。
【0054】
サブモジュールSMD及びSMPは、実施例では、アクセス制御モジュールMCAに接続されている。このアクセス制御モジュールMCAは、セキュアド(secured)ローカルメモリに記憶されているセキュアドメッセージ及びアクセス権制御データを用いてコンテンツ符号化キーを再生する。
【0055】
ローカルメモリは、例えば、スマートカードCPに含まれている。この場合に、図1に示されるように、アクセス制御モジュールMCAは、スマートカードCPを受容し且つそのメモリ内に記憶されている情報を読み出すことができるカードリーダLCを有する。
【0056】
コンテンツ符号化キーが決定されると、アクセス制御モジュールMCAはそれらをサブモジュールSMDに送信する。次いで、サブモジュールSMDは、受信されている符号化されたコンテンツデータのブロックを復号化することができる。
【0057】
結果は、外乱統合サブモジュールSMPに送信されるコンテンツの部分である。外乱統合サブモジュールSMPは、選択された存続期間にわたって如何なる外乱も伴わない視聴を可能にするために、マルチメディアコンテンツの局所的受信の開始に続く選択された存続期間の間停止される。この場合に、外乱統合サブモジュールSMPは、復号化サブモジュールSMDによって復号化されたコンテンツの部分を表示手段SVに直接に送信し、これにより、マルチメディアコンテンツは、如何なる外乱も伴わずに表示され始める。
【0058】
変形例で、受信された外乱データは、外乱統合サブモジュールSMPに、購入されているトークンの数に依存する外乱レベルに従ってマルチメディアコンテンツへのアクセスを提案する情報メッセージを、視聴されるマルチメディアコンテンツの各画像(又は画像のグループ)に挿入させる。実際に、ユーザは、例えば、トークン(token)の形で、外乱を低減する追加の権利を購入することができる。決定された数のトークンの購入は、局所的な妨害権が、表示コンテンツの外乱のレベルを低下させるよう変更されることを可能にする。この場合に、ユーザは、情報メッセージとともにマルチメディアコンテンツを見ることから始め、そして、ユーザは、トークンを購入することに決め、この場合に、購入したトークンの数に従う外乱レベル(又は権利)を有して残りのマルチメディアコンテンツを見る。あるいは、ユーザがトークンを購入することを拒む場合、ユーザは、マルチメディアコンテンツとともに受信された外乱データに従って、且つ、受信器/デコーダに記憶されている局所的な妨害権に従って、部分的に又は全体的に干渉された形で、残りのマルチメディアコンテンツを見る。
【0059】
外乱データが直ぐには情報メッセージの挿入を課さない場合、アクセス制御モジュールMCAは、局所的な妨害権が低めることを可能にする多数のトークンを購入するよう受信器/デコーダRDのユーザに提案するメッセージを表示手段SVにより表示するよう命じることができる。
【0060】
ここで、「高められた妨害権」とは、強められた(又は高レベルの)外乱に対応する権利をいい、「低い妨害権」とは、低レベルの外乱をいう。
【0061】
非制限的な例として、1つのトークンの購入は、高められた妨害権(しかし、最大ではない。)に従う視聴を可能にし(例えば、パブリシティバナーの挿入と組み合わされた画像及び/又は音響品質の平均的な劣化)、3つのトークンの購入は、平均的な妨害権に従う視聴を可能にし(例えば、パブリシティバナーの挿入と組み合わされた画像及び/又は音響品質の低度の劣化)、5つのトークンの購入は、低い妨害権に従う視聴を可能にし(例えば、画像及び/又は音響品質の低度の劣化)、10個のトークンの購入は、無効な妨害権に従う視聴を可能にする(外乱を伴わない、最適な画像及び音響品質に対応)。
【0062】
ユーザによって購入されるトークンの数(ここでは、0から10までの間の数)は、銀行口座(bank account)又はローカルアカウント(local account)から引き落とされるべき金額に対応する。
【0063】
例えば、アクセス制御モジュールMCAは、ユーザが購入したいと望むトークンの数を、ローカルメモリMYに記憶されている予め購入してあるトークンの数から削減するよう構成される。ローカルメモリMYは、例えば、スマートカードCPに含まれる。この場合に、カードリーダLCは、また、メモリMYに記憶されている、見つけられる予め購入してあるトークンの数を読み出し、その数を、予め購入してあるトークンの数からユーザが購入したいと望むトークンの数を削除した結果に等しい新たな数により置換することができる。
【0064】
当然、(セキュアドローカルメモリに記憶されているトークンの数を削減することによる)受信器/デコーダの位置で局所的に局所的な妨害権を更新するこのような方法は、(EMMタイプの)妨害権管理メッセージの送信による上記の局所的な妨害権の更新の方法に代わるものである。
【0065】
記憶されているトークンの数が十分に多くない場合、又はアクセス制御モジュールMCAが引き落とし(又は削減)動作を行うよう設計されてない場合、アクセス制御モジュールMCAは、通信ネットワークの帰路チャネル(必ずしも、ブロードキャストチャネルに使用されるRCと同じであるわけではない。)で、コンテンツサーバERに装備された装置Dとの接続を確立することができる。次いで、アクセス制御モジュールMCAは、受信器/デコーダRDの通信チャネルMC2に、ユーザによって行われるトークンを購入するための要求をコンテンツサーバERに送信するよう命令することができる。
【0066】
この場合に、装置Dは、通信モジュールMC1に結合されており、購入要求を行ったユーザに属するアカウント(銀行口座、又は予め購入してあるトークンのアカウント)の引き落としを準備することに関与する管理モジュールMGNを有する。これが可能であるならば、管理モジュールMGNは、ユーザによって選択されたトークンの数の購入に対応するアカウントによって、又は選択されたトークンの数によって、アカウントを借記する。次いで、管理モジュールMGNは、通信モジュールMC1に、要求されたトークンの数の購入(又は購入要求の拒絶)を確認するメッセージを送り、通信モジュールMC1は、そのメッセージを、望ましくは通信ネットワークRCのブロードキャストチャネルで、(ユニキャストモードにおいて)関連する受信器/デコーダRDに送信することができる(なお、これは、一般的に双方向タイプである帰路チャネルで同じように行われてよい。)。関連する受信器/デコーダRDの通信モジュールMC2がこのようなメッセージを受け取ると、通信モジュールMC2は、そのメッセージを復号化モジュールMDに送り、復号化モジュールMDはメッセージをアクセス制御モジュールMCAに転送する。
【0067】
当然、管理モジュールMGNは、必ずしもコンテンツ分配サーバDに含まれるわけではない。それは、また、金融仲介機関(例えば、銀行)のサーバの一部であってよい。
【0068】
装置Dは、また、受信器/デコーダRDに配信されるコンテンツへのアクセス権データを決定することに関与する制御モジュールMCTを有してよい。この場合に、制御モジュールMCTは、受信器/デコーダRDのユーザが自身の予約申込み又はペイパービュー・コンテンツの特定の購入に従ってどのようなコンテンツタイプを見ることを認められているのかを、クライアントデータベースにおいて決定する。この動作モードは、特に、有料のテレビジョンアプリケーション又はCATV(条件付きアクセス(Conditional Access)TV)で知られている。
【0069】
夫々の受信器/デコーダに特有のこのアクセス権データは、一般に、受信器/デコーダへ、関連する妨害権とともに、各月の始めに送信される。データは、例えば、EMM(Entitled Management Message)タイプの、特に受信器/デコーダへの相補的なメッセージアドレスにより、ストリームにおいて、ブロードキャストで送信される。受信器/デコーダRDの通信モジュールMC2がこのような相補的なメッセージを受信すると、通信モジュールMC2は、アクセス権データ及び妨害権データを復号化モジュールMDに送り、次いで、それらをカードCPのメモリに安全な方法で記憶する。
【0070】
当然、コンテンツへのアクセス権及び局所的な妨害権は、スマートカードのメモリ又はセキュアドUSBキー等のセキュアドメモリに記憶される。それらは、また、例えば、証明書によって保護されるキーを用いて符号化することによってそれ自体保護されているライセンスファイルDRMに含まれてもよい。コンテンツへのアクセス権及び妨害権に適用し又はそれらを処理する、図1に示されるモジュールMCA、SMD及びSMPも保護されるべきである。それは、セキュアドプロセッサ(例えば、スマートカード)によって実行されるアプリケーション又はセキュアコーディング(secure coding)によって保護されているアプリケーションである。
【0071】
受信器/デコーダRDは、その復号化モジュールMDで、コンテンツデータ、外乱データ、外乱インテグリティデータ及びアクセス権制御データのブロックを受け取る場合に、(通常、MCAモジュール又はSMDモジュールで)2つの確認を行う。第1の確認には、受信器/デコーダRDのセキュアドメモリ(例えば、カードCPのメモリ)に記憶されているアクセス権データを、コンテンツとともに送信されたアクセス権制御データと比較して、デコーダのユーザが、このコンテンツを受信するとともに、以前に見たコンテンツの符号化キーを再生することを実際に認められていることを確定的にすることが含まれる。第2の確認は、受信された外乱データのインテグリティを外乱インテグリティデータを用いて確認するために行われる。例えば、インテグリティデータが外乱データにハッシュ関数を適用して(サーバERによって)生成される場合、受信器/デコーダRDでの確認には、受信された外乱データに同じハッシュ関数を適用して、この計算の結果を、受信された外乱インテグリティデータと比較することが含まれる。
【0072】
この第2の確認により外乱データが誤っている(すなわち、外乱データがその最初の内容に対して変更されている)ことが明らかになった場合、局所的な妨害権が何であろうと、最大外乱レベルが、受信器/デコーダRDによって、コンテンツの表示において適用される。
【0073】
しかし、第2の確認により外乱データが正しいことが明らかになった場合、サブモジュールSMPは、局所的な妨害権に依存する外乱レベルに従って、外乱データによって定義される外乱を適用する。更に、受信器/デコーダのユーザは、新しい妨害権(実際には、外乱を低減する権利)を局所的に取得することによって、又は例えば自身のスマートカードからトークンを削除することによって、又はサーバERとの交換によって、外乱のレベルを低下される。
【0074】
当然、ユーザが、関心のある1つの番組から他の番組に頻繁に移って、外乱統合メカニズムが関心のある番組に全く連続的に寄与する方法であることを毎回解除することを回避するよう、外乱統合サブモジュールSMPは、選択された数の(例えば、専用カウンタによりカウントされる2又は3の)変更の後、最も高い妨害権(高レベルの外乱。例えば、音響が伴わない固定のモノクロ画像)をコンテンツに自動的に適用するよう構成されることが考えられ得る。
【0075】
また、当然、局所的な妨害権の決定がない場合、外乱統合サブモジュールSMPは、優先的に、最も高い妨害権(高レベルの外乱。例えば、音響が伴わない固定のモノクロ画像)を、視聴される復号化されたコンテンツへデフォルトで自動的に適用するように構成される。
【0076】
また、当然、復号化モジュールMD及び例えばその外乱統合サブモジュールSMPは、受信器/デコーダRDの出力部の1つ又は表示手段SVに結合されるローカルコンテンツ記録装置に、受信器/デコーダの局所的な妨害権又は最も高い妨害権(例えば、音響が伴わない固定のモノクロ画像)に対応する外乱を有して復号化されたコンテンツを記録させるように構成されてよい。この前提は、権限付与のないコンテンツの再生を禁止することを目的としている。変形例で、ユーザが購入したトークンに対応する妨害権はコンテンツ再生権も定義することが考えられ得る。例えば、少なくとも1つのユーザ識別子が、誰がコンテンツ再生の起始部にいるのかを決定することができるように、復号化されたコンテンツと同時に記録されることが考えられ得る。
【0077】
優先的に、復号化モジュールMDは、ソフトウェアモジュールの形で実現される。しかし、それは、電子回路(ハードウェア)又はソフトウェアモジュールとハードウェアとの組み合わせの形で実現されてよいことが考えられ得る。
【0078】
同様に、装置Dは、優先的に、アプリケーションモジュールの形で実現される。しかし、それは、電子回路(ハードウェア)又はソフトウェアモジュールとハードウェアとの組み合わせの形で実現されてよいことが考えられ得る。
【0079】
本発明は、上述される、非制限的な例としてのみ提供されるマルチメディアコンテンツを見るための方法、受信器/デコーダ及びマルチメディアコンテンツ提供装置に係る実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲で定められる技術的範囲内で当業者が想到可能な全ての変形例を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディアコンテンツを表示する方法であって、
前記マルチメディアコンテンツを表すデータ及び前記マルチメディアコンテンツに関連する外乱データを受信器/デコーダで受け取るステップと、
前記マルチメディアコンテンツを表す前記データを、関連する外乱データに従って且つ前記受信器/デコーダに局所的に記憶されている妨害権に従って処理するステップと、
局所的な妨害権に依存する外乱レベルに従って、前記外乱データによって定義される外乱を有して前記マルチメディアコンテンツを表示するステップと
を有する方法。
【請求項2】
予備的なステップとして、
妨害権管理メッセージを前記受信器/デコーダによって受け取るステップと、
前記妨害権管理メッセージに含まれる情報に従って、前記受信器/デコーダで局所的な妨害権を記憶し及び/又は更新するステップと
を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マルチメディアコンテンツの表示において前記外乱レベルを低下させるユーザコマンドを受け取るステップと、
前記受信器/デコーダに予め記憶されているトークンの数を減少させることによって局所的な妨害権を更新し、前記トークンの数は前記ユーザコマンドを介して決定されるステップと、
更新された前記局所的な妨害権に依存する新たな外乱レベルに従って、前記マルチメディアコンテンツの表示を変更するステップと
を更に有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記マルチメディアコンテンツの表示において前記外乱レベルを低下させるユーザコマンドを受け取るステップと、
管理モジュールを含む遠隔サーバからのトークンの獲得を通じて前記局所的な妨害権を更新するための要求を送信するステップと、
前記遠隔サーバを介して行われ得る前記トークンの獲得時の局所的な妨害権の更新を含む妨害権管理メッセージを、前記受信器/デコーダを介して受け取るステップと、
前記妨害権管理メッセージに含まれる情報に従って、前記受信器/デコーダで局所的な妨害権を更新するステップと、
更新された前記局所的な妨害権に依存する新たな外乱レベルに従って、前記マルチメディアコンテンツの表示を変更するステップと
を更に有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
外乱インテグリティデータが、前記マルチメディアコンテンツを表すデータ及び前記マルチメディアコンテンツに関連する外乱データとともに受信器/デコーダで受け取られ、
当該方法は、
前記マルチメディアコンテンツの表示の前に、外乱インテグリティデータを用いて、受け取った外乱データのインテグリティを確認するステップと、
前記インテグリティを確認するステップで前記外乱データが誤っていることが明らかになる場合に、所定の最大外乱レベルを有して前記マルチメディアコンテンツを表示するステップ、又は
前記インテグリティを確認するステップで前記外乱データが正しいことが明らかになる場合に、前記受信器/デコーダの前記局所的な妨害権に依存する外乱レベルを有して前記マルチメディアコンテンツを表示するステップと
を更に有する、ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記受信器/デコーダが前記マルチメディアコンテンツを表すデータを受け取っている間、データは暗号化された形で受け取られ、前記マルチメディアコンテンツを表すデータを受け取るステップは、前記受信器/デコーダによるアクセス権制御データの受信を更に含み、
前記受信器/デコーダで前記マルチメディアコンテンツを表すデータを処理する前に、当該方法は、前記受信器/デコーダが前記マルチメディアコンテンツにアクセスする権利を有する場合、アクセス権制御データから得られる暗号キーを用いて、前記マルチメディアコンテンツを表すデータを復号化するステップを更に有する、ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記外乱インテグリティデータ及び前記アクセス権制御データは、望ましくは暗号化を介して、保護メッセージにおいて前記受信器/デコーダによって受け取られる、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記外乱データは、少なくとも部分的に前記マルチメディアコンテンツをマスキングすることを目的とする外乱コンテンツ、又は前記マルチメディアコンテンツの表示をその表示の間変更することを目的とする前記マルチメディアコンテンツの変更データを含む、ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記外乱データは、異なったユーザプロフィールに関連する複数の異なったパブリシティコンテンツを含むことができ、
当該方法は、前記マルチメディアコンテンツの表示の間外乱の形で挿入されるパブリシティコンテンツを前記受信器/デコーダで決定するステップを更に有する、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
局所的な妨害権に依存する外乱レベルに従って前記外乱データによって定義される外乱を有して前記マルチメディアコンテンツを表示するステップの前に、当該方法は、所定の期間の間、如何なる外乱も伴わずに前記マルチメディアコンテンツを表示するステップを有する、ことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
マルチメディアコンテンツの受信器/デコーダであって、
前記マルチメディアコンテンツを表すデータ及び前記マルチメディアコンテンツに関連する外乱データを通信ネットワークから受け取るよう備えられた通信手段と、
前記マルチメディアコンテンツを表す前記データを、関連する外乱データに従って且つ当該受信器/デコーダに局所的に記憶されている妨害権に従って処理するとともに、前記局所的な妨害権に依存する外乱レベルに従って、前記外乱データによって定義される外乱を有して前記マルチメディアコンテンツを表示手段に提供するよう備えられた復号化手段と
を有する受信器/デコーダ。
【請求項12】
通信ネットワークに接続されている受信器/デコーダに送信されることを目的とするマルチメディアコンテンツを提供する装置であって、
前記マルチメディアコンテンツを表すデータを前記受信器/デコーダに局所的に記憶されている妨害権に従って処理し、前記マルチメディアコンテンツを該マルチメディアコンテンツに関連する外乱データによって定義される外乱を有して前記局所的な妨害権に依存する外乱レベルに従って表示するために前記受信器/デコーダによって用いられることを目的とする、前記マルチメディアコンテンツに関連する前記外乱データの生成のための手段を有する装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2011−517381(P2011−517381A)
【公表日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−548154(P2010−548154)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050314
【国際公開番号】WO2009/112771
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.ZIGBEE
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】